JP2015169745A - 光偏向器 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電膜と電極膜との剥離を防止して、信頼性及び安定性を高めた光偏向器を提供する。【解決手段】外枠支持体と、ミラー部と、前記ミラー部の中心を通る第1軸線上で一端部が該ミラー部と結合され、かつ、他端部が前記外枠支持体と結合された1対のトーションバーと、前記トーションバーを前記第1軸線回りに往復回転させるように、先端部が該トーションバーと結合され、かつ、少なくとも一部分が前記外枠支持体と結合された圧電アクチュエータ10a、10bとを備えた圧電駆動方式のMEMS型光偏向器において、圧電アクチュエータの先端部(区画線91、92の付近)のPZT圧電膜を、該圧電アクチュエータの他の部分のPZT圧電膜より薄く形成する。【選択図】図7

Description

本発明は、圧電駆動方式の光偏向器に関する。
スキャナや小型プロジェクタでレーザ光を走査するため、ミラー部を所定の軸線回りに往復回転させて、光源から入射した光をミラー部で反射させて出射するMEMS型の光偏向器が知られている。
例えば、特許文献1に記載の2次元光スキャナでは、中央に反射膜を有する円形状のミラー部が形成され、ミラー部の中心を通る軸Y2上にある第1のトーションバー(2つ)が各々の一端でミラー部を軸支している。また、ミラー部の中心を通る軸X2上にある第2のトーションバー(2つ)が内部可動枠を軸支している。
第1、第2のトーションバーは、その圧電振動板(圧電アクチュエータ)に交流電圧を印加すると、それぞれの軸回りを揺動するので、ミラー部に入射する光の反射光は2次元的に走査される(段落0062〜0064、図5)。
特開2008−20701号公報
圧電アクチュエータを駆動してミラー部を回転させるためには、圧電膜にある程度の厚みを持たせる必要があった。しかしながら、圧電膜をより厚くした場合、駆動中に圧電膜とそれに電圧を印加するための電極膜が徐々に剥離して、圧電アクチュエータの性能が低下するという問題が生じていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、圧電膜と電極膜との剥離を防止することで、信頼性及び安定性を高めた光偏向器を提供することを目的とする。
第1発明の光偏向器は、外枠支持体と、ミラー部と、前記ミラー部の中心を通る第1軸線上で一端部が該ミラー部と結合され、かつ、他端部が前記外枠支持体と結合された1対のトーションバーと、前記トーションバーを前記第1軸線回りに往復回転させるように、先端部が該トーションバーと結合され、かつ、少なくとも一部分が前記外枠支持体と結合された第1圧電アクチュエータとを備え、前記第1圧電アクチュエータの先端部の圧電膜は、該第1圧電アクチュエータの他の部分の圧電膜より薄く形成されていることを特徴とする。
第1発明では、第1圧電アクチュエータを駆動させることでトーションバーを第1軸線回りに往復回転させ、トーションバーと結合したミラー部を動作させる。これにより、ミラー部は、半導体レーザ等の入射光を様々な方向に反射させることができる。
第1圧電アクチュエータを効率良く駆動させるためには、これを構成する圧電膜にある程度の厚みを持たせなければならないが、トーションバーと第1圧電アクチュエータとの結合部分、すなわち、第1圧電アクチュエータの先端部については、第1圧電アクチュエータの圧電膜を他の部分より薄く形成する。
これにより、第1圧電アクチュエータに電圧を印加して屈曲変形させたとき、第1圧電アクチュエータの薄く形成された圧電膜と、これに接触する電極膜とが、圧電膜の変形に追従できずに剥離してしまうのを防止することができる。
第1発明において、前記第1圧電アクチュエータの先端部に前記トーションバーの回転角を検出する圧電方式の回転センサを配設し、前記回転センサを構成する圧電膜を、前記第1圧電アクチュエータの先端部の圧電膜と同じ厚みに形成することが好ましい。
第1圧電アクチュエータの先端部に回転センサを配設すると、トーションバーの回転角を検出することができる。例えば、回転角の情報(センサ信号)を制御装置にフィードバックすることで、光偏向器によるレーザ光の走査が正確に行える。
ここで、回転センサを構成する圧電膜も第1圧電アクチュエータの先端部の圧電膜と同じ厚み、すなわち薄く形成する。これにより、電極膜と圧電膜が剥離してセンサ信号が不安定になることを防止することができる。
第2発明の光偏向器は、外枠支持体と、ミラー部と、前記ミラー部の中心を通る第1軸線上で一端部が該ミラー部と結合され、かつ、他端部が前記外枠支持体と結合された1対のトーションバーと、前記トーションバーを前記第1軸線回りに往復回転させるように、該トーションバーと前記外枠支持体の両方に結合された第1圧電アクチュエータとを備え、前記第1圧電アクチュエータの前記トーションバーとの結合部分のうち、該第1圧電アクチュエータの応力が生じる領域の圧電膜を、該第1圧電アクチュエータの他の部分の圧電膜より薄く形成することを特徴とする。
応力シミュレーションによれば、第1圧電アクチュエータのトーションバーとの結合部分では、第1圧電アクチュエータによる応力が所定の範囲(例えば、扇形状)に分布することが分かっている。従って、応力が生じる範囲について、局所的に圧電膜を薄く形成することにより、第1圧電アクチュエータの変形量(振れ角)を保持しつつ、電極膜と圧電膜の剥離を防止することができる。
第1、第2発明において、前記ミラー部を、該ミラー部の中心を通り前記第1軸線と同一平面上で直交する第2軸線回りに往復回転させるための第2圧電アクチュエータを備え、前記第2圧電アクチュエータは、複数の圧電カンチレバーが、前記第2軸線上に該圧電カンチレバーの長手方向が隣り合うように並べて配置され、隣り合う圧電カンチレバーに対し折り返すように一端部が機械的に連結されていることが好ましい。
ミラー部を第2軸線回りに往復回転させる第2圧電アクチュエータは、複数の圧電カンチレバーにより構成される。圧電カンチレバーは、第2軸線上に圧電カンチレバーの長手方向が隣り合うように並べて配置されているので、それぞれの圧電カンチレバーは、電圧を印加したとき第2軸線回りに屈曲変形する。
また、隣り合う圧電カンチレバーに対し折り返すように一端部が機械的に連結されているので、屈曲変形を累積させてミラー部の回転を大きくすることができる。これにより、第1、第2圧電アクチュエータを駆動させてレーザ光を2次元的に走査可能な2次元光偏向器を実現することができる。
光スキャナモジュールの構成図。 2次元光偏向器の斜視図。 蛇腹状圧電アクチュエータの動作を説明する図。 可動枠の詳細を説明する図。 図4の可動枠内の圧電センサの配置部分を説明する図。 (a)応力分布の全体図と、(b)応力分布の拡大図。 半環状圧電アクチュエータとトーションバーとの結合部分(図5のVII−VII線)の断面図。 半環状圧電アクチュエータとトーションバーとの結合部分の断面図(別実施例)。
初めに図1を参照して、光スキャナモジュール1の構成を説明する。光スキャナモジュール1は、例えば、超小型プロジェクタ、バーコードリーダ等に用いられる部品であり、主に2次元光偏向器2、レーザ光源3及び制御装置5から構成される。
2次元光偏向器2は、半導体プロセスやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用して作製され、一定の方向から入射する光を回転するマイクロミラーで反射し、走査光として出射する。
2次元光偏向器2の可動枠2aは、主にミラー部9、半環状圧電アクチュエータ10a、10b、トーションバー(弾性梁)13a、13b等からなる。レーザ光源3から入射するレーザ光4aはミラー部9で反射され、反射光(レーザ光4b)が、例えば、超小型プロジェクタの投影面を走査する。
このとき、制御装置5は、可動枠2a及びレーザ光源3に制御信号を送信している。該制御信号により可動枠2aの半環状圧電アクチュエータ10a、10bが駆動され、これと結合したトーションバー13a、13bが捩れることで、ミラー部9を回転させる。また、該制御信号により、レーザ光源3は、レーザ光4aのオン・オフや輝度が制御される。
次に、図2を参照して、可動枠2aを含む2次元光偏向器2について説明する。2次元光偏向器2は、外枠支持体11の中央に可動枠2aが配設されている。また、可動枠2aの両脇には、蛇腹状圧電アクチュエータ6a、6bが配設され、可動枠2aの辺部下端及び外枠支持体11と結合している。
蛇腹状圧電アクチュエータ6a、6bは、複数のカンチレバーを長手方向が隣り合う向きに並べて、上下方向端部で折り返して直列結合した構造になっている。詳細は後述するが、蛇腹状圧電アクチュエータ6a、6bを駆動させることにより、可動枠2aが水平方向、すなわち、図中のX軸(本発明の「第2軸線」)の回りを往復回転する。
また、上述したように、半環状圧電アクチュエータ10a、10bを駆動させることにより、ミラー部9がトーションバー13a、13bの軸と一致する、図中のY軸(本発明の「第1軸線」)の回りを往復回転する。
この結果、2次元光偏向器2は、レーザ光4aをミラー部9で反射する際、光を2次元光偏向器2の前方に出射して、さらにX軸方向とY軸方向の2方向に走査することができる。
外枠支持体11の下方には、電極パッド7a〜7e(以下、電極パッド7という)と、電極パッド8a〜8e(以下、電極パッド8という)が配設されている。電極パッド7、8は、蛇腹状圧電アクチュエータ6a、6b及び半環状圧電アクチュエータ10a、10bの各電極に駆動電圧を印加できるように電気的に接続されている。
なお、蛇腹状圧電アクチュエータ6a、6bの部分がなくても光偏向器として機能する。この場合、可動枠2aの部分が外枠支持体の役割を果たし、ミラー部9がY軸の回りを往復回転する1次元光偏向器となる。
次に、図3を参照して、蛇腹状圧電アクチュエータ6aを例に、蛇腹状圧電アクチュエータの動作を説明する。
上述したように、実施例の2次元光偏向器2は、蛇腹状圧電アクチュエータ6a、6bを動作させることにより、ミラー部9のX軸方向の往復回転を可能としている。なお、蛇腹状圧電アクチュエータ6a、6bは、本発明の「第2駆動アクチュエータ」に相当する。
図3(a)は、2次元光偏向器2を表側から見たとき、左側に配設される蛇腹状圧電アクチュエータ6aを切り出した図である。蛇腹状圧電アクチュエータ6aは、圧電カンチレバーを4つ並べた形状である。また、各圧電カンチレバーは、主に圧電膜とそれを挟む電極膜とで構成される。以下では、可動枠2aから離れた方より順に、圧電カンチレバー6a(1)、6a(2)、6a(3)、6a(4)と呼ぶ。
例えば、蛇腹状圧電アクチュエータ6aにおいて、奇数番目の圧電カンチレバー6a(1)、6a(3)に第1の電圧を印加する。また、偶数番目の圧電カンチレバー6a(2)、6a(4)に、第1の電圧とは逆位相の第2の電圧を印加する。
このようにすることで、図3(b)に示すように、奇数番目の圧電カンチレバー6a(1)、6a(3)を上方向に屈曲変位させ、偶数番目の圧電カンチレバー6a(2)、6a(4)を下方向に屈曲変位させることができる。
図示しないが、蛇腹状圧電アクチュエータ6bについては、可動枠2aに近い方より順に、圧電カンチレバー6b(1)、6b(2)、6b(3)、6b(4)とする。このとき、奇数番目の圧電カンチレバー6a(1)、6a(3)を下方向に屈曲変位させ、偶数番目の圧電カンチレバー6a(2)、6a(4)を上方向に屈曲変位させることができる。
これにより、ミラー部9の下側(トーションバー13b側)よりミラー部9の上側(トーションバー13a側)が高くなる(上側が図中のU方向に動く)ように、ミラー部9を変位させることができる。このようにして、ミラー部9をX軸回りに揺動させることができる。
次に、図4を参照して、可動枠2aの詳細を説明する。図4は、可動枠2aを斜め前方から見た斜視図である。初期状態において、ミラー部9は、中心Oから表側に延び出す法線をまっすぐ前方に向けている。
円形のミラー部9は、Y軸方向のトーションバー13a、13bに支持され、可動枠2aの中心に配設される。ミラー部9の反射面は、Au、Pt、Al等の金属薄膜を、例えば、スパッタ法や電子ビーム蒸着法により形成する。なお、ミラー部9の形状は円形に限られず、楕円形やその他の形状であってもよい。
トーションバー13a、13bは、一端がミラー部9、他端が半環状圧電アクチュエータ10a、10b(以下、単に圧電アクチュエータ10a、10bという)との結合部を越えて、可動枠2aと結合している。このように、トーションバー13a、13bが可動枠2aと結合していることで、Y軸方向の往復回転が安定する。
圧電アクチュエータ10a、10bは、ミラー部9を外側から包囲する位置に配設される。圧電アクチュエータ10a、10bは、Y軸上でトーションバー13a、13bと結合し、X軸上で外枠支持体11の一部である固定バー14a、14bと結合している。なお、圧電アクチュエータ10a、10bは、本発明の「第1駆動アクチュエータ」に相当する。
詳細は後述するが、圧電アクチュエータ10a、10bは、半導体プレーナプロセスにより、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電膜を下部電極及び上部電極で挟み込んだ構造となっている。下部電極、上部電極を介して圧電膜に電圧を印加することで、圧電アクチュエータ10a、10bを屈曲変形させ、トーションバー13a、13bを捩るという仕組みである。
圧電アクチュエータ10a、10bには、それぞれY軸に対して60°傾いた直線上に分断溝18が形成されており、圧電膜が周方向に分断されている。また、トーションバー13a、13bは、Y軸上に延びているので、この位置でも圧電膜が周方向に分断されている。
MEMS技術による可動枠2aの作製時には、まず、トーションバー13a、13bの部分を含めた全周に、圧電アクチュエータ10a、10b用の圧電膜を一律に形成する。その後、エッチングによりトーションバー13a、13bの部分、分断溝18の部分の圧電膜を除去する。
圧電アクチュエータ10aは、2つの分断溝18により上側から順番に区域16a〜16cに分けられる。一方、圧電アクチュエータ10bは、2つの分断溝18により上側から順番に区域17a〜17cに分けられる。
これにより、区域16a〜16c、17a〜17cの圧電膜には、個別に駆動電圧を印加可能になる。例えば、区域16a、16c、17bに所定の電圧V1を印加し、区域16b、17a、17cにV1とは逆位相となる電圧V2を印加することにより、ミラー部9をY軸回りに揺動させることができる。また、上記のように圧電膜を分離することで、分離しない場合の約半分の電圧で同じ振れ角が得られ、消費電力を抑えられる。
次に、図5を参照して、可動枠2aに設けられた圧電センサ100について説明する。図5は、図4の領域R(破線部分)の拡大図である。
圧電センサ100は、トーションバー13bと圧電アクチュエータ10bとの結合部に跨る位置に配設され、圧電アクチュエータ10bの水平方向の歪みに応じた電圧を出力して、ミラー部9の回転角を位相遅れなく検出する。なお、圧電センサ100は、本発明の「回転センサ」に相当する。
圧電アクチュエータ10aは、区画線91が先端部となる。また、圧電アクチュエータ10bについては、区画線92が先端部となる。圧電センサ100は、区画線92の一部分をエッチングして、該先端部の圧電膜を一部除去することにより形成する。従って、圧電アクチュエータ10bと圧電センサ100の積層材料は同じである。
また、略扇形状の領域S(破線部分)の圧電膜は、圧電アクチュエータ10a、10bの他の部分より薄く形成されている。これは、圧電膜と電極膜との密着性を良くするためであるが、詳細は断面図を用いて後述する。
圧電センサ100には、信号線110が接続されている。信号線110は、トーションバー13bの軸線に沿って外枠支持体11に引き出され、他端が外枠支持体11上の電極パッド8(図2参照)に接続される。
圧電センサ100のセンサ信号は、電極パッド8を介して制御装置5(図1参照)に送られる。これにより、制御装置5は、リアルタイムでミラー部9の回転角をフィードバックして制御することができる。
信号線111、112はグランド線であり、信号線110を挟む位置に配設されている。信号線111、112をこの位置とすることでシールド効果が生じ、信号線110のセンサ信号がノイズの影響を受けて乱れる、いわゆるクロストーク現象を防止することができる。
次に、図6を参照して、可動枠2a部分の応力分布ついて説明する。図6(a)、(b)は、市販のシミュレーションプログラムを用いて算出した応力分布である。
図6(a)の応力分布(全体図)によれば、トーションバー13a、13bの部分が濃い色で示され、特に応力が集中していることが分かる。応力は、トーションバー13a、13bから離れるにつれて小さくなるが、ミラー部9や圧電アクチュエータ10a、10bの一部にも生じている。
また、図6(b)の応力分布は、図6(a)の破線部分を拡大したものである。圧電アクチュエータ10a、10bの先端付近では、応力が扇形状に分布しており、上述の圧電センサ100も、この応力領域に含まれている。
これは、圧電アクチュエータ10a、10bを駆動することで、トーションバー13a、13b端部の捩れと圧電膜自体の応力の間で歪みが発生するためである。圧電アクチュエータ10a、10bの垂直方向の振れ角を保持するためには、例えば、4μm程度の厚みの圧電膜が必要となるが、そうすることで圧電膜と電極膜の密着強度が弱くなる場合がある。
そこで、圧電アクチュエータ10a、10bのトーションバー13a、13bとの結合部分について、上記シミュレーション結果の扇形に一致するように、圧電膜を薄く形成している。
また、圧電センサ100も応力が生じる扇形状の領域に含まれるので、圧電センサ100の圧電膜も薄く形成する。これにより、圧電アクチュエータ10a、10bの垂直方向の振れ角を保持しつつ、圧電アクチュエータ10a、10bと圧電センサについて、圧電膜と電極膜の密着強度が低下することがない。
次に、図7を参照して、圧電アクチュエータ10a、10bとトーションバー13bとの結合部分の構造を説明する。なお、図7は、図5のVII−VII線の断面図である。
圧電アクチュエータ10a、10bは、下層から順に基板としてのSi(ケイ素)、層間絶縁膜としてのSiO(二酸化ケイ素)、電極密着膜としてのTi(チタン)又はTiO(二酸化チタン)、下部電極膜としてのPt(プラチナ)、圧電膜としてのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、上部電極膜としてのPt(プラチナ)、電極密着膜としてのTi(チタン)、パッシベーション膜としてのSiN(窒化ケイ素)を有する。なお、下部電極膜と圧電膜の間にSRO(酸化ストロンチウム)による拡散防止層を形成してもよい。
電極密着膜とは、電極と接する薄膜(例えば、PtとSiO)の密着性を高めるための層である。また、パッシベーション膜とは、水分や金属イオンから配線や回路素子を保護するための機能を持つもので、SiON(シリコン酸窒化膜)、SiO(二酸化ケイ素)又はAl(酸化アルミニウム)により形成してもよい。
なお、各層の膜厚は、特開2005−148459号公報等、既に公知の文献を参照し、適宜設定してもよい。また、PZTの圧電膜は、デバイスの種類に応じて、エッチングにより膜厚を調整することができる。エッチングは、ウェットエッチング又はドライエッチングを用いることができる。
図中のトーションバー13b(破線部分)の上部は、基本的にエッチングによって圧電膜や電極膜が除去されている。また、トーションバー13bの両脇部分(扇形状の領域)では圧電膜が薄く形成され、これに伴い上部電極膜及びパッシベーション膜も一段低い構造となっている。
上述したように、圧電アクチュエータ10a、10bとトーションバー13bの結合部分は、応力が扇形状に分布している。従って、扇形に一致するように、圧電アクチュエータ10a、10bの先端部(区画線91、92付近)の圧電膜と、圧電センサ100の部分の圧電膜とが薄く形成されている。
圧電膜の膜厚が厚い場合(例えば、4μm以上)、変形する圧電膜の動きに電極膜が追従できず、電極膜と圧電膜が剥離してしまうことがある。そこで、圧電膜を局所的に薄く形成することで剥離を防いでいる。また、剥離が防ぐことで圧電センサ100から、ミラー部9の動きに対して位相遅れのない、感度の良いセンサ信号を得ることができる。
圧電センサ100の圧電膜は、薄くし過ぎるとセンサ信号が得られなくなるが、センサ信号が得られる程度(例えば、2〜3μm)に薄く形成することができる。センサ信号用の信号線110は、コンタクトホールを介して、上部電極膜と接続している。信号線110は、配線膜としてAl(アルミニウム)が用いられている。なお、信号線111、112は図面上で省略した。
最後に別実施例として、図8を参照して、圧電アクチュエータ10a、10bとトーションバー13aとの結合部分の構造を説明する。図8は、トーションバー13a側の該結合部分の断面図であるが、圧電センサ100がない点で異なっている。
図中のトーションバー13a(破線部分)の上部も、エッチングによって圧電膜や電極膜が除去され、トーションバー13aの両脇部分では圧電膜が薄く形成されている。
ここでも、応力が検出される扇形に一致するように、圧電アクチュエータ10a、10bの先端部(区画線91’、92’付近)の圧電膜を薄く形成することで、電極膜と圧電膜の剥離を防ぐことができる。
このように、圧電センサの有無に関わらず、圧電アクチュエータ10a、10bの先端部の圧電膜を薄く形成することで、剥離を防ぐ効果が高まる。例えば、分断溝18の部分では圧電膜が分断されているので、圧電アクチュエータ10a、10bの先端部となっている。従って、分断溝18の付近の圧電膜を圧電アクチュエータ10a、10bの他の部分より薄く形成するようにしてもよい。
以上のように、実施例の2次元光偏向器2では、半環状圧電アクチュエータ10a、10bのトーションバー13a、13bとの結合部分において、圧電アクチュエータの圧電膜(PZT)を、圧電アクチュエータの他の部分より薄く形成した。これにより、圧電膜と電極膜の剥離を防いで、2次元光偏向器2の信頼性及び安定性を高めることができる。
上記実施例は、本発明の一例であり、これ以外にも様々な変形例が考えられる。例えば、トーションバーの一端が半環状圧電アクチュエータと結合している、すなわち、外枠支持体まで伸びていない光偏向器であっても、本発明を適用可能である。
半環状圧電アクチュエータの圧電膜を分離する分断溝はなくてもよい。また、ミラー部や、ミラー部を駆動する圧電アクチュエータは、実施例の形状に限られず、様々な形状を採用することができる。圧電センサは、両トーションバーの回転角を検出するため2つ設けてもよい。
上記実施例では、応力が検出される扇形に一致するように、圧電アクチュエータの先端部の圧電膜を薄く形成したが、区画線に沿って該先端部の圧電膜を薄く形成してもよい。また、応力が検出される扇形を囲む長方形部分の圧電膜を薄く形成するようにすれば、エッチングを行い易い。
1…光スキャナモジュール、2…2次元光偏向器、2a…可動枠(外枠支持体)、3…レーザ光源、4a…レーザ光(入射光)、4b…レーザ光(反射光)、5…制御装置、6a,6b…蛇腹状圧電アクチュエータ、7,8…電極パッド、9…ミラー部、10a,10b…半環状圧電アクチュエータ、11…外枠支持体、13a,13b…トーションバー、14a,14b…固定バー、16a〜16c…区域(半環状圧電アクチュエータ10a)、17a〜17c…区域(半環状圧電アクチュエータ10b)、18…分断溝、91,91’92,92’…区画線、100…圧電センサ、110〜112…信号線

Claims (4)

  1. 外枠支持体と、
    ミラー部と、
    前記ミラー部の中心を通る第1軸線上で一端部が該ミラー部と結合され、かつ、他端部が前記外枠支持体と結合された1対のトーションバーと、
    前記トーションバーを前記第1軸線回りに往復回転させるように、先端部が該トーションバーと結合され、かつ、少なくとも一部分が前記外枠支持体と結合された第1圧電アクチュエータとを備え、
    前記第1圧電アクチュエータの先端部の圧電膜は、該第1圧電アクチュエータの他の部分の圧電膜より薄く形成されていることを特徴とする光偏向器。
  2. 請求項1に記載の光偏向器において、
    前記第1圧電アクチュエータの先端部に前記トーションバーの回転角を検出する圧電方式の回転センサを配設し、
    前記回転センサを構成する圧電膜を、前記第1圧電アクチュエータの先端部の圧電膜と同じ厚みに形成したことを特徴とする光偏向器。
  3. 外枠支持体と、
    ミラー部と、
    前記ミラー部の中心を通る第1軸線上で一端部が該ミラー部と結合され、かつ、他端部が前記外枠支持体と結合された1対のトーションバーと、
    前記トーションバーを前記第1軸線回りに往復回転させるように、該トーションバーと前記外枠支持体の両方に結合された第1圧電アクチュエータとを備え、
    前記第1圧電アクチュエータの前記トーションバーとの結合部分のうち、該第1圧電アクチュエータの応力が生じる領域の圧電膜を、該第1圧電アクチュエータの他の部分の圧電膜より薄く形成することを特徴とする光偏向器。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の光偏向器において、
    前記ミラー部を、該ミラー部の中心を通り前記第1軸線と同一平面上で直交する第2軸線回りに往復回転させるための第2圧電アクチュエータを備え、
    前記第2圧電アクチュエータは、
    複数の圧電カンチレバーが、前記第2軸線上に該圧電カンチレバーの長手方向が隣り合うように並べて配置され、
    隣り合う圧電カンチレバーに対し折り返すように一端部が機械的に連結されていることを特徴とする光偏向器。
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