JP2016010057A - 受信装置及び受信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より低くなる状態が生じても、CMAの干渉抑圧性能を向上させる。【解決手段】受信装置は、複数の受信信号において受信電力の大きい受信信号に対する重みを大きくした複数の受信信号にそれぞれ乗算する複数のウェイトの初期値を定める初期ウェイト設定部と、複数の受信信号それぞれに対するウェイトを所定のアルゴリズムを用いて複数の受信信号と複数のウェイトの初期値とに基づいて算出するウェイト算出部と、複数の受信信号それぞれに対応するウェイトを乗じた乗算結果が加算合成された信号を復調し、所望のデータ系列を取得する復調部とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、受信装置及び受信方法に関する。
近年の光アクセス等の普及に伴った様々な大容量サービスに対応するため、無線通信の伝送速度の向上が要求されている。占有する周波数帯域と伝送速度は比例するため、周波数帯域を拡大することで伝送速度の向上を図ることが一般的である。しかし、実際の周波数資源は有限であるため、周波数帯域の拡大には限界がある。また、WiFi(登録商標)をはじめ、WiMAX(登録商標)やLTE(登録商標)のような様々な無線アクセスシステムが普及しており、特にこれらのシステムに割り当てられているマイクロ波帯の周波数資源は逼迫している状況にある。
そこで、周波数資源が限られている環境において伝送速度を向上するために、送受信局に複数のアンテナを具備し、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)技術ないしマルチユーザMIMO(MU−MIMO)技術を適用した空間分割多重伝送が有効である。この手法を拡張し、複数の基地局間における伝搬路(チャネル)情報や、送信信号、受信信号を共有、もしくはそれらを一括で扱う集中制御局を配置し、MU−MIMO技術を適用することで隣接する基地局間の干渉を除去可能とする基地局連携も有効である。これらの技術は、通信を行うアンテナや干渉源となるアンテナを含むすべてのアンテナ間のチャネル情報を事前に把握することで、同一チャネル干渉を抑圧するウェイトを直接的に算出することを可能とする。しかし、当該チャネル情報を推定するためには送受信間で互いに既知である参照信号(トレーニング信号)の送受信が必要であり、一般に、アンテナ数に比例して参照信号によるオーバーヘッドは増大する。
一方、干渉信号に関する事前情報を必要とせず干渉抑圧を可能とする技術として、非特許文献1に示されるようなアダプティブアレーアンテナが有効である。ウェイトを算出するアルゴリズムとしては様々存在するが、定包絡線アルゴリズム(Constant Modulus Algorithm;CMA)は参照信号のような事前情報を必要とせず干渉抑圧を実現することができる。以下、CMAについて、その動作を説明する。
図12は、アダプティブアレー受信装置9の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、アダプティブアレー受信装置9は、アンテナ101a及び101bと、無線部102a及び102bと、ウェイト算出部103と、乗算器104a及び104bと、加算器105と、復調部106とを備える。図12には2本のアンテナ101a及び101bを備えるアダプティブアレー受信装置9の構成が示されているが、アダプティブアレー受信装置9が3本以上のアンテナを備えてもよい。
アンテナ101a及び101bそれぞれは、異なるチャネルを経由して到達した所望信号と干渉信号とが合成された信号を受信する。無線部102aは、アンテナ101aで受信された無線周波数(RF)信号に対する受信処理を行う。受信処理には、所望信号の帯域以外の周波数成分を除去するためのフィルタ処理や、フィルタを通過したRF信号を中間周波数(IF)帯の信号へ変換する周波数変換処理、IF信号をデジタル信号に変換するA/D変換処理などが含まれる。無線部102aは、無線信号に対する受信処理で得られたベースバンドの受信信号をウェイト算出部103及び乗算器104aに出力する。無線部102bは、アンテナ101bで受信された無線信号に対して、無線部102aと同様に、受信処理を行う。無線部102bは、無線信号に対する受信処理で得られたベースバンドの受信信号をウェイト算出部103及び乗算器104bに出力する。
ウェイト算出部103は、無線部102a及び102bそれぞれで得られた受信信号に基づいて、各受信信号に適用するウェイトを算出する。以下、CMAを用いたウェイト算出処理について説明する。
ウェイト算出部103に入力される複数の受信信号を表す受信信号ベクトルをXとし、受信信号それぞれに乗じるウェイトを表すウェイトベクトルをWCMA(m)とし、アレーの出力をyとし、所望の包絡線値をσとする。なお、受信信号ベクトルXのサイズは(受信アンテナ数×1)であり、ウェイトベクトルWCMA(m)のサイズは(受信アンテナ数×1)であり、アレー出力yはスカラー量である。なお、mは繰り返し回数を表す。
アレー出力yは次式(1)で表され、ウェイトベクトルWCMA(m)に対する評価関数Q(WCMA(m))は、次式(2)で表される。
式(2)におけるE[A]はAの期待値を表し、AHは行列Aの各要素の複素共役をとり転置した行列、すなわち随伴行列を表す。また、p及びqは正の整数であり、それぞれ1又は2の値をとる。CMAは、所望信号が定包絡線性を有している場合、その特性を利用して評価関数Q(WCMA(m))を最小化するように繰り返しウェイトを更新する。ウェイトの更新を繰り返すためには、ウェイト適用前の受信信号において所望信号を補足できる、すなわち信号対干渉電力比(SIR)が0[dB]よりも大きい必要がある。
最適ウェイトを求めるためのアルゴリズムはいくつか存在する。ここでは、LS(Least-Squares)−CMAを用いる場合について説明する。p=1、q=2のCMAの場合、ウェイトベクトルWCMA(m)の更新式は次式(3)のように表される。
式(3)におけるδ(i)とy(i)とは次式(4)及び次式(5)で表される。また、式(4)におけるA*はAの複素共役を表す。i(i=1,2,…,n)は各信号のサンプル値を表すインデックスである。
ある時刻において受信信号をnサンプル保持しておき、上記の式(3)〜式(5)による演算を所定のm回繰り返すことにより最適なウェイトベクトルWCMA(m)を算出する。ウェイトベクトルWCMA(m)を算出する際のウェイトベクトルWCMA(m)の初期値は任意の値でよい。例えば初期値WCMA(0)は次式(6)のように定める。
ウェイト算出部103は、上記のアルゴリズムなどを用いて最適化されたウェイトベクトルを算出する。ウェイト算出部103は、算出したウェイトベクトルの要素であるウェイトを乗算器104a及び104bそれぞれに出力する。乗算器104aは、ウェイト算出部103から出力されたウェイトを、無線部102aから出力された受信信号に乗算し、乗算結果を加算器105に出力する。乗算器104bは、乗算器104aと同様に、ウェイト算出部103から出力されたウェイトを、無線部102bから出力された受信信号に乗算し、乗算結果を加算器105に出力する。
加算器105は、乗算器104a及び104bそれぞれから出力された乗算結果を加算し、加算結果を復調部106に出力する。復調部106は、各受信信号に対しウェイトを乗算して各乗算結果を加算合成するアレー処理により得られた信号に対して直交復調処理を行う。復調部106は、直交復調処理によりデマッピングされたシンボルを取得し、取得したシンボルに対して誤り訂正復号処理などを行うことにより、最終的なデータ系列を取得する。復調部106は、取得したデータ系列を出力する。
ウェイト算出部103は、定期的にウェイトの算出を行う。最適なウェイトを得るために要する時間は、CMAにおいては受信信号のサンプル数nと繰り返し回数mとに依存する。受信信号のSNR(Signal to Noise power Ratio)が低い場合ないしは多くの多値数をとる変調方式(16QAMなど)を用いる場合、十分な干渉抑圧効果を得るために必要なサンプル数nと繰り返し回数mは増加する。
図13は、アダプティブアレー受信装置9が行う受信動作を示すフローチャートである。アダプティブアレー受信装置9において受信動作が開始されると(ステップS101)、無線部102a及び102bそれぞれは、接続されたアンテナ101a及び101bで受信された信号に対して受信処理を行う。無線部102a及び102bは、受信処理で得られたベースバンドの受信信号をウェイト算出部103へ出力する(ステップS102)。
ウェイト算出部103は、公知のアダプティブアレーアルゴリズムを用いて、無線部102a及び102bから出力された受信信号に基づいてウェイトを算出し、算出したウェイトを乗算器104a及び104bへ出力する(ステップS103)。
乗算器104aは、無線部102aから出力された受信信号と、ウェイト算出部103から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する。また、乗算器104bは、無線部102bから出力された受信信号と、ウェイト算出部103から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する(ステップS104)。
乗算器104aは、無線部102aから出力された受信信号と、ウェイト算出部103から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する。また、乗算器104bは、無線部102bから出力された受信信号と、ウェイト算出部103から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する(ステップS104)。
加算器105は、乗算器104a及び104bにおいてウェイトが乗算された各受信信号を加算し、加算結果を復調部106へ出力する(ステップS105)。復調部106は、加算器105から出力された加算結果に対して復調処理を行うことによりデータ系列を取得し、取得したデータ系列を出力し(ステップS106)、受信処理を終了させる(ステップS107)。
以上のように構成されたアダプティブアレー受信装置9を用いることにより、干渉波が抑えられた所望信号を得ることができる。なお、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;OFDM)を用いる場合には、ステップS102において無線部102a及び102bが行う受信処理に、シンボルの先頭タイミングの検出や、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform;FFT)におけるウィンドウ位置の検出、ガードインターバル(Guard Interval;GI)の除去、FFT処理によるサブキャリアごとのデータへの変換が含まれる。また、ステップS103以降の各動作は、サブキャリアごとに行ってもよい。また、復調部106がベースバンドの受信信号への変換を行ってもよい。また、アレー処理はIF信号に対して行ってもよい。
菊間信良、「アダプティブアンテナ技術」、オーム社、2003年10月
上記のように、CMAによるアダプティブアレーでは、ウェイトを含むウェイトベクトルを更新する際にウェイト適用前の受信信号において所望信号を補足できる状態、すなわちSIR>0[dB]である必要がある。OFDMを用い、サブキャリアごとにアレー処理を実施する際に伝搬路に周波数選択性がある場合や、伝搬路の特性の瞬時変動が激しい場合には、平均的にはSIR>0[dB]が満たされている状態であっても、ある周波数成分において又はある瞬間においてSIR>0[dB]が満たされない状態になる可能性がある。SIR>0[dB]が満たされない状態においてCMAを適用すると、所望信号を抑圧してしまい干渉信号を抑圧できないという問題があった。
上記事情に鑑み、本発明は、所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より低くなる状態が生じても、CMAの干渉抑圧性能を向上させることができる受信装置及び受信方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、複数の受信信号において受信電力の大きい受信信号に対する重みを大きくした前記複数の受信信号にそれぞれ乗算する複数のウェイトの初期値を定める初期ウェイト設定部と、複数の前記受信信号それぞれに対するウェイトを所定のアルゴリズムを用いて複数の前記受信信号と複数の前記ウェイトの初期値とに基づいて算出するウェイト算出部と、複数の前記受信信号それぞれに対応するウェイトを乗じた乗算結果が加算合成された信号を復調し、所望のデータ系列を取得する復調部とを備えることを特徴とする受信装置である。
また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記初期ウェイト設定部は、複数の前記受信信号の受信電力の比に基づいて複数の前記ウェイトの初期値を定めることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記初期ウェイト設定部は、前記復調部において正しいデータ系列を復調できなかった場合、定めた各ウェイトの初期値のうち値が最も大きいウェイトの値を0にし、前記ウェイト算出部は、前記初期ウェイト設定部が更新した各ウェイトの初期値を用いて前記受信信号それぞれに適用するウェイトを再度算出することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記初期ウェイト設定部は、前記受信信号の受信電力が最も大きい受信信号に対応するウェイトの初期値に1を割り当て、他の受信信号に対応するウェイトの初期値に0を割り当てることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記初期ウェイト設定部は、前記復調部において正しいデータ系列を復調できなかった場合、定めた各ウェイトの初期値において1を割り当てたウェイトに0を割り当て、複数の前記受信信号において当該ウェイトに対応する受信信号の次に受信電力が大きい受信信号に対するウェイトに1を割り当て、前記ウェイト算出部は、前記初期ウェイト設定部が更新した各ウェイトの初期値を用いて前記受信信号それぞれに適用するウェイトを再度算出することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記初期ウェイト設定部は、前記復調部において正しいデータ系列を復調できるまで、各ウェイトの初期値を更新することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、複数のアンテナを備える受信装置が行う受信方法であって、複数の受信信号において受信電力の大きい受信信号に対する重みを大きくした前記複数の受信信号にそれぞれ乗算する複数のウェイトの初期値を定める初期ウェイト設定ステップと、複数の前記受信信号それぞれに対するウェイトを所定のアルゴリズムを用いて複数の前記受信信号と複数の前記ウェイトの初期値とに基づいて算出するウェイト算出ステップと、複数の前記受信信号それぞれに対応するウェイトを乗じた乗算結果が加算合成された信号を復調し、所望のデータ系列を取得する復調ステップとを有することを特徴とする受信方法である。
本発明によれば、複数の受信信号のうち受信電力の大きい受信信号に対するウェイトの初期値を大きくして各受信信号に対するウェイトを算出する。受信電力が大きい受信信号は所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より大きい可能性が高いので、受信電力が大きい受信信号に対するウェイトの初期値を大きく定めて各ウェイトを算出することにより、所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より低くなる状態が生じても、CMAの干渉抑圧性能を向上させることができる。
本発明の実施形態における受信装置としてのアダプティブアレー受信装置は、アンテナごとの受信信号の受信電力に基づいて、ウェイトを算出する際のウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を定める。このとき、アダプティブアレー受信装置は、ウェイトベクトルの初期値において、受信電力が大きい受信信号のアンテナに対応するウェイトを大きくする。これは、受信電力が大きい受信信号においては、所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より大きい場合が多いことに基づいている。
ウェイトベクトルの初期値において、所望信号の受信レベルが大きい可能性が高い受信信号に対する重みを他の受信信号に対する重みより大きくすることで、より適切なウェイトが算出される可能性を高くする。このように、ウェイトベクトルの初期値を受信電力に基づいて定めることにより、干渉信号の受信電力が所望信号の受信電力より高くなる場合に所望信号を抑圧してしまう可能性を低減させ、CMAの干渉抑圧性能を向上させる。以下、図面を参照して、本発明の実施形態における受信装置及び受信方法を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、アダプティブアレー受信装置1は、アンテナ101a及び101bと、無線部102a及び102bと、初期ウェイト設定部111と、ウェイト算出部112と、乗算器104a及び104bと、加算器105と、復調部106とを備える。なお、アダプティブアレー受信装置1において、図12に示したアダプティブアレー受信装置9が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
図1は、第1の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、アダプティブアレー受信装置1は、アンテナ101a及び101bと、無線部102a及び102bと、初期ウェイト設定部111と、ウェイト算出部112と、乗算器104a及び104bと、加算器105と、復調部106とを備える。なお、アダプティブアレー受信装置1において、図12に示したアダプティブアレー受信装置9が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
初期ウェイト設定部111は、無線部102a及び無線部102bから出力される各受信信号に基づいて、ウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を定める。初期ウェイト設定部111は、定めた初期値WCMA(0)をウェイト算出部112に出力する。初期ウェイト設定部111は、各受信信号の受信電力を算出し、受信信号の受信電力が最も大きい受信信号に対応するウェイトに最も大きい値を割り当てた初期値WCMA(0)を定める。例えば、初期ウェイト設定部111は、受信電力が最も大きい受信信号に対応するウェイトに「1」を定め、他の受信信号に対応するウェイトに「0」を定める。或いは、初期ウェイト設定部111は、各受信信号の受信電力の比をウェイトに定めるようにしてもよい。例えば最小の受信電力の受信信号に対するウェイトに「1」を定め、他の受信信号に対するウェイトに、最小の受信電力に対する他の受信信号の受信電力の比を定める。
アダプティブアレー受信装置1が6本のアンテナを備え、3番目のアンテナに対応する受信信号の受信電力が最も大きく、受信電力が大きい方から順に、3番目、6番目、2番目、5番目、1番目、4番目である場合、初期ウェイト設定部111は、例えば
WCMA(0)=[2,5,9,1,3,7]T、
WCMA(0)=[0,0,1,0,0,0]T
のいずれかをウェイトベクトルの初期値に定める。なお、受信信号の受信電力の比に基づいてウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を定める際に、ウェイトベクトルの要素を正の整数以外の小数や分数などを用いて定めてもよい。また、初期ウェイトベクトルの要素は実数ではなく複素数であってもよい。その際、各要素の絶対値(の2乗)が受信電力の比となるように定めればよい。
WCMA(0)=[2,5,9,1,3,7]T、
WCMA(0)=[0,0,1,0,0,0]T
のいずれかをウェイトベクトルの初期値に定める。なお、受信信号の受信電力の比に基づいてウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を定める際に、ウェイトベクトルの要素を正の整数以外の小数や分数などを用いて定めてもよい。また、初期ウェイトベクトルの要素は実数ではなく複素数であってもよい。その際、各要素の絶対値(の2乗)が受信電力の比となるように定めればよい。
ウェイト算出部112は、初期ウェイト設定部111が設定したウェイトベクトルの初期値WCMA(0)と、無線部102a及び102bが出力する各受信信号とに基づいて、各受信信号に対するウェイトを算出する。ウェイト算出部112は、公知のアルゴリズムを用いて、CMAを適用した際のウェイトを算出する。ウェイト算出部112は、算出したウェイトそれぞれを、当該ウェイトに対応する受信信号を入力する乗算器104a又は乗算器104bに出力する。
図2は、第1の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置1が行う受信動作を示すフローチャートである。アダプティブアレー受信装置1において受信動作が開始されると(ステップS101)、無線部102a及び102bそれぞれは、接続されたアンテナ101a及び101bで受信された信号に対して受信処理を行う。無線部102a及び102bは、受信処理で得られたベースバンドの受信信号を初期ウェイト設定部111とウェイト算出部112と乗算器104a及び104bへ出力する(ステップS102)。
初期ウェイト設定部111は、無線部102a及び102bそれぞれから出力された各受信信号の受信電力を取得する(ステップS113)。初期ウェイト設定部111は、各受信信号の受信電力に基づいてウェイトベクトルの初期値を設定し、ウェイトベクトルの初期値をウェイト算出部112に出力する(ステップS114)。
ウェイト算出部112は、公知のアダプティブアレーアルゴリズムを用いて、初期ウェイト設定部111から出力されたウェイトベクトルの初期値と無線部102a及び102bから出力された受信信号とに基づいてウェイトを算出する。ウェイト算出部112は、算出したウェイトを乗算器104a及び104bへ出力する(ステップS115)。
乗算器104aは、無線部102aから出力された受信信号と、ウェイト算出部112から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する。また、乗算器104bは、無線部102bから出力された受信信号と、ウェイト算出部112から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する(ステップS104)。
加算器105は、乗算器104a及び104bにおいてウェイトが乗算された各受信信号を加算し、加算結果を復調部106へ出力する(ステップS105)。
復調部106は、加算器105から出力された加算結果に対して復調処理を行うことによりデータ系列を取得し、取得したデータ系列を出力し(ステップS106)、受信処理を終了させる(ステップS107)。
復調部106は、加算器105から出力された加算結果に対して復調処理を行うことによりデータ系列を取得し、取得したデータ系列を出力し(ステップS106)、受信処理を終了させる(ステップS107)。
以上のように構成されたアダプティブアレー受信装置1は、複数の受信信号のうち受信電力が高い受信信号に対する重みを大きくしたウェイトベクトルを初期値として各受信信号に対するウェイトを算出する。受信電力が高い受信信号では所望信号の受信信号レベルが干渉信号の受信信号レベルよりも高いことが多いので、所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より低い受信信号に対する重みを低くしてウェイトを算出する可能性を高めることができる。このように、干渉信号の受信電力が所望信号の受信電力より高い受信信号のウェイト生成への寄与度を低くすることにより、CMAの干渉抑圧性能を向上させることができる。ここで、受信信号の寄与度とは、ウェイトベクトルの初期値を介して定められる、ウェイト最適化(受信信号の定包絡線化)のために用いられる各受信信号の割合のことである。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置2の構成を示すブロック図である。同図に示すように、アダプティブアレー受信装置2は、アンテナ101a及び101bと、無線部102a及び102bと、初期ウェイト設定部121と、ウェイト算出部112と、乗算器104a及び104bと、加算器105と、復調部106とを備える。なお、アダプティブアレー受信装置2において、図1に示したアダプティブアレー受信装置1又は図12に示したアダプティブアレー受信装置9が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
図3は、第2の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置2の構成を示すブロック図である。同図に示すように、アダプティブアレー受信装置2は、アンテナ101a及び101bと、無線部102a及び102bと、初期ウェイト設定部121と、ウェイト算出部112と、乗算器104a及び104bと、加算器105と、復調部106とを備える。なお、アダプティブアレー受信装置2において、図1に示したアダプティブアレー受信装置1又は図12に示したアダプティブアレー受信装置9が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
初期ウェイト設定部121は、無線部102a及び無線部102bから出力される各受信信号に基づいて、ウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を定める。初期ウェイト設定部121は、定めた初期値WCMA(0)をウェイト算出部112に出力する。初期ウェイト設定部121は、各受信信号の受信電力を算出し、受信信号の受信電力が最も大きい受信信号に対応するウェイトに最も大きい値を割り当てた初期値WCMA(0)を定める。例えば、初期ウェイト設定部121は、各受信信号の受信電力の比をウェイトに定める。
また、初期ウェイト設定部121は、復調部106から復調結果を取得する。復調結果は、加算器105から入力された加算結果に対する復調処理において復調部106が正しいデータ系列を取得できたか否かを示す情報である。初期ウェイト設定部121は、復調部106において正しいデータ系列が得られなかった場合、次回の受信動作に用いるウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を更新する。初期ウェイト設定部121は、正しいデータ系列が得られなかったときの初期値WCMA(0)において最も大きいウェイトを0に置換することで、初期値WCMA(0)を更新する。
また、初期ウェイト設定部121は、初期値WCMA(0)の更新回数を計数するカウンタkを有している。初期ウェイト設定部121は、更新の都度カウンタkの値を1増加させ、カウンタkの値が初期値WCMA(0)の要素の数と一致した場合、カウンタkの値を0にリセットする。なお、カウンタkの初期値は0である。初期ウェイト設定部121は、カウンタkの値を用いて、ウェイトベクトルの初期値WCMA(0)の更新を行う。
ここで、初期ウェイト設定部121が行うウェイトベクトルの初期値WCMA(0)の更新の一例を示す。アダプティブアレー受信装置1が6本のアンテナを備え、3番目のアンテナに対応する受信信号の受信電力が最も大きく、受信電力が大きい方から順に、3番目、6番目、2番目、5番目、1番目、4番目である場合、初期ウェイト設定部121は、以下のようにウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を更新する。
WCMA(0)=[2,5,9,1,3,7]T;(k=0→k=1)
WCMA(0)=[2,5,0,1,3,7]T;(k=1→k=2)
WCMA(0)=[2,5,0,1,3,0]T;(k=2→k=3)
WCMA(0)=[2,0,0,1,3,0]T;(k=3→k=4)
WCMA(0)=[2,0,0,1,0,0]T;(k=4→k=5)
WCMA(0)=[0,0,0,1,0,0]T;(k=5→k=0)
WCMA(0)=[2,5,9,1,3,7]T;(k=0→k=1)
WCMA(0)=[2,5,0,1,3,7]T;(k=1→k=2)
WCMA(0)=[2,5,0,1,3,0]T;(k=2→k=3)
WCMA(0)=[2,0,0,1,3,0]T;(k=3→k=4)
WCMA(0)=[2,0,0,1,0,0]T;(k=4→k=5)
WCMA(0)=[0,0,0,1,0,0]T;(k=5→k=0)
図4は、第2の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置2が行う受信動作を示すフローチャートである。アダプティブアレー受信装置2において受信動作が開始されると(ステップS101)、無線部102a及び102bそれぞれは、接続されたアンテナ101a及び101bで受信された信号に対して受信処理を行う。無線部102a及び102bは、受信処理で得られたベースバンドの受信信号を初期ウェイト設定部121とウェイト算出部112と乗算器104a及び104bへ出力する(ステップS102)。
初期ウェイト設定部121は、無線部102a及び102bそれぞれから出力された各受信信号の受信電力を取得する(ステップS113)。初期ウェイト設定部121は、各受信信号の受信電力に基づいてウェイトベクトルの初期値を設定する(ステップS114)。
初期ウェイト設定部121は、設定したウェイトベクトルの初期値に含まれるウェイト(要素)のうち、値が大きい方から順にk個のウェイトの値を0に置換する。初期ウェイト設定部121は、k個のウェイトの値を0にして得られたウェイトベクトルを初期値WCMA(0)としてウェイト算出部112に出力する(ステップS121)。
ウェイト算出部112は、公知のアダプティブアレーアルゴリズムを用いて、初期ウェイト設定部121から出力されたウェイトベクトルの初期値と無線部102a及び102bから出力された受信信号とに基づいてウェイトを算出する。ウェイト算出部112は、算出したウェイトを乗算器104a及び104bへ出力する(ステップS115)。
乗算器104aは、無線部102aから出力された受信信号と、ウェイト算出部112から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する。また、乗算器104bは、無線部102bから出力された受信信号と、ウェイト算出部112から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する(ステップS104)。
加算器105は、乗算器104a及び104bにおいてウェイトが乗算された各受信信号を加算し、加算結果を復調部106へ出力する(ステップS105)。復調部106は、加算器105から出力された加算結果に対して復調処理を行うことによりデータ系列を取得し、取得したデータ系列を出力する(ステップS106)。
初期ウェイト設定部121は、復調部106から取得した復調結果に基づいて、正しいデータ系列を取得できたか否かを判定する(ステップS122)。正しいデータ系列を取得できた場合(ステップS122:YES)、初期ウェイト設定部121は、受信動作を終了させる(ステップS107)。
正しいデータ系列を取得できなかった場合(ステップS122:NO)、初期ウェイト設定部121は、カウンタkの値を1増加させる(ステップS123)。初期ウェイト設定部121は、インクリメント後のカウンタkの値が、ウェイトベクトルに含まれる全要素数と一致する否かを判定する(ステップS124)。
カウンタkの値が全要素数と一致しない場合(ステップS124:NO)、初期ウェイト設定部121は、受信動作を終了させる(ステップS107)。
カウンタkの値が全要素数と一致する場合(ステップS124:YES)、初期ウェイト設定部121は、カウンタkの値を0にリセットし(ステップS125)、受信動作を終了させる(ステップS107)。
カウンタkの値が全要素数と一致する場合(ステップS124:YES)、初期ウェイト設定部121は、カウンタkの値を0にリセットし(ステップS125)、受信動作を終了させる(ステップS107)。
以上の受信動作により、アダプティブアレー受信装置2は、正しいデータ系列を復調できなかった場合に、次回の受信動作で用いるウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を更新して、受信信号に対して用いるウェイトの最適化を行う。正しいデータ系列を復調できる場合、すなわち最適なウェイトが得られている場合、アダプティブアレー受信装置2は、当該ウェイトの算出に用いたウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を使用し続ける。
第2の実施形態のアダプティブアレー受信装置2は、複数の受信信号のうち所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より大きい可能性が高い受信信号に対して、ウェイトを算出する際の寄与度を高くし、各受信信号に対するウェイトを算出する。このウェイトを用いて複数の受信信号からデータ系列を復調した際に正しいデータ系列が得られなかった場合には、ウェイトの算出において寄与度を最も高くした受信信号において干渉信号が支配的であったと見なす。次回の受信動作において、干渉信号が支配的と見なされた受信信号のウェイトベクトルの初期値における重みを低くすることにより、CMAの干渉抑圧性能を向上させることができる。
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置3の構成を示すブロック図である。同図に示すように、アダプティブアレー受信装置3は、アンテナ101a及び101bと、無線部102a及び102bと、バッファ132a及び132bと、初期ウェイト設定部131と、ウェイト算出部112と、乗算器104a及び104bと、加算器105と、復調部106とを備える。なお、アダプティブアレー受信装置3において、図1、図3及び図12に示したアダプティブアレー受信装置1、2及び9が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
図5は、第3の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置3の構成を示すブロック図である。同図に示すように、アダプティブアレー受信装置3は、アンテナ101a及び101bと、無線部102a及び102bと、バッファ132a及び132bと、初期ウェイト設定部131と、ウェイト算出部112と、乗算器104a及び104bと、加算器105と、復調部106とを備える。なお、アダプティブアレー受信装置3において、図1、図3及び図12に示したアダプティブアレー受信装置1、2及び9が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
バッファ132aは、無線部102aが出力する受信信号を記憶する。バッファ132aは、初期ウェイト設定部131がウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を更新している間、記憶している受信信号を初期ウェイト設定部131、ウェイト算出部112及び乗算器104aに供給する。バッファ132bは、バッファ132aと同様に、無線部102bが出力する受信信号を記憶し、記憶している受信信号を初期ウェイト設定部131,ウェイト算出部112及び乗算器104bに供給する。また、バッファ132a及び132bは、少なくとも一度の受信動作において復調の対象となる受信信号を記憶できる記憶容量を有する。
初期ウェイト設定部131は、バッファ132a及び132bに記憶されている各受信信号に基づいて、ウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を定める。初期ウェイト設定部131は、定めた初期値WCMA(0)をウェイト算出部112に出力する。初期ウェイト設定部131は、各受信信号の受信電力を算出し、受信信号の受信電力が最も大きい受信信号に対応するウェイトに最も大きい値を割り当てた初期値WCMA(0)を定める。例えば、初期ウェイト設定部131は、各受信信号の受信電力の比をウェイトに定める。
また、初期ウェイト設定部131は、復調部106から復調結果を取得する。初期ウェイト設定部131は、復調部106において正しいデータ系列が得られなかった場合、初期値WCMA(0)を更新する。初期ウェイト設定部131は、一回の受信動作において、正しいデータ系列が得られるまでウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を更新する。初期ウェイト設定部131は、正しいデータ系列が得られなかったときのウェイトベクトルの初期値WCMA(0)において最も大きいウェイトを0に置換することで、初期値WCMA(0)を更新する。
初期ウェイト設定部131は、初期値WCMA(0)の更新回数を計数するカウンタkを有している。初期ウェイト設定部131は、更新の都度カウンタkの値を1増加させ、カウンタkの値が初期値WCMA(0)の要素の数と一致した場合、カウンタkの値を0にリセットする。なお、カウンタkの初期値は0である。初期ウェイト設定部131は、カウンタkの値を用いて、ウェイトベクトルの初期値WCMA(0)の更新を行う。
図6は、第3の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置3が行う受信動作を示すフローチャートである。アダプティブアレー受信装置3において受信動作が開始されると(ステップS101)、無線部102a及び102bそれぞれは、接続されたアンテナ101a及び101bで受信された信号に対して受信処理を行う。無線部102a及び102bは、受信処理で得られたベースバンドの受信信号をバッファ132a及び132bに出力して記憶させる(ステップS102)。
初期ウェイト設定部131は、バッファ132a及び132bそれぞれに記憶されている各受信信号の受信電力を取得する(ステップS113)。初期ウェイト設定部131は、各受信信号の受信電力に基づいてウェイトベクトルの初期値を設定する(S114)。
初期ウェイト設定部131は、設定したウェイトベクトルの初期値に含まれるウェイトのうち、値が大きい方から順にk個のウェイトの値を0に置換する。初期ウェイト設定部131は、k個のウェイトの値を0にして得られたウェイトベクトルを初期値WCMA(0)としてウェイト算出部112に出力する(ステップS121)。
ウェイト算出部112は、公知のアダプティブアレーアルゴリズムを用いて、初期ウェイト設定部131から出力されたウェイトベクトルの初期値と、バッファ132a及び132bそれぞれに記憶されている各受信信号とに基づいてウェイトを算出する。ウェイト算出部112は、算出したウェイトを乗算器104a及び104bへ出力する(ステップS115)。
乗算器104aは、バッファ132aに記憶されている受信信号と、ウェイト算出部112から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する。また、乗算器104bは、バッファ132bに記憶されている受信信号と、ウェイト算出部112から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する(ステップS104)。
加算器105は、乗算器104a及び104bにおいてウェイトが乗算された各受信信号を加算し、加算結果を復調部106へ出力する(ステップS105)。復調部106は、加算器105から出力された加算結果に対して復調処理を行うことによりデータ系列を取得し、取得したデータ系列を出力する(ステップS106)。
初期ウェイト設定部131は、復調部106から取得した復調結果に基づいて、正しいデータ系列を取得できたか否かを判定する(ステップS122)。正しいデータ系列を取得できた場合(ステップS122:YES)、初期ウェイト設定部131は、受信動作を終了させる(ステップS107)。
正しいデータ系列を取得できなかった場合(ステップS122:NO)、初期ウェイト設定部131は、カウンタkの値を1増加させる(ステップS123)。初期ウェイト設定部131は、インクリメント後のカウンタkの値が、ウェイトベクトルに含まれる全要素数と一致する否かを判定する(ステップS124)。
カウンタkの値が全要素数と一致しない場合(ステップS124:NO)、初期ウェイト設定部131は、処理をステップS114に戻して、ステップS114以降の処理を繰り返させる。これにより、ウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を更新して復調処理が再度行われる。
カウンタkの値が全要素数と一致する場合(ステップS124:YES)、初期ウェイト設定部131は、カウンタkの値を0にリセットし(ステップS125)、受信動作を終了させる(ステップS107)。
カウンタkの値が全要素数と一致する場合(ステップS124:YES)、初期ウェイト設定部131は、カウンタkの値を0にリセットし(ステップS125)、受信動作を終了させる(ステップS107)。
以上の受信動作により、アダプティブアレー受信装置3は、正しいデータ系列を復調できなかった場合にウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を更新して、受信信号に対して用いるウェイトの最適化を行う。アダプティブアレー受信装置3は、受信動作の都度、ウェイトベクトルの初期値WCMA(0)の最適化を行うので、伝搬路の時間変動に対する追従性を高めることができる。
第3の実施形態のアダプティブアレー受信装置3は、複数の受信信号のうち所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より大きい可能性が高い受信信号に対して、ウェイトを算出する際の寄与度を高くし、各受信信号に対するウェイトを算出する。このウェイトを用いて複数の受信信号からデータ系列を復調した際に正しいデータ系列が得られなかった場合には、ウェイトの算出において寄与度を最も高くした受信信号において干渉信号が支配的であったと見なしてウェイトを更新し、再度復調を行う。復調により正しいデータ系列が得られるまで、干渉信号が支配的と見なされた受信信号のウェイトベクトルの初期値における重みを低くすることで、CMAの干渉抑圧性能を向上させることができる。
なお、第3の実施形態のアダプティブアレー受信装置3が行う受信動作において、ステップS124の判定において、kの値がウェイトベクトルの全要素数と一致しない場合、初期ウェイト設定部131は、処理をステップS121に戻してもよい。この場合、ステップS121では、初期ウェイト設定部131が現在のウェイトベクトルのウェイトのうち、最大のウェイトの値を0に置換する。
(第4の実施形態)
図7は、第4に実施形態におけるアダプティブアレー受信装置4の構成を示すブロック図である。同図に示すように、アダプティブアレー受信装置4は、アンテナ101a及び101bと、無線部102a及び102bと、初期ウェイト設定部141と、ウェイト算出部112と、乗算器104a及び104bと、加算器105と、復調部106とを備える。なお、アダプティブアレー受信装置4は、第2の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置2(図3)が備える初期ウェイト設定部121を初期ウェイト設定部141に代えた構成である。なお、アダプティブアレー受信装置4において、図3に示したアダプティブアレー受信装置2が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
図7は、第4に実施形態におけるアダプティブアレー受信装置4の構成を示すブロック図である。同図に示すように、アダプティブアレー受信装置4は、アンテナ101a及び101bと、無線部102a及び102bと、初期ウェイト設定部141と、ウェイト算出部112と、乗算器104a及び104bと、加算器105と、復調部106とを備える。なお、アダプティブアレー受信装置4は、第2の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置2(図3)が備える初期ウェイト設定部121を初期ウェイト設定部141に代えた構成である。なお、アダプティブアレー受信装置4において、図3に示したアダプティブアレー受信装置2が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
初期ウェイト設定部141は、無線部102a及び無線部102bから出力される各受信信号に基づいて、ウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を定める。初期ウェイト設定部141は、定めた初期値WCMA(0)をウェイト算出部112に出力する。初期ウェイト設定部141は、各受信信号の受信電力を算出し、受信信号の受信電力が最も大きい受信信号に対応するウェイトに1を割り当て、他のウェイトに0を割り当てた初期値WCMA(0)を定める。
また、初期ウェイト設定部141は、復調部106から復調結果を取得する。初期ウェイト設定部141は、復調部106において正しいデータ系列が得られなかった場合、次回の受信動作に用いるウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を更新する。初期ウェイト設定部141は、正しいデータ系列が得られなかったときの初期値WCMA(0)において1が割り当てられたウェイトを0に変更する。また、初期ウェイト設定部141は、値を0に変更したウェイトに対応する受信信号の次に受信電力が大きい受信信号に対応するウェイトに1を割り当てることで、初期値WCMA(0)を更新する。
また、初期ウェイト設定部141は、初期値WCMA(0)の更新回数を計数するカウンタkを有している。初期ウェイト設定部141は、更新の都度カウンタkの値を1増加させ、カウンタkの値が初期値WCMA(0)の要素の数を超えた場合、カウンタkの値を1にリセットする。なお、カウンタkの初期値は1である。初期ウェイト設定部141は、カウンタkの値を用いて、ウェイトベクトルの初期値WCMA(0)の更新を行う。
ここで、初期ウェイト設定部141が行うウェイトベクトルの初期値WCMA(0)の更新の一例を示す。アダプティブアレー受信装置1が6本のアンテナを備え、3番目のアンテナに対応する受信信号の受信電力が最も大きく、受信電力が大きい方から順に、3番目、6番目、2番目、5番目、1番目、4番目である場合、初期ウェイト設定部121は、以下のようにウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を更新する。
WCMA(0)=[0,0,1,0,0,0]T;(k=1→k=2)
WCMA(0)=[0,0,0,0,0,1]T;(k=2→k=3)
WCMA(0)=[0,1,0,0,0,0]T;(k=3→k=4)
WCMA(0)=[0,0,0,0,1,0]T;(k=4→k=5)
WCMA(0)=[1,0,0,0,0,0]T;(k=5→k=6)
WCMA(0)=[0,0,0,1,0,0]T;(k=6→k=1)
WCMA(0)=[0,0,1,0,0,0]T;(k=1→k=2)
WCMA(0)=[0,0,0,0,0,1]T;(k=2→k=3)
WCMA(0)=[0,1,0,0,0,0]T;(k=3→k=4)
WCMA(0)=[0,0,0,0,1,0]T;(k=4→k=5)
WCMA(0)=[1,0,0,0,0,0]T;(k=5→k=6)
WCMA(0)=[0,0,0,1,0,0]T;(k=6→k=1)
図8は、第4の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置4が行う受信動作を示すフローチャートである。アダプティブアレー受信装置4において受信動作が開始されると(ステップS101)、無線部102a及び102bそれぞれは、接続されたアンテナ101a及び101bで受信された信号に対して受信処理を行う。無線部102a及び102bは、受信処理で得られたベースバンドの受信信号を初期ウェイト設定部141とウェイト算出部112と乗算器104a及び104bへ出力する(ステップS102)。
初期ウェイト設定部141は、無線部102a及び102bそれぞれから出力された各受信信号の受信電力を取得する(ステップS113)。初期ウェイト設定部141は、取得した受信電力のうち、k番目に大きい受信電力に対応する受信信号に対するウェイトに1を割り当て、他のウェイトに0を割り当てたウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を設定する。初期ウェイト設定部141は、設定したウェイトベクトルの初期値WCMA(0)をウェイト算出部112に出力する(ステップS131)。
ウェイト算出部112は、公知のアダプティブアレーアルゴリズムを用いて、初期ウェイト設定部141から出力されたウェイトベクトルの初期値と無線部102a及び102bから出力された受信信号とに基づいてウェイトを算出する。ウェイト算出部112は、算出したウェイトを乗算器104a及び104bへ出力する(ステップS115)。
乗算器104aは、無線部102aから出力された受信信号と、ウェイト算出部112から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する。また、乗算器104bは、無線部102bから出力された受信信号と、ウェイト算出部112から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する(ステップS104)。
加算器105は、乗算器104a及び104bにおいてウェイトが乗算された各受信信号を加算し、加算結果を復調部106へ出力する(ステップS105)。復調部106は、加算器105から出力された加算結果に対して復調処理を行うことによりデータ系列を取得し、取得したデータ系列を出力する(ステップS106)。
初期ウェイト設定部141は、復調部106から取得した復調結果に基づいて、正しいデータ系列を取得できたか否かを判定する(ステップS122)。正しいデータ系列を取得できた場合(ステップS122:YES)、初期ウェイト設定部141は、受信動作を終了させる(ステップS107)。
正しいデータ系列を取得できなかった場合(ステップS122:NO)、初期ウェイト設定部141は、カウンタkの値を1増加させる(ステップS123)。初期ウェイト設定部141は、インクリメント後のカウンタkの値が、ウェイトベクトルに含まれる全要素数を超えたか否かを判定する(ステップS132)。
カウンタkの値が全要素数を超えていない場合(ステップS132:NO)、初期ウェイト設定部141は、受信動作を終了させる(ステップS107)。
カウンタkの値が全要素数を超えている場合(ステップS132:YES)、初期ウェイト設定部141は、カウンタkの値を1にリセットし(ステップS133)、受信動作を終了させる(ステップS107)。
カウンタkの値が全要素数を超えている場合(ステップS132:YES)、初期ウェイト設定部141は、カウンタkの値を1にリセットし(ステップS133)、受信動作を終了させる(ステップS107)。
以上の受信動作により、アダプティブアレー受信装置4は、正しいデータ系列を復調できなかった場合に、次回の受信動作で用いるウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を更新して、受信信号に対して用いるウェイトの最適化を行う。正しいデータ系列を復調できる場合、すなわち最適なウェイトが得られている場合、アダプティブアレー受信装置4は、当該ウェイトの算出に用いたウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を使用し続ける。
第4の実施形態のアダプティブアレー受信装置4は、複数の受信信号のうち所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より大きい可能性が高い受信信号を一つ用いるウェイトベクトルの初期値を定め、受信信号に適用するウェイトを算出する。このウェイトを用いて複数の受信信号からデータ系列を復調した際に正しいデータ系列が得られなかった場合には、所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より大きい可能性が次に高い受信信号を一つ用いるウェイトベクトルの初期値に変更し、受信信号に適用するウェイトを算出する。すなわち、所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より大きい受信信号に対する重みを大きくしたウェイトベクトルの初期値を用いて、受信信号に適用するウェイトを算出する。これにより、干渉信号の受信電力が所望信号の受信電力より高い受信信号が複数の受信信号に含まれる場合においても、CMAの干渉抑圧性能を向上させることができる。
(第5の実施形態)
図9は、第5の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置5の構成を示すブロック図である。同図に示すように、アダプティブアレー受信装置5は、アンテナ101a及び101bと、無線部102a及び102bと、バッファ132a及び132bと、初期ウェイト設定部151と、ウェイト算出部112と、乗算器104a及び104bと、加算器105と、復調部106とを備える。なお、アダプティブアレー受信装置5は、第3の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置3(図5)が備える初期ウェイト設定部131を初期ウェイト設定部151に代えた構成である。なお、アダプティブアレー受信装置5において、図5に示したアダプティブアレー受信装置3が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
図9は、第5の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置5の構成を示すブロック図である。同図に示すように、アダプティブアレー受信装置5は、アンテナ101a及び101bと、無線部102a及び102bと、バッファ132a及び132bと、初期ウェイト設定部151と、ウェイト算出部112と、乗算器104a及び104bと、加算器105と、復調部106とを備える。なお、アダプティブアレー受信装置5は、第3の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置3(図5)が備える初期ウェイト設定部131を初期ウェイト設定部151に代えた構成である。なお、アダプティブアレー受信装置5において、図5に示したアダプティブアレー受信装置3が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
初期ウェイト設定部151は、バッファ132a及び132bに記憶されている各受信信号に基づいて、ウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を定める。初期ウェイト設定部151は、定めた初期値WCMA(0)をウェイト算出部112に出力する。初期ウェイト設定部151は、各受信信号の受信電力を算出し、受信信号の受信電力が最も大きい受信信号に対応するウェイトに1を割り当て、他のウェイトに0を割り当てた初期値WCMA(0)を定める。
また、初期ウェイト設定部151は、復調部106から復調結果を取得する。初期ウェイト設定部151は、復調部106において正しいデータ系列が得られなかった場合、初期値WCMA(0)を更新する。初期ウェイト設定部151は、一回の受信動作において、正しいデータ系列が得られるまでウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を更新する。初期ウェイト設定部151は、正しいデータ系列が得られなかったときの初期値WCMA(0)において1が割り当てられたウェイトを0に変更する。また、初期ウェイト設定部151は、値を0に変更したウェイトに対応する受信信号の次に受信電力が大きい受信信号に対応するウェイトに1を割り当てることで、初期値WCMA(0)を更新する。
また、初期ウェイト設定部151は、初期値WCMA(0)の更新回数を計数するカウンタkを有している。初期ウェイト設定部151は、更新の都度カウンタkの値を1増加させ、カウンタkの値が初期値WCMA(0)の要素の数を超えた場合、カウンタkの値を1にリセットする。なお、カウンタkの初期値は1である。初期ウェイト設定部151は、カウンタkの値を用いて、ウェイトベクトルの初期値WCMA(0)の更新を行う。
図10は、第5の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置5が行う受信動作を示すフローチャートである。アダプティブアレー受信装置5において受信動作が開始されると(ステップS101)、無線部102a及び102bそれぞれは、接続されたアンテナ101a及び101bで受信された信号に対して受信処理を行う。無線部102a及び102bは、受信処理で得られたベースバンドの受信信号をバッファ132a及び132bに出力して記憶させる(ステップS102)。
初期ウェイト設定部151は、バッファ132a及び132bそれぞれに記憶されている各受信信号の受信電力を取得する(ステップS113)。初期ウェイト設定部151は、取得した受信電力のうち、k番目に大きい受信電力に対応する受信信号に対するウェイトに1を割り当て、他のウェイトに0を割り当てたウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を設定する。初期ウェイト設定部151は、設定したウェイトベクトルの初期値WCMA(0)をウェイト算出部112に出力する(ステップS131)。
ウェイト算出部112は、公知のアダプティブアレーアルゴリズムを用いて、初期ウェイト設定部141から出力されたウェイトベクトルの初期値と、バッファ132a及び132bそれぞれに記憶されている各受信信号とに基づいてウェイトを算出する。ウェイト算出部112は、算出したウェイトを乗算器104a及び104bへ出力する(ステップS115)。
乗算器104aは、バッファ132aに記憶されている受信信号と、ウェイト算出部112から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する。また、乗算器104bは、バッファ132bに記憶されている受信信号と、ウェイト算出部112から出力されたウェイトとを乗算し、乗算結果を加算器105へ出力する(ステップS104)。
加算器105は、乗算器104a及び104bにおいてウェイトが乗算された各受信信号を加算し、加算結果を復調部106へ出力する(ステップS105)。復調部106は、加算器105から出力された加算結果に対して復調処理を行うことによりデータ系列を取得し、取得したデータ系列を出力する(ステップS106)。
初期ウェイト設定部151は、復調部106から取得した復調結果に基づいて、正しいデータ系列を取得できたか否かを判定する(ステップS122)。正しいデータ系列を取得できた場合(ステップS122:YES)、初期ウェイト設定部151は、受信動作を終了させる(ステップS107)。
正しいデータ系列を取得できなかった場合(ステップS122:NO)、初期ウェイト設定部151は、カウンタkの値を1増加させる(ステップS123)。初期ウェイト設定部151は、インクリメント後のカウンタkの値が、ウェイトベクトルに含まれる全要素数を超えたか否かを判定する(ステップS132)。
カウンタkの値が全要素数を超えていない場合(ステップS132:NO)、初期ウェイト設定部151は、処理をステップS131に戻して、ステップS131以降の処理を繰り返させる。これにより、ウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を更新して復調処理が再度行われる。
カウンタkの値が全要素数を超えている場合(ステップS132:YES)、初期ウェイト設定部151は、カウンタkの値を1にリセットし(ステップS133)、受信動作を終了させる(ステップS107)。
カウンタkの値が全要素数を超えている場合(ステップS132:YES)、初期ウェイト設定部151は、カウンタkの値を1にリセットし(ステップS133)、受信動作を終了させる(ステップS107)。
以上の受信動作により、アダプティブアレー受信装置5は、正しいデータ系列を復調できなかった場合にウェイトベクトルの初期値WCMA(0)を更新して、受信信号に対して用いるウェイトの最適化を行う。アダプティブアレー受信装置5は、受信動作の都度、ウェイトベクトルの初期値WCMA(0)の最適化を行うので、伝搬路の時間変動に対する追従性を高めることができる。
第5の実施形態のアダプティブアレー受信装置5は、複数の受信信号のうち所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より大きい可能性が高い受信信号を一つ用いるウェイトベクトルの初期値を定め、受信信号に適用するウェイトを算出する。このウェイトを用いて複数の受信信号からデータ系列を復調した際に正しいデータ系列が得られなかった場合には、所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より大きい可能性が次に高い受信信号を一つ用いるウェイトベクトルの初期値に変更して受信信号に適用するウェイトを算出し、再度復調を行う。復調により正しいデータ系列が得られるまで、所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より大きい可能性が高い受信信号を一つ用いたウェイトベクトルの初期値を順に試す。これにより、所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より低くなる状態が生じても、所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より高い受信信号の重みを高くしてウェイトを算出することができ、CMAの干渉抑圧性能を向上させることができる。
ここで、第4の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置4の動作を、シミュレーション結果を用いて説明する。図11は、第4の実施形態におけるアダプティブアレー受信装置4のシミュレーション結果を示す図である。シミュレーション条件として、所望信号1波に対し干渉波が1波到来するものとし、伝搬路は独立無相関レイリーフェージングチャネル、SIR=3dB、SNR=30dB、CMA処理を適用したシンボル数は100、CMAの繰り返し回数は10回である。同図において、横軸はCMA適用後のSINRを示し、縦軸は累積分布関数(CDF)の値を示す。同図には、複数の受信信号に対するアレー処理を行わずに加算合成を行った場合(アレー処理なし)、CMAのみのアレー処理を行った場合(CMAのみ)、2本、4本及び8本のアンテナを備え第4の実施形態で説明したアレー処理を行った場合(Nrx=2、Nrx=4、Nrx=8)それぞれのシミュレーション結果が示されている。
図11に示すシミュレーション結果から、ウェイトベクトルの初期値を最適化することによりSINRを改善できることが分かる。また、アンテナの本数が多いほど、ウェイトベクトルの初期値の最適化を施したアレー処理でSINRを改善できる度合いが大きくなることが確認できる。
なお、上述した各実施形態において、2本のアンテナ101a及び101bを備えるアダプティブアレー受信装置の構成を示したが、アダプティブアレー受信装置が3本以上のアンテナを備えてもよい。その場合、アダプティブアレー受信装置は、アンテナごとに対応する無線部及び乗算器を備える。
また、上述した第2から第4の実施形態において、ウェイトベクトルの初期値を更新するか否かの決定に、正しいデータ系列を得られたか否かの復調結果を用いる構成を説明した。しかし、ウェイトベクトルの初期値を更新するか否かの決定に、受信品質を表す指標が予め定めた閾値以上であるか否かの判定結果を用いてもよい。受信品質を表す指標には、例えばデータの誤り率や、デジタル変調信号の品質を表すEVM(Error Vector Magnitude)などを用いる。
また、上述した各実施形態のアダプティブアレー受信装置は、直交周波数分割多重(OFDM)が適用された信号を受信し、ウェイトベクトルの初期値を設定してアレー処理を行い、アレー処理を施した受信信号からデータ系列を復調することも可能である。この場合、アダプティブアレー受信装置は、周波数成分(サブキャリア)ごとの初期ウェイト設定部、ウェイト算出部、乗算器及び加算器を備え、無線部は周波数成分ごとの受信信号を出力する。各初期ウェイト設定部は、対応する周波数成分のウェイトベクトルの初期値を設定し、ウェイト算出部は、対応する周波数成分の各受信信号に対するウェイトを算出する。すなわち、各実施形態において説明したアレー処理を周波数成分ごとに行う。これにより、所望信号の受信電力と干渉信号の受信電力との大小に周波数選択性があり、一部の周波数成分において、所望信号の受信電力が干渉信号の受信電力より小さい場合であっても、CMAの干渉抑圧性能を向上させることができる。
上述した実施形態におけるアダプティブアレー受信装置をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、アダプティブアレー受信装置が有する構成要素それぞれを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した構成要素の一部を実現するためのものであってもよく、更に前述した構成要素をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、PLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
CMAアダプティブアレーを適用した受信において、干渉信号の抑圧特性を向上させることが不可欠な用途にも適用できる。
1,2,3,4,5,9…アダプティブアレー受信装置
101a,101b…アンテナ
102a、102b…無線部
103,112…ウェイト算出部
104a,104b…乗算器
105…加算器
106…復調部
111,121,131,141,151…初期ウェイト設定部
132a,132b…バッファ
101a,101b…アンテナ
102a、102b…無線部
103,112…ウェイト算出部
104a,104b…乗算器
105…加算器
106…復調部
111,121,131,141,151…初期ウェイト設定部
132a,132b…バッファ
Claims (7)
- 複数の受信信号において受信電力の大きい受信信号に対する重みを大きくした前記複数の受信信号にそれぞれ乗算する複数のウェイトの初期値を定める初期ウェイト設定部と、
複数の前記受信信号それぞれに対するウェイトを所定のアルゴリズムを用いて複数の前記受信信号と複数の前記ウェイトの初期値とに基づいて算出するウェイト算出部と、
複数の前記受信信号それぞれに対応するウェイトを乗じた乗算結果が加算合成された信号を復調し、所望のデータ系列を取得する復調部と
を備えることを特徴とする受信装置。 - 請求項1に記載の受信装置において、
前記初期ウェイト設定部は、
複数の前記受信信号の受信電力の比に基づいて複数の前記ウェイトの初期値を定める
ことを特徴とする受信装置。 - 請求項2に記載の受信装置において、
前記初期ウェイト設定部は、
前記復調部において正しいデータ系列を復調できなかった場合、定めた各ウェイトの初期値のうち値が最も大きいウェイトの値を0にし、
前記ウェイト算出部は、
前記初期ウェイト設定部が更新した各ウェイトの初期値を用いて前記受信信号それぞれに適用するウェイトを再度算出する
ことを特徴とする受信装置。 - 請求項1に記載の受信装置において、
前記初期ウェイト設定部は、
前記受信信号の受信電力が最も大きい受信信号に対応するウェイトの初期値に1を割り当て、他の受信信号に対応するウェイトの初期値に0を割り当てる
ことを特徴とする受信装置。 - 請求項4に記載の受信装置において、
前記初期ウェイト設定部は、
前記復調部において正しいデータ系列を復調できなかった場合、定めた各ウェイトの初期値において1を割り当てたウェイトに0を割り当て、複数の前記受信信号において当該ウェイトに対応する受信信号の次に受信電力が大きい受信信号に対するウェイトに1を割り当て、
前記ウェイト算出部は、
前記初期ウェイト設定部が更新した各ウェイトの初期値を用いて前記受信信号それぞれに適用するウェイトを再度算出する
ことを特徴とする受信装置。 - 請求項3又は請求項5に記載の受信装置において、
前記初期ウェイト設定部は、
前記復調部において正しいデータ系列を復調できるまで、各ウェイトの初期値を更新する
ことを特徴とする受信装置。 - 複数のアンテナを備える受信装置が行う受信方法であって、
複数の受信信号において受信電力の大きい受信信号に対する重みを大きくした前記複数の受信信号にそれぞれ乗算する複数のウェイトの初期値を定める初期ウェイト設定ステップと、
複数の前記受信信号それぞれに対するウェイトを所定のアルゴリズムを用いて複数の前記受信信号と複数の前記ウェイトの初期値とに基づいて算出するウェイト算出ステップと、
複数の前記受信信号それぞれに対応するウェイトを乗じた乗算結果が加算合成された信号を復調し、所望のデータ系列を取得する復調ステップと
を有することを特徴とする受信方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014130638A JP2016010057A (ja) | 2014-06-25 | 2014-06-25 | 受信装置及び受信方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014130638A JP2016010057A (ja) | 2014-06-25 | 2014-06-25 | 受信装置及び受信方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016010057A true JP2016010057A (ja) | 2016-01-18 |
Family
ID=55227335
Family Applications (1)
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JP2014130638A Pending JP2016010057A (ja) | 2014-06-25 | 2014-06-25 | 受信装置及び受信方法 |
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JP (1) | JP2016010057A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020141292A (ja) * | 2019-02-28 | 2020-09-03 | 日本電信電話株式会社 | 無線通信装置及び無線通信方法 |
JP2021145210A (ja) * | 2020-03-11 | 2021-09-24 | 日本電信電話株式会社 | 無線通信装置及び無線通信方法 |
-
2014
- 2014-06-25 JP JP2014130638A patent/JP2016010057A/ja active Pending
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