JP2015136956A - 車両用ポップアップフード装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フードの押上時に生じるフードの振動の振幅を小さくする。
【解決手段】車両用ポップアップフード装置10では、ヒンジアーム50に連結されたアクチュエータ60が、揺動アーム40に車両上側へ相対移動可能に連結されている。このため、アクチュエータ60がヒンジアーム50を押上位置に押上げた後にフード12に生じる振動によってアクチュエータ60が押上位置から上昇位置へ移動する。また、アクチュエータ60が上昇位置へ移動すると、アクチュエータ60の係合片が揺動アーム40の連結軸ユニット84に係合して、アクチュエータ60が上昇位置に保持される。そして、このときのフード12の振幅はアクチュエータ60の押上量の約2倍となる。これにより、仮にアクチュエータ60がヒンジアーム50を上昇位置まで押上げる場合と比べて、アクチュエータ60の押上量が小さくなるため、フード12の振動の振幅を小さくできる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両用ポップアップフード装置に関する。
下記特許文献1に記載された車両用ポップアップフード装置では、アクチュエータによって押上げられた(跳ね上げられた)フードが、押上げられた位置(押上位置)よりも上側の最大跳ね上げ位置(上昇位置)まで一時的に変位できるようになっている。そして、押上げられたフードは最大跳ね上げ位置において振動し、フードが最終的にフード支持位置でアクチュエータによって支持される。これにより、フードを押上げたときのフードとエンジンルーム内の構造物との間のクリアランスが確保される。なお、車両用ポップアップフード装置としては、下記特許文献2〜特許文献5に記載されたものがある。
特開2009−67303号公報 特開2009−45965号公報 特開2005−225392号公報 特開2009−202871号公報 特開平11−263191号公報
しかしながら、上記車両用ポップアップフード装置では、フードが押上げられたときのフードとエンジンルーム内の構造物との間のクリアランスについては考慮されているが、フードに生じる振動の振幅を小さくすることについては考慮されていない。
本発明は、上記事実を考慮し、フードの押上時に生じるフードの振動の振幅を小さくできる車両用ポップアップフード装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置は、車体に固定されたベースに連結されると共に、フードの車幅方向両端部に固定されたアームと、作動することで前記アームを押上位置へ押上げるアクチュエータと、前記アクチュエータが前記アームを押上げることで前記フードに生じる振動によって前記押上位置よりも車両上側の上昇位置に変位した前記アームを保持する保持機構と、を備えている。
請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置では、車体に固定されたベースにアームが連結されており、アームはフードの車幅方向両端部に固定されている。そして、アクチュエータが作動することで、アーム(すなわちフードの車幅方向両端部)が押上位置に押上げられる。このため、車両前後方向から見て、フードの車幅方向両端部(アーム)が節となり、フードの車幅方向中央部が腹となるように、フードが上下方向に振動しようする。
ここで、アクチュエータがアームを押上げることでフードに生じる振動によって押上位置よりも車両上側の上昇位置に変位したアーム(すなわちフードの車幅方向両端部)が保持機構によって保持される。このため、フードの車幅方向両端部が上昇位置において保持されるため、フードの車体に対する上昇量が確保される。また、フードの車幅方向両端部が上昇位置に保持された状態では、フードが上昇位置を基点に振動するが、このときのフードの振動における振幅はアクチュエータの押上量の約2倍となる。これにより、請求項1に記載の発明では、仮にアクチュエータがアーム(フードの車幅方向両端部)を上昇位置まで押上げるように構成した場合と比べて、アクチュエータの押上量が小さくなるため、フードの押上時に生じるフードの振動の振幅を小さくできる。
請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置は、請求項1に記載の発明において、前記アームは、前記ベースに回動可能に支持された揺動アームに回動可能に連結され、前記アクチュエータは、前記揺動アームに連結されたシリンダと、前記シリンダに収容された状態で前記アームに連結され且つ前記シリンダ内に供給されるガスによって前記押上位置へ上昇されるロッドと、を含んで構成され、前記押上位置に上昇された前記ロッドが前記揺動アームに対して車両上側へ相対移動可能にされている。
請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置では、ベースに揺動アームが回動可能に支持されており、この揺動アームにアームが回動可能に連結されている。また、アクチュエータは、アームに連結されたロッドと、揺動アームに連結されたシリンダと、を含んで構成されている。つまり、アクチュエータが、揺動アームとアームとの間に架け渡されている。
そして、押上位置に上昇されたロッドが、揺動アームに車両上側へ相対移動可能に構成されている。これにより、押上位置に押上げられたアームを、揺動アームに対して上昇位置側へ相対回動させることができる。したがって、アームが揺動アームを介してベースに連結される場合でも、フードの押上時に生じるフードの振動の振幅を小さくできる。
請求項3に記載の車両用ポップアップフード装置は、請求項2に記載の発明において、前記シリンダが前記揺動アームに車両上側へ相対移動可能に連結され、前記保持機構は、前記シリンダに設けられた係合部を有しており、前記上昇位置において前記係合部が前記揺動アームに直接的又は間接的に係合されることで前記シリンダが前記上昇位置に保持される。
請求項3に記載の車両用ポップアップフード装置では、シリンダが揺動アームに車両上側へ相対移動可能に連結されている。これにより、ロッドがアームを押上位置に押上げた後にシリンダが揺動アームに対して車両上側へ相対移動することで、押上位置に上昇されたロッドが揺動アームに対して車両上側へ相対移動する。その結果、アームが押上位置から上昇位置へ変位する。
さらに、保持機構は、シリンダに設けられた係合部を有しており、上昇位置において係合部が揺動アームに直接的又は間接的に係合されることで、シリンダが上昇位置に保持される。これにより、アームを押上げるアクチュエータを活用して、アームを上昇位置に保持できる。
請求項4に記載の車両用ポップアップフード装置は、請求項3に記載の発明において、前記揺動アーム及び前記シリンダの一方には、前記揺動アーム及び前記シリンダの他方側へ突出された軸部が設けられており、前記揺動アーム及び前記シリンダの他方には、前記軸部がスライド可能に挿入されて前記シリンダを前記揺動アームに車両上側へ相対移動可能に連結させる長孔が形成されている。
請求項4に記載の車両用ポップアップフード装置では、ロッドが押上位置に上昇された後に、シリンダが揺動アームに対して車両上側へ相対移動するように軸部が長孔内をスライドすることで、ロッドが揺動アームに対して車両上側へ相対移動する。その結果、アームが押上位置から上昇位置へ変位する。そして、上昇位置において軸部を長孔の内周部に当接させることで、アームを上昇位置に精度よく配置できる。
請求項5に記載の車両用ポップアップフード装置は、請求項3又は請求項4に記載の発明において、前記係合部は弾性変形可能に構成されており、前記係合部が前記揺動アームに直接的又は他の部材を介して当接して弾性変形することで、前記シリンダが前記上昇位置に保持される。
請求項5に記載の車両用ポップアップフード装置では、係合部が弾性変形した状態で、係合部と、揺動アーム又は他の部材と、が当接されている。このため、係合部と、揺動アーム又は他の部材と、の間に生じる摩擦力によって、アームを上昇位置に保持できる。
請求項6に記載の車両用ポップアップフード装置は、請求項2に記載の発明において、前記シリンダには、前記ロッドが前記押上位置に上昇されることで前記シリンダ内に供給されたガスを前記シリンダ外へ放出するガス抜き部が形成され、前記保持機構は、前記シリンダの内周部に形成された係合部と、前記ロッドに設けられた被係合部材と、を備え、前記上昇位置において前記被係合部材が前記係合部に係合されることで前記ロッドが前記上昇位置に保持される。
請求項6に記載の車両用ポップアップフード装置では、シリンダにガス抜き部が形成されている。そして、ロッドが押上位置に上昇されると、シリンダ内に供給されたガスがガス抜き部によってシリンダ外に放出される。これにより、上昇されたロッドが押上位置に一旦停止する。
そして、フードに生じる振動によってアームと共にロッドが押上位置から上昇位置へ上昇すると、ロッドに設けられた被係合部材が、シリンダの内周部に形成された係合部に係合して、ロッド(すなわちアーム)が上昇位置に保持される。したがって、アクチュエータの作動後に、シリンダ内のガスを抜きつつ、ロッドを上昇位置へ上昇させることができる。
請求項7に記載の車両用ポップアップフード装置は、請求項2に記載の発明において、前記ロッドは、第1ロッドと第2ロッドとを含んで構成されており、前記第1ロッドは、筒状を成す筒状部を有し、前記第2ロッドは、前記アームに連結されると共に、前記アクチュエータの軸方向に相対移動可能に前記筒状部に収容され、前記保持機構は、前記筒状部の内周部に形成された係合部と、前記第2ロッドに設けられた被係合部材と、を備え、前記上昇位置において前記被係合部材が前記係合部に係合されることで第2ロッドが前記上昇位置に保持される。
請求項7に記載の車両用ポップアップフード装置では、ロッドが第1ロッドと第2ロッドとを含んで構成されており、第2ロッドがアームに連結されている。また、第2ロッドは、アクチュエータの軸方向に相対移動可能に筒状部に収容されている。つまり、ロッドが2重構造にされており、第2ロッドが第1ロッドに対して相対移動することで、押上位置に上昇された第2ロッドが揺動アームに対して車両上側へ相対移動する。その結果、アームが押上位置から上昇位置へ変位する。
そして、第2ロッドが上昇位置へ上昇すると、第2ロッドに設けられた被係合部材が、筒状部の内周部に形成された係合部と係合されて、第2ロッド(すなわちアーム)が上昇位置に保持される。したがって、アクチュエータの軸方向の大型化を抑制しつつ、第2ロッドを揺動アームに対して車両上側へ相対移動させることができる。
請求項8に記載の車両用ポップアップフード装置は、請求項1に記載の発明において、前記アームは、前記ベースに回動可能に支持された揺動アームに回動可能に連結され、前記保持機構は、前記揺動アームに形成された係合部と、一端部が前記アームに回動可能に連結された被係合部材と、を備え、前記アームの揺動アームに対する相対回動に伴って前記被係合部材が回動されて、前記被係合部材の他端部が前記係合部に係合されることで、前記アームが前記上昇位置に保持される。
請求項8に記載の車両用ポップアップフード装置では、ベースに揺動アームが回動可能に支持されており、揺動アームにアームが回動可能に連結されている。また、アームには、被係合部材の一端部が回動可能に連結されている。そして、フードに生じる振動によってアームが揺動アームに対して押上位置から上昇位置へ相対回動すると、被係合部材が回動し、揺動アームに形成された係合部に被係合部材の他端部が係合されて、アームが上昇位置に保持される。したがって、アームが揺動アームを介してベースに連結される場合において、アームを上昇位置に簡易な構成で保持できる。
請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置によれば、フードの押上時に生じるフードの振動の振幅を小さくできる。
請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置によれば、アームが揺動アームを介してベースに連結される場合でも、フードの押上時に生じるフードの振動の振幅を小さくできる。
請求項3に記載の車両用ポップアップフード装置によれば、フードを押上げるアクチュエータを活用して、アームを上昇位置に保持できる。
請求項4に記載の車両用ポップアップフード装置によれば、アームを上昇位置に精度よく配置することができる。
請求項5に記載の車両用ポップアップフード装置によれば、係合部と、揺動アーム又は他の部材と、の間に生じる摩擦力によって、アームを上昇位置に保持できる。
請求項6に記載の車両用ポップアップフード装置によれば、アクチュエータの作動後に、シリンダ内のガスを抜きつつ、ロッドを上昇位置へ上昇させることができる。
請求項7に記載の車両用ポップアップフード装置によれば、アクチュエータの軸方向の大型化を抑制しつつ、第2ロッドを揺動アームに対して車両上側へ相対移動させることができる。
請求項8に記載の車両用ポップアップフード装置によれば、アームが揺動アームを介してベースに連結される場合において、アームを上昇位置に簡易な構成で保持できる。
第1の実施の形態に係る車両用ポップアップフード装置における車両右側に配置されたポップアップ゜機構部を拡大して示す車幅方向内側から見た一部破断した側面図である。 図1に示される車両用ポップアップフード装置の全体構成を示す平面図である。 (A)は、図1に示される揺動アームとシリンダとの連結状態を示す断面図(図1の3A−3A線断面図)であり、(B)は、(A)に示される状態からシリンダが上昇位置へ上昇した状態を示す断面図である。 (A)は、図1に示される状態からロッドがヒンジアームを押上位置に押上げた状態を示す一部破断した側面図であり、(B)は、(A)の状態からヒンジアームが上昇位置に上昇された状態を示す一部破断した側面図である。 図1に示されるロッドがヒンジアームを押上げたときのフード後端部の車幅方向中央部における挙動を説明するためのグラフである。 (A)は、図1に示されるロッドがヒンジアームを押上げたときの、フード後端部の車幅方向中央部及びフード前端部の車幅方向中央部における振動波形を比較例と比較して示すグラフであり、(B)は、(A)の6B部を拡大して示すグラフである。 (A)は、第2の実施の形態に用いられる連結機構及び保持機構を示す図3(A)に対応する断面図であり、(B)は、(A)に示される状態からシリンダが上昇位置へ上昇した状態を示す図3(B)に対応する断面図である。 (A)は、第3の実施の形態に用いられるアクチュエータの内部を示す断面図である。(B)は、(A)の状態からロッドが押上位置に上昇された状態を示す断面図であり、(C)は、(B)の状態からロッドが上昇位置に上昇された状態を示す断面図である。 (A)は、第4の実施の形態に用いられるアクチュエータの内部を示す断面図である。(B)は、(A)の状態から第1ロッド及び第2ロッドが押上位置に上昇された状態を示す断面図であり、(C)は、(B)の状態から第2ロッドが上昇位置に上昇された状態を示す断面図である。(D)は、(C)においてCリングが係合溝に係合された状態を示す断面図((C)の9D部拡大図)である。 (A)は、第5の実施の形態に係る車両用ポップアップフード装置のロッドがヒンジアームを押上位置に押上げた状態を示す一部破断した側面図であり、(B)は、(A)の状態からヒンジアームが上昇位置に上昇された状態を示す一部破断した側面図である。 (A)は、第5の実施の形態に係る車両用ポップアップフード装置の別例においてロッドがヒンジアームを押上位置に押上げた状態を示す一部破断した側面図であり、(B)は、(A)の状態からヒンジアームが上昇位置に上昇された状態を示す一部破断した側面図である。
(第1の実施の形態)
以下、図1〜図6を用いて第1の実施の形態に係る車両用ポップアップフード装置10について説明する。なお、図面において適宜示される矢印FRは車両前方を示し、矢印UPは車両上方を示し、矢印RHは車両右方を示している。
図2に示されるように、車両用ポップアップフード装置10は、エンジンルーム(パワーユニット室)ERを開閉するフード12に設けられた一対のポップアップ機構部30を主要部として構成されている。このポップアップ機構部30は、フード12の後端部における車幅方向両端部にそれぞれ配設されており、左右のポップアップ機構部30はいずれも同一に構成されている。このため、以下の説明では車両右側に配置されたポップアップ機構部30について説明し、車両左側に配置されたポップアップ機構部30の説明は省略する。
図1に示されるように、ポップアップ機構部30は、フード12を開閉可能に支持するフードヒンジ32と、歩行者等の衝突体との衝突時に作動するアクチュエータ60と、を含んで構成されている。また、ポップアップ機構部30では、フードヒンジ32を構成する揺動アーム40にアクチュエータ60が連結機構80によって連結されており、車両上側へ上昇されたフード12を保持機構90(図3(A)及び(B)参照)によって保持するようになっている。以下、初めにフード12について説明し、次いで上記各構成について説明する。
フード12は、車両外側に配置されて意匠面を構成するフードアウタパネル14と、エンジンルームER側に配置されると共にフードアウタパネル14を補強するフードインナパネル16と、を含んで構成されている。そして、この両者の端末部がヘミング加工によって結合されている。また、フード12がエンジンルームERを閉じた状態(図1に示される状態)では、フード12の前端部が、図示しないフードロックによって車体に固定されている。
また、フードインナパネル16の後端側(後部側)には、膨出部18が形成されている。膨出部18はフードインナパネル16に対して車両下側(エンジンルームER)側に膨出されており、膨出部18の底壁18Aが、側断面視でフードアウタパネル14と略平行に配置されている。また、底壁18Aの上面には、後述するヒンジアーム50を固定するための一対のウエルドナット20が設けられている。さらに、底壁18Aには、挿通孔18Bが貫通形成されており、挿通孔18Bはウエルドナット20と同軸上に配置されている。
(フードヒンジ32について)
図1に示されるように、フードヒンジ32は、車体に固定された「ベース」としてのヒンジベース34と、ヒンジベース34に回動可能に連結された揺動アーム40と、フード12に固定された「アーム」としてのヒンジアーム50と、を含んで構成されている。ヒンジベース34は、車両正面視で略逆L字形状に形成されると共に、車幅方向内側から見た側面視で車両上斜め前方へ開放された略V字形状(詳しくは、図4(A)及び(B)参照)に形成されている。また、ヒンジベース34は、車両前後方向に沿って延在する板状の取付部34Aを備えている。取付部34Aは、板厚方向を略車両上下方向にして、車体側構成部材であるカウルトップサイド24の上面部24Aに配置されている。なお、カウルトップサイド24は、フード12の後端側とウインドシールドガラスの下端部との間に車幅方向に沿って延在するカウルの両サイドに設けられている。また、取付部34Aには、一対の図示しない取付孔が貫通形成されており、この取付孔内に取付ボルト26が挿入されて、取付部34Aが取付ボルト26よって上面部24Aに固定されている。さらに、ヒンジベース34は支持部34Bを備えており、支持部34Bは、取付部34Aの車幅方向内側の端部から車両上方側へ屈曲されて、板厚方向を略車幅方向にした板状に形成されている。
揺動アーム40は、ヒンジベース34の車幅方向内側に配置されると共に、側面視で略逆三角形板状に形成されている。具体的には、揺動アーム40は、側面視で、下端部40Aと、下端部40Aの車両前方側且つ車両上方側に配置された前端部40Bと、下端部40Aの車両後方側且つ車両上方側に配置された後端部40Cと、を頂点とした略逆三角形板状に形成されている。
また、揺動アーム40の後端部40Cは、車幅方向を軸方向としたヒンジピン42によってヒンジベース34の支持部34Bの上端部にヒンジ結合されている。これにより、揺動アーム40は、ヒンジピン42を回動中心として車両上下方向(図1の矢印A方向及び矢印B方向)へ回動可能に構成されている。さらに、揺動アーム40の外周部には、前端部40Bと後端部40Cとを結ぶ上辺を除く部分において、フランジ部44が一体に形成されており、フランジ部44は揺動アーム40から車幅方向内側へ延びている。
ヒンジアーム50は、揺動アーム40の車幅方向内側に配置されると共に、略車両前後方向に沿って延在されている。具体的には、ヒンジアーム50は、揺動アーム40に対して略平行に配置された側壁部52を備えている。この側壁部52の前端部は、車幅方向を軸方向にしたヒンジピン56によって揺動アーム40の前端部40Bにヒンジ結合されている。これにより、ヒンジアーム50は、ヒンジピン56を回動中心として車両上下方向(図1の矢印C方向及び矢印D方向)に揺動アーム40に対して相対回動可能に構成されている。
また、ヒンジアーム50は頂壁部54を備えている。頂壁部54は、側壁部52の上端部から車幅方向内側へ折り曲げられて形成されると共に、フード12の膨出部18の下面に沿って略車両前後方向に延在されている。この頂壁部54には、前述したウエルドナット20と対向した位置において、図示しない取付孔が貫通形成されている。そして、ヒンジボルト22が車両下側から当該取付孔及び膨出部18の挿通孔18B内へ挿入されてウエルドナット20に螺合されることで、頂壁部54が膨出部18に締結(固定)されている。これにより、ヒンジベース34とフード12(の膨出部18)とが、ヒンジアーム50及び揺動アーム40によって連結されている。
さらに、ヒンジアーム50における側壁部52の後端部には、後述するアクチュエータ60のロッド70を連結するための連結軸58が一体に設けられている。この連結軸58は、略円柱状に形成されて、側壁部52から車幅方向内側へ突出されている。
なお、フードヒンジ32は、本来的にはフード12をボディ(車体)に開閉可能に支持するためのヒンジ部品とされている。具体的には、ヒンジアーム50と揺動アーム40とが、図示しないシェアピン等によって結合されており、フード12がエンジンルームERを開閉する場合には、ヒンジアーム50の揺動アーム40に対する相対回動が規制された状態で、揺動アーム40がヒンジピン42を回動中心にして回動するようになっている。
(アクチュエータ60について)
図1に示されるように、アクチュエータ60は、略円柱状に形成されると共に、揺動アーム40の車幅方向内側に配置されている。また、アクチュエータ60は、ヒンジアーム50の後端部と揺動アーム40の下端部40Aとを架け渡すように配置されて、側面視で車両上側へ向かうに従い車両後側へ傾斜されている。さらに、アクチュエータ60は、シリンダ62と、シリンダ62内に収容されたロッド70と、を有している。
シリンダ62は、車両上側へ開放された略有底円筒形状に形成されている。このシリンダ62の下端部は連結部64とされており、シリンダ62が、連結部64において、後述する連結機構80によって揺動アーム40に連結されている。また、アクチュエータ60のシリンダ62の内部には、図示しないガス発生装置が収容されている。このガス発生装置は、図示しないECU(制御手段)と電気的に接続されており、ECUは、歩行者等の衝突体との衝突を検知する衝突検知センサと電気的に接続されている。
ロッド70は、略丸棒状に形成されて、シリンダ62と同軸上に配置されると共に、シリンダ62内に収容されている。また、ロッド70の下端部には、ピストン72が一体に設けられている。このピストン72は、略円柱状に形成されると共に、ロッド70と同軸上に配置されている。また、ピストン72の外周面とシリンダ62の内周面との間がシールされた状態で、ピストン72がシリンダ62内に収容されている。そして、ガス発生装置によって発生したガスがシリンダ62内に供給されると、シリンダ62内のガス圧によってピストン72(ロッド70)がシリンダ62の軸方向に沿って上昇するようになっている。また、このときのロッド70の上昇量がL1とされている。
また、ロッド70の上端部には、ロッド連結部74が一体に設けられており、ロッド連結部74は、車幅方向を軸方向にした略円筒形状に形成されている。そして、ロッド連結部74内に、ヒンジアーム50の連結軸58が挿入されて、ロッド70の上端部がヒンジアーム50に対して相対回動可能に連結されている。
そして、アクチュエータ60の非作動状態(図1に示される状態)からアクチュエータ60が作動すると、ピストン72の上昇に伴ってロッド70が車両上側へ移動する。これにより、ロッド70のロッド連結部74によってヒンジアーム50の後端部が車両上側へ押上げられて、フード12が押上位置(図4(A)に示される位置)に配置されるようになっている。なお、このときには、ヒンジアーム50と揺動アーム40とを結合するシェアピンが破断して、ヒンジアーム50がヒンジピン56を回動中心として揺動アーム40に対して車両上側(図1の矢印C方向側)へ相対回動される。また、ヒンジアーム50の回動に連動して、揺動アーム40がヒンジピン42を回動中心としてヒンジベース34に対して車両上側(図1の矢印A方向側)へ相対回動されるように構成されている。さらに、押上位置では、ピストン72が、図示しないロック機構によってシリンダ62にロックされるように構成されている。
(連結機構80について)
図1及び図3(A)に示されるように、連結機構80は、アクチュエータ60のシリンダ62と揺動アーム40とを連結する部分に適用されている。また、連結機構80は、シリンダ62の連結部64に形成された長孔82と、揺動アーム40に設けられた「軸部」としての連結軸ユニット84と、を含んで構成されている。
長孔82は、車幅方向に貫通形成されると共に、側面視でアクチュエータ60(シリンダ62)の軸方向を長手方向とした断面略トラック状に形成されている。すなわち、長孔82は、側面視で車両上側へ向かうに従い車両後側へ傾斜されている。そして、長孔82の長手方向の長さがL2とされており、本実施の形態では、L2がL1の0.6倍に設定されている。
図3(A)に示されるように、連結軸ユニット84は、連結ボルト86及び連結ナット88を有している。連結ボルト86は、揺動アーム40の下端部40Aの周辺部に一体に設けられたボルト基部86Aと、ボルト基部86Aから車幅方向内側へ突出された略円柱状のネジ部86Bと、を含んで構成されている。このネジ部86Bの外径寸法は長孔82の幅寸法よりも僅かに小さく設定されており、シリンダ62の長孔82内にネジ部86Bが挿入されている。また、ネジ部86Bの外周部には、雄ネジが形成されており、ネジ部86Bの先端部に連結ナット88が螺合されて、連結ナット88が接着剤等によってネジ部86Bにロックされている。さらに、この状態では、連結軸ユニット84の軸方向において連結ナット88とシリンダ62の連結部64との間に僅かな隙間が形成されている。これにより、シリンダ62の下端部が、揺動アーム40に対して連結ボルト86の軸回りに相対回動可能に連結されると共に、揺動アーム40に対して長孔82の長手方向に相対移動可能に連結されている。
さらに、アクチュエータ60の非作動状態では、長孔82の上端部に連結ボルト86が配置されている(図3(A)参照)。これにより、ロッド70がヒンジアーム50を押上位置に押上げた後に、アクチュエータ60(シリンダ62)が連結軸ユニット84(揺動アーム40)に対して車両上側へ相対移動することで(つまり、連結軸ユニット84がアクチュエータ60の長孔82の上端部から下端部へ相対移動することで)、アクチュエータ60と共にヒンジアーム50(フード12の車幅方向両端部)が押上位置よりも車両上側へ変位するようになっている(図3(B)参照)。そして、図4(B)に示されるように、連結軸ユニット84が長孔82の下端部に配置された位置が上昇位置とされており、上昇位置では、連結軸ユニット84のネジ部86Bが長孔82の下端部における内周部に当接されるようになっている。
(保持機構90について)
図3(A)に示されるように、保持機構90は「係合部」としての係合片92を有しており、係合片92はシリンダ62の連結部64における下端部に形成されている。具体的には、シリンダ62の連結部64に、シリンダ62の下端側へ開放されたスリット94が形成されており、スリット94はシリンダ62の幅方向に貫通している。そして、連結部64におけるスリット94に対して車幅方向内側の部分が係合片92とされており、係合片92は車幅方向に弾性変形可能に構成されている。この係合片92の車幅方向内側面は、シリンダ62の幅方向から見てシリンダ62の下端側へ向かうに従い車幅方向内側(連結ナット88側)へ傾斜されている。また、係合片92の下端部が当接部92Aとされており、当接部92Aは連結部64よりも車幅方向内側(連結ナット88側)へ突出されている。そして、アクチュエータ60が押上位置から上昇位置へ揺動アーム40に対して相対移動すると、係合片92の当接部92Aが連結ナット88に当接して、係合片92が車幅方向外側へ弾性変形するように構成されている(図3(B)参照)。さらに、係合片92が車幅方向外側へ弾性変形して、係合片92と連結軸ユニット84とが係合することで、アクチュエータ60のロッド70に連結されたヒンジアーム50及びフード12が上昇位置に保持されるようになっている。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図1に示される状態が車両用ポップアップフード装置10の非作動状態である。この状態のときには、アクチュエータ60が非作動状態にあるため、ロッド70の大半がアクチュエータ60のシリンダ62内に収容されている。また、ロッド70のロッド連結部74(上端部)が、ヒンジアーム50の連結軸58(後端部)に回動可能に連結されている。
この状態から、歩行者等の衝突体と車両が前面衝突すると、衝突体と前面衝突したことが衝突検知手段によって検知され、ECUに衝突信号が出力される。ECUでは、入力された衝突信号に基づいて車両用ポップアップフード装置10を作動させるべきか否かを判断し、車両用ポップアップフード装置10を作動させるべきと判断すると、アクチュエータ60に作動信号が出力される。これにより、アクチュエータ60のガス発生装置が作動して、シリンダ62内にガスが供給される。
シリンダ62内にガスが供給されると、シリンダ62内のガス圧によってロッド70のピストン72がシリンダ62内を上昇すると共に、ロッド70が車両上側へ軸方向移動する。ロッド70が車両上側へ向けて軸方向移動すると、ロッド70がヒンジアーム50の後端部を車両上側へ押上げて、フード12の車幅方向両端部が押上位置に押上げられる(図4(A)参照)。このときには、ヒンジアーム50と揺動アーム40との間を結合するシェアピンが破断され、ヒンジアーム50が揺動アーム40に対して車両上側へ相対回動されると共に、揺動アーム40がヒンジベース34に対して車両上側へ相対回動される。
次に、アクチュエータ60がヒンジアーム50(フード12)を押上げるときのフード12の挙動について、図5に示されるグラフを用いて説明する。このグラフでは、アクチュエータ60が作動したときのフード12後端部の車幅方向中央部における理論上の変位が示されている。また、図5のグラフでは、横軸が時間とされて、縦軸が変位とされている。さらに、図5の太線がアクチュエータ60におけるロッド70の変位を示し、細線がフード12後端部の車幅方向中央部における変位を示している。
この図に示されるように、ロッド70がヒンジアーム50(フード12後端部の車幅方向両端部)を押上げるとき(図5のa点からb点までの期間)には、フード12後端部の車幅方向中央部に慣性力が作用する。このため、フード12後端部の車幅方向中央部がフード12後端部の車幅方向両端部よりも遅れて車両上側へ変位する。そして、ロッド70が押上位置に上昇すると、図示しないロック機構によってロッド70がシリンダ62にロックされる。これにより、ヒンジアーム50に対するロッド70の押上げが完了して、ヒンジアーム50にはロッド70による押上力が作用しなくなる(図5のb点からc点までの期間を参照)。このため、車両後側から見て、フード12の車幅方向両端部(ヒンジアーム50)が節となり、フード12の車幅方向中央部が腹となるように、フード12が上下方向に振動しようする。
そして、フード12後端部の車幅方向中央部が押上位置に到達した状態(図5のc点に到達した状態)では、フード12は車両上側への速度を有しているため、フード12が押上位置に対して車両上側への変位しようとする。つまり、フード12後端部の車幅方向両端部が車両上側へ変位しようとする。このため、フード12後端部の車幅方向両端部に固定されたヒンジアーム50、及びヒンジアーム50に連結されたアクチュエータ60も車両上側へ変位しようとする。
ここで、アクチュエータ60(シリンダ62)の下端部が、連結機構80によって揺動アーム40に車両上側へ相対移動可能に連結されている。具体的には、シリンダ62の連結部64に長孔82が形成されており、長孔82はアクチュエータ60の軸方向に延在されている。また、揺動アーム40には、連結軸ユニット84が設けられており、連結軸ユニット84が、シリンダ62の長孔82内にスライド可能に挿入されると共に、長孔82の上端部に配置されている。
このため、アクチュエータ60が車両上側へ変位しようとすると、シリンダ62の長孔82が揺動アーム40の連結軸ユニット84に対して車両上側へスライドすることで、アクチュエータ60が揺動アーム40に対して車両上側へ相対移動する。これにより、ヒンジアーム50及びフード12後端部の車幅方向両端部が押上位置よりも車両上側の上昇位置(図5のd点の位置)へ変位する。すなわち、フード12に生じる振動の節となるフード12の車幅方向両端部が上昇位置に変位する。
また、シリンダ62の連結部64には、保持機構90を構成する係合片92が形成されている。そして、シリンダ62が上昇位置へ移動すると、係合片92の当接部92Aが連結軸ユニット84の連結ナット88に当接し、係合片92が車幅方向外側へ弾性変形する。これにより、係合片92と連結軸ユニット84とが係合して、上昇位置へ移動したアクチュエータ60(シリンダ62)が保持される。その結果、ヒンジアーム50及びフード12の車幅方向両端部が上昇位置に保持されて、フード12の車体に対する上昇量が確保される。また、フード12の車幅方向両端部が上昇位置に保持された状態では、フード12が上昇位置を基点に振動するが、このときのフード12の振動の振幅W(図5の矢印W参照)はアクチュエータ60の押上量L1の約2倍となる。
一方、第1の実施の形態に対する比較例として、仮にアクチュエータ60のロッド70がヒンジアーム50(フード12後端部の車幅方向両端部)を上昇位置まで押上げるように構成した場合には、ロッド70によるフード12の押上量がL1+L2となる。このため、比較例では、上昇位置を基点としたフード12の振動の振幅が、押上量(L1+L2)の約2倍となる。これにより、第1の実施の形態の車両用ポップアップフード装置10によれば、上記比較例と比較して、ロッド70によるフード12の押上量を小さくしつつ、フード12を上昇位置まで上昇させることができると共に、フード12を上昇位置において保持できる。その結果、フード12の押上時に生じるフード12の振動の振幅を小さくできる。
以下、この点についての上記比較例と比較したデータを図6(A)に示す。図6(A)には、フード12後端部の車幅方向両端部を押上げたときの、フード12後端部の車幅方向中央部及びフード12前端部の車幅方向中央部における振動波形が上記比較例と比較して示されている。そして、図6(A)では、実線で示された振動波形S1が第1の実施の形態におけるフード12後端部の車幅方向中央部の振動波形であり、実線で示された振動波形S2が第1の実施の形態におけるフード12前端部の車幅方向中央部の振動波形である。また、破線で示された振動波形S3が比較例におけるフード12後端部の車幅方向中央部の振動波形であり、破線で示された振動波形S4が比較例におけるフード12前端部の車幅方向中央部の振動波形データである。さらに、図6(B)は、図6(A)の1点鎖線で囲まれた6B部を拡大して示している。なお、図6(A)及び(B)に示されるグラフでは、横軸が時間とされており、縦軸が変位とされている。
そして、図6(A)から明らかなように、フード12の後端部に生じる振動初期において、第1の実施の形態の振幅(図6(A)の矢印Wr参照)が、比較例の振幅に比べて大幅に小さくなっている。また、図6(B)にも示されるように、フード12前端部に生じる振動初期においても、第1の実施の形態の振幅(図6(A)の矢印Wf参照)が、比較例の振幅に比べて大幅に小さくなっている。以上により、フード12の押上時に生じるフード12の振動の振幅を小さくできる。
また、上述したように、連結機構80によってアクチュエータ60(のシリンダ62)が揺動アーム40に対して車両上側へ相対移動可能に連結されて、ヒンジアーム50が押上位置から上昇位置へ変位する。さらに、上述したように、保持機構90を構成する係合片92がシリンダ62に形成され、上昇位置において係合片92が連結軸ユニット84の連結ナット88に係合することで、ヒンジアーム50が上昇位置に保持される。これにより、フード12(ヒンジアーム50)を押上げるアクチュエータ60を活用して、フード12(ヒンジアーム50)を上昇位置へ変位させつつ上昇位置に保持できる。
さらに、上述したように、連結機構80は、揺動アーム40に設けられた連結軸ユニット84と、シリンダ62に形成された長孔82と、を含んで構成されている。そして、シリンダ62が押上位置から上昇位置へ揺動アーム40に対して相対移動するときには、連結軸ユニット84が、長孔82の上端部から下端部へスライドして、長孔82の下端部の内周部に当接される。このため、シリンダ62(ヒンジアーム50)を上昇位置に精度よく配置できる。
また、係合片92は、連結軸ユニット84の軸方向(車幅方向)に弾性変形可能に構成されている。そして、係合片92の当接部92Aが連結軸ユニット84の連結ナット88と当接して、係合片92が車幅方向外側へ弾性変形することで、係合片92と連結軸ユニット84とが係合する。このため、係合片92と連結軸ユニット84との間に生じる摩擦力によって、アクチュエータ60(ヒンジアーム50)を上昇位置に保持できる。
さらに、上述したように、第1の実施の形態では、ロッド70がヒンジアーム50を押上げる押上量が上記比較例と比べて小さく設定されている。これにより、上記比較例と比べて、車両用ポップアップフード装置10によってフード12の後端部を車両上側へ押上げるときに、フード12の前端部を早期に車両上側へ押上げることができる。この点について、以下に説明する。
車両用ポップアップフード装置10によってフード12の後端部を車両上側へ押上げるときには、側面視でフード12が自身の重心を中心に回動しようとする。つまり、フード12の前端部が車両下側へ変位しようとする。一方、フード12の前端部はフードロックによって車体にロックされているため、フード12の前端部の車両下側への変位が制限されている。このため、フード12が撓み変形しつつフード12の後端部が押上げられる。そして、ロッド70による押上げが完了した時点でロッド70によるフード12への押上力が作用しなくなるため、フード12の復元力によってフード12が復元されてフード12の前端部が車両上側へ押上げられる。
ここで、上述したように、第1の実施の形態では、ヒンジアーム50に対するロッド70の押上量が比較例と比べて小さく設定されている。このため、第1の実施の形態では、上記比較例と比べて、ロッド70がヒンジアーム50(フード12の車幅方向両端部)を押上げる時間が短くなり、その結果、復元力によってフード12の前端部が復元される時間も早くなる(図6(B)に示されるΔt参照)。これにより、比較例と比べてフード12の前端部を早期に車両上側へ押上げることができる。
なお、第1の実施の形態では、長孔82がアクチュエータ60のシリンダ62に形成されており、連結軸ユニット84が揺動アーム40に設けられているが、長孔82を揺動アーム40に形成して、連結軸ユニット84をシリンダ62に設けてもよい。この場合には、上昇位置において、アクチュエータ60の係合片92が揺動アーム40に直接係合するように構成してもよい。
また、第1の実施の形態では、係合片92がシリンダ62に一体に形成されているが、係合片92とシリンダ62と別体で構成してもよい。この場合には、バネ性を有する板材で係合片92を構成して、係合片92をシリンダ62に固定するように構成してもよい。
(第2の実施の形態)
以下、図7(A)及び(B)を用いて第2の実施の形態に係る車両用ポップアップフード装置100について説明する。第2の実施の形態の車両用ポップアップフード装置100は、以下に示す点を除いて第1の実施の形態と同様に構成されている。
すなわち、第2の実施の形態では、保持機構90が、略円環状に形成されたバネ座金102(広義には、「被係合部材」として把握される要素である)を有している。そして、バネ座金102内に連結軸ユニット84のネジ部86Bが挿入されて、連結軸ユニット84の連結ナット88とアクチュエータ60のシリンダ62との間にバネ座金102が配置されている。
また、第2の実施の形態では、第1の実施の形態の係合片92が省略されており、シリンダ62の連結部64には、「係合部」としての係合凹部104が形成されている。この係合凹部104は、シリンダ62の幅方向から見て段差状に形成されて、車幅方向内側及びシリンダ62の下端側へ開放されている。さらに、シリンダ62に形成された長孔82の下端部が係合凹部104内に配置されており、シリンダ62が上昇位置に移動したときには、バネ座金102が係合凹部104内に配置するように設定されている(図7(B)参照)。
そして、第1の実施の形態と同様に、アクチュエータ60が作動すると、シリンダ62内にガスが供給されて、ロッド70が押上位置へ上昇すると共に、ヒンジアーム50が押上位置へ押上げられる。そして、フード12に生じる振動によってフード12の車幅方向両端部が車両上側へ変位しようとすると、揺動アーム40に設けられた連結軸ユニット84に対して、シリンダ62の長孔82がスライドして、アクチュエータ60(シリンダ62及びロッド70)が揺動アーム40に対して車両上側へ相対移動する。これにより、ヒンジアーム50及びフード12の車幅方向両端部が押上位置よりも車両上側の上昇位置へ変位する。
また、アクチュエータ60が上昇位置に移動したときには、バネ座金102が自身のバネ性によって車幅方向外側へ移動して係合凹部104内に配置される。これにより、バネ座金102と係合凹部104とが係合される(図7(B)参照)。その結果、アクチュエータ60が上昇位置に保持されると共に、ヒンジアーム50及びフード12の車幅方向両端部が上昇位置に保持される。したがって、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏する。
(第3の実施の形態)
以下、図8(A)〜(C)を用いて第3の実施の形態に係る車両用ポップアップフード装置200について説明する。第3の実施の形態の車両用ポップアップフード装置200では、以下に示す点を除いて第1の実施の形態と同様に構成されている。
すなわち、第3の実施の形態では、第1の実施の形態における押上位置においてロッド70をシリンダ62にロックするロック機構が省略されている。また、第3の実施の形態では、連結機構80が省略されており、シリンダ62の下端部が、車幅方向を軸方向としたヒンジピン202によって、揺動アーム40(図8(A)〜(C)では不図示)に回動可能に連結されている。
また、シリンダ62の上端部における内周縁部には、複数(本実施の形態では4箇所)の「ガス抜き部」としてガス抜き溝204が形成されている。このガス抜き溝204は、車両上下方向に延在され、シリンダ62の径方向内側へ開放されると共に、シリンダ62の周方向に所定間隔毎(90°毎)に配置されている。さらに、ガス抜き溝204は、押上位置に上昇されたロッド70のピストン72の径方向外側に配置されている(図8(B)。このため、ピストン72が押上位置に上昇されたときには、ガスが供給されたシリンダ62の内部と、シリンダ62の外部と、がガス抜き溝204によって連通されるようになっている。これにより、シリンダ62内に供給されたガスがガス抜き溝204からシリンダ62外へ放出されて、ロッド70(ピストン72)が、押上位置において一旦停止するようになっている。なお、シリンダ62のガス抜き溝204が形成された部分では、ピストン72のシリンダ62に対する相対移動が可能に構成されている。
また、第3の実施の形態では、第1の実施の形態における係合片92が省略されており、保持機構90が、「被係合部材」としてのCリング206と、「係合部」としての係合溝208と、を含んで構成されている。
Cリング206は、一部開放された略円環状に形成されて、ロッド70の下端部を構成するピストン72の外周部に設けられている。また、Cリング206は、自身の径方向において弾性変形可能に構成されている。そして、Cリング206の径寸法が小さくなるようにCリング206が弾性変形した状態で、ピストン72に形成された収容溝210内にCリング206が収容されている。
係合溝208は、シリンダ62の上端部における内周部に形成されると共に、シリンダ62の周方向に沿って形成されている。また、係合溝208は、押上位置に上昇されたピストン72よりもシリンダ62の上端側に配置されると共に、上昇位置に上昇されたピストン72に対応して配置されている。そして、図8(C)に示されるように、ロッド70(ピストン72)が上昇位置に上昇されたときには、Cリング206が径方向外側へ弾性変形して係合溝208に係合するように構成されている。これにより、上昇位置においてロッド70のシリンダ62に対する相対移動が阻止されるようになっている。
そして、第1の実施の形態と同様に、アクチュエータ60が作動すると、シリンダ62内にガスが供給されて、ロッド70が押上位置へ上昇する(図8(B)参照)。これにより、ヒンジアーム50が押上位置へ押上げられる。また、このときには、ロッド70のピストン72がシリンダ62のガス抜き溝204に対してシリンダ62の径方向内側に配置される。このため、シリンダ62内に供給されたガスが、ガス抜き溝204からシリンダ62外へ放出される。これにより、ロッド70によるヒンジアーム50への押上げが押上位置において一旦停止する。
そして、フード12に生じる振動によってフード12の車幅方向両端部が車両上側へ変位しようとすると、ロッド70がシリンダ62(揺動アーム40)に対して上昇位置側へ上昇する(図8(C)参照)。これにより、ヒンジアーム50及びフード12の車幅方向両端部が上昇位置へ変位する。
また、ロッド70が上昇位置に上昇したときには、ピストン72に設けられたCリング206が、ピストン72の径方向外側へ弾性変形して、シリンダ62の係合溝208に係合する。その結果、ロッド70が上昇位置に保持されて、ヒンジアーム50及びフード12の車幅方向両端部が上昇位置に保持される。したがって、第3の実施の形態においてもフード12の押上時に生じるフード12の振動の振幅を小さくできる。
また、第3の実施の形態では、ロッド70が押上位置に上昇されると、シリンダ62に供給されたガスがガス抜き溝204によってシリンダ62外へ放出される。したがって、アクチュエータ60の作動後に、シリンダ62内のガスを抜きつつ、ロッド70を上昇位置へ上昇させることができる。
(第4の実施の形態)
以下、図9(A)〜(D)を用いて第4の実施の形態に係る車両用ポップアップフード装置300について説明する。第4の実施の形態の車両用ポップアップフード装置300では、以下に示す点を除いて第1の実施の形態と同様に構成されている。
すなわち、第4の実施の形態では、第1の実施の形態における連結機構80が省略されており、第3の実施の形態と同様に、シリンダ62の下端部が、車幅方向を軸方向としたヒンジピン202によって、揺動アーム40(図9(A)〜(D)では不図示)に回動可能に連結されている。
また、第4の実施の形態では、ロッド70が第1ロッド302と第2ロッド304とを含んで構成されている。すなわち、ロッド70が所謂2重構造とされている。具体的には、ロッド70のピストン72が第1ロッド302の下端部を構成している。また、第1ロッド302は、筒状を成す「筒状部」としての収容部302Aを有しており、収容部302Aは、ピストン72から車両上側へ延設されると共に、ピストン72と同軸上に配置されている。
第2ロッド304は、略丸棒状に形成されている。また、第2ロッド304は、第1ロッド302と同軸上に配置されると共に、第1ロッド302に対して車両上側へ相対移動可能に収容部302A内に収容されている。さらに、第2ロッド304の下端部には、略円柱状のピストン部304Aが一体に形成されており、第2ロッド304の上端部には、ロッド連結部74が一体に形成されている。そして、第1ロッド302が押上位置に上昇された状態(図9(B)に示される状態)で、第2ロッド304が第1ロッド302に対して車両上側へ相対移動することで、第2ロッド304が上昇位置に配置されるようになっている(図9(C)参照)。これにより、ヒンジアーム50が上昇位置へ変位するように構成されている。
また、第4の実施の形態では、第1の実施の形態における係合片92が省略されており、保持機構90が、図9(D)に示されるように、「被係合部材」としてのCリング306と、「係合部」としての係合溝308と、を含んで構成されている。
Cリング306は、一部開放された略円環状に形成されて、第2ロッド304のピストン部304Aの外周部に設けられている。また、Cリング306は、自身の径方向において弾性変形可能に構成されている。そして、Cリング306の径寸法が小さくなるようにCリング306が弾性変形した状態で、第2ロッド304に形成された収容溝310内にCリング306が収容されている。
係合溝308は、第1ロッド302の収容部302Aの上端部における内周部に形成されると共に、収容部302Aの周方向に沿って形成されている。また、係合溝308は、上昇位置に上昇された第2ロッド304のピストン部304Aに対応して配置されている。そして、上昇位置に第2ロッド304が上昇されたときには、Cリング306がピストン部304Aの径方向外側へ弾性変形して係合溝308に係合するように構成されている。これにより、上昇位置において、第2ロッド304の第1ロッド302(シリンダ62)に対する相対移動が阻止されるようになっている。
そして、第1の実施の形態と同様に、アクチュエータ60が作動すると、シリンダ62内にガスが供給されて、第1ロッド302及び第2ロッド304が押上位置に上昇する(図9(B)参照)。これにより、ヒンジアーム50が押上位置に押上げられる。また、このときには、図示しないロック機構によって第1ロッド302がシリンダ62に対してロックされる。
この状態からフード12に生じる振動によってフード12の車幅方向両端部が車両上側へ変位しようとすると、第2ロッド304が第1ロッド302(揺動アーム40)に対して上昇位置側へ上昇する(図9(C)参照)。これにより、ヒンジアーム50及びフード12の車幅方向両端部が押上位置よりも車両上側の上昇位置へ変位する。
また、第2ロッド304が上昇位置に上昇したときには、第2ロッド304のピストン部304Aに設けられたCリング306が、ピストン部304Aの径方向外側へ弾性変形して、第1ロッド302の収容部302Aに形成された係合溝308に係合する(図9(D)参照)。その結果、第2ロッド304が上昇位置に保持されて、ヒンジアーム50及びフード12の車幅方向両端部が上昇位置に保持される。したがって、第4の実施の形態においてもフード12の押上時に生じるフード12の振動の振幅を小さくできる。
また、第4の実施の形態では、ロッド70が第1ロッド302と第2ロッド304とを含んで構成されており、第2ロッド304が第1ロッド302に対して車両上側へ相対移動可能に構成されている。このため、アクチュエータ60の軸方向の大型化を抑制しつつ、第2ロッド304(ヒンジアーム50)を揺動アーム40に対して車両上側へ相対移動させることができる。
(第5の実施の形態)
以下、図10(A)及び(B)を用いて第5の実施の形態に係る車両用ポップアップフード装置400について説明する。第5の実施の形態の車両用ポップアップフード装置400では、以下に示す点を除いて第1の実施の形態と同様に構成されている。
すなわち、第5の実施の形態では、第1の実施の形態における連結機構80がロッド70とヒンジアーム50との連結部分に適用されている。そして、第3の実施の形態及び第4の実施の形態と同様に、シリンダ62の下端部が、車幅方向を軸方向としたヒンジピン202によって、揺動アーム40に回動可能に連結されている。
連結機構80を構成する長孔82は、ヒンジアーム50の後端部に形成されると共に、アクチュエータ60の軸方向に沿うように側面視で車両上側へ向かうに従い車両後側へ傾斜されている。さらに、連結機構80を構成する連結軸ユニット84は、ロッド70のロッド連結部74に一体に設けられており、連結軸ユニット84のネジ部86Bが長孔82内にスライド可能に挿入されている。そして、アクチュエータ60の非作動状態では、連結軸ユニット84が長孔82の上端部に配置されている。
また、第5の実施の形態では、第1の実施の形態における係合片92が省略されており、保持機構90が、「被係合部材」としての係合アーム402と、係合溝408と、を含んで構成されている。
係合アーム402は、略矩形板状に形成されて、車幅方向を板厚方向にしてヒンジアーム50の車幅方向内側に配置されている。そして、係合アーム402の一端部が、車幅方向を軸方向としたピン404によってヒンジアーム50の長手方向中間部に回動可能に結合されている。また、係合アーム402の他端部には、略円柱形状の保持ピン406が一体に設けられており、保持ピン406は係合アーム402から車幅方向外側へ突出されている。
係合溝408は、揺動アーム40に形成されている。係合溝408は、側面視で車両後側へ向かうに従い車両上側へ傾斜されると共に、車両後斜め下方へ凸となる略円弧状に湾曲されている。また、係合溝208の後端部は、側面視で車両後斜め下方へ屈曲されており、この部分が係合部410とされている。そして、係合溝408内には、係合アーム402の保持ピン406がスライド可能に挿入されており、アクチュエータ60の非作動状態では、保持ピン406が係合溝408の前端部に配置されている。
そして、第1の実施の形態と同様に、アクチュエータ60が作動すると、シリンダ62内にガスが供給されて、ロッド70が押上位置に上昇して、ヒンジアーム50が押上位置に押上げられる。このときには、図示しないロック機構によってロッド70がシリンダ62に対してロックされる(図10(A)参照)。
この状態からフード12に生じる振動によってフード12の車幅方向両端部が車両上側へ変位しようとすると、ヒンジアーム50の後端部がロッド70に対して上昇位置側へ相対移動する。つまり、ヒンジアーム50に形成された長孔82が、ロッド70に設けられた連結軸ユニット84に対して車両上側へ相対移動する。これにより、フード12の車幅方向両端部が押上位置よりも車両上側の上昇位置に変位する(図10(B)参照)。
また、ヒンジアーム50が上昇位置に変位するときには、ヒンジアーム50が揺動アーム40に対して相対回動される。このとき、係合アーム402がピン404の軸回りに回動して、係合アーム402の保持ピン406が係合溝208の前端部から後端部へ移動する。そして、保持ピン406が係合溝208の後端部に到達すると、保持ピン406が係合溝208の係合部410と係合される。その結果、ヒンジアーム50が上昇位置において保持されると共に、フード12の車幅方向両端部が上昇位置に保持される(図10(B)参照)。したがって、第5の実施の形態においても、フード12の押上時に生じるフード12の振動の振幅を小さくできる。
また、第5の実施の形態では、ヒンジアーム50に係合アーム402が回動可能に設けられている。そして、ヒンジアーム50が上昇位置に変位したときに、係合アーム402の保持ピン406が、揺動アーム40に形成された係合溝208の係合部410に係合されることで、ヒンジアーム50が上昇位置に保持される。これにより、ヒンジアーム50を上昇位置に簡易な構成で保持できる。
なお、第5の実施の形態では、アクチュエータ60のシリンダ62が揺動アーム40に連結され、アクチュエータ60のロッド70がヒンジアーム50を押上位置に押上げるように構成されている。これに代えて、図11(A)に示されるように、アクチュエータ60のシリンダ62を車体に固定して、アクチュエータ60のロッド70が揺動アーム40の下端部40Aを押上位置に押上げるように構成してもよい。したがって、本発明における「アームを押上位置へ押上げる」とは、アクチュエータ60がヒンジアーム50を他の部材を介して押上げる場合も含んでいる。
そして、この場合には、アクチュエータ60のロッド70が揺動アーム40を押上げるときに、ヒンジアーム50と揺動アーム40とを結合するシャアピンが破断されて、押上位置においてヒンジアーム50が揺動アーム40に対して車両上側へ相対回動するように構成してもよい。これにより、フード12に生じる振動によって、フード12が押上位置から車両上側へ変位しようとすると、ヒンジアーム50が揺動アーム40に対して上昇位置側へ上昇する。そして、図11(B)に示されるように、係合アーム402の保持ピン406が係合溝208の係合部410と係合されて、ヒンジアーム50が上昇位置に保持される。
また、第1の実施の形態〜第5の実施の形態では、ポップアップ機構部30がフード12の後端部における車幅方向両端部に設けられているが、各種車両の仕様等に対応して、ポップアップ機構部30をフード12の前端部における車幅方向両端部に設けてもよい。この場合には、例えば、フードロックのロック解除と連動して、フード12とヒンジアーム50との固定が解除されるように構成してもよい。
10 車両用ポップアップフード装置
12 フード
32 フードヒンジ
34 ヒンジベース(ベース)
40 揺動アーム
50 ヒンジアーム(アーム)
60 アクチュエータ
62 シリンダ
70 ロッド
82 長孔
84 連結軸ユニット(軸部)
90 保持機構
92 係合片(係合部)
100 車両用ポップアップフード装置
104 係合凹部(係合部)
200 車両用ポップアップフード装置
204 ガス抜き溝(ガス抜き部)
206 Cリング(被係合部材)
208 係合溝(係合部)
300 車両用ポップアップフード装置
302 第1ロッド
302A 収容部(筒状部)
304 第2ロッド
306 Cリング(被係合部材)
308 係合溝(係合部)
400 車両用ポップアップフード装置
402 係合アーム(被係合部材)
410 係合部

Claims (8)

  1. 車体に固定されたベースに連結されると共に、フードの車幅方向両端部に固定されたアームと、
    作動することで前記アームを押上位置へ押上げるアクチュエータと、
    前記アクチュエータが前記アームを押上げることで前記フードに生じる振動によって前記押上位置よりも車両上側の上昇位置に変位した前記アームを保持する保持機構と、
    を備えた車両用ポップアップフード装置。
  2. 前記アームは、前記ベースに回動可能に支持された揺動アームに回動可能に連結され、
    前記アクチュエータは、前記揺動アームに連結されたシリンダと、前記シリンダに収容された状態で前記アームに連結され且つ前記シリンダ内に供給されるガスによって前記押上位置へ上昇されるロッドと、を含んで構成され、
    前記押上位置に上昇された前記ロッドが前記揺動アームに対して車両上側へ相対移動可能にされた請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置。
  3. 前記シリンダが前記揺動アームに車両上側へ相対移動可能に連結され、
    前記保持機構は、前記シリンダに設けられた係合部を有しており、前記上昇位置において前記係合部が前記揺動アームに直接的又は間接的に係合されることで前記シリンダが前記上昇位置に保持される請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置。
  4. 前記揺動アーム及び前記シリンダの一方には、前記揺動アーム及び前記シリンダの他方側へ突出された軸部が設けられており、
    前記揺動アーム及び前記シリンダの他方には、前記軸部がスライド可能に挿入されて前記シリンダを前記揺動アームに車両上側へ相対移動可能に連結させる長孔が形成された請求項3に記載の車両用ポップアップフード装置。
  5. 前記係合部は弾性変形可能に構成されており、
    前記係合部が前記揺動アームに直接的又は他の部材を介して当接して弾性変形することで、前記シリンダが前記上昇位置に保持される請求項3又は請求項4に記載の車両用ポップアップフード装置。
  6. 前記シリンダには、前記ロッドが前記押上位置に上昇されることで前記シリンダ内に供給されたガスを前記シリンダ外へ放出するガス抜き部が形成され、
    前記保持機構は、前記シリンダの内周部に形成された係合部と、前記ロッドに設けられた被係合部材と、を備え、
    前記上昇位置において前記被係合部材が前記係合部に係合されることで前記ロッドが前記上昇位置に保持される請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置。
  7. 前記ロッドは、第1ロッドと第2ロッドとを含んで構成されており、
    前記第1ロッドは、筒状を成す筒状部を有し、
    前記第2ロッドは、前記アームに連結されると共に、前記アクチュエータの軸方向に相対移動可能に前記筒状部に収容され、
    前記保持機構は、前記筒状部の内周部に形成された係合部と、前記第2ロッドに設けられた被係合部材と、を備え、
    前記上昇位置において前記被係合部材が前記係合部に係合されることで第2ロッドが前記上昇位置に保持される請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置。
  8. 前記アームは、前記ベースに回動可能に支持された揺動アームに回動可能に連結され、
    前記保持機構は、前記揺動アームに形成された係合部と、一端部が前記アームに回動可能に連結された被係合部材と、を備え、
    前記アームの前記揺動アームに対する相対回動に伴って前記被係合部材が回動されて、前記被係合部材の他端部が前記係合部に係合されることで、前記アームが前記上昇位置に保持される請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置。
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