JP2015036408A - 印字定着層形成用組成物、及び印字定着層付き媒体 - Google Patents

印字定着層形成用組成物、及び印字定着層付き媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2015036408A
JP2015036408A JP2013168509A JP2013168509A JP2015036408A JP 2015036408 A JP2015036408 A JP 2015036408A JP 2013168509 A JP2013168509 A JP 2013168509A JP 2013168509 A JP2013168509 A JP 2013168509A JP 2015036408 A JP2015036408 A JP 2015036408A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing layer
print
composition
resin
print fixing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013168509A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6230327B2 (ja
Inventor
光司 石井
Koji Ishii
光司 石井
博文 手塚
Hirobumi Tezuka
博文 手塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyodo Printing Co Ltd
Original Assignee
Kyodo Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyodo Printing Co Ltd filed Critical Kyodo Printing Co Ltd
Priority to JP2013168509A priority Critical patent/JP6230327B2/ja
Publication of JP2015036408A publication Critical patent/JP2015036408A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6230327B2 publication Critical patent/JP6230327B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】優れた印字特性を有し、かつ取り扱い性に優れた印字定着層を与える印字定着層形成用組成物を与える。【解決手段】バインダー樹脂、無機微粒子、及び前記バインダー樹脂の重量に対して10重量部以上のフッ素系樹脂微粒子を含む、印字定着層形成用組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、印字定着層形成用組成物、それによって形成した印字定着層、及びその印字定着層を有する印字媒体、及びその印字定着層を有する通帳に関する。特に、本発明は、取り扱い性が良好で、かつ印字性に優れた印字定着層を形成するための組成物、それによって形成した印字定着層、及びその印字定着層を有する印字媒体に関する。本発明の印字媒体は、特に金融機関用の通帳である。
図1に示すように、銀行等の金融機関で使用されている通帳(10)の表紙部には、樹脂で加工した布クロス又は紙クロスからなる表紙の表面(1)に、口座名義人氏名等を印字するための印字定着層(2)が設けられる。例えば、特許文献1では、シリカ等の印字定着剤及び硬化型樹脂を含む印字定着層を有する通帳が開示されている。
また、特許文献2では、シリカ等の無機微粒子、樹脂、及びワックスを含む印字定着層を有する媒体を開示している。ここでは、印字定着層にワックスが含まれることで、印字定着層の引掻き耐性等が向上している。
特許文献3では、印字定着層を有するプラスチックカードであって、印字記録層が、主成分としてアクリル系樹脂、バインダーとして塩酢ビ系樹脂、微粒子状ポリエチレンワックス0.5〜2.8質量%、及び微粒子状ポリテトラフルオロエチレンワックス0.2〜0.5質量%を含むプラスチックカードを開示している。
実開昭58−17172号公報 特開2002−79618号公報 特開2010−131753号公報
上記の印字層定着を含む通帳等では、印字特性は向上しているものの、未だ印字特性に関して改善の余地があった。また、通帳等の自動発行機及び自動繰越機において、送り出しが正常に行われない場合があり、取り扱い性に改善の余地があった。
そこで、本発明は、これらの課題を解決する印字定着層形成用組成物、それによって形成した印字定着層、及びその印字定着層を有する印字媒体を与えることを目的とする。
本発明者らは、以下の手段により、上記課題を解決できることを見出した。
[1] バインダー樹脂、無機微粒子、及び前記バインダー樹脂の重量に対して10重量部以上のフッ素系樹脂微粒子を含む、印字定着層形成用組成物。
[2] ワックスが、前記バインダー樹脂の重量に対して10重量部以下である、[1]に記載の印字定着層形成用組成物。
[3] 前記フッ素系樹脂微粒子が、前記バインダー樹脂の重量に対して90重量部以下である、[1]又は[2]に記載の印字定着層形成用組成物。
[4] 前記フッ素系樹脂微粒子が、モノフルオロエチレン樹脂、ジフルオロエチレン樹脂、トリフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される樹脂の微粒子である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の印字定着層形成用組成物。
[5] 前記バインダー樹脂が、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の印字定着層形成用組成物。
[6] 前記無機微粒子が、シリカ、タルク、カオリン、クレー、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、及びこれらの混合物からなる群より選択される、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の印字定着層形成用組成物。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の印字定着層形成用組成物によって形成された印字定着層。
[8] [7]の印字定着層を含む、印字媒体。
[9] [7]の印字定着層を含む、通帳。
本発明よれば、優れた印字特性を有する印字定着層を有し、かつ取り扱い性に優れた印字定着層付き印字媒体、特に金融機関用の通帳を与えることができる。
本発明の一実施態様である通帳の概略図である。 静摩擦係数を測定するための装置の概略図である。
≪印字定着層形成用組成物≫
本発明の印字定着層形成用組成物は、バインダー樹脂、無機微粒子、及びバインダー樹脂の重量に対して10重量部以上のフッ素系樹脂微粒子を含む。
通帳等の自動発行機及び自動繰越機の内部では、通帳が重ねて保持されており、この機械内で新たに通帳を送り出す際には、送り出す通帳が隣接している通帳と擦れることになる。本発明者らは、通帳の送り出し不良の原因が通帳同士の擦れに起因しており、印字定着層の摩擦係数を低くすることで、送り出し不良を改善できることを見出した。
これに関して、従来のワックスを用いる印字定着層形成用組成物においても、ワックスを多く含ませることによって、印字定着層の摩擦係数を低下させることができる。しかし、ワックスを多く含ませて形成した印字定着層は、印字特性が低下してしまう。それに対して、本発明者らは、フッ素系樹脂微粒子を用いる本発明の印字定着層形成用組成物が、予想外にも、摩擦係数が低く、かつ印字特性の良好な印字定着層を与えることを見出した。
(バインダー樹脂)
本発明で用いるバインダー樹脂は、印字定着層を形成する基材に無機微粒子等を定着させるものであれば特に限定されないが、例えば、セラック、ロジン及びその誘導体、硝化綿及び繊維素誘導体、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、石油樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、塩素化ポリプロピレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂、ポリ塩化ビニリデン、水溶性樹脂等を用いることができる。また、紫外線により共重合し硬化するプレポリマーを含有するUVインキを用いてもよい。それに用いる共重合性化合物としてはポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アルキドアクリレートがあげられる。
これらの中でも、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、及びポリスチレンが好ましく用いられる。なお、バインダー樹脂としては、上記物質から2種以上を混合して使用してもよい。また、印字定着層形成用組成物を調製する際には、これらの樹脂を、液体媒体中の分散体又は溶液として与えてもよい。
(無機微粒子)
本発明で用いる無機微粒子は、印字用のインキ等を受容する性質を有していればよい。この無機微粒子としては、例えば、シリカ、タルク、カオリン、クレー、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム等を使用することができ、また多孔質無機微粒子を好ましく用いることができる。なお、上記無機微粒子としては、上記物質中から2種以上を混合して使用してもよい。この中でも特に、多孔質シリカが好ましい。
本発明で用いる無機微粒子の粒径としては、メジアン径(d50)が0.1〜50μmのものを用いることができ、好ましくはメジアン径が0.5〜20μm、1.0〜10μm、又は2.0〜8.0μmであることが好ましい。ここで、このメジアン径は、ベックマンコールター社製「モデルLS−230」(レーザー回折光散乱法)粒度分布測定機を用いて測定することができる。この場合、溶媒に水を用い、ホモジナイザーを用いて200Wの出力を1分間かけて分散処理させたものを試料とする。
本発明で用いる無機微粒子は、好ましくは多孔質物質であり、その比表面積値としては、0.1〜2000m/g、0.5〜500m/g、又は、1.0〜50m/gであることが好ましい。BET法比表面積は、湯浅アイオニクス社製測定機「4−SORB U2」)を用いて、測定することができる。
(フッ素系樹脂微粒子)
本発明の印字定着層形成用組成物は、上記バインダー樹脂の重量に対して10重量部以上のフッ素系樹脂微粒子を含む。好ましくは、フッ素系樹脂微粒子は、上記バインダー樹脂の重量に対して20重量部以上、30重量部以上、又は40重量部以上含まれ、また150重量部以下、120重量部以下、100重量部以下、90重量部以下、又は80重量部以下で含まれる。このような範囲で含まれる場合には、得られる印字定着層は、十分に低い摩擦係数を有し、また印字した場合には良好な印字特性、例えば印字濃さ及び印字定着性を有する。
本発明で用いるフッ素系樹脂微粒子としては、フルオロオレフィン樹脂の微粒子であることが好ましい。フルオロオレフィン樹脂は、通常フルオロエチレン構造を含む重合体あるいは共重合体であり、具体例としては、モノフルオロエチレン樹脂、ジフルオロエチレン樹脂、トリフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられるが、なかでもテトラフルオロエチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、PTFE)が好ましい。
本発明で用いるフッ素系樹脂微粒子のメジアン径(d50)は、好ましくは0.1〜20μm、0.5〜15μm、1.0〜10μm、又は2.0〜8.0μmである。この粒径は、ベックマンコールター社製「モデルLS−230」(レーザー回折光散乱法)粒度分布測定機を用いて測定することができる。
本発明で用いるフッ素系樹脂微粒子の樹脂は、好ましく比較的低い分子量を有し、その耐熱温度は、好ましくは100℃〜500℃、150℃〜400℃、又は200℃〜300℃の範囲である。ここで、耐熱温度とは、その温度に加熱したときに80%以上の個数のフッ素系樹脂微粒子が粒子の形状を保つことができる温度をいう。
(その他の成分−ワックス)
本発明の印字定着層形成用組成物は、好ましくはワックスの含量が、バインダー樹脂の重量に対して10重量部以下、5重量部以下、3重量部以下、1重量部以下、0.5重量部以下、又は0.1重量部以下である。また、この組成物は、ワックスを実質的に含まなくてもよい。
ここで、ワックスとは、常温では固体で、150℃、120℃、100℃、80℃、又は60℃では液化して油状となる物資であり、本明細書で用いる場合、用語「ワックス」には、上記のフッ素系樹脂微粒子を含まないものとする。このようなワックスとしては、例えば、石油ワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等)、植物系ワックス(カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木蝋等)、動物系ワックス(蜜蝋、鯨蝋等)、鉱物系ワックス(モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等)、合成系ワックス(ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプッシュワックス、アミドワックス、硬化ヒマシ油等)等を挙げることができる。
(その他の成分−溶媒)
本発明の印字定着層形成用組成物は、印字定着層を形成する際に塗工するために、溶媒を含んでもよい。そのような溶媒としては、上述したバインダー樹脂成分及び他の添加剤を溶解又は分散させ、本発明の印字定着層形成用組成物を基材に好適に塗工できるようにし、かつ塗工後には容易に乾燥できる溶媒であれば、特に限定されない。そのような溶媒の例としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ヘプタノン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル)等が挙げられる。
≪印字定着層≫
本発明の印字定着層は、上記の印字定着層形成用組成物で形成される。ここでは、まず印字定着層形成用組成物を基材に塗工し、そして必要に応じて乾燥させて、印字定着層を形成する。
印字定着層形成用組成物の塗工方法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコートなどの通常の塗工方法や転写コーティング法が挙げられる。
(摩擦係数)
本発明の印字定着層は、好ましくは0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、又は0.40以下の静摩擦係数を有する。このように低い摩擦係数を有する場合には、その印字定着層を有する媒体の取り扱い性が良好となる。
例えば通帳に関しては、印字定着層が上記のような静摩擦係数を有することで、印字定着層と印字定着層以外の通帳表紙部材との摩擦係数の差が小さくなる。それにより、印字定着層の高い摩擦係数に起因する、表紙部材のひっかかりが少なくなり、自動発行機及び自動繰越機等では、通帳を送り出す際のエラーの発生が減少すると考えられる。このような低い摩擦係数に起因する取り扱い性の向上は、通帳以外の様々な媒体においても有益であると考えられる。
なお、塗工して乾燥させたままの印字定着層は、摩擦係数が高い場合があり、必要に応じて擦過することによって、摩擦係数を低くする。本発明の印字定着層が通帳に形成される場合には、この擦過は、通帳の製造工程で必然的に発生する通帳の擦れによって達成されてもよい。通帳の製造工程においては、印刷工程、丁合い工程、断裁/背糊工程、ミシンがけ工程、2つ折りにする工程、磁気テープ貼付工程等があり、これらの各工程で印字定着層が擦れて摩擦係数が低くなる。
上記の静摩擦係数は、JIS P8147に準拠して測定することができ、特に摩擦測定機(株式会社東洋精機製作所、TR−2)を用いて測定することができる。ここで、測定時の水平移動速度は、100mm/minであり、滑り片(おもり)は200g(40cm)を用いることができる。
図2は、その測定装置の概略図を示しており、ここではベタのシルク版を用いて、2つの通帳(10a及び10b)の表紙(紙クロス)(1a及び1b)の全面に、本発明の印字定着層形成用組成物を塗工する。塗工後に乾燥(35℃で15分以上)させて得られた印字定着層(2a、2b)を得た。2つの通帳を互いに擦らせて静摩擦係数を測定するために、一方の通帳(10a)を測定部(3)に固定し、他方の通帳(10b)を移動する台(6)に固定部(4)で固定する。また、200gのおもり(5)をこれらの通帳(10a及び10b)上に乗せ、100mm/minの速度で台(6)を水平に引っ張る。15回測定を行い、13回目〜15回目の静摩擦係数を平均する。これは、印字定着層形成後の10〜12回目くらいまでの擦過では、摩擦係数が十分に下がりきらずに、測定値が安定しない場合があるためである。
(印字濃さ及び定着性)
本発明の印字定着層に印字した場合、その印字部分は良好な印字濃さを有する。ここで、印字濃さを、十分な大きさの黒ベタ部分を印字した印字定着層について、Gretag Macbeth社製の分光測色計SpectroEye(光源:D50、視野角:2°、濃度基準:DIN、白色基準:Abs、内蔵フィルター:NO)を使用して複数点を測定した平均の光学濃度(OD値)であると定義すると、印字濃さは、好ましくは0.70以上、0.75以上、0.80以上、0.83以上、又は0.85以上である。
また、その印字部分は、高い印字定着性を有する。印字定着性を、印字後すぐにプラスチック消しゴムで20回擦った後の上記印字濃さであると定義すると、印字定着性は、好ましくは0.45以上、0.50以上、0.55以上、0.60以上、又は0.65以上である。
≪印字媒体及び通帳≫
本発明の印字定着層を有する媒体としては、印字定着層によって印字を促進することが好ましい印字媒体であれば、特に限定されないが、例えばプラスチック製のカード、光ディスク、樹脂を塗工した紙及び繊維等が挙げられる。ここで、印字媒体とは、文字等を印刷又は筆記することができる媒体をいう。
印字定着層の接着性を向上させるために、これらの印字媒体と印字定着層との間に他のアンカー層を形成することもできる。このような層としては、塩素含有重合体、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等;ポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、テレフタール酸又はイソフタール酸等の酸成分とエチレングリコール又はシクロヘキサンジメタノール等のアルコール成分との縮合エステル樹脂(たとえばPETG:イーストマンケミカル社の商標)等;生分解性プラスチック樹脂、ポリ乳酸系樹脂、デンプンと変性ポリビニールアルコール等とからなる天然高分子系樹脂、β―ヒドロキシ酪酸とβ―ヒドロキシ吉草酸とからなる微生物産生の樹脂等、ポリアミド樹脂;アクリル樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられ、これら上記材料を適宜組合せてもよく、これら上記の材料を組合せて積層したものでもよい。
本発明の印字定着層2を有する通帳10の概略図を図1に示す。樹脂加工布クロス又は樹脂加工紙クロスである表紙1に、印字定着層2が形成されている。印字定着層2には、自動発行機及び自動繰越機において、口座番号や氏名等が印刷される。
表1に記載の実施例1〜8及び比較例1のいずれかに記載の各成分、並びに溶媒としてのシクロヘキサノンを混合し、印字定着層形成用組成物を調製した。これらを、基材(商品名:TSベストカバー、特種東海製紙株式会社)に、255線のシルク版を用いて塗布して、35℃で30分間乾燥させて、7μm程度の厚みの印字定着層を得た。なお、比較例4は、特開2010−131753号公報(特許文献3)に記載の組成に対応している。また、印字定着層を形成していない場所の基材の静摩擦係数は、0.32であり、表1に参考として記載した。
このようにして得た印字定着層について、上記の方法で、静摩擦係数並びに印字濃さ及び印字定着性について評価した。これらの結果も表1に併せて示す。なお、印字定着層は、各例で3つずつ作製し、評価結果においては、その3つの平均値を記載している。
Figure 2015036408
なお、印字定着層形成用組成物に含まれる各成分の詳細は以下の通りである:
バインダー樹脂:塩ビ系樹脂((株)セイコーアドバンス製、SSPC(Z)Y1161レジューサー、固形分38重量%)
無機微粒子:シリカ(東ソー・シリカ(株)製、E−150J、平均粒径4.7μm)
フッ素系樹脂微粒子:PTFE粒子((株)喜多村製、KTL8N)
ワックス:ポリエチレンワックス(サンノプコ(株)製、商品名SL−551)
実施例2の印字定着層形成用組成物を用いて通帳に形成した印字定着層と、実施例2のフッ素系樹脂微粒子(PTFE)の代わりにワックスを同量添加した比較例2の印字定着層形成用組成物を用いて通帳に形成した印字定着層との印字特性を比較して評価した。結果を表2に示す。
Figure 2015036408
1 通帳の表紙
2 印字定着層
3 測定部
4 固定部
5 おもり
6 台
10 通帳

Claims (9)

  1. バインダー樹脂、無機微粒子、及び前記バインダー樹脂の重量に対して10重量部以上のフッ素系樹脂微粒子を含む、印字定着層形成用組成物。
  2. ワックスが、前記バインダー樹脂の重量に対して10重量部以下である、請求項1に記載の印字定着層形成用組成物。
  3. 前記フッ素系樹脂微粒子が、前記バインダー樹脂の重量に対して90重量部以下である、請求項1又は2に記載の印字定着層形成用組成物。
  4. 前記フッ素系樹脂微粒子が、モノフルオロエチレン樹脂、ジフルオロエチレン樹脂、トリフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される樹脂の微粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の印字定着層形成用組成物。
  5. 前記バインダー樹脂が、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の印字定着層形成用組成物。
  6. 前記無機微粒子が、シリカ、タルク、カオリン、クレー、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の印字定着層形成用組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の印字定着層形成用組成物によって形成された印字定着層。
  8. 請求項7の印字定着層を含む、印字媒体。
  9. 請求項7の印字定着層を含む、通帳。
JP2013168509A 2013-08-14 2013-08-14 印字定着層形成用組成物、及び印字定着層付き媒体 Active JP6230327B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013168509A JP6230327B2 (ja) 2013-08-14 2013-08-14 印字定着層形成用組成物、及び印字定着層付き媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013168509A JP6230327B2 (ja) 2013-08-14 2013-08-14 印字定着層形成用組成物、及び印字定着層付き媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015036408A true JP2015036408A (ja) 2015-02-23
JP6230327B2 JP6230327B2 (ja) 2017-11-15

Family

ID=52687035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013168509A Active JP6230327B2 (ja) 2013-08-14 2013-08-14 印字定着層形成用組成物、及び印字定着層付き媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6230327B2 (ja)

Citations (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09300811A (ja) * 1996-05-15 1997-11-25 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録用キャスト塗被紙
JPH10114141A (ja) * 1996-10-09 1998-05-06 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録媒体
JPH10512312A (ja) * 1995-01-09 1998-11-24 ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド 軽量な硬化された保護コーティングとその製造・使用方法
JPH11279441A (ja) * 1998-03-27 1999-10-12 Toppan Printing Co Ltd 撥水性オーバープリントニス組成物
JPH11286191A (ja) * 1998-04-02 1999-10-19 Oji Paper Co Ltd 親展ハガキ用紙
JPH11302563A (ja) * 1998-04-21 1999-11-02 Kansai Paint Co Ltd 印刷可能なベースコート用光硬化型塗料組成物
JPH11309939A (ja) * 1998-04-28 1999-11-09 Sekisui Chem Co Ltd 水性インク用記録材
JP2000071600A (ja) * 1998-09-01 2000-03-07 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録用紙
JP2002347328A (ja) * 2001-05-22 2002-12-04 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録媒体
JP2005212362A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Kyodo Printing Co Ltd 可逆性感熱記録媒体およびその製造方法
JP2005345793A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Fuji Seal International Inc つや消し用コーティング剤、プラスチックラベル及びラベル付き容器
JP2007268901A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Canon Inc インクジェット記録媒体、及び印画物
JP2008302266A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Mitsubishi Electric Corp コーティング方法及び物品
JP2009018478A (ja) * 2007-07-11 2009-01-29 Canon Inc インクジェット記録媒体、及び印画物
JP2011207011A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Mitsubishi Paper Mills Ltd 可逆性感熱記録材料
JP2012236900A (ja) * 2011-05-11 2012-12-06 Stt Kk 水系潤滑塗料組成物
JP3184778U (ja) * 2013-04-05 2013-07-18 株式会社ユポ・コーポレーション 救急医療情報提供シート

Patent Citations (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10512312A (ja) * 1995-01-09 1998-11-24 ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド 軽量な硬化された保護コーティングとその製造・使用方法
JPH09300811A (ja) * 1996-05-15 1997-11-25 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録用キャスト塗被紙
JPH10114141A (ja) * 1996-10-09 1998-05-06 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録媒体
JPH11279441A (ja) * 1998-03-27 1999-10-12 Toppan Printing Co Ltd 撥水性オーバープリントニス組成物
JPH11286191A (ja) * 1998-04-02 1999-10-19 Oji Paper Co Ltd 親展ハガキ用紙
JPH11302563A (ja) * 1998-04-21 1999-11-02 Kansai Paint Co Ltd 印刷可能なベースコート用光硬化型塗料組成物
JPH11309939A (ja) * 1998-04-28 1999-11-09 Sekisui Chem Co Ltd 水性インク用記録材
JP2000071600A (ja) * 1998-09-01 2000-03-07 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録用紙
JP2002347328A (ja) * 2001-05-22 2002-12-04 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録媒体
JP2005212362A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Kyodo Printing Co Ltd 可逆性感熱記録媒体およびその製造方法
JP2005345793A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Fuji Seal International Inc つや消し用コーティング剤、プラスチックラベル及びラベル付き容器
JP2007268901A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Canon Inc インクジェット記録媒体、及び印画物
JP2008302266A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Mitsubishi Electric Corp コーティング方法及び物品
JP2009018478A (ja) * 2007-07-11 2009-01-29 Canon Inc インクジェット記録媒体、及び印画物
JP2011207011A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Mitsubishi Paper Mills Ltd 可逆性感熱記録材料
JP2012236900A (ja) * 2011-05-11 2012-12-06 Stt Kk 水系潤滑塗料組成物
JP3184778U (ja) * 2013-04-05 2013-07-18 株式会社ユポ・コーポレーション 救急医療情報提供シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP6230327B2 (ja) 2017-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10540996B2 (en) Magnetic tape having characterized magnetic layer and magnetic tape device
TWI556013B (zh) Light shielding material for optical machine and manufacturing method thereof
EP1452309B1 (en) Adhesive polyester film for optical use
JP5406615B2 (ja) 透明フィルムおよび該フィルムを用いた表面保護フィルム
KR0159913B1 (ko) 감열전사 및 감열공판원지용 적층 폴리에스테르 필름
WO2012005147A1 (ja) 光学機器用遮光部材
RU2008142142A (ru) Подложка для материалов для записи информации
JP6230327B2 (ja) 印字定着層形成用組成物、及び印字定着層付き媒体
JPH10287091A (ja) 筆記ボード用シート、映写スクリーン用シート及び筆記ボード用及び映写スクリーン用シート
JP2012131108A (ja) インク受容層形成用組成物及びインク受容層シート
JP7135547B2 (ja) 表面処理プラスチックフィルム
JP2014043108A (ja) 透明フィルムおよび該フィルムを用いた表面保護フィルム
JP4893289B2 (ja) カード用転写保護フィルム
Zhu et al. Surface characterization of trimethoxysilane-containing high-solid hydroxyl acrylic resin films
JP5155621B2 (ja) 光触媒層の転写用キャリアフィルム
JP7326929B2 (ja) ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物
JPS632053A (ja) 静電記録体
JPH01290122A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPS60149047A (ja) 静電記録体
JP2005246750A (ja) 筆記層付き媒体
JP2022100312A (ja) 積層白色フィルムおよび被記録材
JP2005520017A (ja) 2層のプラスチックフィルム層を含む自己粘着性プラスチックシート及びその製造方法
JPH04201250A (ja) 帯電防止性フィルム
JP2011073169A (ja) インクジェット記録媒体及びその製造方法
JPS6250199A (ja) 筆記用シ−ト状物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160608

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171017

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6230327

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250