JP2016003663A - 固定用ボルト - Google Patents

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Abstract

【課題】構造体内の中空空間で回転してアンカーとなる回転係止部材を有する固定用ボルトについて、挿入する向きに関わらず回転係止部材の回転を確実に行えるようにする。
【解決手段】ボルト本体12と回転係止部材13を備える固定用ボルト11において、回転係止部材13を、ボルト本体12を挟む間隔を隔てて配置された一対の側壁部31と、側壁部31同士を連結する底板部32を有する断面コ字状に形成し、側壁部31間にボルト本体12の一端部22を枢着し、底板部32に板ばね15を保持する。板ばね15は、底板部32の長手方向の一端部32aに固定され、先端側を底板部32の内面に沿って他端部32b側に延ばすとともに、途中で底板部32から離れる方向に斜めに延ばして、回転係止部材13が一方向に回転してボルト本体12に対して斜めになったときにボルト本体12の側面に当接する作用部54を備えて、ばね弾性の利きを安定化させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、内側が中空な構造体に外側から物品を固定する場合に好適に用いられるような固定用ボルトに関する。
内側が中空な構造体としては、例えば鋼管や筐体、壁、屋根、建築用板材などがある。このような構造体にボルトナットを用いて外側から物品を固定しようとしても、構造体内でナットを回転できなければ、固定はできない。
たとえば、建築用板材の一つに押出成形セメント板がある。この押出成形セメント板は外壁等に好適に使用されるものである。図10に示したように押出成形セメント板101は、長方形の板状で、長辺に嵌合のための凸条102または凹溝103を有し、内部における凸条102と凹溝103の間に、長手方向に沿って長い複数の中空部104が並設されている。
このような構成の押出成形セメント板101を外壁等として固定するには、図10に示したように所定の金具105を押出成形セメント板101の外側面に固定する必要がある。この金具105の固定は、図11に示したように、押出成形セメント板101の固定側の面に穴106を開け、中空部104に対して挿入具107で支えながら角ナット108を挿入し、上から六角ボルト109を螺合する方法によって行っていた。
挿入具107が必要なうえ、角ナット108を所定の位置に挿入するのが難しく、作業性はよくない。
従来、内側が中空な構造体に使用可能なボルトとして、下記特許文献1のような吊ボルトや、下記特許文献2のようなボード用アンカーが提案されていた。
特許文献1の吊ボルトは、ボルトの一端にボルトの軸心方向に延びる凹溝を有し、この凹溝に棒状又は板状の吊止金具(回転係止部材)を回転可能に枢着した構造である。吊止金具は、長手方向の中間位置から一方に偏った位置を枢着している。これによって、吊ボルトの吊止金具側の部分を固定対象に挿入した時に、吊止金具が回転しやすいようになっている。
しかし、吊止金具は単に枢着されているだけであるので、回転は自然に任せねばならず不確実で、吊止金具を回転させるために吊ボルトを挿入後に大きく振動させる必要があった。また、特許文献1の吊ボルトは、吊止金具を下にして挿入する場合には、挿入後に吊止金具が自動で回転することがないので、使用できなかった。
特許文献2のボード用アンカーは、ねじ軸と、ねじ軸に取付部材を介して回転自在に取り付けられるアンカー部(回転係止部材)を有するものである。取付部材はリング状で、ねじ軸の先端部に螺合される。アンカー部は、取付部材のねじ軸に対する螺合状態において、アンカー部がねじ軸に対して直交する向きになるように付勢する板ばねを備える。つまり、板ばねの付勢力によってアンカー部を回転させ、所望とおりの回転が行われる確実性を高めることができる。
しかし、この板ばねは、アンカー部の長手方向の一端部に固定され、アンカー部をねじ軸に直交する状態からねじ軸に沿うようになる方向に回転したときに、板ばねの先端部がねじ軸の側面に当接して、更なる回転により付勢力を蓄積するように構成されている。
このような板ばねであるので、板ばねの先端部がねじ軸のねじ山に引っかかって付勢力が安定しない場合や、板ばねの変形に要する力が強すぎて挿入しにくい場合、板ばねが変形や位置ずれを起こして実際に施工を行う前に板ばねが利かくなってしまう場合などがあった。このため、アンカー部を確実に回転させるという所望の作用が得られないことがあった。
実開昭53−18462号公報 特許第3734146号公報
そこで、この発明は、回転係止部材の回転がいかなる場合も確実に行え、使用しやすくすることを主な目的とする。
そのための手段は、外周面に雄ねじを有するボルト本体と、該ボルト本体の直径よりも長く形成されて前記ボルト本体に対して相対回転可能な回転係止部材を備える固定用ボルトであって、前記回転係止部材が、前記ボルト本体を挟む間隔を隔てて配置された一対の側壁部と、これら側壁部同士を連結する底板部を備え、一対の前記側壁部が前記ボルト本体の一端部に対して回転自在に軸部で保持されるとともに、前記底板部に板ばねが保持され、該板ばねが、前記底板部の長手方向の一端部に保持される保持部と、該保持部における前記底板部の内面に対応する部位から前記底板部の長手方向の他端部側に向けて延び前記底板部の内面に沿う延長部と、該延長部の先端から延びて前記底板部の内面から離れる方向に傾斜し、前記回転係止部が一方向に回転して前記ボルト本体に対して斜めになったときに前記ボルト本体の側面に当接する作用部を有する固定用ボルトである。
この構成の固定用ボルトは、回転係止部材の長手方向とボルト本体の長手方向を揃えるように相対回転すると、板ばねの作用部の表面がボルト本体の側面に当接して、更なる回転により作用部が弾性変形し付勢力を蓄える。ボルト本体と回転係止部材の長手方向を揃えた状態にして固定対象に挿入すると、板ばねに蓄積された付勢力によって、回転係止部材が固定対象の内部で回転し、回転係止部材がボルト本体と直交する抜け止め状態になる。板ばねは、回転係止部材の側壁部同士を連結する底板部に保持され、保持部と延長部によって、底板部に対する一体性が高い状態である。
この発明によれば、回転係止部材は板ばねの付勢力によって回転するので、固定用ボルトを使用する向きに関わらず、確実な抜け止め状態を得ることができる。しかも、板ばねの付勢力は作用部の表面がボルト本体の側面に当接して蓄えられるうえに、板ばねは回転係止部材の底板部に高い一体性をもって保持されており不測の位置ずれがないので、付勢力の利きは常に安定した状態であって使いやすい。
固定用ボルトの斜視図。 固定用ボルトの分解斜視図。 固定用ボルトの正面図。 固定用ボルトの使用態様を示す断面図。 固定用ボルトの使用態様を示す断面図。 ワッシャの他の例を示す断面図と平面図。 固定用ボルトの使用状態を示す断面図。 固定用ボルトの使用状態を示す断面図。 固定用ボルトの使用状態を示す分解斜視図。 従来技術の一例を示す斜視図。 従来技術の一例を示す断面図。
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1は固定用ボルト11の斜視図であり、この固定用ボルト11は、内側が中空な構造体に外側から物品を固定するのに使用される。
固定用ボルト11は、図2に示したように、ボルト本体12と、ボルト本体12の直径よりも長く形成されてボルト本体12に対して相対回転可能な回転係止部材13を有する。
ボルト本体12は丸棒状で、一端側の部位から他端にかけての外周面に雄ねじ21を有する。この雄ねじ21は、図3に示したような締め付けのためのナット61を螺合する部分である。ボルト本体12の一端部22は雄ねじ21を有しない部分で、枢着のための軸穴23が形成されている。
ボルト本体12の長さや太さは固定用ボルト11を使用する箇所や目的に応じて適宜設定される。
回転係止部材13は、ボルト本体12の一端部22を挟む間隔を隔てて配置された一対の側壁部31と、これら側壁部31同士を連結する底板部32を備えている。側壁部31と底板部32は短冊形状で、ボルト本体12の直径よりも若干幅広に設定されている。側壁部31は底板部32と反対側の角に角アール部33を有する。
側壁部31の長さは固定用ボルト12を使用する箇所や目的に応じて適宜設定される。底板部32は側板部31の長さの範囲に収まる位置に形成されている。
側壁部31の長手方向の中間位置で幅方向の中間位置には、ボルト本体12を枢着するための軸部としての軸部材14を通す貫通穴34が形成されている。つまり、一対の側壁部31の間にボルト本体12の一端部22を挿入して、側壁部31の貫通穴34とボルト本体12の軸穴23に軸部材14を挿通保持すると、側壁部31がボルト本体12の一端部22に対して回転自在に保持されることになる。
また、側壁部31の底板部32と反対側の縁部35に、側壁部31の長手方向に間隔を隔てて複数の回り止め突起36が形成されている。回り止め突起36は縁部35から適宜高さ突出しており、長手方向の中間位置を挟んで両側に1個ずつ振り分けて備えている。回り止め突起36は長手方向の中間位置を挟んで両側にそれぞれ複数個ずつ、凹凸状に形成してもよい。回り止め突起36は回り止め作用を有するほか、対向する部位に対する位置決め作用も有する。
回転係止部材13の底板部32は、回転係止部材13をボルト本体12に対して交差する姿勢になるように付勢をするための板ばね15備える。
このため底板部32は、長手方向の一端部32aに、板ばね15を固定するための貫通した角穴37を有し、長手方向の他端部32bに、弾性変形した板ばね15の一部を逃す切欠部38を有する。
板ばね15は、底板部32よりも幅狭の適宜幅の板状で、一端部に、底板部32の長手方向の一端部32aに保持される保持部51を有する。保持部51は、図2、図3に示したように、底板部32を挟む間隔をもたせて折り返して形成される。保持部51の表側部分51aは底板部32の内面に沿って面接触し、裏側部分51bは底板部32の外面に沿って面接触する。保持部51の裏側部分51bにおける底板部32の角穴37に対応する部位には、U字状の切り込みを入れて切り起こし部52を有する。この切り起こし部52が角穴37に押し込まれることにより、保持部51の抜け止めと位置決めを図ることができる。切り起こし部52は、底板部32の一端部32a側に対応する側を起こすのが好ましい。
板ばね15の保持部51の先には、保持部51における底板部32の内面に対応する部位から底板部32の長手方向の他端部32b側に向けて延び、底板部32の内面に沿う延長部53を有する。延長部53は対向する全面が底板部32の内面に面接触する。延長部53の長さは、ボルト本体12に対応する部位、具体的には図3に示したようにボルト本体12の軸部材14に対応する位置より若干長手方向の他端部32b側に寄った位置まで延ばすとよい。
板ばね15の延長部53の先には、延長部53の先端から延びて底板部32の内面から離れる方向に傾斜し、回転係止部材13が一方向に回転してボルト本体12に対して斜めになったときにボルト本体12の側面に当接する作用部54を有する。作用部54は直線状に形成されるのが好ましい。作用部54の傾斜角度は、作用部54の始端の位置との関係で適宜設定されるが、例えば30度から40度程度の範囲であるとよい。望ましくは、作用部54がボルト本体12に接するときに作用部54とボルト本体12が平行になって作用部54の長手方向の全体が同時にボルト本体12に接するように設定するとよい。
また作用部54の長さ、つまり作用部54の先端位置も適宜設定されるが、側壁部31内に収まるように設定すると、板ばね15が不測に他の部材と接触することを抑制して板ばね15を保護できるのでよい。
この作用部54の先端には、ボルト本体12の側面に対する当たりを緩和して作用部54の変形を円滑に行わせるため、底板部32側に向けて曲がる緩衝屈曲部55を有する。緩衝屈曲部55の長さは短くてよい。また緩衝屈曲部55は作用部54に対して鈍角に曲がるのが望ましい。
この緩衝屈曲部55は、作用部54が弾性変形して底板部32の内面に沿う形状になったときに、底板部32の他端部32bに形成した切欠部38に収まる部分である。つまり、底板部32における作用部54を底板部32の内面に沿わせたときの緩衝屈曲部55に対応する部位に、緩衝屈曲部55を逃がす切欠部38が形成され、作用部54の弾性変形を十分に行わせて、ボルト本体12と回転係止部材13が双方の長手方向を平行にする姿勢に変形できるようにしている。
このように構成された固定用ボルト11は、図3に示したようにボルト本体12の雄ねじ21を有する部分にナット61とワッシャ62を予め、または後で保持して使用される。ナット61はワッシャ付きナットでもよい。
このような構成の固定用ボルト11は次のように使用される。使用に際して、固定用ボルト11をいかなる向きにして使用しても同様の作用をするので、使用態様を示す図4、図5では固定用ボルト11の回転係止部材13側を下に向けて挿入する例を示す。
まず、図4に示したように、回転係止部材13がボルト本体12と交差する姿勢から、回転係止部材13を相対回転して回転係止部材13の切欠部38を有する側、つまり底板部32の長手方向の他端部32bをボルト本体12に引き付ける方向に回転する。この回転により、板ばね15の作用部54がボルト本体12の側面に当接し、更なる回転によって、作用部54が底板部32の内面に沿うように変形する。回転係止部材13の相対回転は、固定用ボルト11が固定対象71の貫通穴72に挿入可能な形態になるまで行う。
この状態で板ばね15には付勢力が蓄積されるので、固定対象71の貫通穴72に回転係止部材13を挿入して固定対象71の内部空間73に回転係止部材13の全体が進入すると、回転係止部材13が自動的に付勢力によって回転し、ボルト本体12と交差する姿勢、直交する姿勢に変化し、抜け止め状態が得られる。
つづいて、図5に示したように固定用ボルト11のボルト本体12を固定対象71から離す方向に引っ張ると、回転係止部材13は完全にボルト本体12と直交する姿勢になって、回転係止部材13の側壁部31の縁部35が固定対象71の内部空間73を構成する内面に当接する。縁部35には回り止め突起36が形成されているので、固定対象71の内部空間73を構成する内面に対して回り止めと位置決めができる。回転係止部材13がボルト本体12と直交する姿勢回転するときには、側壁部31が角アール部33を有するので、固定対象71の内面を損傷することもなく円滑な回転が可能である。
この状態でナット61を締める。回転係止部材13は固定対象71に対して、回り止め突起36で回転が阻止されるので、回転係止部材13と回転不可の状態で一体のボルト本体12に対する螺合は容易である。
ナット61の締め付けによって固定状態が保持される。この固定状態では、回り止め突起36による位置決め作用によって、固定対象71の貫通穴72に対する固定用ボルト11の位置は安定する。
図4、図5では、固定対象71に固定用ボルト11のみを固定する例を示しているが、固定対象71に対して物品も同時に固定する場合には、貫通穴を有する物品を固定対象に重ねて、前述のように固定用ボルト11の固定を行う。固定用ボルト11のボルト本体12にナット61を予め保持しない場合には、固定用ボルト11を固定対象71に挿入保持してから物品をボルト本体12に挿嵌保持することもできる。
また、固定対象71の貫通穴72の大きさと、固定用ボルト11のボルト本体12の太さの違いが大きく、ボルト本体12の位置を規制する必要がある場合には、図6(a)、図6(b)に示したように、位置規制機能を有するワッシャ63を使用するとよい。図6(a)は分離状態の断面図であり、図6(b)はワッシャ63の平面図である。
つまりワッシャ63は、ボルト本体12が嵌合対応する大きさのボルト穴63aと、固定対象71の貫通穴72に嵌合対応する大きさで貫通穴72に向けて突出する円弧状の嵌合縁部63bを、それらの中心を同一にして周方向に交互に2個ずつ有する構成である。このようなワッシャ63を使用すると、嵌合縁部63bが固定対象71の貫通穴72に嵌合して貫通穴72に対する位置決めがなされ、ボルト本体12はボルト穴63aによって固定対象71の貫通穴72の中心に位置決めされる。
以下、前述のような固定用ボルトの若干の使用例を説明する。
図7は、固定対象71としての折板屋根71aの上に、太陽光パネル(図示せず)などを設置するときに用いられる、物品としてのC形鋼74aを固定した例である。固定用ボルト11は折板屋根71aの貫通穴72部分に固定され、その後、C形鋼74aを固定する。この場合には、折板屋根71aと固定用ボルト11との間に止水性が必要なため、ナット61とワッシャ62の間にシール座金64を備えている。
図8は、建物の外壁の施工や外壁の改修に用いる例である。つまり、固定対象71としてのRC(鉄筋コンクリート)やALC(軽量気泡コンクリート)のような下地71bに、物品としての胴縁74bなどを固定するためには、下地71bに所定径の貫通穴72をあけ、固定用ボルト11を胴縁74bの上から貫通穴72に挿入して前述のような固定を行う。ナット61を締めて固定した後は、ボルト本体12の余分な部分を切断すれば、必要によって胴縁74bからのボルト本体12の突出を抑えることができる。
図9は、[背景技術]の項で説明した押出成形セメント板に金具を固定する場合の例である。つまり固定対象71としての押出成形セメント板71cの片面に貫通穴72を開け、この貫通穴72に固定用ボルト11の回転係止部材13を挿入して固定用ボルト11を抜け止め状態にする。続いて、押出成形セメント板71cの貫通穴72から突出するボルト本体12に物品としての金具74cを挿嵌し、ナット61とワッシャ62により固定する。金具74cにはボルト本体12に嵌合対応する大きさの貫通穴75を備えている。このようにして固定すると、固定用ボルト11は回り止め突起36によって位置決めされるので、位置規制機能を有するワッシャ63(図6参照)を用いずとも、位置ずれを抑制できる。
金具74cの貫通穴75をボルト本体12が嵌合対応する大きさよりも大きく形成して、固定用ボルト11を前述のように金具74cの上から挿入するようにしてもかまわない。また位置規制機能を有するワッシャ63(図6参照)を用いる場合には、金具74cの下に入れる。
以上のようにして使用される固定用ボルト11は、固定対象71の貫通穴72に挿入したときに回転すべき回転係止部材13が板ばね15の付勢力によって確実に回転するので、固定用ボルト11の回転係止部材13を上に向けても下に向けても横に向けても、確実な抜け止め状態を得られる。
その回転のための付勢力を蓄積する板ばね15は、回転係止部材13の一端部32aからボルト本体12に対応する部分を超えて他端部32b側にかけて長く形成され、回転係止部材13を傾けた時にボルト本体12の側面に当接する作用部54を有しており、その当接はボルト本体12の長手方向の比較的広い部分で行われるので、板ばね15の作用部54の一部に過度な負荷がかかることはなく、十分なばね弾性を得られる。しかも、板ばね15は底板部32を挟持する保持部51と底板部32に面接触する延長部53を有するとともに、切り起こし部52による係止も行われるので、位置ずれはなく、付勢力の安定性に寄与する。このため、使用に際して板ばね15の利きが低下したり、利かなくなったりする不都合はなく、確実な作用効果を期待できる。板ばね15は底板部23を挟持する保持部51で固定されるので、組み立て作業は容易である。
また作用部54の先端には緩衝屈曲部55を有するので作用部54の先端がボルト本体12に引っかかることはなく、柔軟なばね弾性を常に確実に得られるので、前述の効果は確実なものとなる。さらに、その緩衝屈曲部55を作用部54の変形時に逃がす切欠部38を有するので、回転係止部材13を完全にボルト本体12と平行な状態にすることができ、貫通穴72を比較的小さくすることができる。
回転係止部材13を回転して板ばね15に付勢力を蓄積するときには、回転係止部材13の切欠部38をボルト本体12に引き寄せるように回転させるが、切欠部38に指先をかけて回転係止部材13を回転させればよいので、手袋をしての作業においても指先がすべることはなく、作業が確実に行える。そのうえ、板ばね15は前述のように回転係止部材13の底板部32の一端部32aに保持され他端部32b側に延び、他端部32bでは底板部32から離れる方向に延びているとともに、底板部32の他端部32bには切欠部38を有するので、固定用ボルトを回転係止部材13が下になる姿勢にした自然状態では、図3に仮想線で示したように、重さの違いにより切欠部38を有する側が上に上がった姿勢になるので、板ばね15に付勢力を蓄積させるときに操作の間違いが起きるのを防止できる。
さらに、回転係止部材13の縁部35には回り止め突起36を備え、この回り止め突起36は、ボルト本体12を枢着している長手方向の中間位置を挟んで両側に形成されているので、ボルト本体12の近傍に形成された場合と比較して、回り止め効果や位置決め効果が高い。また、固定対象71の貫通穴72がボルト本体12の太さよりも大きめであっても、十分に回り止め効果を得ることができる。
この発明の構成と前述の構成との対応において、
この発明の軸部は、前述の軸部材に対応するも、
この発明は前述の構成のみに限定されるものではなく、その他の構成を採用することもできる。
例えば、ボルト本体と回転係止部材の枢着は両者を貫通する軸部材ではなく、ボルト本体を貫通しない枢着構造とすることもできる。
板ばねは、前述の形状以外に、たとえば延長部を底板部の内面におけるボルト本体に対応する部位よりも長く延ばしてもよく、また、作用部が湾曲した形状であってもよい。
板ばねの固定は、前述のような保持部の挟持と切り起こし部の係止で行うほか、リベット等で行ってもよい。
ボルト本体の他端、つまり回転係止部材を有する側と反対側の部位に、例えば棒状の挿入支持部材を着脱可能に備えて、固定対象に対する固定時にボルト本体のほとんど、あるいは全体を固定対象の貫通穴に挿入しても固定が行えるようにしてもよい。挿入支持部材はボルト本体の雄ねじや、ボルト本体の他端面に形成するねじ穴等によって着脱可能にすることができる。このように構成すると、ボルト本体の長さを必要以上に長くする必要性をなくすことができる。
11…固定用ボルト
12…ボルト本体
13…回転係止部材
14…軸部材
15…板ばね
21…雄ねじ
22…一端部
31…側壁部
32…底板部
32a…一端部
32b…他端部
35…縁部
36…回り止め突起
38…切欠部
51…保持部
53…延長部
54…作用部
55…緩衝屈曲部

Claims (4)

  1. 外周面に雄ねじを有するボルト本体と、該ボルト本体の直径よりも長く形成されて前記ボルト本体に対して相対回転可能な回転係止部材を備える固定用ボルトであって、
    前記回転係止部材が、前記ボルト本体を挟む間隔を隔てて配置された一対の側壁部と、これら側壁部同士を連結する底板部を備え、
    一対の前記側壁部が前記ボルト本体の一端部に対して回転自在に軸部で保持されるとともに、
    前記底板部に板ばねが保持され、
    該板ばねが、前記底板部の長手方向の一端部に保持される保持部と、該保持部における前記底板部の内面に対応する部位から前記底板部の長手方向の他端部側に向けて延び前記底板部の内面に沿う延長部と、該延長部の先端から延びて前記底板部の内面から離れる方向に傾斜し、前記回転係止部が一方向に回転して前記ボルト本体に対して斜めになったときに前記ボルト本体の側面に当接する作用部を有する
    固定用ボルト。
  2. 前記延長部が前記底板部の内面における前記ボルト本体に対応する部位まで延び、前記作用部が直線状に延びる
    請求項1に記載の固定用ボルト。
  3. 前記側壁部における前記底板部と反対側の縁部に、前記側壁部の長手方向に間隔を隔てて複数の回り止め突起が形成された
    請求項1または請求項2に記載の固定用ボルト。
  4. 前記作用部の先端に前記底板部側に向けて曲がる緩衝屈曲部を有するとともに、
    前記底板部における前記作用部を前記底板部の内面に沿わせたときの前記緩衝屈曲部に対応する部位に、前記緩衝屈曲部を逃がす切欠部を有する
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の固定用ボルト。
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