JP2015034250A - 印刷用ペースト、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶剤が少量で高粘度であっても、ジイモニウム系色素が均一に分散した印刷用ペーストを提供すること。
【解決手段】ジイモニウム系色素のレーキ顔料と、バインダー樹脂と、ケトン系溶剤とを含有し、粘度が10Pa・s以上である、印刷用ペースト。
【選択図】なし
【解決手段】ジイモニウム系色素のレーキ顔料と、バインダー樹脂と、ケトン系溶剤とを含有し、粘度が10Pa・s以上である、印刷用ペースト。
【選択図】なし
Description
本発明は、印刷用ペースト、及びその製造方法に関する。
近赤外線吸収色素は、例えば、赤外線吸収フィルター、熱線吸収フィルター、バンドパスフィルター、不可視印刷用インク、赤外線吸収塗料、フラッシュトナー、電子写真感光体、増感剤、光ディスク等の光記録材料、光センサーや、赤外線レーザーを用いた製板等の用途に用いられている。このような近赤外線吸収色素として、ポリメチン系色素、フタロシアニン系色素、アミニウム系色素、ジイモニウム系色素等が知られており、近赤外線の吸収に優れている点から、ジイモニウム系色素が広く用いられている。ジイモニウム系色素は、一般に、フタロシアニン系色素よりも可視光線の吸収が小さいため着色しにくいというメリットがある。
上記フィルター等の用途においては、近赤外線の透過率が低いことが求められる。透過率を低下させる手段の一つとして、上記近赤外線吸収色素を含有する層を厚膜化することが挙げられる。スクリーン印刷等のように厚膜形成に適した印刷法においては、印刷用インクが高粘度であることが求められる。
特許文献1には、光学フィルター用途などに用いられる、特定のジイモニウム色素及び特定の樹脂を含有する近赤外線吸収粘着剤組成物が開示されている。特許文献1には、コーティング剤の粘度は塗工機の種類によって適宜選択される旨が記載されているが、特許文献1の実施例はいずれも溶剤の含有割合が高く、粘度が低いものであった。
特許文献1に開示された組成物のように溶剤含有量が高くて粘度が低い場合には、ジイモニウム色素が均一に溶剤に溶解しているため、組成物中の色素の均一性は問題にならない。しかしながら、特許文献1に開示された組成物のようなジイモニウム色素が溶剤に溶解した組成物を、厚膜形成に適した粘度の高い印刷用ペーストとするために、溶剤の含有割合を低下させて固形分濃度を上げると、ジイモニウム色素が凝集して、均一な組成物とすることができなかった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、溶剤が少量で高粘度であっても、ジイモニウム系色素が均一に分散した印刷用ペーストを提供することを目的とする。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、溶剤が少量で高粘度であっても、ジイモニウム系色素が均一に分散した印刷用ペーストを提供することを目的とする。
本発明に係る印刷用ペーストは、ジイモニウム系色素のレーキ顔料と、バインダー樹脂と、ケトン系溶剤とを含有し、粘度が10Pa・s以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る印刷用ペーストの製造方法は、ケトン系溶剤に、ジイモニウム系色素のレーキ顔料を分散して、分散液を調製する工程と、
前記分散液に、少なくともバインダー樹脂を添加して混練することにより、粘度が10Pa・sのペーストを調製する工程とを有することを特徴とする。
前記分散液に、少なくともバインダー樹脂を添加して混練することにより、粘度が10Pa・sのペーストを調製する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、溶剤が少量で高粘度であっても、ジイモニウム系色素が均一に分散した印刷用ペーストを提供するができる。
以下、本発明の印刷用ペースト、及びその製造方法について、順に詳細に説明する。
また、本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタアクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表す。
また、本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタアクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表す。
[印刷用ペースト]
本発明に係る印刷用ペーストは、ジイモニウム系色素のレーキ顔料と、バインダー樹脂と、ケトン系溶剤とを含有し、粘度が10Pa・s以上であることを特徴とする。
本発明に係る印刷用ペーストは、ジイモニウム系色素のレーキ顔料と、バインダー樹脂と、ケトン系溶剤とを含有し、粘度が10Pa・s以上であることを特徴とする。
本発明によれば、溶剤を少量にし、10Pa・s以上の高粘度ペーストとした場合であっても、ジイモニウム系色素を均一に分散することができる。その理由は、未解明ではあるが、以下のように推定される。
樹脂組成物を高粘度化するためには、溶剤の含有割合を低下させて固形分濃度を上げる必要がある。従来、ジイモニウム系色素は、溶剤に溶解させて用いられるものであるため、高粘度化を達成するために溶剤の含有割合を低くすると、当該ジイモニウム系色素が析出して凝集しやすかった。ジイモニウム系色素の凝集体が形成され始めると、溶剤中に溶解している周囲のジイモニウム系色素が当該凝集体に更に吸着して、当該凝集体の成長を制御することができなくなるものと推定される。そのため、従来の樹脂組成物においては、色素の凝集体を抑制して高粘度化することが困難であり、色素の凝集体が存在する不均一なペーストしか得られなかった。
本発明においては、ジイモニウム系色素のレーキ顔料とケトン系溶剤とを組み合わせて用いることにより、当該ジイモニウム系色素のレーキ顔料は微粒子として均一に分散される。このように含有された色素は、不溶化されて顔料の微粒子として分散されているため、溶剤の含有割合を減らしても、溶剤からの析出は生じず、また微粒子同士の凝集が生じにくく、バインダー樹脂中で均一な分散状態を保つものと推定される。その結果、本発明の印刷用ペーストは、高粘度であっても含有された色素の分散性に優れ、均一性が高くなるものと推定される。
また、本発明の印刷用ペーストによれば、特定の溶剤と組み合わせることにより、分散剤を用いなくてもジイモニウム系色素のレーキ顔料が均一に分散されることが明らかとなった。本発明の印刷用ペーストが分散剤を含有しない場合には、ジイモニウム系色素は、分散剤との相互作用による吸収スペクトルの変化を生じることがなく、ジイモニウム系色素本来の色を保つことができるというメリットがある。
樹脂組成物を高粘度化するためには、溶剤の含有割合を低下させて固形分濃度を上げる必要がある。従来、ジイモニウム系色素は、溶剤に溶解させて用いられるものであるため、高粘度化を達成するために溶剤の含有割合を低くすると、当該ジイモニウム系色素が析出して凝集しやすかった。ジイモニウム系色素の凝集体が形成され始めると、溶剤中に溶解している周囲のジイモニウム系色素が当該凝集体に更に吸着して、当該凝集体の成長を制御することができなくなるものと推定される。そのため、従来の樹脂組成物においては、色素の凝集体を抑制して高粘度化することが困難であり、色素の凝集体が存在する不均一なペーストしか得られなかった。
本発明においては、ジイモニウム系色素のレーキ顔料とケトン系溶剤とを組み合わせて用いることにより、当該ジイモニウム系色素のレーキ顔料は微粒子として均一に分散される。このように含有された色素は、不溶化されて顔料の微粒子として分散されているため、溶剤の含有割合を減らしても、溶剤からの析出は生じず、また微粒子同士の凝集が生じにくく、バインダー樹脂中で均一な分散状態を保つものと推定される。その結果、本発明の印刷用ペーストは、高粘度であっても含有された色素の分散性に優れ、均一性が高くなるものと推定される。
また、本発明の印刷用ペーストによれば、特定の溶剤と組み合わせることにより、分散剤を用いなくてもジイモニウム系色素のレーキ顔料が均一に分散されることが明らかとなった。本発明の印刷用ペーストが分散剤を含有しない場合には、ジイモニウム系色素は、分散剤との相互作用による吸収スペクトルの変化を生じることがなく、ジイモニウム系色素本来の色を保つことができるというメリットがある。
本発明の印刷用ペーストは、少なくとも、ジイモニウム系色素のレーキ顔料と、バインダー樹脂と、溶剤とを含有するものであり、本発明の効果を損なわない範囲で、更に他の成分を含有してもよいものである。
以下、本発明の印刷用ペーストに用いられる各成分について順に説明する。
以下、本発明の印刷用ペーストに用いられる各成分について順に説明する。
<ジイモニウム系色素のレーキ顔料>
本発明においては、ジイモニウム系色素のレーキ顔料が用いられる。当該レーキ顔料を用いることにより、ペースト中の溶剤の含有割合が低い場合であっても、均一に分散される。
本発明においてレーキ顔料とは、溶剤に可溶性の色素を後述するレーキ化剤(沈殿剤)で沈殿して不溶性にした色素をいう。
本発明においては、ジイモニウム系色素のレーキ顔料が用いられる。当該レーキ顔料を用いることにより、ペースト中の溶剤の含有割合が低い場合であっても、均一に分散される。
本発明においてレーキ顔料とは、溶剤に可溶性の色素を後述するレーキ化剤(沈殿剤)で沈殿して不溶性にした色素をいう。
本発明においてジイモニウム系色素は、近赤外線(波長700nm〜1100nmの光)のうちの少なくとも一部を吸収するものであることが好ましい。
本発明で用いられるジイモニウム系色素としては、中でも、下記一般式(I)で表されるカチオンを含むことが好ましい。
本発明で用いられるジイモニウム系色素としては、中でも、下記一般式(I)で表されるカチオンを含むことが好ましい。
R1〜R8における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基だけでなく、脂肪族炭化水素基が置換されていても良い芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素が置換されている脂肪族炭化水素基も含まれる。脂肪族炭化水素基は直鎖、分岐、環状のいずれであっても良い。脂肪族炭化水素基は飽和脂肪族炭化水素基であっても不飽和脂肪族炭化水素基であっても良い。
R1〜R8における炭化水素基としては、例えば、炭素原子数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素原子数が6〜10の芳香族炭化水素基が置換した脂肪族炭化水素基、炭素原子数が6〜30の芳香族炭化水素基等が好適なものとして用いられる。
R1〜R8における炭化水素基としては、例えば、炭素原子数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素原子数が6〜10の芳香族炭化水素基が置換した脂肪族炭化水素基、炭素原子数が6〜30の芳香族炭化水素基等が好適なものとして用いられる。
炭素原子数1〜10の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、直鎖であっても分岐を有していてもよく、また炭素原子数が3以上の場合は環状であっても良い。環状の脂肪族炭化水素基の具体例としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基等が挙げられる。
炭素原子数が6〜10の芳香族炭化水素基が置換した脂肪族炭化水素基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
炭素原子数が6〜30の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環の他、ナフタレン環、テトラリン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の縮合多環芳香族炭化水素;ビフェニル、ターフェニル、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、スチルベン等の鎖状多環式炭化水素が挙げられる。
炭素原子数が6〜10の芳香族炭化水素基が置換した脂肪族炭化水素基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
炭素原子数が6〜30の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環の他、ナフタレン環、テトラリン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の縮合多環芳香族炭化水素;ビフェニル、ターフェニル、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、スチルベン等の鎖状多環式炭化水素が挙げられる。
炭化水素基が有していてもよい置換基としては、水酸基、スルホン酸基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子又は臭素原子であることが好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子又は臭素原子であることが好ましい。
一般式(I)で表されるカチオンの具体例としては、N,N,N’,N’−テトラキス−{p−ジ(n−ブチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウムカチオン、N,N,N’,N’−テトラキス−{p−ジ(iso−ブチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウムカチオン、N,N,N’,N’−テトラキス−{p−ジ(n−プロピル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウムカチオン、N,N,N’,N’−テトラキス−{p−ジ(iso−プロピル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウムカチオン、N,N,N’,N’−テトラキス−{p−ジ(n−ヘキシル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウムカチオン、N,N,N’,N’−テトラキス−{p−ジ(ベンジル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウムカチオン、N,N,N’,N’−テトラキス−{p−(n−ペンチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウムカチオン、N,N,N’,N’−テトラキス−{p−(iso−ペンチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウムカチオン、N,N,N’,N’−テトラキス−{p−(2,2−ジメチルプロピル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウムカチオン、N,N,N’,N’−テトラキス−{p−ジ(トリフルオロブチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウムカチオン等が挙げられる。
本発明においてジイモニウム系色素は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においてジイモニウム系色素は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においてジイモニウム系色素のレーキ化剤は、従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。本発明においては、塩化バリウム、塩化カルシウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、酢酸鉛、タンニン酸、カタノール、タモール、ポリ酸等が挙げられる。本発明においてレーキ化剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明においてジイモニウム系色素のレーキ顔料の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。
例えば、所望の骨格を有するジイモニウムカチオンの溶液に、所望のレーキ化剤を加えて混合し、必要に応じて加熱することにより得ることができる。
また、市販品を用いてもよい。ジイモニウム系色素のレーキ顔料の市販品としては、例えば、日本カーリット製、CIR−FS265等が挙げられる。
例えば、所望の骨格を有するジイモニウムカチオンの溶液に、所望のレーキ化剤を加えて混合し、必要に応じて加熱することにより得ることができる。
また、市販品を用いてもよい。ジイモニウム系色素のレーキ顔料の市販品としては、例えば、日本カーリット製、CIR−FS265等が挙げられる。
<バインダー樹脂>
本発明においてバインダー樹脂は、後述するケトン系溶剤に溶解乃至分散し、且つ、印刷用ペーストの粘度が10Pa・s以上を達成可能な樹脂の中から適宜選択すればよく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれであってもよい。バインダー樹脂としては、1種単独でもよいが、2種以上混合して用いても良い。
本発明においてバインダー樹脂は、後述するケトン系溶剤に溶解乃至分散し、且つ、印刷用ペーストの粘度が10Pa・s以上を達成可能な樹脂の中から適宜選択すればよく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれであってもよい。バインダー樹脂としては、1種単独でもよいが、2種以上混合して用いても良い。
熱可塑性樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ニトロセルロース、エチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリエステル系樹脂;熱可塑性ウレタン系樹脂;塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の変性オレフィン系樹脂;酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂等のビニル系樹脂、ノルボルネン構造を有する非晶性ポリオレフィン等が好適なものとして挙げられる。中でも、高粘度化を達成しやすい点からは、ポリエステル系樹脂が好ましい。
成膜性や被塗工面に対する密着性、充分な硬度が求められる用途においては、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂から選択される1種以上を含有することが好ましい。
本発明において熱硬化性樹脂とは、加熱により重合硬化させることができる樹脂をいい、光硬化性樹脂とは、例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる樹脂をいう。
本発明において熱硬化性樹脂とは、加熱により重合硬化させることができる樹脂をいい、光硬化性樹脂とは、例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる樹脂をいう。
熱硬化性樹脂としては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物(モノマー)が挙げられる。熱硬化性官能基としては、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、炭素炭素不飽和結合等が挙げられ、中でも、エポキシ基が好ましく用いられる。
熱硬化性樹脂を用いる場合、硬化剤を組み合わせて用いることが好ましい。また、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。硬化剤及び触媒は、従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
熱硬化性樹脂を用いる場合、硬化剤を組み合わせて用いることが好ましい。また、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。硬化剤及び触媒は、従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
光硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリロイル基をもつ重合性オリゴマー、モノマーと、アクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン等重合性ビニル基をもつ重合性オリゴマー、モノマー等が挙げられ、色素が凝集しにくい点から、中でも、ウレタンアクリレートが好ましい。
光硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、光重合開始剤や増感剤を添加してもよい。光重合開始剤及び増感剤は、従来公知のもの中から適宜選択して用いることができる。
光硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、光重合開始剤や増感剤を添加してもよい。光重合開始剤及び増感剤は、従来公知のもの中から適宜選択して用いることができる。
<溶剤>
本発明においては、少なくともケトン系溶剤を含有する溶剤が用いられる。ケトン系溶剤を用いることにより、前記ジイモニウム系色素のレーキ顔料を、分散剤を用いることなく均一に分散することができ、かつ、前記バインダー樹脂を適宜選択することにより均一に溶解乃至分散することができる。
本発明においては、少なくともケトン系溶剤を含有する溶剤が用いられる。ケトン系溶剤を用いることにより、前記ジイモニウム系色素のレーキ顔料を、分散剤を用いることなく均一に分散することができ、かつ、前記バインダー樹脂を適宜選択することにより均一に溶解乃至分散することができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等が挙げられ、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、少なくともケトン系溶剤を含有するが、その他の溶剤を組み合わせて用いても良い。ケトン系溶剤と組み合わせて用いることができるその他の溶剤としては、エステル系溶剤やニトリル系溶剤が好ましいものとして挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテート等が挙げられる。またニトリル系溶剤としては、アセトニトリル等が挙げられる。
これらの溶媒は単独もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテート等が挙げられる。またニトリル系溶剤としては、アセトニトリル等が挙げられる。
これらの溶媒は単独もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において、ケトン系溶剤とその他の溶剤とを組み合わせて用いる場合、ケトン系溶剤の含有割合が、溶剤全体100質量部に対して、60質量部以上であることが好ましく、70〜99質量部であることがより好ましく、80〜95質量部であることが更により好ましい。
<その他の成分>
本発明の印刷用ペーストには、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、更に分散剤や、その他の成分を配合してもよい。
本発明の印刷用ペーストには、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、更に分散剤や、その他の成分を配合してもよい。
(分散剤)
本発明においてはジイモニウム系色素のレーキ顔料を良好に分散させるために、分散剤を用いてもよい。分散剤としては、従来、顔料分散剤として用いられているものの中から適宜選択して用いることができる。分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、均一に、微細に分散し得る点から、高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
本発明においてはジイモニウム系色素のレーキ顔料を良好に分散させるために、分散剤を用いてもよい。分散剤としては、従来、顔料分散剤として用いられているものの中から適宜選択して用いることができる。分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、均一に、微細に分散し得る点から、高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体類;ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩や(部分)アルキルアミン塩類;水酸基含有ポリアクリル酸エステル等の水酸基含有不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体やそれらの編成物;ポリウレタン類;不飽和ポリアミド類;ポリシロキサン類;長鎖ポリアミノアミドリン酸塩類;ポリエチレンイミン誘導体(ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離カルボキシル基含有ポリエステルとの反応により得られるアミドやそれらの塩基);ポリアリルアミン誘導体(ポリアリルアミンと、遊離のカルボキシル基を有するポリエステル、ポリアミド又はエステルとアミドの共縮合物(ポリエステルアミド)の3種の化合物の中から選ばれる1種以上の化合物とを反応させて得られる反応生成物)等が挙げられる。
本発明において分散剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明において分散剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の印刷用ペーストにおいては、本発明の効果を損なわない範囲で、色調の制御を目的として、顔料又は染料を配合してもよい。顔料及び染料は従来公知のものを目的に応じて選択することができ、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。顔料及び染料の配合量は、本発明の効果が損なわれない範囲であれば特に限定されない。
また、その他の成分として、例えば、重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤等などを含有してもよい。
本発明において印刷用ペーストの粘度は、10Pa・s以上である。本発明においては、印刷用ペーストの粘度が10Pa・s以上と高粘度であっても、ジイモニウム系色素のレーキ顔料が均一に分散されるものである。
印刷用ペーストの粘度は、一般に10Pa・s前後であるが、印刷した画線の再現性向上のため粘度を高くすると良い。中でも、10〜100Pa・sであることが好ましく、10〜20Pa・sであることがより好ましい。
印刷用ペーストの粘度は、一般に10Pa・s前後であるが、印刷した画線の再現性向上のため粘度を高くすると良い。中でも、10〜100Pa・sであることが好ましく、10〜20Pa・sであることがより好ましい。
なお、本発明において印刷用ペーストの粘度は、レオメータを用いて、23℃において、シェアレート1(1/s)で測定した粘度とする。レオメータとしては、例えば、Anton Paar製、MCR301等を用いることができる。
本発明の印刷用ペースト中におけるジイモニウム系色素のレーキ顔料の平均分散粒径としては、用途に応じて適宜設定すればよく特に限定されないが、分散性、耐熱性及び耐光性に優れる点から、10〜500nmの範囲内であることが好ましく、20〜400nmの範囲内であることがより好ましい。平均分散粒径が上記範囲であることにより、本発明の印刷用ペーストを塗工した面が、均一で優れた赤外線吸収性能を発揮する。
印刷用ペーストの顔料の平均分散粒径は、印刷用ペーストに分散している顔料粒子の分散粒径であって、レーザー光散乱粒度分布計により測定されるものである。レーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定としては、印刷用ペーストに用いられている溶剤で、印刷用ペーストをレーザー光散乱粒度分布計で測定可能な濃度に適宜希釈(例えば、1000倍など)し、レーザー光散乱粒度分布計(例えば、日機装社製なのトラック粒度分布測定装置UPA−EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定することができる。ここでの平均分散粒径は、体積平均粒径である。
印刷用ペーストの顔料の平均分散粒径は、印刷用ペーストに分散している顔料粒子の分散粒径であって、レーザー光散乱粒度分布計により測定されるものである。レーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定としては、印刷用ペーストに用いられている溶剤で、印刷用ペーストをレーザー光散乱粒度分布計で測定可能な濃度に適宜希釈(例えば、1000倍など)し、レーザー光散乱粒度分布計(例えば、日機装社製なのトラック粒度分布測定装置UPA−EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定することができる。ここでの平均分散粒径は、体積平均粒径である。
(印刷用ペースト中の各成分の配合割合)
ジイモニウム系色素のレーキ顔料及び必要に応じて配合される他の色素の合計の含有量は、印刷用ペーストの固形分全量100質量部に対して、1〜20質量部、より好ましくは3〜10質量部の割合で配合することが好ましい。顔料が少なすぎると、所望の赤外線吸収性を得ることが困難となる恐れがある。また顔料が多すぎると、印刷用ペーストを基材へ塗布し硬化させた際の基材への密着性、硬化膜の表面荒れ、塗膜硬さ等の塗膜としての特性が不十分となるおそれがあり、また印刷用ペースト中の顔料が凝集する恐れがある。尚、本発明において固形分は、上述した溶剤以外の全てである。
バインダー樹脂は、その合計の含有量が、樹脂組成物の固形分全量100質量部に対して80〜99質量部、90〜97質量部の割合で配合するのが好ましい。
また、溶剤は、印刷用ペーストの粘度が10Pa・s以上となる範囲で、顔料の分散性や、印刷用ペーストの塗工性等の点から適宜調整すればよい。ケトン系溶剤及びその他の溶剤を含む溶剤全体の含有割合は、該溶剤を含む印刷用ペーストの全量100質量部に対して、1〜40質量部の範囲内であることが好ましく、中でも、1〜20質量部の範囲内であることがより好ましい。
また、分散剤を用いる場合、その含有量は適宜調整すればよい。本発明の印刷用ペーストにおいて分散剤の含有量は、ジイモニウム系色素のレーキ顔料100質量部に対して、通常、5〜200質量部の範囲であり、10〜100質量部であることが好ましく、20〜80質量部であることがより好ましい。含有量が上記範囲内にあれば、顔料の分散性がより向上する。
ジイモニウム系色素のレーキ顔料及び必要に応じて配合される他の色素の合計の含有量は、印刷用ペーストの固形分全量100質量部に対して、1〜20質量部、より好ましくは3〜10質量部の割合で配合することが好ましい。顔料が少なすぎると、所望の赤外線吸収性を得ることが困難となる恐れがある。また顔料が多すぎると、印刷用ペーストを基材へ塗布し硬化させた際の基材への密着性、硬化膜の表面荒れ、塗膜硬さ等の塗膜としての特性が不十分となるおそれがあり、また印刷用ペースト中の顔料が凝集する恐れがある。尚、本発明において固形分は、上述した溶剤以外の全てである。
バインダー樹脂は、その合計の含有量が、樹脂組成物の固形分全量100質量部に対して80〜99質量部、90〜97質量部の割合で配合するのが好ましい。
また、溶剤は、印刷用ペーストの粘度が10Pa・s以上となる範囲で、顔料の分散性や、印刷用ペーストの塗工性等の点から適宜調整すればよい。ケトン系溶剤及びその他の溶剤を含む溶剤全体の含有割合は、該溶剤を含む印刷用ペーストの全量100質量部に対して、1〜40質量部の範囲内であることが好ましく、中でも、1〜20質量部の範囲内であることがより好ましい。
また、分散剤を用いる場合、その含有量は適宜調整すればよい。本発明の印刷用ペーストにおいて分散剤の含有量は、ジイモニウム系色素のレーキ顔料100質量部に対して、通常、5〜200質量部の範囲であり、10〜100質量部であることが好ましく、20〜80質量部であることがより好ましい。含有量が上記範囲内にあれば、顔料の分散性がより向上する。
本発明に係る印刷用ペーストは、例えば、不可視印刷用ペースト、赤外線吸収塗料として用いることができ、特に、高粘度のインクが求められるスクリーン印刷用途に好適に用いることができる。また、本発明に係る印刷用ペーストは、高粘度であることから、厚膜化が容易であり、また、パターン印刷の用途にも好適に適用することができる。
また、本発明に係る印刷用ペーストを用いて形成された着色層は、例えば、赤外線吸収フィルター、熱線吸収フィルター、バンドパスフィルター等の各種フィルター用途に用いることができる。
また、本発明に係る印刷用ペーストを用いて形成された着色層は、例えば、赤外線吸収フィルター、熱線吸収フィルター、バンドパスフィルター等の各種フィルター用途に用いることができる。
本発明の印刷用ペーストの製造方法は特に限定されない。例えば、ケトン系溶剤に、ジイモニウム系色素のレーキ顔料と、バインダー成分と、必要に応じて用いられる他の成分とを添加して、公知の分散方法により分散することにより、本発明の印刷用ペーストを得る方法などが挙げられる。
中でも、ジイモニウム系色素のレーキ顔料をより均一に分散可能な点から、下記の製造方法とすることが好ましい。
中でも、ジイモニウム系色素のレーキ顔料をより均一に分散可能な点から、下記の製造方法とすることが好ましい。
[印刷用ペーストの製造方法]
即ち、本発明の印刷用ペーストの製造方法は、ケトン系溶剤に、ジイモニウム系色素のレーキ顔料を分散して、分散液を調製する工程(以下、分散液調製工程という場合がある)と、
前記分散液に、少なくともバインダー樹脂を添加して混練することにより、粘度が10Pa・sのペーストを調製する工程(以下、ペースト調製工程という場合がある)とを有することを特徴とする。
即ち、本発明の印刷用ペーストの製造方法は、ケトン系溶剤に、ジイモニウム系色素のレーキ顔料を分散して、分散液を調製する工程(以下、分散液調製工程という場合がある)と、
前記分散液に、少なくともバインダー樹脂を添加して混練することにより、粘度が10Pa・sのペーストを調製する工程(以下、ペースト調製工程という場合がある)とを有することを特徴とする。
上記本発明の印刷用ペーストの製造方法によれば、ジイモニウム系色素のレーキ顔料とバインダー樹脂とを同時に分散する方法と比較して、バインダー樹脂の立体障害がなく、顔料が均一に分散されやすい。また、本発明の製造方法によれば、予め過剰量のケトン系溶剤に顔料を均一に分散し、混練時に溶剤の含有割合を適宜調整することができるため、顔料の分散が容易であるとともに、印刷用ペーストを所望の粘度に調整しやすいというメリットがある。
以下、本発明の製造方法について説明するが、印刷用ペースト中の各成分については、上述のとおりであるため、ここでの説明は省略する。
<分散液調製工程>
まず、ケトン系溶剤に、ジイモニウム系色素のレーキ顔料を分散して分散液を調製する。ジイモニウム系色素のレーキ顔料の分散処理は、公知の分散機の中から適宜選択して用いることができる。
分散処理を行うための分散機としては、超音波分散機、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03〜2.00mmが好ましく、より好ましくは0.10〜1.0mmである。
まず、ケトン系溶剤に、ジイモニウム系色素のレーキ顔料を分散して分散液を調製する。ジイモニウム系色素のレーキ顔料の分散処理は、公知の分散機の中から適宜選択して用いることができる。
分散処理を行うための分散機としては、超音波分散機、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03〜2.00mmが好ましく、より好ましくは0.10〜1.0mmである。
本発明において分散時間は、適宜調整され、特に限定されないが、ジイモニウム系色素のレーキ顔料を微細化して高い近赤外線吸収性を実現する点から、5〜40時間に設定されることが好ましい。
このようにして、ジイモニウム系色素のレーキ顔料粒子の分散性に優れた分散液が得られる。
このようにして、ジイモニウム系色素のレーキ顔料粒子の分散性に優れた分散液が得られる。
ケトン系溶剤以外の溶剤を含有する印刷用ペーストを製造する場合には、予めケトン系溶剤にその他の溶剤を混合した後、ジイモニウム系色素のレーキ顔料を加えて分散してもよく、ケトン系溶剤にジイモニウム系色素のレーキ顔料を加えて分散した後にその他の溶剤を添加してもよい。
ジイモニウム系色素のレーキ顔料を分散剤を用いて分散する場合は、ケトン系溶剤にジイモニウム系色素のレーキ顔料と分散剤とを同時に加えて分散してもよく、ケトン系溶剤に予め分散剤を添加して分散剤溶液を調製した後にジイモニウム系色素のレーキ顔料を加えて分散処理してもよい。
ジイモニウム系色素のレーキ顔料を分散剤を用いて分散する場合は、ケトン系溶剤にジイモニウム系色素のレーキ顔料と分散剤とを同時に加えて分散してもよく、ケトン系溶剤に予め分散剤を添加して分散剤溶液を調製した後にジイモニウム系色素のレーキ顔料を加えて分散処理してもよい。
<ペースト調製工程>
次いで、前記分散液に、少なくともバインダー樹脂を添加して混練することにより、粘度が10Pa・sのペーストを調製する。
次いで、前記分散液に、少なくともバインダー樹脂を添加して混練することにより、粘度が10Pa・sのペーストを調製する。
混練方法は、従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、例えば、ミキサー、ローラー、ニーダー等を用いて混練することができる。本発明において、混練はペーストの均一化のみならず、混練時に発生する熱により溶剤の一部を除去して、ペーストの粘度を調整する。そのため、混練時間は、ペーストの粘度が所望の値となるように適宜調整されることが好ましい。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
(実施例1:印刷用ペーストの製造)
ジイモニウム系色素のレーキ顔料(CIR−FS265、日本カーリット製)0.7gをメチルエチルケトン(MEK)6.3g中に超音波洗浄器(アズワン製VSD−100)を用いて分散させ、分散液を調製した。
次いで、当該分散液にバインダー樹脂(ウレタンアクリレート、荒川化学製、ビームセット550B、粘度115Pa・s(25℃))8.9gと、開始剤(IRGACURE−184、BASF製)0.4gとを加えて、自転・公転ミキサー(シンキー社製、ARE−310)を用いて混練することにより、MEKの一部を揮発させ、ペースト中の溶剤の含有割合が20質量%以下である、実施例1の印刷用ペーストを得た。なお、全固形分に対する色素の含有割合は7質量%であった。
ジイモニウム系色素のレーキ顔料(CIR−FS265、日本カーリット製)0.7gをメチルエチルケトン(MEK)6.3g中に超音波洗浄器(アズワン製VSD−100)を用いて分散させ、分散液を調製した。
次いで、当該分散液にバインダー樹脂(ウレタンアクリレート、荒川化学製、ビームセット550B、粘度115Pa・s(25℃))8.9gと、開始剤(IRGACURE−184、BASF製)0.4gとを加えて、自転・公転ミキサー(シンキー社製、ARE−310)を用いて混練することにより、MEKの一部を揮発させ、ペースト中の溶剤の含有割合が20質量%以下である、実施例1の印刷用ペーストを得た。なお、全固形分に対する色素の含有割合は7質量%であった。
(比較例1:印刷用ペーストの製造)
ジイモニウム系色素(CIR−RL、日本カーリット製)0.7gをMEK6.3中に加えて溶解させ、色素溶液を得た。
次いで、前記色素溶液にバインダー樹脂(ビームセット550B)8.9gと開始剤(IRGACURE−184)0.4gとを加えて自転・公転ミキサー(シンキー社製、ARE−310)を用いて混練することにより、MEKの一部を揮発させ、ペースト中の溶剤の含有割合が20質量%以下である、比較例1の印刷用ペーストを得た。なお、全固形分に対する色素の含有割合は7質量%であった。
ジイモニウム系色素(CIR−RL、日本カーリット製)0.7gをMEK6.3中に加えて溶解させ、色素溶液を得た。
次いで、前記色素溶液にバインダー樹脂(ビームセット550B)8.9gと開始剤(IRGACURE−184)0.4gとを加えて自転・公転ミキサー(シンキー社製、ARE−310)を用いて混練することにより、MEKの一部を揮発させ、ペースト中の溶剤の含有割合が20質量%以下である、比較例1の印刷用ペーストを得た。なお、全固形分に対する色素の含有割合は7質量%であった。
<分散液の粒径測定>
実施例1で得られた分散液の顔料粒子の平均分散粒径の測定を行った。平均分散粒径の測定としては、MEKで10倍に希釈し、レーザー光散乱粒度分布計(日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定した。ここでの平均分散粒径は、体積平均径(MV)である。得られた分散液の顔料粒子の平均分散粒径は、300nmであった。
一方、比較例1で得られた色素溶液について、実施例1と同様にして平均分散粒径の測定を行ったところ、色素は溶解しているので粒径は観測されなかった。
実施例1で得られた分散液の顔料粒子の平均分散粒径の測定を行った。平均分散粒径の測定としては、MEKで10倍に希釈し、レーザー光散乱粒度分布計(日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定した。ここでの平均分散粒径は、体積平均径(MV)である。得られた分散液の顔料粒子の平均分散粒径は、300nmであった。
一方、比較例1で得られた色素溶液について、実施例1と同様にして平均分散粒径の測定を行ったところ、色素は溶解しているので粒径は観測されなかった。
<粘度測定>
実施例1及び比較例1の印刷用ペーストについて、それぞれ、レオメータ(MCR301、Anton Paar製)を用いて、23℃、シェアレート1(1/s)で測定したところ、いずれも印刷用ペーストも、粘度が12(Pa・s)であった。
実施例1及び比較例1の印刷用ペーストについて、それぞれ、レオメータ(MCR301、Anton Paar製)を用いて、23℃、シェアレート1(1/s)で測定したところ、いずれも印刷用ペーストも、粘度が12(Pa・s)であった。
<印刷用ペーストの均一性評価>
実施例1及び比較例1の印刷用ペーストをガラス基板上に塗布し、塗布膜を作製した。
このガラス上の塗布膜を顕微鏡観察することにより、印刷用ペーストの均一性を評価した。
実施例1で得られた印刷用ペーストは、10μm以上の凝集物が確認されず、色素が均一に分散されていると評価された。一方、比較例1で得られた印刷用ペーストについては、10μm以上の色素の凝集物が確認され、色素が均一に分散されていなかった。
実施例1及び比較例1の印刷用ペーストをガラス基板上に塗布し、塗布膜を作製した。
このガラス上の塗布膜を顕微鏡観察することにより、印刷用ペーストの均一性を評価した。
実施例1で得られた印刷用ペーストは、10μm以上の凝集物が確認されず、色素が均一に分散されていると評価された。一方、比較例1で得られた印刷用ペーストについては、10μm以上の色素の凝集物が確認され、色素が均一に分散されていなかった。
Claims (2)
- ジイモニウム系色素のレーキ顔料と、バインダー樹脂と、ケトン系溶剤とを含有し、粘度が10Pa・s以上である、印刷用ペースト。
- ケトン系溶剤に、ジイモニウム系色素のレーキ顔料を分散して、分散液を調製する工程と、
前記分散液に、少なくともバインダー樹脂を添加して混練することにより、粘度が10Pa・sのペーストを調製する工程とを有する、印刷用ペーストの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013166344A JP2015034250A (ja) | 2013-08-09 | 2013-08-09 | 印刷用ペースト、及びその製造方法 |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2016224176A (ja) * | 2015-05-28 | 2016-12-28 | カーリットホールディングス株式会社 | 近赤外線吸収パターン印刷シートおよびこれに用いるインキ組成物 |
-
2013
- 2013-08-09 JP JP2013166344A patent/JP2015034250A/ja active Pending
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