JP2016034197A - スピンドルモータおよびハードディスク駆動装置 - Google Patents

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真一 丹羽
寿昭 浅川
Toshiaki Asakawa
寿昭 浅川
重之 足立
Shigeyuki Adachi
重之 足立
谷 弘詞
Kouji Tani
谷  弘詞
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Abstract

【課題】潤滑油の流体動圧軸受装置外への漏出をより低減させたスピンドルモータを提供する。【解決手段】ロータハブ3の内周壁部11とベースプレート6の周壁部29との対向部に、テーパシール部28に連通する小隙間部(隙間部)を形成し、内周壁部11に、N極が小隙間部に臨むようにシール用永久磁石34を配列して磁性シール部32を構成した。これにより、潤滑油の基油成分の反磁性を利用して、テーパシール部28の液面Lで拡散した蒸発油の粒子を流体動圧軸受装置21内に封じ込めることが可能であり、小隙間部を介したテーパシール部28から駆動部収容空間15への蒸発油の漏出を効果的に抑止することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、スピンドルモータおよびハードディスク駆動装置に関する。
ハードディスク駆動装置の駆動源として、回転部と静止部との間に流体動圧軸受装置が構成されたスピンドルモータが周知である。このようなハードディスク駆動装置では、作動時の発熱によって蒸発した流体動圧軸受装置内の潤滑油の基油成分がハードディスクや磁気ヘッド等に付着した場合、データの読み書きにエラーをきたすおそれがある。そこで、特許文献1に記載されたスピンドルモータは、シャフトとスリーブとの間に形成したテーパシール部によって潤滑油の漏出を抑制し、さらにテーパシール部の上方に設けたラビリンスシール部によって潤滑油の蒸発を防止することで、潤滑油の減少を効果的に防いでいる。
特開2004−19669号公報
ところで、ハードディスク駆動装置においては、薄型化および大容量化に伴い、磁気ヘッドとディスクとの間隔をより小さくすることが求められている。そこで、流体動圧軸受装置に充填された潤滑油(蒸発油)の流体動圧軸受装置外への漏出をより低減させたスピンドルモータの開発が当業者の技術課題となっている。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、潤滑油(蒸発油)の流体動圧軸受装置外への漏出をより低減させたスピンドルモータおよび該スピンドルモータを備えるハードディスク駆動装置を提供することを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明のスピンドルモータは、回転部と静止部との間に流体動圧軸受装置が構成されるスピンドルモータであって、前記流体動圧軸受装置は、潤滑油が充填される軸受隙間と、前記軸受隙間の少なくとも一端に設けられて潤滑油の液面が形成されるテーパシール部と、前記テーパシール部とステータおよび駆動用永久磁石が収容される駆動部収容空間とを連通する隙間部と、蒸発した潤滑油の反磁性を利用して潤滑油の前記隙間部からの漏出を抑止する磁性シール部と、を含み、前記磁性シール部は、前記隙間部を臨むように設けられて前記回転部と前記静止部との少なくとも一方に固定されるシール用永久磁石を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明のハードディスク駆動装置は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載されたスピンドルモータを備えることを特徴とする。
本発明によれば、潤滑油(蒸発油)の流体動圧軸受装置外への漏出をより低減させたスピンドルモータおよび該スピンドルモータを備えるハードディスク駆動装置を提供することができる。
本実施形態の説明図であって、軸回転型スピンドルモータの主要部を軸平面による断面で示す図である。 図1におけるA部の拡大図である。 本実施形態の説明図であって、磁性シール部の潤滑油漏出抑止作用を説明するための図である。 本実施形態の磁性シール部の効果を検証する試験に使用された装置の概略図であって、(A)は軸平面による断面図、(B)は平面図(上面図)、(C)は(B)におけるC部の拡大図である。 図4に示される装置を使用した試験結果を示す図である。 他の実施形態の説明図である。 他の実施形態の説明図であって、軸固定型スピンドルモータの主要部を軸平面による断面で示す図である。 図7に示される実施形態の変形例を説明するための図である。
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。
ここでは、ハードディスク駆動装置の駆動源として使用される軸回転型のスピンドルモータ1を説明する。なお、ハードディスク駆動装置は、スピンドルモータ1を除く構成は従来技術と同一である。したがって、明細書の記載を簡潔にすることを目的に、ハードディスク駆動装置の詳細な説明を省略する。また、説明の便宜上、図1における上下方向をそのままスピンドルモータ1の上下方向と定義する。
図1は、本実施形態の概念図であって、スピンドルモータ1の断面図である。スピンドルモータ1は、シャフト2、ロータハブ3、および駆動用永久磁石4を含む回転部と、スリーブ5、ベースプレート6、およびステータ7を含む静止部と、に大別され、回転部と静止部との間に後述する流体動圧軸受装置21が構成される。ロータハブ3は、略カップ形に形成され、円板部8、および該円板部8の周縁から下方向へ延びる円環形の外周壁部9を有する。また、ロータハブ3は、円板部8の中央を上下方向へ貫通する軸孔10を有する。換言すると、軸孔10は、当該スピンドルモータ1の回転軸(以下「回転軸」という)に対して同軸に配置され、軸孔10には、シャフト2の上端が嵌着(固定)される。
図1に示されるように、ロータハブ3は、円板部8から下方へ延びてスリーブ5の上部を囲繞する円環形の内周壁部11を有する。内周壁部11は、当該スピンドルモータ1の回転軸に対して同軸に配置される。なお、円板部8の下面におけるシャフト2と内周壁部11との間の範囲には、スリーブ5の上端面に対向する円環形のスラスト面23が形成される。スリーブ5のシャフト挿通孔12には、ロータハブ3の円板部8から下方向へ延びる(突出する)シャフト2が挿通される。スリーブ5の下部は、ベースプレート6の中央に突設されたボス部13に固定される。換言すると、スリーブ5は、ロータハブ3の内周壁部11の下端位置から下側の部分が、ベースプレート6のボス部13のスリーブ嵌着孔14に嵌着される。
なお、ロータハブ3の外周壁部9とベースプレート6のボス部13との間には、駆動部収容空間15が形成される。駆動部収容空間15には、ロータハブ3の外周壁部9の内周に設けられた駆動用永久磁石4と、ベースプレート6のボス部13の外周に設けられたステータ7と、が収容される。また、スリーブ5のシャフト挿通孔12の下端は、スリーブ5の下端に取り付けられたカウンタプレート16によって閉塞される。
流体動圧軸受装置21は、シャフト2の外周面とスリーブ5の内周面(シャフト挿通孔12の内周面)との間に構成されるラジアル軸受部22、スリーブ5の上端面とロータハブ3の円板部8のスラスト面23との間に構成される第1スラスト軸受部24、およびシャフト2の下端面とカウンタプレート16との間に構成される微小隙間25を有する。ラジアル軸受部22は、シャフト2の外周面とスリーブ5の内周面との間に形成される微小隙間(軸受隙間)に潤滑油が充填されることで構成される。また、ラジアル軸受部22は、スリーブ5の内周面に上下一対で設けられるヘリングボーンパターンの動圧発生溝26を有する。
第1スラスト軸受部24は、スリーブ5の上端面とロータハブ3の円板部8のスラスト面23との間に形成される微小隙間(軸受隙間)に潤滑油が充填されることで構成される。また、第1スラスト軸受部24は、動圧溝発生溝(図示省略)を有し、該第1スラスト軸受部24の動圧発生溝は、スリーブ5の上端面に、例えば渦状パターンで設けられる。シャフト2の回転時に第1スラスト軸受部24に動圧が発生することによってロータハブ3が浮上する。この際、シャフト2のフランジ部2Aはシャフトの抜け止めとして機能する。なお、フランジ部2Aの下端面には、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の耐摩耗処理を施すことが望ましい。
流体動圧軸受装置21は、上端がスリーブ5の上端面に開口するとともに下端がカウンタプレート16とシャフト2のフランジ部2Aとを跨ぐように開口する連通路27を有する。また、流体動圧軸受装置21は、複数本(例えば3本、図1においては1本のみ表示)の連通路27が回転軸回りに等間隔で配置される。これにより、スピンドルモータ1の作動時、すなわち、シャフト2の回転時には、潤滑油は、第1スラスト軸受部24によるポンピング力によって、第1スラスト軸受部24からラジアル軸受部22を下方向へ移動し、さらに、各連通路27を上方向へ移動して第1スラスト軸受部24へ戻って循環する。
流体動圧軸受装置21は、軸受隙間に充填された潤滑油の軸受隙間からの漏出を毛細管現象を利用して抑止するテーパシール部28を有する。テーパシール部28は、軸受隙間の一端、換言すると、第1スラスト軸受部24を構成するスリーブ5の上端面とロータハブ3の円板部8のスラスト面23との間に形成される微小隙間の半径方向外側(駆動部収容空間15側)の端に連通される。また、テーパシール部28は、スリーブ5の上部の外径を上端に向けて拡径させることでロータハブ3の内周壁部11とスリーブ5の上部との間に形成された隙間によって構成され、テーパシール部28には、潤滑油の液面Lが位置する。
流体動圧軸受装置21は、ベースプレート6のボス部13の上端に立設された周壁部29を有する。周壁部29は、円環形に形成されてボス部13の上端の外周縁に沿って延びる。なお、図1に示されるように、ベースプレート6のボス部13の板厚寸法は、ロータハブ3の内周壁部11の壁厚と周壁部29の壁厚とを加えた寸法よりも必然的に大きくなる。また、ロータハブ3の内周壁部11の下端面とベースプレート6のボス部13の上端面との間には、隙間部30(図2参照)が形成される。なお、隙間部30の間隔は、シャフト2およびロータハブ3を含むロータが回転時に浮上することで変化する。
図2に示されるように、流体動圧軸受装置21は、ロータハブ3の内周壁部11の外周面とベースプレート6の周壁部29の内周面との対向部に形成される円環形の小隙間部31(隙間部)を有する。小隙間部31は、下端が隙間部30を介してテーパシール部28に連通され、上端が駆動部収容空間15に連通される。すなわち、テーパシール部28は、隙間部30および小隙間部31を介して駆動部収容空間15に連通される。そして、流体動圧軸受装置21は、テーパシール部28に位置する潤滑油の液面Lから拡散した潤滑油の基油成分(以下「蒸発油」という)の反磁性を利用して蒸発油が小隙間部31から駆動部収容空間15へ漏出するのを抑止する磁性シール部32を有する。なお、潤滑油は、例えば、PAO(ポリα-オレフィン)、エステル系オイルなどを使用することができる。
磁性シール部32は、ロータハブ3(回転部)の内周壁部11の外周面に形成された円環形の磁石装着溝33に、複数個のシール用永久磁石34を固定することで構成される。磁石装着溝33には、複数個のシール用永久磁石34が、ロータハブ3の内周壁部11の内周に沿って一定の間隔(0を含む)で配列される。各シール用永久磁石34は、同一の磁極(本実施形態ではN極)が小隙間部31を臨むように配置される。換言すると、円環形の磁石装着溝33には、外周側(駆動部収容空間15側)に各シール用永久磁石34のN極が配置され、内周側(テーパシール部28側)に各シール用永久磁石34のS極が配置される。なお、シール用永久磁石34は、小隙間部31の隙間が最も狭い位置に臨むように配置することが望ましく、具体的には、小隙間部31の隙間が100μm以下(0を含まない)である位置に臨むように配置することが望ましい。
ここで、図3は、蒸発油の反磁性を利用して蒸発油が小隙間部31から駆動部収容空間15へ漏出するのを抑止する磁性シール部32の作用を説明するための図である。なお、図3において、磁性シール部32を構成する複数個のシール用永久磁石34を1つの棒磁石で示す。
磁性シール部32、すなわち、小隙間部31(隙間部)には、図3に示されるようなシール用永久磁石34による磁場が形成される。テーパシール部28の液面Lで拡散した蒸発油の粒子35が、図3における下から上へ、すなわち、テーパシール部28から駆動部収容空間15へ向けて移動して、領域D1で磁場の影響を受けると、反磁性を有する粒子35には、磁石の同一極性間に作用する斥力と類似の反発力F1が作用する。これにより、蒸発油の粒子35は、図3における下方向、すなわち、テーパシール部28側へ戻される。その結果、小隙間部31を介したテーパシール部28から駆動部収容空間15への蒸発油の漏出、すなわち、流体動圧軸受装置21から外部への潤滑油の漏出が抑止される。
また、図3における領域D1を通過したシール用永久磁石34よりも図3における上側に位置する蒸発油の粒子35Aには、領域D2における磁場の影響によって反磁性による反発力F2が作用する。これにより、蒸発油の粒子35Aは、小隙間部31の図3における左側壁面、すなわち、ベースプレート6の周壁部29の内周面に衝突して付着し、その結果、流体動圧軸受装置21から外部への潤滑油の漏出が抑止される。
なお、磁性シール部32は、磁束線の間隔がテーパシール部28側へ向けて拡大されるように、または、磁束線が小隙間部31を構成する壁面と交差するように、シール用永久磁石34を配置することが望ましい。また、反磁性による反発力(斥力)は、磁束密度の勾配に比例して大きくなることから、小隙間部31における磁束密度が大きくなるようにシール用永久磁石34を配置することが望ましい。
本出願の発明者は、流体動圧軸受装置21における磁性シール部32の有用性を検証するための試験を実施した。図4の(A)乃至(C)は、当該試験に使用された装置41の説明図である。図4(A)に示されるように、装置41は、有底円筒形の容器42と、容器42の開口を被う蓋体43と、を有する。蓋体43の上面43Aの中央には軸部44が突設され、該軸部44には、蓋体43の上面43Aに対して一定の間隔をあけてハードディスク45が装着される。図4(B)に示されるように、蓋体43には、軸部44を介して同一直線(直径)上に配置されたスリットS1,S2(流体動圧軸受装置21の小隙間部31に相当)が形成される。なお、各スリットS1,S2の隙間の間隔は、100μmに設定される。
一方のスリットS1の隙間方向(図4(B)における上下方向)両側には、特定の磁極がスリットS1に臨むように配置された永久磁石46(流体動圧軸受装置21のシール用永久磁石34に相当)が対で設けられる。永久磁石46の対は、スリットS1を挟んで異極同士が対向するように配置される。また、スリットS1に沿う方向(図4(B)における左右方向)に配列される永久磁石46の各列は、隣接する永久磁石46の磁極が互い違い(異極)となるように配置される。なお、各永久磁石46の表面磁束密度は、530mTである。容器42には、FDBオイル(エステル油を基油とする流体動圧軸受用潤滑油)が注入される。当該FDBオイルの特性は、40℃における動粘度が8.5mm/s、100℃における動粘度が2.5mm/sである。
容器42内のFDBオイルをヒータで120℃(スピンドルモータ1の作動時における潤滑油温度)に保持し、この状態で24時間放置した。そして、ハードディスク45の外径と内径との平均径を直径とする円の円弧上で、ハードディスク45の表面(図4(A)における下面)に形成された基油成分の油膜厚を分光エリプソメータによって測定した。図5は、スリットS1に対応する位置を、ハードディスク45の中心を中心とする図4(B)における時計回り方向への90°の角度位相位置とし、スリットS2に対応する位置を、ハードディスク45の中心を中心とする図4(B)における反時計回り方向への90°の角度位相位置としたときの、45°から135°までの角度位相範囲における油膜厚の測定結果を示す図である。
図5を参照すると、永久磁石46が配列されていないスリットS2に対応する位置(角度位相90°)におけるハードディスク45上の油膜厚が約65Åであるのに対し、永久磁石46が配列されたスリットS1に対応する位置(角度位相90°)におけるハードディスク45上の油膜厚は、約40Å(約40%の減少幅)である。この試験結果から、流体動圧軸受装置21から外部への潤滑油の漏出を抑止する上で、磁性シール部32が有用であることは明らかであり、磁性シール部32の潤滑油漏出抑止効果が実証された。
この実施形態では以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、ロータハブ3(回転部)の内周壁部11の外周面とベースプレート6(静止部)の周壁部29の内周面との対向部に、テーパシール部28に連通される小隙間部31(隙間部)を形成し、ロータハブ3の内周壁部11に、磁極(本実施形態ではN極)が小隙間部31に臨むように複数個のシール用永久磁石34を連続して配列することにより、流体動圧軸受装置21に磁性シール部32を構成した。
これにより、流体動圧軸受装置21の小隙間部31(磁性シール部32)には、各シール用永久磁石34の磁極(N極)からテーパシール部28側(流体動圧軸受装置21の内部側)へ向けて磁束線の間隔が拡大する磁場が形成される。そして、テーパシール部28の液面Lで拡散した蒸発油の粒子35は反磁性を有することから、磁場の影響を受けた蒸発油の粒子35には反磁性による反発力(斥力)が作用し、その結果、蒸発油の粒子35は、テーパシール部28側、すなわち、流体動圧軸受装置21の内部側へ戻される。
このように、本実施形態では、潤滑油の基油成分の反磁性を利用して、テーパシール部28の液面Lで拡散した蒸発油の粒子35を流体動圧軸受装置21内に封じ込めることが可能であり、小隙間部31を介したテーパシール部28から駆動部収容空間15への蒸発油の漏出、すなわち、流体動圧軸受装置21から外部への潤滑油の漏出を効果的に抑止することができる。また、シール用永久磁石34を小隙間部31の隙間が最も狭い位置(0を含まない100μm以下の隙間)である位置に臨むように配置して磁性シール部32を構成することにより、より効果的に潤滑油の基油成分の反磁性を利用することができる。
このような流体動圧軸受装置21を備えたスピンドルモータ1では、潤滑油の減少、すなわち、回転部と静止部との間の油膜が切れることに起因する不具合を防止することが可能であり、スピンドルモータ1の耐久性(寿命)を向上させることができる。さらに、このようなスピンドルモータ1を備えたハードディスク駆動装置では、蒸発した潤滑油の基油成分がハードディスクや磁気ヘッドに付着することに起因するエラーを防ぐことが可能であり、信頼性を向上させることができる。また、このようなハードディスク駆動装置では、薄型化および大容量化に寄与することができる。
なお、実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば、次のように構成することができる。
本実施形態では、複数個のシール用永久磁石34を連続して、換言すると、隣接するシール用永久磁石34間に間隔をあけずに複数個のシール用永久磁石34を円環形に配列したが、本実施形態のようにシール用永久磁石34を回転部側に設けた場合、隣接するシール用永久磁石34間に一定の間隔をあけて複数個のシール用永久磁石34を配列することにより、磁性シール部32を構成することができる。この場合、スピンドルモータ1の作動時に回転部(ロータ)が高速回転することにより、結果として、小隙間部31には、全周にわたって磁場が形成される。
本実施形態では、シール用永久磁石34のN極が小隙間部31(隙間部)に臨むように複数個のシール用永久磁石34を配列することで磁性シール部32を構成したが、小隙間部31を臨む磁極はN極とS極とのどちらであってもよい。
また、本実施形態では、複数個のシール用永久磁石34(回転部側シール用永久磁石)を回転部側に設けて磁性シール部32を構成したが、静止部、すなわち、ベースプレート6の周壁部29に、磁極(N極もしくはS極)が小隙間部31に臨むように複数個のシール用永久磁石34(静止部側シール用永久磁石)を連続して配列することにより、流体動圧軸受装置21に磁性シール部32を構成することができる。
さらに、図6に示されるように、小隙間部31(隙間部)を挟んで回転部と静止部との双方にシール用永久磁石34を対向して配列する、換言すると、ロータハブ3(回転部)の内周壁部11とベースプレート6(静止部)の周壁部29との双方に、シール用永久磁石34を相互に対向するように配列して、流体動圧軸受装置21に磁性シール部32を構成することができる。
この場合、小隙間部31を挟んで対向するシール用永久磁石34の磁極は、同極であることが望ましい。このように、対向するシール用永久磁石34間で磁極を同極とすることにより、対向するシール用永久磁石34間に作用する斥力によって、スピンドルモータ1の求心性(回転精度)を向上させることができる。
ここまで、軸回転型のスピンドルモータ1の流体動圧軸受装置21に磁性シール部32を適用した形態を説明したが、例えば、図7に示される軸固定型のスピンドルモータ51の流体動圧軸受装置52に磁性シール部53を適用することができる。スピンドルモータ51のシャフト71は、その下端部においてカップ形部材61を介してベースプレート56(静止部)に間接的に固定されている。また、シャフト71は、その上端部にフランジ部72を有する。
さらに、スピンドルモータ51は、シャフト71、カップ形部材61およびフランジ部72によって形成される中間スペースの中で、これらの構成部品に対して相対的に回転可能に配置されたスリーブ73を含んでいる。スリーブ73にはロータハブ54が固定されている。カップ形部材61とスリーブ73の下端面との間の微小隙間、およびスリーブ73とシャフト71との間の微小隙間によって両端が開口した軸受隙間が形成される。カップ形部材61の底面とスリーブ73の下端面の少なくともいずれか一方にはスラスト動圧溝(図示せず)が形成されてスラスト軸受部74を構成する。
スリーブ73の内周面とシャフト71の外周面の少なくともいずれか一方には一対のラジアル動圧溝が形成されてラジアル軸受部75を構成する。フランジ部72の外周面とスリーブ73の内周面の間、およびカップ形部材61の内周面とスリーブ73の外周面との間には、それぞれ上側テーパシール部76と下側テーパシール部58が形成されて両側が開口した流体動圧軸受装置51をシールする。
軸受隙間に潤滑油を充填した状態では、上側テーパシール部76と下側テーパシール部58にそれぞれ液面が位置する。さらに上側シール部76にはフランジ部72の外周面にスパイラル溝77が形成されて、動的なポンピングシールも形成されている。そして、上側テーパシール部76の上部には蒸発油の漏出を抑えるためにカバー78が設けられている。
このような構造のスピンドルモータ51において、下側テーパシール部58からの蒸発油の漏出も抑えるために、ロータハブ54(回転部)の内周壁部55の外周面とベースプレート56(静止部)の周壁部57の内周面との対向部に、下側テーパシール部58に連通される小隙間部59(隙間部)を形成し、ロータハブ54の内周壁部55に、磁極(例えばN極)が小隙間部59に臨むように複数個のシール用永久磁石60を連続して配列することにより、流体動圧軸受装置52に磁性シール部53を構成することができる。
また、図8に示されるように、ロータハブ54の内周壁部55に設けられるシール用永久磁石60から離れた複数個所にシール用永久磁石63を追加することができる。より具体的には、ベースプレート56(静止部)に固定されたカップ形部材61の周壁部62に、テーパシール部58(隙間部)に臨むように複数個のシール用永久磁石63を連続して円環形に配列することにより、磁性シール部53を構成することができる。この場合、シール用永久磁石63は、テーパシール部58の範囲内の潤滑油液面Lから上方向へ離れた位置、すなわち、開口部に配置することが望ましい。
1 スピンドルモータ、2 シャフト(回転部)、3 ロータハブ(回転部)、4 駆動用永久磁石、5 スリーブ(静止部)、6 ベースプレート(静止部)、7 ステータ、15 駆動部収容空間、22 ラジアル軸受部(軸受隙間)、24 第1スラスト軸受部(軸受隙間)、31 小隙間部(隙間部)、32 磁性シール部

Claims (6)

  1. 回転部と静止部との間に流体動圧軸受装置が構成されるスピンドルモータであって、
    前記流体動圧軸受装置は、
    潤滑油が充填される軸受隙間と、前記軸受隙間の少なくとも一端に設けられて潤滑油の液面が形成されるテーパシール部と、前記テーパシール部とステータおよび駆動用永久磁石が収容される駆動部収容空間とを連通する隙間部と、蒸発した潤滑油の反磁性を利用して潤滑油の前記隙間部からの漏出を抑止する磁性シール部と、を含み、
    前記磁性シール部は、
    前記隙間部を臨むように設けられて前記回転部と前記静止部との少なくとも一方に固定されるシール用永久磁石を含むことを特徴とするスピンドルモータ。
  2. 前記磁性シール部は、前記シール用永久磁石を複数個所の前記隙間部に離れて配置することで構成されることを特徴とする請求項1に記載されたスピンドルモータ。
  3. 前記磁性シール部は、前記回転部に設けられる複数個の回転部側シール用永久磁石と、前記静止部に設けられて各回転部側シール用永久磁石と対をなして配置される複数個の静止部側シール用永久磁石と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載されたスピンドルモータ。
  4. 前記シール用永久磁石は、前記隙間部の隙間が最も狭い位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載されたスピンドルモータ。
  5. 前記シール用永久磁石は、前記隙間部の間隔が0よりも大きく且つ100μm以下である位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載されたスピンドルモータ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載されたスピンドルモータを備えることを特徴とするハードディスク駆動装置。
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