JP2015132691A - 樹脂積層板及びタッチパネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】面内に複屈折を有する透明基材の一方の面上に、樹脂板が設けられた樹脂積層板であって、上記面内に複屈折を有する透明基材は、8000nm以上のリタデーションを有することを特徴とする樹脂積層板。
【選択図】なし
Description
ところが、ガラス板は、ある程度の耐衝撃性を持たせるために厚みを厚くすると重くなるという問題があり、一方、厚みを薄くすると容易に割れるという問題があった。これらの問題を克服するために、例えば、化学強化された薄型ガラスが上市されているがこのようなガラス板は加工しにくいという問題があった。このため、近年、タッチパネルの表面保護板として、ガラス板に代えて樹脂板を用いることが種々検討されている。
ところが、このような樹脂板をタッチパネルの表面保護板として備えた液晶ディスプレイは、偏光サングラスをかけた状態で表示画面を見たときに、表示画面からの出射光の偏光軸と偏光サングラスの透過軸との角度によって、表示画面が暗くなる問題(以下、「ブラックアウト」ともいう)や、表示画面に色の異なるムラ(以下、「ニジムラ」ともいう)が、特に表示画面を斜めから観察したときに生じ、液晶ディスプレイの表示品質が損なわれてしまうという問題があった。
しかしながら、このような保護層用積層板では、ニジムラの発生はある程度抑制することはできるが、ブラックアウトの問題を充分に解決することはできないという問題があった。
また、上記面内に複屈折を有する透明基材は、ポリエステル基材であることが好ましい。
また、上記樹脂板は、ポリカーボネート樹脂層とアクリル樹脂層とを有する多層構造であることが好ましい。
また、上記樹脂板の透明基材の上記面内に複屈折を有する透明基材側と反対側面にタッチセンサー機能が設けられていることが好ましい。
また、本発明の樹脂積層板は、タッチパネルの表面保護板として用いられることが好ましい。
また、本発明の樹脂積層板は、上記面内に複屈折を有する透明基材が最表面側となるようにタッチパネル上に配置して用いられることが好ましい。
また、本発明の樹脂積層板は、上記樹脂板が最表面側となるようにタッチパネル上に配置して用いられることも好ましい。
また、本発明の樹脂積層板は、更に、ハードコート層、防眩層及び低屈折率層からなる群より選択される少なくとも1種の光学機能層が設けられていることが好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明では、特別な記載がない限り、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等の硬化性樹脂前駆体も“樹脂”と記載する。
本発明者らは、上述した従来の問題に鑑みて鋭意検討した結果、透明基材と樹脂板とが積層された樹脂積層板において、上記透明基材として面内に複屈折を有する透明基材を所定のリタデーション値を有するものとすることで、タッチパネルの表面保護板として用いたときに、表示画像にブラックアウト及びニジムラの発生を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記面内に複屈折を有する透明基材は、8000nm以上のリタデーションを有する。リタデーションが8000nm未満であると、本発明の樹脂積層板を表面保護板として用いたタッチパネルを搭載した液晶表示装置の表示画像にブラックアウトやニジムラが生じてしまう。一方、上記透明基材のリタデーションの上限としては特に限定されないが、3万nm程度であることが好ましい。3万nmを超えると、これ以上の表示画像のブラックアウトやニジムラの改善効果の向上が見られず、また、膜厚が相当に厚くなり、衝撃に弱く割れやすくなるため好ましくない。
上記透明基材のリタデーションは、ブラックアウト防止性及びニジムラ防止性、並びに、薄膜化の観点から、8000〜25000nmであることが好ましい。
リタデーション(Re)=(nx−ny)×d
また、上記リタデーションは、例えば、王子計測機器社製KOBRA−WRによって測定(測定角0°、測定波長548.2nm)することができる。
なお、屈折率は、分光光度計(島津製作所社製のUV−3100PC)を用いて、波長380〜780nmの平均反射率(R)を測定し、得られた平均反射率(R)から、以下の式を用い、屈折率(n)の値を求めた。
透明基材の平均反射率(R)は、易接着処理のない50μmPET上に透明基材の原料組成物を塗布し、1〜3μmの厚さの硬化膜にし、PETの塗布しなかった面(裏面)に、裏面反射を防止するために測定スポット面積よりも大きな幅の黒ビニールテープ(例えば、ヤマトビニールテープNO200−38−21 38mm幅)を貼ってから硬化膜の平均反射率を測定した。透明基材の屈折率は、測定面とは反対面に同様に黒ビニールテープを貼ってから測定を行った。
R(%)=(1−n)2/(1+n)2
また、樹脂積層板となった後に透明基材の屈折率を測定する方法としては、透明基材をカッターなどで削り取り、粉状態のサンプルを作製し、JIS K7142(2008)B法(粉体又は粒状の透明材料用)に従ったベッケ法(屈折率が既知のカーギル試薬を用い、上記粉状態のサンプルをスライドガラスなどに置き、そのサンプル上に試薬を滴下し、試薬でサンプルを浸漬する。その様子を顕微鏡観察によって観察し、サンプルと試薬の屈折率が異なることによってサンプル輪郭に生じる輝線;ベッケ線が目視で観察できなくなる試薬の屈折率を、サンプルの屈折率とする方法)を用いることができる。
透明基材が後述するポリエステル基材の場合は、方向によって屈折率が異なるので、ベッケ法ではなく、樹脂板積層面に上記黒ビニールテープを貼ることで、平均反射率を測定し求める。
なお、本発明では、上記nx−ny(以下、Δnとも表記する)は、0.05〜0.20であることが好ましい。上記Δnが0.05未満であると、充分なニジムラの抑制効果が得られないことがあり、また、上述したリタデーション値を得るために必要な膜厚が厚くなることがある。一方、上記Δnが0.20を超えると、透明基材に、裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下することがある。
上記Δnのより好ましい下限は0.07、より好ましい上限は0.15である。Δnが、0.07よりも小さいと、画像表示装置の偏光板の吸収軸に対し、遅相軸を0°又は、90°に合わせた時のニジムラ防止効果がでにくくなるためである。なお、上記Δnが0.15を超えると、耐湿熱性試験での透明基材の耐久性が劣ることがある。耐湿熱性試験での耐久性が優れることから、上記Δnの更に好ましい上限は0.12である。
なお、上記(nx)としては、1.67〜1.78であることが好ましく、より好ましい下限は1.69、より好ましい上限は1.73である。また、上記(ny)としては、1.55〜1.65であることが好ましく、より好ましい下限は1.57、より好ましい上限は1.62である。
上記nx及びnyが上記範囲にあり、かつ、上述したΔnの関係を満たすことで、好適なニジムラの抑制効果を得ることができる。
また、ポリエステル基材に用いられるポリエステルは、これらの上記ポリエステルの共重合体であってもよく、上記ポリエステルを主体(例えば80モル%以上の成分)とし、少割合(例えば20モル%以下)の他の種類の樹脂とブレンドしたものであってもよい。
ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので特に好ましい。特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは汎用性が高く、入手が容易であるからである。本発明においてはPETのような、汎用性が極めて高いフィルムであっても、表示品質の高い画像表示装置を作製することが可能な樹脂積層板を得ることができる。更に、PETは、透明性、熱又は機械的特性に優れ、延伸加工によりリタデーションの制御が可能であり、固有複屈折が大きく、膜厚が薄くても比較的容易に大きなリタデーションが得られる。
上記横延伸温度としては、80〜130℃が好ましく、より好ましくは90〜120℃である。また、横延伸倍率は2.5〜6.0倍が好ましく、より好ましくは3.0〜5.5倍である。上記横延伸倍率が6.0倍を超えると、得られるポリエステル基材の透明性が低下しやすくなり、延伸倍率が2.5倍未満であると、延伸張力も小さくなるため、得られるポリエステル基材の複屈折が小さくなり、リタデーションを8000nm以上とできないことがある。
また、本発明においては、二軸延伸試験装置を用いて、上記未延伸ポリエステルの横延伸を上記条件で行った後、該横延伸に対する流れ方向の延伸(以下、縦延伸ともいう)を行ってもよい。この場合、上記縦延伸は、延伸倍率が2倍以下であることが好ましい。上記縦延伸の延伸倍率が2倍を超えると、Δnの値を上述した好ましい範囲にできないことがある。
また、上記熱処理時の処理温度はしては、100〜250℃が好ましく、より好ましくは180〜245℃である。
ここで、厚みが500μm以上のような厚く、上記リタデーションを充足するポリエステル基材は、該ポリエステル基材単独でタッチパネルの表面保護板として用いたときに、本発明の樹脂積層板と同様の効果を発揮し得ると考えられる。しかしながら、上述したリタデーションを充足するポリエステル基材は、成膜方向であるMD方向の破断伸度、破断強度が、上記リタデーションを充足しない公知の2軸延伸ポリエステル基材(PET基材)と比較して小さなものとなる。このため、厚みを厚くした上記リタデーションを充足するポリエステル基材は、衝撃に弱く割れやすくなりタッチパネルの表面保護板として用いることができない。これに対して本発明の樹脂積層板では、上記ポリエステル基材を後述する樹脂板との積層構造とすることにより、タッチパネルの表面保護板としての使用を可能としたのである。上記ポリエステル基材の厚さのより好ましい下限は50μm、より好ましい上限は400μmであり、更により好ましい上限は300μmである。
また、ハードコート処理などを行うための易接着プライマー処理層が上記ポリエステル基材上に設けられていてもよい。
上記樹脂板に用いられる材料としては特に限定されず、例えば、ポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。なお、上述したポリエステル基材上にハードコート層等の樹脂層を設けた光学積層体をタッチパネルの表面保護板として用いることが知られているが、このような光学積層体におけるハードコート層等の樹脂層は、熱、電子線又は紫外線等により硬化する硬化型樹脂が材料として用いられたものである。
上記アクリル樹脂としては、後述するアクリル樹脂層に用いられるアクリル樹脂と同様の樹脂を用いることができ、なかでも、低分子量のものが好ましく用いられる。
上記アクリル樹脂の分子量(質量平均分子量)としては、例えば、1000〜10万であることが好ましい。1000未満であると、上記ポリカーボネート樹脂組成物を押出成形してポリカーボネート樹脂層を形成する際に、アクリル樹脂が揮発してしまうことがあり、10万を超えると、上記ポリカーボネート樹脂層中でアクリル樹脂がポリカーボネート樹脂と相分離を起こし、上記樹脂板の光透過率を低下させるおそれがある。
また、上記他の単量体としては、例えば、スチレンや置換スチレン類として、例えば、クロロスチレン、ブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類や、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のアルキルスチレン類等、更に、メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等も挙げられる。
これらメタクリル酸メチルと共重合し得る他の単量体は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ゴム粒子を含有することにより、本発明の樹脂積層板の耐衝撃性を向上させることができる。
上記ゴム粒子としては、例えば、アクリル系多層構造重合体、5〜80質量部のゴム状重合体にアクリル系不飽和単量体等のエチレン性不飽和単量体20〜95質量部をグラフト重合させてなるグラフト共重合体等が挙げられる。
上記炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル等の直鎖又は分岐したアルキル基が挙げられる。
上記アルキルメタクリレート等におけるアルキル基としては、例えば、上述の低級アルキル基で例示したのと同じ炭素数1〜6の直鎖又は分岐したアルキル基等が挙げられる。
また、このゴム状重合体にグラフト共重合させるのに用いられるエチレン性単量体としては、例えば、スチレン、アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのグラフト共重合体は、例えば、特開昭55−147514号公報、特公昭47−9740号公報等に記載されているものが挙げられる。
上記2層構造である場合、本発明の樹脂積層板は、上記透明基材上に、上記ポリカーボネート樹脂層が積層され、最表面にアクリル樹脂層を有する構造であることが好ましい。このような構造であることで、ハードコート性を優れたものとすることができるとともに、印刷性能を付与することもできる。
上記プライマー層は、例えば、ポリエステル・ポリオールやポリエーテル・ポリオールと、ポリイソシアネートとよりなる反応型のワニスを0.5〜2g/m2塗工して形成することができる。
上記共押出成形法による樹脂板の製造方法としては、具体的には、まず、2基又は3基の一軸若しくは二軸の押出機を用いて、アクリル樹脂層の材料と、ポリカーボネート樹脂層の材料とをそれぞれ溶融混練した後、フィードブロックダイやマルチマニホールドダイ等を介して積層一体化した溶融樹脂積層体を作製する。次いで、積層一体化された溶融積層樹脂体を、例えば、ロールユニット等を用いて冷却固化する方法が挙げられる。この共押出成形法により製造した樹脂板は、粘着剤や接着剤を用いて貼合により製造した樹脂板に比べて、二次成形し易い点で好ましい。
また、上記樹脂板がアクリル樹脂層とポリカーボネート樹脂層とを有する多層構造である場合、アクリル樹脂層及びポリカーボネート樹脂層の各々の厚さは、1.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.5mmである。1.0mmを超えると、フレキシブルタイプのディスプレイに適用できないことがある。
また、上記アクリル樹脂層の厚さは、本発明の樹脂積層板全体の厚さの70〜99%であることが好ましい。
上記タッチセンサー機能としては特に限定されず、従来公知のものが挙げられる。
上述したように、本発明の樹脂積層板は、所定のリタデーションを有する透明基材を有するため、タッチパネルの表面保護板として用いた際に、表示画面にブラックアウトやニジムラの発生を高度に抑制することができる。なお、上記ブラックアウトの問題は、表示画面からの出射光の偏光軸と偏光サングラスの透過軸との角度によって生じるものであり、具体的には、画像表示装置の表示画面側の偏光子の吸収軸と、偏光サングラスの吸収軸とが直交したクロスニコル状態で生じる問題である。本発明の樹脂積層板をタッチパネルの表面保護板として用いる場合、上記所定のリタデーションを有する透明基材の遅相軸と、上記偏光子の吸収軸とをある程度ずらして配置するようにすることで、上記ブラックアウトの問題を好適に解消することができる。
なお、上記所定のリタデーションを有する透明基材の遅相軸と、上記偏光子の吸収軸との成す角度としては、45°±40°であることが好ましく、より好ましくは45°±30°、更に好ましくは45°±20°である。
上記タッチパネルとしては特に限定されないが、例えば、公知の静電容量方式タッチパネルが好適に用いられる。
上記ハードコート層とは、JIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験でH以上の硬度を示すものをいう。
また、上記ハードコート層の膜厚(硬化時)としては0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmである。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、製膜性、透明性や耐候性のという観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
上記光重合開始剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
上記光重合開始剤の含有量のより好ましい下限は2質量部であり、より好ましい上限は8質量部である。上記光重合開始剤の含有量がこの範囲にあることで、硬化不良を起こさず、また未反応物も発生しにくくなる。
上記溶剤としては、使用する樹脂成分の種類に応じて選択して使用することができ、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合溶媒であってもよい。
上記ハードコート層は、上記ハードコート層用組成物を上記樹脂板上又は上記透明基材上に塗布して被膜を形成し、そして上記被膜を必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線照射により硬化させて形成することが好ましい。
上記ハードコート層形成用組成物を塗布する方法としては、ロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法等の塗布方法が挙げられる。
上記防眩層としては特に限定されず、例えば、樹脂と防眩剤とを含有する防眩相用組成物により形成されてなるものが挙げられる。
50μm<Sm<600μm
0.1°<θa<1.5°
0.02μm<Ra<0.25μm
0.30μm<Rz<2.00μm
100μm<Sm<400μm
0.1°<θa<1.2°
0.02μm<Ra<0.15μm
0.30μm<Rz<1.20μm
上記防眩層の凹凸形状は、更に好ましくは、下記式を満たすことである。
120μm<Sm<300μm
0.1°<θa<0.5°
0.02μm<Ra<0.12μm
0.30μm<Rz<0.80μm
なお、本明細書において、上記Sm、Ra及びRzは、JIS B 0601−1994に準拠する方法で得られる値であり、θaは、表面粗さ測定器:SE−3400 取り扱い説明書(1995.07.20改訂)(株式会社小坂研究所)に記載の定義により得られる値であり、図1に示すように、基準長さLに存在する凸部高さの和(h1+h2+h3+・・・+hn)のアークタンジェントθa=tan−1{(h1+h2+h3+・・・+hn)/L}で求めることができる。
このようなSm、θa、Ra、Rzは、例えば、表面粗さ測定器:SE−3400/株式会社小坂研究所製等により測定して求めることができる。
上記防眩層の膜厚(硬化時)としては0.1〜100μmであることが好ましく、より好ましい下限は0.8μm、より好ましい上限は10μmである。膜厚がこの範囲にあることにより、防眩層としての機能を充分に発揮することができる。
上記無機材料からなる微粒子としては、具体的には、例えば、不定形、球状などのシリカビーズ等が挙げられる。
また、有機材料からなる微粒子としては、具体的には、例えば、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.53〜1.58)、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズ(屈折率1.66)、メラミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズ(屈折率1.66)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.57)、ポリエチレンビーズ(屈折率1.50)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.60)等が挙げられる。上記有機材料からなる微粒子は、その表面に疎水性基を有してもよい。
また、上述したシリカは、中空シリカ微粒子であることが好ましく、このような中空シリカ微粒子は、例えば、特開2005−099778号公報の実施例に記載の製造方法にて作製できる。
これらの低屈折率層は、その屈折率が1.45以下、特に1.42以下であることが好ましい。
また、低屈折率層の厚みは限定されないが、通常は30nm〜1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。
また、上記低屈折率層は単層で効果が得られるが、より低い最低反射率、あるいはより高い最低反射率を調整する目的で、低屈折率層を2層以上設けることも適宜可能である。上記2層以上の低屈折率層を設ける場合、各々の低屈折率層の屈折率及び厚みに差異を設けることが好ましい。
上記電離放射線で硬化する官能基と熱硬化する極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;上記含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体など。これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も用いることができる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が例示される。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
dA=mλ/(4nA) (1)
(上記式中、
nAは低屈折率層の屈折率を表し、
mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、
λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)
を満たすものが好ましい。
120<nAdA<145 (2)
を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
ここで、本発明の樹脂積層板の最表面の反対面にハードコート層を形成する場合において、光学粘着層(OCAや液体OCA)を介して上記樹脂板を貼合する場合(いわゆるボンディングタイプである場合)、上記光学粘着層との密着性確保のため、また、液体OCAを充填する際のハードコート層表面への濡れ広がりを良好にするために、上記ハードコート層の表面には低接触角であることのニーズがある。このため、上記ハードコート層は、その表面の水の接触角が30〜80°であることが好ましい。
上記全光線透過率は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号:HM−150)を用いてJIS K−7361に準拠した方法により測定することができる。
本発明の樹脂積層板が上記防眩層を有する場合は、上記ヘイズは、積層体全体で80%未満であってもよい。上記防眩層は、内部拡散によるヘイズと、最表面の凹凸形状によるヘイズからなってよく、内部拡散によるヘイズは、3.0%以上79%未満であることが好ましく、10%以上50%未満であることがより好ましい。最表面のヘイズは、1%以上35%未満であることが好ましく、1%以上20%未満であることがより好ましく、1%以上10%未満であることが更に好ましい。
上記ヘイズは、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号:HM−150)を用いてJIS K−7136に準拠した方法により測定することができる。
上記透明基材上に上記樹脂板を積層する方法としては、例えば、上述した共押出成形法による方法が好適に挙げられる。
このため、本発明の樹脂積層板は、タッチパネルの表面保護板として好適に適用することができる。
(透明基材及び光学機能層の作製)
ポリエチレンテレフタレート材料を290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機社製)にて、120℃にて1分間予熱した後、120℃にて、延伸倍率4.5倍に延伸した後、両面にポリエステル樹脂の水分散体28.0質量部と水72.0質量部とからなるプライマー層用樹脂組成物を、ロールコーターにて均一に塗布し塗布フィルムを作製した。
次いで、この塗布フィルムを95℃で乾燥し、先の延伸方向とは90度の方向に延伸倍率1.5倍にて延伸を行い、nx=1.70、ny=1.60、(nx−ny)=0.10、膜厚80μm、リタデーション=8000nmのフィルム上に、屈折率1.56、膜厚100nmのプライマー層を設けた透明基材を得た。
次いで、形成した塗膜を70℃で1分間加熱して、溶剤を除去し、塗工面に紫外線を照射することにより固定化し、屈折率(nf)1.53の光学機能層(ハードコート層、HCとも表記する)を透明基材の一方の面上に形成した。
樹脂積層板は、樹脂板用材料を上記透明基材上に溶融押出しをし、該透明基材を加圧、密着させる、いわゆる押出しラミネート法により得た。
具体的には、図2に示したような、2台の押出機21a及び21b、ダイス22、基材送り部30、ベルト加圧送り部40、樹脂積層板巻取り部50からなる押出しラミネート装置20を用いて樹脂積層板を作製した。なお、図2は、本発明の樹脂積層板を製造する押出しラミネート装置を示す模式図である。
樹脂A:住友ダウ社製、ポリカーボネート樹脂「カリバー」
樹脂B:住友化学社製、メタクリル樹脂「スミペックスEX」
得られた樹脂積層板を、光学機能層が最表面側となり、透明基材の遅相軸と設置した液晶モニター(FLATORON IPS226V(LG Electronics Japan社製))の偏光子の吸収軸とが平行になるように設置し、斜め方向(約50度)、50〜60cm離れた位置から偏光サングラス越しに表示画像の観察を行い、下記の基準によりニジムラを評価した。結果を表1に示した。なお、図3に、使用した液晶モニターのバックライト光源スペクトルを示す。
◎:ニジムラが全く観察されない
×:ニジムラが強く観察される
ニジムラの評価と同様に得られた樹脂積層板を配置し、樹脂積層板を、液晶モニター上で回転させたときの色味変化、及び、ブラックアウトの有無について官能評価を行った。結果を表1に示した。
φ40mmの空隙のある板上に樹脂積層板を光学機能層面が上面になるように設置し、50cmの高さから36gの鋼球を落下させた後の外観変化を観察した。結果を表1に示した。
得られた樹脂積層板を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS S−6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)を行った。結果を表1に示した。
参考例1と同じ樹脂積層板を用いて、ニジムラ評価において透明基材の遅相軸と液晶モニターの偏光子の吸収軸とが45度になるように設置した以外は参考例1と同様の方法で評価を行った。
樹脂積層板の作製において、樹脂Bのみを用いた以外は参考例1と同様に樹脂積層板を作製し、参考例1と同様の評価を行った。
参考例1における樹脂A及び樹脂Bを入れ替えて、透明基材側に樹脂Aが接するように樹脂A及び樹脂Bの共押出しを行い、透明基材上に樹脂板を設けた。その後、得られた樹脂板上(樹脂Bからなる樹脂層上)に参考例1と同じ光学機能層を設け、参考例1と同様の評価を行った。
参考例1の透明基材に代えて、ポリカーボネート基材(帝人社製、ピュアエース)を用いた以外は、参考例1と同様にして樹脂積層板を作製し、参考例1と同様に評価を行った。
未延伸フィルムの延伸倍率及び膜厚を調整して、リタデーション5000nm、厚み50μmの透明基材を作製した以外は、参考例1と同様にして樹脂積層板を作製し、参考例1と同様に評価を行った。
基材送り部30より透明基材を供給しなかった以外は、参考例1と同様にして樹脂板を作製した。その後、参考例1で得られた透明基材のプライマー層面にアクリル系粘着剤(25μm厚)を用いて粘着層を形成し、得られた樹脂板を貼り合せることにより樹脂積層板を作製し、参考例1と同様に評価を行った。
未延伸フィルムの延伸倍率及び膜厚を調整して、リタデーション5万nm、厚み500μmの透明基材を作製した以外は、参考例1と同様にして樹脂積層板を作製し、参考例1と同様に評価を行った。
一方、比較例1に係る樹脂積層板は、色変化量が大きく、鉛筆硬度に劣っていた。また、比較例2に係る樹脂積層板は、ニジムラ及びブラックアウトの発生を抑制できなかった。また、参考例1に係る樹脂積層板は、透明基材の遅相軸と偏光子の吸収軸とが平行であったため、ブラックアウトの抑制ができなかった。また、参考例2に係る樹脂積層板は、透明基材と樹脂層とが粘着層を介して接着されていたため、ブラックアウトの抑制ができておらず、また、鉛筆硬度にも劣っていた。
また、参考例3に係る樹脂積層板は、ブラックアウトの発生を抑制できず、また、落球試験にも劣っていた。
なお、実施例に係る樹脂積層板を曲げてフレキシブルタイプのディスプレイへの適用性を想定し、視認側、すなわち、光学機能層面が外側になるように、5cm×10cmサイズのサンプルを長辺方向に曲率半径5cmにて曲げて固定し、実施例と同様の方法にて光学機能層側より観察したところ、いずれの樹脂積層板でも曲げた箇所でのニジムラや色の異なるムラは観察されなかった。
21a及び21b 押出機
22 ダイス
30 基材送り部
32 第2送りロール
40 ベルト加圧送り部
41 第1送りロール
50 樹脂積層板巻取り部
Claims (10)
- 面内に複屈折を有する透明基材の一方の面上に、樹脂板が設けられた樹脂積層板であって、
前記面内に複屈折を有する透明基材は、8000nm以上のリタデーションを有する
ことを特徴とする樹脂積層板。 - 面内に複屈折を有する透明基材は、屈折率が大きい方向である遅相軸方向の屈折率(nx)と、前記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率(ny)との差(nx−ny)が、0.05〜0.20である請求項1記載の樹脂積層板。
- 面内に複屈折を有する透明基材は、ポリエステル基材である請求項1又は2記載の樹脂積層板。
- 樹脂板は、ポリカーボネート樹脂層とアクリル樹脂層とを有する多層構造である請求項1、2又は3記載の樹脂積層板。
- 樹脂板の透明基材の面内に複屈折を有する透明基材側と反対側面にタッチセンサー機能が設けられている請求項1、2、3又は4記載の樹脂積層板。
- タッチパネルの表面保護板として用いられる請求項1、2、3又は4記載の樹脂積層板。
- 面内に複屈折を有する透明基材が最表面側となるようにタッチパネル上に配置して用いられる請求項6記載の樹脂積層板。
- 樹脂板が最表面側となるようにタッチパネル上に配置して用いられる請求項6記載の樹脂積層板。
- 更に、ハードコート層、防眩層及び低屈折率層からなる群より選択される少なくとも1種の光学機能層が設けられている請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の樹脂積層板。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の樹脂積層板を備えることを特徴とするタッチパネル。
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