JP2015069052A - 着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および液晶表示装置 - Google Patents

着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および液晶表示装置 Download PDF

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聡 樋口
加藤 隆志
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隆志 加藤
藤田 明徳
Akinori Fujita
明徳 藤田
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Abstract

【課題】本発明は、耐熱性、耐溶剤性および電圧保持率に優れた着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および液晶表示装置を提供する。【解決手段】トリアリールメタン構造を有する分子量2000以下のカチオンと対アニオンを有し、対アニオンは、架橋性基を含む、および/または対アニオンを含む繰り返し単位を有する着色剤と、重合性化合物を含む、着色組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および液晶表示装置に関する。
従来、カラーフィルタは、有機顔料や無機顔料を分散させた顔料分散組成物と、多官能モノマー、重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂、および必要に応じその他の成分とを含有することにより着色組成物とし、これを用いてフォトリソグラフィ法、インクジェット法などによって着色パターンを形成することで製造されている。
近年、カラーフィルタは、液晶表示素子(LCD)用途においてモニターのみならずテレビ(TV)へと用途が拡大する傾向にある。この用途拡大の傾向に伴い、カラーフィルタには、色度、コントラストなどにおいて高度の色特性が要求されるに至っている。また、イメージセンサ(固体撮像素子)用途のカラーフィルタにおいても、同様に色ムラの低減、色分解能の向上など色特性の更なる向上が求められるようになっている。
ところが、従来の顔料分散系では、顔料の粗大粒子による散乱の発生、分散安定性不良による粘度上昇等の問題が起きやすく、コントラスト、輝度をさらに向上させることは困難であることが多い。
そこで、従来から着色剤としては、顔料だけでなく、染料を用いることが検討されている(例えば、特許文献1参照)。着色剤として染料を使用すると、染料自体の色純度やその色相の鮮やかさにより、画像表示させたときの表示画像の色相や輝度を高めることができ、かつ粗大粒子がなくなるためコントラストを向上させられる点で有用とされている。
染料の例としては、フタロシアニン染料、ジピロメテン染料、ピリミジンアゾ染料、ピラゾールアゾ染料、キサンテン染料、トリアリールメタン染料など、多種多様な色素母体を持つ化合物が知られている(例えば、特許文献2〜11参照)。
特開平6−75375号公報 特開2008−292970号公報 特開2007−039478号公報 特開平9−157536号公報 特開2013−25194号公報 特開2012−201694号公報 特開2012−108469号公報 特開2000−095805号公報 特開2012−072205号公報 国際公開WO2012/005203号パンフレット 特開2003−246935号公報
ここで、カラーフィルタ等に用いる着色組成物としては、耐熱性、耐溶剤性および電圧保持率がより優れたものが求められている。
本発明は、かかる課題を解決することを目的としたものであって、耐熱性、耐溶剤性および電圧保持率に優れた着色組成物を提供することを目的とする。特に、ブルーフィルタ用の着色組成物として有益なものを提供することを課題とする。
かかる状況のもと、本願発明者が鋭意検討を行った結果、トリアリールメタン構造を有する分子量2000以下のカチオンと対アニオンを有し、対アニオンが、架橋性基を含む、および/または対アニオンを含む繰り返し単位を有する着色剤を組成物中に配合することで、上記課題を解決しうることを見出した。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、<2>〜<13>により、上記課題は解決された。
<1>トリアリールメタン構造を有する分子量2000以下のカチオンと対アニオンを有し、対アニオンが、架橋性基を含む、および/または対アニオンを含む繰り返し単位を有する着色剤と、重合性化合物を含む、着色組成物。
<2>対アニオンが、−SO3 -、−COO-、−PO4 -、下記一般式(A1)で表される構造および下記一般式(A2)で表される構造から選択される少なくとも1種を有する、<1>に記載の着色組成物。
一般式(A1)
Figure 2015069052
(一般式(A1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して−SO2−または−CO−を表す。)
一般式(A2)
Figure 2015069052
(一般式(A2)中、R3は、−SO2−または−CO−を表す。R4およびR5はそれぞれ独立して−SO2−、−CO−または−CNを表す。)
<3>対アニオンが、−SO3 -、−COO-、−PO4 -および下記一般式(A1−1)で表される構造から選択される少なくとも1種を有する、<1>に記載の着色組成物。
一般式(A1−1)
Figure 2015069052
(一般式(A1−1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して−SO2−または−CO−を表す。X1およびX2は、それぞれ独立してアルキレン基またはアリーレン基を表す。)
<4>
前記トリアリールメタン構造を有する分子量2000以下のカチオンが、一般式(TP1)、一般式(TP2)および一般式(TP3)の少なくともいずれかで表される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色組成物。
Figure 2015069052
(一般式(TP1)および(TP2)中、Rtp1〜Rtp4は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。Rtp5、Rtp6、Rtp8、Rtp9およびRtp11は、それぞれ独立して置換基を表す。Rtp7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはNRtp71Rtp72を表す。Rtp71およびRtp72は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。Rtp10は、置換基を表す。a、bおよびcは、それぞれ独立して0〜4の整数を表す。a、bおよびcが2以上の場合、Rtp6、Rtp7およびRtp8のうち2つは、互いに、連結して環を形成してもよい。)
一般式(TP3)
Figure 2015069052
(一般式(TP3)中、Dyeは、前記一般式(TP1)または前記一般式(TP2)で表される構造を表す。L2は、2価の連結基を表し、前記一般式(TP1)または前記一般式(TP2)で表される構造中のいずれかの部位と結合している。)
<5>対アニオンが、アニオンを含む繰り返し単位を有する、<1>〜<4>のいずれかに記載の着色組成物。
<6>光重合開始剤をさらに含む、<1>〜<5>のいずれかに記載の着色組成物。
<7>カラーフィルタの着色層形成用である、<1>〜<6>のいずれかに記載の着色組成物。
<8><1>〜<7>のいずれかに記載の着色組成物を硬化してなる着色硬化膜。
<9><8>に記載の着色硬化膜を有するカラーフィルタ。
<10><1>〜<7>のいずれかに記載の着色組成物を支持体上に付与して着色組成物層を形成する工程と、該着色組成物層をパターン状に露光する工程と、未露光部を現像除去して着色パターンを形成する工程とを含むカラーフィルタの製造方法。
<11><1>〜<7>のいずれかに記載の着色組成物を支持体上に付与して着色組成物層を形成し、硬化して着色層を形成する工程、着色層上にフォトレジスト層を形成する工程、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程、もしくはレジストパターンをエッチングマスクとして着色層をドライエッチングする工程を含む、カラーフィルタの製造方法。
<12><10>または<11>に記載のカラーフィルタの製造方法によって製造したカラーフィルタ。
<13><9>に記載のカラーフィルタまたは<11>または<12>に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタを有する固体撮像素子または画像表示装置。
本発明によれば、耐熱性、耐溶剤性および電圧保持率に優れた着色組成物を提供することが可能となった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、全固形分とは、着色組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。
本明細書における基(原子団)の表記に於いて、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書中における「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線または放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
また、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
また、本明細書において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本明細書における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書において、重合性化合物とは、重合性官能基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性官能基とは、重合反応に関与する基を言う。
本明細書において、化学式中のMeはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、Phはフェニル基をそれぞれ示す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本発明における重量平均分子量は、特に述べない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したものをいう。GPCは、得られたポリマーについて、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈して、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)にて、TSKgel Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本直列につないだものをカラムとして測定することができる。条件は、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、RI検出器を用いて行うことができる。
本発明の着色組成物は、トリアリールメタン構造を有する分子量2000以下のカチオンと対アニオンを有し、対アニオンが、架橋性基を含む、および/または対アニオンを含む繰り返し単位を有する着色剤と、重合性化合物を含むことを特徴とする。
このような構成とすることにより、耐熱性、耐溶剤性および電圧保持率に優れた着色組成物を提供することができる。
<着色剤(トリアリールメタン染料)>
<<トリアリールメタン構造を有する分子量が2000以下のカチオン>>
着色剤は、トリアリールメタン構造を有する分子量2000以下のカチオンを含むものであり、分子量が300〜800であることが好ましい。
トリアリールメタン構造を有する分子量2000以下のカチオンは、一般式(TP1)、一般式(TP2)および一般式(TP3)の少なくともいずれかで表される構造が好ましい。
Figure 2015069052
(一般式(TP1)および(TP2)中、Rtp1〜Rtp4は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。Rtp5、Rtp6、Rtp8、Rtp9およびRtp11は、それぞれ独立して置換基を表す。Rtp7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはNRtp71Rtp72を表す。Rtp71およびRtp72は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。Rtp10は、置換基を表す。a、bおよびcは、それぞれ独立して0〜4の整数を表す。a、bおよびcが2以上の場合、Rtp6、Rtp7およびRtp8のうち2つは、互いに、連結して環を形成してもよい。)
一般式(TP1)中、Rtp1〜Rtp4は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、水素原子またはアルキル基が好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよいが、直鎖状または分岐状が好ましい。アルキル基は、無置換が好ましい。アルキル基が有していてもよい置換基としては、後述する置換基群Aの項で挙げた置換基を用いることができ、炭素数6〜12のアリール基が好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。アリール基が有していてもよい置換基としては、後述する置換基群Aの項で挙げた置換基を用いることができる。
一般式(TP1)中、Rtp7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはNRtp71Rtp72を表し、水素原子またはNRtp71Rtp72が好ましく、NRtp71Rtp72がより好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよいが、直鎖状が好ましい。アルキル基が有していてもよい置換基としては、炭素数6〜12のアリール基等が好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。
Rtp71およびRtp72は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよいが、直鎖状または分岐状が好ましい。アルキル基が有していてもよい置換基としては、炭素数6〜12のアリール基等が好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。アリール基が有していてもよい置換基は、後述する置換基群Aの項で挙げた置換基が挙げられ、炭素数1〜6のアルコキシ基(特に1〜3のアルコキシ基)が好ましい。
一般式(TP1)中、Rtp5、Rtp6およびRtp8は、それぞれ独立して置換基を表す。置換基としては、後述する置換基群Aの項で挙げた置換基を用いることができる。特に、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜5のアルケニル基、炭素数6〜15のアリール基、カルボキシル基またはスルホ基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜5のアルケニル基、フェニル基またはカルボキシル基がさらに好ましい。特に、Rtp5およびRtp6は、それぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。また、Rtp8は、2つのアルケニル基が互いに結合して、環を形成していることが好ましい。環は、ベンゼン環が好ましい。
一般式(TP1)中、a、bおよびcは、それぞれ独立して0〜4の整数を表し、特にaおよびbは、0または1を表すことが好ましく、0を表すことがより好ましい。cは、0〜2を表すことが好ましく、0または1を表すことがより好ましい。
一般式(TP2)中、Rtp1〜Rtp4は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、一般式(TP1)中のRtp1〜Rtp4と同義である。
アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよいが、直鎖状または分岐状が好ましい。アルキル基が有していてもよい置換基としては、後述する置換基群Aの項で挙げた置換基を用いることができ、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、ヒドロキシ基が好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。アリール基が有していてもよい置換基としては、後述する置換基群Aの項で挙げた置換基を用いることができ、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
Rtp1とRtp2および/またはRtp3とRtp4は、互いに結合して環を形成していてもよい。形成された環は、4〜7員環が好ましく、5または6員環がより好ましい。
一般式(TP2)中、Rtp5およびRtp6は、それぞれ独立して置換基を表し、一般式(TP1)中のRtp5およびRtp6と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(TP2)中、Rtp9およびRtp11は、それぞれ独立して置換基を表し、後述する置換基群Aの項で挙げた置換基を用いることができる。
Rtp9は、アリール基が好ましく、炭素数6〜12のアリール基がより好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基が有していてもよい置換基は、ハロゲン原子が好ましい。
Rtp11は、アルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖状または分岐状が好ましく、直鎖状がより好ましい。アルキル基が有していてもよい置換基は、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
一般式(TP2)中、Rtp10は、置換基を表し、後述する置換基群Aの項で挙げた置換基を用いることができる。特に、Rtp10は、炭素数6〜12のアリール基がより好ましく、フェニル基がより好ましい。
一般式(TP2)中、a、bおよびcは、それぞれ独立して0〜4の整数を表し、特にaおよびbは、0または1を表すことが好ましく、0を表すことがより好ましい。cは、0〜2を表すことが好ましく、0または1を表すことがより好ましい。
トリアリールメタン構造を有する分子量2000以下のカチオンは、カチオンが以下のように非局在化して存在しており、下記2種の構造は同義であり、いずれも本発明に含まれるものとする。なお、カチオン部位は、分子中のどの位置にあってもよいが、窒素原子上に位置していることが好ましい。窒素原子上に置換していると、色味がより向上する傾向にある。
Figure 2015069052
Figure 2015069052
一般式(TP3)
Figure 2015069052
(一般式(TP3)中、Dyeは、上記一般式(TP1)または一般式(TP2)で表される構造を表す。L2は、2価の連結基を表し、上記一般式(TP1)または一般式(TP2)で表される構造中のいずれかの部位と結合している。)
一般式(TP3)中、Dyeは、上記一般式(TP1)または一般式(TP2)で表される構造を表し、上記一般式(TP1)で表される構造が好ましい。
2は、2価の連結基を表し、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基が好ましい。脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよいが、環状が好ましい。脂肪族炭化水素基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましい。芳香族炭化水素基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。
2は、上記一般式(TP1)または一般式(TP2)で表される構造中のいずれかの部位と結合しており、上記一般式(TP1)中のRtp7がNRtp71Rtp72を表す場合のRtp71またはRtp72と結合していることが好ましい。
置換基群A:
置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基などが挙げられる。以下詳細に記述する。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖もしくは分岐のアルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチルが挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が特に好ましい。)、
直鎖もしくは分岐のアルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルが挙げられ、多シクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)やトリシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が特に好ましい。)アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ、4−tert−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、tert−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、tert−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基で、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、
アルキルまたはアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキルまたはアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリールまたはヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基で、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基で、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基で、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。
以下に、上記トリアリールメタン構造を有する分子量が2000以下のカチオンの具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2015069052
Figure 2015069052
Figure 2015069052
Figure 2015069052
Figure 2015069052
Figure 2015069052
Figure 2015069052
<<対アニオン>>
対アニオンは、架橋性基を含む、および/または対アニオンを含む繰り返し単位を有し、特に、対アニオンを含む繰り返し単位を有することが好ましい。
対アニオンは、−SO3 -、−COO-、−PO4 -、下記一般式(A1)で表される構造および下記一般式(A2)で表される構造から選択される少なくとも1種を有することが好ましい。
一般式(A1)
Figure 2015069052
(一般式(A1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して−SO2−または−CO−を表す。)
一般式(A1)中、R1およびR2の少なくとも1つが−SO2−を表すことが好ましく、R1およびR2の両方が−SO2−を表すことがより好ましい。
一般式(A2)
Figure 2015069052
(一般式(A2)中、R3は、−SO2−または−CO−を表す。R4およびR5はそれぞれ独立して−SO2−、−CO−または−CNを表す。)
一般式(A2)中、R3〜R5の少なくとも1つが−SO2−を表すことが好ましく、R3〜R5の少なくとも2つが−SO2−を表すことがより好ましい。
対アニオンは、−SO3 -、−COO-、−PO4 -および下記一般式(A1−1)で表される構造から選択される少なくとも1種を有することがより好ましい。
一般式(A1−1)
Figure 2015069052
(一般式(A1−1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して−SO2−または−CO−を表す。X1およびX2は、それぞれ独立してアルキレン基またはアリーレン基を表す。)
一般式(A1−1)中、R1およびR2は、一般式(A1)中のR1およびR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1がアルキレン基を表す場合、アルキレン基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。X1がアリーレン基を表す場合、アリーレン基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。X1が置換基を有する場合、フッ素原子で置換されていることが好ましい。
2は、アルキル基またはアリール基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、1が特に好ましい。X2が置換基を有する場合、フッ素原子で置換されていることが好ましい。
<<<架橋性基を含む対アニオン>>>
対アニオンが含んでいてもよい架橋性基としては、ラジカル、酸、熱により架橋可能な公知の重合性基が挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル基、スチレン基、ビニル基、環状エーテル基およびメチロール基が挙げられ、(メタ)アクリル基、スチレン基、ビニル基および環状エーテル基から選択される少なくとも1種が好ましく、(メタ)アクリル基、スチレン基およびビニル基から選択される1種がより好ましく、(メタ)アクリル基またはスチレン基がさらに好ましい。
対アニオンが含んでいてもよい架橋性基の数は、1〜3が好ましく、1がより好ましいい。
また、架橋性基と、上述した−SO3 -、−COO-、−PO4 -、下記一般式(A1)で表される構造および下記一般式(A2)で表される構造との間は、直接結合していてもよいし、連結基を介して結合していてもよいが、連結基を介して結合していることが好ましい。
架橋性基を含む対アニオンは、例えば、下記一般式(B)で表されることが好ましい。
一般式(B)
Figure 2015069052
(一般式(B)中、Pは架橋性基を表す。Lは単結合または2価の連結基を表す。anionは、−SO3 -、−COO-、−PO4 -、上記一般式(A1)で表される構造および上記般式(A2)で表される構造を表す。)
一般式(B)中、Pは架橋性基を表し、上述した架橋性基が挙げられる。
一般式(B)中、Lが2価の連結基を表す場合、炭素数1〜30のアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブチレン基等)、炭素数6〜30のアリーレン基、ヘテロ環連結基、−CH=CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−CO−、−NR−、−CONR−、−OC−、−SO−、−SO2−およびこれらを2以上組み合わせた連結基が好ましい。ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
特に、連結基は、炭素数1〜10のアルキレン基(好ましくは、−(CH2)n−(nは1〜10の整数)、炭素数6〜12のアリーレン基(好ましくはフェニレン基、ナフタレン基)、−NH−、−CO−、−O−および−SO2−を2以上組み合わせた連結基が好ましい。
架橋性基を含む対アニオンの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015069052
架橋性基を含む対アニオンの分子量は、1,000〜100,000が好ましく、5,000〜50,000がより好ましい。
<<<対アニオンを含む繰り返し単位(以下、アニオン多量体ともいう)>>>
対アニオンを含む繰り返し単位は、側鎖にアニオン構造を有していてもよいし、主鎖にアニオン構造を有していてもよし、主鎖および側鎖の両方にアニオン構造を有していてもよい。
対アニオンを含む繰り返し単位は、下記一般式(C)および/または下記一般式(D)で表される構造を有することが好ましい。
一般式(C)
Figure 2015069052
(一般式(C)中、X1は、繰り返し単位の主鎖を表す。L1は単結合または2価の連結基を表す。anionは、−SO3 -、−COO-、−PO4 -、上記一般式(A1)で表される構造および上記般式(A2)で表される構造を表す。)
一般式(C)中、X1は、繰り返し単位の主鎖を表し、通常、重合反応で形成される連結基を表し、例えば、(メタ)アクリル系、スチレン系、ビニル系等が好ましい。なお、2つの*で表された部位が繰り返し単位となる。
1が2価の連結基を表す場合、炭素数1〜30のアルキレン基(メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブチレン基など)、炭素数6〜30のアリーレン基(フェニレン基、ナフタレン基等)、ヘテロ環連結基、−CH=CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−CO−、−NR−、−CONR−、−OC−、−SO−、−SO2−およびこれらを2以上組み合わせた連結基が好ましい。ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。
特に、L1は、単結合、または、炭素数1〜10のアルキレン基(好ましくは、−(CH2)n−(nは1〜10の整数)、炭素数6〜12のアリーレン基(好ましくはフェニレン基、ナフタレン基)、−NH−、−CO−、−O−および−SO2−を2以上組み合わせた2価の連結基が好ましい。
以下に、X1およびL1の組み合わせの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
特に、(XX−1)および(XX−2)で表される(メタ)アクリル系連結鎖、(XX−10)〜(XX−17)で表されるスチレン系連結鎖、および(XX−24)で表されるビニル系連結鎖から選択されることがより好ましく、(XX−1)および(XX−2)で表される(メタ)アクリル系連結鎖および(XX−11)で表されるスチレン系連結鎖がより好ましい。
(XX−1)〜(X−24)中、*で示された部位で上記anionと連結していることを表す。Meは、メチル基を表す。また、(XX−18)および(XX−19)中のRは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基を表す。
Figure 2015069052
また、X1およびL1の組み合わせの具体例としては以下も好ましい。下記具体例中、nは、1〜9の整数を表す。また、*で示された部位で上記anionと連結していることを表す。
Figure 2015069052
一般式(D)
Figure 2015069052
(一般式(D)中、L2およびL3は、それぞれ独立して単結合または2価の連結基を表す。anionは、−SO3 -、−COO-、−PO4 -、上記一般式(A1)で表される構造および上記般式(A2)で表される構造を表す。)
一般式(D)中、L2およびL3が2価の連結基を表す場合、炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数6〜30のアリーレン基、ヘテロ環連結基、−CH=CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−CO−、−NR−、−CONR−、−O2C−、−SO−、−SO2−およびこれらを2以上組み合わせた連結基が好ましい。ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。
2は、炭素数6〜12のアリーレン基(特にフェニレン基)が好ましい。炭素数6〜30のアリーレン基は、フッ素原子で置換されていることが好ましい。
3は、炭素数6〜12のアリーレン基(特にフェニレン基)と−O−との組み合わせからなる基が好ましく、少なくとも1種の炭素数6〜12のアリーレン基がフッ素原子で置換されていることが好ましい。
アニオン多量体を形成する高分子としては、架橋性基を有する染料化合物成分からのみ構成されるホモポリマー(単独重合体)でも、その他重合性化合物とのコポリマー(共重合体)でも好ましく用いることが出来るが、ホモポリマー(単独重合体)がより好ましい。
アニオン多量体の分子量としては、重量平均分子量が3,000〜30,000かつ、分子量分布がMw/Mnで0.8〜3.0であることが好ましく、より好ましくは重量平均分子量が5,000〜20,000かつ、分子量分布がMw/Mnで1〜2.5である。
アニオン多量体を形成する場合、連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタンが好ましく、炭素数10以下のアルキルメルカプタンまたはエーテル基・エステル基で置換されたアルキルメルカプタンが好ましい。特に、logP値が5以下のアルキルメルカプタンがより好ましい。
アニオン多量体に含まれるアニオン多量体の原料である架橋性基を有するアニオンモノマー化合物の量は、5%以下が好ましく、より好ましくは、1%以下である。
アニオン多量体に含まれるハロゲンイオン含有量としては、10〜3000ppm以下が好ましく、10〜2000ppmがより好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。
アニオン多量体の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015069052
以下の具体例は、アニオン構造が解離していない状態を示しているが、アニオン構造が解離している状態も本発明の範囲内であることは言うまでもない。
Figure 2015069052
Figure 2015069052
Figure 2015069052
Figure 2015069052
Figure 2015069052
<<他の官能基または他の繰り返し単位>>
本発明に用いられる着色剤は、上記以外の他の官能基や他の繰り返し単位を有していても良い。
具体的には、本発明に用いられる着色剤は、上記トリアリールメタン構造を有する分子量2000以下のカチオンが他の官能基を有していてもよく、アニオン多量体以外の他の繰り返し単位を含んでいてもよい。
他の官能基としては、重合性基、酸基およびアルカリ可溶性基等が例示される。また、他の繰り返し単位としては、重合性基、酸基およびアルカリ可溶性基の少なくとも1種を含む繰り返し単位が例示される。
以下、これらの詳細について説明する。
上記対アニオンは、重合性基を含むことが好ましい。重合性基は1種類のみ含んでいても良いし、2種類以上含んでいても良い。
重合性基としては、ラジカル、酸、熱により架橋可能な公知の重合性基を用いることができ、例えば、エチレン性不飽和結合を含む基、環状エーテル基(エポキシ基、オキセタニル基)等が挙げられるが、特にエチレン性不飽和結合を含む基が好ましく、(メタ)アクリロイル基がさらに好ましく、(メタ)アクリル酸グリシジルおよび3,4−エポキシーシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート由来の(メタ)アクリロイル基がさらに好ましい。
重合性基は、重合性基を有する繰り返し単位として組み込まれることも好ましい。より好ましくは、アニオン多量体がアニオン構造を含む繰り返し単位とエチレン性不飽和結合を有する繰り返し単位を含有する態様である。
また、アニオン多量体が、重合性基を有する繰り返し単位をさらに含有する場合、その量は、全繰り返し単位100モルに対し、例えば、50〜90モルが好ましく、70〜90モルがより好ましい。
重合性基を有する繰り返し単位としては、以下のような具体例が挙げられる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015069052
Figure 2015069052
Figure 2015069052
酸基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基が例示される。また、アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸が例示される。
また、アニオン多量体が、酸基を有する繰り返し単位を含有する場合、酸基を有する繰り返し単位を含有する繰り返し単位の割合は、全繰り返し単位100モルに対し、例えば、10〜50モルが好ましく、10〜30モルがより好ましい。
その他の官能基として、ラクトン、酸無水物、アミド、−COCH2CO−、シアノ基等の現像促進基、長鎖および環状アルキル基、アラルキル基、アリール基、ポリアルキレンオキシド基、ヒドロキシル基、マレイミド基、アミノ基等の親疏水性調整基等が挙げられ、適宜導入することができる。
導入方法としては、上記トリアリールメタン構造に予め導入しておく方法、および上記官能基を有するモノマーを共重合する方法が挙げられる。
以下に、他の繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2015069052
以下に、本発明に用いられる着色剤の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2015069052
Figure 2015069052
Figure 2015069052
下記化合物中のカチオンは、対アニオンの繰り返し単位に相当する数が存在する。
Figure 2015069052
下記化合物中の各繰り返し単位のモル比は、10:50:40〜30:35:35を表す。
Figure 2015069052
上記トリアリールメタン染料が対アニオンを含む繰り返し単位を有する場合、重量平均分子量は、1,000〜100,000が好ましく、5,000〜50,000がより好ましい。
上記トリアリールメタン染料は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて含有することができる。
上記トリアリールメタン染料の含有量は、本発明の着色組成物の全固形分に対して、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
<<他の着色化合物>>
本発明の着色組成物は、着色剤として、上述したトリアリールメタン染料以外の他の着色化合物を1種または2種以上含んでいてもよい。他の着色化合物としては、染料化合物、顔料化合物およびそれらの分散物が挙げられる。
染料化合物としては、着色画像の色相に影響を与えないものであればどのような構造であってもよく、例えば、アゾ系(例えば、ソルベントイエロー162)、アントラキノン系(例えば、特開2001−10881号公報に記載のアントラキノン化合物)、フタロシアニン系(例えば、米国特許2008/0076044A1に記載のフタロシアニン化合物)、キサンテン系(例えば、シー・アイ・アシッド・レッド289(C.I.Acid.Red 289))、トリアリールメタン系(例えば、シー・アイ・アシッドブルー7(C.I.Acid Blue7)、シー・アイ・アシッドブルー83(C.I.Acid Blue83)、シー・アイ・アシッドブルー90(C.I.Acid Blue90)、シー・アイ・ソルベント・ブルー38(C.I.Solvent Blue38)、シー・アイ・アシッド・バイオレット17(C.I.Acid Violet17)、シー・アイ・アシッド・バイオレット49(C.I.Acid Violet49)、シー・アイ・アシッド・グリーン3(C.I.Acid Green3)、メチン染料、などが挙げられる。
顔料化合物としては、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、アントラキノン、アントアントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、ジスアゾ、アゾ、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、ピラントロンもしくはイソビオラントロン等が挙げられる。さらに詳しくは、例えば、ピグメント・レッド190、ピグメント・レッド224、ピグメント・バイオレット29等のペリレン化合物顔料、ピグメント・オレンジ43、もしくはピグメント・レッド194等のペリノン化合物顔料、ピグメント・バイオレット19、ピグメント・バイオレット42、ピグメント・レッド122、ピグメント・レッド192、ピグメント・レッド202、ピグメント・レッド207、もしくはピグメント・レッド209のキナクリドン化合物顔料、ピグメント・レッド206、ピグメント・オレンジ48、もしくはピグメント・オレンジ49等のキナクリドンキノン化合物顔料、ピグメント・イエロー147等のアントラキノン化合物顔料、ピグメント・レッド168等のアントアントロン化合物顔料、ピグメント・ブラウン25、ピグメント・バイオレット32、ピグメント・オレンジ36、ピグメント・イエロー120、ピグメント・イエロー180、ピグメント・イエロー181、ピグメント・オレンジ62、もしくはピグメント・レッド185等のベンズイミダゾロン化合物顔料、ピグメント・イエロー93、ピグメント・イエロー94、ピグメント・イエロー95、ピグメント・イエロー128、ピグメント・イエロー166、ピグメント・オレンジ34、ピグメント・オレンジ13、ピグメント・オレンジ31、ピグメント・レッド144、ピグメント・レッド166、ピグメント・レッド220、ピグメント・レッド221、ピグメント・レッド242、ピグメント・レッド248、ピグメント・レッド262、もしくはピグメント・ブラウン23等のジスアゾ縮合化合物顔料、ピグメント・イエロー13、ピグメント・イエロー83、もしくはピグメント・イエロー188等のジスアゾ化合物顔料、ピグメント・レッド187、ピグメント・レッド170、ピグメント・イエロー74、ピグメント・イエロー150、ピグメント・レッド48、ピグメント・レッド53、ピグメント・オレンジ64、もしくはピグメント・レッド247等のアゾ化合物顔料、ピグメント・ブルー60等のインダントロン化合物顔料、ピグメント・グリーン7、ピグメント・グリーン36、ピグメント・グリーン37、ピグメント・グリーン58、ピグメント・ブルー16、ピグメント・ブルー75、もしくはピグメント・ブルー15等のフタロシアニン化合物顔料、ピグメント・ブルー56、もしくはピグメント・ブルー61等のトリアリールカルボニウム化合物顔料、ピグメント・バイオレット23、もしくはピグメント・バイオレット37等のジオキサジン化合物顔料、ピグメント・レッド177等のアミノアントラキノン化合物顔料、ピグメント・レッド254、ピグメント・レッド255、ピグメント・レッド264、ピグメント・レッド272、ピグメント・オレンジ71、もしくはピグメント・オレンジ73等のジケトピロロピロール化合物顔料、ピグメント・レッド88等のチオインジゴ化合物顔料、ピグメント・イエロー139、ピグメント・オレンジ66等のイソインドリン化合物顔料、ピグメント・イエロー109、もしくはピグメント・オレンジ61等のイソインドリノン化合物顔料、ピグメント・オレンジ40、もしくはピグメント・レッド216等のピラントロン化合物顔料、またはピグメント・バイオレット31等のイソビオラントロン化合物顔料が挙げられる。
本発明では緑からシアン色の色材が好ましく、ピグメント・グリーン7、ピグメント・グリーン36、ピグメント・グリーン37、ピグメント・グリーン58、ピグメント・ブルー16、ピグメント・ブルー75、もしくはピグメント・ブルー15等のフタロシアニン化合物顔料、ピグメント・ブルー56、もしくはピグメント・ブルー61等のトリアリールカルボニウム化合物顔料、ピグメント・バイオレット23、もしくはピグメント・バイオレット37等のジオキサジン化合物顔料、ピグメント・レッド177等のアミノアントラキノン化合物顔料、ピグメント・レッド254、ピグメント・レッド255、ピグメント・レッド264、ピグメント・レッド272、ピグメント・オレンジ71、もしくはピグメント・オレンジ73等のジケトピロロピロール化合物顔料、ピグメント・レッド88等のチオインジゴ化合物顔料、ピグメント・イエロー139、ピグメント・オレンジ66等のイソインドリン化合物顔料、ピグメント・イエロー109、もしくはピグメント・オレンジ61等のイソインドリノン化合物顔料、ピグメント・オレンジ40、もしくはピグメント・レッド216等のピラントロン化合物顔料、またはピグメント・バイオレット31等のイソビオラントロン化合物顔料が好ましい。
上記染料または顔料を分散物として配合する場合、特開平9−197118号公報、特開2000−239544号公報の記載に従って調整することができる。
上記料または顔料の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で使用でき、本発明の着色組成物の全固形分に対して、0.5質量%〜70質量%であることが好ましい。また、吸収強度比(450nmの吸収/650nmの吸収)が、0.95〜1.05の範囲となるように、着色組成物に添加されることが好ましい。
<<重合性化合物>>
本発明の着色組成物は、重合性化合物を含有する。重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物を挙げることができる。
具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は、当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物並びにそれらの(共)重合体などの化学的形態のいずれであってもよい。
モノマーおよびその(共)重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの(共)重合体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、および不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの(共)重合体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等が挙げられる。
また、メタクリル酸エステルとして、例えば、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。
さらに、イタコン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が、また、クロトン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が、イソクロトン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が、また、マレイン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載の、1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で表される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R)COOCH2CH(R’)OH ・・・(A)
〔一般式(A)中、RおよびR’は、それぞれ独立にHまたはCH3を表す。〕
また、重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬株式会社製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造も好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
これらの重合性化合物について、その構造や、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、着色組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、感度の観点では、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上が好ましい。また、着色硬化膜の強度を高める観点では、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン化合物、ビニルエーテル化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。また、着色組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料)、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板などの硬質表面との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
着色組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量は、本発明の効果をより効果的に得る観点から、10〜80質量%が好ましく、15〜75質量%がより好ましく、20〜60質量%が特に好ましい。
本発明の組成物は、重合性化合物を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<光重合開始剤>>
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤は、重合性化合物を重合させ得るものであれば、特に制限はなく、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物およびハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも1つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、オキシム化合物、等が挙げられる。光重合開始剤の具体例については、特開2004−295116号公報の段落〔0070〕〜〔0077〕に記載のものが挙げられる。中でも、重合反応が迅速である点等から、オキシム化合物またはビイミダゾール系化合物が好ましい。
オキシム系化合物(以下、「オキシム系光重合開始剤」ともいう。)としては、特に限定はなく、例えば、特開2000−80068号公報、WO02/100903A1、特開2001−233842号公報等に記載のオキシム系化合物が挙げられる。
オキシム系化合物の具体的な例としては、特開2013−182215号公報の段落0053の記載を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
また、本発明においては、感度、径時安定性、後加熱時の着色の観点から、オキシム化合物として、下記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2015069052
(一般式(1)中、RおよびXは、それぞれ、1価の置換基を表し、Aは、2価の有機基を表し、Arは、アリール基を表す。nは、1〜5の整数である。)
Rとしては、高感度化の点から、アシル基が好ましく、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トルイル基が好ましい。
Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
Arとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換または無置換のフェニル基が好ましい。置換フェニル基の場合、その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基が好ましい。
Xとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基が好ましい。また、一般式(1)におけるnは1〜2の整数が好ましい。
Figure 2015069052
一般式(2)中、R101はアルキル基、アルカノイル基、アルケノイル基、アリーロイル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基、ヘテロ環チオカルボニル基、ヘテロアリールチオカルボニル基またはCO−CO−Rfを表す。Rfは炭素環式芳香族基またはヘテロ環式芳香族基を表す。
102はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を示し、これらは置換されていても良い。
103およびR104は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を示し、これらの基は、さらにハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基等で置換されていても良い。
105〜R111は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリーロイル基、ヘテロアリーロイル基、アルキルチオ基、アリーロイルチオ基、ヘテロアリーロイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ヘテロアリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、アミド基、カルバモイル基またはシアノ基を表す。
105〜R111のうちの、一つまたは二つが電子吸引性の置換基、即ち、ニトロ基、シアノ基、ハロゲンノ基、アルキルカルボニル基またはアリールカルボニル基であることが、一段と高い硬化性を有する着色組成物が得られるので、好ましい。
上記一般式(2)で表されるフルオレン構造を有する化合物の具体例を以下に挙げる。ただし、これの化合物に限定されるものではない。
Figure 2015069052
上記一般式(2)で表されるフルオレン構造を有する化合物は、例えば特開2008−292970号公報に記載された合成方法に準じて合成することができる。
ビイミダゾール系化合物の具体例としては、特開2013−182213号公報段落0061〜0070の記載を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
また、本発明の着色組成物には、上記の光重合開始剤のほかに、特開2004−295116号公報の段落番号0079に記載の他の公知の光重合開始剤を使用してもよい。
光重合開始剤の着色組成物の全固形分中における含有量は、本発明の効果をより効果的に得る観点から、3質量%〜20質量%が好ましく、4質量%〜19質量%がより好ましく、5質量%〜18質量%が特に好ましい。
本発明の組成物は、光重合開始剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<有機溶剤>>
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の有機溶剤を含有することが好ましいい。
有機溶剤は、並存する各成分の溶解性や着色組成物としたときの塗布性を満足できるものであれば、基本的には特に制限はなく、特に、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
有機溶剤としては、エステル類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類が用いられ、具体的には、特開2012−032754号公報の段落番号0161〜0162に記載のものが例示される。
これらの有機溶剤は、前述の各成分の溶解性、およびアルカリ可溶性ポリマーを含む場合はその溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合することも好ましい。この場合、特に好ましくは、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
有機溶剤の着色組成物中における含有量としては、組成物中の全固形分濃度が10質量%〜80質量%になる量が好ましく、15質量%〜60質量%になる量がより好ましい。
本発明の組成物は、有機溶剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<アルカリ可溶性バインダー>>
本発明の着色組成物は、アルカリ可溶性バインダーを含んでいることが好ましい。アルカリ可溶性バインダーは、アルカリ可溶性を有すること以外は、特に限定はなく、好ましくは、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選択することができる。
アルカリ可溶性バインダーとしては、線状有機高分子重合体であり、且つ、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
上述したものの他、本発明におけるアルカリ可溶性バインダーとしては、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等や、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、等も有用である。また、線状有機高分子重合体は、親水性を有するモノマーを共重合したものであってもよい。この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級若しくは3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のブチル(メタ)アクリレート、または、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。その他、親水性を有するモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル基、燐酸基、燐酸エステル基、4級アンモニウム塩基、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸基およびその塩由来の基、モルホリノエチル基等を含んでなるモノマー等も有用である。
アルカリ可溶性バインダーとしては、下記式(b1)および(b2)に示すようなマレイミドとエチレンオキサイドの共重合体も好ましく用いることが出来る。
式(b1)
Figure 2015069052
(式(b1)中、R1は、水素原子、アリール基、またはアルキル基を表す。)
1がアルキル基を表す場合のアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、炭素数3〜10の分岐鎖を有するアルキル基、炭素数5〜20の環状アルキル基などが挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、アルキル基に導入可能な置換基としては、フェニル基、カルボニル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基などが挙げられる。
1がアリール基を表す場合のアリール基としては、単環構造のアリール基、多環構造のアリール基、縮環構造のアリール基、ヘテロ原子を含むヘテロアリール基などが挙げられる。より具体的には、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピリジル基、フリル基などが挙げられる。
アリール基は、置換基を有していてもよく、アリール基に導入可能な置換基としては、メチル基、エチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、クロロ基、ブロモ基などが挙げられる。
式(b2)
Figure 2015069052
(式(b2)中、R2は、水素原子またはメチル基を表す。R3は、炭素数2または3のアルキレン基であり、R4は、水素原子、アリール基、またはアルキル基を表し、mは、1〜15の整数を表す。)
4がアルキル基を表す場合のアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数1〜20の分岐鎖を有するアルキル基、炭素数5〜20の環状アルキル基などが挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、アルキル基に導入可能な置換基としては、フェニル基、カルボニル基、アルコキシ基などが挙げられる。
4がアリール基を表す場合のアリール基としては、単環構造のアリール基、多環構造のアリール基、縮環構造のアリール基、ヘテロ原子を含むヘテロアリール基などが挙げられる。より具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ビフェニル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、カルバゾリル基、ピリジル基、フリル基などが挙げられる。
アリール基は、置換基を有していてもよく、アリール基に導入可能な置換基としては、ノニル基、メチル基、エチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、クロロ基、ブロモ基などが挙げられる。
また、アルカリ可溶性バインダーは、架橋効率を向上させるために、重合性基を側鎖に有してもよく、例えば、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有するポリマー等も有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。また、硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
これら各種アルカリ可溶性バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
特に、下記一般式(2)で示すような繰り返し単位と酸性基を有する共重合体が好ましく、より好ましくは一般式(2)と酸性基に加え、一般式(3)で表される構造単位を有する共重合体が挙げられる。
Figure 2015069052
(一般式(2)中、R20は、水素原子またはメチル基を表し、R21〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、またはアリール基を表す。)
Figure 2015069052
(一般式(3)中、R11は、水素原子またはメチル基を表す。R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子または不飽和二重結合を部分構造として含む炭素数3〜20のカルボニル基を表し、R12およびR13の双方が水素原子であることはない。R12およびR13の少なくとも一方が不飽和二重結合を部分構造として含む炭素数3〜20のカルボニル基を表す場合、さらにカルボキシ基を部分構造として含んでいてもよい。)
アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体や、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
また、アルカリ可溶性バインダーは、下記式(X)で示されるエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位を含んでいてもよい。
一般式(X)
Figure 2015069052
(式(X)において、R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R3は、水素原子またはベンゼン環を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。nは1〜15の整数を表す。)
上記式(X)において、R2のアルキレン基の炭素数は、2〜3であることが好ましい。また、R3のアルキル基の炭素数は1〜20であるが、より好ましくは1〜10であり、R3のアルキル基はベンゼン環を含んでもよい。R3で表されるベンゼン環を含むアルキル基としては、ベンジル基、2−フェニル(イソ)プロピル基等を挙げることができる。
アルカリ可溶性バインダーは、現像性、液粘度等の観点から、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1,000〜200,000の重合体が好ましく、2,000〜100,000の重合体がより好ましく、5,000〜50,000の重合体が特に好ましい。
アルカリ可溶性バインダーの配合量は、着色組成物の全固形分の10〜80質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。
また、アルカリ可溶性バインダーの酸価は、10〜1000mg/KOHが好ましく、50〜300mg/KOHがより好ましく、50〜200mg/KOHがさらに好ましく、105〜200mg/KOHが特に好ましい。
本発明の組成物は、アルカリ可溶性バインダーを、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<架橋剤>>
本発明の着色組成物は、架橋剤をさらに含んでいてもよい。
架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行なえるものであれば、特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物またはウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
架橋剤の具体例などの詳細については、特開2004−295116号公報の段落0134〜0147の記載を参照することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
<<界面活性剤>>
本発明の着色組成物は、界面活性剤を含んでいても良い。界面活性剤は、ノニオン系、カチオン系、アニオン系のいずれでもよいが、エチレンオキサイド構造を持つ界面活性剤、フッ素含界面活性剤が好ましい。特にHLB値が9.2〜15.5の範囲にあるエチレンオキサイド構造を持つ界面活性剤もしくは特開平2−54202号公報記載のフッ素系界面活性剤が好ましい。
本発明の着色組成物に界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の添加量は、着色組成物の全固形分に対して、0.0001質量%〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005質量%〜1.0質量%である。
本発明の組成物は、界面活性剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の着色組成物は、さらに必要に応じて、充填材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、増感剤や光安定剤等など各種添加剤を含んでいても良い。
<<染料安定化剤>>
本発明の組成物には、トリアリールメタン染料とは別に、染料安定化剤を添加することが好ましい。安定化剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、均一に、微細に分散し得る点から、高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体類;ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩や(部分)アルキルアミン塩類;水酸基含有ポリアクリル酸エステル等の水酸基含有不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体やそれらの編成物;架橋性基を有するスルホン酸やリン酸の重合物等が挙げられる。
架橋性基としては、ラジカル、酸、熱により架橋可能な公知の重合性基を用いることができる。具体的には(メタ)アクリル基、スチレン基、ビニル基、環状エーテル基、メチロール基が挙げられるが、(メタ)アクリル基、スチレン基、ビニル基が好ましく、(メタ)アクリル基およびスチレン基がより好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の組成物は、酸化防止剤を含んでいてもよい。酸化防止剤としては、例えば、ラジカル捕捉剤、過酸化物分解剤、紫外線吸収剤、一重項酸素クエンチャー等を挙げることができる。
ラジカル捕捉剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤等を挙げることができる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ヒドロキシフェニルプロピオネート系化合物、ヒドロキシベンジル系化合物、チオビスフェノール系化合物、チオメチルフェノール系化合物、アルカンジイルフェノール系化合物等を挙げることができる。中でも、色特性の安定性の観点から、ヒドロキシフェニルプロピオネート系化合物が好ましい。
過酸化物分解剤は、光に曝露されること等により発生した過酸化物を無害な物質に分解し、新たなラジカルが発生しないようにする化合物であり、例えば、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等を挙げることができる。中でも、色特性の安定性の観点から、イオウ系酸化防止剤が好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、サルチル酸エステル系酸化防止剤、ベンゾフェノン系酸化防止剤を挙げることができる。
一重項酸素クエンチャーは、一重項状態の酸素からのエネルギー移動により一重項酸素を失活させ得る化合物であり、例えば、テトラメチルエチレン、シクロペンテン等のエチレン性化合物、ジエチルアミン、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロオクタン(DABCO)、N−エチルイミダゾール等のアミン類、置換されても良いナフタレン、ジメチルナフタレン、ジメトキシアントラセン、アントラセン、ジフェニルアントラセン等の縮合多環芳香族化合物;1,3−ジフェニルイソベンゾフラン、1,2,3,4−テトラフェニル−1,3−シクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン等の芳香族化合物の他、Harry H.wasserman,“Singlet Oxygen”,5章,Academic Press(1979)、Nicholas J.Turro,“”Modern Molecular Photochemistry“”,14章,The Benjamin Cummings Publishing Co.,Inc.(1978)、およびCMC社発行 カラー写真感光材料用高機能ケミカルス,7章(2002)に、一重項酸素クエンチャーとして例示されている化合物を挙げることができる。
このほかに硫黄原子を有する化合物を配位子とする金属錯体を挙げることができる。このような化合物としてビスジチオ−α−ジケトン、ビスフェニルジチオール、およびチオビスフェノールを配位子とする、ニッケル錯体、コバルト錯体、銅錯体、マンガン錯体、白金錯体等の遷移金属キレート化合物を挙げることができる。
イオウ系酸化防止剤としては、チオプロピオネート系化合物、メルカプトベンズイミダゾール系化合物を挙げることができる。中でも、色特性の安定性の観点から、チオプロピオネート系化合物が好ましい。
本発明において、酸化防止剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。酸化防止剤の含有量は、着色剤100質量に対して、好ましくは0.01〜20質量部、特に好ましくは0.1〜10質量部である。
<硬化剤>
本発明の着色組成物は、硬化剤として機能する化合物を含有することができる。
例えば、芳香族アミン化合物、3級アミン化合物、アミン塩、ホスホニウム塩、アミジン塩、アミド化合物、チオール化合物、ブロックイソシアネート化合物およびイミダゾール環含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を用いることができる。
着色組成物が、このような硬化剤を含有することにより、着色パターンの低温硬化をより効果的に実現することができる。併せて、着色組成物の保存安定性をより向上させることもできる。
<還元防止剤>
本発明の着色組成物は、上記トリアリールメタン染料よりも還元されやすい化合物をトリアリールメタン染料の還元防止剤として添加することもできる。これにより、画素形成後のITOスパッタ時に染料還元褪色をより抑制することができる。具体的にはキノン化合物が好ましく、分子量100〜800程度の以下構造のキノン化合物が好ましい。
本発明の着色組成物は、さらに必要に応じて、充填材、紫外線吸収剤、凝集防止剤、増感剤や光安定剤等など各種添加剤を含んでいても良い。
[着色組成物の調製方法]
本発明の着色組成物は、前述の各成分と必要に応じて任意成分とを混合することで調製される。
なお、着色組成物の調製に際しては、着色組成物を構成する各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解・分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解・分散して組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液・分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
上記のようにして調製された着色組成物は、好ましくは、孔径0.01μm〜3.0μm、より好ましくは孔径0.05μm〜0.5μm程度のフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することができる。
本発明の着色組成物は、色相およびコントラストに優れた着色硬化膜を形成することができるため、液晶表示装置(LCD)や固体撮像素子(例えば、CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルタなどの着色画素形成用として、また、印刷インキ、インクジェットインキ、および塗料などの作製用途として好適に用いることができる。特に、液晶表示装置用の着色画素形成用途に好適である。
[カラーフィルタおよびその製造方法]
本発明のカラーフィルタは、基板と、この基板上に本発明の着色組成物を含む着色領域と、を設けて構成されたものである。基板上の着色領域は、カラーフィルタの各画素をなす例えば赤(R)、緑(G)、青(B)等の着色膜で構成されている。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物を基板上に適用して硬化された着色領域(着色パターン)を形成できる方法であれば、いずれの方法で形成されてもよい。好ましくは、本発明の着色組成物を用いて作製される。
また、本発明の着色組成物を用いて固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する場合には、特開2011−252065号公報の段落0359〜0371に記載されている製造方法を採用することもできる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に既述の着色組成物を適用(好ましくは、塗布)し、着色層(着色組成物層ともいう。)を形成する工程(A)と、工程(A)にて形成された着色組成物層を硬化させる工程(B)を有する。
硬化させる工程は、(好ましくはマスクを介して)パターン状に露光し、塗布膜の未硬化部を現像液で現像除去して着色領域(着色パターン)を形成することが好ましい。これらの工程を経ることで、各色(3色或いは4色)の画素からなる着色パターンが形成され、カラーフィルタを得ることができる。また、本発明のカラーフィルタの製造方法では、特に、工程(B)で形成された着色パターンに対して紫外線を照射する工程(C)と、工程(C)で紫外線が照射された着色パターンに対して加熱処理を行なう工程(D)とをさらに設けた態様が好ましい。
このような方法により、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタをプロセス上の困難性が少なく、高品質で、かつ低コストに作製することができる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について、より具体的に説明する。
−工程(A)−
本発明のカラーフィルタの製造方法では、まず、基板上に直接または他の層を介して、既述の本発明の着色組成物を所望の塗布方法により塗布して、着色組成物からなる塗布膜(着色組成物層)を形成し、その後、必要に応じて、予備硬化(プリベーク)を行ない、この着色組成物層を乾燥させる。
基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ナトリウムガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、およびこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコーン基板や、プラスチック基板等が挙げられる。また、これらの基板上には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層が設けられたりしていてもよい。また、基板上には必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは表面の平坦化のために、下塗り層を設けてもよい。
また、プラスチック基板は、その表面に、ガスバリヤー層および/または耐溶剤性層を有していることが好ましい。
このほか、基板として、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板(以下、「TFT方式液晶駆動用基板」という。)を用い、この駆動用基板上にも、本発明の着色組成物を用いてなる着色パターンを形成し、カラーフィルタを作製することができる。
TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面に、窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板を用いることができる。
本発明の着色組成物を、直接または他の層を介して基板に、適用する。適用する方法としては、塗布が好ましく、回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布、バー塗布、インクジェット等の塗布方法により塗布することが好ましい。
塗布工程において、本発明の着色組成物を基板に塗布する方法としては、特に限定されるものではないが、スリット・アンド・スピン法、スピンレス塗布法等のスリットノズルを用いる方法(以下、スリットノズル塗布法という)が好ましい。
スリットノズル塗布法において、スリット・アンド・スピン塗布法とスピンレス塗布法は、塗布基板の大きさによって条件は異なるが、例えば、スピンレス塗布法により第五世代のガラス基板(1100mm×1250mm)を塗布する場合、スリットノズルからの着色組成物の吐出量は、通常、500マイクロリットル/秒〜2000マイクロリットル/秒、好ましくは800マイクロリットル/秒〜1500マイクロリットル/秒であり、また、塗工速度は、通常、50mm/秒〜300mm/秒、好ましくは100mm/秒〜200mm/秒である。
また、塗布工程で用いられる着色組成物の固形分としては、通常、10%〜20%、好ましくは13%〜18%である。
基板上に本発明の着色組成物による塗布膜を形成する場合、この塗布膜の厚み(プリベーク処理後)としては、一般に0.3μm〜5.0μmであり、望ましくは0.5μm〜4.0μm、最も望ましくは0.5μm〜3.0μmである。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタの場合であれば、塗布膜の厚み(プリベーク処理後)は、0.5μm〜5.0μmの範囲が好ましい。
適用工程において、通常は、適用後にプリベーク処理を施す。必要によっては、プリベーク前に真空処理を施すこともできる。真空乾燥の条件は、真空度が、通常、0.1torr〜1.0torr、好ましくは0.2torr〜0.5torr程度である。
また、プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50℃〜140℃の温度範囲で、好ましくは70℃〜110℃程度であり、10秒〜300秒の条件にて行うことができる。なお、プリベーク処理には、高周波処理などを併用してもよい。高周波処理は単独でも使用可能である。
プリベークの条件としては、ホットプレートやオーブンを用いて、70℃〜130℃で、0.5分間〜15分間程度加熱する条件が挙げられる。
また、着色組成物により形成される着色組成物層の厚みは、目的に応じて適宜選択される。液晶表示装置用カラーフィルタにおいては、0.2μm〜5.0μmの範囲が好ましく、1.0μm〜4.0μmの範囲がさらに好ましく、1.5μm〜3.5μmの範囲が最も好ましい。また、固体撮像素子用カラーフィルタにおいては、0.2μm〜5.0μmの範囲が好ましく、0.3μm〜2.5μmの範囲がさらに好ましく、0.3μm〜1.5μmの範囲が最も好ましい。
なお、着色組成物層の厚みは、プリベーク後の膜厚である。
−工程(B)−
続いて、本発明のカラーフィルタの製造方法では、基板上に前述のようにして形成された着色組成物からなる膜(着色組成物層)に対し、例えばフォトマスクを介して露光が行なわれる。露光に適用し得る光もしくは放射線としては、g線、h線、i線、j線、KrF光、ArF光が好ましく、特にi線が好ましい。照射光にi線を用いる場合、100mJ/cm2〜10000mJ/cm2の露光量で照射することが好ましい。
また、その他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レーザー光源、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
レーザー光源を用いた露光工程
レーザー光源を用いた露光方式では、光源として紫外光レーザーを用いる。
照射光は、波長が300nm〜380nmの範囲である波長の範囲の紫外光レーザーが好ましく、さらに好ましくは300nm〜360nmの範囲の波長である紫外光レーザーがレジストの感光波長に合致しているという点で好ましい。具体的には、特に出力が大きく、比較的安価な固体レーザーのNd:YAGレーザーの第三高調波(355nm)や、エキシマレーザーのXeCl(308nm)、XeF(353nm)を好適に用いることができる。
被露光物(パターン)の露光量としては、1mJ/cm2〜100mJ/cm2の範囲であり、1mJ/cm2〜50mJ/cm2の範囲がより好ましい。露光量がこの範囲であると、パターン形成の生産性の点で好ましい。
露光装置としては、特に制限はないが市販されているものとしては、Callisto(ブイテクノロジー株式会社製)やEGIS(ブイテクノロジー株式会社製)やDF2200G(大日本スクリーン(株)製)などが使用可能である。また上記以外の装置も好適に用いられる。
液晶表示装置用のカラーフィルタを製造する際には、プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機により、主として、h線、i線を使用した露光が好ましく用いられる。また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する際には、ステッパー露光機にて、主として、i線を使用することが好ましい。なお、TFT方式液晶駆動用基板を用いてカラーフィルタを製造する際には、用いられるフォトマスクは、画素(着色パターン)を形成するためのパターンの他、スルーホール或いはコの字型の窪みを形成するためのパターンが設けられているものが使用される。
上記のようにして露光された着色組成物層は加熱することができる。
また、露光は、着色組成物層中の色材の酸化褪色を抑制するために、チャンバー内に窒素ガスを流しながら行なうことができる。
続いて、露光後の着色組成物層に対して、現像液にて現像が行なわれる。これにより、ネガ型もしくはポジ型の着色パターン(レジストパターン)を形成することができる。現像工程では、露光後の塗布膜の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化分のみを基板上に残存させる。
現像液は、未硬化部における着色組成物の塗布膜(着色組成物層)を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。例えば、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性水溶液を用いることができる。
現像に用いられる有機溶剤としては、本発明の着色組成物を調製する際に使用できる既述の溶剤が挙げられる。
アルカリ性水溶液としては、例えば、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。現像液がアルカリ性水溶液である場合、アルカリ濃度は、好ましくはpH11〜13、さらに好ましくはpH11.5〜12.5となるように調整するのがよい。
アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像温度としては、通常は20℃〜30℃であり、現像時間としては20秒〜90秒である。
現像は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせてもよい。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像ムラを防ぐこともできる。また、基板を傾斜させて現像することもできる。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する場合にはパドル現像も用いられる。
現像処理後は、余剰の現像液を洗浄除去するリンス処理を経て、乾燥を施した後、硬化を完全なものとするために、加熱処理(ポストベーク)が施される。
リンス工処理は、通常は純水で行なうが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄初期は使用済の純水を使用したり、また、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりする方法を用いてもよい。
リンス処理後、水切り、乾燥をした後には通常、約200℃〜250℃の加熱処理を行なわれる。この加熱処理(ポストベーク)は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行なうことができる。
以上の各工程を、所望の色相数に合わせて各色毎に順次繰り返し行うことにより、複数色の着色された硬化膜(着色パターン)が形成されてなるカラーフィルタを作製することができる。
本発明のカラーフィルタは、コントラストが高く、色濃度ムラの小さい、色特性の良好であることから、固体撮像素子または液晶表示素子に好適に用いることができる。
−工程(C)−
本発明のカラーフィルタの製造方法では、特に、着色組成物を用いて形成された着色パターン(画素)に対して、紫外線照射による後露光を行なうこともできる。
−工程(D)−
上記のような紫外線照射による後露光が行なわれた着色パターンに対して、さらに加熱処理を行なうことが好ましい。形成された着色パターンを加熱処理(いわゆるポストベーク処理)することにより、着色パターンをさらに硬化させることができる。この加熱処理は、例えば、ホットプレート、各種ヒーター、オーブンなどにより行なうことができる。
加熱処理の際の温度としては、100℃〜300℃であることが好ましく、さらに好ましくは、150℃〜250℃である。また、加熱時間は、10分〜120分程度が好ましい。
このようにして得られた着色パターンは、カラーフィルタにおける画素を構成する。複数の色相の画素を有するカラーフィルタの作製においては、上記の工程(A)、工程(B)、および必要に応じて工程(C)や工程(D)を所望の色数に合わせて繰り返せばよい。
なお、単色の着色組成物層の形成、露光、現像が終了する毎に(1色毎に)、上記工程(C)および/または工程(D)を行なってもよいし、所望の色数の全ての着色組成物層の形成、露光、現像が終了した後に、一括して上記工程(C)および/または工程(D)を行なってもよい。
また、本発明の着色組成物は、ドライエッチング工程を含むカラーフィルタの製造方法にも適用することが可能である。このような製造方法の一例としては、本発明の着色組成物を用いて着色層を形成する工程、上記着色層上にフォトレジスト層を形成する工程、露光および現像することにより上記フォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程、および上記レジストパターンをエッチングマスクとして上記着色層をドライエッチングする工程を含む製造方法が挙げられる。本発明の着色組成物が、ドライエッチング工程を含むカラーフィルタの製造方法に用いられる場合は、光硬化性組成物であっても熱硬化性組成物であってもよい。熱硬化性組成物である場合は熱硬化剤を用いることができ、熱硬化剤としては、1分子内にエポキシ基を2つ以上有する化合物が好ましい。
本発明のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタ(本発明のカラーフィルタ)は、本発明の着色組成物を用いていることから、色相およびコントラストに優れている。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子や固体撮像素子に用いることが可能であり、特に液晶表示装置の用途に好適である。液晶表示装置に用いた場合、トリアリールメタン染料を着色剤として用い、良好な色相を達成しながら、分光特性およびコントラストに優れた画像の表示が可能になる。
本発明の着色組成物の用途としては、上記において主にカラーフィルタの着色パターンの形成用途を中心に説明したが、カラーフィルタを構成する着色パターン(画素)を隔離するブラックマトリックスの形成にも適用することができる。
基板上のブラックマトリックスは、カーボンブラック、チタンブラックなどの黒色顔料の加工顔料を含有する着色組成物を用い、塗布、露光、および現像の各工程を経て、その後、必要に応じて、ポストベークすることにより形成することができる。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示素子および固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備えてなるものである。より具体的には、例えば、カラーフィルタの内面側に配向膜を形成し、電極基板と対向させ、間隙部に液晶を満たして密封することにより、本発明の液晶表示素子であるパネルが得られる。また、例えば、受光素子上にカラーフィルタを形成することにより、本発明の固体撮像素子が得られる。
液晶表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明のカラーフィルタは、中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに、本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、OCS、FFS、およびR−OCB等にも適用できる。
また、本発明のカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color−filter On Array)方式にも供することが可能である。
本発明のカラーフィルタを液晶表示素子に用いると、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、さらに、赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また、色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
[固体撮像素子]
本発明の着色組成物は、固体撮像素子用途としても好ましく用いることができる。固体撮像素子の構成としては、本発明の着色組成物を用いて製造されたカラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
支持体上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、上記フォトダイオードおよび上記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、上記デバイス保護膜上に、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを有する構成である。
更に、上記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」および「部」は質量基準である。
<実施例1>
(着色組成物(塗布液)の調製)
下記組成中の成分を混合して、着色組成物を調製した。
<組成>
・下記トリアリールメタン染料(I−1) ・・・2質量部
・下記光重合性化合物:(T−1) ・・・10.3質量部
・下記アルカリ可溶性バインダー(U−1)
・・・21.2質量部(固形分換算値:8.5質量部)
・下記光重合開始剤(V−3) ・・・・1.0質量部
・下記溶剤(X−1) ・・・・7.2質量部
・下記溶剤(X−2) ・・・・・0.4質量部
・下記界面活性剤(Z−1) ・・・・0.006質量部
トリアリールメタン染料(I−1):下記構造の化合物
Figure 2015069052
光重合性化合物(T−1):カヤラドDPHA(日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物)
アルカリ可溶性バインダー(U−1):ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(85/15[質量比]共重合体(重量平均分子量:12,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分40.0質量%)酸価(100mgKOH/g)
光重合開始剤(V−3):下記構造のオキシム系化合物
Figure 2015069052
溶剤(X−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(X−2):3−エトキシプロピオン酸エチル
界面活性剤(Z−1):メガファックF781−F(大日本インキ化学工業(株)製)
<実施例2〜12>
トリアリールメタン染料を下記(I−2)〜(I−12)に変更したこと以外は実施例1と同様に着色組成物を調製した。
下記化合物(I−11)中のnは、繰り返し単位の数を示し、この場合は200を表す。また、下記化合物(I−12)中の各繰り返し単位のモル比(a:b:c)は、20:50:30を表す。
Figure 2015069052
<実施例13>
実施例1で用いたアルカリ可溶性バインダー(U−1)を以下のアルカリ可溶性バインダー(U−1−1)に変更した以外は実施例1と同様に着色組成物を調製した。
アルカリ可溶性バインダー(U−1−1):ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/アリルメタクリレート(20/60/20)[質量比]共重合体(重量平均分子量:20,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分40.0質量%)酸価(250mgKOH/g)
<実施例14>
実施例1で用いたアルカリ可溶性バインダー(U−1)を以下のアルカリ可溶性バインダー(U−2−1)に変更した以外は実施例1と同様に着色組成物を調製した。
アルカリ可溶性バインダー(U−2−1):GMA−MAA/メタクリル酸/シクロヘキシルメタクリレート (26/38/36)[質量比]共重合体(重量平均分子量:3,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分40.0質量%)酸価(125mgKOH/g)
なお、GMA−MAAは以下の構造を示す。
Figure 2015069052
<実施例15>
実施例1で用いたアルカリ可溶性バインダー(U−1)を以下のアルカリ可溶性バインダー(U−1−2)に変更した以外は実施例1と同様に着色組成物を調製した。
アルカリ可溶性バインダー(U−1−2):ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/アリルメタクリレート/N−フェニルマレイミド(15/20/30/35)[質量比]共重合体(重量平均分子量:20,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分40.0質量%)酸価(110mgKOH/g)
<比較例1>
トリアリールメタン染料をWO2010−123071号公報の実施例2に記載の下記比較化合物1に変更したこと以外は実施例1と同様に着色組成物を調整した。
比較化合物1
Figure 2015069052
<比較例2>
トリアリールメタン染料を下記比較化合物2に変更したこと以外は実施例1と同様に着色組成物を調整した。
比較化合物2:(東京化成工業社製、製品名 ベーシックブルー7)
Figure 2015069052
<着色組成物による着色膜の作製>
上記で得られた着色組成物を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、600〜700nmにおける最大吸光度が1.5〜2.0となるように塗布し、100℃のオーブンで180秒間乾燥させ、基板上に着色膜を作製した。
上記で得られた着色膜について下記の評価を行なった。
<耐熱性>
上記着色膜に対し、230℃で40分加熱した後、色度変化、即ちΔEab値を測定した。ΔEab値は加熱前後のUV−Visスペクトルから算出した。ΔEab値の小さい方が耐光性に優れることを示す。
<耐溶剤性(色度差)>
230℃で20分加熱した上記着色膜を、25℃のNMP(N−メチルピロリドン)中に、10分間、浸積し、浸漬前後での色度を測定し、色変化の指標ΔEabを算出した。ΔEab値は加熱前後のUV−Visスペクトルから算出した。なお、ΔEabの値が3以下の場合に、色相変化が少なく、優れた耐溶剤性を有するものとした。
<電圧保持率>
ITO電極つきのガラス基板(商品名:1737 コーニング社製)上に、着色組成物を乾燥後の膜厚2.0μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで60秒乾燥(プリベーク)した。その後、マスクを介さずに100mJ/cm2の露光(照度は20mW/cm2)をし、アルカリ現像液(商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液を用いて25℃で現像し、水洗、乾燥後の塗布膜を230℃のオーブンで30分間加熱処理(ポストベーク)し、着色硬化膜を形成した。次いで、この着色硬化膜を形成した基板とITO電極を所定形状に蒸着しただけの基板とを、5μmのガラスビーズを混合したシール剤で貼り合わせたのち、基板間にメルク製液晶MJ971189(商品名)を注入して、液晶セルを作製した。
次いで、液晶セルを70℃の恒温層に48時間入れた後、液晶セルの電圧保持率を、東陽テクニカ製液晶電圧保持率測定システムVHR−1A型(商品名)を用いて下記の測定条件により測定し、下記基準に示す点数により評価した。点数が高いほど電圧保持率は良好である。
測定条件
・電極間距離 :5μm〜15μm
・印加電圧パルス振幅 :5V
・印加電圧パルス周波数:60Hz
・印加電圧パルス幅 :16.67msec
*電圧保持率:16.7ミリ秒後の液晶セル電位差/0ミリ秒で印加した電圧の値
*判定法
90%以上 :5
85%以上90%未満 :4
80%以上85%未満 :3
75%以上80%未満 :2
75%未満 :1
Figure 2015069052
上記結果から、本発明では、耐熱性、耐溶剤性および電圧保持率に優れた着色組成物を提供できることがわかった。
一方、比較例の着色組成物では、耐熱性、耐溶剤性および電圧保持率が良好ではないことがわかった。

Claims (13)

  1. トリアリールメタン構造を有する分子量2000以下のカチオンと対アニオンを有し、対アニオンが、架橋性基を含む、および/または対アニオンを含む繰り返し単位を有する着色剤と、重合性化合物を含む、着色組成物。
  2. 対アニオンが、−SO3 -、−COO-、−PO4 -、下記一般式(A1)で表される構造および下記一般式(A2)で表される構造から選択される少なくとも1種を有する、請求項1に記載の着色組成物。
    一般式(A1)
    Figure 2015069052
    (一般式(A1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して−SO2−または−CO−を表す。)
    一般式(A2)
    Figure 2015069052
    (一般式(A2)中、R3は、−SO2−または−CO−を表す。R4およびR5はそれぞれ独立して−SO2−、−CO−または−CNを表す。)
  3. 対アニオンが、−SO3 -、−COO-、−PO4 -および下記一般式(A1−1)で表される構造から選択される少なくとも1種を有する、請求項1に記載の着色組成物。
    一般式(A1−1)
    Figure 2015069052
    (一般式(A1−1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して−SO2−または−CO−を表す。X1およびX2は、それぞれ独立してアルキレン基またはアリーレン基を表す。)
  4. 前記トリアリールメタン構造を有する分子量2000以下のカチオンが、一般式(TP1)、一般式(TP2)および一般式(TP3)の少なくともいずれかで表される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色組成物。
    Figure 2015069052
    (一般式(TP1)および(TP2)中、Rtp1〜Rtp4は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。Rtp5、Rtp6、Rtp8、Rtp9およびRtp11は、それぞれ独立して置換基を表す。Rtp7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはNRtp71Rtp72を表す。Rtp71およびRtp72は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。Rtp10は、置換基を表す。a、bおよびcは、それぞれ独立して0〜4の整数を表す。a、bおよびcが2以上の場合、Rtp6、Rtp7およびRtp8のうち2つは、互いに、連結して環を形成してもよい。)
    一般式(TP3)
    Figure 2015069052
    (一般式(TP3)中、Dyeは、前記一般式(TP1)または前記一般式(TP2)で表される構造を表す。L2は、2価の連結基を表し、前記一般式(TP1)または前記一般式(TP2)で表される構造中のいずれかの部位と結合している。)
  5. 前記対アニオンが、アニオンを含む繰り返し単位を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色組成物。
  6. 光重合開始剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色組成物。
  7. カラーフィルタの着色層形成用である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の着色組成物を硬化してなる着色硬化膜。
  9. 請求項8に記載の着色硬化膜を有するカラーフィルタ。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の着色組成物を支持体上に付与して着色組成物層を形成する工程と、該着色組成物層をパターン状に露光する工程と、未露光部を現像除去して着色パターンを形成する工程とを含むカラーフィルタの製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の着色組成物を支持体上に付与して着色組成物層を形成し、硬化して着色層を形成する工程、前記着色層上にフォトレジスト層を形成する工程、露光および現像することにより前記フォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程、もしくは前記レジストパターンをエッチングマスクとして前記着色層をドライエッチングする工程を含む、カラーフィルタの製造方法。
  12. 請求項10または11に記載のカラーフィルタの製造方法によって製造したカラーフィルタ。
  13. 請求項9に記載のカラーフィルタまたは請求項10または11に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタを有する固体撮像素子または画像表示装置。
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