JP2015108169A - 電解めっき方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に膜厚が均一、かつ、表面の平滑性が良好であり、金属光沢を有する、密着性良好なめっき皮膜を形成することが可能な電解めっき方法を提供する。【解決手段】アルミニウムまたはアルミニウム合金にリン酸溶液中で陰極電解処理を施すことにより表面処理する工程と、前記表面処理したアルミニウムまたはアルミニウム合金に電解めっきを行い、前記アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面にめっき皮膜を形成する工程とを含む、電解めっき方法。【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金上への電解めっき方法に関する。
アルミニウムまたはアルミニウム合金(以下アルミニウム合金等という)、例えばAC材、ADC材、展伸材から構成される二輪車や四輪車の部品等、例えば、内燃機関に用いるアルミニウム合金鋳物製のピストンの頂面、シリンダーブロックのシリンダー内面、クラッチ等には、ニッケルめっきの加工が適用されている。
ニッケルめっきの方法としては、従来から、めっき液に浸漬させた被処理材上にニッケルを化学的に還元析出させてめっき皮膜を形成する無電解ニッケルめっきの方法と、めっき液に浸漬させ通電させた被処理材上にニッケルを電気化学的に析出または電着させてめっき皮膜を形成する電解ニッケルめっきの方法が知られている。
アルミニウム合金等のめっきの前処理方法として、これまでに様々な検討がなされてきている。例えば、特許文献1には、シリコンを含有するアルミニウム合金を、リン酸溶液中で陽極電解処理することが開示されている。また、特許文献2には、アルミニウム合金製素材を、硫酸第二鉄溶液中で陰極電解処理することが開示されている。
特開平11−001795号公報 特開2006−291273号公報
無電解ニッケルめっきは、被処理材の素材の種類や形状、導電性の有無に関係なく行うことができ、膜厚を厚くすることも可能であり、膜厚が均一なめっき皮膜を得ることができるという長所を有する。しかし、被処理材の素材によっては、特殊な前処理を必要とする場合がある。また、めっき皮膜表面の平滑性が低く、表面粗度が粗いため、金属光沢を要する装飾用途のめっきには不向きである。一方、電解ニッケルめっきは、無電解ニッケルめっきよりも、被処理材の素材は限定され、めっき皮膜の膜厚の均一性は劣る。しかし、めっき皮膜表面の平滑性が良好であり、また、めっき皮膜の生成速度が速く、めっき液が安価であるといった工業生産上の長所を有する。
アルミニウム合金等のめっき製品、特に二輪車や四輪車の部品においては、めっき皮膜の膜厚の均一性や膜表面の平滑性だけでなく、アルミニウム合金等へのめっき皮膜の密着性、金属光沢等の美的外観も要求されることから、主に電解ニッケルめっきが適用されている。
アルミニウム合金等は、通常、表面に自然酸化被膜やシリコン等の偏析物が形成されやすい。例えば、アルミニウムを鋳造する場合は、鋳造時にアルミニウム溶湯が型の中で冷却され、表面にアルミニウム以外のマグネシウム、鉄、ニッケル成分が偏析するので、アルミニウム表面の平滑性が低い。また、これらの偏析物は、アルミニウムとめっき皮膜の密着性を損なう場合がある。
このため、アルミニウム合金等への電解ニッケルめっきは、一般的には、アルミニウム合金等を脱脂、水洗、さらにエッチング処理等の前処理を行った後に行われる。従来から用いられる前処理方法としては、2回亜鉛置換法(ダブルジンケート法)、陽極酸化法(アルマイト法)、反転電解活性化法、陽極電解エッチング法等が知られている。
工業的に多く採用されている2回亜鉛置換法、および陽極酸化法は、アルカリや混酸による処理によって表面が多くエッチングされ、表面が荒れる。そのため、その後のめっき工程において、所望の平滑性を有するめっき皮膜を形成することが困難となる場合がある。反転電解活性化法は、正および負の電圧を交互に印加することにより表面を活性化させることができる。しかし、電圧の反転比率をコントロールすることが可能な特殊な電源が必要であるため、設備コストが高くなる場合がある。さらに、これらの従来の前処理方法は、処理時間が長く、工程が複雑であり、処理液の管理が煩雑となる場合がある。
また、特許文献1に記載された陽極電解処理は、アルミニウム合金とめっき皮膜の密着性を向上させることはできるが、アルミニウム合金中のシリコンを突出させてしまうため、十分な平滑性が得られない場合がある。特許文献2では、硫酸第二鉄溶液を用いて陰極電解処理を行うことによって、アルミニウム合金製素材の表面にアルミニウムの酸化物を主とする偏析物を析出させてしまうため、アルミニウム合金製素材とめっき皮膜の密着性が十分ではなく、また、めっき皮膜の平滑性や膜厚の均一性においても不十分となる場合がある。
電解ニッケルめっきは、被処理材表面の電流密度の分布に依存してめっき皮膜を形成することから、被処理材の表面状態はめっき皮膜との密着性だけでなく、めっき皮膜表面の平滑性や膜厚の均一性にも大きく影響を及ぼす。つまり、被処理材の表面自体が平滑でない場合、または表面に偏析物が付着している場合は、部分的に電流の流れにくい箇所が生じるため、表面全体の電流密度の分布が不均一となり、所望のめっき皮膜の平滑性や膜厚の均一性が得られないことがある。さらに、場合によっては、めっき皮膜表面に局所的に盛り上がり部分である所謂、花咲を発生させたり、めっき皮膜の生成速度を遅くさせたりすることもある。また、めっき皮膜を厚くするために電流密度を上げることが行われるが、電流密度を上げると電流の流れやすい箇所と流れにくい箇所がより顕著となるため、より平滑性を低下させてしまう場合がある。さらに、ニッケルめっきにおいては、めっき皮膜表面の平滑性が良好であっても膜厚が不均一だと金属光沢を有さないため、製品によっては研磨が必要となる場合がある。
上記の課題に鑑みて、本発明の目的は、めっき皮膜の膜厚を厚くする場合であっても、アルミニウム合金等の表面に膜厚が均一、かつ、膜表面の平滑性が良好であり、装飾用途に利用できるほどの金属光沢を有し、さらにアルミニウム合金等との密着性も良好となるめっき皮膜を形成する電解めっき方法を提供することにある。
本発明は、一態様によれば、電解めっき方法であって、アルミニウムまたはアルミニウム合金にリン酸溶液中で陰極電解処理を施すことにより表面処理する工程と、前記表面処理したアルミニウムまたはアルミニウム合金に電解めっきを行い、前記アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面にめっき皮膜を形成する工程とを含む。
また、本発明によると、アルミニウムまたはアルミニウム合金にリン酸溶液中で陰極電解処理を施すことによる、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面処理方法を提供することができる。
本発明の電解めっき方法は、表面処理する工程において、アルミニウムまたはアルミニウム合金をリン酸溶液中で陰極電解処理することで、その表面からアルミニウムおよびシリコン以外のマグネシウム、鉄、ニッケル等の金属成分を低減または除去することが可能である。また、表面にさらなる偏析物等の生成または付着をさせることがない。加えて、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面全体にリンを付着させることができる。これらのことにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面にめっき皮膜を形成する工程において、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面全体の電流密度の分布が均一となる。つまり、表面全体に電流が表面に対して垂直方向に一律に流れるため、めっき皮膜の膜厚を厚くした場合でも、めっき皮膜の生成速度を向上させることができ、また、局所的に花咲を生じることもない。さらに、膜厚が均一、且つ、表面の平滑性が良好であり、このため金属光沢を有するめっき皮膜を形成することが可能となる。
また、表面処理する工程において、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面にサブミクロンオーダーの凹凸が形成される。このミクロな凹凸は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面にめっき皮膜を形成する工程において、アンカー効果をもたらす。このことにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金とめっき皮膜の密着性を向上させることが可能となり、さらに、めっき皮膜のせん断強度、及び剥離強度をも向上させ得る。
本発明の方法を用いて得られる実施例1に係るNi−Pめっき皮膜を被覆したアルミニウム合金の断面の200倍の顕微鏡写真である。 比較例1に係るNi−Pめっき皮膜を被覆したアルミニウム合金の断面の200倍の顕微鏡写真である。 比較例2に係るNi−Pめっき皮膜を被覆したアルミニウム合金の断面の200倍の顕微鏡写真である。 比較例3に係るNi−Pめっき皮膜を被覆したアルミニウム合金の断面の200倍の顕微鏡写真である。
以下、本発明を実施するための一例である最良の形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこの形態に限定されるものではない。
本発明は、一実施の形態によれば、電解めっき方法に関する。本発明の被処理材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金である。アルミニウム合金としては、例えば、ADC材、AC材、展伸材等を挙げることができる。より具体的には、JIS規格のAC4C、AC4B、AC4D、AC8A、ADC10、ADC12等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、以下においては、アルミニウムまたはアルミニウム合金を「アルミニウム合金等」と指称する。
本実施形態による電解めっき方法は、脱脂工程、水洗工程、表面処理する工程、水洗工程、アルミニウム合金等の表面にめっき皮膜を形成する工程の順に行う。
脱脂工程は、アルミニウム合金等の表面に付着している汚れ、例えば研磨剤や鉱物油等の各種油類を脱脂剤によって除去することにより実施する。脱脂剤としては、有機溶剤、界面活性剤、または水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ塩等を用いることができる。一例として、中性の水溶性脱脂剤のマックスクリーンNG30(キザイ株式会社製)を用いることができ、製造者の指示に従って、液温40〜50℃に調整した水溶液にアルミニウム合金等を5〜15分間浸漬させ、揺動もしくは超音波洗浄することにより脱脂することができる。
続く水洗工程は、脱脂工程でアルミニウム合金等の表面に付着する溶剤等を除去するために、水での洗浄を実施する。使用する水としては、純水やイオン交換水が好ましい。例えば、水洗槽にアルミニウム合金等を浸漬させ、揺動もしくは超音波洗浄して行ってもよいし、水洗槽を用いずにリンス洗浄等としてもよい。
アルミニウム合金等を表面処理する工程は、陰極電解処理によって行う。具体的には、アルミニウム合金等をリン酸溶液からなる電解液に浸漬させ、アルミニウム合金等を陰極とし、不溶性電極を陽極として通電させて、アルミニウム合金等の表面をエッチング処理する。不溶性電極としては、例えば、SUS304等のステンレス鋼、Pt、Ti、TiにPtめっきを施したもの等を用いることができるが、これらには限定されない。
電解液には、リン酸溶液を用いる。リン酸溶液は、他の電解液に対して比較的電気抵抗が高いためである。リン酸溶液の濃度は、好ましくは40〜400g/Lであり、さらに好ましくは40〜200g/Lである。リン酸の濃度が40g/L未満では、十分なエッチング効果が得られ難い場合がある。400g/Lを超えると、エッチング効果をコントロールすることが困難となる場合があり、また、廃液処理や取扱いが困難となる場合がある。陰極電解処理時におけるリン酸溶液の温度は、好ましくは10〜80℃であり、さらに好ましくは10〜40℃である。温度が10℃未満では、十分なエッチング効果が得られ難い場合がある。80℃を超えると、エッチング効果をコントロールすることが困難になる他、電解液の蒸発量が多くなり、頻繁に電解液を補給することが必要となる場合がある。
また、リン酸溶液にエッチング効果を阻害しない成分、例えば硫酸等を含んでいてもよい。この場合、濃度40〜400g/Lのリン酸に対して、例えば濃度0〜250g/Lの硫酸を混合することができる。硫酸の混合比率は、特に制限されるものではなく、リン酸に混合することができる。
陰極電解に用いる電圧は、好ましくは100〜180Vである。電圧が100V未満では、十分なエッチング効果が得られ難い場合がある。180Vを超えると、エッチング効果をコントロールすることが困難となる場合がある。また、放電を生じる可能があるため危険であり、さらに水の電気分解が促進されて陰極から過剰量の水素ガスを発生させ、被処理材を脆化させるおそれがある。電解時間は、好ましくは2〜120分間であり、さらに好ましくは2〜20分間である。2分未満では、十分なエッチング効果が得られ難い場合がある。120分を超えると、エッチング効果に変化が見られず、また、生産効率が悪くなるおそれがある。
表面処理する工程の後、偏析物等を除去または低減したアルミニウム合金等の表面全体に、リン成分が一様に付着、またはリンが一様に析出する。リン成分は、リンもしくはリンを含む化合物のことであり、「アルミニウム合金等の表面全体に、リン成分が一様に付着」しているとは、例えば、電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いて面分析を行った際に、リン(P)がアルミニウム合金等の表面全体に万遍なく検出されることをいう。
表面処理する工程において、アルミニウムまたはアルミニウム合金にリン酸溶液中で陰極電解処理を施すことによって、アルミニウム合金等の表面がエッチングされる。具体的には、アルミニウム合金等の表面に通常存在する偏析物および酸化被膜が除去または低減され、適度な大きさの凹凸、例えばサブミクロンオーダーの凹凸が形成される。この凹凸がめっき皮膜の形成時にアンカー効果をもたらすため、アルミニウム合金等とめっき皮膜の密着性を向上させることが可能である。さらに、場合によっては、水の電気分解を生じさせ陰極から水素ガスを発生させることにより、再度偏析物等を生成または付着させることなくアルミニウム合金等の表面を活性化し、めっき皮膜との密着性をさらに向上させることが可能である。
続く水洗工程は、表面処理する工程でアルミニウム合金等の表面に付着する溶液等を除去するために、水での洗浄を実施する。具体的な工程は、先に記載した水洗工程と同様に行うことができる。
アルミニウム合金等の表面にめっき皮膜を形成する工程には、電解めっきを用いる。電解めっきは、3.5〜4.5のpH、50〜70℃の温度のめっき浴中で、電流密度を5〜35A/dmとして、10〜30分間通電することによって行うことが好ましい。
めっき浴の組成は、形成するめっき皮膜の種類によって異なる。めっき皮膜としては、Niめっき皮膜、Ni−Pめっき皮膜、Ni−P−SiCめっき皮膜等を挙げることができる。Niめっき皮膜を形成するためのめっき浴組成としては、Ni濃度が50〜200g/Lとなるような混合物浴液を用いる。例えば、硫酸ニッケル、ホウ酸、サッカリンソーダの混合物浴液が挙げられる。場合によっては、スルファミン酸ニッケル、塩化ニッケルを加えてもよいし、これらを硫酸ニッケルの代わりに用いてもよい。Ni−Pめっき皮膜とする場合のめっき浴組成としては、例えば上記の組成に亜リン酸等のリンを含む溶剤を加えた混合物浴液が挙げられる。また、Ni−P−Siめっき皮膜とする場合のめっき浴組成としては、例えばNi−Pめっき皮膜の組成に、さらにSiC等のSiを加えた混合物浴液が挙げられる。なお、Niめっき皮膜、Ni−Pめっき皮膜、Ni−P−Siめっき皮膜を得るためのめっき浴の組成は当業者には知られており、本明細書において具体的に開示したもののほか、一般的に用いられるものを使用することができる。電解めっきにより形成されるめっき皮膜の膜厚としては、10〜300μmとすることが好ましいが、めっき皮膜の膜厚は、当業者が目的および用途に応じて適宜設定することができる。めっき皮膜の膜厚は、例えば顕微鏡断面観察法や電解式試験法、磁力式試験法、蛍光X線式膜厚試験法によって評価することができる。
めっき皮膜を形成する工程で得られためっき皮膜は、金属光沢を有する。ここで金属光沢を有するとは、金物一般に特有の、滑らかな表面により光を反射する性質を有することをいう。金属光沢は、例えば光沢計を用いて評価することができ、本発明においては、光沢計での測定値が10以上の場合に金属光沢を有するということができる。
表面処理する工程後のアルミニウム合金等は、その表面に偏析物を実質的に有さない。このため、めっき皮膜との間に不要なものが生じることなく、アルミニウム合金等の表面に直接めっき皮膜を形成することができる点からも密着性を向上させることが可能である。なお、アルミニウム合金等とめっき皮膜の密着性は、例えば碁盤目試験、すなわち、めっき皮膜表面からアルミニウム合金等まで達する傷をカッターでつけ、セロハンテープを用いてめっき皮膜が剥離するか否かを試験する方法で評価することができる。このように、アルミニウム合金等とめっき皮膜の密着性が向上するため、めっき皮膜のせん断強度および剥離強度についても向上し得る。また、アルミニウム合金等の表面にリンが一様に付着していることで、アルミニウム合金等の表面全体の電流密度の分布が均一となり、表面に対して垂直な方向に一律に電流が流れることが可能となる。このことによって、めっき皮膜の膜厚を厚くする場合でも、めっき皮膜の生成速度を向上させることができ、また、局所的に花咲を生じることもなく、膜厚が均一、且つ、表面の平滑性が良好であり、金属光沢を有するめっき皮膜を形成することが可能となる。なお、表面の平滑性は、例えば接触式もしくは非接触式表面粗度計によって表面粗度を測定することができ、算術平均表面粗さRaとして評価することが可能である。
本発明の別の実施形態によれば、上記電解めっき方法によりめっき皮膜を形成してなる自動車用部材である。自動車用部材としては、内燃機関用部材、例えばピストン、シリンダーブロック、またはクラッチ等が挙げられる。さらに具体的には、ピストンの頂面、シリンダーブロックのシリンダー内面、クラッチ等にめっき皮膜を設けることが好ましい。電解めっき方法については、上記実施形態に記載するとおりであり、説明を省略する。これらの部材上に形成するめっき皮膜の具体例としては、例えば、ピストンの頂面においてはNiめっき皮膜、もしくはリンを添加したNi−Pめっき皮膜が好ましい。また、シリンダーブロックにおいては、耐摩耗性の点から、リンを添加したNi−Pめっき皮膜、もしくは更にSiCを分散して添加したNi−P−SiCめっき皮膜が特に好ましい。以上のことから、本発明による電解めっき方法は、表面にめっき皮膜が形成されたアルミニウムまたはアルミニウム合金部材の製造方法ともいえる。
また、本発明の別の実施形態としては、上記で説明した表面処理する工程は、電解めっきの前処理として用いることに限定するものではなく、種々の目的に合わせて様々な工程と組み合わせることが可能である。例えば、化成処理等と組み合わせることが可能である。
<実施例1>
アルミニウム合金として、シリコンを含有するアルミニウム合金である「AC8A」(JIS呼称)を用いた。「AC8A」の化学成分は、11.0〜13.0%のSi、0.8%のFe、0.8〜1.3%のCu、0.15%のMn、0.7〜1.3%のMg、0.15%のZn、0.8〜1.5%のNi、0.20%のTi、0.05%のPb、0.05%のSn、0.10%のCr、残部のAlであった。
中性の水溶性脱脂剤「NG30」(キザイ株式会社製)を用いて、濃度40g/L、液温45℃に調整した水溶液に、アルミニウム合金を10分間浸漬させ脱脂した。脱脂したアルミニウム合金を純水でリンス洗浄し水洗した。
水洗したアルミニウム合金を陰極に設置し、25℃、98g/Lのリン酸溶液の電解液に浸漬して、180Vで10分間、陰極電解処理による表面処理を行った。この際、陽極には不溶性電極であるSUS304を用いた。次に、陰極電解処理したアルミニウム合金をイオン交換水でリンス洗浄し水洗した。
陰極電解処理し、水洗したアルミニウム合金を陰極に設置し、pH4.0、温度65℃のめっき浴条件下で、20A/dmの電流密度で10分間通電して電解めっきを行った。めっき浴には、硫酸ニッケル500g/L、ホウ酸45g/L、サッカリンソーダ3.2g/L、50%亜リン酸1.5g/Lを混合した溶液を用いた。陽極には不溶性電極であるSUS304を用いた。電解めっきによって、アルミニウム合金の表面にNi−Pめっき皮膜を形成した。
形成したNi−Pめっき皮膜は、光沢計を用いて評価した結果、金属光沢を有することを確認した。膜厚は、OLYMPUS社製のGX51装置を用いて、顕微鏡断面観察法により測定した結果、136±10μmであった。
図1にNi−Pめっき皮膜を被覆したアルミニウム合金の断面の顕微鏡写真(倍率:200倍)を示す。この図から、アルミニウム合金表面には偏析物等がなく、Ni−Pめっき皮膜がアルミニウム合金の表面と直接密着していることがわかる。また、Ni−Pめっき皮膜全体として厚み方向のムラが少なく、めっき皮膜の表面が平滑であることがわかる。同様に、顕微鏡で表面観察をしたところ(図示せず)、花咲は見られず、全体を通して均質な平面であることが確認できた。なお、顕微鏡観察には、OLYMPUS社製のGX51装置を用いた。また、光沢計での測定値は40であり、金属光沢を有していることを確認した。
脱脂後、水洗し、リン酸溶液による陰極電解処理したアルミニウム合金の表面元素分析結果(wt%)を表1に示す。比較として、脱脂後、水洗し、その後の表面処理を行っていないアルミニウム合金サンプルを用いた。表面元素分析は、島津製作所製の電子線マイクロアナライザ(EPMA、型番EPMA−1610)を用いて行った。なお、EPMAによる表面分析は、狭い領域での分析であるため、上記のAC8Aの化学成分と一致しない。陰極電解処理を行ったアルミニウム合金はAl以外の金属が減少していることから、陰極電解処理によってアルミニウム合金表面の偏析物を減少させたことがわかる。また、陰極電解処理を行ったアルミニウム合金には、陰極電解処理を行っていないアルミニウム合金にみられなかったリン(P)が存在することを確認した。このリン(P)は、アルミニウム合金の表面にめっき皮膜を形成する工程においてアルミニウム合金の表面全体の電流密度の分布を均一にさせる作用をもたらし、結果として実施例1のような平滑なめっき皮膜を形成することに寄与したものと推測される。
<比較例1>
脱脂後、水洗したアルミニウム合金に表面処理工程を実施することなく、10A/dmの電流密度で10分間通電して電解めっきを行った以外は、実施例1と同様に行い、アルミニウム合金の表面にNi−Pめっき皮膜を形成した。
形成したNi−Pめっき皮膜は、金属光沢が非常に低いことを確認した。膜厚は、皮膜表面に局所的に盛り上がり部分である所謂、花咲が発生していることにより測定不能であった。
図2にNi−Pめっき皮膜を被覆したアルミニウム合金の断面の顕微鏡写真(倍率:200倍)を示す。この図から、めっき皮膜とアルミニウム合金との間に偏析物がみられ、Ni−Pめっき皮膜とアルミニウム合金が密着していないことがわかる。また、Ni−Pめっき皮膜全体として厚み方向のムラがみられ、平滑性が低いことがわかる。この厚み方向のムラは、電流の流れやすい箇所で優先的にNi−Pめっき皮膜が形成されたために生じたと推測される。また、光沢計での測定値は2であり、金属光沢を有していないことを確認した。
<比較例2>
脱脂後、水洗したアルミニウム合金を陽極に設置し、陰極にはSUS304を用い、25℃、100g/Lのリン酸溶液の電解液に浸漬して、180Vで10分間、陽極電解処理による表面処理を行い、その後、20A/dmの電流密度で10分間通電して電解めっきを行った以外は、実施例1と同様に行い、アルミニウム合金の表面にNi−Pめっき皮膜を形成した。
形成したNi−Pめっき皮膜は、金属光沢が低いことを確認した。膜厚は、83±14μmであった。
図3にNi−Pめっき皮膜を被覆したアルミニウム合金の断面の顕微鏡写真(倍率:200倍)を示す。この図から、Ni−Pめっき皮膜とアルミニウム合金との間に偏析物がみられ、Ni−Pめっき皮膜とアルミニウム合金が密着していないことがわかる。また、Ni−Pめっき皮膜全体として厚み方向のムラがみられ、平滑性が低いことがわかる。さらに、光沢計での測定値は4であり、金属光沢を有していないことを確認した。
<比較例3>
脱脂後、水洗したアルミニウム合金を陰極に設置し、25℃、50%の硫酸溶液の電解液に浸漬して、100Vで10分間、陰極電解処理による表面処理を行った以外は、実施例1と同様に行い、アルミニウム合金の表面にNi−Pめっき皮膜を形成した。
形成したNi−Pめっき皮膜は、金属光沢は有するが、密着していない箇所があることを確認した。膜厚は、62±7μmであった。
図4にNi−Pめっき皮膜を被覆したアルミニウム合金の断面の顕微鏡写真(倍率:200倍)を示す。この図から、Ni−Pめっき皮膜全体として厚み方向のムラが少なく、平滑性を有することがわかる。しかし、Ni−Pめっき皮膜とアルミニウム合金との間に偏析物がみられ、Ni−Pめっき皮膜とアルミニウム合金が密着していないことがみられる。また、光沢計での測定値は36であり、金属光沢を有していることを確認した。
1 アルミニウム合金
2 Ni−Pめっき皮膜
3 偏析物

Claims (7)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金にリン酸溶液中で陰極電解処理を施すことにより表面処理する工程と、
    前記表面処理したアルミニウムまたはアルミニウム合金に電解めっきを行い、前記アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面にめっき皮膜を形成する工程と
    を含む、電解めっき方法。
  2. 前記表面処理する工程後のアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に、リンが一様に付着している請求項1に記載の電解めっき方法。
  3. 前記めっき皮膜が、Niめっき皮膜、Ni−Pめっき皮膜、またはNi−P−SiCめっき皮膜のいずれか1種類からなる金属皮膜である請求項1または2に記載の電解めっき方法。
  4. 前記めっき皮膜が、金属光沢を有する請求項3に記載の電解めっき方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解めっき方法によりめっき皮膜を形成してなる自動車用部材。
  6. 前記自動車用部材が、ピストン、シリンダーブロック、またはクラッチである請求項5に記載の自動車用部材。
  7. アルミニウムまたはアルミニウム合金にリン酸溶液中で陰極電解処理を施すことによる、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面処理方法。
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