JP2013122234A - 電動オイルポンプ装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂部材間の摩擦接合時に作業工数を増やすことなく、ケース内外へのバリのはみ出しを抑えることができる電動オイルポンプ装置を提供する。
【解決手段】摩擦接合部18に配置されるモータハウジング26の環状溝23の軸方向に延びる壁部24,25は、内周側(径方向内側)壁部24が外周側(径方向外側)壁部25より高く形成されている。そして、環状壁としての壁部24,25と蓋27の摺接突部22との間に形成される軸方向の隙間内に、溶着面28からはみ出したバリが収容される。また、蓋27は、摩擦接合部18の内周側壁部24と蓋27の摺接突部22との間に形成される径方向の隙間29が径方向外側から内側に向かって狭くなるように傾斜している。そして、この隙間29内に溶着面28からはみ出し壁面沿いにせり上がったバリが収容される。
【選択図】図2
【解決手段】摩擦接合部18に配置されるモータハウジング26の環状溝23の軸方向に延びる壁部24,25は、内周側(径方向内側)壁部24が外周側(径方向外側)壁部25より高く形成されている。そして、環状壁としての壁部24,25と蓋27の摺接突部22との間に形成される軸方向の隙間内に、溶着面28からはみ出したバリが収容される。また、蓋27は、摩擦接合部18の内周側壁部24と蓋27の摺接突部22との間に形成される径方向の隙間29が径方向外側から内側に向かって狭くなるように傾斜している。そして、この隙間29内に溶着面28からはみ出し壁面沿いにせり上がったバリが収容される。
【選択図】図2
Description
本発明は、電動オイルポンプ装置およびその製造方法に関するものである。
従来、電動オイルポンプ装置の具体的一例には、流体(油)を循環させるオイルポンプとオイルポンプを駆動する電動モータとを組み合わせたものがある。また、この電動オイルポンプ装置には、オイルポンプの中心軸方向に電動モータと、電動モータに隣接して中心軸方向にモータ制御用のコントローラを設けるようにしたものや、さらに、共通のハウジング内に電動モータとコントローラが一体に組み込まれたものが提案されている(例えば、特許文献1または特許文献2参照)。
上記のような電動モータと電動モータを駆動するコントローラの制御基板とを収容するケースと、そのケースの開口部を覆う蓋とがともに樹脂で形成され、これらの樹脂体同士を接合する方法として、例えば、スピン溶着が用いられている。しかしながら、ケースと蓋との接触面に生じる摩擦熱を利用して接合するとき、溶融した樹脂が治具の押圧力によって押し出されることなどにより、接合部からケースの内外にはみ出しバリが発生する場合がある。このため、バリをケースの内外に出さないように切削加工やエアーブローなどにより除去する工程が必要となり、作業工数が増える。さらに、バリがケース内の電動モータやコントローラ内部に侵入すると構造上除去できないので、制御基板や他の部材に悪影響を与える場合がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、樹脂部材間の摩擦接合時に作業工数を増やすことなく、ケース内外へのバリのはみ出しを抑えることができる電動オイルポンプ装置およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、オイルポンプと、前記オイルポンプの中心軸方向に隣接して設けられ、前記オイルポンプを回転駆動する電動モータと、前記中心軸方向に前記電動モータに隣接して設けられ、前記電動モータを駆動制御するコントローラと、を備え、前記電動モータおよび前記コントーラを収容する開口部を備えたケースと、前記開口部を覆う蓋との間に環状の摩擦接合部を形成する電動オイルポンプ装置において、前記摩擦接合部は、軸方向に延出した内周側および外周側の壁部を有する溝部と、前記溝部に摺接する突部とにより構成され、前記壁部は、内周側が外周側より高く形成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、オイルポンプに隣接して、電動モータおよびコントローラが並んで配置された電動オイルポンプ装置において、電動モータおよびコントローラを収容するケースの開口部と、蓋との間に環状の摩擦接合部が形成されている。摩擦接合は、環状の溝部と、溝部に対応する環状の突部とから構成される。このとき、溝部の両側の軸方向に延びる壁部は、内周側(径方向内側)が外周側(径方向外側)より高く形成されている。これにより、溝部と突部との溶着面から溶融生成されるバリは、内周側の壁部の隙間に沿って収容されるので、ケース内に侵入しない。この結果、バリが電動モータやコントローラの動作に悪影響を与えることを防止できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動オイルポンプ装置において、前記溝部の前記内周側の壁部と、前記溝部に対向する前記突部との間に形成される径方向の隙間は、径方向内側に向かって狭くなるように傾斜していることを要旨とする。
上記構成によれば、溝部の内周側の壁部と、溝部に対向する突部との間に形成される隙間は、径方向外側から内側に向かって狭くなるように傾斜して設けられている。これにより、この隙間は、ケース内側(出口)の方が狭くなっているので、例えば、バリの発生量や移動速度が増加しても、溶着面からはみ出し壁面沿いにせり上がったバリを隙間内に収容することができる。この結果、バリが内周側の壁部を乗り越えてケース内に飛び出すことをより確実に防止できる。
請求項3に記載の発明は、オイルポンプと、オイルポンプを回転駆動する電動モータおよび前記電動モータを駆動制御するコントローラを収容する開口部を備えたケースと、前記開口部を覆う蓋と、の間に環状の摩擦接合部を形成する電動オイルポンプ装置の製造方法において、前記蓋の外周側に円筒状の治具を同心的に設けるとともに前記蓋に嵌め合わせ、前記蓋と前記円筒状の治具との間の全周に所定のクリアランスを形成した後に、前記環状の摩擦溶接部を形成することを要旨とする。
上記構成によれば、蓋の外周側に円筒状の治具を同心に嵌合させて、蓋と治具との間の全周に所定の隙間(クリアランス)を持たせケースと蓋との間に摩擦接合部を形成する。このとき、溶着面からはみ出し隙間に流出したバリは、治具の内周面で押圧されケースと蓋の外周面に固着する。これにより、溶融した樹脂の外部への流出を抑制し、バリの落下も防止できる。また、径方向へのはみ出し量を所定量以下に抑えることができる。
本発明によれば、樹脂部材間の摩擦接合時に作業工数を増やすことなく、ケース内外へのバリのはみ出しを抑えることができる電動オイルポンプ装置およびその製造方法を提供できる。
次に、本発明の一実施形態に係る電動オイルポンプ装置について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動オイルポンプ装置の要部を示す軸方向の部分断面図である。図1に示すように、電動オイルポンプ装置1は、自動車のトランスミッション用油圧ポンプとして用いられ、オイルポンプ(例えば、内接ギヤポンプ)2とオイルポンプ2に隣接してオイルポンプ2を回転駆動する電動モータ3とがハウジング内にユニット化(一体化)されている。また、コントローラ4もハウジング内に組み込まれている。なお、図1に示す電動モータ(以下、ブラシレスモータという)3は、3相巻線を有するブラシレスセンサレスモータである。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動オイルポンプ装置の要部を示す軸方向の部分断面図である。図1に示すように、電動オイルポンプ装置1は、自動車のトランスミッション用油圧ポンプとして用いられ、オイルポンプ(例えば、内接ギヤポンプ)2とオイルポンプ2に隣接してオイルポンプ2を回転駆動する電動モータ3とがハウジング内にユニット化(一体化)されている。また、コントローラ4もハウジング内に組み込まれている。なお、図1に示す電動モータ(以下、ブラシレスモータという)3は、3相巻線を有するブラシレスセンサレスモータである。
オイルポンプ2は、ここではトロコイド曲線型ポンプを用いていて、トロコイド歯形を有する内歯を備えた図示しないポンプ用アウタロータ(以下、アウタロータという)の内周側に、外歯を備えた図示しないポンプ用インナロータ(以下、インナロータという)を噛み合わせ、ポンプハウジング15内にこれらのアウタロータおよびインナロータを偏心して回転自在に配置したものである。
インナロータは、回転駆動軸7におけるロータ6を形成した部分より一方(図1中、左側)に寄った部分に外嵌固着されて、この回転駆動軸7とともに回転するようになっている。アウタロータは、このインナロータの外歯よりも1歯多い内歯を備え、回転駆動軸7に対して偏心した位置を中心にポンプハウジング15内で回転自在となるように配置されている。また、インナロータは、外歯がこのアウタロータの内歯に全周の一部で噛み合うとともに、各外歯がこのアウタロータの内面に全周の各所でそれぞれほぼ内接しながら回転するようになっている。
したがって、ブラシレスモータ3により回転駆動軸7が回転駆動されると、このオイルポンプ2のアウタロータの内歯とインナロータの外歯との間隙の容積がこの回転駆動軸7の1回転の間に拡大と縮小を繰り返すので、これらの間隙に通じるポンププレート14に設けられた図示しないインポートからアウトポートに向けてオイルを送り出すポンプ動作が行われることになる。
ブラシレスモータ3は、回転するモータ用ロータ(以下、ロータという)6と、このロータ6の外周面の外側に固定されたモータ用ステータ(以下、ステータという)5とで構成される。ロータ6は、回転駆動軸7の外周面に、例えば、複数個の図示しない永久磁石を周方向に沿って並べて配置し形成したものである。回転駆動軸7は、ブラシレスモータ3とオイルポンプ2とで共用する回転軸であり、両端部をポンプハウジング15と保持器17の内部に軸受11,12によって回転自在に軸支されている。ここで、保持器17の貫通孔から挿入された複数のボルト21をポンプハウジング15にねじ止めすることにより、ブラシレスモータ3のステータ5が固定されている。本実施例では、3本のボルト21が、軸中心に対して周方向に等間隔で配置されている。
ステータ5は、ロータ6の外周面の外側にわずかなエアギャップを介してステータコア9の内向きの突極(ティース)を複数配置している。このステータコア9の各ティースにはそれぞれコイル10が巻回されている。ここで、ステータコア9の軸方向両端から、コイル10をステータコア9から絶縁するためのインシュレータ13が装着されている。また、ステータ5は、複数の分割されたステータコア9から構成され、各ステータコア9は、周囲を円筒状薄肉のリング8によって、締め付け固定されている。
コイル10の端部は、図示しないバスバーと電気的に接続されている。インシュレータ13は、ブラシレスモータ3の駆動端子となる3本のバスバーと一体に樹脂モールドされている。各バスバーは、インシュレータ13の右端部から中心軸に平行に延びている。
ポンププレート14およびポンプハウジング15は、金属製の非磁性材料(例えば、アルミダイカスト)で構成される。ブラシレスモータ3およびコントローラ4を収容するモータハウジング(ケース)26および蓋27は、樹脂材料(例えば、ポリアミド等の熱可塑性樹脂)により形成される。電動オイルポンプ装置1の全体ハウジングは、上記ポンププレート14,ポンプハウジング15、モータハウジング26、および蓋27により構成されている。
モータハウジング26と蓋27とは、固定したモータハウジング26に対し、蓋27を当接した状態で回転させながら、回転による摩擦熱により両者を溶着するスピン溶着により接合される。これにより、摩擦接合部18のシール性が確保されるとともに、モータハウジング26内にブラシレスモータ3およびコントローラ4が密閉して収容されることで、モータハウジング26内のコントローラ4の防水性が確保されている。
また、本実施形態の電動オイルポンプ装置1には、ブラシレスモータ3を制御するためのコントローラ4の制御基板(以下、基板という)19がモータハウジング26に取り付けられている。基板19には、直流電源を交流に変換してブラシレスモータ3の各コイル10に駆動電流を供給するインバータ回路と、例えば、ホール素子等のセンサが検出したポンプ部16のアウタロータの回転位置の情報に基づいて、このインバータ回路を制御する制御回路からなる制御回路部20が搭載されている。基板19の両面に、コントローラ4の制御回路部20を構成する上記インバータ回路および制御回路のマイコンやコイル、コンデンサ等の電子部品が搭載されている。
各コイル10と接続されインシュレータ13に絶縁支持されたブラシレスモータ3の駆動端子であるバスバーは、基板19に挿通され、基板19上の制御回路部20に接続されている。また、モータハウジング26の側面にはコネクタシェルがモータハウジング26と一体に設けられ、その内部のコネクタピンが基板19上の制御回路部20と接続されている。
そして、上記構成により、基板19によって制御された駆動電流がブラシレスモータ3の各コイル10に供給されるようになっている。これにより、コイル10に回転磁界が発生し、永久磁石にトルクが生じてロータ6が回転駆動される。このようにして、ポンプ部16のインナロータが回転駆動されると、アウタロータがこれに従動して回転し、これらのアウタロータの内歯と,インナロータの外歯の間隙が拡縮を繰り返すので、インポートおよびアウトポートを通じてオイルを吸入・吐出するポンプ動作が行われる。
次に、図2は、図1におけるモータハウジング26と蓋27との摩擦接合部18を示す概略断面図である。図2に示すモータハウジング26は、円筒形状をしており、軸方向(図2中、右側)に開口する開口部30の開口端には、環状溝(溝部)23が全周にわたり形成されている。また、モータハウジング26の開口部30を覆う蓋27には、上記環状溝23に対応する環状の摺接突部(突部)22が形成されている。モータハウジング26および蓋27は、ともに樹脂材料により形成されている。そして、摺接突部22の先端と環状溝23の底部とが当接する状態で、蓋27を回転させながら摺接突部22を加熱溶融させ、固定した相手部品のモータハウジング26の環状溝23に押し付けることで溶着され、摩擦接合部18の溶着面28が形成される。ここでは、この接合方法としてスピン溶着が用いられる。このとき、摩擦接合部18において溶着面28からはみ出した溶融生成物、すなわち、バリが発生する。
具体的には、摩擦接合部18に配置されるモータハウジング26の環状溝23の軸方向の壁部24,25は、内周側(径方向内側、図2中、下側)壁部24が外周側(径方向外側、図2中、上側)壁部25より高く形成されている。そして、環状壁としての壁部24,25と蓋27の摺接突部22との間に形成される軸方向の隙間29内に、溶着面28からはみ出したバリを収容する構成になっている。また、蓋27は、摩擦接合部18の環状溝23の内周側壁部24と蓋27の径方向端部との間に形成される隙間29が径方向外側から内側に向かって狭くなるように傾斜している。そして、溶着面28からはみ出し壁面沿いにせり上がるバリを、この隙間29内に収容する構成になっている。
図3は、図1における矢印A方向から見た正面図である。固定状態のモータハウジング26に対して回転する(例えば、図3中、反時計回り方向)蓋27が摺接して摩擦接合部18が形成されている。なお、蓋27の外面側の回転中心部には、スピン溶着時に蓋27を回転保持するための位置決め用凸部32が設けられている。
次に、図4は、他の実施形態に係る蓋と治具との嵌合状態を示す図、図5は、同じくモータハウジングと蓋との摩擦接合部分を示す概略断面図である。
図4に示すように、円筒状の金属製(例えば、ステンレス鋼)の治具33の開口部に蓋27が軸方向に同心上に端面から所定の位置に嵌合され吸着固定される。治具33の軸方向長さは壁面沿いに流れ出る樹脂より十分長く、蓋27と治具33との径方向全周の隙間(クリアランス)34は、スピン溶着時の樹脂のはみ出し量が所定量以下となるよう設定される(例えば、片側の隙間34が0.5mm以下)。ここで、例えば、治具33の側面後方に周方向に等間隔(本実施形態では6個)に設備固定用のねじ穴36が設けられて、ボルト締結により治具33を設備側に固定する構造になっている。
図4に示すように、円筒状の金属製(例えば、ステンレス鋼)の治具33の開口部に蓋27が軸方向に同心上に端面から所定の位置に嵌合され吸着固定される。治具33の軸方向長さは壁面沿いに流れ出る樹脂より十分長く、蓋27と治具33との径方向全周の隙間(クリアランス)34は、スピン溶着時の樹脂のはみ出し量が所定量以下となるよう設定される(例えば、片側の隙間34が0.5mm以下)。ここで、例えば、治具33の側面後方に周方向に等間隔(本実施形態では6個)に設備固定用のねじ穴36が設けられて、ボルト締結により治具33を設備側に固定する構造になっている。
図5に示すように、摩擦接合部18に配置されるモータハウジング26の環状溝23の軸方向の壁部24,25は、内周側壁部24と外周側壁部25とが同じ高さに形成されている。そして、環状壁としての壁部24,25と蓋27の摺接突部22との間に形成される軸方向の隙間内に、溶着面28からはみ出した樹脂を収容する構成になっている。また、壁面沿いに外周側壁部25と蓋27の径方向端部との間に形成される外周側隙間35にせり上がった樹脂は、蓋27に固定され回転する治具33の隙間34に流出し、外周側壁部25および蓋27の外周面にバリとして固着する。さらに、蓋27は、摩擦接合部18の環状溝23の内周側壁部24と蓋27の径方向端部との間に形成される内周側隙間29が径方向外側から内側に向かって狭くなるように傾斜している。そして、溶着面28からはみ出し壁面沿いにせり上がったバリは、この隙間29内に収容される。
次に、上記のように構成された本実施形態である電動オイルポンプ装置1の作用および効果について説明する。
上記構成によれば、オイルポンプ2に隣接して、オイルポンプ2の中心軸方向にセンサレスのブラシレスモータ3およびコントローラ4が並んで配置された電動オイルポンプ装置1において、ブラシレスモータ3およびコントローラ4の制御基板19を収容するモータハウジング26の開口端31に環状溝23が形成され、モータハウジング26の開口部30を覆う蓋27に、環状溝23に対応する環状の摺接突部22が形成されている。摺接突部22の先端が環状溝23の底部に当接した状態で、蓋27を回転させる。このとき、モータハウジング26は、回転不能に固定されている。そして、両者を摺接して相対回転させることにより、蓋27はモータハウジング26の溶着面28に摩擦接合(スピン溶着)される。このとき、環状溝23の両側の軸方向に延びる壁部24,25は、内周側壁部24が外周側壁部25より高く形成されている。また、モータハウジング26の内周側壁部24と、環状溝23に対向する蓋27の摺接突部22との間に形成される径方向の隙間29が径方向外側から内側に向かって狭くなるように傾斜して設けられている。
これにより、摺接突部22の先端と環状溝23の底部との摩擦熱により溶着面28から溶融生成されるバリは、押し出されて内周側壁部24の隙間に収容され、後処理によって除去し難いモータハウジング26内には侵入しないので、バリがブラシレスモータ3やコントローラ4の制御基板19の動作に悪影響を与えることを防止できる。さらに、バリの発生量や移動速度が増加しても、溶着面28からはみ出し壁面沿いにせり上がったバリを、モータハウジング26の径方向内側(出口)が狭くなった隙間29内に収容することができる。この結果、バリが内周側壁部24を乗り越えてモータハウジング26内に飛び出すことを防止できる。また、バリを内周側に収容しやすくすることにより、モータハウジング26の径方向外側にはみ出すことを抑えることができる。
さらに、他の実施形態によれば、蓋27の外周側に円筒状の治具33の開口部を軸方向に同心上に嵌合させ蓋27と治具33との径方向全周に所定の隙間(クリアランス)34を設けてモータハウジング26の開口端31と蓋27をスピン溶着させる。このとき、溶着面28からはみ出し隙間34に流出した樹脂は、治具33の内周面に押圧されモータハウジング26の外周側壁部25および蓋27の外周面に固着する。これにより、モータハウジング26の溝部23の外周側壁部25と蓋27との間の外周側隙間35から樹脂の外部への流出を抑制し、バリの落下も防止できる。
以上のように、本実施形態によれば、樹脂部材間の摩擦接合時に作業工数を増やすことなく、モータハウジング内外へのバリのはみ出しを抑えることができる電動オイルポンプ装置およびその製造方法を提供できる。
以上、本発明に係る一実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することも可能である。
上記実施形態では、本発明を電動オイルポンプ装置1のモータハウジング26と蓋27との摩擦接合構造に具体化した。しかし、その適用部位については必ずしもこれに限るものでなく、2つの部材間を摩擦接合するものであれば、どのようなものに適用してもよい。また、固定状態にあるモータハウジング26の開口端に対して回転する蓋27を当接させることにより、その摩擦接合を行うこととしたが、これに限らず、摩擦接合する2つの部材は、摺接状態で相対回転させることができるものであれば、電動オイルポンプ装置以外の用途に適用してもよい。
また、上記実施形態では、モータハウジング26の開口端31に環状溝23を形成することにより、モータハウジング26に壁部24,25を有し、蓋27に摺接突部22を形成することとした。しかしながら、その蓋27が重力方向下側から固定されるような場合等には、蓋27側に環状溝を形成し、その壁部を環状壁として、モータハウジング26側に摺接突部を形成する構成であってもよい。
さらに、上記実施形態では、樹脂材料同士の接着方法として、スピン溶着による場合を示したが、これに限るものでなく、熱板溶着、超音波溶着、振動溶着、赤外線溶着など、または、接着剤による接着であってもよい。さらに、上記実施形態では、モータハウジング26および蓋27は、ともに樹脂部材により形成されることとしたが、これに限らず、少なくともその摺接部分が樹脂であることが望ましい。そして、その摩擦接合が可能であれば、両者ともに金属部材であってもよい。同様に径方向全周に金属製の蓋27との間に隙間34を設けた円筒状の治具33を用いることにより外部への溶融した金属のはみ出しを抑制することができる。
上記実施形態では、オイルポンプ2として内接ギヤ式ポンプを用いる場合を示したが、これに限るものでなく、ベーン駆動や外接ギヤなどを用いた回転型ポンプを適用してもよい。
また、上記実施形態では、ブラシレスモータ3のロータ6として、回転駆動軸7の外周部に複数個の永久磁石を配置し固着する場合を示したが、リング状の永久磁石を固着したものを用いるようにしてもよい。
1:電動オイルポンプ装置、2:オイルポンプ、3:ブラシレスモータ(電動モータ)、
4:コントローラ、5:モータ用ステータ、6:モータ用ロータ、7:回転駆動軸、
8:リング、9:ステータコア、10:モータコイル、11、12:軸受、
13:インシュレータ、14:ポンププレート、15ポンプハウジング、
16:ポンプ部、17:保持器、18:摩擦接合部、19:基板(制御基板)、
20:制御回路部、21:ボルト、22:摺接突部(突部)、23:環状溝(溝部)、
24:内周側壁部、25:外周側壁部、26:モータハウジング(ケース)、
27:蓋、28:溶着面、29:内周側隙間、30:モータハウジング開口部、
31:モータハウジング開口端、32:蓋位置決め用凸部、33:治具、
34:治具側隙間(クリアランス)、35:外周側隙間、36:設備固定用ねじ穴
4:コントローラ、5:モータ用ステータ、6:モータ用ロータ、7:回転駆動軸、
8:リング、9:ステータコア、10:モータコイル、11、12:軸受、
13:インシュレータ、14:ポンププレート、15ポンプハウジング、
16:ポンプ部、17:保持器、18:摩擦接合部、19:基板(制御基板)、
20:制御回路部、21:ボルト、22:摺接突部(突部)、23:環状溝(溝部)、
24:内周側壁部、25:外周側壁部、26:モータハウジング(ケース)、
27:蓋、28:溶着面、29:内周側隙間、30:モータハウジング開口部、
31:モータハウジング開口端、32:蓋位置決め用凸部、33:治具、
34:治具側隙間(クリアランス)、35:外周側隙間、36:設備固定用ねじ穴
Claims (3)
- オイルポンプと、
前記オイルポンプの中心軸方向に隣接して設けられ、前記オイルポンプを回転駆動する電動モータと、
前記中心軸方向に前記電動モータに隣接して設けられ、前記電動モータを駆動制御するコントローラと、を備え、
前記電動モータおよび前記コントーラを収容する開口部を備えたケースと、前記開口部を覆う蓋との間に環状の摩擦接合部を形成する電動オイルポンプ装置において、
前記摩擦接合部は、軸方向に延出した内周側および外周側の壁部を有する溝部と、前記溝部に摺接する突部とにより構成され、
前記壁部は、内周側が外周側より高く形成されていることを特徴とする電動オイルポンプ装置。 - 請求項1に記載の電動オイルポンプ装置において、
前記溝部の前記内周側の壁部と、前記溝部に対向する前記突部との間に形成される径方向の隙間は、径方向内側に向かって狭くなるように傾斜していることを特徴とする電動オイルポンプ装置。 - オイルポンプを回転駆動する電動モータおよび前記電動モータを駆動制御するコントローラを収容する開口部を備えたケースと、前記開口部を覆う蓋と、の間に環状の摩擦接合部を形成する電動オイルポンプ装置の製造方法において、
前記蓋の外周側に円筒状の治具を同心的に設けるとともに前記蓋に嵌め合わせ、前記蓋と前記円筒状の治具との間の全周に所定のクリアランスを形成した後に、前記環状の摩擦溶接部を形成することを特徴とする電動オイルポンプ装置の製造方法。
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