JP2015059196A - 焼成ペースト用共重合体および焼成ペースト組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】適度な粘度を有しながら、塗工性にも優れ、糸曳きの問題もなく、また焼成性も良好である焼成ペースト組成物ならびに上記焼成ペースト組成物にバインダー樹脂として配合されて上記特性を発現させるのに寄与する焼成ペースト用共重合体の提供。【解決手段】アルコール残基が炭素数4〜18の分枝状もしくは環状アルキル基、または炭素数6〜18の無置換もしくはアルキル置換芳香族炭化水素基である(メタ)アクリル酸エステル単量体(a−1)を30mol%以上と重合性二重結合および極性基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有さない単量体(a−2)を20mol%以上とを含む単量体混合物(単量体混合物全体を100mol%とする。)を共重合させて得られる焼成ペースト用共重合体。【選択図】なし
Description
本発明は、焼成ペースト用共重合体および焼成ペースト組成物、ならびに前記焼成ペースト組成物を用いた焼成体の製造方法および焼成体に関する。
焼成ペースト組成物とは、金属粉末、金属酸化物粉末、セラミック粉末、ガラス粉末、蛍光粉末等の無機粉末(フィラー)、バインダー樹脂および溶剤等を含む組成物であって、基材に塗工後焼成して、バインダー樹脂を熱分解し、無機粉末によるパターンを形成するために用いられる組成物である。
例えば、導電性粉末を含む導電性ペースト組成物は、回路形成やコンデンサーの製造等に用いられている。また、セラミック粉末を含むセラミックペースト組成物やガラス粉末を含むガラスペースト組成物は、プラズマディスプレイパネル(PDP)の誘電体層や積層セラミックコンデンサー(MLCC)の製造、蛍光表示管等に用いられている。さらに、酸化インジウムスズ(ITO)を含むペースト組成物は、PDP、液晶ディスプレイパネル(LCD)、太陽電池パネル駆動部の回路形成等を製造するための透明電極材料等に用いられている。加えて、蛍光体を含むペースト組成物は、無機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、PDP等に用いられ、銀を含むペースト組成物は、太陽電池、発光ダイオード(LED)等に用いられている。
この焼成ペースト組成物の基材への塗工には、例えば、スクリーン印刷、ダイコート印刷、ドクターブレード印刷、ロールコート印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンス印刷等を用いた塗布法あるいはシート状に加工するためのキャスティング法等が用いられている。
したがって、上記バインダー樹脂には上記塗工方法による基材への塗工性および無機粉末の分散性が求められる。従来はこれらの性能に優れるエチルセルロースおよびポリビニルブチラールがバインダー樹脂として用いられてきた。
さらに、上記のようにして用いられるバインダー樹脂は、非導電性であるため、焼成後に炭素成分の残渣があると、たとえば導電性粉末によるパターンが形成された電子製品の性能の妨げになる等の問題が生じるため、焼成により炭素成分の残渣を残すことなく熱分解される性質(焼成性)が良好であることが望まれる。しかしながら、上記エチルセルロースおよびポリビニルブチラールは、熱分解性が十分でなく、焼成性が良くなかった。
アクリル系樹脂は、焼成性が良好であるため、焼成ペースト組成物のバインダー樹脂として用いられている(たとえば特許文献1参照)。しかしながら、アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基のカルボニル部位の電荷の偏りにより、ポリマー鎖内およびポリマー鎖間で(メタ)アクリロイル基間の相互作用が生じているため、ポリマー鎖が絡みあった状態で焼成ペースト組成物中に存在する。そのため、塗工時に焼成ペースト組成物が糸曳きを生じるとの問題等が生じていた。そこで、このような問題を解決するために、アルキレンオキシドを官能基として導入したアクリル系樹脂をバインダー樹脂として用いることが提案されているが、焼成ペースト組成物の粘度が低すぎてしまい、塗膜を形成することが難しいという問題があった。
本発明は、適度な粘度を有しながら、塗工性にも優れ、糸曳きの問題もなく、また焼成性も良好である焼成ペースト組成物ならびに上記焼成ペースト組成物にバインダー樹脂として配合されて上記特性を発現させるのに寄与する焼成ペースト用共重合体を提供することを目的とする。
本発明は、たとえば以下の[1]〜[14]である。
[1]下記一般式(I)で表わされる単量体(a−1)を30mol%以上と、
重合性二重結合および極性基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有さない単量体(a−2)を20mol%以上とを含む単量体混合物(単量体混合物全体を100mol%とする。)を共重合させて得られることを特徴とする焼成ペースト用共重合体。
[1]下記一般式(I)で表わされる単量体(a−1)を30mol%以上と、
重合性二重結合および極性基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有さない単量体(a−2)を20mol%以上とを含む単量体混合物(単量体混合物全体を100mol%とする。)を共重合させて得られることを特徴とする焼成ペースト用共重合体。
[2]前記単量体混合物中の、前記単量体(a−1)と前記単量体(a−2)とのモル比が、8:2〜3:7であることを特徴とする[1]に記載の焼成ペースト用共重合体。
[3]SP値が7〜10であることを特徴とする[1]または[2]に記載の焼成ペースト用共重合体。
[4]重量平均分子量が15,000〜1,500,000であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の焼成ペースト用共重合体。
[3]SP値が7〜10であることを特徴とする[1]または[2]に記載の焼成ペースト用共重合体。
[4]重量平均分子量が15,000〜1,500,000であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の焼成ペースト用共重合体。
[5]前記単量体(a−2)における極性基が、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、アセトアセトキシ基、酸無水物基、スルホン酸基、リン酸基、チオール基および複素環基からなる群から選択される少なくとも1種の基であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の焼成ペースト用共重合体。
[6]前記単量体(a−2)が、マレイン酸、マレイン酸のエステル化物、無水マレイン酸および無水マレイン酸のエステル化物からなる群から選択される少なくとも1種とN−ビニルピロリドンとの組み合わせ、マレイン酸、マレイン酸のエステル化物、無水マレイン酸および無水マレイン酸のエステル化物からなる群から選択される少なくとも1種と1,4−エポキシー4−ビニルシクロヘキサンとの組み合わせ、ならびにシクロヘキシルマレイミドとN−ビニルピロリドンの組み合わせからなる群から選択される1種の組み合わせであることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の焼成ペースト用共重合体。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の共重合体(A)と、
溶剤(B)と、
無機粉末(C)とを含むことを特徴とする焼成ペースト組成物。
溶剤(B)と、
無機粉末(C)とを含むことを特徴とする焼成ペースト組成物。
[8]前記共重合体(A)と前記溶剤(B)とが下記式(II)の関係を満たすことを特徴とする[7]に記載の焼成ペースト組成物。
|(共重合体(A)のSP値)−(溶剤(B)のSP値)|≦2・・・(II)
[9]焼成ペースト組成物100重量%に対して、前記共重合体(A)を1〜15重量%含み、前記溶剤(B)を20〜70重量%含み、前記無機粉末(C)を20〜70重量%含むことを特徴とする[7]または[8]に記載の焼成ペースト組成物。
|(共重合体(A)のSP値)−(溶剤(B)のSP値)|≦2・・・(II)
[9]焼成ペースト組成物100重量%に対して、前記共重合体(A)を1〜15重量%含み、前記溶剤(B)を20〜70重量%含み、前記無機粉末(C)を20〜70重量%含むことを特徴とする[7]または[8]に記載の焼成ペースト組成物。
[10]さらに分散剤(D)を含むことを特徴とする[7]〜[9]のいずれかに記載の焼成ペースト組成物。
[11][7]〜[10]のいずれかに記載の焼成ペースト組成物と基材とを含むグリーンシート。
[11][7]〜[10]のいずれかに記載の焼成ペースト組成物と基材とを含むグリーンシート。
[12][7]〜[10]のいずれかに記載の焼成ペースト組成物を用いて製造された積層セラミックコンデンサー。
[13][7]〜[10]のいずれかに記載の焼成ペースト組成物を基材に塗布する工程と、
塗布された前記焼成ペースト組成物を乾燥させる工程と、
乾燥させた前記焼成ペースト組成物と基材との積層物を焼成する工程とを含む、焼成体の製造方法。
[14][13]に記載の焼成体の製造方法によって得られる焼成体。
[13][7]〜[10]のいずれかに記載の焼成ペースト組成物を基材に塗布する工程と、
塗布された前記焼成ペースト組成物を乾燥させる工程と、
乾燥させた前記焼成ペースト組成物と基材との積層物を焼成する工程とを含む、焼成体の製造方法。
[14][13]に記載の焼成体の製造方法によって得られる焼成体。
本発明の焼成ペースト用共重合体をバインダー樹脂として配合した焼成ペースト組成物は、チキソトロピック性に優れるとともにおよび擬塑性という特性を有するため、適度な粘度を有しながら、塗工時には攪拌等の応力をかけることにより流動性が良好となり、塗工性と塗膜形成性に優れ、塗膜の表面が平滑である。また塗工時の糸曳きが抑制されるとともに、焼成性も良好である。さらに、本発明の焼成ペースト用共重合体は、溶剤との相溶性も良好である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの両方または一方を示すために用いられ、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの両方または一方を示すために用いられ、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの両方または一方を示すために用いられる。
本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの両方または一方を示すために用いられ、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの両方または一方を示すために用いられ、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの両方または一方を示すために用いられる。
1.焼成ペースト用共重合体
本発明の焼成ペースト用共重合体は、下記一般式(I)で表わされる単量体(a−1)を30mol%以上と、重合性二重結合および極性基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有さない単量体(a−2)を20mol%以上とを含む単量体混合物(単量体混合物全体を100mol%とする。)を共重合させて得られる。
本発明の焼成ペースト用共重合体は、下記一般式(I)で表わされる単量体(a−1)を30mol%以上と、重合性二重結合および極性基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有さない単量体(a−2)を20mol%以上とを含む単量体混合物(単量体混合物全体を100mol%とする。)を共重合させて得られる。
(1)単量体(a−1)
単量体(a−1)は上記一般式(I)で表わされる。
一般式(I)中、R1は水素原子またはメチル基である。
単量体(a−1)は上記一般式(I)で表わされる。
一般式(I)中、R1は水素原子またはメチル基である。
一般式(I)中、R2は炭素数4〜18の分枝状もしくは環状アルキル基、または炭素数6〜18の無置換もしくはアルキル置換芳香族炭化水素基である。
上記炭素数4〜18の分枝状アルキル基としては、炭素数4〜18のiso−アルキル基、sec−アルキル基、tert−アルキル基が挙げられ、具体例としては、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ネオペンチル基、イソオクチル基等が挙げられる。
上記炭素数4〜18の分枝状アルキル基としては、炭素数4〜18のiso−アルキル基、sec−アルキル基、tert−アルキル基が挙げられ、具体例としては、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ネオペンチル基、イソオクチル基等が挙げられる。
上記炭素数4〜18の環状アルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基、ビシクロオクチル基、トリシクロドデシル基、イソボルニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、ジシクロペンタニル基等が挙げられる。
上記炭素数6〜18の無置換もしくはアルキル置換芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基およびこれらの基がアルキル基で置換された基(たとえば、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメンチル基等)等が挙げられる。
R2は、上記炭素数4〜18の分枝状もしくは環状アルキル基、および炭素数6〜18の無置換もしくはアルキル置換芳香族炭化水素基の中でも、溶剤への溶解性の観点から炭素数4〜18の分枝状もしくは環状アルキル基が好ましく、焼成ペースト組成物の粘度を塗膜形成可能な値にする観点から炭素数4〜10の分枝状もしくは環状アルキル基がより好ましく、炭素数4〜10の分枝状アルキル基がさらに好ましい。
単量体(a−1)の具体例としては、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートiso−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、このうち、焼成ペースト組成物の粘度や焼成性の観点から、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記単量体混合物100mol%中、単量体(a−1)は30mol%以上であり、好ましくは30〜80mol%であり、より好ましくは40〜60mol%である。単量体(a−1)の割合が上記範囲にあると、焼成性が良好であり、溶剤溶解性が良好である。
(2)単量体(a−2)
単量体(a−2)は、重合性二重結合および極性基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有さない。
単量体(a−2)は、重合性二重結合および極性基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有さない。
また、単量体(a−2)は、焼成ペースト用共重合体の分子内および分子間に相互作用を形成する観点から、炭素数4以上の分枝状もしくは環状アルキル基、または炭素数6以上の無置換もしくはアルキル置換芳香族炭化水素基を有さないことが好ましい。
本明細書において極性基とは、極性の偏りのある官能基をいい、たとえば複素環におけるヘテロ原子と炭素との結合も極性の偏りがあるものとして、複素環基も極性基に含める。エステル基は極性基に含めない。
重合性二重結合としては、ビニル基および環内二重結合が挙げられる。
極性基としては、たとえば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、アセトアセトキシ基、酸無水物基、スルホン酸基、リン酸基、チオール基、エポキシ基、複素環基等が挙げられ、これらの極性基は1種単独でも、2種以上存在していてもよい。これらの極性基の中では、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、酸無水物基、ラクタム基、オキシラン基、およびオキセタン基が好ましく、水酸基、アミノ基、酸無水物基、ラクタム基およびオキシラン基がさらに好ましい。
極性基としては、たとえば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、アセトアセトキシ基、酸無水物基、スルホン酸基、リン酸基、チオール基、エポキシ基、複素環基等が挙げられ、これらの極性基は1種単独でも、2種以上存在していてもよい。これらの極性基の中では、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、酸無水物基、ラクタム基、オキシラン基、およびオキセタン基が好ましく、水酸基、アミノ基、酸無水物基、ラクタム基およびオキシラン基がさらに好ましい。
単量体(a−2)が(メタ)アクリロイル基を含まないのは、(メタ)アクリロイル基を含有していると樹脂の絡み合いが大きく、結果として糸曳きが大きくなってしまうためである。
単量体(a−2)の具体例としては、無水マレイン酸、無水マレイン酸のエステル化物、マレイン酸、マレイン酸のエステル化物(以下、無水マレイン酸、無水マレイン酸のエステル化物、マレイン酸およびマレイン酸のエステル化物を「マレイン酸類」ともいう。)、フマル酸、N−ビニルピロリドン、1,4−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、メチルマレイミド、ビニルスルホン酸、N−ビニルアセトアミド、シクロヘキシルマレイミド等が挙げられ、焼成ペースト用共重合体が幅広い溶剤に良好な溶解性を示す観点から、N−ビニルピロリドン、マレイン酸類、1,4−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンが好ましい。
塗工性の観点からは、単量体(a−2)は2種以上用いることが好ましい。単量体(a−2)の好適な組み合わせとしては、マレイン酸類の中の少なくとも1種とN−ビニルピロリドンとの組み合わせ、マレイン酸類の中の少なくとも1種と1,4−エポキシー4−ビニルシクロヘキサンとの組み合わせ、シクロヘキシルマレイミドとN−ビニルピロリドンとの組み合わせ等が挙げられる。
前記単量体混合物100mol%中、単量体(a−2)は20mol%以上であり、好ましくは20〜60mol%であり、より好ましくは30〜50mol%である。単量体(a−2)の割合が上記範囲にあると、チキソトロピック性および擬塑性が良好であるため、粘度が適度であり、焼成性を低下させることもない。
(3)単量体(a−3)
本発明の本発明の焼成ペースト用共重合体は、上記単量体(a−1)および単量体(a−2)以外に単量体(a−3)を含んでいてもよい。単量体(a−3)は、糸曳きを抑制するために、(メタ)アクリロイル基を含まないことが好ましい。
本発明の本発明の焼成ペースト用共重合体は、上記単量体(a−1)および単量体(a−2)以外に単量体(a−3)を含んでいてもよい。単量体(a−3)は、糸曳きを抑制するために、(メタ)アクリロイル基を含まないことが好ましい。
単量体(a−3)の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系単量体;エチレン、プロピレン等のオレフィン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルトルエン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルトリメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
前記単量体混合物100mol%中、単量体(a−3)は好ましくは0〜50mol%であり、より好ましくは10〜40mol%であり、特に好ましくは10〜30mol%である。単量体(a−3)の割合が上記範囲にあると、溶剤可溶性の調整が可能である。
(4)単量体混合物
前記単量体混合物は、単量体(a−1)、単量体(a−2)、および任意に単量体(a−3)を前記割合で含む。
前記単量体混合物は、単量体(a−1)、単量体(a−2)、および任意に単量体(a−3)を前記割合で含む。
また、焼成性の観点および塗工性の観点から、モル比で、単量体(a−1):単量体(a−2)=8:2〜3:7が好ましく、6:4〜4:6であることがより好ましい。
なお、アクリル系樹脂の重合においては、反応率が100%であるので、上記単量体混合物中の各単量体の割合は、上記単量体混合物を共重合して得られた共重合体中の各単量体由来の構成単位の割合に等しい。
なお、アクリル系樹脂の重合においては、反応率が100%であるので、上記単量体混合物中の各単量体の割合は、上記単量体混合物を共重合して得られた共重合体中の各単量体由来の構成単位の割合に等しい。
(5)焼成ペースト用共重合体の製造方法
本発明の焼成ペースト用共重合体の重合方法は、特に制限されるものではないが、通常は溶液重合を用いることが好ましい。溶液重合は、一般に、重合槽内に所定の有機溶媒、単量体、重合開始剤を仕込み、窒素等の不活性ガス気流中、適当な重合温度で、撹拌しながら数時間加熱反応させることにより行われる。この場合、有機溶媒、単量体、重合開始剤および/または連鎖移動剤の少なくとも一部を逐次添加してもよい。
本発明の焼成ペースト用共重合体の重合方法は、特に制限されるものではないが、通常は溶液重合を用いることが好ましい。溶液重合は、一般に、重合槽内に所定の有機溶媒、単量体、重合開始剤を仕込み、窒素等の不活性ガス気流中、適当な重合温度で、撹拌しながら数時間加熱反応させることにより行われる。この場合、有機溶媒、単量体、重合開始剤および/または連鎖移動剤の少なくとも一部を逐次添加してもよい。
重合用有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラリン、デカリン、芳香族ナフサ等で例示される芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−デカン、ジペンテン、石油スピリット、石油ナフサ、テレピン油等で例示される脂肪族系または脂環族系炭化水素、酢酸アルキル(ここで、アルキルとしてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルなどが例示される。以下、同じ。)、安息香酸メチル等で例示されるエステル、エチレングリコールもしくはジエチレングリコールのモノアセテート、ジアセテート、アルキルエーテルアセテート(例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)、モノアルキルエーテル、ジアルキルエーテル等で例示されるエチレングリコールの誘導体、プロピレングリコール、ジプロピレンエチレングリコール、トリプロピレングリコールのいずれかのグリコールのモノアセテート、ジアセテート、アルキルエーテルアセテート、モノアルキルエーテル(例えば、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル)、ジアルキルエーテル等で例示されるプロピレングリコール誘導体、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等で例示されるケトン、テキサノール(2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールモノイソブチレート)などを挙げることができる。これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、または、2種以上混合して用いることができる。重合用有機溶媒としては沸点が高い溶剤が好ましく、具体的には沸点が50〜300℃の溶剤がより好ましい。
重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、カプロイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジ−i−プロピルパーオキシジーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシビバレート等で例示される有機過酸化物、2,2'−アゾビス−i−ブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等で例示されるアゾ化合物などをそれぞれ単独又は組み合わせて使用することができる。
重合開始剤の使用量は、単量体の合計100質量部当り、一般には、0.01〜5質量部であり、0.02〜2質量部の範囲内とすることが好ましい。
重合温度としては、40〜180℃が好ましい。重合温度が上記範囲であると、十分な反応速度が得られるとともに、温度が高すぎることによる解重合が生じることもない。
重合温度としては、40〜180℃が好ましい。重合温度が上記範囲であると、十分な反応速度が得られるとともに、温度が高すぎることによる解重合が生じることもない。
上記重合温度で反応させる時間は4〜12時間が好ましい。反応時間が上記範囲であると、反応を完全に進行させることができる。
上記反応を行なった後、反応混合物は室温まで冷却する。そして、ヘキサン等の非極性溶媒を用いて、共重合体を析出させる。析出した共重合体は濾別して、乾燥させる。
上記反応を行なった後、反応混合物は室温まで冷却する。そして、ヘキサン等の非極性溶媒を用いて、共重合体を析出させる。析出した共重合体は濾別して、乾燥させる。
(6)焼成ペースト用共重合体の分子量
前記焼成ペースト用共重合体は、良好な塗工性を確保する観点から、重量平均分子量が15,000〜1,500,000であることが好ましく、50,000〜800,000であることがより好ましい。前記共重合体の重量平均分子量が上記範囲にあると、基材への塗工に適したペースト粘度とすることができる一方、糸曳きの問題も生じることがないので、塗工性が良好である。なお、本発明において、分子量を測定する方法は、後述する実施例に記載の方法を用いる。
前記焼成ペースト用共重合体は、良好な塗工性を確保する観点から、重量平均分子量が15,000〜1,500,000であることが好ましく、50,000〜800,000であることがより好ましい。前記共重合体の重量平均分子量が上記範囲にあると、基材への塗工に適したペースト粘度とすることができる一方、糸曳きの問題も生じることがないので、塗工性が良好である。なお、本発明において、分子量を測定する方法は、後述する実施例に記載の方法を用いる。
(7)焼成ペースト用共重合体のSP値
前記焼成ペースト用共重合体は、適度な粘性を有しつつ、幅広い溶剤への溶解性を担保する観点から、SP値が7〜10であることが好ましく、SP値が8〜10であることがより好ましい。前記共重合体のSP値は、重合体の極性を示す指標であり、焼成ペースト組成物において使用される溶剤への溶解性を確認するための目安である。本発明において、前記重合体のSP値および後述する溶剤のSP値は、OkitsuのΔFの定数(沖津俊直著、「接着」、第40巻8号、342頁(1996年))より算出することができる。
前記焼成ペースト用共重合体は、適度な粘性を有しつつ、幅広い溶剤への溶解性を担保する観点から、SP値が7〜10であることが好ましく、SP値が8〜10であることがより好ましい。前記共重合体のSP値は、重合体の極性を示す指標であり、焼成ペースト組成物において使用される溶剤への溶解性を確認するための目安である。本発明において、前記重合体のSP値および後述する溶剤のSP値は、OkitsuのΔFの定数(沖津俊直著、「接着」、第40巻8号、342頁(1996年))より算出することができる。
(8)焼成ペースト用共重合体における各単量体の選択理由
焼成ペースト用共重合体における各単量体に由来する構成単位は以下のような相互関係により特性を発揮しているものと考えられる。
焼成ペースト用共重合体における各単量体に由来する構成単位は以下のような相互関係により特性を発揮しているものと考えられる。
前述のように、従来、アクリル系樹脂を焼成ペースト組成物に用いると、ポリマー鎖が絡みあった状態で焼成ペースト組成物中に存在するため、塗工時に糸曳きする等の問題があった。
単量体(a−1)に由来する構成単位における置換基R2は、炭素数4〜18の分枝状もしくは環状アルキル基、または炭素数6〜18の無置換もしくはアルキル置換芳香族炭化水素基であり、いずれも直鎖状アルキル基より嵩高く、また基の中で電荷の偏りもない。よって、置換基R2は、立体障害基として機能すると考えられる。具体的には、置換基R2によって、焼成ペースト用共重合体の(メタ)アクリロイル基同士は、両者の間に立体障害基であるR2が存在することになり近づきにくくなるため、相互作用がなくなると考えられる。また、置換基R2は、基内の電荷の偏りもないため、相互作用を生じることもない。その結果、焼成ペースト用共重合体の(メタ)アクリロイル基間の相互作用に由来するポリマー鎖内およびポリマー鎖間の絡まりが抑制され、この共重合体を配合した焼成ペースト組成物は、糸曳きが抑制されると考えられる。
しかしながら、置換基R2の存在によって、焼成ペースト用共重合体のポリマー鎖内およびポリマー鎖間の絡まりを抑制すると、該共重合体を配合した焼成ペースト組成物の粘度が下がりすぎてしまい、焼成ペースト組成物を基材に塗布した際に塗膜を形成することが難しくなる等の問題が生じる。一方、塗工時には粘度が下がった方が望ましい。なぜなら、たとえばスクリーン印刷により焼成ペースト組成物を基板に塗布する場合は、焼成ペースト組成物を目の細かなメッシュ上にスキージで擦って塗布するため、焼成ペースト組成物がメッシュをきれいに通り抜ける必要があるからである。したがって、焼成ペースト組成物には、適度な粘度を有しつつ、塗工時には擦りや攪拌等の応力を与えることにより適度な流動性を発揮すること(チキソトロピック性)が求められる。単量体(a−2)に由来する構成単位における極性基は、焼成ペースト組成物にチキソトロピック性を与える目的で導入されている。本発明の焼成ペースト用共重合体は、単量体(a−1)に由来する構成単位における立体障害基により、ポリマー鎖内およびポリマー鎖間の絡まりが除かれた状態で、ポリマー鎖間に単量体(a−2)に由来する構成単位における極性基による相互作用のみが存在していると考えられる。単量体(a−2)に由来する構成単位における極性基によるポリマー鎖間の相互作用は、焼成ペースト組成物に適度な粘度を生じさせると考えられる。その反面、この相互作用は、共有結合よりも弱いため、塗工時には擦りや攪拌等の応力により容易に切断される。その結果、本発明の焼成ペースト用共重合体を配合した焼成ペースト組成物は、適度な粘度を有しながら、擦りや攪拌等により応力を与えると流動性が生じて、良好な塗工性を発揮するという良好なチキソトロピック性を発揮しているものと考えられる。
2.焼成ペースト組成物
本発明の第2の態様である焼成ペースト組成物は、上記焼成ペースト用共重合体(以下「共重合体(A)」ともいう。)、溶剤(B)および無機粉末(C)を含み、さらに必要に応じて分散剤(D)を含むことが好ましい。
本発明の第2の態様である焼成ペースト組成物は、上記焼成ペースト用共重合体(以下「共重合体(A)」ともいう。)、溶剤(B)および無機粉末(C)を含み、さらに必要に応じて分散剤(D)を含むことが好ましい。
(1)共重合体(A)
本発明の焼成ペースト組成物は、焼成ペースト組成物100重量%に対して、共重合体(A)を好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜8重量%含む。
本発明の焼成ペースト組成物は、焼成ペースト組成物100重量%に対して、共重合体(A)を好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜8重量%含む。
共重合体(A)の割合が上記範囲にあると、溶剤(B)との相溶性が良好であるとともに、焼成ペースト組成物に適度な粘性を付与することができ、焼成ペースト組成物中の無機粉末(C)の分散性および焼成ペースト組成物の基板への結着性も良好である。
(2)溶剤(B)
溶剤(B)としては、焼成後に残渣が残らず、共重合体(A)を溶解することができる溶剤であれば制限なく用いることができるが、共重合体(A)と溶剤(B)とが下記式(II)の関係を満たす溶剤を用いると、共重合体(A)と溶剤(B)との相溶性が高まり、焼成ペースト組成物を作成した際の安定性が増すため好ましい。
|(共重合体(A)のSP値)−(溶剤(B)のSP値)|≦2・・・(II)
溶剤(B)としては、焼成後に残渣が残らず、共重合体(A)を溶解することができる溶剤であれば制限なく用いることができるが、共重合体(A)と溶剤(B)とが下記式(II)の関係を満たす溶剤を用いると、共重合体(A)と溶剤(B)との相溶性が高まり、焼成ペースト組成物を作成した際の安定性が増すため好ましい。
|(共重合体(A)のSP値)−(溶剤(B)のSP値)|≦2・・・(II)
溶剤(B)の例としては、例えば、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロタピニルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールアルキルエーテルアセテート(ここで、アルキルとしては、n−ブチル、プロピル、エチルなどが例示される。以下同じ。)、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、エチレングリコールアルキルエーテル、ジプロピレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールジイソブチレート、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールジイソブチレート等の有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤はそれぞれ単独で、または、2種以上混合して用いることができる。溶剤の沸点、レベリング性の観点から、より好ましい溶剤は、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロタピニルアセテート、ブチルカルビトールアセテートである。
また、溶剤(B)の沸点は150〜300℃であることが好ましく、200〜290℃であることがより好ましく、220〜280℃であることがさらに好ましい。沸点が上記範囲にあると、スクリーン印刷後のペーストの乾燥速度が速すぎて版の目詰まりとなることもない一方で、乾燥速度が遅すぎて作業性が低下することもない。
本発明の焼成ペースト組成物は、焼成ペースト組成物100重量%に対して、溶剤(B)を好ましくは20〜70重量%、より好ましくは30〜60重量%含む。
溶剤(B)の割合が上記範囲にあると、共重合体(A)との相溶性が良好であるとともに、ペーストとして所望の粘度を発現することができる。
溶剤(B)の割合が上記範囲にあると、共重合体(A)との相溶性が良好であるとともに、ペーストとして所望の粘度を発現することができる。
(3)無機粉末(C)
無機粉末(C)としては、例えば、金属粉末、金属酸化物粉末、ガラス粉末、顔料粉末、蛍光体粉末、セラミック粉末等が挙げられる。これらの無機粉末はそれぞれ単独で、または、2種以上混合して用いることができる。
無機粉末(C)としては、例えば、金属粉末、金属酸化物粉末、ガラス粉末、顔料粉末、蛍光体粉末、セラミック粉末等が挙げられる。これらの無機粉末はそれぞれ単独で、または、2種以上混合して用いることができる。
金属粉末としては、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、タングステンやこれらの合金等からなる粉末等が挙げられる。
金属酸化物粉末としては、例えば、ITO、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等が挙げられる、
ガラス粉末としては、例えば、酸化ビスマスガラス、ケイ酸塩ガラス、鉛ガラス、亜鉛ガラス、ボロンガラスや各種ケイ素酸化物のガラス粉末等が挙げられる。
金属酸化物粉末としては、例えば、ITO、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等が挙げられる、
ガラス粉末としては、例えば、酸化ビスマスガラス、ケイ酸塩ガラス、鉛ガラス、亜鉛ガラス、ボロンガラスや各種ケイ素酸化物のガラス粉末等が挙げられる。
セラミック粉末としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、チタン酸バリウム、窒化アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等が挙げられる。
本発明の焼成ペースト組成物は、焼成ペースト組成物100重量%に対して、無機粉末(C)を好ましくは20〜70重量%、より好ましくは40〜60重量%含む。
本発明の焼成ペースト組成物は、焼成ペースト組成物100重量%に対して、無機粉末(C)を好ましくは20〜70重量%、より好ましくは40〜60重量%含む。
無機粉末(C)の割合が上記範囲にあると、焼成ペースト組成物から得られる焼成体の導電性等の各性能が良好であるとともに、焼成ペースト組成物中での分散性も良好である。
(4)分散剤(D)
分散剤(D)としては、例えば、カチオン系分散剤、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、両性界面活性剤、高分子系分散剤が挙げられる。これらの分散剤はそれぞれ単独で、または、2種以上混合して用いることができる。
分散剤(D)としては、例えば、カチオン系分散剤、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、両性界面活性剤、高分子系分散剤が挙げられる。これらの分散剤はそれぞれ単独で、または、2種以上混合して用いることができる。
カチオン系分散剤としては、ポリアミン系の分散剤等が挙げられる。
アニオン系分散剤としては、カルボン酸系、リン酸エステル系、硫酸エステル系、スルホン酸エステル系の分散剤等が挙げられる。
アニオン系分散剤としては、カルボン酸系、リン酸エステル系、硫酸エステル系、スルホン酸エステル系の分散剤等が挙げられる。
ノニオン系分散剤としては、ポリエチレングリコール系分散剤等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボン酸と第4級アンモニウム塩とを有する界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボン酸と第4級アンモニウム塩とを有する界面活性剤等が挙げられる。
高分子系分散剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
本発明の焼成ペースト組成物は、焼成ペースト組成物100重量%に対して、分散剤(D)を好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%含む。
分散剤(D)の割合が上記範囲にあると、無機粉末(C)の焼成ペースト組成物中での分散性がより良好となる。
本発明の焼成ペースト組成物は、焼成ペースト組成物100重量%に対して、分散剤(D)を好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%含む。
分散剤(D)の割合が上記範囲にあると、無機粉末(C)の焼成ペースト組成物中での分散性がより良好となる。
(5)その他の成分
本発明の焼成ペースト組成物には、上述した成分のほかに、本発明の目的を損なわない範囲で従来知られている可塑剤、湿潤剤、消泡剤等を含有してもよい。
本発明の焼成ペースト組成物には、上述した成分のほかに、本発明の目的を損なわない範囲で従来知られている可塑剤、湿潤剤、消泡剤等を含有してもよい。
(6)焼成ペースト組成物の製造方法
本発明の焼成ペースト組成物は、後述のとおり粘性を有するため、上述した各成分を、ミキサー、ロール等を単独または適宜組み合わせて1段階または数段階に分けて混練することによって製造されることが好ましい。また、必要に応じて、30〜150℃で加熱してもよい。
本発明の焼成ペースト組成物は、後述のとおり粘性を有するため、上述した各成分を、ミキサー、ロール等を単独または適宜組み合わせて1段階または数段階に分けて混練することによって製造されることが好ましい。また、必要に応じて、30〜150℃で加熱してもよい。
(7)焼成ペースト組成物の粘度
本発明の焼成ペースト組成物の25℃における粘度は、好ましくは1〜200Pa・s、より好ましくは3Pa・s超え100Pa・s以下である。粘度が上記範囲にあると、塗工性に優れるとともに塗膜形成性も優れる。粘度の測定方法は、後述の実施例に記載の方法による。上記粘度は、焼成ペースト組成物を組成物が均一な状態になるまで混練してから測定した値である。たとえば、共重合体(A)、(B)成分のジヒドロターピネオール、および(C)成分の平均粒子径200nmのニッケルフィラーからなる組成物(重量配合比:6/38/56)を自転・公転ミキサーで混練した後、さらに3本ロールで混練して得られるペースト組成物を例に挙げると、25℃における粘度が1〜200Pa・sの範囲内であり、好ましくは5〜100Pa・sの範囲内である。
本発明の焼成ペースト組成物の25℃における粘度は、好ましくは1〜200Pa・s、より好ましくは3Pa・s超え100Pa・s以下である。粘度が上記範囲にあると、塗工性に優れるとともに塗膜形成性も優れる。粘度の測定方法は、後述の実施例に記載の方法による。上記粘度は、焼成ペースト組成物を組成物が均一な状態になるまで混練してから測定した値である。たとえば、共重合体(A)、(B)成分のジヒドロターピネオール、および(C)成分の平均粒子径200nmのニッケルフィラーからなる組成物(重量配合比:6/38/56)を自転・公転ミキサーで混練した後、さらに3本ロールで混練して得られるペースト組成物を例に挙げると、25℃における粘度が1〜200Pa・sの範囲内であり、好ましくは5〜100Pa・sの範囲内である。
(8)焼成ペースト組成物から得られる塗膜の表面粗さ
本発明の焼成ペースト組成物を、ガラス板に640メッシュ、ギャップ0.1mm、速度30cm/秒でスクリーン塗工後、乾燥したものを表面粗さ計で測定したときの表面粗さ(Ra)は、0.2μm以下が好ましく、0.15μm以下がより好ましい。
本発明の焼成ペースト組成物を、ガラス板に640メッシュ、ギャップ0.1mm、速度30cm/秒でスクリーン塗工後、乾燥したものを表面粗さ計で測定したときの表面粗さ(Ra)は、0.2μm以下が好ましく、0.15μm以下がより好ましい。
3.焼成体の製造方法および該製造方法により得られた焼成体
前記焼成ペースト組成物を用いた焼成体の製造方法は、
前記焼成ペースト組成物を基材に塗布する工程(以下「塗布工程」ともいう。)と、
塗布された前記焼成ペースト組成物を乾燥させる工程(以下「乾燥工程」ともいう。)と、
乾燥させた前記焼成ペースト組成物と基材との積層物を焼成する工程(以下「焼成工程」ともいう。)とを含む。
前記焼成ペースト組成物を用いた焼成体の製造方法は、
前記焼成ペースト組成物を基材に塗布する工程(以下「塗布工程」ともいう。)と、
塗布された前記焼成ペースト組成物を乾燥させる工程(以下「乾燥工程」ともいう。)と、
乾燥させた前記焼成ペースト組成物と基材との積層物を焼成する工程(以下「焼成工程」ともいう。)とを含む。
塗布工程における基材としては、金属、セラミックス、プラスチック、半導体等の部材が挙げられる。
塗布工程における塗布方法としては、スクリーン印刷、ダイコート印刷、ドクターブレード印刷、ロールコート印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンス印刷等を用いた塗布法、シート状に加工するためのキャスティング法が挙げられ、スクリーン印刷が好ましい。
乾燥工程は、溶剤(B)の乾燥を行う。
塗布工程における塗布方法としては、スクリーン印刷、ダイコート印刷、ドクターブレード印刷、ロールコート印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンス印刷等を用いた塗布法、シート状に加工するためのキャスティング法が挙げられ、スクリーン印刷が好ましい。
乾燥工程は、溶剤(B)の乾燥を行う。
焼成工程は、共重合体(A)を熱分解するために、窒素ガス等の不活性ガス気流下、通常500〜1,000℃で、1〜5時間行われる。
上記製造方法により、焼成体が得られる。
上記製造方法により、焼成体が得られる。
4.焼成ペースト組成物の用途
本発明の焼成ペースト組成物は、例えば、スクリーン印刷、ダイコート印刷、ドクターブレード印刷、ロールコート印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンス印刷等を用いて塗布するために使用することができ、中でも、スクリーン印刷に好適に用いられる。
本発明の焼成ペースト組成物は、例えば、スクリーン印刷、ダイコート印刷、ドクターブレード印刷、ロールコート印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンス印刷等を用いて塗布するために使用することができ、中でも、スクリーン印刷に好適に用いられる。
本発明の焼成ペースト組成物の具体的な用途としては、MLCCの製造に用いられる内部電極用ペースト、端子電極用ペースト、低温同時焼成セラミックス(LTCC)の製造に用いられる内部電極用ペースト、タッチパネルスクリーン用ペースト、PDP製造に用いられる誘電体ペースト、隔壁材ペースト、蛍光体ペーストやFEDの封止やICパッケージの封止に用いられる封止用ガラスペースト、グリーンシート用ペースト等が挙げられ、例えば、MLCCのグリーンシートの製造のために使用することが好ましい。ここで、グリーンシートとは、焼成ペースト組成物を基材に塗布して得られた薄板状の未焼成体を意味する。
本発明の焼成ペースト組成物を用いて、例えば、以下の方法を用いてMLCCを製造することができる。セラミック原料に、エタノール、およびポリビニルブチラール系バインダーを加えて混合、分散し、セラミックスラリーを作製する。次いで、このセラミックスラリーをシート状に成形し、セラミックグリーンシートを得る。そして、このセラミックグリーンシートに、内部電極形成用の本発明の焼成ペースト組成物(無機粉末(C)としてニッケル粉末を使用)を印刷して、内部電極パターン(導電性ペースト層)を形成し、乾燥させる。
次いで、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを、内部電極パターンが交互に逆の端部側に引き出されるように複数枚積層し、未焼成の積層体を得る。
次いで、この積層体を、N2等の不活性ガス雰囲気中で焼成してセラミック積層体(積層セラミック素子)を得る。焼成後得られたセラミック積層体の両端面にCuペーストを塗布し、N2等の不活性ガス雰囲気中で焼成し、内部電極と電気的に接続された端子電極を形成することにより、MLCCが得られる。
次いで、この積層体を、N2等の不活性ガス雰囲気中で焼成してセラミック積層体(積層セラミック素子)を得る。焼成後得られたセラミック積層体の両端面にCuペーストを塗布し、N2等の不活性ガス雰囲気中で焼成し、内部電極と電気的に接続された端子電極を形成することにより、MLCCが得られる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例における各値の測定条件は以下の通りである。
実施例における各値の測定条件は以下の通りである。
なお、測定条件の記載において、「(共)重合体」とは、製造例1〜10で製造したポリマー1〜10およびエチルセルロースのいずれかを示し、「溶剤」とは、ブチルカルビトールアセテート、ジヒドロターピネオールおよびジヒドロタピニルアセテートのいずれかを示し、「焼成ペースト組成物」とは、実施例1〜24および比較例1〜9で製造した焼成ペースト組成物のいずれかを示す。
<重量平均分子量(Mw)>
重量平均分子量は、ゲルパーミッションクロマトグラフィーによる分析を行い、ポリスチレン換算により算出した。
装置:GPC−8220(東ソー社製)
カラム:G7000HXL/7.8mmID×1本 + GMHXL/7.8mmID×2本 + G2500HXL/7.8mmID×1本
媒体:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
濃度:1.5mg/ml
注入量:300μL
カラム温度:40℃
重量平均分子量は、ゲルパーミッションクロマトグラフィーによる分析を行い、ポリスチレン換算により算出した。
装置:GPC−8220(東ソー社製)
カラム:G7000HXL/7.8mmID×1本 + GMHXL/7.8mmID×2本 + G2500HXL/7.8mmID×1本
媒体:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
濃度:1.5mg/ml
注入量:300μL
カラム温度:40℃
<SP値>
SP値は、OkitsuのΔFの定数(沖津俊直著、「接着」、第40巻8号、342頁(1996年))より算出した。
SP値は、OkitsuのΔFの定数(沖津俊直著、「接着」、第40巻8号、342頁(1996年))より算出した。
<粘度>
焼成ペースト組成物をE型粘度計によって25℃にて粘度の測定を行ない、以下の基準で評価した。
粘度が5Pa・sを超え100Pa・s以下である場合:◎
粘度が3Pa・sを超え5Pa・s以下である場合:○
粘度が1Pa・s以上 3Pa・s以下である場合:△
粘度が1Pa・s未満である場合:×
焼成ペースト組成物をE型粘度計によって25℃にて粘度の測定を行ない、以下の基準で評価した。
粘度が5Pa・sを超え100Pa・s以下である場合:◎
粘度が3Pa・sを超え5Pa・s以下である場合:○
粘度が1Pa・s以上 3Pa・s以下である場合:△
粘度が1Pa・s未満である場合:×
<糸曳き性>
E型粘度計によって25℃で測定した粘度が5Pa・sとなるような配合で(共)重合体を溶剤へ溶解した溶液にガラス棒を突き刺し引き上げた際に、溶液表面とガラス棒間に糸状で存在する溶液が切れるのに要する時間について測定を行ない、以下の基準で評価した。
3秒以下場合:○
3秒を超え、5秒以下である場合:△
5秒を超える場合:×
E型粘度計によって25℃で測定した粘度が5Pa・sとなるような配合で(共)重合体を溶剤へ溶解した溶液にガラス棒を突き刺し引き上げた際に、溶液表面とガラス棒間に糸状で存在する溶液が切れるのに要する時間について測定を行ない、以下の基準で評価した。
3秒以下場合:○
3秒を超え、5秒以下である場合:△
5秒を超える場合:×
<塗工性>
焼成ペースト組成物をガラス板に640メッシュ、ギャップ0.1mm、速度30cm/秒でスクリーン塗工後、乾燥したものの表面粗さ(Ra)を表面粗さ計で測定し、以下の基準にしたがって塗膜の表面平滑さにより塗工性を評価した。
Raが0.15μm以下である場合:○
Raが0.15μmを超えかつ0.2μm以下である場合:△
Raが0.2μmを超える場合:×
焼成ペースト組成物をガラス板に640メッシュ、ギャップ0.1mm、速度30cm/秒でスクリーン塗工後、乾燥したものの表面粗さ(Ra)を表面粗さ計で測定し、以下の基準にしたがって塗膜の表面平滑さにより塗工性を評価した。
Raが0.15μm以下である場合:○
Raが0.15μmを超えかつ0.2μm以下である場合:△
Raが0.2μmを超える場合:×
<焼成性>
(共)重合体を窒素雰囲気中700℃で1時間の焼成(TG−DTA)を行った場合の残炭の有無を以下の基準にしたがって目視にて確認して、(共)重合体の焼成性を以下の基準で評価した。
残炭がない場合:○
残炭が微量有る場合:△
残炭が無視できない量有る場合:×
(共)重合体を窒素雰囲気中700℃で1時間の焼成(TG−DTA)を行った場合の残炭の有無を以下の基準にしたがって目視にて確認して、(共)重合体の焼成性を以下の基準で評価した。
残炭がない場合:○
残炭が微量有る場合:△
残炭が無視できない量有る場合:×
<溶解性>
溶剤9重量部に対して(共)重合体1重量部を添加し、90℃で6時間加熱攪拌後の溶液の状態を目視確認にすることより以下の基準で評価した。
(共)重合体が溶剤に溶解しており透明溶液である:○
(共)重合体が溶剤に溶解しているが溶液は不透明である:△
(共)重合体が溶剤に溶解しない:×
溶剤9重量部に対して(共)重合体1重量部を添加し、90℃で6時間加熱攪拌後の溶液の状態を目視確認にすることより以下の基準で評価した。
(共)重合体が溶剤に溶解しており透明溶液である:○
(共)重合体が溶剤に溶解しているが溶液は不透明である:△
(共)重合体が溶剤に溶解しない:×
<相溶安定性>
調製された焼成ペースト組成物が相分離するか否かを目視確認することにより以下の基準で評価した。
焼成ペースト組成物が72時間以上分離しなかった場合:○
焼成ペースト組成物が24時間以上72時間未満で分離した場合:△
焼成ペースト組成物が24時間未満で分離した場合:×
調製された焼成ペースト組成物が相分離するか否かを目視確認することにより以下の基準で評価した。
焼成ペースト組成物が72時間以上分離しなかった場合:○
焼成ペースト組成物が24時間以上72時間未満で分離した場合:△
焼成ペースト組成物が24時間未満で分離した場合:×
[製造例1]
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、メチルエチルケトン100重量部を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら30分攪拌して窒素置換を行った後、フラスコの内容物を80℃まで昇温した。次いで、フラスコ内の内容物を80℃に維持しながら、イソボルニルメタクリレート0.40mol、N−ビニルピロリドン0.30molおよび無水マレイン酸0.30molの単量体混合物を2時間かけて滴下し、滴下開始と同時にアゾビスイソブチロニトリル0.4重量部を1時間毎に計5回添加した。滴下開始から80℃で8時間反応させ、その後、室温まで冷却した。得られた共重合体溶液を、n−ヘキサン2000重量部中へ30分かけて滴下を行い、共重合体析出物を生成させた。共重合体析出物については、200メッシュ金網で濾別し、105℃で8時間乾燥することで、共重合体1を調製した。得られた共重合体1の重量平均分子量は6万、SP値は計算値で9.1であった。
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、メチルエチルケトン100重量部を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら30分攪拌して窒素置換を行った後、フラスコの内容物を80℃まで昇温した。次いで、フラスコ内の内容物を80℃に維持しながら、イソボルニルメタクリレート0.40mol、N−ビニルピロリドン0.30molおよび無水マレイン酸0.30molの単量体混合物を2時間かけて滴下し、滴下開始と同時にアゾビスイソブチロニトリル0.4重量部を1時間毎に計5回添加した。滴下開始から80℃で8時間反応させ、その後、室温まで冷却した。得られた共重合体溶液を、n−ヘキサン2000重量部中へ30分かけて滴下を行い、共重合体析出物を生成させた。共重合体析出物については、200メッシュ金網で濾別し、105℃で8時間乾燥することで、共重合体1を調製した。得られた共重合体1の重量平均分子量は6万、SP値は計算値で9.1であった。
[製造例2]
単量体混合物を、イソボルニルメタクリレート0.70mol、N−ビニルピロリドン0.15mol、無水マレイン酸0.15molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体2を調製した。得られた共重合体2の重量平均分子量は7万、SP値は計算値で8.5であった。
単量体混合物を、イソボルニルメタクリレート0.70mol、N−ビニルピロリドン0.15mol、無水マレイン酸0.15molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体2を調製した。得られた共重合体2の重量平均分子量は7万、SP値は計算値で8.5であった。
[製造例3]
単量体混合物を、イソボルニルメタクリレート0.80mol、N−ビニルピロリドン0.10mol、無水マレイン酸0.10molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体3を調製した。得られた共重合体3の重量平均分子量は7万、SP値は計算値で8.3であった。
単量体混合物を、イソボルニルメタクリレート0.80mol、N−ビニルピロリドン0.10mol、無水マレイン酸0.10molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体3を調製した。得られた共重合体3の重量平均分子量は7万、SP値は計算値で8.3であった。
[製造例4]
単量体混合物を、イソボルニルメタクリレート0.50mol、無水マレイン酸0.50molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体4を調製した。得られた共重合体4の重量平均分子量は5万、SP値は計算値で9.3であった。
単量体混合物を、イソボルニルメタクリレート0.50mol、無水マレイン酸0.50molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体4を調製した。得られた共重合体4の重量平均分子量は5万、SP値は計算値で9.3であった。
[製造例5]
単量体混合物を、イソボルニルメタクリレート0.70mol、無水マレイン酸0.30molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体5を調製した。得られた共重合体5の重量平均分子量は6万、SP値は計算値で8.8であった。
単量体混合物を、イソボルニルメタクリレート0.70mol、無水マレイン酸0.30molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体5を調製した。得られた共重合体5の重量平均分子量は6万、SP値は計算値で8.8であった。
[製造例6]
単量体混合物を、イソボルニルメタクリレート0.8mol、無水マレイン酸0.2molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体6を調製した。得られた共重合体6の重量平均分子量は7万、SP値は計算値で8.5であった。
単量体混合物を、イソボルニルメタクリレート0.8mol、無水マレイン酸0.2molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体6を調製した。得られた共重合体6の重量平均分子量は7万、SP値は計算値で8.5であった。
[製造例7]
単量体混合物を、メタクリル酸イソブチル0.60mol、無水マレイン酸0.20mol、N−ビニルピロリドン0.20molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体7を調整した。得られた共重合体7の重量平均分子量は7万、SP値は9.1であった。
単量体混合物を、メタクリル酸イソブチル0.60mol、無水マレイン酸0.20mol、N−ビニルピロリドン0.20molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体7を調整した。得られた共重合体7の重量平均分子量は7万、SP値は9.1であった。
[製造例8]
単量体混合物を、イソボルニルメタクリレート0.70mol、テトラメチルピペリジルメタクリレート0.20mol、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.10molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体8を調製した。得られた共重合体8の重量平均分子量は4万、SP値は計算値で8.9であった。
単量体混合物を、イソボルニルメタクリレート0.70mol、テトラメチルピペリジルメタクリレート0.20mol、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.10molとした以外は、製造例1と同様にして共重合体8を調製した。得られた共重合体8の重量平均分子量は4万、SP値は計算値で8.9であった。
[製造例9]
単量体混合物を、メタクリル酸メチル1molのみとした以外は、製造例1と同様にして共重合体9を調製した。得られた共重合体9の重量平均分子量は5万、SP値は計算値で9.9であった。
単量体混合物を、メタクリル酸メチル1molのみとした以外は、製造例1と同様にして共重合体9を調製した。得られた共重合体9の重量平均分子量は5万、SP値は計算値で9.9であった。
[製造例10]
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、メチルエチルケトン50重量部、イソボルニルメタクリレート0.40mol、N−ビニルピロリドン0.30molおよび無水マレイン酸0.30molを仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら30分攪拌して窒素置換を行った後、フラスコの内容物を80℃まで昇温した。次いで、フラスコ内の内容物を80℃に維持しながら、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を1時間毎に計5回添加した。滴下開始から80℃で10時間反応させ、その後、メチルエチルケトン100重量部を添加し、室温まで冷却した。得られた共重合体溶液を、n−ヘキサン2000重量部中へ30分かけて滴下を行い、共重合体析出物を生成させた。共重合体析出物については、200メッシュ金網で濾別し、105℃で8時間乾燥することで、共重合体10を調製した。得られた共重合体10の重量平均分子量は70万、SP値は計算値で9.1であった。
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、メチルエチルケトン50重量部、イソボルニルメタクリレート0.40mol、N−ビニルピロリドン0.30molおよび無水マレイン酸0.30molを仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら30分攪拌して窒素置換を行った後、フラスコの内容物を80℃まで昇温した。次いで、フラスコ内の内容物を80℃に維持しながら、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を1時間毎に計5回添加した。滴下開始から80℃で10時間反応させ、その後、メチルエチルケトン100重量部を添加し、室温まで冷却した。得られた共重合体溶液を、n−ヘキサン2000重量部中へ30分かけて滴下を行い、共重合体析出物を生成させた。共重合体析出物については、200メッシュ金網で濾別し、105℃で8時間乾燥することで、共重合体10を調製した。得られた共重合体10の重量平均分子量は70万、SP値は計算値で9.1であった。
[実施例1]
共重合体1を6重量%、Niフィラー(平均粒径200nm)を56重量%およびブチルカルビトールアセテート(SP値:9.8、沸点:247℃)を38重量%含む組成物(組成物全体を100重量%とする)を自転・公転ミキサー(商品名「あわとり練太郎」、シンキー社製)で混練した後、さらに3本ロールで混練して、焼成ペースト組成物1を得た。焼成ペースト組成物1の各物性の測定結果を表1に示す。
共重合体1を6重量%、Niフィラー(平均粒径200nm)を56重量%およびブチルカルビトールアセテート(SP値:9.8、沸点:247℃)を38重量%含む組成物(組成物全体を100重量%とする)を自転・公転ミキサー(商品名「あわとり練太郎」、シンキー社製)で混練した後、さらに3本ロールで混練して、焼成ペースト組成物1を得た。焼成ペースト組成物1の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例2]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオール(SP値:9.1、沸点207℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物2を得た。焼成ペースト組成物2の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオール(SP値:9.1、沸点207℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物2を得た。焼成ペースト組成物2の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例3]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテート(SP値:8.8、沸点220℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物3を得た。焼成ペースト組成物3の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテート(SP値:8.8、沸点220℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物3を得た。焼成ペースト組成物3の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例4]
共重合体1の代わりに共重合体2を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物4を得た。焼成ペースト組成物4の各物性の測定結果を表1に示す。
共重合体1の代わりに共重合体2を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物4を得た。焼成ペースト組成物4の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例5]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例4と同様にして、焼成ペースト組成物5を得た。焼成ペースト組成物5の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例4と同様にして、焼成ペースト組成物5を得た。焼成ペースト組成物5の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例6]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例4と同様にして、焼成ペースト組成物6を得た。焼成ペースト組成物6の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例4と同様にして、焼成ペースト組成物6を得た。焼成ペースト組成物6の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例7]
共重合体1の代わりに共重合体3を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物7を得た。焼成ペースト組成物7の各物性の測定結果を表1に示す。
共重合体1の代わりに共重合体3を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物7を得た。焼成ペースト組成物7の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例8]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例7と同様にして、焼成ペースト組成物8を得た。焼成ペースト組成物8の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例7と同様にして、焼成ペースト組成物8を得た。焼成ペースト組成物8の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例9]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例7と同様にして、焼成ペースト組成物9を得た。焼成ペースト組成物9の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例7と同様にして、焼成ペースト組成物9を得た。焼成ペースト組成物9の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例10]
共重合体1の代わりに共重合体4を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物10を得た。焼成ペースト組成物10の各物性の測定結果を表1に示す。
共重合体1の代わりに共重合体4を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物10を得た。焼成ペースト組成物10の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例11]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例10と同様にして、焼成ペースト組成物11を得た。焼成ペースト組成物11の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例10と同様にして、焼成ペースト組成物11を得た。焼成ペースト組成物11の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例12]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例10と同様にして、焼成ペースト組成物12を得た。焼成ペースト組成物12の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例10と同様にして、焼成ペースト組成物12を得た。焼成ペースト組成物12の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例13]
共重合体1の代わりに共重合体5を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物13を得た。焼成ペースト組成物13の各物性の測定結果を表1に示す。
共重合体1の代わりに共重合体5を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物13を得た。焼成ペースト組成物13の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例14]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例13と同様にして、焼成ペースト組成物14を得た。焼成ペースト組成物14の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例13と同様にして、焼成ペースト組成物14を得た。焼成ペースト組成物14の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例15]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例13と同様にして、焼成ペースト組成物15を得た。焼成ペースト組成物15の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例13と同様にして、焼成ペースト組成物15を得た。焼成ペースト組成物15の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例16]
共重合体1の代わりに共重合体6を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物16を得た。焼成ペースト組成物16の各物性の測定結果を表1に示す。
共重合体1の代わりに共重合体6を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物16を得た。焼成ペースト組成物16の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例17]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例16と同様にして、焼成ペースト組成物17を得た。焼成ペースト組成物17の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例16と同様にして、焼成ペースト組成物17を得た。焼成ペースト組成物17の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例18]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例16と同様にして、焼成ペースト組成物18を得た。焼成ペースト組成物18の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例16と同様にして、焼成ペースト組成物18を得た。焼成ペースト組成物18の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例19]
共重合体1の代わりに共重合体7を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物19を得た。焼成ペースト組成物19の各物性の測定結果を表1に示す。
共重合体1の代わりに共重合体7を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物19を得た。焼成ペースト組成物19の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例20]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例19と同様にして、焼成ペースト組成物20を得た。焼成ペースト組成物20の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例19と同様にして、焼成ペースト組成物20を得た。焼成ペースト組成物20の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例21]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例19と同様にして、焼成ペースト組成物21を得た。焼成ペースト組成物21の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例19と同様にして、焼成ペースト組成物21を得た。焼成ペースト組成物21の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例22]
共重合体1の代わりに共重合体10を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物22を得た。焼成ペースト組成物22の各物性の測定結果を表1に示す。
共重合体1の代わりに共重合体10を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物22を得た。焼成ペースト組成物22の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例23]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例22と同様にして、焼成ペースト組成物23を得た。焼成ペースト組成物23の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、実施例22と同様にして、焼成ペースト組成物23を得た。焼成ペースト組成物23の各物性の測定結果を表1に示す。
[実施例24]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例22と同様にして、焼成ペースト組成物24を得た。焼成ペースト組成物24の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、実施例22と同様にして、焼成ペースト組成物24を得た。焼成ペースト組成物24の各物性の測定結果を表1に示す。
[比較例1]
共重合体1の代わりに共重合体8を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物25を得た。焼成ペースト組成物25の各物性の測定結果を表1に示す。
共重合体1の代わりに共重合体8を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物25を得た。焼成ペースト組成物25の各物性の測定結果を表1に示す。
[比較例2]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、比較例1と同様にして、焼成ペースト組成物26を得た。焼成ペースト組成物26の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、比較例1と同様にして、焼成ペースト組成物26を得た。焼成ペースト組成物26の各物性の測定結果を表1に示す。
[比較例3]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、比較例1と同様にして、焼成ペースト組成物27を得た。焼成ペースト組成物27の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、比較例1と同様にして、焼成ペースト組成物27を得た。焼成ペースト組成物27の各物性の測定結果を表1に示す。
[比較例4]
共重合体1の代わりに共重合体9を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物28を得た。焼成ペースト組成物28の各物性の測定結果を表1に示す。
共重合体1の代わりに共重合体9を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物28を得た。焼成ペースト組成物28の各物性の測定結果を表1に示す。
[比較例5]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、比較例4と同様にして、焼成ペースト組成物29を得た。焼成ペースト組成物29の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、比較例4と同様にして、焼成ペースト組成物29を得た。焼成ペースト組成物29の各物性の測定結果を表1に示す。
[比較例6]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、比較例4と同様にして、焼成ペースト組成物30を得た。焼成ペースト組成物30の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、比較例4と同様にして、焼成ペースト組成物30を得た。焼成ペースト組成物30の各物性の測定結果を表1に示す。
[比較例7]
共重合体1の代わりにエチルセルロース(日進化成社製、品名:エトセル グレード45;重量平均分子量11万、SP値8.8)を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物31を得た。焼成ペースト組成物31の各物性の測定結果を表1に示す。
共重合体1の代わりにエチルセルロース(日進化成社製、品名:エトセル グレード45;重量平均分子量11万、SP値8.8)を用いた以外は、実施例1と同様にして、焼成ペースト組成物31を得た。焼成ペースト組成物31の各物性の測定結果を表1に示す。
[比較例8]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、比較例7と同様にして、焼成ペースト組成物32を得た。焼成ペースト組成物32の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロターピネオールを用いた以外は、比較例7と同様にして、焼成ペースト組成物32を得た。焼成ペースト組成物32の各物性の測定結果を表1に示す。
[比較例9]
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、比較例7と同様にして、焼成ペースト組成物33を得た。焼成ペースト組成物33の各物性の測定結果を表1に示す。
ブチルカルビトールアセテートの代わりにジヒドロタピニルアセテートを用いた以外は、比較例7と同様にして、焼成ペースト組成物33を得た。焼成ペースト組成物33の各物性の測定結果を表1に示す。
なお、表1中の略号は以下の通りである。
IBXMA:イソボルニルメタクリレート
iBMA:iso−ブチルメタクリレート
NVP:N−ビニルピロリドン
MA:無水マレイン酸
LA−87:テトラメチルピペリジルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
MMA:メタクリル酸メチル
EC:エチルセルロース
BCA:ブチルカルビトールアセテート
DHT:ジヒドロターピネオール
DHTA:ジヒドロタピニルアセテート
IBXMA:イソボルニルメタクリレート
iBMA:iso−ブチルメタクリレート
NVP:N−ビニルピロリドン
MA:無水マレイン酸
LA−87:テトラメチルピペリジルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
MMA:メタクリル酸メチル
EC:エチルセルロース
BCA:ブチルカルビトールアセテート
DHT:ジヒドロターピネオール
DHTA:ジヒドロタピニルアセテート
実施例1〜24と比較例1〜3とを比較すると、単量体(a−1)を含み、単量体(a−2)を含まない単量体混合物を重合して得られた共重合体を含む比較例1〜3の焼成ペースト組成物は、粘度が低すぎるため、良好な塗膜を形成することができないと考えられ、また糸曳きも十分抑制されていない。それに対して実施例1〜24では、単量体(a−1)と(a−2)との組み合わせにより糸曳きが抑制され、単量体(a−2)が絡まりが抑制されたポリマー鎖間に相互作用を与えるため、粘度が低すぎないと考えられる。その一方で、スクリーン印刷は、焼成ペースト組成物を目の細かなメッシュ上にスキージで擦って印刷するため、印刷時に焼成ペースト組成物に応力がかかるところ、実施例1〜24の焼成ペースト組成物は、チキソトロピック性が良好であるために、上記印刷時の応力がかかることにより粘度が下がり、きれいにメッシュを通り抜けて、表面平滑に印刷されると考えられる。
実施例1〜24と比較例4〜6とを比較すると、単量体(a−1)および(a−2)以外のアクリル系単量体を重合して得られた重合体を含む比較例4〜6の焼成ペースト組成物は、粘度が低すぎるとともに、塗工性が悪く、糸曳きの問題もある。比較例4〜6の焼成ペースト組成物が、塗工性が悪いのは、メタクリル酸メチルが分散性の官能基である極性基を有しておらず、フィラー分散性が悪いためと考えられる。糸曳きの問題は、メタクリル酸メチル由来の構成単位における(メタ)アクリロイル基間の相互作用によって生じているものと考えられる。
実施例1〜24と比較例7〜9を比較すると、(メタ)アクリル系樹脂でない重合体を含む焼成ペースト組成物は焼成性が悪いことがわかる。
Claims (14)
- 前記単量体混合物中の、前記単量体(a−1)と前記単量体(a−2)とのモル比が、8:2〜3:7であることを特徴とする請求項1に記載の焼成ペースト用共重合体。
- SP値が7〜10であることを特徴とする請求項1または2に記載の焼成ペースト用共重合体。
- 重量平均分子量が15,000〜1,500,000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼成ペースト用共重合体。
- 前記単量体(a−2)における極性基が、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、アセトアセトキシ基、酸無水物基、スルホン酸基、リン酸基、チオール基および複素環基からなる群から選択される少なくとも1種の基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の焼成ペースト用共重合体。
- 前記単量体(a−2)が、マレイン酸、マレイン酸のエステル化物、無水マレイン酸および無水マレイン酸のエステル化物からなる群から選択される少なくとも1種とN−ビニルピロリドンとの組み合わせ、マレイン酸、マレイン酸のエステル化物、無水マレイン酸および無水マレイン酸のエステル化物からなる群から選択される少なくとも1種と1,4−エポキシー4−ビニルシクロヘキサンとの組み合わせ、ならびにシクロヘキシルマレイミドとN−ビニルピロリドンの組み合わせからなる群から選択される1種の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の焼成ペースト用共重合体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の共重合体(A)と、
溶剤(B)と、
無機粉末(C)とを含むことを特徴とする焼成ペースト組成物。 - 前記共重合体(A)と前記溶剤(B)とが下記式(II)の関係を満たすことを特徴とする請求項7に記載の焼成ペースト組成物。
|(共重合体(A)のSP値)−(溶剤(B)のSP値)|≦2・・・(II) - 焼成ペースト組成物100重量%に対して、前記共重合体(A)を1〜15重量%含み、前記溶剤(B)を20〜70重量%含み、前記無機粉末(C)を20〜70重量%含むことを特徴とする請求項7または8に記載の焼成ペースト組成物。
- さらに分散剤(D)を含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の焼成ペースト組成物。
- 請求項7〜10のいずれか1項に記載の焼成ペースト組成物と基材とを含むグリーンシート。
- 請求項7〜10のいずれか1項に記載の焼成ペースト組成物を用いて製造された積層セラミックコンデンサー。
- 請求項7〜10のいずれか1項に記載の焼成ペースト組成物を基材に塗布する工程と、
塗布された前記焼成ペースト組成物を乾燥させる工程と、
乾燥させた前記焼成ペースト組成物と基材との積層物を焼成する工程とを含む、焼成体の製造方法。 - 請求項13に記載の焼成体の製造方法によって得られる焼成体。
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WO2019009124A1 (ja) | 2017-07-07 | 2019-01-10 | タツタ電線株式会社 | 導電性樹脂組成物及びそれを用いたシールドパッケージの製造方法 |
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2013
- 2013-09-20 JP JP2013195280A patent/JP2015059196A/ja active Pending
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