JP2016223620A - アンカーボルト - Google Patents

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Abstract

【課題】屋根の上からでも対象物への設置が容易となり、且つ、固定強度が高くなるアンカーボルトの提供。【解決手段】このアンカーボルト2は、ボルト本体4と、このボルト本体4に螺合するナット6と、上記ボルト本体4に、ボルト本体4の軸方向に垂直な方向の支軸回りに回動自在に装着された係止部材10と、この係止部材10の一方の側部16に取り付けられた係止用のバネ部材18とを備えており、このバネ部材18が、外方へ突出した係止部22を有している。このバネ部材18は、係止部材10の上記側部16に固定された本体部20を有し、上記係止部22が、この本体部20から外方へ向けて傾斜しているのが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、アンカーボルト、及び、アンカーボルトを対象物に設置する方法に関する。
太陽光発電パネル等を建屋の屋根に設置する工事等においては、まず、屋根にパネル設置用の架台(図9の204)、金具、アンカーボルト等が設置される。建屋の屋根には、一般的に、リップ溝型鋼等の鉄骨からなる梁(図9(d)の206)と、この梁に支持された大波スレート、ガルバリウム(アルミニウム亜鉛合金メッキ鋼板)波板等からなる屋根板(図9の208)とを備えた構造が、採用されることがある。従来、この設置工事では、屋根の上から上記梁にドリルネジ(図9の202)を打ち込むことが多い。屋根の下側(屋根裏)からの設置工事は、建物内部の構造、設備等の位置変更ができないために、困難な場合が多いからである。梁に固定された上記ドリルネジをアンカーボルトとして使用する場合がある。また、このドリルネジにより、パネル設置用の架台や金具を取り付ける場合もある。
図9には、ドリルネジ202によって、パネル設置用の架台204を屋根に取り付ける手順が例示されている。この設置工事においては、まず、架台204及び屋根板208に、ドリルネジ202が挿通される貫通孔210が明けられる。この貫通孔210は、ドリルネジ202の六角頭212が通過し得ない大きさである。架台204が屋根板208の上に配置される(図9(a))。ドリルネジ202は、その先端にドリル刃214を備えている。
ついで、ドリルネジ202が貫通孔210に挿通される(図9(b))。ドリルネジ202の回転により、梁であるリップ溝型鋼206の上板216に雌ねじ218が形成される。符号226は、リップ溝型鋼のリップを示す。ドリルネジ202は、この雌ねじ218に螺合した状態となる。ドリルネジ202のねじ込みにより、ドリルネジ202の六角頭212と、梁206の上板216とで、架台204と屋根板208とが挟圧される(図9(c))。その結果、架台204が屋根板208に固定される。図9(d)は、図9(c)の右側面図に相当する。換言すれば、図9(c)は、図9(c)のIX−IX線に沿った断面図と言える。上記架台204を用いずに、もっと長いドリルネジを梁206に螺着し、これをアンカーボルトとして使用することもある。
ドリルネジ202、屋根板208及び架台204の固定は、上板216の厚さ範囲のネジの螺合にのみ依っている。梁206として通常使用されるリップ溝形鋼の上板216の板厚は、1.6mm及び2.3mmが多い。一方、架台204の設置に用いられるドリルネジ202の径としては、約5mmから約8mmまでが多い。これでは、雄ねじと雌ねじのねじ山同士が一週(360°)も係合していないことになる。また、屋根裏における温度変化による結露、雨漏り等により、ネジ部が腐食するおそれがある。ステンレス製のドリルネジが使用されている場合、リップ溝型鋼206のネジ部に電気腐食を生じるおそれがある。その結果、ドリルネジ202に加わる軸方向の荷重に対する抗力が小さい。また、上記のような薄い範囲の螺合のみに頼る固定では、横荷重によるモーメントに対する抗力が小さい。さらに、屋根板208にも大きな荷重が負荷される。
前述したように、従来の、屋根上からのアンカーボルトの設置方法では、十分な固定強度を確保することが困難な場合が多い。
本発明の目的は、屋根の上からであっても対象物への設置が容易であり、且つ、固定強度が高くなるアンカーボルトの提供、及び、アンカーボルトの設置方法の提供にある。
本発明に係るアンカーボルトは、
ボルト本体と、
このボルト本体に螺合するナットと、
上記ボルト本体に、ボルト本体の軸方向に垂直な方向の支軸回りに回動自在に装着された係止部材と、
この係止部材の一方の側部に取り付けられた係止用バネ部材とを備えており、
この係止用バネ部材が、外方へ突出した係止部を有している。
好ましくは、上記係止用バネ部材が、係止部材の上記側部に固定された本体部を有しており、
上記係止部が、本体部から外方へ向けて傾斜している。
好ましくは、上記係止部材が、上記ボルト本体の中心軸を含む面内に回動自在にされており、
上記係止用バネ部材の本体部が、係止部材の上記側部に沿って延びており、
ボルト本体の外周面に、ボルト本体の中心軸に平行に延びるバネ部材収容溝が形成されており、
このバネ部材収容溝の深さが、上記ナットのネジ高さと上記係止用バネ部材のボルト本体半径方向厚さとの和より大きくされている。
本発明に係る他のアンカーボルトは、
ボルト本体と、
このボルト本体に螺合するナットと、
上記ボルト本体の軸方向に離間した2箇所それぞれに装着された係止部材とを備えており、
この両係止部材のいずれもが、ボルト本体の軸方向に垂直な方向の支軸回りに回動自在に構成されている。
好ましくは、上記ボルト本体の先端に、リーマー付きのドリル刃が形成されている。
本発明に係るアンカーボルトの設置方法は、
ボルト本体と、このボルト本体に螺合するナットと、上記ボルト本体の半径方向内部に収容される姿勢及び半径方向外方へ突出する姿勢をとりうる係止部材とを備えたアンカーボルトを、基板に固定することによって設置する方法であって、
上記基板から外方に間隔を置いて板状構造部材が設置されており、この板状構造部材には、上記ナットが挿通されうる第1貫通孔が形成されており、
上記基板には、上記ボルト本体は挿通されうるが、上記ナットは挿通され得ない第2貫通孔が形成されており、
上記設置方法が、
上記第1貫通孔に挿通されて上記ナットを締め付け且つ緩めるための締め付け工具を用意する工程と、
上記ボルト本体を上記第1貫通孔及び第2貫通孔に挿通し、上記係止部材を、上記基板の背面に係止する工程と、
上記締め付け工具を第1貫通孔に挿通し、上記ナットをボルト本体に締め込んで、ナットと係止部材とで基板を挟圧することにより、アンカーボルトを基板に固定する工程とを含んでおり、
上記締め付け工具が、その一端に上記ナットに嵌合しうる第1嵌合部と、その他端にこの締め付け工具を回転させる回転工具に嵌合しうる第2嵌合部とを有しており、
この締め付け工具の長さは、その上記一端が上記基板の手前側表面に当接しているときに、上記第2嵌合部が、上記板状構造部材の第1貫通孔から手前外方に露出しうる長さ以上である。
本発明に係るアンカーボルトの他の設置方法は、
ボルト本体と、このボルト本体に螺合するナットと、上記ボルト本体の半径方向内部に収容される姿勢及び半径方向外方へ突出する姿勢をとりうる係止部材とを備えたアンカーボルトを、基板に固定することによって設置する方法であって、
上記基板から外方に間隔を置いて板状構造部材が設置されており、この板状構造部材には、第3貫通孔が形成されており、
上記基板には、上記ボルト本体は挿通されうる第4貫通孔が形成されており、
上記設置方法が、
上記ボルト本体の外側に嵌合し、上記第3貫通孔に挿通されうるが、上記第4貫通孔に挿通され得ないスペーサーを用意する工程と、
上記ボルト本体を上記第4貫通孔に挿通し、上記係止部材を、上記基板の背面に係止する工程と、
上記ボルト本体に上記スペーサーを嵌合し、その上から上記ナットを締め込むことにより、スペーサーと係止部材とで基板を挟圧することにより、アンカーボルトを基板に固定する工程とを含んでおり、
上記スペーサーの長さは、上記基板の手前側表面から上記板状構造部材の手前側表面までの距離以上である。
本発明に係るアンカーボルトでは、屋根の上からでも対象物への設置が容易となり、且つ、固定強度が高くなる。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係るアンカーボルトを示す一部切り欠き正面図であり、図1(b)は、その右側面図である。 図2(a)は、図1のアンカーボルトのボルト本体を示す正面図であり、図2(b)はその右側面図であり、図2(c)は、図2(a)のII−IIに沿って見た平面図であり、図2(d)は、図1のアンカーボルトの係止部材を示す正面図であり、図2(e)はその右側面図であり、図2(f)は、図1のアンカーボルトのナットを示す右側面図であり、図2(g)は、図1のアンカーボルトの係止部材を枢支するピンを示す正面図である。 図3の(a)から(d)は、図1に示されたアンカーボルトを、屋根の上から梁に設置する手順を示す一部断面正面図である。 図4は、図3(d)におけるアンカーボルトのナット締め込み方法の一例を示しており、図4(a)は、アンカーボルトの係止部材を梁に係止した状態を示す一部断面正面図であり、図4(b)は、ナットを締め込み且つ緩めるための締め付け工具の一例を示す正面図であり、図4(c)はその平面図であり、図4(d)は、アンカーボルトのナットを締め込んでアンカーボルトを梁に装着した状態を示す一部断面正面図である。 図5(a)(b)は、図1のアンカーボルトを、構造物等に横方向に設置する手順を示す正面図であり、図5(b)は、他の実施形態に係るアンカーボルトを、構造物等に横方向に設置する手順を示す正面図である。 図6(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係るアンカーボルトが梁に設置されている状態を示す一部断面正面図であり、図6(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係るアンカーボルトが梁に設置されている状態を示す一部断面正面図である。 図7(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係るアンカーボルトが梁に設置されている状態を示す一部断面正面図であり、図7(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係るアンカーボルトが梁に設置されている状態を示す一部断面正面図である。 図8(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係るアンカーボルトの主要部を示す一部切り欠き正面図であり、図8(b)は、図8(a)のアンカーボルトのバネ部材がナットによって拘束された状態を示す一部切り欠き正面図であり、図8(c)は、図8(a)におけるVIII−VIII線に沿って見た断面図である。 図9の(a)から(c)は、太陽光発電パネル等の取付架台を屋根の上に設置する従来の方法を示す一部断面正面図であり、図9(d)は、図9(c)の右側面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、本発明の一実施形態に係るアンカーボルト2が、組み立てられた状態で示されている。図2には、図1のアンカーボルト2が、組み立て前の状態で示されている。このアンカーボルト2は、ボルト本体4と、このボルト本体4に螺合するナット6と、ボルト本体4の先端近傍に装着された係止部材10と、後述する係止用バネ部材(以下、単にバネ部材ともいう)18とを備えている。ボルト本体4のネジサイズは、M8からM12が一般的であるが、これらのサイズには限定されない。ボルト本体4の先端近傍には、その先端から基端側に向けて、係止部材10を部分的に収容可能なスリット8が形成されている。スリット8は、ボルト本体4の中心軸を含む平面の方向に形成されている。このスリット8は、ボルト本体4の先端に開放されている。係止部材10は、長方形の板状を呈している。係止部材10の形状は、長方形板状には限定されない。係止部材10は、後述するように、設置対象である梁206等に当接しうる後述の側部32が形成されうる形状であればよく、例えば、角柱状、丸棒状であってもよい。係止部材10は、このスリット8内に位置した状態で、ボルト本体4に対して回動自在に装着されている。係止部材10は、ボルト本体4の軸方向に垂直な方向の支軸(ピン)12の回りに回動自在に装着されている。図1(a)に示されるように、係止部材10の幅は、ボルト本体4の外径とほぼ同一寸法にされている。
係止部材10の、支軸12による枢支位置14は、係止部材10の軸方向の中央点より一方にややずれている。係止部材10は、枢支位置14を境にして、長い部分10Lと短い部分10Sとからなる。長い部分10Lは、短い部分10Sより重量が大きい。従って、図1(a)に示されるように、アンカーボルト2の姿勢を、係止部材10が下方となる上下方向にしたとき、長い部分10Lが下方の位置、短い部分10Sが上方の位置となる。このとき、短い部分10Sはスリット8内に収容される。なお、長い部分10Lは、外力によって回転させられても、スリット8内に収容され得ない。スリット8における枢支位置14から奥端位置8Rまでの長さが、係止部材10の短い部分10Sより長く、長い部分10Lより短くされているからである。
係止部材10の一方の側部16にはバネ部材18が取り付けられている。本実施形態では、バネ部材18は弾力性を有する細い金属線材からなる。バネ部材18は、金属線材には限定されず、合成樹脂等の適度の剛性及び弾力性を有する材質からも形成されうる。また、バネ部材18の横断面形状は、円形には限定されず、長円形、楕円形、多角形等であってもよい。バネ部材18は、本体部20と係止部22とを有している。本実施形態では、本体部20及び係止部22は、ともに直線状を呈している。本体部20は、スポット溶接、接着剤等により、上記側部16に固着されている。本体部20は、係止部材10の側部16に沿って延び、係止部材10の短い部分10Sの先端から外方へさらに延びている。係止部材10の短い部分10Sがスリット8内に収容されたとき、本体部20は、ボルト本体4の外周面に沿って、スリット8の奥端(上端)8Rよりさらに上方へ延びている。このため、係止部材10の回転は、本体部20とボルト本体4の外周面との当接によって阻止される。また、バネ部材18は大変軽量にされているため、バネ部材18が短い部分10Sに固着された状態であっても、長い部分10Lは短い部分10Sより重量が大きい。従って、短い部分10Sがスリット8内に収容された状態のアンカーボルト2を、その軸方向が鉛直から水平に向けて回転させたとき、係止部材10は重力の作用によってボルト本体4に対して相対回転する(図1(a)における2点鎖線参照)。
バネ部材18の係止部22は、本体部20の先端から連続している。係止部22は、本体部20の先端から、上記側部16から離れる方向に延びている。係止部22は、本体部20の先端から、外方に傾斜している。係止部22の延びる方向は、本体部20の延びる方向に対して鋭角をなしている。従って、図1(a)に示されるように、係止部材10の短い部分10Sがスリット8内に収容されたとき、係止部22は、ボルト本体4の外周面から外方に向けて斜め方向に延びている。本実施形態では、係止部22は直線状を呈しているが、この形状には限定されない。係止部22は、本体部20から湾曲して延びる形状であってもよい。上記した係止部22の外方への傾斜は、この「湾曲」をも含んでいる。
上記ボルト本体4の基端には、スパナー等の回転工具が係合するための、直方体状の係合凸部24が設けられている。特に直方体状には限定されない。例えば、一対のいわゆるDカット部が互いに平行に形成されたものであってもよい。ボルト本体4は総ネジである。すなわち、全長にわたって雄ねじ26が形成されている。しかし、総ネジには限定されない。例えば、ボルト本体4のうち、係止部材10が収容される範囲についてはネジが形成されていなくてもよい。
図3には、上記アンカーボルト2を屋根に設置する手順が示されている。より詳細には、屋根の上から、アンカーボルト2を、板状構造部材の一種である波板状の屋根板208を貫通して、基板に固定する方法が示されている。本実施形態における設置対象の基板として、リップ溝型鋼からなる梁206が挙げられている。具体的な取付部は、リップ溝型鋼206のの上板216である。屋根板208は、梁206の上に取り付けられている。屋根板208には第1貫通孔28が形成されている。第1貫通孔28は、アンカーボルト2のナット6が挿通されうる大きさを有する。上板216には第2貫通孔30が形成されている。第2貫通孔30は、アンカーボルト2のボルト本体4は挿通されうるが、ナット6は挿通され得ない大きさを有する。また、この第2貫通孔30の大きさは、ボルト本体4を挿通したときに、バネ部材18の係止部22が干渉する程度の大きさである。すなわち、第2貫通孔30の内径は、図1に示されるA寸法より小さい。第1貫通孔28と第2貫通孔30とは、鉛直方向の同軸状に位置している。図3に示されるように、屋根板208が波板からなるため、第1貫通孔28と第2貫通孔30との間には空間が存在する。
まず、ナット6を、ボルト本体4に、バネ部材18に干渉しない位置まで螺入する。前述したように、係止部材10の長い部分10Lが下を向いている。このアンカーボルト2を、先端(係止部材10側の端部)から第1貫通孔28及び第2貫通孔30に挿通する(図3(a))。このとき、バネ部材18の係止部22が、第2貫通孔30の周囲に干渉する。しかし、そのままアンカーボルト2を押し込めば、係止部22は撓んで第2貫通孔30を通過しうる(図3(b))。ボルト本体4のうちのバネ部材18の範囲は、梁206の上板216より下方に位置する。係止部22は、もとの斜め外方向きの姿勢に復元する(図3(b))。このとき、係止部材10の面が、ほぼ梁206の長手方向を向くようにされているのが好ましい。これは、後述するように、アンカーボルト2を上方に引き上げたとき(図3(c)、(d))に、係止部材10の長い部分10Lの先端が、梁206のリップ226や底板228(図6、7、9)に当接することを回避するためである。
ついで、アンカーボルト2を上方に引き上げると、係止部22の先端が梁206の上板216の下面に当接する。さらにアンカーボルト2を上方に引き上げると、上板216からバネ部材18に加わる反力により、係止部材10が回転させられる(図3(c))。さらにアンカーボルト2を上方に引き上げると、係止部材10の他方の側部32が上板216の下面に当接する。この状態になれば、バネ部材18は、その役目が終了したことになるので、損傷してもよく、係止部材10から外れてしまってもよい。アンカーボルト2をこの状態に保持したまま、ナット6を締め込む(図3(d))。ナット6の締め込み時には、ボルト本体4の共回りを防止するために、係合凸部24をスパナ等によって拘束しておく。この拘束により、ナット6の締め込みが容易となる。この締め込みにより、ナット6と係止部材10とが上板216を挟圧し、アンカーボルト2が梁206にしっかりと固定される。
上記した、ボルト本体4の共回り対策としての係合凸部24の拘束に代えて、又はこれと共に、係止部材10の長い部分10Lを利用することも可能である。すなわち、この長い部分10Lを、リップ溝形鋼のリップ226又は底板228(図6、7、9)に係止することにより、ボルト本体4の軸回りの回転を防止することができる。このために、上記長い部分10Lの長さを、リップ溝形鋼の横断面における内部幅(リップ226と底板228との間隔)の1/2以上にしておく。図3(c)又は図4(a)に示される状態のアンカーボルト2を、その中心軸回りに時計方向に回転させる。そうすると、長い部分10Lの先端が、リップ226又は底板228に当接する。この状態で、ナット6を締め込めば、ボルト本体4の共回りが防止される。
上記固定は、従来技術のように上板216の薄い板厚の範囲の1周(360°)にも満たないネジに頼るのではなく、ナットの複数周のネジの螺合によってもたらされている。しかも、上板216は、ナット6と係止部材10とによって挟圧されるだけであるため、損傷が回避されうる。また、係止部材10にバネ部材18が備えられているため、前述の通り、貫通孔にアンカーボルトを挿通した後、少し引き上げるだけで係止部材10を回転させることができる。装着作業が容易となる。
図3及び図4に示されるように、屋根板208と梁206との間には空間が存在する。このため、ナット6を上板216にまで締め込む(図3(d))には工夫を要する。本実施形態では、図4(b)、(c)に示されるような長尺の締め付け工具34が用いられる。(b)は正面図、(c)は平面図である。図示のごとく、この締め付け工具34は、横断面が正六角形の六角筒形を呈している。
図4(d)に示されるように、この六角筒は、ちょうどナット6の外周に嵌合しうる大きさである。この締め付け工具34は、六角穴付きスパナとも呼べる。締め付け工具34の、ナット6に嵌合しうる端部を第1嵌合部36と呼ぶ。この締め付け工具34の六角柱形状の内部には、ボルト本体4が干渉することなく挿通されうる。一方、六角柱形状の外面には、スパナ等の回転工具を係合させることができる。この回転工具を係合させる部位を第2嵌合部38と呼ぶ。本実施形態では、締め付け工具34の両端部は、いずれも第1嵌合部36となりうる。締め付け工具34の全長にわたって、第2嵌合部38となりうる。
この締め付け工具34の長さは、屋根板208を構成する波板の谷底から山頂までの距離に、スパナ等の回転工具が係止されうる軸方向寸法を加えた程度にされている。換言すれば、締め付け工具34は、その一端が上記上板216の手前側表面(上面)に当接しているときに、第2嵌合部38が、屋根板208の第1貫通孔28から手前外方(上方)に露出しうる長さである。締め付け工具の形状構造は、図4(b)、(c)に示されたものには限定されない。例えば、その第1嵌合部36が、ナット6の6個の側面のうち、対向する2面それぞれに当接して係合するような締め付け工具であってもよい。このように、締め付け工具がナット6の対向2面に当接し係合する動作も、嵌合と呼ばれる。
長尺の上記締め付け工具34に代えて、図示していないスペーサーを使用してもよい。このスペーサーは、円筒形が好ましい。この円筒形のスペーサーの外径は、屋根板208の第3貫通孔(図4の第1貫通孔28に相当)の内径より小さく、上板216の第4貫通孔(図4の第2貫通孔30に相当)の内径より大きい。スペーサーの内径は、ボルト本体4の外径より大きく、ナット6の外径より小さい。スペーサーの長さは、屋根板208を構成する波板の谷底から山頂までの距離以上であるのが望ましい。
まず、この円筒形のスペーサーを、ボルト本体4の上から外周側に嵌合する。次いで、ナット6を、ボルト本体4の上から螺合する。これで、スペーサーは、図4(a)に示されるアンカーボルト2の、ナット6より先端側(図4(a)中の下側)に装着される。スペーサーが装着された状態で、ナット6を締め込むと、スペーサーの下端と係止部材10とにより、梁206の上板216が挟圧される。これにより、アンカーボルト2が、梁206に固定される。スペーサーは、円筒形に限定されず、多角筒形等であってもよい。
以上説明されたアンカーボルトの設置方法、すなわち、上記締め付け工具34又は図示しないスペーサーを用いた設置方法の適用対象は、図1、図5から図8に示されるようなアンカーボルト2、46、48、54、66、76、90には限定されない。上記設置方法は、例えば、実開昭53−145060号公報、特開平11−311229号公報、特許第3532559号公報等に開示されているボルトにも適用されうる。特開平11−311229号公報に開示されたネジ付きピンでは、係止片は、支持軸によってネジ部(ボルト本体)に回動自在に取り付けられている。この係止片の装着目的は、ナットの締め込みにより、ナットとの間で対象物を締結することである。締結時の反力は、上記支持軸が受ける。上記設置方法の適用対象は、以上のような、係止片が支持軸によってボルト本体に回動自在に取り付けられたアンカーボルトには限定されない。
この設置方法は、係止片(係止部材)の回動自在な装着が支軸に依らないボルトにも適用されうる。すなわち、この設置方法は、上記実開昭53−145060号公報に開示されたボルト、特許第3532559号公報に開示されたブラインドボルト(単に、ボルトとも呼ぶ)等に対しても適用可能である。これらの公報に開示されたボルトも、係止片(係止用の羽根と呼ばれるものもある)を備えている。この係止片の装着目的も、ナットの締め込みにより、ナットとの間で対象物を締結することである。ところが、この係止片は、支軸によっては装着されていない。この係止片は、ボルト本体の軸方向にも移動可能にされている。
例えば、特許第3532559号公報に開示されたブラインドボルトでは、この係止片は、ボルト本体に形成された長孔に収容されている。係止片は、ボルト本体の内部に収容されて、ボルト本体の半径方向外方には突出しない姿勢、及び、半径方向外方へ突出する姿勢のいずれをもとりうる。この係止片は、上記長孔内において、ボルト本体の軸方向にも移動可能にされている。この係止片には、脱落防止用突起が形成されている。この脱落防止用突起により、この係止片は、ボルト本体からの脱落が防止されている。この係止片は、対象物を締結する際に、ナットの締め込みにより、上記長孔内を移動して長孔の端部内面に当接する。さらなるナットの締め込みによる締結反力は、長孔の端部が受ける。
図5(a)には、上記アンカーボルト2を、水平方向に装着する手順が示されている。より詳細には、アンカーボルト2を、建造物の板状構造部材である外壁220を貫通して、その内部のH型鋼等からなる鉄骨(設置対象基板の一例である)222に固定する方法が示されている。外壁220と鉄骨222との間には空間が存在する。外壁220には第5貫通孔40が形成されている。第5貫通孔40は、アンカーボルト2のナット6が挿通されうる大きさを有する。鉄骨222には第6貫通孔42が形成されている。第6貫通孔42は、アンカーボルト2のボルト本体4は挿通されうるが、ナット6は挿通され得ない大きさを有する。また、この第6貫通孔42の大きさは、ボルト本体4を挿通したときに、バネ部材18の係止部22が干渉する程度の大きさである。第5貫通孔40と第6貫通孔42とは、水平方向の同軸状に位置している。
図5(a)に示されるように、アンカーボルト2を、そのバネ部材18が下になるように水平姿勢にする。このとき、係止部材10の先端側の長い部分10Lは、重力の作用によって下方に回転しようとするが、バネ部材18がボルト本体4に当接しているので、回転し得ない。この状態のまま、アンカーボルト2を、第5貫通孔40及び第6貫通孔42に挿通する。バネ部材18が第6貫通孔42を通過した後、アンカーボルト2を、その中心軸回りに約180°回転させる。そうすると、バネ部材18による抵抗が解消し、長い部分10Lが重力の作用によって下方に回転する。図示しないが、係止部材10は支軸12回りに約90°回転して鉛直方向に向く。アンカーボルト2を手前に引き戻すと、係止部材10の他方の側部32が鉄骨222の背面に当接する。アンカーボルト2を180°回転させずに引き戻しても、図3(c)、(d)を参照して説明したように、同様の効果が得られる。アンカーボルト2をこの状態を保持したまま、ナット6を締め込む。アンカーボルト2は鉄骨222にしっかりと固定される。ナット6の締め込み要領は、既に図3を参照しつつ説明されたので、ここでは省略する。このアンカーボルト2は、上向き以外の装着に適している。特に、水平方向から上向きにかけての装着に適している。
図5(b)には、他のアンカーボルト46を、水平方向に装着する手順が示されている。このアンカーボルト46の装着対象は、図5(a)を参照しつつ説明した鉄骨222と同一であるため、その説明が省略される。また、このアンカーボルト46の、図1及び図5(a)のアンカーボルト2との相違点は、バネ部材18の装着方向、及び、スリット47の長さである。図5(a)のアンカーボルト2では、バネ部材18の本体部20が、係止部材10の側部16に沿って、係止部材10の短い部分10Sの先端から外方へ延びている。しかし、この図5(b)のアンカーボルト46では、本体部20が、長い部分10Lの先端から外方へ延びている。そして、スリット47には、長い部分10Lが収容されうる。従って、このスリット47は、図5(a)のアンカーボルト2のスリット8より長くされている。両アンカーボルト2、46の同一構成の部分には、同一符号を付して、その説明は省略される。
図5(b)に示されるように、アンカーボルト46を、そのバネ部材18が上になるように水平姿勢にする。このとき、係止部材10の手前側の長い部分10Lは、重力の作用によって下方に回転しようとするが、バネ部材18がボルト本体4に当接しているので、回転し得ない。この状態のまま、アンカーボルト46を、第5貫通孔40及び第6貫通孔42に挿通する。バネ部材18が第6貫通孔42を通過した後、アンカーボルト2を、その中心軸回りに約180°回転させる。そうすると、バネ部材18による抵抗が解消し、長い部分10Lが重力の作用によって下方に回転する。図示しないが、係止部材10は支軸12回りに約90°回転して鉛直方向に向く。アンカーボルト46を手前に引き戻すと、係止部材10の他方の側部32が鉄骨222の背面に当接する。アンカーボルト46を180°回転させずに引き戻しても、同様の効果が得られる。アンカーボルト46をこの状態を保持したまま、ナット6を締め込む。アンカーボルト46は鉄骨222にしっかりと固定される。ナット6の締め込み要領は、既に図3を参照しつつ説明されたので、ここでは省略する。
この図5(b)に示されたアンカーボルト46は、上向きの装着に好適である。すなわち、屋根の下から装着することが容易である。このアンカーボルト46を、梁206の貫通孔に下から挿通する際、係止部材10の長い部分10Lが下方を向いて安定し、バネ部材18の係止部22も下を向いているからである。このアンカーボルト46は、下向き以外の装着に適している。特に、水平方向から上向きにかけての装着に適している。
図6(a)には、さらに他のアンカーボルト48が示されている。このアンカーボルト48の、図1のアンカーボルト2との相違点は、ボルト本体50の先端部、及び、この先端部から軸方向基端側に離間した部位のそれぞれに、係止部材10が装着されている点である。このため、このアンカーボルト48のボルト本体50は、図1のアンカーボルト2のボルト本体4よりも長くされている。このアンカーボルト48の、図1のアンカーボルト2との同一構成部分ついてには、同一符号を付して、その説明が省略される。
図6(a)に示されるように、上下の両係止部材10は、その形状、寸法及び構造が同一にされている。基端側の係止部材10が収容されるスリット52は、その内部で係止部材10が回転しうるように、係止部材10の長さより長くされている。また、このスリット52は、ボルト本体50を貫通する、いわば窓状にされている。このアンカーボルト48では、図示のごとく、2個の係止部材10が、溝形鋼からなる梁206の上板216と下板224とにそれぞれ係止しうる。このために、予め、上板216及び下板224の両方に、ボルト本体50を挿通するための第2貫通孔30を同軸状に形成しておく。また、ボルト本体50の長さ、及び、2個の係止部材10の枢支位置14は、装着対象の上板216と下板224との間隔に従って決定される。
このように、ボルト本体50が、その軸方向に離間した2箇所で、梁206等の装着対象に係止される。その結果、アンカーボルト48に対する引っ張り荷重、及び、横荷重によるモーメント等に対する抗力が向上する。このアンカーボルト48では、ボルト本体50の基端側の係止部材10の位置から先端までは、雄ねじの形成は不要である。また、単に耐モーメント強度の向上のためであれば、ボルト本体50の先端の係止部材10及びスリット8は不要である。すなわち、ボルト本体50を、その先端が下板224の第2貫通孔30に挿通されうる長さに形成すればよい。
図6(b)には、さらに他のアンカーボルト54が示されている。このアンカーボルト54も、ボルト本体56の先端部、及び、この先端部から軸方向基端側に離間した部位のそれぞれに、係止部材10、58が装着されている。このアンカーボルト54の、図6(a)のアンカーボルト48との相違点は、ボルト本体56の先端側の外径が、基端側の外径より小さくされている点である。その結果、ボルト本体56先端の係止部材58が、基端側の係止部材10よりも幅が狭くされている。ボルト本体56の、基端側のスリット8と先端のスリット60との間に、テーパ状の段差部62が形成されている。このように、ボルト本体56の先端側の外径が細くされているのは、梁206の下板224の第3貫通孔64の径を小さくするためである。この第3貫通孔64を小さくすることにより、下板224の穿孔作業の負担軽減を図る。このアンカーボルト54の、図6(a)のアンカーボルト48との同一構成部分ついてには、同一符号を付して、その説明が省略される。
図7(a)には、さらに他のアンカーボルト66が示されている。このアンカーボルト66の、図6(a)のアンカーボルト48との相違点は、ボルト本体68の先端に、リーマー70付きのドリル刃72が設けられている点である。このため、ボルト本体68の先端側のスリット74は、ボルト本体68の先端に向けては開放されていない。このスリット74は、ボルト本体68を貫通する、いわば窓状にされている。このアンカーボルト66の、図6(a)のアンカーボルト48との同一構成部分ついてには、同一符号を付して、その説明が省略される。このアンカーボルト66によれば、梁206に予め第2貫通孔30を形成しておく必要がない。このアンカーボルト66自身が、リーマー70付きのドリル刃72によって穿孔し、且つ、その孔にスムーズに挿通されうる。リーマー70付きのドリル刃72によれば、ボルト本体68の外径より大きい径の第2貫通孔30が穿孔されうる。ボルト本体の先端にリーマー70付きのドリル刃72を設けるのは、2連の係止部材10を有するアンカーボルト66、76(図7)には限定されない。例えば、1個の係止部材10を備えた、図1のアンカーボルト2の先端にドリル刃を形成することも容易である。
図7(b)には、さらに他のアンカーボルト76が示されている。このアンカーボルト76の、図6(b)のアンカーボルト54との相違点は、ボルト本体78の先端に、リーマー80付きのドリル刃82が設けられている点である。このため、ボルト本体78の先端側のスリット84は、ボルト本体78の先端に向けては開放されていない。さらに、ボルト本体78の、大径部と小径部との段差部には、貫通孔を拡径するための、リーマー86が設けられている。このアンカーボルト76の、図6(b)のアンカーボルト54との同一構成部分ついてには、同一符号を付して、その説明が省略される。このアンカーボルト76によれば、梁206に予め第2貫通孔30及び第3貫通孔64を形成しておく必要がない。ボルト本体78の先端のリーマー80付きドリル刃82により、第2貫通孔30の下孔、及び、第3貫通孔64が穿孔される。また、リーマー86により、第2貫通孔30の下孔が拡径されることにより、第2貫通孔30が完成される。
図8には、さらに他のアンカーボルト90の先端部が示されている。このアンカーボルト90の、図1のアンカーボルト2との相違点は、以下の通りである。このアンカーボルト90では、ボルト本体92の外周面に、バネ部材18を収容しうる縦溝(以下、収容溝という)94が形成されている。また、このアンカーボルト90の係止部材96の幅が、ボルト本体92の外径より小さくされている。バネ部材18を、収容溝94の底に収容させるためである。さらに、ボルト本体92の先端に、図7(a)のアンカーボルト66と同様に、リーマー70付きのドリル刃72が設けられている点である。従って、スリット74は、ボルト本体92の先端に向けては開放されていない。このアンカーボルト90の、図1のアンカーボルト2との同一構成部分ついてには、同一符号を付して、その説明が省略される。
図8(a)及び(b)に示されるように、上記収容溝94は、ボルト本体92の軸方向に沿って形成されている。この収容溝94は、スリット74の奥端(上端)74Rから、バネ部材18を十分に収容しうる長さを有している。この収容溝94の深さは、上記ナット6のネジ高さと、バネ部材18のボルト本体半径方向厚さとの和より大きくされる。本実施形態における収容溝94は、ボルト本体92の雄ネジの谷底からさらに、バネ部材18の厚さ寸法又は太さ寸法だけ深くされている。これは、図8(b)に示されるように、ナット6がボルト本体92に螺入されたときに、バネ部材18が、ナット6のネジ山によって損傷を受けることを防止するためである。
このドリル刃付きのアンカーボルト90は、梁206等に穿孔する際、中心軸回りに回転させられる。このとき、図8(b)に示されるように、バネ部材18を、収容溝94に収容した上でナット6によって拘束する。ナット6は、バネ部材18の係止部22に対応する位置にあるのが好ましい。こうすると、アンカーボルト90の回転時に、係止部材96及びバネ部材18が回転の障害になることが防止されうる。バネ部材18が外れてしまうことが防止されうる。また、ナット6は、バネ部材18の係止部22からの反力により、その回転が抑制される。より効果的にナット6の回転を防止するために、ナット6にいわゆるネジロック剤(ネジ緩み止め材)を塗布しておいてもよい。
本発明に係るアンカーボルトは、建屋の屋根の上に太陽光発電パネル等を設置する場合、また、側壁の外面に種々の対象物を取り付ける場合等に有用である。
2、46、48、54、66、76、90・・・アンカーボルト
4、50、56、68、78、92・・・装着具
6・・・ナット
10、58、96・・・係止部材
12・・・支軸(ピン)
18・・・バネ部材
20・・・(バネ部材の)本体部
22・・・(バネ部材の)係止部
28・・・第1貫通孔
30・・・第2貫通孔
34・・・締め付け工具
36・・・第1嵌合部
38・・・第2嵌合部
70、80、86・・・リーマー
72、82・・・ドリル刃
94・・・収容溝

Claims (7)

  1. ボルト本体と、
    このボルト本体に螺合するナットと、
    上記ボルト本体に、ボルト本体の軸方向に垂直な方向の支軸回りに回動自在に装着された係止部材と、
    この係止部材の一方の側部に取り付けられた係止用バネ部材とを備えており、
    この係止用バネ部材が、外方へ突出した係止部を有しているアンカーボルト。
  2. 上記係止用バネ部材が、係止部材の上記側部に固定された本体部を有しており、
    上記係止部が、本体部から外方へ向けて傾斜している請求項1に記載のアンカーボルト。
  3. 上記係止部材が、上記ボルト本体の中心軸を含む面内に回動自在にされており、
    上記係止用バネ部材の本体部が、係止部材の上記側部に沿って延びており、
    ボルト本体の外周面に、ボルト本体の中心軸に平行に延びるバネ部材収容溝が形成されており、
    このバネ部材収容溝の深さが、上記ナットのネジ高さと上記係止用バネ部材のボルト本体半径方向厚さとの和より大きい請求項2に記載のアンカーボルト。
  4. ボルト本体と、
    このボルト本体に螺合するナットと、
    上記ボルト本体の軸方向に離間した2箇所それぞれに装着された係止部材とを備えており、
    この両係止部材のいずれもが、ボルト本体の軸方向に垂直な方向の支軸回りに回動自在に構成されているアンカーボルト。
  5. 上記ボルト本体の先端に、リーマー付きのドリル刃が形成されている請求項1から4のいずれかに記載のアンカーボルト。
  6. ボルト本体と、このボルト本体に螺合するナットと、上記ボルト本体の半径方向内部に収容される姿勢及び半径方向外方へ突出する姿勢をとりうる係止部材とを備えたアンカーボルトを、基板に固定することによって設置する方法であって、
    上記基板から外方に間隔を置いて板状構造部材が設置されており、この板状構造部材には、上記ナットが挿通されうる第1貫通孔が形成されており、
    上記基板には、上記ボルト本体は挿通されうるが、上記ナットは挿通され得ない第2貫通孔が形成されており、
    上記設置方法が、
    上記第1貫通孔に挿通されて上記ナットを締め付け且つ緩めるための締め付け工具を用意する工程と、
    上記ボルト本体を上記第1貫通孔及び第2貫通孔に挿通し、上記係止部材を、上記基板の背面に係止する工程と、
    上記締め付け工具を第1貫通孔に挿通し、上記ナットをボルト本体に締め込んで、ナットと係止部材とで基板を挟圧することにより、アンカーボルトを基板に固定する工程とを含んでおり、
    上記締め付け工具が、その一端に上記ナットに嵌合しうる第1嵌合部と、その他端にこの締め付け工具を回転させる回転工具に嵌合しうる第2嵌合部とを有しており、
    この締め付け工具の長さは、その上記一端が上記基板の手前側表面に当接しているときに、上記第2嵌合部が、上記板状構造部材の第1貫通孔から手前外方に露出しうる長さ以上である、係止部材を備えたアンカーボルトの設置方法。
  7. ボルト本体と、このボルト本体に螺合するナットと、上記ボルト本体の半径方向内部に収容される姿勢及び半径方向外方へ突出する姿勢をとりうる係止部材とを備えたアンカーボルトを、基板に固定することによって設置する方法であって、
    ボルト本体と、このボルト本体に螺合するナットと、上記ボルト本体に、ボルト本体の軸方向に垂直な方向の支軸回りに回動自在に装着された係止部材とを備えたアンカーボルトを、基板に固定することによって設置する方法であって、
    上記基板から外方に間隔を置いて板状構造部材が設置されており、この板状構造部材には、第3貫通孔が形成されており、
    上記基板には、上記ボルト本体は挿通されうる第4貫通孔が形成されており、
    上記設置方法が、
    上記ボルト本体の外側に嵌合し、上記第3貫通孔に挿通されうるが、上記第4貫通孔に挿通され得ないスペーサーを用意する工程と、
    上記ボルト本体を上記第4貫通孔に挿通し、上記係止部材を、上記基板の背面に係止する工程と、
    上記ボルト本体に上記スペーサーを嵌合し、その上から上記ナットを締め込むことにより、スペーサーと係止部材とで基板を挟圧することにより、アンカーボルトを基板に固定する工程とを含んでおり、
    上記スペーサーの長さは、上記基板の手前側表面から上記板状構造部材の手前側表面までの距離以上である、係止部材を備えたアンカーボルトの設置方法。
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