JP2015230438A - 擬似接着ラベル及び擬似接着ラベルの製造方法 - Google Patents

擬似接着ラベル及び擬似接着ラベルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015230438A
JP2015230438A JP2014117485A JP2014117485A JP2015230438A JP 2015230438 A JP2015230438 A JP 2015230438A JP 2014117485 A JP2014117485 A JP 2014117485A JP 2014117485 A JP2014117485 A JP 2014117485A JP 2015230438 A JP2015230438 A JP 2015230438A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base material
resin layer
pseudo
adhesive
surface base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014117485A
Other languages
English (en)
Inventor
友秀 茂木
Tomohide Mogi
友秀 茂木
大介 冨田
Daisuke Tomita
大介 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP2014117485A priority Critical patent/JP2015230438A/ja
Publication of JP2015230438A publication Critical patent/JP2015230438A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Making Paper Articles (AREA)

Abstract

【課題】意図しない表面基材の剥離を防止しつつ、表面基材を剥離する際のカールの発生を防ぐ。【解決手段】擬似接着ラベル10は、表面基材11、樹脂層12、中間基材13、粘着剤層14、及び剥離シート15がこの順に積層され、樹脂層12と中間基材13との間で擬似接着性を有するように積層されており、樹脂層12が部分的に設けられて、表面基材11と中間基材13の間に樹脂層12がない未接着部分21を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、擬似接着ラベルに関し、特に、感熱式プリンター等により印字可能で、配送伝票等として使用可能な擬似接着ラベルに関する。
従来、表面基材、熱可塑性樹脂層、中間基材、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、熱可塑性樹脂層と中間基材との間が擬似接着性を有するように積層された擬似接着ラベルが知られている(例えば、特許文献1参照)。この擬似接着ラベルは、剥離シートが剥がされて粘着剤層により被着物に貼付されて使用されるが、被着物に貼付されたラベルにおいて、表面基材が熱可塑性樹脂層とともに中間基材から人手により容易に剥離可能となるものである。また、表面基材には、各種情報が印字されるのが一般的であり、サーマル紙が使用されることがある。
近年、擬似接着ラベルは、配送伝票としての使用が実用化されており、配送伝票として使用される擬似接着ラベルは、表面基材にハーフカット線が入れられ、表面基材が複数片に分離して剥離可能としたものが一般的である。この擬似接着ラベルでは、例えば、ハーフカット線で分離された一片の表面基材が配達票として使用されると共に、他の一片の表面基材が受領票として使用される。受領票は、通常、捺印又はサイン後に剥がされ、配達業者によって持ち帰られ、伝票整理等に使用される。このように配送伝票においては、表面基材は、配達票と受領票に分離されて使用されることから、これら両方に依頼人、配達先、配送品名等の同じ配達情報が印字されることが望まれている。
実用新案登録第3178208号公報
ところで、配達途中で意図しない受領票の脱落が起きてしまわないよう、擬似接着ラベルの剥離力はある程度強めでなければならない。しかし、剥離力が強いと受領票を剥離するためのきっかけを作るのに時間を要すことがある。また、剥離した受領票がカールしてしまい、嵩張って持ち帰りにくくなったり、受領票の画像読み取りが行いにくくなったりするという問題があった。
このため、擬似接着ラベルでは、表面基材を樹脂層とともに作業性良く剥離するために、樹脂層を形成するホットメルト接着剤等を改良したりして、剥離性能を改善することが試みられている。しかし、ホットメルト接着剤の改良だけでは、剥離性能の改善には限界がある。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、意図しない受領票(表面基材)の剥離を防止しつつ、剥離した受領票(表面基材)がカールによる不具合を起こさない擬似接着ラベルを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、中間基材と表面基材の間に配置される樹脂層を部分的に設けて、表面基材と中間基材の間に樹脂層がない未接着部分を形成することで上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の(1)〜(12)を提供する。
(1)表面基材、樹脂層、中間基材、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、前記樹脂層と前記中間基材との間で擬似接着性を有するように積層されており、
前記樹脂層が部分的に設けられ、前記表面基材と前記中間基材の間に前記樹脂層のない未接着部分を有する擬似接着ラベル。
(2)前記表面基材と前記中間基材の間において、前記樹脂層が外周領域の少なくとも一部に設けられ、内側領域に前記未接着部分を有する上記(1)に記載の擬似接着ラベル。
(3)前記表面基材の外縁部の少なくとも一部に対応する位置に前記未接着部分を有する上記(1)又は(2)に記載の擬似接着ラベル。
(4)前記表面基材の二辺に区画された角部に対応する位置に、少なくとも前記未接着部分を有する上記(3)に記載の擬似接着ラベル。
(5)前記樹脂層が、熱可塑性樹脂を含有するホットメルト接着剤から形成される上記(1)〜(4)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(6)前記表面基材が、感熱発色性を有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(7)前記中間基材が、感熱発色性を有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(8)前記表面基材及び中間基材のいずれもが感熱発色性を有し、前記表面基材側の表面から前記表面基材及び中間基材に同一の情報を印字可能である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(9)配送伝票ラベルとして使用される上記(1)〜(8)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(10)前記擬似接着ラベルは、前記剥離シートを剥離除去した後、配送物品に前記粘着剤層を介して接着されるものであり、前記表面基材が前記樹脂層とともに、前記中間基材から剥離されて持ち帰られる受領票として使用される上記(9)に記載の擬似接着ラベル。
(11)前記樹脂層と前記中間基材の間の樹脂層が設けられた箇所における剥離力は、剥離角度180°、剥離速度0.3m/分で300〜2000mN/50mmである上記(1)〜(10)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の擬似接着ラベルを製造する擬似接着ラベルの製造方法であって、
前記表面基材上に、加熱したホットメルト接着剤を部分的に塗工する塗工工程と、その塗工されたホットメルト接着剤を冷却し、冷却されたホットメルト接着剤に、前記中間基材を貼り合わせる貼り合せ工程とを備える擬似接着ラベルの製造方法。
本発明では、表面基材と中間基材の間に樹脂層がない未接着部分を設けることで、擬似接着ラベル自体のラベルとしての剥離力を小さくすることができ、分離した表面基材がカールしにくくなる。また、中間基材と樹脂層との層間の剥離力を無理に小さくする必要がないので、意図しない表面基材の剥離を防止できる。
本発明の擬似接着ラベルを示す模式的な断面図である。 第1の実施形態において、表面基材の上に積層された樹脂層の一例を示す平面図である。 第1の実施形態において、表面基材の上に積層された樹脂層の他の例を示す平面図である。 第2の実施形態において、表面基材の上に積層された樹脂層の一例を示す平面図である。 第2の実施形態において、表面基材の上に積層された樹脂層の他の例を示す平面図である。 第2の実施形態において、表面基材の上に積層された樹脂層の他の例を示す平面図である。 第2の実施形態において、表面基材の上に積層された樹脂層の他の例を示す平面図である。 擬似接着ラベル製造装置の一例を示す模式図である。 擬似接着ラベルが製造される工程を示す模式的な断面図である。
以下、本発明について実施形態を用いて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る擬似接着ラベル10は、表面基材11、樹脂層12、中間基材13、粘着剤層14、及び剥離シート15がこの順に積層されたものであり、樹脂層12と中間基材13との間が擬似接着性を有するように積層されたものである。第1の実施形態においては、表面基材11及び中間基材13がともに感熱発色性である擬似接着ラベルについて説明する。
なお、擬似接着性とは、積層された2層の界面で剥離が容易であり、剥離された後では、剥離された層間で容易に再接着ができない性質をいう。以下、各部材についてより詳細に説明する。
[表面基材及び中間基材]
表面基材11及び中間基材13は、それぞれ、感熱発色性を有することで、表面基材11及び中間基材13には、感熱式プリンター等による印字が可能になる。
感熱発色性を有する表面基材11及び中間基材13は、基材の一方の表面に感熱発色層が設けられたものであることが好ましく、感熱発色層は、表面基材11においては樹脂層12側の面とは反対側の面に設けられる。また、中間基材13において、感熱発色層は中間基材13の樹脂層12側の面に設けられる。
すなわち、表面基材11及び中間基材13における感熱発色層は、それぞれ擬似接着ラベル10の表面側(図1の上側)の面に配置される。そのため、表面基材11及び中間基材13がともに感熱発色性であることで、表面基材11の表面からの一度の印刷で容易に、同一の情報が受領票と配達票のそれぞれに同時に印字可能になる。
また、後述するように、通常、表面基材11には加熱されたホットメルト接着剤が積層されて樹脂層12が形成される。この際、ホットメルト接着剤は表面基材11の感熱発色層とは反対面に直接塗布されることによって、表面基材11と樹脂層12は強固に接着する。これに対し、中間基材13は表面基材11に遅れて樹脂層12の感熱発色層側に積層される。この時間差によってホットメルト接着剤の接着性が低下し、中間基材13と樹脂層12の層間には擬似接着性が生ずる。なお、表面基材11や中間基材13の感熱発色層は、後述する未接着部分21の配置や塗工装置の温度制御を適宜行うことで、発色を防止することができる。
表面基材11及び中間基材13に設けられる感熱発色層としては、加熱することにより発色される従来公知の感熱発色層を使用でき、例えばロイコ染料と、ロイコ染料に反応する顕色剤とを含有するものが挙げられる。感熱発色層は、例えば、上記のロイコ染料、顕色剤に加えて、適宜バインダー、ワックス、溶剤等を含有する塗工液を表面基材11、中間基材13それぞれの基材の一方の面に塗工することで形成される。
また、表面基材11及び中間基材13に使用される基材としては、クラフト紙、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙、合成繊維紙等の紙基材、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂フィルム、及びこれらの樹脂フィルムからなる合成紙等が使用されるが、印字性を良好にする観点や、樹脂層の余熱を、表面基材11表面に設けられた感熱発色層に伝熱しにくくする観点から、紙基材であることが好ましい。
表面基材11の厚みは、10〜100μmであることが好ましい。表面基材11の厚みを100μm以下とすることで、表面基材11の表面側からの印刷により、優れた印字性で中間基材13を印字することが可能になる。また、10μm以上とすることで、加熱したホットメルト接着剤を表面基材11に塗工しても、その余熱が表面基材の感熱発色層に伝わりにくくなり、感熱発色層が発色されにくくなる。これらの観点から、表面基材11の厚みは、15〜80μmであることがより好ましく、20〜70μmであることがさらに好ましい。
中間基材13の厚みは、特に限定されないが、10〜200μmであることが好ましく、15〜150μmであることがより好ましい。
[樹脂層]
樹脂層12は、図1に示すように、表面基材11、中間基材13の間において部分的に設けられるものである。そのため、表面基材11と中間基材13の間には、樹脂層12がなく、表面基材11及び中間基材13が樹脂層12を介して接着されない未接着部分21が形成される。
ここで、樹脂層12は、表面基材11及び中間基材13の間の領域のうち、外周領域の少なくとも一部に設けられるとともに、外周領域の内側の領域(内側領域)には設けられず、擬似接着ラベル10は内側領域に未接着部分を有する。
そのため、本実施形態では、表面基材11側から内側領域に対応する位置に、感熱プリンターにより印字を行うと、感熱プリンターによる加熱が、樹脂層12を介さずに表面基材11から中間基材13に直接伝熱するため、中間基材13は発色しやすくなる。
また、表面基材11は少ない面積の樹脂層12によって中間基材13に接着されるため、表面基材11は、局所的には樹脂層12によって中間基材13に比較的強固に接着されることになり、表面基材11は中間基材13から不意に剥がれにくくなる。また、部分的に未接着部分が設けられることで、表面基材11全体の中間基材13に対する剥離力は比較的低くなるので、表面基材11は剥がれやすくなり、剥離後の表面基材11(受領票)がカールしにくくなる。
なお、外周領域とは、表面基材11及び中間基材13の間において、表面基材11の中央部を取り囲むように、表面基材11の外縁部側から中央部に向かって広がる領域であり、内側領域とは外周領域に取り囲まれ、かつ中央部を含む領域である。
樹脂層12は、より具体的には、2本の矩形状の細長部12A,12Bからなり、これら細長部12A,12Bはそれぞれ、表面基材11の外縁部を構成する対向する二辺11A,11Bに沿って設けられることが好ましい。なお、表面基材11の外縁部とは、表面基材11の主面の輪郭を形成する部分であり、例えば、図2に示すように表面基材11が四角形の場合には、辺11A〜11Dが外縁部となる。
例えば、図2に示すように、擬似接着ラベル10が矩形又は方形等の四角形である場合には、樹脂層12は、表面基材11の対向する2辺11A、11Bに沿う外周領域に設けられる一方、残りの2辺11C、11Dに沿う外周領域には設けられないことが好ましい。このように樹脂層12を2本の細長部から構成すると、樹脂層12の塗布が容易になるため、擬似接着ラベル10の製造が容易になる。なお、各細長部12A、12Bは、MD方向に平行であってもよいし、TD方向に平行であってもよい。
ただし、樹脂層12は、2本の細長部からなる必要はなく、例えば表面基材11の外縁部の全周に沿って設けられてもよい。この場合、図3に示すように、ラベル10が四角形である場合には、樹脂層12は、表面基材11の外縁部を構成する4辺11A〜11Dに沿って設けられロ型形状12Dとなる。
外周領域に設けられる樹脂層の幅は、5mm以上であることが好ましく、5〜30mmであることがより好ましく、10〜30mmがさらに好ましい。5mm以上とすることで接着面積を確保でき、表面基材11が不意に剥がれたりすることが防止される。また、30mm以下とすることで、樹脂層12が設けられない領域が広くなり、印字性を良好にできる面積が広くなる。
樹脂層12は、好ましくは、熱可塑性樹脂を含有するホットメルト接着剤から形成されるものである。
熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂であることが好ましく、ポリオレフィン樹脂としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体、又はこれらの混合物等が例示される。
本発明では、樹脂層12にポリオレフィン樹脂を使用することで、適切な擬似接着性を発現しやすくなる。また、水不溶性であるから、例えば配達伝票として使用される場合に長時間雨中に晒されても、擬似接着性が失われることが防止される。
樹脂層12に使用されるポリオレフィン樹脂は、上記の中では、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、若しくはこれらの混合物が好ましい例として挙げられ、プロピレン・エチレン共重合体がより好ましい。また、プロピレン・エチレン共重合体を主成分とし、上記エチレン・α−オレフィン共重合体を加えたものも好ましい例として挙げられる。この際、エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン・1−オクテン共重合体が好ましい。
ホットメルト接着剤に上記に示す樹脂を使用すると、低温でも溶融粘度が下がり、比較的低い温度でホットメルト接着剤を塗工可能になり、ラベル製造時のホットメルト接着剤の加熱に起因する感熱発色層の発色を防止しやすくなる。また、樹脂層12と中間基材13の間の擬似接着性を優れたものとしやすくなる。
なお、ホットメルト接着剤においてポリオレフィン樹脂は、好ましくは、主成分となるものであり、特に限定されないが、ホットメルト接着剤全量に対して、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは85質量%以上含まれる。
また、ホットメルト接着剤は、上記したポリオレフィン樹脂に加えて、酸変性ポリオレフィン、又は固形パラフィン等を含有していてもよい。
酸変性ポリオレフィンとしては、例えば無水マレイン酸変性ポリプロピレンが挙げられ、具体的には、無水マレイン酸で分子末端を変性したポリプロピレン系樹脂、又は無水マレイン酸でグラフト変性したポリプロピレン系樹脂が挙げられる。酸変性ポリオレフィンは、ホットメルト接着剤全量に対して、好ましくは2〜40質量%含有され、より好ましくは5〜30質量%含有される。ホットメルト接着剤が、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィンを含有すると、感熱発色層が発色しない程度の比較的低い加熱温度で、高いタック性を有するものにしやすくなる。そのため、表面基材及び中間基材を発色させることなく、安定した擬似接着性を得やすくなる。
また、ホットメルト接着剤は、固形パラフィンワックスを含有することで、中間基材13との貼合温度が変化しても樹脂層12と中間基材13との界面で安定した剥離力を示し、広い温度領域での貼合条件で良好な擬似接着性を確保できるようになる。上記固形パラフィンワックスは、CAS No.8002−74−2の固形パラフィンであり、その融点が90〜130℃であることが好ましく、100〜125℃であることがより好ましい。また、ホットメルト接着剤は、固形パラフィンの融点を130℃以下とすることで、基材11、13が発色しない低い貼合温度で、適切な擬似接着性を示す剥離力を確保しやすくなる。
固形パラフィンワックスは、上記ポリオレフィン樹脂がプロピレン・エチレン共重合体である場合に使用されることが好ましい。その際、固形パラフィンワックスの融点は、プロピレン・エチレン共重合体よりも高いことが好ましい。
固形パラフィンは、ホットメルト接着剤全量に対して、1〜20質量%含有されることが好ましく、3〜15質量%含有されることがより好ましい。
また、ホットメルト接着剤は、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、柔軟性付与剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、充填剤、着色剤などの各種添加剤を含有してもよい。
また、ホットメルト接着剤の軟化点は、90〜150℃であることが好ましい。ホットメルト接着剤は、軟化点が90℃以上となることで、夏場であっても樹脂層12が軟化することが防止され、接着安定性が良好になる。また、150℃以下とすることで塗工温度を下げることができ、ラベル製造時の基材11、13の発色を抑えやすくなる。これらの観点から、軟化点は100〜150℃であることがより好ましい。
ホットメルト接着剤組成物の160℃における溶融粘度は、2000〜13000mPa・sであることが好ましい。溶融粘度を2000mPa・s以上とすることで、ホットメルト接着剤をホットメルトコータを用いて塗工する際、液だれ等が発生しにくくなる。また、13000mPa・s以下とすることで、ホットメルト接着剤を表面基材11が発色しない程度の低い温度で、表面基材11上に塗工することが可能になる。これらの観点から、上記の溶融粘度は、4000〜12000mPa・sであることがより好ましい。
樹脂層12は、上記したように、中間基材13に擬似接着性を有するように積層されるものであり、樹脂層12と中間基材13との間は、容易に剥離される程度の剥離力で密着している。具体的には、樹脂層12と中間基材13の間の樹脂層が設けられた箇所における剥離力は、300〜2000mN/50mmであることが好ましい。なお、この剥離力の測定方法は、後述する実施例のとおりである。剥離力が300mN/50mm以上であると表面基材11と樹脂層12の積層体が中間基材13から不意に剥がれることが防止される。また、2000mN/50mm以下であると、上記積層体を比較的小さい剥離抵抗で円滑に剥離することが可能となる。これらの観点から上記剥離力は、500〜1500mN/50mmであることがより好ましい。
一方で、樹脂層12と表面基材11の間は、樹脂層12と中間基材13との間の剥離力よりも強固に接着する。したがって、剥離シート15が剥がされた、擬似接着ラベル10が粘着剤層14により被着物に貼付された状態では、表面基材11側を人手により引き剥がすと、表面基材11は、樹脂層12とともに中間基材13から剥離されることなる。
樹脂層12の厚みは、特に限定されないが、例えば5〜40μm、好ましくは10〜30μmである。
[粘着剤層]
粘着剤層14は、擬似接着ラベル10を被着物に接着するための層である。粘着剤層14は、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の従来公知の粘着剤から形成されるが、耐候性、価格の点からアクリル系粘着剤が好適に用いられる。粘着剤層13の厚みは、特に限定されないが、例えば5〜50μm、好ましくは10〜40μmである。
[剥離シート]
剥離シート15としては、特に制限なく従来公知のものが使用可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンフィルム、クレーコート紙、グラシン紙、再生紙等の紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂がラミネートされたラミネート紙などを剥離基材として、剥離基材の片面が剥離処理剤で剥離処理されたものが使用される。剥離処理剤としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等が例示されるが、コストや剥離性の観点からシリコーン系樹脂が好ましい。剥離シート15の厚みは、特に限定されないが、例えば20〜200μm、好ましくは40〜100μmである。
擬似接着ラベル10は、打ち抜き加工が施されることが好ましい。打ち抜き加工では、表面基材11側から表面基材11、樹脂層12、中間基材13、及び粘着剤層14が打ち抜き切断された後、カス上げによって不要部分が剥離シート15から取り除かる。そのため、図1に示すように、剥離シート15の上には、剥離シート15よりも一回り小さい、表面基材11、樹脂層12、中間基材13、及び粘着剤層14が積層される。なお、表面基材11は、この打ち抜き加工により、上記した表面基材11の輪郭(外縁部)が形成される。
また、擬似接着ラベル10には、ハーフカット線が設けられてもよい。ハーフカット線は、中間基材13を切断しないように、表面基材11及び樹脂層12を切り込んだものである。ハーフカット線は、ミシン目状に形成されていても良いし、連続的な一条のスリット等によって形成されていても良い。ハーフカット線が設けられると、表面基材11は、樹脂層12と共に、ハーフカット線に沿って切断され、複数片のシートとして分離して剥離可能である。
擬似接着ラベル10は、例えば配送伝票ラベルとして使用されるものである。例えば、擬似接着ラベル10は、剥離シート15が剥離除去された後、配送物品に粘着剤層14を介して接着されるものであり、例えば、表面基材11が受領票として使用され、中間基材13が配達票として使用されるものである。すなわち、配達が完了すると、表面基材11は、捺印又はサイン後に樹脂層12とともに、中間基材13から剥離されて、配達業者に持ち帰られる受領票として使用される。一方、中間基材12側は配達先に残される配達票となる。
表面基材11及び中間基材13には、感熱式プリンターによる一度の印刷でいずれにも同じ情報が印字可能である。そのため、表面基材11(受領票)が剥離された後も、受領票と同じ情報を配達票上に残すことが可能になる。また、本発明の擬似接着ラベル10では、同じ情報が印字される配達票及び受領票が重ねられて配置されるので、ラベルサイズを小さくすることができ、小さな配送物に使用することも可能になる。なお、表面基材11及び中間基材13に印字される情報は、依頼人、配達先、配送品名等の配達情報が挙げられる。
以上のように、本実施形態の擬似接着ラベルは、樹脂層12を部分的に設けて未接着部分を有することにより、剥離操作性が向上し、分離後の受領票がカールしにくくなる。
なお、以上の説明では、表面基材11及び中間基材13の両方が感熱発色性を有する例を説明したが、表面基材11及び中間基材13のうち少なくともいずれか一方は、感熱発色性を有さないものであってもよい。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について図4〜7を用いて説明する。
本実施形態においては、樹脂層12は、第1の実施形態で説明したように、外周領域の少なくとも一部に設けられるとともに、内側領域に設けられず内側領域が未接着部分となるが、外周領域に配置された樹脂層12の外側には、樹脂層12が設けられない部分(未接着部分)があり、表面基材の外縁部の少なくとも一部に対応する位置にも未接着部分が設けられる。以下、第2の実施形態について第1の実施形態との相違点を説明する。なお、本実施形態において、説明を省略する部分は、第1の実施形態と同様である。
例えば、本実施形態では、樹脂層によって形成される2本の細長部12A,12Bが、対向する2辺11A,11Bに沿って設けられる場合、表面基材11の中央から見たとき、2本の細長部12A,12Bのうち1本の細長部12Aの外側には、表面基材11の外縁部に対応する位置にさらに未接着部分(外側未接着部分21A)が設けられる。外側未接着部分21Aは、例えば、図4に示すように、好ましくは、表面基材11の外縁部の一辺11Aに対応して細長に延在するものであることが好ましく、表面基材11の外縁部の一辺11Aに対応する位置が全て未接着部分となることがより好ましい。
このように、表面基材11の一辺11Aに対応する位置が未接着部分となると、その一辺11Aから表面基材11を容易に剥離することが可能になる。また、未接着部分を表面基材11の一辺に沿う細長形状とすると、樹脂層12の形状も矩形の細長形状のままでよいので、樹脂層12の形成が容易になる。
なお、図4の構成及び上述した図2の構成では、樹脂層12が設けられない二辺11C、11Dに対応する位置も未接着部分となるが、これら二辺11C、11Dの両端の角部は樹脂層12があるため、表面基材11は、これら二辺11C、11Dよりも、辺11Aからのほうが剥離しやすくなる。
ただし、外側未接着部分21Aは、表面基材11の外縁部の一辺11Aに対応する位置が全て未接着部分となる必要はなく、その一辺11Aのうち他の一辺との接続部分である角部に対応する位置が少なくとも外側未接着部分21Aとなればよく、例えば、図5に示すように、辺11A、11Dによって区画される角部11Eに対応する位置のみに外側未接着部分21Aが設けられてもよい。このように、角部11Eに外側未接着部分21Aが配置されることで、表面基材11は、角部11Eから容易に剥離することが可能になる。
外側未接着部分21Aは、上記のように細長形状を有する場合には、上記樹脂層12の幅よりも狭いことが好ましく、具体的には、外側未接着部分21Aの幅が2〜10mm程度であることが好ましい。幅を2mm以上とすることで、表面基材11を樹脂層12とともに剥離する際に、表面基材11を掴みやすくなる。また、10mm以下とすることで、外側未接着部分21Aに対応する位置の表面基材11が折れた状態で印字が行われても、印字に悪影響を及ぼすおそれが少ない。
また、外側未接着部分21が角部のみに設けられる場合には、その幅及び高さが樹脂層12の幅よりも小さいことが好ましく、上記と同様の観点から、その幅が2〜10mmであるとともに、高さが2〜10mmであることが好ましい。
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、樹脂層12は、2本の細長部からなる必要はない。例えば図6、7に示すように、樹脂層12は、外周領域の全周にわたって設けられ、ロ型形状12Dとなり、表面基材11の一辺11Aに対応する位置、又は角部11Eに対応する位置に外側未接着部分21Aが設けられてもよい。もちろん、表面基材11及び中間基材13のうち少なくともいずれか一方は、感熱発色性を有さないものであってもよい。
[擬似接着ラベルの製造方法]
次に、以上の第1及び第2の実施形態に係る擬似接着ラベルの製造方法の一例について説明する。
本発明の擬似接着ラベルの製造方法の一例は、表面基材に、加熱されたホットメルト接着剤を部分的に塗工する塗工工程と、その塗工されたホットメルト接着剤を冷却し、冷却されたホットメルト接着剤(樹脂層)に、中間基材を貼り合わせる貼合工程とを備えるものである。
以上の製造方法によると、塗工工程において、加熱されたホットメルト接着剤を表面基材に塗工することで表面基材上に剥離不能に樹脂層を積層することが可能になる。
また、上記したように表面基材が感熱発色性を有し、表面基材に感熱発色層が設けられる場合には、ホットメルト接着剤は、表面基材の感熱発色層が設けられた面とは反対側の面に塗工される。これにより、加熱されたホットメルト接着剤は、表面基材の感熱発色層に直接接触されず、塗工時の加熱により表面基材が発色されにくくなる。また、中間基材が感熱発色性を有し、中間基材に感熱発色層が設けられる場合でも、樹脂層のない未接着部分が設けられることにより、中間基材の主面はホットメルト接着剤により加熱されないため発色が起きない。また、中間基材と樹脂層が接する部分においては、樹脂層は擬似接着性を確保できるように適温まで冷却されて中間基材に貼り合わされるので、樹脂層に接する部分の中間基材も同様に発色されにくくなる。
なお、貼合工程において、樹脂層(ホットメルト接着剤)に貼り合わされるのは、中間基材単体でもよいが、中間基材に、他の層が積層された積層体であってもよい。具体的な積層体としては、剥離シート、粘着剤層、及び中間基材がこの順に積層してなる粘着シート等が挙げられる。
以上の製造方法において、ホットメルト接着剤は、表面基材上に塗工される際、溶融されるように加熱されていることが好ましく、その塗工時のホットメルト接着剤の温度(塗工温度)は、具体的には、120〜210℃であることが好ましく、130〜190℃であることがより好ましい。これら温度範囲とすることで、塗工性を良好にできるとともに、表面基材が発色したり、カールが発生したりすることを防止する。
また、中間基材は、擬似接着性が発現するように樹脂層に貼り合わされるが、その貼り合わせ時の樹脂層表面の温度(貼り合わせ温度)は、例えば30〜90℃程度、好ましくは40〜60℃程度である。
以上の製造方法は、例えば図8に示す擬似接着ラベル製造装置30を用いて行われる。以下、図8に示す擬似接着ラベル製造装置30で擬似接着ラベル10が製造される例を詳細に説明する。
擬似接着ラベル製造装置30は、表面基材11の一面に、ホットメルト接着剤を塗工する接着剤塗工装置31と、接着剤塗工装置31に対向して設けられる塗工圧着ロール32と、塗工圧着ロール32に隣接するように設けられ、ホットメルト接着剤によって形成された樹脂層12に、中間基材13を貼り合わせるための圧着ロール33とを備える。接着剤塗工装置31は、上流側に配置された間欠塗工ユニット31Aと、下流側に配置された筋塗布ユニット32Bとが組み合わされたものである。間欠塗工ユニット31A及び筋塗布ユニット32Bは、加熱して溶融されたホットメルト接着剤を押し出し塗工するホットメルトコータ等である。
本製造装置30では、表面基材11は、第1の繰り出しロール35から送り出され、ガイドロール36を経て塗工圧着ロール32へ向かい、塗工圧着ロール32に巻回される。このとき、表面基材11は、感熱発色層を有する場合、感熱発色層が設けられる面11Xとは反対側の面11Yが、塗工圧着ロール32の外周側に配置される。
次いで、塗工圧着ロール32に巻回された表面基材11に、ホットメルト接着剤が接着剤塗工装置31によって、所定の塗工温度で塗工される。
接着剤塗工装置31は、上記したように間欠塗工ユニット31A及び筋塗布ユニット31Bを備えることにより表面基材11上に樹脂層12を部分的に塗布することが可能である。間欠塗工ユニット31Aは、塗工液の供給バルブのオン/オフを制御して、表面基材11上に、MD方向に沿って間欠的にホットメルト接着剤を塗布するユニットである。そのため、間欠塗工ユニット31Aは、樹脂層をTD方向に平行な細長形状にしたりすることが可能である。筋塗布ユニット31Bは、コータのヘッドに櫛形プレートで形成されたシムを取り付け、ホットメルト接着剤の一部を堰き止め、コータのヘッドに吐出部と無吐出部を設けることで、ホットメルト接着剤をMD方向に沿って筋状に塗布するユニットである。そのため、筋塗布ユニット31Bは、例えば、樹脂層をMD方向(流れ方向)に平行な細長形状としたりすることが可能である。
接着剤塗工装置31では、これら2つの間欠塗工ユニット31A及び筋塗布ユニット31Bを組み合わせることで、表面基材11上に様々なパターンを塗工することが可能になる。例えば、間欠塗工ユニット31Aで2本の細長部を塗布し、筋塗布ユニット31Bでこれらと垂直の2本の細長部を塗布することで、図3、6等に示されるように樹脂層をロ型形状にすることが可能である。
また、間欠塗工ユニット31A及び筋塗布ユニット31Bのうち、一方のユニットを使用することで、図2に示すように、2本の細長部12A,12Bからなる樹脂層12を形成することが可能である。また、図4に示すように、細長矩形の外側未接着部分21Aを設けることも可能である。
なお、接着剤塗工装置31においては、間欠塗工ユニット31A及び筋塗布ユニット31Bのうち一方を省略してもよい。これらのうち、一方を省略しても上記のように、細長矩形形状の樹脂層12及び外側未接着部分21Aを形成することが可能である。
さらに、間欠塗工ユニット31Aを、ホットメルト接着剤をMD方向に沿って筋状に塗布することが可能な構成とし、また、筋塗布ユニット31Bを間欠塗工することが可能な構成にすることで、図5、7に示すように、外周領域のうち、角部のみに外側未接着部を設けたりすることも可能である。
ホットメルト接着剤が塗工された表面基材11は、さらに塗工圧着ロール32に巻回されたまま圧着ロール33と塗工圧着ロール32の間に送られる。ここで、塗工圧着ロール32は、内部に冷却水等が通されており、冷却機能を有するものである。そのため、感熱発色層が塗工圧着ロール32に直接接して冷却されることから、塗工温度まで加温されたホットメルト接着剤によって発色することがない。また、ホットメルト接着剤は、圧着ロール33との圧着点に送られるまでの間、塗工圧着ロール32によって冷却されるため、加温されたホットメルト接着剤は、所定温度まで冷却され、表面基材11の一方の面に、擬似接着性を発揮するのに適した性状の樹脂層12が積層された状態となる(図9参照)。
第2の繰り出しロール37からは、例えば粘着シート20が圧着ロール33と塗工圧着ロール32の間に送られる。図9に示すように、粘着シート20は、剥離シート15、粘着剤層14、及び中間基材13がこの順に積層されてなるものである。なお、中間基材13に感熱発色層が設けられる場合、感熱発色層は粘着シート20の表面20Xに配置されることになる。
次に、圧着ロール33と塗工圧着ロール32の間において、粘着シート20の表面20Xが、樹脂層12に圧着されて貼り合わせられ、これにより、擬似接着ラベル10が得られ、巻き取りロール38に巻き取られる。
図8に示す擬似接着ラベル製造装置30によれば、樹脂層の形成と、樹脂層と中間基材との貼り合わせが一連の工程で連続的に行うことが可能であるため、少ない工程数で擬似接着ラベルを製造可能になる。
擬似接着ラベル製造装置30は、さらに冷却ロール(図示せず)を備えていてもよい。冷却ロールは、外周面が金属製の筒体で形成され、また、内部に冷却水等が通されることで冷却機能を有するものである。冷却ロールは、塗工圧着ロール32と表面基材に接しない位置において塗工圧着ロールの外周面に接触する構造を有する。当該冷却ロールにより冷却を行えば、塗工圧着ロール32を介して間接的に表面基材11やホットメルト接着剤を冷却することができる。当該冷却ロールと塗工圧着ロール32の冷却を同時に行ってもよいし、いずれか一方で冷却してもよい。冷却ロールが設けられると、塗工圧着ロール32は、冷却ロールによってさらに効率的に冷却され、また、温度制御された冷却が行えることになる。
擬似接着ラベル製造装置30は、必要に応じさらに印刷装置を備えることができる。印刷装置としては擬似接着ラベル製造装置30の任意の位置に単数または複数のユニットを設置することができる。例えば、圧着ロール33と巻取りロール38の間に、図8中の下方からウエブに向かって印刷する印刷ヘッドを設置すれば、表面基材の表面11Xに印刷パターンを有する擬似接着ラベルが製造できる。また、第1の繰り出しロール35とガイドロール36の間に、図8中の上方からウエブに向かって印刷する印刷ヘッドを設置すれば、表面基材11と樹脂層12の間に印刷パターンを有する擬似接着ラベルが製造できる。また、第2の繰り出しロール37と圧着ロール33の間に、図8中の左上方向からウエブに向かって印刷する印刷ヘッドを設置すれば、中間基材の表面20Xに印刷パターンを有する擬似接着ラベルが製造できる。擬似接着ラベル製造装置30に用いられる印刷装置としてはフレキソ印刷装置などが好ましい。
このような印刷装置は、感熱発色によるような可変情報ではなく、固定されたロゴやデザインなどの図柄、罫線などの印刷パターンあるいは隠蔽のための全面印刷層を擬似接着ラベルに付与するために適用される。
擬似接着ラベル製造装置30は、必要に応じ、さらに抜き加工装置やカス取り装置等を備えていてもよい。抜き加工装置としては、ピナクル刃やトムソン刃を備えたダイカット装置やレーザー切断装置などが挙げられる。これらの抜き加工装置により、剥離シート15を残し表面基材11から粘着剤層14までの層を切断する抜き加工や、表面基材11から樹脂層12までの層をカットするハーフカット、あるいはミシン目加工などを行うことができる。擬似接着ラベル10を外周の閉じた形状に抜き加工を行う場合は、外周より外側をカス取り装置により除去することが好ましい。この際、樹脂層の塗布パターンに基づいて抜き刃の位置が精密調整されて、擬似接着ラベルの所定の位置に樹脂層が部分的に設けられるようになり、例えば、表面基材の一辺に沿って延在する外側未接着部分21Aを形成することも可能である。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
本発明における測定方法、評価方法は以下のとおりである。
(1)溶融粘度
ホットメルト接着剤の160℃における溶融粘度は、ブルックフィールドB型粘度計(ローターNo.27、回転数20rpm)により測定した。
(2)軟化点
ホットメルト接着剤の軟化点は、環球法(JIS K 7234 4.1)により測定した。
(3)剥離力
擬似接着ラベルのうち、樹脂層が設けられた部分のみを切り出し、長さ100mmの剥離力測定用サンプルを得た。その測定用サンプルを、室温(23℃)下、引張試験機を用いて、表面基材側を剥離角度180°、剥離速度0.3m/分の条件で剥離し、その剥離に要した力を剥離力(mN/50mm)として測定した。なお、測定用サンプルは、樹脂層の幅が50mm未満のものについては、そのサンプルにおいて最大幅が採取できる分を切り出してその幅当たりの剥離力を測定し、50mm当たりの剥離力に換算した。
なお、剥離力が500〜1500mN/50mmである場合には、表面基材を剥がす際に問題無く剥離できるとして“A”と評価し、300〜2000mN/50mmで上記A以外の場合には、使用可能であるとして“B”と評価し、上記以外の剥離力を使用不可として“F”として評価した。
(4)作業性
擬似接着ラベルから、手で表面基材側を剥離して、その際の剥離性を以下の評価基準で評価した。
A:表面基材が勝手に剥離せず、表面基材及び中間基材になんらダメージがなく、剥離の作業性が良好であった。
B:表面基材が勝手に剥離せず、剥離した表面基材はカールするものの受領票として使用可能であり、剥離の作業性に問題がなかった。
F:表面基材が勝手に剥離し、または、剥離した表面基材のカールが大きく受領票として使用不可能であり、もしくは、表面基材及び中間基材のいずれかが引き千切れるなどの使用不可能なダメージを被り、剥離の作業性に問題があった。
(5)印字テスト
擬似接着ラベルの第1のサーマル基材表面側から、ゼブラテクノロジーズ社製「110Xi4
」を用いて印字を行った。印字後、第1のサーマル基材を樹脂層とともに第2のサーマル
基材から剥離して、第2のサーマル基材の印字状態を目視にて確認して以下の基準で評価
した。
A:鮮明に文字を観察でき、印字性が良好であった。
B:印字された文字はやや不鮮明であるものの、文字を認識することができた。
F:印字された文字が見えず、又は認識できなかった。
実施例1
図8に示す擬似接着ラベル製造装置30を用いて以下のように図1、2に示す擬似接着ラベルを製造した。
まず、表面基材11として、日本製紙株式会社製のサーマル紙「TP50KS−HS」(幅100mm、厚み:64μm)を用意した。また、粘着シート20として、中間基材13に日本製紙株式会社製のサーマル紙「TP50KS−HS」(厚み:64μm)、粘着剤層14にリンテック株式会社製のアクリル系粘着剤「PW」(厚み:20μm)、剥離シート15にリンテック株式会社製の剥離紙「SP−8Kアオ」を使用した粘着シート(幅100mm)を用意した。なお、中間基材の感熱発色層は粘着剤層側の面とは反対側の面に設けられていた。また、ホットメルト接着剤として、軟化点が148℃、160℃溶融粘度が11000mPa・sのオレフィン樹脂系ホットメルト接着剤(MORESCO製の「EP−90」)を用意した。
まず、第1の繰り出しロール35に表面基材11を、第2の繰り出しロール37に粘着シート20をセットした。第1の繰り出しロール35から繰り出された表面基材11を塗工圧着ロール32に巻回し、表面基材11の感熱発色層が設けられた面とは反対側の面に、1つのホットメルトコータによって、樹脂押出温度(塗工温度)180℃で、樹脂層の厚みが20μmになるように押出塗工し、表面基材の上に樹脂層を形成した。なお、塗工圧着ロール32の内部には、20℃の水が循環されていた。また、コータヘッドには、20mmの吐出部、50mmの無吐出部、20mmの吐出部がこの順に配列されようにシムを装着しており、樹脂層は、擬似接着ラベルにおいて、表面基材の対向する二辺に沿う位置に設けられた2本の幅20mmの細長部となるようにパターニングされていた。各細長部は、MD方向に平行であった。
次いで、圧着ロール33と塗工圧着ロール32の間で、上記樹脂層12に、中間基材13側の面が接するように粘着シート20を50℃で貼り合わせた。なお、貼り合わせ時の温度は、樹脂層表面の温度を赤外線による非接触温度計で測定したものである。その後、抜き加工が施されカス取りされることで図1、2に示す擬似接着ラベルを得た。抜き加工された後の擬似接着ラベル10のサイズ(すなわち、剥離シート15上の表面基材等のサイズ)は、90mm×90mmであった。
実施例2
表面基材として日本製紙株式会社製のサーマル紙「TP77KS−HS」(厚み105μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
実施例3
コータを流れ方向に間欠塗布が可能なホットメルト供給ラインを有するものとするとともに、コータヘッドに幅が95mmの単一の開口を有するシムを取り付けた。そして、流れ方向に沿って塗布部:20mm、無塗布部:50mm、塗布部:20mm、無塗布部10mmの繰り返しでホットメルト接着剤を間欠塗布した以外は実施例1と同様に実施して、図1、2に示す擬似接着ラベルを得た。擬似接着ラベルにおいて樹脂層は、間欠塗布することで、表面基材の対向する二辺に沿う位置に設けられた2本の幅20mmの細長部にパターニングされていた。各細長部は、TD方向に平行であった。
実施例4
コータヘッドに、20mmの吐出部、48mmの無吐出部、20mmの吐出部がこの順に配列されようにシムを装着して、表面基材の一辺に沿う一方の細長部の外側に、幅2mmの外側未接着部が設けられるようにした以外は実施例1と同様に実施し、図4に示す擬似接着ラベルを得た。
実施例5
樹脂層の厚みを30μmとしたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
実施例6
樹脂層の厚みを15μmとしたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
実施例7
コータヘッドに、5mmの吐出部、80mmの無吐出部、5mm吐出部がこの順に配列されるようにシムを装着した以外は、実施例6と同様にして、図2に示す擬似接着ラベルを製造した。樹脂層は、擬似接着ラベルにおいて、表面基材の対向する二辺に沿う位置に設けられた2本の幅5mmの細長部にパターニングされていた。各細長部は、MD方向に平行であった。
Figure 2015230438
10…擬似接着ラベル
11…表面基材
12…樹脂層
13…中間基材
14…粘着剤層
15…剥離シート
20…粘着シート
21…未接着部分
21A…外側未接着部分
30…擬似接着ラベル製造装置
31…接着剤塗工装置
32…塗工圧着ロール
33…圧着ロール

Claims (12)

  1. 表面基材、樹脂層、中間基材、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、前記樹脂層と前記中間基材との間で擬似接着性を有するように積層されており、
    前記樹脂層が部分的に設けられ、前記表面基材と前記中間基材の間に前記樹脂層のない未接着部分を有する擬似接着ラベル。
  2. 前記表面基材と前記中間基材の間において、前記樹脂層が外周領域の少なくとも一部に設けられ、内側領域に前記未接着部分を有する請求項1に記載の擬似接着ラベル。
  3. 前記表面基材の外縁部の少なくとも一部に対応する位置に前記未接着部分を有する請求項1又は2に記載の擬似接着ラベル。
  4. 前記表面基材の二辺に区画された角部に対応する位置に、少なくとも前記未接着部分を有する請求項3に記載の擬似接着ラベル。
  5. 前記樹脂層が、熱可塑性樹脂を含有するホットメルト接着剤から形成される請求項1〜4のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
  6. 前記表面基材が、感熱発色性を有する請求項1〜5のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
  7. 前記中間基材が、感熱発色性を有する請求項1〜6のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
  8. 前記表面基材及び中間基材のいずれもが感熱発色性を有し、前記表面基材側の表面から前記表面基材及び中間基材に同一の情報を印字可能である請求項1〜7のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
  9. 配送伝票ラベルとして使用される請求項1〜8のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
  10. 前記擬似接着ラベルは、前記剥離シートを剥離除去した後、配送物品に前記粘着剤層を介して接着されるものであり、前記表面基材が前記樹脂層とともに、前記中間基材から剥離されて持ち帰られる受領票として使用される請求項9に記載の擬似接着ラベル。
  11. 前記樹脂層と前記中間基材の間の樹脂層が設けられた箇所における剥離力は、剥離角度180°、剥離速度0.3m/分で300〜2000mN/50mmである請求項1〜10のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の擬似接着ラベルを製造する擬似接着ラベルの製造方法であって、
    前記表面基材上に、加熱したホットメルト接着剤を部分的に塗工する塗工工程と、その塗工されたホットメルト接着剤を冷却し、冷却されたホットメルト接着剤に、前記中間基材を貼り合わせる貼り合せ工程とを備える擬似接着ラベルの製造方法。
JP2014117485A 2014-06-06 2014-06-06 擬似接着ラベル及び擬似接着ラベルの製造方法 Pending JP2015230438A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014117485A JP2015230438A (ja) 2014-06-06 2014-06-06 擬似接着ラベル及び擬似接着ラベルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014117485A JP2015230438A (ja) 2014-06-06 2014-06-06 擬似接着ラベル及び擬似接着ラベルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015230438A true JP2015230438A (ja) 2015-12-21

Family

ID=54887218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014117485A Pending JP2015230438A (ja) 2014-06-06 2014-06-06 擬似接着ラベル及び擬似接着ラベルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015230438A (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07251581A (ja) * 1994-03-14 1995-10-03 Toppan Moore Co Ltd 配送伝票及びその作成方法
JPH0836361A (ja) * 1994-07-21 1996-02-06 Sato:Kk 複層荷札ラベル及びその使用方法
JPH10138664A (ja) * 1996-11-06 1998-05-26 Dainippon Printing Co Ltd 配送伝票
US6423391B1 (en) * 1999-07-22 2002-07-23 Ncr Corporation Variegated label sheet
JP2007003681A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Murazumi Kogyo Kk 剥離性ラベル
JP2010039185A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Lintec Corp 擬似接着ラベル
JP2010131869A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Daio Paper Corp 情報記録用粘着シート
JP2010253744A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Dainippon Printing Co Ltd 配送伝票
JP2013028049A (ja) * 2011-07-28 2013-02-07 Toppan Forms Co Ltd 再剥離性重ね合わせシート

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07251581A (ja) * 1994-03-14 1995-10-03 Toppan Moore Co Ltd 配送伝票及びその作成方法
JPH0836361A (ja) * 1994-07-21 1996-02-06 Sato:Kk 複層荷札ラベル及びその使用方法
JPH10138664A (ja) * 1996-11-06 1998-05-26 Dainippon Printing Co Ltd 配送伝票
US6423391B1 (en) * 1999-07-22 2002-07-23 Ncr Corporation Variegated label sheet
JP2007003681A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Murazumi Kogyo Kk 剥離性ラベル
JP2010039185A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Lintec Corp 擬似接着ラベル
JP2010131869A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Daio Paper Corp 情報記録用粘着シート
JP2010253744A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Dainippon Printing Co Ltd 配送伝票
JP2013028049A (ja) * 2011-07-28 2013-02-07 Toppan Forms Co Ltd 再剥離性重ね合わせシート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6711832B2 (ja) 易剥離性積層ラベル、その製造方法およびその使用方法、易剥離性積層ラベル付被着体、並びに開封済判定方法
JP5468249B2 (ja) 情報記録用粘着シート
JP6520028B2 (ja) 擬似接着ラベル及び擬似接着ラベルの製造方法
WO2015115642A1 (ja) ホットメルト接着剤組成物、及び擬似接着ラベル
JP2013244718A (ja) 配送伝票
JP6420555B2 (ja) 擬似接着ラベル及び擬似接着ラベルの製造方法
JP2012237080A (ja) マーク用生地材料及びマーク形成方法
JP2017179240A (ja) タイヤ用粘着シート及びその製造方法
JP2015230438A (ja) 擬似接着ラベル及び擬似接着ラベルの製造方法
JP2018114661A (ja) ラベル基材の製造方法及びラベル
JP7190949B2 (ja) 擬似接着ラベル
JP6331734B2 (ja) 配送伝票
JP5948912B2 (ja) 易引裂き性エンボスフィルム及びこれを用いた包装材料
JP2013244721A (ja) 配送伝票
JP2000204331A (ja) 粘着ラベル及び粘着ラベルの加工方法
JP6862269B2 (ja) 熱転写用積層シート及びそれを用いた印刷体の製造方法
JP6230897B2 (ja) 筒状ストレッチラベル
JP2006249273A (ja) 加熱剥離型粘着シート
JP5467352B2 (ja) 感熱ラベル
JP2015030528A (ja) 台紙の製造方法および台紙
JP7149477B2 (ja) 擬似接着ラベル
CN208732999U (zh) 轮胎用粘合片
JP7142199B2 (ja) 印刷シート
JP5545805B2 (ja) 転写シート
JP2018124450A (ja) 易剥離性ラベル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170414

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180814

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181012

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190312