JP2015223926A - 車両制御システム、方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の安定性を向上させることが可能な技術の提供。
【解決手段】車両の前方に存在するトンネルの出口と橋との少なくとも一方に関する地物情報を取得する地物情報取得手段と、前記車両の前方の道路環境に関する道路環境情報を取得する道路環境情報取得手段と、前記地物情報と前記道路環境情報とに基づいて、前記トンネルの出口と前記橋との少なくとも一方が所定の環境であるか否かを判定する環境判定手段と、前記トンネルの出口と前記橋との少なくとも一方が所定の環境であると判定された場合、動力が車輪に伝達されない状態で前記車両が前記所定の環境の地点に到達することを禁止するように前記動力の伝達機構を制御する制御手段と、を備える車両制御システムを構成する。
【選択図】図1
【解決手段】車両の前方に存在するトンネルの出口と橋との少なくとも一方に関する地物情報を取得する地物情報取得手段と、前記車両の前方の道路環境に関する道路環境情報を取得する道路環境情報取得手段と、前記地物情報と前記道路環境情報とに基づいて、前記トンネルの出口と前記橋との少なくとも一方が所定の環境であるか否かを判定する環境判定手段と、前記トンネルの出口と前記橋との少なくとも一方が所定の環境であると判定された場合、動力が車輪に伝達されない状態で前記車両が前記所定の環境の地点に到達することを禁止するように前記動力の伝達機構を制御する制御手段と、を備える車両制御システムを構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両制御を行う車両制御システム、方法およびプログラムに関する。
従来、車両制御を行う車両制御システムが開発されている。例えば、特許文献1には、トンネル出口付近の風を受けても安全に走行できる状態に車両の走行を抑制する技術が開示されており、車両の速度に基づく警報や車両の速度を制御することで車両の走行を抑制する構成が開示されている。
上述した従来技術においては、車両が不安定化することを防止できない場合があった。すなわち、駆動源からの動力が車輪に対して伝達されない(実質的に伝達されない状態を含む)状態、例えば、変速機でニュートラルに設定されている状態等においては車両の安定性が低下する。従って、トンネルの出口において横風を受ける場合など、環境が急変する場合において動力が車輪に対して伝達されない状態に設定されていると車両が不安定化してしまう。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、車両の安定性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、車両の安定性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、車両制御システムは、車両の前方に存在するトンネルの出口と橋との少なくとも一方に関する地物情報を取得する地物情報取得手段と、車両の前方の道路環境に関する道路環境情報を取得する道路環境情報取得手段と、地物情報と道路環境情報とに基づいて、トンネルの出口と橋との少なくとも一方が所定の環境であるか否かを判定する環境判定手段と、トンネルの出口と橋との少なくとも一方が所定の環境であると判定された場合、動力が車輪に伝達されない状態で車両が所定の環境の地点に到達することを禁止するように動力の伝達機構を制御する制御手段と、を備える。
また、上記の目的を達成するため、車両制御方法は、車両の前方に存在するトンネルの出口と橋との少なくとも一方に関する地物情報を取得する地物情報取得工程と、車両の前方の道路環境に関する道路環境情報を取得する道路環境情報取得工程と、地物情報と道路環境情報とに基づいて、トンネルの出口と橋との少なくとも一方が所定の環境であるか否かを判定する環境判定工程と、トンネルの出口と橋との少なくとも一方が所定の環境であると判定された場合、動力が車輪に伝達されない状態で車両が所定の環境の地点に到達することを禁止するように動力の伝達機構を制御する制御工程と、を含むように構成される。
さらに、上記の目的を達成するため、車両制御プログラムは、車両の前方に存在するトンネルの出口と橋との少なくとも一方に関する地物情報を取得する地物情報取得機能と、車両の前方の道路環境に関する道路環境情報を取得する道路環境情報取得機能と、地物情報と道路環境情報とに基づいて、トンネルの出口と橋との少なくとも一方が所定の環境であるか否かを判定する環境判定機能と、トンネルの出口と橋との少なくとも一方が所定の環境であると判定された場合、動力が車輪に伝達されない状態で車両が所定の環境の地点に到達することを禁止するように動力の伝達機構を制御する制御機能と、をコンピュータに実現させる。
以上のように、車両制御システム、方法、プログラムにおいては、トンネルの出口と橋との少なくとも一方が所定の環境であると判定された場合、動力が車輪に伝達されない状態で車両が所定の環境の地点に到達することを禁止する。この結果、所定の環境の地点において、動力が車輪に伝達されない状態となることを防止することができ、車両の安定性を向上させることができる。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーションシステムの構成:
(2)車両制御処理:
(3)他の実施形態:
(1)ナビゲーションシステムの構成:
(2)車両制御処理:
(3)他の実施形態:
(1)ナビゲーションシステムの構成:
図1は、車両に搭載された車両制御システムの構成を示すブロック図である。本実施形態において車両制御システムは、ナビゲーションシステム10によって実現される。ナビゲーションシステム10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20を備えており、ROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとしてナビゲーションプログラムを実行可能である。当該ナビゲーションプログラムは、ナビゲーションシステムの表示部に車両の現在位置が含まれる地図を表示して運転者を目的地まで走行予定経路に沿って車両を案内する機能を制御部20に実現させるプログラムである。当該ナビゲーションプログラムは、走行過程で利用される各種のプログラムを備えており、本実施形態においては、車両の車速を所定の範囲内の車速に維持する巡航制御を実行する車両制御プログラム21が含まれている。
図1は、車両に搭載された車両制御システムの構成を示すブロック図である。本実施形態において車両制御システムは、ナビゲーションシステム10によって実現される。ナビゲーションシステム10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20を備えており、ROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとしてナビゲーションプログラムを実行可能である。当該ナビゲーションプログラムは、ナビゲーションシステムの表示部に車両の現在位置が含まれる地図を表示して運転者を目的地まで走行予定経路に沿って車両を案内する機能を制御部20に実現させるプログラムである。当該ナビゲーションプログラムは、走行過程で利用される各種のプログラムを備えており、本実施形態においては、車両の車速を所定の範囲内の車速に維持する巡航制御を実行する車両制御プログラム21が含まれている。
本実施形態にかかる車両は、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43と通信部44と変速機45とスロットル46とを備えている。本実施形態においては内燃機関等でトルクが生成され、当該トルクがトルクコンバータを介して変速機45に伝達されることで変速機45を介して車輪に動力が伝達され、当該動力によって車両が駆動される。本実施形態においては、トルクコンバータから変速機45へのトルクの伝達率をクラッチによって調整することができる。すなわち、制御部20がクラッチに対して制御信号を出力するとクラッチが駆動され、トルクコンバータの出力軸と変速機45の入力軸との結合の程度を調整することができる。本実施形態において制御部20は、クラッチに対して制御信号を出力することにより、トルクコンバータから変速機45にトルクが伝達されない状態(エンジンと車輪との間で動力が伝達されない状態:完全解放状態)と最大限のトルクが伝達される状態(完全結合状態)と予め決められたトルクを伝達する状態(既定トルク伝達状態)とのいずれかに設定することができる。
なお、既定トルク伝達状態は、例えば、トルクコンバータの出力軸に連動する円盤と変速機45の入力軸に連動する円盤との摩擦によって各軸の回転の連動性を制御するクラッチにおいて、各円盤が滑りながらトルクを伝達する状態である。本実施形態においては、完全結合状態と規定トルク伝達状態は、エンジンと車輪との間で動力が伝達される状態である。さらに、変速機45は図示しないシフトレバーを備えており、運転者はシフトレバーを操作することによって前進時の変速比にするシフトレンジ(本実施形態においては前進時に自動で変速比の変更を行うドライブレンジ。特定の変速比に設定するレンジ等であってもよい)やクラッチを完全解放状態にするシフトレンジ(ニュートラルレンジ)や後進時の変速比にするシフトレンジ(リバースレンジ)などの既定のレンジを選択することが可能である。また、制御部20は、変速機45に対して制御信号を出力することにより、シフトレンジを変化させることができ、変速機45からの出力信号に基づいて現在の変速比を取得することができる。
さらに、本実施形態にかかる車両は、図示しないアクセルペダルを操作することによってスロットル46による燃料供給量を増加させるなどの加速を行うことが可能である。本実施形態において制御部20は、スロットル46に対して制御信号を出力してスロットルによる燃料供給量を調整することで車両を加速または減速させることができる。また、制御部20は、スロットル46からの出力信号に基づいて現在の燃料供給量を取得することができる。
通信部44は、無線通信によって図示しない天候情報の管理装置から天候情報を取得する装置である。本実施形態において、天候情報には区画毎の風量および風向を示す情報が含まれている。制御部20は、通信部44を介して天候情報の管理装置と通信して天候情報を取得することができる。
GPS受信部41は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在位置を算出するための信号を出力する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ43は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。制御部20は、車速センサ42およびジャイロセンサ43等の出力信号に基づいて車両の走行軌跡を特定することで車両の現在位置を取得する。GPS受信部41の出力信号は、車速センサ42およびジャイロセンサ43等から特定される車両の現在位置を補正するなどのために利用される。
記録媒体30には地図情報30aが記録されている。地図情報30aは、車両が走行する道路の端点(交差点)に対応するノードの位置等を示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ等を含んでいる。なお、本実施形態においては、トンネルの出口が、車両が不安定化することを防止すべき地点とされており、地図情報30aには当該トンネルに関する地物情報が含まれている。すなわち、リンクデータには道路に存在するトンネルの出口の位置を示す地物情報が対応づけられている。
制御部20は、ナビゲーションプログラムに含まれる車両制御プログラム21を実行することにより、車両の車速を制御する。この処理を実行するため、車両制御プログラム21は、地物情報取得部21aと道路環境情報取得部21bと環境判定部21cと制御部21dとを備えている。
地物情報取得部21aは、車両の前方に存在するトンネルの出口に関する地物情報を取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、地物情報取得部21aの処理により、地図情報30aを参照し、車両の前方の所定距離以内の位置が対応づけられた地物情報を取得する。
道路環境情報取得部21bは、車両の前方の道路環境に関する道路環境情報を取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。本実施形態においては、天候情報が道路環境情報として取得される。すなわち、制御部20は、道路環境情報取得部21bの処理により、通信部44を介して天候情報の管理装置と通信を行い、車両の前方の道路が含まれる区画の天候情報を道路環境情報として取得する。
環境判定部21cは、地物情報と道路環境情報とに基づいて、トンネルの出口が所定の環境であるか否かを判定する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。本実施形態においては、トンネルの出口における横風の風量が所定量以上である環境を所定の環境と見なしている。従って、制御部20は、地物情報に基づいて車両の前方にトンネルの出口が存在するか否かを判定する。トンネルの出口が存在する場合、制御部20は、当該トンネルの出口が存在する道路区間が属する区間における環境情報を参照し、道路区間に対する風向が垂直±閾値の角度範囲であるとともに風量が所定の基準以上であるか否かを判定する。そして、風向が垂直±閾値の角度範囲であるとともに風量が所定の基準以上である場合、制御部20は、トンネルの出口が所定の環境であると判定する。
制御部21dは、車両の車速が基準値を中心とした所定の範囲(所定の最小値から所定最大値までの範囲)内になるように制御する巡航制御を実行する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。巡航制御は、運転者が図示しない操作部に対して操作を行うことによって開始される。当該巡航制御の実行下において、制御部20は、燃料消費量を抑制しつつ車両の車速が最小値から最大値の範囲内になるように、変速機45およびスロットル46を制御する。
具体的には、制御部20は、車速センサ42の出力信号に基づいて車両の現在車速を取得し、変速機45の出力信号に基づいて現在の変速比を取得し、スロットル46の出力信号に基づいて現在の燃料供給量を取得する。そして、現在の車速、変速比、燃料供給量に基づいて(例えば、マップ等により)、最小値から最大値の範囲内の車速に維持した状態で最も燃料消費量が少なくなる変速比、燃料供給量を特定する。そして、制御部20は、変速機45およびスロットル46に制御信号を出力し、特定された変速比、燃料供給量となるように変速機45およびスロットル46を調整する。
むろん、ここでは、車速を調整することができればよく、車速を調整するための制御対象としては、変速機45およびスロットル46以外にも、図示しないブレーキ等を想定可能である。また、変速機45における変速比やスロットル46による燃料供給量は、車速および燃料消費量以外の要素も加味して決められていても良く、例えば、車両の走行予定経路の勾配等に応じて消費エネルギーが抑制されるように変速比、燃料供給量が決められても良い。
本実施形態において制御部21dは、さらに、巡航制御の実行下において、トンネルの出口が所定の環境であると判定された場合、動力が車輪に伝達されない状態で車両が所定の環境の地点に到達することを禁止するように動力の伝達機構を制御する機能を制御部20に実現させることができる。すなわち、車両の車速を最小値から最大値の範囲内になるように制御する巡航制御においては、変速機45の変速比がニュートラルに自動設定される場合もある。そして、変速機45の変速比がニュートラルに設定された状態で、所定の環境の地点に車両が到達すると、車両が不安定になることもあり得る。そこで、本実施形態においては、トンネルの出口が所定の環境であると判定された場合、制御部20は、制御部21dの処理により、車両の変速機45でニュートラルに設定されている状態で車両が所定の環境の地点に到達することを禁止するように変速機45を制御する。制御の詳細は後述する。以上の構成によれば、所定の環境の地点において、車両の変速機45がニュートラルに設定されている状態となることを防止することができ、車両の安定性を向上させることができる。
(2)車両制御処理:
次に、車両制御処理について詳細に説明する。図2は、車両制御処理のフローチャートである。図2に示す車両制御において制御部20は、トンネルの出口における横風の風量が所定の風量以上である場合にトンネルの出口が所定の環境であると見なし、変速機45でニュートラルに設定されることを禁止する。具体的には、制御部20は、巡航制御の実行下において、所定期間毎(例えば、100ms毎)に図2に示す車両制御処理を実行する。車両制御処理において、制御部20は、車両の現在位置を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、GPS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力および地図情報30aに基づいて車両の現在位置を取得する。
次に、車両制御処理について詳細に説明する。図2は、車両制御処理のフローチャートである。図2に示す車両制御において制御部20は、トンネルの出口における横風の風量が所定の風量以上である場合にトンネルの出口が所定の環境であると見なし、変速機45でニュートラルに設定されることを禁止する。具体的には、制御部20は、巡航制御の実行下において、所定期間毎(例えば、100ms毎)に図2に示す車両制御処理を実行する。車両制御処理において、制御部20は、車両の現在位置を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、GPS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力および地図情報30aに基づいて車両の現在位置を取得する。
次に、制御部20は、地物情報取得部21aの処理により、所定距離前方の地物情報を取得する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、記録媒体30を参照し、地図情報30aに基づいて車両の現在位置より前方の所定距離以内の位置が対応づけられた地物情報を取得する。本実施形態において、地物情報はトンネルの出口を示しているため、ステップS105において地物情報が取得されると、車両の現在位置より前方の所定距離以内の範囲に存在するトンネルの出口を示す地物情報が取得されることになる。
次に、制御部20は、道路環境情報取得部21bの処理により、所定距離前方の道路環境情報を取得する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、通信部44を制御して天候情報の管理装置と通信し、車両の現在位置より前方の所定距離以内の道路を含む区画についての天候情報を道路環境情報として取得する。
次に制御部20は、環境判定部21cの処理により、トンネルの出口の前方で横風を受けるか否かを判定する(ステップS115)。本実施形態において、制御部20は、トンネルの出口が存在する道路区間において当該出口の前方で、道路区間に垂直±閾値の角度範囲の風向であるとともに所定の基準以上の風量である風が吹くことが推定される場合に、トンネルの出口の前方で横風を受けると判定する。
このため、制御部20は、環境判定部21cの処理により、ステップS110で取得された道路環境情報を参照し、ステップS105で取得された地物情報が示すトンネルの出口の位置の前方における風向および風量を取得する。また、制御部20は、地図情報30aを参照し、トンネルの出口の位置が存在する道路区間の方向を取得し、トンネルの出口の前方における道路区間の方向と見なす。そして、制御部20は、風向が道路区間に垂直±閾値の角度範囲であり、かつ、風量が所定の基準以上である場合に、トンネルの出口の前方で横風を受けると判定する。なお、閾値および所定の基準は風向および風量を判定するために予め決められた値であり、本実施形態においては、特定の方向からの風と見なすことができる角度範囲を予め閾値で規定し、車両を不安定化させる風量であると見なすことができる風量を予め所定の基準で規定してある。
ステップS115において、トンネルの出口の前方で横風を受けると判定されない場合、制御部20は、制御部21dの処理により、変速機45でニュートラルに設定されることを許可する(ステップS120)。この場合、最小値から最大値の範囲内の車速に維持する巡航制御を行うために最も燃料消費量が少なくなる変速比が、ニュートラルシフトに設定された場合の変速比であるならば、ニュートラルシフトに設定されることになる。
一方、ステップS115において、トンネルの出口の前方で横風を受けると判定された場合、制御部20は、環境判定部21cの処理により、横風の風量を取得する(ステップS125)。すなわち、制御部20は、ステップS110で取得された道路環境情報を参照し、横風の風量を取得する。次に、制御部20は、環境判定部21cの処理により、風量が通常、強風、暴風のいずれであるのかを判定する(ステップS130)。すなわち、制御部20は、ステップS125で取得された風量と、予め設定された風量の分類閾値とを比較し、風量が通常の範囲、強風の範囲、暴風の範囲のいずれであるのかを判定する。なお、ここで、通常の風量<強風の風量<暴風の風量である。
ステップS130で風量が通常の範囲であると判定された場合、制御部20は、制御部21dの処理により、変速機45でニュートラルに設定されることを禁止し、トンネル出口での車速を巡航制御の基準値に設定する(ステップS135)。この場合、最小値から最大値の範囲内の車速に維持する巡航制御を行うために最も燃料消費量が少なくなる変速比が、ニュートラルシフトに設定された場合の変速比であったとしても、ニュートラルシフトに設定されることはない。そして、制御部20は、車速が基準値となるように制御することで車速が最小値から最大値の範囲内に維持されるようにスロットル46を制御する。このため、まず、制御部20は、ニュートラルシフト以外のシフトレンジ(例えば、現在のシフトレンジ)に固定する。さらに、制御部20は、車速センサ42の出力信号に基づいて車速が巡航制御の最小値に近づいたと判定されると、スロットル46に対して制御信号を出力し、車速が基準値となるまで車両を加速させる。また、車速が上述の最大値に近づいたと判定されると、スロットル46に対して制御信号を出力し、車速が基準値となるまで車両を減速させる。
以上の構成によれば、トンネルの出口において所定の風量以上の横風を受ける場合に、変速機45でニュートラルに設定された状態でトンネルの出口に到達することを防止することができる。従って、巡航制御の実行下において、トンネルの出口で車両が不安定化することを抑制することができる。
ステップS130で風量が強風の範囲であると判定された場合、制御部20は、制御部21dの処理により、変速機45でニュートラルに設定されることを禁止し、トンネル出口での車速を巡航制御の最小値に設定する(ステップS140)。この場合、最小値から最大値の範囲内の車速に維持する巡航制御を行うために最も燃料消費量が少なくなる変速比が、ニュートラルシフトに設定された場合の変速比であったとしても、ニュートラルシフトに設定されることはない。そして、制御部20は、車速が最小値に維持されるようにスロットル46を制御する。このため、まず、制御部20は、ニュートラルシフト以外のシフトレンジに固定する。さらに、制御部20は、車速センサ42の出力信号に基づいて車速が巡航制御の最小値より小さくなったと判定されると、スロットル46に対して制御信号を出力し、車速が当該最小値となるまで車両を加速させる。また、車速が巡航制御の最小値より大きくなったと判定されると、スロットル46に対して制御信号を出力し、車速が最小値となるまで車両を減速させる。
この結果、風量が強風の場合においては、車両の車速が巡航制御の最小値(または最小値に近い値)に維持された状態でトンネルの出口に到達することになる。この結果、巡航制御が実行された状態(車速を最小値から最大値の範囲に維持する状態)において、可能な限り車速を抑制することができ、車両の安定性をより向上させることができる。
ステップS130で風量が暴風の範囲であると判定された場合、制御部20は、制御部21dの処理により、変速機45でニュートラルに設定されることを禁止し、トンネル出口での車速を巡航制御の最小値より小さい所定車速に設定する(ステップS145)。この場合、最小値から最大値の範囲内の車速に維持する巡航制御を行うために最も燃料消費量が少なくなる変速比が、ニュートラルシフトに設定された場合の変速比であったとしても、ニュートラルシフトに設定されることはない。そして、制御部20は、車速が最小値より小さい所定車速に維持されるようにスロットル46を制御する。このため、まず、制御部20は、ニュートラルシフト以外のシフトレンジに固定する。さらに、制御部20は、車速センサ42の出力信号に基づいて車速が所定車速より小さくなったと判定されると、スロットル46に対して制御信号を出力し、車速が当該所定車速となるまで車両を加速させる。また、車速が当該所定車速より大きくなったと判定されると、スロットル46に対して制御信号を出力し、車速が所定車速となるまで車両を減速させる。
この結果、風量が強風よりも大きい暴風の場合に、車両の安定性をさらに向上させることができる。なお、本実施形態における風量の分類(通常、強風、暴風)は一例であり、他にも種々の分類が可能である。また、分類を行うことなく、横風を受ける場合にステップS135,S140,S145のいずれかを実行する構成であっても良い。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、動力が車輪に伝達されない状態で道路環境が急変する地物に到達することを禁止する限りにおいて、他にも種々の構成を採用可能である。例えば、ナビゲーションシステム10は、車両に固定的に搭載されていても良いし、持ち運び可能なナビゲーションシステム10が車両内に持ち込まれて利用される態様であっても良い。また、地物情報取得部21a、道路環境情報取得部21b、環境判定部21c、制御部21dの機能の少なくとも一部が他の制御主体(例えば、車両制御ECU等)で実現されても良い。さらに、巡航制御が実行されていない状態において、制御部20が、動力が車輪に伝達されない状態で道路環境が急変する地物に到達することを禁止する処理を行ってもよい。
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、動力が車輪に伝達されない状態で道路環境が急変する地物に到達することを禁止する限りにおいて、他にも種々の構成を採用可能である。例えば、ナビゲーションシステム10は、車両に固定的に搭載されていても良いし、持ち運び可能なナビゲーションシステム10が車両内に持ち込まれて利用される態様であっても良い。また、地物情報取得部21a、道路環境情報取得部21b、環境判定部21c、制御部21dの機能の少なくとも一部が他の制御主体(例えば、車両制御ECU等)で実現されても良い。さらに、巡航制御が実行されていない状態において、制御部20が、動力が車輪に伝達されない状態で道路環境が急変する地物に到達することを禁止する処理を行ってもよい。
また、地物情報取得手段は、車両の前方に存在するトンネルの出口と橋との少なくとも一方に関する地物情報を取得することができればよい。すなわち、地物情報に基づいて、車両が不安定化することを防止すべき地点を特定し得るように地物情報取得手段が構成されていれば良い。なお、ここでは、トンネルの出口と橋とが、車両が不安定化することを防止すべき地点とされ、少なくとも一方が地物情報によって特定できる構成が想定されているが、むろん、車両を不安定化させ得る地点としては他の地点を想定可能である。例えば、事故多発地点や注意すべき地点(合流地点やカーブ区間、渋滞中の地点等)が地物情報に基づいて特定されるように構成されていても良い。
道路環境情報取得手段は、車両の前方の道路環境に関する道路環境情報を取得することができればよい。すなわち、地物情報が示す地点における道路環境が所定の環境であるか否かを道路環境情報に基づいて特定可能に構成されていれば良い。道路環境情報は、道路環境が所定の環境であるか否かを判定可能に定義されていれば良く、所定の環境であるか否かを直接的に示していても良いし、可変の環境を示す数値等を閾値等と比較することによって所定の環境であるか否かを判定可能に構成されていても良い。
環境判定手段は、地物情報と道路環境情報とに基づいて、トンネルの出口と前記橋との少なくとも一方が所定の環境であるか否かを判定することができればよい。すなわち、道路環境情報が所定の環境であることを示している地点と、地物情報がトンネルの出口であることを示している地点とが一致している場合、トンネルの出口が所定の環境であると判定されればよい。また、道路環境情報が所定の環境であることを示している地点と、地物情報が橋であることを示している地点とが一致している場合、橋が所定の環境であると判定されればよい。むろん、地点の一致は座標が一致する他、地点間の距離が閾値以下である場合に一致していると見なす構成が採用されていても良い。
所定の環境は、車両を不安定化させ得る環境であれば良く、当該所定の環境で動力が車輪に伝達されない状態であると車両が不安定になり、動力が車輪に伝達される状態であると車両の安定性が向上する環境であれば良い。従って、例えば、車両に対して作用する外力が変化し得る環境を所定の環境として採用可能である。なお、このような環境としては、車両に作用する風力が既定値より小さい状態から既定値以上の状態に変化する環境(トンネルの出口等)、車両に作用する摩擦力が既定値より大きい状態から既定値以下の状態に変化する環境(路面の摩擦係数が低下する地点等)、車両に作用する路面からの反発力が既定値より小さい状態から既定値以上の状態に変化する環境(路面の凹凸が増加する地点等)、車両に作用する遠心力が既定値より小さい状態から既定値以上の状態に変化する環境(回避操作等が多発する地点やカーブ地点等)等が挙げられる。
制御手段は、トンネルの出口と橋との少なくとも一方が所定の環境であると判定された場合、動力が車輪に伝達されない状態で車両が所定の環境の地点に到達することを禁止するように動力の伝達機構を制御することができればよい。すなわち、トンネルの出口が所定の環境であると判定された場合、動力が車輪に伝達されない状態で車両がトンネルの出口に到達することを禁止し、橋が所定の環境であると判定された場合、動力が車輪に伝達されない状態で車両が橋に到達することを禁止することができればよい。
動力が車輪に伝達されない状態で車両が所定の環境の地点に到達することを禁止するための構成としては、種々の構成を採用可能である。例えば、所定の環境の地点に到達する直前または到達する前に変速機がニュートラル以外に設定されている場合にニュートラルへの変速比の変更を禁止する構成や、所定の環境の地点に到達する直前または到達する前に変速機がニュートラルに設定されている場合に、所定の環境の地点に到達する直前または到達する前にニュートラル以外の変速比への変更する構成等を採用可能である。むろん、車輪に対して動力を伝達し、または伝達しないように制御するための動力伝達機構としては、変速機以外にも想定可能であり、例えば、トルクコンバータにおけるクラッチを制御して動力が車輪に伝達されない状態と伝達される状態とを実現しても良い。
さらに、制御手段が、車両の車速が最小値から最大値の範囲内になるように制御する巡航制御を実行可能である構成において、制御手段が、巡航制御の実行下において、トンネルの出口と橋との少なくとも一方が所定の環境であると判定された場合、車速の最小値で車両が所定の環境の地点に到達するように車両の車速を制御する構成としても良い。
すなわち、車両の車速を最小値から最大値の範囲内になるように制御する巡航制御においては、燃料消費の抑制等のために変速機の変速比やトルクコンバータにおける動力の伝達率を自動制御する場合もあり、変速比がニュートラルに自動設定される場合やトルクコンバータにおける動力の伝達が停止される場合もある。従って、本発明を利用することなく巡航制御に伴う変速機の制御やトルクコンバータの制御を実行すると、動力が車輪に伝達されない状態で所定の環境の地点に車両が到達することもあり得る。そこで、当該巡航制御の実行下において、制御手段が機能すれば、巡航制御の実行下において巡航制御の実行に伴う車両の不安定化が発生することを防止することができる。
さらに、車両の安定性を向上させるためには、車両の車速を抑制すると好ましいが、巡航制御の実行下においては車両の車速が最小値から最大値の範囲内に制限される。そこで、車速の最小値で車両が所定の環境の地点に到達するように車両の車速を制御すれば、巡航制御の実行下において、可能な限り車速を抑制することができ、車両の安定性をより向上させることができる。
さらに、道路環境情報取得手段が、車両の前方の道路に対する横風に関する情報を道路環境情報として取得し、環境判定手段が、トンネルの出口における横風の風量が所定の風量以上である場合に、トンネルの出口が所定の環境であると判定する構成を採用しても良い。この構成によれば、トンネルの出口において所定の風量以上の横風を受ける場合に、当該車両が不安定化することを抑制することができる。なお、横風の風量を示す道路環境情報は、風向および風量を示す情報(天候情報等)を生成している情報管理センターから通信等によって取得可能である。
また、所定の風量は、当該所定の風量以上であると車両が不安定化する風量として予め、例えば、統計等によって定義されていれば良い。ここで、トンネルの出口は、車両が横風を受け得る地点であるため、トンネルの開口部の地点よりもトンネルの外側であるとともにトンネルの開口部の付近であればよいが、風量は地点毎に厳密に決定することが困難であるため、道路環境情報はトンネルの出口を含む所定の広さの区画についての情報であってもよい。トンネルの出口についての定義は以下の他の例についても同様である。
さらに、道路環境情報取得手段が、車両の前方の道路の路面状態に関する情報を道路環境情報として取得し、環境判定手段が、トンネルの出口における路面状態が基準状態よりも摩擦係数が低下した状態である場合に、トンネルの出口が所定の環境であると判定する構成を採用しても良い。この構成によれば、トンネルの出口における路面の摩擦係数が基準状態よりも低いことに起因して、車両が不安定化することを抑制することができる。
なお、道路の摩擦係数を示す道路環境情報は、摩擦係数を直接的または間接的に示す情報を生成している情報管理センターから通信等によって取得可能である。摩擦係数を間接的に示す情報としては、例えば、路面状態が凍結状態であることや圧雪された雪が路面に存在する状態であることを示す情報であってもよいし、摩擦係数が低下し得る状態、例えば、降雪や降雨を示す情報であっても良い。また、路面状態としての基準状態は、当該基準状態よりも摩擦係数が低下している場合に車両が不安定化する状態として予め、例えば、統計等によって定義されていれば良い。
図3は、このような構成の一例としての車両制御処理を示している。すなわち、図1と同様の構成において、通信部44を介して道路環境の管理装置から路面状態が悪い状態(降雨、大雨(前記降雨より多量の雨)、圧雪によって摩擦係数が低下している状態)であるか否かを示す道路環境情報を取得する構成とし、図3に示す車両制御処理を実行すればよい。図3に示す車両制御処理において、ステップS200,S205,S220,S235,S240,S245はステップS100,S105,S120,S135,S140,S145と同様の処理である。ステップS210において制御部20は、路面状態を示す道路環境情報を取得する。また、ステップS215において制御部20は、トンネルの出口の前方の路面状態が悪いか否かを判定する。すなわち、制御部20は、環境判定部21cの処理により、ステップS210で取得された道路環境情報を参照し、ステップS205で取得された地物情報が示すトンネルの出口の位置の前方における路面状態が悪い状態であるか否かを判定する。
ステップS215において、トンネルの出口の前方の路面状態が悪いと判定された場合、制御部20は、環境判定部21cの処理により、悪路の原因を判定する(ステップS230)。すなわち、制御部20は、トンネルの出口の前方の路面状態が悪い状態となった原因が降雨、大雨、圧雪のいずれであるのかを判定する。そして、降雨によって悪路となった場合、制御部20は、ステップS235を実行し、大雨によって悪路となった場合、制御部20は、ステップS240を実行し、圧雪によって悪路となった場合、制御部20は、ステップS245を実行する。この結果、変速機45でニュートラルに設定された状態で路面状態が悪い地点に到達することを防止することができ、車両が不安定化することを防止することができる。
道路環境情報取得手段が、車両の前方の道路の天候に関する情報を道路環境情報として取得し、環境判定手段が、トンネルの出口における天候が基準の天候よりも悪い天候である場合に、トンネルの出口が所定の環境であると判定する構成を採用しても良い。この構成によれば、トンネルの出口における天候が悪天候であることに起因して、車両が不安定化することを抑制することができる。なお、天候を示す道路環境情報は、天候情報を生成している情報管理センターから通信等によって取得可能である。また、基準の天候は、当該基準の天候よりも天候が悪化している場合に車両が不安定化する状態として予め、例えば、統計等によって定義されていれば良い。このような構成は、例えば、図3に示す処理において、道路環境情報を天候情報とし、悪天候であるか否かをステップS215で判定し、悪天候の種類や原因をステップS230で判定する構成によって実現可能である。
道路環境情報取得手段が、車両の前方の道路の路面状態に関する情報を道路環境情報として取得し、環境判定手段が、橋が所定の形状であり、かつ、当該橋における路面状態が基準状態よりも摩擦係数が低下した状態である場合に、橋が所定の環境であると判定する構成を採用しても良い。この構成によれば、特定の形状の橋における路面の摩擦係数が基準状態よりも低いことに起因して、車両が不安定化することを抑制することができる。なお、橋の形状としての所定の形状は、橋が当該所定の形状である場合に車両が不安定化する形状として予め、例えば、統計等によって定義されていれば良い。
また、道路の摩擦係数を示す道路環境情報は、摩擦係数を直接的または間接的に示す情報を生成している情報管理センターから通信等によって取得可能である。摩擦係数を間接的に示す情報としては、例えば、路面状態が凍結状態であることや圧雪された雪が路面に存在する状態であることを示す情報であってもよいし、摩擦係数が低下し得る状態、例えば、降雪や降雨を示す情報であっても良い。また、路面状態としての基準状態は、当該基準状態よりも摩擦係数が低下している場合に車両が不安定化する状態として予め、例えば、統計等によって定義されていれば良い。
図4は、このような構成の一例としての車両制御処理を示している。すなわち、図1と同様の構成において、通信部44を介して道路環境の管理装置から路面状態が悪い状態(降雨状態、圧雪によって摩擦係数が低下している状態、凍結している状態)であるか否かを示す道路環境情報を取得する構成とし、図4に示す車両制御処理を実行すればよい。ただし、地図情報30aのリンクデータには、道路を構成する橋の位置および形状を示す地物情報が対応づけられている。なお、橋の形状は、平坦状またはアーチ状のいずれかとして定義されている。図4に示す車両制御処理において、ステップS300,S310,S320,S335,S340,S345はステップS100,S120,S135,S140,S145と同様の処理である。ステップS332およびS330はステップS230と同様の処理である。
ステップS305において制御部20は、記録媒体30を参照し、地図情報30aに基づいて車両の現在位置より前方の所定距離以内の位置が対応づけられた地物情報を取得する。本実施形態において、地物情報は橋の位置および形状を示しているため、ステップS305において地物情報が取得されると、車両の現在位置より前方の所定距離以内の範囲に存在する橋の位置および形状を示す地物情報が取得されることになる。ステップS310において制御部20は、路面状態が降雨状態、圧雪によって摩擦係数が低下している状態、凍結している状態であるか否かを示す道路環境情報を取得する。
ステップS315において制御部20は、環境判定部21cの処理により、ステップS310で取得された道路環境情報を参照し、ステップS305で取得された地物情報が示す橋の位置における路面状態が悪い状態であるか否かを判定する。また、ステップS325において、制御部20は、ステップS305で取得された地物情報が示す橋の形状が平坦またはアーチ状のいずれであるのかを判定する。
そして、制御部20は、ステップS325において、橋の形状がアーチ状であると判定された場合にステップS330、橋の形状が平坦であると判定された場合にステップS332を実行する。これらのステップS330,S332においては、同様の判定を行っているが、同じ判定結果の後に実行する処理が異なっている。具体的には、ステップS330においては判定結果が降雨、大雨、圧雪であった場合にステップS335,S340,S345を実行しており、ステップS332においては判定結果が降雨、大雨、圧雪であった場合にステップS320,S325,S340を実行している。
すなわち、橋の形状が平坦である場合よりアーチ状である場合の方が不安定である。そして、車両の安定性を向上させる効果はステップS320,S335,S340,S345の順に高くなる。そこで、本実施形態においては、橋の形状が相対的に安定性の低い形状であるアーチ状である場合に悪路の原因に応じてステップS335,S340,S345が行われ、橋の形状が相対的に安定性の高い形状である平坦状である場合に悪路の原因に応じてステップS320,S335,S340が行われるように構成されている。この結果、変速機45でニュートラルに設定された状態で路面状態が悪い地点に到達することを、橋の形状に応じて防止することができ、橋の形状に応じて車両が不安定化することを防止することができる。
さらに、道路環境情報取得手段が、車両の前方の道路の天候に関する情報を道路環境情報として取得し、環境判定手段が、橋が所定の形状であり、かつ、当該橋における天候が基準の天候よりも悪い天候である場合に、橋が所定の環境であると判定する構成としても良い。この構成によれば、橋における天候が悪天候であることに起因して、車両が不安定化することを抑制することができる。なお、天候を示す道路環境情報は、天候情報を生成している情報管理センターから通信等によって取得可能である。また、基準の天候は、当該基準の天候よりも天候が悪化している場合に車両が不安定化する状態として予め、例えば、統計等によって定義されていれば良い。このような構成は、例えば、図4に示す処理において、道路環境情報を天候情報とし、悪天候であるか否かをステップS315で判定し、悪天候の種類や原因をステップS330,S332で判定する構成によって実現可能である。
さらに、地物情報取得手段が、車両の前方において事故の発生に留意すべき地点を示す地物情報を取得し、道路環境情報取得手段が、車両の前方の道路の事故の発生状況を変動させる環境を示す道路環境情報を取得し、環境判定手段が、車両の前方において事故の発生に留意すべき地点で事故の発生状況が基準よりも多くなり得る状況である場合に、車両の前方の道路が所定の環境であると判定する構成を採用しても良い。この構成によれば、事故の発生に留意すべき地点で事故の発生状況が基準よりも多くなり得る状況において車両が不安定化することを抑制することができる。
なお、事故の発生状況を変動させる環境を示す道路環境情報は、道路上における動的な環境であっても良いし静的な環境であっても良い。前者としては道路の形状(カーブや合流地点等)が挙げられ、後者としては道路上の車両の有無や渋滞度等が挙げられる。むろん、このような構成においても、図2等に示すように、車両が不安定化した場合における安全度の低下度合いに応じてニュートラルへの設定を禁止するか否かを決定したり、巡航制御での設定車速を変更したりする構成を採用可能である。例えば、事故多発地点が事故の発生に留意すべき地点であると定義されている場合に、当該地点がカーブである場合と渋滞である場合と合流地点である場合とで巡航制御での設定車速を変更する構成や、合流車線に他の車両が存在するか否かに応じてニュートラルへの設定を禁止するか否かを決定する構成等を採用可能である。
さらに、本発明のように、動力が車輪に伝達されない状態で道路環境が急変する地物に到達することを禁止する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合や、複数の装置によって実現される場合、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合が想定可能であり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えたナビゲーションシステムや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
10…ナビゲーションシステム、20…制御部、21…車両制御プログラム、21a…地物情報取得部、21b…道路環境情報取得部、21c…環境判定部、21d…制御部、30…記録媒体、30a…地図情報、41…GPS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…通信部、45…変速機、46…スロットル
Claims (9)
- 車両の前方に存在するトンネルの出口と橋との少なくとも一方に関する地物情報を取得する地物情報取得手段と、
前記車両の前方の道路環境に関する道路環境情報を取得する道路環境情報取得手段と、
前記地物情報と前記道路環境情報とに基づいて、前記トンネルの出口と前記橋との少なくとも一方が所定の環境であるか否かを判定する環境判定手段と、
前記トンネルの出口と前記橋との少なくとも一方が所定の環境であると判定された場合、動力が車輪に伝達されない状態で前記車両が前記所定の環境の地点に到達することを禁止するように前記動力の伝達機構を制御する制御手段と、
を備える車両制御システム。 - 前記制御手段は、
前記車両の車速が最小値から最大値の範囲内になるように制御する巡航制御を実行可能であり、
前記巡航制御の実行下において、前記トンネルの出口と前記橋との少なくとも一方が所定の環境であると判定された場合、前記最小値で前記車両が前記所定の環境の地点に到達するように前記車両の車速を制御する、
請求項1に記載の車両制御システム。 - 前記道路環境情報取得手段は、
前記車両の前方の道路に対する横風に関する情報を前記道路環境情報として取得し、
前記環境判定手段は、
前記トンネルの出口における前記横風の風量が所定の風量以上である場合に、前記トンネルの出口が前記所定の環境であると判定する、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両制御システム。 - 前記道路環境情報取得手段は、
前記車両の前方の道路の路面状態に関する情報を前記道路環境情報として取得し、
前記環境判定手段は、
前記トンネルの出口における前記路面状態が基準状態よりも摩擦係数が低下した状態である場合に、前記トンネルの出口が前記所定の環境であると判定する、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両制御システム。 - 前記道路環境情報取得手段は、
前記車両の前方の道路の天候に関する情報を前記道路環境情報として取得し、
前記環境判定手段は、
前記トンネルの出口における前記天候が基準の天候よりも悪い天候である場合に、前記トンネルの出口が前記所定の環境であると判定する、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の車両制御システム。 - 前記道路環境情報取得手段は、
前記車両の前方の道路の路面状態に関する情報を前記道路環境情報として取得し、
前記環境判定手段は、
前記橋が所定の形状であり、かつ、当該橋における前記路面状態が基準状態よりも摩擦係数が低下した状態である場合に、前記橋が前記所定の環境であると判定する、
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の車両制御システム。 - 前記道路環境情報取得手段は、
前記車両の前方の道路の天候に関する情報を前記道路環境情報として取得し、
前記環境判定手段は、
前記橋が所定の形状であり、かつ、当該橋における前記天候が基準の天候よりも悪い天候である場合に、前記橋が前記所定の環境であると判定する、
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の車両制御システム。 - 車両の前方に存在するトンネルの出口と橋との少なくとも一方に関する地物情報を取得する地物情報取得工程と、
前記車両の前方の道路環境に関する道路環境情報を取得する道路環境情報取得工程と、
前記地物情報と前記道路環境情報とに基づいて、前記トンネルの出口と前記橋との少なくとも一方が所定の環境であるか否かを判定する環境判定工程と、
前記トンネルの出口と前記橋との少なくとも一方が所定の環境であると判定された場合、動力が車輪に伝達されない状態で前記車両が前記所定の環境の地点に到達することを禁止するように前記動力の伝達機構を制御する制御工程と、
を含む車両制御方法。 - 車両の前方に存在するトンネルの出口と橋との少なくとも一方に関する地物情報を取得する地物情報取得機能と、
前記車両の前方の道路環境に関する道路環境情報を取得する道路環境情報取得機能と、
前記地物情報と前記道路環境情報とに基づいて、前記トンネルの出口と前記橋との少なくとも一方が所定の環境であるか否かを判定する環境判定機能と、
前記トンネルの出口と前記橋との少なくとも一方が所定の環境であると判定された場合、動力が車輪に伝達されない状態で前記車両が前記所定の環境の地点に到達することを禁止するように前記動力の伝達機構を制御する制御機能と、
をコンピュータに実現させる車両制御プログラム。
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Cited By (4)
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- 2014-05-28 JP JP2014109695A patent/JP2015223926A/ja active Pending
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