JP2020174610A - 冷凍餃子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】羽根や焼き面の官能特性(外観、食感等)が向上した餃子(羽根つき餃子)を得ることができる冷凍餃子の提供。【解決手段】遊離又は塩形態のアルギニンを含有する組成物が、凍結状態で付着している冷凍餃子。【選択図】なし

Description

本発明は、冷凍餃子及びその製造方法に関する。また本発明は、餃子付着用組成物に関する。さらに本発明は、羽根つき餃子の製造方法に関する。
冷凍餃子は、消費者に人気の高い冷凍食品の一つであり、その調理方法としては、フライパン等の焼き器を用いて加熱(蒸し焼き等)して焼き餃子とするのが一般的である。焼き餃子は、焼き面やその周辺部に「羽根」(「バリ」等とも称される)が形成されているもの(羽根つき餃子)が一般に好まれる傾向にあり、そのような羽根つき餃子を製造するための方法として、従来、羽根の素(例、バッター液等)を予め餃子底面等に付着させておき、当該餃子を加熱することにより、焼き餃子に羽根を形成すること等が提案されている。
例えば、所定量の水分を含むバッター液が、加熱済み餃子の少なくとも焼き面に所定の割合で付着している、加熱済み冷凍餃子(特許文献1)や、水、穀物粉、油、乳化剤を含む未加熱の餃子羽根形成剤と、加熱済み餃子とがあわさって凍結された冷凍餃子(特許文献2)等が報告されている。
国際公開第2014/007387号 特許第6283455号公報
特許文献1に記載の冷凍餃子は優れた製品であるものの、従来の技術には、餃子の羽根や焼き面の官能特性(外観、食感等)の向上について、改良の余地があった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、羽根や焼き面の官能特性(外観、食感等)が向上した餃子(羽根つき餃子)を得ることができる冷凍餃子を提供することにある。
本発明者らは、上述の課題を解決するべく鋭意検討した結果、アルギニンを、餃子(羽根つき餃子)の羽根の素となる組成物(例、バッター液等)に添加することよって、餃子の羽根や焼き面の官能特性(外観、食感等)を、効果的に向上させ得ることを見出し、さらに研究を重ねることによって、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]遊離又は塩形態のアルギニンを含有する組成物が、凍結状態で付着している冷凍餃子。
[2]前記組成物における前記アルギニンの含有量が、0.04〜2.5重量%である、[1]記載の冷凍餃子。
[3]前記組成物が、水、デンプン類、穀物粉及び油からなる群より選択される少なくとも一つを更に含有する、[1]又は[2]記載の冷凍餃子。
[4]前記組成物が、餃子羽根形成用である、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の冷凍餃子。
[5]遊離又は塩形態のアルギニンを含有する組成物が付着した餃子を凍結することを含む、冷凍餃子の製造方法。
[6]前記組成物における前記アルギニンの含有量が、0.04〜2.5重量%である、[5]記載の製造方法。
[7]前記組成物が、水、デンプン類、穀物粉及び油からなる群より選択される少なくとも一つを更に含有する、[5]又は[6]記載の製造方法。
[8]前記組成物が、餃子羽根形成用である、[5]〜[7]のいずれか一つに記載の製造方法。
[9]遊離又は塩形態のアルギニンを含有する、餃子付着用組成物。
[10]前記組成物における前記アルギニンの含有量が、0.04〜2.5重量%である、[9]記載の組成物。
[11]前記組成物が、水、デンプン類、穀物粉及び油からなる群より選択される少なくとも一つを更に含有する、[9]又は[10]記載の組成物。
[12]前記組成物が、餃子羽根形成用である、[9]〜[11]のいずれか一つに記載の組成物。
[13]遊離又は塩形態のアルギニンを含有する組成物が、凍結状態で付着している冷凍餃子を加熱することを含む、羽根つき餃子の製造方法。
[14]前記組成物における前記アルギニンの含有量が、0.04〜2.5重量%である、[13]記載の製造方法。
[15]前記組成物が、水、デンプン類、穀物粉及び油からなる群より選択される少なくとも一つを更に含有する、[13]又は[14]記載の製造方法。
[16]前記組成物が、餃子羽根形成用である、[13]〜[15]のいずれか一つに記載の製造方法。
本発明によれば、羽根のキメが細かく、餃子の焼き面、羽根に程良い焼き色がつき、羽根のへたり(羽根が経時的に湾曲すること)が抑えられ、また、羽根が好ましいクリスピー感を有するという、羽根、焼き面の外観、食感が向上した餃子(羽根つき餃子)を得ることができる冷凍餃子及びその製造方法を提供できる。
本発明によれば、キメが細かく、程良い焼き色がつき、へたりが抑えられ、好ましいクリスピー感を有するという、外観、食感が向上した羽根を餃子に形成するためや、餃子の焼き面に程良い焼き色をつけ、焼き面の外観を向上するために、好適に用いられ得る組成物(餃子付着用組成物、好ましくは餃子羽根形成用組成物)を提供できる。
本発明によれば、羽根のキメが細かく、餃子の焼き面、羽根に程良い焼き色がつき、羽根のへたり(羽根が経時的に湾曲すること)が抑えられ、また、羽根が好ましいクリスピー感を有するという、羽根、焼き面の外観、食感が向上した餃子(羽根つき餃子)の製造方法を提供できる。
本発明の冷凍餃子は、その製造に、アルギニンを含有する組成物(本明細書において「本発明の組成物」と称する場合がある)を用いることを、特徴の一つとする。
本発明において「冷凍餃子」とは、凍結状態の餃子、あるいは、凍結状態の餃子と凍結状態の食品材料(例、バッター液等)とを含む冷凍食品をいう。
本発明における「餃子」は、その形状、製造方法等に制限されることなく、一般に餃子と称されるものを広く包含し得るが、典型的には、中具(挽肉、野菜、調味料等の混合物)と、当該中具を包む外皮(小麦粉等に水を加えて捏ね、薄く延ばした生地)とを少なくとも有する食品をいう。本発明における「餃子」は、中具を外皮で包んだのみで加熱していないものであってよく、又は、加熱処理(例、蒸し加熱、焼き加熱、茹で加熱等)に供したものであってもよく、これらの両方を包含する概念であるが、本発明において、中具を外皮で包んだのみで加熱していない餃子を、便宜上「生餃子」と称し、加熱処理に供した餃子を、便宜上「加熱済み餃子」と称する場合がある。また本発明における「餃子」には、冷蔵状態の餃子(チルド餃子)も包含される。餃子1個当たりの重量は特に制限されないが、通常10〜45g程度である。
本発明において用いられ得るアルギニンは、食品上許容され得るものであれば特に制限されず、L−体、D−体、DL−体のいずれも使用可能であるが、好ましくは、L−体、DL−体であり、さらに好ましくは、L−体である。
本発明において用いられ得るアルギニンは、遊離又は塩形態であることが好ましい。
本発明において「遊離形態」のアルギニンとは、他のアミノ酸と結合してタンパク質やペプチド等を形成せず、遊離の状態で存在しているアルギニンをいう。
アルギニンの「塩形態」は、食品上許容され得るものであれば特に制限されないが、例えば、無機酸(例、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸等)との塩;有機酸(例、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、モノメチル硫酸等)との塩;無機塩基(例、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニア等)との塩;有機塩基(例、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、エタノールアミン、モノアルキルエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)との塩等の形態が挙げられる。またアルギニンの塩形態は、水和物(含水塩)の形態であってもよく、かかる水和物としては、例えば1〜6水和物等が挙げられる。
本発明において用いられ得るアルギニンは、天然に存在する動植物等から抽出し精製したもの、或いは、化学合成法、発酵法、酵素法又は遺伝子組換え法によって得られるもののいずれを使用してもよい。
本発明においてアルギニンは単独で用いてよく、あるいは2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物における、遊離又は塩形態のアルギニンの含有量は、羽根の外観、食感を効果的に向上し得ることから、本発明の組成物に対して、好ましくは、0.04重量%以上であり、より好ましくは0.05重量%以上であり、更に好ましくは0.08重量%以上であり、より一層好ましくは0.1重量%以上であり、特に好ましくは0.2重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対して、通常2.5重量%以下であり、食味の観点から、好ましくは1.7重量%以下であり、より好ましくは1.5重量%以下であり、更に好ましくは1.2重量%以下であり、より一層好ましくは1.0重量%以下であり、特に好ましくは0.8重量%以下である。本発明において塩形態のアルギニンの量は、遊離形態に換算して算出される。
本発明の組成物は、アルギニンに加え、水、デンプン類、穀物粉及び油からなる群より選択される少なくとも一つを更に含有してよい。本発明の組成物は、アルギニンに加え、水、デンプン類又は穀物粉、並びに、油を更に含有することが好ましい。
本発明の組成物が水を含有する場合、本発明の組成物における水の含有量は、外観、食感が効果的に向上した羽根を形成し得ることから、本発明の組成物に対して、好ましくは55重量%以上であり、より好ましくは60重量%以上であり、特に好ましくは80重量%以上である。また当該含有量は、外観、食感が効果的に向上した羽根を形成し得ることから、本発明の組成物に対して、好ましくは95重量%以下であり、より好ましくは90重量%以下であり、特に好ましくは88重量%以下である。
本発明の組成物は、デンプン類及び穀物粉から選択される少なくとも一つを含有してよく、中でも、穀物粉は、損傷デンプン率がデンプンに比べて低いため、加熱によりデンプン粒子が膨潤し難く、羽根のクリスピーな食感が維持されやすいことから、本発明は、穀物粉を用いることが好ましい。ここで、「穀物粉」とは、穀物を製粉、粉砕等して得られる、粉状乃至粒状の食品原料をいい、また、穀物粉の「損傷デンプン率」とは、製粉、粉砕時の負荷によりダメージを受けたデンプン粒子の割合をいう。
本発明において用いられ得るデンプン類は、特に制限されないが、例えば、ウルチ米デンプン、モチ米デンプン、小麦デンプン、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカデンプン、サゴヤシデンプン、緑豆デンプン、馬鈴薯デンプン、サツマイモデンプン等のデンプンが挙げられ、好ましくはウルチ米デンプン、モチ米デンプンである。またデンプン類として、これらのデンプンの加工デンプンを用いてもよい。ここで「加工デンプン」とは、物理的処理、化学的処理及び酵素的処理からなる群より選択される少なくとも一つの加工処理を施されたデンプンをいう。化学的処理を施されたデンプンとしては、例えば、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプン等が挙げられる。物理的処理(酸処理、アルカリ処理、漂白処理等の加水分解程度の簡単な化学的処理を含む)を施されたデンプンとしては、例えば、α化デンプン、湿熱処理デンプン、油脂加工デンプン、酸処理デンプン、アルカリ処理デンプン、漂白デンプン等が挙げられる。酵素的処理を施されたデンプンとしては、例えば、酵素処理デンプン等が挙げられる。本発明において用いられ得る加工デンプンの種類は、可食性であれば特に制限されないが、化学的処理を少なくとも施されたデンプンが好ましく、酢酸デンプン、リン酸架橋デンプンが特に好ましい。これらの加工デンプンは、物理的処理、化学的処理及び酵素的処理からなる群より選択される一つの加工処理を施されたものであってよく、また物理的処理、化学的処理及び酵素的処理からなる群より選択される二つ以上の加工処理を施されたものであってもよい。
本発明において用いられ得る穀物粉は、特に制限されないが、例えば、小麦粉、米粉、トウモロコシ粉、大麦粉、そば粉、馬鈴薯粉、大豆粉、小豆粉、ひえ粉、粟粉、キビ粉等が挙げられ、中でも、タンパク質含量が少なく、加熱後のクリスピーな食感を、羽根、焼き面に付与し易いことから、米粉が好ましい。
本発明において用いられ得るデンプン類、穀物粉の製造方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法によって製造したものを用いてよい。例えば、穀物粉は、穀物を、製粉、粉砕等して粉状乃至粒状とすること等により製造し得る。デンプン類、穀物粉は、市販品を用いてもよく、簡便であることから好ましい。
本発明の組成物が、デンプン類及び穀物粉から選択される少なくとも一つを含有する場合、本発明の組成物におけるデンプン類及び穀物粉から選択される少なくとも一つの含有量は、外観、食感が効果的に向上した羽根を形成し得ることから、本発明の組成物に対して、好ましくは0.8重量%以上であり、より好ましくは0.9重量%以上であり、特に好ましくは1.8重量%以上である。また当該含有量は、調理性の観点から、本発明の組成物に対して、好ましくは13重量%以下であり、より好ましくは11重量%以下であり、特に好ましくは8.5重量%以下である。ここで、本発明の組成物における「デンプン類及び穀物粉から選択される少なくとも一つの含有量」とは、本発明の組成物がデンプン類及び穀物粉のいずれか一方のみを含有する場合は、その一方の含有量を意味し、本発明の組成物が、デンプン類及び穀物粉の両方を含有する場合は、それらの含有量の合計を意味する。
一態様として、本発明の組成物がデンプン類及び穀物粉から選択される少なくとも一つを含有し、かつ本発明の組成物が、後述するように、凍結前に加熱されたものである場合、本発明の組成物におけるデンプン類及び穀物粉から選択される少なくとも一つの含有量は、本発明の組成物に対して、好ましくは0.8重量%以上であり、より好ましくは0.9重量%以上であり、更に好ましくは1.5重量%以上であり、特に好ましくは1.8重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対して、好ましくは9重量%以下であり、より好ましくは8.5重量%以下であり、更に好ましくは6重量%以下であり、特に好ましくは5重量%以下である。
他の一態様として、本発明の組成物が、デンプン類及び穀物粉から選択される少なくとも一つを含有し、かつ本発明の組成物が、後述するように、実質的に未加熱のものである場合、本発明の組成物におけるデンプン類及び穀物粉から選択される少なくとも一つの含有量は、本発明の組成物に対して、好ましくは1.5重量%以上であり、より好ましくは1.8重量%以上であり、更に好ましくは4重量%以上であり、特に好ましくは6重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対して、好ましくは13重量%以下であり、より好ましくは11重量%以下であり、特に好ましくは10.5重量%以下である。
本発明において用いられ得る油は、食用であれば特に制限されない。常温で流動性を有しない油を、一般に「脂肪」と称する場合があるが、本発明における油は、脂肪も包含する概念である。本発明の組成物が含有し得る油の具体例としては、キャノーラ油、大豆油、サフラワー油(ハイリノールサフラワー油を含む)、コーン油、ナタネ油、ゴマ油、アマニ油、ヒマワリ油、落花生油、綿実油、オリーブ油、コメ油、パーム油、糠油、荏油、グレープシード油等の植物油;豚脂(ラード)、牛脂、鶏油、羊脂、馬脂、魚油、鯨油、バター等の動物油等が挙げられる。また、これらの油をエステル交換したエステル交換油や、これらの油に水素添加した硬化油等も用いることができる。本発明の組成物が含有し得る油は、精製されたもの(例、サラダ油等)であってよい。本発明の組成物が含有し得る油は、好ましくは植物油であり、より好ましくはキャノーラ油、大豆油、ナタネ油である。これらの油は一種単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物が油を含有する場合、本発明の組成物における油の含有量は、羽根の外観、食感を効果的に向上し得ることから、本発明の組成物に対して、好ましくは4重量%以上であり、より好ましくは5重量%以上であり、特に好ましくは7重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対して、通常40重量%以下であり、調理器具への油残りを抑え得ることから、好ましくは32重量%以下であり、より好ましくは30重量%以下であり、特に好ましくは28重量%以下である。
本発明の組成物は、アルギニン等に加えて、乳化剤を含有してよい。本発明において用いられ得る乳化剤は、食用であれば特に制限されないが、例えば、レシチン、酵素分解レシチン、シュガーエステル、モノグリセロール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの乳化剤は一種単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において用いられ得る乳化剤の製造方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法によって製造したものを用いてよい。乳化剤は、市販品を用いてもよく、簡便であることから好ましい。
本発明の組成物が乳化剤を含有する場合、本発明の組成物における乳化剤の含有量は、乳化作用が得られれば特に制限されないが、本発明の組成物に対して、好ましくは0.1重量%以上であり、より好ましくは0.2重量%以上であり、特に好ましくは0.3重量%以上である。また当該含有量は、含有量に比例して所望の乳化作用が得られることから、本発明の組成物に対して、好ましくは1.5重量%以下であり、より好ましくは1.2重量%以下であり、特に好ましくは1重量%以下である。
本発明の組成物は、アルギニンに加え、水、デンプン類及び穀物粉から選択される少なくとも一つ、並びに油を更に含有することが好ましく、その場合、本発明の組成物における、遊離又は塩形態のアルギニン、水、デンプン類及び穀物粉から選択される少なくとも一つ、並びに油の含有量をそれぞれa〜d重量部とし、かつ当該a〜dの合計(=a+b+c+d)を100重量部としたとき、当該a〜dの重量比(a:b:c:d)は、羽根の外観、食感を効果的に向上し得ることから、好ましくは、a(遊離又は塩形態のアルギニン):b(水):c(デンプン類及び穀物粉から選択される少なくとも一つ):d(油)=0.03〜2.2:55〜95:0.8〜15:3〜40であり、より好ましくは、a:b:c:d=0.03〜1.7:55〜95:0.8〜15:3〜40であり、特に好ましくは、a:b:c:d=0.03〜1.7:62〜95:0.8〜15:3〜32である。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない限り、アルギニンに加え、餃子のバッター液が通常含有し得る成分(例、調味料(醤油等)、塩類、糖類、アミノ酸類、ガム類、セルロース類、乳化補助剤等)を任意で含有してよい。
本発明の組成物の調製方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で調製し得る。例えば、本発明の組成物が、アルギニン、水、デンプン類又は穀物粉、並びに、油を含有する場合、これらを市販の混合撹拌装置等を用いて撹拌すること等によって調製できる。
本発明の組成物は、乳化していることが好ましく、すなわち本発明の組成物は、乳化組成物であることが好ましい。本発明の組成物は、乳化させることより、その性状が均一となり、餃子の羽根や焼き面の官能特性(外観、食感等)を、より効果的に向上させ得る。本発明の組成物の乳化方法は特に制限されず、市販の混合撹拌装置等を用いて、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で行い得る。
本出願の組成物の形態は特に制限されないが、常温(25℃)において非固形であることが好ましい。本発明において、常温(25℃)において「非固形である」とは、常温(25℃)において流動性を有することをいい、そのような形態としては、例えば、液状、スラリー状、ペースト状等が挙げられる。
本発明の組成物は、冷凍餃子を喫食に適した状態とするための加熱調理とは別に、凍結前に予め加熱されたものであってよく、又は実質的に未加熱のものであってもよい。本発明の組成物が加熱されたものである場合、その加熱方法としては、例えば、蒸し加熱等が挙げられる。加熱条件(例、加熱温度、加熱時間等)も特に制限されず、加熱方法等に応じて適宜設定すればよいが、加熱温度は通常70〜120℃、好ましくは90〜100℃であり、加熱時間は通常1〜30分間、好ましくは5〜10分間である。冷凍餃子に凍結状態で付着する本発明の組成物は、後述するように、冷凍餃子を喫食に適した状態となるよう加熱調理する際に、あわせて加熱調理され、加熱調理後の餃子の焼き面、その周辺部に羽根を形成するものであるため、本発明の組成物を凍結前に予め加熱する場合、その加熱条件(例、加熱温度、加熱時間等)は、本発明の組成物の水分を過度に蒸発させて固形化させること等がないよう、調整することが好ましい。
本発明において、本発明の組成物が「実質的に未加熱」であるとは、本発明の組成物が全く加熱されていないことか、又は、本発明の組成物に含有される成分(例、穀物粉等)が熱変性しない程度の軽度の加熱処理が施されていることを意味する。
本発明の組成物は、餃子羽根形成用として好適に用いられ得る。本発明において「餃子羽根形成用」組成物とは、餃子の羽根の素となる組成物をいい、当該組成物は、餃子とあわせて、組成物中の水分が蒸発するように加熱調理(例、蒸し、焼き等)に供されること等によって、当該餃子の焼き面、その周辺部に羽根を形成し得る。本発明において餃子の「羽根」とは、通常、タンパク質、デンプン等を含む水性液(例、バッター液等)を、餃子とあわせて加熱調理(例、蒸し、焼き等)に供すること等によって、餃子の焼き面、その周辺部に形成される、薄膜状のパリパリとした食感を有する部分をいい、一般に「バリ」等とも称される。
本発明の組成物は、バッター液として提供され得る。
本発明の冷凍餃子は、本発明の組成物を用いて製造されたものであれば特に制限されないが、本発明の冷凍餃子は、一態様として、本発明の組成物(アルギニンを含有する組成物)が、冷凍餃子に、凍結状態で付着している形態等で提供され得る。すなわち、本発明の冷凍餃子は、一態様として、本発明の組成物が、凍結状態で付着している冷凍餃子であり得る。
尚、本発明において「冷凍餃子」とは、上述の通り、凍結状態の餃子、あるいは、凍結状態の餃子と凍結状態の食品材料とを含む冷凍食品をいうことから、本発明の組成物が凍結状態で付着している冷凍餃子は、換言すると、凍結状態の餃子と当該餃子に凍結状態で付着している本発明の組成物とを含む冷凍食品とも言い得る。
以下において、本発明の冷凍餃子の一態様である、本発明の組成物が凍結状態で付着している冷凍餃子について説明する。
本発明の組成物を付着させる餃子は特に制限されず、例えば、餃子の形状、サイズ、中具及び外皮の成分、構成、量等を、所望の餃子に応じて適宜決定してよく、また中具及び外皮の製造方法、中具の包み方等は、自体公知の方法又はそれに準ずる方法により行ってよい。中具、外皮は市販品を用いてもよく、あるいは市販の餃子を用いてもよい。
本発明の組成物を付着させる餃子は、生餃子(すなわち、中具を外皮で包んだのみで加熱していない餃子)であってよく、又は加熱済み餃子(すなわち、加熱処理に供した餃子)であってもよい。加熱済み餃子を用いる場合、その加熱方法は特に制限されないが、例えば、蒸し加熱等が挙げられる。加熱条件(例、加熱温度、加熱時間等)も特に制限されず、加熱方法等に応じて適宜設定すればよいが、加熱温度は通常70〜120℃、好ましくは90〜100℃であり、加熱時間は通常1〜30分間、好ましくは5〜10分間である。本発明の組成物を付着させる餃子が、加熱済み餃子であり、かつ、本発明の組成物も加熱されたものである場合、これらの加熱は同時に行ってよい。
本発明の組成物を付着させる餃子は、本発明の目的を損なわない限り、冷凍餃子に慣用の処理(例えば、中具の野菜等に含まれる酵素を失活させる処理等)を適宜施されていてよい。
本発明の組成物を凍結状態で、冷凍餃子に付着させる方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で行えばよいが、例えば、本発明の組成物を容器(例、トレイ等)に充填した後、当該組成物に、餃子の外皮の少なくとも一部が接触するように餃子を配置し、その状態で凍結処理に供すること等により、本発明の組成物が凍結状態で付着した冷凍餃子を得ることができる。また、本発明の組成物と餃子とを、それぞれ別々に凍結処理に供した後、得られた凍結物同士を接着することによっても、本発明の組成物が凍結状態で付着した冷凍餃子を得ることができる。
餃子及び本発明の組成物の凍結処理は、自体公知の方法又はそれに準ずる方法によって行えばよく特に制限されないが、凍結温度は通常−10℃以下であり、好ましくは−15℃以下である。
本発明の組成物の、冷凍餃子への付着量は、調理時に十分な羽根が形成されなかったり、調理時間が長くなったりすることなく、好ましい外観、食感を有する羽根が形成され得ることから、餃子100重量部に対して、好ましくは10〜65重量部であり、より好ましくは11〜60重量部であり、更に好ましくは15〜50重量部であり、特に好ましくは17〜47重量部である。
本発明の組成物は、少なくとも冷凍餃子の焼き面に付着することが好ましい。本発明において餃子の「焼き面」とは、焼き器(例、フライパン、鉄板、ホットプレート等)を用いて餃子を加熱調理(例、蒸し焼き等)する際、該加熱調理によって焼き目(焦げ目)が付与されるように、(所望によりバッター液等を介して)焼き器に接するか、又は近接して配置される面をいう。本発明の組成物は、冷凍餃子の焼き面の全部に付着するものであってよく、又は焼き面の一部に付着するものであってもよい。本発明の組成物は、冷凍餃子の焼き面に加え、当該焼き面に連続する側面部にも付着してよい。
本発明の冷凍餃子を喫食に適した状態とするための加熱調理方法は特に制限されず、その形態等に応じ、冷凍餃子の加熱調理方法として慣用の方法を用いればよいが、本発明の冷凍餃子が、一態様として、本発明の組成物が凍結状態で付着している冷凍餃子として提供される場合、例えば、焼き器(例、フライパン、鉄板、ホットプレート等)を用いて冷凍餃子を加熱(例、蒸し加熱、焼き加熱)する方法等が挙げられる。本発明の冷凍餃子を、焼き器を用いて加熱する場合、当該加熱の際に水を加えないことが好ましい。焼き器を用いて加熱する際に水を加えないことにより、餃子が周囲の熱湯から加熱されることなく、主に焼き面から加熱されるため、外皮のコシが損なわれることなく好ましい食感となり得、また餃子の中具も、焼き面から主に加熱されることにより、過加熱状態となって汁が流出することなく、好ましい食感となり得る。また、本発明の冷凍餃子を、焼き器を用いて加熱する場合、当該加熱の際に油を加えないことが好ましい。焼き器を用いて加熱する際に油を加えないことにより、加熱操作が容易になり、また油ハネの発生が抑えられ、火傷等を防止し得る。
本発明の組成物が凍結状態で付着している冷凍餃子は、当該冷凍餃子を喫食に適した状態となるよう加熱調理する際に、本発明の組成物もあわせて加熱調理され、加熱調理後の餃子の焼き面、その周辺部に羽根が形成され得る。
本発明の冷凍餃子は、容器(例、トレイ等)に収容されて提供されるものであってよい。本発明の冷凍餃子を収容する容器は特に制限されず、慣用の容器を用いればよいが、例えば、国際公開第2014/007387号、国際公開第2016/19882号等に記載の容器、トレイを用い得る。本発明の冷凍餃子は、容器に収容せず、外装袋に収容されて提供されてもよい。
本発明の冷凍餃子によれば、羽根のキメが細かく、餃子の焼き面、羽根に程良い焼き色がつき、羽根のへたりが抑えられ、また、羽根が好ましいクリスピー感を有するという、羽根、焼き面の外観、食感が向上した餃子(羽根つき餃子)を得ることができる。
本発明において、餃子の羽根の「キメが細かい」とは、餃子の羽根に大きな穴等がなく、羽根の表面の形状(凹凸)が整い、全体的になめらかであることをいう。餃子の羽根のキメの細かさの程度は、例えば、専門パネルによる官能評価等によって評価し得る。
本発明において、餃子の焼き面、羽根の「焼き色」とは、餃子を加熱した際に、熱によって焼き面、羽根の表面につく色を意味し、通常、褐色である。また餃子の焼き面、羽根に「程良い焼き色がつく」とは、焼き面、羽根に、焼き色がついていない部分(白抜け)や、黒く焦げた部分等がなく、焼きムラが抑えられ、全体に同程度の褐色の焼き色がつくことをいう。餃子の焼き面、羽根の焼き色は、例えば、専門パネルによる官能評価等によって評価し得る。
本発明において、餃子の羽根のへたりとは、羽根が経時的に湾曲することをいう。へたりを生じた羽根は、外観上好ましくなく、餃子の羽根は、へたりが抑えられるよう、しっかりとした硬さを有していることが望ましい。餃子の羽根のへたりの有無や程度は、例えば、専門パネルによる官能評価等によって評価し得る。
本発明において、餃子の羽根の「クリスピー感」とは、歯切れの良いパリパリとした食感をいう。餃子の羽根のクリスピー感の有無や程度は、例えば、専門パネルによる官能評価等によって評価し得る。
本発明によれば、冷凍餃子の調理性を向上し得、本発明の冷凍餃子は、その加熱調理において、餃子の焼き面の焦げ、羽根の損壊、フライパンへの貼りつき等を生じることが抑えられ、また、加熱し過ぎた場合であっても、餃子の焼き面の焦げ、羽根の損壊、フライパンへの貼りつきが抑えられ得る。冷凍餃子の調理性の向上は、消費者等における加熱調理の失敗を減らし、高品質の餃子を調理の熟練を要さずに簡便に得られるようになることから、消費者の満足度にも影響し得る。
本発明は、餃子付着用組成物も提供する。本発明の餃子付着用組成物は、本発明の冷凍餃子において用いられる本発明の組成物(上述)と、成分、製造方法等を同様とし、好ましい態様も同様である。
本発明において「餃子付着用」組成物とは、餃子の外皮(例、焼き面等)に付着させるための組成物をいい、餃子の中具を調製する際に、中具に添加される組成物とは異なるものである。
本発明の餃子付着用組成物は、キメが細かく、程良い焼き色がつき、へたりが抑えられ、好ましいクリスピー感を有するという、外観、食感が向上した羽根を、餃子に形成し得る。また本発明の餃子付着用組成物は、餃子の焼き面に程良い焼き色をつけ、焼き面の外観を向上し得る。
本発明は、本発明の組成物が凍結状態で付着している冷凍餃子を加熱することを含む、羽根つき餃子の製造方法も提供する。本発明の組成物が凍結状態で付着している冷凍餃子は、本発明の冷凍餃子の一態様として上述したものと同様のものを用い得、好ましい態様も同様である。また冷凍餃子の加熱方法も、本発明の冷凍餃子の加熱料理方法と同様、焼き器(例、フライパン、鉄板、ホットプレート等)を用いて加熱し得る。
本発明の羽根つき餃子の製造方法によれば、羽根のキメが細かく、餃子の焼き面、羽根に程良い焼き色がつき、羽根のへたりが抑えられ、また、羽根が好ましいクリスピー感を有するという、羽根、焼き面の外観、食感が向上した餃子(羽根つき餃子)を製造し得る。
本発明の羽根つき餃子の製造方法によれば、加熱調理において、餃子の焼き面の焦げ、羽根の損壊、フライパンへの貼りつき等を生じることが抑えられ、更に、加熱し過ぎた場合であっても、餃子の焼き面の焦げ、羽根の損壊、フライパンへの貼りつきが抑えられるという、調理性が向上した餃子(羽根つき餃子)も製造し得る。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
<生餃子の作製>
下記の試験例1〜10において用いた生餃子は、いずれも下記の通り作製した。
挽肉(豚挽肉及び鶏挽肉を合わせたもの)260g、野菜(キャベツ、たまねぎ、ニラ、ニンニクをそれぞれみじん切りにし、合わせたもの)550g、卵白25g、ごま油20g、酒10g、香辛料及び調味料32g(香辛料及び調味料の合計量)を混合し、中具を調製した。得られた中具12gを、市販の餃子の皮(1枚:5g)で包み、生餃子を作製した(生餃子1個の重量:17g)。
<試験例1>
(コントロールのバッター液の調製)
下表1に示す原料のうち、穀物粉(米粉)及び水を、下表1に示す配合割合で混合し、市販のホモジナイザー(IKAジャパン株式会社製、「T50 digital ULTRA−TURRAX(登録商標)」)を用いて撹拌(撹拌条件:6400rpm、3分間)した後、油(キャノーラ油)及び乳化剤(レシチン)を、下表1に示す配合割合で加え、再度、市販のホモジナイザー(IKAジャパン株式会社製、「T50 digital ULTRA−TURRAX(登録商標)」)を用いて撹拌(撹拌条件:6400rpm、5分間)して乳化させ、コントロールのバッター液を調製した。
(実施例1のバッター液の調製)
下表2に示す原料のうち、アルギニン、穀物粉(米粉)及び水を、下表2に示す配合割合で混合し、市販のホモジナイザー(IKAジャパン株式会社製、「T50 digital ULTRA−TURRAX(登録商標)」)を用いて撹拌(撹拌条件:6400rpm、3分間)した後、油(キャノーラ油)及び乳化剤(レシチン)を、下表2に示す配合割合で加え、再度、市販のホモジナイザー(IKAジャパン株式会社製、「T50 digital ULTRA−TURRAX(登録商標)」)を用いて撹拌(撹拌条件:6400rpm、5分間)して乳化させ、実施例1のバッター液を調製した。
(比較例1〜5のバッター液の調製)
アルギニン(配合割合:0.5重量%)に代えて、下表3に示す各原料を、それぞれ下表3に示す配合割合で使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、比較例1〜5の各バッター液を調製した。
(コントロール、実施例1及び比較例1〜5の冷凍餃子の作製)
コントロール、実施例1及び比較例1〜5のバッター液を用いて、各バッター液が凍結状態で焼き面に付着している冷凍餃子(コントロール、実施例1及び比較例1〜5の冷凍餃子)を作製した。
コントロール、実施例1及び比較例1〜5の冷凍餃子の作製は、凹部を有するトレイを使用して行い、具体的には、まず当該トレイの凹部に、コントロール、実施例及び比較例1〜5の各バッター液を5g充填し、次いで、当該トレイに生餃子(生餃子1個の重量:17g)を、その焼き面が、凹部に充填したバッター液に接するように配置して、95℃で9分間蒸した後、25℃で10分間放冷し、そのまま餃子がバッター液に付着した状態で冷凍庫(庫内温度:−30℃)にて急速凍結することにより、コントロール、実施例1及び比較例1〜5の冷凍餃子をそれぞれ得た。
(官能評価)
コントロール、実施例1及び比較例1〜5の各冷凍餃子を12個ずつ、直径26cmのフライパンに並べて蓋を被せ、まず中火で5分間蒸し焼きし、次いで、蓋を取り、中火で1分30秒間焼いて、羽根を有する焼き餃子(羽根つき餃子)を作製した後、得られた焼き餃子の外観(「羽根のキメの細かさ」、「羽根及び焼き面の焼き色の濃さ」、「羽根のへたり」)及び羽根の食感(「羽根のクリスピー感の強さ」)について、専門パネル5名で官能評価を行った。
官能評価は、専門パネル5名が、各評価項目について、コントロールを3点とする下記の評価基準に基づき、0.5点刻みで評点付けした後、専門パネルの評点の平均値を算出することにより行った。
尚、5名の専門パネルは、「羽根のキメの細かさ」、「羽根及び焼き面の焼き色の濃さ」、「羽根のへたり」、「羽根のクリスピー感の強さ」の各評価基準について、評点が0.5点変動するには、羽根のキメの細かさ、羽根及び焼き面の焼き色の濃さ、羽根のへたり、羽根のクリスピー感の強さがどの程度変動すればよいのか等をパネル間で共通となるよう予め訓練された。
[羽根のキメの細かさ(外観の評価項目1)]
1点:コントロールに比べ、とても弱い
2点:コントロールに比べ、弱い
3点:コントロールと変わらない
4点:コントロールに比べ、強い
5点:コントロールに比べ、とても強い
[羽根及び焼き面の焼き色の濃さ(外観の評価項目2)]
1点:コントロールに比べ、とても弱い
2点:コントロールに比べ、弱い
3点:コントロールと変わらない
4点:コントロールに比べ、強い
5点:コントロールに比べ、とても強い
[羽根のへたり(外観の評価項目3)]
1点:コントロールに比べ、とてもへたっている
2点:コントロールに比べ、へたっている
3点:コントロールと変わらない
4点:コントロールに比べ、しっかりしている
5点:コントロールに比べ、とてもしっかりしている
[羽根のクリスピー感(食感の評価項目)]
1点:コントロールに比べ、とても弱い
2点:コントロールに比べ、弱い
3点:コントロールと変わらない
4点:コントロールに比べ、強い
5点:コントロールに比べ、とても強い
結果を下表4に示す。
表4に示される結果から明らかなように、アルギニンを含有する実施例1のバッター液が凍結状態で付着した本発明の冷凍餃子によって得られた餃子(羽根つき餃子)は、羽根のキメの細かさ、羽根及び焼き面の焼き色の濃さ、羽根のへたり、並びに、羽根のクリスピー感の強さのいずれも向上した。当該結果から、アルギニンを、餃子(羽根つき餃子)の羽根の素となる組成物(例、バッター液等)に添加することによって、餃子の羽根や焼き面の官能特性を効果的に向上させ得ることが確認された。
<試験例2>
(実施例2のバッター液の調製)
アルギニン(配合割合:0.5重量%)に代えて、アルギニン塩酸塩を使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、実施例2のバッター液を調製した。
(実施例3のバッター液の調製)
表2に示す原料に加えて、無水クエン酸(配合割合:0.2重量%)を更に使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、実施例3のバッター液を調製した。
(実施例2、3の冷凍餃子の作製)
実施例2、3のバッター液を用いて、各バッター液が凍結状態で焼き面に付着している冷凍餃子(実施例2、3の冷凍餃子)を作製した。
実施例2、3の冷凍餃子の作製は、試験例1と同様に行った。
(官能評価)
実施例2、3の各冷凍餃子を12個ずつ、直径26cmのフライパンに並べて蓋を被せ、まず中火で5分間蒸し焼きし、次いで、蓋を取り、中火で1分30秒間焼いて、羽根を有する焼き餃子(羽根つき餃子)を作製した後、得られた焼き餃子の外観(「羽根のキメの細かさ」、「羽根及び焼き面の焼き色の濃さ」、「羽根のへたり」)及び羽根の食感(「羽根のクリスピー感の強さ」)について、専門パネル5名で官能評価を行った。
官能評価は、試験例1と同様の方法で行った。
結果を下表5に示す。尚、下表5には、試験例1の実施例1及びコントロールの結果も併記した。
(バッター液のpHの測定)
コントロール、実施例1〜3のバッター液のpHを、突き刺し型のpHメーター(HACH社製、ISFET電極pHメーター Hシリーズ「H160」)を用いて、それぞれ測定した。結果を下表5に示す。
表5に示される結果から明らかなように、アルギニン塩酸塩を含有する実施例2のバッター液が凍結状態で付着した本発明の冷凍餃子によって得られた餃子(羽根つき餃子)は、羽根のキメの細かさ、羽根及び焼き面の焼き色の濃さ、羽根のへたり、並びに、羽根のクリスピー感の強さのいずれも向上した。当該結果から、塩形態のアルギニンも、遊離形態のアルギニンと同様に、餃子(羽根つき餃子)の羽根の素となる組成物(例、バッター液等)に添加することよって、餃子の羽根や焼き面の官能特性を効果的に向上させ得ることが確認された。
また実施例1からpHを変更した実施例3のバッター液を用いても、実施例1と同様の効果が確認されたことから、アルギニンを添加した組成物のpHにかかわらず、餃子の羽根や焼き面の官能特性を効果的に向上させ得ることが確認された。
<試験例3>
(実施例4〜7のバッター液の調製)
穀物粉(米粉)に代えて、下表6に示す各原料(デンプン、加工デンプン)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、実施例4〜7の各バッター液を調製した。
(実施例4〜7の冷凍餃子の作製)
実施例4〜7のバッター液を用いて、各バッター液が凍結状態で焼き面に付着している冷凍餃子(実施例4〜7の冷凍餃子)を作製した。
実施例4〜7の冷凍餃子の作製は、試験例1と同様に行った。
(官能評価)
実施例4〜7の各冷凍餃子を12個ずつ、直径26cmのフライパンに並べて蓋を被せ、まず中火で5分間蒸し焼きし、次いで、蓋を取り、中火で1分30秒間焼いて、羽根を有する焼き餃子(羽根つき餃子)を作製した後、得られた焼き餃子の外観(「羽根のキメの細かさ」、「羽根及び焼き面の焼き色の濃さ」、「羽根のへたり」)及び羽根の食感(「羽根のクリスピー感の強さ」)について、専門パネル5名で官能評価を行った。
官能評価は、試験例1と同様の方法で行った。
結果を下表7に示す。尚、下表7には、試験例1の実施例1及びコントロールの結果も併記した。
表7に示される結果から明らかなように、実施例1で用いられた穀物粉に代えて、デンプン、加工デンプンを用いた実施例4〜7の各バッター液が凍結状態で付着した本発明の冷凍餃子によって得られた餃子(羽根つき餃子)は、実施例1と同様に、いずれも羽根のキメの細かさ、羽根及び焼き面の焼き色の濃さ、羽根のへたり、並びに、羽根のクリスピー感の強さのいずれも向上した。
<試験例4>
(実施例8のバッター液の調製)
乳化剤(レシチン)を使用しなかったこと、バッター液を乳化させる際の撹拌速度を6400rpmから9400rpmに変更したこと以外は、実施例1と同様の手順で、実施例8のバッター液を調製した。
(実施例8の冷凍餃子の作製)
実施例8のバッター液を用いて、バッター液が凍結状態で焼き面に付着している冷凍餃子(実施例8の冷凍餃子)を作製した。
実施例8の冷凍餃子の作製は、試験例1と同様に行った。
(官能評価)
実施例8の冷凍餃子を12個、直径26cmのフライパンに並べて蓋を被せ、まず中火で5分間蒸し焼きし、次いで、蓋を取り、中火で1分30秒間焼いて、羽根を有する焼き餃子(羽根つき餃子)を作製した後、得られた焼き餃子の外観(「羽根のキメの細かさ」、「羽根及び焼き面の焼き色の濃さ」、「羽根のへたり」)及び羽根の食感(「羽根のクリスピー感の強さ」)について、専門パネル5名で官能評価を行った。
官能評価は、試験例1と同様の方法で行った。
結果を下表8に示す。尚、下表8には、試験例1の実施例1及びコントロールの結果も併記した。
表8に示される結果から明らかなように、乳化剤を含まない実施例8のバッター液を用いても、実施例1と同様の効果が確認されたことから、アルギニンを添加した組成物の乳化剤の有無にかかわらず、餃子の羽根や焼き面の官能特性を効果的に向上させ得ることが確認された。
<試験例5>
(実施例9〜15のバッター液の調製)
アルギニンの配合割合「0.5重量%」を、下表9に示す割合(0.05〜2重量%)に変更したこと以外は、試験例1の実施例1と同様の手順で、実施例4〜10のバッター液を、それぞれ調製した。
(実施例9〜15の冷凍餃子の作製)
実施例9〜15のバッター液を用いて、各バッター液が凍結状態で焼き面に付着している冷凍餃子(実施例9〜15の冷凍餃子)を作製した。
実施例9〜15の冷凍餃子の作製は、試験例1と同様に行った。
(官能評価)
実施例9〜15の各冷凍餃子を12個ずつ、直径26cmのフライパンに並べて蓋を被せ、まず中火で5分間蒸し焼きし、次いで、蓋を取り、中火で1分30秒間焼いて、羽根を有する焼き餃子(羽根つき餃子)を作製した後、得られた焼き餃子の外観(「羽根のキメの細かさ」、「羽根及び焼き面の焼き色の濃さ」、「羽根のへたり」)及び羽根の食感(「羽根のクリスピー感の強さ」)について、専門パネル5名で官能評価を行った。
官能評価は、試験例1と同様の方法で行った。
結果を下表9に示す。尚、下表9には、試験例1の実施例1及びコントロールの結果も併記した。
表9に示される結果から明らかなように、アルギニンの配合割合が0.05〜2重量%である実施例9〜15の各バッター液が凍結状態で付着した本発明の冷凍餃子によって得られた餃子(羽根つき餃子)は、いずれも羽根のキメの細かさ、羽根及び焼き面の焼き色の濃さ、羽根のへたり、並びに、羽根のクリスピー感の強さのいずれも向上した。アルギニンの配合割合が1.5重量%を超えると、食味への影響が大きい傾向が確認されたこと等から、アルギニンの配合割合は、0.05〜1.5重量%が好ましく、0.1〜1重量%がより好ましく、0.2〜0.8重量%が特に好ましかった。
<試験例6>
(実施例16の冷凍餃子の作製)
試験例1の実施例1のバッター液を用いて、未加熱のバッター液が凍結状態で焼き面に付着している冷凍餃子(実施例16の冷凍餃子)を作製した。
実施例16の冷凍餃子の作製は、試験例1と同様に凹部を有するトレイを使用して行い、具体的には、当該トレイに生餃子(生餃子1個の重量:17g)を載せて、95℃で9分間蒸し、25℃で10分間放冷した後、当該トレイの凹部に、実施例1のバッター液5gを、餃子の焼き面と接するように充填し、その状態で冷凍庫(庫内温度:−30℃)にて急速凍結することにより、実施例16の冷凍餃子を得た。
(官能評価)
実施例16の冷凍餃子を12個、直径26cmのフライパンに並べて蓋を被せ、まず中火で5分間蒸し焼きし、次いで、蓋を取り、中火で1分30秒間焼いて、羽根を有する焼き餃子(羽根つき餃子)を作製した後、得られた焼き餃子の外観(「羽根のキメの細かさ」、「羽根及び焼き面の焼き色の濃さ」、「羽根のへたり」)及び羽根の食感(「羽根のクリスピー感の強さ」)について、専門パネル5名で官能評価を行った。
官能評価は、試験例1と同様の方法で行った。
結果を下表10に示す。尚、下表10には、試験例1の実施例1及びコントロールの結果も併記した。
表10に示される結果から明らかなように、未加熱の実施例16のバッター液を用いても、実施例1と同様の効果が確認されたことから、アルギニンを添加した組成物の加熱の有無にかかわらず、餃子の羽根や焼き面の官能特性を効果的に向上させ得ることが確認された。
<試験例7>
(実施例17〜23のバッター液の調製)
穀物粉(米粉)の配合割合「5重量%」を、下表10に示す割合(1〜12重量%)に変更したこと以外は、試験例1の実施例1と同様の手順で、実施例17〜23のバッター液を、それぞれ調製した。
(実施例17〜19の冷凍餃子の作製)
実施例17〜19のバッター液を用いて、各バッター液が凍結状態で焼き面に付着している冷凍餃子(実施例17〜19の冷凍餃子)を作製した。
実施例17〜19の冷凍餃子の作製は、試験例1と同様に行った。
(実施例20〜23の冷凍餃子の作製)
試験例20〜23のバッター液を用いて、未加熱の各バッター液が凍結状態で焼き面に付着している冷凍餃子(実施例20〜23の冷凍餃子)を作製した。
実施例20〜23の冷凍餃子の作製は、試験例6と同様に行った。
(官能評価)
実施例17〜23の各冷凍餃子を12個ずつ、直径26cmのフライパンに並べて蓋を被せ、まず中火で5分間蒸し焼きし、次いで、蓋を取り、中火で1分30秒間焼いて、羽根を有する焼き餃子(羽根つき餃子)を作製した後、得られた焼き餃子の外観(「羽根のキメの細かさ」、「羽根及び焼き面の焼き色の濃さ」、「羽根のへたり」)及び羽根の食感(「羽根のクリスピー感の強さ」)について、専門パネル5名で官能評価を行った。
官能評価は、試験例1と同様の方法で行った。
結果を下表11、12に示す。尚、下表11、12には、試験例1の実施例1及びコントロールの結果も併記した。
表11、12に示される結果から明らかなように、穀物粉(米粉)の配合割合が1〜12重量%である実施例17〜23の各バッター液が凍結状態で付着した本発明の冷凍餃子によって得られた餃子(羽根つき餃子)は、いずれも羽根のキメの細かさ、羽根及び焼き面の焼き色の濃さ、羽根のへたり、並びに、羽根のクリスピー感の強さのいずれも向上した。穀物粉(米粉)の配合割合は2〜8重量%が好ましかった。
<試験例8>
(実施例24〜27のバッター液の調製)
油(キャノーラ油)の配合割合「10重量%」を、下表13に示す割合(5〜35重量%)に変更したこと以外は、試験例1の実施例1と同様の手順で、実施例24〜27のバッター液を、それぞれ調製した。
(実施例24〜27の冷凍餃子の作製)
実施例24〜27のバッター液を用いて、各バッター液が凍結状態で焼き面に付着している冷凍餃子(実施例24〜27の冷凍餃子)を作製した。
実施例24〜27の冷凍餃子の作製は、試験例1と同様に行った。
(官能評価)
実施例24〜27の各冷凍餃子を12個ずつ、直径26cmのフライパンに並べて蓋を被せ、まず中火で5分間蒸し焼きし、次いで、蓋を取り、中火で1分30秒間焼いて、羽根を有する焼き餃子(羽根つき餃子)を作製した後、得られた焼き餃子の外観(「羽根のキメの細かさ」、「羽根及び焼き面の焼き色の濃さ」、「羽根のへたり」)及び羽根の食感(「羽根のクリスピー感の強さ」)について、専門パネル5名で官能評価を行った。
官能評価は、試験例1と同様の方法で行った。
結果を下表13に示す。尚、下表13には、試験例1の実施例1及びコントロールの結果も併記した。
表13に示される結果から明らかなように、油の配合割合が5〜35重量%である実施例24〜27の各バッター液が凍結状態で付着した本発明の冷凍餃子によって得られた餃子(羽根つき餃子)は、いずれも羽根のキメの細かさ、羽根及び焼き面の焼き色の濃さ、羽根のへたり、並びに、羽根のクリスピー感の強さのいずれも向上した。油の配合割合が30重量%を超えると、フライパンに油が多く残り調理性が低下する傾向が確認されたこと等から、油の配合割合は、5〜30重量%が好ましく、7〜28重量%がより好ましかった。
<試験例9>
(実施例28〜31の冷凍餃子の作製)
実施例1のバッター液を用いて、下表14に示す量(2〜10g)のバッター液が、凍結状態で焼き面に付着している冷凍餃子(実施例28〜31の冷凍餃子)を作製した。
実施例28〜31の冷凍餃子の作製は、トレイの凹部に充填する実施例1のバッター液の量「5g」を、下表14に示す量(2〜10g)に変更したこと以外は、試験例1と同様に行った。
(官能評価)
実施例28〜31の各冷凍餃子を12個ずつ、直径26cmのフライパンに並べて蓋を被せ、まず中火で5分間蒸し焼きし、次いで、蓋を取り、実施例28及び29については、中火で1分30秒間焼き、バッター液の付着量が比較的多い実施例30及び31については、それぞれ中火で3分間及び5分間焼いて、羽根を有する焼き餃子(羽根つき餃子)を作製した後、得られた焼き餃子の外観(「羽根のキメの細かさ」、「羽根及び焼き面の焼き色の濃さ」、「羽根のへたり」)及び羽根の食感(「羽根のクリスピー感の強さ」)について、専門パネル5名で官能評価を行った。
官能評価は、試験例1と同様の方法で行った。
結果を下表14に示す。尚、下表14には、試験例1の実施例1及びコントロールの結果も併記した。
表14に示される結果から明らかなように、実施例1のバッター液が凍結状態で、生餃子1個あたり2〜10g(生餃子100重量部に対して、11.8〜58.8重量部)付着した本発明の冷凍餃子によって得られた餃子(羽根つき餃子)は、いずれも羽根のキメの細かさ、羽根及び焼き面の焼き色の濃さ、羽根のへたり、並びに、羽根のクリスピー感の強さのいずれも向上した。アルギニンを添加した組成物の餃子への付着量は、餃子1個あたり3〜8g(餃子100重量部に対して、17.6〜47.1重量部)が好ましかった。
<試験例10>
(調理性の官能評価)
[通常加熱品]
試験例1と同様に作製したコントロール及び実施例1の各冷凍餃子を12個ずつ、直径26cmのフライパンに並べて蓋を被せ、まず中火で5分間蒸し焼きし、次いで、蓋を取り、中火で1分30秒間焼いて、焼き餃子を作製した。
[過加熱品]
試験例1と同様に作製したコントロール及び実施例1の各冷凍餃子を12個ずつ、直径26cmのフライパンに並べて蓋を被せ、まず中火で5分間蒸し焼きし、次いで、蓋を取り、中火で4分間焼いて、焼き餃子を作製した。
得られた焼き餃子(通常加熱品及び過加熱品)の「焼面の焦げ」、「羽根の損壊」、「フライパンへの貼りつき」について、専門パネル5名で官能評価を行った。
官能評価は、専門パネル5名が、各評価項目について、コントロールの通常加熱品を3点とする下記の評価基準に基づき、0.5点刻みで評点付けした後、専門パネルの評点の平均値を算出することにより行った。
尚、5名の専門パネルは、「焼面の焦げ」、「羽根の損壊」、「フライパンへの貼りつき」の各評価基準について、評点が0.5点変動するには、焼面の焦げ、羽根の損壊、フライパンへの貼りつきがどの程度変動すればよいのか等をパネル間で共通となるよう予め訓練された。
[焼面の焦げ(調理性の評価項目1)]
1点:コントロールの通常加熱品に比べ、とても多い
2点:コントロールの通常加熱品に比べ、多い
3点:コントロールの通常加熱品と変わらない
4点:コントロールの通常加熱品に比べ、少ない
5点:コントロールの通常加熱品に比べ、とても少ない
[羽根の損壊(調理性の評価項目2)]
1点:コントロールの通常加熱品に比べ、とても多い
2点:コントロールの通常加熱品に比べ、多い
3点:コントロールの通常加熱品と変わらない
4点:コントロールの通常加熱品に比べ、少ない
5点:コントロールの通常加熱品に比べ、とても少ない
[フライパンへの貼りつき(調理性の評価項目3)]
1点:コントロールの通常加熱品に比べ、とても多い
2点:コントロールの通常加熱品に比べ、多い
3点:コントロールの通常加熱品と変わらない
4点:コントロールの通常加熱品に比べ、少ない
5点:コントロールの通常加熱品に比べ、とても少ない
結果を下表15に示す。
表15に示される結果から明らかなように、アルギニンを含有する実施例1のバッター液が凍結状態で付着した本発明の冷凍餃子は、加熱調理において、餃子の焼き面の焦げ、羽根の損壊、フライパンへの貼りつき等を生じることが少なく、また過加熱の場合も、餃子の焼き面の焦げ、羽根の損壊、フライパンへの貼りつきが少なかった。当該結果から、アルギニンを、餃子(羽根つき餃子)の羽根の素となる組成物(例、バッター液等)に添加することよって、当該組成物が凍結状態で付着した冷凍餃子の調理性を向上し得ることが確認された。
本発明によれば、羽根のキメが細かく、餃子の焼き面、羽根に程良い焼き色がつき、羽根のへたり(羽根が経時的に湾曲すること)が抑えられ、また、羽根が好ましいクリスピー感を有するという、羽根、焼き面の外観、食感が向上した餃子(羽根つき餃子)を得ることができる冷凍餃子及びその製造方法を提供できる。
本発明によれば、キメが細かく、程良い焼き色がつき、へたりが抑えられ、好ましいクリスピー感を有するという、外観、食感が向上した羽根を餃子に形成するためや、餃子の焼き面に程良い焼き色をつけ、焼き面の外観を向上するために、好適に用いられ得る組成物(餃子付着用組成物、好ましくは餃子羽根形成用組成物)を提供できる。
本発明によれば、羽根のキメが細かく、餃子の焼き面、羽根に程良い焼き色がつき、羽根のへたり(羽根が経時的に湾曲すること)が抑えられ、また、羽根が好ましいクリスピー感を有するという、羽根、焼き面の外観、食感が向上した餃子(羽根つき餃子)の製造方法を提供できる。

Claims (7)

  1. 遊離又は塩形態のアルギニンを含有する組成物が、凍結状態で付着している冷凍餃子。
  2. 前記組成物における前記アルギニンの含有量が、0.04〜2.5重量%である、請求項1記載の冷凍餃子。
  3. 前記組成物が、水、デンプン類、穀物粉及び油からなる群より選択される少なくとも一つを更に含有する、請求項1又は2記載の冷凍餃子。
  4. 前記組成物が、餃子羽根形成用である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷凍餃子。
  5. 遊離又は塩形態のアルギニンを含有する組成物が付着した餃子を凍結することを含む、冷凍餃子の製造方法。
  6. 遊離又は塩形態のアルギニンを含有する、餃子付着用組成物。
  7. 遊離又は塩形態のアルギニンを含有する組成物が、凍結状態で付着している冷凍餃子を加熱することを含む、羽根つき餃子の製造方法。
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