JP2008302266A - コーティング方法及び物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均粒子径が2nm〜10nmであるコロイドシリカと、平均粒子径が50nm〜300nmであるフッ素樹脂粒子とを含む水系コーティング剤を塗布、270℃以上で乾燥させてコーティング皮膜を形成する。水系コーティング剤におけるコロイドシリカとフッ素樹脂粒子との質量比は、50:50〜95:5であることが好ましい。また、フッ素樹脂粒子としては、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)粒子が好ましい。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には、コロイド状シリカ及びオルガノアルコキシシラン部分加水分解縮合物等のSiO系無機高分子を主成分とし、不飽和エチレン性単量体の重合体又は共重合体を添加するとともにさらにフッソ樹脂を添加した無機系高分子複合コーティング剤が開示されている。
また、特許文献2には、酸化珪素を主成分とするガラス中にフッ化炭素鎖を含む分子が含有され、且つこの分子がガラスとSi−O結合によって共有結合した構造となるコーティング剤が開示されている。
従って、本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、撥水性、耐摩耗性及び耐熱性に優れたコーティング皮膜を低コストで簡便に形成することのできるコーティング方法を提供することを目的としている。
即ち、本発明は、平均粒子径が2nm〜10nmであるコロイドシリカと、平均粒子径が50nm〜300nmであるフッ素樹脂粒子とを含む水系コーティング剤を物品に塗布して乾燥させた後、270℃以上に加熱してコーティング皮膜を形成することを特徴とするコーティング方法である。
また、本発明は、上記コーティング方法により得られることを特徴とする物品である。
本発明のコーティング方法で用いる水系コーティング剤は、コロイドシリカとフッ素樹脂微粒子とを含むことを特徴とする。
本発明で用いられるコロイドシリカの平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置(
堀場製作所製LB−550など)により測定した場合、2nm〜10nmである。平均粒子径が上記範囲にあるコロイドシリカを水系コーティング剤に含有させることで、高強度で緻密化されたコーティング皮膜を得ることができる。コロイドシリカの平均粒子径が10nmを超える場合、得られたコーティング皮膜に十分な強度が得られない。一方、コロイドシリカの平均粒子径が2nm未満である場合、水系コーティング剤の流動性や得られるコーティング皮膜特性の安定性が低くなることがある。
有機溶剤としては、アルコール系、グリコール系、エステル系、エーテル系等の各種のものが挙げられる。
シランカップリング剤としては、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のメタクリロキシ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、スルフィド系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤、ウレイド系シランカップリング剤等が挙げられる。
シラン化合物としては、トリフルオロプロピルトリメトキシランやメチルトリクロロシラン等のハロゲン含有シラン化合物、ジメチルジメトキシシランやメチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有シラン化合物、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物、メチルメトキシシロキサン等のオリゴマー等が挙げられる。
これらの成分の添加量は、本発明のコーティング方法の効果を損なわない範囲であれば、特に制限されることはなく、選択した成分にあわせて適宜調整すればよい。
これらの水系コーティング剤を、ステンレス板にスプレーで均一に吹き付けた後、24℃で乾燥させた。この後、ステンレス板を加熱炉に入れ、表1に示す加熱条件で加熱し、ステンレス板上にコーティング皮膜を形成した。
コーティング皮膜の性状は、コーティング皮膜を目視により観察し、透明、微白濁及び白濁の三段階で評価した。
コーティング皮膜の撥水性及び撥油性の評価は、それぞれ水及びデカンを用いて接触角計(協和界面化学株式会社製DM100)で行った。また、耐熱性を評価するため、350℃で15分間加熱した後の接触角も測定した。
コーティング皮膜の性状、水及びデカンの接触角を表2にまとめた。
一方、250℃で加熱を行った参考例1及び2は、撥水性及び撥油性が十分に得られておらず、優れた撥水性及び撥油性を得るためには270℃以上の加熱が必要であることが確認された。
コーティング皮膜の耐摩耗性については、ワイピングペーパー(クレシア製、商品名キムワイプ)を5cm角の基板に固定し、これをコーティング面に50g/cm2の圧力で押し付けながら往復運動させて評価した。50回毎にコーティング皮膜の残留を確認し、目視でコーティング皮膜の残留面積が80%未満となる回数を耐磨耗回数とした。350℃で15分加熱後のコーティング皮膜の耐磨耗回数についても同様に測定した。
また、同様に、コーティング皮膜を形成したステンレス板を200℃に加熱しながら耐摩耗回数を測定し、200℃における耐磨耗性を評価した。これらの結果を表3にまとめた。
一方、参考例1及び2では、耐磨耗性が十分に得られない。更に、参考例1及び2において、350℃の加熱後に耐摩耗性が向上しているのは、コーティング皮膜を形成する際の加熱温度が低かったことが原因であることを示している。
Claims (4)
- 平均粒子径が2nm〜10nmであるコロイドシリカと、平均粒子径が50nm〜300nmであるフッ素樹脂粒子とを含む水系コーティング剤を物品に塗布して乾燥させた後、270℃以上に加熱してコーティング皮膜を形成することを特徴とするコーティング方法。
- 前記水系コーティング剤における前記コロイドシリカと前記フッ素樹脂粒子との質量比は、50:50〜95:5であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング方法。
- 前記水系コーティング剤において、前記コロイドシリカは、0.1質量%〜15質量%含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載のコーティング方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のコーティング方法により得られることを特徴とする物品。
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