JP2016020039A - 印刷装置の較正方法、印刷装置 - Google Patents

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Keiji Wada
啓志 和田
▲高▼橋 透
透 ▲高▼橋
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隆光 近藤
Takamitsu Kondo
隆光 近藤
和義 棚瀬
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和義 棚瀬
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Abstract

【課題】階調値の補正によらずに吐出ヘッドの吐出特性に応じた印刷を可能とする。
【解決手段】電圧信号の大きさに応じた量の液体を吐出する吐出ヘッドを複数備えた印刷装置の較正方法であって、上記目的を達成するために、テストパターン毎に吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを異ならせて、所定階調値を有するテストパターンを吐出ヘッドに複数形成させる第1工程と、基準量の液体により形成された所定階調値を有する基準パターンの基準光沢度と複数のテストパターンの光沢度とに基づいて、印刷時に吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを設定する第2工程とを備える。
【選択図】図9

Description

この発明は、印加された電圧信号の大きさに応じた量の液体を吐出する吐出ヘッドを複数備えた印刷装置を較正する技術に関する。
従来、液体を吐出する吐出ヘッドを備え、吐出ヘッドに電圧信号を印加することで、電圧信号の大きさに応じた量の液体を吐出ヘッドから印刷媒体に吐出して、画像を印刷する印刷装置が知られている。かかる印刷装置では、吐出ヘッドによって液体の吐出特性が異なるために、同じ電圧信号を印加したとしても吐出ヘッドによって吐出する液体の量が異なる場合がある。したがって、良好な画質で印刷を行うためには、吐出ヘッドの吐出特性に応じて印刷を行うことが求められる。
そこで、特許文献1では、吐出ヘッドから液体を吐出してテストパターンを形成し、テストパターンの光沢度を測定した結果に応じて吐出ヘッドを制御する。具体的には、異なる階調値を有する複数のテストパターンを形成し、各テストパターンの光沢度を測定することで、階調値と光沢度との関係を取得する。そして、取得した関係に基づいて印刷時の階調値を補正することで、良好な画質で印刷を行うことを可能としている。
特開2011−218576号公報
ところで、階調値の補正による上記手法は必ずしも簡便ではない。そのため、階調値の補正によらない手法で、吐出ヘッドの吐出特性に応じた印刷を可能とする技術が求められていた。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、階調値の補正によらずに吐出ヘッドの吐出特性に応じた印刷を可能とする技術の提供を目的とする。
本発明にかかる印刷装置の較正方法は、電圧信号の大きさに応じた量の液体を吐出する吐出ヘッドを複数備えた印刷装置の較正方法であって、上記目的を達成するために、テストパターン毎に吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを異ならせて、所定階調値を有するテストパターンを吐出ヘッドに複数形成させる第1工程と、基準量の液体により形成された所定階調値を有する基準パターンの基準光沢度と複数のテストパターンの光沢度とに基づいて、印刷時に吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを設定する第2工程とを備えることを特徴とする。
本発明にかかる印刷装置は、電圧信号の大きさに応じた量の液体を吐出する吐出ヘッドを複数備えたヘッドユニットと、光沢度計と、複数の吐出ヘッドの較正を実施するためのプログラムが記憶された記憶部と、プログラムを実施可能な制御部と、を備え、制御部がプラグラムを実施することで、テストパターン毎に吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを異ならせて、所定階調値を有するテストパターンを吐出ヘッドに複数形成させ、基準量の液体により形成された所定階調値を有する基準パターンの基準光沢度と光沢度計を用いて測定した複数のテストパターンの光沢度とに基づいて、印刷時に吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを設定する、ことが可能であることを特徴とする。
このように構成された本発明(印刷装置の較正方法)では、テストパターン毎に吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを異ならせて、テストパターンを吐出ヘッドに複数形成させる。これによって、光沢度の異なる複数のテストパターンを得ることができる。ちなみに、複数のテストパターンの光沢度の違いは、吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさおよび階調値の両方の影響を受け得る。ただし、本発明では、複数のテストパターンは同一の階調値(所定階調値)で形成されており、各テストパターンの光沢度の違いからは階調値の影響が排除されている。したがって、複数のテストパターンの光沢度の違いは、概ね電圧信号の大きさによるものとなっており、換言すれば、光沢度と電圧信号の大きさの関係を示すものとなる。その上で、本発明は、基準光沢度と複数のテストパターンの光沢度とに基づいて、印刷時に吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを設定する。したがって、適切な量の液体が吐出ヘッドから吐出されるように電圧信号の大きさを調整することができ、階調値の補正によらずに吐出ヘッドの吐出特性に応じた印刷を行うことが可能となっている。
この際、基準量の液体を吐出することで所定階調値を有する基準パターンを形成する第3工程を、第2工程の前に備え、第2工程では、第3工程で形成した基準パターンの基準光沢度と、複数のテストパターンの光沢度とに基づいて、印刷時に吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを設定するように、印刷装置の較正方法を較正しても良い。
また、第2工程では、テストパターンの形成の際に吐出ヘッドに印加した電圧信号の大きさとテストパターンの光沢度とに基づいて電圧信号の大きさと光沢度との関係を算出した結果から求めた基準光沢度に対応する電圧信号の大きさを、印刷時に吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさに設定するように、印刷装置の較正方法を較正しても良い。かかる構成では、電圧信号の大きさと光沢度との関係を算出した結果に基づいて、電圧信号の大きさを高精度に調整することができる。
また、第2工程では、複数のテストパターンのうち基準光沢度に最も近い光沢度を有するテストパターンを形成する際に吐出ヘッドに印加した電圧信号の大きさを、印刷時に吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさに設定するように、印刷装置の較正方法を較正しても良い。かかる構成では、電圧信号の大きさを簡便に設定することができる。
また、第2工程では、光沢度計で測定したテストパターンの光沢度と基準光沢度とに基づいて、印刷時に吐出ヘッドに印刷する電圧信号の大きさを設定するように、印刷装置の較正方法を較正しても良い。あるいは、第2工程では、基準量の液体で形成された所定階調値を有する基準パターンの基準光沢度と、テストパターンの光沢度とを目視によって比較した結果に基づいて、印刷時に吐出ヘッドに印加する電気信号の大きさを設定するように、印刷装置の較正方法を較正しても良い。
また、所定階調値は、テストパターンを形成する基材の種類および液体の種類の少なくとも1つに応じて設定されているように、印刷装置の較正方法を較正しても良い。これによって、基材の種類あるいは液体の種類によらず、電圧信号の大きさの違いをテストパターンの光沢度の違いに的確に反映させることができ、電圧信号の大きさを高精度に調整することができる。
また、本発明のように光沢度に応じて吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを設定し、吐出ヘッドから吐出する液体の量を調整する構成は、液体の色を選ばずに適用することができる。したがって、液体は透明である場合についても、本発明を好適に用いることができる。
また、上記の印刷装置においては、制御部は、プログラムを所定のタイミングで実施しても良い。
本発明の較正方法の対象となるプリンターの構成を示す正面図。 図1に示すプリンターが備える電気的構成を示すブロック図。 ヘッドユニットの構成の一例を模式的に示す底面図。 吐出ヘッドに印加する電圧信号の波形を示すグラフ。 電圧信号の最大電位差とインクの吐出量との関係を示すグラフ。 光沢度と階調値との関係を示すグラフ。 所定階調値におけるインクの吐出量と光沢度との関係を示すグラフ。 所定階調値における電圧信号の最大電位差と光沢度との関係を示すグラフ。 吐出ヘッドの較正方法の一例を示すフローチャート。 図9のステップS110、S111の演算処理の内容を示すグラフ。
図1は、本発明の較正方法の対象となるプリンターの構成の一例を模式的に示す正面図である。図1に示すように、プリンター1では、その両端が繰出軸20および巻取軸40にロール状に巻き付けられた1枚のシートS(ウェブ)が搬送経路Pcに沿って張架されており、シートSは、繰出軸20から巻取軸40へ向かう搬送方向Dsへ搬送されつつ、画像記録を受ける。シートSの種類は、紙系とフィルム系に大別される。具体例を挙げると、紙系には上質紙、キャスト紙、アート紙、コート紙等があり、フィルム系には合成紙、PET(Polyethylene terephthalate)フィルム、PP(polypropylene)フィルム等がある。概略的には、プリンター1は、繰出軸20からシートSを繰り出す繰出部2(繰出領域)と、繰出部2から繰り出されたシートSに画像を記録するプロセス部3(プロセス領域)と、プロセス部3で画像の記録されたシートSを巻取軸40に巻き取る巻取部4(巻取領域)を備える。なお、以下の説明では、シートSの両面のうち、画像が記録される面を表面と称する一方、その逆側の面を裏面と称する。
繰出部2は、シートSの端を巻き付けた繰出軸20と、繰出軸20から引き出されたシートSを巻き掛ける従動ローラー21とを有する。繰出軸20は、シートSの表面を外側に向けた状態で、シートSの端を巻き付けて支持する。そして、繰出軸20が図1の時計回りに回転することで、繰出軸20に巻き付けられたシートSが従動ローラー21を経由してプロセス部3へと繰り出される。ちなみに、シートSは、繰出軸20に着脱可能な芯管22を介して繰出軸20に巻き付けられている。したがって、繰出軸20のシートSが使い切られた際には、ロール状のシートSが巻き付けられた新たな芯管22を繰出軸20に装着して、繰出軸20のシートSを取り換えることが可能となっている。
プロセス部3は、繰出部2から繰り出されたシートSを回転ドラム30で支持しつつ、回転ドラム30の外周面に沿って配置された各機能部51、52、61、62、63により処理を適宜行って、シートSに画像を記録するものである。このプロセス部3では、回転ドラム30の両側に前駆動ローラー31と後駆動ローラー32とが設けられており、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSが回転ドラム30に支持されて、画像記録を受ける。
前駆動ローラー31は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、繰出部2から繰り出されたシートSを裏面側から巻き掛ける。そして、前駆動ローラー31は図1の時計回りに回転することで、繰出部2から繰り出されたシートSを搬送経路の下流側へと搬送する。なお、前駆動ローラー31に対してはニップローラー31nが設けられている。このニップローラー31nは、前駆動ローラー31側へ付勢された状態でシートSの表面に当接しており、前駆動ローラー31との間でシートSを挟み込む。これによって、前駆動ローラー31とシートSの間の摩擦力が確保され、前駆動ローラー31によるシートSの搬送を確実に行なうことができる。
回転ドラム30は図示を省略する支持機構により搬送方向Dsおよびその逆方向の両方向に回転可能に支持された、例えば400[mm]の直径を有する円筒形状のドラムであり、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSを裏面側から巻き掛ける。この回転ドラム30は、シートSとの間の摩擦力を受けてシートSの搬送方向Dsに従動回転しつつ、シートSを裏面側から支持するものである。ちなみに、プロセス部3では、回転ドラム30への巻き掛け部の両側でシートSを折り返す従動ローラー33、34が設けられている。これらのうち従動ローラー33は、前駆動ローラー31と回転ドラム30の間でシートSの表面を巻き掛けて、シートSを折り返す。一方、従動ローラー34は、回転ドラム30と後駆動ローラー32の間でシートSの表面を巻き掛けて、シートSを折り返す。このように、回転ドラム30に対して搬送方向Dsの上・下流側それぞれでシートSを折り返すことで、回転ドラム30へのシートSの巻き掛け部を長く確保することができる。
後駆動ローラー32は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、回転ドラム30から従動ローラー34を経由して搬送されてきたシートSを裏面側から巻き掛ける。そして、後駆動ローラー32は図1の時計回りに回転することで、シートSを巻取部4へと搬送する。なお、後駆動ローラー32に対してはニップローラー32nが設けられている。このニップローラー32nは、後駆動ローラー32側へ付勢された状態でシートSの表面に当接しており、後駆動ローラー32との間にシートSを挟み込む。これによって、後駆動ローラー32とシートSの間の摩擦力が確保され、後駆動ローラー32によるシートSの搬送を確実に行なうことができる。
このように、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSは、回転ドラム30の外周面に支持される。そして、プロセス部3では、回転ドラム30に支持されるシートSの表面に対してカラー画像を記録するために、互いに異なる色に対応した複数のヘッドユニット51が設けられている。具体的には、イエロー、シアン、マゼンタおよびブラックに対応する4個のヘッドユニット51が、この色順で搬送方向Dsに並ぶ。各ヘッドユニット51は、回転ドラム30に巻き掛けられたシートSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しており、対応する色のインク(有色インク)をノズルからインクジェット方式で吐出する。そして、搬送方向Dsへ搬送されるシートSに対して各ヘッドユニット51がインクを吐出することで、シートSの表面にカラー画像が形成される。
ちなみに、インクとしては、紫外線(光)を照射することで硬化するUV(ultraviolet)インク(光硬化性インク)が用いられる。そこで、プロセス部3では、インクを硬化させてシートSに定着させるために、UV照射器61、62が設けられている。なお、このインク硬化は、仮硬化と本硬化の二段階に分けて実行される。複数のヘッドユニット51の各間には、仮硬化用のUV照射器61が配置されている。つまり、UV照射器61は弱い照射強度の紫外線を照射することで、インクの濡れ広がり方が紫外線を照射しない場合に比べて十分に遅くなる程度にインクを硬化(仮硬化)させるものであり、インクを本硬化させるものではない。一方、複数のヘッドユニット51に対して搬送方向Dsの下流側には、本硬化用のUV照射器62が設けられている。つまり、UV照射器62は、UV照射器61より強い照射強度の紫外線を照射することで、インクの濡れ広がりが停止する程度に硬化(本硬化)させるものである。
このように、複数のヘッドユニット51の各間に配置されたUV照射器61が、搬送方向Dsの上流側のヘッドユニット51からシートSに吐出された有色インクを仮硬化させる。したがって、一のヘッドユニット51がシートSに吐出したインクは、搬送方向Dsの下流側で一のヘッドユニット51に隣り合うヘッドユニット51に到るまでに仮硬化される。これによって、異なる色の有色インクが混ざり合うといった混色の発生が抑制される。こうして混色が抑制された状態で、複数のヘッドユニット51は互いに異なる色の有色インクを吐出して、シートSにカラー画像を形成する。さらに、複数のヘッドユニット51より搬送方向Dsの下流側では、本硬化用のUV照射器62が設けられている。そのため、複数のヘッドユニット51により形成されたカラー画像は、UV照射器62により本硬化されてシートSに定着する。
さらに、UV照射器62に対して搬送方向Dsの下流側には、ヘッドユニット52が設けられている。このヘッドユニット52は、回転ドラム30に巻き掛けられたシートSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しており、透明のUVインクをノズルからインクジェット方式でシートSの表面に吐出する。つまり、4色分のヘッドユニット51によって形成されたカラー画像に対して、透明インクがさらに吐出される。この透明インクは、カラー画像の全面に吐出されて、光沢感あるいはマット感といった質感をカラー画像に与える。また、ヘッドユニット52に対して搬送方向Dsの下流側には、UV照射器63が設けられている。このUV照射器63は強い紫外線を照射することで、ヘッドユニット52が吐出した透明インクを本硬化させるものである。これによって、透明インクをシートS表面に定着させることができる。
このように、プロセス部3では、回転ドラム30の外周部に巻き掛けられるシートSに対して、インクの吐出および硬化が適宜実行されて、透明インクでコーティングされたカラー画像が形成される。そして、このカラー画像の形成されたシートSが、後駆動ローラー32によって巻取部4へと搬送される。
巻取部4は、シートSの端を巻き付けた巻取軸40の他に、巻取軸40と後駆動ローラー32の間でシートSを裏面側から巻き掛ける従動ローラー41を有する。巻取軸40は、シートSの表面を外側に向けた状態で、シートSの端を巻き取って支持する。つまり、巻取軸40が図1の時計回りに回転すると、後駆動ローラー32から搬送されてきたシートSが従動ローラー41を経由して巻取軸40に巻き取られる。ちなみに、シートSは、巻取軸40に着脱可能な芯管42を介して巻取軸40に巻き取られる。したがって、巻取軸40に巻き取られたシートSが満杯になった際には、芯管42ごとシートSを取り外すことが可能となっている。
以上がプリンター1の装置構成の概要である。続いて、プリンター1の各部を制御する電気的構成について説明を行なう。図2は、図1に示すプリンターが備える電気的構成の一例を模式的に示すブロック図である。プリンター1では、コンピューターで構成されたプリンター制御部100が設けられている。そして、ヘッドユニット、UV照射器およびシート搬送系の装置各部はプリンター制御部100によって制御される。これら装置各部に対するプリンター制御部100の制御の詳細は次のとおりである。
プリンター制御部100は、図1を用いて詳述したシートSの搬送を制御する機能を司る。つまり、シート搬送系を構成する部材のうち、繰出軸20、前駆動ローラー31、後駆動ローラー32および巻取軸40それぞれにはモーターが接続されている。そして、プリンター制御部100はこれらのモーターを回転させつつ、各モーターの速度やトルクを制御して、シートSの搬送を制御する。このシートSの搬送制御の詳細は次のとおりである。
プリンター制御部100は、繰出軸20を駆動する繰出モーターM20を回転させて、繰出軸20から前駆動ローラー31にシートSを供給する。この際、プリンター制御部100は、繰出モーターM20のトルクを制御して、繰出軸20から前駆動ローラー31までのシートSのテンション(繰出テンションTa)を調整する。つまり、繰出軸20と前駆動ローラー31の間に配置された従動ローラー21には、繰出テンションTaの大きさを検出するテンションセンサーS21が取り付けられている。このテンションセンサーS21は、例えばシートSから受ける力の大きさを検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部100は、テンションセンサーS21の検出結果(検出値)に基づいて、繰出モーターM20のトルクをフィードバック制御して、シートSの繰出テンションTaを調整する。
プリンター制御部100は、前駆動ローラー31を駆動する前駆動モーターM31と、後駆動ローラー32を駆動する後駆動モーターM32とを回転させる。これによって、繰出部2から繰り出されたシートSがプロセス部3を通過する。この際、前駆動モーターM31に対しては速度制御が実行される一方、後駆動モーターM32に対してはトルク制御が実行される。つまり、プリンター制御部100は、前駆動モーターM31のエンコーダー出力に基づいて、前駆動モーターM31の回転速度を一定に調整する。これによって、シートSは、前駆動ローラー31によって一定速度で搬送される。
また、プリンター制御部100は、後駆動モーターM32のトルクを制御して、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32までのシートSのテンション(プロセステンションTb)を調整する。つまり、回転ドラム30と後駆動ローラー32の間に配置された従動ローラー34には、プロセステンションTbの大きさを検出するテンションセンサーS34が取り付けられている。このテンションセンサーS34は、例えばシートSから受ける力の大きさを検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部100は、テンションセンサーS34の検出結果(検出値)に基づいて、後駆動モーターM32のトルクをフィードバック制御して、シートSのプロセステンションTbを調整する。
プリンター制御部100は、巻取軸40を駆動する巻取モーターM40を回転させて、後駆動ローラー32が搬送するシートSを巻取軸40に巻き取る。この際、プリンター制御部100は、巻取モーターM40のトルクを制御して、後駆動ローラー32から巻取軸40までのシートSのテンション(巻取テンションTc)を調整する。つまり、後駆動ローラー32と巻取軸40の間に配置された従動ローラー41には、巻取テンションTcを検出するテンションセンサーS41が取り付けられている。このテンションセンサーS41は、例えばシートSから受ける力を検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部100は、テンションセンサーS41の検出結果に基づいて、巻取モーターM40のトルクをフィードバック制御して、シートSの巻取テンションTcを調整する。
また、プリンター制御部100は、シートSの搬送制御以外に、各種の制御を実行する。つまり、UV照射器61、62、63の点灯・消灯のタイミングや照射光量もプリンター制御部100によって制御される。また、プリンター1はタッチスクリーンパネル8(ユーザーインターフェース)を備えており、プリンター制御部100は、ユーザーインターフェース8との間の入出力の制御を行う。したがって、ユーザーは、タッチスクリーンパネル8にタッチすることで指令やデータをプリンター制御部100に入力したり、タッチスクリーンパネル8の表示を見ることでプリンター制御部100が示す情報を確認したりすることができる。
さらに、プリンター制御部100は、カラー画像を形成する各ヘッドユニット51のインク吐出タイミングを、シートSの搬送に応じて制御する。具体的には、このインク吐出タイミングの制御は、回転ドラム30の回転軸に取り付けられて、回転ドラム30の回転位置を検出するドラムエンコーダーE30の出力(検出値)に基づいて実行される。つまり、回転ドラム30はシートSの搬送に伴って従動回転するため、回転ドラム30の回転位置を検出するドラムエンコーダーE30の出力を参照すれば、シートSの搬送位置を把握することができる。そこで、プリンター制御部100は、ドラムエンコーダーE30の出力からpts(print timing signal)信号を生成し、このpts信号に基づいて各ヘッドユニット51のインク吐出タイミングを制御することで、各ヘッドユニット51が吐出したインクを搬送されるシートSの目標位置に着弾させて、カラー画像を形成する。ヘッドユニット52が透明インクを吐出するタイミングも、同様にドラムエンコーダーE30の出力に基づいてプリンター制御部100により制御される。これによって、複数のヘッドユニット51によって形成されたカラー画像に対して、透明インクを的確に吐出することができる。
また、プリンター制御部100は、ヘッドユニット51、52が有する吐出ヘッド500(図3)に印加する電圧信号VS(図4)の波形を調整することで、各ヘッドユニット51、52から吐出するインクの量を制御する。ここで、図3は、ヘッドユニットの構成の一例を模式的に示す底面図である。図4は、吐出ヘッドに印加する電圧信号の波形の一例を模式的に示すグラフであり、横軸が時間tに対応し、縦軸が電位Vに対応する。
図3に示すように、ヘッドユニット51、52は、長手方向に千鳥状に配列された複数の吐出ヘッド500を有し、各吐出ヘッド500には、シートSへ向けて開口する複数のノズル501が長手方向に並ぶ。各吐出ヘッド500は、特開2011−218576号公報と同様に、印加された電圧信号(駆動信号)によってピエゾ素子(圧電素子)を駆動してインクをノズル501から吐出するピエゾ方式のものである。そして、プリンター制御部100は、時間tの経過とともに電位Vが基準電位Voから最高電位Vxまで上昇した後に最低電位Vnまで下降して再び基準電位Voに戻る波形を有する電圧信号VSを、各吐出ヘッド500(のピエゾ素子)に印加する。これによって、各吐出ヘッド500からは、電圧信号VSの最大電位差Vh(振幅)に応じた量のインクが吐出される(Vh=Vx−Vn)。
この際、プリンター制御部100は、電圧信号VSの最大電位差Vhを調整することで、各吐出ヘッド500から吐出するインクの量を制御する。具体的には、プリンター制御部100は、吐出ヘッド500毎に調整された最大電位差Vhを保存する記憶部110を有しており、各吐出ヘッド500に対して対応する最大電位差Vhの電圧信号VSを印加する。このように各吐出ヘッド500に対して対応する最大電位差Vhの電圧信号VSを印加するのは、吐出ヘッド500毎に液体の吐出特性が異なるため、同じ電圧信号を印加したとしても吐出ヘッドによって吐出する液体の量が異なる場合があるためである。そこで、吐出ヘッド500毎に適切な最大電位差Vhの電圧信号VSを印加することで、各吐出ヘッド500から吐出されるインクの吐出量が等しくなるようにしている。
つまり、同じ電圧信号を印加した時に吐出ヘッド500毎に吐出される液体の量が異なると、色ムラが生じて所望の画質の画像を得ることができなかったり、インクの吐出量が画像の光沢度に影響するために、インクの吐出量が不適切であると所望の光沢度の画像が得られなかったりする。そこで、本発明では、吐出ヘッド500毎に適切な最大電位差Vhの電圧信号VSを印加することで、各吐出ヘッド500から吐出されるインクの吐出量が等しくなるようにしている。ここで、最大電位差Vh、インクの吐出量および光沢度の関係について、図5〜図8を用いて詳述しておく。
図5は、電圧信号の最大電位差とインクの吐出量との関係の一例を示すグラフであり、横軸が最大電位差Vhに対応し、縦軸がインクの吐出量Iwに対応する。図6は、光沢度と階調値との関係の一例を示すグラフであり、横軸が階調値(換言すれば、Duty)に対応し、縦軸が光沢度に対応する。図7は、所定階調値(21%)におけるインクの吐出量と光沢度との関係の一例を示すグラフであり、横軸がインクの吐出量Iwに対応し、縦軸が光沢度に対応する。図8は、所定階調値(21%)における電圧信号の最大電位差と光沢度との関係の一例を示すグラフであり、横軸が最大電位差Vhに対応し、縦軸が光沢度に対応する。
図5に示すように、最大電位差Vhの増大に伴って、吐出ヘッド500からのインクの吐出量Iwはリニアに増大する。ここで、図5の吐出特性を有する吐出ヘッド500によって階調値を変化させながら画像を形成した場合、階調値に対する光沢度の変化を示す曲線は図6に表すようになる。なお、図6では、吐出ヘッド500からのインクの吐出量Iwが19.3[ng]、22.9[ng]、26.0[ng]の各場合について当該曲線が示されている。
図6に示すように、低階調範囲(15%以下)では、階調値の増大に伴って光沢度は減少する。つまり、低階調範囲の画像は、それぞれドーム型の形状を有した複数のインクドットが大きな間隔を空けて並んだ構成を有する。インクドット表面がドーム型であり且つ低密度であるためにインクドット表面で反射された光は光沢度に寄与せずに、シートS表面で正反射された光が主に光沢度に寄与する。そのため、低階調範囲では、階調値の増大に伴ってシートS表面の面積率が減少し、光沢度が減少する。
中階調範囲(15%〜30%)では、階調値の増大に伴って光沢度が増大する。つまり、中階調範囲では、隣接するインクドットが相互に接続し始めて、複数のインクドットから成る画像の表面が全体として平坦化し始める。そして、平坦化されたインク表面で正反射された光が光沢度に寄与し始める。そのため、中階調範囲では、階調値の増大に伴って平坦化されたインク表面の面積率が増加して、光沢度が増大する。さらに、高階調範囲(30%以上)では、階調値の増大に伴ってインク表面が平坦化する余地が無くなるために、階調値の変化に対する光沢度の変化は飽和する。
ここで、図6においてインクの吐出量Iwによる光沢度の違いに注目すると、中階調範囲ではインクの吐出量Iwの増加に伴って光沢度が増加する。例えば階調値21%の場合には、図7に示すようにインクの吐出量Iwの増加に対して光沢度はリニアに増大し、その結果、図8に示すように最大電位差Vhの増加に対して光沢度はリニアに増大する。そして、このように最大電位差Vhの増大に対して光沢度が変化するといった性質を利用して、所望の光沢度が得られる最大電位差Vhを各吐出ヘッド500について設定する吐出ヘッド500の較正動作を実行することができる。
図9は、吐出ヘッドの較正方法の一例を示すフローチャートである。ちなみに、図9のフローチャートによる較正は、各ヘッドユニット51、52の各吐出ヘッド500に対して実行可能であるが、ここでは特に透明インク用のヘッドユニット52の吐出ヘッド500に対して実行する場合について説明する。
ステップS101では、サービスマン(ユーザー)がタッチスクリーンパネル8を介してプリンター制御部100に、較正プログラムPGを開始するように指令を入力し、この指令を受けたプリンター制御部100が記憶部110に保存された較正プログラムPG(図2)を開始する。すなわち、ステップS102では、搬送方向DsへのシートSの定速搬送を開始し、ステップS103では、テストパターンの形成個数をカウントするカウント値Nを「1」に設定する(Nは1以上の整数)。ステップS104では、各吐出ヘッド500の最大電位差Vhに電位差V(N)を設定する。ここで、電位差V(N)は、カウント値Nのインクリメントに伴って所定幅ΔV(>0)ずつ増大する値であり、V(N+1)=V(N)+ΔVの関係が満たされる。
ステップS105では、最大電位差V(N)の電圧信号VSを各吐出ヘッド500に印加することで、最大電位差V(N)に応じた量のインクを各吐出ヘッド500からシートSに吐出させて、吐出ヘッド500毎にテストパターンを形成する。具体的には、記憶部110に保存されたテスト用画像データDI(ビットマップデータ)に応じて、電圧信号VSを吐出ヘッド500に印加する。これによって、テスト用画像データDIが示すドット位置に吐出ヘッド500からインクが吐出されて、テストパターンがシートSに形成される。このテスト用画像データDIは、中階調範囲にある所定階調値(例えば、21%)に対応するものであり、各吐出ヘッド500は、同一のテスト用画像データDI(すなわち、同一の階調値)に対応する画像をシートSに形成する。
ステップS106では、カウント値Nが最大カウント値Nmax(例えば「10」)に到達したか否かが判断される。そして、カウント値Nが最大カウント値Nmax以下である場合(ステップS106で「NO」の場合)は、ステップS107でカウント値NをインクリメントしてからステップS104に戻る。これによって、互いに異なる最大電位差Vhに対応する複数(Nmax)個のテストパターンが吐出ヘッド500毎に形成される。このようにステップS104〜S107では、テストパターン毎に吐出ヘッド500に印加する電圧信号VSの最大電位差Vhを異ならせて、所定階調値を有するテストパターンを吐出ヘッド500に複数形成させる。
一方、カウント値Nが最大カウント値Nmaxに到達すると(ステップS106で「YES」)、シートSの搬送を停止し(ステップS108)、プリンター制御部100は、ステップS109でのサービスマンからの入力を待つ。ステップS109では、サービスマンが吐出ヘッド500毎に各テストパターンの光沢度を光沢度計で測定し、タッチスクリーンパネル8を介してプリンター制御部100に測定結果を入力する。サービスマンによる測定結果の入力が終了すると、プリンター制御部100は、吐出ヘッド500毎に最大電位差Vhと光沢度の関係を算出し(ステップS110)、吐出ヘッド500毎に印刷時の最大電位差Vhを決定して記憶部110に設定する。
図10は、図9のステップS110、S111の演算処理の内容を模式的に示すグラフであり、横軸は最大電位差Vhに対応し、縦軸は光沢度Gに対応する。ステップS110では、プリンター制御部100は、最大電位差Vhと当該最大電位差Vhで形成されたテストパターンの光沢度の対応関係に基づいて、最大電位差Vhと光沢度Gとの関係を示す特性直線Ca、Cbを、例えば最小二乗法等を用いて算出する。なお、図10では、2個の吐出ヘッド500の特性直線Ca、Cbが代表して示されているが、特性直線Ca、Cbは吐出ヘッド500毎に算出される。
ステップS111では、特性直線Ca、Cbが示す対応関係において基準光沢度Grに対応する電位差を、吐出ヘッド500毎に算出して記憶部110に最大電位差Vhとして設定する。例えば、特性直線Caを有する吐出ヘッド500については電位差Varが最大電位差Vhとして記憶部110に設定され、特性直線Cbを有する吐出ヘッド500については電位差Vbrが最大電位差Vhとして記憶部110に設定される。なお、基準光沢度Grは、基準量のインクにより形成された所定階調値(テスト用画像データDIの階調値と同一)を有する基準パターンの光沢度であり、予め求められて記憶部110に保存されている。
こうして、各吐出ヘッド500について最大電位差Vhの設定が完了すると、プリンター制御部100は、較正プログラムPGを終了する(ステップS112)。これによって、図9に示したフローチャートが終了する。そして、その後の印刷の際には、ステップS111で設定された最大電位差Vhを有する電圧信号VSが各吐出ヘッド500に印加されて、各吐出ヘッド500から適切な量のインクが吐出されることとなる。
以上に説明したように本実施形態では、テストパターン毎に吐出ヘッド500に印加する電圧信号VSの最大電位差Vh(大きさ)を異ならせて、テストパターンを吐出ヘッド500に複数形成させる。これによって、光沢度の異なる複数のテストパターンを得ることができる。ちなみに、複数のテストパターンの光沢度の違いは、吐出ヘッド500に印加する電圧信号VSの最大電位差Vhおよび階調値の両方の影響を受け得る。ただし、本実施形態では、複数のテストパターンは同一の階調値(所定階調値)で形成されており、各テストパターンの光沢度の違いからは階調値の影響が排除されている。したがって、複数のテストパターンの光沢度の違いは、概ね最大電位差Vhによるものとなっており、換言すれば、光沢度と最大電位差Vhの関係を示すものとなる。その上で、本実施形態は、基準光沢度と複数のテストパターンの光沢度とに基づいて、印刷時に吐出ヘッド500に印加する電圧信号VSの最大電位差Vhを設定する。したがって、適切な量のインクが吐出ヘッド500から吐出されるように電圧信号VSの最大電位差Vhを調整することができ、階調値の補正によらずに吐出ヘッド500の吐出特性に応じた印刷を行うことが可能となっている。
特に、本実施形態では、画像の色ではなく光沢度に基づいて最大電位差Vhを設定する。したがって、測色できない透明インクについても適切な最大電位差Vhを設定することができるといった利点がある。
特に、ステップS110では、テストパターンの形成の際に吐出ヘッド500に印加した電圧信号VSの最大電位差Vhとテストパターンの光沢度とに基づいて、最大電位差Vhと光沢度との関係が算出される。そして、ステップS111では、ステップS110での算出結果から求めた、基準光沢度に対応する電圧信号VSの最大電位差Vhが、印刷時に吐出ヘッド500に印加する電圧信号VSの最大電位差Vhに設定される。かかる構成では、電圧信号VSの最大電位差Vhと光沢度との関係を算出した結果に基づいて、電圧信号VSの最大電位差Vhを高精度に調整することができる。
このように本実施形態では、ステップS104〜S107が本発明の「第1工程」の一例に相当し、ステップS109〜S111が本発明の「第2工程」の一例に相当し、プリンター1が本発明の「印刷装置」の一例に相当し、吐出ヘッド500が本発明の「吐出ヘッド」の一例に相当し、電圧信号VSが本発明の「電圧信号」の一例に相当し、最大電位差Vhが本発明の「電圧信号の大きさ」の一例に相当し、インクが「液体」の一例に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、ステップS109〜S111の前に、基準量のインクを吐出することで所定階調値を有する基準パターンを形成する工程(第3工程)を別途備え、ステップS111では、当該工程で形成した基準パターンの光沢度と複数のテストパターンの光沢度とに基づいて、印刷時に吐出ヘッド500に印加する電圧信号VSの最大電位差Vhを設定しても良い。なお、基準パターンの形成は例えば、重量計に載置された媒体に吐出ヘッドからインクを吐出して所定階調値のパターンを形成する処理を、最大電位差Vhを変化させながら複数回実行し、基準量のインクで形成されたと重量計の値から判断できるパターンを基準パターンとすることで実行できる。この際に用いる吐出ヘッドは、プリンター1が備える吐出ヘッド500である必要はなく、基準パターン形成用に別途準備された吐出ヘッドであっても良い。
また、上記実施形態では、最大電位差Vhと光沢度Gとの関係を示す特性直線Ca、Cbを算出した結果に基づいて、基準光沢度に対応する電位差Var、Vbrを印刷時の最大電位差Vhに設定していた(ステップS110、S111)。しかしながら、複数のテストパターンのうち基準光沢度に最も近い光沢度を有するテストパターンを形成する際に吐出ヘッド500に印加した電圧信号VSの最大電位差V(N)を、印刷時に吐出ヘッド500に印加する最大電位差Vhに設定しても良い。かかる構成では、電圧信号VSの最大電位差Vhを簡便に設定することができる。
また、上記実施形態では、テストパターンの光沢度を光沢度計で確認していた。しかしながら、テストパターンの光沢度を目視により確認しても構わない。すなわち、基準パターンの光沢度とテストパターンの光沢度とを目視によって比較した結果に基づいて、印刷時に吐出ヘッド500に印加する電圧信号VSの大きさを設定しても良い。この際、基準パターンのみならず、基準量を含む範囲でインク量を異ならせた複数のパターンを予め形成しておき、これらのパターン(基準パターン)とテストパターンとの光沢度を比較しても良い。これによって、目視であっても、これらの光沢度の比較を高精度に行うことが可能となる。
また、テストパターンや基準パターンが有する所定階調値についても、適宜変更が可能である。ちなみに、この所定階調値は、図6の中階調範囲(15%〜30%)のように、インクの吐出量Iwの増加に伴って光沢度が増加する階調範囲にあることが好ましく、さらにはリニアに増加する階調範囲にあることが特に好ましい。ただし、このような階調範囲はシートS(基材)やインクの種類に依存する。したがって、所定階調値は、シートSの種類およびインクの種類の少なくとも1つに応じて設定すると良い。これによって、シートSの種類あるいはインクの種類によらず、電圧信号VSの最大電位差Vhの違いをテストパターンの光沢度の違いに的確に反映させることができ、電圧信号VSの最大電位差Vhを高精度に調整することができる。
また、上記実施形態のように、光沢度に応じて吐出ヘッド500に印加する電圧信号VSの最大電位差Vhを設定して、吐出ヘッド500から吐出するインクの量を調整する手法は、インクの色を選ばずに適用することができる。したがって、透明インクを吐出するヘッドユニット52の吐出ヘッド500のみならず、カラーインクを吐出するヘッドユニット51の吐出ヘッド500に対しても当該手法を適用しても良い。
また、上記実施形態では、ステップ109では、サービスマンが吐出ヘッド500毎に各テストパターンの光沢度を光沢度計で測定し、タッチスクリーンパネル8を介してプリンター制御部100に測定結果を入力していた。しかしながら、プリンター1に光沢度計を備えておき、ステップS109では、光沢時計によって自動で各テストパターンの光沢度を測定して測定結果をプリンター制御部100に入力するように、較正プログラムPGを構成しても良い。また、この場合、吐出ヘッド500の較正をサービスマンの指示により実行するのではなく、所定のタイミングで自動的に実施するように較正プログラムPGを構成しても良い。所定のタイミングとは、例えば1年に1度、プリンター1の電源を入れた際に実施するようにしても良いし、ヘッド交換を行った後、最初にプリンター1の電源を入れたときに実施するようにしても良い。
また、搬送されるシートSを支持する部材についても、上記回転ドラム30のような円筒形状のものに限られない。したがって、シートSを平面で支持するフラット型のプラテンを用いることも可能である。
1…プリンター、100…プリンター制御部、110…記憶部、51…ヘッドユニット、52…ヘッドユニット、500…吐出ヘッド、501…ノズル、8…タッチスクリーンパネル、DI…テスト用画像データ、PG…較正プログラム、S…シート、VS…電圧信号、Vh…最大電位差、Vn…最低電位、Vo…基準電位、Vx…最高電位

Claims (10)

  1. 電圧信号の大きさに応じた量の液体を吐出する吐出ヘッドを複数備えた印刷装置の較正方法において、
    テストパターン毎に前記吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを異ならせて、所定階調値を有する前記テストパターンを前記吐出ヘッドに複数形成させる第1工程と、
    基準量の前記液体により形成された前記所定階調値を有する基準パターンの基準光沢度と複数の前記テストパターンの光沢度とに基づいて、印刷時に前記吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを設定する第2工程と
    を備える印刷装置の較正方法。
  2. 前記基準量の前記液体を吐出することで前記所定階調値を有する前記基準パターンを形成する第3工程を、前記第2工程の前に備え、
    前記第2工程では、前記第3工程で形成した前記基準パターンの前記基準光沢度と、複数の前記テストパターンの光沢度とに基づいて、印刷時に前記吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを設定する請求項1に記載の印刷装置の較正方法。
  3. 前記第2工程では、前記テストパターンの形成の際に前記吐出ヘッドに印加した電圧信号の大きさと前記テストパターンの光沢度とに基づいて電圧信号の大きさと光沢度との関係を算出した結果から求めた前記基準光沢度に対応する電圧信号の大きさを、印刷時に前記吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさに設定する請求項1または2に記載の印刷装置の較正方法。
  4. 前記第2工程では、複数の前記テストパターンのうち前記基準光沢度に最も近い光沢度を有する前記テストパターンを形成する際に前記吐出ヘッドに印加した電圧信号の大きさを、印刷時に前記吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさに設定する請求項1または2に記載の印刷装置の較正方法。
  5. 前記第2工程では、光沢度計で測定した前記テストパターンの光沢度と前記基準光沢度とに基づいて、印刷時に前記吐出ヘッドに印刷する電圧信号の大きさを設定する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の印刷装置の較正方法。
  6. 前記第2工程では、前記基準量の前記液体で形成された前記所定階調値を有する前記基準パターンの前記基準光沢度と、前記テストパターンの光沢度とを目視によって比較した結果に基づいて、印刷時に前記吐出ヘッドに印加する電気信号の大きさを設定する請求項1、2および4のいずれか一項に記載の印刷装置の較正方法。
  7. 前記所定階調値は、前記テストパターンを形成する基材の種類および前記液体の種類の少なくとも1つに応じて設定されている請求項1ないし6のいずれか一項に記載の印刷装置の較正方法。
  8. 前記液体は透明である請求項1ないし7のいずれか一項に記載の印刷装置の較正方法。
  9. 電圧信号の大きさに応じた量の液体を吐出する吐出ヘッドを複数備えたヘッドユニットと、
    光沢度計と、
    前記複数の吐出ヘッドの較正を実施するためのプログラムが記憶された記憶部と、
    前記プログラムを実施可能な制御部と、
    を備え、
    前記制御部が前記プラグラムを実施することで、
    テストパターン毎に前記吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを異ならせて、所定階調値を有する前記テストパターンを前記吐出ヘッドに複数形成させ、
    基準量の前記液体により形成された前記所定階調値を有する基準パターンの基準光沢度と前記光沢度計を用いて測定した複数の前記テストパターンの光沢度とに基づいて、印刷時に前記吐出ヘッドに印加する電圧信号の大きさを設定する、
    ことが可能である印刷装置。
  10. 前記制御部は、前記プログラムを所定のタイミングで実施する請求項9に記載の印刷装置。
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