JP2015196797A - 粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】装飾用途等に用いられうる粘着シートにおいて、凹凸構造を有する被着体に貼付した場合にも優れた耐浮き上がり性を発揮させることができる手段を提供する。
【解決手段】基材シートと、当該基材シートの一方の面に配置され、粘着剤を含有する第1の粘着剤層とを有する粘着シートにおいて、JIS Z0237:2009に規定される試験方法により測定されるSUS304鋼板に対する第1の粘着剤層の24時間後の180°引きはがし粘着力の、第1の基材シートのMD方向および/またはCD方向における粘着シートのひずみ5%で5分間保持した後の残留応力(N/25mm)に対する比の値を、1.2以上に制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、粘着シートに関する。詳細には、本発明は、例えば、広告、看板等の装飾用粘着シートとして使用できる粘着シートに関し、さらに詳細には、樹脂シートと、当該樹脂シートの一方の面に積層された粘着剤層とを備える粘着シートに関する。
従来、自動車、オートバイもしくは家電製品などの装飾分野、広告、看板等のディスプレイ分野、またはラッピングバスなどのフリートマーキング分野などに、装飾用粘着シートが使用されている。
装飾用粘着シートは、樹脂シートからなる基材シートの一方の面に、粘着剤層が積層されてなる構成を有する。この樹脂シート(基材シート)を形成する樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂またはフッ素系樹脂等が用いられている。そして、この樹脂シートには、色や模様等が付され、装飾が施されている。これにより、装飾用粘着シートを粘着剤層側から被着体に貼り合わせることで、樹脂シートに施された色や模様等の装飾により装飾効果を得ることができる。
上述したような装飾用粘着シートは、被着体に一定期間貼り合わされる。また、一定期間経過した後に、装飾用粘着シートは被着体から剥離されて、別の新しい装飾用粘着シートに交換されることがある。したがって、装飾用粘着シートが被着体に貼り合わされた後には、貼り合わされた状態が一定期間確実に保持される必要がある。さらに、一定期間経過した後には、装飾用粘着シートを被着体から容易に剥離できる必要がある。
ここで、従来の装飾用粘着シートにおいては、曲面を主体とする被着体(例えば、車両等のフリートマーキング分野で凹部分を有するもの)に対して、貼付後に経時的にシートが浮き上がってしまい、当初の装飾性が著しく損なわれるといった問題点があった。一方、かような装飾用粘着シートにおいては、シートの柔軟性を充分に確保する必要性もあった。
このような従来技術における要請に応えようとするものとして、特許文献1では、塩化ビニル系樹脂および可塑剤からなる塩化ビニル系樹脂シートの一面に、所定の重量平均分子量(Mw)および所定の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)を有し、かつ、低分子量物の比率が一定量以下に制御されたアクリル系共重合体が架橋剤により架橋されたアクリル系粘着剤層を設けた上で、該アクリル系粘着剤のゲル分率を所定の値に制御する技術が開示されている。
特開平10−36782号公報
本発明者の検討によれば、上述した従来の技術を用いた場合であっても、耐浮き上がり性が十分でない場合があることが判明した。これは、被着体の凹部への貼付時には粘着シートが伸ばされながら貼られることから、このようにして伸ばされたシートが収縮応力を受けて収縮することで浮き上がるものと推測される。なお、かような耐浮き上がり性の低下は、基材シートが異なる2層以上の構成を有するものである場合に特に顕著である。
本発明は、上述した従来技術における現状に鑑みなされたものであり、装飾用途等に用いられうる粘着シートにおいて、凹凸構造を有する被着体に貼付した場合にも優れた耐浮き上がり性を発揮させることができる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行なった。その結果、粘着剤層の粘着力と粘着シートの残留応力との値とが所定の関係を満足するように制御することで、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の粘着シートは、第1の基材シートと、当該第1の基材シートの一方の面に配置され、第1の粘着剤を含有する第1の粘着剤層とを有する。そして、JIS Z0237:2009に規定される試験方法により測定されるSUS304鋼板に対する第1の粘着剤層の24時間後の180°引きはがし粘着力の、前記第1の基材シートのMD方向および/またはCD方向における粘着シートのひずみ5%で5分間保持した後の残留応力(N/25mm)に対する比の値が、1.2以上である点に特徴がある。
本発明によれば、装飾用途等に用いられうる粘着シートにおいて、凹凸構造を有する被着体に貼付した場合にも優れた耐浮き上がり性を発揮させることができる手段が提供されうる。
本発明の一実施形態の粘着シートの断面図である。 実施例において耐浮き上がり性を評価する目的で用いた被着体の形状および寸法を説明するための説明図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の一実施形態の易貼付性粘着シートの断面図である。図1に示すように、粘着シート10は、まず、粘着シート本体11を有する。この粘着シート本体11は、基材シート(第1の基材シート)12aと粘着剤層(第1の粘着剤層)13aとが積層されてなる主層に、さらに粘着剤層(第2の粘着剤層)13bを介して他の基材シート(第2の基材シート)12bが積層されてなる構成を有する。本実施形態の粘着シート10では、粘着シート本体11に、剥離シート14がさらに積層されている。
[基材シート]
図1に示す形態において、基材シート(第1の基材シート12aおよび第2の基材シート12b;これらをまとめて「基材シート12」と称することがある)は、例えばポリ塩化ビニルフィルムからなる。ただし、基材シート12としては特に制限はなく、粘着シート(特に屋外などで使用されるもの)の基材シートとして慣用されている材料の中から、任意のものを適宜選択して用いることができるが、一般に形状追従性、加工性、経済性などのバランスの点から、ポリ塩化ビニルフィルムが用いられる。
ポリ塩化ビニルフィルムを構成するポリ塩化ビニル系材料としては、例えば数平均重合度が約800〜2500のポリ塩化ビニル、塩化ビニルを主体とする共重合体(例えばエチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−ハロゲン化オレフィン共重合体など)、またはこれらのポリ塩化ビニルもしくは塩化ビニル共重合体を主体とする他の相溶性の樹脂(例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコールなど)とのブレンド物などの塩化ビニル系材料が挙げられる。上述したポリ塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体とする共重合体は塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法など常用のいかなる製造法によって得られたものでもよい。これらポリ塩化ビニル系材料は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
このポリ塩化ビニル系材料は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して適量の可塑剤を配合することにより、調製することができる。ポリ塩化ビニル系樹脂に対して可塑剤を添加することで、柔軟性が付与されたポリ塩化ビニル系材料が得られる。用いられうる可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル等のフタル酸系可塑剤;アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル等のアジピン酸系可塑剤;アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシリル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸オクチルジフェニル、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル、エポキシ化大豆油等が挙げられる。なかでもエポキシ化大豆油は熱安定剤の作用も兼ね備えており、カレンダー成形によりポリ塩化ビニルフィルムを製造する場合には好適なものである。塩化ビニル系樹脂への可塑剤の添加量は、少なくなると十分な可塑化効果が得られず、また多くなると粘着剤層中に移行し、粘着剤の凝集力を低下させやすくなるため、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して25〜40質量部が好ましく、より好ましくは28〜35重量部である。なお、必要に応じて、鉛塩系安定剤、金属せっけん系安定剤、有機スズ系安定剤などの安定剤を、塩化ビニル系樹脂に対してさらに配合してもよい。
また、環境問題に対する考慮から、低環境負荷型の基材シートとして、オレフィン系、ウレタン系、アクリル系樹脂等を使用した単層・複層構成の基材フィルムが使用されつつある。例えば、オレフィン系基材層に他の熱可塑性樹脂層および着色塗膜層を積層した基材フィルム、ウレタン系樹脂からなる単層構成の基材フィルム、アクリル系樹脂からなる単層構成の基材フィルム、ゴム成分を含有するアクリルポリオール系樹脂とポリイソシアナート化合物との反応により得られるアクリルウレタン系樹脂等の合成樹脂からなる基材フィルム等が挙げられる。本発明においては、これらの基材フィルムが用いられてもよい。さらに、例えばポリプロピレン系発泡合成紙などの合成紙が基材シートの構成材料として用いられてもよい。
基材シート12の厚さは特に制限されず、使用目的や状況に応じて適宜定められる。基材シート12の厚さは、通常10〜300μmの範囲であり、好ましくは50〜150μmの範囲である。
基材フィルムを構成する熱可塑性樹脂には、必要に応じて、各種の添加剤(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、柔軟性付与剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤、滑剤、充填剤、着色剤など)が適宜配合されうる。
基材シート12の製膜方法について特に制限はなく、従来公知の方法(例えば、溶液流延法(キャスティング法)、溶融押出法(エキストルージョン法)、インフレーション法、カレンダー法、ゾルキャスト法など)の中から、熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。このようにして製膜されたフィルムに対しては、必要に応じて、一軸延伸処理または二軸延伸処理を施してもよい。
また、本発明においては、基材シート12に対して、その上に設けられる層(例えば、粘着剤層、印刷層、着色フィルム層など)との密着性を向上させる目的で、所望により、その片面または両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施してもよい。酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられる。また、凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選択されうるが、一般にはコロナ放電処理法が効果および操作性などの面から、好ましく用いられる。また、片面または両面にプライマー処理を施したものを用いてもよい。
図1に示す実施形態において、第1の基材シート12aは、例えば印刷層として機能する。すなわち、図1における上側表面に印刷処理が施されることによって、マーキングフィルムとして用いられた場合に各種の図柄や文字情報等を表示することができるのである。かような形態において、第1の基材シート12aは、例えば白色であることが好ましい。第1の基材シートを白色とするための具体的な手段について特に制限はないが、第1の基材シートを構成するポリ塩化ビニルフィルムの作製時に、フィルムに対して酸化チタン等の白色顔料を添加するという手法が例示されうる。
一方、図1に示す実施形態において、第2の基材シート12bは、例えば保護層として機能する。したがって、上述したように第1の基材シートが白色で印刷層として機能するような場合には、第2の基材シート12bは透明であることが好ましい。なお、本発明者らの検討によれば、図1に示す実施形態のように、粘着シート本体11が2つ以上の基材シート12を含む形態において、本発明の構成とすることによりもたらされる作用効果がより一層顕著に発現しうることが判明した(後述する実施例を参照)。したがって、本発明の好ましい一実施形態は、粘着シート本体11が2つ以上の基材シートを含む形態である。
[粘着剤層]
(粘着剤)
粘着剤層(第1の粘着剤層13aおよび第2の粘着剤層13b;これらをまとめて「粘着剤層13」と称することがある)は、粘着剤(図示せず)を含む。当該粘着剤層13の形成に用いられる粘着剤としては特に制限はなく、従来粘着シートの粘着剤層に慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤およびポリエステル系粘着剤などが用いられうる。
これらの中でも、アクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤は、粘着性を与える(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と官能基を含有する単量体との共重合体を、架橋剤により架橋したものである。粘着性を与える(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。官能基を含有する単量体としては(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物および金属キレート化合物等が挙げられる。粘着剤層13の厚さは、通常5〜100μmの範囲であり、好ましくは10〜60μmの範囲である。なお、図1に示す実施形態において、上述したように第1の基材シートが白色で印刷層として機能するような場合には、第2の粘着剤層13bも透明であることが好ましい。一方、かような形態において、被着体の色の映り込みを防止するという観点から、第1の粘着剤層13aは、隠ぺい性が高くなるように構成されていることが好ましい。なお、粘着剤層13aに対して隠ぺい性を付与するための具体的な手段について特に制限はないが、例えば、アルミニウム粉末等の金属粉末を粘着剤とともに粘着剤層13に含ませるという手法が例示されうる。
[その他の形態]
なお、本発明においては、耐候性・耐汚染性を高めることを目的として、主層を構成する第1の基材シート12a上に、図1に示す第2の基材シート12bに代えて、ラミネート材としてフッ素系樹脂フィルムを積層させてもよい。このフッ素系樹脂フィルムとしては、通常厚さ10〜100μm程度のものが用いられる。積層方法に特に制限はなく、接着剤類を用いる方法や、熱融着などのドライラミネート法等により積層する方法が例示される。
上述したフッ素系樹脂フィルムを構成するフッ素系樹脂としては、例えばポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)などが挙げられる。これらのフッ素系樹脂は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
同様に、必要に応じて、図1に示す第2の基材シート12bに代えて、アクリル系高分子型紫外線吸収層などの耐候層、印刷層、着色樹脂層などからなる群から選ばれる少なくとも1つの層を、必要であれば粘着剤層を介して、第1の基材シート12aの第1の粘着剤層13aとは反対側の面にさらに設けてもよい。
[剥離シート]
なお、本発明において用いられる剥離シート14としては、例えば上質紙、グラシン紙、コート紙などの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートし、さらにシリコーンなどの剥離剤を塗布し剥離剤層を設けたものなどが挙げられる。この剥離シート14の厚さについては特に制限はないが、通常30〜180μm程度である。
[粘着シートの特性]
本発明に係る粘着シートでは、第1の粘着剤層の粘着力の、第1の基材シートのMD(Machine Direction)方向および/またはCD(Cross Direction)方向における粘着シートの残留応力に対する比の値が、1.2以上である点に1つの特徴がある。
ここで、上述した比の値の算出に用いられる「第1の粘着剤層の粘着力」は、後述する実施例に記載されているように、JIS Z0237:2009に規定される試験方法によって、SUS304鋼板に対する24時間後の180°引きはがし粘着力として測定される値である。
また、上述した比の値の算出に用いられる「第1の基材シートのMD方向および/またはCD方向における粘着シートの残留応力」は、ひずみ5%で5分間保持した後の引張荷重であり、同じく後述の実施例に記載の手法により測定されうる。なお、残留応力の値は、第1の基材シートのMD方向およびCD方向のそれぞれについて測定することができ、これらの測定値のそれぞれに対して上述した粘着力の比の値が算出されうる。本発明では、これらの比の値の少なくとも一方が上述した1.2以上の規定を満足していればよく、好ましくは双方の比の値が1.2以上である。MD方向およびCD方向のそれぞれについて、上述した比の値はより好ましくは1.3以上であり、さらに好ましくは1.43以上であり、特に好ましくは1.53以上であり、最も好ましくは1.57以上である。
本発明によれば、上記比の値がこのような規定を満足することによって、耐浮き上がり性に優れた粘着シートが提供されうる。なお、単純に考えると、粘着力を大きくすれば、耐浮き上がり性が向上するようにも思われるが、本発明を完成させる過程において、残留応力が大きい場合には浮き上がりが発生してしまうことが判明した(後述する比較例1)。一方、残留応力が小さい場合であっても、粘着力が充分に大きくない場合には、同様に浮き上がりが発生してしまうことも判明した(後述する比較例2)。これに対し、本発明によれば、粘着力と残留応力とのバランスが取れることにより、耐浮き上がり性に優れる粘着シートが提供されうるのである。
なお、「第1の粘着剤層の粘着力」の具体的な値について特に制限はないが、充分な粘着性を確保するという観点からは、好ましくは5N/25mm以上であり、より好ましくは8N/25mm以上である。また、特に装飾用途に用いられる粘着シートは、一定期間経過後に被着体から容易に剥離されうることが好ましい。かような観点から、「第1の粘着剤層の粘着力」は、好ましくは20N/25mm以下であり、より好ましくは15N/25mm以下である。
さらに、「第1の基材シートのMD方向における粘着シートの残留応力」や「第1の基材シートのCD方向における粘着シートの残留応力」の具体的な値についても特に制限はなく、上記の規定を満足するように適宜調節されうるが、一例として、好ましくは4〜13N/25mmであり、より好ましくは5〜8N/25mmである。
[粘着シートの製造方法]
本発明の粘着シート10の製造方法としては、粘着剤層を基材シートの表面に配置することができるのであれば、いかなる方法であっても用いられうる。製造方法の一例としては、基材シートの表面に、従来公知の各種の塗布方法によって、所望の組成を有する粘着剤を塗布し、必要に応じて乾燥等の処理を施すことによって、粘着シートを得ることができる。ここで、本発明の特徴的な構成として上述した、(第1の)粘着剤層の粘着力、および粘着シートの残留応力は、それぞれ、本願の出願時における技術常識を参酌することにより、適宜所望の値に制御することができる。具体的には、これらに限定されるわけではないが、例えば、第1の基材シートがポリ塩化ビニルフィルムからなる場合には、これに添加する可塑剤の種類や量を調節することにより、粘着シートの残留応力の値を制御することができる。例えば、可塑剤の種類を可塑化効果の高いものに変更したり、同じ可塑剤でもその量を増やすことで、粘着シートの残留応力を小さくすることが可能である。また、第1の基材シートを延伸によって作製する場合には、延伸時の各種条件(温度、時間、延伸倍率)などを調節することにより、MD方向およびCD方向のそれぞれにおける残留応力の値を制御することができる。さらに、(第1の)粘着剤層の粘着力を制御するには、(第1の)粘着剤層に含まれる粘着剤を構成する主剤および架橋剤の種類および量を調節すればよい。例えば、粘着剤の種類を粘着性の高いものに変更したり、同じ粘着剤でもその量を増やすことで、(第1の)粘着剤層の粘着力を大きくすることが可能である。
なお、このようにして製造された粘着シート10を使用する際には、剥離シート14を剥がし、粘着剤層13aを被着体に当接し、スキージや指などで圧をかけながら貼ることにより、容易に密着性よくきれいに貼付することができる。また、粘着シート10が凹凸構造を有する被着体の凹部に貼付された場合において、長期間が経過した際にも、シートが浮き上がってしまう浮き上がりの発生が防止され、耐浮き上がり性に優れた粘着シートが提供されうる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、下記の実施例のみに限定されるべきではない。
[試験方法]
≪粘着力≫
JIS Z0237:2009 粘着テープ・粘着シート試験方法に準じて、SUS304鋼板に対する24時間後の引きはがし粘着力を測定した。
≪残留応力≫
試料(測定対象の粘着シート)を、
MDの長さ150mm、幅25mm
CDの長さ150mm、幅25mm
の短冊形にそれぞれ切断して試験片とする。
剥離シートを剥がし、つかみ具間距離100mmで試験片の両端をつかみ、5%ひずみを与えた状態で5分間保持した後、引張荷重(N)を測定し、幅25mm当たりの残留応力(N/25mm)とした。
試験環境:20℃、50%RH
装置名:RTA−T−2M(株式会社オリエンテック製)
≪浮き上がり試験(耐浮き上がり性試験)≫
まず、厚さ500μmのアルミニウム板を、図2(数字の単位は[mm])に示す形状に折り曲げ、被着体を作成した。
続いて、上記で作製した粘着シートの一端を被着体の端に固定し、スキージを用いて、山部、谷部、山部、谷部の順にスキージを当てることで粘着シートを被着体に貼付した。
そして、貼付から1日、12日、および30日経過後にそれぞれ、谷部での粘着シートの浮き上がりの有無を観察することで、耐浮き上がり性を評価した。
[実施例1]
塩化ビニル樹脂100質量部、アジピン酸系可塑剤20質量部、金属せっけん系安定剤3質量部、白色顔料10質量部を配合し、溶液流涎法により、厚さ80μmのポリ塩化ビニル(PVC)製白色フィルムからなる第1の基材シートを作製した。次いで、剥離シートのシリコーン離型処理面に粘着剤(組成:主剤コーポニールN−2147、架橋剤コロネートL)をロールナイフコーターにて塗布して第1の粘着剤層(厚さ25μm)を形成した積層体を、上記で作製した第1の基材シートの片面に貼り合わせた。得られた積層体の白色ポリ塩化ビニルフィルムの露出面に、さらに第2の粘着剤層(組成:第1の粘着剤層と同じ)付き透明ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム[前記白色フィルムにおいて、白色顔料を配合しなかったもの、厚さ30μm]の粘着剤層を貼り合わせて、粘着シートを得た。得られた粘着シートについて、粘着力および残留応力の測定値を、浮き上がり試験の結果と併せて下記の表1に示す。
[実施例2〜3、比較例1〜2]
PVC製白色フィルムを作製する際に用いる可塑剤の量、並びに、第1の粘着剤層を構成する粘着剤に含まれる主剤および架橋剤の種類および量を調節することで、粘着力および残留応力を下記の表1に示す値に制御したこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、粘着シートを得た。得られた粘着シートについて、粘着力および残留応力の測定値を、浮き上がり試験の結果と併せて下記の表1に示す。
表1に示すように、本発明の粘着シートによれば、凹凸構造を有する被着体に貼付した場合にも優れた耐浮き上がり性を発揮させることができることがわかる。
10 粘着シート、
11 粘着シート本体、
12a 第1の基材シート、
12b 第2の基材シート、
13a 第1の粘着剤層、
13b 第2の粘着剤層、
14 剥離シート。

Claims (4)

  1. 第1の基材シートと、
    前記第1の基材シートの一方の面に配置され、第1の粘着剤を含有する第1の粘着剤層と、
    を有する粘着シートであって、
    JIS Z0237:2009に規定される試験方法により測定されるSUS304鋼板に対する前記第1の粘着剤層の24時間後の180°引きはがし粘着力の、前記第1の基材シートのMD方向および/またはCD方向における粘着シートのひずみ5%で5分間保持した後の残留応力(N/25mm)に対する比の値が、1.2以上であることを特徴とする、粘着シート。
  2. 前記比の値が、1.5以上である、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記第1の基材シートの前記第1の粘着剤層とは反対側の面に、第2の粘着剤を含有する第2の粘着剤層と、第2の基材シートとがこの順にさらに配置されてなる、請求項1または2に記載の粘着シート。
  4. 前記第1の粘着剤層の前記第1の基材シートとは反対側の面に、剥離シートがさらに配置されてなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着シート。
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