JP2015048784A - 電動オイルポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポンププレートとポンプハウジングとの間の位置ずれを検出し、ポンプロータの干渉を防止できる電動オイルポンプ装置を提供する。【解決手段】円筒状の鉄枠30の外周にゴム製の収縮部材31が覆われた状態でポンプハウジング15内に設置される。ポンプハウジング15とポンププレートとの境界面の径方向外方に、回転軸中心から径方向外側に向って周方向に等間隔に複数の圧電素子29が配置される。圧電素子29に対向する収縮部材31の外周面に発熱部材32が密着した状態で配置される。外力により位置ずれが発生し、ポンプロータ28が干渉した場合、各圧電素子29が受ける力を電圧変換された出力信号はコントローラ4に入力され、位置ずれが発生した方向が検出される。位置ずれが検出された方向に配置された発熱部材32にコントローラ4から通電することにより発熱部材32が発熱し収縮部材31が加熱され、加熱された部分が径方向に収縮する。【選択図】図2
Description
本発明は、電動オイルポンプ装置に関するものである。
従来、車両用の油圧ポンプとして使用される電動オイルポンプ装置の具体的一例には、流体(油)を循環させるオイルポンプとオイルポンプを駆動する電動モータとを組み合わせたものがある。電動モータがオイルポンプと回転軸を共用し、オイルポンプの中心軸方向に並んで配置され、モータハウジングをポンプハウジングに一体に結合して小型、軽量とした電動オイルポンプ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の技術によれば、ポンプハウジングの後端面の中心に、モータハウジングより小径の円筒部が一体に形成され、円筒部内の後部に設けられた軸受装置により、前後方向に延びるオイルポンプ駆動用電動モータの回転軸が片持ち支持されている。
上記のような電動オイルポンプ装置では、外力が加わってポンププレートとポンプハウジングとの径方向の位置が互いに逆方向にずれると、電動モータの回転軸が傾き、ポンプロータとポンププレートおよびポンプハウジングとの間に干渉が発生する場合がある。その結果、回転軸が軸受内輪によりこじられ摩擦が大きくなるとともに、モータロータの永久磁石とモータステータとの相対変位により回転軸に軸方向の力が働く。このため、電動モータの負荷が大きくなり起動トルクが増大する可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ポンププレートとポンプハウジングとの間の位置ずれを検出し、ポンプロータの干渉を防止できる電動オイルポンプ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電動オイルポンプ装置において、ポンププレートとポンプハウジングとの間に形成されたポンプ室にポンプロータが回転軸線回りに回転可能に支承された金属製のオイルポンプと、前記オイルポンプに前記回転軸線方向に隣接して設けられ、前記ポンプロータを回転駆動する電動モータと、前記ポンプハウジングに回転可能に軸承され、前記ポンプロータと前記電動モータのロータとを連結する金属製の回転軸と、前記電動モータのモータハウジングに前記オイルポンプの反対側に形成され、開口部をカバーで覆われた制御室に収納され、前記電動モータを駆動制御するコントローラと、を備え、前記オイルポンプは、前記ポンプロータの外周面の外側に対向して前記ポンプハウジングに嵌合された円筒状の固定部材の外周に設置され、前記ポンププレートと前記ポンプハウジングとの間の径方向の位置ずれを調整する位置ずれ調整手段を備え、前記位置ずれ調整手段は、前記ポンププレートと前記ポンプハウジングとの間に周方向に複数配置され、前記位置ずれの発生により受ける力を検出する応力検出手段と、前記固定部材の外周を覆う円筒状の収縮部材と、前記収縮部材の外周面に接触して配置され、前記収縮部材を熱収縮させる複数の発熱部材とを有する前記位置ずれを補正する位置ずれ補正手段とを備えたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動オイルポンプ装置において、前記応力検出手段および前記位置ずれ補正手段の前記発熱部材は、前記回転軸中心から径方向に同一線上に対向して円周上に等間隔に配置されたことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電動オイルポンプ装置において、前記応力検出手段および前記位置ずれ補正手段の前記発熱部材は、前記コントローラに接続され、前記応力検出手段の出力信号により前記位置ずれの発生方向およびずれ量を検出するとともに、前記ずれ量と前記収縮部材の熱収縮量とを相殺するように前記発熱部材に通電することを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、ポンプハウジング内に応力検出手段を設けてポンププレートとポンプハウジングとの間の径方向の位置ずれの発生により受ける力を検出するとともに、ポンプロータの外周面外側に対向して発熱部材と収縮部材とからなる位置ずれ補正手段を有する位置ずれ調整手段を設置して熱収縮により隙間を形成して位置ずれを防止するようにした。このため、ポンプロータとポンププレートおよびポンプハウジングとの間に干渉が発生しても、位置ずれを補正してポンプロータの干渉を抑制することができる。この結果、電動モータの負荷を軽減し、起動トルクの増大を防止することが可能になる。
請求項2に係る発明によれば、応力検出手段と位置ずれ補正手段の発熱部材とは、周方向に等間隔に同一の径方向位置に対向して設置されているので、全周にわたりほぼ均一に位置ずれの発生方向を検出し、位置ずれが発生した方向の位置に隙間を確保することができる。このため、ポンプロータの干渉に対して、隙間を調整し干渉を抑制することができる。
請求項3に係る発明によれば、応力検出手段と位置ずれ補正手段の発熱部材とは、電動モータを駆動するコントローラに接続され入出力されるので、専用の制御回路基板を設ける必要がなく、ずれ量と収縮部材の熱収縮量とを相殺してポンプロータの干渉を抑制することができる。この結果、電動モータの負荷を軽減し、起動トルクの増大を防止することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態に係る電動オイルポンプ装置について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動オイルポンプ装置1の縦断面図である。
図1に示すように、電動オイルポンプ装置1は、例えば、自動車のトランスミッション用の油圧ポンプとして用いられ、オイルポンプ(例えば、内接ギヤポンプ)2とオイルポンプ2を回転駆動する電動モータ(以下、ブラシレスモータという)3とがハウジング内に一体化されている。なお、ブラシレスモータ3は、3相巻線を有するブラシレスセンサレスモータである。また、ブラシレスモータ3を回転制御するコントローラ(ECU)4もハウジング内に組み込まれている。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動オイルポンプ装置1の縦断面図である。
図1に示すように、電動オイルポンプ装置1は、例えば、自動車のトランスミッション用の油圧ポンプとして用いられ、オイルポンプ(例えば、内接ギヤポンプ)2とオイルポンプ2を回転駆動する電動モータ(以下、ブラシレスモータという)3とがハウジング内に一体化されている。なお、ブラシレスモータ3は、3相巻線を有するブラシレスセンサレスモータである。また、ブラシレスモータ3を回転制御するコントローラ(ECU)4もハウジング内に組み込まれている。
電動オイルポンプ装置1は、ポンププレート14の端面に突出した複数のフランジ部を介して図示しないトランスミッションやエンジンケースに、取付け穴を通して軸線中心に対して周方向に配置されたボルトで締結して固定されている。なお、以下の説明において、図面の左側を前、同右側を後とする。
オイルポンプ2は、ここではトロコイド曲線型ポンプ(図2参照)を用いていて、トロコイド歯形を有する内歯を備えたポンプ用アウタロータ(以下、アウタロータという)11の内周側に、外歯を備えたポンプ用インナロータ(以下、インナロータという)12を噛み合わせ、ポンプハウジング15内にこれらのアウタロータ11およびインナロータ12からなるポンプロータ28を偏心して回転自在に配置したものである。
インナロータ12は、回転駆動軸(回転軸)7における後述するブラシレスモータ3のロータ6を形成した部分より前方に寄った部分に外嵌固着されて、この回転駆動軸7とともに回転するようになっている。アウタロータ11は、このインナロータ12の外歯よりも1歯多い内歯を備え、回転駆動軸7に対して偏心した位置を中心にポンプハウジング15内で回転自在となるように配置されている。また、インナロータ12は、外歯がこのアウタロータ11の内歯に全周の一部で噛み合うとともに、各外歯がこのアウタロータ11の内面に全周の各所でそれぞれほぼ内接しながら回転するようになっている。
したがって、ブラシレスモータ3により回転駆動軸7が回転駆動されると、このオイルポンプ2のアウタロータ11およびインナロータ12の間隙の容積がこの回転駆動軸7の1回転の間に拡大と縮小を繰り返す。これにより、これらの間隙に通じるポンププレート14に設けられたインポート(吸入口、図示せず)からアウトポート(吐出口、図示せず)に向けて油を送り出すポンプ動作が行われることになる。
オイルポンプ2のハウジングを構成するポンププレート14およびポンプハウジング15は、金属製の非磁性材料(例えば、アルミダイカストなど)により形成されている。ブラシレスモータ3を収容するモータハウジング17およびカバー20は、熱可塑性樹脂材料(例えば、PPS、PBT樹脂など)により形成されている。電動オイルポンプ装置1のハウジング本体は、上記ポンププレート14、ポンプハウジング15、モータハウジング17、およびカバー20により構成されている。ここで、モータハウジング17およびカバー20は、防水ハウジングを形成している。
モータハウジング17は、円筒形状をなし、その前端が、オイルシール25を介してポンプハウジング15の後面外周寄りの部分に固定されている。モータハウジング17の後端開口部が、カバー20により塞がれている。
ポンプハウジング15は、径方向に広がりを持つ厚肉板状のケースであり、その中心に、前部が開口したポンプ室13が形成されている。ポンプハウジング15の前面に、ポンププレート14がOリング16を介して固定され、ポンプ室13の前面が塞がれている。ポンプ室13内に、オイルポンプ2を構成するアウタロータ11が回転自在に収容され、アウタロータ11の内側に、これと噛み合うインナロータ12が配置されている。ポンププレート14には、軸線方向に貫通する吸入口および吐出口が設けられている。
ブラシレスモータ3は、回転するモータ用ロータ(以下、ロータという)6と、このロータ6の外周面の外側に固定されたモータ用ステータ(以下、ステータという)5とで構成されている。ロータ6は、回転駆動軸7の外周面に、例えば、複数個の永久磁石8を周方向に沿って並べて配置して形成したものである。回転駆動軸7は、ブラシレスモータ3とオイルポンプ2とで共用する金属製の回転軸である。
ポンプハウジング15の後端面の中心に、モータハウジング17より小径の円筒部が一体に形成され、円筒部内の後部に設けられた軸受26,27により、前後方向に延びる回転駆動軸7が片持ち支持されている。本実施形態では、軸受26,27は、前後に隣接する2個の転がり軸受である玉軸受からなり、両軸受26,27の内輪が回転駆動軸7に固定され、外輪が円筒部に固定されている。回転駆動軸7の前部は、ポンプハウジング15の後壁に形成された穴の部分を貫通してポンプ室13内に進入し、その前端がインナロータ12に連結されている。円筒部内周の軸受26,27より前側の部分と回転駆動軸7との間に、オイルシール25が設けられている。
ポンプロータ28のインナロータ12を貫通した回転駆動軸7の先端部は、ポンププレート14内に嵌め込まれ、金属製のブッシュ(例えば、巻ブッシュなど)34で固定されている。ポンプロータ28のアウタロータ11の外周面の外側のポンプハウジング15内周には、円筒形状の鉄枠(固定部材)30とその外周面を覆う円筒形状のゴム製の収縮部材31とがロータ受部として固定され、収縮部材31の外周面に密着して配置された発熱部材32(図2参照)とともに電熱収縮装置(位置ずれ調整手段)33が構成されている。また、ポンプハウジング15とポンププレート14との間の境界面には、周方向に複数の圧電素子(応力検出手段)29が設置されている。ここで、圧電素子29は、例えば、圧電効果を利用して加えられた力を電圧に変換して出力する圧力センサ(ピエゾ素子)が用いられる。
円筒部より後方に突出した回転駆動軸7の後端部に、ブラシレスモータ3を構成するロータ6が固定されている。ロータ6は、回転駆動軸7の後端から半径方向に延び、かつ軸受26,27の外周を囲む円筒状に形成され、その外周に永久磁石8が設けられている。さらに詳しくは、ロータ6は、ロータコア10の穴開き円板部と、その外周に一体に形成された円筒部とからなり、円板部の内周が回転駆動軸7に固定され、円筒部の外周に永久磁石8が設けられている。回転駆動軸7、ロータ6およびオイルポンプ2のインナロータ12を含む回転部分の重心の軸線方向位置が、軸受26,27の軸線方向範囲内にある。本実施形態では、上記重心の軸線方向位置が、軸受26,27を構成する2個の玉軸受の間にある。
ステータ5は、ロータ6の外周面の外側にわずかなエアギャップを介してステータコア9の内向きの突極(ティース)を複数配置している。このステータコア9の各ティースには、それぞれコイル19が巻回されている。ここで、コイル19をステータコア9から絶縁するために、ステータコア9の軸線方向両端側から樹脂製のインシュレータ18が装着されている。
また、本実施形態の電動オイルポンプ装置1には、ブラシレスモータ3を制御するためのコントローラ4の制御基板23がモータハウジング17後端に形成された制御室21に収容されモータハウジング17に取り付けられている。制御基板23には、直流電源を交流に変換してブラシレスモータ3の各コイル19に駆動電流を供給するインバータ回路と、ホール素子などのセンサが検出したアウタロータ11の回転位置の情報に基づいて、このインバータ回路を制御する制御回路とが実装されている。制御基板23の両面には、コントローラ4を構成する上記回路のマイコンやIC、コンデンサ、コイルなどの電子部品22が搭載されている(図中には制御基板23の後面に取り付けられた電子部品22の一例を示す)。
そして、上記構成により、コントローラ4によって制御された駆動電流がブラシレスモータ3の各コイル19に供給されるようになっている。これにより、コイル19に回転磁界が発生し、永久磁石8にトルクが生じてロータ6が回転駆動される。このようにして、インナロータ12が回転駆動されると、アウタロータ11がこれに従動して回転し、これらのアウタロータ11の内歯と,インナロータ12の外歯との間隙が拡縮を繰り返すので、吸入口および吐出口を通じて油を吸入・吐出するポンプ動作が行われる。
モータハウジング17とカバー20とは、固定したモータハウジング17に対し、カバー20を回転させながら当接し、回転による摩擦熱により両者を溶着する、例えば、スピン溶着により接合されている。ここで、カバー20の中央部には、オイルポンプ2の使用環境においてブラシレスモータ3の急激な温度変化などによるモータハウジング17内外の気圧(圧力)差を調整するため、モータハウジング17の外部と内部の空間を連通し、オイルポンプ2の軸線方向に一方の面から反対側の面に抜ける円形の呼吸孔35が設けられている。また、カバー20の内面には呼吸孔35を覆うフィルタ24が固着されており、このフィルタ24は水を遮断して空気を通過させる。
次に、図2は、図1における圧電素子29および電熱収縮装置33の概略構成を示す図である。
図2に示すように、軸線方向から見て円形の鉄枠30の外周に収縮率の大きいゴム製の収縮部材(例えば、熱収縮ゴムチューブなど)31が覆われた状態でポンプハウジング15内に設置固定されている。ポンプハウジング15とポンププレート14(図1参照)との境界面の径方向外方に、回転軸中心から径方向外側に向って周方向に等間隔に複数(本実施形態では、8個)の圧電素子29が配置されている。各圧電素子29は、収縮部材31の外周面に対向している。この圧電素子29とペアをなして対向する位置に複数(本実施形態では、8個)の発熱部材(例えば、ニクロム線など)32が収縮部材31の外周面に接触した状態で配置されている。
図2に示すように、軸線方向から見て円形の鉄枠30の外周に収縮率の大きいゴム製の収縮部材(例えば、熱収縮ゴムチューブなど)31が覆われた状態でポンプハウジング15内に設置固定されている。ポンプハウジング15とポンププレート14(図1参照)との境界面の径方向外方に、回転軸中心から径方向外側に向って周方向に等間隔に複数(本実施形態では、8個)の圧電素子29が配置されている。各圧電素子29は、収縮部材31の外周面に対向している。この圧電素子29とペアをなして対向する位置に複数(本実施形態では、8個)の発熱部材(例えば、ニクロム線など)32が収縮部材31の外周面に接触した状態で配置されている。
過大な外力(例えば、運搬時や調整時などに発生する)によりポンプハウジング15に位置ずれが発生して、回転駆動軸7が傾き、ポンプロータ28が干渉した場合、各圧電素子29が受ける力が電圧変換された出力信号は、コントローラ4に入力され、位置ずれが発生した方向(円周上の位置、本実施形態では、4方向)が検出される。位置ずれが検出された方向(円周上の位置)の発熱部材33にコントローラ4から通電することにより発熱部材33が発熱し、密着した収縮部材31が加熱され、径方向に加熱された部分が収縮する。このため、例えば、位置ずれが発生した側に熱収縮による隙間が形成され、この熱収縮量とずれ量とが相殺され、ポンプロータ28の干渉が抑制され、回転駆動軸7の傾きがなくなる。この結果、ブラシレスモータ3の正常な回転が得られ、起動トルクの増大を防止することが可能になる。
次に、図3(a)は、ポンプロータ28が干渉したときの概略断面図、(b)は、ずれ量を調整した後のポンプロータ28の概略断面図である。
図3(a)に示すように、外力によりポンプハウジング15とポンププレート14との間に径方向に矢印で示す位置ずれが発生し、回転駆動軸7が傾くと(回転軸線を二点鎖線で示す)、ポンプロータ28がポンプハウジング15およびポンププレート14に干渉する。このとき、例えば、アウタロータ11の一方(図中、左側)は軸方向上向きに、他方(図中、右側)は軸方向下向きに押付ける力(矢印で示す)が働き、ポンプロータ28およびポンプハウジング15は右方向に押付けられ図中矢印で示す方向の位置ずれが発生して変形した状態となる。このとき、図1を参照して、ロータ6に連結される回転駆動軸7の後端部付近は、軸受26.27の内輪によりこじられ摩擦が大きくなるとともに、ロータ6の永久磁石8とステータ5との相対変位により回転駆動軸7に軸線方向上向き(図1中、右方向)の力が働き、モータ負荷が増加し、回転駆動軸7の回転が妨げられる。
図3(a)に示すように、外力によりポンプハウジング15とポンププレート14との間に径方向に矢印で示す位置ずれが発生し、回転駆動軸7が傾くと(回転軸線を二点鎖線で示す)、ポンプロータ28がポンプハウジング15およびポンププレート14に干渉する。このとき、例えば、アウタロータ11の一方(図中、左側)は軸方向上向きに、他方(図中、右側)は軸方向下向きに押付ける力(矢印で示す)が働き、ポンプロータ28およびポンプハウジング15は右方向に押付けられ図中矢印で示す方向の位置ずれが発生して変形した状態となる。このとき、図1を参照して、ロータ6に連結される回転駆動軸7の後端部付近は、軸受26.27の内輪によりこじられ摩擦が大きくなるとともに、ロータ6の永久磁石8とステータ5との相対変位により回転駆動軸7に軸線方向上向き(図1中、右方向)の力が働き、モータ負荷が増加し、回転駆動軸7の回転が妨げられる。
図3(b)に示すように、圧電素子29(図2参照)により位置ずれの発生した方向を検出し、収縮部材31がずれ量C分だけ熱収縮される(図中右方向)と、ポンプハウジング15に隙間が形成されて、ずれ量Cが相殺される。これにより、ポンプロータ28は、右方向に戻されて回転駆動軸7の傾きがなくなる。この結果、ロータ受部(鉄枠30および収縮部材31)は、ポンプロータ28の位置ずれ調整機能を有し、ブラシレスモータ3(図1参照)の負荷が軽減され、起動時の出力トルクを低減することができる。
次に、上記のように構成された本実施形態である電動オイルポンプ装置1の作用および効果について説明する。
上記構成によれば、オイルポンプ2の回転軸線方向にオイルポンプ2、ブラシレスモータ3およびコントローラ4が並んで配置された電動オイルポンプ装置1において、ポンプハウジング15とポンププレート14との間に周方向に複数(本実施形態では、8個)の圧電素子29を設けて、外力によりポンプハウジング15の位置ずれが発生した場合に、圧電素子29が受ける力から位置ずれの発生方向(本実施形態では、4方向)を検出するとともに、ポンプロータ28の外周面外側に発熱部材32と収縮部材31とからなる電熱収縮装置33を設置して、位置ずれが発生した方向の収縮部材31を熱収縮させ隙間を形成するようにした。圧電素子29と発熱部材32とは、周方向に等間隔に同一の径方向位置に設置されているので、全周にわたりほぼ均一に位置ずれの発生方向を検出し、位置ずれの発生方向の位置に隙間を形成することができる。このため、隙間を調整し干渉を抑制することが可能になる。また、圧電素子29および発熱部材32は、ブラシレスモータ3を駆動するコントローラ4に接続され、コントローラ4において圧電素子29の出力信号の取り込み、および発熱部材32を発熱させるための通電がおこなわれる。
これにより、ポンプロータ28がポンプハウジング15とポンププレート14とに干渉しても、ポンプハウジング15の位置ずれが発生した方向の収縮部材31を熱収縮させ隙間を形成して、ポンプハウジング15のずれ量Cをこの隙間により相殺できる。この結果、ブラシレスモータ3の負荷を軽減し、起動トルクの増大を防止することができる。また、圧電素子29および発熱部材32を入出力するための専用の制御回路基板を設ける必要がなく容易に隙間を調整できる。
以上のように、本実施形態によれば、ポンププレートとポンプハウジングとの間の位置ずれを検出し、ポンプロータの干渉を防止できる電動オイルポンプ装置を提供できる。
以上、本発明に係る一実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することも可能である。
上記実施形態では、電熱収縮装置33において、円周上に等間隔に配置された8個の発熱部材32で構成される例を示したが、これに限定されるものでなく、熱収縮させる方向(位置)を精度よく設定できる個数であればよい。また、発熱部材32は、1本のニクロム線に限定されず、周方向に幅を有して(例えば、複数本のニクロム線を配列して)配置されたものであってもよい。
上記実施形態では、位置ずれが検出された側の収縮部材31を熱収縮させる例について説明したが、これに限定されるものでなく、位置ずれが検出された方向の両側の収縮部材31を熱収縮させるようにしてもよい。また、検出された方向近辺の複数の発熱部材32に通電するようにしてもよい。
上記実施形態では、圧電素子29と発熱部材33とをペアで円周上に等間隔に配置する例を示したが、これに限定されるものでなく、調整が可能なように互いに周方向にずらして配置したり、または、双方の個数を増減するようにしてもよい。
上記実施形態では、内接ギヤポンプとして、トロコイド曲線型ポンプを用いる場合を示したが、これに限定されるものでなく、アウタロータ11の内周側に内歯を設け、外歯を備えたインナロータ12と噛み合わせながら偏心して回転させることにより、アウタロータ11とインナロータ12との間の内接する部分で仕切られた間隙の容積が拡縮変化を繰り返す内接ギヤポンプであればよい。また、アウタロータ11の内歯やインナロータ12の外歯は、必ずしも明確ないわゆる歯形に形成されたものに限らず、突出部、突起部または係合部であってもよい。
上記実施形態では、ブラシレスモータ3のロータ6として、回転駆動軸7の外周部に複数個の永久磁石8を配置し固着する場合を示したが、これに限定されるものでなく、リング形状の永久磁石を固着したものを用いるようにしてもよい。
上記実施形態では、オイルポンプ駆動用の電動モータとして回転駆動軸7が片持ち支持されたブラシレスモータ3を例に説明したが、これに限定されるものでなく、回転駆動軸7の両端部をポンプハウジング15およびモータハウジング17内部の軸受によって支持されたブラシレスモータであってもよい。
1:電動オイルポンプ装置、2:オイルポンプ、3:ブラシレスモータ(電動モータ)、4:コントローラ、5:モータ用ステータ、6:モータ用ロータ、
7:回転駆動軸(回転軸)、8:永久磁石、9:ステータコア、10:ロータコア、
11:ポンプ用アウタロータ、12:ポンプ用インナロータ、13:ポンプ室、
14:ポンププレート、15:ポンプハウジング、16:Oリング、
17:モータハウジング、18:インシュレータ、19:モータコイル、20:カバー、21:制御室、22:電子部品、23:制御基板、24:フィルタ、25:オイルシール、26,27:軸受、28:ポンプロータ、29:圧電素子(応力検出手段)、
30:鉄枠(固定部材)、31:収縮部材、32:発熱部材、
33:電熱収縮装置(位置ずれ調整手段)、34:固定ブッシュ、35:呼吸孔、
C:ずれ量
7:回転駆動軸(回転軸)、8:永久磁石、9:ステータコア、10:ロータコア、
11:ポンプ用アウタロータ、12:ポンプ用インナロータ、13:ポンプ室、
14:ポンププレート、15:ポンプハウジング、16:Oリング、
17:モータハウジング、18:インシュレータ、19:モータコイル、20:カバー、21:制御室、22:電子部品、23:制御基板、24:フィルタ、25:オイルシール、26,27:軸受、28:ポンプロータ、29:圧電素子(応力検出手段)、
30:鉄枠(固定部材)、31:収縮部材、32:発熱部材、
33:電熱収縮装置(位置ずれ調整手段)、34:固定ブッシュ、35:呼吸孔、
C:ずれ量
Claims (3)
- ポンププレートとポンプハウジングとの間に形成されたポンプ室にポンプロータが回転軸線回りに回転可能に支承された金属製のオイルポンプと、
前記オイルポンプに前記回転軸線方向に隣接して設けられ、前記ポンプロータを回転駆動する電動モータと、
前記ポンプハウジングに回転可能に軸承され、前記ポンプロータと前記電動モータのロータとを連結する金属製の回転軸と、
前記電動モータのモータハウジングに前記オイルポンプの反対側に形成され、開口部をカバーで覆われた制御室に収納され、前記電動モータを駆動制御するコントローラと、を備え、
前記オイルポンプは、
前記ポンプロータの外周面の外側に対向して前記ポンプハウジングに嵌合された円筒状の固定部材の外周に設置され、前記ポンププレートと前記ポンプハウジングとの間の径方向の位置ずれを調整する位置ずれ調整手段を備え、
前記位置ずれ調整手段は、
前記ポンププレートと前記ポンプハウジングとの間に周方向に複数配置され、前記位置ずれの発生により受ける力を検出する応力検出手段と、
前記固定部材の外周を覆う円筒状の収縮部材と、前記収縮部材の外周面に接触して配置され、前記収縮部材を熱収縮させる複数の発熱部材と、を有する前記位置ずれを補正する位置ずれ補正手段と、を備えたことを特徴とする電動オイルポンプ装置。 - 請求項1に記載の電動オイルポンプ装置において、
前記応力検出手段および前記位置ずれ補正手段の前記発熱部材は、前記回転軸中心から径方向に同一線上に対向して円周上に等間隔に配置されたことを特徴とする電動オイルポンプ装置。 - 請求項2に記載の電動オイルポンプ装置において、
前記応力検出手段および前記位置ずれ補正手段の前記発熱部材は、前記コントローラに接続され、前記応力検出手段の出力信号により前記位置ずれの発生方向およびずれ量を検出するとともに、前記ずれ量と前記収縮部材の熱収縮量とを相殺するように前記発熱部材に通電することを特徴とする電動オイルポンプ装置。
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2013
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