JP2015098009A - ロールコート装置及び塗布液の塗布方法 - Google Patents

ロールコート装置及び塗布液の塗布方法 Download PDF

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武幸 金田
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Abstract

【課題】このような塗布ムラを生じにくいロールコート装置及び塗布液の塗布方法を提供する。【解決手段】本発明のロールコート装置1は、搬送される板状体Gの搬送方向に対して垂直な軸を中心として回転し、前記板状体Gに塗布液を塗布するコーティングロール11と、前記軸と平行な軸を中心として回転し、前記コーティングロール11と互いの外周面同士を近接又は接触させて、前記塗布液を前記コーティングロール11の表面に付着させるメッシュロール12と、前記コーティングロール11と前記メッシュロール12とが前記近接又は接触する部分の上部に形成される液溜部15と、前記液溜部15に塗布液を供給する給液部16と、を有する塗布部10を備え、前記給液部16から前記液溜部15に前記塗布液が給液される給液位置が、前記塗布部10の下を搬送される板状体Gが通過する領域外であること、を特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、板状体に塗布液を塗布するロールコート装置及び塗布液の塗布方法に関するものである。
従来、リバースロールコート装置を用いて、ガラス等の板状体に塗布液を塗布する装置がある。リバースロールコート装置は、板状体に当接して板状体に塗布液を塗るコーティングロールと、そのコーティングロールと互いの外周円筒面同士を接触させて平行に配置されたメッシュロールとを備える。そして、コーティングロールとメッシュロールとの接触部上部に液溜部が形成され、給液パイプから液溜部に塗布用塗布液が供給される。液溜部の塗布液はメッシュロールのメッシュに蓄えられ、コーティングロールに付着され、コーティングロールと接触した板状体に塗布液が塗布される(特許文献1参照)。
特開2002−282754号公報
塗布液の温度は、板状体に塗布される膜の性質に影響をする。すなわち、コーティングロールの軸方向で、塗布液に温度分布ができると、温度の高いところと低いところとで、塗布液の溶媒の蒸発速度が変わり、それによって膜に筋状の塗布ムラが生じる。
本発明は、このような塗布ムラを生じにくいロールコート装置及び塗布液の塗布方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。
請求項1に記載の発明は、搬送される板状体(G)の搬送方向に対して垂直な軸を中心として回転し、前記板状体(G)に塗布液を塗布するコーティングロール(11)と、前記軸と平行な軸を中心として回転し、前記コーティングロール(11)と互いの外周面同士を近接又は接触させて、前記塗布液を前記コーティングロール(11)の表面に付着させるメッシュロール(12)と、前記コーティングロール(11)と前記メッシュロール(12)とが前記近接又は接触する部分の上部に形成される液溜部(15)と、前記液溜部(15)に塗布液を供給する給液部(16)と、を有する塗布部(10)を備え、前記給液部(16)から前記液溜部(15)に前記塗布液が給液される給液位置が、前記塗布部(10)の下を搬送される板状体(G)が通過する領域外であること、を特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロールコート装置(1)であって、前記ロールコート装置(1)は、リバースロールコート装置(1)であること、を特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のロールコート装置(1)であって、前記給液部(16)の前記給液位置は、前記板状体(G)の端部から前記軸の方向に55mm以上離れていること、を特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のロールコート装置(1)であって、前記メッシュロール(12)のメッシュ容積が80〜100cc/mであること、としたことを特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のロールコート装置(1)であって、前記コーティングロール(11)の回転速度が5〜11m/minであること、を特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載のロールコート装置(1)であって、前記塗布部(10)は、上下動が可能で、前記塗布部(10)の上下動、及び前記板状体(G)の搬送を制御する制御部(40)を備え、前記制御部(40)は、前記板状体(G)の搬送を開始して前記塗布部(10)の下を通過して先端が所定の位置に来るまで前記塗布部(10)を上部に保持し、前記板状体(G)の先端が所定位置まで来たら停止させ、前記塗布部(10)の前記コーティングロール(11)が板状体(G)に所定の圧力で当接したら、板状体(G)を再び搬送を開始すること、を特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のロールコート装置(1)であって、前記板状体(G)の停止位置が、前記コーティングロール(11)の当接したときに、コーティングロール(11)の当接位置が、前記板状体(G)の先端から10mm以上内側に入った場所であること、を特徴とするロールコート装置(1)である。
請求項8に記載の発明は、搬送される板状体(G)の搬送方向に対して垂直な軸を中心として回転し、前記板状体(G)に塗布液を塗布するコーティングロール(11)と、前記軸と平行な軸を中心として回転し、前記コーティングロール(11)と互いの外周面同士を近接又は接触させて、前記塗布液を前記コーティングロール(11)の表面に付着させるメッシュロール(12)と、前記コーティングロール(11)と前記メッシュロール(12)とが前記近接又は接触する部分の上部に形成される液溜部(15)と、前記液溜部(15)に塗布液を供給する給液部(16)と、を有する塗布部(10)を備え、前記給液部(16)から前記液溜部(15)に前記塗布液が給液される給液位置が、前記塗布部(10)の下を搬送される板状体(G)が通過する領域外であるロールコート装置(1)において、前記塗布部(10)は上下動が可能で、前記板状体(G)の搬送を開始して前記塗布部(10)の下を通過して先端が所定の位置に来るまで前記塗布部(10)を上部に保持し、前記板状体(G)の先端が所定位置まで来たら停止させ、前記塗布部(10)の前記コーティングロール(11)が板状体(G)に所定の圧力で当接したら、板状体(G)を再び搬送を開始すること、を特徴とする塗布液の塗布方法である。
なお、上記構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
本発明によれば、塗布ムラを生じにくいロールコート装置及び塗布液の塗布方法を提供することができる。
本実施形態のリバースロールコート装置の主要部を側面から見た模式図である。 リバースロールコート装置の塗布部の斜視図である。 制御部による塗布部及び搬送部の制御方法を説明する図である。 反り評価方法を説明する図である。
図1は、本実施形態のリバースロールコート装置1の主要部を側面から見た模式図である。図2はリバースロールコート装置1の塗布部10の斜視図である。
なお、本実施形態ではリバースロールコート装置1について説明するが、これに限定されるわけではなく、ロールが順方向に回るロールコート装置にも適用可能である。
本発明のリバースロールコート装置1は、図1で示す搬送方向を流れる板状体Gに塗布液を塗布する装置である。リバースロールコート装置1は、塗布液を塗布する塗布部10と、板状体Gを搬送する搬送部30と、塗布部10及び搬送部30を制御する制御部40とを備える。
リバースロールコート装置1によって、被膜が形成される板状体Gとしては、非吸収性の基板が好ましく、ガラス基板のみならず、例えば、プラスチック板、プラスチックフィルム、金属板、セラミック板等が挙げられる。
これに限定されるものではないが、本実施形態では、板状体Gとして端面を面取り加工したサイズ1500mm(長さ)×1000(幅)mmのフロート板状体G(ソーダライムシリケートガラス)を用いる。なお、本実施形態で板状体Gは、板厚2.0mm及び3.2mmの2種類を用いる。また、本実施形態において板状体Gの最大幅は1050mmである。
また、板状体Gに塗布する塗布液は、赤外線吸収または低反射膜、紫外線吸収膜、および酸化チタン微粒子の光触媒活性を利用した防汚膜等の機能性薄膜、あるいは遮光、装飾等を目的とした着色膜等を形成するための塗布液が挙げられる。
機能性薄膜の組成については、膜の種類によって適宜選択されればよく、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物およびタンタル酸化物が挙げられる。
また、これら塗布液は、有機溶媒として炭化水素の水素原子を水酸基で置換した化合物であるアルコール類、例えば、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2プロパノール等を用いたものであり、1mPa・s以上、5mPa・s以下の粘度範囲であると、膜厚塗布ムラのない被膜を板状体Gの表面に得ることができるので好ましい。
塗布部10は、図示しない昇降機構により、板状体Gに対して昇降可能である。塗布部10は、搬送方向と逆方向に回転し、板状体Gに当接して板状体Gに塗布液を塗布する昇降可能なコーティングロール11と、コーティングロール11の回転軸と平行な回転軸を有し、コーティングロール11と互いの外周円筒面同士を接触又は近接させて、塗布液をコーティングロール11に供給するメッシュロール12と、を備えている。コーティングロール11及びメッシュロール12の回転軸は、板状体Gの搬送方向に対して垂直に配置されている。以下この回転軸の方向を軸方向という。
コーティングロール11は、これに限定されるものではないが、直径165mmで、直径135mmの鉄製ロールに、厚み15mmのエチレン−プロピレン−ジエン共重合体であるEPDMゴムを接着加工したものである。EPDMゴムの硬度は、ショア・デュロメータAで計測してショア硬度35である。このコーティングロール11の幅は1310mmである。
メッシュロール12は、これに限定されるものではないが、ロール表面をエンボス加工した直径162mmのクロームメッキした鉄製ロールである。メッシュロール12の幅も1310mmである。
メッシュロール12の表面のエンボスに溜められた塗布液がコーティングロール11に付着されることで、コーティングロール11に塗布液が供給される。
なお、エンボスの容積を1m内で足し合わせたものをメッシュ容積(cc/m)というが、本実施形態においてはメッシュ容積80〜100cc/mのメッシュロール12を用いる。
生産性よく板状体Gに塗布液を塗ろうとすると、板状体Gの搬送速度を早くする必要がある。このとき、板状体Gに塗布ムラを生じないようにするためには、コーティングロール11の回転速度も速くし、また、メッシュロール12のメッシュ容積も適切な範囲にする必要がある。
上記メッシュ容積の範囲は、実験により求めた、板状体Gの搬送速度を10m/min程度の速い速度で、塗布液が粘度(1mPa・s)の場合に塗布ムラが生じない良好な膜が形成されるメッシュ容積である。
図2に示すように、コーティングロール11とメッシュロール12との当接部14(又は最近接部)の軸方向の両端に、それぞれ壁部13が設けられている。
そして、その壁部13と、コーティングロール11とメッシュロール12の当接部14より上部の回転側面とによって液溜部15が形成されている。
液溜部15の上部には、コーティングロール11及びメッシュロール12と平行に軸方向に延び、液溜部15に塗布液を供給する供給パイプ16が配置されている。
供給パイプ16の中央部は、図示しない塗布液貯蔵部に接続されたパイプ18が連結され、このパイプ18を介して、塗布液貯蔵部より塗布液が供給パイプ16に流入される。
供給パイプ16の両端は開口しており、開口部16A,16Bから塗布液が液溜部15に流入される。
液溜部15の壁部13の上部には、液回収パイプ19が連結されている。液溜部15の塗布液の液量が液回収パイプ19の高さ以上になると、塗布液が液回収パイプ19より流出するようになっている。これにより、液溜部15の液量が一定に保たれる。
本実施形態では、供給パイプ16の軸方向両端の開口部16A,16Bの位置、すなわち、塗布液が液溜部15に供給されるときの供給位置が、軸方向において、板状体Gが通過する位置の外側となる。
具体的には、開口部16A,16Bはコーティングロール11の軸方向中心から左右にそれぞれ600mmの位置にある。
板状体Gは、その幅方向(軸方向)中心と、コーティングロール11の軸方向中心とが一致するようにして搬送される。
板状体Gの幅は上述のように1000mmであるので、板状体Gの幅方向の端部は、中心から500mmになる。
すなわち、塗布液が液溜部15に供給される位置は、板状体Gの端部よりも、軸方向の中心から離れた位置である。
また、換言すると、図2で示すように、コーティングロール11及びメッシュロール12の軸方向の中心、板状体Gの幅方向の中心、供給パイプ16の軸方向の中心がほぼ同じ位置であり、コーティングロール11及びメッシュロール12の長さLM,板状体Gの幅LG、供給パイプ16の長さLPとすると、LM>LP>LGの関係がある。
さらに換言すると、供給パイプ16の両端の開口部16A,16Bは、コーティングロール11及びメッシュロール12の端部の壁部13の内壁よりも内側で、板状体Gの側端部よりも外側に位置する。
また、供給パイプ16が幅1200mmの場合、板状体Gの幅が1050mm以内が好ましく、板状体G上の液溜部15の塗布液の温度がほぼ均一となる。また、板状体Gの幅が1050mmの場合、供給パイプ16は幅1200mm以上が好ましく、この場合も板状体G上の液溜部15の塗布液の温度がほぼ均一となる。したがって、板状体Gに筋、ムラが生じない。
コーティングロール11の上部には、図1に示すようにドクターブレード17が設けられている。なお、図2においてドクターブレード17は液溜部15を示すために図示していない。
ドクターブレード17は、液溜部15に溜められる塗布液の水面より上流側においてコーティングロール11の表面と接するように保持されている。ドクターブレード17は、コーティングロール11の表面に付着した塗布液をかき出して、コーティングロール11表面を清浄にする。ドクターブレード17は、これに限定されるものではないが、スチール製の厚み0.5mmのものを用いる。
図1に示すように、搬送部30は、板状体Gを水平方向に搬送する回転可能な搬送ロール31と、コーティングロール11の直下に付設される回転可能なバックアップロール32と、を備える。
搬送ロール31は図示しない制御部によって回転制御され、搬送ロール31が回転することで板状体Gが搬送される。
搬送ロール31は、これに限定されるものではないが、直径100mmで、直径80mmの鉄製ロールに厚み10mmのEPDMゴムを貼り付けたものである。搬送ロール31は、バックアップロール32の前後に、すなわち上流側と下流側にそれぞれピッチ200mmで配置して、バックアップロール32と同一の周速度、すなわち搬送速度で駆動する。
バックアップロール32は、これに限定されるものではないが、直径140mmで、直径114mmの鉄製ロールに厚み13mmのEPDMゴムを貼り付けたものを用いる。EPDMゴムの硬度は、ショア・デュロメータAで計測して70である。
次に、塗布部10及び搬送部30を制御して、板状体Gに膜を塗布する制御部40の動作について説明する。
まず、板状体Gを、回転ブラシを用いて、酸化セリウムと水の懸濁液で研磨し、次いで回転ブラシにより酸化セリウムを水洗除去後、エアーナイフを用いて水切り乾燥された板状体Gを準備する。
図3は制御部40による塗布部10及び搬送部30の制御方法を説明する図である。
制御部40は、塗布部10において、図示しない塗布液貯蔵部よりパイプ18を介して供給パイプ16に塗布液を供給させる。
この際、塗布液は、開口部16A,16Bより液溜部15に流入される。
制御部40は、コーティングロール11とメッシュロール12とを回転させる。液溜部15に溜められた塗布液は、メッシュロール12のエンボスに保持されてコーティングロール11とメッシュロール12が接触する際に、コーティングロール11表面に付着される。
制御部40は、このように2つのロールが回転している状態で、コーティングロール11が板状体Gの厚みより0.5〜2mmの位置で、塗布部10を待機させる。
なお、コーティングロール11とメッシュロール12の周速度は必ずしも一致する必要はない。
制御部40は、搬送速度10.0m/min、すなわち、搬送ロール31およびバックアップロール32の周速度を10.0m/minにして、図3(a)に示すように板状体Gの搬送を開始する。
制御部40は、図3(b)に示すように板状体Gの先頭がコーティングロール11の回転軸の下を通過し、回転軸の下から10mm進むと、搬送ロール31を一旦停止させる。これにより、板状体Gも停止する。
制御部40は、図3(c)に示すように塗布部10を下降させる。そして回転中のコーティングロール11が下降して板状体Gに塗布液が接触すると、図3(d)に示すように搬送ロール31の回転を再開させ、再度10.0m/minの速度で板状体Gを搬送する。
なお、コーティングロール11を板状体Gに接触させた場合の、コーティングロール11の変形量は0.05mm〜0.2が好ましく、より好適には、0.15mmである。すなわち、図2に示すように、コーティングロール11と板状体Gとの接触部におけるコーティングロール11の中心から、板状体Gの表面までの距離rは、加圧されていない場合のコーティングロール11の半径Rよりも0.15mm短い(R−r=0.15mm)。
そして、制御部40は、板状体Gの残りの部分全体に塗布液が塗布させると、塗布部10を再度上昇させ、0.5〜2mmの位置に保持する。
これにより、板状体Gは、先頭部から所望幅(本実施形態で10mm)の非塗膜部を残して、塗布液が塗布される。
次いで、板状体Gは、炉だし温度620℃の連続式焼成炉に2分間滞在される。これによって膜の強度が高められる。ただし、これに限定されるものではないが、本実施形態ではこれに限定されず、400℃以上650℃未満であればよい。その後、板状体Gは取出されて室温まで冷却される。
以上、本実施形態によると以下の効果を有する。
(1)本実施形態で用いる塗布液は、有機溶媒であって揮発性を有し、蒸発しやすい。したがって、塗布液は、供給パイプ16の開口部16A,16Bから液溜部15に供給された直後よりも、時間が経過すると蒸発熱で温度が下がる。その後、塗布液は、液溜部15内で滞留することで、一定の温度になっていく。
すなわち、液溜部15における、開口部16A,16Bから塗布液が供給されている位置では、他の部分よりも液温が高い。
このように塗布液に温度差があると(例えば、給液部から供給された直後の温度が17℃で、その他の液溜部15の温度が15℃くらい)、温度が高い塗布液は、低い塗布液よりも蒸発しやすいため、その部分が板状体G上で筋となって残ってしまう。
しかし、本実施形態では、塗布液が液溜部15に供給され開口部16A,16Bの位置が、板状体Gが通過する位置の外側である。したがって、板状体Gが通過する領域まで塗布液が拡散するまでの間に、温度が安定する。このため、塗布液の温度がより均一な領域を板状体Gが通過するので、塗布液に塗布ムラが生じにくい。
(2)コーティングロール11を常に一定の高さにおき、板状体Gをストップさせずに搬送させていると、板状体Gの先端がコーティングロール11についたときに、板状体Gの先端の膜が薄くなり、これが塗布ムラとなってしまう。
しかし、本実施形態のように、一旦、板状体Gの搬送を停止させて、そこにコーティングロール11を降ろすようにすると、まず、板状体Gの表面とコーティングロール11が当接する箇所に液溜ができる。
このような液溜まりが形成されると、予め液が板状体G内にある程度あるような状態となる。そこから板状体Gを動かして塗り始めると、板状体G内での膜厚をより平坦にすることが可能となる。
(3)塗布液は、焼くと収縮するので、それによって板厚が2.0mm以下のような薄い板状体の場合、板状体の先端部分が引っ張られて反る可能性がある。本実施形態では、これを防ぐために塗布液を塗らない箇所を有する。
なお、後端部分は、後端まで塗布液を塗っても、焼いた後において、先端に塗布液を塗布した場合ほど収縮を引き起こす程度が小さいので、本実施形態では後端は塗布液を塗布している。ただし、後端部に塗布液を塗布しない場合、板状体Gの反りをより防止することができる。
(4)本実施形態によると、メッシュロール12のメッシュ容積を、塗布液が粘度(1mPa・s)においては良好な膜が形成される80〜100cc/mとしている。したがって、板状体Gの搬送速度を10m/min程度の早い速度としても塗布ムラなく塗布液を板状体Gに塗布できる。
次に、本発明を実際に適用した実施例について説明する。表1は、板状体Gの厚さが2.0mmの場合の実施例の結果を示したものである。
Figure 2015098009
(実施例1)
容量10Lのポリプロピレン容器に、正珪酸エチル(多摩化学工業製)467.4gを量り入れ、イソプロパノール(キシダ科学製)709.1gを撹拌しながら加えた。
次いで、硝酸(キシダ科学製、濃度0.5mol/l)323.5gを、を撹拌しながら混合させ、16時間加水分解させた。加水分解の後、イソプロパノールを3000g加えて希釈し固形分濃度3%の塗布液(粘度:1mPa・s)を得た。
次いで、当該SiO2膜形成用塗布液を前述の板状体Gに塗布する際の塗布環境は、室温23℃、湿度50〜60%RHであった。
コートロール速度Cr=10.6m/min、メッシュロール12として格子型70線170μm、メッシュ容積80cc/mを用いた。
成膜前の板状体Gの停止位置はコーティングロール11の回転軸真下から10mm進入させた位置とした。
実施例1によると、表1の実施例1に示すように、膜の状態は良好(表において丸印で示す)で筋がつくようなことはなかった。
また、板状体Gの反り評価も許容範囲内であった。図4は反り評価方法を説明する図である。図示するように反り評価は、板状体Gに長さ300mmの鋼尺等の直線状の冶具Jを当て、冶具Jと板状体Gとの間の最大距離Dを隙間ゲージで測定し、一定値(0.3mm)以上か以下かで行った。
(実施例2)
コートロール速度Cr=5.4m/min、メッシュロール12として格子型35線223μm、80cc/mを用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、実施例1と同様に、膜の状態は良好で筋がつくようなことはなかった。また、板状体Gの反りも許容範囲内であった。
(比較例1)
次に、上述の実施例に対する比較例について説明する。
コートロール速度Cr=5.0m/min、メッシュロール12として格子型30線200μm、メッシュ容積118cc/mを用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、板状体Gの反りは許容範囲内であった。しかし、メッシュロール容積が大きすぎたため、膜にスジムラが生じた。
なお、スジムラとは、メッシュロール12のメッシュロール容積が大きいことにより、コーティングロール11に塗布液が一様に移らなくて発生するもので、板状体Gのロール軸方向に塗布液の厚さムラができ、搬送方向にスジができる現象である。
(比較例2)
コ−トロール速度Cr=18m/min、メッシュロール12として格子型180線45μm、60cc/mを用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、板状体Gの反りは許容範囲内であったが、メッシュロール容積が小さかったため、膜にかすれが生じた。
(比較例3)
実施例1と、同様の条件であるが、板状体Gの上面側全面に塗布液を塗布した。
塗布乾燥の後強化焼成を行った板状体Gの先頭部の反りが観測された。ただし、後述の実施例5の場合、比較例3と同一条件であっても反りは観測されない。したがって、比較例3の条件においては、板厚が2.0mm以下の薄い場合のみ、反りが観測される。
表2は、板状体Gの厚さが3.2mmの場合の実施例の結果を示したものである。
Figure 2015098009
(実施例3)
コートロール速度Cr=10.6m/min、メッシュロール12として格子型70線170μm、メッシュ容積80cc/mを用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、実施例1と同様に、膜の状態は良好で筋がつくようなことはなかった。また、板状体Gの反りも許容範囲内であった。
(実施例4)
コートロール速度Cr=5.4m/min、メッシュロール12として格子型35線223μm、80cc/mを用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、実施例1と同様に、膜の状態は良好で筋がつくようなことはなかった。また、板状体Gの反りも許容範囲内であった。
(比較例4)
次に、上述の実施例に対する比較例について説明する。
コートロール速度Cr=5.0m/min、メッシュロール12として格子型30線200μm、メッシュ容積118cc/mを用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、板状体Gの反りは許容範囲内であった。しかし、メッシュロール容積が大きすぎたため、膜にスジムラが生じた。
(比較例5)
コートロール速度Cr=18m/min、メッシュロール12として格子型180線45μm、60cc/mを用いた。塗布液、塗布環境及び、成膜前の板状体Gの停止位置は実施例1と同様である。
その結果、板状体Gの反りは許容範囲内であったが、メッシュロール容積が小さかったため、膜にかすれが生じた。
(実施例5)
比較例3と同様の条件であり、板状体Gの上面側全面に塗布液を塗布した。
その結果、比較例3で述べたように、実施例1と同様に、膜の状態は良好で筋がつくようなことはなかった。また、比較例3と異なり、板状体Gの反りも許容範囲内であった。
このように板厚が3.2mmと厚くなると、非塗布幅が0mmになっても、板状体Gの反りは許容範囲となる。
以上より、メッシュ容積は、スジムラやかすれが生じない80から100cc/mが好ましいことがわかった。
また、ガラス板Gの先端部から所定範囲、塗布膜を形成しないことにより、成膜後に板状体Gに反りが生じないことが検証された。
1:リバースロールコート装置、10:塗布部、11:コーティングロール、12:メッシュロール、13:壁部、14:当接部、15:液溜部、16:供給パイプ(給液部)、16A:開口部、16B:開口部、17:ドクターブレード、30:搬送部、31:搬送ロール、32:バックアップロール、40:制御部

Claims (8)

  1. 搬送される板状体の搬送方向に対して垂直な軸を中心として回転し、前記板状体に塗布液を塗布するコーティングロールと、
    前記軸と平行な軸を中心として回転し、前記コーティングロールと互いの外周面同士を近接又は接触させて、前記塗布液を前記コーティングロールの表面に付着させるメッシュロールと、
    前記コーティングロールと前記メッシュロールとが前記近接又は接触する部分の上部に形成される液溜部と、
    前記液溜部に塗布液を供給する給液部と、を有する塗布部を備え、
    前記給液部から前記液溜部に前記塗布液が給液される給液位置が、前記塗布部の下を搬送される板状体が通過する領域外であること、
    を特徴とするロールコート装置。
  2. 請求項1に記載のロールコート装置であって、
    前記ロールコート装置は、リバースロールコート装置であること、
    を特徴とするロールコート装置。
  3. 請求項1または2に記載のロールコート装置であって、
    前記給液部の前記給液位置は、前記板状体の端部から前記軸の方向に55mm以上離れていること、
    を特徴とするロールコート装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のロールコート装置であって、
    前記メッシュロールのメッシュ容積が80〜100cc/mであること、
    としたことを特徴とするロールコート装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のロールコート装置であって、
    前記コーティングロールの回転速度が5〜11m/minであること、
    を特徴とするロールコート装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のロールコート装置であって、
    前記塗布部は、上下動が可能で、
    前記塗布部の上下動、及び前記板状体の搬送を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記板状体の搬送を開始して前記塗布部の下を通過して先端が所定の位置に来るまで前記塗布部を上部に保持し、
    前記板状体の先端が所定位置まで来たら停止させ、
    前記塗布部の前記コーティングロールが板状体に所定の圧力で当接したら、板状体を再び搬送を開始すること、
    を特徴とするロールコート装置。
  7. 請求項6に記載のロールコート装置であって、
    前記板状体の停止位置が、前記コーティングロールの当接したときに、コーティングロールの当接位置が、前記板状体の先端から10mm以上内側に入った場所であること、
    を特徴とするロールコート装置。
  8. 搬送される板状体の搬送方向に対して垂直な軸を中心として回転し、前記板状体に塗布液を塗布するコーティングロールと、
    前記軸と平行な軸を中心として回転し、前記コーティングロールと互いの外周面同士を近接又は接触させて、前記塗布液を前記コーティングロールの表面に付着させるメッシュロールと、
    前記コーティングロールと前記メッシュロールとが前記近接又は接触する部分の上部に形成される液溜部と、
    前記液溜部に塗布液を供給する給液部と、を有する塗布部を備え、
    前記給液部から前記液溜部に前記塗布液が給液される給液位置が、前記塗布部の下を搬送される板状体が通過する領域外であるロールコート装置において、
    前記塗布部は上下動が可能で、
    前記板状体の搬送を開始して前記塗布部の下を通過して先端が所定の位置に来るまで前記塗布部を上部に保持し、
    前記板状体の先端が所定位置まで来たら停止させ、
    前記塗布部の前記コーティングロールが板状体に所定の圧力で当接したら、板状体を再び搬送を開始すること、
    を特徴とする塗布液の塗布方法。
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