JP2015525871A - 振動体の不釣合い特性の確定方法 - Google Patents

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Abstract

時計ムーブメント(2)のてん輪(4)−ひげぜんまい(5)振動体(3)の不釣合い特性の確定方法であって、− てん輪−ひげぜんまい振動体を少なくとも2つの振幅で振動運動させるステップと、− それぞれの振幅について、さらに少なくとも2つの振動***置について、振動体の振動周期を表すデータを確定するステップと、− 前ステップのデータを利用しててん輪−ひげぜんまい振動体の不釣合い特性を計算するステップとを少なくとも含む方法。

Description

本発明は、時計ムーブメントのてん輪−ひげぜんまい振動体の不釣合い特性の確定方法に関する。本発明は、その確定方法の使用を含む、てん輪−ひげぜんまい振動体の調節方法にも関する。本発明は、その調節方法を使用することによって得られるてん輪またはてん輪−ひげぜんまい振動体ならびにそのてん輪またはてん輪−ひげぜんまい振動体を備える時計ムーブメントまたは時計にも関する。
てん輪の釣合わせは、時計ムーブメントに装備するためのてん輪−ひげぜんまい振動体の製作における重要なステップの1つである。実際、てん輪の重心は理想的にはその回転軸上に位置していなければならず、さもなければ、ムーブメントの計時に直ちに悪影響を及ぼす欠陥を生じることになる。通常の機械加工の技法はてん輪の正しい釣合いを保証できるほどには精度が高くないのが一般的であり、さらにその釣合いは、てん輪−ひげぜんまいを形成するその他の構成品のてん輪への一体化(天真、振り座、ひげ玉、ひげぜんまいのそれぞれの押込みばめ)によってさらに変わってくる。不釣合いの計測およびその結果を受けて行われる補正は、その唯一の軸と振り座を装備したてん輪に対して、ひげぜんまいとの組合せおよびムーブメントへの取付けに先立って行われるのが一般的である。
てん輪だけで行うこの釣合わせは優れた計時性能を得ることを可能にするものであるが、なお残る残留不釣合いに関して、および/またはひげぜんまいの押込みばめによって生じる残留不釣合いに関して改善の余地がある。ムーブメントに組み込まれたてん輪−ひげぜんまい振動体の釣合いを取るための方策は存在する(「動的釣合わせ」)が、求めている改善よりもむしろ計時機能の低下をもたらす可能性があり、満足できるものではない。
てん輪の静的な不釣合いは回転軸に対するてん輪の重心の偏心を特徴づける。この不釣合いは、てん輪の質量と重心から回転軸までの距離との積である。時計のてん輪の場合、不釣合いは典型的にはμg.cmまたはnN.mで計測される。地球の重力のもとでは、1μg.cmはほぼ0.1nN.mに相当する。
以下のことがわかる。
− 不釣合いが歩度に及ぼす作用は不釣合いそのものに比例する。
− 不釣合いの作用はてん輪の慣性に反比例する。したがって、その作用は慣性が小さいほど大きくなる。
− 不釣合いの作用はてん輪の振動の振幅に大きく依存する。220°近傍の振幅ではその作用が完全に打ち消されるほどである。
− 不釣合いの作用は、てん輪の軸(一般に動作面に対して法線方向)と鉛直線の間の方位角の正弦で変化する。
− 不釣合いの作用は、不釣合いの方向と鉛直線の間の角度とともに変化する。たとえば、てん輪の軸が水平のときには、作用を打ち消し合う2つの相対する位置と、それらと垂直な2つの位置であって、作用が最大となる位置とがあるが、それらの位置は一般には携帯時計の4つの鉛直位置として標準化された位置ではない。
通常、てん輪の不釣合いはひげぜんまいと組み立てる前に計測され、調整される。計測は、2つの旋回継手の間に水平に配置したてん輪の軸の周りにてん輪を回転させ、圧電センサを使って振動および/または支持体の反力を計測することによって果たすことができる。信号の較正によって不釣合い値を得る。次いで、てん輪のリムに対して的を絞って材料を削り取る作業である釣合わせを行う。
もう1つの可能性は「動的釣合わせ」を行うというもので、これは、所与の振幅によるムーブメント上での計測に基づいて、てん輪の釣合いを修正することによってそれぞれの位置の間の歩度の偏差を最小化する。この方法は信頼性に乏しい。これは、不釣合いによる作用が、計測された振幅の偏差の他の原因と比べて必ずしも優勢であるというわけではないためである。それらの作用の合計を補正するために釣合いに手を加えれば、てん輪の不釣合いを大いに悪くするであろうことは十分に考えられ、そうなれば、特に小さい振幅では計時性能が阻害されることになる。そのため、このようなアプローチは避けるべきであり、文献でも厳に行わないよう勧められている。
非特許文献1には、釣合い不良、ムーブメントの歩度に対するその作用およびその計測手段、ならびに当時の釣合わせ手段が規定されている。論考では、220°の振幅で不釣合いの作用が打ち消されること、また、歩度に対する作用は不釣合いに正比例し、てん輪の慣性が小さければ小さいほどその作用は顕著であることが示されている。機械加工によるていねいな釣合わせを行うことにより、てん輪だけの不釣合いは平均値で1.5μg.cmに下げることができる。
非特許文献2では、動的釣合わせ装置が説明されており、香箱の巻上げ状態を1通りだけにして、したがって振幅の値が150°から180°までの間または260°を超える範囲の1通りだけになるようにして、ムーブメントの歩度および振幅が様々な文字盤表示位置で計測されている。したがって、これは単一の振幅だけで計測を行う従来型の動的釣合わせであり、そのため、計測される作用は不釣合いとは別の原因に由来するものである可能性も十分あることになり、それに基づいて行われる補正は、不釣合いを改善するのと同じぐらいに悪化させる可能性がある。また、「動的釣合わせ」という用語が選ばれているのは正しいとは思われない。記載されているプロセスは、所与の振幅におけるそれぞれの位置の間の偏差を調整することを目指したものであって、てん輪−ひげぜんまいの釣合いを取ることを目的としたものではないためである。
非特許文献3は、てん輪のみの釣合い不良とその影響に一章を割いている。様々な計測方法が俎上に載せられている。非特許文献2で取り上げられている動的釣合わせに相当する「位置別歩度」法にも言及されており、そこでは、計測に際しては振幅を小さくして作用が最大化されるようにすることが推奨されている。しかし、この方法は「その適用に当たって設けられるすべての仮定ゆえに正確さを欠いており」、「実際には、歩度に対するその作用が(中略)他の歩度変化の中に埋もれてしまわないだけの十分な大きさの不釣合いを突き止めることができない」ことがはっきりと指摘されている。
特許文献1は、4つの鉛直位置での歩度計測に基づいて、てん輪のリムに配設された4つのねじによる歩度調整と「動的釣合わせ」とを同時に行う方法を提案している。注目されるのは、計測結果をそれぞれのねじに加えるべき回転数に直接変換することができる「計算尺タイプ」型ツールである。この補正方法は、使用されている計測装置(「Watchmaster」、特許文献2)に固有のものであり、より新しい計測手段には適合させることができない。
特許文献3は、てん輪の釣合い不良の計測・補正装置の最近の1つの例である。この特許出願は、てん輪−ひげぜんまいアセンブリの釣合わせ方法について、とりわけてん輪をムーブメントに取り付けたときのその方法について記している。釣合わせは、特にレーザー加工の類の手段を用いて、材料の追加および/または除去および/または移動によって行われる。特に振幅を137°または316.5°の値に固定して釣合いの計測および/または補正を行うことが推奨されているところは興味深い。この2つの振幅の値は、発明者らによれば、材料の追加または除去による不釣合いを防ぐことを可能にする、すなわち、除去または追加された材料の質量中心がてん輪−ひげぜんまいアセンブリの中心に来るようにすることができるという。しかし、てん輪−ひげぜんまいの釣合い不良をどのように計測するかについては一切詳細は示されていない。
米国特許第3225586号 米国特許第2113825号 国際公開第20122007460号 フランス特許第1210892号 スイス特許第691992号
J.−J. Augsburger、「La mise d’equilibre des balanciers」(てん輪の釣合わせ)、Actes du Congres Suisse de Chronometrie(スイス時計学会年報)、1996年、324頁 Furer et al.、「L’equipement pour l’equilibrage dynamique du systeme oscillant balancier−spiral REGLOWITCH−M」(REGLOWITCH−Mてん輪−ひげぜんまい振動システムの動的釣合わせのための装置)、Actes du 6eme Congres Europeen de Chronometrie(第6回欧州時計学会会報)、1996年、153頁 M.Vermot et al.、「Traite de construction horlogere(時計構造概論)」、Presses Polytechniques et Universitaire Romandes、Lausanne、2011年、190〜200頁 「Traite de construction horlogere」、741頁 Vermot et Falco、Actes de la Journee d’Etude de la Societe Suisse de Chronometrie(スイス時計学会年報)、1998年、57頁
本発明の目的は、上述の欠点を是正し、従来技術の既知の方法を改善することができる不釣合い特性の確定方法を提供することにある。とりわけ、本発明は正確で信頼性のある不釣合い特性の確定方法を提案する。
本発明による確定方法は請求項1によって定義される。
確定方法の様々な実施形態は請求項2から12によって定義される。
本発明による調節方法は請求項13によって定義される。
本発明によるてん輪または振動体は請求項14によって定義される。
本発明による時計ムーブメントは請求項15によって定義される。
本発明による時計は請求項16によって定義される。
添付の図面は、本発明による不釣合い特性の(とりわけ計算による)確定方法の実施形態と、本発明による調節方法の一実施形態とを例示するものである。
本発明による調節方法の一実施形態によって調節した携帯時計の背面図である。 ムーブメントの歩度Mを振動体のてん輪の自由振動の様々な振幅Aおよびムーブメントの様々な位置との関係で示したグラフであって、てん輪は補正されない不釣合いを含むグラフである。 ムーブメントの歩度Mを振動体のてん輪の自由振動の様々な振幅Aおよびムーブメントの様々な位置との関係で示したグラフであって、歩度の値は図2のグラフの値から不釣合いの作用を消して計算されるグラフである。 本発明による調節方法の使用前と使用後の振動体の不釣合いをそのbx成分およびby成分で示したグラフである。 調節前のムーブメントの歩度Mを振動体のてん輪の自由振動の様々な振幅Aおよびムーブメントの様々な位置との関係で示したグラフであって、振動体は図4に示す不釣合いを含むグラフである。 調節後のムーブメントの歩度Mを振動体のてん輪の自由振動の様々な振幅Aおよびムーブメントの様々な位置との関係で示したグラフであって、振動体は図4に示す不釣合いを含むグラフである。 調節用釣合いおもりを備えるてん輪を有する振動体の様々な構成の不釣合いを表したグラフである。 調節前のムーブメントの歩度Mを振動体のてん輪の自由振動の様々な振幅Aおよびムーブメントの様々な位置との関係で示したグラフである。 図8で計測したムーブメントについて、調節用釣合いおもりによる不釣合いの調節後の歩度Mを振動体のてん輪の自由振動の様々な振幅Aおよびムーブメントの様々な位置との関係で示したグラフである。 本発明による不釣合いの確定方法の第1の実行形態のフローチャートである。 本発明による不釣合いの確定方法の第2の実行形態のフローチャートである。 本発明によるてん輪−ひげぜんまい振動体の調節方法の実行形態のフローチャートである。 不釣合いの確定方法の実行形態の変形実施形態のフローチャートである。
本発明による方法の実行形態では、振幅との関係における歩度の計測、とりわけ自由振動での計測、すなわち振動体の自由振動モードで行われる計測を通して、振動体のみかけの不釣合いの計測を行って、次いで、不釣合いの調整を、たとえば材料の追加/除去によって、または釣合いおもりの位置の調節によって行って、振動体の釣合いを取る。
図1に、裏側から、すなわち文字盤が見える面と反対の面から見た時計1、とりわけ携帯時計、特に腕時計を示す。時計は、振動体3を含むムーブメント2を備える。一方、その振動体はてん輪4とひげぜんまい5を備える。
一般に裏面はてん輪にアクセスできる側であり、その振動を直接視認できる側であり、したがって、一般に使用される音響的計測手段よりも精度の高い光学的計測手段による振動の周期および/または振動の振幅の計測を可能にする側である。地球の重力場はベクトルgによって表される。図示された構成では、ムーブメントは「12H」の鉛直位置、すなわち、ムーブメントの全体面がベクトルgと平行であり、ムーブメントに取り付けられた文字盤の「12H」の目盛がベクトルgに対して上となる位置に来る(NIHS表記法。非特許文献4も参照のこと)。その他の鉛直位置、すなわち3H(ムーブメントの棒6が上)、6H、9Hについても同様に定義する。
式からは、90°ずつ隔てられた4つの鉛直位置、たとえば4つの文字盤表示鉛直位置(12H、9H、6H、3H)の平均歩度に対して不釣合いが及ぼす作用は常にゼロであることがわかる。これは、不釣合いの作用は相対する位置の間で2つずつが打ち消し合うためである。そのため、平均歩度は不釣合いからは完全に独立しており、4つの鉛直位置のそれぞれとその平均の間の歩度の偏差だけを用いて不釣合いを確定することができる。
不釣合いの確定、とりわけ計算は、1つの振幅だけでなく、てん輪−ひげぜんまい振動体が取るその広い値域にわたって行う。さらに、計測は、たとえばムーブメントのアンクルを引き抜いて、またはてん輪−ひげぜんまい振動体を専用に設置された架台の上に取り付けることにより、自由振動で行うことができる。てん輪−ひげぜんまい振動体について、とりわけ時計ムーブメントに取り付けるための、または時計ムーブメントに取り付けるように構成されたてん輪−ひげぜんまい振動体について、不釣合い特性を確定するか、または計算する。
不釣合いの確定を可能にするアプローチは、振幅に応じた歩度を計測した値の曲線から最小二乗法による最小化を行い、そこから不釣合いの大きさbと9Hの方向に対するその方向αを導き出すというものである。そこで、x軸(9H)とy軸(12H)に沿った不釣合いの成分を導入する。
それらの成分は、次式によって確定することができ、以下の値を取る。
および
ただし、
I:てん輪の慣性、
J1:1次のベッセル関数、
θ:振動運動の振幅(単位rad)、
3H(θ)、6H(θ)、9H(θ)および12H(θ):4つの文字盤表示鉛直位置における振幅θでのムーブメントの歩度の値である。
総和は、幾つかの離散的な振幅θの値、たとえば10°の間隔で計測した値について取る。選択した基準座標系では、不釣合いのx位置は3Hおよび9Hの位置における計測にのみ関係し、不釣合いのy位置は6Hおよび12Hの位置における計測にのみ関係することがわかる。
振幅θの関数としての全不釣合いbの従属性を与える式は次のとおりである。
不釣合いの向きαは、符号を考慮に入れつつ、関数tan−1(by/bx)によって得られる。
したがって、データの使用ステップは、振動体の振動周期を表すデータの確定ステップで確定されたデータを導入する式による不釣合い特性の計算を含むことができる。
当然のことながら、携帯時計の向きに対してこれとは別のx−y基準座標系を選ぶことも、さらにはx−y−zの3次元基準座標系を導入することも可能である。当業者であれば、上述の形式体系を、時計ムーブメントまたは振動体の基準座標系および/または基準位置に関する別の選択に適合させることができよう。
図2および3は、第一はムーブメントに取り付けたてん輪−ひげぜんまい振動体の自由振動の振幅に応じた歩度の計測値を、第二は不釣合いの作用を差し引く計算を行った後の同じムーブメントに関する歩度の曲線を示したものである。この例では、不釣合いの確定方法からは、9H方向に対して携帯時計の裏側から見て反時計回りに−57°の角度にあるものとしてb=5.4μg.cmの大きさの不釣合いが得られている。これにより、上の値から計算した不釣合いの作用を計測値から差し引いて、鉛直位置における振幅に応じた歩度の関係曲線を再計算することができる。ここに示したケースでは、それぞれの位置の間における歩度の差の大半はてん輪の不釣合いによって明らかとなる。図3に示すように、不釣合いの調整に基づく理論的な補正の後では、4つの鉛直位置の間の残留ノイズは標準偏差で1.46秒/日に相当するものとなり、補正前の歩度計測で歩度の差が最大50秒/日であったのと比べるときわめて小さい。振幅が大きい場合、それぞれの位置の間における歩度の偏差は、不釣合いがあるときは±7秒/日前後であったものが、不釣合いが取り除かれている場合には、典型的には±2秒/日または±3秒/日まで低下する。
不釣合いの確定方法は、てん輪−ひげぜんまい振動体のみかけの不釣合いであって、振動体の振幅に応じた歩度の計測値、とりわけ鉛直位置で計測した振動体の歩度曲線を最もよく再現できる計算による不釣合いを確定することをその拠り所とする。体系的な計測によって、80%のケースでみかけの不釣合いはてん輪だけの不釣合い(釣合わせ後)よりも大きいことが示されている。したがって、てん輪の正しい釣合いは、ひげぜんまいをてん輪の軸に取り付けることによって、さらにムーブメントへの組立てによって部分的に損なわれる。
以上に基づき、振動体の不釣合いを自由振動の計測に基づくなどして推定することは可能である。こうした計測は、たとえば、時計ムーブメントのアンクルを取り去り、歩度の光学計測装置によって行うことができる。このような装置については、たとえば、非特許文献5によって、また様々な特許文献(特許文献4、特許文献5)で記されており、その商品化も、とりわけFemto SAによってWatch Test Mechanicsの商品名で行われている。ただし、ケースによっては、適合された計測アルゴリズムを有する計測装置をその用途のために特に開発することが有利となることもありうる。
以下では、時計ムーブメントのてん輪−ひげぜんまい振動体の不釣合いの確定方法の実行形態について、図10aを参照しながら説明する。
第1ステップ110で、第1カウンタの変数iを0に初期化する。
第2ステップ120で、その第1カウンタiを1単位増加させる。
第3ステップ130で、てん輪−ひげぜんまい振動体をi番目の振幅で振動運動させる。この運動は、すでに見たとおり、持続振動モードまたは自由振動モードの2つのモードで行うことができる。自由振動モードでは、振動体はムーブメント内に、またはムーブメント外、たとえば専用に設置された架台に配置される。てん輪はアンクルまたは脱進機レバーと作用し合うことはない。振動は持続させない。このモードは、脱進機部品、とりわけアンクルをムーブメントから取り外すことによって、またはてん輪−ひげぜんまい振動体をアンクルの組立て前にムーブメントに組み立てることによって、さらにはてん輪−ひげぜんまい振動体を専用に設置された架台に取り付けることによって得ることができる。
反対に、持続振動モードでは、アンクルのような機素を介して輪列からてん輪に伝えられるトルクによって振動は維持される。
i番目の振幅は、好ましくは200°〜280°の区間内、好ましくは150°〜280°の区間内、より好ましくは100°〜300°の区間内に含まれる。
第4ステップ140で、第2カウンタの変数jを0に初期化する。
第5ステップ150で、その第2カウンタjを1単位増加させる。
第6ステップ160で、ムーブメントを、したがって振動体を地球の重力場に対してj番目の位置に置く。好ましくは、このj番目の位置は鉛直位置であり、より好ましくは、3Hの位置、6Hの位置、9Hの位置または12Hの位置など、時計の鉛直位置である。
第7ステップ170で、計測ステップの実施などにより、振動体の振動周期を表すデータを確定する。そのデータは、たとえば振動体の1回の振動周期の持続時間であり、または振動体の複数回の振動周期の持続時間である。
第8ステップ180で、第2カウンタの変数jが閾値n以下であるかをテストする。もしそうなら、ステップ150にループする。そうでなければ、第9ステップ190に進む。
その第9ステップ190で、第1カウンタの変数iが閾値m以下であるかをテストする。もしそうなら、ステップ120にループする。そうでなければ、第10ステップ200に進む。
第10ステップ200で、振動体の不釣合い特性を計算する。不釣合い特性には以下を含むことができる。
− 不釣合いの質量およびてん輪における不釣合いの位置、または
− ノルムおよび方向によって表現された不釣合いベクトル
この計算を行うには、ステップ170の様々な繰返し時に確定されたデータを利用する。これらのデータにより、振幅に応じた、または等時性のn個の歩度関数Mj(θ)(ただし、j=1,...,n)を確立することができる。
mは計測を行う振幅の数を表すものとして、好ましくはm≧2である。したがって、計測は少なくとも2つの振幅について行う。振幅の両端は少なくとも30°、好ましくは少なくとも50°、より好ましくは少なくとも100°の差があることが好ましい。さらに好ましくは、振幅の両端は双方で220°である。さらに好ましくは、振幅は、200°〜280°の区間内、好ましくは150°〜280°の区間内、さらにより好ましくは100°〜300°の区間内に含まれる。計測回数はm≧9であることが好ましく、より好ましくはm≧20である。
nは計測を行うムーブメントの位置の数を表すものとして、好ましくはn≧2である。したがって、計測は少なくとも2つの位置について行う。それら少なくとも2つの位置は、振動体の振動軸が水平またはほぼ水平となる位置である。n=3またはn=4であることが好ましい。水平に対して傾斜した振動軸、たとえば水平に対して45°傾斜した軸であってもなお良好な結果が得られる可能性があることがわかる。
さらに好ましくは、ムーブメントの少なくとも2つの位置は、振動体の向きが90°または90°より大きく異なる位置である。
有利には、ムーブメントの少なくとも2つの位置は、振動体の振動軸が水平またはほぼ水平となる4つの位置であって、ムーブメントの向きが互いに90°ずつ隔てられた位置を含み、とりわけムーブメントの4つの文字盤表示鉛直位置を含む。
前述のように、不釣合い特性を計算するため、有利には以下の3つの式のうちの1つまたは複数を利用する。
および
ただし、
b:不釣合いベクトルのノルム、
bx:不釣合いベクトルのx軸方向成分、
by:不釣合いベクトルのy軸方向成分、
I:てん輪の慣性、
J1:1次のベッセル関数、
θ:振動運動の振幅(単位rad)、
3H(θ)、6H(θ)、9H(θ)および12H(θ):4つの文字盤表示鉛直位置におけるムーブメントの歩度の値(たとえば秒毎日で表したもの)であり、
x軸およびy軸は図1における9Hおよび12Hの方向に相当する。
4つの文字盤表示鉛直位置で振幅に応じた歩度の計測をたとえば自由振動モードで行う場合、典型的には100°から300°までの振幅区間にわたって、たとえば10°間隔などで定義された3H(θ)、6H(θ)、9H(θ)および12H(θ)の4つの歩度関数を得る。水平方向の計測(CHおよびFH)は必ずしも考慮されない。このような計測は、持続振動モードでも、すなわち完備したムーブメント上で脱進機を通して振動を持続させる形でも行うことができる。このような計測では脱進機による作用が考慮され、一般に実施に時間がかかる。
自由振動の計測も持続振動の計測も、不釣合いの確定という観点からは等価である。しかし、脱進機の作用の計測を行わずにすむという点で自由振動の計測の方が望ましい。また、てん輪の不釣合いによる作用だけが補正されるように、計測した値の曲線からひげぜんまいだけ(および/または持続モード時の脱進機)の符号数(理論値または計測値)を差し引くことを企図することもできる。
本方法の実施に際して、第1および第2カウンタが物理的現実性を持つものでなくてよいことは言うまでもない。カウンタは本方法およびその使用の論理を具現するものとして存在する。カウンタが、所与の一連のムーブメント位置および所与の一連の振動体の振動の振幅について計測を行わなければならないことを理解している作業者の認識を具現できるものであることは明らかである。
さらに、振幅は、様々な位置で行われる計測のすべてで正確に同一である必要はない。そのため、この方法の実施においては、ターゲットとする振幅に近い振幅で振動周期を表すデータを確定し、次いで計測した2つの値の間を補間した値を不釣合い特性の計算でデータとして利用することが十分に可能である。また、任意の異なる振幅で計測を行い、処理や補間を行うことなしにすべての計測値に対して回帰を行うことも企図できる。
自由振動(または持続振動でない)モードで計測を行う場合は、確定方法の別の実施形態を表した図10bに示すようにステップの順序を逆転させることができる。実際、この場合は、別の一連の振幅で計測を行うためにムーブメントを別の位置に移す前に、ムーブメントの所与の位置で様々な振幅で計測を行うのが、より実際的かつより迅速である。この別の実施形態では、ステップ131、161、171および201はそれぞれステップ160、130、170および200と同一である。
持続振動モードで計測を行う場合は、図10aに示すように進めることができる。実際、所与の振幅で様々な位置で計測を行ってから、振幅を変えて別のムーブメント位置で計測を行う方が、より実際的に、より素早く行うことができる。
自由振動モードで計測を行う場合、取り上げられる振幅区間は、例えば400°などというように広めのものであることができるが、これは不釣合いの作用が打ち消される第2の振幅の値に相当する。そのため、自由振動モードでのこうした拡張された振幅区間については、振幅は好ましくは200°〜400°の区間内、好ましくは150°〜400°の区間内、より好ましくは100°〜400°の区間内に含まれる。計測回数はm≧9であることが好ましく、より好ましくはm≧20である。
2つまたは3つの鉛直位置で計測を行う場合は、互いに垂直をなす2つの位置を少なくとも選ぶことができ、不釣合いの作用が打ち消される振幅の値の間における平均歩度の変化は線形であると仮定することができる。
以下では、てん輪−ひげぜんまい振動体の調節方法の実行形態について、図11を参照しながら説明する。
第1段階210で、時計ムーブメントのてん輪−ひげぜんまい振動体の不釣合い特性を確定する。たとえば、本発明による確定方法によって、または前述の確定方法の実行形態によって不釣合い特性を確定する。
第2段階220で、振動体の不釣合いを修正する。振動体またはてん輪−ひげぜんまいアセンブリは、材料の除去(機械加工、レーザーアブレーション、その他)、材料の追加(レーザー堆積、インクジェット堆積、その他)または材料の移動(釣合いおもりの移動、その他)のような従来からの手段による修正が可能である。不釣合いの修正は、所与の不釣合いの値および向き、とりわけ不釣合いのゼロまたはほぼゼロの値が得られるように行うことができる。図4は、ひげぜんまいの組立ておよびムーブメントへの取付けを行った後の自由振動での計測で10.5μg.cmのムーブメントでのみかけの不釣合いを示す振動体を備えるムーブメントの場合の例を示したものである。慎重に機械加工を行った後、みかけの不釣合いは0.2μg.cm未満まで下げることができた。歩度曲線に対する作用は大きく、この手法がムーブメントの計時性能向上のために有するメリットが示される。
図5および6は、図4に示した調節方法の使用前と調節方法の使用後の2つの状態に相当する2つの歩度の計測値を自由振動時の振幅との関係で表している。位置どうしの間、とりわけ鉛直位置の間における歩度の偏差は、みかけの不釣合いの調整によってかなりの程度まで狭められていることがわかる。
このような利得は、持続振動時、すなわち、脱進機のアンクルを取り付けた後の標準動作のもとでも確認することができる。不釣合いおよび慣性の調整の最終状態のこの時計に対する計時性能の計測では、鉛直位置の間の最大歩度偏差が1秒/日未満、さらに下表に示すように6つの位置の間の最大歩度偏差もわずか3秒/日と優秀であり、きわめて良好な挙動が明らかにされる。
自由振動で得られる利得は、持続振動でも、したがって時計がユーザの手首への装着時にも認められるものである。
てん輪の釣合いは、てん輪に慣性の調節用に設けられている釣合いおもり(てん輪がそれを備えている限りにおいて)の位置を修正するだけでも調整可能である。実際、釣合いおもりは径方向に移動させることができる。その場合、釣合いおもりの移動によってもたらされる不釣合いは、釣合いおもりの質量にその変位を掛け合わせた積に等しい。補正可能な不釣合いの最大値は、釣合いおもりの質量および行程に依存することになる。さらに、てん輪が釣合いおもりを2つしか備えていない場合には、その2つの釣合いおもりを結ぶ直径に相当する方向にしか不釣合いの修正を行うことができない。より一般的には、また釣合いおもりの数にかかわらず、不釣合いは釣合いおもりの重心の移動方向にしか修正することはできない。典型的なてん輪では、調節幅は少なくとも20μg.cmはあるものと推定することができ、これは、てん輪だけで行われた最初の釣合わせの後の残留不釣合いを補正するには十分足りるものである。
図7は、互いに180°をなすように配置された2つの釣合いおもりだけを具備したてん輪の場合の作用を示したものである。図4と全く同様に、不釣合いの値を囲む円は計測誤差を推定したものを表している。釣合いおもりをそのほぞに沿って移動させることにより、不釣合いはその方向に細かく修正される。調節幅は典型的には元の状態の前後に±10μg.cmである。
当然のことながら、3つ以上の釣合いおもりを備えるてん輪では、そのみかけの不釣合いに対してほぼ完ぺきな補正を行うことができよう。図8および9は、異なる質量を有する2つの釣合いおもりの2つの対を具備するてん輪の場合の例を示しており、それぞれの対が向い合せに配置されている。初期状態(図8)で現れる不釣合いは8.8μg.cmである。径方向の質量の直線的変位のみを考慮に入れた第一近似の計算では、適用すべき合計補正は、ムーブメントの3H方向に位置する釣合いおもりで0.7回転、6Hの釣合いおもりで0.07回転、9Hの釣合いおもりで−0.7回転、および12Hの釣合いおもりで−0.07回転であったと推定された。この補正後のみかけの不釣合いは0.6μg.cm(図9)で、これは改めて瞠目すべき改善であり、その改善ぶりは歩度の計測値と振幅との関係にはっきりと見て取ることができる。
てん輪−ひげぜんまいの不釣合いのみを調整したい場合には、アセンブリの慣性の著しい変更は行わないように特に注意して、ムーブメントの歩度が変更されないようにする。別法として、ムーブメントの歩度とてん輪−ひげぜんまいの不釣合いとを同一作業で調節することも可能である。初期の不釣合いが大きいときなどは、計測および補正の方法を必要に応じて数度にわたって繰り返すこともできる。
不釣合い特性は、てん輪のその不釣合い特性を弱めることによる振動体の修正の結果として、振動体の様々な位置におけるてん輪の振動周期を表すデータの差を様々な振幅について累計したものを表す基準が最小化されるという性格を持つ。
そこで、みかけの不釣合いの微補正のために以下の手順を企図することができる。
− てん輪単体での釣合わせ
− ひげぜんまいの押込みばめ、ムーブメントへの取付け
− 振幅に応じた(たとえば自由振動時の)歩度の計測であって、みかけの不釣合いおよび/または平均振動数および/または平均歩度を確定するための計測
− 振動数合わせおよび/またはみかけの不釣合いの補正であって、たとえば以下によるもの
− 材料の除去
− 材料の追加
− 材料の移動(たとえば釣合いおもりの移動)
− 慣性の変更なしに不釣合いだけを補正するための釣合いおもりの移動
本発明は、本発明による調節方法を使用することによって得られるてん輪またはてん輪−ひげぜんまい振動体にも関する。
本発明はさらに、そのてん輪−ひげぜんまい振動体を備えるムーブメントにも関する。
本発明は最後に、そのムーブメント、そのてん輪またはそのてん輪−ひげぜんまい振動体を備える時計、とりわけ携帯時計に関する。
変形実行形態では、不釣合い特性の確定方法は、ステップ160または161を含み、そのステップには図12に示す以下のサブステップが含まれる。
第1のサブステップ310で、ムーブメントからアンクルを取り去るなり、自由振動を可能にする架台の上にてん輪−ひげぜんまい振動体を取り付けるなりして、振動体が自由振動できる状態で振動体を振動運動させる。
任意選択の第2のサブステップ320で、振動の維持を中止する。
この変形実行形態では、不釣合い特性の確定方法は、ステップ170または171を含み、そのステップには次に述べられるサブステップが含まれる。第3のサブステップ330では、振動体の振動運動の振幅が小さくなる間にで周期を表すデータを計測する。
すなわち、振動体を自由振動モードに置き、振動体の振動運動の振幅が小さくなる間に周期を表すデータを計測する。
本方法は振動運動の振幅の計測ステップを含むことができる。この振幅の計測は、振動周期の計測と同様、光学計測装置によって行うことができる。
周期および/または振幅の計測ステップは規則的な時間間隔で行うことができる。したがって、それぞれの時間ピッチ毎に、振動周期および/またはその周期に関連付けられた振動振幅を確定する。
別法として、周期の計測ステップは規則的な振幅間隔または所与の振幅で行うことができる。そこで、特に装置を利用することによって振動の振幅の減衰を観察し、周期をそこで把握すべき振幅に達したところで、その周期を計測する。
本明細書では、「歩度」とは、ムーブメントまたは時計の瞬間的な進度であり、すなわち観測時点におけるその進度をいう。そこから、24時間の間隔で隔てられた時計の2つの状態の差(すなわち、正確に24時間隔てられた2つの瞬間の間の1つの時計による表示の差)である日差を、瞬間的な進度が24時間変わらないであろうとみなして導き出す。

Claims (16)

  1. てん輪(4)−ひげぜんまい(5)振動体(3)、とりわけ時計ムーブメント(2)に取り付けるためのてん輪(4)−ひげぜんまい振動体(3)の不釣合い特性の確定方法、とりわけ計算方法であって、
    前記てん輪−ひげぜんまい振動体を少なくとも2つの振幅で振動運動させるステップと、
    それぞれの振幅について、さらに前記振動体の少なくとも2つの位置について、前記振動体の振動周期を表すデータを確定するステップと、
    前ステップの前記データを利用して前記てん輪−ひげぜんまい振動体の前記不釣合い特性を計算するステップと
    を少なくとも含む方法。
  2. 前記振動体の振動周期を表すデータの前記確定ステップが、計測、とりわけ自由振動で行われる計測を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ムーブメントから脱進機部品、とりわけアンクルを取り外すか、または前記振動体の自由振動を可能にする架台に前記振動体を取り付けるステップを初めに含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記データの前記利用ステップが、前記確定ステップで確定された前記データを包含させた式による前記不釣合い特性の計算を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記確定ステップが、振幅の両端のレベルが30°、好ましくは50°、より好ましくは100°隔てられた振幅範囲にわたって、互いが220°にある少なくとも2つの値の振幅であって、200°〜280°の区間内、好ましくは150°〜280°の区間内、さらにより好ましくは100°〜300°の区間内に含まれる振幅で行われる計測を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記振動体の前記少なくとも2つの位置が、前記振動体の振動軸が水平またはほぼ水平となる位置であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記振動体の前記少なくとも2つの位置が、前記振動体の向きが90°または90°を超える異なる位置であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記振動体の前記少なくとも2つの位置が、前記振動体の前記振動軸が水平またはほぼ水平となる前記ムーブメントの4つの位置であって、前記ムーブメントの向きが互いに90°ずつ隔てられた位置を含み、とりわけ前記ムーブメントの4つの文字盤表示鉛直位置を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記不釣合い特性を計算するために以下の3つの式のうちの1つまたは複数を用いることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
    (ただし、
    b:不釣合いベクトルのノルム、
    bx:不釣合いベクトルのx軸方向成分、
    by:不釣合いベクトルのy軸方向成分、
    I:前記てん輪の慣性、
    J1:1次のベッセル関数、
    θ:振動運動の振幅(単位rad)、
    3H(θ)、6H(θ)、9H(θ)および12H(θ):4つの文字盤表示鉛直位置におけるムーブメントの歩度の値(たとえば秒毎日で表したもの)であり、
    x軸およびy軸は9Hおよび12Hの方向に相当する。)
  10. 前記不釣合い特性が、
    不釣合いの質量および前記てん輪における不釣合いの位置、または
    ノルムおよび方向によって表現された不釣合いベクトル
    を含むか、またはそれによってなることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記てん輪−ひげぜんまい振動体の前記振動運動ステップが、
    前記振動体を振動運動させるサブステップと、
    前記振動の維持を中止するサブステップとを含み、
    前記振動体の振動周期を表すデータの前記確定ステップが、
    前記振動体の前記振動運動の振幅が小さくなる間に前記周期を表す前記データを計測するサブステップ
    を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記振動運動の振幅の計測ステップを含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の振動体の不釣合いの特性の確定段階と、前記てん輪からその不釣合いのすべてまたは一部を取り去るための前記てん輪の修正ステップとを含むてん輪(4)−ひげぜんまい(5)振動体(3)の調節方法。
  14. 請求項13に記載の調節方法を使用して得られるてん輪(4)またはてん輪−ひげぜんまい振動体(3)。
  15. 請求項14に記載のてん輪−ひげぜんまい振動体を備えるムーブメント(2)。
  16. 請求項15に記載のムーブメントまたは請求項14に記載のてん輪もしくはてん輪−ひげぜんまい振動体を備える時計(1)、とりわけ携帯時計。
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