JP2015127177A - 車両 - Google Patents

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慶明 小西
上田 雅英
Masahide Ueda
雅英 上田
安藤 聡
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Abstract

【課題】第1検出手段の異常を早期に発見可能であり、又は第1検出手段の検出値に基づく誤制御を早期に回避可能である車両を提供する。【解決手段】左後輪速センサ44Aによって検出した左後輪LWrの回転数と、内燃機関回転数センサ47によって検出された内燃機関4の回転数に基づいて求めた左前輪LWfの回転数と、の差異が、トラクションコントロール閾値aよりも大きい異常判定閾値b以上となったときに、左後輪速センサ44Aの異常を判定し、又は左後輪速センサ44Aの検出値に基づく各種制御を禁止する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に関する。
図13に示すように、特許文献1には、前輪駆動用の動力伝達系と後輪駆動用の動力伝達系を備えたハイブリッド車両が記載されている。
前輪駆動用の動力伝達系は、エンジン102と、このエンジン102の出力軸102a上に配設され、エンジン102に直結された発電可能な第1モータ・ジェネレータ103と、エンジン102の出力軸102aに第1クラッチ104を介して断接可能に連結されたプーリ・ベルト式無段変速機(CVT)105と、無段変速機105の出力軸に第2クラッチ106を介して断接可能に連結された動力伝達ギヤ107a、107bと、動力伝達ギヤ107bに連結されたディファレンシャル機構108と、ディファレンシャル機構108に連結された左右のアクスルシャフト109a、109bと、アクスルシャフト109a、109bに連結された左右の前輪110a、110bと、から構成されている。エンジン102の出力軸102a上にはオイルポンプ111が設けられている。第1モータ・ジェネレータ103はPDU113を介して車載のバッテリ112から電力を供給されて運転可能になっている。
一方、後輪駆動用の動力伝達系は、発電可能な第2モータ・ジェネレータ120と、第2モータ・ジェネレータ120の出力軸120aに連結された動力伝達ギヤ121a、121bと、動力伝達ギヤ121bに第3クラッチ122を介して断接可能に連結された動力伝達ギヤ123a、123bと、動力伝達ギヤ123bに連結されたディファレンシャル機構124と、ディファレンシャル機構124に連結された左右のアクスルシャフト125a、125bと、アクスルシャフト125a、125bに連結された左右の後輪126a、126bと、から構成されている。第2モータ・ジェネレータ120はPDU113を介して車載のバッテリ112から電力を供給されて運転可能になっている。
ここで、このハイブリッド車両では、後輪駆動用動力伝達系の第3クラッチ122の締結確認および故障判定を行うために、第3クラッチ122の上流側における第2モータ・ジェネレータ120の回転数を検出するためのモータ回転数センサ127と、第3クラッチ122の下流側における動力伝達ギヤ123aの回転数を検出するためのクラッチ下流回転数センサ128を備える。そして、これら回転数センサ127、128で検出された回転数に対応する電気信号がECU150に入力される。
そして、当該ECU150は、第3クラッチ122の上流側と下流側の回転数差が、所定の閾値100B以上の場合には、第3クラッチ122の故障判定行う。さらに、第3クラッチ122が故障であると判定されたときには、第2モータ・ジェネレータ120の駆動を禁止することにより、第2モータ・ジェネレータ120の過回転及び第2モータ・ジェネレータ120への無駄なトルク印加を防止し、第2モータ・ジェネレータ120を保護することを図っている。
特開2006−50767号公報
ここで、クラッチ下流回転数センサ128の検出値である動力伝達ギヤ123aの回転数を、第3クラッチ122の故障検知に用いる場合、クラッチ下流回転数センサ128に異常がないことが前提であり、当該異常がないことを確認する必要があった。
しかしながら、特許文献1には、クラッチ下流回転数センサ128の異常を判定する方法について記載されていない。また、クラッチ下流回転数センサ128が異常であり、動力伝達ギヤ123aの回転数を適切に検出することができない場合には、第3クラッチ122の故障検知を正しく行うことができない虞がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、第1検出手段の異常を早期に発見可能であり、又は第1検出手段の検出値に基づく誤制御を早期に回避可能である車両を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
前輪(例えば後述の実施形態における左右前輪LWf、RWf)及び後輪(例えば後述の実施形態における左右後輪LWr、RWr)の一方である第1駆動輪(例えば後述の実施形態における左右後輪LWr、RWr)を駆動する第1駆動装置(例えば後述の実施形態における後輪駆動装置1)と、
前記前輪及び前記後輪の他方である第2駆動輪(例えば後述の実施形態における左右前輪LWf、RWf)を駆動する第2駆動装置(例えば後述の実施形態における前輪駆動装置6)と、
前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置の発生する動力を制御する動力制御装置(例えば後述の実施形態におけるECU45)と、
を備えた車両(例えば後述の実施形態における車両3)であって、
前記動力制御装置は、前記第1駆動輪の回転状態量と前記第2駆動輪の回転状態量との差異が、第1閾値(例えば後述の実施形態におけるトラクションコントロール閾値a)以上となった場合に、前記第1駆動装置及び/又は前記第2駆動装置の動力を調整して、前記差異が前記第1閾値未満となるよう制御するもので、
前記車両は、
前記第1駆動輪に設置され、該第1駆動輪の回転状態量である第1回転状態量を検出する第1検出手段(例えば後述の実施形態における左右後輪速センサ44A、44B)と、
前記第2駆動装置に設置され、該第2駆動装置の回転状態量を検出する第2検出手段(例えば後述の実施形態における内燃機関回転数センサ47、前方レゾルバ48、トランスミッション回転数センサ49)と、
を備え、
前記第1検出手段によって検出した前記第1回転状態量と、前記第2検出手段によって検出された回転状態量に基づいて求めた前記第2駆動輪の回転状態量である第2回転状態量と、の差異が、前記第1閾値よりも大きい第2閾値(例えば後述の実施形態における異常判定閾値b)以上となったときに、前記第1検出手段の異常を判定する、又は前記第1検出手段の検出値に基づく制御を禁止する
ことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、
前記車両は、前記第2駆動装置に設置され該第2駆動装置の回転状態量を検出する、又は前記第2駆動輪に設置され該第2駆動輪の回転状態量を検出する第3検出手段(例えば後述の実施形態における内燃機関回転数センサ47、前方レゾルバ48、トランスミッション回転数センサ49、左右前輪速センサ46A、46B、)を備え、
前記第3検出手段の検出値に基づいて、前記第2検出手段の異常を判定する
ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、
前輪(例えば後述の実施形態における左右前輪LWf、RWf)及び後輪(例えば後述の実施形態における左右後輪LWr、RWr)の一方である第1駆動輪(例えば後述の実施形態における左右後輪LWr、RWr)を駆動する第1駆動装置(例えば後述の実施形態における後輪駆動装置1)と、
前記前輪及び前記後輪の他方である第2駆動輪(例えば後述の実施形態における左右前輪LWf、RWf)を駆動する第2駆動装置(例えば後述の実施形態における前輪駆動装置6)と、
前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置の発生する動力を制御する動力制御装置(例えば後述の実施形態におけるECU45)と、
を備えた車両(例えば後述の実施形態における車両3)であって、
前記動力制御装置は、前記第1駆動輪の回転状態量に基づいて求めた前記車両の車速と、前記第2駆動輪の回転状態量に基づいて求めた前記車両の車速と、の差異が、第1閾値(例えば後述の実施形態におけるトラクションコントロール閾値a´)以上となった場合に、前記第1駆動装置及び/又は前記第2駆動装置の動力を調整して、前記差異が前記第1閾値未満となるよう制御するもので、
前記車両は、
前記第1駆動輪に設置され、該第1駆動輪の回転状態量である第1回転状態量を検出する第1検出手段(例えば後述の実施形態における左右後輪速センサ44A、44B)と、
前記第2駆動装置に設置され、該第2駆動装置の回転状態量を検出する第2検出手段(例えば後述の実施形態における内燃機関回転数センサ47、前方レゾルバ48、トランスミッション回転数センサ49)と、
を備え、
前記第1検出手段によって検出した前記第1回転状態量に基づいて求めた前記車両の車速と、前記第2検出手段によって検出された回転状態量に基づいて求めた前記車両の車速と、の差異が、前記第1閾値よりも大きい第2閾値(例えば後述の実施形態における異常判定閾値b´)以上となったときに、前記第1検出手段の異常を判定する、又は前記第1検出手段の検出値に基づく制御を禁止する
ことを特徴とする。
請求項1によれば、第1及び第2検出手段のうち第1検出手段の異常と判定することで、第1検出手段の異常を早期に発見可能となり、又は第1検出手段の検出値に基づく誤制御を早期に回避可能となる。
請求項2によれば、第3検出手段の検出値に基づいて第2検出手段の異常を判定するので、第2検出手段は第1検出手段に比べて誤検出する可能性が少ない。したがって、第1回転状態量と第2回転状態量との差異が第2閾値以上となったときに、第1検出手段の異常である可能性が高くなる。したがって、より精度良く第1検出手段の異常を判定、又は第1検出手段の検出値に基づく誤制御を禁止することが可能となる。
請求項3によれば、請求項1と同様の効果を奏することが可能である。
本発明に係る車両の一実施形態であるハイブリッド車両の概略構成を示すブロック図である。 第1実施形態の後輪駆動装置の縦断面図である。 図2に示す後輪駆動装置の部分拡大図である。 後輪駆動装置がフレームに搭載された状態を示す斜視図である。 車両状態における前輪駆動装置と後輪駆動装置との関係を電動機の作動状態と油圧回路の状態とをあわせて記載した表である。 停車中の後輪駆動装置の速度共線図である。 前進低車速時の後輪駆動装置の速度共線図である。 前進中車速時の後輪駆動装置の速度共線図である。 減速回生時の後輪駆動装置の速度共線図である。 前進高車速時の後輪駆動装置の速度共線図である。 後進時の後輪駆動装置の速度共線図である。 車両走行におけるタイミングチャートである。 特許文献1に記載の車両用駆動装置の概略図である。
先ず、本発明に係る車両の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示す車両3は、後輪Wr(第1駆動輪)を駆動する後輪駆動装置1(第1駆動装置)と、前輪Wf(第2駆動輪)を駆動する前輪駆動装置6(第2駆動装置)と、を備えている。
車両後部に設けられた後輪駆動装置1は、その動力が、左後輪LWr及び右後輪RWrからなる後輪Wrに伝達されるようになっている。後輪駆動装置1は、左後輪LWrに左遊星歯車式減速機12Aを介して動力伝達可能に接続される左電動機2Aと、右後輪RWrに右遊星歯車式減速機12Bを介して動力伝達可能に接続される右電動機2Bと、を有する。
一方、車両前部に設けられた前輪駆動装置6は、内燃機関4及び前方電動機5が直列に接続されており、これら内燃機関4及び前方電動機5の駆動力がトランスミッション7を介して左前輪LWf及び右前輪RWfからなる前輪Wfに伝達される。
前輪駆動装置6の前方電動機5と後輪駆動装置1の左右電動機2A、2Bは、PDU8(パワードライブユニット)を介してバッテリ9に接続され、バッテリ9からの電力供給と、バッテリ9へのエネルギー回生がPDU8を介して行われるようになっている。PDU8は、車両全体を各種制御するためのECU45(動力制御装置)に接続されている。
図2は、後輪駆動装置1の全体の縦断面図を示すものであり、同図において、10A、10Bは、車両の左後輪LWr及び右後輪RWr側の左車軸及び右車軸であり、車幅方向に同軸上に配置されている。後輪駆動装置1の減速機ケース11は全体が略円筒状に形成され、その内部には、左右車軸10A、10Bを駆動する左右電動機2A、2Bと、この左右電動機2A、2Bの駆動回転を減速する左右遊星歯車式減速機12A、12Bとが、左右車軸10A、10Bと同軸上に配置されている。
この左電動機2A及び左遊星歯車式減速機12Aは左後輪LWrを制御し、右電動機2B及び右遊星歯車式減速機12Bは右後輪RWrを制御し、左電動機2A及び左遊星歯車式減速機12Aと右電動機2B及び右遊星歯車式減速機12Bは、減速機ケース11内で車幅方向に左右対称に配置されている。そして、減速機ケース11は、図4に示すように、車両3の骨格となるフレームの一部であるフレーム部材13の支持部13a、13bと、不図示の後輪駆動装置1のフレームで支持されている。支持部13a、13bは、車幅方向でフレーム部材13の中心に対し左右に設けられている。なお、図4中の矢印は、後輪駆動装置1が車両に搭載された状態における位置関係を示している。
減速機ケース11の左右両端側内部には、それぞれ左右電動機2A、2Bのステータ14A、14Bが固定され、このステータ14A、14Bの内周側に環状のロータ15A、15Bが回転可能に配置されている。ロータ15A、15Bの内周部には左右車軸10A、10Bの外周を囲繞する円筒軸16A、16Bが結合され、この円筒軸16A、16Bが左右車軸10A、10Bと同軸で相対回転可能となるように減速機ケース11の端部壁17A、17Bと中間壁18A、18Bに軸受19A、19Bを介して支持されている。また、円筒軸16A、16Bの一端側の外周であって減速機ケース11の端部壁17A、17Bには、ロータ15A、15Bの回転数を検出し、左右電動機2A、2Bの制御コントローラ(図示せず)にフィードバックするための左右レゾルバ20A、20Bが設けられている。
また、左右遊星歯車式減速機12A、12Bは、サンギヤ21A、21Bと、このサンギヤ21に噛合される複数のプラネタリギヤ22A、22Bと、これらのプラネタリギヤ22A、22Bを支持するプラネタリキャリア23A、23Bと、プラネタリギヤ22A、22Bの外周側に噛合されるリングギヤ24A、24Bと、を備え、サンギヤ21A、21Bから左右電動機2A、2Bの駆動力が入力され、減速された駆動力がプラネタリキャリア23A、23Bを通して出力されるようになっている。
サンギヤ21A、21Bは円筒軸16A、16Bに一体に形成されている。また、プラネタリギヤ22A、22Bは、例えば図3に示すように、サンギヤ21A、21Bに直接噛合される大径の第1ピニオン26A、26Bと、この第1ピニオン26A、26Bよりも小径の第2ピニオン27A、27Bを有する2連ピニオンであり、これらの第1ピニオン26A、26Bと第2ピニオン27A、27Bが同軸にかつ軸方向にオフセットした状態で一体に形成されている。このプラネタリギヤ22A、22Bはプラネタリキャリア23A、23Bに支持され、プラネタリキャリア23A、23Bは、軸方向内側端部が径方向内側に伸びて左右車軸10A、10Bにスプライン嵌合され一体回転可能に支持されるとともに、軸受33A、33Bを介して中間壁18A、18Bに支持されている。
なお、中間壁18A、18Bは左右電動機2A、2Bを収容する電動機収容空間と左右遊星歯車式減速機12A、12Bを収容する減速機空間とを隔て、外径側から内径側に互いの軸方向間隔が広がるように屈曲して構成されている。そして、中間壁18A、18Bの内径側、且つ、左右遊星歯車式減速機12A、12B側にはプラネタリキャリア23A、23Bを支持する軸受33A、33Bが配置されるとともに中間壁18A、18Bの外径側、且つ、左右電動機2A、2B側にはステータ14A、14B用のバスリング41A、41Bが配置されている(図2参照)。
リングギヤ24A、24Bは、その内周面が小径の第2ピニオン27A、27Bに噛合されるギヤ部28A、28Bと、ギヤ部28A、28Bより小径で減速機ケース11の中間位置で互いに対向配置される小径部29A、29Bと、ギヤ部28A、28Bの軸方向内側端部と小径部29A、29Bの軸方向外側端部を径方向に連結する連結部30A、30Bと、を備えて構成されている。この実施形態の場合、リングギヤ24A、24Bの最大半径は、第1ピニオン26A、26Bの左右車軸10A、10Bの中心からの最大距離よりも小さくなるように設定されている。小径部29A、29Bは、それぞれ後述する一方向クラッチ50のインナーレース51とスプライン嵌合し、リングギヤ24A、24Bは一方向クラッチ50のインナーレース51と一体回転するように構成されている。
ところで、減速機ケース11とリングギヤ24A、24Bの間には円筒状の空間部が確保され、その空間部内に、リングギヤ24A、24Bを制動する左右油圧ブレーキ60A、60Bが第1ピニオン26A、26Bと径方向でラップし、第2ピニオン27A、27Bと軸方向でラップして配置されている。左右油圧ブレーキ60A、60Bは、減速機ケース11の内径側で軸方向に延びる筒状の外径側支持部34の内周面にスプライン嵌合された複数の固定プレート35A、35Bと、リングギヤ24A、24Bの外周面にスプライン嵌合された複数の回転プレート36A、36Bが軸方向に交互に配置され、これらのプレート35A、35B、36A、36Bが環状のピストン37A、37Bによって締結及び解放操作されるようになっている。ピストン37A、37Bは、減速機ケース11の中間位置から内径側に延設された左右分割壁39と、左右分割壁39によって連結された外径側支持部34と内径側支持部40間に形成された環状のシリンダ室38A、38Bに進退自在に収容されており、シリンダ室38A、38Bへの高圧オイルの導入によってピストン37A、37Bを前進させ、シリンダ室38A、38Bからオイルを排出することによってピストン37A、37Bを後退させる。なお、左右油圧ブレーキ60A、60Bは図4に示すように、前述したフレーム部材13の支持部13a、13b間に配置された電動オイルポンプ70に接続されている。
また、さらに詳細には、ピストン37A、37Bは、軸方向前後に第1ピストン壁63A、63Bと第2ピストン壁64A、64Bを有し、これらのピストン壁63A、63B、64A、64Bが円筒状の内周壁65A、65Bによって連結されている。したがって、第1ピストン壁63A、63Bと第2ピストン壁64A、64Bの間には径方向外側に開口する環状空間が形成されているが、この環状空間は、シリンダ室38A、38Bの外壁内周面に固定された仕切部材66A、66Bによって軸方向左右に仕切られている。減速機ケース11の左右分割壁39と第2ピストン壁64A、64Bの間は高圧オイルが直接導入される第1作動室C1とされ、仕切部材66A、66Bと第1ピストン壁63A、63Bの間は、内周壁65A、65Bに形成された貫通孔を通して第1作動室C1と導通する第2作動室C2とされている。第2ピストン壁64A、64Bと仕切部材66A、66Bの間は大気圧に導通している。
この左右油圧ブレーキ60A、60Bでは、第1作動室C1と第2作動室C2に電動オイルポンプ70からオイルが導入され、第1ピストン壁63A、63Bと第2ピストン壁64A、64Bに作用するオイルの圧力によって固定プレート35A、35Bと回転プレート36A、36Bを相互に押し付けが可能である。したがって、軸方向左右の第1、第2ピストン壁63A、63B、64A、64Bによって大きな受圧面積を稼ぐことができるため、ピストン37A、37Bの径方向の面積を抑えたまま固定プレート35A、35Bと回転プレート36A、36Bに対する大きな押し付け力を得ることができる。
この左右油圧ブレーキ60A、60Bの場合、固定プレート35A、35Bが減速機ケース11から伸びる外径側支持部34に支持される一方で、回転プレート36A、36Bがリングギヤ24A、24Bに支持されているため、両プレート35A、35B、36A、36Bがピストン37A、37Bによって押し付けられると、両プレート35A、35B、36A、36B間の摩擦締結によってリングギヤ24A、24Bに制動力が作用し固定され、その状態からピストン37A、37Bによる締結が解放されると、リングギヤ24A、24Bの自由な回転が許容される。
したがって、左右油圧ブレーキ60A、60Bは、締結又は開放することによって、左右電動機2A、2Bと左右後輪LWr、RWrとの動力伝達経路を、動力伝達不能な遮断状態又は動力伝達可能な接続状態に切り替え可能な左右動力断接手段を構成する。
また、軸方向で対向するリングギヤ24A、24Bの連結部30A、30B間にも空間部が確保され、その空間部内に、リングギヤ24A、24Bに対し一方向の動力のみを伝達し他方向の動力を遮断する一方向クラッチ50が配置されている。一方向クラッチ50は、インナーレース51とアウターレース52との間に多数のスプラグ53を介在させたものであって、そのインナーレース51がスプライン嵌合によりリングギヤ24A、24Bの小径部29A、29Bと一体回転するように構成されている。またアウターレース52は、内径側支持部40により位置決めされるとともに、回り止めされている。一方向クラッチ50は、車両3が左右電動機2A、2Bの動力で前進する際に係合してリングギヤ24A、24Bの回転をロックするように構成されている。より具体的に説明すると、一方向クラッチ50は、左右電動機2A、2B側の順方向(車両3を前進させる際の回転方向)の回転動力が車輪Wr側に入力されるときに係合状態となるとともに、左右電動機2A、2B側の逆方向の回転動力が車輪Wr側に入力されるときに非係合状態となり、車輪Wr側の順方向の回転動力が左右電動機2A、2B側に入力されるときに非係合状態となるとともに車輪Wr側の逆方向の回転動力が左右電動機2A、2B側に入力されるときに係合状態となる。
このように本実施形態の後輪駆動装置1では、左右電動機2A、2Bと車輪Wrとの動力伝達経路上に一方向クラッチ50と左右油圧ブレーキ60A、60Bとが並列に設けられている。
ここで、ECU45(図1参照)は、車両全体の各種制御をするための制御装置であり、ECU45には左右車輪速センサ44A、44Bから取得される左右後輪LWr、RWrの回転数、左右レゾルバ20A、20Bから取得される電動機2A、2Bの回転数、後述する内燃機関回転数センサ47、前方レゾルバ48、及びトランスミッション回転数センサ49から取得される内燃機関4、前方電動機5、及びトランスミッション7の回転数、操舵角、アクセルペダル開度AP、シフトポジション、バッテリ9における充電状態SOC、油温などが入力される一方、ECU45からは、内燃機関4を制御する信号、左右電動機2A、2Bを制御する信号、バッテリ9における発電状態・充電状態・放電状態などを示す信号、電動オイルポンプ70を制御する制御信号などが出力される。すなわち、ECU45は、前輪駆動装置6及び後輪駆動装置1の発生するトルク、駆動力、出力等の動力を制御することが可能である。
図5は、各車両状態における前輪駆動装置6と後輪駆動装置1との関係を左右電動機2A、2Bの作動状態とあわせて記載したものである。図中、フロントユニットは前輪駆動装置6、リアユニットは後輪駆動装置1、リアモータは左右電動機2A、2B、OWCは一方向クラッチ50、BRKは左右油圧ブレーキ60A、60Bを表わす。
また、図6〜図11は後輪駆動装置1の各状態における速度共線図を表わし、LMOTは左電動機2A、RMOTは右電動機2B、左側のS、Cはそれぞれ左電動機2Aに連結された左遊星歯車式減速機12Aのサンギヤ21A、左車軸10Aに連結されたプラネタリキャリア23A、プラネタリギヤ22A、右側のS、Cはそれぞれ右電動機2Bに連結された右遊星歯車式減速機12Bのサンギヤ21B、右車軸10Bに連結されたプラネタリキャリア23B、プラネタリギヤ22B、Rはリングギヤ24A、24B、BRKは左右油圧ブレーキ60A、60B、OWCは一方向クラッチ50を表わす。以下の説明において左右電動機2A、2Bによる車両前進時のサンギヤ21A、21Bの回転方向を順方向とする。また、図中、停車中の状態から上方が順方向の回転、下方が逆方向の回転であり、矢印は、上向きが順方向のトルクを表し、下向きが逆方向のトルクを表す。
停車中は、前輪駆動装置6も後輪駆動装置1も駆動していない。従って、図6に示すように、後輪駆動装置1の左右電動機2A、2Bは停止しており、左右車軸10A、10Bも停止しているため、いずれの要素にもトルクは作用していない。このとき、左右油圧ブレーキ60A、60Bは解放(OFF)している。また、一方向クラッチ50は、左右電動機2A、2Bが非駆動のため係合していない(OFF)。
そして、キーポジションをONにした後、EV発進、EVクルーズなどモータ効率のよい前進低車速時は、後輪駆動装置1による後輪駆動となる。図7に示すように、左右電動機2A、2Bが順方向に回転するように力行駆動すると、サンギヤ21A、21Bには順方向のトルクが付加される。このとき、前述したように一方向クラッチ50が係合しリングギヤ24A、24Bがロックされる。これによりプラネタリキャリア23A、23Bは順方向に回転し前進走行がなされる。なお、プラネタリキャリア23A、23Bには左右車軸10A、10Bからの走行抵抗が逆方向に作用している。このように車両3の発進時には、キーポジションをONにして左右電動機2A、2Bのトルクをあげることで、一方向クラッチ50が機械的に係合してリングギヤ24A、24Bがロックされる。
このとき、左右油圧ブレーキ60A、60Bは弱締結状態に制御される。なお、弱締結とは、動力伝達可能であるが、左右油圧ブレーキ60A、60Bの締結状態の締結力に対し弱い締結力で締結している状態をいう。左右電動機2A、2Bの順方向のトルクが後輪Wr側に入力されるときには一方向クラッチ50が係合状態となり、一方向クラッチ50のみで動力伝達可能であるが、一方向クラッチ50と並列に設けられた左右油圧ブレーキ60A、60Bも弱締結状態とし左右電動機2A、2B側と後輪Wr側とを接続状態としておくことで、左右電動機2A、2B側からの順方向のトルクの入力が一時的に低下して一方向クラッチ50が非係合状態となった場合にも、左右電動機2A、2B側と後輪Wr側とで動力伝達不能になることを抑制できる。また、後述する減速回生への移行時に左右電動機2A、2B側と後輪Wr側とを接続状態とするための回転数制御が不要となる。一方向クラッチ50が係合状態のときの左右油圧ブレーキ60A、60Bの締結力を一方向クラッチ50が非係合状態のときの左右油圧ブレーキ60A、60Bの締結力よりも弱くすることにより、左右油圧ブレーキ60A、60Bの締結のための消費エネルギーが低減される。
前進低車速走行から車速があがりエンジン効率のよい前進中車速走行に至ると、後輪駆動装置1による後輪駆動から前輪駆動装置6による前輪駆動となる。図8に示すように、左右電動機2A、2Bの力行駆動が停止すると、プラネタリキャリア23A、23Bには左右車軸10A、10Bから前進走行しようとする順方向のトルクが作用するので、前述したように一方向クラッチ50が非係合状態となる。このときも、左右油圧ブレーキ60A、60Bは弱締結状態に制御される。
図7又は図8の状態から左右電動機2A、2Bを回生駆動しようすると、図9に示すように、プラネタリキャリア23A、23Bには左右車軸10A、10Bから前進走行を続けようとする順方向のトルクが作用するので、前述したように一方向クラッチ50が非係合状態となる。このとき、左右油圧ブレーキ60A、60Bは締結状態(ON)に制御される。従って、リングギヤ24A、24Bが固定されるとともに左右電動機2A、2Bには逆方向の回生制動トルクが作用し、左右電動機2A、2Bで減速回生がなされる。このように、後輪Wr側の順方向のトルクが左右電動機2A、2B側に入力されるときには一方向クラッチ50は非係合状態となり、一方向クラッチ50のみで動力伝達不能であるが、一方向クラッチ50と並列に設けられた左右油圧ブレーキ60A、60Bを締結させ、左右電動機2A、2B側と後輪Wr側とを接続状態としておくことで動力伝達可能な状態に保つことができ、この状態で左右電動機2A、2Bを回生駆動状態に制御することにより、車両3のエネルギーを回生することができる。
続いて加速時には、前輪駆動装置6と後輪駆動装置1の四輪駆動となり、後輪駆動装置1は、図7に示す前進低車速時と同じ状態となる。
前進高車速時には、前輪駆動装置6による前輪駆動となるが、典型的には左右電動機2A、2Bを停止させる。
図10に示すように、左右電動機2A、2Bが力行駆動を停止すると、プラネタリキャリア23A、23Bには左右車軸10A、10Bから前進走行しようとする順方向のトルクが作用するので、前述したように一方向クラッチ50が非係合状態となる。このとき、サンギヤ21A、21Bには、サンギヤ21A、21B及び左右電動機2A、2Bの回転損失が抵抗として入力され、リングギヤ24A、24Bにはリングギヤ24A、24Bの回転損失が発生する。
このとき左右油圧ブレーキ60A、60Bは解放状態(OFF)に制御される。従って、左右電動機2A、2Bの連れ回りが防止され、前輪駆動装置6による高車速時に左右電動機2A、2Bが過回転となるのが防止される。
後進時には、図11に示すように、左右電動機2A、2Bを逆力行駆動すると、サンギヤ21A、21Bには逆方向のトルクが付加される。このとき、前述したように一方向クラッチ50が非係合状態となる。
このとき左右油圧ブレーキ60A、60Bは締結状態に制御される。従って、リングギヤ24A、24Bが固定されて、プラネタリキャリア23A、23Bは逆方向に回転し後進走行がなされる。なお、プラネタリキャリア23A、23Bには左右車軸10A、10Bからの走行抵抗が順方向に作用している。このように、左右電動機2A、2B側の逆方向のトルクが後輪Wr側に入力されるときには一方向クラッチ50は非係合状態となり、一方向クラッチ50のみで動力伝達不能であるが、一方向クラッチ50と並列に設けられた左右油圧ブレーキ60A、60Bを締結させ、左右電動機2A、2B側と後輪Wr側とを接続状態としておくことで動力伝達可能に保つことができ、左右電動機2A、2Bのトルクによって車両3を後進させることができる。
このように後輪駆動装置1は、車両の走行状態、言い換えると、左右電動機2A、2Bの回転方向が順方向か逆方向か、及び左右電動機2A、2B側と後輪Wr側のいずれから動力が入力されるかに応じて、左右油圧ブレーキ60A、60Bの締結・解放が制御され、さらに左右油圧ブレーキ60A、60Bの締結時であっても締結力が調整される。
図12は、車両が停車中の状態からEV発進→EV加速→ENG加速→減速回生→中速ENGクルーズ→ENG+EV加速→高速ENGクルーズ→減速回生→停車→後進→停車に至る際の電動オイルポンプ70(EOP)と、一方向クラッチ50(OWC)、左右油圧ブレーキ60A、60B(BRK)のタイミングチャートである。
先ず、キーポジションをONにしてシフトがPレンジからDレンジに変更され、アクセルペダルが踏まれるまでは、一方向クラッチ50は非係合(OFF)、左右油圧ブレーキ60A、60Bは解放(OFF)状態を維持する。そこから、アクセルペダルが踏まれると後輪駆動(RWD)で後輪駆動装置1によるEV発進、EV加速がなされる。このとき、一方向クラッチ50が係合(ON)し、左右油圧ブレーキ60A、60Bは弱締結状態となる。そして、車速が低車速域から中車速域に至って後輪駆動から前輪駆動になると内燃機関4によるENG走行(FWD)がなされる。このとき、一方向クラッチ50が非係合(OFF)となり、左右油圧ブレーキ60A、60Bはそのままの状態(弱締結状態)を維持する。そして、ブレーキが踏まれるなど減速回生時には、一方向クラッチ50が非係合(OFF)のまま、左右油圧ブレーキ60A、60Bが締結(ON)する。内燃機関4による中速クルーズ中は、上述のENG走行と同様の状態となる。続いて、さらにアクセルペダルが踏まれて前輪駆動から四輪駆動(AWD)になると、再び一方向クラッチ50が係合(ON)する。そして、車速が中車速域から高車速域に至ると、再び内燃機関4によるENG走行(FWD)がなされる。このとき、一方向クラッチ50が非係合(OFF)となり、左右油圧ブレーキ60A、60Bが解放(OFF)され、左右電動機2A、2Bを停止する。そして、減速回生時には、上述した減速回生時と同様の状態となる。そして、車両が停止すると、一方向クラッチ50は非係合(OFF)、左右油圧ブレーキ60A、60Bは解放(OFF)状態となる。
続いて、後進走行時には、一方向クラッチ50は非係合(OFF)のまま、左右油圧ブレーキ60A、60Bが締結(ON)する。そして、車両が停止すると、一方向クラッチ50は非係合(OFF)、左右油圧ブレーキ60A、60Bは解放(OFF)状態となる。
<トラクションコントロール制御>
このように、ECU45は、各車両状態に合わせて前輪駆動装置6及び後輪駆動装置1を制御しているが、さらに、前輪Wfの回転数と後輪Wrの回転数との差異に基づいて、これらの差異が所定の閾値未満となるように制御するトラクションコントロール制御を行う。
図1に示すように、左右後輪LWr、RWrには、これら左右後輪LWr、RWrの回転数(第1回転状態量)を検出する左右後輪速センサ44A、44B(第1検出手段)が設置されている。
また、左右前輪LWf、RWfには、これら左右前輪LWf、RWfの回転数を検出する左右前輪速センサ46A、46B(第3検出手段)が設置されている。また、内燃機関4、前方電動機5、及びトランスミッション7には、それぞれ内燃機関4、前方電動機5、及びトランスミッション7の回転数を検出する内燃機関回転数センサ47、前方レゾルバ48、及びトランスミッション回転数センサ49が設置されている。
ECU45は、左後輪LWrの回転数と左前輪LWfの回転数との差異、又は右後輪RWrの回転数と右前輪RWfの回転数との差異が、所定のトラクションコントロール閾値a(第1閾値)以上となった場合に、後輪駆動装置1及び/又は前輪駆動装置6の動力を調整して、上記差がトラクションコントロール閾値a未満となるように制御する。すなわち、ECU45は、後輪駆動装置1の左右電動機2A、2B、及び/又は前輪駆動装置6の内燃機関4や前方電動機5の動力を調整(通常の場合トルクダウン)して、上記差異がトラクションコントロール閾値a未満となるように制御する。なお、上記「差異」とは、差や比をいうものとする。
なお、このトラクションコントロール制御において、左右後輪LWr、RWrの回転数の取得は、左右後輪速センサ44A、44Bによるものに限られず、例えば、左右レゾルバ20A、20Bによって検出された左右電動機2A、2Bの回転数に左右遊星歯車式減速機12A、12Bの減速比を乗じて取得しても構わない。同様に、左右前輪LWf、RWfの回転数の取得も、左右前輪速センサ46A、46Bによるものに限られず、例えば、内燃機関回転数センサ47によって検出された内燃機関4の回転数や、前方レゾルバ48によって検出された前方電動機5の回転数や、トランスミッション回転数センサ49によって検出されたトランスミッション7の回転数等に基づいて取得しても構わない。
<左右後輪速センサ44A、44Bの異常判定>
このように、トラクションコントロール制御を行うECU45においては、以下に述べる方法により、左右後輪速センサ44A、44Bの異常判定を行うことが可能である。以下、左後輪速センサ44Aの異常判定について説明する。なお、右後輪速センサ44Bの異常判定は、同様の方法により行うことが可能であるので、説明を省略する。
ECU45は、左後輪速センサ44A(第1検出手段)によって検出した左後輪LWrの回転数(第1回転状態量)と、内燃機関回転数センサ47(第2検出手段)によって検出された内燃機関4の回転数に基づいて求めた左前輪LWfの回転数(第2回転状態量)と、の差異が、トラクションコントロール閾値aよりも大きい異常判定閾値b以上となったときに、左後輪速センサ44Aの異常を判定し、左後輪速センサ44Aの検出値に基づく各種制御を禁止する。なお、上記「差異」とは、差や比をいうものとする。
したがって、左後輪速センサ44A及び内燃機関回転数センサ47のうち、左後輪速センサ44Aの異常と判定することで、左後輪速センサ44Aの異常を早期に発見可能となり、左後輪速センサ44Aの検出値に基づく誤制御を早期に回避可能となる。
ここで、内燃機関回転数センサ47に異常があるか否かは、前方レゾルバ48(第3検出手段)によって検出された前方電動機5の回転数、トランスミッション回転数センサ49(第3検出手段)によって検出されたトランスミッション7の回転数、及び、左右前輪速センサ46A、46B(第3検出手段)によって検出された左右前輪LWf、RWfの回転数に基づいて多重に判定される。すなわち、これら内燃機関回転数センサ47、前方レゾルバ48、トランスミッション回転数センサ49、左右前輪速センサ46A、46Bは、相互に異常を監視し合う関係となっており、誤検出の発生が抑制されている。
このように、前方レゾルバ48、トランスミッション回転数センサ49、及び左右前輪速センサ46A、46Bの検出値に基づいて、内燃機関回転数センサ47の異常を判定するので、内燃機関回転数センサ47は左後輪速センサ44Aに比べて誤検出する可能性が少ない。したがって、左後輪速センサ44Aによって検出した左後輪LWrの回転数と、内燃機関回転数センサ47によって検出された内燃機関4の回転数に基づいて求めた左前輪LWfの回転数と、の差異が、異常判定閾値b以上となったときに、左後輪速センサ44Aの異常である可能性が高くなる。したがって、より精度よく左後輪速センサ44Aの異常を判定し、左後輪速センサ44Aの検出値に基づく誤制御を禁止することが可能となる。
尚、本発明は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、上記実施形態等では、左後輪LWrの回転数と左前輪LWfの回転数との差異、又は右後輪RWrの回転数と右前輪RWfの回転数との差異が、トラクションコントロール閾値a以上となった場合にトラクションコントロール制御を行っていたが、この構成に限られない。すなわち、左後輪LWrの回転数に基づいて求めた車両3の車速と左前輪LWfの回転数に基づいて求めた車両3の車速との差異、又は右後輪RWrの回転数に基づいて求めた車両3の車速と右前輪RWfの回転数に基づいて求めた車両3の車速との差異が、トラクションコントロール閾値a´以上となった場合にトラクションコントロール制御を行っても構わない。
また、上記実施形態では、左後輪速センサ44Aによって検出した左後輪LWrの回転数と、内燃機関回転数センサ47によって検出された内燃機関4の回転数に基づいて求めた左前輪LWfの回転数と、の差異が、トラクションコントロール閾値aよりも大きい異常判定閾値b以上となったときに、左後輪速センサ44Aの異常判定を行っていたが、この構成に限られない。すなわち、左後輪速センサ44Aによって検出した左後輪LWrの回転数に基づいて求めた車両3の車速と、内燃機関回転数センサ47によって検出された内燃機関4の回転数に基づいて求めた車両3の車速と、の差異が、異常判定閾値b´以上となったときに、左後輪速センサ44Aの異常判定を行っても構わない。右後輪速センサ44Bの異常判定についても同様である。
また、左後輪速センサ44Aの異常判定を行う際に、左前輪LWfの回転数(第2回転状態量)を求めるために第2検出手段によって検出される回転状態量としては、内燃機関回転数センサ47によって検出される内燃機関4の回転数に限られず、前輪駆動装置6に設置され当該前輪駆動装置6の回転状態量を検出する検出手段であればよい。すなわち、第2検出手段によって検出される回転状態量として、前方レゾルバ48によって検出される前方電動機5の回転数や、トランスミッション回転数センサ49によって検出されるトランスミッション7の回転数を適用しても構わない。
例えば、第2検出手段として前方レゾルバ48を適用した場合には、当該前方レゾルバ48に異常があるか否かは、内燃機関回転数センサ47(第3検出手段)によって検出された前方電動機5の回転数、トランスミッション回転数センサ49(第3検出手段)によって検出されたトランスミッション7の回転数、及び、左右前輪速センサ46A、46B(第3検出手段)によって検出された左右前輪LWf、RWfの回転数に基づいて判定される。
また、各検出手段によって検出される回転状態量としては、回転数に限られず、角速度等を採用してもよい。
また、前輪駆動装置6は、必ずしも内燃機関4及び前方電動機5の両方を供える必要はなく、どちらか一方を駆動源とするものでもよい。
1 後輪駆動装置(第1駆動装置)
2A 左電動機
2B 右電動機
3 (車両)
4 内燃機関
5 前方電動機
6 前輪駆動装置(第2駆動装置)
8 PDU
9 バッテリ
12A 左遊星歯車式減速機
12B 右遊星歯車式減速機
44A、44B 後輪速センサ(第1検出手段)
45 ECU(動力制御装置)
46A、46B 前輪速センサ(第3検出手段)
47 内燃機関回転数センサ(第2検出手段、第3検出手段)
48 前方レゾルバ(第2検出手段、第3検出手段)
49 トランスミッション回転数センサ(第2検出手段、第3検出手段)
a、a´ トラクションコントロール閾値(第1閾値)
b、b´ 異常判定閾値(第2閾値)
Wr、LWr、RWr 後輪(第1駆動輪)
Wf、LWf、RWf 前輪(第2駆動輪)

Claims (3)

  1. 前輪及び後輪の一方である第1駆動輪を駆動する第1駆動装置と、
    前記前輪及び前記後輪の他方である第2駆動輪を駆動する第2駆動装置と、
    前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置の発生する動力を制御する動力制御装置と、
    を備えた車両であって、
    前記動力制御装置は、前記第1駆動輪の回転状態量と前記第2駆動輪の回転状態量との差異が、第1閾値以上となった場合に、前記第1駆動装置及び/又は前記第2駆動装置の動力を調整して、前記差異が前記第1閾値未満となるよう制御するもので、
    前記車両は、
    前記第1駆動輪に設置され、該第1駆動輪の回転状態量である第1回転状態量を検出する第1検出手段と、
    前記第2駆動装置に設置され、該第2駆動装置の回転状態量を検出する第2検出手段と、
    を備え、
    前記第1検出手段によって検出した前記第1回転状態量と、前記第2検出手段によって検出された回転状態量に基づいて求めた前記第2駆動輪の回転状態量である第2回転状態量と、の差異が、前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上となったときに、前記第1検出手段の異常を判定する、又は前記第1検出手段の検出値に基づく制御を禁止する
    ことを特徴とする車両。
  2. 前記車両は、前記第2駆動装置に設置され該第2駆動装置の回転状態量を検出する、又は前記第2駆動輪に設置され該第2駆動輪の回転状態量を検出する第3検出手段を備え、
    前記第3検出手段の検出値に基づいて、前記第2検出手段の異常を判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
  3. 前輪及び後輪の一方である第1駆動輪を駆動する第1駆動装置と、
    前記前輪及び前記後輪の他方である第2駆動輪を駆動する第2駆動装置と、
    前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置の発生する動力を制御する動力制御装置と、
    を備えた車両であって、
    前記動力制御装置は、前記第1駆動輪の回転状態量に基づいて求めた前記車両の車速と、前記第2駆動輪の回転状態量に基づいて求めた前記車両の車速と、の差異が、第1閾値以上となった場合に、前記第1駆動装置及び/又は前記第2駆動装置の動力を調整して、前記差異が前記第1閾値未満となるよう制御するもので、
    前記車両は、
    前記第1駆動輪に設置され、該第1駆動輪の回転状態量である第1回転状態量を検出する第1検出手段と、
    前記第2駆動装置に設置され、該第2駆動装置の回転状態量を検出する第2検出手段と、
    を備え、
    前記第1検出手段によって検出した前記第1回転状態量に基づいて求めた前記車両の車速と、前記第2検出手段によって検出された回転状態量に基づいて求めた前記車両の車速と、の差異が、前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上となったときに、前記第1検出手段の異常を判定する、又は前記第1検出手段の検出値に基づく制御を禁止する
    ことを特徴とする車両。
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