JP2015170609A - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の枚葉式の基板処理装置は、基板を水平に保持して回転させるスピンチャックと、スピンチャックに保持されている基板に向けて処理液を吐出するノズルとを備えている。スピンチャックは、基板の周囲に配置される複数のチャックピンを含む。スピンチャックは、複数のチャックピンを基板の周縁部に押し付けることにより、基板を水平な姿勢で保持する。
基板上の処理液を効率的にスリットの入口に集めることだけを考えれば、入口の開口面積は、大きいほど好ましい。しかしながら、スリットの入口が大きいと、チャックピンの剛性が低下してしまう。
請求項3に記載の発明は、前記入口は、少なくとも一部が基板上面よりも上方に配置される、上下方向に延びる縦開口部を含む、請求項1または2に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、スリットの入口に設けられた縦開口部が、基板よりも上方の位置から基板よりも下方の位置まで上下方向に延びる。したがって、縦開口部の一部は、基板の上面と等しい高さから上方に延びる。そのため、基板の上面近傍を流れる処理液を確実にスリットの入口に集めることができる。これにより、チャックピンから跳ね返る処理液の量を減少させることができるので、ミストの発生量を低減できる。
この構成によれば、スリットの入口とスリットの出口とが径方向に並んでいるので、スリットの少なくとも一部は、入口から出口に径方向に水平に延びている。したがって、入口から出口に向かう処理液の流れがスリットの内面に妨げられにくい。これにより、スリット内の処理液を効率的に排出できるので、スリット内への処理液の進入が、スリット内の処理液に妨げられることを抑制または防止できる。
この構成によれば、スリットの入口の少なくとも一部が、基板の上方に配置され、平面視で基板に重なる。言い換えると、入口の少なくとも一部は、基板の周端面よりも内方に配置される。基板上の処理液にスリットの入口を近づけることができるので、基板上の処理液を効率的にスリットの入口に集めることができる。これにより、チャックピンから跳ね返る処理液の量を減少させることができるので、ミストの発生量を低減できる。
この構成によれば、導電性を有する導電部が、チャックピンに設けられており、この導電部が、支持位置および把持位置の少なくとも一方で基板に接触する。したがって、基板の帯電を抑制または防止できる。
導電部は、炭素を含む導電性材料で形成されている。基板上の液体を加熱するための赤外線が基板の上面に照射される場合、黒色の導電部は、赤外線を吸収しやすいので、温度が上昇してしまう。したがって、導電部を基板またはチャックピンで覆うことにより、熱源から導電部を保護できる。これにより、導電部の温度上昇を抑えることができる。
この構成によれば、基板に接触する接触部が基板よりも軟らかいので、基板と接触部との接触によって基板が傷つくことを抑制または防止できる。しかも、接触部を径方向外方から支持する芯部が接触部よりも剛性が高いので、チャックピンが基板を把持しているときの接触部の変形を効果的に抑えることができる。さらに、接触部および芯部がいずれも導電性を有しているので、基板の電気を接触部から芯部に逃がすことができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1に備えられたチャンバー4の内部を水平に見た模式図である。図2は、スピンベース9およびこれに関連する構成を示す模式的な平面図である。図3は、図2に示すIII−III線に沿うチャックピン8の鉛直断面を示す模式図である。
図1に示すように、各処理ユニット2は、枚葉式のユニットである。各処理ユニット2は、内部空間を有する箱形のチャンバー4と、チャンバー4内で一枚の基板Wを水平な姿勢で保持しながら、基板Wの中央部を通る鉛直な基板回転軸線A1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック5と、スピンチャック5に保持されている基板Wに処理液を供給する複数のノズル(第1薬液ノズル13、第2薬液ノズル18、およびリンス液ノズル23)と、スピンチャック5に保持されている基板Wを基板Wの上方から加熱する加熱装置6と、基板回転軸線A1まわりにスピンチャック5を取り囲む筒状のカップ7とを含む。
図1に示すように、赤外線ヒータ28は、赤外線を含む光を発する赤外線ランプ29と、赤外線ランプ29を収容するランプハウジング30とを含む。図2に示すように、赤外線ヒータ28は、平面視で基板Wよりも小さい。赤外線ランプ29およびランプハウジング30は、ヒータアーム31に取り付けられている。赤外線ランプ29およびランプハウジング30は、ヒータアーム31と共に移動する。
図4(c)に示すように、スピンチャック5の把持部35は、基板Wの上面と平行な上面37と、上面37の内縁から下方に延びる内端面38と、上面37の外縁から下方に延びる外端面36と、内向き(図4(c)では、紙面の左側)に開いたV字状の鉛直断面を有する収容溝41を形成する2つの傾斜面(上傾斜面39および下傾斜面40)とを含む。2つの傾斜面は、収容溝41の底41aから斜め上に内方に延びる上傾斜面39と、収容溝41の底41aから斜め下に内方に延びる下傾斜面40と含む。把持部35の上面37および内端面38は、把持位置(図4(c)において二点鎖線で示す基板Wの位置)よりも上方に位置している。
回転している基板Wの上面に供給された処理液は、基板Wに対して回転方向の下流側に流れながら、基板Wの上面に沿って外方に流れる。チャックピン8の把持部35の上端部が、把持位置に位置する基板Wの上面よりも上方に配置されているので、基板W上の処理液は、把持部35の上端部に向かって外方に流れる。この処理液の一部は、把持部35の外面で開口するスリット42の入口45からチャックピン8の中に入って、スリット42の出口47からチャックピン8の外に排出される。したがって、スリット42が設けられていない場合よりも、処理液がチャックピン8に衝突することにより発生するミストの量が低減される。
処理ユニット2によって基板Wが処理されるときには、チャンバー4内に基板Wを搬入する搬入工程(図6のステップS1)が行われる。
具体的には、制御装置3は、全てのノズルがスピンチャック5の上方から退避している状態で、基板Wを保持している搬送ロボットのハンドをチャンバー4内に進入させる。そして、制御装置3は、ハンド上の基板Wが複数のチャックピン8の上に置かれるように、搬送ロボットを制御する。その後、制御装置3は、搬送ロボットのハンドをチャンバー4内から退避させる。また、制御装置3は、基板Wが複数のチャックピン8の上に置かれた後、チャックピン8を開位置から閉位置に移動させて、複数のチャックピン8に基板Wを把持させる。その後、制御装置3は、スピンモータ12に基板Wの回転を開始させる。
具体的には、制御装置3は、第1ノズル移動装置17を制御することにより、第1薬液ノズル13を退避位置から処理位置に移動させる。これにより、第1薬液ノズル13が基板Wの上方に配置される。その後、制御装置3は、第1薬液バルブ15を開いて、室温よりも高温(たとえば、140℃)のSPMを回転している基板Wの上面に向けて第1薬液ノズル13に吐出させる。制御装置3は、この状態で第1ノズル移動装置17を制御することにより、基板Wの上面に対するSPMの着液位置を中央部と周縁部との間で移動させる。
具体的には、制御装置3は、ヒータ移動装置32を制御することにより、赤外線ヒータ28を退避位置から処理位置に移動させる。さらに、制御装置3は、赤外線ヒータ28が基板Wの上方に到達した後もしくはその前に、赤外線ヒータ28に発光を開始させる。これにより、赤外線ヒータ28の温度(加熱温度)が、第1薬液(この処理例では、SPM)の沸点よりも高い温度まで上昇し、その温度に維持される。制御装置3は、基板Wの上面に対する赤外線の照射位置が中央部および周縁部の一方から他方に移動するように、ヒータ移動装置32に赤外線ヒータ28を水平に移動させる。制御装置3は、赤外線ヒータ28によるSPMの加熱が所定時間にわたって行われた後、赤外線ヒータ28を基板Wの上方から退避させる。その後、制御装置3は、赤外線ヒータ28の発光を停止させる。
具体的には、制御装置3は、ノズル移動装置27を制御することにより、リンス液ノズル23を退避位置から処理位置に移動させる。その後、制御装置3は、リンス液バルブ25を開いて、回転している基板Wの上面に向けてリンス液ノズル23に純水を吐出させる。これにより、基板Wに残留しているSPMが純水によって洗い流され、基板Wの上面全域を覆う純水の液膜が形成される。そして、リンス液バルブ25が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、リンス液バルブ25を閉じて純水の吐出を停止させる。その後、制御装置3は、ノズル移動装置27を制御することにより、リンス液ノズル23を基板Wの上方から退避させる。なお、リンス液ノズル23から吐出される液体は、純水のみならず、温水やごく少量の薬液を添加した機能水であってもよい。
具体的には、制御装置3は、第2ノズル移動装置22を制御することにより、第2薬液ノズル18を退避位置から処理位置に移動させる。その後、制御装置3は、第2薬液バルブ20を開いて、回転している基板Wの上面に向けてSC1を第2薬液ノズル18に吐出させる。制御装置3は、この状態で第2ノズル移動装置22を制御することにより、基板Wの上面に対するSC1の着液位置を中央部と周縁部との間で移動させる。そして、第2薬液バルブ20が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、第2薬液バルブ20を閉じてSC1の吐出を停止させる。その後、制御装置3は、第2ノズル移動装置22を制御することにより、第2薬液ノズル18を基板Wの上方から退避させる。
具体的には、制御装置3は、ノズル移動装置27を制御することにより、リンス液ノズル23を退避位置から処理位置に移動させる。制御装置3は、リンス液ノズル23が基板Wの上方に配置された後、リンス液バルブ25を開いて、回転している基板Wの上面に向けてリンス液ノズル23に純水を吐出させる。これにより、基板W上のSC1が、純水によって外方に押し流され、基板Wの周囲に排出される。そのため、基板W上のSC1の液膜が、基板Wの上面全域を覆う純水の液膜に置換される。そして、リンス液バルブ25が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、リンス液バルブ25を閉じて純水の吐出を停止させる。その後、制御装置3は、ノズル移動装置27を制御することにより、リンス液ノズル23を基板Wの上方から退避させる。
具体的には、制御装置3は、スピンモータ12によって基板Wの回転を加速させて、第1薬液供給工程から第2リンス液供給工程までの回転速度よりも大きい高回転速度(たとえば数千rpm)で基板Wを回転させる。これにより、大きな遠心力が基板W上の液体に加わり、基板Wに付着している液体が基板Wの周囲に振り切られる。このようにして、基板Wから液体が除去され、基板Wが乾燥する。そして、基板Wの高速回転が開始されてから所定時間が経過すると、制御装置3は、スピンモータ12を制御することにより、スピンチャック5による基板Wの回転を停止させる。
具体的には、制御装置3は、チャックピン8を閉位置から開位置に移動させて、スピンチャック5による基板Wの把持を解除させる。その後、制御装置3は、全てのノズルがスピンチャック5の上方から退避している状態で、搬送ロボットのハンドをチャンバー4内に進入させる。そして、制御装置3は、搬送ロボットのハンドにスピンチャック5上の基板Wを保持させる。その後、制御装置3は、搬送ロボットのハンドをチャンバー4内から退避させる。これにより、処理済みの基板Wがチャンバー4から搬出される。
第1実施形態では、周方向C1に長い横開口部45aが、スリット42の入口45に設けられているので、チャックピン8の剛性の低下を抑えながら、スリット42の入口45を基板Wの上面に沿う方向、すなわち、基板W上の液体が広がる方向に拡大することができる。したがって、基板W上の処理液を効率的にスリット42の入口45に集めることができ、ミストの発生量を低減できる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、基板の周縁部に押し付けられる把持部と、基板の下面に接触する支持部とが、別々の部材に設けられている。
第2実施形態では、支持ピン234とチャックピン208とを含む保持ピンが、スピンチャック5に複数設けられている(図7では、保持ピンを一つだけ図示している。)。複数の支持ピン234は、各支持ピン234と基板Wの下面周縁部との点接触により基板Wを水平な姿勢で支持する。複数のチャックピン208は、複数の支持ピン234に支持されている基板Wの周縁部に押し付けられる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、基板に接触する部材と、この部材を保持する部材とが、チャックピンに設けられている。
図9に示すように、第3実施形態に係るチャックピン308は、基板Wに接触する接触部材349と、接触部材349を保持する保持部材350と、接触部材349および保持部材350を覆うピンカバー348とを含む。
<他の実施形態>
本発明の第1〜第3実施形態の説明は以上であるが、本発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の変更が可能である。
また、前述の実施形態では、縦開口部45bの一部だけが、把持位置よりも上方に配置されている場合について説明したが、縦開口部45bの全体が、把持位置よりも上方に配置されていてもよい。
また、前述の実施形態では、スリット42の入口45とスリット42の出口47とが径方向R1に並んでいる場合について説明したが、チャックピン8をその内方から径方向R1に見たときに、スリット42の出口47の全部または一部が、スリット42の入口45に対してずれていてもよい。
また、前述の実施形態では、基板W上の処理液を加熱する熱源が、赤外線ランプ29を含む赤外線ヒータ28である場合について説明したが、通電により発熱する電熱線を含む抵抗ヒータや、室温よりも高温の熱風を吹き出す送風機が、熱源として用いられてもよい。また、熱源が処理ユニット2から省かれてもよい。
また、前述の実施形態では、赤外線ヒータ28がヒータアーム31に取り付けられている場合について説明したが、赤外線ヒータ28は、第1薬液ノズル13、第2薬液ノズル18、およびリンス液ノズル23の少なくとも一つを保持するアームに取り付けられていてもよい。
また、前述の実施形態では、基板処理装置が、円板状の基板を処理する装置である場合について説明したが、基板処理装置は、多角形の基板を処理する装置であってもよい。
5 :スピンチャック
8 :チャックピン
12 :スピンモータ
13 :第1薬液ノズル(処理液供給手段)
18 :第2薬液ノズル(処理液供給手段)
23 :リンス液ノズル(処理液供給手段)
35 :把持部
42 :スリット
43 :水平部
44 :鉛直部
45 :入口
45a :横開口部
45b :縦開口部
46 :通路
47 :出口
208 :チャックピン
234 :支持ピン
235 :把持部
242 :スリット
308 :チャックピン
348 :ピンカバー
349 :接触部材
350 :保持部材
351 :芯部
A1 :基板回転軸線
C1 :周方向
R1 :径方向
W :基板
Claims (9)
- 基板の周縁部に押し付けられるチャックピンを含み、前記チャックピンを用いて基板を水平な姿勢で把持しながら、当該基板の中央部を通る鉛直な基板回転軸線まわりに当該基板を回転させるスピンチャックと、
前記スピンチャックに把持されている基板に処理液を供給する処理液供給手段とを含み、
少なくとも一部が基板上面よりも上方に配置されると共に、前記チャックピンの内方から前記基板回転軸線に直交する径方向に前記チャックピンを見たときに見える入口と、前記入口よりも径方向外方に配置された出口とを含むスリットが、前記チャックピンに設けられ、前記入口は、前記チャックピンの内方から前記チャックピンを径方向に見たときに前記基板回転軸線まわりの方向である周方向に延びている、基板処理装置。 - 前記入口は、前記チャックピンの内方から前記チャックピンを径方向に見たときに周方向に延びると共に、基板上面よりも上方に配置される横開口部を含む、請求項1に記載の基板処理装置。
- 前記入口は、少なくとも一部が基板上面よりも上方に配置される、上下方向に延びる縦開口部を含む、請求項1または2に記載の基板処理装置。
- 前記縦開口部は、基板上面よりも上方に配置される上端と、基板下面よりも下方に配置される下端とを含む、請求項3に記載の基板処理装置。
- 前記出口の少なくとも一部は、前記入口と径方向に並んでいる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
- 前記入口の少なくとも一部は、平面視で基板に重なるように基板の上方に配置される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
- 前記チャックピンは、基板に接触する導電部を含み、前記導電部は、導電性を有する導電性材料で形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
- 前記導電部は、平面視で基板または前記チャックピンに覆われる、請求項7に記載の基板処理装置。
- 前記チャックピンは、基板の周縁部に押し付けられる基板よりも軟らかい接触部と、前記接触部の径方向外方に配置された前記接触部よりも硬い芯部とを含み、
前記接触部および芯部のそれぞれは、導電性を有する導電性材料で形成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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