JP6268822B2 - 色材、色材分散液、及び樹脂組成物 - Google Patents

色材、色材分散液、及び樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、色材、当該色材を含有する色材分散液、及び当該色材を含有する樹脂組成物に関する。
近赤外線吸収色素は、例えば、赤外線吸収フィルター、熱線吸収フィルター、バンドパスフィルター、不可視印刷用インク、赤外線吸収塗料、フラッシュトナー、電子写真感光体、増感剤、光ディスク等の光記録材料、光センサーや、赤外線レーザーを用いた製板等の用途に用いられている。このような近赤外線吸収色素として、ポリメチン系色素、フタロシアニン系色素、アミニウム系色素、ジイモニウム系色素等が知られており、近赤外線の吸収に優れている点から、アミニウム系色素やジイモニウム系色素が広く用いられている。
アミニウム系色素やジイモニウム系色素は、一般に、フタロシアニン系色素よりも可視光線の吸収が小さいため着色しにくいというメリットがある一方、アミニウム系色素及びジイモニウム系色素は、一般に、耐熱性や耐光性が低いという問題があった。
アミニウム系色素やジイモニウム系色素の各種耐性を向上するために様々な方法が試みられている。
特許文献1には、特定のジイモニウムカチオンと、1価の特定のアニオンからなるジイモニウム塩化合物が開示されている。特許文献1によれば、上記特定のジイモニウム塩化合物は耐熱性及び耐湿熱安定性に優れているとされている。しかしながら、特許文献1のジイモニウム塩化合物は、耐熱性、耐光性共に不十分であった。
特許文献2には、特定のジイモニウムカチオンと、2種類の1価のアニオンを組み合わせた特定のジイモニウム塩化合物が開示されている。特許文献2によれば、上記特定のジイモニウム塩化合物は耐熱性及び耐湿熱安定性に優れているとされている。しかしながら、特許文献2のジイモニウム塩化合物は、耐熱性、耐光性共に不十分であった。
特許第4942320号公報 国際公開第2008/010501号パンフレット
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、耐熱性及び耐光性に優れた色材、耐熱性及び耐光性に優れた塗膜を形成可能な色材分散液、及び、樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明に係る色材は、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする。
(一般式(I)中、Aは、下記一般式(II)及び下記一般式(III)より選択される1種以上を含むカチオンを表し、Xa−はa価のヘテロポリ酸アニオンを表す。aは2以上の数を、b及びcは1以上の数を表す。)
(一般式(II)及び一般式(III)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、それぞれ独立に、互いに結合して脂環族複素環を形成してもよい。)
本発明に係る色材分散液は、前記一般式(I)で表わされる色材と、分散剤と、23℃における前記色材の溶解度が0.1(mg/10g溶媒)以下の溶媒とを含有することを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂組成物は、前記一般式(I)で表される色材と、バインダー成分とを含有することを特徴とする。
本発明に係る色材、色材分散液、及び樹脂組成物においては、前記Xa−が、モリブデン原子及びタングステン原子より選択される1種以上を含む、a価のヘテロポリ酸アニオンであることが、耐熱性及び耐光性に優れる点から好ましい。
本発明によれば、耐熱性及び耐光性に優れた色材、耐熱性及び耐光性に優れた塗膜を形成可能な色材分散液、及び、樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の色材、色材分散液、及び樹脂組成物について順に詳細に説明する。
なお、本発明において「色材」とは、可視光線(波長400nm〜700nmの光)及び近赤外線(波長700nm〜1100nmの光)のうちの少なくとも一部を吸収する化合物をいい、近赤外線のみを吸収する化合物も含まれる。
また、本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタアクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表す。
[色材]
本発明に係る色材は、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする。
(一般式(I)中、Aは、下記一般式(II)及び下記一般式(III)より選択される1種以上を含むカチオンを表し、Xa−はa価のヘテロポリ酸アニオンを表す。aは2以上の数を、b及びcは1以上の数を表す。)
(一般式(II)及び一般式(III)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、それぞれ独立に、互いに結合して脂環族複素環を形成してもよい。)
本発明に係る色材は、耐熱性及び耐光性に優れている。その理由は、未解明ではあるが、以下のように推定される。
本発明の色材は、アミニウムカチオン及びジイモニウムカチオンの対イオンとして2価以上のヘテロポリ酸アニオンを用いる。ヘテロポリ酸はそれ自体が耐熱性及び耐光性に優れている。また、多価のヘテロポリ酸アニオンを用いることにより、カチオンとアニオンが1対1でイオン結合しているのではなく、1個のヘテロポリ酸アニオンに2個以上の色素カチオンがイオン結合している。そのため、ヘテロポリ酸アニオンを中心として複数のカチオンが1つの分子を構成する。その結果、1個のアミニウムカチオン乃至ジイモニウムカチオンが1分子を構成する従来のアミニウム色素やジイモニウム色素よりも見かけの分子量が増大し、熱運動を低下させて耐熱性が向上するものと推定される。
また、ヘテロポリ酸は酸性度が高くアニオン安定性に優れるため、対となるアミニウムカチオンやジイモニウムカチオンの安定性が向上する。そのため、カチオンの発色性が安定するとともに、耐光性が向上するものと推定される。
これらのことから、本発明の色材は、耐熱性及び耐光性に優れ、赤外線吸収性にも優れている。
〜Rにおける炭化水素基は、脂肪族炭化水素基だけでなく、脂肪族炭化水素基が置換されていても良い芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素が置換されている脂肪族炭化水素基も含まれる。脂肪族炭化水素基は直鎖、分岐、環状のいずれであっても良い。脂肪族炭化水素基は飽和脂肪族炭化水素基であっても不飽和脂肪族炭化水素基であっても良い。
〜Rにおける炭化水素基としては、例えば、炭素原子数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素原子数が6〜10の芳香族炭化水素基が置換した脂肪族炭化水素基、炭素原子数が6〜30の芳香族炭化水素基等が好適なものとして用いられる。
炭素原子数1〜8のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、直鎖であっても分岐を有していてもよく、また炭素原子数が3以上の場合は環状であっても良い。環状のアルキル基の具体例としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基等が挙げられる。
炭素原子数が6〜10の芳香族炭化水素基が置換した脂肪族炭化水素基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
炭素原子数が6〜30の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環の他、ナフタレン環、テトラリン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の縮合多環芳香族炭化水素;ビフェニル、ターフェニル、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、スチルベン等の鎖状多環式炭化水素が挙げられる。
炭化水素基が有していてもよい置換基としては、水酸基、スルホン酸基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子又は臭素原子であることが好ましい。
とR、RとR、RとR、及びRとRは、それぞれ独立に、互いに結合して窒素原子を含む脂環族複素環を形成してもよい。脂肪族複素環としては、例えば、ピペリジン、モルホリン、インドリン等が挙げられ、置換基として、水酸基、スルホン酸基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基、ハロゲン原子を有していてもよい。
〜Rとしては、耐熱性及び耐光性の点から、中でも、炭素原子数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素原子数が6〜10の芳香族炭化水素基が置換した脂肪族炭化水素基が好ましい。
〜Rとして好ましい置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、シクロヘキシルメチル基、シアノプロピル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ヘキサフルオロエチル基、トリクロロメチル基等が挙げられる。
本発明の色材において、カチオン(A)は、一般式(II)で表されるカチオン、及び一般式(III)で表されるカチオンのうち、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、耐熱性及び耐光性の点から、中でも、一般式(III)で表されるカチオンを含むことが好ましい。
本発明の色材においては、アミニウムカチオン及びジイモニウムカチオンの対アニオン(Xa−)として2価以上のヘテロポリ酸アニオンが用いられる。対アニオンとしてこのようなヘテロポリ酸アニオンを用いることにより、アミニウム色素やジイモニウム色素よりも見かけの分子量が増大して耐熱性が向上するとともに、酸化による退色が抑制されることにより耐光性も向上する。
本発明で用いられるヘテロポリ酸アニオンは、2価以上のヘテロポリ酸アニオンイオンであって、式(La−(aは2以上の数を表す)で表される。当該イオン式中、Lはヘテロ原子、Mはポリ原子、Oは酸素原子、l、m及びnはそれぞれの原子の組成比を表す。ポリ原子Mとしては、例えば、Mo、W、V、Ti、Nb、Al、Ta等が挙げられる。ヘテロ原子Lとしては、特に限定されないが、例えば、Si、P、As、S、Fe、Co等が挙げられる。また、一部にNaやH等の対カチオンが含まれていてもよい。
本発明においてアニオン(Xa−)は、耐熱性及び耐光性の点から、中でも、モリブデン原子及びタングステン原子より選択される1種以上を含む、a価のヘテロポリ酸アニオンであることが好ましい。
モリブデン原子及びタングステン原子のうち1種以上を含む2価以上のヘテロポリ酸アニオンの具体例としては、例えば、ケギン型リンタングステン酸イオンα−[PW12403−、ドーソン型リンタングステン酸イオンα−[P18626−、β−[P18626−、ケギン型ケイタングステン酸イオンα−[SiW12404−、β−[SiW12404−、γ−[SiW12404−、さらにその他の例として[P176110−、[P155612−、[H124812−、[NaP3011014−、α−[SiW3410−、γ−[SiW10368−、α−[SiW11398−、β−[SiW11398−、α−[PMo12403−、α−[PW11MoO403−、α−[PWMo403−、α−[PWMo403−、α−[SiMo12404−、α−[PMo18626−等が挙げられる。
モリブデン原子及びタングステン原子のうち1種以上を含む2価以上のヘテロポリ酸アニオンとしては、耐熱性及び耐光性の点、及び原料入手の容易さの点から、P(リン原子)を含むヘテロポリ酸であることがより好ましい。
モリブデン原子及びタングステン原子のうち1種以上を含む2価以上のヘテロポリ酸アニオンは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ヘテロポリ酸がモリブデンとタングステンを共に含む場合、モリブデンとタングステンとのモル比は、特に限定されない。
前記一般式(I)において、aはヘテロポリ酸アニオンの価数を表し、異なる価数のヘテロポリ酸アニオンを組み合わせて用いた場合にはその平均値を表す。また、カチオン(A)の価数は、前記一般式(II)で表されるカチオンの価数(1価)及び前記一般式(III)で表されるカチオン(2価)の平均値である。
b及びcは、それぞれ1以上の数を表し、カチオン(A)の価数が、a×c/bを満たすとき、一般式(I)で表される色材は正塩となる。
<一般式(I)で表される色材の製造方法>
一般式(I)で表される色材は、例えば、上記一般式(II)で表されるカチオン及び上記一般式(III)で表されるカチオンより選択される1種以上のカチオンと、a価のヘテロポリ酸アニオンとを溶媒中で混合し、必要に応じて加熱することにより得ることができる。
アミニウムカチオン及びジイモニウムカチオンは、例えば、特許第4942320号公報、国際公開第2008/010501号パンフレット等に記載の方法を参考に合成することができる。また、市販品を用いてもよい。
[色材分散液]
本発明に係る色材分散液は、下記一般式(I)で表わされる色材と、分散剤と、23℃における前記色材の溶解度が0.1(mg/10g溶媒)以下の溶媒とを含有することを特徴とする。
(一般式(I)中の各符号は、前述のとおりである。)
本発明の色材分散液は、一般式(I)で表される色材と分散剤を組み合わせて、当該色材が実質的に溶解しない溶媒又は難溶性の溶媒中に分散させて用いることにより、染料と同様の高透過率を達成しながら、耐熱性及び耐光性に優れた塗膜を形成可能な色材分散液が得られる。
本発明に係る色材分散液は、少なくとも色材と、分散剤と、溶媒とを含有するものであり、必要に応じて他の成分を含有してもよいものである。
以下、このような本発明の色材分散液の各成分について順に詳細に説明するが、一般式(I)で表される色材については、前述のとおりであるためここでの説明は省略する。
(分散剤)
本発明に係る色材分散液において、前記一般式(I)で表される色材は溶媒中に分散させて用いられる。本発明においては色材を良好に分散させるために、分散剤が用いられる。分散剤としては、従来、顔料分散剤として用いられているものの中から適宜選択して用いることができる。分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、均一に、微細に分散し得る点から、高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体類;ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩や(部分)アルキルアミン塩類;水酸基含有ポリアクリル酸エステル等の水酸基含有不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体やそれらの変性物;ポリウレタン類;不飽和ポリアミド類;ポリシロキサン類;長鎖ポリアミノアミドリン酸塩類;ポリエチレンイミン誘導体(ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離カルボキシル基含有ポリエステルとの反応により得られるアミドやそれらの塩基);ポリアリルアミン誘導体(ポリアリルアミンと、遊離のカルボキシル基を有するポリエステル、ポリアミド又はエステルとアミドの共縮合物(ポリエステルアミド)の3種の化合物の中から選ばれる1種以上の化合物とを反応させて得られる反応生成物)等が挙げられる。
高分子分散剤としては、中でも、上記一般式(I)で表される色材を好適に分散でき、分散安定性が良好である点から、主鎖又は側鎖に窒素原子を含む高分子分散剤が好ましい。主鎖又は側鎖に窒素原子を含む高分子分散剤を用いた場合には、一般式(I)で表される色材を良好に分散させるのみならず、一般式(I)で表される色材を、イオン対の状態で、安定して存在させる作用をも有するものと推定される。その結果、耐熱性及び耐光性に優れている。
主鎖又は側鎖に窒素原子を含む高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩や(部分)アルキルアミン塩類;ポリウレタン類;不飽和ポリアミド類;ポリエチレンイミン誘導体;ポリアリルアミン誘導体等が挙げられる。
主鎖又は側鎖に窒素原子を含む高分子分散剤の具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号パンフレットに記載のもの等が挙げられる。
主鎖又は側鎖に窒素原子を含む高分子分散剤の市販品として、例えば以下のものが挙げられる。
ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩や(部分)アルキルアミン塩類としては、例えばDisperbyk2000、2001(以下全てビックケミー社製)等を用いることができる。
ポリウレタン類としては、例えばDisperbyk161等を用いることができる。
不飽和ポリアミド類としては、例えばDisperbyk101、130等を用いることができる。
ポリアリルアミン誘導体としては、例えば、アジスパーPB821、PB822、PB824、PB827(味の素ファインテクノ株式会社製)等を用いることができる。
ポリエチレンイミン誘導体としては、例えば、Solsperse33500(日本ルーブリゾール社製)等を用いることができる。
その他市販されている分散剤としては、Dysperbyk116、同140、同160、同162、同163、同164、同166、同167、同168、同170、同171、同174、同182、同2050、同6919(以上ビックケミー社製)、;EFKA4046、同4047、(以上EFKA CHEMICALS社製);Solsperse12000、同13250、同13940、同17000、同20000、同24000GR、同24000SC、同27000、同28000、同32000、同33500、同35200、同37500(以上、日本ルーブリゾール社製);アジスパーPB711、823、880(以上、味の素ファインテクノ製)等を挙げることができる。
主鎖又は側鎖に窒素原子を含む高分子分散剤の中でも、色材の分散性及び分散安定性の点から、下記一般式(IV)で表される構成単位を有する重合体であることが好ましく、当該構成単位が有するアミノ基と、下記一般式(V)及び、下記一般式(VI)より選択される1種以上の有機酸化合物とが塩を形成した共重合体であることがより好ましい。
(一般式(IV)中、Rは、水素原子又はメチル基、Qは、直接結合又は2価の連結基、R10は、炭素原子数1〜8のアルキレン基、−[CH(R14)−CH(R15)−O]−CH(R14)−CH(R15)−又は−[(CH−O]−(CH−で示される2価の有機基、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又は置換されていてもよい鎖状又は環状の炭化水素基を表すか、R11及びR12が互いに結合して環状構造を形成する。R14及びR15は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
(一般式(V)及び一般式(VI)中、R及びRa’はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−O−Ra’’で示される1価の基であり、R及びRa’のいずれかは炭素原子を含む。Ra’’は、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。
は、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−O−Rb’で示される1価の基である。Rb’は、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。
及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Rは、水素原子、あるいは炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO、−CO−CH=CH、−CO−C(CH)=CH又は−CHCOORで示される1価の基であり、Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基である。
、Ra’、及びRにおいて、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していてもよい。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。)
上記一般式(IV)の2価の連結基Qとしては、例えば、炭素原子数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−基、−COO−基、炭素原子数1〜10のエーテル基(−R’−OR”−:R’及びR”は、各々独立にアルキレン基)及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。中でも、得られた共重合体の耐熱性の点から、Qは、−COO−基であることが好ましい。
上記一般式(IV)の2価の有機基R10は、炭素原子数1〜8のアルキレン基、−[CH(R14)−CH(R15)−O]−CH(R14)−CH(R15)−又は−[(CH−O]−(CH−である。上記炭素原子数1〜8のアルキレン基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種へキシレン基、各種オクチレン基などである。
14及びR15は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
上記R10としては、分散性の点から、炭素原子数1〜8のアルキレン基が好ましく、中でも、R10がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、メチレン基及びエチレン基がより好ましい。
上記一般式(IV)のR11、R12が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば5〜7員環の含窒素複素環単環又はこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。
上記一般式(IV)で表される繰り返し単位としては、(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルアミン、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルアミン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルジエチルアミン、(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチルアミン等から誘導される繰り返し単位が挙げられるが、これらに限定されない。
一般式(V)においてR及び/又はRa’が、−O−Ra”の場合、酸性リン酸エステルとなる。また、一般式(VI)においてRが、−O−Rb’の場合、酸性硫酸エステルとなる。
上記一般式(V)で表される有機酸化合物としては、R及びRa’が、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、メチル基、エチル基、置換基を有していても良いアリール基又はアラルキル基、ビニル基、アリル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−R、あるいは、−O−Ra’’で示される1価の基であり、R及びRa’のいずれかは炭素原子を含み、且つ、Ra’’が、メチル基、エチル基、置換基を有していても良いアリール基又はアラルキル基、ビニル基、アリル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rであり、R及びRが、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Rが−CO−CH=CH又は−CO−C(CH)=CHであるものが色材の分散性を向上し、且つ、耐熱性に優れる点から好ましい。
また、一般式(VI)で表される有機酸化合物としては、Rが、メチル基、エチル基、置換基を有していても良いアリール基又はアラルキル基、ビニル基、アリル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−R、あるいは、−O−Rb’で示される1価の基であり、Rb’が、メチル基、エチル基、置換基を有していても良いアリール基又はアラルキル基、ビニル基、アリル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rであり、R及びRが、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Rが−CO−CH=CH又は−CO−C(CH)=CHであるものが色材の分散性を向上し、耐熱性に優れる点から好ましい。
中でも、上記一般式(V)及び一般式(VI)で表される有機酸化合物は、R、Ra’及び/又はRa’’、並びに/或いは、R及び/又はRb’として、芳香環を有することが色材の分散性を向上し、耐熱性に優れる点から好ましい。R、Ra’及びRa’’の少なくとも1つ、或いは、R又はRb’が、置換基を有していても良いアリール基又はアラルキル基、より具体的には、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基であることが、色材分散性の点から好ましい。前記一般式(V)においては、R及びRa’の一方が芳香環を有する場合には、R及びRa’の他方は、水素原子や水酸基であるものも好適に用いられる。
また、耐熱性や耐薬品性、特に耐アルカリ性の点からは、上記一般式(V)及び一般式(VI)で表される有機酸化合物としては、リン(P)や硫黄(S)に炭素原子が直接結合した化合物であることが好ましく、R及びRa’が、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−Rで示される1価の基であり、R及びRa’のいずれかは炭素原子を含むことが好ましい。また、Rが、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−Rで示される1価の基であることが好ましい。
また、上記一般式(V)及び一般式(VI)で表される有機酸化合物は、R、Ra’及び/又はRa’’、並びに/或いは、R及び/又はRb’としては、重合性基を有するものが好ましい。重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基や、オキシラン環、オキセタン環等の環状エーテル含有基を含むカチオン重合性基等が挙げられる。中でも、ラジカル重合性基が好ましく、エチレン性不飽和結合含有基が好ましい。エチレン性不飽和結合含有基としては、例えば、ビニル基、アリル基あるいは−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rであり、且つ、Rが−CO−CH=CH又は−CO−C(CH)=CHであるものが好ましく、特に、R、Ra’及び/又はRa’’、並びに/或いは、R及び/又はRb’が、ビニル基、アリル基、2−メタクリロイルオキシエチル基、2−アクリロイルオキシエチル基であるものが好ましい。
本発明において分散剤は、更に、溶剤親和性を有する構成単位を含むことが好ましい。中でも、溶剤親和性を良好にし、分散性を向上する点から、非塩基性モノマーから誘導される繰り返し単位の中から、溶剤親和性を有するように溶剤に応じて適宜選択して用いられることが好ましい。ここで非塩基性モノマーとは、25℃の水に0.1Nの濃度(飽和濃度が0.1N未満の時は、飽和濃度)で溶解した時、7.1より低いpHを有する溶液を与える重合性モノマーをいう。溶剤親和性を有するブロック部としては、例えば、ポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの重合体、ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の重合体等が挙げられる。中でも、下記一般式(V)で表される、繰り返し単位を有する重合体であることが、色材の分散性及び分散安定性を向上させながら、耐熱性も向上する点から好ましい。
(一般式(VII)中、R16は、水素原子又はメチル基、Aは、直接結合又は2価の連結基、R17は、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R18)−CH(R19)−O]−R20又は−[(CH−O]−R20で示される1価の基である。R18及びR19は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R20は、水素原子、あるいは炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO、又は−CHCOOR21で示される1価の基であり、R21は水素原子又は炭素原子数1〜5の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基である。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。mは3〜200の整数、nは10〜200の整数を示す。)
このような一般式(II)で表される構成単位を有するブロック部と一般式(V)で表される構成単位を有するブロック部とを有するブロック共重合体、及び一般式(II)で表される構成単位を有するグラフト共重合体の具体例としては、特開2013−76764号公報等に記載のブロック共重合体、及びグラフト共重合体を好適なものとして挙げることができる。
本発明において分散剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。分散剤の含有量は、用いる色材の種類等に応じて適宜選定される。本発明の色材分散液において、分散剤は、色材100質量部に対して、通常、5〜200質量部の範囲であり、10〜100質量部であることが好ましく、20〜80質量部であることがより好ましい。含有量が上記範囲内にあれば、色材を均一に分散させることができる。また、後述する樹脂組成物において、相対的にバインダー成分の配合比率が低下することがなく、十分な硬度を持った着色層が形成できる。
(溶媒)
本発明に用いられる溶媒は、前記一般式(I)で表される色材を実質的に溶解しない溶媒又は難溶性の溶媒であり、23℃における前記色材の溶解度が、0.1(mg/10g溶媒)以下の溶媒である。このような溶媒を用いることにより、本発明に係る色材分散液は前記色材を溶媒中で粒子(凝集体)として分散させて用いることができる。本発明に用いられる前記一般式(I)で表される色材は、その凝集状態を保持したまま溶媒中に分散させて用いることにより、耐熱性及び耐光性に優れる。中でも、23℃における前記色材の溶解度が、0.01(mg/10g溶媒)以下である溶媒が好ましく、更に、前記色材を実質的に溶解しない溶媒がより好ましい。
なお、本発明において、一般式(I)で表される色材を23℃における前記色材の溶解度が、0.1(mg/10g溶媒)以下の溶媒は、以下の評価方法により簡易的に判定することができる。
20mLサンプル管瓶に評価する溶媒を10g投入し、更に前記色材0.1gを投入し、ふたをして20秒間よく振った後、23℃のウォーターバス内で10分間静置する。この上澄み液5gをろ過し不溶物を除く。得られたろ液を更に1000倍に希釈した溶液の吸光スペクトルを紫外可視近赤外分光光度計(例えば、島津製作所社製 UV−3100PC)で1cmセルを用いて測定し、最大吸収波長における吸光度を求める。このとき、最大吸収波長における吸光度が2未満であれば当該溶媒は、一般式(I)で表される色材を23℃における前記色材の溶解度が、0.1(mg/10g溶媒)以下の溶媒(難溶性の溶媒)であると評価できる。
また、上記の評価方法において、得られたろ液を希釈せずに、上記と同様に吸光スペクトルを測定し、最大吸収波長における吸光度を求める。このとき、最大吸収波長における吸光度が2未満であれば、当該溶媒は、一般式(I)で表される色材を実質的に溶解しない溶媒であると評価できる。
23℃における前記色材の溶解度が、0.1(mg/10g溶媒)以下の溶媒としては、一般式(I)で表される色材を実質的に溶解しない溶媒又は難溶性の溶媒であれば特に限定されず、色材分散液中の各成分とは反応せず、これらを溶解若しくは分散可能な溶媒から適宜選択して用いればよい。
本発明の色材分散液においては、中でも、エステル系溶媒を用いることが分散安定性の点から好ましい。
エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、メトキシエチルアセテート、プロ、ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテート等が挙げられる。
これらの溶媒は単独もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の色材分散液は、以上のような溶媒を、当該溶媒を含む色材分散液の全量に対して、通常は60〜85質量%の割合で用いて調製する。溶媒が少なすぎると、粘度が上昇し、分散性が低下しやすい。また、溶媒が多すぎると、色材濃度が低下し、用途によっては十分な近赤外線吸収効果が得られない恐れがある。
(その他の成分)
本発明の色材分散液には、更に必要に応じて、顔料、染料、分散補助樹脂、その他の成分を配合してもよい。
顔料及び染料は、色調の制御を目的として必要に応じて配合される。顔料及び染料は従来公知のものを目的に応じて選択することができ、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。顔料及び染料の配合量は、本発明の効果が損なわれない範囲であれば特に限定されず、後述する樹脂組成物で用いる場合と同様とすることができる。
分散補助樹脂としては、例えばアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂の立体障害によって色材粒子同士が接触しにくくなり、分散安定化することやその分散安定化効果によって分散剤を減らす効果がある場合がある。
また、その他の成分としては、例えば、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
<色材分散液の製造方法>
本発明の色材分散液は、前記分散剤を前記溶媒に混合、撹拌し、分散剤溶液を調製した後、当該分散剤溶液に、前記本発明に係る色材と必要に応じてその他の化合物を混合し、分散機を用いて分散させることによって調製することができる。また、本発明の色材分散液は、色材と分散剤を溶媒に混合し、公知の分散機を用いて分散させることによって調製してもよい。
分散処理を行うための分散機としては、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03〜2.00mmが好ましく、より好ましくは0.10〜1.0mmである。
具体的には、ビーズ径が比較的大きめな2mmジルコニアビーズで予備分散を行い、更にビーズ径が比較的小さめな0.1mmジルコニアビーズで本分散することが挙げられる。また、分散後、0.1〜0.5μmのメンブランフィルターで濾過することが好ましい。
本発明においては、公知の分散機を用いて分散させる分散時間は、適宜調整され特に限定されないが、前記一般式(I)で表される色材を微細化して高い近赤外線吸収性を実現する点から、5〜40時間に設定されることが好ましい。
このようにして、色材粒子の分散性に優れた色材分散液が得られる。
本発明に用いられる色材の色材分散液中の平均分散粒径としては、用途に応じて適宜設定すればよく特に限定されないが、耐熱性及び耐光性に優れる点から、10〜150nmの範囲内であることが好ましく、20〜125nmの範囲内であることがより好ましい。色材の平均分散粒径が上記範囲であることにより、本発明の色材分散液を塗工した面が、均一で優れた赤外線吸収性能を発揮する。
色材分散液中の色材の平均分散粒径は、少なくとも溶媒を含有する分散媒体中に分散している色材粒子の分散粒径であって、レーザー光散乱粒度分布計により測定されるものである。レーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定としては、色材分散液に用いられている溶媒で、色材分散液をレーザー光散乱粒度分布計で測定可能な濃度に適宜希釈(例えば、1000倍など)し、レーザー光散乱粒度分布計(例えば、日機装社製なのトラック粒度分布測定装置UPA−EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定することができる。ここでの平均分散粒径は、体積平均粒径である。
色材分散液は、後述する樹脂組成物を調製するための予備調製物として用いることができる。すなわち、色材分散液とは、後述の樹脂組成物を調製する前段階において、予備調製される(組成物中の色材分質量)/(組成物中の色材以外の固形分質量)比の高い色材分散液である。具体的には、(組成物中の色材分質量)/(組成物中の色材以外の固形分質量)比は通常1.0以上である。色材分散液と少なくともバインダー成分を混合することにより、分散性に優れた樹脂組成物を調製することができる。
[樹脂組成物]
本発明に係る樹脂組成物は、下記一般式(I)で表わされる色材と、バインダー成分とを含有することを特徴とする。
(一般式(I)中の各符号は、前述のとおりである。)
本発明の樹脂組成物は、前記本発明の色材と、バインダー成分とを組み合わせて用いることにより、耐熱性及び耐光性に優れた着色層を形成することができる。
本発明の樹脂組成物は、少なくとも前記本発明に係る色材、及びバインダー成分を含有するものであり、必要に応じて他の成分を有してもよいものである。
また、本発明の樹脂組成物は、前記色材分散液にバインダー成分を組み合わせて用いてもよい。この場合、本発明の樹脂組成物は、一般式(I)で表される色材と、バインダー成分と、分散剤と、23℃における前記色材の溶解度が0.1(mg/10g溶媒)以下の溶媒とを含有する。
以下、本発明の樹脂組成物の各成分について詳細に説明する。なお、前記本発明に係る色材分散液に含まれ得る成分については、上記色材分散液の箇所において説明したものと同様のものを用いることができるので、ここでの説明は省略する。
(バインダー成分)
本発明においてバインダー成分は少なくとも樹脂を含有する。当該樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれであってもよい。
熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ニトロセルロース、エチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリエステル系樹脂;熱可塑性ウレタン系樹脂;塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の変性オレフィン系樹脂;酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂等のビニル系樹脂、ノルボルネン構造を有する非晶性ポリオレフィン等が好適なものとして挙げられる。中でも、ガラス転移温度が90〜180℃の範囲にあることが好ましく、特に120〜180℃の範囲であることが好ましい。
本発明においては、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与し、塗膜に充分な硬度を付与するために、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂を含む硬化性バインダー成分を含有することが好ましい。硬化性バインダー成分としては、特に限定されず、従来公知の硬化性バインダー成分を適宜用いることができる。
硬化性バインダー成分としては、例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含む光硬化性バインダー成分や、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性樹脂を含む熱硬化性バインダー成分を含むものを用いることができる。
熱硬化性バインダーとしては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物と硬化剤の組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。熱硬化性官能基としては、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、エチレン性不飽和結合等が挙げられる。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。熱硬化性バインダー成分の具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号パンフレットに記載のものを挙げることができる。
一方、着色層を形成する際にフォトリソグラフィー工程を用いる場合には、アルカリ現像性を有する感光性バインダー成分が好適に用いられる。
以下、感光性バインダー成分について説明するが、硬化性バインダー成分はこれらに限定されるものではない。
(1)感光性バインダー成分
感光性バインダー成分としては、ポジ型感光性バインダー成分とネガ型感光性バインダー成分が挙げられる。ポジ型感光性バインダー成分としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂及び感光性付与成分としてo−キノンジアジド基含有化合物を含んだ系が挙げられ、アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ポリイミド前駆体等が挙げられる。
ネガ型感光性バインダー成分としては、アルカリ可溶性樹脂と、多官能性モノマーと、光開始剤を少なくとも含有する系が好適に用いられる。アルカリ可溶性樹脂と、多官能性モノマーと、光開始剤の具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号パンフレットに記載のものを挙げることができる。
(任意添加成分)
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ他の色材や各種添加剤を含むものであってもよい。
(他の色材)
他の色材は、色調の制御を目的として必要に応じて配合される。色材は従来公知のものを目的に応じて選択することができ、1種又は2種以上用いることができる。
(添加剤)
添加剤としては、例えば重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤等などが挙げられる。
界面活性剤及び可塑剤の具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号パンフレットに記載のものが挙げられる。
(樹脂組成物における各成分の配合割合)
一般式(I)で表される色材及び必要に応じて配合される他の色材の合計の含有量は、樹脂組成物の固形分全量に対して、5〜65質量%、より好ましくは8〜55質量%の割合で配合することが好ましい。色材が少なすぎると、所望の赤外線吸収性を得ることが困難となる恐れがある。また色材等が多すぎると、樹脂組成物を基材へ塗布し硬化させた際の基材への密着性、硬化膜の表面荒れ、塗膜硬さ等の塗膜としての特性が不十分となるおそれがあり、また樹脂組成物中の色材の分散に使われる分散剤の量の比率も多くなるために耐溶剤性等の特性が不十分になる恐れがある。尚、本発明において固形分は、上述した溶媒以外のもの全てであり、溶媒中に溶解している多官能性モノマー等も含まれる。
また、分散剤を用いる場合、当該分散剤の含有量は、色材を均一に分散できる範囲で適宜調整すればよい。例えば、色材100質量部に対して10〜150質量部用いることが好ましく、色材100質量部に対して15〜45質量部の割合で配合するのがより好ましく、15〜40質量部の割合で配合するのが更により好ましい。また、分散剤の含有量は、樹脂組成物の固形分全量に対して、1〜60質量%の範囲内であることが好ましく、中でも5〜50質量%の範囲内であることが好ましい。分散剤の含有量が、樹脂組成物の固形分全量に対して、1質量%未満の場合には、色材を均一に分散することが困難になる恐れがあり、60質量%を超える場合には、硬化性、現像性の低下を招く恐れがある。
バインダー成分は、その合計の含有量が、樹脂組成物の固形分全量に対して24〜94質量%、40〜90質量%の割合で配合するのが好ましい。
また、溶媒を用いる場合、その含有量は、色材の分散性や、樹脂組成物の塗工性等の点から適宜調整すればよい。溶媒は、該溶媒を含む樹脂組成物の全量に対して、通常、65〜95質量%の範囲内であることが好ましく、中でも75〜88質量%の範囲内であることがより好ましい。
(樹脂組成物の製造)
樹脂組成物の製造方法は、特に限定されない。前記本発明に係る色材分散液を用いて樹脂組成物を調製する場合、例えば、(1)溶媒中に、前記本発明に係る色材分散液と、バインダー成分と、所望により用いられる各種添加成分とを同時に投入し、混合する方法、(2)溶媒中に、バインダー成分と、所望により用いられる各種添加成分とを添加し、混合したのち、これに前記本発明に係る色材分散液を加えて混合する方法などが挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物は、例えば、不可視印刷用インク、赤外線吸収塗料として用いることができる。また、本発明に係る樹脂組成物を用いて形成された着色層は、例えば、赤外線吸収フィルター、熱線吸収フィルター、バンドパスフィルター等の各種フィルター用途に用いることができる。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
(合成例1:ジイモニウム化合物の合成)
1,4−フェニレンジアミン1.1g(10.2mmol)、4−ブロモ−N,N−ジエチルアニリン10g、ナトリウム−tert−ブトキシド4.56g、トリ−tert−ブチルホスフィン226mg、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)172mg、トルエン110ml混合溶液を窒素気流下、100℃まで加熱し、5時間還流させた。薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応終了を確認した後、室温まで冷却し、水200ml、トルエン100mlを添加した。トルエンで抽出、水、ブラインで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。
減圧下、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去し、得られた固体を酢酸エチル/ノルマルへキサン=1/2で洗浄し、茶褐色固体のジイモニウム化合物5.7gを得た。(収率80%)
(合成例2:ジイモニウム化合物の塩化物塩(比較色材A)の合成)
合成例1で得られたジイモニウム化合物5.7gを酢酸エチル/アセトン=2/1に溶解させ、第二塩化鉄3.0gを含む水46mlの水溶液を添加し、50℃で4時間攪拌した。
反応終了後室温まで冷却し、減圧下、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去し得られた固体をアセトンで洗浄し、下記化学式(1)で表される比較色材A(緑色固体6.0g)を得た。(収率95%)
(合成例3:色材Aの合成)
合成例2で得られた比較色材A2.0gを水に添加し、加熱しながら攪拌して溶解させた。そこへ、リンタングステン酸n水和物(n=25.6)5.48gを含む80mlの水溶液を滴下した。反応終了後、室温まで冷却し析出した固体をろ過、水で洗浄し、下記化学式(2)で表される色材A5.6g(収率86%)を得た。
(合成例4:色材Bの合成)
合成例3において、リンタングステン酸n水和物の代わりに、リンタングステン酸n水和物とリンモリブデン酸n水和物(n=73.0)の混合物(70:30(モル比))を用いた以外は、合成例3と同様にして、下記化学式(3)で表される色材Bを得た(収率81%)。
(合成例5:色材Cの合成)
合成例4において、リンタングステン酸n水和物とリンモリブデン酸n水和物のモル比が50/50になるようにした以外は、合成例4と同様にして、下記化学式(4)で表される色材Cを得た(収率74%)。
(合成例6:色材Dの合成)
合成例3において、リンタングステン酸n水和物の代わりに、リンモリブデン酸n水和物を用いた以外は、合成例3と同様にして、下記化学式(5)で表される色材Dを得た(収率87%)。
(合成例7:バインダー樹脂Aの合成)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、溶剤としてジエチレングリコールエチルメチルエーテル(略称EMDG)130質量部を仕込み、窒素雰囲気下で110℃に昇温した後、メタクリル酸メチル32質量部、メタクリル酸シクロヘキシル22質量部、メタクリル酸24質量部、開始剤としてα,α’−アゾビスイソブチロニトリル(略称AIBN)2質量部および連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン4.5質量部を含む混合物を、それぞれ1.5時間かけて連続的に滴下した。
その後、合成温度を保持して反応を続け、滴下終了から2時間後に重合禁止剤として、p−メトキシフェノール0.05質量部を添加した。
次に、空気を吹き込みながら、メタクリル酸グリシジル22質量部を添加して、110℃に昇温した後、トリエチルアミン0.2質量部を添加して110℃で15時間付加反応させ、バインダー樹脂A(固形分44質量%)を得た。
得られたバインダー樹脂Aの質量平均分子量Mwは8500、酸価は85mgKOH/gであった。なお、質量平均分子量Mwは、ポリスチレンを標準物質とし、THFを溶離液としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて算出し、酸価はJIS−K0070に従い測定した。
(製造例1:色材分散液Aの調製)
色材として、合成例3の色材Aを6.00質量部、3級アミノ基を含むブロック共重合体(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー社製)を3.73質量部(有効固形分0.60質量部)、フェニルフォスフィン酸を0.76質量部、合成例3のバインダー樹脂A4.60質量部(有効固形分39.14質量部)、PGMEA84.91質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで4時間分散し、色材分散液Aを得た。
(製造例2:色材分散液Bの調製)
色材を合成例4の色材Bに代えた以外は製造例1と同様にして色材分散液Bを得た。
(製造例3:色材分散液Cの調製)
色材を合成例5の色材Cに代えた以外は製造例1と同様にして色材分散液Cを得た。
(製造例4:色材分散液Dの調製)
色材を合成例6の色材Dに代えた以外は製造例1と同様にして色材分散液Dを得た。
(実施例1)
製造例1で得られた色材分散液A25.68質量部、下記バインダー組成物A35.34質量部、PGMEA38.54質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.04質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.4質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、実施例1の着色樹脂組成物Aを得た。
<バインダー組成物A(固形分40質量%)>
・アルカリ可溶性樹脂(合成例3のバインダー樹脂A、固形分44質量%):18.18質量部
・5〜6官能アクリレートモノマー(商品名:アロニックスM403、東亞合成製):8.00質量部
・光重合開始剤:2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(商品名:イルガキュア907、BASF製)):3.00質量部
・光増感剤:2,4ジエチルチオキサントン(商品名:カヤキュアーDETX−S、日本化薬製):1.00質量部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):19.82質量部
(実施例2)
色材分散液を製造例2の色材分散液Bに代えた以外は実施例1と同様にして着色樹脂組成物Bを得た。
(実施例3)
色材分散液を製造例3の色材分散液Cに代えた以外は実施例1と同様にして着色樹脂組成物Cを得た。
(実施例4)
色材分散液を製造例4の色材分散液Dに代えた以外は実施例1と同様にして着色樹脂組成物を得た。
(比較例1)
メタノールにポリヒドロキシエチルメタクリレート樹脂(PHEMA樹脂(Mw=20000))を溶解させた10%溶液99.5質量部に合成例2で得られた比較色材A0.5質量部を加え30分間攪拌し色材溶解液Eを得た。
次いで、実施例1において、色材分散液Aの代わりに、上記色材溶解液Eを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の着色樹脂組成物Eを得た。
(比較例2)
PGMEAにポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA樹脂(Mw=3000))を溶解させた10%溶液99.5質量部にCIR−1085F(日本カーリット社製、ジイモニウム色素(ジイモニウムカチオンとビストリフルオロメチルスルホニルイミドアニオンとの塩)、以下、比較色材Bとする。)0.5質量部を加え30分間攪拌し色材溶解液Fを得た。
次いで、実施例1において、色材分散液Aの代わりに、上記色材溶解液Fを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の着色樹脂組成物Fを得た。
(評価)
<耐熱性評価>
色材A〜D及び比較色材A、Bをそれぞれ、TG−DTA(SHIMADZU社製 DTG−60A)で10℃/分で昇温し、600℃まで加熱した。耐熱性評価として、重量が5%減少したときの温度を測定し、これを5%重量減少温度とした。結果を表1に示す。5%重量減少温度が高いほど、耐熱性に優れていると評価される。
<光学性能評価、耐熱性評価>
各実施例及び比較例で得られた着色樹脂組成物を、それぞれ厚み0.7mmのガラス基板(日本電気硝子製、「OA−10G」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。次いで、超高圧水銀灯を用いて40mJ/cmの紫外線を照射することによって硬化膜とした。上記塗膜を有する着色基板をクリーンオーブンで150℃で30分間ポストベーク処理し、得られた着色膜の吸光度をSHIMADZU製「UV−3100」を用いて、ポストベーク前後における塗膜の吸光度を測定した。波長550nm及び波長900nmにおける吸光度を表2に示す。
なお、ポストベーク前後における吸光度変化率を下記式により算出した。
変化率 = ポストベーク後の吸光度 / ポストベーク前の吸光度
変化率が1に近いほど、耐熱性に優れていると評価される。
<耐光性評価>
各実施例及び比較例で得られた着色樹脂組成物を、厚み0.7mmのガラス基板(日本電気硝子製、「OA−10G」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。次いで、超高圧水銀灯を用いて40mJ/cmの紫外線を照射することによって硬化膜を得た。当該塗膜を有する着色基板をそれぞれ大気圧下でキセノンランプ(アトラス社製Ci4000ウェザメータ、内側フィルター:石英、外側フィルター:ソーダライム&赤外線吸収コーティング(CIRA))を用い、420nmの波長で、照度を1.2W/mとして、12時間(50kJ/m相当)照射した。キセノンランプによる光照射前後の塗膜の吸光度をSHIMADZU製「UV−3100」を用いて測定した。結果を表3に示す。
なお、光照射前後における吸光度変化率を下記式により算出した。
変化率 = 光照射後の吸光度 / 光照射前の吸光度
変化率が1に近いほど、耐光性に優れていると評価される。
[結果のまとめ]
表1の結果から、ジイモニウムの塩化物である比較色材Aは、耐熱性が悪かった。このような比較色材Aを用いた比較例1の着色樹脂組成物Fを用いて形成された塗膜は、表2及び表3に示される通り、ポストベークや光照射によって、波長550nmの光の吸光度が上昇し、波長900nmの光の吸光度が低下した。このように比較例1の塗膜は、熱乃至光により赤外線吸収効果が低減され、着色することが明らかとなった。
表1に示される通り、比較色材Bは、色材A〜Dと比較しても耐熱性は良好であった。しかしながら当該比較色材Bを用いた比較例2の塗膜は、表2の通り実施例1〜4と比較して耐熱性が悪かった。これは、比較色材Bが溶剤に溶解していたためであると推定される。また、比較例2の塗膜は、表3の通り耐光性が悪かった。
ヘテロポリ酸アニオンを有する色材A〜Dは、当該色材自体の耐熱性に優れていた。また、当該色材A〜Dを用いた実施例1〜4の塗膜は、耐熱性及び耐光性に優れていることが明らかとなった。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で表される色材と、分散剤と、23℃における前記色材の溶解度が0.1(mg/10g溶媒)以下の溶媒とを含有し、
    前記分散剤が、主鎖又は側鎖に窒素原子を含む高分子分散剤を含有する、色材分散液。
    (一般式(I)中、Aは、下記一般式(II)及び下記一般式(III)より選択される1種以上を含むカチオンを表し、Xa−はa価のヘテロポリ酸アニオンを表す。aは2以上の数を、b及びcは1以上の数を表す。)
    (一般式(II)及び一般式(III)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、それぞれ独立に、互いに結合して脂環族複素環を形成してもよい。)
  2. 前記Xa−が、モリブデン原子及びタングステン原子より選択される1種以上を含む、a価のヘテロポリ酸アニオンである、請求項に記載の色材分散液。
  3. 前記分散剤が、一般式(IV)で表される構成単位を有する重合体であって、当該構成単位が有するアミノ基と、下記一般式(V)及び、下記一般式(VI)より選択される1種以上の有機酸化合物とが塩を形成していてもよい共重合体を含有する、請求項1又は2に記載の色材分散液。
    (一般式(IV)中、R は、水素原子又はメチル基、Qは、直接結合又は2価の連結基、R 10 は、炭素原子数1〜8のアルキレン基、−[CH(R 14 )−CH(R 15 )−O] −CH(R 14 )−CH(R 15 )−又は−[(CH −O] −(CH −で示される2価の有機基、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に、水素原子又は置換されていてもよい鎖状又は環状の炭化水素基を表すか、R 11 及びR 12 が互いに結合して環状構造を形成する。R 14 及びR 15 は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
    xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
    (一般式(V)及び一般式(VI)中、R 及びR a’ はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R )−CH(R )−O] −R 、−[(CH −O] −R 、又は−O−R a’’ で示される1価の基であり、R 及びR a’ のいずれかは炭素原子を含む。R a’’ は、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R )−CH(R )−O] −R 、−[(CH −O] −R で示される1価の基である。
    は、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R )−CH(R )−O] −R 、−[(CH −O] −R 、又は−O−R b’ で示される1価の基である。R b’ は、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R )−CH(R )−O] −R 、又は−[(CH −O] −R で示される1価の基である。
    及びR は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R は、水素原子、あるいは炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH CHO、−CO−CH=CH 、−CO−C(CH )=CH 又は−CH COOR で示される1価の基であり、R は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基である。
    、R a’ 、及びR において、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していてもよい。
    sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。)
  4. 下記一般式(I)で表される色材と、バインダー成分と、分散剤とを含有し、
    前記分散剤が、主鎖又は側鎖に窒素原子を含む高分子分散剤を含有する、樹脂組成物。
    (一般式(I)中、Aは、下記一般式(II)及び下記一般式(III)より選択される1種以上を含むカチオンを表し、Xa−はa価のヘテロポリ酸アニオンを表す。aは2以上の数を、b及びcは1以上の数を表す。)
    (一般式(II)及び一般式(III)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、それぞれ独立に、互いに結合して脂環族複素環を形成してもよい。)
  5. 前記Xa−が、モリブデン原子及びタングステン原子より選択される1種以上を含む、a価のヘテロポリ酸アニオンである、請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 前記分散剤が、一般式(IV)で表される構成単位を有する重合体であって、当該構成単位が有するアミノ基と、下記一般式(V)及び、下記一般式(VI)より選択される1種以上の有機酸化合物とが塩を形成していてもよい共重合体を含有する、請求項4又は5に記載の樹脂組成物。
    (一般式(IV)中、R は、水素原子又はメチル基、Qは、直接結合又は2価の連結基、R 10 は、炭素原子数1〜8のアルキレン基、−[CH(R 14 )−CH(R 15 )−O] −CH(R 14 )−CH(R 15 )−又は−[(CH −O] −(CH −で示される2価の有機基、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に、水素原子又は置換されていてもよい鎖状又は環状の炭化水素基を表すか、R 11 及びR 12 が互いに結合して環状構造を形成する。R 14 及びR 15 は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
    xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
    (一般式(V)及び一般式(VI)中、R 及びR a’ はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R )−CH(R )−O] −R 、−[(CH −O] −R 、又は−O−R a’’ で示される1価の基であり、R 及びR a’ のいずれかは炭素原子を含む。R a’’ は、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R )−CH(R )−O] −R 、−[(CH −O] −R で示される1価の基である。
    は、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R )−CH(R )−O] −R 、−[(CH −O] −R 、又は−O−R b’ で示される1価の基である。R b’ は、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R )−CH(R )−O] −R 、又は−[(CH −O] −R で示される1価の基である。
    及びR は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R は、水素原子、あるいは炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH CHO、−CO−CH=CH 、−CO−C(CH )=CH 又は−CH COOR で示される1価の基であり、R は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基である。
    、R a’ 、及びR において、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していてもよい。
    sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。)
  7. 下記一般式(I)で表される色材。
    (一般式(I)中、Aは、下記一般式(II)及び下記一般式(III)より選択される1種以上を含むカチオンを表すが、下記一般式(III)で表されるカチオンを含み、下記一般式(II)で表されるカチオンを含んでいても良く、a−はa価のヘテロポリ酸アニオンを表す。aは2以上の数を、b及びcは1以上の数を表す。)
    (一般式(II)及び一般式(III)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、それぞれ独立に、互いに結合して脂環族複素環を形成してもよい。)
  8. 前記Xa−が、モリブデン原子及びタングステン原子より選択される1種以上を含む、a価のヘテロポリ酸アニオンである、請求項7に記載の色材。
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