JP2016043820A - 車両用カーテンエアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】側面衝突に対する前席乗員の頭部拘束性能の向上に寄与する。
【解決手段】車両用カーテンエアバッグ装置10では、インフレータ16から発生するガスがディフューザ18の前噴出口78から噴出され、当該前噴出口78側へ向けて開口する前席ガス供給口64、第1ガス供給口70及び第2ガス供給口72から前席主チャンバ14A及びBピラーチャンバ14Eに供給される。このBピラーチャンバ14Eが前席主チャンバ14Aと共に早期に膨張展開することにより、前席乗員の頭部を受け止める前席主チャンバ14AがBピラーチャンバ14Eを介してBピラー26から反力を受ける。これにより、ルーフサイド部34、ドアベルトラインBL及びBピラー26の間で前席主チャンバ14Aにテンションを働かせ、前席主チャンバ14Aの車両幅方向外側への変位を抑制できるので、前席主チャンバ14Aによる前席乗員の頭部の拘束開始時期を早めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用カーテンエアバッグ装置に関する。
下記特許文献1に記載されたカーテンエアバッグ装置は、前席側方の窓の車内側に膨張展開する前席用膨張部と、後席側方の窓の車内側に膨張展開する後席用膨張部とを備えている。前席用膨張部は、車両前後方向に並ぶ5つの縦セルに仕切られている。これら5つの縦セルには、前席乗員の頭部の側方に膨張展開するもの(前席主チャンバ)が含まれており、当該前席主チャンバの車両後方に設けられた2つの縦セル(ディレイチャンバ)が、車両側面視でBピラーと重なるように設定されている。これらディレイチャンバには、インフレータから前席主チャンバに供給されたガスの一部が絞り通路を通じて供給され、これらのディレイチャンバが前席主チャンバに遅れて膨張展開する。
特開2014−54954号公報
ところで、例えば、側面衝突の相手車両が所謂スポーツユーティリティビークル(以下、SUVと称する)のように車高が高い車両である一方、自車両の車高が低い場合、SUVの前端部と自車両の乗員の頭部とが高さ方向にラップすることがある。そのような場合、カーテンエアバッグによる乗員頭部の拘束性能の向上が求められる。特に、SUVの衝突速度が速い場合には、更なる前席乗員の頭部拘束性能の向上が求められる。
本発明は上記事実を考慮し、側面衝突に対する前席乗員の頭部拘束性能の向上に寄与する車両用カーテンエアバッグ装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、車両のルーフサイド部におけるBピラー側に配置されたインフレータと、前記インフレータが発生させるガスを、噴出口から噴出させるディフューザと、前記ルーフサイド部に上端部が固定され、前記噴出口から噴出されるガスが、前記噴出口側へ向けて開口する前席ガス供給口から供給され、前席乗員の頭部と車体側部との間に膨張展開し、下端部がドアベルトラインよりも車両下方に至る前席主チャンバと、前記前席主チャンバの車両後方に接続され、前記噴出口から噴出されるガスが、前記噴出口側へ向けて開口するBピラーガス供給口から供給され、前記Bピラーの車両幅方向内方に膨張展開するBピラーチャンバと、を備えている。
請求項1に記載の発明では、例えば側面衝突が検知又は予知されると、車両のルーフサイド部におけるBピラー側に配置されたインフレータが作動される。すると、インフレータが発生させるガスが、ディフューザの噴出口から噴出される。噴出口から噴出されるガスは、当該噴出口側へ向けて開口する前席ガス供給口及びBピラーガス供給口から前席主チャンバ及びBピラーチャンバに供給される。これにより、前席主チャンバ及びBピラーチャンバに対して早期にガスを供給することができる。
上記の前席主チャンバは、上端部がルーフサイド部に固定されており、ガス供給を受けて前席乗員の頭部と車体側部との間に膨張展開し、下端部がドアベルトラインよりも車両下方に至る。また、上記のBピラーチャンバは、前席主チャンバの車両後方に接続されており、ガス供給を受けてBピラーの車両幅方向内方に膨張展開する。このBピラーチャンバが、前席主チャンバと共に早期に膨張展開するため、側面衝突の衝撃によって車両幅方向外側へ慣性移動する前席乗員の頭部が前席主チャンバに当たった際には、前席主チャンバが、ルーフサイド部及びドアベルトラインから反力を受けることに加えて、Bピラーチャンバを介してBピラーから反力を受ける。これにより、前席主チャンバの車両幅方向外側への変位を抑制することができるので、前席主チャンバによる前席乗員の頭部の拘束開始時期を早めることができる。以上のことから、側面衝突に対する前席乗員の頭部拘束性能の向上に寄与する。
請求項2に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項1において、前記Bピラーチャンバは、膨張展開状態で前記Bピラーの長手方向に延びる前側非膨張部によって前記前席主チャンバと仕切られている。
請求項2に記載の発明では、上記のような前側非膨張部によってBピラーチャンバと前席主チャンバとが仕切られているので、Bピラーチャンバの車両幅方向の膨張厚を前側非膨張部側で薄くすることができる。これにより、Bピラーチャンバの容量を小さくすることができるので、Bピラーチャンバの膨張展開の早期化に寄与する。
請求項3に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項1又は請求項2において、前記Bピラーチャンバは、膨張展開状態で前記Bピラーの長手方向に延びる中央非膨張部によって前部と後部とに仕切られている。
請求項3に記載の発明では、上記のような中央非膨張部によってBピラーチャンバが前部と後部とに仕切られているので、Bピラーチャンバの車両幅方向の膨張厚を中央非膨張部側で薄くすることができる。これにより、Bピラーチャンバの容量を小さくすることができるので、Bピラーチャンバの膨張展開の早期化に寄与する。
請求項4に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項において、前記インフレータが発生させるガスが、前記ディフューザに形成された後噴出口を通って供給され、後席乗員の頭部と車体側部との間に膨張展開する後席主チャンバと、前記インフレータが発生させるガスが、前記前席主チャンバとの間に形成された絞り通路を通って供給され、前記前席主チャンバの車両前方に膨張展開する前席ディレイチャンバと、前記インフレータが発生させるガスが、前記Bピラーチャンバとの間に形成された絞り通路を通って供給され、前記Bピラーチャンバと前記後席主チャンバとの間に膨張展開する後席ディレイチャンバと、を備えている。
請求項4に記載の発明では、インフレータが発生させるガスが、ディフューザに形成された後噴出口を通って後席主チャンバに供給され、後席主チャンバが後席乗員の頭部と車体側部との間に早期に膨張展開する。これにより、側面衝突に対して後席乗員の頭部を後席主チャンバにより拘束することができる。
また、インフレータが発生させるガスは、前席主チャンバと前席ディレイチャンバとの間に形成された絞り通路を通って前席ディレイチャンバに供給され、前席ディレイチャンバが、前席主チャンバ、後席主チャンバ及びBピラーチャンバに対し遅れて前席主チャンバの車両前方に膨張展開する。これにより、車両の斜め衝突やロールオーバーに対して前席乗員の頭部を前席ディレイチャンバにより拘束することができる。
さらに、インフレータが発生させるガスは、Bピラーチャンバと後席ディレイチャンバとの間に形成された絞り通路を通って後席ディレイチャンバ供給され、後席ディレイチャンバが、前席主チャンバ、後席主チャンバ及びBピラーチャンバに対し遅れてBピラーチャンバと後席主チャンバとの間に膨張展開する。これにより、車両の斜め衝突やロールオーバーに対して後席乗員の頭部を後席ディレイチャンバにより拘束することができる。
以上説明したように、本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置では、側面衝突に対する前席乗員の頭部拘束性能の向上に寄与する。
本発明の実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置の概略全体構成を車両幅方向内側から見た側面図であり、カーテンエアバッグの膨張展開状態を示す図である。 図1のF2−F2線に沿った切断面を拡大して示す拡大断面図であり、後席ディレイチャンバの膨張前の状態を示す図である。 同車両用カーテンエアバッグ装置が備えるディフューザの斜視図である。 本発明の実施形態に係る自動車とMDB台車を示す平面図である。 比較例に係る車両用カーテンエアバッグ装置の主要部の構成を示す図1に対応した側面図である。
本発明の実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置10について図1〜図5に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印OUTは、それぞれ車両用カーテンエアバッグ装置10が適用された自動車(車両)12の前方向(進行方向)、上方向、及び車両幅方向外側を示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向(車両幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
(カーテンエアバッグ装置の全体構成)
図1に示されるように、車両用カーテンエアバッグ装置10は、例えばセダンタイプの自動車12に搭載されており、カーテンエアバッグ14と、インフレータ16と、ディフューザ18とを備えている。カーテンエアバッグ14は、車室側部に設けられた前後のサイドウインドガラス20、22及びBピラー(センタピラー)26に沿ってカーテン状に膨張展開するように形成されている。前側のサイドウインドガラス20は、前席(図2では前席のヘッドレスト21のみ図示)の側方に位置するフロントサイドドア30に設けられている。後側のサイドウインドガラス22は、後席(図2では後席のヘッドレスト23のみ図示)の側方に位置するリヤサイドドア32に設けられている。これらのサイドウインドガラス20、22がカーテンエアバッグ14によって車両幅方向内側から覆われる構成になっている。
図示は省略するが、カーテンエアバッグ14は、ロール折り及び蛇腹折りの少なくとも一方を含む所定の折り畳み方で折り畳まれて長尺状にされた上で、車室側部の上端部に設けられたルーフサイド部34にインフレータ16及びディフューザ18と共に収納(配設)される。この収納状態では、長尺状にされたカーテンエアバッグ14が、Aピラー(フロントピラー)24からルーフサイド部34に亘ってCピラー(リヤピラー)28まで延在する。なお、上記のルーフサイド部34は、ルーフサイドレール36と図示しないルーフヘッドライニングとを含んでおり、カーテンエアバッグ14、ディフューザ18及びインフレータ16は、ルーフサイドレール36とルーフヘッドライニングとの間に収納される。
インフレータ16は、カーテンエアバッグ14内にガスを供給するためのガス発生手段であり、例えば燃焼式又はコールドガス式のものが採用されている。このインフレータ16は、ルーフサイド部34におけるBピラー26側(本実施形態では、Bピラー26の車両後方近傍)に配置されており、図示しないブラケットを介してルーフサイドレール36に固定されている。このインフレータ16のガス噴出部は、後述する接続流路14G及びディフューザ18を介してカーテンエアバッグ14の内部と連通されている。このインフレータ16が作動されると、上記のガス噴出部から噴出したガスがカーテンエアバッグ14内に供給され、カーテンエアバッグ14が車室側面に沿って下方側へ膨張展開する。
上述のカーテンエアバッグ14及びインフレータ16は、自動車12の車両幅方向両側にそれぞれ設けられている。つまり、車両用カーテンエアバッグ装置10は、左右一対のカーテンエアバッグ14及び左右一対のインフレータ16を備えて構成されている。さらに、車両用カーテンエアバッグ装置10は、図1に示される如く、側突センサ38、ロールオーバーセンサ40及び斜突センサ42のそれぞれと電気的に接続されたエアバッグECU44を備えている。
側突センサ38は、自動車12の側面衝突(の不可避)を予測又は検出してエアバッグECU44に側突検出信号を出力するように構成されている。ロールオーバーセンサ40は、自動車12のロールオーバー(の不可避)を予測又は検出してエアバッグECU44にロールオーバー検出信号を出力するように構成されている。また、斜突センサ42は、自動車12の斜め衝突(の不可避)を予測又は検出してエアバッグECU44に斜突検出信号を出力するように構成されている。
エアバッグECU44は、左右のインフレータ16にそれぞれ電気的に接続されており(図1では、一方のインフレータ16との接続のみを示している)、側突検出信号又は斜突検出信号が入力されると、側面衝突側又は斜め衝突側(何れもニアサイド)のインフレータ16を作動させる構成になっている。したがって、自動車12に側面衝突又は斜め衝突が生じると、ニアサイドのカーテンエアバッグ14がガス供給を受けて膨張し、展開されるようになっている。また、エアバッグECU44は、ロールオーバー検出信号が入力されると、車両幅方向両側のインフレータ16を作動させる構成になっている。なお、エアバッグECU44は、側面衝突後又は斜め衝突後にロールオーバー検出信号が入力されると、すでに作動されているニアサイドとは反対側(ファーサイド)のインフレータ16を作動させるようになっている。
(カーテンエアバッグ及びディフューザの構成)
以下、カーテンエアバッグ14及びディフューザ18の具体的な構成について説明する。なお、特に断りのない場合、カーテンエアバッグ14の膨張展開状態の構成(形状)を説明するものとする。
カーテンエアバッグ14は、例えばOPWと略称されるワンピースウーブン(One Piece Woven)方式によって一体に袋織りされている。OPW方式では、ジャガード織機を用いて、二枚の布を同時に製織しながら、必要な個所を多重織りすることで、無縫製の袋体を形成する。なお、カーテンエアバッグ14の製造方法は、上記に限るものではない。例えばナイロン系又はポリエステル系の布材を切り出して形成された1枚又は複数枚の基布を袋状に縫製することによりカーテンエアバッグ14を製造してもよい。
このカーテンエアバッグ14の外周部には、外周非膨張部(線状結合部)46が設けられている。この外周非膨張部46の上部46Aには、複数(ここでは5つ)のタブ48が車両前後方向に並んで取り付けられている。これらのタブ48を貫通したクリップやボルト・ナット等の固定具によって、カーテンエアバッグ14が車体骨格(Aピラー24、ルーフサイドレール36、Cピラー28)に固定されている。また、このカーテンエアバッグ14の前端部は、後述する非膨張部50とAピラー24との間に架け渡された図示しないテンションベルトを介してAピラー24の下部に支持されている。なお、図1において符号46Bは、外周非膨張部46の下部を示しており、符号46Cは、外周非膨張部46の前部を示しており、符号46Dは、外周非膨張部46の後部を示している。
このカーテンエアバッグ14は、前席主チャンバ14Aと、後席主チャンバ14Bと、前席ディレイチャンバ14Cと、後席ディレイチャンバ14Dと、Bピラーチャンバ14E(以下、BPチャンバ14Eと称する)とを一体に備えている。さらに、このカーテンエアバッグ14は、前席主チャンバ14A及びBPチャンバ14Eと後席主チャンバ14Bとを相互に連通させたガス供給通路14Fと、インフレータ16が接続された接続通路14Gとを備えている。
前席主チャンバ14Aは、前席乗員FPの頭部FH(図2参照)に対して車両幅方向外方に膨張展開し、前席乗員FPの頭部FHと車体側部との間に介在する。この前席主チャンバ14Aは、車両側面視において、サイドウインドガラス20の前後方向中央付近から後端部までの範囲を車両幅方向内側(車室内側)から覆うように形成されている。この前席主チャンバ14Aの上端部には、前述したタブ48が前後方向に並んで一対設けられており、これら一対のタブ48を介して前席主チャンバ14Aの上端部がルーフサイドレール36に固定されている。
この前席主チャンバ14Aは、膨張展開状態で下端部がフロントサイドドア30のドアベルトラインBLよりも下方に至るように形成されており、前席主チャンバ14Aの下端部には、ベルトラインラップ部14A1(以下、BLラップ部14A1と称する)が設けられている。このBLラップ部14A1は、車両側面視において、フロントサイドドア30の上端部と重なるように設定されている。
この前席主チャンバ14Aには、側面衝突に対して前席乗員FPの頭部FHを保護する側突頭部保護エリアが設定されている。この側突頭部保護エリアは、IIHSのSUV側面衝突試験において前席に着座する側面衝突試験用のダミー人形(AM50)の頭部を拘束可能な領域に設定される。
一方、後席主チャンバ14B(図2では図示省略)は、後席乗員RPの頭部RH(図2参照)に対して車両幅方向外方に膨張展開し、後席乗員RPの頭部RHと車体側部との間に介在する。この後席主チャンバ14Bは、車両側面視において、サイドウインドガラス22の前後方向中央付近からCピラー28の前端部までの範囲を車両幅方向内側(車室内側)から覆うように形成されている。この後席主チャンバ14Bは、車両側面視において、後端部の上部側がCピラー28に対して重なるように形成されている。この後席主チャンバ14Bの上端部には、前述したタブ48が一つ設けられており、当該タブ48を介して後席主チャンバ14Bの上端部がCピラー28の上端部に固定されている。
この後席主チャンバ14Bには、側面衝突に対して後席乗員RPの頭部RHを保護する側突頭部保護エリアが設定されている。この側突頭部保護エリアは、IIHSのSUV側面衝突試験において後席に着座する側面衝突試験用のダミー人形(AM50)の頭部を拘束可能な領域に設定される。
一方、前席ディレイチャンバ14C(図2では図示省略)は、前席主チャンバ14Aの車両前方に接続されている。この前席ディレイチャンバ14Cは、前席主チャンバ14Aの前方で膨張展開されてカーテンエアバッグ14の前端部分を構成し、斜め衝突及びロールオーバーの際に前席乗員FPの頭部FHを前席の前方側で拘束(保護)するようになっている。この前席ディレイチャンバ14Cは、車両側面視で、その前端部の上部側がAピラー24に対して重なると共に、下部が前席主チャンバ14Aよりも下方側に突出してフロントサイドドア30のドアベルトラインBLよりも下方に至るように形成されている。この前席ディレイチャンバ14Cの上端部には、前述したタブ48が一つ設けられており、当該タブ48を介して前席ディレイチャンバ14Cの上端部がAピラー24の上端部に固定されている。
この前席ディレイチャンバ14Cは、非膨張部(線状結合部)50によって前席主チャンバ14Aと部分的に区画されて(仕切られて)いる。この非膨張部50は、外周非膨張部46の下部46Bからカーテンエアバッグ14の前端側かつ上端側へ向けて延出されている。この非膨張部50の上端部と外周非膨張部46の上部46Aとの間には、前席ディレイチャンバ14Cのガス供給口である前側絞り通路52が形成されている。この前側絞り通路52を介して前席主チャンバ14Aと前席ディレイチャンバ14Cとが相互に連通されている。
上記の前席ディレイチャンバ14Cは、ロールオーバー試験(FMVSS226規格)において前席乗員FPの頭部FHに相当するインパクタを当てる試験ポイント(インパクタ打撃点又は打点)のうち、最も前側の試験ポイントをカバーするように設けられている。なお、上記ロールオーバー試験における前席乗員FPに対する他の試験ポイントは、前席主チャンバ14Aによってカバーされる構成になっている。
一方、後席ディレイチャンバ14Dは、後席主チャンバ14Bの車両前方に接続されている。この後席ディレイチャンバ14Dは、後席主チャンバ14Bの前方で膨張展開され、ロールオーバー及び斜め衝突の際に後席乗員RPの頭部RHを後席の前方側で保護するようになっている。なお、図2においては、後席ディレイチャンバ14Dの膨張前の状態が実線で示されており、後席ディレイチャンバ14Dの膨張完了状態が二点鎖線で示されている。この後席ディレイチャンバ14Dは、本実施形態では、車両側面視において、Bピラー26の後端からサイドウインドガラス22の前後方向中央よりも若干後方側の部位までの範囲を車両幅方向内側(車室内側)から覆うように形成されている。
この後席ディレイチャンバ14Dは、後述するガス供給通路14Fの下方に位置しており、カーテンエアバッグ14の前後方向に延びる非膨張部(線状結合部)54によってガス供給通路14Fと区画されて(仕切られて)いる。この非膨張部54の前端部は、車両側面視において、Bピラー26の後端と重なる位置に設けられている。この非膨張部54の後端部からは、カーテンエアバッグ14の後端側かつ下端側へ向けて非膨張部(線状結合部)56が延出されている。この非膨張部56の下端部は、外周非膨張部46の下部46Bに接続されている。この非膨張部56によって後席ディレイチャンバ14Dと後席主チャンバ14Bとが区画されて(仕切られて)いる。
また、後席ディレイチャンバ14Dの前端部は、外周非膨張部46の下部46Bからカーテンエアバッグの上端側へ延びる後側非膨張部(線状結合部)58によってBPチャンバ14Eと部分的に区画され(仕切られ)ている。この後側非膨張部58は、車両側面視において、Bピラー26の長手方向に延びると共に、Bピラー26の後端と重なるように設定されている。この後側非膨張部58の上端部と非膨張部54の前端部との間には、後席ディレイチャンバ14Dのガス供給口である後側絞り通路60が形成されている。
上記の後席ディレイチャンバ14Dは、前述したロールオーバー試験(FMVSS226規格)において後席乗員RPの頭部RHに相当するインパクタを当てる試験ポイント(インパクタ打撃点又は打点)のうち、前後方向中間部の試験ポイントをカバーするように設けられている。そして、このロールオーバー試験における後席乗員RPに対する前側及び後側の試験ポイントは、後席ディレイチャンバ14D及び後席主チャンバ14Bによってカバーされる構成になっている。
一方、BPチャンバ14Eは、前席主チャンバ14Aの車両後方に接続されると共に、後席ディレイチャンバ14Dの車両前方に接続されており、Bピラー26の車両幅方向内方に膨張展開する。このBPチャンバ14Eは、車両側面視において、Bピラー26の上部を車両幅方向内側(車室内側)から覆うように形成されている。
このBPチャンバ14Eは、外周非膨張部46の下部46Bからカーテンエアバッグの上端側へ延びる前側非膨張部(線状結合部)62によって前席主チャンバ14Aと部分的に区画され(仕切られ)ている。この前側非膨張部62は、車両側面視において、Bピラー26の長手方向に延びると共に、Bピラー26の前端と重なるように設定されている。この前側非膨張部62の上端部は、カーテンエアバッグ14の上下方向中央よりも若干下方側に位置している。この前側非膨張部62の上端部と外周非膨張部46の上部46Aとの間には、前席主チャンバ14Aのガス供給口である前席ガス供給口64が形成されている。この前席ガス供給口64の開口面積は、前述した前側絞り通路52及び後側絞り通路60の開口面積よりも大きく設定されている。
また、BPチャンバ14Eは、Bピラー26の長手方向に延びる中央非膨張部(線状結合部)68によって前部であるBPチャンバ前部14E1と、後部であるBPチャンバ後部14E2とに仕切られて(区画されて)いる。この中央非膨張部68は、Bピラーチャンバ14Eの前後方向中央部に設けられており、車両側面視において、Bピラー26の長手方向に延びると共に、Bピラー26の前後方向中央と重なるように設定されている。この中央非膨張部68の上端部は、カーテンエアバッグ14の上下方向中央よりも若干上方側に位置している。
前側非膨張部62の上端部と中央非膨張部68の上端部との間には、BPチャンバ前部14E1のガス供給口である第1ガス供給口70が形成されている。また、中央非膨張部68の上端部と後側非膨張部58の前端部との間には、BPチャンバ後部14E2のガス供給口である第2ガス供給口72が形成されている。これらの第1ガス供給口70及び第2ガス供給口72は、BPチャンバ14Eのガス供給口であるBピラーガス供給口を構成している。
また、図1及び図2に示されるように、膨張展開したBPチャンバ14Eに対する車両幅方向外側(Bピラー26側)には、伸長部材としてのテンションストラップ74が配設されている。このテンションストラップ74は、例えばカーテンエアバッグ14の基布と同様の布材によって長尺帯状に形成されており、カーテンエアバッグ14の前後方向(車両前後方向)を長手として配設されている。テンションストラップ74の前端部は、縫製等の手段によって前側非膨張部62の上端部に縫製されており、テンションストラップ74の後端部は、縫製等の手段によって後側非膨張部58の上端部に縫製されている。
このテンションストラップ74は、BPチャンバ前部14E1及びBPチャンバ後部14E2の膨張展開によって車両前後方向に伸張されるように長さ寸法が設定されている。これにより、BPチャンバ前部14E1及びBPチャンバ後部14E2の車両前後方向の膨張が制限され、BPチャンバ前部14E1及びBPチャンバ後部14E2が中央非膨張部68側を車両幅方向内側へ突出させるように傾斜する構成になっている。なお、図2において符号27が付された部材は、Bピラーガーニッシュである。
一方、ガス供給通路14Fは、カーテンエアバッグ14の上端部の前後方向中央よりも若干後方寄りに設けられており、カーテンエアバッグ14の前後方向に延びている。このガス供給通路14Fによって、前席主チャンバ14A及びBPチャンバ14Eと後席主チャンバ14Bとが相互に連通されている。このガス供給通路14Fにおける後端部の上端部には、前述したタブ48が一つ設けられており、当該タブ48を介してガス供給通路14Fの後端部の上端部がルーフサイドレール36に固定されている。
ガス供給通路14Fの前部の上端部からは、上方側かつ後方側へ向けて筒状の接続通路14Gが延出されている。前述した外周非膨張部46は、接続通路14Gの先端部(後端部)において分割されており、接続通路14Gの後端部は開口している。この接続通路14Gの内側には、ディフューザ18(整流布又はインナチューブとも称する)が設けられている。
ディフューザ18は、図3に示されるように、カーテンエアバッグ14の基布と同様の布材によって二股に分岐した筒状に形成されており、接続通路14Gとガス供給通路14Fとに跨って配設されている。このディフューザ18は、筒状に形成されて接続通路14G内に挿入された本体部18Aと、本体部18Aの前部の下端側から後方側へ延出された筒状の分岐部18Bとを一体に備えている。分岐部18Bは、ガス供給通路14F内に配置されており、当該分岐部18B内と本体部18A内とが相互に連通されている。
本体部18Aの後端部には、後方側かつ上方側へ向けて開口したインフレータ挿入口76が形成されている。このインフレータ挿入口76は、接続通路14Gの後端開口からカーテンエアバッグ14の外側に露出しており、当該インフレータ挿入口76から本体部18A内にインフレータ16が挿入されている。
本体部18Aの前端部には、カーテンエアバッグ14の下端側かつ若干前端側へ向けて開口した前噴出口78が形成されており、分岐部18Bの後端部には、カーテンエアバッグ14の後端側へ向けて開口した後噴出口80が形成されている。前噴出口78は、請求項1に記載の噴出口に相当する。この前噴出口78の開口面積は、後噴出口80の開口面積よりも大きく設定されている。
インフレータ16が作動した際には、インフレータ16のガス噴出部から噴出されるガスが、ディフューザ18の前噴出口78及び後噴出口80からカーテンエアバッグ14内に噴出される。後噴出口80は、ガス供給通路14Fを介して後席主チャンバ14Bと連通されており、後噴出口80から噴出されるガスは、後席主チャンバ14Bに供給される(図1の矢印G4参照)。
前噴出口78は、カーテンエアバッグ14の膨張展開状態において、第2ガス供給口72の上方に位置すると共に、前席ガス供給口64、第1ガス供給口70に対して上方かつ後方に位置するように設定されている。これらの前席ガス供給口64、第1ガス供給口70及び第2ガス供給口72は、前噴出口78からのガス噴出時に、前噴出口78側へ向けて開口する(口を開く)ように設定されている。つまり、前噴出口78及び後噴出口80からガスが噴出され、折り畳まれたカーテンエアバッグ14が折り畳みを解かれることにより、前席ガス供給口64、第1ガス供給口70及び第2ガス供給口72が前噴出口78側へ向けて開口する。これらの前席ガス供給口64、第1ガス供給口70及び第2ガス供給口72と、前噴出口78との各距離は、同等又は略同等に設定されている。また、第2ガス供給口72と前噴出口78との間には、非膨張部等の仕切りが設定されておらず、前席ガス供給口64及び第1ガス供給口70と前噴出口78との間には、その一部に中央非膨張部68の上端部が存在している以外は、非膨張部等の仕切りが設定されていない構成になっている。
このため、前噴出口78から噴出されるガスは、前席主チャンバ14A、BPチャンバ前部14E1及びBPチャンバ後部14E2に対して略同時にかつ直接的に供給される構成になっている(図1の矢印G1、G2、G3参照)。この場合、前側非膨張部62の上端部が中央非膨張部68の上端部よりもカーテンエアバッグ14の下端側に位置していることにより、前噴出口78から噴出されるガスが前側非膨張部62と干渉することが抑制され、前席主チャンバ14Aにガスがスムースに供給されるようになっている。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図4には、本実施形態に係る自動車12と側面衝突試験用のMDB台車90(Moving Deformable Barrier)とが平面図にて示されている。このMDB台車90は、所謂SUVやミニバン等のように車高が高い自動車を模したものであり、バリアフェイス90Aと前席乗員FPの頭部FHとが高さ方向にオーバーラップする。このMDB台車90を自動車12に対して側面衝突させる側面衝突試験(IIHS MDB)に基づいて本実施形態の作用効果を説明する。この側面衝突試験では、MDB台車90の衝突速度が時速60キロメートルに設定されている。なお、図2では、MDB台車90の図示を省略している。
自動車12に対するMDB台車90の側面衝突を側突センサ38が予測又は検出すると、側突センサ38からエアバッグECU44に側突検出信号が出力される。側突検出信号を受けたエアバッグECU44は、側面衝突が生じた側のインフレータ16を作動させる。インフレータ16が作動すると、インフレータ16から発生するガスがディフューザ18の前噴出口78及び後噴出口80から噴出される。
前噴出口78から噴出されるガスは、前席ガス供給口64、第1ガス供給口70及び第2ガス供給口72から前席主チャンバ14A、BPチャンバ前部14E1及びBPチャンバ後部14E2に供給される。また、後噴出口80から噴出されるガスは、ガス供給通路14Fを通って後席主チャンバ14Bに供給される。これにより、前席主チャンバ14A、BPチャンバ前部14E1、BPチャンバ後部14E2及び後席主チャンバ14Bが膨張し、カーテンエアバッグ14が車室側面に沿って下方側へ展開する。
前席主チャンバ14A及び後席主チャンバ14Bは、前席乗員FPの頭部FH及び後席乗員RPの頭部RHの車両幅方向外方に膨張展開する。このため、側面衝突の衝撃によって車両幅方向外方に変位しようとする前席乗員FPの頭部FH及び後席乗員RPの頭部RHが、前席主チャンバ14A及び後席主チャンバ14Bによって拘束される。ここで、MDB台車90の衝突速度が速い場合(ここでは時速60キロメートル)、特に前席主チャンバ14Aによる前席乗員FPの頭部FHの拘束開始時期を早めることが求められる。
この点、本実施形態では、前席ガス供給口64、第1ガス供給口70及び第2ガス供給口72が、前噴出口78からのガス噴出時にディフューザ18の前噴出口78側へ向けて開口するように設定されている。これにより、前席主チャンバ14A、BPチャンバ前部14E1及びBPチャンバ後部14E2に対して早期にガスを供給することができる。
前席主チャンバ14Aは、上端部がルーフサイド部34に固定されており、ガス供給を受けて前席乗員FPの頭部FHと車体側部との間に膨張展開し、下端部がフロントサイドドア30のドアベルトラインBLよりも車両下方に至る。また、BPチャンバ14Eは、ガス供給を受けてBピラー26の車両幅方向内方に膨張展開する。このBPチャンバ14Eが、前席主チャンバ14Aと共に早期に膨張展開するため、側面衝突の衝撃によって車両幅方向外側へ慣性移動する前席乗員FPの頭部FHが前席主チャンバ14Aに当たった際には、前席主チャンバ14Aが、ルーフサイド部34及びドアベルトラインBLから反力を受けることに加えて、BPチャンバ14Eを介してBピラー26から反力を受ける。これにより、ルーフサイド部34、ドアベルトラインBL及びBピラー26の間で前席主チャンバ14Aにテンションを働かせることができる。その結果、前席主チャンバ14Aの車両幅方向外側への変位を抑制することができるので、前席主チャンバ14Aがサイドウインドガラス20から反力を受ける前に頭部FHの拘束を開始することができる。
つまり、図2に矢印Wで示される幅の分だけ前席主チャンバ14Aの車両幅方向の膨張厚を増加させた場合と同様の位置から頭部FHの拘束を開始することができるので、前席主チャンバ14Aによる頭部FHの拘束開始時期を早めることができる。以上のことから、側面衝突に対する前席乗員FPの頭部拘束性能の向上に寄与する。
上記の効果について、図5に示される車両用カーテンエアバッグ装置100(比較例)を用いて説明する。この車両用カーテンエアバッグ装置100では、カーテンエアバッグ102がBPチャンバ14Eを備えておらず、後席ディレイチャンバ14Dの前部が車両側面視でBピラー26と重なるように構成されている。それ以外の構成は、本実施形態と同様とされている。なお、図5では、本実施形態と基本的に同様の構成については同符号を付している。
この車両用カーテンエアバッグ装置100では、前席主チャンバ14Aに供給されたガスの一部が後側絞り通路60を通って後席ディレイチャンバ14Dに供給されるため、後席ディレイチャンバ14Dが前席主チャンバ14Aに対して時間的に遅れて膨張する。このため、例えばMDB台車90の衝突速度が時速60キロメートルの場合、前席乗員FPの頭部FHが前席主チャンバ14Aに当たるタイミングにおいて、後席ディレイチャンバ14Dの膨張が不十分になる。その結果、前席主チャンバ14Aが後席ディレイチャンバ14Dを介してBピラー26に支持されなくなり、前席主チャンバ14Aの車両幅方向外側への変位が十分に抑制されなくなる。それにより、前席主チャンバ14Aがサイドウインドガラス20から反力を受けるまで、実質的に頭部FHが前席主チャンバ14Aに拘束されなくなるため、頭部FHの拘束開始時期が遅くなる。
この点、本実施形態では、前述したように前席主チャンバ14Aによる頭部FHの拘束開始時期を早めることができるので、前席乗員FPの頭部障害値(HIC:Head Injury Criterion)を低下させることに寄与する。
なお、前席主チャンバ14Aの車両幅方向の膨張厚を、図2に矢印Wで示される幅の分だけ増加させれば、本実施形態と同様に頭部FHの拘束開始時期を早めることができる。しかしながら、その場合、前席主チャンバ14Aの容量が増加すると共に、当該容量が増加した前席主チャンバ14Aを早期に膨張展開させるためにインフレータ16の出力を増加させなければならなくなる。そのような対策では、前席主チャンバ14Aの膨張展開領域が拡大することになるため、例えば、当該膨張展開領域に頭部等が位置する非適正位置(out of position)の乗員が前席主チャンバ14Aから受ける負荷が高くなり、所謂OOP性能の確保と背反する可能性がある。
この点、本実施形態では、前述したように、ルーフサイド部34、ドアベルトラインBL及びBピラー26の間で前席主チャンバ14Aにテンションを働かせることにより、前席主チャンバ14Aの車両幅方向外方への変位を抑制する構成である。これにより、前席主チャンバ14Aの容量の増加を最小限に留めることができるので、OOP性能を確保する観点でも好適である。
また、本実施形態では、BPチャンバ14Eは、膨張展開状態でBピラー26の長手方向に延びる前側非膨張部62によって前席主チャンバ14Aと仕切られている。このため、BPチャンバ14Eの車両幅方向の膨張厚を前側非膨張部62側で薄くすることができる。これにより、BPチャンバ14Eの容量を小さくすることができるので、BPチャンバ14Eの膨張展開の早期化に寄与する。この点は、後側非膨張部58側においても同様である。
さらに、本実施形態では、BPチャンバ14Eは、膨張展開状態でBピラーの長手方向に延びる中央非膨張部68によってBPチャンバ前部14E1とBPチャンバ後部14E2とに仕切られている。このため、BPチャンバ14Eの膨張厚を中央非膨張部68側で薄くすることができる。これにより、BPチャンバ14Eの容量をより小さくすることができるので、BPチャンバ14Eの膨張展開の早期化に一層寄与する。しかも、BPチャンバ14Eの膨張厚を中央非膨張部68側で薄くすることができるので、膨張展開するBPチャンバ14Eが前席のヘッドレスト21に対して不用意に干渉することを防止又は抑制できる。
また、本実施形態では、BPチャンバ14Eにおける車両前後方向の両端側及び中央側に、前側非膨張部62、中央非膨張部68及び後側非膨張部58が設定されている。これにより、BPチャンバ前部14E1及びBPチャンバ後部14E2が、それぞれBピラー26の長手方向を軸方向とする略円柱状に膨張する(図2参照)。このため、自動車12に対する斜め後方(後方かつ車両幅方向外方)からの衝突に対して、前席乗員FPの頭部FHをBPチャンバ前部14E1によって拘束することができる。同様に、自動車12に対する斜め前方(前方かつ車両幅方向外方)からの衝突に対して後席乗員RPの頭部RHをBPチャンバ後部14E2によって拘束することができる。これにより、斜め衝突に対する前後席乗員FP、RPの頭部拘束性能の向上に寄与する。
しかも、膨張展開状態のBピラーチャンバ14Eに対する車両幅方向外側に設けられたテンションストラップ74が伸長されることにより、BPチャンバ前部14E1及びBPチャンバ後部14E2が中央非膨張部68側を車両幅方向内側へ突出させるように傾斜する。これにより、上述のような斜め衝突に対して、前席乗員FPの頭部FHをBPチャンバ前部14E1により受け止め易くなると共に、後席乗員RPの頭部RHをBPチャンバ後部14E2により受け止め易くなる。したがって、斜め衝突に対する前後席乗員FP、RPの頭部拘束性能の向上に一層寄与する。
また、本実施形態では、インフレータ16から発生するガスが、前席主チャンバ14Aと前席ディレイチャンバ14Cとの間に形成された前側絞り通路52を通って前席ディレイチャンバ14C供給される。その結果、前席ディレイチャンバ14Cが、前席主チャンバ14A、後席主チャンバ14B及びBPチャンバ14Eに対して時間的に遅れて膨張展開する。これにより、自動車12の斜め衝突やロールオーバーに対して前席乗員FPの頭部FHを前席ディレイチャンバ14Cにより拘束することができる。
さらに、インフレータ16から発生するガスは、BPチャンバ14Eと後席ディレイチャンバ14Dとの間に形成された後側絞り通路60を通って後席ディレイチャンバ14D供給される。その結果、後席ディレイチャンバ14Dが、前席主チャンバ14A、後席主チャンバ14B及びBPチャンバ14Eに対して時間的に遅れて膨張展開する。これにより、自動車12の斜め衝突やロールオーバーに対して後席乗員RPの頭部RHを後席ディレイチャンバ14Dにより拘束することができる。
しかも、前席主チャンバ14Aが前席乗員FPの頭部FHによって押された際には、前席主チャンバ14Aに供給されたガスの一部が、前側絞り通路52を通って前席ディレイチャンバ14Cに供給されると共に、BPチャンバ後部14E2及び後側絞り通路60を通って後席ディレイチャンバ14Dに供給される。これにより、前席主チャンバ14Aの内圧が過度に上昇しないようにすることができるので、前席主チャンバ14Aの過度な内圧上昇によって前席乗員FPのHICが上昇することを回避できる。
なお、上記実施形態では、カーテンエアバッグ14が、前席主チャンバ14A、後席主チャンバ14B、前席ディレイチャンバ14C及び後席ディレイチャンバ14Dを備えた構成にしたが、本発明はこれに限らず、カーテンエアバッグ14の構成は適宜変更可能である。例えば2シーターの車両では、後席主チャンバ及び後席ディレイチャンバが省略された構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、Bピラーチャンバ14Eが中央非膨張部68によってBPチャンバ前部14E1とBPチャンバ後部14E2とに仕切られた構成にしたが、本発明はこれに限らず、中央非膨張部68が省略された構成にしてもよい。また、上記実施形態において、前側非膨張部62、中央非膨張部68及び後側非膨張部58の代わりに、細幅なテザーを仕切部として設定する構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、ディフューザ18の前噴出口78が一つの開口によって形成された構成にしたが、本発明はこれに限るものではない。つまり、例えばディフューザ18の前噴出口78が3つの開口に分割され、当該3つの開口が前席主チャンバ14A、BPチャンバ前部14E1、BPチャンバ後部14E2にそれぞれ割り当てられる構成にしてもよい。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
10 車両用カーテンエアバッグ装置
12 自動車(車両)
14A 前席主チャンバ
14B 後席主チャンバ
14C 前席ディレイチャンバ
14D 後席ディレイチャンバ
14E Bピラーチャンバ
14E1 BPチャンバ前部(前部)
14E2 BPチャンバ後部(後部)
16 インフレータ
18 ディフューザ
26 Bピラー
34 ルーフサイド部
52 前側絞り通路
60 後側絞り通路
62 前側非膨張部
64 前席ガス供給口
68 中央非膨張部
70 第1ガス供給口(Bピラーガス供給口)
72 第2ガス供給口(Bピラーガス供給口)
78 前噴出口(噴出口)
80 後噴出口

Claims (4)

  1. 車両のルーフサイド部におけるBピラー側に配置されたインフレータと、
    前記インフレータが発生させるガスを、噴出口から噴出させるディフューザと、
    前記ルーフサイド部に上端部が固定され、前記噴出口から噴出されるガスが、前記噴出口側へ向けて開口する前席ガス供給口から供給され、前席乗員の頭部と車体側部との間に膨張展開し、下端部がドアベルトラインよりも車両下方に至る前席主チャンバと、
    前記前席主チャンバの車両後方に接続され、前記噴出口から噴出されるガスが、前記噴出口側へ向けて開口するBピラーガス供給口から供給され、前記Bピラーの車両幅方向内方に膨張展開するBピラーチャンバと、
    を備えた車両用カーテンエアバッグ装置。
  2. 前記Bピラーチャンバは、膨張展開状態で前記Bピラーの長手方向に延びる前側非膨張部によって前記前席主チャンバと仕切られている請求項1に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
  3. 前記Bピラーチャンバは、膨張展開状態で前記Bピラーの長手方向に延びる中央非膨張部によって前部と後部とに仕切られている請求項1又は請求項2に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
  4. 前記インフレータが発生させるガスが、前記ディフューザに形成された後噴出口を通って供給され、後席乗員の頭部と車体側部との間に膨張展開する後席主チャンバと、
    前記インフレータが発生させるガスが、前記前席主チャンバとの間に形成された前側絞り通路を通って供給され、前記前席主チャンバの車両前方に膨張展開する前席ディレイチャンバと、
    前記インフレータが発生させるガスが、前記Bピラーチャンバとの間に形成された後側絞り通路を通って供給され、前記Bピラーチャンバと前記後席主チャンバとの間に膨張展開する後席ディレイチャンバと、
    を備えた請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
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