JP2015105212A - カーボンナノチューブ及びその分散液、並びに自立膜及び複合材料 - Google Patents

カーボンナノチューブ及びその分散液、並びに自立膜及び複合材料 Download PDF

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明彦 吉原
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Abstract

【課題】分散性に優れ、自立膜を形成可能な表面処理カーボンナノチューブ及びその分散液を提供すること。【解決手段】平均長さが0.1μm〜1cmであるカーボンナノチューブを、導電率が0.055〜10μS/cmの範囲にある水と混合し、液中プラズマ処理をしてなる表面処理カーボンナノチューブ、並びに該カーボンナノチューブを含む分散液。【選択図】なし

Description

本発明は、カーボンナノチューブ及びその分散液、並びにカーボンナノチューブを用いた自立膜及び複合材料に関する。
カーボンナノチューブは高い導電性を有する材料であり、導電材料として注目されている。中でも、単層カーボンナノチューブは、高い導電性を示し、配合量が少量であっても複合材料の導電性や機械的特性を良好に向上させ得ることから、複合材料用のカーボン材料として期待が大きい。
一方、カーボンナノチューブの使用にあたっては、その特性を充分に発揮させる観点から、複合材料などのマトリクス中に均一に分散させる必要があるが、カーボンナノチューブは概して比表面積が大きく、互いに凝集して絡み合い易く、均一に分散させることは非常に困難である。
そこで、これまでに、カーボンナノチューブの分散性を向上させるべく、カーボンナノチューブの表面に、酸処理等の化学的処理を行なって表面改質したり、界面活性剤を物理的吸着させたりすることが検討されている。例えば、特許文献1には、液中プラズマを利用し、表面修飾処理を高速化して、大量の表面修飾処理を低コストで可能にする方法が提案されている。
特開2012−101140号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法で処理されたカーボンナノチューブの分散性は向上するものの、得られた表面処理カーボンナノチューブでは自立膜を形成することは出来なかった。
本発明の目的は、分散性に優れ、自立膜を形成可能な表面処理カーボンナノチューブ及びその分散液を提供することにある。また、本発明の他の目的は、前記表面処理カーボンナノチューブからなる自立膜及び前記表面処理カーボンナノチューブと重合体とを含む複合材料を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った結果、所定の長さを有するカーボンナノチューブを、導電率が0.055〜10μS/cmの範囲にある水と混合し、液中プラズマ処理することで、非常に分散性に優れ、自立膜を形成可能な表面処理カーボンナノチューブが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
〔1〕平均長さが0.1μm〜1cmであるカーボンナノチューブを、導電率が0.055〜10μS/cmの範囲にある水と混合し、液中プラズマ処理してなる表面処理カーボンナノチューブ、
〔2〕前記水がイオン性分散剤を含まないものである前記〔1〕記載の表面処理カーボンナノチューブ、
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕に記載のカーボンナノチューブを含む分散液、
〔4〕前記〔1〕又は〔2〕に記載のカーボンナノチューブからなる自立膜、
並びに
〔5〕前記〔1〕又は〔2〕に記載のカーボンナノチューブと重合体とを含む複合材料、
を、提供する。
本発明によれば、分散性に優れ、自立膜を形成可能な表面処理カーボンナノチューブ、その分散液、前記表面処理カーボンナノチューブからなる自立膜、及び前記表面処理カーボンナノチューブと重合体とを含む複合材料が得られる。
以下、本発明を、表面処理カーボンナノチューブ、その分散液、自立膜及び複合材料に項分けして詳細に説明する。以下、カーボンナノチューブをCNTという場合がある。
(表面処理カーボンナノチューブ)
本発明の表面処理CNTは、平均長さが0.1μm〜1cmであるカーボンナノチューブを、導電率が0.055〜10μS/cmの範囲にある水と混合し、液中プラズマ処理してなるものである。
本発明においては、平均長さが0.1μm〜1cmであるCNTを原料CNTとして用いる。原料CNTの平均長さが0.1μm未満では自立膜を形成することができない。一方、1cmを超えるCNTの製造は非常に困難である。本発明の表面処理CNTの配向性を高め、自立膜の形成を容易にする観点から、好ましくは0.5μm〜5mm、より好ましくは1μm〜3mmである。原料CNTの平均長さは、透過型電子顕微鏡での観察下に、無作為に選択されたカーボンナノチューブ100本の長さを測定した際の平均値として求められる。
原料CNTとしては、本発明の表面処理CNTの分散性が高まることから、平均直径(Av)と直径分布(3σ)とが関係式:0.20<(3σ/Av)<0.60を満たすものが好ましい。同様の観点から、(3σ/Av)の値としては、より好ましくは0.50<(3σ/Av)<0.60である。ここで、直径とはCNTの外径を意味する。また、平均直径(Av)及び直径の標準偏差(σ)は、透過型電子顕微鏡での観察下に、無作為に選択されたカーボンナノチューブ100本の直径を測定した際の平均値及び標準偏差として求められる。原料CNTとしては、そのようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
原料CNTは、単層のものであっても、多層のものであってもよいが、得られる自立膜や複合材料の性能(例えば、導電性および機械的特性)を向上させる観点から、単層から5層のものが好ましく、単層のものがより好ましい。
原料CNTの平均直径(Av)は、通常、0.5nm以上、15nm以下が好ましく、1nm以上、10nm以下がより好ましい。
原料CNTの比表面積としては、窒素ガス吸着によるBET比表面積が、通常、600m/g以上、好ましくは700m/g以上であり、その上限が、通常、2500m/gであり、かつ水蒸気吸着によるBET比表面積が、通常、0.01〜50m/g、好ましくは0.1〜30m/gである。また、窒素ガス吸着によるBET比表面積に対する水蒸気吸着によるBET比表面積の比(水蒸気吸着によるBET比表面積/窒素ガス吸着によるBET比表面積)が、通常、0.0001〜0.2、好ましくは0.0005〜0.15である。それらの比表面積は、例えば、「BELSORP(登録商標)−max」(日本ベル社製)を用いて測定することができる。
さらに、原料CNTの、昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素(CO)脱離量としては、通常、100〜10000μmol/gであり、かつ二酸化炭素(CO)脱離量としては、通常、1〜3000μmol/gである。COとCOの脱離量は、例えば、日本ベル社製の全自動昇温脱離スペクトル装置「TPD−1−ATw」により測定することができる。
原料CNTの比表面積及びCOとCOの脱離量が上記範囲内にあると、本発明の表面処理CNTの分散性が高まり好適である。
また、原料CNTは、複数の微小孔を有するのが好ましい。中でも、孔径が2nmよりも小さいマイクロ孔を有するのが好ましく、その存在量は、下記の方法で求めたマイクロ孔容積で、好ましくは0.4mL/g以上、より好ましくは0.43mL/g以上、更に好ましくは0.45mL/g以上であり、上限としては、通常、0.65mL/g程度である。原料CNTが上記のようなマイクロ孔を有することは、得られる表面処理CNTの分散性を高める観点から好ましい。なお、マイクロ孔容積は、例えば、原料CNTの調製方法及び調製条件を適宜変更することで調整することができる。
ここで、「マイクロ孔容積(Vp)」は、原料CNTの液体窒素温度(77K)での窒素吸着等温線を測定し、相対圧P/P0=0.19における窒素吸着量をVとして、式(I):Vp=(V/22414)×(M/ρ)より、算出することができる。なお、Pは吸着平衡時の測定圧力、P0は測定時の液体窒素の飽和蒸気圧であり、 式(I)中、Mは吸着質(窒素)の分子量28.010、ρは吸着質(窒素)の77Kにおける密度0.808g/cmである。マイクロ孔容積は、例えば、「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル社製)を使用して求めることができる。
以上の特性を有する原料CNTとしては、以下のスーパーグロース法により得られるCNT(以下、SGCNTという場合がある。)を用いるのが好ましい。
SGCNTは、例えば、表面にカーボンナノチューブ製造用触媒層(以下、「CNT製造用触媒層」ということがある。)を有する基材(以下、「CNT製造用基材」ということがある。)上に、原料化合物及びキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりカーボンナノチューブを合成する際に、系内に微量の酸化剤を存在させることで、CNT製造用触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)において、基材表面への触媒層の形成をウェットプロセスにより行い、原料ガスとしてアセチレンを主成分とするガス(例えば、アセチレンを50質量%以上含むガス)を用いることで、効率的に製造することができる。以下、スーパーグロース法により得られるCNTをSGCNTという場合がある。
本発明に用いられる水は、導電率が0.055〜10μS/cmの範囲にあるものであり、純水に分類される。本発明に用いられる原料CNTは導電性に優れており、後述するように、電極の役目を果たしうるため、純水と混合しても液中プラズマを発生させることができる。かかる水としては、例えば、イオン交換水やRO膜(逆浸透膜)処理水を挙げることができる。水の導電率は、導電率計により測定することができる。
水は、その導電率が前記範囲にある限り、例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、トリエタノールアミン、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ギ酸、酢酸、高級アルコール、ポリオキシエチレン(又はPOE)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(又はPOE)アルキルフェニルエーテル、脂肪酸モノエステル、多価アルコール脂肪酸エステル、アルキルアミンEO付加体、アルキルアミドEO付加体、アルキルアミンオキサイドなどの活性水素をもつアミンやアルコール、カルボン酸、非イオン系界面活性剤などを含んでいてもよいが、水への溶解性、プラズマ処理中での分解生成物の排除の観点から炭素数の少ないものが好ましく、アンモニアなどがより好ましい。
液中プラズマ処理は、例えば、前記水を収容した槽の液中に少なくとも1つの液中電極を配置し、前記水槽内の前記水の液面に原料CNTを供給し、原料CNTにより構成される電極と前記液中電極との電極間に高電圧高周波パルスを印加して高電圧放電による液中プラズマを発生させ、原料CNTを前記水中に溶解させることにより行うことができる。前記水槽の液面近傍には、液中プラズマ処理の効果を高める観点から、任意の撹拌機構を備えていてもよい。
液中プラズマの発生は、高電圧高周波パルスの周波数を高くし、あるいは立ち上がりを急峻にすることにより、効率的に誘引することができる。すなわち、高電圧高周波パルスは1kV〜20kVの範囲のいずれかのピーク間電圧値に設定され、周波数は0.1kHz〜300kHzの範囲のいずれかの周波数値に設定される。高電圧高周波パルスのパルス幅は0.1μS〜100μSの範囲に設定される。電極間幅は、0.1〜5.0mmに設定される。
以上により、原料CNTの表面が液中プラズマ処理される。得られた表面処理CNTは、例えば、そのまま水分散液として用いてもよいし、また、濾過により分離し、適宜乾燥することで乾燥紛体として用いてもよい。前記水分散液は本発明の分散液の一態様である。
(分散液)
本発明の分散液は、本発明の表面処理CNTを含んでなる。本発明の表面処理CNTは、溶媒への分散性に優れたものであることから、その分散液を製造するにあたり、分散剤を必要としない。従って、当該分散液は、通常、本発明のCNTと溶媒とからなる。
分散液の調製に用いる溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2イミダゾリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含イオウ系溶媒;等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本発明の分散液には、所望により、結着剤、導電助剤、分散剤、界面活性剤等を含有させてもよい。これらは公知のものを適宜使用すればよい。
本発明の分散液は、例えば、本発明の表面処理CNTを溶媒中で混合し、該CNTを分散させることで得ることができる。
混合処理や分散処理は、例えば、ナノマイザー、アルティマイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノミル、スパイクミル、DCPミル、バスケットミル、ペイントコンディショナー、高速攪拌装置等を用いる方法を利用すればよい。
本発明の分散液中、本発明の表面処理CNTの含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜10質量%である。
本発明の分散液は、CNTが均一に分散しており、CNTの自立膜や複合材料の製造に好適に用いられる。
(自立膜)
本発明の自立膜は、本発明の表面処理CNTからなる。ここで、自立膜とは、他の支持体が存在していなくとも膜としての形状を保つことができる膜をいう。自立膜の厚さは、通常、5nm〜100μmの範囲である。自立膜は、長尺の連続シートであってもよい。自立膜の比重としては、通常、0.3〜3.0g/cmが好適である。
本発明の自立膜は、例えば、本発明の分散液を任意の支持体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥し、支持体を除去することで得ることができる。また、支持体が多孔性である場合、本発明の分散液を、該支持体を介して濾過し、得られた濾過物を乾燥し、支持体を除去することで得ることができる。なお、本発明の自立膜は、支持体を付けた状態で支持体付自立膜として得てもよい。
前記支持体としては、自立膜の製造中、自立膜を十分に固定することができ、かつ、自立膜形成後、容易に除去できるものであれば特に制限されない。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シート、PET(ポリエチレンテレフタレート)シート等の合成樹脂シートや、セルロース、ニトロセルロース、ろ紙、アルミナ等の多孔性シートが挙げられる。
支持体上に分散液を塗布する際は、公知の塗布方法を採用できる。塗布方法としては、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等が挙げられる。
得られた塗膜又は濾過物を乾燥させる際は、公知の乾燥方法を採用できる。乾燥方法としては、熱風乾燥法、熱ロール乾燥法、赤外線照射法等が挙げられる。乾燥温度は特に限定されないが、通常、室温〜200℃、乾燥時間は特に限定されないが、通常、0.1〜150分である。乾燥雰囲気下は、空気中、窒素やアルゴンなど不活性ガス中、真空中など適時選択してよい。
本発明の自立膜を本発明の分散液により形成すると、当該自立膜は分散剤を含まないものとして得ることができる。従って、導電性を高めるために分散剤の除去を行う必要がなく、本発明の自立膜はそのまま導電性に優れたものとなる。
本発明の自立膜は、特に、前記SGCNTを用いてなるものが好ましい。本発明の自立膜をSGCNTを用いて形成すると、カーボンナノチューブが互いに交差して網目状構造を形成した構造を有する自立膜が容易に得られる。
本発明の自立膜は、タッチパネル、太陽電池、燃料電池等の電子機器の電極材料等の電極の導電層や触媒層の形成に好適に用いられる。例えば、前記支持体付自立膜を、所定の基材等を用意し、この基材等に、ホットプレス等で圧着させた後、支持体を剥離することで、当該基材等の表面に本発明の自立膜からなる導電層又は触媒層を形成することができる。また、支持体として、所定の基材等を用い、その上に本発明の分散液を塗布し、得られた塗膜を乾燥することで、当該基材等の表面に本発明の自立膜からなる導電層又は触媒層を形成してもよい。
(複合材料)
本発明の複合材料は、本発明の表面処理CNTと重合体とを含んでなる。本発明の複合材料は、例えば、本発明の分散液に、目的に応じて重合体を配合することにより得ることができる。当該重合体に特に限定はなく、任意のゴムや樹脂が挙げられる。
本発明の複合材料中、本発明の表面処理CNTの含有量は、重合体100質量部に対して、0.01質量部以上とするのが好ましく、0.1質量部以上とするのがより好ましく、0.25質量部以上とするのが更に好ましく、また、10質量部以下とするのが好ましく、7質量部以下とするのがより好ましく、5質量部以下とするのが更に好ましい。重合体100質量部当たりのCNTの量を、0.01質量部以上とすれば、複合材料に充分な導電性や機械的特性を付与することができ、また、10質量部以下とすれば、CNTの損傷を防止しつつ、複合材料中でCNTを均一に分散させることができる。
本発明の分散液への重合体の配合は、ゴム又は樹脂のラテックスを用いて行うのが好適である。
ゴムのラテックスとしては、特に限定されることなく、天然ゴムラテックス、合成ジエン系ゴムラテックス(ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴム、ビニルピリジンゴム、ブチルゴムなどのラテックス)、フッ素ゴムなどが挙げられる。
また、樹脂のラテックスとしては、特に限定されることなく、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、シリコーン樹脂などのラテックスが挙げられる。
ラテックスの固形分濃度は、特に限定されないが、ラテックス中での均一分散性の点から、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは20〜60質量%である。
本発明の複合材料には公知の添加剤が含まれていてもよい。当該添加剤としては、特に限定されることなく、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、架橋剤、顔料、着色剤、発泡剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、軟化剤、粘着付与剤、可塑剤、離型剤、防臭剤、香料などを挙げることができる。
本発明の複合材料は、例えば、本発明の分散液と、ラテックスと、任意に添加剤とを、公知の方法により混合することで、得ることができる。混合時間は、通常、10分間以上、24時間以下である。
本発明の分散液へのラテックスの配合後、得られた複合材料を、公知の方法に従ってさらに凝固させてもよい。複合材料の凝固は、公知のラテックスの凝固方法に準じて行うことができる。例えば、複合材料を水溶性の有機溶媒に加える方法、酸を複合材料に加える方法、塩を複合材料に加える方法が挙げられる。
さらに、凝固した複合材料を、任意に乾燥させた後、複合材料成形体としてもよい。当該成形体は、上述した複合材料を、所望の成形品形状に応じた成形機、例えば、押出機、射出成形機、圧縮機、ロール機等により成形して得ることができる。なお、複合材料成形体には、任意に架橋処理を施してもよい。
本発明の複合材料においては、本発明の表面処理CNTが均一に分散していることから、例えば、前記のようにして得られる複合材料成形体は優れた導電性や機械的特性を有する。本発明の複合材料は、特に限定されることなく、ホース、タイヤ、電磁波シールドの材料などとして好適に用いることができる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、物性等の評価は、以下の方法により行った。
(1)分散性の評価
エタノール5mLに表面処理SGCNTを0.001g加え、超音波分散機で60分間分散させ、以下の評価基準に従って分散性を目視で評価した。
〔評価基準〕
○:目で見える凝集物が存在しない。
×:目で見える凝集物が存在する。
(2)自立膜形成性の評価
イオン交換水10mLに、表面処理SGCNTを0.01g(固形分換算)加え、超音波分散機で60分間分散させ、減圧濾過で濾過した。濾過物を濾紙ごと100℃で1時間乾燥させ、乾燥した濾過物を濾紙から剥がし、以下の評価基準に従って自立膜の形成性を評価した。
〔評価基準〕
○:濾紙から剥離でき、膜形状を維持している。
×:濾紙から剥離できないか、又は剥離できても膜形状を維持できない。
(原料CNTの調製)
原料CNTとして、国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法によりSGCNTを調製した。
得られたSGCNTは、主に単層CNTから構成され、窒素ガス吸着によるBET比表面積が804m/g、水蒸気吸着によるBET比表面積が2.4m/g、それらの比表面積の比が0.003、CO脱離量が797μmol/g、CO脱離量が292μmol/g、マイクロ孔容積が0.44mL/gであった。また、平均直径(Av)が3.3nm、直径分布(3σ)が1.9nm、(3σ/Av)が0.58であり、平均長さが500μmであった。
実施例1
100mL容ビーカー内に、SGCNT 0.01g、イオン交換水80mL(導電率1μS/cm)及び磁気撹拌子を入れた。
栗田製作所製の液中パルスプラズマ発生装置(製品名「MPP−HV04」)の所定の位置に前記ビーカーを設置し、電極間隔1.5mm、周波数30kHz、パルス幅1.2μs及び電力140Wとし、処理液の温度が60℃以下になるように冷却しながら、スターラ―を200rpmで撹拌して、液中でプラズマを発生させた。液中でプラズマの発生を確認できたため、そのまま1時間処理した。処理後、水分散液から表面処理SGCNTを濾別し、乾燥させ、上記評価方法に従って評価した。結果を表1に示す。
実施例2
液中パルスプラズマ発生装置の電極間隔を20mmにしたこと以外は実施例1と同様にして表面処理SGCNTを得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例3
イオン交換水とアンモニア水(濃度25質量%)とを混合して混合液(導電率5μS/cm)を得、それを用いたこと以外は実施例1と同様にして表面処理SGCNTを得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例1
SGCNTを昭和電工社製CNT(製品名「VGCF−H(登録商標)」)に替え、液中パルスプラズマ発生装置の電極間隔を1.5mmにしたこと以外は実施例1と同様にして操作を行ったが、プラズマの発生を確認することができず、CNTの表面処理を行うことができなかった。結果を表1に示す。
比較例2
SGCNTを昭和電工社製CNT(製品名「VGCF−H(登録商標)」)に替え、イオン交換水とNaCl水溶液(濃度0.0001質量%)とを混合して混合液(導電率17μS/cm)を得、それを用い、液中パルスプラズマ発生装置の電極間隔を20mmにしたこと以外は実施例1と同様にして表面処理CNTを得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 2015105212
表1より、SGCNTを原料CNTとし、導電率が本発明の規定範囲にある水と混合し、液中プラズマ処理して得られた、実施例1〜3の表面処理SGCNTはいずれも、分散性に優れることが分かる。また、表面処理SGCNTによれば自立膜を良好に形成できることが分かる。一方、比較例1ではVGCF−Hを原料CNTとして用い、電極間隔を狭めたが、液中プラズマを発生させることができず、また、比較例2では水の導電率を大きくすることで液中プラズマが発生し、CNTの表面処理が行われたが、得られた表面処理CNTでは自立膜を形成することができなかった。
本発明のCNTは、例えば、タッチパネル、太陽電池、燃料電池等の電子機器や電子部材に用いる電極の、導電層や触媒層の構成材料等として好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 平均長さが0.1μm〜1cmであるカーボンナノチューブを、導電率が0.055〜10μS/cmの範囲にある水と混合し、液中プラズマ処理してなる表面処理カーボンナノチューブ。
  2. 前記水がイオン性分散剤を含まないものである請求項1記載の表面処理カーボンナノチューブ。
  3. 請求項1又は2に記載の表面処理カーボンナノチューブを含む分散液。
  4. 請求項1又は2に記載の表面処理カーボンナノチューブからなる自立膜。
  5. 請求項1又は2に記載の表面処理カーボンナノチューブと重合体とを含む複合材料。
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