JP2015196675A - 吸水性樹脂架橋剤及び吸水剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性に優れ、低温において吸水性樹脂を効率的に架橋して、吸水能力の高い吸水剤を製造できる吸水性樹脂架橋剤及びこの吸水性樹脂架橋剤で吸水性樹脂を架橋することにより得られる吸水剤の提供。【解決手段】[A]及び[B]を分子中に有するハロヒドリン化合物を含む吸水性樹脂架橋剤。[A]式(1)で表されるハロヒドリン基、[B]アミド結合及び/又はエステル結合。(Aは単結合又はアルキレン基;R1はH又はアルキル基;XはCl又はBr)【選択図】なし
Description
本発明は、安全性に優れ、低温において吸水性樹脂を効率的に架橋して、吸水能力の高い吸水剤を製造することができる新規な吸水性樹脂架橋剤及びその製造方法と、該架橋剤で吸水性樹脂を架橋することにより得られる吸水剤に関するものである。
吸水性樹脂は、衛生用品、食品、農林業、土木等、様々な分野で広く用いられているが、特にその吸水力を活かし、紙オムツ、生理用ナプキン等衛生用品に汎用されている。かかる衛生用品に用いられる吸水性樹脂としては、一般にポリアクリル酸やポリメタクリル酸の部分中和塩が挙げられる。
紙オムツ等の衛生用品で用いられる吸水性樹脂は、常圧下はもちろんのこと、体圧がかかった状態(圧力下)でも、高い吸水能力が求められる。
紙オムツ等の衛生用品で用いられる吸水性樹脂は、常圧下はもちろんのこと、体圧がかかった状態(圧力下)でも、高い吸水能力が求められる。
上記課題を解決することができる技術的手段の一つとして、吸水性樹脂粒子の表面を架橋剤で架橋する方法が知られている。かかる表面架橋法は、架橋剤によって、カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を有する吸水性樹脂粒子の表面層を架橋し、一方、吸水能力を保つべく吸水性樹脂粒子の内部の架橋は抑えることにより、吸水速度の高い吸水剤を得るものである。
該架橋剤として、従来、エポキシ基を有する化合物が使われていた。しかしながら、エポキシ基を有する化合物を含む架橋剤は皮膚刺激性への問題等が懸念された。そこで、エポキシ基を有する化合物を含まない架橋剤が提案された。そのような架橋剤として、例えば、分子中にハロヒドリン基を少なくとも2つ有する化合物や、分子中にハロヒドリン基及び第四級アンモニウム基を有する化合物を含む架橋剤を挙げることができる(特許文献1参照)。また、分子内に複数のアミド骨格又はオキサゾール骨格を持つ多価アルコールを含む架橋剤も挙げることができる(特許文献2参照)。これら架橋剤でも、エポキシ基を有する架橋剤と同等の吸水能力を吸水性樹脂粒子に与えている。
該架橋剤として、従来、エポキシ基を有する化合物が使われていた。しかしながら、エポキシ基を有する化合物を含む架橋剤は皮膚刺激性への問題等が懸念された。そこで、エポキシ基を有する化合物を含まない架橋剤が提案された。そのような架橋剤として、例えば、分子中にハロヒドリン基を少なくとも2つ有する化合物や、分子中にハロヒドリン基及び第四級アンモニウム基を有する化合物を含む架橋剤を挙げることができる(特許文献1参照)。また、分子内に複数のアミド骨格又はオキサゾール骨格を持つ多価アルコールを含む架橋剤も挙げることができる(特許文献2参照)。これら架橋剤でも、エポキシ基を有する架橋剤と同等の吸水能力を吸水性樹脂粒子に与えている。
上記のように、吸水性樹脂粒子を架橋する様々な架橋剤が開発されているが、近年紙オムツ等衛生用品の薄型化等に伴い、従来の架橋剤で架橋された吸水性樹脂粒子より高い吸水能力を有する吸水剤を製造できる技術の開発が望まれている。
本発明の主な課題は、吸水能力の高い吸水剤を得るために用いられる新規な吸水性樹脂架橋剤を提供することにある。また、かかる吸水性樹脂架橋剤を用いて得られる新規な吸水剤を提供することも本発明の課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、吸水剤の製造において分子中に少なくとも1つのハロヒドリン基と、アミド結合及び/又はエステル結合とを有する化合物を含む吸水性樹脂架橋剤を用いることにより、吸水性の高い吸水剤が得られることを発見し、本発明を完成した。
本発明として、例えば、下記[1]〜[7]を挙げることができる。
[1]以下の[A]及び[B]を分子中に有するハロヒドリン化合物を含む吸水性樹脂架橋剤:
[A]次の一般式(1)で表されるハロヒドリン基;
[1]以下の[A]及び[B]を分子中に有するハロヒドリン化合物を含む吸水性樹脂架橋剤:
[A]次の一般式(1)で表されるハロヒドリン基;
(式中、Aは単結合又はアルキレン基を表し、R1は水素原子又はアルキル基を表し、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。)
[B]アミド結合及び/又はエステル結合。
[B]アミド結合及び/又はエステル結合。
[2]アルキレン基がメチレン基である、上記[1]に記載の吸水性樹脂架橋剤。
[3]次の一般式(2)で表される基:
(式中、Eは単結合又は水素原子を表し、R1は水素原子又はアルキル基を表し、Xは塩素原子又は臭素原子を表し、Yは酸素原子又は硫黄原子を表す。)
又は、次の一般式(3)で表される基:
又は、次の一般式(3)で表される基:
(式中、R1は水素原子又はアルキル基を表し、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。)
を分子中に少なくとも1つ有するハロヒドリン化合物を含む、上記[1]又は[2]に記載の吸水性樹脂架橋剤。
を分子中に少なくとも1つ有するハロヒドリン化合物を含む、上記[1]又は[2]に記載の吸水性樹脂架橋剤。
[4]ハロヒドリン化合物が、脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸、オキシカルボン酸及び尿素、並びにその誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの化合物にエピハロヒドリンを反応させて得られるものである、上記[1]〜[3]のいずれか1に記載の吸水性樹脂架橋剤。
[5]ハロヒドリン化合物が、次の一般式(4)で表される化合物(以下、「ハロヒドリン化合物(4)」という):
(式中、R1は水素原子又はアルキル基を表し、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子若しくはヒドロキシル基で置換されていてもよいアルキル基を表すか、又はR2とR3が隣接する窒素原子と一緒になって炭素数3〜5の環状構造を形成し、Gは水素原子又は次の一般式(5)で表される基を表し、Xは塩素原子又は臭素原子を表し、Yは酸素原子又は硫黄原子を表す。)
(式中、R1は水素原子又はアルキル基を表し、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。)、
次の一般式(6)で表される化合物(以下、「ハロヒドリン化合物(6)」という):
次の一般式(6)で表される化合物(以下、「ハロヒドリン化合物(6)」という):
(式中、R1は水素原子又はアルキル基を表し、Jは単結合、ヒドロキシル基で置換されていてもよいアルキレン基若しくはアルケニレン基、フェニレン基、又は次の一般式(7)で表される基を表し、Gは水素原子又は前記一般式(5)で表される基を表し、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。)
(式中、Gは水素原子又は前記一般式(5)で表される基を表す。)、
(式中、R1は水素原子又はアルキル基を表し、Jは単結合、ヒドロキシル基で置換されていてもよいアルキレン基若しくはアルケニレン基、フェニレン基、又は次の一般式(9)で表される基を表し、Gは水素原子又は前記一般式(5)で表される基を表し、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。)
(式中、Gは水素原子又は前記一般式(5)で表される基を表す。)、及び
(式中、R1は水素原子又はアルキル基を表し、Lは単結合、又はヒドロキシル基で置換されていてもよいアルキレン基若しくはアルケニレン基を表し、Mはヒドロキシル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。ただし、L又はM上に、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する。)
からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である上記[1]〜[4]のいずれか1に記載の吸水性樹脂架橋剤。
[6]カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を有する吸水性樹脂に、上記[1]〜[5]のいずれか1に記載の吸水性樹脂架橋剤を加え、加熱し、架橋して得られる吸水剤。
[7]カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を有する吸水性樹脂に、上記[1]〜[5]のいずれか1に記載の吸水性樹脂架橋剤を加え、加熱し、架橋することを特徴とする吸水剤の製造方法。
本発明の吸水性樹脂架橋剤は、エポキシ基等の皮膚刺激性のある官能基を持たないことから、安全性に優れていることはもとより、低温において吸水性樹脂を効率的に架橋して、吸水能力の高い吸水剤を製造することができる。
I.本発明の吸水性樹脂架橋剤について
まず、本発明の吸水性樹脂架橋剤(以下、「本発明架橋剤」という)について詳述する。
まず、本発明の吸水性樹脂架橋剤(以下、「本発明架橋剤」という)について詳述する。
I−1.本発明に係るハロヒドリン化合物
本発明架橋剤は、以下の[A]及び[B]を分子中に有するハロヒドリン化合物を含む。
[A]次の一般式(1)で表されるハロヒドリン基;
本発明架橋剤は、以下の[A]及び[B]を分子中に有するハロヒドリン化合物を含む。
[A]次の一般式(1)で表されるハロヒドリン基;
(式中、Aは単結合又はアルキレン基を表し、R1は水素原子又はアルキル基を表し、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。)
[B]アミド結合及び/又はエステル結合。
[B]アミド結合及び/又はエステル結合。
本発明において、R1に係る「アルキル基」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜3のものを挙げることができ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基を挙げることができる。中でも、メチル基が好ましい。
Aに係る「アルキレン基」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜4のものを挙げることができ、具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基を挙げることができる。中でも、メチレン基が好ましい。
本発明に係るハロヒドリン化合物は、1分子中に上記ハロヒドリン基と、アミド結合及び/又はエステル結合とを有している化合物であれば特に限定されないが、次の一般式(2)で表される基:
(式中、Eは単結合又は水素原子を表し、R1及びXは前記と同義であり、Yは酸素原子又は硫黄原子を表す。)
又は、次の一般式(3)で表される基:
又は、次の一般式(3)で表される基:
(式中、R1及びXは前記と同義である。)
を、分子中に少なくとも1つ有するハロヒドリン化合物であることが好ましい。
を、分子中に少なくとも1つ有するハロヒドリン化合物であることが好ましい。
I−2.本発明に係るハロヒドリン化合物の具体例とその製造方法
本発明に係るハロヒドリン化合物として、例えば、脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸、オキシカルボン酸及び尿素、並びにその誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの化合物にエピハロヒドリンを反応させて得られる化合物を挙げることができる。
本発明に係るハロヒドリン化合物として、例えば、脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸、オキシカルボン酸及び尿素、並びにその誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの化合物にエピハロヒドリンを反応させて得られる化合物を挙げることができる。
本発明に係るハロヒドリン化合物は、例えば、上記反応により得られる化合物として特定しうるが、このような化合物のみに限定されるものではない。他の製法により製造されるハロヒドリン化合物についても、前記[A]及び[B]を分子中に有するハロヒドリン化合物であれば、本発明に係るハロヒドリン化合物に含まれる。
上記脂肪族多価カルボン酸としては、エピハロヒドリンと反応することができるものであれば特に限定されないが、具体的には、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸等の2価のカルボン酸;リンゴ酸、酒石酸、タルトロン酸等のヒドロキシ酸;クエン酸、イソクエン酸等の3価のカルボン酸を挙げることができる。中でも、クエン酸及びイソクエン酸が好ましい。
上記芳香族多価カルボン酸としては、エピハロヒドリンと反応することができるものであれば特に限定されないが、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等を挙げることができる。
上記オキシカルボン酸としては、エピハロヒドリンと反応することができるものであれば特に限定されないが、例えば、サリチル酸、マンデル酸、没食子酸、コーヒー酸等のヒドロキシケイ皮酸等を挙げることができる。
上記脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸の誘導体としては、脂肪族多価カルボン酸、又は芳香族多価カルボン酸から誘導される一級アミド等を挙げることができる。
上記尿素誘導体としては、エピハロヒドリンと反応することができるものであれば特に限定されないが、例えば、エチレン尿素、トリメチレン尿素等の環状尿素誘導体;モノメチロール尿素、ジメチロール尿素等の鎖状尿素誘導体;チオ尿素、エチレンチオ尿素等のチオカルボニル尿素誘導体を挙げることができる。
エピハロヒドリンとしては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンを挙げることができる。中でも、入手が容易なこと等から、エピクロロヒドリンが好ましい。
本発明に係るハロヒドリン化合物は、脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸、オキシカルボン酸及び尿素、並びにその誘導体が有するカルボキシ基又はアミド基のうち、少なくとも1つの基がエピハロヒドリンと反応することにより得られる化合物であればよく、分子中に未反応のカルボキシ基又はアミド基を有していても良い。
より具体的には、本発明に係るハロヒドリン化合物として、例えば、前記ハロヒドリン化合物(4)を挙げることができる。
ここで、本発明において、R2及びR3に係る「アルキル基」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜4のものを挙げることができ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基を挙げることができる。
R2及びR3に係る「アルキル基」は、置換しうる任意の位置に1〜3個、好ましくは2個のヒドロキシル基を有していてもよい。
R2及びR3に係る「アルキル基」は、置換しうる任意の位置に1〜3個、好ましくは2個のヒドロキシル基を有していてもよい。
ハロヒドリン化合物(4)は、通常、尿素又はその誘導体とエピハロヒドリンとを反応させることにより得ることができる。Gが水素原子であるハロヒドリン化合物(4)としては、例えば、尿素又はその誘導体上の1つの窒素原子のみがエピハロヒドリンと反応して得られる化合物を挙げることができ、Gが前記一般式(5)で表される基(以下、「置換基(5)」という)であるハロヒドリン化合物(4)としては、例えば、尿素又はその誘導体上の2つの窒素原子がエピハロヒドリンと反応して得られる化合物を挙げることができる。
R2及びR3の少なくともいずれか一方が水素原子であるハロヒドリン化合物(4)としては、例えば、尿素、モノメチロール尿素等とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。
R2及びR3がいずれも水素原子でないハロヒドリン化合物(4)としては、例えば、ジメチロール尿素とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。
R2及びR3が隣接する窒素原子と一緒になって炭素数3〜5の環状構造を形成しているハロヒドリン化合物(4)としては、例えば、エチレン尿素やトリエチレン尿素とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。
Yが硫黄原子であるハロヒドリン化合物(4)としては、例えば、チオ尿素、エチレンチオ尿素等とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。
尿素又はその誘導体とエピハロヒドリンとの反応におけるエピハロヒドリンの使用量としては、尿素又はその誘導体1分子の有するウレア基1当量に対し、0.5〜4当量のエピハロヒドリンが適当であり、好ましくは1〜3当量である。
尿素又はその誘導体とエピハロヒドリンとの反応は、通常、適当な溶媒中で行う。かかる溶媒としては、尿素又はその誘導体とエピハロヒドリンとの反応において不活性であれば特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;水、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の高極性溶媒類等を挙げることができる。これらは、単独であっても、又は2種以上の併用であってもよい。溶媒の量は特に限定されないが、通常、尿素又はその誘導体100重量部に対して10〜1000重量部、好ましくは50〜500重量部である。
また、尿素又はその誘導体とエピハロヒドリンとの反応は、適当な塩基の存在下で行うことが好ましい。かかる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩を挙げることができる。かかる塩基の添加量は特に限定されないが、尿素又はその誘導体1当量に対して、通常、0.005〜0.2当量、好ましくは0.01〜0.1当量である。
反応温度は、原料である尿素又はその誘導体やエピハロヒドリンの種類や量等によって異なるが、60℃〜100℃が適当である。反応時間は、原料である尿素又はその誘導体やエピハロヒドリンの種類や量等によって異なるが、1時間〜8時間が適当である。
その他の具体的な本発明に係るハロヒドリン化合物として、前記ハロヒドリン化合物(6)を挙げることができる。
ここで、本発明において、Jに係る「アルキレン基」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜8(好ましくは炭素数1〜4)のものを挙げることができ、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基を挙げることができる。
Jに係る「アルケニレン基」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2〜8(好ましくは炭素数2〜4)のものを挙げることができ、具体的には、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテン−1,4−ジイル、2−ブテン−1,4−ジイルを挙げることができる。
Jに係る「アルキレン基」及び「アルケニレン基」は、それぞれ置換しうる任意の位置に1〜3個のヒドロキシル基を有していてもよい。
Jに係る「フェニレン基」としては、例えば、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレンを挙げることができる。
ここで、本発明において、Jに係る「アルキレン基」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜8(好ましくは炭素数1〜4)のものを挙げることができ、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基を挙げることができる。
Jに係る「アルケニレン基」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2〜8(好ましくは炭素数2〜4)のものを挙げることができ、具体的には、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテン−1,4−ジイル、2−ブテン−1,4−ジイルを挙げることができる。
Jに係る「アルキレン基」及び「アルケニレン基」は、それぞれ置換しうる任意の位置に1〜3個のヒドロキシル基を有していてもよい。
Jに係る「フェニレン基」としては、例えば、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレンを挙げることができる。
ハロヒドリン化合物(6)は、通常、多価カルボン酸とエピハロヒドリンとを反応させることにより得ることができる。Gが水素原子であるハロヒドリン化合物(6)としては、例えば、多価カルボン酸上の1つのカルボキシ基のみがエピハロヒドリンと反応して得られる化合物を挙げることができ、Gが置換基(5)であるハロヒドリン化合物(6)としては、例えば、多価カルボン酸上の2つのカルボキシ基がエピハロヒドリンと反応して得られる化合物を挙げることができる。
Jが単結合、又はヒドロキシル基で置換されていてもよいアルキレン基若しくはアルケニレン基であるハロヒドリン化合物(6)としては、例えば、2価の脂肪族カルボン酸とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができ、Jがフェニレン基であるハロヒドリン化合物(6)としては、例えば、2価の芳香族カルボン酸とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。Jが一般式(7)で表される基(以下、「置換基(7)」という)であるハロヒドリン化合物(6)としては、例えば、クエン酸とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。
より詳細には、Jが単結合であるハロヒドリン化合物(6)としては、例えば、シュウ酸とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。Jがアルキレン基であるハロヒドリン化合物(6)としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和ジカルボン酸とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。Jがヒドロキシル基で置換されているアルキレン基であるハロヒドリン化合物(6)としては、例えば、リンゴ酸、酒石酸等のヒドロキシ酸とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。Jがヒドロキシル基で置換されていてもよいアルケニレン基であるハロヒドリン化合物(6)としては、例えば、フマル酸、マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。
Jがフェニレン基であるハロヒドリン化合物(6)としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。
Jが置換基(7)であるハロヒドリン化合物(6)としては、例えば、クエン酸とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。この中、Gが置換基(5)であるハロヒドリン化合物(6)は、通常、クエン酸上のすべてのカルボキシ基がエピハロヒドリンと反応することにより得られるものである。
多価カルボン酸とエピハロヒドリンとの反応におけるエピハロヒドリンの使用量としては、多価カルボン酸1分子の有するカルボキシ基1当量に対し、0.8〜5当量のエピハロヒドリンが適当であり、好ましくは1〜1.5当量である。
多価カルボン酸とエピハロヒドリンとの反応は、原料となる多価カルボン酸やエピハロヒドリンの種類や量等により適宜調整すればよいが、通常、上記した、尿素又はその誘導体とエピハロヒドリンとの反応と同様の条件で行うことができる。
その他の具体的な本発明に係るハロヒドリン化合物として、また、前記ハロヒドリン化合物(8)も挙げることができる。
ハロヒドリン化合物(8)は、通常、一級アミドとエピハロヒドリンとを反応させることにより得ることができる。Gが水素原子であるハロヒドリン化合物(8)としては、例えば、一級アミド上の1つのアミド基のみがエピハロヒドリンと反応して得られる化合物を挙げることができ、Gが置換基(5)であるハロヒドリン化合物(8)としては、例えば、一級アミド上の2つのアミド基がエピハロヒドリンと反応して得られる化合物を挙げることができる。
ハロヒドリン化合物(8)は、通常、一級アミドとエピハロヒドリンとを反応させることにより得ることができる。Gが水素原子であるハロヒドリン化合物(8)としては、例えば、一級アミド上の1つのアミド基のみがエピハロヒドリンと反応して得られる化合物を挙げることができ、Gが置換基(5)であるハロヒドリン化合物(8)としては、例えば、一級アミド上の2つのアミド基がエピハロヒドリンと反応して得られる化合物を挙げることができる。
Jが単結合のハロヒドリン化合物(8)としては、例えば、オキサミドとエピハロヒドリンを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。Jがアルキレン基であるハロヒドリン化合物(8)としては、例えば、マロンアミド、コハク酸アミド等のマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和ジカルボン酸のアミド誘導体とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。
Jがヒドロキシル基で置換されているアルキレン基であるハロヒドリン化合物(8)としては、例えば、リンゴ酸、酒石酸等のヒドロキシ酸のアミド誘導体とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。Jがヒドロキシル基で置換されていてもよいアルケニレン基であるハロヒドリン化合物(8)としては、例えば、フマル酸、マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸のアミド誘導体とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。
Jがフェニレン基であるハロヒドリン化合物(8)としては、例えば、テレフタル酸アミド、イソフタル酸アミド、フタル酸アミドとエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。
Jが置換基(7)であるハロヒドリン化合物(8)としては、例えば、クエン酸のアミド誘導体とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。この中、Gが置換基(5)であるハロヒドリン化合物(8)は、通常、クエン酸のアミド誘導体上のすべてのアミド基がエピハロヒドリンと反応することにより得られものである。
一級アミドとエピハロヒドリンとの反応におけるエピハロヒドリンの使用量としては、一級アミド1分子の有するアミド基1当量に対し、0.8〜5当量のエピハロヒドリンが適当であり、好ましくは1〜1.5当量である。
一級アミドとエピハロヒドリンとの反応は、原料となる一級アミドやエピハロヒドリンの種類や量等により適宜調整すればよいが、通常、上記した、尿素及びその誘導体とエピハロヒドリンとの反応と同様の条件で行うことができる。
その他の具体的な本発明に係るハロヒドリン化合物として、また、前記ハロヒドリン化合物(10)も挙げることができる。
ここで、本発明において、Lに係る「アルキレン基」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜8(好ましくは炭素数1〜4)のものを挙げることができ、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基を挙げることができる。
Lに係る「アルケニレン基」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2〜8(好ましくは炭素数2〜4)のものを挙げることができ、具体的には、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテン−1,4−ジイル、2−ブテン−1,4−ジイルを挙げることができる。
Lに係る「アルキレン基」及び「アルケニレン基」は、それぞれ置換しうる任意の位置に1〜3個のヒドロキシル基を有していてもよい。
Lに係る「アルケニレン基」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2〜8(好ましくは炭素数2〜4)のものを挙げることができ、具体的には、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテン−1,4−ジイル、2−ブテン−1,4−ジイルを挙げることができる。
Lに係る「アルキレン基」及び「アルケニレン基」は、それぞれ置換しうる任意の位置に1〜3個のヒドロキシル基を有していてもよい。
Mに係る「フェニル基」は、置換しうる任意の位置に1〜5個、好ましくは1〜3個のヒドロキシル基を有していてもよい。
ハロヒドリン化合物(10)は、L又はM上に、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する。ヒドロキシル基の置換位置は、置換しうる位置であれば特に限定されず、L上にのみヒドロキシル基を有していても良く、M上のみにヒドロキシル基を有していても良く、L上及びM上の両方にヒドロキシル基を有していても良い。
ヒドロキシル基の数は特に限定されないが、1分子中に好ましくは1〜5個であり、より好ましくは1〜3個である。
ヒドロキシル基の数は特に限定されないが、1分子中に好ましくは1〜5個であり、より好ましくは1〜3個である。
ハロヒドリン化合物(10)は、通常、オキシカルボン酸とエピハロヒドリンとを反応させることにより得ることができる。
Lが単結合のハロヒドリン化合物(10)としては、例えば、サリチル酸や没食子酸とエピハロヒドリンを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。Lがヒドロキシル基で置換されていてもよいアルキレン基であるハロヒドリン化合物(10)としては、例えば、マンデル酸とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。Lがヒドロキシル基で置換されていてもよいアルケニレン基であるハロヒドリン化合物(10)としては、例えば、コーヒー酸等のヒドロキシケイ皮酸とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる化合物を挙げることができる。
オキシカルボン酸とエピハロヒドリンとの反応におけるエピハロヒドリンの使用量としては、オキシカルボン酸1分子の有するカルボキシ基1当量に対し、0.8〜5当量のエピハロヒドリンが適当であり、好ましくは1〜1.5当量である。
オキシカルボン酸とエピハロヒドリンとの反応は、原料となるオキシカルボン酸やエピハロヒドリンの種類や量等により適宜調整すればよいが、通常、上記した、尿素及びその誘導体とエピハロヒドリンとの反応と同様の条件で行うことができる。
本発明に係る上記ハロヒドリン化合物を含む本発明架橋剤により、カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を有する吸水性樹脂(後述)の表面を効率的に架橋し、吸水能力の高い吸水剤を製造することができる。このため、吸水性樹脂の表面架橋剤として好適に使用できるものである。また、必要に応じて、本発明架橋剤により、吸水性樹脂の内部も架橋することができる。
II.本発明の吸水剤について
次に、本発明架橋剤で吸水性樹脂を架橋することにより得られる吸水剤(以下、「本発明吸水剤」という)について詳述する。
次に、本発明架橋剤で吸水性樹脂を架橋することにより得られる吸水剤(以下、「本発明吸水剤」という)について詳述する。
本発明吸水剤は、カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を有する吸水性樹脂に、本発明架橋剤を加え、加熱し、架橋して得られるものである。
本発明吸水剤は、本発明架橋剤を用いて、カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を有する吸水性樹脂の表面を架橋して得られるものであるが、場合により内部架橋されていても良い。本発明吸水剤によって、内部架橋されている吸水剤も本発明に含まれる。
II−1.表面架橋
カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を有する吸水性樹脂の表面を本発明架橋剤により架橋する場合について説明する。
カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を有する吸水性樹脂の表面を本発明架橋剤により架橋する場合について説明する。
カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を有する吸水性樹脂としては、カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を有し、吸水し、膨潤して、ヒドロゲルを形成する吸水性樹脂であれば特に限定されず、例えば、公知の吸水性樹脂を挙げることができる。具体例としては、ポリアクリル酸部分中和物架橋物、自己架橋型ポリアクリル酸部分中和物、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体架橋物、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体架橋物の加水分解物、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体架橋物、アクリル酸塩−アクリルアミド共重合体架橋物、アクリル酸塩−アクリロニトリル共重合体架橋物の加水分解物、アクリル酸塩と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩の共重合体架橋物等を挙げることができる。これらは、単独であっても、又は2種以上の併用であってもよい。
上記に例示した吸水性樹脂の中では、吸水能力が高いことからカルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を高密度にて有する吸水性樹脂が好ましい。そのような吸水性樹脂の具体例としては、アクリル酸部分中和物架橋体や自己架橋型ポリアクリル酸部分中和物を挙げることができる。ここで、カルボン酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等を挙げることができるが、特に、ナトリウム塩が好ましい。
カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を有する吸水性樹脂の製造方法及び形状については特に限定されないが、例えば、逆相懸濁重合法、これにより得られるパール状の吸水性樹脂粒子、水溶液重合法、この重合後の乾燥物を粉砕して得られるリン片状、塊状、岩状、顆粒状、無定形状の吸水性樹脂を挙げることができる。またこれらの吸水性樹脂粒子を造粒したものを挙げることができる。
本発明架橋剤により表面架橋をする場合、本発明架橋剤は、吸水性樹脂の種類や架橋度、目的とする表面架橋の程度にもよるが、吸水性樹脂100重量部に対し、使用する本発明架橋剤中のハロヒドリン化合物が、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部となる量を用いることができる。吸水性樹脂100重量部に対し、使用する本発明架橋剤中のハロヒドリン化合物の含有量が前記範囲内であると、吸水性樹脂を有効に架橋できるだけでなく、架橋密度が高くなりすぎることにより、得られる吸水剤の吸水能力や吸水速度の低下を防ぐことができる。
本発明架橋剤により吸水性樹脂を表面架橋する際は、水、親水性有機溶剤又はこれらの混合物からなる溶剤に、本発明架橋剤を予め溶解させ、次いで得られた本発明架橋剤含有溶液と吸水性樹脂を混合させるのが好ましい。上記親水性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級脂肪族アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、メトキシ(ポリ)エチレングリコール等のエーテル類;ε−カプロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキサイド等のスルホキサイド類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール類を挙げることができる。これらの親水性有機溶剤は1種類であっても、2種類以上の混合溶剤であってもよい。
上記溶剤の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径、含水率等により適宜調整すれば良いが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対し、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明架橋剤と吸水性樹脂との混合は、例えば、本発明架橋剤を含む溶液を吸水性樹脂に噴霧した後、円筒型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、双腕型混合機、粉砕型ニーダー等による公知の方法で行うことができる。このとき、必要に応じて界面活性剤を添加することができる。
なお、本発明架橋剤による表面架橋の効果を妨げない範囲で、公知の表面架橋剤を併用することもできる。かかる公知の表面架橋剤としては、例えば、多価アルコール化合物、多価アミン化合物、ポリイソシアネート化合物、多価オキサゾリン化合物、アルキレンカーボネート化合物、シランカップリング剤、多価金属化合物を挙げることができる。さらに、エポキシ化合物やハロエポキシ化合物も併用することもできる。
上記多価アルコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトールを挙げることができる。
上記エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドールを挙げることができる。
上記多価アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、これら多価アミン化合物の無機塩又は有機塩(アジチニウム塩等)を挙げることができる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが、上記多価オキサゾリン化合物としては、例えば、1,2−エチレンビスオキサゾリンを挙げることができる。
上記アルキレンカーボネートとしては、例えば、1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オンを挙げることができる。
上記ハロエポキシ化合物としては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリンやその多価アミン付加物(例、ハーキュレス社製カイメン(登録商標))を挙げることができる。
その他公知の架橋剤として、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤や、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物や塩化物等の多価金属化合物も挙げることができる。
これら公知の架橋剤は、1種であっても、2種以上の併用でもよい。
これら公知の架橋剤は、1種であっても、2種以上の併用でもよい。
表面架橋時の加熱温度は、本発明架橋剤や吸水性樹脂の種類等に応じて適宜変更すればよいが、通常、40℃〜250℃である。加熱温度が上記範囲内の場合、吸水性樹脂粒子が劣化することなく、吸水性樹脂粒子の表面が均一に架橋され、常圧下での吸水倍率と加圧下での吸水倍率のバランスに優れ、吸水能力の高い吸水剤を得ることができる。
但し、本発明架橋剤は、反応性が高いため、比較的低い加熱温度でも速やかに、かつ均一に表面架橋反応することができる。それ故、上記加熱温度は、60℃〜200℃が好ましく、70℃〜200℃がより好ましい。
加熱時間も、本発明架橋剤や吸水性樹脂の種類等により適宜調整すればよいが、通常、0.2時間〜3時間である。
本発明吸水剤は、種々の機能を付与する目的で、消毒剤、消臭剤、抗菌剤、香料、各種の無機粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、肥料、酸化剤、還元剤、水、及び塩類等の他の添加剤を含有することができる。これら他の添加剤の添加量及び添加の時期は当業者により適切に選択される。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下において、%は重量%を示すものとする。
(吸水剤の加圧下の吸水倍率)
本発明による架橋剤による吸水性樹脂の架橋によって製造した吸水剤の加圧下の吸水性能は以下のようにして評価した。
るつぼ型ガラスフィルター(内径40mm、高さ70mm)を鉛直に立て、この中に吸水剤1gを均一に入れた。この吸水剤の上にPETフィルム(厚さ100μm)をのせ、初期重量を測定した。さらにこの上に50g/cm2荷重となるように外径38mmの分銅をのせた。次に、生理食塩水(濃度0.9%)約630gを入れたバット(縦210mm、横170mm)の中に上記吸水剤を入れたるつぼ型ガラスフィルターを、底部を下側にして30分間浸漬した後、引き上げて、重量増加を測定し、加圧下の吸水倍率とした。
本発明による架橋剤による吸水性樹脂の架橋によって製造した吸水剤の加圧下の吸水性能は以下のようにして評価した。
るつぼ型ガラスフィルター(内径40mm、高さ70mm)を鉛直に立て、この中に吸水剤1gを均一に入れた。この吸水剤の上にPETフィルム(厚さ100μm)をのせ、初期重量を測定した。さらにこの上に50g/cm2荷重となるように外径38mmの分銅をのせた。次に、生理食塩水(濃度0.9%)約630gを入れたバット(縦210mm、横170mm)の中に上記吸水剤を入れたるつぼ型ガラスフィルターを、底部を下側にして30分間浸漬した後、引き上げて、重量増加を測定し、加圧下の吸水倍率とした。
(本発明架橋剤の実施例)
実施例1
300mL容量セパラブルフラスコに尿素20.0g(0.33モル)、イオン交換水20g、48.7%水酸化ナトリウム水溶液2.7gを仕込み、内温を80℃〜85℃に加熱して溶解させた。内温を80℃〜90℃に保ちながら、これにエピクロロヒドリン33.9g(0.37モル)を滴下した。滴下終了後、外温を100℃に加熱し、滴定による加水分解性塩素(クロロヒドリン基の塩素量)の定量に基づいて反応を終了させて、本発明架橋剤(A1)を得た。
実施例1
300mL容量セパラブルフラスコに尿素20.0g(0.33モル)、イオン交換水20g、48.7%水酸化ナトリウム水溶液2.7gを仕込み、内温を80℃〜85℃に加熱して溶解させた。内温を80℃〜90℃に保ちながら、これにエピクロロヒドリン33.9g(0.37モル)を滴下した。滴下終了後、外温を100℃に加熱し、滴定による加水分解性塩素(クロロヒドリン基の塩素量)の定量に基づいて反応を終了させて、本発明架橋剤(A1)を得た。
実施例2
300mL容量セパラブルフラスコにクエン酸30.0g(0.16モル)、イオン交換水30g、48.7%水酸化ナトリウム水溶液1.3gを仕込み、内温を80℃〜85℃に加熱して溶解させた。内温を80℃〜90℃に保ちながら、これにエピクロロヒドリン36.1g(0.39モル)を滴下した。滴下終了後、外温を100℃に加熱し、滴定によるエポキシ基の定量に基づいてエピクロロヒドリンの消失を確認して、反応を終了させ、本発明架橋剤(A2)を得た。
300mL容量セパラブルフラスコにクエン酸30.0g(0.16モル)、イオン交換水30g、48.7%水酸化ナトリウム水溶液1.3gを仕込み、内温を80℃〜85℃に加熱して溶解させた。内温を80℃〜90℃に保ちながら、これにエピクロロヒドリン36.1g(0.39モル)を滴下した。滴下終了後、外温を100℃に加熱し、滴定によるエポキシ基の定量に基づいてエピクロロヒドリンの消失を確認して、反応を終了させ、本発明架橋剤(A2)を得た。
合成例1
500mL容量セパラブルフラスコにソルビトール100g(0.55モル)を仕込み、内温110℃〜115℃で溶解させた後、触媒として四塩化すず0.4gを仕込んだ。内温を95℃〜100℃に保ちながら、これにエピクロロヒドリン124g(1.3モル)を滴下した。滴下終了時、反応系は均一な溶液であった。滴下終了後、同温度範囲で撹拌を続け、滴定によるエポキシ基の定量に基づいてエピクロロヒドリンの消失を確認して、反応を終了させた。反応終了後、同温度範囲でイオン交換水125g、48.5%水酸化ナトリウム水溶液1.6gを加え、減圧濃縮により溶媒を留去し、ソルビトールクロロヒドリン化合物を得た。
500mL容量セパラブルフラスコにソルビトール100g(0.55モル)を仕込み、内温110℃〜115℃で溶解させた後、触媒として四塩化すず0.4gを仕込んだ。内温を95℃〜100℃に保ちながら、これにエピクロロヒドリン124g(1.3モル)を滴下した。滴下終了時、反応系は均一な溶液であった。滴下終了後、同温度範囲で撹拌を続け、滴定によるエポキシ基の定量に基づいてエピクロロヒドリンの消失を確認して、反応を終了させた。反応終了後、同温度範囲でイオン交換水125g、48.5%水酸化ナトリウム水溶液1.6gを加え、減圧濃縮により溶媒を留去し、ソルビトールクロロヒドリン化合物を得た。
(本発明吸水剤(吸水性樹脂粒子を表面架橋)の実施例)
実施例3
前記本発明架橋剤(A1)0.1gを水0.5gで希釈して水溶液を調製した(1%/吸水性樹脂粒子)。前記本発明架橋剤(A1)0.2gを水1.0gで希釈して水溶液を調製した(2%/吸水性樹脂粒子)。
上記架橋剤水溶液をそれぞれポリアクリル酸吸水性樹脂粒子10gに噴霧し、十分に混合した。このように処理した吸水性樹脂を150℃で60分間加熱して、本発明架橋剤による表面架橋した本発明吸水剤を得た。この吸水剤の性能を表1に示す。
実施例3
前記本発明架橋剤(A1)0.1gを水0.5gで希釈して水溶液を調製した(1%/吸水性樹脂粒子)。前記本発明架橋剤(A1)0.2gを水1.0gで希釈して水溶液を調製した(2%/吸水性樹脂粒子)。
上記架橋剤水溶液をそれぞれポリアクリル酸吸水性樹脂粒子10gに噴霧し、十分に混合した。このように処理した吸水性樹脂を150℃で60分間加熱して、本発明架橋剤による表面架橋した本発明吸水剤を得た。この吸水剤の性能を表1に示す。
実施例4
実施例3において、本発明架橋剤(A2)0.1g、0.2gをそれぞれ用いた以外は、実施例3と同様にして本発明吸水剤を得た。その性能を表1に示す。
実施例3において、本発明架橋剤(A2)0.1g、0.2gをそれぞれ用いた以外は、実施例3と同様にして本発明吸水剤を得た。その性能を表1に示す。
比較例1
実施例3において、架橋剤として合成例1で得られたソルビトールクロロヒドリン化合物0.1g、0.2gをそれぞれ用いた以外は、実施例3と同様にして比較用吸水剤を得た。その性能を表1に示す。
実施例3において、架橋剤として合成例1で得られたソルビトールクロロヒドリン化合物0.1g、0.2gをそれぞれ用いた以外は、実施例3と同様にして比較用吸水剤を得た。その性能を表1に示す。
表1に示す通り、本発明架橋剤を用いて得られた本発明吸水剤は、高い吸水倍率を示すことが明らかである。
本発明架橋剤は、安全性に優れ、低温において吸水性樹脂を効率的に架橋することができる。そのため、本発明架橋剤を用いて得られる吸水剤(本発明吸水剤)は、高い吸水能力を有することから、紙オムツ等の衛生用品分野で有用である。
Claims (7)
- アルキレン基がメチレン基である、請求項1に記載の吸水性樹脂架橋剤。
- ハロヒドリン化合物が、脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸、オキシカルボン酸及び尿素、並びにその誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの化合物にエピハロヒドリンを反応させて得られるものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸水性樹脂架橋剤。
- ハロヒドリン化合物が、次の一般式(4)で表される化合物:
次の一般式(6)で表される化合物:
次の一般式(8)で表される化合物:
次の一般式(10)で表される化合物:
からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸水性樹脂架橋剤。 - カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を有する吸水性樹脂に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸水性樹脂架橋剤を加え、加熱し、架橋して得られる吸水剤。
- カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基を有する吸水性樹脂に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸水性樹脂架橋剤を加え、加熱し、架橋することを特徴とする吸水剤の製造方法。
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CN113214115A (zh) * | 2021-06-08 | 2021-08-06 | 东北林业大学 | 一种低成本的环保增量树脂及其制备方法和应用 |
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2014
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