JP2015230438A - 擬似接着ラベル及び擬似接着ラベルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)表面基材、樹脂層、中間基材、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、前記樹脂層と前記中間基材との間で擬似接着性を有するように積層されており、
前記樹脂層が部分的に設けられ、前記表面基材と前記中間基材の間に前記樹脂層のない未接着部分を有する擬似接着ラベル。
(2)前記表面基材と前記中間基材の間において、前記樹脂層が外周領域の少なくとも一部に設けられ、内側領域に前記未接着部分を有する上記(1)に記載の擬似接着ラベル。
(3)前記表面基材の外縁部の少なくとも一部に対応する位置に前記未接着部分を有する上記(1)又は(2)に記載の擬似接着ラベル。
(4)前記表面基材の二辺に区画された角部に対応する位置に、少なくとも前記未接着部分を有する上記(3)に記載の擬似接着ラベル。
(5)前記樹脂層が、熱可塑性樹脂を含有するホットメルト接着剤から形成される上記(1)〜(4)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(6)前記表面基材が、感熱発色性を有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(7)前記中間基材が、感熱発色性を有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(8)前記表面基材及び中間基材のいずれもが感熱発色性を有し、前記表面基材側の表面から前記表面基材及び中間基材に同一の情報を印字可能である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(9)配送伝票ラベルとして使用される上記(1)〜(8)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(10)前記擬似接着ラベルは、前記剥離シートを剥離除去した後、配送物品に前記粘着剤層を介して接着されるものであり、前記表面基材が前記樹脂層とともに、前記中間基材から剥離されて持ち帰られる受領票として使用される上記(9)に記載の擬似接着ラベル。
(11)前記樹脂層と前記中間基材の間の樹脂層が設けられた箇所における剥離力は、剥離角度180°、剥離速度0.3m/分で300〜2000mN/50mmである上記(1)〜(10)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の擬似接着ラベルを製造する擬似接着ラベルの製造方法であって、
前記表面基材上に、加熱したホットメルト接着剤を部分的に塗工する塗工工程と、その塗工されたホットメルト接着剤を冷却し、冷却されたホットメルト接着剤に、前記中間基材を貼り合わせる貼り合せ工程とを備える擬似接着ラベルの製造方法。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る擬似接着ラベル10は、表面基材11、樹脂層12、中間基材13、粘着剤層14、及び剥離シート15がこの順に積層されたものであり、樹脂層12と中間基材13との間が擬似接着性を有するように積層されたものである。第1の実施形態においては、表面基材11及び中間基材13がともに感熱発色性である擬似接着ラベルについて説明する。
なお、擬似接着性とは、積層された2層の界面で剥離が容易であり、剥離された後では、剥離された層間で容易に再接着ができない性質をいう。以下、各部材についてより詳細に説明する。
表面基材11及び中間基材13は、それぞれ、感熱発色性を有することで、表面基材11及び中間基材13には、感熱式プリンター等による印字が可能になる。
感熱発色性を有する表面基材11及び中間基材13は、基材の一方の表面に感熱発色層が設けられたものであることが好ましく、感熱発色層は、表面基材11においては樹脂層12側の面とは反対側の面に設けられる。また、中間基材13において、感熱発色層は中間基材13の樹脂層12側の面に設けられる。
また、後述するように、通常、表面基材11には加熱されたホットメルト接着剤が積層されて樹脂層12が形成される。この際、ホットメルト接着剤は表面基材11の感熱発色層とは反対面に直接塗布されることによって、表面基材11と樹脂層12は強固に接着する。これに対し、中間基材13は表面基材11に遅れて樹脂層12の感熱発色層側に積層される。この時間差によってホットメルト接着剤の接着性が低下し、中間基材13と樹脂層12の層間には擬似接着性が生ずる。なお、表面基材11や中間基材13の感熱発色層は、後述する未接着部分21の配置や塗工装置の温度制御を適宜行うことで、発色を防止することができる。
また、表面基材11及び中間基材13に使用される基材としては、クラフト紙、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙、合成繊維紙等の紙基材、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂フィルム、及びこれらの樹脂フィルムからなる合成紙等が使用されるが、印字性を良好にする観点や、樹脂層の余熱を、表面基材11表面に設けられた感熱発色層に伝熱しにくくする観点から、紙基材であることが好ましい。
中間基材13の厚みは、特に限定されないが、10〜200μmであることが好ましく、15〜150μmであることがより好ましい。
樹脂層12は、図1に示すように、表面基材11、中間基材13の間において部分的に設けられるものである。そのため、表面基材11と中間基材13の間には、樹脂層12がなく、表面基材11及び中間基材13が樹脂層12を介して接着されない未接着部分21が形成される。
ここで、樹脂層12は、表面基材11及び中間基材13の間の領域のうち、外周領域の少なくとも一部に設けられるとともに、外周領域の内側の領域(内側領域)には設けられず、擬似接着ラベル10は内側領域に未接着部分を有する。
そのため、本実施形態では、表面基材11側から内側領域に対応する位置に、感熱プリンターにより印字を行うと、感熱プリンターによる加熱が、樹脂層12を介さずに表面基材11から中間基材13に直接伝熱するため、中間基材13は発色しやすくなる。
また、表面基材11は少ない面積の樹脂層12によって中間基材13に接着されるため、表面基材11は、局所的には樹脂層12によって中間基材13に比較的強固に接着されることになり、表面基材11は中間基材13から不意に剥がれにくくなる。また、部分的に未接着部分が設けられることで、表面基材11全体の中間基材13に対する剥離力は比較的低くなるので、表面基材11は剥がれやすくなり、剥離後の表面基材11(受領票)がカールしにくくなる。
なお、外周領域とは、表面基材11及び中間基材13の間において、表面基材11の中央部を取り囲むように、表面基材11の外縁部側から中央部に向かって広がる領域であり、内側領域とは外周領域に取り囲まれ、かつ中央部を含む領域である。
例えば、図2に示すように、擬似接着ラベル10が矩形又は方形等の四角形である場合には、樹脂層12は、表面基材11の対向する2辺11A、11Bに沿う外周領域に設けられる一方、残りの2辺11C、11Dに沿う外周領域には設けられないことが好ましい。このように樹脂層12を2本の細長部から構成すると、樹脂層12の塗布が容易になるため、擬似接着ラベル10の製造が容易になる。なお、各細長部12A、12Bは、MD方向に平行であってもよいし、TD方向に平行であってもよい。
ただし、樹脂層12は、2本の細長部からなる必要はなく、例えば表面基材11の外縁部の全周に沿って設けられてもよい。この場合、図3に示すように、ラベル10が四角形である場合には、樹脂層12は、表面基材11の外縁部を構成する4辺11A〜11Dに沿って設けられロ型形状12Dとなる。
熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂であることが好ましく、ポリオレフィン樹脂としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体、又はこれらの混合物等が例示される。
本発明では、樹脂層12にポリオレフィン樹脂を使用することで、適切な擬似接着性を発現しやすくなる。また、水不溶性であるから、例えば配達伝票として使用される場合に長時間雨中に晒されても、擬似接着性が失われることが防止される。
樹脂層12に使用されるポリオレフィン樹脂は、上記の中では、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、若しくはこれらの混合物が好ましい例として挙げられ、プロピレン・エチレン共重合体がより好ましい。また、プロピレン・エチレン共重合体を主成分とし、上記エチレン・α−オレフィン共重合体を加えたものも好ましい例として挙げられる。この際、エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン・1−オクテン共重合体が好ましい。
ホットメルト接着剤に上記に示す樹脂を使用すると、低温でも溶融粘度が下がり、比較的低い温度でホットメルト接着剤を塗工可能になり、ラベル製造時のホットメルト接着剤の加熱に起因する感熱発色層の発色を防止しやすくなる。また、樹脂層12と中間基材13の間の擬似接着性を優れたものとしやすくなる。
なお、ホットメルト接着剤においてポリオレフィン樹脂は、好ましくは、主成分となるものであり、特に限定されないが、ホットメルト接着剤全量に対して、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは85質量%以上含まれる。
酸変性ポリオレフィンとしては、例えば無水マレイン酸変性ポリプロピレンが挙げられ、具体的には、無水マレイン酸で分子末端を変性したポリプロピレン系樹脂、又は無水マレイン酸でグラフト変性したポリプロピレン系樹脂が挙げられる。酸変性ポリオレフィンは、ホットメルト接着剤全量に対して、好ましくは2〜40質量%含有され、より好ましくは5〜30質量%含有される。ホットメルト接着剤が、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィンを含有すると、感熱発色層が発色しない程度の比較的低い加熱温度で、高いタック性を有するものにしやすくなる。そのため、表面基材及び中間基材を発色させることなく、安定した擬似接着性を得やすくなる。
固形パラフィンワックスは、上記ポリオレフィン樹脂がプロピレン・エチレン共重合体である場合に使用されることが好ましい。その際、固形パラフィンワックスの融点は、プロピレン・エチレン共重合体よりも高いことが好ましい。
固形パラフィンは、ホットメルト接着剤全量に対して、1〜20質量%含有されることが好ましく、3〜15質量%含有されることがより好ましい。
一方で、樹脂層12と表面基材11の間は、樹脂層12と中間基材13との間の剥離力よりも強固に接着する。したがって、剥離シート15が剥がされた、擬似接着ラベル10が粘着剤層14により被着物に貼付された状態では、表面基材11側を人手により引き剥がすと、表面基材11は、樹脂層12とともに中間基材13から剥離されることなる。
樹脂層12の厚みは、特に限定されないが、例えば5〜40μm、好ましくは10〜30μmである。
粘着剤層14は、擬似接着ラベル10を被着物に接着するための層である。粘着剤層14は、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の従来公知の粘着剤から形成されるが、耐候性、価格の点からアクリル系粘着剤が好適に用いられる。粘着剤層13の厚みは、特に限定されないが、例えば5〜50μm、好ましくは10〜40μmである。
剥離シート15としては、特に制限なく従来公知のものが使用可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンフィルム、クレーコート紙、グラシン紙、再生紙等の紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂がラミネートされたラミネート紙などを剥離基材として、剥離基材の片面が剥離処理剤で剥離処理されたものが使用される。剥離処理剤としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等が例示されるが、コストや剥離性の観点からシリコーン系樹脂が好ましい。剥離シート15の厚みは、特に限定されないが、例えば20〜200μm、好ましくは40〜100μmである。
表面基材11及び中間基材13には、感熱式プリンターによる一度の印刷でいずれにも同じ情報が印字可能である。そのため、表面基材11(受領票)が剥離された後も、受領票と同じ情報を配達票上に残すことが可能になる。また、本発明の擬似接着ラベル10では、同じ情報が印字される配達票及び受領票が重ねられて配置されるので、ラベルサイズを小さくすることができ、小さな配送物に使用することも可能になる。なお、表面基材11及び中間基材13に印字される情報は、依頼人、配達先、配送品名等の配達情報が挙げられる。
なお、以上の説明では、表面基材11及び中間基材13の両方が感熱発色性を有する例を説明したが、表面基材11及び中間基材13のうち少なくともいずれか一方は、感熱発色性を有さないものであってもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について図4〜7を用いて説明する。
本実施形態においては、樹脂層12は、第1の実施形態で説明したように、外周領域の少なくとも一部に設けられるとともに、内側領域に設けられず内側領域が未接着部分となるが、外周領域に配置された樹脂層12の外側には、樹脂層12が設けられない部分(未接着部分)があり、表面基材の外縁部の少なくとも一部に対応する位置にも未接着部分が設けられる。以下、第2の実施形態について第1の実施形態との相違点を説明する。なお、本実施形態において、説明を省略する部分は、第1の実施形態と同様である。
例えば、本実施形態では、樹脂層によって形成される2本の細長部12A,12Bが、対向する2辺11A,11Bに沿って設けられる場合、表面基材11の中央から見たとき、2本の細長部12A,12Bのうち1本の細長部12Aの外側には、表面基材11の外縁部に対応する位置にさらに未接着部分(外側未接着部分21A)が設けられる。外側未接着部分21Aは、例えば、図4に示すように、好ましくは、表面基材11の外縁部の一辺11Aに対応して細長に延在するものであることが好ましく、表面基材11の外縁部の一辺11Aに対応する位置が全て未接着部分となることがより好ましい。
このように、表面基材11の一辺11Aに対応する位置が未接着部分となると、その一辺11Aから表面基材11を容易に剥離することが可能になる。また、未接着部分を表面基材11の一辺に沿う細長形状とすると、樹脂層12の形状も矩形の細長形状のままでよいので、樹脂層12の形成が容易になる。
なお、図4の構成及び上述した図2の構成では、樹脂層12が設けられない二辺11C、11Dに対応する位置も未接着部分となるが、これら二辺11C、11Dの両端の角部は樹脂層12があるため、表面基材11は、これら二辺11C、11Dよりも、辺11Aからのほうが剥離しやすくなる。
また、外側未接着部分21が角部のみに設けられる場合には、その幅及び高さが樹脂層12の幅よりも小さいことが好ましく、上記と同様の観点から、その幅が2〜10mmであるとともに、高さが2〜10mmであることが好ましい。
次に、以上の第1及び第2の実施形態に係る擬似接着ラベルの製造方法の一例について説明する。
本発明の擬似接着ラベルの製造方法の一例は、表面基材に、加熱されたホットメルト接着剤を部分的に塗工する塗工工程と、その塗工されたホットメルト接着剤を冷却し、冷却されたホットメルト接着剤(樹脂層)に、中間基材を貼り合わせる貼合工程とを備えるものである。
以上の製造方法によると、塗工工程において、加熱されたホットメルト接着剤を表面基材に塗工することで表面基材上に剥離不能に樹脂層を積層することが可能になる。
なお、貼合工程において、樹脂層(ホットメルト接着剤)に貼り合わされるのは、中間基材単体でもよいが、中間基材に、他の層が積層された積層体であってもよい。具体的な積層体としては、剥離シート、粘着剤層、及び中間基材がこの順に積層してなる粘着シート等が挙げられる。
また、中間基材は、擬似接着性が発現するように樹脂層に貼り合わされるが、その貼り合わせ時の樹脂層表面の温度(貼り合わせ温度)は、例えば30〜90℃程度、好ましくは40〜60℃程度である。
擬似接着ラベル製造装置30は、表面基材11の一面に、ホットメルト接着剤を塗工する接着剤塗工装置31と、接着剤塗工装置31に対向して設けられる塗工圧着ロール32と、塗工圧着ロール32に隣接するように設けられ、ホットメルト接着剤によって形成された樹脂層12に、中間基材13を貼り合わせるための圧着ロール33とを備える。接着剤塗工装置31は、上流側に配置された間欠塗工ユニット31Aと、下流側に配置された筋塗布ユニット32Bとが組み合わされたものである。間欠塗工ユニット31A及び筋塗布ユニット32Bは、加熱して溶融されたホットメルト接着剤を押し出し塗工するホットメルトコータ等である。
次いで、塗工圧着ロール32に巻回された表面基材11に、ホットメルト接着剤が接着剤塗工装置31によって、所定の塗工温度で塗工される。
接着剤塗工装置31では、これら2つの間欠塗工ユニット31A及び筋塗布ユニット31Bを組み合わせることで、表面基材11上に様々なパターンを塗工することが可能になる。例えば、間欠塗工ユニット31Aで2本の細長部を塗布し、筋塗布ユニット31Bでこれらと垂直の2本の細長部を塗布することで、図3、6等に示されるように樹脂層をロ型形状にすることが可能である。
なお、接着剤塗工装置31においては、間欠塗工ユニット31A及び筋塗布ユニット31Bのうち一方を省略してもよい。これらのうち、一方を省略しても上記のように、細長矩形形状の樹脂層12及び外側未接着部分21Aを形成することが可能である。
さらに、間欠塗工ユニット31Aを、ホットメルト接着剤をMD方向に沿って筋状に塗布することが可能な構成とし、また、筋塗布ユニット31Bを間欠塗工することが可能な構成にすることで、図5、7に示すように、外周領域のうち、角部のみに外側未接着部を設けたりすることも可能である。
次に、圧着ロール33と塗工圧着ロール32の間において、粘着シート20の表面20Xが、樹脂層12に圧着されて貼り合わせられ、これにより、擬似接着ラベル10が得られ、巻き取りロール38に巻き取られる。
図8に示す擬似接着ラベル製造装置30によれば、樹脂層の形成と、樹脂層と中間基材との貼り合わせが一連の工程で連続的に行うことが可能であるため、少ない工程数で擬似接着ラベルを製造可能になる。
このような印刷装置は、感熱発色によるような可変情報ではなく、固定されたロゴやデザインなどの図柄、罫線などの印刷パターンあるいは隠蔽のための全面印刷層を擬似接着ラベルに付与するために適用される。
(1)溶融粘度
ホットメルト接着剤の160℃における溶融粘度は、ブルックフィールドB型粘度計(ローターNo.27、回転数20rpm)により測定した。
(2)軟化点
ホットメルト接着剤の軟化点は、環球法(JIS K 7234 4.1)により測定した。
(3)剥離力
擬似接着ラベルのうち、樹脂層が設けられた部分のみを切り出し、長さ100mmの剥離力測定用サンプルを得た。その測定用サンプルを、室温(23℃)下、引張試験機を用いて、表面基材側を剥離角度180°、剥離速度0.3m/分の条件で剥離し、その剥離に要した力を剥離力(mN/50mm)として測定した。なお、測定用サンプルは、樹脂層の幅が50mm未満のものについては、そのサンプルにおいて最大幅が採取できる分を切り出してその幅当たりの剥離力を測定し、50mm当たりの剥離力に換算した。
なお、剥離力が500〜1500mN/50mmである場合には、表面基材を剥がす際に問題無く剥離できるとして“A”と評価し、300〜2000mN/50mmで上記A以外の場合には、使用可能であるとして“B”と評価し、上記以外の剥離力を使用不可として“F”として評価した。
(4)作業性
擬似接着ラベルから、手で表面基材側を剥離して、その際の剥離性を以下の評価基準で評価した。
A:表面基材が勝手に剥離せず、表面基材及び中間基材になんらダメージがなく、剥離の作業性が良好であった。
B:表面基材が勝手に剥離せず、剥離した表面基材はカールするものの受領票として使用可能であり、剥離の作業性に問題がなかった。
F:表面基材が勝手に剥離し、または、剥離した表面基材のカールが大きく受領票として使用不可能であり、もしくは、表面基材及び中間基材のいずれかが引き千切れるなどの使用不可能なダメージを被り、剥離の作業性に問題があった。
(5)印字テスト
擬似接着ラベルの第1のサーマル基材表面側から、ゼブラテクノロジーズ社製「110Xi4
」を用いて印字を行った。印字後、第1のサーマル基材を樹脂層とともに第2のサーマル
基材から剥離して、第2のサーマル基材の印字状態を目視にて確認して以下の基準で評価
した。
A:鮮明に文字を観察でき、印字性が良好であった。
B:印字された文字はやや不鮮明であるものの、文字を認識することができた。
F:印字された文字が見えず、又は認識できなかった。
図8に示す擬似接着ラベル製造装置30を用いて以下のように図1、2に示す擬似接着ラベルを製造した。
まず、表面基材11として、日本製紙株式会社製のサーマル紙「TP50KS−HS」(幅100mm、厚み:64μm)を用意した。また、粘着シート20として、中間基材13に日本製紙株式会社製のサーマル紙「TP50KS−HS」(厚み:64μm)、粘着剤層14にリンテック株式会社製のアクリル系粘着剤「PW」(厚み:20μm)、剥離シート15にリンテック株式会社製の剥離紙「SP−8Kアオ」を使用した粘着シート(幅100mm)を用意した。なお、中間基材の感熱発色層は粘着剤層側の面とは反対側の面に設けられていた。また、ホットメルト接着剤として、軟化点が148℃、160℃溶融粘度が11000mPa・sのオレフィン樹脂系ホットメルト接着剤(MORESCO製の「EP−90」)を用意した。
次いで、圧着ロール33と塗工圧着ロール32の間で、上記樹脂層12に、中間基材13側の面が接するように粘着シート20を50℃で貼り合わせた。なお、貼り合わせ時の温度は、樹脂層表面の温度を赤外線による非接触温度計で測定したものである。その後、抜き加工が施されカス取りされることで図1、2に示す擬似接着ラベルを得た。抜き加工された後の擬似接着ラベル10のサイズ(すなわち、剥離シート15上の表面基材等のサイズ)は、90mm×90mmであった。
表面基材として日本製紙株式会社製のサーマル紙「TP77KS−HS」(厚み105μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
コータを流れ方向に間欠塗布が可能なホットメルト供給ラインを有するものとするとともに、コータヘッドに幅が95mmの単一の開口を有するシムを取り付けた。そして、流れ方向に沿って塗布部:20mm、無塗布部:50mm、塗布部:20mm、無塗布部10mmの繰り返しでホットメルト接着剤を間欠塗布した以外は実施例1と同様に実施して、図1、2に示す擬似接着ラベルを得た。擬似接着ラベルにおいて樹脂層は、間欠塗布することで、表面基材の対向する二辺に沿う位置に設けられた2本の幅20mmの細長部にパターニングされていた。各細長部は、TD方向に平行であった。
コータヘッドに、20mmの吐出部、48mmの無吐出部、20mmの吐出部がこの順に配列されようにシムを装着して、表面基材の一辺に沿う一方の細長部の外側に、幅2mmの外側未接着部が設けられるようにした以外は実施例1と同様に実施し、図4に示す擬似接着ラベルを得た。
樹脂層の厚みを30μmとしたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
樹脂層の厚みを15μmとしたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
コータヘッドに、5mmの吐出部、80mmの無吐出部、5mm吐出部がこの順に配列されるようにシムを装着した以外は、実施例6と同様にして、図2に示す擬似接着ラベルを製造した。樹脂層は、擬似接着ラベルにおいて、表面基材の対向する二辺に沿う位置に設けられた2本の幅5mmの細長部にパターニングされていた。各細長部は、MD方向に平行であった。
11…表面基材
12…樹脂層
13…中間基材
14…粘着剤層
15…剥離シート
20…粘着シート
21…未接着部分
21A…外側未接着部分
30…擬似接着ラベル製造装置
31…接着剤塗工装置
32…塗工圧着ロール
33…圧着ロール
Claims (12)
- 表面基材、樹脂層、中間基材、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、前記樹脂層と前記中間基材との間で擬似接着性を有するように積層されており、
前記樹脂層が部分的に設けられ、前記表面基材と前記中間基材の間に前記樹脂層のない未接着部分を有する擬似接着ラベル。 - 前記表面基材と前記中間基材の間において、前記樹脂層が外周領域の少なくとも一部に設けられ、内側領域に前記未接着部分を有する請求項1に記載の擬似接着ラベル。
- 前記表面基材の外縁部の少なくとも一部に対応する位置に前記未接着部分を有する請求項1又は2に記載の擬似接着ラベル。
- 前記表面基材の二辺に区画された角部に対応する位置に、少なくとも前記未接着部分を有する請求項3に記載の擬似接着ラベル。
- 前記樹脂層が、熱可塑性樹脂を含有するホットメルト接着剤から形成される請求項1〜4のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
- 前記表面基材が、感熱発色性を有する請求項1〜5のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
- 前記中間基材が、感熱発色性を有する請求項1〜6のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
- 前記表面基材及び中間基材のいずれもが感熱発色性を有し、前記表面基材側の表面から前記表面基材及び中間基材に同一の情報を印字可能である請求項1〜7のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
- 配送伝票ラベルとして使用される請求項1〜8のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
- 前記擬似接着ラベルは、前記剥離シートを剥離除去した後、配送物品に前記粘着剤層を介して接着されるものであり、前記表面基材が前記樹脂層とともに、前記中間基材から剥離されて持ち帰られる受領票として使用される請求項9に記載の擬似接着ラベル。
- 前記樹脂層と前記中間基材の間の樹脂層が設けられた箇所における剥離力は、剥離角度180°、剥離速度0.3m/分で300〜2000mN/50mmである請求項1〜10のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の擬似接着ラベルを製造する擬似接着ラベルの製造方法であって、
前記表面基材上に、加熱したホットメルト接着剤を部分的に塗工する塗工工程と、その塗工されたホットメルト接着剤を冷却し、冷却されたホットメルト接着剤に、前記中間基材を貼り合わせる貼り合せ工程とを備える擬似接着ラベルの製造方法。
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JP2014117485A JP2015230438A (ja) | 2014-06-06 | 2014-06-06 | 擬似接着ラベル及び擬似接着ラベルの製造方法 |
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2014
- 2014-06-06 JP JP2014117485A patent/JP2015230438A/ja active Pending
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