JP2003071356A - 塗布装置およびその塗布方法 - Google Patents

塗布装置およびその塗布方法

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JP2003071356A
JP2003071356A JP2001268184A JP2001268184A JP2003071356A JP 2003071356 A JP2003071356 A JP 2003071356A JP 2001268184 A JP2001268184 A JP 2001268184A JP 2001268184 A JP2001268184 A JP 2001268184A JP 2003071356 A JP2003071356 A JP 2003071356A
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applicator
plate
coating
coating liquid
film
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JP2001268184A
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Inventor
Koichi Furuya
孝一 古屋
Yasuo Moriguchi
泰夫 森口
Hiroaki Arai
宏明 荒井
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大型の板状体、特に建築物窓または車両窓向け
などの大板ガラスに、防汚、熱線遮蔽などを目的とした
機能性箔膜または着色膜などを、膜ムラなく生産性よく
塗布形成する安価な塗布装置およびその塗布方法を提供
する。 【解決手段】 板状体と所定の隙間間隔を保ちつつ移動
可能なアプリケータからなり、板状体とアプリケータと
の隙間に塗布液を供給しアプリケータを進行させ板状体
を塗布する塗布装置であって、板状体を水平に載置する
ステージと、ステージに載置した板状体上面との間に所
定の隙間間隔を保ちつつ移動可能なアプリケータからな
り、アプリケータの下面に、アプリケータの進行方向と
直交する段差を設けて、アプリケータの下面を2面以上
とし、かつ塗布時の進行方向側のアプリケータ下面と板
状体上面との隙間が、進行方向反対側のアプリケータ下
面と板状体上面の隙間より広いことを特徴とする塗布装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状体と所定の隙
間間隔を保ちつつ相対移動可能なアプリケータからな
り、板状体とアプリケータとの隙間にアプリケータに内
設した塗布液供給口より塗布液を供給しアプリケータを
進行させて板状体を塗布する塗布装置に関し、特に建築
物窓または車両窓向けなどの大面積の板ガラス(大板ガ
ラス)に塗布液の使用量を少なく、膜厚ムラ、即ち、膜
ムラなく塗布成膜する塗布装置およびその塗布方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ガラス板などの液吸収性のない板状体に
塗布液を塗布し、表面に薄膜を形成する塗布方法とし
て、ディップコート法、スピンコート法、カーテンフロ
ーコート法、スプレー法、ロールコート法、フレキソ印
刷法などが挙げられる。
【0003】ディップコ−ト法は、塗布液を満たした塗
布槽に板状体を浸漬し、一定速度で引き上げ塗布する塗
布方法で、均一な膜厚の薄膜が得られるものの、大板ガ
ラスに対しては、大きな塗布槽および多量の塗布液を必
要とし、更に、重量がある大板ガラスを多数一度に塗布
することが困難であり、塗布液の使用効率も低い。これ
に対して、スピンコート法、カーテンフローコート法、
スプレー法、ロールコート法、またはフレキソ印刷法
は、塗布速度が速く生産性が高い。
【0004】スピンコート法は、回転台上に板状体を載
置し回転台上に固定させた後、回転台を回転させ、回転
の中心へ塗布液を滴下させて拡げて塗布する方法であ
る。しかしながら、大板ガラスを塗布するには大掛かり
となり、塗布液の大部分が飛散するので、塗布液の使用
効率が低い。
【0005】カーテンフローコート法は、スリットから
カーテン状に落下する塗布液の中を、板状体を高速で搬
送させつつ塗膜するので生産性が高いが、大板ガラスに
塗膜するには、塗布液を多量に必要とし、構造上、膜厚
を厳密に制御することが困難である。
【0006】スプレー法は、塗布液を板状体表面に吹き
付ける方法であるが、スプレーした際に、塗布液が飛散
して塗布環境が悪くなり、スプレーされた塗布液が板状
体に到達する間に溶媒の蒸発が起こり、均一な膜厚の薄
膜を得難い。
【0007】ロールコート法は、表面に塗布液を被着さ
せたコートーロールを板状体表面に接触させ、塗布液を
転写させて塗布する方法で、正転ロールコータやリバー
スロールコータがあり、塗膜速度が速く、生産性も高
い。しかしながら、ガラスに塗布液を塗布する場合、ス
ジ状の膜欠陥が塗膜方向に生じやすい。
【0008】フレキソ印刷法は、弾性材料よりなるドク
ターロール、または表面に微細なエンボス加工がされた
アニロックスロール上に、塗布液供給装置であるディス
ペンサーで塗布液を滴下し、両ロール表面で塗布液を練
り、アニロックスロール表面に均一に広げ、版胴に巻か
れたゴム等からなるフレキソ版に転写させた後、フレキ
ソ版で板状体表面に塗布する方法である。フレキソ印刷
法においては、フレキソ版の長さを、塗布される板状体
の長さより長くする必要があり、大板ガラスに塗布する
には、大型の版胴を用いなければならず、塗布装置が大
きく高価となる。
【0009】ロールコート法やフレキソ印刷法を用い
て、水平に置かれた建築物および車両窓ガラス向け等の
大板ガラスを搬送しつつ、大板ガラスの上面を塗布する
際には、装置突入時に大板ガラスの端部でロール表面を
傷つけてしまい、装置を損傷させてしまう危険性がある
ので、注意を要する。
【0010】上述したいずれの塗布装置および塗布方法
も、建築物窓および車両窓向け大板ガラスに生産性よく
塗布成膜するに適した安価で簡便な塗布装置および塗布
方法と言えるものではない。
【0011】一方、板状体と所定の隙間間隔を保ちつつ
移動可能なアプリケータからなり、板状体とアプリケー
タとの隙間にアプリケータに内設した塗布液供給口より
塗布液を供給しつつアプリケータを進行させて板状体を
塗布する塗布装置、キスコータに属しビードコータと通
称される塗布装置が、特開平8−24740号公報、ま
たは特開平11−42457号公報にて開示されてい
る。コート手段であるアプリケータと板状体との間に、
アプリケータおよび板状体ともに接触する塗布液からな
るビードを生じさせ、ビードを引きずることによって塗
膜を形成する。
【0012】特開平8−24740号公報に記載の塗布
装置は、塗布液の有効利用を図るとともに設置スペース
を小さくし塗布品質の向上を図った縦型の塗布装置であ
る。
【0013】特開平11−42457号公報に記載の塗
布装置は、特開平8−24740号公報に記載の塗布装
置の改良を図ったもので、ノズル、即ち、アプリケータ
の形状を工夫することにより、ビード後方の液面形状、
即ち、メニスカスカーブの上昇を抑え、より均一な膜厚
を得るものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
特開平8−24740号公報および特開平11−424
57号公報に記載の装置は、液晶表示デバイス、半導体
デバイス用などの小型基板に、フォトレジスト膜、絶縁
膜または導電膜を形成するための塗布液を塗布するため
に開発されたものであり、建築物窓、車両窓向けなどの
大板ガラスに塗布するための問題を解決しているもので
なく、大板ガラスの塗布において、装置を縦型とする
と、大板ガラスを立てる際など却ってハンドリングし辛
いものである。
【0015】縦置きされた板状体と所定の隙間間隔を保
ちつつ上下方向に移動可能なアプリケータからなり、板
状体とアプリケータとの隙間にアプリケータに内設した
供給スリット、細い管よりなる塗布液供給口より毛細管
現象を利用して、塗布液を供給しつつアプリケータと板
状体の間に塗布液からなるビードを形成し、アプリケー
タを上から下に移動させて板状体を塗布する縦型の特開
平8−24740号公報および特開平11−42457
号公報に記載の塗布装置を、大面積の板状体、例えば、
建築窓または自動車窓向け大板ガラスの塗布成膜に用い
るには以下の問題がある。
【0016】大板ガラスを塗布成膜する際には、塗布液
の使用量が多くなるので、縦型の装置を用い塗布液の供
給に毛細管現象を利用すると、塗布中に塗布液が足りな
くなり塗布不能となる。強制的に塗布液を供給しつつ、
立てられた大板ガラスに対し上下方向に移動するアプリ
ケータを用いて塗布すると、成膜面に塗布液の垂れを生
じ膜ムラが発生する。
【0017】しかしながら、大板ガラスを水平としアプ
リケータが水平に動くようにした横型の装置としても、
塗布する面積が大きいので、アプリケータの長手方向に
大きさ形状が同じで且つ同様なメニスカスカーブを有す
るビードを形成することが難しく、大板ガラスに塗布成
膜中に液切れ、膜ムラを生じやすい。即ち、塗布成膜中
にビードを形成する塗布液が少なくなり、そのために、
塗布液の表面張力によりビードの両端がアプリケータお
よび板状体の中央部によってきて、結果として板状体の
両端に未成膜部を生じるという問題があった。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる問題を
解決することを目的とし、水平に置かれた大きな液吸収
性のない板状体に、例えば、建築物窓または車両窓向け
などの大板ガラスに、撥水ガラスの下地膜形成用塗布
液、赤外線反射膜形成用塗布液、紫外線遮蔽膜形成用塗
布液、光触媒機能を有する防汚性膜形成用塗布液、低反
射膜形成用塗布液などの機能性薄膜形成用塗布液、また
は遮光のための着色膜形成用塗布液を、膜ムラなく、塗
布液の使用効率よく、および生産性よく塗布することが
可能で且つ安価な塗布装置およびその塗布方法を提供す
るものである。
【0019】本発明は、板状体と所定の隙間間隔を保ち
つつ相対移動するアプリケータからなり、板状体とアプ
リケータとの隙間にアプリケータに内設した塗布液供給
口より塗布液を供給しアプリケータを進行させて板状体
を塗布する塗布装置であって、板状体を水平に載置する
ステージと、ステージに載置した板状体上面との間に所
定の隙間間隔を保ちつつ相対移動可能なアプリケータか
らなり、アプリケータの下面に、アプリケータの進行方
向と直交する段差を設けて、アプリケータの下面を2面
以上とし、かつ塗布時の進行方向側のアプリケータ下面
と板状体上面との隙間が、進行方向反対側のアプリケー
タ下面と板状体上面の隙間より広いことを特徴とする塗
布装置である。
【0020】更に、本発明は、前記アプリケータの塗布
時進行方向側の下面に、アプリケータに内設して塗布液
供給口を設けたことを特徴とする上記の塗布装置であ
る。
【0021】更に、本発明は、前記アプリケータの塗布
時進行方向反対側の下面に、アプリケータに内設して塗
布液吸入口を設けたことを特徴とする上記の塗布装置で
ある。
【0022】更に、本発明は、前記アプリケータ下面の
段差が、0.2mm以上、2.0mm以下であることを
特徴とする上記の塗布装置である。
【0023】更に、本発明は、前記アプリケータの段差
位置が進行方向側の端部より5mm以上、20mm以下
であり、進行方向反対側の端部より5mm以上、20m
m以下であることを特徴とする上記の塗布装置である。
【0024】更に、本発明は、前記アプリケータ下面と
板状体上面の隙間に、アプリケータの塗布時進行方向側
の下面に内設した塗布液供給口より塗布液を充填した
後、アプリケータを進行させて、アプリケータ下面と板
状体上面の隙間に塗布液からなるビードを形成して板状
体上面を塗布することを特徴とする上記の塗布装置を用
いた塗布方法である。
【0025】更に、本発明は、板状体上面を塗布したの
ち後、アプリケータ下面と板状体上面の隙間に残った塗
布液をアプリケータの塗布時進行方向反対側の下面に内
設した塗布液吸入口より吸引除去することを特徴とする
上記の塗布方法である。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の塗布装置を構成
するアプリケータの一例を側面から見た部分拡大断面図
である。
【0027】図1に示すように、アプリケータ1の下面
には、塗布時の進行方向と直交する段差2を持たせてお
り、塗布時進行方向側のアプリケータ1の下面と板状体
Gの上面との隙間aを進行方向反対側のアプリケータ1
の下面と板状体G上面との隙間bより広くしている。
【0028】また、アプリケータ1の下面には塗布液供
給口3および塗布液吸入口4が内設され、アプリケータ
1に穴を開けて、塗布液の供給および吸入ができるよう
に加工されている。
【0029】図2は、本発明の塗布装置の一例の主要部
の構成を示す側面から見た断面図である。
【0030】図3は、本発明の塗布装置の一例の上面図
である。
【0031】図3に示すように、塗布装置を構成するア
プリケータ1は塗布液供給パイプ31および塗布液吸入
パイプ41を有する。尚、図1は図3のA、A’におけ
る部分拡大断面図である。
【0032】図2および図3に示すように、本発明の塗
布装置は、ステージ5上に水平に静置した板状体Gと、
その上側を進行するアプリケータ1の隙間に、アプリケ
ータ1に内設された塗布液供給口3から塗布液を供給し
充填した後、板状体Gの幅方向に長いアプリケータ1を
所定の速度で進行させて、アプリケータ1の下面と板状
体Gの上面との間に生成した塗布液からなるビードを引
きずりながら、板状体Gの上面に1枚毎塗布成膜するも
のである。
【0033】本発明の塗布装置において、板状体Gに対
し所定の間隔を保ちながら、アプリケータ1が水平に相
対移動すればよく、アプリケータ1を固定して、ステー
ジ5を動かすことによって、板状体Gを水平移動させて
もよいが、窓向け大板ガラスなどの大きな面積の板状体
Gの上面に、数十nmから数μm単位の膜厚の薄膜を膜
ムラなく塗布成膜するためには、板状体Gを固定し、ア
プリケータ1を板状体Gに対し水平移動させる機構とす
る方が簡便であり、板状体Gを動かす際の駆動系の振動
などによる膜ムラ発生の懸念がないので好ましい。
【0034】板状体Gを水平に載置するステージ5は、
板状体Gが水平に載置できればよく、例えば、軽量かつ
加工が容易なアルミニウム製からなる定盤などが挙げら
れる。
【0035】図1および図2に示すように、アプリケー
タ1の下面に、塗布時アプリケータの進行方向に直交す
る段差2を持たせるのは、大面積の板状体Gへの塗布中
に、塗布液の補給をすることなしに膜ムラなく板状体G
に均一に塗布成膜するためである。塗布対象の該板状体
Gとして、例えば、自動車用窓ガラス向けの板厚、3.
5mm、サイズ、1m×1.8mの板ガラスが挙げられ
る。板状体がより大面積で、塗布成膜中に塗布液を補給
せざるを得ない場合でも、段差2を持たせた効果によ
り、給液による膜ムラを生ずることなく塗布成膜するこ
とが可能となる。
【0036】一定のメニスカスカーブdを与える安定し
たビードcを形成するためには、アプリケータ1の下面
と板状体Gの上面の隙間が狭いことが好ましい。一方、
大面積の板状体Gの上面に塗布成膜する際、塗布成膜中
に塗布液の補給をすることなしに、膜ムラなく板状体G
に均一に塗布成膜するためには、アプリケータ1の下面
と板状体Gの上面の隙間に蓄えられる塗布液の量が多い
ことが好ましく、該隙間は広いことが好ましい。
【0037】アプリケータ1の下面に設けた段差2によ
って、アプリケータ1の進行方向反対側の下面と板状体
Gの上面の間の狭い隙間bに形成した塗布液から成るビ
ードcは安定となり、塗布中にビードcの後端に一定の
メニスカスカーブdを与えることによって、膜ムラなく
塗布成膜が行える。また、該段差2によって、アプリケ
ータ1の進行方向側の下面と板状体Gの上面の間の広い
隙間aに蓄えられる塗布液量が多くなり、板状体Gが大
面積であるとしても、塗布成膜中に塗布液の補給をする
ことなしに、膜ムラなく塗布成膜することが可能とな
る。
【0038】即ち、アプリケータ1の下面と板状体Gの
上面の間の広い隙間aに、アプリケータ1に内設した塗
布液供給口3より塗布液を供給し充填した後、アプリケ
ータ1を所定の速度で進行させて板状体Gの上面に塗布
成膜する場合、アプリケータ1の進行に伴い広い隙間a
から狭い隙間bに塗布液が自然に移動して、その結果、
狭い隙間bに常に安定したビードcを形成するため、途
中で塗布液を補給することなしに膜ムラなく塗布成膜す
ることが可能となる。
【0039】アプリケータ1の進行に伴い広い隙間aか
ら狭い隙間bに塗布液が自然に移動して、狭い隙間bに
常に安定したビードcを形成するために、塗布液供給口
3はアプリケータ進行方向側下面に内設することが好ま
しく、塗布成膜する際に、アプリケータ1の下面と板状
体Gの上面の間に充填される塗布液の量は、塗布液の表
面張力によりアプリケータ1の下面と板状体Gの上面と
の隙間に止まる量とすることが好ましい。
【0040】狭い隙間bの好ましい間隔は塗布液の種類
および粘度によって左右されるが、好ましくは、0.1
mm〜2mmの範囲内で調整することで、塗布液からな
るアプリケータ1の下面と板状体Gの上面に形成される
ビードcに、塗布液を膜ムラなく塗布成膜するに適した
形状のメニスカスカーブdが得られる。
【0041】図4の(a)は、本発明のアプリケータの
一例を側面から見た部分拡大断面図であり、(b)は、
該アプリケータを使用し板状体を塗布した際の、板状体
の塗布状況を示す上面図である。
【0042】塗布前後にアプリケータ1が静止する板状
体Gの部位には、図4の(b)に示すように、塗布液溜
まりによるアプリケータの静止跡7および7’が発生す
るので、例えば、板状体Gが建築物および車両窓ガラス
向けの場合、この部位はカットするなどして使用するこ
とが好ましい。
【0043】図5の(a)は、段差を設けないアプリケ
ータを側面から見た部分拡大断面図であり、(b)は段
差を設けないアプリケータを使用し板状体Gを塗布した
際の、板状体Gの塗布状況を示す上面図である。
【0044】図5に示すように、従来の下面が板状体G
の上面と平行で段差がないアプリケータ1’を用いた場
合、アプリケータ1’を所定の速度で進行させて塗膜す
ると、塗布液切れにより板状体Gの横方向の両端部から
ビードがなくなり、未成膜部6を生じる。未成膜部6を
解消するために、塗布中に塗布液を補給すると、補給に
よる膜ムラが発生する。
【0045】図6の(a)は、円柱状のアプリケータを
側面から見た部分拡大断面図であり、(b)は円柱状の
アプリケータを使用し板状体を塗布した際の、板状体の
塗布状況を示す上面図である。
【0046】図6に示すように、円柱状のアプリケータ
1”を用いた場合も同様に、塗布液切れにより板状体G
の横方向の両端部からビードがなくなり、板状体Gの横
方向の両端部から塗布液切れにより未成膜部6を生じ
る。未成膜部6を解消するために、塗膜中に塗布液を補
給すると、補給による膜ムラが発生する。
【0047】図1に示す本発明の塗布装置を構成するア
プリケータ1において、塗布液の補給をすることなく塗
布するためには、アプリケータ1の下面の段差2を、
0.2mm以上、2.0mm以下とすることが好ましい。
段差2が0.2mmより小さいと、塗布液に対する広い
隙間aと狭い隙間bの作用効果が無くなり、塗布液から
なるビードcが不安定となり、アプリケータ1を所定の
搬送速度で移動させて板状体Gの上面に塗布成膜した場
合、板状体Gの横方向の両端部に塗布液切れによる未成
膜部が発生する。段差2が2.0mmより大きいと、塗
布液が、アプリケータ1の進行方向側の広い隙間aよ
り、重力の作用で、進行方向反対側の隙間bに移動しす
ぎて、狭い隙間bに、好ましいメニスカスカーブdを擁
するビードcが形成されず、膜ムラが発生する。
【0048】アプリケータ1の下面の段差2の位置を、
アプリケータ1の塗布時進行方向側の端部より5mm以
上、20mm以下としたのは、アプリケータ1を所定の
速度で進行させて板状体Gの上面に塗布成膜する際、広
い隙間aから狭い隙間bに塗布液を自然に移動させて、
塗布液を補給することなく板状体全面に膜ムラなく塗布
成膜するためであり、より好ましい範囲は10mm以
上、15mm以下である。5mm未満では、広い隙間a
の塗布液量が少ないので狭い隙間bへの塗布液の移動量
が少なくなり、成膜部の膜ムラおよび未成膜部が生じ
る。20mmを越えると、狭い隙間bにおけるビードc
がアプリケータ1の長辺方向に均一に広がりにくくな
り、成膜部に膜ムラを生じ易くなる。
【0049】一方、アプリケータ1の下面の段差2の位
置を、アプリケータ1の塗布時進行方向反対側の端部よ
り5mm以上、20mm以下としたのは、アプリケータ
1を所定の速度で進行させて板状体Gの上面に塗布成膜
する際、広い隙間aから狭い隙間bに塗布液を自然に移
動させて、狭い隙間bに形成したビードcを安定させ
て、塗布液を補給することなく板状体全面に膜ムラなく
塗膜成膜するためであり、より好ましい範囲は、5mm
以上、10mm以下である。5mm以上、20mm以下
の範囲を外れると、狭い隙間bにおけるビードcが不安
定となり、膜ムラなく塗膜成膜することが困難となる。
【0050】以上より、アプリケータ1の下面の短辺長
は、10mm以上、40mm以下であり、好ましくは1
5mm以上、25mm以下である。
【0051】本発明の塗布装置を構成するアプリケータ
1の塗布時進行方向側の下面に、図1に示すように、塗
布液供給口3を内設させると、塗布開始前にアプリケー
タ1の下面と板状体Gの上面との隙間a、bに効率よく
塗布液を充填して、アプリケータ1の塗布時進行方向反
対側の下面と板状体Gの上面との狭い隙間bに、塗布液
からなる好ましいメニスカスカーブdを擁するビードc
を形成し、板状体Gの上面に膜ムラなく塗布成膜でき
る。また、塗布中に該塗布液供給口3から塗布液を補給
しても、狭い隙間bに形成されたビードcに対しての影
響が少なく、板状体Gの上面に膜ムラなく塗布成膜する
ことが可能になる。塗布液供給口3は、板状体Gが小さ
い場合は、アプリケータの長手方向の中央部1箇所でも
よいが、大面積の板状体Gでは複数設けた方が、短時間
で効率よくアプリケータ1の下面と板状体Gの上面の隙
間に塗布液を充填できる。
【0052】本発明の塗布装置を構成するアプリケータ
1の塗布時進行方向反対側の下面に、図1に示すよう
に、塗布液吸引口4を設けたのは、アプリケータ1を所
定の速度で進行させて、板状体Gの上面とアプリケータ
1の下面との狭い隙間bに塗布液からなるビードcを形
成し且つ引きずりながら、板状体Gの上面に塗布成膜し
アプリケータ1を停止させた後、隙間に残った塗布液を
アプリケータ1の塗布時進行方向反対側の下面に内設さ
せた塗布液吸引口4から効率よく吸引除去し、連続した
塗布に対処するためである。
【0053】例えば、塗布時進行方向側の下面に塗布液
吸引口4を内設させた場合は、隙間に残った塗布液を吸
引しても完全に除去することができず、塗布膜後端に塗
布液残りによる膜ムラを生じる。塗布液吸引口4の位置
は、板状体Gが小さい場合はアプリケータ1の長手方向
の中央部1箇所でもよいが、大面積の板状体では複数設
けた方が、短時間に効率よくアプリケータ1の下面と板
状体Gの上面の隙間に塗布液を吸引除去できる。
【0054】本発明の塗布装置を構成するアプリケータ
1は、ステンレス鋼製または耐酸性の樹脂からなること
が好ましい。ステンレス鋼は剛性が高く、耐久性、特に
耐薬品性に優れるためである。また、段差2の加工が容
易なように、アプリケータ1の下面部のみを樹脂製にし
てもよく、ステンレス鋼と樹脂から作製すれば、剛性高
く加工が容易であり好ましい。
【0055】なお、本発明の塗布装置で板状体Gの上
面、特に建築物窓および車両窓向けの大板ガラスの上面
に塗布成膜するための塗布液は、各種の機能性薄膜形成
用塗布液および着色膜形成用塗布液などが挙げられる。
【0056】機能性薄膜形成用塗布液としては、ケイ素
アルコキシドおよび/またはチタンアルコキシドをアル
コール系溶剤に溶解させてなる撥水ガラスの下地膜形成
用塗布液、インジウムアルコキシド、錫アルコキシド、
およびケイ素アルコキシドをアルコール系溶剤に溶解さ
せてなる赤外線反射膜形成用塗布液、セリウムアルコキ
シド、チタンアルコキシド、ケイ素アルコキシドをアル
コール系溶剤に溶解させてなる紫外線遮蔽膜形成用塗布
液、チタニアゾル、オキシ硝酸ジルコニウム、およびケ
イ素アルコキシドをアルコール系溶剤に溶解させてなる
光触媒機能を有する防汚性膜形成用塗布液、または高屈
折率膜と低屈折率膜を積層させてなる低反射ガラスの低
反射膜形成のための、チタンアルコキシドおよびケイ素
アルコキシドをアルコール系溶媒に溶解させてなる高屈
折率膜形成用塗布液およびケイ素アルコキシドをアルコ
ール系溶媒に溶解させてなる低屈折率膜形成用塗布液な
どが挙げられる。
【0057】着色膜形成用塗布液としては、例えば、顔
料、貴金属微粒子、貴金属化合物、または加熱焼成する
ことによって有色の金属酸化物与える金属化合物を着色
源とし、ケイ素アルコキシド、チタンアルコキシド、ま
たはジルコニウムアルコキシドなどの金属アルコキシド
をマトリックス源とし、アルコール系溶剤に分散または
溶解させてなる着色膜形成用塗布液などが挙げられる。
【0058】尚、これら機能性薄膜形成用塗布液または
着色膜形成用塗布液において、通常、ケイ素アルコキシ
ドとしてはテトラエトキシシラン、チタンアルコキシド
としてはチタンイソプロポキシドが用いられ、チタンア
ルコキシドを用いる場合は安定剤としてアセチルアセト
ンが添加され、これらアルコキシドの加水分解を促進す
るための水または酸などが添加される。
【0059】これらの機能性薄膜形成用塗布液または着
色膜形成用塗布液を、好ましくは、粘度0.001Pa
・s〜0.005Pa・sの範囲内に、濃度およびアル
コール系溶剤の種類などにより調整することで、図1に
示すように、アプリケータ1の下面と板状体Gの上面に
形成される塗布液からなるビードcに、塗布液を膜ムラ
なく塗布成膜するに適した形状のメニスカスカーブdが
得られる。
【0060】前記塗布液は酸性であることが多く、アプ
リケータ1を金属製としアプリケータ1の下面側のみ樹
脂とした場合、耐酸性の樹脂であることが好ましく、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタールなどの汎
用の耐酸性樹脂を用いることができる。
【0061】本発明の塗布装置で塗布する板状体Gは、
本発明の塗布装置において表面が平滑に加工されていれ
ば塗布可能であるので、板ガラスに係わらず金属板また
はセラミック板などであってもかまわない。
【0062】本発明の塗布装置を構成するアプリケータ
1の下面以外の部分の形状は問わず、前記下面が段差を
有する面であれば、アプリケータ1は、例えば、角柱状
であっても半円柱状であってもかまわない。また、アプ
リケータ1の塗布時進行方向側下面および進行方向反対
側下面ともに、板状体Gと平行な面であってもよく、安
定したメニスカスカーブdを得るために、進行方向に対
して角度を持たせた平面または、丸みを持たせた曲面で
あっても構わない。
【0063】なお、アプリケータ1の進行方向側下面に
内設された塗布液供給口3までの塗布液供給の経路、お
よびアプリケータ1の進行方向反対側の塗布液吸入口4
から塗布液の経路は問わない。
【0064】本発明の塗布装置において、アプリケータ
1を板状体Gに対し所定の隙間間隔を保ちつつ相対移動
させる、即ち板状体Gに対し平行に進行させる機構は、
例えば、定盤5の両側に付設させた電磁モーターとスク
リューねじ、または電磁モーターとローラーによるスラ
イド機構にアプリケータ1の両端を固定する機構などが
挙げられるが、アプリケータ1を所定の速度で板状体G
に対し平行に進行させられればよく、好ましくは、連続
生産のために、板状体Gを塗布後にアプリケータ1を塗
布前の位置に速やかに戻せるもので有ればよい。更に、
連続生産のために、本発明の塗布装置において、塗布後
はアプリケータ1を上昇させ、または定盤5を下降させ
て板状体Gよりアプリケータ1を離す機構を備えること
が好ましい、以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。ただし、本発明は係る実施例に限定されるもので
はない。
【0065】
【実施例】実施例に示した、塗布時にアプリケータ1を
走行させる搬送機構は、図3に示すように板状体G、例
えば、大板ガラスを載置する定盤5の両側に配設した図
示しない直線状ガイドレール上に、所望の速度で移動可
能な搬送装置を付設させて設け、該搬送装置に、アプリ
ケータ1の両端を支持金具で支持固定して作製した。搬
送装置にスクリューねじ機構を儲け、アプリケータ1を
上下方向にも動けるものとし、アプリケータ1と板状体
Gの隙間が所定の間隔となるように調整した。ガイドレ
ール上を移動する搬送装置は、板状体Gを載置する定盤
5の長辺方向両側に設けた、長尺のスクリューねじ機構
をモーター駆動させて、所望の速度で移動可能とした。
【0066】表1は、実施例1、比較例1〜3において
使用したアプリケータの段差、段差位置および塗布成膜
後の膜付きガラスの評価結果、即ち、未成膜部の有無、
膜ムラの有無、膜厚分布をまとめたものである。
【0067】
【表1】
【0068】実施例1および比較例1,2における膜付
きガラスの評価は、以下の方法で行った。
【0069】未成膜部の有無および膜ムラは、内側に蛍
光灯を配置した白色のアクリル樹脂からなる白色検査板
を用い、目視にて、反射像に見られる干渉色により評価
した。
【0070】一方、平均膜厚および膜厚分布は、板厚
3.5mm、サイズ1m×1.8m、即ち、1000mm
×1800mmの車両窓向けフロート板ガラス(ソーダ
ライムシリケートガラス)に、塗布液を塗布成膜した
後、板ガラス短辺方向に100mm間隔で、板ガラスの
長辺方向に、塗布を始めた側の端部から250mm間隔
に交差する計54点を測定点とし、膜の一部をカッター
ナイフで削りとり得られた段差に、触針型表面粗さ計
(Sloan社製、製品名DEKTAK3030)を走
査して膜厚を測定し求めた。尚、膜厚分布は(最大膜厚
ー最小膜厚)/(最大膜厚+最小膜厚)×100とし
た。 実施例1 板厚3.5mm、サイズ1×1.8m、即ち、1000m
m×1800mmの車両窓向けフロート板ガラス(ソー
ダライムシリケートガラス)の片面側に、本発明の塗布
装置を用いて、ケイ素アルコキシドおよびチタンアルコ
キシドをイソプロピルアルコールに溶解させてなるゾル
液を塗膜成膜後、焼成して、板ガラスの片面表面にシリ
カ・チタニア膜付き板ガラスを以下の手順により作製し
た。
【0071】塗布対象としてのフロート板ガラスは、ブ
ラシ洗浄機にて洗浄した後、1000mm×1800m
mのアルミニウムからなる定盤5上に水平に載置し、定
盤5に設けられた微細な穴により真空吸着し固定した。
【0072】詳しくは、まず最初に、テトラエトキシシ
ラン(=Si(OC254)の重合体と、アセチルアセ
トンにて安定化させたテトラブトキシチタン(=Ti
(O−Bu)4)との混合物(モル比で5.28:1)に
イソプロピルアルコール(IPA)を加え、固形分濃度
として酸化物換算で約5wt%になるまで希釈した第1
のゾル液を調合した。次いで、メチルトリメトキシシラ
ン(=CH3Si(OCH 33)の重合体にIPAを加
え、固形分濃度として酸化物換算で約20wt%になる
まで希釈した第2のゾル液を調合した。
【0073】上記第一のゾル液20gと、第2のゾル液
20gとを混合させた後、nーブタノール50gを加え
計90gとした後、50℃で約3時間密栓攪拌した後、
IPA、180gで希釈し、室温、即ち、約25℃下に
に攪拌して固形分濃度1.48wt%の塗布液を得た。
【0074】アプリケータ1は、下面の塗布時進行方向
側の端部から15mm、進行方向の反対側の端部から1
0mmの位置に0.5mmの段差を設けた、有効幅10
50mmのステンレス鋼製の角柱状のアプリケータ1を
用いた。ガラス基板とアプリケータ1との隙間は、進行
方向側aが1.0mm、進行方向反対側bが0.5mm
になるよう調整した。
【0075】塗布時の雰囲気は、室温、即ち、約25
℃、湿度、55〜58%RHとし、塗布液の液温は、同
じく25℃とした。
【0076】塗布成膜は、板ガラスを載置した前記定盤
5に対して、水平方向に移動可能な図示しない移動装置
に両端部を取り付けたアプリケータ1を板ガラスの長辺
方向(1800mm方向)の端部に静止させ、上記アプ
リケータと板ガラスの隙間に、調整済の前記塗布液27
gを塗布液供給液口3から供給した。
【0077】アプリケータ1の下面と板状体全面の隙間
全体に、供給した塗布液が広がった後、定盤5に取り付
けられた搬送機構の長尺のスクリューねじ機構をモータ
ー駆動して、板ガラスの長辺方向のもう一方の端部に向
けて、アプリケータ1を500mm/minの速度で進
行させて、塗布液を板ガラスの表面に塗布した。
【0078】次いで、アプリケータ1をもう一方の板ガ
ラスの端部まで進行させ停止させた後、アプリケータ1
の下面と板ガラスの上面隙間に残った塗布液を塗布液吸
引口4から吸引除去した。そして、アプリケータ1を上
方向に移動させ、ガラス面より浮かせた後、約2分間放
置して自然乾燥させて塗布を終了した。
【0079】このようにして得られた塗膜付き板ガラス
を、350℃に加熱調整した赤外線乾燥炉内で150秒
間乾燥した。
【0080】乾燥後の板ガラスの塗布成膜状況を目視に
て外観観察したところ、表1に示すように、板ガラスは
全面に塗布成膜されており未成膜部はなく、白色検査板
による反射像の干渉色は赤紫系を呈し一様であり膜ムラ
無きことが観察された。
【0081】次いで、該板ガラスの前述の膜厚測定点5
4点についてカッターナイフで膜を削った後、650℃
に加熱した焼成炉内で7分間加熱処理し、膜を加熱硬化
させた後、触針型表面粗さ計で54点の膜厚を測定し平
均膜厚と膜厚分布を求めたところ、表1に示すように9
0nm±11%であり、膜ムラなく良好であった。 比較例1 下面に0.5mmの段差を設け、かつ段差の位置が塗布
時進行方向側の端部から22mm、進行方向反対側の端
部から3mmである、有効幅1050mmの塗布時進行
方向側下面に塗布液供給口を内設したステンレス鋼製の
角柱状のアプリケータを用意した。板ガラスの上面とア
プリケータの下面との隙間は、進行方向側aが1.0m
m、進行方向反対側bが0.5mmとなるようし、それ
以外の使用するガラスのサイズ、塗布条件および加熱硬
化条件などは、すべて実施例1と同じにして、板ガラス
の上面を実施例1で用いた塗布液で塗布成膜した。35
0℃に150秒間乾燥して得られた膜の外観を目視にて
観察したところ、表1に示すように、塗布液切れによる
未成膜部は無かったものの、干渉色が一様でなく膜ムラ
が認められ、650℃に7分間加熱硬化後、実施例1と
同様に、平均膜厚および膜厚分布を測定したところ、1
15nm±21%であった。 比較例2 下面に2.5mmの段差を設け、かつ段差の位置が塗布
時進行方向側の端部から15mm、進行方向の反対側の
端部から10mmである、有効幅1050mmの塗布時
進行方向側下面に塗布液供給口を内設したステンレス鋼
製の角柱状のアプリケータを用意した。板ガラスの上面
とアプリケータの下面との隙間は、進行方向側aが3.
0mm、進行方向反対側bが0.5mmとなるようし、
それ以外の使用するガラスのサイズおよび塗布条件など
は、すべて実施例1と同じにして、板ガラスの上面を実
施例1で用いた塗布液で塗布成膜した。350℃に15
0秒間乾燥して得られた膜の外観を目視にて観察したと
ころ、表1に示すように、塗布液切れによる未成膜部は
無かったものものの、干渉色が一様でなく膜ムラが認め
られた。 比較例3 図5に示す、下面が平滑で段差を有しない25mm角、
有効長1050mmの下面に塗布液供給口を内設したス
テンレス鋼製の角柱状のアプリケータ1’を用意した。
板ガラスの上面とアプリケータ1’の下面との隙間を
0.5mmに調整し、それ以外の、使用する板ガラスの
サイズおよび塗布条件などは、すべて実施例1と同じに
して、板ガラスの上面を実施例1で用いた塗布液で塗布
したが、図5の(b)に示すように、塗布液切れによる
未成膜部6が発生した。
【0082】
【発明の効果】本発明の塗布装置を用いると、大面積の
板状体、特に、建築物窓または車両窓向けなどに使用さ
れる大板ガラスに塗布液を塗布成膜する際、未成膜部な
く、かつ膜ムラなく塗布成膜できる。また、装置の構成
が簡便であるので装置が安価であり、塗布液を無駄にす
ることなく1枚毎に塗布するので、塗布液の使用効率が
高い。
【0083】本発明の塗布装置および塗布方法を用いる
ことによって、例えば、建築物窓または車両窓向け大板
ガラスに、膜ムラなく各種機能性薄膜形成用塗布液また
は着色膜形成用塗布液を塗布することが可能となり、例
えば、撥水ガラスの下地膜、赤外線反射膜、紫外線遮蔽
膜、光触媒活性を有する防汚膜、低反射膜または遮光目
的の着色膜が形成された膜付きガラスを安価に得られ、
経済生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布装置を構成するアプリケータの一
例を側面から見た部分拡大断面図である。
【図2】本発明の塗布装置の一例の主要部の構成を示す
側面から見た断面図である。
【図3】本発明の塗布装置の一例の上面図である。
【図4】(a)本発明のアプリケータの一例を側面から
見た部分拡大断面図である。 (b)本発明のアプリケータを使用し板状体を塗布した
際の、板状体の塗布状況を示す上面図である。
【図5】(a)段差を設けていないアプリケータを側面
から見た部分拡大断面図である。 (b)段差を設けていないアプリケータを使用し板状体
を塗布した際の、板状体の塗布状況を示す上面図であ
る。
【図6】(a)円柱状のアプリケータを側面から見た部
分拡大断面図である。 (b)円柱状のアプリケータを使用し板状体を塗布した
際の、板状体の塗布状況を示す上面図である。
【符号の説明】
1 アプリケータ 2 段差 3 塗布液供給口 4 塗布液吸入口 5 定盤 6 未成膜部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 宏明 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社硝子研究所内 Fターム(参考) 4D075 AC02 AC59 AC73 CA34 CB02 CB07 DA06 DB13 DC01 DC11 EA07 EB01 4F041 AA02 AB01 BA05 BA12 CA02 CA28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状体と所定の隙間間隔を保ちつつ相対
    移動するアプリケータからなり、板状体とアプリケータ
    との隙間にアプリケータに内設した塗布液供給口より塗
    布液を供給しアプリケータを進行させて板状体を塗布す
    る塗布装置であって、板状体を水平に載置するステージ
    と、ステージに載置した板状体上面との間に所定の隙間
    間隔を保ちつつ相対移動可能なアプリケータからなり、
    アプリケータの下面に、アプリケータの進行方向と直交
    する段差を設けて、アプリケータの下面を2面以上と
    し、かつ塗布時の進行方向側のアプリケータ下面と板状
    体上面との隙間が、進行方向反対側のアプリケータ下面
    と板状体上面の隙間より広いことを特徴とする塗布装
    置。
  2. 【請求項2】 前記アプリケータの塗布時進行方向側の
    下面に、アプリケータに内設して塗布液供給口を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記アプリケータの塗布時進行方向反対
    側の下面に、アプリケータに内設して塗布液吸入口を設
    けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記アプリケータ下面の段差が、0.2
    mm以上、2.0mm以下であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項3のいずれかに記載の塗布装置。
  5. 【請求項5】 前記アプリケータの段差位置が進行方向
    側の端部より5mm以上、20mm以下であり、進行方
    向反対側の端部より5mm以上、20mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の塗布装置。
  6. 【請求項6】 前記アプリケータ下面と板状体上面の隙
    間に、アプリケータの塗布時進行方向側の下面に内設し
    た塗布液供給口より塗布液を充填した後、アプリケータ
    を進行させて、アプリケータ下面と板状体上面の隙間に
    塗布液からなるビートを形成して板状体上面を塗布する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記
    載の塗布装置を用いた塗布方法。
  7. 【請求項7】 板状体上面を塗布した後、アプリケータ
    下面と板状体上面の隙間に残った塗布液をアプリケータ
    の塗布時進行方向反対側の下面に内設した塗布液吸入口
    より吸引除去することを特徴とする請求項6に記載の塗
    布方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009050811A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Hirano Giken Kogyo Kk 塗布方法および塗布装置
CN112459418A (zh) * 2020-11-18 2021-03-09 楼路洁 一种装修工程用灰浆喷涂设备及其使用方法

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