JP2013184500A - 車両用駆動装置及び車両用駆動装置の制御方法 - Google Patents

車両用駆動装置及び車両用駆動装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車輪又は電動機の回転数に基づく諸制御の堅牢性を向上させることができる車両用駆動装置及び、その制御方法を提供する。
【解決手段】(A)又は(B)により車輪回転数を取得する。(A)レゾルバによって検出されたモータ回転数検出値に基づいて求めた車輪速センサが設置された位置の回転状態量である車輪回転数換算値と、車輪速センサによって検出された車輪回転数検出値との何れか大きい方を車輪回転数とする。(B)車輪速センサによって検出された車輪回転数検出値に基づいて求めたレゾルバが設置された位置の回転状態量であるモータ回転数換算値の方が、レゾルバによって検出されたモータ回転数検出値よりも大きい場合に、車輪回転数検出値を車輪回転数とし、モータ回転数換算値の方がモータ回転数検出値よりも小さい場合に、モータ回転数検出値に基づいて求めた車輪速が設置された位置の回転状態量である車輪回転数換算値を、車輪回転数とする。
【選択図】図12

Description

本発明は、駆動源と車輪との動力伝達経路上に、駆動源と車輪との動力伝達を断接可能な動力伝達手段が設けられた車両用駆動装置及び車両用駆動装置の制御方法に関する。
特許文献1には、車輪を駆動軸を介して電気モータで駆動するとともに、駆動軸と電気モータとの間をクラッチにより遮断・接続する駆動車両において、電気モータの回転速度を検出するモータ回転速度検出手段と駆動軸の回転速度を検出する駆動軸回転速度検出手段とで検出された電気モータと駆動軸との回転速度差が所定値より小さいときにクラッチを接続することで、クラッチの接続ショックを防止する技術が開示されている。
しかしながら、この特許文献1に記載の車両用駆動装置では、モータ回転速度検出手段と駆動軸回転速度検出手段とのいずれか一方が故障した場合の対応について、何ら記載されていない。
一方、特許文献2には、車輪の回転速度を検出する車輪速センサと、動力伝達系の回転速度を検出する車速センサとを備えた自動車において、両センサのどちらか一方が検出した値と他方が検出した値が実質的に大きな差があるときに両センサのいずれかが故障であると判断する技術が開示されている。
特開2002−160541号公報 特開昭63−23650号公報
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、両センサのいずれかが故障であると判断した後の制御について何ら開示されていない。自動車等に搭載される車両用駆動装置では、駆動源の回転数及び/又は車輪の回転数に応じて様々な制御がなされており、いずれか一方のセンサが故障と判断された場合であっても、的確な制御が継続されることが望ましい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、車輪又は電動機の回転状態量に基づく諸制御の堅牢性を向上させることができる車両用駆動装置及び車両用駆動装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
車両の車輪(例えば、後述の実施形態の左後輪LWr、右後輪RWr)に動力伝達可能に接続される駆動源(例えば、後述の実施形態の第1電動機2A、第2電動機2B)と、
前記駆動源と前記車輪との動力伝達経路上に配置され、該動力伝達経路を動力伝達不能な遮断状態又は動力伝達可能な接続状態に切り替え可能な動力伝達手段(例えば、後述の実施形態の油圧ブレーキ60A、60B、一方向クラッチ50)と、
前記駆動源に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記駆動源側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第1回転状態量検出手段(例えば、後述の実施形態のレゾルバ20A、20B)と、
前記車輪に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記車輪側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第2回転状態量検出手段(例えば、後述の実施形態の車輪速センサ13A、13B)と、を備える車両用駆動装置(例えば、後述の実施形態の後輪駆動装置1)であって、
前記動力伝達手段が前記接続状態に切り替えられた状態で、下記(A)又は(B)により前記車輪の回転状態量(例えば、後述の実施形態の車輪回転数)を取得することを特徴とする。
(A)前記第1回転状態量検出手段によって検出された第1回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数検出値)に基づいて求めた前記第2回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第2回転状態量換算値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数換算値)と、前記第2回転状態量検出手段によって検出された第2回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数検出値)と、の何れか大きい方を前記車輪の回転状態量とする。
(B)前記第2回転状態量検出手段によって検出された第2回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数検出値)に基づいて求めた前記第1回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第1回転状態量換算値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数換算値)の方が、前記第1回転状態量検出手段によって検出された第1回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数検出値)よりも大きい場合に、前記第2回転状態量検出値を前記車輪の回転状態量とし、前記第1回転状態量換算値の方が、前記第1回転状態量検出値よりも小さい場合に、前記第1回転状態量検出値に基づいて求めた前記第2回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第2回転状態量換算値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数換算値)を、前記車輪の回転状態量とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、
前記動力伝達手段は、締結時に前記動力伝達経路を動力伝達可能な接続状態とし、解放時に前記動力伝達経路を動力伝達不能な遮断状態又は動力伝達量を締結時よりも低減した接続状態とする双方向動力伝達手段(例えば、後述の実施形態の油圧ブレーキ60A、60B)と、駆動源側の順方向の回転動力が車輪側に入力されるときに係合し動力伝達可能な接続状態となるとともに駆動源側の逆方向の回転動力が車輪側に入力されるときに非係合で動力伝達不能な遮断状態となり、車輪側の順方向の回転動力が駆動源側に入力されるときに非係合で動力伝達不能な遮断状態となるとともに車輪側の逆方向の回転動力が駆動源側に入力されるときに係合し動力伝達可能な接続状態となる一方向動力伝達手段(例えば、後述の実施形態の一方向クラッチ50)との、少なくとも一方を含むことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加えて、
前記車輪と前記駆動源との動力伝達経路上には変速機(例えば、後述の実施形態の第1遊星歯車式減速機12A、第2遊星歯車式減速機12B)が設けられ、
前記変速機は、第1乃至第3回転要素を有し、
前記第1回転要素(例えば、後述の実施形態のサンギヤ21A、21B)に前記電動機が接続され、
前記第2回転要素(例えば、後述の実施形態のプラネタリキャリア23A、23B)に前記車輪が接続され、
前記第3回転要素(例えば、後述の実施形態のリングギヤ24A、24B)に前記動力伝達手段が配置され、
前記第1回転状態量換算値及び前記第2回転状態量換算値は前記変速機の変速比に基づいて求められることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成に加えて、
前記駆動源が発生するトルクを制御する駆動制御手段(例えば、後述の実施形態の制御装置8)を備え、
前記車輪の回転状態を制御する車輪制御手段(例えば、後述の実施形態の制御装置8)と、
前記車輪制御手段は、前記車輪の目標回転状態量を求め、
該目標回転状態量と、取得した前記車輪の前記回転状態量との差異が所定以上のときに、前記駆動制御手段は前記車輪の前記回転状態量が前記目標回転状態量に近づくように前記駆動源を制御する。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の構成に加えて、
前記駆動源は、左車輪(例えば、後述の実施形態の左後輪LWr)を駆動する第1電動機(例えば、後述の実施形態の第1電動機2A)と、車両の右車輪(例えば、後述の実施形態の右後輪RWr)を駆動する第2電動機(例えば、後述の実施形態の第2電動機2B)と、を含み、
前記第1電動機と前記左車輪との動力伝達経路上に第1変速機(例えば、後述の実施形態の第1遊星歯車式減速機12A)が設けられ、
前記第2電動機と前記右車輪との動力伝達経路上に第2変速機(例えば、後述の実施形態の第2遊星歯車式減速機12B)が設けられ、
前記第1及び第2変速機は、それぞれ第1乃至第3回転要素を有し、
前記第1変速機の前記第1回転要素(例えば、後述の実施形態のサンギヤ21A)に前記第1電動機が接続され、
前記第2変速機の前記第1回転要素(例えば、後述の実施形態のサンギヤ21B)に前記第2電動機が接続され、
前記第1変速機の前記第2回転要素(例えば、後述の実施形態のプラネタリキャリア23A)に前記左車輪が接続され、
前記第2変速機の前記第2回転要素(例えば、後述の実施形態のプラネタリキャリア23B)に前記右車輪が接続され、
前記第1変速機の前記第3回転要素(例えば、後述の実施形態のリングギヤ24A)と前記第2変速機の前記第3回転要素(例えば、後述の実施形態のリングギヤ24B)とが互いに連結され、
前記第3回転要素に前記動力伝達手段が配置される。
上記の目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、
車両の車輪(例えば、後述の実施形態の左後輪LWr、右後輪RWr)に動力伝達可能に接続される駆動源(例えば、後述の実施形態の第1電動機2A、第2電動機2B)と、
前記駆動源と前記車輪との動力伝達経路上に配置され、該動力伝達経路を動力伝達不能な遮断状態又は動力伝達可能な接続状態に切り替え可能な動力伝達手段(例えば、後述の実施形態の油圧ブレーキ60A、60B、一方向クラッチ50)と、
前記駆動源に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記駆動源側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第1回転状態量検出手段(例えば、後述の実施形態のレゾルバ20A、20B)と、
前記車輪に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記車輪側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第2回転状態量検出手段(例えば、後述の実施形態の車輪速センサ13A、13B)と、を備える車両用駆動装置(例えば、後述の実施形態の後輪駆動装置1)であって、
前記動力伝達手段が前記接続状態に切り替えられた状態で、下記(A)又は(B)により前記駆動源の回転状態量(例えば、後述の実施形態のモータ回転数)を取得することを特徴とする。
(A)前記第2回転状態量検出手段によって検出された第2回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数検出値)に基づいて求めた前記第1回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第1回転状態量換算値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数換算値)と、前記第1回転状態量検出手段によって検出された第1回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数検出値)と、の何れか大きい方を前記駆動源の回転状態量とする。
(B)前記第1回転状態量検出手段によって検出された第1回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数検出値)に基づいて求めた前記第2回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第2回転状態量換算値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数換算値)の方が、前記第2回転状態量検出手段によって検出された第2回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数検出値)よりも大きい場合に、前記第1回転状態量検出値を前記駆動源の回転状態量とし、前記第2回転状態量換算値の方が、前記第2回転状態量検出値よりも小さい場合に、前記第2回転状態量検出値に基づいて求めた前記第1回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第1回転状態量換算値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数換算値)を、前記駆動源の回転状態量とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の構成に加えて、
前記動力伝達手段は、締結時に前記動力伝達経路を動力伝達可能な接続状態とし、解放時に前記動力伝達経路を動力伝達不能な遮断状態又は動力伝達量を締結時よりも低減した接続状態とする双方向動力伝達手段(例えば、後述の実施形態の油圧ブレーキ60A、60B)と、駆動源側の順方向の回転動力が車輪側に入力されるときに係合し動力伝達可能な接続状態となるとともに駆動源側の逆方向の回転動力が車輪側に入力されるときに非係合で動力伝達不能な遮断状態となり、車輪側の順方向の回転動力が駆動源側に入力されるときに非係合で動力伝達不能な遮断状態となるとともに車輪側の逆方向の回転動力が駆動源側に入力されるときに係合し動力伝達可能な接続状態となる一方向動力伝達手段(例えば、後述の実施形態の一方向クラッチ50)との、少なくとも一方を含むことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の構成に加えて、
前記車輪と前記駆動源との動力伝達経路上には変速機(例えば、後述の実施形態の第1遊星歯車式減速機12A、第2遊星歯車式減速機12B)が設けられ、
前記変速機は、第1乃至第3回転要素を有し、
前記第1回転要素(例えば、後述の実施形態のサンギヤ21A、21B)に前記電動機が接続され、
前記第2回転要素(例えば、後述の実施形態のプラネタリキャリア23A、23B)に前記車輪が接続され、
前記第3回転要素(例えば、後述の実施形態のリングギヤ24A、24B)に前記動力伝達手段が配置され、
前記第1回転状態量換算値及び前記第2回転状態量換算値は前記変速機の変速比に基づいて求められることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項6〜8のいずれか1項に記載の構成に加えて、
前記駆動源は、左車輪(例えば、後述の実施形態の左後輪LWr)を駆動する第1電動機(例えば、後述の実施形態の第1電動機2A)と、車両の右車輪(例えば、後述の実施形態の右後輪RWr)を駆動する第2電動機(例えば、後述の実施形態の第2電動機2B)と、を含み、
前記第1電動機と前記左車輪との動力伝達経路上に第1変速機(例えば、後述の実施形態の第1遊星歯車式減速機12A)が設けられ、
前記第2電動機と前記右車輪との動力伝達経路上に第2変速機(例えば、後述の実施形態の第2遊星歯車式減速機12B)が設けられ、
前記第1及び第2変速機は、それぞれ第1乃至第3回転要素を有し、
前記第1変速機の前記第1回転要素(例えば、後述の実施形態のサンギヤ21A)に前記第1電動機が接続され、
前記第2変速機の前記第1回転要素(例えば、後述の実施形態のサンギヤ21B)に前記第2電動機が接続され、
前記第1変速機の前記第2回転要素(例えば、後述の実施形態のプラネタリキャリア23A)に前記左車輪が接続され、
前記第2変速機の前記第2回転要素(例えば、後述の実施形態のプラネタリキャリア23B)に前記右車輪が接続され、
前記第1変速機の前記第3回転要素(例えば、後述の実施形態のリングギヤ24A)と前記第2変速機の前記第3回転要素(例えば、後述の実施形態のリングギヤ24B)とが互いに連結され、
前記第3回転要素に前記動力伝達手段が配置されることを特徴とする。
上記の目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、
車両の車輪(例えば、後述の実施形態の左後輪LWr、右後輪RWr)に動力伝達可能に接続される駆動源(例えば、後述の実施形態の第1電動機2A、第2電動機2B)と、
前記駆動源と前記車輪との動力伝達経路上に配置され、該動力伝達経路を動力伝達不能な遮断状態又は動力伝達可能な接続状態に切り替え可能な動力伝達手段(例えば、後述の実施形態の油圧ブレーキ60A、60B、一方向クラッチ50)と、
前記駆動源に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記駆動源側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第1回転状態量検出手段(例えば、後述の実施形態のレゾルバ20A、20B)と、
前記車輪に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記車輪側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第2回転状態量検出手段(例えば、後述の実施形態の車輪速センサ13A、13B)と、を備える車両用駆動装置(例えば、後述の実施形態の後輪駆動装置1)の制御方法であって、
前記動力伝達手段が前記接続状態に切り替えられた状態で、下記(A)又は(B)により前記車輪の回転状態量(例えば、後述の実施形態の車輪回転数)を取得することを特徴とする。
(A)前記第1回転状態量検出手段によって第1回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数検出値)を検出する第1検出ステップと、
前記第2回転状態量検出手段によって第2回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数検出値)を検出する第2検出ステップと、
前記第1回転状態量検出値に基づいて前記第2回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第2回転状態量換算値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数換算値)を求める換算ステップと、
前記第2回転状態量換算値と前記第2回転状態量検出値とを比較する比較ステップと、
前記第2回転状態量換算値と前記第2回転状態量検出値と、の何れか大きい方を前記車輪の回転状態量とする車輪回転数選択ステップ。
(B)前記第1回転状態量検出手段によって第1回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数検出値)を検出する第1検出ステップと、
前記第2回転状態量検出手段によって第2回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数検出値)を検出する第2検出ステップと、
前記第2回転状態量検出値に基づいて前記第1回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第1回転状態量換算値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数換算値)を求める第1換算ステップと、
前記第1回転状態量換算値と前記第1回転状態量検出値とを比較する比較ステップと、
前記第1回転状態量換算値の方が、前記第1回転状態量検出値よりも大きい場合に、前記第2回転状態量検出値を前記車輪の回転状態量とする車輪回転数選択ステップと、
前記第1回転状態量換算値の方が、前記第1回転状態量検出値よりも小さい場合に、前記第1回転状態量検出値に基づいて前記第2回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第2回転状態量換算値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数換算値)を求める第2換算ステップと、
前記第2回転状態量換算値を前記車輪の回転状態量とする車輪回転数選択ステップ。
上記の目的を達成するために、請求項11に記載の発明は、
車両の車輪(例えば、後述の実施形態の左後輪LWr、右後輪RWr)に動力伝達可能に接続される駆動源(例えば、後述の実施形態の第1電動機2A、第2電動機2B)と、
前記駆動源と前記車輪との動力伝達経路上に配置され、該動力伝達経路を動力伝達不能な遮断状態又は動力伝達可能な接続状態に切り替え可能な動力伝達手段(例えば、後述の実施形態の油圧ブレーキ60A、60B、一方向クラッチ50)と、
前記駆動源に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記駆動源側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第1回転状態量検出手段(例えば、後述の実施形態のレゾルバ20A、20B)と、
前記車輪に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記車輪側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第2回転状態量検出手段(例えば、後述の実施形態の車輪速センサ13A、13B)と、を備える車両用駆動装置(例えば、後述の実施形態の後輪駆動装置1)の制御方法であって、
前記動力伝達手段が前記接続状態に切り替えられた状態で、下記(A)又は(B)により前記駆動源の回転状態量(例えば、後述の実施形態のモータ回転数)を取得することを特徴とする。
(A)前記第1回転状態量検出手段によって第1回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数検出値)を検出する第1検出ステップと、
前記第2回転状態量検出手段によって第2回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数検出値)を検出する第2検出ステップと、
前記第2回転状態量検出値に基づいて前記第1回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第1回転状態量換算値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数換算値)を求める換算ステップと、
前記第1回転状態量換算値と前記第1回転状態量検出値とを比較する比較ステップと、
前記第1回転状態量換算値と前記第1回転状態量検出値との何れか大きい方を前記駆動源の回転状態量とする駆動源回転数選択ステップ。
(B)前記第1回転状態量検出手段によって第1回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数検出値)を検出する第1検出ステップと、
前記第2回転状態量検出手段によって第2回転状態量検出値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数検出値)を検出する第2検出ステップと、
前記第1回転状態量検出値に基づいて前記第2回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第2回転状態量換算値(例えば、後述の実施形態の車輪回転数換算値)を求める第1換算ステップと、
前記第2回転状態量換算値の方が、前記第2回転状態量検出値よりも大きい場合に、前記第1回転状態量検出値を前記駆動源の回転状態量とする駆動源回転数選択ステップと、
前記第2回転状態量換算値の方が、前記第2回転状態量検出値よりも小さい場合に、前記第2回転状態量検出値に基づいて前記第1回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第1回転状態量換算値(例えば、後述の実施形態のモータ回転数換算値)を求める第2換算ステップと、
前記第1回転状態量換算値を前記駆動源の回転状態量とする駆動源回転数選択ステップ。
請求項1及び10に記載の発明によれば、動力伝達手段により駆動源と車輪とが動力伝達可能に接続された接続状態であれば、第1回転状態量検出手段と第2回転検出量検出手段とにより車輪の回転状態量を取得することができるので、車輪の回転状態量を用いて制御している諸制御の堅牢性を向上させることができる。さらに、第1回転状態量検出手段と第2回転検出量検出手段の一方が万一失陥した場合にも、正常な制御を継続することができる。
請求項2に記載の発明によれば、双方向動力伝達手段と一方向動力伝達手段の少なくとも一方により駆動源と車輪とが動力伝達可能に接続される状態とすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、駆動源の回転を変速して車輪に伝達することができ、その場合であっても、車輪の回転状態量を検出することができる。
請求項4に記載の発明によれば、取得した車輪の回転状態量に基づいて駆動源のトラクションコントロールを行うことで、車輪のスリップ(空転)を抑制することができる。
請求項5に記載の発明によれば、連結された第3回転要素に動力伝達手段を配置することで、それぞれに動力伝達手段を配置する必要がなく、さらに動力伝達手段の締結時に同時に左車輪と右車輪の回転状態量を取得することができる。
請求項6及び11に記載の発明によれば、動力伝達手段により駆動源と車輪とが動力伝達可能に接続された接続状態であれば、第1回転状態量検出手段と第2回転検出量検出手段とにより駆動源の回転状態量を取得することができるので、駆動源の回転状態量を用いて制御している諸制御の堅牢性を向上させることができる。さらに、第1回転状態量検出手段と第2回転検出量検出手段の一方が万一失陥した場合にも、正常な制御を継続することができる。
請求項7に記載の発明によれば、双方向動力伝達手段と一方向動力伝達手段の少なくとも一方により駆動源と車輪とが動力伝達可能に接続される状態とすることができる。
請求項8に記載の発明によれば、駆動源の回転を変速して車輪に伝達することができ、その場合であっても、駆動源の回転状態量を検出することができる。
請求項9に記載の発明によれば、連結された第3回転要素に動力伝達手段を配置することで、それぞれに動力伝達手段を配置する必要がなく、さらに動力伝達手段の締結時に同時に第1電動機と第2電動機の回転状態量を取得することができる。
本発明に係る車両用駆動装置を搭載可能な車両の一実施形態であるハイブリッド車両の概略構成を示すブロック図である。 後輪駆動装置の一実施形態の縦断面図である。 図2に示す後輪駆動装置の部分拡大図である。 車両状態における前輪駆動装置と後輪駆動装置との関係を電動機の作動状態とあわせて記載した表である。 停車中の後輪駆動装置の速度共線図である。 前進低車速時の後輪駆動装置の速度共線図である。 前進中車速時の後輪駆動装置の速度共線図である。 減速回生時の後輪駆動装置の速度共線図である。 前進高車速時の後輪駆動装置の速度共線図である。 後進時の後輪駆動装置の速度共線図である。 車両走行におけるタイミングチャートである。 車輪速取得制御(A)の制御フローを示す図である。 車輪速取得制御(B)の制御フローを示す図である。 モータトラクションコントロール制御における、車輪回転数とモータトルクを示す図である。 モータトラクションコントロール制御の制御フローを示す図である。 モータ回転数取得制御(A)の制御フローを示す図である。 モータ回転数取得制御(B)の制御フローを示す図である。
先ず、本発明に係る車両用駆動装置の一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
本発明に係る車両用駆動装置は、例えば、図1に示すような駆動システムの車両に用いられる。以下の説明では車両用駆動装置を後輪駆動用として用いる場合を例に説明するが、前輪駆動用に用いてもよい。
図1に示す車両3は、内燃機関4と電動機5とが直列に接続された駆動装置6(以下、前輪駆動装置と呼ぶ。)を車両前部に有するハイブリッド車両であり、この前輪駆動装置6の動力がトランスミッション7を介して前輪Wfに伝達される一方で、この前輪駆動装置6と別に車両後部に設けられた駆動装置1(以下、後輪駆動装置と呼ぶ。)の動力が後輪Wr(RWr、LWr)に伝達されるようになっている。前輪駆動装置6の電動機5と後輪Wr側の後輪駆動装置1の第1及び第2電動機2A、2Bとは、バッテリ9に接続され、バッテリ9からの電力供給と、バッテリ9へのエネルギー回生が可能となっている。符号8は、車両全体の各種制御をするための制御装置である。
図2は、後輪駆動装置1の全体の縦断面図を示すものであり、同図において、10A、10Bは、車両3の後輪Wr側の左右の車軸であり、車幅方向に同軸上に配置されている。後輪駆動装置1の減速機ケース11は全体が略円筒状に形成され、その内部には、車軸駆動用の第1及び第2電動機2A、2Bと、この第1及び第2電動機2A、2Bの駆動回転を減速する第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bとが、車軸10A、10Bと同軸上に配置されている。この第1電動機2A及び第1遊星歯車式減速機12Aは左後輪LWrを駆動する左車輪駆動装置として機能し、第2電動機2B及び第2遊星歯車式減速機12Bは右後輪RWrを駆動する右車輪駆動装置として機能し、第1電動機2A及び第1遊星歯車式減速機12Aと第2電動機2B及び第2遊星歯車式減速機12Bとは、減速機ケース11内で車幅方向に左右対称に配置されている。後輪Wrには、左後輪LWr、右後輪RWrの回転数を検出する車輪速センサ13A、13Bが設けられている。この車輪速センサ13A、13Bは、本発明の第2回転状態量検出手段として機能する。
減速機ケース11の左右両端側内部には、それぞれ第1及び第2電動機2A、2Bのステータ14A、14Bが固定され、このステータ14A、14Bの内周側に環状のロータ15A、15Bが回転可能に配置されている。ロータ15A、15Bの内周部には車軸10A、10Bの外周を囲繞する円筒軸16A、16Bが結合され、この円筒軸16A、16Bが車軸10A、10Bと同軸で相対回転可能となるように減速機ケース11の端部壁17A、17Bと中間壁18A、18Bとに軸受19A、19Bを介して支持されている。また、円筒軸16A、16Bの一端側の外周であって減速機ケース11の端部壁17A、17Bには、ロータ15A、15Bの回転数を第1及び第2電動機2A、2Bの制御コントローラ(図示せず)にフィードバックするためのレゾルバ20A、20Bが設けられている。このレゾルバ20A、20Bは、本発明の第1回転状態量検出手段として機能する。
また、第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bは、サンギヤ21A、21Bと、このサンギヤ21に噛合される複数のプラネタリギヤ22A、22Bと、これらのプラネタリギヤ22A、22Bを支持するプラネタリキャリア23A、23Bと、プラネタリギヤ22A、22Bの外周側に噛合されるリングギヤ24A、24Bと、を備え、サンギヤ21A、21Bから第1及び第2電動機2A、2Bの駆動力が入力され、プラネタリキャリア23A、23Bを通して車軸10A、10Bに出力されるようになっている。
サンギヤ21A、21Bは円筒軸16A、16Bに一体に形成されている。また、プラネタリギヤ22A、22Bは、例えば図3に示すように、サンギヤ21A、21Bに直接噛合される大径の第1ピニオン26A、26Bと、この第1ピニオン26A、26Bよりも小径の第2ピニオン27A、27Bを有する2連ピニオンであり、これらの第1ピニオン26A、26Bと第2ピニオン27A、27Bとが同軸にかつ軸方向にオフセットした状態で一体に形成されている。このプラネタリギヤ22A、22Bはプラネタリキャリア23A、23Bに支持され、プラネタリキャリア23A、23Bは、軸方向内側端部が径方向内側に伸びて車軸10A、10Bにスプライン嵌合され一体回転可能に支持されるとともに、軸受33A、33Bを介して中間壁18A、18Bに支持されている。
なお、中間壁18A、18Bは第1及び第2電動機2A、2Bを収容する電動機収容空間と第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bを収容する減速機空間とを隔て、外径側から内径側に互いの軸方向間隔が広がるように屈曲して構成されている。そして、中間壁18A、18Bの内径側、且つ、第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12B側にはプラネタリキャリア23A、23Bを支持する軸受33A、33Bが配置されるとともに中間壁18A、18Bの外径側、且つ、第1及び第2電動機2A、2B側にはステータ14A、14B用のバスリング41A、41Bが配置されている(図2参照)。
リングギヤ24A、24Bは、その内周面が小径の第2ピニオン27A、27Bに噛合されるギヤ部28A、28Bと、ギヤ部28A、28Bより小径で減速機ケース11の中間位置で互いに対向配置される小径部29A、29Bと、ギヤ部28A、28Bの軸方向内側端部と小径部29A、29Bの軸方向外側端部を径方向に連結する連結部30A、30Bとを備えて構成されている。この実施形態の場合、リングギヤ24A、24Bの最大半径は、第1ピニオン26A、26Bの車軸10A、10Bの中心からの最大距離よりも小さくなるように設定されている。小径部29A、29Bは、それぞれ後述する一方向クラッチ50のインナーレース51とスプライン嵌合し、リングギヤ24A、24Bは一方向クラッチ50のインナーレース51と一体回転するように構成されている。
ところで、減速機ケース11とリングギヤ24A、24Bの間には円筒状の空間部が確保され、その空間部内に、油圧ブレーキ60A、60Bが第1ピニオン26A、26Bと径方向でオーバーラップし、第2ピニオン27A、27Bと軸方向でオーバーラップして配置されている。油圧ブレーキ60A、60Bは、減速機ケース11の内径側で軸方向に伸びる筒状の外径側支持部34の内周面にスプライン嵌合された複数の固定プレート35A、35Bと、リングギヤ24A、24Bの外周面にスプライン嵌合された複数の回転プレート36A、36Bが軸方向に交互に配置され、これらのプレート35A、35B,36A、36Bが環状のピストン37A、37Bによって締結及び解放操作されるようになっている。ピストン37A、37Bは、減速機ケース11の中間位置から内径側に延設された左右分割壁39と、左右分割壁39によって連結された外径側支持部34と内径側支持部40間に形成された環状のシリンダ室38A、38Bに進退自在に収容されており、シリンダ室38A、38Bへの高圧オイルの導入によってピストン37A、37Bを前進させ、シリンダ室38A、38Bからオイルを排出することによってピストン37A、37Bを後退させる。なお、油圧ブレーキ60A、60Bは電動オイルポンプ70に接続されている(図1参照)。
また、さらに詳細には、ピストン37A、37Bは、軸方向前後に第1ピストン壁63A、63Bと第2ピストン壁64A、64Bを有し、これらのピストン壁63A、63B,64A、64Bが円筒状の内周壁65A、65Bによって連結されている。したがって、第1ピストン壁63A、63Bと第2ピストン壁64A、64Bの間には径方向外側に開口する環状空間が形成されているが、この環状空間は、シリンダ室38A、38Bの外壁内周面に固定された仕切部材66A、66Bによって軸方向左右に仕切られている。減速機ケース11の左右分割壁39と第2ピストン壁64A、64Bの間は高圧オイルが直接導入される第1作動室S1とされ、仕切部材66A、66Bと第1ピストン壁63A、63Bの間は、内周壁65A、65Bに形成された貫通孔を通して第1作動室S1と導通する第2作動室S2とされている。第2ピストン壁64A、64Bと仕切部材66A、66Bの間は大気圧に導通している。
この油圧ブレーキ60A、60Bでは、第1作動室S1と第2作動室S2に不図示の油圧回路からオイルが導入され、第1ピストン壁63A、63Bと第2ピストン壁64A、64Bに作用するオイルの圧力によって固定プレート35A、35Bと回転プレート36A、36Bを相互に押し付けが可能である。したがって、軸方向左右の第1,第2ピストン壁63A、63B,64A、64Bによって大きな受圧面積を稼ぐことができるため、ピストン37A、37Bの径方向の面積を抑えたまま固定プレート35A、35Bと回転プレート36A、36Bに対する大きな押し付け力を得ることができる。
この油圧ブレーキ60A、60Bの場合、固定プレート35A、35Bが減速機ケース11から伸びる外径側支持部34に支持される一方で、回転プレート36A、36Bがリングギヤ24A、24Bに支持されているため、両プレート35A、35B,36A、36Bがピストン37A、37Bによって押し付けられると、両プレート35A、35B,36A、36B間の摩擦締結によってリングギヤ24A、24Bに制動力が作用し固定(ロック)され、その状態からピストン37A、37Bによる締結が解放されると、リングギヤ24A、24Bの自由な回転が許容される。
即ち、油圧ブレーキ60A、60Bは、締結時にリングギヤ24A、24Bをロックして、第1及び第2電動機2A、2Bと後輪Wrとの動力伝達経路を動力伝達可能な接続状態とし、解放時にリングギヤ24A、24Bの回転を許容し動力伝達経路を動力伝達不能な遮断状態とする双方向動力伝達手段として機能する。
また、軸方向で対向するリングギヤ24A、24Bの連結部30A、30B間にも空間部が確保され、その空間部内に、リングギヤ24A、24Bに対し一方向の動力のみを伝達し他方向の動力を遮断する一方向クラッチ50が配置されている。一方向クラッチ50は、インナーレース51とアウターレース52との間に多数のスプラグ53を介在させたものであって、そのインナーレース51がスプライン嵌合によりリングギヤ24A、24Bの小径部29A、29Bと一体回転するように構成されている。またアウターレース52は、内径側支持部40により位置決めされるとともに、回り止めされている。一方向クラッチ50は、車両3が第1及び第2電動機2A、2Bの動力で前進する際に係合してリングギヤ24A、24Bの回転をロックするように構成されている。より具体的に説明すると、一方向クラッチ50は、第1及び第2電動機2A、2B側の順方向(車両3を前進させる際の回転方向)のトルクが後輪Wr側に入力されるときに係合し動力伝達可能な状態となるとともに第1及び第2電動機2A、2B側の逆方向のトルクが後輪Wr側に入力されるときに非係合で動力伝達不能な状態となり、後輪Wr側の順方向のトルクが第1及び第2電動機2A、2B側に入力されるときに非係合で動力伝達不能な状態となるとともに後輪Wr側の逆方向のトルクが第1及び第2電動機2A、2B側に入力されるときに係合し動力伝達可能な状態となる一方向動力伝達手段として機能する。言い換えると、一方向クラッチ50は、非係合時に第1及び第2電動機2A、2Bの逆方向のトルクによるリングギヤ24A、24Bの一方向の回転を許容し、係合時に第1及び第2電動機2A、2Bの順方向のトルクによるリングギヤ24A、24Bの逆方向の回転を規制している。なお、逆方向のトルクとは、逆方向の回転を増加させる方向のトルク、又は、順方向の回転を減少させる方向のトルクをさす。
このように本実施形態の後輪駆動装置1では、第1及び第2電動機2A、2Bと後輪Wrとの動力伝達経路上に一方向クラッチ50と油圧ブレーキ60A、60Bとが並列に設けられている。なお、油圧ブレーキ60A、60Bは2つ設ける必要はなく、一方にのみ油圧ブレーキを設け、他方の空間をブリーザ室として用いてもよい。
ここで、制御装置8(図1参照)は、車両全体の各種制御をするための制御装置であり、制御装置8には車輪速センサ13A、13Bから取得される左右後輪LWr、RWrの回転数、レゾルバ20A、20Bから取得される第1及び第2電動機2A、2Bの回転数、操舵角、アクセルペダル開度AP、シフトポジション、バッテリ9における充電状態SOC、油温などが入力される一方、制御装置8からは、内燃機関4を制御する信号、第1及び第2電動機2A、2Bを制御する信号などが出力される。
制御装置8は、一方向クラッチ50が非係合であり、且つ油圧ブレーキ60A、60Bが解放し、リングギヤ24A、24Bの回転が許容されて第1及び第2電動機2A、2Bと左右後輪LWr、RWrとが動力伝達が遮断された状態では、車輪速センサ13A、13Bによって検出される車輪回転数検出値を左右後輪LWr、RWrの車輪回転数とし、レゾルバ20A、20Bによって検出されるモータ回転数検出値を第1及び第2電動機2A、2Bのモータ回転数とする。一方で、一方向クラッチ50が係合し、若しくは油圧ブレーキ60A、60Bが締結し、リングギヤ24A、24Bの回転がロックされて第1及び第2電動機2A、2Bと左右後輪LWr、RWrとが動力伝達可能に接続した状態では、車輪速センサ13A、13Bによって検出される車輪回転数検出値とレゾルバ20A、20Bによって検出されるモータ回転数検出値と、から後述する車輪速取得制御で左右後輪LWr、RWrの車輪回転数を取得するか、又は、後述するモータ回転数取得制御で第1及び第2電動機2A、2Bのモータ回転数を取得する。
制御装置8は、後輪Wrの車輪回転数又は第1及び第2電動機2A、2Bのモータ回転数に基づいて種々の制御、例えばモータトラクションコントロール制御を行う。その際、制御装置8は、第1及び第2電動機2A、2Bが発生するトルクを制御する駆動制御手段としても、後輪Wrの回転状態を制御する車輪制御手段としても機能することとなる。
図4は、各車両状態における前輪駆動装置6と後輪駆動装置1との関係を第1及び第2電動機2A、2Bの作動状態とあわせて記載したものである。図中、フロントユニットは前輪駆動装置6、リアユニットは後輪駆動装置1、リアモータは第1及び第2電動機2A、2B、OWCは一方向クラッチ50、BRKは油圧ブレーキ60A、60Bを表わす。また、図5〜図10は後輪駆動装置1の各状態における速度共線図を表わし、LMOTは第1電動機2A、RMOTは第2電動機2B、左側のS、Cはそれぞれ第1電動機2Aに連結された第1遊星歯車式減速機12Aのサンギヤ21A、車軸10Aに連結されたプラネタリキャリア23A、プラネタリギヤ22A、右側のS、Cはそれぞれ第2電動機2Bに連結された第2遊星歯車式減速機12Bのサンギヤ21B、車軸10Bに連結されたプラネタリキャリア23B、プラネタリギヤ22B、Rはリングギヤ24A、24B、BRKは油圧ブレーキ60A、60B、OWCは一方向クラッチ50を表わす。以下の説明において第1及び第2電動機2A、2Bによる車両前進時のサンギヤ21A、21Bの回転方向を順方向とする。また、図中、停車中の状態から上方が順方向の回転、下方が逆方向の回転であり、矢印は、上向きが順方向のトルクを表し、下向きが逆方向のトルクを表す。
停車中は、前輪駆動装置6も後輪駆動装置1も駆動していない。従って、図5に示すように、後輪駆動装置1の第1及び第2電動機2A、2Bは停止しており、車軸10A、10Bも停止しているため、いずれの要素にもトルクは作用していない。このとき、油圧ブレーキ60A、60Bは解放(OFF)している。また、一方向クラッチ50は、第1及び第2電動機2A、2Bが非駆動のため係合していない(OFF)。
そして、キーポジションをONにした後、EV発進、EVクルーズなどモータ効率のよい前進低車速時は、後輪駆動装置1による後輪駆動となる。図6に示すように、第1及び第2電動機2A、2Bが順方向に回転するように力行駆動すると、サンギヤ21A、21Bには順方向のトルクが付加される。このとき、前述したように一方向クラッチ50が係合しリングギヤ24A、24Bがロックされる。これによりプラネタリキャリア23A、23Bは順方向に回転し前進走行がなされる。なお、プラネタリキャリア23A、23Bには車軸10A、10Bからの走行抵抗が逆方向に作用している。このように車両3の発進時には、キーポジションをONにして第1及び第2電動機2A、2Bのトルクをあげることで、一方向クラッチ50が機械的に係合してリングギヤ24A、24Bがロックされる。
このとき、油圧ブレーキ60A、60Bは弱締結状態に制御される。なお、弱締結とは、動力伝達可能であるが、油圧ブレーキ60A、60Bの締結状態の締結力に対し弱い締結力で締結している状態をいう。第1及び第2電動機2A、2Bの順方向のトルクが後輪Wr側に入力されるときには一方向クラッチ50が係合状態となり、一方向クラッチ50のみで動力伝達可能であるが、一方向クラッチ50と並列に設けられた油圧ブレーキ60A、60Bも弱締結状態とし第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側とを接続状態としておくことで、第1及び第2電動機2A、2B側からの順方向のトルクの入力が一時的に低下して一方向クラッチ50が非係合状態となった場合にも、第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側とで動力伝達不能になることを抑制できる。また、後述する減速回生への移行時に第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側とを接続状態とするための回転数制御が不要となる。一方向クラッチ50が係合状態のときの油圧ブレーキ60A、60Bの締結力を一方向クラッチ50が非係合状態のときの油圧ブレーキ60A、60Bの締結力よりも弱くすることにより、油圧ブレーキ60A、60Bの締結のための消費エネルギーが低減される。
前進低車速走行から車速があがりエンジン効率のよい前進中車速走行に至ると、後輪駆動装置1による後輪駆動から前輪駆動装置6による前輪駆動となる。図7に示すように、第1及び第2電動機2A、2Bの力行駆動が停止すると、プラネタリキャリア23A、23Bには車軸10A、10Bから前進走行しようとする順方向のトルクが作用するので、前述したように一方向クラッチ50が非係合状態となる。このときも、油圧ブレーキ60A、60Bは弱締結状態に制御される。
図6又は図7の状態から第1及び第2電動機2A、2Bを回生駆動しようすると、図8に示すように、プラネタリキャリア23A、23Bには車軸10A、10Bから前進走行を続けようとする順方向のトルクが作用するので、前述したように一方向クラッチ50が非係合状態となる。このとき、油圧ブレーキ60A、60Bは締結状態(ON)に制御される。従って、リングギヤ24A、24Bが固定されるとともに第1及び第2電動機2A、2Bには逆方向の回生制動トルクが作用し、第1及び第2電動機2A、2Bで減速回生がなされる。このように、後輪Wr側の順方向のトルクが第1及び第2電動機2A、2B側に入力されるときには一方向クラッチ50は非係合状態となり、一方向クラッチ50のみで動力伝達不能であるが、一方向クラッチ50と並列に設けられた油圧ブレーキ60A、60Bを締結させ、第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側とを接続状態としておくことで動力伝達可能な状態に保つことができ、この状態で第1及び第2電動機2A、2Bを回生駆動状態に制御することにより、車両3のエネルギーを回生することができる。
続いて加速時には、前輪駆動装置6と後輪駆動装置1の四輪駆動となり、後輪駆動装置1は、図6に示す前進低車速時と同じ状態となる。
前進高車速時には、前輪駆動装置6による前輪駆動となるが、典型的には第1及び第2電動機2A、2Bを停止させる。
図9に示すように、第1及び第2電動機2A、2Bが力行駆動を停止すると、プラネタリキャリア23A、23Bには車軸10A、10Bから前進走行しようとする順方向のトルクが作用するので、前述したように一方向クラッチ50が非係合状態となる。このとき、サンギヤ21A、21Bには、サンギヤ21A、21B及び第1及び第2電動機2A、2Bの回転損失が抵抗として入力され、リングギヤ24A、24Bにはリングギヤ24A、24Bの回転損失が発生する。
このとき油圧ブレーキ60A、60Bは解放状態(OFF)に制御される。従って、第1及び第2電動機2A、2Bの連れ回りが防止され、前輪駆動装置6による高車速時に第1及び第2電動機2A、2Bが過回転となるのが防止される。
後進時には、図10に示すように、第1及び第2電動機2A、2Bを逆力行駆動すると、サンギヤ21A、21Bには逆方向のトルクが付加される。このとき、前述したように一方向クラッチ50が非係合状態となる。
このとき油圧ブレーキ60A、60Bは締結状態に制御される。従って、リングギヤ24A、24Bが固定されて、プラネタリキャリア23A、23Bは逆方向に回転し後進走行がなされる。なお、プラネタリキャリア23A、23Bには車軸10A、10Bからの走行抵抗が順方向に作用している。このように、第1及び第2電動機2A、2B側の逆方向のトルクが後輪Wr側に入力されるときには一方向クラッチ50は非係合状態となり、一方向クラッチ50のみで動力伝達不能であるが、一方向クラッチ50と並列に設けられた油圧ブレーキ60A、60Bを締結させ、第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側とを接続状態としておくことで動力伝達可能に保つことができ、第1及び第2電動機2A、2Bのトルクによって車両3を後進させることができる。
このように後輪駆動装置1は、車両の走行状態、言い換えると、第1及び第2電動機2A、2Bの回転方向が順方向か逆方向か、及び第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側のいずれから動力が入力されるかに応じて、油圧ブレーキ60A、60Bの締結・解放が制御され、さらに油圧ブレーキ60A、60Bの締結時であっても締結力が調整される。
図11は、車両が停車中の状態からEV発進→EV加速→ENG加速→減速回生→中速ENGクルーズ→ENG+EV加速→高速ENGクルーズ→減速回生→停車→後進→停車に至る際の電動オイルポンプ70(EOP)と、一方向クラッチ50(OWC)、油圧ブレーキ60A、60B(BRK)のタイミングチャートである。
先ず、キーポジションをONにしてシフトがPレンジからDレンジに変更され、アクセルペダルが踏まれるまでは、一方向クラッチ50は非係合(OFF)、油圧ブレーキ60A、60Bは解放(OFF)状態を維持する。そこから、アクセルペダルが踏まれると後輪駆動(RWD)で後輪駆動装置1によるEV発進、EV加速がなされる。このとき、一方向クラッチ50が係合(ON)し、油圧ブレーキ60A、60Bは弱締結状態となる。そして、車速が低車速域から中車速域に至って後輪駆動から前輪駆動になると内燃機関4によるENG走行(FWD)がなされる。このとき、一方向クラッチ50が非係合(OFF)となり、油圧ブレーキ60A、60Bはそのままの状態(弱締結状態)を維持する。そして、ブレーキが踏まれるなど減速回生時には、一方向クラッチ50が非係合(OFF)のまま、油圧ブレーキ60A、60Bが締結(ON)する。内燃機関4による中速クルーズ中は、上述のENG走行と同様の状態となる。続いて、さらにアクセルペダルが踏まれて前輪駆動から四輪駆動(AWD)になると、再び一方向クラッチ50が係合(ON)する。そして、車速が中車速域から高車速域に至ると、再び内燃機関4によるENG走行(FWD)がなされる。このとき、一方向クラッチ50が非係合(OFF)となり、油圧ブレーキ60A、60Bが解放(OFF)され、第1及び第2電動機2A、2Bを停止する。そして、減速回生時には、上述した減速回生時と同様の状態となる。そして、車両が停止すると、一方向クラッチ50は非係合(OFF)、油圧ブレーキ60A、60Bは解放(OFF)状態となる。
続いて、後進走行時には、一方向クラッチ50は非係合(OFF)のまま、油圧ブレーキ60A、60Bが締結(ON)する。そして、車両が停止すると、一方向クラッチ50は非係合(OFF)、油圧ブレーキ60A、60Bは解放(OFF)状態となる。
続いて、本発明の特徴である車輪速取得制御及びモータ回転数取得制御について説明する。なお、以下の説明では、回転状態量として回転数(r/min)を用いるが、回転数(r/min)に限らず角速度(rad/s)等の他の回転状態量を用いてもよい。
<車輪速取得制御>
車輪速取得制御は、一方向クラッチ50が係合し、若しくは油圧ブレーキ60A、60Bが締結し、リングギヤ24A、24Bの回転がロックされて第1及び第2電動機2A、2Bと左右後輪LWr、RWrとが動力伝達可能な接続状態で、下記(A)又は(B)により左右後輪LWr、RWrのそれぞれの回転数である車輪回転数(以下、車輪速とも呼ぶ。)を取得する制御である。
(A)レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値に基づいて求めた車輪速センサ13A、13Bが設置された位置の回転数である車輪回転数換算値と、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値と、の何れか大きい方を車輪回転数とする。
(B)車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値に基づいて求めたレゾルバ20A、20Bが設置された位置の回転数であるモータ回転数換算値の方が、レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値よりも大きい場合に、車輪回転数検出値を車輪回転数とし、モータ回転数換算値の方が、モータ回転数検出値よりも小さい場合に、モータ回転数検出値に基づいて求めた車輪速センサ13A、13Bが設置された位置の回転数である車輪回転数換算値を、車輪回転数とする。
レゾルバ20A、20B及び車輪速センサ13A、13Bが正常に機能している場合、一方向クラッチ50が係合し、若しくは油圧ブレーキ60A、60Bが締結し、リングギヤ24A、24Bの回転がロックされて第1及び第2電動機2A、2Bと左右後輪LWr、RWrとが動力伝達可能に接続した接続状態では、レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値に基づいて求められた車輪回転数換算値と、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値とは、一致する。同様に、レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値と、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値に基づいて求められたモータ回転数換算値も一致する。これに対し、レゾルバ20A、20B及び車輪速センサ13A、13B等のセンサが断線等により故障した場合、故障したセンサからは通常の回転数よりも、低い回転数(零回転を含む)が信号として送られる。
そこで、上記車輪速取得制御(A)に記載の制御方法では、レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値に基づいて算出された車輪回転数換算値と車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値とを比較し、車輪回転数換算値の方が車輪回転数検出値よりも大きければ、車輪回転数換算値の算出に用いたモータ回転数検出値を検出したレゾルバ20A、20Bが正常であり、車輪回転数検出値を検出した車輪速センサ13A、13Bが故障したと判断し、レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値に基づいて算出された車輪回転数換算値を車輪回転数とする。一方、車輪回転数換算値の方が車輪回転数検出値よりも小さければ、車輪回転数検出値を検出した車輪速センサ13A、13Bが正常であり、車輪回転数換算値の算出に用いたモータ回転数検出値を検出したレゾルバ20A、20Bが故障したと判断し、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値を車輪回転数とする。
具体的には、図12に示すように、先ずリングギヤ24A、24Bの回転数(以下、リングギヤ回転数とも呼ぶ。)が零であるか否かを検出する(S11)。なお、リングギヤ24A、24Bの回転数が零であるか否かは、一方向クラッチ50の係合を検出、若しくは油圧ブレーキ60A、60Bの締結を検出してもよく、リングギヤ24A、24Bにセンサを設けてセンサにより検出してもよい(以下の(B)の制御についても同様。)。その結果、リングギヤ回転数が零でなければ、車輪速取得制御を終了し、リングギヤ回転数が零であれば、レゾルバ20A、20Bによりモータ回転数検出値を検出するとともに、車輪速センサ13A、13Bにより車輪回転数検出値を検出する(S12)。
続いて、レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値に基づいて車輪回転数換算値を算出する(S13)。車輪回転数換算値は、モータ回転数検出値に第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bの減速比を乗算することで求められる(以下の(B)の制御についても同様。)。そして、車輪回転数換算値と車輪回転数検出値とを比較する(S14)。その結果、車輪回転数換算値の方が車輪回転数検出値よりも大きければ、車輪回転数換算値を選択し、車輪回転数換算値を車輪回転数とする(S15)。一方、車輪回転数換算値の方が車輪回転数検出値よりも小さければ、車輪回転数検出値を選択し、車輪回転数検出値を車輪回転数とする(S16)。なお、車輪回転数換算値と車輪回転数検出値とが等しい場合、レゾルバ20A、20B及び車輪速センサ13A、13Bの何れも正常であるので、車輪回転数換算値と車輪回転数検出値の何れを車輪回転数としてもよいが、ここでは車輪回転数検出値を車輪回転数とする。
上記車輪速取得制御(B)に記載の制御方法では、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値に基づいて算出されたモータ回転数換算値とレゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値とを比較し、モータ回転数換算値の方がモータ回転数検出値よりも大きければ、モータ回転数換算値の算出に用いた車輪回転数検出値を検出した車輪速センサ13A、13Bが正常であり、モータ回転数検出値を検出したレゾルバ20A、20Bが故障したと判断し、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値を車輪回転数とする。一方、モータ回転数換算値の方がモータ回転数検出値よりも小さければ、モータ回転数検出値を検出したレゾルバ20A、20Bが正常であり、モータ回転数換算値の算出に用いた車輪回転数検出値を検出した車輪速センサ13A、13Bが故障したと判断し、レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値に基づいて車輪回転数換算値を算出し、算出された車輪回転数換算値を車輪回転数とする。
具体的には、図13に示すように、先ずリングギヤ24A、24Bのリングギヤ回転数が零であるか否かを検出する(S21)。その結果、リングギヤ回転数が零でなければ、車輪速取得制御を終了し、リングギヤ回転数が零であれば、レゾルバ20A、20Bによりモータ回転数検出値を検出するとともに、車輪速センサ13A、13Bにより車輪回転数検出値を検出する(S22)。
続いて、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値に基づいてモータ回転数換算値を算出する(S23)。モータ回転数換算値は、車輪回転数検出値に第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bの減速比を除算することで求められる。そして、モータ回転数換算値とモータ回転数検出値とを比較する(S24)。その結果、モータ回転数換算値の方がモータ回転数検出値よりも大きければ、モータ回転数換算値の算出に用いた車輪回転数検出値を選択し、車輪回転数検出値を車輪回転数とする(S25)。一方、モータ回転数換算値の方がモータ回転数検出値よりも小さければ、モータ回転数検出値に基づいて車輪回転数換算値を算出し、車輪回転数換算値を車輪回転数とする(S26)。なお、モータ回転数換算値とモータ回転数検出値とが等しい場合、レゾルバ20A、20B及び車輪速センサ13A、13Bの何れも正常であるので、モータ回転数検出値に基づいて算出した車輪回転数換算値と車輪回転数検出値の何れを車輪回転数としてもよいが、ここでは車輪回転数検出値を車輪回転数とする。
この車輪速取得制御(A)、(B)は、左後輪LWrと右後輪RWrの車輪回転数判定を別々に行ってもよいが、一方向クラッチ50が係合することで、若しくは油圧ブレーキ60A、60Bが締結することで、リングギヤ24A、24Bの回転がロックされて第1及び第2電動機2A、2Bと左右後輪LWr、RWrとが動力伝達可能に接続した状態となるので、左後輪LWrと右後輪RWrの車輪回転数判定を同時に行うこともできる。
この車輪速取得制御(A)、(B)で判定された車輪回転数は、車輪回転数に基づく様々な制御に利用することができ、従って、左右後輪LWr、RWrの回転数を用いて制御している諸制御の堅牢性を向上させることができ、さらに、レゾルバ20A、20B及び車輪速センサ13A、13Bの一方が万一失陥した場合にも、正常な制御を継続することができる。
この車輪速取得制御(A)、(B)で判定された車輪回転数は、例えば以下で説明するモータトラクションコントロール制御に適用することができる。
モータトラクションコントロール制御は、図14に示すように、取得した車輪回転数と車輪目標回転数(不図示)に基づいて求められたスリップ判断閾値回転数とを比較し、(a)で示す車輪回転数がスリップ判断閾値回転数以下の場合に、ドライバ要求トルクを出力するようにモータトルクを出力させ、(b)で示す車輪回転数がスリップ判断閾値回転数を超えた場合に、モータトルクを減少させ、(c)で示す再び車輪回転数がスリップ判断閾値回転数以下の場合に、ドライバ要求トルクを出力するようにモータトルクを出力させる。
モータトラクションコントロール制御のフローについて、左後輪LWrの場合を例に図15を参照しながら説明すると、先ず、車輪速取得制御により左後輪回転数を取得する(S31)。続いて、車輪目標回転数(不図示)に基づいてスリップ判断閾値回転数を算出する(S32)。そして、左後輪回転数とスリップ判断閾値回転数とを比較する(S33)。その結果、スリップ判断閾値回転数よりも左後輪回転数の方が小さければ、スリップが発生していない、若しくは許容できる範囲のスリップであると判断し、処理を終了する。一方、スリップ判断閾値回転数よりも左後輪回転数の方が大きければ、許容できないスリップが発生したと判断し、左後輪LWrに接続される第1電動機2Aのトルクダウンを行う。これにより、左後輪LWrの空転状態を早急に解消し、消費エネルギーを抑制するとともに車両3の不安定な状態を解消することができる。
<モータ回転数取得制御>
モータ回転数取得制御は、一方向クラッチ50が係合し、若しくは油圧ブレーキ60A、60Bが締結し、リングギヤ24A、24Bの回転がロックされて第1及び第2電動機2A、2Bと左右後輪LWr、RWrとが動力伝達可能な接続状態で、下記(A)又は(B)により第1及び第2電動機2A、2Bのそれぞれの回転数であるモータ回転数を取得する制御である。
(A)車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値に基づいて求めたレゾルバ20A、20Bが設置された位置の回転数であるモータ回転数換算値と、レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値と、の何れか大きい方をモータ回転数とする。
(B)レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値に基づいて求めた車輪速センサ13A、13Bが設置された位置の回転数である車輪回転数換算値の方が、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値よりも大きい場合に、モータ回転数検出値をモータ回転数とし、車輪回転数換算値の方が、車輪回転数検出値よりも小さい場合に、車輪回転数検出値に基づいて求めたレゾルバ20A、20Bが設置された位置の回転数であるモータ回転数換算値を、モータ回転数とする。
レゾルバ20A、20B及び車輪速センサ13A、13Bが正常に機能している場合、一方向クラッチ50が係合し、若しくは油圧ブレーキ60A、60Bが締結し、リングギヤ24A、24Bの回転がロックされて第1及び第2電動機2A、2Bと左右後輪LWr、RWrとが動力伝達可能に接続した接続状態では、レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値と、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値に基づいて求められたモータ回転数換算値とは、一致する。同様に、レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値に基づいて求められた車輪回転数換算値と、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値も一致する。これに対し、レゾルバ20A、20B及び車輪速センサ13A、13B等のセンサが断線等により故障した場合、故障したセンサからは通常の回転数よりも、低い回転数(零回転を含む)が信号として送られる。
そこで、上記モータ回転数取得制御(A)に記載の制御方法では、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値に基づいて算出されたモータ回転数換算値とレゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値とを比較し、モータ回転数換算値の方がモータ回転数検出値よりも大きければ、モータ回転数換算値の算出に用いた車輪回転数検出値を検出した車輪速センサ13A、13Bが正常であり、モータ回転数検出値を検出したレゾルバ20A、20Bが故障したと判断し、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値に基づいて算出されたモータ回転数換算値をモータ回転数とする。一方、モータ回転数換算値の方がモータ回転数検出値よりも小さければ、モータ回転数検出値を検出したレゾルバ20A、20Bが正常であり、モータ回転数換算値の算出に用いた車輪回転数検出値を検出した車輪速センサ13A、13Bが故障したと判断し、モータ回転数検出値をモータ回転数とする。
具体的には、図16に示すように、先ずリングギヤ24A、24Bのリングギヤ回転数が零であるか否かを検出する(S41)。なお、リングギヤ24A、24Bの回転数が零であるか否かは、一方向クラッチ50の係合を検出、若しくは油圧ブレーキ60A、60Bの締結を検出してもよく、リングギヤ24A、24Bにセンサを設けてセンサにより検出してもよい(以下の(B)の制御についても同様。)。その結果、リングギヤ回転数が零でなければ、モータ回転数取得制御を終了し、リングギヤ回転数が零であれば、レゾルバ20A、20Bによりモータ回転数検出値を検出するとともに、車輪速センサ13A、13Bにより車輪回転数検出値を検出する(S42)。
続いて、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値に基づいてモータ回転数換算値を算出する(S43)。モータ回転数換算値は、車輪回転数検出値に第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bの減速比を除算することで求められる(以下の(B)の制御についても同様。)。そして、モータ回転数換算値とモータ回転数検出値とを比較する(S44)。その結果、モータ回転数換算値の方がモータ回転数検出値よりも大きければ、モータ回転数換算値を選択し、モータ回転数換算値をモータ回転数とする(S45)。一方、モータ回転数換算値の方がモータ回転数検出値よりも小さければ、モータ回転数検出値を選択し、モータ回転数検出値をモータ回転数とする(S46)。なお、モータ回転数換算値とモータ回転数検出値とが等しい場合、レゾルバ20A、20B及び車輪速センサ13A、13Bの何れも正常であるので、モータ回転数換算値とモータ回転数検出値の何れをモータ回転数としてもよいが、ここではモータ回転数検出値をモータ回転数とする。
上記モータ回転数取得制御(B)に記載の制御方法では、レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値に基づいて算出された車輪回転数換算値と車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値とを比較し、車輪回転数換算値の方が車輪回転数検出値よりも大きければ、車輪回転数換算値の算出に用いたモータ回転数検出値を検出したレゾルバ20A、20Bが正常であり、車輪回転数検出値を検出した車輪速センサ13A、13Bが故障したと判断し、レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値をモータ回転数とする。一方、車輪回転数換算値の方が車輪回転数検出値よりも小さければ、車輪回転数検出値を検出した車輪速センサ13A、13Bが正常であり、車輪回転数換算値の算出に用いたモータ回転数検出値を検出したレゾルバ20A、20Bが故障したと判断し、車輪速センサ13A、13Bによって検出された車輪回転数検出値に基づいてモータ回転数換算値を算出し、算出されたモータ回転数換算値をモータ回転数とする。
具体的には、図17に示すように、先ずリングギヤ24A、24Bのリングギヤ回転数が零であるか否かを検出する(S51)。その結果、リングギヤ回転数が零でなければ、モータ回転数取得制御を終了し、リングギヤ回転数が零であれば、レゾルバ20A、20Bによりモータ回転数検出値を検出するとともに、車輪速センサ13A、13Bにより車輪回転数検出値を検出する(S52)。
続いて、レゾルバ20A、20Bによって検出されたモータ回転数検出値に基づいて車輪回転数換算値を算出する(S53)。車輪回転数換算値は、モータ回転数検出値に第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bの減速比を乗算することで求められる。そして、車輪回転数換算値と車輪回転数検出値とを比較する(S54)。その結果、車輪回転数換算値の方が車輪回転数検出値よりも大きければ、モータ回転数検出値を選択し、モータ回転数検出値をモータ回転数とする(S55)。一方、車輪回転数換算値の方が車輪回転数検出値よりも小さければ、車輪回転数検出値に基づいてモータ回転数換算値を算出し、モータ回転数換算値をモータ回転数とする(S56)。なお、車輪回転数換算値と車輪回転数検出値とが等しい場合、レゾルバ20A、20B及び車輪速センサ13A、13Bの何れも正常であるので、モータ回転数換算値とモータ回転数検出値の何れをモータ回転数としてもよいが、ここではモータ回転数検出値をモータ回転数とする。
このモータ回転数取得制御(A)、(B)は、第1及び第2電動機2A、2Bのモータ回転数判定を別々に行ってもよいが、一方向クラッチ50が係合することで、若しくは油圧ブレーキ60A、60Bが締結することで、リングギヤ24A、24Bの回転がロックされて第1及び第2電動機2A、2Bと左右後輪LWr、RWrとが動力伝達可能に接続した状態となるので、第1及び第2電動機2A、2Bのモータ回転数判定を同時に行うこともできる。
このモータ回転数取得制御(A)、(B)で判定されたモータ回転数は、モータ回転数に基づく様々な制御に利用することができ、従って、第1及び第2電動機2A、2Bの回転数を用いて制御している諸制御の堅牢性を向上させることができ、さらに、レゾルバ20A、20B及び車輪速センサ13A、13Bの一方が万一失陥した場合にも、正常な制御を継続することができる。なお、上述したモータトルクションコントロール制御を、取得したモータ回転数と、モータ目標回転数に基づいて求められたスリップ判断閾値回転数とを比較して、モータ回転数がスリップ判断閾値回転数以下の場合に、第1及び第2電動機2A、2Bにドライバ要求トルクを出力するようにモータトルクを出力させ、モータ回転数がスリップ判断閾値回転数を超えた場合に、モータトルクを減少させるようにしてもよい。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、リングギヤ24A、24Bにそれぞれ油圧ブレーキ60A、60Bを設ける必要はなく、連結されたリングギヤ24A、24Bに1つの油圧ブレーキと1つの一方向クラッチが設けられていればよい。また、動力伝達手段として、油圧ブレーキと一方向クラッチのいずれか一方が設けられていればよい。
また、断接手段として油圧ブレーキを例示したが、これに限らず機械式、電磁式等任意に選択できる。
また、左車輪駆動装置及び右輪駆動装置には、電動機と車輪との間に遊星歯車式減速機を配置したが、遊星歯車式減速機の代わりに任意の変速機を用いることができ、また、電動機と車輪との動力伝達経路上に電動機と車輪との動力伝達を断接可能な動力伝達手段が設けられている限り、変速機を省略することもできる。
また、駆動源として電動機を例示したが、エンジン等、他の駆動源を用いてもよい。
また、上記実施形態では、第1回転状態量検出手段としてのレゾルバ20A、20Bを第1及び第2電動機2A、2Bにそれぞれ設けたが、第1回転状態量検出手段は第1及び第2電動機2A、2Bと後輪Wrとの動力伝達経路上で動力伝達手段よりも第1及び第2電動機2A、2B側に配置されていればよい。
同様に、上記実施形態では、第2回転状態量検出手段としての車輪速センサ13A、13Bを左後輪LWr、右後輪RWrにそれぞれ設けたが、第2回転状態量検出手段は第1及び第2電動機2A、2Bと後輪Wrとの動力伝達経路上で動力伝達手段よりも後輪Wr側に配置されていればよい。
1 後輪駆動装置
2A 第1電動機
2B 第2電動機
8 制御装置(駆動制御手段、車輪制御手段)
12A 第1遊星歯車式減速機(第1変速機)
12B 第2遊星歯車式減速機(第2変速機)
21A、21B サンギヤ(第1回転要素)
23A、23B プラネタリキャリア(第2回転要素)
24A、24B リングギヤ(第3回転要素)
50 一方向クラッチ(一方向動力伝達手段)
60A、60B 油圧ブレーキ(双方向動力伝達手段)
LWr 左後輪(左車輪)
RWr 右後輪(右車輪)

Claims (11)

  1. 車両の車輪に動力伝達可能に接続される駆動源と、
    前記駆動源と前記車輪との動力伝達経路上に配置され、該動力伝達経路を動力伝達不能な遮断状態又は動力伝達可能な接続状態に切り替え可能な動力伝達手段と、
    前記駆動源に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記駆動源側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第1回転状態量検出手段と、
    前記車輪に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記車輪側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第2回転状態量検出手段と、を備える車両用駆動装置であって、
    前記動力伝達手段が前記接続状態に切り替えられた状態で、下記(A)又は(B)により前記車輪の回転状態量を取得することを特徴とする車両用駆動装置。
    (A)前記第1回転状態量検出手段によって検出された第1回転状態量検出値に基づいて求めた前記第2回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第2回転状態量換算値と、前記第2回転状態量検出手段によって検出された第2回転状態量検出値と、の何れか大きい方を前記車輪の回転状態量とする。
    (B)前記第2回転状態量検出手段によって検出された第2回転状態量検出値に基づいて求めた前記第1回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第1回転状態量換算値の方が、前記第1回転状態量検出手段によって検出された第1回転状態量検出値よりも大きい場合に、前記第2回転状態量検出値を前記車輪の回転状態量とし、前記第1回転状態量換算値の方が、前記第1回転状態量検出値よりも小さい場合に、前記第1回転状態量検出値に基づいて求めた前記第2回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第2回転状態量換算値を、前記車輪の回転状態量とする。
  2. 前記動力伝達手段は、締結時に前記動力伝達経路を動力伝達可能な接続状態とし、解放時に前記動力伝達経路を動力伝達不能な遮断状態又は動力伝達量を締結時よりも低減した接続状態とする双方向動力伝達手段と、駆動源側の順方向の回転動力が車輪側に入力されるときに係合し動力伝達可能な接続状態となるとともに駆動源側の逆方向の回転動力が車輪側に入力されるときに非係合で動力伝達不能な遮断状態となり、車輪側の順方向の回転動力が駆動源側に入力されるときに非係合で動力伝達不能な遮断状態となるとともに車輪側の逆方向の回転動力が駆動源側に入力されるときに係合し動力伝達可能な接続状態となる一方向動力伝達手段との、少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記車輪と前記駆動源との動力伝達経路上には変速機が設けられ、
    前記変速機は、第1乃至第3回転要素を有し、
    前記第1回転要素に前記電動機が接続され、
    前記第2回転要素に前記車輪が接続され、
    前記第3回転要素に前記動力伝達手段が配置され、
    前記第1回転状態量換算値及び前記第2回転状態量換算値は前記変速機の変速比に基づいて求められることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記駆動源が発生するトルクを制御する駆動制御手段を備え、
    前記車輪の回転状態を制御する車輪制御手段と、
    前記車輪制御手段は、前記車輪の目標回転状態量を求め、
    該目標回転状態量と、取得した前記車輪の前記回転状態量との差異が所定以上のときに、前記駆動制御手段は前記車輪の前記回転状態量が前記目標回転状態量に近づくように前記駆動源を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記駆動源は、左車輪を駆動する第1電動機と、車両の右車輪を駆動する第2電動機と、を含み、
    前記第1電動機と前記左車輪との動力伝達経路上に第1変速機が設けられ、
    前記第2電動機と前記右車輪との動力伝達経路上に第2変速機が設けられ、
    前記第1及び第2変速機は、それぞれ第1乃至第3回転要素を有し、
    前記第1変速機の前記第1回転要素に前記第1電動機が接続され、
    前記第2変速機の前記第1回転要素に前記第2電動機が接続され、
    前記第1変速機の前記第2回転要素に前記左車輪が接続され、
    前記第2変速機の前記第2回転要素に前記右車輪が接続され、
    前記第1変速機の前記第3回転要素と前記第2変速機の前記第3回転要素とが互いに連結され、
    前記第3回転要素に前記動力伝達手段が配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  6. 車両の車輪に動力伝達可能に接続される駆動源と、
    前記駆動源と前記車輪との動力伝達経路上に配置され、該動力伝達経路を動力伝達不能な遮断状態又は動力伝達可能な接続状態に切り替え可能な動力伝達手段と、
    前記駆動源に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記駆動源側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第1回転状態量検出手段と、
    前記車輪に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記車輪側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第2回転状態量検出手段と、を備える車両用駆動装置であって、
    前記動力伝達手段が前記接続状態に切り替えられた状態で、下記(A)又は(B)により前記駆動源の回転状態量を取得することを特徴とする車両用駆動装置。
    (A)前記第2回転状態量検出手段によって検出された第2回転状態量検出値に基づいて求めた前記第1回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第1回転状態量換算値と、前記第1回転状態量検出手段によって検出された第1回転状態量検出値と、の何れか大きい方を前記駆動源の回転状態量とする。
    (B)前記第1回転状態量検出手段によって検出された第1回転状態量検出値に基づいて求めた前記第2回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第2回転状態量換算値の方が、前記第2回転状態量検出手段によって検出された第2回転状態量検出値よりも大きい場合に、前記第1回転状態量検出値を前記駆動源の回転状態量とし、前記第2回転状態量換算値の方が、前記第2回転状態量検出値よりも小さい場合に、前記第2回転状態量検出値に基づいて求めた前記第1回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第1回転状態量換算値を、前記駆動源の回転状態量とする。
  7. 前記動力伝達手段は、締結時に前記動力伝達経路を動力伝達可能な接続状態とし、解放時に前記動力伝達経路を動力伝達不能な遮断状態又は動力伝達量を締結時よりも低減した接続状態とする双方向動力伝達手段と、駆動源側の順方向の回転動力が車輪側に入力されるときに係合し動力伝達可能な接続状態となるとともに駆動源側の逆方向の回転動力が車輪側に入力されるときに非係合で動力伝達不能な遮断状態となり、車輪側の順方向の回転動力が駆動源側に入力されるときに非係合で動力伝達不能な遮断状態となるとともに車輪側の逆方向の回転動力が駆動源側に入力されるときに係合し動力伝達可能な接続状態となる一方向動力伝達手段との、少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項6に記載の車両用駆動装置。
  8. 前記車輪と前記駆動源との動力伝達経路上には変速機が設けられ、
    前記変速機は、第1乃至第3回転要素を有し、
    前記第1回転要素に前記電動機が接続され、
    前記第2回転要素に前記車輪が接続され、
    前記第3回転要素に前記動力伝達手段が配置され、
    前記第1回転状態量換算値及び前記第2回転状態量換算値は前記変速機の変速比に基づいて求められることを特徴とする請求項6又は7に記載の車両用駆動装置。
  9. 前記駆動源は、左車輪を駆動する第1電動機と、車両の右車輪を駆動する第2電動機と、を含み、
    前記第1電動機と前記左車輪との動力伝達経路上に第1変速機が設けられ、
    前記第2電動機と前記右車輪との動力伝達経路上に第2変速機が設けられ、
    前記第1及び第2変速機は、それぞれ第1乃至第3回転要素を有し、
    前記第1変速機の前記第1回転要素に前記第1電動機が接続され、
    前記第2変速機の前記第1回転要素に前記第2電動機が接続され、
    前記第1変速機の前記第2回転要素に前記左車輪が接続され、
    前記第2変速機の前記第2回転要素に前記右車輪が接続され、
    前記第1変速機の前記第3回転要素と前記第2変速機の前記第3回転要素とが互いに連結され、
    前記第3回転要素に前記動力伝達手段が配置されることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  10. 車両の車輪に動力伝達可能に接続される駆動源と、
    前記駆動源と前記車輪との動力伝達経路上に配置され、該動力伝達経路を動力伝達不能な遮断状態又は動力伝達可能な接続状態に切り替え可能な動力伝達手段と、
    前記駆動源に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記駆動源側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第1回転状態量検出手段と、
    前記車輪に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記車輪側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第2回転状態量検出手段と、を備える車両用駆動装置の制御方法であって、
    前記動力伝達手段が前記接続状態に切り替えられた状態で、下記(A)又は(B)により前記車輪の回転状態量を取得することを特徴とする車両用駆動装置の制御方法。
    (A)前記第1回転状態量検出手段によって第1回転状態量検出値を検出する第1検出ステップと、
    前記第2回転状態量検出手段によって第2回転状態量検出値を検出する第2検出ステップと、
    前記第1回転状態量検出値に基づいて前記第2回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第2回転状態量換算値を求める換算ステップと、
    前記第2回転状態量換算値と前記第2回転状態量検出値とを比較する比較ステップと、
    前記第2回転状態量換算値と前記第2回転状態量検出値との何れか大きい方を前記車輪の回転状態量とする車輪回転数選択ステップ。
    (B)前記第1回転状態量検出手段によって第1回転状態量検出値を検出する第1検出ステップと、
    前記第2回転状態量検出手段によって第2回転状態量検出値を検出する第2検出ステップと、
    前記第2回転状態量検出値に基づいて前記第1回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第1回転状態量換算値を求める第1換算ステップと、
    前記第1回転状態量換算値と前記第1回転状態量検出値とを比較する比較ステップと、
    前記第1回転状態量換算値の方が、前記第1回転状態量検出値よりも大きい場合に、前記第2回転状態量検出値を前記車輪の回転状態量とする車輪回転数選択ステップと、
    前記第1回転状態量換算値の方が、前記第1回転状態量検出値よりも小さい場合に、前記第1回転状態量検出値に基づいて前記第2回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第2回転状態量換算値を求める第2換算ステップと、
    前記第2回転状態量換算値を前記車輪の回転状態量とする車輪回転数選択ステップ。
  11. 車両の車輪に動力伝達可能に接続される駆動源と、
    前記駆動源と前記車輪との動力伝達経路上に配置され、該動力伝達経路を動力伝達不能な遮断状態又は動力伝達可能な接続状態に切り替え可能な動力伝達手段と、
    前記駆動源に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記駆動源側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第1回転状態量検出手段と、
    前記車輪に又は前記動力伝達経路上で前記動力伝達手段よりも前記車輪側に設置され、設置された位置の回転状態量を検出する第2回転状態量検出手段と、を備える車両用駆動装置の制御方法であって、
    前記動力伝達手段が前記接続状態に切り替えられた状態で、下記(A)又は(B)により前記駆動源の回転状態量を取得することを特徴とする車両用駆動装置の制御方法。
    (A)前記第1回転状態量検出手段によって第1回転状態量検出値を検出する第1検出ステップと、
    前記第2回転状態量検出手段によって第2回転状態量検出値を検出する第2検出ステップと、
    前記第2回転状態量検出値に基づいて前記第1回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第1回転状態量換算値を求める換算ステップと、
    前記第1回転状態量換算値と前記第1回転状態量検出値とを比較する比較ステップと、
    前記第1回転状態量換算値と前記第1回転状態量検出値との何れか大きい方を前記駆動源の回転状態量とする駆動源回転数選択ステップ。
    (B)前記第1回転状態量検出手段によって第1回転状態量検出値を検出する第1検出ステップと、
    前記第2回転状態量検出手段によって第2回転状態量検出値を検出する第2検出ステップと、
    前記第1回転状態量検出値に基づいて前記第2回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第2回転状態量換算値を求める第1換算ステップと、
    前記第2回転状態量換算値の方が、前記第2回転状態量検出値よりも大きい場合に、前記第1回転状態量検出値を前記駆動源の回転状態量とする駆動源回転数選択ステップと、
    前記第2回転状態量換算値の方が、前記第2回転状態量検出値よりも小さい場合に、前記第2回転状態量検出値に基づいて前記第1回転状態量検出手段が設置された位置の回転状態量である第1回転状態量換算値を求める第2換算ステップと、
    前記第1回転状態量換算値を前記駆動源の回転状態量とする駆動源回転数選択ステップ。
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