JP2015098009A - ロールコート装置及び塗布液の塗布方法 - Google Patents
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Abstract
Description
請求項1に記載の発明は、搬送される板状体(G)の搬送方向に対して垂直な軸を中心として回転し、前記板状体(G)に塗布液を塗布するコーティングロール(11)と、前記軸と平行な軸を中心として回転し、前記コーティングロール(11)と互いの外周面同士を近接又は接触させて、前記塗布液を前記コーティングロール(11)の表面に付着させるメッシュロール(12)と、前記コーティングロール(11)と前記メッシュロール(12)とが前記近接又は接触する部分の上部に形成される液溜部(15)と、前記液溜部(15)に塗布液を供給する給液部(16)と、を有する塗布部(10)を備え、前記給液部(16)から前記液溜部(15)に前記塗布液が給液される給液位置が、前記塗布部(10)の下を搬送される板状体(G)が通過する領域外であること、を特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロールコート装置(1)であって、前記ロールコート装置(1)は、リバースロールコート装置(1)であること、を特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のロールコート装置(1)であって、前記給液部(16)の前記給液位置は、前記板状体(G)の端部から前記軸の方向に55mm以上離れていること、を特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のロールコート装置(1)であって、前記メッシュロール(12)のメッシュ容積が80〜100cc/m2であること、としたことを特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のロールコート装置(1)であって、前記コーティングロール(11)の回転速度が5〜11m/minであること、を特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載のロールコート装置(1)であって、前記塗布部(10)は、上下動が可能で、前記塗布部(10)の上下動、及び前記板状体(G)の搬送を制御する制御部(40)を備え、前記制御部(40)は、前記板状体(G)の搬送を開始して前記塗布部(10)の下を通過して先端が所定の位置に来るまで前記塗布部(10)を上部に保持し、前記板状体(G)の先端が所定位置まで来たら停止させ、前記塗布部(10)の前記コーティングロール(11)が板状体(G)に所定の圧力で当接したら、板状体(G)を再び搬送を開始すること、を特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のロールコート装置(1)であって、前記板状体(G)の停止位置が、前記コーティングロール(11)の当接したときに、コーティングロール(11)の当接位置が、前記板状体(G)の先端から10mm以上内側に入った場所であること、を特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項8に記載の発明は、搬送される板状体(G)の搬送方向に対して垂直な軸を中心として回転し、前記板状体(G)に塗布液を塗布するコーティングロール(11)と、前記軸と平行な軸を中心として回転し、前記コーティングロール(11)と互いの外周面同士を近接又は接触させて、前記塗布液を前記コーティングロール(11)の表面に付着させるメッシュロール(12)と、前記コーティングロール(11)と前記メッシュロール(12)とが前記近接又は接触する部分の上部に形成される液溜部(15)と、前記液溜部(15)に塗布液を供給する給液部(16)と、を有する塗布部(10)を備え、前記給液部(16)から前記液溜部(15)に前記塗布液が給液される給液位置が、前記塗布部(10)の下を搬送される板状体(G)が通過する領域外であるロールコート装置(1)において、前記塗布部(10)は上下動が可能で、前記板状体(G)の搬送を開始して前記塗布部(10)の下を通過して先端が所定の位置に来るまで前記塗布部(10)を上部に保持し、前記板状体(G)の先端が所定位置まで来たら停止させ、前記塗布部(10)の前記コーティングロール(11)が板状体(G)に所定の圧力で当接したら、板状体(G)を再び搬送を開始すること、を特徴とする塗布液の塗布方法である。
なお、上記構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
なお、本実施形態ではリバースロールコート装置1について説明するが、これに限定されるわけではなく、ロールが順方向に回るロールコート装置にも適用可能である。
これに限定されるものではないが、本実施形態では、板状体Gとして端面を面取り加工したサイズ1500mm(長さ)×1000(幅)mmのフロート板状体G(ソーダライムシリケートガラス)を用いる。なお、本実施形態で板状体Gは、板厚2.0mm及び3.2mmの2種類を用いる。また、本実施形態において板状体Gの最大幅は1050mmである。
機能性薄膜の組成については、膜の種類によって適宜選択されればよく、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物およびタンタル酸化物が挙げられる。
また、これら塗布液は、有機溶媒として炭化水素の水素原子を水酸基で置換した化合物であるアルコール類、例えば、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2プロパノール等を用いたものであり、1mPa・s以上、5mPa・s以下の粘度範囲であると、膜厚塗布ムラのない被膜を板状体Gの表面に得ることができるので好ましい。
メッシュロール12の表面のエンボスに溜められた塗布液がコーティングロール11に付着されることで、コーティングロール11に塗布液が供給される。
生産性よく板状体Gに塗布液を塗ろうとすると、板状体Gの搬送速度を早くする必要がある。このとき、板状体Gに塗布ムラを生じないようにするためには、コーティングロール11の回転速度も速くし、また、メッシュロール12のメッシュ容積も適切な範囲にする必要がある。
上記メッシュ容積の範囲は、実験により求めた、板状体Gの搬送速度を10m/min程度の速い速度で、塗布液が粘度(1mPa・s)の場合に塗布ムラが生じない良好な膜が形成されるメッシュ容積である。
そして、その壁部13と、コーティングロール11とメッシュロール12の当接部14より上部の回転側面とによって液溜部15が形成されている。
供給パイプ16の中央部は、図示しない塗布液貯蔵部に接続されたパイプ18が連結され、このパイプ18を介して、塗布液貯蔵部より塗布液が供給パイプ16に流入される。
供給パイプ16の両端は開口しており、開口部16A,16Bから塗布液が液溜部15に流入される。
板状体Gは、その幅方向(軸方向)中心と、コーティングロール11の軸方向中心とが一致するようにして搬送される。
板状体Gの幅は上述のように1000mmであるので、板状体Gの幅方向の端部は、中心から500mmになる。
すなわち、塗布液が液溜部15に供給される位置は、板状体Gの端部よりも、軸方向の中心から離れた位置である。
ドクターブレード17は、液溜部15に溜められる塗布液の水面より上流側においてコーティングロール11の表面と接するように保持されている。ドクターブレード17は、コーティングロール11の表面に付着した塗布液をかき出して、コーティングロール11表面を清浄にする。ドクターブレード17は、これに限定されるものではないが、スチール製の厚み0.5mmのものを用いる。
搬送ロール31は、これに限定されるものではないが、直径100mmで、直径80mmの鉄製ロールに厚み10mmのEPDMゴムを貼り付けたものである。搬送ロール31は、バックアップロール32の前後に、すなわち上流側と下流側にそれぞれピッチ200mmで配置して、バックアップロール32と同一の周速度、すなわち搬送速度で駆動する。
まず、板状体Gを、回転ブラシを用いて、酸化セリウムと水の懸濁液で研磨し、次いで回転ブラシにより酸化セリウムを水洗除去後、エアーナイフを用いて水切り乾燥された板状体Gを準備する。
制御部40は、塗布部10において、図示しない塗布液貯蔵部よりパイプ18を介して供給パイプ16に塗布液を供給させる。
この際、塗布液は、開口部16A,16Bより液溜部15に流入される。
制御部40は、コーティングロール11とメッシュロール12とを回転させる。液溜部15に溜められた塗布液は、メッシュロール12のエンボスに保持されてコーティングロール11とメッシュロール12が接触する際に、コーティングロール11表面に付着される。
なお、コーティングロール11とメッシュロール12の周速度は必ずしも一致する必要はない。
なお、コーティングロール11を板状体Gに接触させた場合の、コーティングロール11の変形量は0.05mm〜0.2が好ましく、より好適には、0.15mmである。すなわち、図2に示すように、コーティングロール11と板状体Gとの接触部におけるコーティングロール11の中心から、板状体Gの表面までの距離rは、加圧されていない場合のコーティングロール11の半径Rよりも0.15mm短い(R−r=0.15mm)。
そして、制御部40は、板状体Gの残りの部分全体に塗布液が塗布させると、塗布部10を再度上昇させ、0.5〜2mmの位置に保持する。
(1)本実施形態で用いる塗布液は、有機溶媒であって揮発性を有し、蒸発しやすい。したがって、塗布液は、供給パイプ16の開口部16A,16Bから液溜部15に供給された直後よりも、時間が経過すると蒸発熱で温度が下がる。その後、塗布液は、液溜部15内で滞留することで、一定の温度になっていく。
すなわち、液溜部15における、開口部16A,16Bから塗布液が供給されている位置では、他の部分よりも液温が高い。
しかし、本実施形態のように、一旦、板状体Gの搬送を停止させて、そこにコーティングロール11を降ろすようにすると、まず、板状体Gの表面とコーティングロール11が当接する箇所に液溜ができる。
このような液溜まりが形成されると、予め液が板状体G内にある程度あるような状態となる。そこから板状体Gを動かして塗り始めると、板状体G内での膜厚をより平坦にすることが可能となる。
なお、後端部分は、後端まで塗布液を塗っても、焼いた後において、先端に塗布液を塗布した場合ほど収縮を引き起こす程度が小さいので、本実施形態では後端は塗布液を塗布している。ただし、後端部に塗布液を塗布しない場合、板状体Gの反りをより防止することができる。
容量10Lのポリプロピレン容器に、正珪酸エチル(多摩化学工業製)467.4gを量り入れ、イソプロパノール(キシダ科学製)709.1gを撹拌しながら加えた。
次いで、硝酸(キシダ科学製、濃度0.5mol/l)323.5gを、を撹拌しながら混合させ、16時間加水分解させた。加水分解の後、イソプロパノールを3000g加えて希釈し固形分濃度3%の塗布液(粘度:1mPa・s)を得た。
成膜前の板状体Gの停止位置はコーティングロール11の回転軸真下から10mm進入させた位置とした。
また、板状体Gの反り評価も許容範囲内であった。図4は反り評価方法を説明する図である。図示するように反り評価は、板状体Gに長さ300mmの鋼尺等の直線状の冶具Jを当て、冶具Jと板状体Gとの間の最大距離Dを隙間ゲージで測定し、一定値(0.3mm)以上か以下かで行った。
コートロール速度Cr=5.4m/min、メッシュロール12として格子型35線223μm、80cc/m2を用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、実施例1と同様に、膜の状態は良好で筋がつくようなことはなかった。また、板状体Gの反りも許容範囲内であった。
次に、上述の実施例に対する比較例について説明する。
コートロール速度Cr=5.0m/min、メッシュロール12として格子型30線200μm、メッシュ容積118cc/m2を用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、板状体Gの反りは許容範囲内であった。しかし、メッシュロール容積が大きすぎたため、膜にスジムラが生じた。
なお、スジムラとは、メッシュロール12のメッシュロール容積が大きいことにより、コーティングロール11に塗布液が一様に移らなくて発生するもので、板状体Gのロール軸方向に塗布液の厚さムラができ、搬送方向にスジができる現象である。
コ−トロール速度Cr=18m/min、メッシュロール12として格子型180線45μm、60cc/m2を用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、板状体Gの反りは許容範囲内であったが、メッシュロール容積が小さかったため、膜にかすれが生じた。
実施例1と、同様の条件であるが、板状体Gの上面側全面に塗布液を塗布した。
塗布乾燥の後強化焼成を行った板状体Gの先頭部の反りが観測された。ただし、後述の実施例5の場合、比較例3と同一条件であっても反りは観測されない。したがって、比較例3の条件においては、板厚が2.0mm以下の薄い場合のみ、反りが観測される。
コートロール速度Cr=10.6m/min、メッシュロール12として格子型70線170μm、メッシュ容積80cc/m2を用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、実施例1と同様に、膜の状態は良好で筋がつくようなことはなかった。また、板状体Gの反りも許容範囲内であった。
コートロール速度Cr=5.4m/min、メッシュロール12として格子型35線223μm、80cc/m2を用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、実施例1と同様に、膜の状態は良好で筋がつくようなことはなかった。また、板状体Gの反りも許容範囲内であった。
次に、上述の実施例に対する比較例について説明する。
コートロール速度Cr=5.0m/min、メッシュロール12として格子型30線200μm、メッシュ容積118cc/m2を用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、板状体Gの反りは許容範囲内であった。しかし、メッシュロール容積が大きすぎたため、膜にスジムラが生じた。
コートロール速度Cr=18m/min、メッシュロール12として格子型180線45μm、60cc/m2を用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、板状体Gの反りは許容範囲内であったが、メッシュロール容積が小さかったため、膜にかすれが生じた。
比較例3と同様の条件であり、板状体Gの上面側全面に塗布液を塗布した。
その結果、比較例3で述べたように、実施例1と同様に、膜の状態は良好で筋がつくようなことはなかった。また、比較例3と異なり、板状体Gの反りも許容範囲内であった。
このように板厚が3.2mmと厚くなると、非塗布幅が0mmになっても、板状体Gの反りは許容範囲となる。
また、ガラス板Gの先端部から所定範囲、塗布膜を形成しないことにより、成膜後に板状体Gに反りが生じないことが検証された。
Claims (8)
- 搬送される板状体の搬送方向に対して垂直な軸を中心として回転し、前記板状体に塗布液を塗布するコーティングロールと、
前記軸と平行な軸を中心として回転し、前記コーティングロールと互いの外周面同士を近接又は接触させて、前記塗布液を前記コーティングロールの表面に付着させるメッシュロールと、
前記コーティングロールと前記メッシュロールとが前記近接又は接触する部分の上部に形成される液溜部と、
前記液溜部に塗布液を供給する給液部と、を有する塗布部を備え、
前記給液部から前記液溜部に前記塗布液が給液される給液位置が、前記塗布部の下を搬送される板状体が通過する領域外であること、
を特徴とするロールコート装置。 - 請求項1に記載のロールコート装置であって、
前記ロールコート装置は、リバースロールコート装置であること、
を特徴とするロールコート装置。 - 請求項1または2に記載のロールコート装置であって、
前記給液部の前記給液位置は、前記板状体の端部から前記軸の方向に55mm以上離れていること、
を特徴とするロールコート装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のロールコート装置であって、
前記メッシュロールのメッシュ容積が80〜100cc/m2であること、
としたことを特徴とするロールコート装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のロールコート装置であって、
前記コーティングロールの回転速度が5〜11m/minであること、
を特徴とするロールコート装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載のロールコート装置であって、
前記塗布部は、上下動が可能で、
前記塗布部の上下動、及び前記板状体の搬送を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記板状体の搬送を開始して前記塗布部の下を通過して先端が所定の位置に来るまで前記塗布部を上部に保持し、
前記板状体の先端が所定位置まで来たら停止させ、
前記塗布部の前記コーティングロールが板状体に所定の圧力で当接したら、板状体を再び搬送を開始すること、
を特徴とするロールコート装置。 - 請求項6に記載のロールコート装置であって、
前記板状体の停止位置が、前記コーティングロールの当接したときに、コーティングロールの当接位置が、前記板状体の先端から10mm以上内側に入った場所であること、
を特徴とするロールコート装置。 - 搬送される板状体の搬送方向に対して垂直な軸を中心として回転し、前記板状体に塗布液を塗布するコーティングロールと、
前記軸と平行な軸を中心として回転し、前記コーティングロールと互いの外周面同士を近接又は接触させて、前記塗布液を前記コーティングロールの表面に付着させるメッシュロールと、
前記コーティングロールと前記メッシュロールとが前記近接又は接触する部分の上部に形成される液溜部と、
前記液溜部に塗布液を供給する給液部と、を有する塗布部を備え、
前記給液部から前記液溜部に前記塗布液が給液される給液位置が、前記塗布部の下を搬送される板状体が通過する領域外であるロールコート装置において、
前記塗布部は上下動が可能で、
前記板状体の搬送を開始して前記塗布部の下を通過して先端が所定の位置に来るまで前記塗布部を上部に保持し、
前記板状体の先端が所定位置まで来たら停止させ、
前記塗布部の前記コーティングロールが板状体に所定の圧力で当接したら、板状体を再び搬送を開始すること、
を特徴とする塗布液の塗布方法。
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