JP2015517490A - コロニー刺激因子1受容体(csf1r)を結合させる抗体を用いて状態を治療する方法 - Google Patents

コロニー刺激因子1受容体(csf1r)を結合させる抗体を用いて状態を治療する方法 Download PDF

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Abstract

コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を結合させる抗体を用いて状態を治療する方法を提供する。そのような方法には、関節リウマチおよび関連状態を治療する方法、全身性紅斑性狼瘡および関連状態を治療する方法、ならびに、多発性硬化症を治療する方法が含まれるが、これらに限定されない。

Description

技術分野
コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を結合させる抗体を用いて状態を治療する方法が提供される。そのような方法には、関節リウマチ、多発性硬化症、および全身性紅斑性狼瘡を治療する方法が含まれるが、これらに限定されない。
背景
コロニー刺激因子1受容体(本明細書では、CSF1Rと称される、当該技術分野において、FMS、FIM2、C−FMS、M−CSF受容体、およびCDl15とも称される)は、N末端細胞外ドメイン(ECD)およびC末端細胞内ドメインを有し、チロシンキナーゼ活性を有する一回膜貫通受容体である。CSF1RへのCSF1またはインターロイキン34リガンド(本明細書では、IL−34と称される、Lin et al.,Science 320:807−11(2008)(非特許文献1))のリガンド結合は、受容体二量化、CSF1Rタンパク質チロシンキナーゼ活性の上方調節、CSF1Rチロシン残基のリン酸化反応、およびシグナル伝達事象の下流をもたらす。CSF1およびIL−34の両方は、単球の生存、増殖、ならびに、マクロファージへの分化に加え、破骨細胞、樹状細胞、およびミクログリア等の他の単球細胞系統への分化を刺激する。
多くの腫瘍細胞は、CSF1Rを通じて単球/マクロファージ細胞を活性化するCSF1を分泌することが見出されている。腫瘍中のCSF1のレベルは、腫瘍中の腫瘍関連マクロファージ(TAM)のレベルと相関することが示されている。より高いレベルのTAMが、患者のより不良な予後と相関することが見出されている。加えて、CSF1が、例えば、マウスにおけるヒト乳癌異種移植片において、腫瘍の増殖および転移への進行を促進することが見出されている。例えば、Paulus et al.,Cancer Res.66:4349−56(2006)(非特許文献2)を参照されたい。さらに、CSF1Rは、骨転移における溶骨性骨破壊に関与している。例えば、Ohno et al.,Mol.Cancer Ther.5:2634−43(2006)(非特許文献3)を参照されたい。
CSF1およびその受容体は、様々な炎症および自己免疫疾患に関与していることも見出されている。例えば、Hamilton,Nat. Rev.8:533−44(2008)(非特許文献4)を参照されたい。例えば、関節リウマチに罹患した関節からの滑膜内皮細胞は、CSF1を産生することが見出されており、疾患におけるCSF1およびその受容体の役割を示唆している。抗体によるCSF1R活性の遮断は、関節炎のマウスモデルにおいて、骨および軟骨の破壊の減少およびマクロファージの数の減少を含む陽性臨床効果をもたらす。例えば、Kitaura et al.,J.Clin.Invest.115:3418−3427(2005)(非特許文献5)を参照されたい。
成熟した分化骨髄系統細胞、例えば、マクロファージ、ミクログリア細胞、および破骨細胞は、様々な疾患、例えば、関節リウマチ、多発性硬化症、および骨喪失の疾患の病理の一因となっている。分化骨髄系統細胞は、末梢血単球中間体から誘導される。CSF1R刺激は、骨髄前駆体からの単球の発生、単球の増殖および生存、ならびに分化した骨髄系統細胞、例えば、マクロファージ、ミクログリア細胞、および破骨細胞への末梢血単球の分化に寄与する。そのため、CSF1R刺激は、分化した骨髄系統細胞の増殖、生存、活性化、および成熟に寄与し、病的な状況においては、CSF1R刺激は、疾患病状を媒介する分化した骨髄系統細胞の能力に寄与している。
Lin et al.,Science 320:807−11(2008) Paulus et al.,Cancer Res.66:4349−56(2006) Ohno et al.,Mol.Cancer Ther.5:2634−43(2006) Hamilton,Nat. Rev.8:533−44(2008) Kitaura et al.,J.Clin.Invest.115:3418−3427(2005)
概要
いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する状態を治療する方法が提供される。いくつかの実施形態において、本方法は、関節リウマチを有している対象に、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を結合させる抗体を投与する段階を含み、該抗体は、CSF1Rへのコロニー刺激因子1(CSF1)の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する。いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する状態を治療することは、炎症を減少させること、パンヌス形成を減少させること、軟骨損傷を減少させること、骨吸収を減少させること、関節リウマチに罹患した少なくとも1つの関節におけるマクロファージの数を減少させること、自己抗体レベルを減少させること、および骨喪失を減少させることから選択される少なくとも1つの効果を含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する状態を治療することが、炎症を減少させることを含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する炎症を減少させる方法は、赤血球沈降速度を決定する段階を含み、沈降速度の低下は、炎症の減少を示す。
いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する状態を治療することは、パンヌス形成を減少させること、骨吸収を減少させること、および骨喪失を減少させることから選択される少なくとも1つの効果を含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する状態を治療することは、骨吸収を減少させることを含む。いくつかのかかる実施形態において、骨吸収に関する少なくとも1つのマーカーのレベルは減少する。いくつかの実施形態において、骨吸収マーカーは、酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b(TRAP5b)、尿中総ピリジノリン、尿中総デオキシピリジノリン、尿中遊離ピリジノリン、血清中I型コラーゲン架橋N−テロペプチド、尿中I型コラーゲン架橋N−テロペプチド、および、血清中I型コラーゲンのカルボキシ末端テロペプチドから選択される。
いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する状態を治療することは、パンヌス形成を減少させること、および骨喪失を減少させることから選択される少なくとも1つの効果を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの効果は、画像化技術を使用して測定される。いくつかのかかる実施形態において、画像化技術は、X線画像法、磁気共鳴画像法、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、関節鏡検査法、シンチグラフィー、超音波検査法、骨密度測定法、単一光子吸収測定法(SPA)、二重光子吸収測定法(DPA)、単一エネルギーX線吸収測定法(SXA)、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)、シンチグラフィー、超音波検査法、デュプレックス超音波検査法、およびパワードプラ画像法から選択される方法を含む。
関節リウマチに関連する状態を治療する方法のいくつかの実施形態において、CD16+単球の数は、少なくとも30%減少する。本方法のいくつかの実施形態において、CD16−単球の数は、減少しないかまたは20%未満減少する。いくつかの実施形態において、CD16+単球は、CD16+末梢血単球である。
いくつかの実施形態において、関節リウマチを治療する方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含み、該抗体は、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、該抗体は、該対象においてCD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつ、CD16−単球が減少しないかまたは20%未満減少する。いくつかの実施形態において、CD16+単球は、CD16+末梢血単球である。
関節リウマチを治療する方法のいくつかの実施形態において、本方法は、メトトレキサート、抗TNF物質、グルココルチコイド、シクロスポリン、レフルノミド、アザチオプリン、JAK阻害因子、SYK阻害因子、抗IL−6抗体、抗IL−6R抗体、抗CD−20抗体、抗CD19抗体、抗GM−CSF抗体、IL−1受容体拮抗物質、CTLA−4拮抗物質、および抗GM−CSF−R抗体から選択される少なくとも1つのさらなる治療物質を投与する段階をさらに含む。
いくつかの実施形態において、狼瘡に関連する皮膚病変を治療する方法が提供される。いくつかの実施形態において、本方法は、狼瘡を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含み、該抗体は、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する。いくつかの実施形態において、狼瘡に関連する皮膚病変を治療することは、皮膚病変の数を減少させること、皮膚病変の形成速度を低下させること、および皮膚病変の重症度を低下させることから選択される少なくとも1つの効果を含む。
いくつかの実施形態において、ループス腎炎を治療する方法が提供される。いくつかの実施形態において、本方法は、ループス腎炎を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含み、該抗体は、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する。いくつかの実施形態において、腎機能は、該対象において改善される。いくつかの実施形態において、タンパク尿は、該対象において減少する。いくつかの実施形態では、該対象において糸球体濾過速度を向上させる。
いくつかの実施形態において、狼瘡を治療する方法が提供される。いくつかの実施形態において、一方法は、狼瘡を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含み、該抗体は、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する。いくつかの実施形態において、該抗体は、該対象においてCD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつCD16−単球は減少しないかまたは20%未満減少する。いくつかの実施形態において、CD16+単球は、少なくとも50%減少する。いくつかの実施形態において、CD16+単球は、CD16+末梢血単球である。
いくつかの実施形態において、狼瘡、ループス腎炎、または狼瘡に関連する皮膚病変を治療する方法は、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil)、コルチコステロイド、シクロホスファミド(Cytoxan)、アザチオプリン(Imuran、Azasan)、ミコフェノレート(Cellcept)、レフルノミド(Arava)およびメトトレキサート(Trexall)、ならびにベリムマブ(Benlysta)から選択される少なくとも1つのさらなる治療物質を投与する段階をさらに含む。
いくつかの実施形態において、炎症状態を治療する方法が提供される。いくつかのかかる実施形態において、一方法は、炎症状態を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含み、該抗体は、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する。いくつかの実施形態において、該抗体は、CD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつCD16−単球は減少しないかまたは20%未満減少する。いくつかの実施形態において、CD16+単球は、少なくとも50%減少する。いくつかの実施形態において、CD16+単球は、CD16+末梢血単球である。
いくつかの実施形態において、CD16+障害を治療する方法が提供される。いくつかの実施形態において、一方法は、CD16+障害を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含み、該抗体は、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する。いくつかの実施形態において、該抗体は、CD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつ、CD16−単球は減少しないかまたは20%未満減少する。いくつかの実施形態において、CD16+単球は、少なくとも50%減少する。いくつかの実施形態において、CD16+単球は、CD16+末梢血単球である。
いくつかの実施形態において、本明細書で論じられる治療する方法は、メトトレキサートに応答しない状態を治療する段階を含む。
いくつかの実施形態において、CD16+単球の数を減少させる方法が提供される。いくつかの実施形態において、一方法は、対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含み、該抗体は、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する。いくつかの実施形態において、該抗体は、CD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつ、CD16−単球は減少しないかまたは20%未満減少する。いくつかの実施形態において、CD16+単球は、少なくとも50%減少する。いくつかの実施形態において、CD16+単球は、CD16+末梢血単球である。
いくつかの実施形態において、狼瘡に関連する腎臓状態の進行を遅延させる方法が提供される。いくつかの実施形態において、本方法は、対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含み、該抗体は、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する。いくつかの実施形態において、タンパク尿は、該対象において増加しないか、または、該対象において、該抗体が投与されない対象と同じ速度で増加しない。いくつかの実施形態において、糸球体濾過速度は、該対象において低下しないか、または、該対象において、該抗体が投与されない対象と同じ速度で低下しない。
いくつかの実施形態において、関節リウマチを有している対象においてパンヌス形成の進行を遅延させる方法が提供される。いくつかのかかる実施形態において、一方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含み、該抗体は、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する。
いくつかの実施形態において、関節リウマチを有している対象において骨喪失の進行を遅延させる方法が提供される。いくつかの実施形態において、一方法は、関節リウマチを有している対象に、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を結合させる抗体を投与する段階を含み、該抗体は、CSF1Rへのコロニー刺激因子1(CSF1)の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する。
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、抗体重鎖および/または抗体軽鎖は、以下の構造を有する。
いくつかの実施形態において、重鎖は、SEQ ID NO:9、11、13、および39〜45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖は、SEQ ID NO:10、12、14、および46〜52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む。いくつかの実施形態において、重鎖は、SEQ ID NO:9、11、13、および39〜45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含み、軽鎖は、SEQ ID NO:10、12、14、および46〜52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む。
いくつかの実施形態において、HC CDR1、HC CDR2、およびHC CDR3は、(a)SEQ ID NO:15、16、および17、(b)SEQ ID NO:21、22、および23、ならびに(c)SEQ ID NO:27、28、および29から選択される一組の配列を含む。いくつかの実施形態において、LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3は、(a)SEQ ID NO:18、19、および20、(b)SEQ ID NO:24、25、および26、ならびに(c)SEQ ID NO:30、31、および32から選択される一組の配列を含む。
いくつかの実施形態において、重鎖は、HC CDR1、HC CDR2、およびHC CDR3を含み、HC CDR1、HC CDR2、およびHC CDR3は、(a)SEQ ID NO:15、16、および17、(b)SEQ ID NO:21、22、および23、ならびに(c)SEQ ID NO:27、28、および29から選択される一組の配列を含み、軽鎖は、LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3を含み、LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3は、(a)SEQ ID NO:18、19、および20、(b)SEQ ID NO:24、25、および26、ならびに(c)SEQ ID NO:30、31、および32から選択される一組の配列を含む。
いくつかの実施形態において、単離された抗体が提供され、該抗体は、重鎖と軽鎖とを含み、該抗体は、(a)SEQ ID NO:9と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:10と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(b)SEQ ID NO:11と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:12と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(c)SEQ ID NO:13と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:14と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(d)SEQ ID NO:39と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:46と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(e)SEQ ID NO:40と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:46と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(f)SEQ ID NO:41と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:46と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(g)SEQ ID NO:39と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:47と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(h)SEQ ID NO:40と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:47と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(i)SEQ ID NO:41と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:47と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、および(j)SEQ ID NO:42と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:48と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(k)SEQ ID NO:42と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:49と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(l)SEQ ID NO:42と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:50と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(m)SEQ ID NO:43と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:48と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(n)SEQ ID NO:43と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:49と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(o)SEQ ID NO:43と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:50と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(p)SEQ ID NO:44と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:51と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(q)SEQ ID NO:44と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:52と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、(r)SEQ ID NO:45と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:51と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖、あるいは、(s)SEQ ID NO:45と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:52と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む軽鎖とを含む。
いくつかの実施形態において、抗体が提供され、該抗体は、重鎖と軽鎖とを含み、該抗体は、(a)SEQ ID NO:15の配列を有する重鎖(HC) CDR1、SEQ ID NO:16の配列を有するHC CDR2、およびSEQ ID NO:17の配列を有するHC CDR3を含む重鎖と、SEQ ID NO:18の配列を有する軽鎖(LC) CDR1、SEQ ID NO:19の配列を有するLC CDR2、およびSEQ ID NO:20の配列を有するLC CDR3を含む軽鎖、(b)SEQ ID NO:21の配列を有する重鎖(HC) CDR1、SEQ ID NO:22の配列を有するHC CDR2、およびSEQ ID NO:23の配列を有するHC CDR3を含む重鎖、SEQ ID NO:24の配列を有する軽鎖(LC) CDR1、SEQ ID NO:25の配列を有するLC CDR2、およびSEQ ID NO:26の配列を有するLC CDR3を含む軽鎖、あるいは(c)SEQ ID NO:27の配列を有する重鎖(HC) CDR1、SEQ ID NO:28の配列を有するHC CDR2、およびSEQ ID NO:29の配列を有するHC CDR3を含む重鎖と、SEQ ID NO:30の配列を有する軽鎖(LC) CDR1、SEQ ID NO:31の配列を有するLC CDR2、およびSEQ ID NO:32の配列を有するLC CDR3を含む軽鎖とを含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、重鎖と軽鎖とを含み、該抗体は、(a)SEQ ID NO:53の配列を含む重鎖とSEQ ID NO:60の配列を含む軽鎖、(b)SEQ ID NO:53の配列を含む重鎖とSEQ ID NO:61の配列を含む軽鎖、あるいは(c)SEQ ID NO:58の配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:65の配列を含む軽鎖とを含む。いくつかの実施形態において、抗体は、重鎖と軽鎖とを含み、該抗体は、(a)SEQ ID NO:53の配列から成る重鎖とSEQ ID NO:60の配列から成る軽鎖とを含むか、(b)SEQ ID NO:53の配列から成る重鎖とSEQ ID NO:61の配列から成る軽鎖とを含むか、あるいは(c)SEQ ID NO:58の配列から成る重鎖とSEQ ID NO:65の配列から成る軽鎖とを含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、Fab、Fv、scFv、Fab'、および(Fab')から選択される。いくつかの実施形態において、抗体は、キメラ抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、IgA、IgG、およびIgDから選択される。いくつかの実施形態において、抗体は、IgGである。いくつかの実施形態において、抗体は、IgG4である。いくつかの実施形態において、抗体は、少なくとも1つのIgG4重鎖定常領域において、S241P突然変異を含むIgG4である。
いくつかの実施形態において、抗体は、ヒトCSF1Rに結合し、かつ/またはカニクイザルCSF1Rに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、CSF1Rへのリガンド結合を遮断する。いくつかの実施形態において、抗体は、CSF1RへのCSF1および/またはIL−34の結合を遮断する。いくつかの実施形態において、抗体は、CSF1RへのCSF1およびIL−34の両方の結合を遮断する。いくつかの実施形態において、抗体は、リガンド誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する。いくつかの実施形態において、抗体は、CSF1および/またはIL−34誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する。いくつかの実施形態において、抗体は、1nM未満の親和性(K)を有するヒトCSF1Rに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、CSF1またはIL−34の存在下での単球の増殖および/または生存応答を抑制する。
いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させる抗体を含む薬学的組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させる抗体を含む組成物が、ヒトまたは動物の治療の方法で用いるために提供される。いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させる抗体およびCSF1Rを結合させる抗体を含む組成物が、ヒトまたは動物における、関節リウマチに関連する状態を治療する方法で用いるために提供される。いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させる抗体およびCSF1Rを結合させる抗体を含む組成物が、ヒトまたは動物における、多発性硬化症を治療する方法で用いるために提供される。いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させる抗体およびCSF1Rを結合させる抗体を含む組成物が、全身性紅斑性狼瘡に関連する状態を治療する方法に用いるために提供され、提供される。
実施例1で説明する、ヒト化抗体huAb1〜huAb16のそれぞれに対するヒト化重鎖可変領域のアラインメントを示す。囲み内の残基は、対応するマウス残基に戻されたヒト受容体配列中のアミノ酸である。 実施例1で説明する、ヒト化抗体huAb1〜huAb16のそれぞれに対するヒト化重鎖可変領域のアラインメントを示す。囲み内の残基は、対応するマウス残基に戻されたヒト受容体配列中のアミノ酸である。 実施例1で説明する、ヒト化抗体huAb1〜huAb16のそれぞれに対するヒト化重鎖可変領域のアラインメントを示す。囲み内の残基は、対応するマウス残基に戻されたヒト受容体配列中のアミノ酸である。 実施例1で説明する、ヒト化抗体huAb1〜huAb16のそれぞれに対するヒト化軽鎖可変領域のアラインメントを示す。囲み内のアミノ酸は、対応するマウス残基に戻されたヒト受容体配列中の残基である。 実施例1で説明する、ヒト化抗体huAb1〜huAb16のそれぞれに対するヒト化軽鎖可変領域のアラインメントを示す。囲み内のアミノ酸は、対応するマウス残基に戻されたヒト受容体配列中の残基である。 実施例1で説明する、ヒト化抗体huAb1〜huAb16のそれぞれに対するヒト化軽鎖可変領域のアラインメントを示す。囲み内のアミノ酸は、対応するマウス残基に戻されたヒト受容体配列中の残基である。 実施例2に記載される、huAb1が投与されたカニクイザルにおける、CD16+単球の減少を示す。 実施例3に記載される、マウスCSF1Rへのサロゲート抗体cAb1の用量依存的結合を示す。 実施例4に記載される、mNFS60細胞中のCSF1およびIL−34誘導性の増殖の用量依存的抑制を示す。 実施例5に記載される、cAb1の投与後の関節リウマチのマウスモデルにおける臨床的疾患スコアの抑制を示す。 実施例6に記載される、cAb1の投与後の関節リウマチのマウスモデルにおける血漿TRAP5bレベルによって示される骨喪失の抑制を示す。 実施例7に記載される、cAb1の投与後の関節リウマチのマウスモデルにおける炎症、パンヌス形成、軟骨損傷、および骨の損傷の抑制を示す。 実施例8に記載される、cAb1の投与後の関節リウマチのマウスモデルにおける足関節および膝関節におけるマクロファージ数の抑制を示す。 実施例9に記載される、cAb1の投与後の関節リウマチのマウスモデルにおける自己抗体形成の抑制を示す。 実施例10に記載される、cAb1の投与後の確立された関節リウマチのマウスモデルにおける骨喪失の抑制を示す。 実施例11に記載される、cAb1の投与後の確立された関節リウマチのマウスモデルにおけるパンヌス形成および骨破壊の抑制を示す。 実施例12に記載される、cAb1の投与後の全身性紅斑性狼瘡のマウスモデルにおける糸球体腎炎、間質性腎炎、および血管周囲性浸潤の抑制を示す。 実施例13に記載される、cAb1の投与後の全身性紅斑性狼瘡のマウスモデルにおける皮膚病変の抑制を示す。 実施例14に記載される、cAb1の投与後の多発性硬化症のマウスモデルにおける臨床的疾患スコアの抑制を示す。
詳細な説明
CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34のリガンド結合を遮断する抗体を投与する段階を含む、状態を治療する方法が提供される。本明細書で論じられるように、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34のリガンド結合を遮断する抗体は、リウマチ性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、および多発性硬化症を治療するのに有効である。本発明者らは、カニクイザルに、かかる抗体を投与することが、カニクイザルにおいて、CD16+末梢血単球の数を減少させるが、CD16−末梢血単球の数に影響を及ぼさず、CD16+末梢血単球が高度に炎症性の単球であることを見出した。例えば、Ziegler−Heitbrock,J.Leukocyte Biol.,2007,81:584−592を参照されたい。さらに、関節リウマチのマウスモデルにおいて、かかる抗体を投与することは、臨床的疾患スコアを抑制し、例えば、紅斑および腫れの抑制、酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b(TRAP5b)レベルの減少によって測定されるような、抑制された骨喪失、抑制された炎症、軟骨破壊、パンヌス形成、および骨破壊が含まれる。特に、前記抗体が関節リウマチの臨床症状の出現後に投与された場合、骨喪失(TRAP5bレベルの減少によって測定されるような)、パンヌス形成、および骨破壊が減少した。また、関節リウマチのマウスモデルにおいて、かかる抗体を投与することは、関節マクロファージ数および自己抗体形成を減少した。
全身性紅斑性狼瘡マウスモデルにおいて、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体を投与することは、糸球体腎炎、間質性腎炎、および血管周囲性浸潤を抑制した。さらに、全身性紅斑性狼瘡マウスモデルにおいて、かかる抗体を投与することは、皮膚病変を抑制した。最後に、多発性硬化症のマウスモデルにおいて、この抗体を投与することは、MSの臨床的疾患スコアを抑制した。
本明細書で使用される項の表題は、構成上の目的にすぎず、記載される主題を限定するものと解釈すべきではない。特許出願および刊行物を含む、本明細書に引用されるすべての参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
定義
特に定義されない限り、本発明に関連して使用される科学用語および技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈によって特に必要とされない限り、単数形の用語には複数形が含まれ、複数形の用語には単数形が含まれるものとする。
組み換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、組織の培養、および形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)、酵素反応、および精製法に関連して使用される例示的な技術は、当技術分野で知られている。多くのそのような技術および手順は、とりわけ、例えば、Sambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989))に記載されている。さらに、化学合成、化学分析、薬学的調製、製剤、および送達、ならびに患者の治療のための例示的な技術もまた、当技術分野で知られている。
本出願において、「または」の使用は、特に指定のない限り、「および/または」を意味する。複数の従属請求項の文脈において、「または」の使用は、2つ以上の先行する独立請求項または従属請求項を択一的にのみ、戻って引用する。また、「要素」または「構成要素」等の用語は、特に指定のない限り、1つのユニットを含む要素および構成要素と2つ以上のサブユニットを含む要素および構成要素との両方を包含する。
本開示に従って使用される、以下の用語は、他に指示がない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする。
「核酸分子」および「ポリヌクレオチド」という用語は、互換的に使用してもよく、ヌクレオチドのポリマーを指す。このようなヌクレオチドのポリマーは、天然および/または非天然ヌクレオチドを含んでもよく、DNA、RNA、およびPNAを含むが、これらに限定されない。「核酸配列」とは、核酸分子またはポリヌクレオチドを含むヌクレオチドの直鎖配列を指す。
「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、互換的に使用されて、アミノ酸残基のポリマーを指し、最小長に限定されない。そのようなアミノ酸残基のポリマーは、天然または非天然アミノ酸残基を含んでもよく、アミノ酸残基のペプチド、オリゴペプチド、二量体、三量体、および多量体を含むが、これらに限定されない。完全長タンパク質およびその断片の両方が、この定義によって包含される。また、これらの用語は、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化等も含む。さらに、本発明の目的のために、「ポリペプチド」は、タンパク質が所望の活性を維持する限り、天然配列に対する改変、例えば、欠失、付加、および置換(一般に、本質的に保存的である)を含むタンパク質を指す。これらの改変は、部位特異的変異誘発によるような意図的なものであってもよいか、あるいはそのタンパク質を産生する宿主の突然変異またはPCR増幅によるエラー等によるような偶発的なものであってもよい。
「CSF1R」という用語は、本明細書において、N末端ECDと、膜貫通ドメインと、細胞内チロシンキナーゼドメインとを含み、N末端リーダー配列を含むかまたは含まない、完全長CSF1Rを指す。いくつかの実施形態において、CSF1Rは、SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するヒトCSF1Rである。
本明細書で使用される、「CSF1R細胞外ドメイン」(「CSF1R ECD」)という用語は、細胞内および膜貫通ドメインを欠いているCSF1Rポリペプチドを指す。CSF1R ECDは、CSF1Rおよび/またはIL−34を結合させることができる、完全長CSF1R ECDおよびCSF1R ECD断片を含む。ヒト完全長CSF1R ECDは、本明細書において、SEQ ID NO:2のアミノ酸1〜512(すなわち、リーダー配列を含む)またはアミノ酸20〜512(すなわち、リーダー配列を欠いている)のいずれかを含むと定義される。いくつかの実施形態において、ヒトCSF1R ECD断片は、SEQ ID NO:2のアミノ酸20〜506を含む(SEQ ID NO:5を参照)。いくつかの実施形態において、ヒトCSF1R断片は、アミノ酸507、508、509、510、または511で終了する。いくつかの実施形態において、サルCSF1R ECDは、SEQ ID NO:7の配列(リーダー配列を含む)またはSEQ ID NO:7のアミノ酸20〜506(リーダー配列を含まない)を含む。
抗CSF1R抗体に関連して、「活性な」または「活性」または「機能」という用語、およびその文法的変形は、前述の活性のうちの少なくとも1つを抑制(遮断または拮抗抗体)するまたは模倣(作動抗体)する能力を指すために使用される。「機能的」と称される抗体および抗体断片は、このような特性を有することを特徴とする。
「免疫学的」活性は、天然または天然に存在するCSF1Rポリペプチドによって保有される抗原エピトープに対する抗体の産生を誘導する能力のみを指す。
本明細書で使用される、「抗体」という用語は、重鎖の少なくとも相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3、ならびに軽鎖の少なくともCDR1、CDR2、およびCDR3を含む分子であって、抗原に結合することができる、分子を指す。抗体という用語には、抗原を結合させることができる断片、例えば、Fv、一本鎖Fv(scFv)、Fab、Fab'、および(Fab')が含まれるが、これらに限定されない。また、抗体という用語には、キメラ抗体、ヒト化抗体、およびマウス、ヒト、カニクイザル等の様々な種の抗体も含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、抗体は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗体は、重鎖可変領域と重鎖定常領域の少なくとも一部とを含む少なくとも1つの重鎖、および、軽鎖可変領域と軽鎖定常領域の少なくとも一部とを含む少なくとも1つの軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗体は、それぞれの重鎖が重鎖可変領域と重鎖定常領域の少なくとも一部とを含む、2つの重鎖、および、それぞれの軽鎖が軽鎖可変領域と軽鎖定常領域の少なくとも一部とを含む、2つの軽鎖を含む。本明細書で使用される、一本鎖Fv(scFv)、または例えば6つすべてのCDR(3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDR)を含む一本鎖ポリペプチドを含む任意の他の抗体は、重鎖および軽鎖を有すると考えられる。いくつかのかかる実施形態において、重鎖は、3つの重鎖CDRを含む抗体の領域であり、軽鎖は、3つの軽鎖CDRを含む抗体の領域にある。
本明細書で使用される「重鎖可変領域」という用語は、重鎖CDR1、フレームワーク(FR)2、CDR2、FR3、およびCDR3を含む領域を指す。いくつかの実施形態において、重鎖可変領域はまた、FR1の少なくとも一部および/またはFR4の少なくとも一部も含む。いくつかの実施形態において、重鎖CDR1は、Kabat残基26〜35に対応し、重鎖CDR2は、Kabat残基50〜65に対応し、重鎖CDR3は、Kabat残基95〜102に対応する。例えば、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(1987および1991,NIH,Bethesda,Md.)、および図1を参照されたい。いくつかの実施形態において、重鎖CDR1は、Kabat残基31〜35に対応し、重鎖CDR2は、Kabat残基50〜65に対応し、重鎖CDR3は、Kabat残基95〜102に対応する。同文献を参照されたい。
本明細書で使用される「重鎖定常領域」という用語は、少なくとも3つの重鎖定常ドメイン、C1、C2、およびC3を含む領域を指す。非限定的な例示的重鎖定常領域は、γ、δ、およびαを含む。非限定的な例示的重鎖定常領域はまた、εおよびμも含む。それぞれの重定常領域は、抗体のアイソタイプに対応する。例えば、γ定常領域を含む抗体はIgG抗体であり、δ定常領域を含む抗体はIgD抗体であり、α定常領域を含む抗体はIgA抗体である。さらに、μ定常領域を含む抗体はIgM抗体であり、ε定常領域を含む抗体はIgE抗体である。あるアイソタイプは、サブクラスにさらに細分類することができる。例えば、IgG抗体は、IgG1(γ定常領域を含む)、IgG2(γ定常領域を含む)、IgG3(γ定常領域を含む)、およびIgG4(γ定常領域を含む)抗体を含むが、これらに限定されず、IgA抗体は、IgA1(α定常領域を含む)およびIgA2(α定常領域を含む)抗体を含むが、これらに限定されず、IgM抗体は、IgM1およびIgM2を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、重鎖定常領域は、抗体に所望の特徴を与える1つ以上の突然変異(または置換)、付加、または欠失を含む。非限定的な例示的突然変異は、IgG4ヒンジ領域(定常ドメインC1とC2の間)のS241P突然変異であり、これは、IgG4モチーフCPSCPからIgG1の対応するモチーフと同様のCPPCPに変更する。いくつかの実施形態において、その突然変異は、より安定なIgG4抗体をもたらす。例えば、Angal et al.,Mol.Immunol.30:105−108(1993)、Bloom et al.,Prot.Sci.6:407−415(1997)、Schuurman et al.,Mol.Immunol.38:1−8(2001)を参照されたい。
本明細書で使用される「重鎖」という用語は、少なくとも重鎖可変領域を含み、リーダー配列を含むかまたは含まないポリペプチドを指す。いくつかの実施形態において、重鎖は、重鎖定常領域の少なくとも一部を含む。本明細書で使用される「完全長重鎖」という用語は、重鎖可変領域と重鎖定常領域とを含み、リーダー配列を含むかまたは含まないポリペプチドを指す。
本明細書で使用される「軽鎖可変領域」という用語は、軽鎖CDR1、フレームワーク(FR)2、CDR2、FR3、およびCDR3を含む領域を指す。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域はまた、FR1および/またはFR4も含む。いくつかの実施形態において、軽鎖CDR1は、Kabat残基24〜34に対応し、軽鎖CDR2は、Kabat残基50〜56に対応し、軽鎖CDR3は、Kabat残基89〜97に対応する。例えば、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(1987および1991,NIH,Bethesda,Md.)、および図1を参照されたい。
本明細書で使用される「軽鎖定常領域」という用語は、軽鎖定常ドメインCを含む領域を指す。非限定的な例示的軽鎖定常領域は、λおよびκを含む。
本明細書で使用される「軽鎖」という用語は、少なくとも軽鎖可変領域を含み、リーダー配列を含むかまたは含まないポリペプチドを指す。いくつかの実施形態において、軽鎖は、軽鎖定常領域の少なくとも一部を含む。本明細書で使用される「完全長軽鎖」という用語は、軽鎖可変領域と軽鎖定常領域とを含み、リーダー配列を含むかまたは含まないポリペプチドを指す。
本明細書で使用される「キメラ抗体」は、第1の種(例えば、マウス、ラット、カニクイザル等)に由来する少なくとも1つの可変領域と、第2の種(例えば、ヒト、カニクイザル等)に由来する少なくとも1つの定常領域とを含む、抗体を指す。いくつかの実施形態において、キメラ抗体は、少なくとも1つのマウス可変領域と少なくとも1つのヒト定常領域とを含む。いくつかの実施形態において、キメラ抗体は、少なくとも1つのカニクイザル可変領域と少なくとも1つのヒト定常領域とを含む。いくつかの実施形態において、キメラ抗体は、少なくとも1つのラット可変領域と少なくとも1つのマウス定常領域とを含む。いくつかの実施形態において、キメラ抗体のすべての可変領域は、第1の種に由来し、キメラ抗体のすべての定常領域は、第2の種に由来する。
本明細書で使用される「ヒト化抗体」は、非ヒト可変領域のフレームワーク領域内の少なくとも1つのアミノ酸が、ヒト可変領域由来の対応するアミノ酸に置換されている抗体を指す。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、少なくとも1つのヒト定常領域またはその断片を含む。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、Fab、scFv、(Fab')等である。
本明細書で使用される「CDRグラフト抗体」は、第1の(非ヒト)種の相補性決定領域(CDR)が第2の(ヒト)種のフレームワーク領域(FR)にグラフトされているヒト化抗体を指す。
本明細書で使用される「ヒト抗体」は、ヒトで産生された抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含む非ヒト動物、例えばXenoマウス(登録商標)で産生された抗体、およびインビトロ法、例えば、ファージディスプレイを用いて選択される抗体であって、抗体レパートリーがヒト免疫グロブリン配列に基づいている、抗体を指す。
「リーダー配列」という用語は、哺乳動物細胞由来のポリペプチドの分泌を促進するポリペプチドのN末端に位置するアミノ酸残基の配列を指す。リーダー配列は、哺乳動物細胞由来のポリペプチドの輸出の際に、切断されて、成熟タンパク質を形成してもよい。リーダー配列は、天然でも合成でもよく、それらが付着されるタンパク質に対して異種でも同種でもよい。例示的リーダー配列は、抗体リーダー配列、例えば、ヒト軽および重鎖リーダー配列にそれぞれ対応するSEQ ID NO:3および4のアミノ酸配列を含むが、これらに限定されない。また、非限定的な例示的リーダー配列は、異種タンパク質に由来するリーダー配列も含む。いくつかの実施形態において、抗体は、リーダー配列を欠いている。いくつかの実施形態において、抗体は、少なくとも1つのリーダー配列を含み、これは、天然抗体リーダー配列および異種リーダー配列から選択してもよい。
「ベクター」という用語は、クローン化ポリヌクレオチドを含有するように操作され得るポリヌクレオチドまたは宿主細胞において増殖され得るポリヌクレオチドを表すために使用される。ベクターは、複製起点、対象となるポリペプチドの発現を調節する1つ以上の調節配列(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)、および/または1つ以上の選択可能なマーカー遺伝子(例えば、抗生物質抵抗性遺伝子および比色アッセイ法に使用され得る遺伝子、例えば、β−ガラクトシダーゼ)の要素のうちの1つ以上を含んでもよい。「発現ベクター」という用語は、宿主細胞において、対象となるポリペプチドを発現するために使用されるベクターを指す。
「宿主細胞」は、ベクターまたは単離されたポリヌクレオチドのレシピエントであり得るかまたは該レシピエントである、細胞を指す。宿主細胞は、原核細胞または真原核細胞であり得る。例示的原核細胞は、哺乳動物細胞、例えば、霊長類または非霊長類の動物細胞、真菌細胞、例えば酵母、植物細胞、および昆虫細胞を含む。非限定的な例示的哺乳動物細胞には、NSO細胞、PER.C6(登録商標)細胞(Crucell)、293およびCHO細胞、ならびにそれらの誘導体、例えば、それぞれ293−6EおよびDG44細胞が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「単離された」という用語は、通常、自然界で見出される構成要素のうちの少なくとも一部から分離されている分子を指す。例えば、ポリペプチドは、それが産生された細胞の構成要素のうちの少なくとも一部から分離されている場合に、「単離された」と称される。ポリペプチドが発現後に細胞によって分泌される場合、産生された細胞からのポリペプチドを含有する上清を物理的に分離することは、ポリペプチドを「単離している」と見なされる。同様に、ポリヌクレオチドは、通常、自然界で見出されるより大きいポリヌクレオチド(例えば、DNAポリヌクレオチドの場合、ゲノムDNAまたはミトコンドリアDNA)の一部ではない場合に、あるいは、例えば、RNAポリヌクレオチドの場合、細胞の構成要素の少なくとも一部から分離される場合に、「単離された」と称される。したがって、宿主細胞内のベクターに含まれるDNAポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが自然界でそのベクター中で見出されない限り、「単離された」と称され得る。
「対象」および「患者」という用語は、本明細書において、ヒトを指すために互換的に使用される。いくつかの実施形態において、例えば、げっ歯類、類人猿、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、哺乳類実験動物、哺乳類家畜、哺乳類スポーツ動物、および哺乳類ペットを含むが、これらに限定されない他の哺乳動物を治療する方法も提供される。
本明細書で使用される、「関節リウマチ」または「RA」は、RAの分類についての2000年に改訂されたAmerican Rheumatoid Association基準または任意の同様の基準に従って診断され得る認識されている疾患状態を指す。いくつかの実施形態において、「関節リウマチ」という用語は、関節の損傷を引き起こし、慢性疼痛、機能喪失、および障害をもたらす、関節内膜(滑膜)の炎症を主に特徴とする慢性自己免疫疾患を指す。RAは、皮膚、肺、および眼を含む身体の複数の器官に影響を及ぼすため、全身性の疾患と称される。
「関節リウマチ」という用語には、活動および早期のRAだけでなく、以下に定義されるような、初期RAも含まれる。RAの生理学的指標は、RAにおける特徴ではあるが、不変のものではない、対称な関節膨張を含む。手の近位指節間(PIP)関節、ならびに中手指節(MCP)、手首、肘、膝、足首、および中足指節(MTP)関節の紡錘状膨張は、一般的に影響を受けており、膨張は容易に検出される。受動運動における痛みは、関節炎症についての最も高感度な試験であり、炎症および構造的変形は、多くの場合、影響を受けている関節の運動の範囲を制限する。典型的な可視的変化には、MCP関節での指の尺骨偏位、MCPおよびPIP関節の過伸展または過屈曲、肘の屈曲拘縮、ならびに手根骨およびつま先の亜脱臼が含まれる。RAを有している対象は、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)、および/または非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)に耐性があり得る。非限定的な例示的「DMARD」には、ヒドロキシクロロクイン(hydroxycloroquine)、スルファサラジン、メトトレキサート(MTX)、レフルノミド、エタネルセプト、インフリキシマブ(さらに経口および皮下MTX)、アザチオプリン、D−ペニシラミン、金塩(経口)、金塩(筋注)、ミノサイクリン、シクロスポリンAおよび局所シクロスポリンを含むシクロスポリン、ブドウ球菌プロテインA(Goodyear and Silverman,J.Exp.Med.,197(9):1125−1139(2003))が含まれ、これらには、その塩および誘導体等も含まれる。本発明に従って治療のためのさらなる候補者には、毒性または不十分な有効性のため、エタネルセプト、インフリキシマブ、および/またはアダリムマブ等のTNF阻害因子による過去または現在の治療に対して不十分な反応を経験したことがある者が含まれる。
「活動性関節リウマチ」を有している患者は、活動的であり、潜在的ではないRAの症状がある患者を意味する。「早期活動性関節リウマチ」を有している患者は、RA分類について、改訂された1987年のACR基準に従って、少なくとも8週間であるが4年以上ではない期間、活動性RAであると診断された対象である。
「早期関節リウマチ」を有している対象は、RA分類について、改訂された1987年のACR基準に従って、少なくとも8週間であるが4年以上ではない期間、RAであると診断された対象である。RAには、例えば、若年発症性RA、若年性特発性関節炎(JIA)、または若年性RA(JRA)が含まれる。
「初期RA」を有している患者は、抗CCPおよび共有エピトープ等のRAに特異的な予後バイオマーカーの存在に関連して、RAの診断についてのACR基準を十分に満たさない早期多発性関節炎を患っている。それらには、多発性関節炎を呈するが、まだRAと診断されておらず、真正にACR基準のRAを発症する危険性が高い(95%の可能性)陽性抗CCP抗体を有する患者が含まれる。
「関節損傷」は、広義で使用され、結合組織および軟骨を含む1つ以上の関節の任意の部分に対する損傷または部分的もしくは完全な破壊を指し、損傷は、あらゆる原因による構造的および/または機能的損傷を含み、関節の痛み/関節痛(arthalgia)の原因になる場合あるいは原因にならない場合がある。それには、炎症性関節疾患ならびに非炎症性関節疾患と関連する、またはそれから得られた関節損傷が含まれるが、これらに限定されない。この損傷は、任意の状態、例えば、自己免疫疾患、特に関節炎、およびさらにはRAにより引き起こされ得る。例示的なそのような状態には、急性および慢性の関節炎、関節リウマチ(若年発症性RA、若年性特発性関節炎(JIA)、および若年性関節リウマチ(JRA)を含む)、リウマチ性滑膜炎、痛風もしくは痛風性関節炎、急性の免疫学的関節炎、慢性の炎症性関節炎、変性性関節炎、II型コラーゲン誘導関節炎、感染性関節炎、敗血症性関節炎、ライム病関節炎、増殖性関節炎、乾癬性関節炎、スティル病、椎骨関節炎、骨関節炎、進行性慢性関節炎(arthritis chronica progrediente)、変形性関節炎、原発性慢性多発性関節炎(polyarthritis chronica primaria)、反応性関節炎、閉経性関節炎、エストリゲン枯渇性関節炎、および強直性脊椎炎/リウマチ様脊椎炎)等の病期、RA以外のリウマチ様自己免疫疾患、ならびにRAに続発する重篤な全身性病変(脈管炎、肺線維症、またはフェルティ症候群が含まれるが、これらに限定されない)が含まれる。本明細書での目的のためには、関節は、それを囲み、支持している部分とともに、(動物等の脊椎動物の)骨格の要素の間の接触点であり、例えば、臀部、脊髄の椎骨間の関節、脊髄と骨盤の間の関節(仙腸関節)、腱および靱帯が骨に付着する関節、肋骨と脊髄の間の関節、肩、膝、足、肘、手、指、足首、およびつま先、特に手と足の関節が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「狼瘡」という用語は、概して、結合組織を攻撃する抗体に起因する自己免疫疾患または障害である。狼瘡の主要な形態は、全身性のものであり、皮膚SLEおよび亜急性皮膚SLEを含む全身性紅斑性狼瘡(SLE)、ならびに他の種類の狼瘡(腎炎、腎外、脳炎、小児期、腎外性、円盤状、および脱毛症を含む)である。ある実施形態において、「全身性紅斑性狼瘡」という用語は、皮膚病変、関節の痛みおよび膨張、腎疾患(ループス腎炎)、心臓および/または肺周辺の液体、心臓の炎症、ならびに様々な他の全身性状態をもたらし得る慢性自己免疫疾患を指す。ある実施形態において、「ループス腎炎」という用語は、SLEを有している患者に生じる腎臓の炎症を指す。ループス腎炎は、例えば、糸球体腎炎および/または質性腎炎を含んでもよく、高血圧、タンパク尿、および腎不全を引き起こす場合がある。ループス腎炎は、例えば、International Society of Nephrology/Renal/Pathology Societyによって定義されるような、疾患の重症度および程度に基づいて分類され得る。ループス腎炎の分類には、I型(微小メサンギウムループス腎炎)、II型(メサンギウム増殖性ループス腎炎)、III型(巣状ループス腎炎)、IV型(びまん性分節性(IV−S)もしくはびまん性全節性(IV−G)ループス腎炎)、V型(膜性ループス腎炎)、およびVI型(進行した硬化性ループス腎炎)が含まれる。「ループス腎炎」という用語は、これらの分類のすべてを包含する。
「多発性硬化症」(「MS」)という用語は、ミエリンの進行性破壊を特徴とする中枢神経系の慢性でしばしば身体障害性の疾患を指す。「脱髄」は、ミエリン鞘が炎症を起こし、損傷し、神経線維から離れたときに発生する。国際的に認められるMSの4つの型、つまり、一次進行型多発性硬化症(PPMS)、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次進行型多発性硬化症(SPMS)、および進行再発型多発性硬化症(PRMS)がある。
「一次進行型多発性硬化症」または「PPMS」は、再発と寛解が重なることが全くないその発症からの疾患の緩徐進行を特徴とする。疾患活動性の安定状態の期間がある場合があり、良い日または週と悪い日または週がある場合がある。PPMSは、発症が典型的には30代後半または40代前半であり、男性も女性と同様にそれを発症しやすく、初期疾患活動性が脳内ではなく、脊髄中であることが多いという点において、RRMSおよびSPMSとは異なる。PPMSは、脳に移動することが多いが、RRMSまたはSPMSよりも脳領域を損傷する確率が低く、例えば、PPMSを有している者は、認知的問題を発症する確率が低い。PPMSは、MRIスキャンで炎症性(ガドリウム造影)病変を示す確率が最も低いMSのサブタイプである。この疾患の一次進行型は、多発性硬化症を有しているすべての者の10〜15%に影響を及ぼす。PPMSは、McDonald et al.Ann Neurol 50:121−7(2001)の基準に従って定義することができる。本明細書で治療されるPPMSを有している対象は、通常、PPMSの推定または確定診断を受けた対象である。
「再発寛解型多発性硬化症」または「RRMS」は、新しい症状が出現し、古い症状が再来または悪化し得る期間である再発(増悪としても知られている)を特徴とする。再発後に、寛解期間が続いて、この期間中に、人は、再発中に得た障害から完全または部分的に回復する。再発は、数日、数週間、または数ヶ月続く場合があり、回復は、緩慢で漸進的な場合もあれば、ほとんど瞬時の場合もある。MSを呈する人々の大部分は、まず、RRMSであると診断される。これは、一般には、彼らが20代または30代である場合であるが、かなり早い時期または遅い時期の診断も知られている。男性の2倍多い女性が、MSのこのサブタイプを呈する。再発中、中枢神経系(CNS)の白質領域の神経線維(ニューロン)周辺の保護絶縁髄鞘であるミエリンが体の自身の免疫系による炎症応答で損傷を受け得る。これは、CNSのどの領域が損傷を受けるかによって大幅に異なる多様な神経学的症状を引き起こす。再発直後、炎症応答は治まり、CNSにおける特殊なタイプのグリア細胞(乏突起膠細胞と呼ばれる)が再ミエリン化、つまり、軸索周辺のミエリン鞘を修復することができるプロセスを支援する。寛解に関与し得るのは、この再ミエリン化である。RRMSを有している患者の約50%は、疾患の発症から10年以内にSPMSに転換する。30年後、この数値は90%まで上昇する。どの時点においても、疾患の再発寛解型は、MSを有しているすべての人々のおよそ55%を占める。
「二次進行型多発性硬化症」または「SPMS」は、重なった再発と軽度の寛解とプラトーを伴うかまたは伴わない臨床的神経学的損傷の着実な進行を特徴とする。SPMSを発症する人々は、2年から40年以上程度続く場合があるRRMSの期間を過去に経験しているであろう。任意の重なった再発と寛解は、時間とともに次第に弱まる傾向がある。疾患の二次進行期の発症から、身体障害が始まり、RRMS中に起こったよりもより速く進行するが、進行は、依然として一部の個人においてかなり遅い場合もある。SPMSは、RRMSにおけるよりも低いレベルの炎症性病変形成を伴う傾向にあるが、疾患の全負荷は進行し続ける。どの時点においても、SPMSは、多発性硬化症を有しているすべての人々のおよそ30%を占める。
「進行再発型多発性硬化症」または「PRMS」は、重なった再発と寛解を伴う臨床的神経学的損傷の着実な進行を特徴とする。再発直後に有意な回復があるが、再発の間に症状の徐々の悪化がある。PRMSは、多発性硬化症を有しているすべての人々のおよそ5%に影響を与える。一部の神経内科医は、PRMSがPPMSの変異型であると考えている。
「CD16+疾患」という用語は、哺乳動物のCD16+単球が哺乳動物において罹患を引き起こす、媒介する、またはそうでなければ起因する疾患を意味する。また、CD16+単球の減少が疾患の進行への改善につながる効果を有する疾患も含まれる。CD16+炎症性疾患、感染症、免疫不全症、新生組織形成等が、この用語内に含まれる。ある実施形態において、CD16+炎症性疾患は、メトトレキサート療法に応答しない炎症性疾患を含む。ある実施形態において、CD16+炎症性疾患には、メトトレキサート抵抗性の関節リウマチ、メトトレキサート抵抗性の多発性硬化症、メトトレキサート抵抗性の狼瘡、メトトレキサート抵抗性の炎症性腸疾患、メトトレキサート抵抗性のクローン病、メトトレキサート抵抗性のぜんそく、およびメトトレキサート抵抗性の乾癬が含まれる。ある実施形態において、メトトレキサート抵抗性の疾患、例えば、メトトレキサート抵抗性の関節リウマチを有している患者は、メトトレキサートが不完全な応答者またはメトトレキサートが不十分な応答者と称される。
本発明に従って治療することができるCD16+障害の例には、全身性紅斑性狼瘡、関節リウマチ、若年性慢性関節炎、脊椎関節症、全身性硬化症(強皮症(scieroderma))、突発性炎症性筋障害(皮膚筋炎、多発性筋炎)、シェーグレン症候群、全身性血管炎、サルコイドーシス、自己免疫性溶血性貧血(免疫汎血球減少症、発作性夜間血色素尿症)、自己免疫性血小板減少症(特発性血小板減少性紫斑病、免疫媒介血小板減少症)、甲状腺炎(グレーブス病、橋本甲状腺炎、若年性リンパ球性甲状腺炎、萎縮性甲状腺炎)、真性糖尿病、免疫媒介腎疾患(糸球体腎炎、尿細管間質性腎炎)、中枢および末梢神経系の脱髄疾患、例えば多発性硬化症、特発性脱髄性多発ニューロパシー、またはギランバレー症候群、および慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー、肝胆疾患、例えば感染性肝炎(A型、B型、C型、D型、E型肝炎および他の非肝向性ウイルス)、自己免疫性慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、肉芽腫性肝炎、および硬化性胆管炎、潰瘍性結腸炎、クローン病を含む炎症性腸疾患(IBD)、グルテン過敏性腸疾患、およびウィップル病、水疱性疾患、多形性紅斑、および接触性皮膚炎、乾癬を含む自己免疫性または免疫媒介性皮膚疾患、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物過敏症、および蕁麻疹を含むアレルギー性疾患、好酸球性肺炎、特発性肺線維症、および過敏性肺炎などの肺の免疫疾患、移植片拒絶および移植片対宿主病を含む移植関連疾患、腎臓の線維症および肺の線維症を含む線維症、アテローム性動脈硬化症および冠動脈疾患を含む心臓血管疾患、慢性腎疾患、心筋梗塞、および鬱血性心不全に関連する心臓血管事象、II型糖尿病を含む糖尿病、器質化肺炎を伴う細気管支炎(BOOP)、血球貪食症候群、マクロファージ活性化症候群、サルコイドーシス、および歯周炎が含まれるが、これらに限定されない。AIDS(HIV感染)、A型、B型、C型、D型、およびE型肝炎等のウイルス性疾患、細菌感染、真菌感染、原虫感染、および寄生虫感染を含む感染性疾患。
本明細書で使用される「治療」は、治療的処置および予防的または防御的手段の両方を指し、その目的は、標的とする病的状態または障害を予防するかまたは遅らせる(軽減する)ことである。ある実施形態において、「治療」という用語は、ヒトを含む哺乳動物における疾患の治療薬のいかなる投与または適用を網羅し、疾患または疾患の進行を抑制または減速すること、例えば、退行を生じさせることにより、または喪失、欠落、もしくは低下した機能を回復または修復することにより疾患を部分的または完全に取り除くこと、非効率的な工程を刺激すること、あるいは疾患の安定期に重症度の低下をもたらすことを含む。「治療」という用語はまた、任意の表現型の特徴の重症度を低下させる、および/またはその特徴の発生、程度、または可能性を減少させることも含まれる。治療を必要とするものには、既に疾患を有しているもの、ならびに疾患を有する傾向があるもの、または疾患が予防されるべきものが含まれる。
「慢性」投与は、初期の治療効果(活性)を長期間にわたって維持するために、急性モードとは対照的に、連続モードでの薬剤の投与を指す。「間欠的」投与は、連続的に行われないが、中断を伴わない、むしろ実際には周期的な治療である。
「有効量」または「治療的有効量」という用語は、対象において疾患または障害を治療するために有効な薬物の量を指す。ある実施形態において、有効量は、所望の治療的または予防的結果を達成するために、必要とされる投与量および期間において、有効な量を指す。本発明の抗CSF1R抗体の治療的有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに個体において抗CSF1R抗体が所望の応答を引き出す能力等の要因に応じて異なり得る。治療的有効量は、治療的に有益な効果が抗CSF1R抗体の任意の毒性または有害な効果を上回る量を包含する。
「予防的有効量」は、所望の予防的結果を達成するために、必要とされる投与量および期間において、有効な量を指す。必ずしもではないが、典型的には、予防的用量は、疾患の前に、またはより初期の段階で対象において使用されるために、予防的有効量は、治療的有効量よりも少ない。
1つ以上のさらなる治療物質「と組み合わせた」投与には、同時(併用)投与および任意の順序での連続的投与が含まれる。
「薬学的に許容される担体」は、対象への投与のために「薬学的組成物」をともに含む治療物質とともに用いる当技術分野で慣用の非毒性固体、半固体、または液体の充填剤、希釈剤、封入材料、配合助剤、または担体を指す。薬学的に許容される担体は、使用される用量および濃度で受容者に対して非毒性であり、その配合物の他の原料と適合する。薬学的に許容される担体は、使用される配合物に適している。例えば、治療物質が経口投与される場合、担体は、ゲルカプセルであってもよい。治療物質が皮下投与される場合、この担体は、理論的には、皮膚に対して非刺激性であり、注射部位反応を発生させない。
抗CSF1R抗体
抗CSF1R抗体には、ヒト化抗体、キメラ抗体、マウス抗体、ヒト抗体、ならびに本明細書で論じられる重鎖および/または軽鎖CDRを含む抗体が含まれるが、これらに限定されない。
例示的ヒト化抗体
いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させるヒト化抗体が提供される。ヒト化抗体は、抗体治療薬に対する免疫応答をもたらして、治療薬の有効性を低下させ得る、非ヒト抗体に対するヒト免疫応答(例えば、ヒト抗マウス抗体(HAMA)応答)を減少または排除するため、治療用分子として有用である。
非限定的な例示的ヒト化抗体には、本明細書に記載されるhuAb1〜huAb16が含まれる。また、非限定的な例示的ヒト化抗体には、huAb1〜huAb16から選択される抗体の重鎖可変領域および/またはhuAb1〜huAb16から選択される抗体の軽鎖可変領域を含む抗体も含まれる。非限定的な例示的ヒト化抗体には、SEQ ID NO:39〜45から選択される重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:46〜52から選択される軽鎖可変領域を含む抗体が含まれる。また、例示的ヒト化抗体には、0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3、ならびに/または軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含むヒト化抗体も含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3、ならびに/または軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む。非限定的な例示的ヒト化抗CSF1R抗体には、SEQ ID NO:15、16、および17、SEQ ID NO:21、22、および23、ならびにSEQ ID NO:27、28、および29から選択される重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3の組を含む抗体が含まれる。また、非限定的な例示的ヒト化抗CSF1R抗体には、SEQ ID NO:18、19、および20、SEQ ID NO:24、25、および26、ならびにSEQ ID NO:30、31、および32から選択される軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3の組を含む抗体も含まれる。
非限定的な例示的ヒト化抗CSF1R抗体には、表1(配列番号を示し、配列については表8を参照)の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3と軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3の組を含む抗体が含まれる。表1の各列は、例示的抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3、ならびに軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を示す。
(表1)重鎖CDRおよび軽鎖CDR
Figure 2015517490
さらなる例示的ヒト化抗体
いくつかの実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、SEQ ID NO:9、11、13、および39〜45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖を含み、この抗体はCSF1Rを結合させる。いくつかの実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、SEQ ID NO:10、12、14、および46〜52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖を含み、この抗体はCSF1Rを結合させる。いくつかの実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、SEQ ID NO:9、11、13、および39〜45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:10、12、14、および46〜52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖とを含み、この抗体はCSF1Rを結合させる。
本明細書で使用される、特定のポリペプチドが、例えば、アミノ酸配列と少なくとも95%同一であるかどうかは、例えば、コンピュータプログラムを使用して測定することができる。特定の配列が、例えば、参照配列と95%同一であるかどうかを測定するとき、同一性のパーセンテージは、参照アミノ酸配列の完全長にわたって計算される。
いくつかの実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、本明細書で論じられるCDRのうちの少なくとも1つを含む。すなわち、いくつかの実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、本明細書で論じられる重鎖CDR1、本明細書で論じられる重鎖CDR2、本明細書で論じられる重鎖CDR3、本明細書で論じられる軽鎖CDR1、本明細書で論じられる軽鎖CDR2、および本明細書で論じられる軽鎖CDR3から選択される少なくとも1つのCDRを含む。さらに、いくつかの実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、本明細書で論じられるCDRに基づく少なくとも1つの突然変異CDRを含み、この突然変異CDRは、本明細書で論じられるCDRに対して、1つ、2つ、3つ、または4つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換のうちの1つ以上は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して1つ以上の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、この適切な保存的アミノ酸置換は、突然変異CDRを含む抗体の結合特性を著しく変更することが予測されない。
また、例示的ヒト化抗CSF1R抗体は、本明細書に記載される抗体と、CSF1Rへの結合を競合する抗体も含む。したがって、いくつかの実施形態において、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体、ならびにこれらのFabの二価(すなわち、2つの重鎖と2つの軽鎖を有する)抗体型と、CSF1Rへの結合を競合するヒト化抗CSF1R抗体が提供される。
例示的ヒト化抗体定常領域
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるヒト化抗体は、1つ以上のヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態において、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、およびIgDから選択されるアイソタイプから成る。いくつかの実施形態において、ヒト軽鎖定常領域は、κおよびλから選択されるアイソタイプから成る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるヒト化抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるヒト化抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。いくつかのかかる実施形態において、本明細書に記載されるヒト化抗体は、ヒトIgG4定常領域内にS241P突然変異を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるヒト化抗体は、ヒトIgG4定常領域およびヒトκ軽鎖を含む。
重鎖定常領域の選択により、抗体がインビボでエフェクター機能を有するかどうかを判定することができる。そのようなエフェクター機能には、いくつかの実施形態において、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)および/または補体依存性細胞傷害(CDC)が含まれ、抗体が結合する細胞の殺滅をもたらすことができる。一部の癌を治療する方法を含む、一部の治療方法において、細胞殺滅は、例えば、抗体が腫瘍の維持または成長を支持する細胞に結合する場合に望ましくあり得る。腫瘍の維持または成長を支持し得る例示的細胞には、腫瘍細胞自体、腫瘍の脈管形成を助ける細胞、リガンドを提供する細胞、成長因子、または腫瘍成長もしくは腫瘍生存を支持もしくは促進するカウンター受容体が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖またはヒトIgG3重鎖を含む抗CSF1R抗体が選択される。
一部の治療方法において、エフェクター機能は、望ましくない場合がある。例えば、いくつかの実施形態において、狼瘡および/またはMSおよび/またはRAおよび/または骨溶解の治療において使用される抗体は、エフェクター機能を有さないことが望ましい場合がある。したがって、いくつかの実施形態において、癌の治療のために開発された抗CSF1R抗体は、狼瘡および/またはMSおよび/またはRAおよび/または骨溶解の治療における使用には適さない場合がある。したがって、いくつかの実施形態において、有意なエフェクター機能を欠いている抗CSF1R抗体は、狼瘡および/またはMSおよび/またはRAおよび/または骨溶解の治療において使用される。いくつかの実施形態において、狼瘡および/またはMSおよび/またはRAおよび/または骨溶解の治療のための抗CSF1R抗体は、ヒトIgG4またはIgG2重鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態において、IgG4定常領域は、S241P突然変異を含む。
抗体は、任意の方法によってヒト化してもよい。ヒト化の非限定的な例示的方法には、例えば、米国特許第5,530,101号、同第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号、同第6,180,370号、Jones et al.,Nature 321:522−525(1986)、Riechmann et al.,Nature 332:323−27(1988)、Verhoeyen et al.,Science 239:1534−36(1988)、および米国特許出願公開第2009/0136500号に記載される方法が含まれる。
上述のように、ヒト化抗体は、非ヒト可変領域のフレームワーク領域内の少なくとも1つのアミノ酸が、ヒトフレームワーク領域内の対応する位置のアミノ酸に置換されている抗体である。いくつかの実施形態において、非ヒト可変領域のフレームワーク領域内の少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも15個、または少なくとも20個のアミノ酸は、1個以上のヒトフレームワーク領域内の1個以上の対応する位置のアミノ酸に置換される。
いくつかの実施形態において、置換に使用される対応するヒトアミノ酸のいくつかは、異なるヒト免疫グロブリン遺伝子のフレームワーク領域に由来する。すなわち、いくつかのかかる実施形態において、非ヒトアミノ酸のうちの1つ以上は、第1のヒト抗体のヒトフレームワーク領域に由来するか、または第1のヒト免疫グロブリン遺伝子によってコードされた対応するアミノ酸に置換されてもよく、非ヒトアミノ酸のうちの1つ以上は、第2のヒト抗体のヒトフレームワーク領域に由来するか、または第2のヒト免疫グロブリン遺伝子によってコードされた対応するアミノ酸に置換されてもよく、非ヒトアミノ酸のうちの1つ以上は、第3のヒト抗体のヒトフレームワーク領域に由来するか、または第3のヒト免疫グロブリン遺伝子によってコードされた対応するアミノ酸に置換されてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、単一のフレームワーク領域、例えば、FR2において置換に使用される対応するヒトアミノ酸のすべてが、同じヒトフレームワークに由来する必要はない。しかしながら、いくつかの実施形態において、置換のために使用される対応するヒトアミノ酸のすべてが、同じヒト抗体に由来するか、または同じヒト免疫グロブリン遺伝子によってコードされる。
いくつかの実施形態において、抗体は、1つ以上の全フレームワーク領域を対応するヒトフレームワーク領域に置換することによってヒト化する。いくつかの実施形態において、置換される非ヒトフレームワーク領域に対して最高レベルの相同性を有するヒトフレームワーク領域が選択される。いくつかの実施形態において、そのようなヒト化抗体は、CDRグラフト抗体である。
いくつかの実施形態において、CDRグラフト後、1つ以上のフレームワークアミノ酸を、マウスフレームワーク領域内の対応するアミノ酸に戻す。そのような「復帰突然変異」は、いくつかの実施形態において、1つ以上のCDRの構造に起因していると思われる、および/または抗原接着に関与しているかもしれない、および/または抗体の全体的な構造的完全性に関与していると思われる、1つ以上のマウスフレームワークアミノ酸を保持するように行われる。いくつかの実施形態において、10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1つ、または0個の復帰突然変異を、CDRグラフト後の抗体のフレームワーク領域に生じさせる。
いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト重鎖定常領域および/またはヒト軽鎖定常領域も含む。
例示的キメラ抗体
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、キメラ抗体である。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、少なくとも1つの非ヒト可変領域と少なくとも1つのヒト定常領域とを含む。いくつかのかかる実施形態において、抗CSF1R抗体の可変領域はすべて、非ヒト可変領域であり、抗CSF1R抗体の定常領域はすべて、ヒト定常領域である。いくつかの実施形態において、キメラ抗体の1つ以上の可変領域は、マウス可変領域である。キメラ抗体のヒト定常領域は、それが置換する非ヒト定常領域がもし存在したとしても、非ヒト定常領域と同じアイソタイプである必要はない。キメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号、およびMorrison et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851−55(1984)において論じられている。
非限定的な例示的キメラ抗体には、0301、0302、および0311から選択される抗体の重および/または軽鎖可変領域を含むキメラ抗体が含まれる。さらなる非限定的な例示的キメラ抗体には、0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3、ならびに/または軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含むキメラ抗体が含まれる。
非限定的な例示的キメラ抗CSF1R抗体には、重および軽鎖可変領域の以下の対を含む抗体が含まれる:SEQ ID NO:9および10、SEQ ID NO:11および12、ならびにSEQ ID NO:13および14。
非限定的な例示的抗CSF1R抗体には、上記の表1に示される重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3と、軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3との組を含む抗体が含まれる。
さらなる例示的キメラ抗体
いくつかの実施形態において、キメラ抗CSF1R抗体は、SEQ ID NO:9、11、13、および39〜45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖を含み、この抗体は、CSF1Rを結合させる。いくつかの実施形態において、キメラ抗CSF1R抗体は、SEQ ID NO:10、12、14、および46〜52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖を含み、この抗体は、CSF1Rを結合させる。いくつかの実施形態において、キメラ抗CSF1R抗体は、SEQ ID NO:9、11、13、および39〜45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:10、12、14、および46〜52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖とを含み、この抗体はCSF1Rを結合させる。
いくつかの実施形態において、キメラ抗CSF1R抗体は、本明細書で論じられるCDRのうちの少なくとも1つを含む。すなわち、いくつかの実施形態において、キメラ抗CSF1R抗体は、本明細書で論じられる重鎖CDR1、本明細書で論じられる重鎖CDR2、本明細書で論じられる重鎖CDR3、本明細書で論じられる軽鎖CDR1、本明細書で論じられる軽鎖CDR2、および本明細書で論じられる軽鎖CDR3から選択される少なくとも1つのCDRを含む。さらに、いくつかの実施形態において、キメラ抗CSF1R抗体は、本明細書で論じられるCDRに基づく少なくとも1つの突然変異CDRを含み、この突然変異CDRは、本明細書で論じられるCDRに対して、1つ、2つ、3つ、または4つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換のうちの1つ以上は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して1つ以上の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、この適切な保存的アミノ酸置換は、突然変異CDRを含む抗体の結合特性を著しく変更することが予測されない。
また、例示的キメラ抗CSF1R抗体は、本明細書に記載される抗体と、CSF1Rへの結合を競合するキメラ抗体も含む。したがって、いくつかの実施形態において、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体、ならびにこれらのFabの二価(すなわち、2つの重鎖と2つの軽鎖を有する)抗体型と、CSF1Rへの結合を競合するキメラ抗CSF1R抗体が提供される。
例示的キメラ抗体定常領域
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるキメラ抗体は、1つ以上のヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態において、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、およびIgDから選択されるアイソタイプから成る。いくつかの実施形態において、ヒト軽鎖定常領域は、κおよびλから選択されるアイソタイプから成る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるキメラ抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるキメラ抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。いくつかのかかる実施形態において、本明細書に記載されるキメラ抗体は、ヒトIgG4定常領域内にS241P突然変異を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるキメラ抗体は、ヒトIgG4定常領域およびヒトκ軽鎖を含む。
上述のように、エフェクター機能が望ましいかどうかは、抗体用である特定の治療方法によって異なり得る。したがって、いくつかの実施形態において、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域またはヒトIgG3重鎖定常領域を含むキメラ抗CSF1R抗体が選択される。いくつかの実施形態において、エフェクター機能が望ましくばい場合、ヒトIgG4またはIgG2重鎖定常領域を含むキメラ抗CSF1R抗体が選択される。
例示的ヒト抗体
ヒト抗体は、任意の好適な方法によって作製することができる。非限定的な例示的方法は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むトランスジェニックマウスにおいて、ヒト抗体を作製する段階を含む。例えば、Jakobovits et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2551−55(1993)、Jakobovits et al.,Nature 362:255−8(1993)、Lonberg et al.,Nature 368:856−9(1994)、ならびに米国特許第5,545,807号、同第6,713,610号、同第6,673,986号、同第6,162,963号、同第5,545,807号、同第6,300,129号、同第6,255,458号、同第5,877,397号、同第5,874,299号、および同第5,545,806号を参照されたい。
非限定的な例示的方法には、ファージディスプレイライブラリーを使用したヒト抗体を作製する段階も含まれる。例えば、Hoogenboom et al.,J.Mol.Biol.227:381−8(1992)、Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581−97(1991)、およびPCT公報番号WO99/10494も参照されたい。
いくつかの実施形態において、ヒト抗CSF1R抗体は、SEQ ID NO:1の配列を有するポリペプチドに結合する。また、例示的ヒト抗CSF1R抗体には、本明細書に記載される抗体と、CSF1Rへの結合を競合する抗体も含まれる。したがって、いくつかの実施形態において、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体、ならびにこれらのFabの二価(すなわち、2つの重鎖と2つの軽鎖とを有する)抗体型と、CSF1Rへの結合を競合するヒト抗CSF1R抗体が提供される。
いくつかの実施形態において、ヒト抗CSF1R抗体は、1つ以上のヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態において、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、およびIgDから選択されるアイソタイプから成る。いくつかの実施形態において、ヒト軽鎖定常領域は、κおよびλから選択されるアイソタイプから成る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるヒト抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるヒト抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。いくつかのかかる実施形態において、本明細書に記載されるヒト抗体は、ヒトIgG4定常領域内にS241P突然変異を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるヒト抗体は、ヒトIgG4定常領域およびヒトκ軽鎖を含む。
いくつかの実施形態において、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域またはヒトIgG3重鎖定常領域を含むヒト抗CSF1R抗体が選択される。いくつかの実施形態において、エフェクター機能が望ましくない場合、ヒトIgG4またはIgG2重鎖定常領域を含むヒト抗CSF1R抗体が選択される。
さらなる例示的抗CSF1R抗体
例示的抗CSF1R抗体にはまた、例えば、本明細書に記載されるCDR配列のうちの1つ以上を含むマウス、ヒト化、ヒト、キメラ、および操作された抗体が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載される重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載される軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載される重鎖可変領域と本明細書に記載される軽鎖可変領域とを含む。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載される重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載される軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載される重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3と、本明細書に記載される軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3とを含む。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖可変領域を含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体には、ヒト化抗体huAb1〜huAb16から選択される抗体の重鎖可変領域を含む抗体も含まれる。非限定的な例示的抗CSF1R抗体には、SEQ ID NO:9、11、13、および39〜45から選択される配列を含む重鎖可変領域を含む抗体が含まれる。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、および311から選択される抗体の軽鎖可変領域を含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体には、ヒト化抗体huAb1〜huAb16から選択される抗体の軽鎖可変領域を含む抗体も含まれる。非限定的な例示的抗CSF1R抗体には、SEQ ID NO:10、12、14、および46〜52から選択される配列を含む軽鎖可変領域を含む抗体が含まれる。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体には、ヒト化抗体huAb1〜huAb16から選択される抗体の重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含む抗体も含まれる。非限定的な例示的抗CSF1R抗体には、重および軽鎖可変領域の以下の対を含む抗体が含まれる:SEQ ID NO:9および10、SEQ ID NO:11および12、SEQ ID NO:13および14、SEQ ID NO:39および40、SEQ ID NO:41および42、SEQ ID NO:43および44、SEQ ID NO:45および46、SEQ ID NO:47および48、SEQ ID NO:49および50、ならびにSEQ ID NO:51および52。非限定的な例示的抗CSF1R抗体には、重および軽鎖の以下の対を含む抗体も含まれる:SEQ ID NO:33および34、SEQ ID NO:35および36、ならびにSEQ ID NO:37および38。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体には、SEQ ID NO:15、16、および17、SEQ ID NO:21、22、および23、ならびにSEQ ID NO:27、28、および29から選択される重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3の組を含む抗体が含まれる。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体には、SEQ ID NO:18、19、および20、SEQ ID NO:24、25、および26、ならびにSEQ ID NO:30、31、および32から選択される軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3の組を含む抗体が含まれる。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3と、軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3とを含む。
非限定的な例示的抗CSF1R抗体には、上記の表1に示される重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3と、軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3との組を含む抗体が含まれる。
さらなる例示的抗体
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、SEQ ID NO:9、11、13、および39〜45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖を含み、この抗体は、CSF1Rを結合させる。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、SEQ ID NO:10、12、14、および46〜52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖を含み、この抗体は、CSF1Rを結合させる。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、SEQ ID NO:9、11、13、および39〜45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:10、12、14、および46〜52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖とを含み、この抗体はCSF1Rを結合させる。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書で論じられるCDRのうちの少なくとも1つを含む。すなわち、いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書で論じられる重鎖CDR1、本明細書で論じられる重鎖CDR2、本明細書で論じられる重鎖CDR3、本明細書で論じられる軽鎖CDR1、本明細書で論じられる軽鎖CDR2、および本明細書で論じられる軽鎖CDR3から選択される少なくとも1つのCDRを含む。さらに、いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書で論じられるCDRに基づく少なくとも1つの突然変異CDRを含み、この突然変異CDRは、本明細書で論じられるCDRに対して、1つ、2つ、3つ、または4つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換のうちの1つ以上は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して1つ以上の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、この適切な保存的アミノ酸置換は、突然変異CDRを含む抗体の結合特性を著しく変更することが予測されない。
また、例示的抗CSF1R抗体は、本明細書に記載される抗体と、CSF1Rへの結合を競合する抗体も含む。したがって、いくつかの実施形態において、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体、ならびにこれらのFabの二価(すなわち、2つの重鎖と2つの軽鎖を有する)抗体型と、CSF1Rへの結合を競合する抗CSF1R抗体が提供される。
例示的抗体定常領域
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗体は、1つ以上のヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態において、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、およびIgDから選択されるアイソタイプから成る。いくつかの実施形態において、ヒト軽鎖定常領域は、κおよびλから選択されるアイソタイプから成る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。いくつかのかかる実施形態において、本明細書に記載される抗体は、ヒトIgG4定常領域内にS241P突然変異を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗体は、ヒトIgG4定常領域およびヒトκ軽鎖を含む。
上述のように、エフェクター機能が望ましいかどうかは、抗体用である特定の治療方法によって異なり得る。したがって、いくつかの実施形態において、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域またはヒトIgG3重鎖定常領域を含む抗CSF1R抗体が選択される。いくつかの実施形態において、エフェクター機能が望ましくない場合、ヒトIgG4またはIgG2重鎖定常領域を含む抗CSF1R抗体が選択される。
例示的抗CSF1R重鎖可変領域
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖可変領域が提供される。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、マウス可変領域、ヒト可変領域、またはヒト化可変領域である。
抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、重鎖CDR1、FR2、CDR2、FR3、およびCDR3を含む。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、重鎖FR1および/またはFR4をさらに含む。非限定的な例示的重鎖可変領域には、SEQ ID NO:9、11、13、および39〜45から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、SEQ ID NO:15、21、および27から選択される配列を含むCDR1を含む。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、SEQ ID NO:16、22、および28から選択される配列を含むCDR2を含む。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、SEQ ID NO:17、23、および29から選択される配列を含むCDR3を含む。
非限定的な例示的重鎖可変領域には、SEQ ID NO:15、16、および17、SEQ ID NO:21、22、および23、ならびにSEQ ID NO:27、28、および29から選択されるCDR1、CDR2、およびCDR3の組を含む重鎖可変領域が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖は、SEQ ID NO:9、11、13、および39〜45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含み、この重鎖は軽鎖と一緒になって、CSF1Rを結合させる抗体を形成することが可能である。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖は、本明細書で論じられるCDRのうちの少なくとも1つを含む。すなわち、いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖は、本明細書で論じられる重鎖CDR1、本明細書で論じられる重鎖CDR2、および本明細書で論じられる重鎖CDR3から選択される少なくとも1つのCDRを含む。さらに、いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖は、本明細書で論じられるCDRに基づく少なくとも1つの突然変異CDRを含み、この突然変異CDRは、本明細書で論じられるCDRに対して、1つ、2つ、3つ、または4つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換のうちの1つ以上は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して1つ以上の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、この適切な保存的アミノ酸置換は、突然変異CDRを含む重鎖の結合特性を著しく変更することが予測されない。
いくつかの実施形態において、重鎖は、重鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態において、重鎖は、ヒト重鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態において、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、およびIgDから選択されるアイソタイプから成る。いくつかの実施形態において、ヒト重鎖定常領域は、IgG定常領域である。いくつかの実施形態において、重鎖は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。いくつかのかかる実施形態において、ヒトIgG4重鎖定常領域は、S241P突然変異を含む。
いくつかの実施形態において、エフェクター機能が望ましい場合、重鎖は、ヒトIgG1またはIgG3重鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態において、エフェクター機能があまり望ましくない場合、重鎖は、ヒトIgG4またはIgG2重鎖定常領域を含む。
例示的抗CSF1R軽鎖可変領域
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域が提供される。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、マウス可変領域、ヒト可変領域、またはヒト化可変領域である。
抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、軽鎖CDR1、FR2、CDR2、FR3、およびCDR3を含む。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、軽鎖FR1および/またはFR4をさらに含む。非限定的な例示的軽鎖可変領域には、SEQ ID NO:10、12、14、および46〜52から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域が含まれる。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:18、24、および30から選択される配列を含むCDR1を含む。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:19、25、および31から選択される配列を含むCDR2を含む。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:20、26、および32から選択される配列を含むCDR3を含む。
非限定的な例示的軽鎖可変領域には、SEQ ID NO:18、19、および20、SEQ ID NO:24、25、および26、ならびにSEQ ID NO:30、31、および32から選択されるCDR1、CDR2、およびCDR3の組を含む軽鎖可変領域が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖は、SEQ ID NO:10、12、14、および46〜52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含み、この軽鎖は重鎖と一緒になって、CSF1Rを結合させる抗体を形成することが可能である。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖は、本明細書で論じられるCDRのうちの少なくとも1つを含む。すなわち、いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖は、本明細書で論じられる軽鎖CDR1、本明細書で論じられる軽鎖CDR2、および本明細書で論じられる軽鎖CDR3から選択される少なくとも1つのCDRを含む。さらに、いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖は、本明細書で論じられるCDRに基づく少なくとも1つの突然変異CDRを含み、この突然変異CDRは、本明細書で論じられるCDRに対して、1つ、2つ、3つ、または4つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換のうちの1つ以上は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して1つ以上の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、この適切な保存的アミノ酸置換は、突然変異CDRを含む軽鎖の結合特性を著しく変更することが予測されない。
いくつかの実施形態において、軽鎖は、ヒト軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態において、ヒト軽鎖定常領域は、ヒトκおよびヒトλ軽鎖定常領域から選択される。
例示的なさらなるCSF1R結合分子
いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させるさらなる分子が提供される。そのような分子には、非標準骨格、例えば、アンチカリン、アドネクチン、アンキリン反復等が含まれるが、これらに限定されない。例えば、Hosse et al.,Prot.Sci.15:14(2006)、Fiedler,M.and Skerra,A.,"Non−Antibody Scaffolds," pp.467−499 in Handbook of Therapeutic Antibodies,Dubel,S.,ed.,Wiley−VCH,Weinheim,Germany,2007を参照されたい。
抗CSF1R抗体の例示的特性
いくつかの実施形態において、上述の構造を有する抗体は、1nM未満の結合親和性(K)を有するCSF1Rに結合し、CSF1RへのCSF1および/またはIL−34の結合を遮断し、かつCSF1および/またはIL−34誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1Rの細胞外ドメイン(CSF1R−ECD)に結合する。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1Rに対して1nM未満、0.5nM未満、0.1nM未満、または0.05nM未満の結合親和性(K)を有する。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、0.01〜1nM、0.01〜0.5nM、0.01〜0.1nM、0.01〜0.05nM、または0.02〜0.05nMのKを有する。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1Rへのリガンド結合を遮断する。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1RへのCSF1の結合を遮断する。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1RへのIL−34の結合を遮断する。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1RへのCSF1およびIL−34の両方の結合を遮断する。いくつかの実施形態において、リガンド結合を遮断する抗体は、CSF1Rの細胞外ドメインに結合する。抗体は、実施例7に記載されるアッセイ法を使用して、CSF1Rへのリガンドの検出可能な結合の量を少なくとも50%減少させる場合に、「CSF1Rへのリガンド結合を遮断する」と見なされる。いくつかの実施形態において、抗体は、実施例7に記載されるアッセイ法を使用して、CSF1Rへのリガンドの検出可能な結合の量を少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%減少させる。いくつかのかかる実施形態において、抗体は、リガンド結合を少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%等遮断するとされる。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、リガンド誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、IL−34誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1誘導性およびIL−34誘導性のCSF1Rのリン酸化をともに抑制する。抗体は、実施例6に記載されるアッセイ法を使用して、検出可能なリガンド誘導性のCSF1Rのリン酸化の量を少なくとも50%減少させる場合に、「リガンド誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する」と見なされる。いくつかの実施形態において、抗体は、実施例6に記載されるアッセイ法を使用して、検出可能なリガンド誘導性のCSF1Rのリン酸化の量を少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%減少させる。いくつかのかかる実施形態において、抗体は、リガンド誘導性のCSF1Rのリン酸化を少なくとも少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%等抑制するとされる。
いくつかの実施形態において、抗体は、CSF1および/またはIL−34の存在下での単球の増殖および/または生存応答を抑制する。抗体は、実施例10に記載されるアッセイ法を使用して、CSF1および/またはIL−34の存在下での単球の増殖および/または生存応答の量を少なくとも50%抑制する場合に、「単球の増殖および/または生存応答を抑制する」と見なされる。いくつかの実施形態において、抗体は、実施例10に記載されるアッセイ法を使用して、CSF1および/またはIL−34の存在下での単球の増殖および/または生存応答の量を少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%抑制する。いくつかのかかる実施形態において、抗体は、単球の増殖および/または生存応答を少なくとも少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%等抑制するとされる。
例示的抗体コンジュゲート
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体を、標識および/または細胞毒性物質にコンジュゲートする。本明細書で使用される、標識は、抗体の検出を促進する、および/または抗体が結合する分子の検出を促進する部分である。非限定的な例示的標識には、放射性同位体、蛍光基、酵素基、化学発光基、ビオチン、エピトープタグ、金属結合タグ等が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、目的の用途に準じて、適切な標識を選択することができる。
本明細書で使用される、細胞毒性物質は、1つ以上の細胞の増殖能を低下させる部分である。細胞は、例えば、その細胞がアポトーシスを遂げるか、またはそうでなければ死滅する、その細胞が細胞周期を進行させることができない、および/または***できない、その細胞が分化するため、その細胞が増殖しにくくなった場合に、低下した増殖能を有する。非限定的な例示的細胞毒性物質には、放射性同位体、毒素、および化学療法剤が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、目的の用途に準じて適切な細胞毒性を選択することができる。
いくつかの実施形態において、インビトロで化学的方法を使用して、標識および/または細胞毒性物質を、抗体にコンジュゲートする。非限定的なコンジュゲーションの例示的化学的方法が、当技術分野で知られており、例えば、Thermo Scientific Life Science Research Produces(旧Pierce、Rockford,IL)、Prozyme(Hayward,CA)、SACRI Antibody Services(Calgary,Canada)、AbD Serotec(Raleigh,NC)等から市販されているサービス、方法、および/または試薬が含まれる。いくつかの実施形態において、標識および/または細胞毒性物質がポリペプチドである場合、この標識および/または細胞毒性物質を、少なくとも1つの抗体鎖を有する同じ発現ベクターから発現させて、抗体鎖に融合する標識および/または細胞毒性物質を含むポリペプチドを産生することができる。当業者は、目的の用途に準じて、標識および/または細胞毒性物質を抗体にコンジュゲートするための適切な方法を選択することができる。
例示的リーダー配列
一部の分泌タンパク質が大量に発現および分泌するためには、異種タンパク質由来のリーダー配列が望ましい場合がある。いくつかの実施形態において、リーダー配列は、それぞれ、軽鎖および重鎖リーダー配列であるSEQ ID NO:3および4から選択される。いくつかの実施形態において、異種リーダー配列を使用することは、分泌プロセス中、リーダー配列がERで除去される際に、得られた成熟ポリペプチドが変化しないままであるという点において有利となり得る。異種リーダー配列の付加は、一部のタンパク質を発現および分泌するために必要となり得る。
ある例示的リーダー配列の配列は、例えば、Department of Biochemistry,National University of Singaporeによって維持されるオンラインのLeader sequence Databaseに記載されている。Choo et al.,BMC Bioinformatics,6:249(2005)およびPCT公報番号WO2006/081430を参照されたい。
抗CSF1R抗体をコードする核酸分子
抗CSF1R抗体の1つ以上の鎖をコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子が提供される。いくつかの実施形態において、核酸分子は、抗CSF1R抗体の重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、核酸分子は、抗CSF1R抗体の重鎖をコードするポリヌクレオチドと軽鎖をコードするポリヌクレオチドとの両方を含む。いくつかの実施形態において、第1の核酸分子は、重鎖をコードする第1のポリヌクレオチドを含み、第2の核酸分子は、軽鎖をコードする第2のポリヌクレオチドを含む。
いくつかのかかる実施形態において、この重鎖および軽鎖は、1つの核酸分子から、または2つの別個の核酸分子から2つの別個のポリペプチドとして発現される。いくつかの実施形態において、例えば、抗体がscFvである場合に、単一のポリヌクレオチドは、一緒に連結した重鎖と軽鎖との両方を含む単一のポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体の重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、翻訳される場合に、重鎖または軽鎖のN末端に位置するリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を含む。上で論じたように、リーダー配列は、天然の重鎖または軽鎖リーダー配列であってもよく、または別の異種リーダー配列であってもよい。
核酸分子は、当技術分野で慣用の組み換えDNA技術を使用して構築されてもよい。いくつかの実施形態において、核酸分子は、選択される宿主細胞中での発現に適している発現ベクターである。
抗CSF1R抗体の発現および産生
ベクター
抗CSF1R重鎖および/または抗CSF1R軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。抗CSF1R重鎖および/または抗CSF1R軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含むベクターも提供される。そのようなベクターには、DNAベクター、ファージベクター、ウイルスベクター、レトロウイルスベクター等が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、ベクターは、重鎖をコードする第1のポリヌクレオチド配列と、軽鎖をコードする第2のポリヌクレオチド配列とを含む。いくつかの実施形態において、この重鎖および軽鎖は、2つの別個のポリペプチドとしてベクターから発現される。いくつかの実施形態において、この重鎖および軽鎖は、例えば、抗体がscFvである場合のような、単一のポリペプチドの一部として発現される。
いくつかの実施形態において、第1のベクターは、重鎖をコードするポリヌクレオチドを含み、第2のベクターは、軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、第1のベクターおよび第2のベクターを、同様の量(例えば、同様のモル量または同様の質量)で宿主細胞にトランスフェクトする。いくつかの実施形態において、モルまたは質量比5:1〜1:5の第1のベクターおよび第2のベクターを、宿主細胞にトランスフェクトする。いくつかの実施形態において、重鎖をコードするベクターおよび軽鎖をコードするベクターに関しては、質量比1:1〜1:5を使用する。いくつかの実施形態において、重鎖をコードするベクターおよび軽鎖をコードするベクターに関しては、質量比1:2を使用する。
いくつかの実施形態において、CHOもしくはCHO由来の細胞、またはNSO細胞中でのポリペプチドの発現に最適化されるベクターが選択される。例示的なそのようなベクターは、例えば、Running Deer et al.,Biotechnol.Prog.20:880−889(2004)に記載されている。
いくつかの実施形態において、ヒトを含む動物において、抗CSF1R重鎖および/または抗CSF1R軽鎖のインビボ発現のためのベクターが選択される。いくつかのかかる実施形態において、ポリペプチドの発現は、組織に特異的な様式で機能するプロモーターの制御下で行われる。例えば、肝臓に特異的なプロモーターは、例えば、PCT公報番号WO2006/076288に記載されている。
宿主細胞
様々な実施形態において、抗CSF1R重鎖および/または抗CSF1R軽鎖は、原核細胞、例えば細菌細胞、または真核細胞、例えば真菌細胞(酵母等)、植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞中で発現され得る。そのような発現は、例えば、当技術分野で知られている手順に従って実施され得る。ポリペプチドを発現させるために使用され得る例示的真核細胞には、COS7細胞を含むCOS細胞、293−6E細胞を含む293細胞、CHO−SおよびDG44細胞を含むCHO細胞、PER.C6(登録商標)細胞(Crucell)、ならびにNSO細胞が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、抗CSF1R重鎖および/または抗CSF1R軽鎖は、酵母中で発現され得る。例えば、米国特許出願公開第2006/0270045 A1号を参照されたい。いくつかの実施形態において、抗CSF1R重鎖および/または抗CSF1R軽鎖に対して所望の翻訳後修飾を行うその能力に基づいて、特定の真核宿主細胞が選択される。例えば、いくつかの実施形態において、CHO細胞は、293細胞中で産生される同じポリペプチドよりも高いレベルのシアリル化を有するポリペプチドを生産する。
所望の宿主細胞への1つ以上の核酸の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染等が含まれるが、これらに限定されない、任意の方法によって達成され得る。非限定的な例示的方法は、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,3rd ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)に記載されている。核酸は、任意の適切な方法に従って、所望の宿主細胞に一時的または安定にトランスフェクトしてもよい。
いくつかの実施形態において、1つ以上のポリペプチドは、任意の適切な方法に従って、ポリペプチドをコードする1つ以上の核酸分子で操作またはトランスフェクトされた動物において、インビボで産生され得る。
抗CSF1R抗体の精製
抗CSF1R抗体は、任意の適切な方法によって精製してもよい。そのような方法には、親和性マトリックスまたは疎水性相互作用クロマトグラフィーの使用等が含まれるが、これらに限定されない。適切な親和性リガンドには、CSF1R ECDおよび抗体定常領域を結合させるリガンドが含まれる。例えば、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G、または抗体親和性カラムを使用して、定常領域を結合させ、かつ抗CSF1R抗体を精製してもよい。疎水性相互作用クロマトグラフィー、例えば、ブチルまたはフェニルカラムも、一部のポリペプチドを精製するのに適していることがある。ポリペプチドを精製する多くの方法が、当技術分野で知られている。
抗CSF1R抗体の無細胞産生
いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、無細胞系で産生される。非限定的な例示的無細胞系は、例えば、Sitaraman et al.,Methods Mol.Biol.498:229−44(2009)、Spirin,Trends Biotechnol.22:538−45(2004)、Endo et al.,Biotechnol.Adv.21:695−713(2003)に記載されている。
治療的組成物および方法
抗CSF1R抗体を使用した疾患を治療する方法
CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体を用いて、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、関節リウマチ、および多発性硬化症を治療する方法が本明細書で提供される。
いくつかの実施形態において、SLEを治療する方法が提供される。いくつかのかかる実施形態において、本方法は、SLEを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、SLEを治療することは、SLEに関連する皮膚病変の発生および/または重症度を低下させること、および/または糸球体腎炎、間質性腎炎、および血管周囲性浸潤から選択される腎臓状態を減少させることを意味する。いくつかの実施形態において、ループス腎炎を治療する方法が提供され、本方法は、ループス腎炎を有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、I型、II型、III型、IV型、V型、およびVI型ループス腎炎から選択される1つの型のループス腎炎を治療する方法が提供され、本方法は、ループス腎炎を有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。III型およびIV型ループス腎炎は、他の型のループス腎炎よりも著しく多いCD16+単球数を有する。Yoshimoto et al.,Am.J.Kidney Dis.50:47−58(2007)を参照されたい。したがって、いくつかの実施形態において、III型またはIV型ループス腎炎を治療する方法が提供され、本方法は、ループス腎炎を有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかのかかる実施形態において、本方法は、対象に、huAb1を投与する段階を含む。
いくつかの実施形態において、SLEに関連する皮膚病変を治療する方法が提供され、本方法は、SLEを有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、SLEに関連する皮膚病変を治療する方法は、SLEを有している対象に、huAb1を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、SLEに関連する皮膚病変の数、重症度、および/または形成速度を低下させる方法が提供され、本方法は、SLEを有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、SLEに関連する皮膚病変の数、重症度、および/または形成速度を低下させる方法は、SLEを有している対象に、huAb1を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、皮膚病変の数、重症度、および/または形成速度は、目視検査によって判定され得る。そのような目視検査は、例えば、臨床医または対象によって行われ得る(例えば、自己報告の目視検査)。
いくつかの実施形態において、SLEに関連する腎臓状態を治療する方法が提供される。いくつかのかかる実施形態において、本方法は、SLEに関連する腎臓状態を有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、抗体huAb1が、対象に投与される。いくつかの実施形態において、腎臓状態は、糸球体腎炎、間質性腎炎、および血管周囲性浸潤から選択される。いくつかの実施形態において、ループス腎炎を治療する方法が提供され、本方法は、ループス腎炎を有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、ループス腎炎を治療する方法は、ループス腎炎を有している対象に、抗体huAb1を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、ループス腎炎における腎臓損傷の程度は、超音波検査法、シンチグラフィー、腎盂造影法、または針生検を使用して判定され得る。いくつかの実施形態において、ループス腎炎における腎臓損傷の程度は、腎機能を測定すること、例えば、タンパク尿および/または糸球体濾過速度を測定することによっても判定され得る。
いくつかの実施形態において、ループス腎炎に関連するタンパク尿を減少させる方法が提供され、本方法は、タンパク尿を示す対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。タンパク尿は、計深棒試験、タンパク質/クレアチニン比、血清アルブミン/クレアチニン比、およびタンパク質電気泳動が含まれるが、これらに限定されない、当技術分野における任意の方法によって検出され得る。いくつかの実施形態において、尿中のタンパク質レベルは、痕跡(5〜20mg/dl)、1+(30mg/dl)、2+(100mg/dl)、3+(300mg/dl)、および4+(>2000mg/dl)の階級を使用して示され得る。200mg/g未満のタンパク質/クレアチニン比は、正常であると見なされる。男性および女性において、それぞれ、17mg/g未満および25mg/g未満の血清アルブミン/クレアチニン比は、正常であると見なされる。タンパク尿は、24時間の尿***における300mg/日超の総タンパク量またはアルブミンの存在として、スポット尿の計深棒の測定結果については30mg/dL超の総タンパク量(すなわち、上記の階級において1+またはそれ以上)として、200mg/g超の総タンパク量/クレアチニン比として、スポット尿の測定結果については300mg/g超のアルブミン/クレアチニン比(またはスポット尿の測定結果については男性では250mg/g超のアルブミン/クレアチニン比、スポット尿の測定結果については女性では355mg/g超のアルブミン/クレアチニン比)として、米国腎臓財団の腎臓病予後改善対策(National Kidney Foundation Kidney Disease Outcome Quality Initiative)によって定義されている。
いくつかの実施形態において、対象への、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体の投与は、タンパク尿を「痕跡、1+、2+、3+、4+」の階級で少なくとも1段階または少なくとも2段階減少させる。すなわち、いくつかの実施形態において、3+のタンパク尿を有する対象への、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体の投与は、タンパク尿を2+レベル以下、または1+レベル以下まで減少させる。いくつかの実施形態において、対象への、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体の投与は、タンパク質/クレアチニン比および/またはアルブミン/クレアチニン比を少なくとも50mg/g、少なくとも100mg/g、少なくとも150mg/g、少なくとも200mg/g、少なくとも250mg/g、または少なくとも300mg/g減少させる。いくつかの実施形態において、対象への、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体の投与は、タンパク質/クレアチニン比および/またはアルブミン/クレアチニン比を250mg/g未満、200mg/g未満、150mg/g未満、または100mg/g未満まで減少させる。いくつかの実施形態において、対象への、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体の投与は、タンパク質/クレアチニン比および/またはアルブミン/クレアチニン比を正常比の2倍以内、3倍以内、4倍以内、5倍以内まで減少させる。いくつかの実施形態において、タンパク尿の減少は、治療開始から、最初の1週間、最初の2週間、最初の1ヶ月、最初の2ヶ月、最初の3ヶ月、最初の4ヶ月、または最初の6ヶ月で判定される。いくつかの実施形態において、対象は、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体で治療しながら、タンパク尿の持続的な抑制についてモニタリングされる。
いくつかの実施形態において、ループス腎炎を有している対象において糸球体濾過速度を向上させる方法が提供され、本方法は、ループス腎炎を有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。糸球体濾過速度は、当技術分野における任意の方法によって決定され、これには、インスリンまたはシニストリンの血清または尿レベル(いくつかの実施形態において、インスリンまたはシニストリンは、分析前に注射される)、24の尿回収および血清中のクレアチニン濃度から推定されるクレアチニンクリアランス、ならびに血清シスタチンC値が含まれるが、これらに限定されない。成人における正常な糸球体濾過速度は、90〜130ml/分/1.73mの範囲内である。90ml/分/1.73m未満、80ml/分/1.73m未満、70ml/分/1.73m未満、または60ml/分/1.73m未満の糸球体濾過速度は、いくつかの実施形態において、慢性腎疾患を示すが、15ml/分/1.73m未満の速度は、腎不全を示す。いくつかの実施形態において、ループス腎炎を有している対象において糸球体濾過速度を向上させる方法が提供され、本方法は、ループス腎炎を有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体の投与後の対象の糸球体濾過速度は、少なくとも10ml/分/1.73m、少なくとも15ml/分/1.73m、少なくとも20ml/分/1.73m、少なくとも25ml/分/1.73m、少なくとも30ml/分/1.73m、少なくとも40ml/分/1.73m、または少なくとも50ml/分/1.73m向上する。いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体の投与後の対象の糸球体濾過速度は、少なくとも60ml/分/1.73m、少なくとも70ml/分/1.73m、少なくとも80ml/分/1.73m、または少なくとも90ml/分/1.73mである。いくつかの実施形態において、糸球体濾過速度の低下は、治療開始から、最初の1週間、最初の2週間、最初の1ヶ月、最初の2ヶ月、最初の3ヶ月、最初の4ヶ月、または最初の6ヶ月で判定される。いくつかの実施形態において、対象は、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体で治療しながら、糸球体濾過速度の持続的な向上についてモニタリングされる。
いくつかの実施形態において、ループス腎炎を治療する方法が提供され、本方法は、ループス腎炎を有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含み、抗体の投与は、ループス腎炎に関連する腎臓状態の進行を遅延または阻止する。いくつかのかかる実施形態において、対象におけるタンパク尿および/または糸球体濾過速度は、抗体の投与後、および/または抗体で治療を受けている特定の時間間隔の間に悪化しない(すなわち、タンパク尿は増加しない、および/または糸球体濾過速度は低下しない)。治療は、単回投与であってもまたは複数回投与であってもよい。
いくつかの実施形態において、関節リウマチを治療する方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチを治療する方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、抗体huAb1を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチを治療することは、例えば、関節リウマチに罹患した関節における紅斑および膨張を測定することによって測定され得る臨床的疾患スコアを減少させることを意味する。いくつかの実施形態において、関節リウマチを治療することは、炎症を減少させること、パンヌス形成を減少させること、軟骨損傷を減少させること、骨吸収を減少させること、関節におけるマクロファージ数を減少させること、自己抗体形成を減らすこと、および/または骨喪失を減少させることを意味する。
いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する炎症を軽減する方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する炎症を軽減する方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、抗体huAb1を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、炎症を軽減することは、赤血球沈降速度を低下させること、および/または血液中のC反応性タンパク値を減少させることを含む。炎症が対象に見られる場合、恐らく血液中のフィブリノゲンレベルの増加により、赤血球沈降速度が増加する。赤血球沈降速度は、当技術分野における任意の方法によって決定され得、これには、Westergren管内の1時間抗凝固処理された赤血球の高さの変化を測定することによって速度を計算することが含まれるが、これに限定されない。Procedures for the Erythrocyte Sedimentation Rate Test;Approved Standard-Fifth Edition.CLSI document H02−A5.Wayne,PA:Clinical and Laboratory Standards Institute;2011も参照されたい。血液中C反応性タンパクレベルは、当技術分野における任意の方法によって判定され得、これには、RAPITEX(登録商標)CRP試験キット(Siemens)を使用することが含まれるが、これに限定されない。
いくつかの実施形態において、炎症を軽減することは、流体の蓄積による組織膨張である末梢浮腫を軽減することを含む。場合によっては、末梢浮腫は、関節リウマチを有している対象の足首、足、脚、および/またはふくらはぎで起こり得る。いくつかの実施形態において、炎症を軽減することは、1つ以上の罹患している関節の滑膜の炎症細胞の浸潤を軽減することを含む。いくつかの実施形態において、滑液は、関節穿刺によって回収され得る。
いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連するパンヌス形成を減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連するパンヌス形成を減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、抗体huAb1を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、パンヌス形成を減少させることは、軟骨および/または肋軟骨下の骨へのパンヌスの浸潤を減少させること、および/またはパンヌスの浸潤から生じる硬組織の破壊を軽減することを含む。パンヌス形成は、当技術分野における任意の方法によって測定することができ、これには、1つ以上の罹患した関節を画像化することが含まれるが、これに限定されない。パンヌス形成を検出するための非限定的な例示的画像化技術には、磁気共鳴映像法(MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、関節鏡検査法、超音波検査法、デュプレックス超音波検査法、およびパワードプラ画像法が含まれる。
いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連するパンヌス形成の進行を遅延させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、huAb1である。いくつかの実施形態において、パンヌスの形成は、抗体の投与後、および/または対象が抗体で治療を受けている特定の時間間隔の間に遅延する。治療は、単回投与であってもまたは複数回投与であってもよい。
いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する軟骨損傷を減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する軟骨損傷を減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、抗体huAb1を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、軟骨損傷を減少させることは、軟骨細胞の喪失を減少させること、コラーゲンの崩壊を軽減すること、および/または軟骨の喪失を減少させることを含む。軟骨損傷は、当技術分野における任意の方法によって測定することができ、これには、1つ以上の罹患した関節を画像化することが含まれるが、これに限定されない。軟骨損傷を検出するための非限定的な例示的画像化技術には、MRI、CTスキャン、関節鏡検査法、およびX線画像法が含まれる。
いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する軟骨損傷の進行を遅延させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、huAb1である。いくつかの実施形態において、軟骨損傷の進行は、抗体の投与後、および/または対象が抗体で治療を受けている特定の時間間隔の間に遅延する。治療は、単回投与であってもまたは複数回投与であってもよい。
いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する骨吸収を減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する骨吸収を減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、抗体huAb1を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、骨吸収を減少させることは、関節リウマチに罹患した関節における破骨細胞の数を減少させることを含む。
いくつかの実施形態において、骨吸収は、対象からの血漿中のTRAP5bのレベルを決定することによって測定され得、TRAP5bのレベルの増加は、対象における骨吸収の増加を示す。したがって、いくつかの実施形態において、TRAP5bのレベルの減少は、骨吸収の減少を示す。TRAP5bレベルは、場合によっては、CSF1Rを結合させる抗体での治療前およびその後に決定され得る、および/または骨喪失を減少させる際の治療の有効性をモニタリングする治療経過を通じて周期的に決定され得る。TRAP5bレベルは、当技術分野における任意の方法を使用して決定され得、これには、ELISA(FAICEA、または断片が吸収された免疫捕獲酵素アッセイ法を含む、例えば、Quidel(登録商標)TRAP5bアッセイ法、TECOmedical Group,Sissach,Switzerlandを参照されたい)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する骨喪失を減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する骨喪失を減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、抗体huAb1を投与する段階を含む。骨喪失は、当技術分野における任意の方法を使用して決定され得、これには、X線画像法、MRI、CT、骨密度測定法、単一および二重光子吸収測定法(SPA、DPA)、単一および二重エネルギーX線吸収測定法(SXA、DXA)、超音波検査法、シンチグラフィー、ならびに骨形成および吸収の血清マーカーのレベルを測定することによるもの等が含まれるが、これらに限定されない。非限定的な例となる骨形成および骨吸収の血清マーカーを表2に示す。
(表2)骨の形成および吸収に関する血清マーカー
Figure 2015517490
いくつかの実施形態において、関節リウマチに関連する骨喪失の進行を遅延させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、huAb1である。いくつかの実施形態において、骨喪失は、抗体の投与後、および/または対象が抗体で治療を受けている特定の時間間隔の間に遅延する。治療は、単回投与であってもまたは複数回投与であってもよい。
いくつかの実施形態において、関節リウマチに罹患した関節における単球系細胞、例えば、マクロファージおよび/またはCD16+単球の数を減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチに罹患した関節における単球系細胞、例えば、マクロファージおよび/またはCD16+単球の数を減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、抗体huAb1を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチに罹患した関節の滑液中の単球系細胞、例えば、マクロファージおよび/またはCD16+単球の数を減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチに罹患した関節の滑液中の単球系細胞、例えば、マクロファージおよび/またはCD16+単球の数を減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、抗体huAb1を投与する段階を含む。
いくつかの実施形態において、関節リウマチを有している対象において自己抗体レベルを減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、関節リウマチを有している対象において自己抗体レベルを減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、抗体huAb1を投与する段階を含む。
いくつかの実施形態において、関節リウマチを有している対象において自己抗体レベルを減少させる方法が提供され、本方法は、関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかのかかる実施形態において、本方法は、関節リウマチを有している対象に、huAb1を投与する段階を含む。自己抗体のレベルは、当技術分野における任意の方法によって決定され得る。いくつかの実施形態において、自己抗体レベルは、リウマチ因子(RF)および/または抗シトルリン化タンパク質抗体(ACPA)および/または抗核抗体(ANA)のレベルによって決定される。
いくつかの実施形態において、多発性硬化症を治療する方法が提供され、本方法は、多発性硬化症を有している対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、多発性硬化症を治療することは、臨床的疾患スコアを減少させることを意味する。
いくつかの実施形態において、CD16+単球を減少させる方法が提供され、本方法は、CD16+単球の増加を有する対象に、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体、例えば、huAb1〜huAb16から選択される抗体を投与する段階を含む。いくつかの実施形態において、対象は、関節リウマチおよびSLEから選択される自己免疫状態を有する。いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体を投与することは、CD16−単球の数を減少させない。いくつかの実施形態において、CD16−単球よりも多い範囲まで減少させるCD16+単球は、CSF1Rを結合させてCSF1およびIL−34リガンド結合を遮断する抗体を対象に投与する場合に減少する。いくつかの実施形態において、CD16+単球は、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%減少する。いくつかの実施形態において、CD16−単球は、30%未満、20%未満、または10%未満減少する。いくつかの実施形態において、CD16+単球は、CD16+末梢血単球である。いくつかの実施形態において、CD16−単球は、CD16−末梢血単球である。
投与経路および担体
様々な実施形態において、抗CSF1R抗体は、経口、動脈内、非経口、鼻腔内、筋肉内、心腔内、心室内、気管内、口腔内、直腸、腹腔内、皮内、局所、経皮、および髄腔内が含まれるが、これらに限定されない、様々な経路によって、あるいは移植または吸入により、インビボ投与され得る。本組成物は、固体、半固体、液体、または気体の形態の調製物に製剤化され得、これには、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒、軟膏、溶液、坐剤、かん腸剤、注射剤、吸入剤、およびエアロゾル剤が含まれるが、これらに限定されない。抗CSF1R抗体をコードする核酸分子は、金微小粒子上にコーティングして、文献(例えば、Tang et al.,Nature 356:152−154(1992)を参照されたい)に記載されるように、粒子衝突装置または「遺伝子銃」によって皮内に送達され得る。適切な製剤および投与経路は、目的の用途に準じて選択され得る。
様々な実施形態において、抗CSF1R抗体を含む組成物が、様々な薬学的に許容される担体を含む製剤中に提供される(例えば、Gennaro,Remington:The Science and Practice of Pharmacy with Facts and Comparisons:Drugfacts Plus,20th ed.(2003)、Ansel et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th ed.,Lippencott Williams and Wilkins(2004)、Kibbe et al.,Handbook of Pharmaceutical Excipients,3rd ed.,Pharmaceutical Press(2000)を参照されたい)。ビヒクル、アジュバント、および希釈剤を含む様々な薬学的に許容される担体が使用可能である。さらに、様々な薬学的に許容される補助物質、例えば、pH調整剤および緩衝剤、等張調整剤、安定剤、湿潤剤等も使用可能である。非限定的な例示的担体には、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、およびそれらの組み合わせが含まれる。
様々な実施形態において、抗CSF1R抗体を含む組成物は、必要に応じて、可溶化剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤、および保存剤等の従来の添加物とともに、水性または非水性溶媒、例えば、植物または他の油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪族アルコールのエステル、またはプロピレングリコール中にそれらを溶解、懸濁、または乳化することによって、皮下投与を含む注射用に製剤化され得る。様々な実施形態において、組成物は、例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素等の加圧可能な噴射剤を使用して、吸入用に製剤化され得る。組成物はまた、様々な実施形態において、例えば、生分解性または非分解性ポリマーとともに、徐放性マイクロカプセル中に製剤化され得る。非限定的例示的生分解性製剤には、ポリ乳酸−グリコール酸ポリマーが含まれる。非限定的例示的非生分解性製剤には、ポリグリセリン脂肪酸エステルが含まれる。そのような製剤を作製するある特定の方法は、例えば、EP 1 125 584 A1に記載されている。
1つ以上の用量の抗CSF1R抗体をそれぞれ含有し、1つ以上の容器を含む薬学的なパックおよびキットも提供される。いくつかの実施形態において、単位用量が提供され、本単位用量は、1つ以上の添加剤を含むかまたは含まない、所定の量の抗CSF1R抗体を含む組成物を含有する。いくつかの実施形態において、そのような単位用量は、注射用の使い捨て充填済み注射器で提供される。様々な実施形態において、単位用量中に含有される組成物は、食塩水、ショ糖等、リン酸塩等の緩衝剤を含み得、および/または安定かつ有効なpH範囲内で製剤化され得る。あるいは、いくつかの実施形態において、組成物は、適切な液体、例えば、滅菌水の添加の際に再構成され得る凍結乾燥粉末として提供され得る。いくつかの実施形態において、組成物は、ショ糖およびアルギニンが含まれるが、これらに限定されないタンパク質凝集を抑制する1つ以上の物質を含む。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、ヘパリンおよび/またはプロテオグルカンを含む。
薬学的組成物は、特定の兆候の治療または予防に有効な量で投与される。治療的有効量は、典型的には、治療される対象の体重、その対象の身体または健康状態、治療される状態の広範性、または治療される対象の年齢に応じて異なる。概して、抗CSF1R抗体は、1用量あたり約10μg/kg体重〜約100mg/kg体重の範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、1用量あたり約50μg/kg体重〜約5mg/kg体重の範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、1用量あたり約100μg/kg体重〜約10mg/kg体重の範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、1用量あたり約100μg/kg体重〜約20mg/kg体重の範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態において、抗CSF1R抗体は、1用量あたり約0.5mg/kg体重〜約20mg/kg体重の範囲の量で投与され得る。
抗CSF1R抗体組成物は、必要に応じて対象に投与され得る。投与の頻度の決定は、治療される状態、治療される対象の年齢、治療される状態の重症度、治療される対象の全般的健康状態等を考慮した上で、担当医等の当業者によって行われ得る。いくつかの実施形態において、有効量の抗CSF1R抗体を、1回以上対象に投与する。様々な実施形態において、有効量の抗CSF1R抗体を、月に1回、月1回未満、例えば、2ヶ月に1回、または3ヶ月に1回対象に投与する。他の実施形態において、有効量の抗CSF1R抗体を、月に1回超、例えば3週間に1回、2週間に1回、または毎週投与する。有効量の抗CSF1R抗体を、少なくとも1回対象に投与する。いくつかの実施形態において、有効量の抗CSF1R抗体を、少なくとも1ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、または少なくとも1年間にわたり複数回投与し得る。
併用療法
抗CSF1R抗体は、単独で、または他の治療様式とともに投与してもよい。これらは、例えば、手術、化学療法、放射線療法等の他の治療様式、あるいは、別の治療抗体等の生物製剤の投与前、実質的には同時に、またはその後に提供され得る。関節リウマチの治療のために、抗CSF1R抗体は、他の治療物質、例えば、メトトレキサート、抗TNF物質、例えば、Remicade(インフリキシマブ)、Humira(アダリムマブ)、Simponi(ゴリムマブ)、およびEnbrel(エタネルセプト)、プレドニゾン等のグルココルチコイド、レフルノミド、アゾチオプリン、CP590690等のJAK阻害因子、R788等のSYK阻害因子、抗IL−6抗体、トシリズマブ等の抗IL−6R抗体、リツキシマブ等の抗CD−20抗体、抗CD19抗体、抗GM−CSF抗体、抗GM−CSF−R抗体、アナキンラ等のIL−1受容体拮抗物質、アバタセプト等のCTLA−4拮抗物質、シクロスポリン等の免疫抑制剤とともに投与してもよい。
全身性紅斑性狼瘡の治療のために、抗CSF1R抗体は、他の治療物質、例えば、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil);プレドニゾン、メチルプレドニゾン、およびプレドニゾロン等のコルチコステロイド;シクロホスファミド(Cytoxan)、アザチオプリン(Imuran、Azasan)、ミコフェノレート(Cellcept)、レフルノミド(Arava)およびメトトレキサート(Trexall)、ならびにベリムマブ(Benlysta)等の免疫抑制剤とともに投与してもよい。
多発性硬化症の治療のために、抗CSF1R抗体は、他の治療物質、例えば、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、プレドニゾン、Tysabri等の抗アルファ4インテグリン抗体、Rituxan等の抗CD20抗体、FTY720(フィンゴリモド)、およびクラドリビン(Leustatin)とともに投与してもよい。
以下に論じられる実施例は、純粋に本発明の例示を目的とし、決して本発明を制限するとみなすべきものではない。本実施例は、以下の実験が実施されたすべてまたは唯一の実験であることを示すことを意図するものではない。使用される数字(例えば、量、温度等)に関する正確性を確実にするための努力がなされたが、いくつかの誤差および偏差は考慮されるべきである。特に指示のない限り、部は重量部であり、分子量は、重量平均分子量であり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧またはほぼ大気圧である。
実施例1:ヒト化抗CSF1R抗体
様々なヒト化抗CSF1R抗体が以前に開発された。例えば、PCT公報番号WO2011/140249を参照されたい。
親キメラ抗体可変領域の配列およびヒト受容体可変フレームワーク領域の配列でアラインされたヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域のそれぞれの配列を、図1(重鎖)および2(軽鎖)に示す。ヒト受容体可変フレームワーク領域配列に対するヒト化可変領域配列の変化をボックス化する。可変領域のそれぞれに対するCDRのそれぞれを、ボックス化領域に示し、ボックス化配列の上に「CDR」として表示する。
以下の表5は、抗体huAb1〜huAb16のヒト化重鎖およびヒト化軽鎖の完全配列を示す。これらの抗体のそれぞれのヒト化重鎖およびヒト化軽鎖の名称および配列番号を表3に示す。
(表3)huAb1〜huAb16のヒト化重鎖およびヒト化軽鎖
Figure 2015517490
16個のヒト化抗体を、前述のように、ヒト、カニクイザル、およびマウスCSF1R ECDへの結合について試験した。例えば、PCT公報番号WO2011/140249を参照されたい。抗体は、ヒトおよびカニクイザルCSF1R ECDの両方に結合するが、マウスCSF1R ECDとは結合しないことが見出された。ヒト化抗体はまた、ヒトおよびマウスCSF1Rの両方へのCSF1およびIL−34の結合を遮断すること、およびCHO細胞中に発現した、CSF1誘導性およびIL−34誘導性ヒトCSF1Rのリン酸化を抑制することも見出された。例えば、PCT公報番号WO2011/140249を参照されたい。
ヒトCSF1R ECDへの結合についてのk、k、およびKは、予め決定され、表4中に示される。例えば、PCT公報番号WO2011/140249を参照されたい。
(表4)ヒトCSF1Rに対するヒト化抗体の結合親和性
Figure 2015517490
実施例2:HuAb1は、カニクイザルにおいてCD16+末梢血単球を減少させるが、CD16−末梢血単球は減少させない
0mg/kg、3mg/kg、10mg/kg、または30mg/kgのhuAb1を、カニクイザル(群あたり2匹のサル)に静脈内投与した。末梢血は、14日後に採血し、CD16+またはCD16−単球の数をフローサイトメトリーによって分析した。簡潔に述べると、0.2mlの末梢血を、20μlの抗CD16−PE(Becton−Dickenson)で、30分間室温、暗所で標識した。赤血球を、2mlの1X BD PharmLyse(Becton−Dickenson)で20分間インキュベーションによって溶解し、細胞を、分析前に、1mlのFACS 緩衝剤(PBS/0.1% BSA)で洗浄した。Divaソフトウェアプログラム(Becton−Dickenson)を使用して、LSRIIフローサイトメーターでデータを回収し、FloJoデータ分析プログラム(Tree Star)を使用して、結果を分析した。
図3は、サルにおいて、huAb1を用いた処置が、未処置の動物と比較して、CD16+末梢血単球の用量依存的な減少を生じたが、CD16−末梢血単球の用量依存的な減少を生じなかったことを示す。これらのデータは、huAb1が主に自己免疫疾患に対して応答する単球を減少するが、病原体クリアランスに関与する他のサブセットの単球を無傷の状態のままにしておくことができることを示す。これは、CSF1Rを結合させてリガンド結合を遮断する抗体、例えばhuAb1が、感染に対して良好な安全プロファイルを維持しながら、自己免疫疾患を治療するのに有効であり得ることを示唆している。
実施例3:サロゲート抗マウスCSF1R抗体の特徴決定
ヒト化抗体huAb1〜huAb16はマウスCSF1Rに結合しないため、キメラ抗マウスCSF1R抗体(「cAb1」)が、マウスモデルで使用するためのサロゲート抗体として選択された。この抗体は、ラット可変領域およびマウス定常領域を含む。cAb1を作製するために、ラットをマウスCSF1R−ECD−Fc融合タンパク質で免疫化し、マウスCSF1RへのマウスCSF1およびマウスIL−34の両方の結合を遮断する抗体を分泌するハイブリドーマを、ELISAアッセイ法によって特定した。1つのそのような遮断抗体の可変領域を、標準的な分子生物学的技術(Sambrook and Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Edition,CSH Press,Cold Spring Harbor,New York,2001)を使用して、マウスIgG定常領域上にグラフトした。次いで、組み換えキメラ抗体cAb1を、標準的な技術(Sambrook and Russell、同書)を使用して、CHO細胞中に発現させた。
マウスCSF1RへのcAb1の結合を以下のように決定した。96ウェル透明底ELISAプレートを、PBS中1μg/mlの組み換えマウスCSF1R ECD−Fcキメラ(R&D Systems)で一晩コーティングした。翌朝、ウェルをPBS(PBST)中0.05% Tween20で4回洗浄し、Blocker−Blotto(Pierce)で遮断した。2.6μg/mlの濃度から開始し、Blocker−Blotto中に1:1で希釈した50μlの0.5倍の段階希釈物のcAb1を、CSF1Rでコーティングしたウェルに添加した。室温(RT)で90分間のインキュベーション後、ウェルをPBSTで4回洗浄し、Blocker−Blotto中のペルオキシダーゼ共役ヤギ抗マウスIgG(Sigma)の1:5000の希釈物を各ウェルに添加した。室温で60分間のインキュベーション後、ウェルをPBSTで4回洗浄し、50μlのo−フェニレンジアミンジヒドロクロリドペルオキシダー基質(Sigma)を各ウェルに添加した。室温で30分間のインキュベーション後、SoftMaxProソフトウェア(Molecular Devices)を用いて、SpectraMaxPlus分光光度計で、各ウェルのA450値を直接読み取った。
その実験結果を図4に示す。cAb1は、用量依存的様式で、マウスCSF1R ECDに結合した。
実施例4:cAb1は因子依存性細胞株のリガンド誘導性増殖を遮断する
リガンド誘導性の因子依存性マウス細胞株mNFS60の増殖を遮断する能力について、cAb1を以下のように試験した。cAb1の段階希釈物の存在または不在下で、10ng/mlの組み換えマウスCSF1または100ng/mlの組み換えマウスIL−34(ともに、R&D Systems市販)で、mNFS60細胞を刺激した。37℃で48時間のインキュベーション後、製造者の取扱説明書に従って、Cell Titer Glo試薬(Promega)を使用して、各個体の培養物の相対細胞ATP含有量を判定した。このアッセイ法において、相対細胞ATP含有量は、培養物中の生存細胞の数と正比例し、したがって、mNFS60細胞の増殖応答を反映する。
その実験結果を図5に示す。cAb1は、用量依存的様式でCSF1またはIL−34誘導性のmNFS60細胞の増殖を遮断した。
実施例5:cAb1は関節リウマチのマウスモデルにおいて臨床的疾患スコアを抑制する
雄DBA/1マウスにおいて、研究0日目および再度研究21日目に、150μlの完全フロイントアジュバント(Sigma)中2mg/mlのウシII型コラーゲン(Elastin Products,Owensville,MO)の皮内注射によって関節炎を誘導した。研究0日目に、マウスを処置群に無作為化し、投薬を開始した。マウスに、研究の32日目まで、週3回(3回/週)、ビヒクルまたはcAb1(3、6、10、または30mg/kg)を腹腔内に投与し、研究18日目〜35日目に、各足についての臨床的疾患スコアを測定した。臨床的疾患スコアは、以下のように割り当てた。
0=正常。
1=1つの後または前足の関節が罹患したか、または最小限のびまん性紅斑および膨張。
2=2つの後または前足の関節が罹患したか、または軽度のびまん性紅斑および膨張。
3=3つの後または前足の関節が罹患したか、または中程度のびまん性紅斑および膨張。
4=4つの後または前足の関節が罹患したか、または顕著なびまん性紅斑および膨張。
5=全部の足が罹患し、重篤なびまん性紅斑、および重篤な膨張があり、指を動かすことができない。
図6は、その実験の結果を示す。cAb1は、関節リウマチのコラーゲン誘導性関節炎モデルにおいて、臨床的疾患スコアを抑制した。これらのデータは、ヒト患者において、CSF1Rを結合させてリガンド結合を遮断する抗体、例えばhuAb1が関節リウマチの兆候および症状を軽減させるのに有効であり得ることを示唆している。
実施例6:cAb1は関節リウマチのマウスモデルにおいて骨喪失を抑制する
高レベルの酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b(TRAP5b)は、骨の再構成に関連しており、骨吸収の増加を特徴とする様々な状態において観察されている。したがって、TRAP5bレベルは、骨吸収(すなわち、骨喪失)のマーカーとして使用され得る。
実施例5に記載されるように、マウスにおいて、関節炎を誘導し、マウスをcAb1で処置した。35日目に血液を回収し、製造者の取扱説明書に従って、マウス血清(Immunodiagnostics Systems)中の破骨細胞由来TRAP5bの判定のために、市販の固相免疫固定酵素活性アッセイ法を使用して、TRAP5b(酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b)の血漿レベルを測定した。TRAP5bは、骨代謝回転マーカーである。
図7は、その実験の結果を示す。cAb1は、TRAP5bの骨代謝回転マーカーの抑制によって測定されるように、関節リウマチのコラーゲンで誘導された関節炎モードにおいて骨喪失を抑制した。これらのデータは、ヒト患者において、CSF1Rを結合させてリガンド結合を遮断する抗体、例えばhuAb1が、関節リウマチにおいて、骨侵食および関節破壊を抑制し得ることを示唆している。
実施例7:cAb1は関節リウマチのマウスモデルにおいて炎症、軟骨損傷、パンヌス形成、および骨破壊を抑制する
実施例5に記載されるように、マウスにおいて、関節炎を誘導し、マウスをcAb1で処置した。研究の終了時に、足および膝を回収し、中性緩衝ホルマリン(NBF;Sigma−Aldrichから入手可能、カタログ番号#HT−501128)中に一晩置き、次いで、組織病理学および免疫組織化学のために70%エタノールに移した。
各動物から6つの関節を、組織病理学的評価のための処理を行った。次いで、これらの関節を以下のようにスコア化した。
炎症
0=正常。
1=罹患した関節の滑膜および関節周囲組織における炎症細胞の最小限の浸潤。
2=炎症細胞の軽度の浸潤。足に言及する場合、一般的に、罹患した関節(1〜3個の患部)に限定される。
3=中程度の浮腫を伴う中程度の浸潤。足に言及する場合、少なくとも1つの手首または足首の関節を含む、一般的に、3〜4個の関節の罹患した関節に限定される。
4=顕著な浮腫を伴う大部分の領域が罹患している顕著な浸潤、1つまたは2つの罹患していない関節が存在する場合もある。
5=すべての関節および関節周囲組織が罹患している重篤な浮腫を伴う重篤なびまん性浸潤。
パンヌス
0=正常。
1=軟骨および軟骨下骨、辺縁帯中のパンヌスの最小限の浸潤。
2=罹患した関節における硬組織の辺縁帯破壊を伴う軽度の浸潤。
3=罹患した関節における中程度の硬組織破壊を伴う中程度の浸潤。
4=大部分の関節が罹患している、関節構造の顕著な破壊を伴う顕著な浸潤。
5=すべての関節が罹患する、関節構造全体またはほぼ全体の破壊を伴う重篤な浸潤。
軟骨損傷
0=正常。
1=最小限=罹患した関節における明らかな軟骨細胞喪失またはコラーゲン崩壊を伴わないトルイジンブルー染色の概ね最小限〜軽度の喪失。
2=軽度=いくつかの罹患した関節における病巣領域の軟骨組織喪失および/またはコラーゲン崩壊を伴うトルイジンブルー染色の概ね軽度の喪失。
3=中程度=罹患した関節における多病巣性の軟骨細胞喪失および/またはコラーゲン崩壊を伴うトルイジンブルー染色の概ね中程度の喪失、いくつかのマトリックスは、重篤なマトリックス喪失領域を有する任意の患部表面に留まる。
4=顕著=膝の1つの表面で軟骨のすべてまたはほぼすべてが喪失している場合、大部分の関節における多病巣性の顕著な(深層の深さまで)軟骨細胞喪失および/またはコラーゲン崩壊を伴うトルイジンブルー染色の顕著な喪失。
5=重篤=膝の2つ以上の表面で軟骨のすべてまたはほぼすべてが喪失している場合、すべての関節における多病巣性の重篤な(タイドマーク(tide mark)の深さまで)軟骨細胞喪失および/またはコラーゲン崩壊を伴うトルイジンブルー染色の重篤なびまん性喪失。
骨再吸収
0=正常。
1=最小限=小さな領域の再吸収、低倍率では容易に明らかではない、罹患した関節内の破骨細胞は稀で、辺縁帯に限定される。
2=軽度=より多数の領域の再吸収、低倍率では容易に明らかではない、罹患した関節内のより多数の破骨細胞、辺縁帯に限定される。
3=中程度=皮質における全層の欠損を伴わない、髄骨梁および皮質骨の明らかな再吸収、いくつかの髄骨梁の喪失、低倍率で明らかな病変、罹患した関節内のより多数の破骨細胞。
4=顕著=皮質骨内の全層の欠損、多くの場合、皮質表面に留まるプロファイルの変形を伴う、髄様骨の顕著な喪失、多数の破骨細胞、大部分の関節を冒している。
5=重篤=皮質骨内の全層の欠損、およびすべての関節の関節構造の破壊。
6つの関節すべての各々のパラメーターの組織学的スコアの合計を計算した。
図8は、その実験の結果を示す。cAb1は、関節リウマチのコラーゲンで誘導された関節炎モデルにおいて、炎症、軟骨損傷、パンヌス形成、および骨破壊を抑制した。
実施例8:cAb1は関節リウマチのマウスモデルにおいて足関節および膝関節マクロファージ数を抑制する
実施例5に記載されるように、マウスにおいて、関節炎を誘導し、マウスをcAb1で処置し、実施例7に記載されるように、足および膝関節部分を調製した。ペルオキシダーゼ共役抗F4/80抗体で足および膝関節部分を染色し、顕微鏡下で陽性染色細胞を計数することによって、マクロファージ数を計数した。組織セクショニングおよび染色は、Histotox Labs,Boulder,COによって行われた。F4/80は、マウスマクロファージマーカーである(Leenen et al.,J.Immunol.Methods,1994,174:5−19)。
その実験結果を図9に示す。cAb1は、関節リウマチのコラーゲンによって誘導された関節炎モデルにおいて、足および膝関節の両方のマクロファージ数を減少させた。
実施例9:cAb1は関節リウマチのマウスモデルにおいて自己抗体形成を抑制する
実施例5に記載されるように、マウスにおいて、関節炎を誘導し、マウスをcAb1で処置した。35日目に、血液を回収し、製造者の取扱説明書に従って、マウス抗1型および2型コラーゲンIgGアッセイキット(Chondrex)を使用して、抗マウスII型コラーゲン抗体の血漿レベルを測定した。
その実験結果を図10に示す。cAb1は、関節リウマチのコラーゲンによって誘導された関節炎モードにおいて、抗マウスII型コラーゲン自己抗体の形成を抑制した。これらのデータは、ヒト患者において、CSF1Rを結合させてリガンド結合を遮断する抗体、例えばhuAb1が、関節の炎症の重要な誘因、すなわち、自己抗体を減少させ得ることを示唆している。さらに、いくつかの実施形態において、自己抗体、例えば、RFおよびACPAは、薬物効果をモニタリングするために使用され得る。
実施例10:cAb1は確立された関節リウマチのマウスモデルにおいて骨喪失を抑制する
実施例5に記載されるように、マウスにおいて、関節炎を誘導した。臨床的疾患スコアが0.05〜1.0に達したとき、30mg/kgのcAb1で開始して、3回/週、マウスを腹腔内処置した。cAb1で初期処置してから23日後、血液を回収し、製造者の取扱説明書に従って、マウス血清(Immunodiagnostics Systems)中の破骨細胞由来TRAP5bの判定のために、市販の固相免疫固定酵素活性アッセイ法を使用して、TRAP5b(酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b)の血漿レベルを測定した。TRAP5bは、骨代謝回転マーカーである。
その実験結果を図11に示す。臨床的疾患スコアの策定後に投与したcAb1は、TRAP5b骨代謝回転マーカーの抑制によって測定されるように、関節リウマチのコラーゲンによって誘導された関節モードにいて、骨喪失を抑制した。これらのデータは、ヒト患者において、CSF1Rを結合させてリガンド結合を遮断する抗体、例えばhuAb1が、関節リウマチにおいて、骨侵食および関節破壊を抑制し得ることを示唆している。
実施例11:cAb1は確立された関節リウマチのマウスモデルにおいてパンヌス形成および骨破壊を抑制する
実施例10に記載されるように、マウスにおいて、関節炎を誘導し、マウスをcAb1で処置した。研究の終了時に、足および膝を回収し、中性緩衝ホルマリン(NBF)中に一晩置き、次いで、組織病理学および免疫組織化学のために70%エタノールに移した。
各動物から6つの関節を、組織病理学的評価のための処理を行い、6つの関節すべての組織学的スコアの合計を計算した。実施例7に記載されるように、これらの関節をスコア化した。
その実験結果を図12に示す。臨床的疾患スコアの策定後に投与したcAb1は、関節リウマチのコラーゲンで誘導された関節炎モデルにおいて、パンヌス形成および骨破壊を抑制した。炎症および軟骨損傷の組織学的スコアは影響を受けなかった。これらのデータは、ヒト患者において、CSF1Rを結合させてリガンド結合を遮断する抗体、例えばhuAb1が、関節リウマチにおいて、骨侵食および関節破壊を抑制し得ることも示唆している。
実施例12:cAb1は全身性紅斑性狼瘡のマウスモデルにおいて糸球体腎炎、間質性腎炎、および血管周囲性浸潤を抑制する
狼瘡患者のサブセットは、ループス腎炎を発症し、これは、腎臓において1つ以上の構造の炎症を引き起こし、腎不全をもたらし得る。ループス腎炎は、患者において検出され得、疾患の重症度は、例えば、タンパク尿、もしくは尿中タンパク質を測定する、および/または単位時間あたりどれだけの流体が腎臓を通して濾過されるかを示す測定結果である糸球体濾過速度を決定することによって評価される。ループス腎炎はまた、腎生検の試験を通じて、または超音波検査法等の画像化技術を通じて組織学的に検出され得る(Hahn et al.,Arthr.Care Res.,2012,64:797−808)。
マウスのMRL/MpJ−Faslpr/J株は、糸球体、尿細管間質、および血管周囲の腎疾患、リンパ節膨張、脾腫、循環自己抗体、ならびに皮膚病変を含むループス様症状を自然発生的に発症する。10週齢から20週齢の雌MRL/MpJ−Faslpr/Jマウスに、ビヒクルまたは50mg/kgのcAb1を、10週間毎日腹腔内投与した。研究の終了時(マウス20週齢)、腎臓を回収し、計量し、組織学的評価のために10%中性緩衝ホルマリン(NBF)中に置いた。以下のシステムに従って、腎臓をスコア化した。
糸球体腎炎
0=正常。
1=病巣性または多病巣性、最小限から軽度、早期の増殖。
2=多病巣性の軽度から中程度または軽度のびまん性の増殖。
3=多病巣性の重篤な領域を含む、または含まない中程度のびまん性の増殖。
4=半月体/硬化症を伴う顕著なびまん性の増殖、多病巣性のタンパク質円柱が存在する。
5=半月体/硬化症を伴う重篤なびまん性の増殖、びまん性のタンパク質円柱が存在する。
タンパク質円柱重症度
0=正常な尿細管。
1=最小限=タンパク質円柱を伴う1〜5の尿細管のプロファイル。
2=軽度=タンパク質円柱を伴う多病巣性尿細管(6〜20)。
3=中程度=タンパク質円柱を伴う多病巣性尿細管(21〜40)。
4=顕著=タンパク質円柱を伴う多病巣性尿細管(すべての尿細管の40超であるが、50%未満罹患している)。
5=重篤=タンパク質円柱を伴うびまん性尿細管、すべての尿細管の50%超罹患している。
間質性腎炎(血管には明らかに関連しない炎症)
0=正常。
0.5=超最小限=骨盤のみのMNCの小さな病巣性領域。
1=最小限=少量の病巣性のMNCが蓄積することもあり、全間質の10%未満罹患しており、一般に、骨盤周辺に局在化する。
2=軽度=骨盤および皮質周辺に分散した多病巣性の少量からより多量の浸潤:皮質領域の10〜25%に罹患している。
3=中程度=骨盤および皮質中の多病巣性の少量から広範囲に及ぶ浸潤:皮質領域の26〜50%に罹患している。
4=顕著=多病巣性からびまん性浸潤:骨盤および皮質領域の51〜75%に罹患している。
5=重篤=びまん性浸潤:骨盤および皮質領域の76〜100%に罹患している。
血管
0=正常。
0.5=超最小限=1つの血管が最小限の血管周囲性浸潤を有する。
1=最小限=少量であるが、血管周囲性浸潤(1〜2)を画定する。
2=軽度=血管周囲性浸潤のいくつかの(3〜4)病巣があるが、壊死はない。
3=中程度=血管周囲性浸潤の多病巣性(5〜6)の病巣は、より広範囲に及び、血管壁の一部の壊死を有し得る。
4=顕著=血管周囲性浸潤の多病巣性(7〜8)の病巣は、壊死を伴い広範囲に及ぶ。
5=重篤=血管周囲性浸潤の多病巣性(8超)の病巣は、壊死を伴い広範囲に及ぶ。
その実験結果を図13に示す。cAb1は、MRL/狼瘡のlprモデルにおいて、糸球体腎炎、間質性(intersitital)腎炎、および血管周囲性浸潤を抑制した。タンパク質円柱の重症度の組織学的スコアは影響を受けなかった。これらのデータは、ヒト患者において、CSF1Rを結合させてリガンド結合を遮断する抗体、例えばhuAb1が、全身性紅斑性狼瘡と関連する腎臓の炎症を軽減し、腎機能を修復し得ることを示唆している。
実施例13:cAb1は全身性紅斑性狼瘡のマウスモデルにおいて皮膚病変を抑制する
雌MRL/MpJ−Faslpr/Jマウスに、実施例12に記載されるcAb1を投薬した。10週齢から20週齢のマウスを、皮膚病変の存在および重症度についてスコア化した。皮膚病変を以下の通りにスコア化した。
0=なし。
1=軽度(口先および耳)。
2=中程度(2cm未満の口先、耳、および肩甲骨内)。
3=重篤(2cm超の口先、耳、および肩甲骨内)。
その実験結果を図14に示す。cAb1は、MRL/狼瘡のlprモデルにおいて、皮膚病変の発生および重症度を抑制した。これらの結果は、ヒト患者において、CSF1Rを結合させてリガンド結合を遮断する抗体、例えばhuAb1が、皮膚の炎症、発疹、および円板状病変を含む、SLEの全身症状を軽減させ得ることを示唆している。
実施例14:cAb1は多発性硬化症のマウスモデルにおいて臨床的疾患スコアを抑制する
実験的自己免疫性脳炎(EAE)は、研究0日目および再度研究7日目に、完全フロイントアジュバント中の300ngのミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質ペプチド35−55(MOG35−55、Sigma−Aldrich,カタログ番号#M4939)の皮下注射によって雌C57B1/6マウスに誘導された。EAEの誘導および稠度を増強させるために、500ngの百日咳毒素(List Biological Laboratories、カタログ番号#180)を、0日目および2日目に腹腔内投与した。EAEは、多発性硬化症モデルである。研究0日目に、マウスを処置群に無作為化し、投薬を開始した。マウスに、ビヒクルまたは30mg/kgのcAb1を、研究15日目まで、週に3回(3回/週)腹腔内投与した。臨床的疾患スコアを、研究6〜15日目に測定した。臨床的疾患スコアは、以下のように割り当てた。
0.0=臨床的兆候なし。
0.5=尾を部分的に引きずっている。
1.0=尾が麻痺している。
2.0=協調運動の喪失、後肢麻痺。
2.5=片方の後肢が麻痺した。
3.0=両方の後肢が麻痺した。
3.5=後肢が麻痺し、前肢が脆弱になる。
4.0=前肢および後肢が麻痺した。
5.0=瀕死。
その実験結果を図15に示す。cAb1は、多発性硬化症の実験的自己免疫性脳炎モデルにおいて、臨床的疾患スコアを抑制した。これらのデータは、ヒト患者において、CSF1Rを結合させてリガンド結合を遮断する抗体、例えばhuAb1が多発性硬化症と関連する中枢神経系における炎症を減少させ得、かつMS関連の脱髄および神経損傷によって生じる麻痺を逆行させ得ることを示唆している。
配列表
表5は、本明細書で論じられる特定の配列を提供する。すべてのポリペプチドおよび抗体配列は、特に指示しない限り、リーダー配列を含まずに示される。
(表5)配列および説明
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いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させる抗体を含む組成物が、ヒトまたは動物の治療の方法で用いるために提供される。いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させる抗体およびCSF1Rを結合させる抗体を含む組成物が、ヒトまたは動物における、関節リウマチに関連する状態を治療する方法で用いるために提供される。いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させる抗体およびCSF1Rを結合させる抗体を含む組成物が、ヒトまたは動物における、多発性硬化症を治療する方法で用いるために提供される。いくつかの実施形態において、CSF1Rを結合させる抗体およびCSF1Rを結合させる抗体を含む組成物が、全身性紅斑性狼瘡に関連する状態を治療する方法に用いるために提供され、提供される。
[本発明1001]
関節リウマチを有している対象に、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を結合させる抗体を投与する段階を含む、関節リウマチに関連する状態を治療する方法であって、該抗体が、CSF1Rへのコロニー刺激因子1(CSF1)の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、関節リウマチに関連する状態を治療することが、炎症を減少させること、パンヌス形成を減少させること、軟骨損傷を減少させること、骨吸収を減少させること、関節リウマチに罹患した少なくとも1つの関節におけるマクロファージの数を減少させること、自己抗体レベルを減少させること、および骨喪失を減少させることから選択される少なくとも1つの効果を含む、方法。
[本発明1002]
関節リウマチに関連する状態を治療することが炎症を減少させることを含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
CD16+単球の数が少なくとも30%減少する、本発明1002の方法。
[本発明1004]
CD16−単球の数が、減少しないかまたは20%未満減少する、本発明1003の方法。
[本発明1005]
赤血球沈降速度を決定する段階をさらに含み、沈降速度の低下が炎症の減少を示す、本発明1002の方法。
[本発明1006]
関節リウマチに関連する状態を治療することが、パンヌス形成を減少させること、骨吸収を減少させること、および骨喪失を減少させることから選択される少なくとも1つの効果を含む、本発明1001の方法。
[本発明1007]
関節リウマチに関連する状態を治療することが骨吸収を減少させることを含む、本発明1006の方法。
[本発明1008]
骨吸収に関する少なくとも1つのマーカーのレベルが減少する、本発明1007の方法。
[本発明1009]
前記骨吸収マーカーが、酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b(TRAP5b)、尿中総ピリジノリン、尿中総デオキシピリジノリン、尿中遊離ピリジノリン、血清中I型コラーゲン架橋N−テロペプチド、尿中I型コラーゲン架橋N−テロペプチド、および、血清中I型コラーゲンのカルボキシ末端テロペプチドから選択される、本発明1008の方法。
[本発明1010]
関節リウマチに関連する状態を治療することが、パンヌス形成を減少させることおよび骨喪失を減少させることから選択される少なくとも1つの効果を含む、本発明1006の方法。
[本発明1011]
前記少なくとも1つの効果が、画像化技術を使用して測定される、本発明1010の方法。
[本発明1012]
前記画像化技術が、X線画像法、磁気共鳴画像法、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、関節鏡検査法、シンチグラフィー、超音波検査法、骨密度測定法、単一光子吸収測定法(SPA)、二重光子吸収測定法(DPA)、単一エネルギーX線吸収測定法(SXA)、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)、シンチグラフィー、超音波検査法、デュプレックス超音波検査法、およびパワードプラ画像法から選択される方法を含む、本発明1011の方法。
[本発明1013]
関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、関節リウマチを治療する方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、該抗体が、該対象においてCD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつ、CD16−単球が減少しないかまたは20%未満減少する、方法。
[本発明1014]
メトトレキサート、抗TNF物質、グルココルチコイド、シクロスポリン、レフルノミド、アザチオプリン、JAK阻害因子、SYK阻害因子、抗IL−6抗体、抗IL−6R抗体、抗CD−20抗体、抗CD19抗体、抗GM−CSF抗体、IL−1受容体拮抗物質、CTLA−4拮抗物質、および抗GM−CSF−R抗体から選択される少なくとも1つのさらなる治療物質を投与する段階をさらに含む、本発明1001〜1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
狼瘡を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、狼瘡に関連する皮膚病変を治療する方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、狼瘡に関連する皮膚病変を治療することが、皮膚病変の数を減少させること、皮膚病変の形成速度を低下させること、および皮膚病変の重症度を低下させることから選択される少なくとも1つの効果を含む、方法。
[本発明1016]
ループス腎炎を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、ループス腎炎を治療する方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する、方法。
[本発明1017]
腎機能が前記対象において改善される、本発明1016の方法。
[本発明1018]
タンパク尿が前記対象において減少する、本発明1016または本発明1017の方法。
[本発明1019]
前記対象において糸球体濾過速度を向上させる、本発明1016〜1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
狼瘡を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、狼瘡を治療する方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、該抗体が、該対象においてCD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつ、CD16−単球が減少しないかまたは20%未満減少する、方法。
[本発明1021]
CD16+単球が少なくとも50%減少する、本発明1020の方法。
[本発明1022]
ヒドロキシクロロキン(Plaquenil)、コルチコステロイド、シクロホスファミド(Cytoxan)、アザチオプリン(Imuran、Azasan)、ミコフェノレート(Cellcept)、レフルノミド(Arava)、およびメトトレキサート(Trexall)、ならびにベリムマブ(Benlysta)から選択される少なくとも1つのさらなる治療物質を投与する段階をさらに含む、本発明1015〜1021のいずれかの方法。
[本発明1023]
炎症状態を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、炎症状態を治療する方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、該抗体が、CD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつ、CD16−単球が減少しないかまたは20%未満減少する、方法。
[本発明1024]
CD16+単球が少なくとも50%減少する、本発明1023の方法。
[本発明1025]
CD16+障害を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、CD16+障害を治療する方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、該抗体が、CD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつ、CD16−単球が減少しないかまたは20%未満減少する、方法。
[本発明1026]
CD16+単球が少なくとも50%減少する、本発明1025の方法。
[本発明1027]
前記狼瘡、前記炎症状態、または前記CD16+障害が、メトトレキサートに応答しない、本発明1020〜1026のいずれかの方法。
[本発明1028]
対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、CD16+単球の数を減少させる方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、該抗体が、CD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつ、CD16−単球が減少しないかまたは20%未満減少する、方法。
[本発明1029]
CD16+単球が少なくとも50%減少する、本発明1028の方法。
[本発明1030]
前記CD16+単球がCD16+末梢血単球である、本発明1020〜1029のいずれかの方法。
[本発明1031]
対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、狼瘡に関連する腎臓状態の進行を遅延させる方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する、方法。
[本発明1032]
タンパク尿が、前記対象において増加しないか、または、該対象において、前記抗体が投与されない対象と同じ速度で増加しない、本発明1031の方法。
[本発明1033]
糸球体濾過速度が、前記対象において低下しないか、または、該対象において、前記抗体が投与されない対象と同じ速度で低下しない、本発明1031または本発明1032の方法。
[本発明1034]
関節リウマチを有している対象に、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を結合させる抗体を投与する段階を含む、関節リウマチを有している対象においてパンヌス形成の進行を遅延させる方法であって、該抗体が、CSF1Rへのコロニー刺激因子1(CSF1)の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する、方法。
[本発明1035]
関節リウマチを有している対象に、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を結合させる抗体を投与する段階を含む、関節リウマチを有している対象において骨喪失の進行を遅延させる方法であって、該抗体が、CSF1Rへのコロニー刺激因子1(CSF1)の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する、方法。
[本発明1036]
前記抗体が、
(a)SEQ ID NO:39の配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:46の配列を含む軽鎖とを含む、抗体、
(b)SEQ ID NO:15の配列を有する重鎖(HC)CDR1、SEQ ID NO:16の配列を有するHC CDR2、およびSEQ ID NO:17の配列を有するHC CDR3を含む重鎖と、SEQ ID NO:18の配列を有する軽鎖(LC)CDR1、SEQ ID NO:19の配列を有するLC CDR2、およびSEQ ID NO:20の配列を有するLC CDR3を含む軽鎖とを含む、抗体、ならびに
(c)SEQ ID NO:53の配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:60の配列を含む軽鎖とを含む、抗体
から選択される、本発明1001〜1035のいずれかの方法。
[本発明1037]
前記抗体がヒト化抗体である、本発明1036の方法。
[本発明1038]
前記抗体が、Fab、Fv、scFv、Fab'、および(Fab') 2 から選択される、本発明1036または本発明1037の方法。

Claims (38)

  1. 関節リウマチを有している対象に、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を結合させる抗体を投与する段階を含む、関節リウマチに関連する状態を治療する方法であって、該抗体が、CSF1Rへのコロニー刺激因子1(CSF1)の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、関節リウマチに関連する状態を治療することが、炎症を減少させること、パンヌス形成を減少させること、軟骨損傷を減少させること、骨吸収を減少させること、関節リウマチに罹患した少なくとも1つの関節におけるマクロファージの数を減少させること、自己抗体レベルを減少させること、および骨喪失を減少させることから選択される少なくとも1つの効果を含む、方法。
  2. 関節リウマチに関連する状態を治療することが炎症を減少させることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. CD16+単球の数が少なくとも30%減少する、請求項2に記載の方法。
  4. CD16−単球の数が、減少しないかまたは20%未満減少する、請求項3に記載の方法。
  5. 赤血球沈降速度を決定する段階をさらに含み、沈降速度の低下が炎症の減少を示す、請求項2に記載の方法。
  6. 関節リウマチに関連する状態を治療することが、パンヌス形成を減少させること、骨吸収を減少させること、および骨喪失を減少させることから選択される少なくとも1つの効果を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 関節リウマチに関連する状態を治療することが骨吸収を減少させることを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 骨吸収に関する少なくとも1つのマーカーのレベルが減少する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記骨吸収マーカーが、酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b(TRAP5b)、尿中総ピリジノリン、尿中総デオキシピリジノリン、尿中遊離ピリジノリン、血清中I型コラーゲン架橋N−テロペプチド、尿中I型コラーゲン架橋N−テロペプチド、および、血清中I型コラーゲンのカルボキシ末端テロペプチドから選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 関節リウマチに関連する状態を治療することが、パンヌス形成を減少させることおよび骨喪失を減少させることから選択される少なくとも1つの効果を含む、請求項6に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つの効果が、画像化技術を使用して測定される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記画像化技術が、X線画像法、磁気共鳴画像法、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、関節鏡検査法、シンチグラフィー、超音波検査法、骨密度測定法、単一光子吸収測定法(SPA)、二重光子吸収測定法(DPA)、単一エネルギーX線吸収測定法(SXA)、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)、シンチグラフィー、超音波検査法、デュプレックス超音波検査法、およびパワードプラ画像法から選択される方法を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 関節リウマチを有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、関節リウマチを治療する方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、該抗体が、該対象においてCD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつ、CD16−単球が減少しないかまたは20%未満減少する、方法。
  14. メトトレキサート、抗TNF物質、グルココルチコイド、シクロスポリン、レフルノミド、アザチオプリン、JAK阻害因子、SYK阻害因子、抗IL−6抗体、抗IL−6R抗体、抗CD−20抗体、抗CD19抗体、抗GM−CSF抗体、IL−1受容体拮抗物質、CTLA−4拮抗物質、および抗GM−CSF−R抗体から選択される少なくとも1つのさらなる治療物質を投与する段階をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 狼瘡を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、狼瘡に関連する皮膚病変を治療する方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、狼瘡に関連する皮膚病変を治療することが、皮膚病変の数を減少させること、皮膚病変の形成速度を低下させること、および皮膚病変の重症度を低下させることから選択される少なくとも1つの効果を含む、方法。
  16. ループス腎炎を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、ループス腎炎を治療する方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する、方法。
  17. 腎機能が前記対象において改善される、請求項16に記載の方法。
  18. タンパク尿が前記対象において減少する、請求項16または請求項17に記載の方法。
  19. 前記対象において糸球体濾過速度を向上させる、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 狼瘡を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、狼瘡を治療する方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、該抗体が、該対象においてCD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつ、CD16−単球が減少しないかまたは20%未満減少する、方法。
  21. CD16+単球が少なくとも50%減少する、請求項20に記載の方法。
  22. ヒドロキシクロロキン(Plaquenil)、コルチコステロイド、シクロホスファミド(Cytoxan)、アザチオプリン(Imuran、Azasan)、ミコフェノレート(Cellcept)、レフルノミド(Arava)、およびメトトレキサート(Trexall)、ならびにベリムマブ(Benlysta)から選択される少なくとも1つのさらなる治療物質を投与する段階をさらに含む、請求項15〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 炎症状態を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、炎症状態を治療する方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、該抗体が、CD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつ、CD16−単球が減少しないかまたは20%未満減少する、方法。
  24. CD16+単球が少なくとも50%減少する、請求項23に記載の方法。
  25. CD16+障害を有している対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、CD16+障害を治療する方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、該抗体が、CD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつ、CD16−単球が減少しないかまたは20%未満減少する、方法。
  26. CD16+単球が少なくとも50%減少する、請求項25に記載の方法。
  27. 前記狼瘡、前記炎症状態、または前記CD16+障害が、メトトレキサートに応答しない、請求項20〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、CD16+単球の数を減少させる方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断し、かつ、該抗体が、CD16+単球の数を少なくとも30%減少させ、かつ、CD16−単球が減少しないかまたは20%未満減少する、方法。
  29. CD16+単球が少なくとも50%減少する、請求項28に記載の方法。
  30. 前記CD16+単球がCD16+末梢血単球である、請求項20〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 対象に、CSF1Rを結合させる抗体を投与する段階を含む、狼瘡に関連する腎臓状態の進行を遅延させる方法であって、該抗体が、CSF1RへのCSF1の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する、方法。
  32. タンパク尿が、前記対象において増加しないか、または、該対象において、前記抗体が投与されない対象と同じ速度で増加しない、請求項31に記載の方法。
  33. 糸球体濾過速度が、前記対象において低下しないか、または、該対象において、前記抗体が投与されない対象と同じ速度で低下しない、請求項31または請求項32に記載の方法。
  34. 関節リウマチを有している対象に、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を結合させる抗体を投与する段階を含む、関節リウマチを有している対象においてパンヌス形成の進行を遅延させる方法であって、該抗体が、CSF1Rへのコロニー刺激因子1(CSF1)の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する、方法。
  35. 関節リウマチを有している対象に、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を結合させる抗体を投与する段階を含む、関節リウマチを有している対象において骨喪失の進行を遅延させる方法であって、該抗体が、CSF1Rへのコロニー刺激因子1(CSF1)の結合を遮断し、かつCSF1RへのIL−34の結合を遮断する、方法。
  36. 前記抗体が、
    (a)SEQ ID NO:39の配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:46の配列を含む軽鎖とを含む、抗体、
    (b)SEQ ID NO:15の配列を有する重鎖(HC)CDR1、SEQ ID NO:16の配列を有するHC CDR2、およびSEQ ID NO:17の配列を有するHC CDR3を含む重鎖と、SEQ ID NO:18の配列を有する軽鎖(LC)CDR1、SEQ ID NO:19の配列を有するLC CDR2、およびSEQ ID NO:20の配列を有するLC CDR3を含む軽鎖とを含む、抗体、ならびに
    (c)SEQ ID NO:53の配列を含む重鎖と、SEQ ID NO:60の配列を含む軽鎖とを含む、抗体
    から選択される、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記抗体がヒト化抗体である、請求項36に記載の方法。
  38. 前記抗体が、Fab、Fv、scFv、Fab'、および(Fab')から選択される、請求項36または請求項37に記載の方法。
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