JP2015113486A - B含有鋼の連続鋳造鋳片 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】B含有鋼の連続鋳造鋳片は、C:0.050〜0.180%、Si:0.10〜0.40%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.0030%以下、Ti:0.005〜0.030%、Sol.Al:0.005〜0.060%、B:0.0005〜0.0050%、N:0.0015〜0.0070%、および、希土類元素:0.001〜0.050%を含有し、さらにCu、Cr、Ni、Mo、V、NbおよびCaのうち少なくとも1種以上をCu:0.1〜0.5%、Cr:0.2〜2.0%、Ni:0.3〜2.5%、Mo:0.1〜0.8%、V:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.050%およびCa:0.0005〜0.0060%で含有し、残部がFeおよび不純物からなり、鋼中のTi、希土類元素、BおよびNの含有率が「([%Ti]+[%REM])/([%B]+[%N])≧2.5」の関係を満足する。
【選択図】図2
Description
([%Ti]+[%REM])/([%B]+[%N])≧2.5 …(a)
ここで、[%Ti]、[%REM]、[%B]および[%N]は、それぞれ鋼中のTi、希土類元素、BおよびNの含有率(質量%)を意味する。
[%Sol.Al]/[%REM]≦7 …(b)
ここで、[%Sol.Al]および[%REM]は、それぞれ鋼中のSol.Alおよび希土類元素の含有率(質量%)である。
1−1.第1の予備実験
第1の予備実験では、溶融後、凝固させたB含有鋼中に存在するBNの形態について検討した。
試料として、表1に示す成分組成を有するB含有鋼を用いた。
電子顕微鏡による観察の結果、オーステナイト粒径は、鋼A、鋼Bともに0.5〜2.0mm程度であり、双方に顕著な差は認められなかった。しかし、BNの析出形態は、鋼Aと鋼Bとで大きく異なっていた。
1−2.第2の予備実験
第2の予備実験では、B含有鋼の高温延性について検討した。
試料として、前記表1に示す鋼Aおよび鋼Bの成分組成を有するB含有鋼の丸棒を使用した。丸棒は、直径10mm、長さ190mmの鍛伸材とし、鋳造したままの組織を有しないものとした。この丸棒を、形状を維持したまま、長さ方向の中央の長さ約30mmの部分を溶融させた。その後、溶融状態から1200℃までは、10℃/sの冷却速度で冷却、凝固させ、1200℃以下の温度域では冷却速度を0.4℃/sとして連続的に冷却した。
評価はB含有鋼の高温延性で行った。高温延性は下記(1)式で定義される、引張試験による破断前後における試料の断面積減少率とした。
RA=(A0−Af)/A0×100 …(1)
ここで、RA:断面積減少率(%)、A0:引張試験前の試料の横断面積(m2)、Af:試料の破断部分の横断面積(m2)である。
鋼Aでは、引張試験を行ったときの試料温度が700〜950℃の範囲で高温延性の低下が確認された。具体的には、断面積減少率が20〜55%であり、連続鋳造時には鋳片の表面割れが発生するおそれのある値であった。
鋼Bでは、引張試験を行ったときの試料温度が600〜1000℃の範囲で断面積減少率が60%以上であり、鋼Aよりも高い高温延性を有していた。また、断面減少率は、連続鋳造時に鋳片の表面割れが発生しない値であった。
上記第1および第2の予備実験の結果に加え、さらに行った検討の結果をもとに、連続鋳造中のB含有鋼の鋳片における表面割れの発生を抑制する方法について考察を行った。
[%Sol.Al]/[%REM]≦7 …(b)
ここで、[%Sol.Al]および[%REM]は、それぞれ鋼中のSol.Alおよび希土類元素の含有率(質量%)である。
本発明のB含有鋼は、以上の検討の結果得られた知見に基づいてなされたものであり、その成分組成は、C:0.050〜0.180%、Si:0.10〜0.40%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.0030%以下、Ti:0.005〜0.030%、Sol.Al:0.005〜0.060%、B:0.0005〜0.0050%、N:0.0015〜0.0070%、および、希土類元素:0.001〜0.050%を含有し、さらにCu、Cr、Ni、Mo、V、NbおよびCaのうちの1種または2種以上を含有し、これらの元素のうち含有するものの少なくとも1種がCu:0.1〜0.5%、Cr:0.2〜2.0%、Ni:0.3〜2.5%、Mo:0.1〜0.8%、V:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.050%およびCa:0.0005〜0.0060%を満足し、残部がFeおよび不純物からなり、上記(a)式の関係を満足する。
C:0.050〜0.180%
炭素(C)は、一般に、鋼の強度に大きな影響を及ぼす元素として知られている。C含有率が0.050%未満では、高強度厚鋼板等の用途に対して、所定の強度を得ることが困難である。一方、C含有率が0.180%を超えると、鋼の硬度が著しく高くなり、新たな表面疵の原因となるため、鋼の熱処理に特段の工程が必要となる。また、鋼の溶接に際しては、溶接部および熱影響部(HAZ)が硬化するため、厚鋼板として必要となる溶接性を損なうこととなる。これらの理由から、C含有率は0.050〜0.180%とする。C含有率は0.060〜0.180%が好ましい。
ケイ素(Si)は、一般に、鋼の製造プロセスでは脱酸元素として鋼の酸素(O)含有率を低減するために有効な元素の一つであり、また、鋼を強化する効果も有する。Si含有率が0.10%未満では、溶鋼を十分に脱酸することができない。溶鋼が十分に脱酸されていない状態で連続鋳造を行うと、鋼中に気泡が生成し、製品の欠陥となるばかりでなく、時にはブレークアウトを誘発し、操業ができなくなるという問題も生じる。一方、Si含有率が0.4%を超えると、縞状マルテンサイトを生成するようになり、溶接時にHAZ靭性を低下させるという問題がある。そこで、Si含有率は0.10〜0.40%とする。Si含有率は、0.10%以上、0.30%未満が好ましい。
マンガン(Mn)は、一般に、鋼の強度に大きな影響を及ぼす元素として知られている。Mn含有率が0.5%未満では、高強度厚鋼板として十分な強度を得ることが困難である。一方、Mn含有率が2.0%を超えると、固溶強化のため、鋼の強度が著しく高くなり、製品の強度の調整が困難となる。また、Mnは、中心偏析部で濃化するため、含有率が高いほど鋳片や鋳片の圧延後の厚鋼板内で生じる強度むらが著しくなる。そこで、Mn含有率は0.5〜2.0%とする。Mn含有率は0.70〜1.80%が好ましい。
リン(P)は、鋼中に不可避的に含有される不純物元素の一つであり、含有率は低いことが好ましい。Pは、鋼の固液界面における平衡分配係数が小さいため、溶鋼の凝固時に著しく偏析する。このため、P含有率が高い場合には、種々の製品特性に悪影響を及ぼすことが懸念される。また、偏析によりPが濃化した部分は融点が著しく低下するため、鋳片の熱間圧延時には、この濃化部が溶融して製品の疵の原因となることもある。そこで、P含有率は、0.020%以下とする。P含有率は、Pが偏析した部分における種々の問題の発生を防止するため、0.01%未満とすることが好ましい。また、通常の工業的な精錬方法によって製造可能な範囲として、P含有率は0.005%以上とすることが好ましい。
硫黄(S)は、Pと同様に、鋼中に不可避的に含有される不純物元素の一つであり、含有率はできる限り低いことが好ましい。Sは、これもPと同様に、鋼の固液界面における平衡分配係数が小さいため、溶鋼の凝固時に著しく偏析し、また、偏析によりSが濃化した部分は融点が低下する。Sが濃化した部分は、特に鋳片の圧延時に、表面の疵の発生の原因となる。そこで、S含有率は、0.0030%以下とする。S含有率は、0.0020%以下が好ましい。より高強度が要求される場合等、要求レベルの厳しい条件では、S含有率を0.0020%以下とすることが好ましい。通常の工業的な精錬方法で製造可能な範囲として、S含有率は0.0002%以上とすることが好ましい。
チタン(Ti)は、一般的には鋼の強度を向上させる元素である。また、鋼中のNをTiNとして固定するため、Tiを鋼に含有させることにより、BNの生成にも影響を及ぼす。すなわち、Tiを鋼に含有させることにより、BNの生成量が減少するため、連続鋳造機における鋳片の曲げ時、および曲げの矯正時に鋳片の表面割れが発生するのを抑制する効果が得られる。この表面割れ発生の抑制効果は、Ti含有率が0.005%未満では得られない。一方、Ti含有率が0.030%を超えると、Tiの炭化物が多数生成し、溶接時にHAZ靭性を低下させるという問題があり、また、粗大なTiNが生成する原因ともなる。そこで、Ti含有率は0.005〜0.030%とする。また、TiNの生成量が過剰である場合には、鋳片の表面性状が低下する。鋳片の表面割れの発生および鋳片の表面性状の低下の双方を安定的に抑制する観点からは、Ti含有率は0.010〜0.020%が好ましい。
アルミニウム(Al)は、Siと同様に、脱酸元素として鋼のO含有率を低減するのに有効な元素の一つである。Al含有率が0.005%未満では、溶鋼を十分に脱酸することができない。また、製錬工程において十分に脱硫することも困難となる。一方、Al含有率が過剰であると、AlNが生成しやすく、鋳片の表面割れが発生する原因となる。そこで、Al含有率は0.005〜0.060%とする。Al含有率は0.005〜0.050%が好ましい。本明細書でいうAl含有率は、Sol.Al(酸可溶Al)の含有率を意味する。
ホウ素(B)は、粒界の焼き入れ性を高める効果、鋼材の組織を制御する効果、および鋼材の強度を高める効果を有する。Bは微量の添加で高い効果を発揮する。しかし、B含有率が0.0005%未満では、引張強度で700〜1200MPaという高強度を得ることができない。一方、B含有率が0.0050%を超えると、その効果が飽和するとともに、鋼の靭性を低下させることとなる。そのため、B含有率は0.0005〜0.0050%とする。厚鋼板のミクロ組織を制御し、Bを添加することによる効果を明確に発現させる観点からは、B含有率を0.0010〜0.0040%とすることが好ましい。
窒素(N)は、転炉等を用いて大気雰囲気で鋼を溶製する場合に、鋼中に不可避的に侵入する元素である。Nは、鋼中でTiやB等とともに窒化物を形成する。これらの窒化物は、鋳片の熱間加工の過程でピン止め粒子として結晶粒を微細化する効果を有することから、鋼材の機械的特性に影響を及ぼす。しかし、N含有率が0.0015%未満では結晶粒を微細化する効果は得られない。一方、これらの窒化物が連続鋳造時にオーステナイト粒界に動的析出するため、N含有率が過剰である場合、具体的には0.0070%を超える場合に鋳片の表面割れの原因となる。このため、N含有率は0.0015〜0.0070%とする。組織のピン止め効果を確実に発揮させるとともに、鋳片の中心部等における粗大な炭化物、窒化物の生成に伴う鋼の靭性の低下を防止する観点から、N含有率は0.002〜0.004%が好ましい。
希土類元素(REM)は、鋼中の酸化物系介在物の形態を制御する元素である。生成したREMを含有する酸化物系介在物はBNと結合する。そのため、REMを含有する酸化物系介在物を鋼中に析出させることにより、オーステナイト粒界上へのBNの析出が抑制される。しかし、REM含有率が0.001%未満では、BNの析出抑制効果は得られない。一方、REMは高価な元素であり、また、過剰に添加するとその効果が飽和するため、0.050%を超えると費用に比べて得られる効果が小さくなる。そのため、REM含有率は0.001〜0.050%とする。REM含有率は、0.001〜0.035%が好ましい。
以上の必須元素の成分組成の調整のみでは、引張強度で700MPa以上の高強度を達成することや、溶接性、耐候性等のその他の特性を発現させることは困難である。これらの特性を得るには、Cu、Cr、Ni、Mo、V、NbおよびCaのうち1種または2種以上を以下の含有率で含有させる必要がある。
銅(Cu)は、鋼の焼き入れ性を向上させる元素である。しかし、Cu含有率が0.1%未満では、焼き入れ性の向上効果は得られない。一方、Cu含有率が0.5%を超えると、焼き入れ性の向上効果が過剰となるばかりでなく、鋼材の熱間加工性が低下する。そこで、Cuを含有させる場合は、その含有率は0.1〜0.5%とする。Cu含有率は0.2〜0.5%が好ましい。
クロム(Cr)は、鋼の強度および靭性を高める効果を有する元素である。また、80kgクラス以上の鋼のように、鋼に高強度が要求される場合には実質的に必須の元素である。しかし、Cr含有率が0.2%未満では、鋼の強度および靭性を高める効果は得られない。一方、Cr含有率が2.0%以上では、溶接割れが発生する等の問題が発生する。そこで、Crを含有させる場合は、その含有率は0.2〜2.0%とする。鋼の溶接性を重視する場合には、Cr含有率は0.2〜1.5%とすることが好ましい。
ニッケル(Ni)は、固溶強化によって鋼の強度を向上させる効果を有する元素であり、靭性を改善する効果も有する。Ni含有率が0.3%未満ではこれらの効果が得られない。一方、Ni含有率が2.5%を超えた場合、強度および靭性の向上効果は飽和するだけでなく、溶接性を悪化させるという悪影響も生じる。そのため、Niを含有させる場合は、その含有率は0.3〜2.5%とする。Ni含有率は0.4〜2.5%が好ましい。
モリブデン(Mo)は、鋼板の焼き入れ性を向上させるとともに、強度の向上に寄与する元素である。Moは、Crと同様に、80kgクラス以上の鋼のように、鋼に高強度が要求される場合には実質的に必須の元素である。しかし、Mo含有率が0.1%ではこれらの効果は得られない。一方、Moは高価な元素であり、添加量を増加させると製造コストの増加に繋がるばかりでなく、0.8%以上含有させるとベイナイトやマルテンサイト相等の硬化相が生成し、鋼の熱間加工性や溶接性を悪化させる。そのため、Moを含有させる場合は、その含有率は0.1〜0.8%とする。Mo含有率は0.1〜0.7%が好ましい。
バナジウム(V)は、鋼のフェライト相に固溶するとともに、鋼中で炭窒化物を形成するため、鋼の強度の向上に有効な元素である。しかし、V含有率が0.01%未満では、鋼の強度の向上効果は得られない。一方、V含有率が0.10%を超えると、溶接時にHAZでの炭窒化物の析出状況が変化して靭性に悪影響を及ぼす。また、V含有率が過剰である場合、具体的には0.10%を超える場合、鋳片の内部にVNとして析出し、鋳片の表面割れの原因となる。そのため、Vを含有させる場合は、その含有率は0.01〜0.10%とする。V含有率は0.03〜0.10%が好ましい。
ニオブ(Nb)は、鋼中で炭窒化物を形成し、鋼の強度および靭性の向上に有効な元素である。また、Nbは、TMCP(Thermo−Mechanical Control Process)において、鋼中における固溶および析出を制御することにより、鋼板のミクロ組織を制御するために使用される。しかし、Nb含有率が0.005%未満では、鋼の強度および靭性の向上効果ならびに組織制御効果は得られない。一方、Nb含有率を0.050%以上とすると、鋳片を加熱してもNbを固溶させることができず、組織制御が不可能となる。また、Nb含有率が過剰である場合、具体的には0.050%以上である場合、鋳片内部にNbCとして析出し、鋳片の表面割れの原因となる。そのため、Nbを含有させる場合は、その含有率は0.005〜0.050%とする。Nb含有率は0.005〜0.040%が好ましい。
カルシウム(Ca)は、他の成分元素と異なり、鋼の材料特性には大きな影響を与えない元素である。一方、連続鋳造時において、タンディッシュから鋳型に溶鋼を注入するノズルの閉塞を抑制する効果を有する元素である。そのため、ノズルの閉塞抑制を目的として溶鋼に添加されることがある。また、鋼にCaを添加すると、鋼中のS含有率を低減させ、MnSの生成を抑制する効果も得られる。そのため、鋼中の硫化物の形態制御を目的として溶鋼に添加されることもある。しかし、Ca含有率が0.0005%未満ではこれらの効果は得られない。一方、Ca含有率が0.0060%を超えると、その効果が飽和し、製造コストの増加を招くばかりか、却ってノズルの閉塞を助長することもある。そのため、Caを含有させる場合は、その含有率は0.0005〜0.0060%とする。Ca含有率は、0.0010〜0.0050%が好ましい。
本発明のB含有鋼では、鋼中のTi、REM、BおよびNの含有率が下記(a)式の関係を満足するものとする。
([%Ti]+[%REM])/([%B]+[%N])≧2.5 …(a)
ここで、[%Ti]、[%REM]、[%B]および[%N]は、それぞれ鋼中のTi、REM、BおよびNの含有率(質量%)である。
本発明のB含有鋼では、鋼中のSol.AlおよびREMの含有率が下記(b)式の関係を満足し、かつ鋼中に存在する酸化物系介在物中のREM含有率が45質量%以上であることが好ましい。
[%Sol.Al]/[%REM]≦7 …(b)
ここで、[%Sol.Al]および[%REM]は、それぞれ鋼中のSol.Alおよび希土類元素の含有率(質量%)である。
1−1.試験方法
溶鋼は、容量が2.5tの高周波誘導炉を用いて、SiおよびMnによる予備複合脱酸を施したものを2.5t溶製した。溶製した溶鋼は、高周波誘導炉から取鍋に上から注入して移し替えた。取鍋内にはあらかじめ金属AlおよびNdを装入しておき、溶鋼を注入することによって溶鋼中にAlおよびNdを溶解させ、溶鋼の成分組成を鋳造すべき目標の組成に最終調整した。
([%Ti]+[%REM])/([%B]+[%N])≧2.5 …(a)
ここで、[%Ti]、[%REM]、[%B]および[%N]は、それぞれ鋼中のTi、希土類元素、BおよびNの含有率(質量%)である。
評価項目は、鋳片の表面割れの程度とした。表面割れの程度は、0、1、2および3の4段階の疵指数に指標化して評価した。前記表2には、鋼の成分組成と併せて疵指数を示した。各疵指数の意味する内容は以下の通りである。
「1」:確認された鋳片の単位長さ当たりの疵の個数が10個/m以下と少なく、かつ確認された疵が、鋳片の表面をグラインダによって最大3mm旋削する軽度の手入れにより容易に除去できる程度の実用上問題ないレベルであった。
「2」:確認された鋳片の単位長さ当たりの疵の個数が30〜40個/mと鋳片全面に疵が散見される状態であり、かつ確認された疵が、鋳片の表面をグラインダで3mm旋削する軽度の手入れによっては完全には除去できないレベルであった。
「3」:鋳片のコーナー部に深さ3mm以上の割れが顕著に観察され、その鋳片を次工程で使用するには、鋳片の幅方向両端を30mm以上切断しなければならず、歩留まりの大幅な低下を伴うレベルの疵であった。
2−1.試験方法
使用した溶鋼が表3に示す成分組成のものであること以外は、第1試験と同じ条件とした。同表には、下記(b)式の左辺の値も示した。
[%Sol.Al]/[%REM]≦7 …(b)
ここで、[%Sol.Al]および[%REM]は、それぞれ鋼中のSol.AlおよびREM(ここではNd)の含有率(質量%)である。
評価項目は、鋳片の表面割れの程度、および鋼中の酸化物系介在物中のNd含有率とした。表面割れの程度は、第1試験と同様に、0、1、2および3の4段階の疵指数に指標化して評価した。前記表3には、鋼の成分組成と併せて疵指数および鋼中の酸化物系介在物中のNd含有率を示した。
Claims (2)
- 質量%で、C:0.050〜0.180%、Si:0.10〜0.40%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.0030%以下、Ti:0.005〜0.030%、Sol.Al:0.005〜0.060%、B:0.0005〜0.0050%、N:0.0015〜0.0070%、および、希土類元素:0.001〜0.050%を含有し、
さらにCu、Cr、Ni、Mo、V、NbおよびCaのうち少なくとも1種以上をCu:0.1〜0.5%、Cr:0.2〜2.0%、Ni:0.3〜2.5%、Mo:0.1〜0.8%、V:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.050%およびCa:0.0005〜0.0060%で含有し、
残部がFeおよび不純物からなり、
鋼中のTi、希土類元素、BおよびNの含有率が下記(a)式の関係を満足することを特徴とするB含有鋼の連続鋳造鋳片。
([%Ti]+[%REM])/([%B]+[%N])≧2.5 …(a)
ここで、[%Ti]、[%REM]、[%B]および[%N]は、それぞれ鋼中のTi、希土類元素、BおよびNの含有率(質量%)を意味する。
- 鋼中のSol.Alおよび希土類元素の含有率が下記(b)式の関係を満足し、
鋼中に存在する酸化物系介在物中の希土類元素の含有率が45質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のB含有鋼の連続鋳造鋳片。
[%Sol.Al]/[%REM]≦7 …(b)
ここで、[%Sol.Al]および[%REM]は、それぞれ鋼中のSol.Alおよび希土類元素の含有率(質量%)を意味する。
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