JP2016056326A - ハードコート用組成物、及びハードコート付き染色樹脂体の製造方法 - Google Patents

ハードコート用組成物、及びハードコート付き染色樹脂体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 染色された樹脂体の色の変化を抑制することのできるハードコート用組成物、及びハードコート付き染色樹脂体の製造方法を提供する。【解決手段】 昇華性の染料を樹脂体に蒸着させて定着させることによって染色された染色樹脂体にハードコートを行うために、染色樹脂体に付着されるハードコート用組成物であって、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーと、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを溶解するための溶媒であって、グリコール系溶媒及びセロソルブ系溶媒の少なくとも一方からなる第1溶媒と、低級アルコールからなる第2溶媒と、が混合された溶媒と、を有する。【選択図】 図1

Description

本開示は、染色された樹脂体にハードコートを行うために染色樹脂体に付着されるハードコート用組成物、及び染色された樹脂体にハードコートを行うことによってハードコート付き染色樹脂体を製造するハードコート付き染色樹脂体の製造方法に関するものである。
従来、チオール基を有する修飾剤と3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとの付加反応により多官能(メタ)アクリレートモノマー変性修飾剤を得て、得られた多官能(メタ)アクリレートモノマー変性修飾剤を金属酸化物微粒子に修飾させることによって、製造された樹脂組成物が知られている(特許文献1参照)。このような樹脂組成物はハードコート液として、樹脂体(例えば、プラスチックシート、プラスチックレンズ、プラスチックフィルム等)に付着(塗布)させ、基板の機械的物性を高めるために使用することができる。また、樹脂体に対して染色処理が施され、染色された樹脂体に対して、ハードコートを行う場合もある。
特開2011−213989号公報
ところで、樹脂体に対して染色処理が施された染色樹脂体に対して、ハードコートを行う場合に、ハードコート液が、染色樹脂体の色を変化(例えば、濃度変化、変色等)させてしまう問題があった。
本開示は、上記問題点を鑑み、染色された樹脂体の色の変化を抑制することのできるハードコート用組成物、及びハードコート付き染色樹脂体の製造方法を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 本開示の第1態様に係るハードコート用組成物は、昇華性の染料を樹脂体に蒸着させて定着させることによって染色された染色樹脂体にハードコートを行うために、染色樹脂体に付着されるハードコート用組成物であって、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーと、前記3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを溶解するための溶媒であって、グリコール系溶媒及びセロソルブ系溶媒の少なくとも一方からなる第1溶媒と、低級アルコールからなる第2溶媒と、が混合された溶媒と、を有することを特徴とする。
(2) 本開示の第2態様に係るハードコート用組成物は、染色された樹脂体にハードコートを行うために、染色樹脂体に付着されるハードコート用組成物であって、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーと、前記3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを溶解するための溶媒であって、グリコール系溶媒及びセロソルブ系溶媒の少なくとも一方からなる第1溶媒と、低級アルコールからなる第2溶媒と、が混合された溶媒と、を有し、前記溶媒は、前記溶媒の全量に対して、前記第1溶媒が80重量%以下の割合で混合されていることを特徴とする。
(3) 本開示の第3態様に係るハードコート付き染色樹脂体の製造方法は、染色された樹脂体にハードコートを行うことによって、ハードコート付き染色樹脂体を製造するハードコート付き染色樹脂体の製造方法であって、染料の付着された基体を樹脂体と非接触で対向させ、前記染料を加熱することによって、前記基体に付着された前記染料を昇華させ、前記染料を前記樹脂体に蒸着させる蒸着ステップと、前記染料が蒸着された前記樹脂体を加熱することによって、前記染料を定着させる定着ステップと、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーと、前記3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを溶解するための溶媒であって、グリコール系溶媒及びセロソルブ系溶媒の少なくとも一方からなる第1溶媒と、低級アルコールからなる第2溶媒と、が混合された溶媒と、を有する、ハードコート用組成物を、前記染料が定着された前記樹脂体に付着させるハードコート処理ステップと、を有することを特徴とする。
本実施例に係るハードコート付き染色樹脂体の製造方法について説明するためのフローチャートである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、少なくとも3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーと、グリコール系溶媒(溶剤)及びセロソルブ系溶媒(溶剤)の少なくとも一方からなる第1溶媒と、低級アルコールからなる第2溶媒と、が混合された溶媒と、を有するハードコート用組成物が、染色された染色樹脂体にハードコートを行う際に、染色された樹脂体の色の変化を抑制することができ、ハードコート用組成物として特に好適に使用できることを見出した。例えば、樹脂体としては、プラスチックシート、プラスチックレンズ、プラスチックフィルム、携帯電話のカバー、自動車のライト用のカバー、アクセサリー、玩具等、種々の樹脂体が挙げられる。
なお、本実施例において、使用される3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーは以下に挙げるものを使用することができる。なお、表記上「・・・(メタ)アクリレート」とあるのは「・・・アクリレート」または「・・・メタクリレート」を表す。
本実施例において、例えば、ハードコート用組成物は、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマー、第1溶媒と第2溶媒との混合溶媒、及び光重合開始剤を有する。
例えば、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーは、ハードコートを行った際に、樹脂体を覆うための樹脂として用いられる。例えば、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート等の分岐鎖状、環状の(メタ)アクリレート類、又はウレタンアクリレート類等を用いてもよい。もちろん、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーは、ここに挙げるものに限るものではない。また、例えば、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを1種類または複数組み合せて使用するようにしてもよい。
例えば、第1溶媒は、第2溶媒とともに用いられ、少なくとも3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを溶解するために用いられる。例えば、第1溶媒としては、グリコール系溶媒及びセロソルブ系溶媒の少なくとも一方が用いられる。例えば、グリコール系溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等を用いてもよい。もちろん、グリコール系溶媒は、ここに挙げるものに限るものではない。例えば、セロソルブ系溶媒としては、メチルセロソルブ(エチレングリコールモノメチルエーテル)、エチルセロソルブ(エチレングリコールモノエチルエーテル)、ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等を用いてもよい。もちろん、セロソルブ系溶媒は、ここに挙げるものに限るものではない。なお、例えば、第1溶媒としては、グリコール系溶媒を1種類または複数組み合せて使用するようにしてもよい。また、例えば、第1溶媒としては、セロソルブ系溶媒を1種類または複数組み合せて使用するようにしてもよい。また、例えば、第1溶媒としては、グリコール系溶媒とセロソルブ系溶媒を組み合わせて使用するようにしてもよい。なお、第1溶媒の含有量(割合)は、第1溶媒と第2溶媒が混合された溶媒の全量(以下、溶媒の全量と記載)に対して、80重量%以下、さらに好ましくは、30重量%〜80重量%である。このように、第1溶媒の含有量が、溶媒の全量に対して、80%以下の割合で混合されることによって、染色された樹脂体の色の変化をより抑制することができる。また、第1溶媒の含有量が、溶媒の全量に対して、30%以上の割合で混合されることによって、低級アルコールが多くなり過ぎることによって生じる濡れ性の低下を抑制することができる。すなわち、染色された樹脂体に対して、第1溶媒が溶媒の全量に対して30重量%〜80重量%で混合されている溶媒を有するハードコート用組成物を用いることによって、染色された樹脂体の色の変化を抑制しつつ、濡れ性の高いハードコートを行うことができる。
例えば、第2溶媒としては、第1溶媒とともに用いられ、少なくとも3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを溶解するために用いられる。例えば、第2溶媒としては、低級アルコールが用いられる。例えば、低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、エチレングリコール、グリセリン等を用いてもよい。もちろん、低級アルコールは、ここに挙げるものに限るものではない。また、例えば、低級アルコールを1種類または複数組み合せて使用するようにしてもよい。
例えば、光重合開始剤は、ハードコート用組成物を紫外線にて硬化させるための反応を開始させるために用いられる。例えば、光重合開始剤としては、トリス(クロロメチル)トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジンなどのトリアジン系化合物、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテルなどのベンゾイン系化合物、ジエトキシアセトフェノン、4−フェノキシジクロロラセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノンなどのアセトフェノン系化合物、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン系化合物、ベンジルジメチルケタール、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルフォスフィンオキサイド、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、アシルフォスヒンオキサイド等を用いてもよい。また、例えば、光重合開始剤として、これらを1種類または2種類以上を併用(混合)して用いるようにしてもよい。添加量はメタ)アクリレートモノマーに対して10重量%以下で、好ましくは0.5〜5重量%で使用する。
なお、本実施例において、さらに、ハードコート用樹脂組成物には、必要に応じて、2官能以下の(メタ)アクリレートモノマー、フッ素樹脂等の添加剤を適宜配合してもよい。例えば、本実施例におけるハードコート用樹脂組成物に、2官能以下の(メタ)アクリレートモノマーやフッ素樹脂を添加することで耐候堅牢性(耐久性)や耐擦傷性を向上させることができる。
例えば、本実施例におけるハードコート用組成物に使用可能な2官能以下の(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ3−アクリロイロプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ブテン−1,4−ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート等の直鎖状、分岐鎖状、環状の(メタ)アクリレート類、又は2官能以下のウレタンアクリレート類等を用いてもよい。もちろん、2官能以下の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ここに挙げるものに限るものではない。また、例えば、2官能以下の(メタ)アクリレートモノマーを1種類または複数組み合せて使用するようにしてもよい。また、2官能以下の(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、多官能(3官能以上)の(メタ)アクリレートモノマーに対して30重量%以下、さらに好ましくは10重量%〜25重量%である。2官能以下の(メタ)アクリレートモノマーが30重量%を超えると得られた樹脂組成物塗膜(ハードコート層)が柔かくなりやすい。
また、例えば、本実施例におけるハードコート用組成物に使用可能なフッ素樹脂としては、パーフルオロポリエーテルアクリレート、パーフルオロポリエーテルメタクリレート、含フッ素ポリシロキサン、含フッ素環状ポリシロキサン、含フッ素環状ポリシロキサンアクリレート、含フッ素環状ポリシロキサンメタクリレート等のフッ素系樹脂を用いてもよい。もちろん、フッ素樹脂は、ここに挙げるものに限るものではない。また、例えば、フッ素樹脂を1種類または複数組み合せて使用するようにしてもよい。なお、フッ素樹脂としては、特に、非フッ素系有機化合物との相溶性に優れ、光硬化可能なフッ素樹脂が好ましく、極少量の添加量でも耐擦傷性を向上させることができる。
なお、本実施例において、さらに、ハードコート用樹脂組成物には、必要に応じて、光増感剤、レベリング剤、消泡剤、流動性調整剤、光安定剤、酸化防止剤、着色剤、顔料、チオール基(メルカプト基)を有する修飾剤(詳細は特開2011−213989号公報参照)、金属酸化物微粒子等を適宜配合してもよい。
次に、本実施例におけるハードコート付き染色樹脂体の製造方法(製造工程)について説明する。図1を参照して、本実施例に係るハードコート付き染色樹脂体の製造方法について詳細に説明する。
まず、染色用基体(基体)を作成する工程が行われる(S1)。本実施例では、プリンタが、PCによって作成された印刷データに基づいて、昇華性染料を含有したインクを基体(例えば、紙、ガラス、金属等)に印刷する。その結果、染色用基体が作成される。従って、染色用基体には、適切な位置に適切な量の昇華性染料が正確に付着する。PCにおける印刷データの作成、変更、保存等は容易である。よって、複雑な染色も容易であり、同様の染色を繰り返すことも可能である。ただし、PCおよびプリンタを用いずに染色用基体を作成してもよい。例えば、作業者は、スプレー等を用いて昇華性染料を紙に付着させることで染色用基体を作成してもよい。
次いで、作業者は、染色する樹脂体と、S1で作成した染色用基体とを、染色が行われる位置に設置する(S2)。例えば、染色用基体は、昇華性染料が付着した付着面が樹脂体に非接触で対向するように配置される。
次いで、樹脂体周辺の気圧を低下させる工程が行われる(S3)。例えば、ポンプによって気体が蒸着を行うための閉塞室の外部に排出されることで、閉塞室内が略真空状態とされる。
次いで、昇華性染料を樹脂体に蒸着させる工程が行われる(S4)。例えば、加熱部は、電磁波を発生させ、染色用基体及び昇華性染料を加熱する。その結果、染色用基体に付着している昇華性染料が加熱されて昇華し、樹脂体に蒸着される。なお、加熱部は、赤外線を発生させるハロゲンランプが使用される。しかし、加熱部は、ハロゲンランプの代わりに、紫外線、マイクロ波等の他の波長の電磁波を発生させる構成を使用してもよい。加熱部は、電磁波を染色用基体に向けて照射することで、短時間で染料の温度を上昇させることができる。
次いで、樹脂体周辺の気圧を上昇させる工程が行われる(S5)。次いで、樹脂体に染料を定着させる工程が行われる(S7)。本実施例では、蒸着の工程(S4)で用いられた加熱部が再び駆動される。加熱部が発生させた電磁波は、樹脂体に照射される。加熱部は、染料が蒸着された樹脂体を電磁波によって加熱することによって、染料を定着させる。このように、定着工程において、電磁波を用いて定着工程を行うことによって、短時間で定着処理を行うことができる。
なお、本実施例においては、加熱部として電磁波を樹脂体に照射する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、オーブンを加熱部として用いてもよい。オーブンを用いると、樹脂体の温度が長い時間をかけて徐々に上昇し、蒸着工程及び定着工程が行われる。なお、本実施例においては、定着工程において、蒸着工程に用いた加熱部を兼用する構成を例に挙げたがこれに限定されない。蒸着工程における加熱部と、定着工程における加熱部とを、別途それぞれ設けてもよい。この場合、例えば、蒸着工程において、電磁波を樹脂体に照射する加熱部を用いて、定着工程において、オーブンを用いるようにしてもよい。
以上のようにして、染色用基体を用いて、樹脂体の染色が行われる。これによって、染色された染色樹脂体が製造される。
次いで、染色樹脂体にハードコートを行う。例えば、ハードコート用組成物を染色樹脂体の表面にスピンコート、スプレーコート、ディップコート、バーコート、フローコート、キャップコート、ナイフコート、ダイコート、ロールコート、グラビアコート法、スクリーン印刷、刷毛塗り等を用いて所定の厚みだけ付着(塗布)させる(S8)。次いで、紫外線(UV)を照射し、ハードコート用組成物を光重合させ硬化させることにより、表面硬度や耐擦傷性を向上させる効果を有するハードコート層が染色樹脂体上に形成される(S9)。なお、ハードコート層の膜厚は1〜50μm、好ましくは1〜20μmとなるようにするとよい。例えば、UV照射の光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、無電極ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、LEDランプ、タングステンランプ等を用いることができる。
なお、ハードコート用組成物の塗装前に、染色樹脂体に対してコロナ放電、プラズマ処理などを行うことでハードコート層と染色樹脂体との密着性を向上させることができる。また、例えば、ハードコート用組成物を塗布させる前の染色樹脂体に、コーティング処理(例えば、プライマーコート、反射防止コート等)を行うようにしてもよい。例えば、プライマーコートを行うことで、耐衝撃性、耐擦傷性を向上させることができる。このように、ハードコート用組成物の塗装前に、種々の処理を行った場合であっても、本開示のハードコート用組成物を適用することで、ハードコート用樹脂体による染色樹脂体の色の変化をより抑制することができる。
以上のようにして、ハードコートが行われ、ハードコート付き染色樹脂体が製造される。
なお、樹脂体の材料としては、例えば、ポリカーボネイト系樹脂(例えば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート重合体)、ポリウレタン系樹脂、アリル系樹脂(例えば、アリルジグリコールカーボネート及びその共重合体、ジアリルフタレート及びその共重合体)、フマル酸系樹脂(例えば、ベンジルフマレート共重合体)、スチレン系樹脂、ポリメチルアクリレート系樹脂、ナイロン系樹脂、繊維系樹脂(例えば、セルロースプロピオネート)、チオウレタン系またはチオエポキシ等の材料等が挙げられる。なお、本開示のハードコート用組成物は、低侵襲性であるため、耐薬剤性の低い樹脂(例えば、ポリカーボネイト系樹脂等)に対して特に有用となる。耐薬剤性の低い樹脂体は、ハードコート用組成物によって樹脂が侵襲されやすいため、樹脂体に入りこんだ染料に影響が及びやすい。このため、染色された色に変化が生じやすい。
また、例えば、樹脂体としては、レンズ、携帯電話のカバー、自動車のライト用のカバー、アクセサリー、玩具等、種々の樹脂体を染色する場合に適用できる。なお、本開示のハードコート用組成物は、例えば、レンズ(プラスチックレンズ)のように、ハードコート層の膜厚が不均一になることによって、干渉縞が斑になり、使用が困難となる樹脂体に対して有用である。すなわち、本開示のハードコート用組成物は、ハードコート層の膜厚を均一にすることができるため、ハードコート層の膜厚を均一にすることが重要となるような樹脂体に対して、有用である。
なお、本実施例においては、染色樹脂体を製造するための染色方法として、気相転写染色方法を用いる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本開示のハードコート用組成物は、種々の染色方法によって染色された染色樹脂体に対しても用いてもよい。例えば、種々の染色方法としては、浸漬染色方法、材料に練り込みによって染色する方法等が挙げられる。
以下、本実験例及び比較例を示して本開示を具体的に説明するが、本開示は、下記実験例に制限されるものではない。以下の実験例1〜18では、気相転写染色の処理によって染色された樹脂体に対して、グリコール系溶媒又はセロソルブ系溶媒の少なくとも一方と、低級アルコールと、の混合比率を変化させた場合における、色差(ハードコートの前後での染色樹脂体の色の変化量)及び濡れ性(ハードコート組成物が樹脂体に対して、均一に塗工できるかどうかの性能)の性能を確認し、最適な混合比率を確認した。また、実験例8〜18では、種々のグリコール系溶媒又は種々のセロソルブ系溶媒の少なくとも一方と、種々の低級アルコールと、の混合溶媒による、色差の抑制性能及び濡れ性の性能について確認した。また、比較例1〜8では、実験例1〜18の混合溶媒と比較するために、溶媒に混合溶媒を使用しない場合における、色差の抑制性能及び濡れ性の性能について確認した。
<実験例1>
多官能のアクリレートモノマー(共栄社化学株式会社製、UA−510H)を10gに、光重合開始剤(BASF製、イルガキュアー184)を0.5g添加し、第1溶媒(太陽化学製、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGMと記載))を15.60g、第2溶媒(キシダ化学製、イソプロピルアルコール(以下、IPAと記載))を3.90g加え攪拌し、目的のハードコート組成物(ハードコート液)を作製した(溶媒比は、第1溶媒(PGM):第2溶媒(IPA)=8:2)。すなわち、本実験例のハードコート液は、3官能以上のアクリレートモノマーが、ハードコート液の全量に対して、35重量%となるように調整される(以下、実験例及び比較例についても同様)。気相転写染色方法によって染色された染色樹脂体(染色ポリカーボネイトレンズ)にスピンコーターを用いて、上記ハードコート液を塗工し、これを空気雰囲気下、高圧水銀灯を用いて約1500mJ/cmの紫外線を照射し、膜厚約5μmのハードコート層を形成した。
上記のようにして得られた染色ポリカーボネイトレンズ(ポリカーボネイト製レンズ)について、下記の測定を行い、評価した。また、下記の他の実験例についても同様の測定を行い、評価した。
[色差試験]
染色されたポリカーボネイトレンズへハードコートを塗工した際のポリカーボネイトレンズの色の変化を確認した。
具体的には、染色ポリカーボネイトレンズの中心部分を測色する。この時、色とは、L表色系(CIE1976)の明度L、色相と彩度を示す色度のa、b、である。
染色ポリカーボネイトレンズの中心部の色をSPECTROPHOTOMETER DOT−3(株式会社村上色彩技術研究所製)によって、測定し、その後、レンズをスピンコーターに凹面を上にしてセットする。上記で作製したハードコート液を1〜2mL滴下し、1分放置する。1分後に、スピンコーターをスタートさせて、ハードコート液をレンズ凹面全体に均一に塗布する。そして、70℃/1minで溶媒を乾燥させる。その後、1500mJ/cmの紫外線を照射して硬化させた。再度、染色ポリカーボネイトレンズの中心部の色を測定する。ハードコート層が形成される前後で色の変化を測定した。色の変化は、ΔEで表し、下記基準で評価した。ΔEの計算方法は以下の数式で表される。
Figure 2016056326
上記の数式によって算出されたΔEの結果を評価した。評価については以下のように設定した。
0≦ΔE≦2 :A(問題なし)
2<ΔE≦6 :B(若干の色の変化はあるが、許容範囲内(問題なし))
6<ΔE≦8 :C(色の変化はあるが、許容範囲内(問題なし))
8<ΔE :D(色の変化が大きく、問題あり)
以上の評価結果を表1に示した。
[濡れ性]
染色されたポリカーボネイトレンズへハードコートを塗工した際の濡れ性を確認した。具体的には、色差試験の完了後、色差試験の完了したハードコート付き染色ポリカーボネイトレンズの外観を目視にて確認し、濡れ性を下記基準で評価した。
A :均一に塗工できている(濡れ性に問題なし)
B :若干、均一に塗工できていない部分あるが許容範囲内(濡れ性に問題なし)
<実験例2>
UA−510Hを10gに、イルガキュアー184を0.5g添加し、PGMを13.65g、IPAを5.85g加え攪拌し、ハードコート液を作製した(PGM:IPA=7:3)。このハードコート液を用いて、実施例1と同様に、染色ポリカーボネイトレンズへ塗工し、試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例3>
多官UA−510Hを10gに、イルガキュアー184を0.5g添加し、PGMを11.70g、IPAを7.80g加え攪拌し、ハードコート液を作製した(PGM:IPA=6:4)。このハードコート液を用いて、実施例1と同様に、染色ポリカーボネイトレンズへ塗工し、試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例4>
UA−510Hを10gに、イルガキュアー184を0.5g添加し、PGMを9.75g、IPAを9.75g加え攪拌し、ハードコート液を作製した(PGM:IPA=5:5)。このハードコート液を用いて、実施例1と同様に、染色ポリカーボネイトレンズへ塗工し、試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例5>
UA−510Hを10gに、イルガキュアー184を0.5g添加し、PGMを7.80g、IPAを11.70g加え攪拌し、ハードコート液を作製した(PGM:IPA=4:6)。このハードコート液を用いて、実施例1と同様に、染色ポリカーボネイトレンズへ塗工し、試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例6>
UA−510Hを10gに、イルガキュアー184を0.5g添加し、PGMを5.85g、IPAを13.65g加え攪拌し、ハードコート液を作製した(PGM:IPA=3:7)。このハードコート液を用いて、実施例1と同様に、染色ポリカーボネイトレンズへ塗工し、試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例7>
UA−510Hを10gに、イルガキュアー184を0.5g添加し、PGMを3.90g、IPAを15.60g加え攪拌し、ハードコート液を作製した(PGM:IPA=2:8)。このハードコート液を用いて、実施例1と同様に、染色ポリカーボネイトレンズへ塗工し、試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例8>
UA−510Hの代わりに、9官能アクリレートモノマー(新中村化学工業株式会社製、UA−33H)を10g用いた以外は、実験例5と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例9>
実施例5のハードコート液に、さらに、6官能アクリレートモノマー(共栄社化学株式会社製、DPE−6A)を1.25g加え、PGMを10.91g、IPAを10.91gとした以外は、実験例5と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例10>
実施例5のハードコート液に、さらに、2官能アクリレートモノマー(大阪有機化学工場株式会社製、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)を1.25g加え、PGMを10.91g、IPAを10.91gとした以外は、実験例5と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例11>
PGMの代わりに、グリコール系溶媒(和光純薬工業株式会社製、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(2−イソプロポキシエタノール))を17.55g用いるとともに、IPAを1.95gとした以外は、実験例5と同様にハードコート液を作製した(エチレングルコールモノイソプロピルエーテル:IPA=9:1)。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例12>
PGMの代わりに、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルを9.75g用いた以外は、実験例5と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例13>
PGMの代わりに、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルを1.95g用いるとともに、IPAを17.55gとした以外は、実験例5と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例14>
PGMの代わりに、セロソルブ系溶媒(東京化成工業株式会社製、エチレングリコールモノエチルエーテル)を9.75g用いた以外は、実験例5と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例15>
第1溶媒として、PGM4.88g、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル4.88gの混合溶媒を用いた以外は、実験例5と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例16>
第1溶媒として、PGM4.88g、エチレングリコールモノエチルエーテル4.88gの混合溶媒を用いた以外は、実験例5と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例17>
第2溶媒として、IPAの代わりにメタノール(キシダ化学株式会社製)9.75gを用いた以外は、実験例5と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
<実験例18>
第1溶媒として、PGMの代わりに、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルを9.75g、第2溶媒として、IPAの代わりにメタノール9.75gを用いた以外は、実験例5と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表1に示した。
Figure 2016056326
<比較例1>
UA−510Hを10gに、イルガキュアー184を0.5g添加し、PGMを19.50g加え攪拌し、ハードコート液を作製した(PGM:IPA=10:0)。このハードコート液を用いて、実施例1と同様に、染色ポリカーボネイトレンズへ塗工し、試験を行い、評価した。以上の結果を表2に示した。
<比較例2>
UA−510Hの代わりに、9官能アクリレートモノマー(新中村化学工業株式会社製、UA−33H)を10g用いた以外は、比較例1と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表2に示した。
<比較例3>
比較例1のハードコート液に、さらに、6官能アクリレートモノマー(共栄社化学株式会社製、DPE−6A)を1.25g加え、PGMを21.82gとした以外は、比較例1と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表2に示した。
<比較例4>
比較例1のハードコート液に、さらに、2官能アクリレートモノマー(大阪有機化学工業株式会社製、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)を1.25g加え、PGMを21.82gとした以外は、比較例1と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表2に示した。
<比較例5>
PGMの代わりに、グリコール系溶媒(和光純薬工業株式会社製、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル)を19.50g用いた以外は、比較例1と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表2に示した。
<比較例6>
PGMの代わりに、セロソルブ系溶媒(東京化成工業株式会社製、エチレングリコールモノエチルエーテル)を19.50g用いた以外は、比較例1と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表2に示した。
<比較例7>
第1溶媒として、PGM9.75g、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル9.75gの混合溶媒を用いた以外は、比較例1と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表2に示した。
<比較例8>
第1溶媒として、PGM9.75g、エチレングリコールモノエチルエーテル9.75gの混合溶媒を用いた以外は、比較例1と同様にハードコート液を作製した。このハードコート液を用いて、実験例1と同様に試験を行い、評価した。以上の結果を表2に示した。
Figure 2016056326
(結果)
以上、表1、表2で示されるように、染色された樹脂体に対して、グリコール系溶媒及びセロソルブ系溶媒の少なくとも一方からなる第1溶媒と、低級アルコールからなる第2溶媒と、が混合された溶媒を有するハードコート用組成物を用いて、ハードコートを行うことによって、染色された樹脂体の色の変化(色差)を抑制したハードコートを行うことができる。すなわち、本開示のハードコート用組成物は、染色樹脂体に対して、染色された樹脂体の色を変化させることなく、密着性、耐擦傷性等の性能条件が良好であるハードコートを行うことができる。
また、染色された樹脂体に対して、第1溶媒の含有量(割合)が、溶媒の全量(第1溶媒と第2溶媒が混合された溶媒の全量)に対して80重量%以下の割合で混合されているハードコート用組成物(実験例1〜実験例10、実験例12〜実験例18参照)を用いることによって、染色された樹脂体の色の変化をより抑制することができる(ΔE がA又はB評価)。
さらに、第1溶媒の含有量(割合)が、溶媒の全量に対して、30重量%以上の割合で混合されているハードコート用組成物(実験例1〜実験例6、実験例8〜実験例12、実験例14〜実験例18参照)を用いることによって、低級アルコールが多くなり過ぎることによって生じる濡れ性の低下を抑制することができる(濡れ性がA評価)。すなわち、染色された樹脂体に対して、第1溶媒が溶媒の全量に対して、30重量%〜80重量%の割合で混合されている溶媒を有するハードコート用組成物を用いることによって、染色された樹脂体の色の変化を抑制しつつ、濡れ性の高いハードコートを行うことができる。
また、本開示のハードコート用組成物は、本開示の気相転写方法における定着工程において、電磁波を用いて短時間で定着処理を行う場合に、特に有用である。すなわち、電磁波を用いて定着工程を行った場合は、オーブンで定着工程を行っていたものに対して、短時間で定着工程を行うため、染料が樹脂体の深くまで入りこまず、樹脂体の表面から浅い位置において多くの染料が留まる。このため、ハードコート組成物を使用した場合には、樹脂体の表面付近が侵襲され(溶け出し)、表面付近にある染料に影響が及びやすくなる。この結果、表面に多くの染料が留まっているような染色樹脂体に対して、ハードコート用組成物によるハードコートを行った場合に、染色樹脂体の染料が抜けやすくなり、色の変化がしやすくなる。本開示のハードコート用組成物は、樹脂体の表面から浅い位置に多くの染料が留まっているような染色樹脂体であっても、染色された樹脂体の色を変化させることなく、密着性、耐擦傷性の高いハードコートを行うことができる。

Claims (7)

  1. 昇華性の染料を樹脂体に蒸着させて定着させることによって染色された染色樹脂体にハードコートを行うために、染色樹脂体に付着されるハードコート用組成物であって、
    3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーと、
    前記3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを溶解するための溶媒であって、グリコール系溶媒及びセロソルブ系溶媒の少なくとも一方からなる第1溶媒と、低級アルコールからなる第2溶媒と、が混合された溶媒と、
    を有することを特徴とするハードコート用組成物。
  2. 請求項1のハードコート用組成物において、
    前記溶媒は、前記溶媒の全量に対して、前記第1溶媒が80重量%以下の割合で混合されていることを特徴とするハードコート用組成物。
  3. 請求項2のハードコート用組成物において、
    前記溶媒は、前記溶媒の全量に対して、前記第1溶媒が30重量%以上の割合で混合されていることを特徴とするハードコート用組成物。
  4. 染色された樹脂体にハードコートを行うために、染色樹脂体に付着されるハードコート用組成物であって、
    3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーと、
    前記3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを溶解するための溶媒であって、グリコール系溶媒及びセロソルブ系溶媒の少なくとも一方からなる第1溶媒と、低級アルコールからなる第2溶媒と、が混合された溶媒と、を有し、
    前記溶媒は、前記溶媒の全量に対して、前記第1溶媒が80重量%以下の割合で混合されていることを特徴とするハードコート用組成物。
  5. 請求項4のハードコート用組成物において、
    前記溶媒は、前記溶媒の全量に対して、前記第1溶媒が30重量%以上の割合で混合されていることを特徴とするハードコート用組成物。
  6. 染色された樹脂体にハードコートを行うことによって、ハードコート付き染色樹脂体を製造するハードコート付き染色樹脂体の製造方法であって、
    染料の付着された基体を樹脂体と非接触で対向させ、前記染料を加熱することによって、前記基体に付着された前記染料を昇華させ、前記染料を前記樹脂体に蒸着させる蒸着ステップと、
    前記染料が蒸着された前記樹脂体を加熱することによって、前記染料を定着させる定着ステップと、
    3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーと、前記3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを溶解するための溶媒であって、グリコール系溶媒及びセロソルブ系溶媒の少なくとも一方からなる第1溶媒と、低級アルコールからなる第2溶媒と、が混合された溶媒と、を有する、ハードコート用組成物を、前記染料が定着された前記樹脂体に付着させるハードコート処理ステップと、
    を有することを特徴とするハードコート付き染色樹脂体の製造方法。
  7. 請求項6のハードコート付き染色樹脂体の製造方法であって、
    前記定着ステップは、前記染料が蒸着された前記樹脂体を電磁波によって加熱することによって、前記染料を定着させることを特徴とするハードコート付き染色樹脂体の製造方法。
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