JP2000037944A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP2000037944A
JP2000037944A JP10209166A JP20916698A JP2000037944A JP 2000037944 A JP2000037944 A JP 2000037944A JP 10209166 A JP10209166 A JP 10209166A JP 20916698 A JP20916698 A JP 20916698A JP 2000037944 A JP2000037944 A JP 2000037944A
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silica
layer
vapor phase
phase method
ink
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Yukio Tokunaga
幸雄 徳永
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、インク吸収容量が多く、発色
性に優れかつ耐擦傷性及び光沢性に優れたインクジェッ
ト記録シートを提供することにある。 【解決手段】支持体に近い方から一次粒子の平均粒径が
50nm以下の気相法による合成シリカを含有する層及
びコロイダルシリカを含有する層を少なくとも有するイ
ンクジェット記録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録シートに関し、特にインク吸収容量、発色性、耐擦傷
性及び光沢性に優れたインクジェット記録用シートに関
する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に使用される記
録用シートとしては、通常の紙やインクジェット記録用
紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビ
ニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質の
インク吸収層を設けてなる記録用シートが使用されてき
た。
【0003】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、同64−11877号及び特公平3−5655
2号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水
系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録シ
ートが提案されている。
【0004】また、特開平3−215082号、同4−
67986号、及び同5−32037号、同10−81
064号公報等には、シリカ微粒子やアルミナゾルを水
溶性バインダーと共に支持体表面に塗布した記録シート
が記載されている。
【0005】一方、水溶性ポリマーを主体としたインク
受容層を設けた記録用シートが多数提案されている。例
えば、特開昭60−168651号ではポリビニルアル
コールとポリアクリル酸系水溶性高分子の使用が、特開
昭60−262685号ではヒドロキシエチルセルロー
スの使用が、特開昭61−181679号ではカルボキ
シメチルセルロースとポリエチレンオキサイドの混合物
の使用が、特開昭61−193879号では水溶性セル
ロースとポリビニルピロリドンの混合物の使用が、特開
昭62−263084号では特定pHのゼラチン水溶液
から形成された受容層が、また特開平1−146784
号ではゼラチンと界面活性剤の混合物の使用がそれぞれ
提案されている。
【0006】また、非晶質シリカ等の顔料と特定のバイ
ンダーを含有する記録シートも多数提案されている。例
えば、特開平6−32046号、同6−143800
号、同7−32725号、同7−149037号、同8
−34160号は何れも顔料と特定バインダー、特定化
合物の組み合わせが提案されている。
【0007】また、シリカ微粒子やアルミナゾル等から
なる空隙層の上に水溶性ポリマーからなる膨潤層を設け
た記録シートが特開平9−323475号、同10−8
1064号に、水溶性ポリマーからなるインク保持層の
上に疎水性ポリマーからなる微細多孔質のインク透過層
を有する記録シートが特開昭61−35275号、同6
2−196175号に記載されている。
【0008】また、アルミナゾル等からなる空隙層の上
にシリカゲル層を設けた記録シートが特開平2−276
671号、同3−215081号、同7−76162
号、同8−2087号、同8−2091号、同8−20
93号、同8−72388号、同8−290654号明
細書に記載されている。アルミナゾルを用いた場合、皮
膜強度及び耐水性を上げるために、120℃程度の高温
加熱処理が必要であり、作業性、及び支持体の選択性
(ポリエチレン樹脂被覆紙等は加熱処理によりブリスタ
ーが発生するため使用できない)の問題があり、またイ
ンク吸収性も十分に満足できるものではなかった。
【0009】上記した従来の記録シートは、インク吸収
容量、発色性、耐擦傷性及び光沢性という重要な性能を
同時に満足するものではなかった。特に近年、大型でイ
ンク量の多い高速プロッターが普及しており、上記性能
は益々重要になってきている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、インク吸収容量が高く、発色性、耐擦傷性に優れか
つ光沢性に優れたインクジェット記録シートを提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体に近い方から一次粒子の平均粒径が50nm以下の
気相法による合成シリカを含有する層及びコロイダルシ
リカを含有する層を少なくとも有するインクジェット記
録用シートによって達成された。
【0012】気相法による合成シリカ微粒子(以降、気
相法シリカと称す)を用いることは、前述の特公平3−
56552号、特開平10−81064号等に開示され
ており、またコロイダルシリカを用いることも特開平8
−67064号、同8−207423号、同8−267
907号公報等に記載されており、公知である。しかし
ながら、本発明者は気相法による合成シリカ層を下層
に、コロイダルシリカ層を上層に設けることによってイ
ンク吸収容量、発色性、耐擦傷性及び光沢性を同時に満
足することを見いだした。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
合成シリカには、湿式法によるものと気相法によるもの
がある。通常シリカ微粒子といえば湿式法シリカを指す
場合が多い。湿式法シリカとしては、ケイ酸ナトリウ
ムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得
られるシリカゾル、またはこのシリカゾルを加熱熟成
して得られるコロイダルシリカ、シリカゾルをゲル化
させ、その生成条件を変えることによって数ミクロンか
ら10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合をした三
次元的な二次粒子となったシリカゲル、更にはシリカ
ゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加
熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体とする
合成ケイ酸化合物等がある。
【0014】本発明に用いられる気相法シリカは、湿式
法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解
法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及
び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られている
が、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランや
トリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケ
イ素と混合した状態で使用することができる。気相法シ
リカは日本アエロジル株式会社からアエロジルとして市
販されており入手することができる。
【0015】本発明に用いられる気相法シリカの一次粒
子の平均粒径は50nm以下であり、好ましくは5〜3
0nmである。気相法シリカの特徴は、一次粒子が網目
構造または鎖状につながりあって二次的に凝集した状態
で存在することであり、これによって単位体積当たりの
空隙が増加しインク吸収容量は向上する。但し、空隙率
の高いこの気相法シリカを最上層に用いると、インクの
染料及び溶剤が速やかに塗層内部に吸収されるために、
塗層表面でのインク定着効率が低下し、発色性の点で問
題がある。また、空隙構造に起因する塗膜の脆弱性のた
め耐擦傷性にも問題がある。また、表面光沢性にも不満
が残る。
【0016】本発明者は、この気相法シリカの利点であ
る高いインク吸収容量を生かしながら、発色性、耐擦傷
性及び光沢性を同時に向上させたインクジェット記録シ
ートを目指して鋭意研究の結果、気相法シリカ層の上に
コロイダルシリカ層を設けることによって初めて達成さ
れることを見いだした。
【0017】コロイダルシリカは、前述した湿式法で合
成された一次粒子径が数nm〜100nm程度の合成シ
リカである。コロイダルシリカは気相法シリカに比べ一
次粒子が孤立して存在するために、塗膜を形成した場合
粒子が密な状態で存在する。これによりインク吸収容量
は低下するものの定着性、発色性に影響を与えるインク
定着効率は良く、密に詰まることにより耐擦傷性、光沢
性も良好である。
【0018】上層に用いられるコロイダルシリカはイン
ク吸収性を考慮して、一次粒子の平均粒子径は20nm
以上が好ましく、特に20〜70nm、更には20〜5
0nmのものが好ましい。一次粒子の平均粒子径は20
nm以下ではインク透過性が悪くなり、インク吸収性が
低下する。
【0019】上層に含有させるコロイダルシリカの量は
2〜40g/m2、好ましくは5〜30g/m2、特に好ま
しくは10〜30g/m2である。
【0020】コロイダルシリカを含有する上層は、皮膜
としての特性を維持するためにバインダーを有している
ことが好ましい。このバインダーとしては、公知の各種
バインダーを用いることができるが、インクのより高い
浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられ
る。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バイ
ンダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いで
しまわないことが重要であり、この観点から比較的室温
付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いら
れる。特に好ましい親水性バインダーは完全または部分
ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリ
ビニルアルコールである。
【0021】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80以上の部分または完全ケン化し
たもので、皮膜形成性及び皮膜脆弱性を改良する観点か
ら平均重合度200〜5000、好ましくは500〜3
000のものが用いられる。
【0022】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0023】また、他の親水性バインダーも併用するこ
とができるが、ポリビニルアルコールに対して20重量
%以下であることが好ましい。
【0024】これらのバインダーの使用量としてはコロ
イダルシリカの固形分に対して、2〜100重量%、好
ましくは5〜30重量%の範囲である。
【0025】上層のコロイダルシリカ層にはインク中の
色材の定着性を上げ、発色性を更に向上させるために、
カチオン性物質を含有させることが好ましい。カチオン
性物質としては、例えば特開平10−52908号に記
載されているような、1級〜3級アミン塩型の化合物、
第4級アンモニウム塩型の化合物、ピリジニウム塩型の
化合物、イミダゾリン型カチオン性化合物、第2級アル
キルアミンのエチレンオキシド付加物等の低分子カチオ
ン性物質、更にはポリアリルアミン、ポリアミンスルホ
ン、ポリビニルアミン、キトサン及びこれらの塩酸、酢
酸等の酸による中和物または部分中和物等のカチオン性
ポリマーが挙げられる。これらカチオン性物質の上層へ
の添加量は、コロイダルシリカの固形分に対して1〜5
0重量%、好ましくは2〜40重量%、更に好ましくは
2〜30重量%である。
【0026】下層に含有させる気相法シリカの量は、1
〜50g/m2程度、好ましくは5〜30g/m2程度であ
る。気相法シリカを含有する下層は、皮膜としての特性
を維持するためにバインダーを有していることが好まし
い。このバインダーとしては上層のコロイダルシリカ層
の場合と同様な親水性バインダーが好ましく用いられ
る。
【0027】気相法シリカと共に用いられる親水性バイ
ンダーの量は、気相法シリカに対して、50重量%以
下、好ましくは30〜1重量%の範囲である。
【0028】更に、皮膜の脆弱性を改良するために各種
油滴を含有することが好ましいが、そのような油滴とし
ては室温における水に対する溶解性が0.01重量%以
下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、
ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シ
リコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブ
チルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリ
レート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モ
ノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることが
できる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダー
に対して10〜50重量%の範囲で用いることができ
る。
【0029】本発明において、気相法シリカを含有する
下層、またはコロイダルシリカを含有する上層には、界
面活性剤を添加することができる。用いられる界面活性
剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系
のいずれのタイプでもよく、また低分子のものでも高分
子のものでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤を
インク受理層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性
剤を組み合わせて使用する場合は、アニオン系のものと
カチオン系のものとを組み合わせて用いることは好まし
くない。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成する
バインダー100gに対して0.001〜5gが好まし
く、より好ましくは0.01〜3gである。
【0030】本発明において、上層または下層は、耐水
性、ドット再現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬
膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド
系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケ
トン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒド
ロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米
国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロ
ゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第
3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを
持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如
きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,43
7号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,01
7,280号、同2,983,611号記載の如きアジ
リジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載
の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,09
1,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸
の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシ
ジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫
酸ジルコニウム、ホウ酸、ホウ砂の如き無機硬膜剤等が
あり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いる
ことができる。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成す
る水溶性ポリマー100gに対して0.01〜10gが
好ましく、より好ましくは0.1〜5gである。
【0031】本発明において、上層または下層には、更
に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、イ
ンク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の
分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、
粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加
することもできる。
【0032】本発明において、下層と上層を同時重層塗
布してもよいし、また下層を塗布乾燥後上層を塗布乾燥
してもよい。その場合の塗布方法は、特に限定されず、
公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライ
ドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン方
式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッド
バーコーティング方式等がある。
【0033】本発明において、インク記録シートは気相
法シリカを含有する下層とコロイダルシリカを含有する
上層の少なくとも2層構成であるが、さらにインク吸収
層、インク定着層、中間層、保護層等を設けてもよい。
【0034】本発明に用いられる支持体としては防水性
支持体が好ましい。防水性支持体としては、透明な支持
体も不透明な支持体も用いることができる。透明な支持
体としては、従来公知のものがいずれも使用でき、例え
ばポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテー
ト樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等の
フィルムもしくは板及びガラス板等が挙げられ、これら
の中でもポリエチレンテレフタレートからなるフィルム
が最も好ましく用いられる。
【0035】このような透明な防水性支持体はその厚さ
が約10〜200μm程度のものであることが好まし
い。
【0036】不透明な防水性支持体としては、合成紙、
樹脂被覆紙、顔料入り不透明フィルム、発泡フィルム等
の従来公知のものがいずれも使用できる。光沢、平滑性
の点から樹脂被覆紙、各種フィルムがより好ましいが、
手触り感、高級感から写真用支持体に類似の樹脂被覆紙
と白色度と強度が高い含量入りのポリエチレンテレフタ
レートからなるフィルムがさらに好ましく用いられる。
【0037】本発明において好ましく用いられる防水性
支持体としての樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限
はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より
好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような
平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては
天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは
2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙
で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防
止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0038】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0039】また、原紙の厚みに関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0040】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0041】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0042】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン
樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂に
より被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場
合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に
用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を
照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙
に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理など
の活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受
容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢
面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられ
る。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の
点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢
面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロ
ナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができ
る。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はない
が、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面に
コーティングされる。
【0043】本発明における支持体には帯電防止性、搬
送性、カール防止性などのために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0045】実施例1 支持体として、LBKP(50部)とLBSP(50
部)のパルプ配合からなる120g/m2の基紙の表面に
低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン
(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂組成物
を25g/m2塗布し、裏面に高密度ポリエチレン(50
部)と低密度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成
物を25g/m2塗布してなる樹脂被覆紙を用意した。
【0046】上記支持体上に、下記の下層塗布液を塗布
乾燥後、上層塗布液を塗布乾燥して、各種インクジェッ
ト記録シートを作成した。尚、部とは固形分重量部を意
味する。
【0047】 <上層−A> コロイタ゛ルシリカ(商品名:スノーテックスOL40、日産化学(株)製、 一次粒子の平均粒子径40nm) 100部 ホ゜リヒ゛ニルアルコール(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、 平均重合度3500) 5部 塗布量は固形分で20g/m2とする。
【0048】<上層−B>カチオン性ポリマー(商品
名:ポリフィックスP601、昭和高分子(株)製、変
性ポリアミン)10部を加える以外は上層−Aと同様。
【0049】 <上層−C> 石灰処理ゼラチン 50部 ポリビニルピロリドン(K−30) 50部 塗布量は固形分で2g/m2とする。
【0050】 <下層−A> 気相法シリカ(商品名:アエロシ゛ル200、日本アエロシ゛ル(株)製、 平均一次粒子径12nm) 100部 カチオン性ホ゜リマー(商品名:ホ゜リフィックスP601、昭和高分子(株)製、変性ホ゜リアミン)10部 ホ゜リヒ゛ニルアルコール(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、 平均重合度3500) 5部 塗布量は固形分で20g/m2とする。
【0051】<下層−B>上記下層−Aの気相法シリカ
を平均一次粒子径7nmのアエロジルに代える以外同様
にして作成した。
【0052】<下層−C>上記下層−Aの気相法シリカ
を平均一次粒子径20nmのアエロジルに代える以外同
様にして作成した。
【0053】<下層−D>上記下層−Aの気相法シリカ
をアルミニウムイソプロポキシドの加水分解、解膠法で
合成したアルミナゾルに代える以外同様にして作成し
た。
【0054】<下層−E>上記下層−Aの気相法シリカ
を平均粒子径2μmの湿式法のシリカ粒子に代える以外
同様にして作成した。
【0055】上記で作成した下層及び上層の塗布液を組
み合わせて、表1に示すようなインクジェット記録シー
トを作成した。
【0056】
【表1】
【0057】更に、上記下層−Aのみを単層で塗布した
比較の記録シート8及び上記上層−Aのみを単層で塗布
した比較の記録シート9を作成した。
【0058】上記記載の方法で作成した9種類の記録シ
ートについて、インクジェットプリンター(エプソン社
製PH750C)を用いて、インク吸収容量、発色性、
耐擦傷性及び光沢性を下記の方法で試験した。結果を表
2に示す。
【0059】<インク吸収容量>赤ベタ印字を行い、印
字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PP
C用紙に転写したインク量の程度を目視で観察し、下記
の基準で評価した。 ○:全く転写しない。 △:やや転写する。 ×:転写が著しい。
【0060】<発色性>同じプリンターを用いて、Y、
M、C、Kの原色を含んだ画像を印字して、発色性の程
度を目視で観察し、下記の基準で評価した。 ◎:くすみが全くなく、発色濃度高く、発色性は非常に
良好。 ○:くすみが僅かに認められるが、発色濃度高く、発色
性良好。 △:ややくすみがあり、発色性劣る。 ×:くすみ及び発色濃度の低下が著しく、発色性極めて
劣る。
【0061】<耐擦傷性>記録シートを上記プリンター
に搬送させたときの、インク受容層の傷の度合いを肉眼
で観察した。 ○:傷が確認できない。 ×:傷が認められる。
【0062】<光沢性>鏡面光沢度測定方法(JIS−
Z8741)による60度鏡面光沢を光沢計(日本電色
工業(株)製VGS−1D)を用いて測定した。
【0063】
【表2】
【0064】上記結果から明らかなように、本発明のイ
ンクジェット記録用シートは、インク吸収容量、発色
性、耐擦傷性及び光沢性のいずれの性能も充分に満足す
ることができる。
【0065】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用シートに
よれば、インク吸収容量、発色性、耐擦傷性及び光沢性
を同時に満足することができる。特にインク量の多い高
速プロッターに好適に用いられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体に近い方から一次粒子の平均粒径
    が50nm以下の気相法による合成シリカを含有する層
    及びコロイダルシリカを含有する層を少なくとも有する
    インクジェット記録用シート。
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