JP2015024836A - 合成樹脂製包装用資材と合成樹脂製包装用袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線吸収性・可視光線の透過性と遮断性・ヒートシール性・アンチブロッキング・積層接着強度・機械的特性(耐スクラッチ性や耐摩耗性)・ピックアップ性・弾性・柔軟性・断熱性・酸化防止性などの特性を確保することのできる合成樹脂製包装用資材や合成樹脂製包装用袋を提供する。【解決手段】合成樹脂製包装用資材(積層型樹脂フィルム61)は、熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31が粗面形成用の微粒子51・52を含有し、その熱可塑性合成樹脂層が積層接着により一体化されて積層型の樹脂フィルム61が形成される。積層型樹脂フィルム61の場合、粗面形成用微粒子51・52を含む層とこれに隣接する層との積層接着面が、当該粗面形成用微粒子51・52を介して凹凸化された粗面62abで形成される。合成樹脂製包装用袋71は、包装用資材(積層型樹脂フィルム61)を袋表裏用の構成材料72a・72bとして構成される。【選択図】図2

Description

本発明は、種々の包装に用いて好適な合成樹脂製包装用資材や合成樹脂製包装用袋に関する。より詳しくいうと、本発明は、所要の強度や所要の特性を得るために複数のフィルムを積層したものにおいて、フィルム相互の高接着性・アンチブロッキング性・耐候性などを同時に満足させるようにした合成樹脂製包装用資材や合成樹脂製包装用袋に関する。本発明は、また、添加剤に起因したブリードアウト現象を抑制ないし防止してその影響を回避できるようにした合成樹脂製包装用資材や合成樹脂製包装用袋に関する。本発明は、さらに、包装上・取り扱い上・使用上などにおいて上記以外の機能をも発揮できるようにした合成樹脂製包装用資材や合成樹脂製包装用袋に関する。
包装用資材については周知のとおり、物品(被包装物)の輸送・保管・取引・使用などにおいて当該物品を保全することのできる機能や、それを十分に保証することのできる強度が要求される。かかる要求は包装用資材全般に共通する事項でもある。したがって、包装用資材が合成樹脂製である場合や、その合成樹脂が熱可塑性である場合でも、安全性や実用上の強度を確保することが優先事項となる。
熱可塑性合成樹脂製の包装用資材については、また、取扱い上や使用上の利便性を高めるために種々の工夫がなされている。それは熱可塑性合成樹脂に添加剤を加えることで当該樹脂に所要の特性を付与するというものである。より具体的にいうと、それは紫外線吸収剤・遮光性・滑性(スリップ性)・耐ブロッキング性・帯電防止性(静電気防止性)・ガスバリヤ性(気体遮断性)・保香性(香気保存性)・透明性・難燃性・酸化防止性(耐酸化性)などの特性を付与するために、その特性に応じた添加剤を熱可塑性合成樹脂に添加しているのである。この場合の添加剤は、有機系のものであったり無機系のものであったりする。また、有機系添加剤と無機系添加剤との両方を熱可塑性合成樹脂に加えることも行われている。
熱可塑性合成樹脂製包装用資材に関する従来技術の概要は上述したようなものであり、これまでにも多種多様のものが開発されて提供されている。なかんずく、医薬品・食品・工業薬品・農薬などを包装するための熱可塑性合成樹脂製包装用資材などは、紫外線吸収性のあるものが提供されて実用に供されている。かかる特性をもつ包装用資材の場合、紫外線に対する物品の変質防止機能を奏することから、この点で被包装物の品質保持機能が高いといわれている。
下記の特許文献1〜5にみられる包装用袋は、その資材である熱可塑性合成樹脂フィルムに有機系や無機系の紫外線吸収剤が練り込まれたものである。したがってこれには、所定の紫外線吸収機能がある。この文献記載の各合成樹脂製包装用袋について、それぞれの紫外線吸収機能にはとくに問題がない。
しかしながら特許文献1〜5に開示された合成樹脂製包装用袋は、これが有機系の紫外線吸収剤を含有するものであるために特有の難点がみられる。すなわちそれは、かかる文献記載の各合成樹脂製包装用袋を長期保管した場合に、有機系紫外線吸収剤に経時変化が起きてブリードアウト現象が発生するのである。
ブリードアウトは周知のように、樹脂中の各種添加剤が経時変化で凝集固化し樹脂表面にブリーミングし粉化するという現象である。ちなみに熱可塑性合成樹脂製包装用袋の場合は、その袋表面に粉のような物や白い斑点が付着するという形で現れる。この熱可塑性合成樹脂におけるブリードアウトは、有機系紫外線吸収剤を含有する場合のみならず、ほとんどの有機系添加剤に共通する現象である。したがって、熱可塑性合成樹脂が他の有機系添加剤を含有する場合、たとえば、有機系の静電気防止剤・アンチブロッキング剤・滑剤(スリップ剤)などを含有する場合にも、ブリードアウト現象は発生する。しかもこれは、経時変化の期間に比例して顕著となる傾向にある。
ブリードアウトに対しては、添加剤を含まない無添加の熱可塑性合成樹脂を用いるのがよいかのごとくである。しかしながら無添加の熱可塑性合成樹脂は高価である。それに、無添加熱可塑性合成樹脂のみからなる合成樹脂製包装用袋の場合は、製造上の取り扱いやその他において使い勝手の悪くなることが少なくない。
一方、ブリードアウトの生じる熱可塑性合成樹脂の表面を無添加の熱可塑性合成樹脂で覆うことも考えられるが、この場合も、高価な無添加熱可塑性合成樹脂が取り扱いがたいものになる。とくに、複数のフィルムを積層するものについては、フィルム相互の接着性を高めて包装用資材や包装用袋の強度を十分に確保することが要求される。しかし、これについては、ブリードアウト現象のような他の課題とあわせて総合的に解決するという技術手段がまだ提供されていない。
さらに、積層型樹脂フィルムを素材とする包装用資材や包装用袋において良好な接着性や十分な強度を確保することは、この種の技術分野における共通課題である。これについて、たとえば、アンチブロッキング性や耐候性などともに満足させることができるとき、それは有用性や有益性の高いものになる。したがって、このような課題を解決することのできる包装用資材や包装用袋の提供が希求されている。
特開平10−101150号公報 特開2003−054586号公報 特開2003−291988号公報 特開2003−312690号公報 特開2004−182984号公報
本発明は上記のような技術課題に鑑み、紫外線吸収性・可視光線の透過性と遮断性(遮光性)・ヒートシール性・アンチブロッキング(耐ブロッキング性)・積層接着強度・機械的特性(耐スクラッチ性や耐摩耗性)・ピックアップ性・弾性・柔軟性・断熱性・酸化防止性など、所望の特性を容易に確保することのできる合成樹脂製包装用資材や合成樹脂製包装用袋を提供しようとするものである。
本発明は、また、添加剤のブリードアウト現象もしくはその影響を的確かつ合理的に回避することのできる合成樹脂製包装用資材や合成樹脂製包装用袋を提供しようとするものである。
本発明に係る合成樹脂製包装用資材および本発明に係る合成樹脂製包装用袋は、所期の目的を達成するための課題解決手段として、下記第1項ないし第9項に記載された技術内容を特徴とするものである。
<第1項>
複数の熱可塑性合成樹脂層を積層接着してなる面状の包装用資材において、
上記複数の熱可塑性合成樹脂層のうちから選択された一つ以上の層が粗面形成用の微粒子を含有していること、および、
上記すべての熱可塑性合成樹脂層が積層接着により一体化されて積層型の樹脂フィルムが形成されていること、および、
上記積層型樹脂フィルムにおいて、上記粗面形成用微粒子を含む層とこれに隣接する層との積層接着面が、当該粗面形成用微粒子を介して凹凸化された粗面で形成されていること
を特徴とする合成樹脂製包装用資材。
<第2項>
ブリードアウトの生じる添加剤が熱可塑性合成樹脂層に添加されており、その添加剤を含有した熱可塑性合成樹脂層を構成要素として備えている面状の包装用資材において、
ブリードアウトの生じる熱可塑性合成樹脂層をブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層とし、ブリードアウトの生じない熱可塑性合成樹脂層を非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層とした場合に、ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層と非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層とによる複数の熱可塑性合成樹脂層を備えていること、および、
上記ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層と上記非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層とのうちから選択された一つ以上の層が粗面形成用の微粒子を含有していること、および、
上記すべての熱可塑性合成樹脂層が積層接着により一体化されて積層型の樹脂フィルムが形成されていること、および、
上記積層型樹脂フィルムにおける上記ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の少なくとも片面が他の層で覆われているとともにその積層型樹脂フィルムの少なくとも片面が上記非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の片面で形成されていること、および、
上記積層型樹脂フィルムにおいて、上記粗面形成用微粒子を含む層とこれに隣接する層との積層接着面が、当該粗面形成用微粒子を介して凹凸化された粗面で形成されていること
を特徴とする合成樹脂製包装用資材。
<第3項>
上記ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層と上記非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層とによる上記積層型樹脂フィルムが三層以上の層からなるとともに上記非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の層数が上記ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の層数を上回るものであり、かつ、上記積層型樹脂フィルムの両面がそれぞれ非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の片面で形成されている第2項に記載された合成樹脂製包装用資材。
<第4項>
上記ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層が、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤と可視光線遮断用遮光剤とのうちから選択された一つ以上のものをブリードアウトの生じる添加剤として含有している第2項または第3項に記載された合成樹脂製包装用資材。
<第5項>
上記積層型樹脂フィルムの表面側にある熱可塑性合成樹脂層が粗面形成用微粒子を含有しており、かつ、当該積層型樹脂フィルムの表面が、上記粗面形成用微粒子を介して凹凸化された粗面で形成されている第1項ないし第4項のいずれかに記載された合成樹脂製包装用資材。
<第6項>
上記粗面形成用微粒子として、固体微粒子と気体微粒子とのうちから選択された一つ以上のものを含有している第1項ないし第5項のいずれかに記載された合成樹脂製包装用資材。
<第7項>
上記積層型樹脂フィルムの両面のうちで、一つの面を内面とし、残る一つの面を外面とした場合、内面を有する層が他の層よりも低融点のものである第1項ないし第6項のいずれかに記載された合成樹脂製包装用資材。
<第8項>
第1項ないし第7項のいずれかに記載された包装用資材を袋表用の構成材料および/または袋裏用の構成材料として具備していることを特徴とする合成樹脂製包装用袋。
<第9項>
開口部側の袋内部に開閉自在なチャックを具備している第8項に記載された合成樹脂製包装用袋。
本発明に係る合成樹脂製包装用資材、および、本発明に係る合成樹脂製包装用袋には、下記<01>〜<16>に記載の効果がある。
[第1項に係る合成樹脂製包装用資材の効果]
<01> 第1項に係る合成樹脂製包装用資材の場合、その構成要素となる複数の熱可塑性合成樹脂層のうちの一つ以上の層が粗面形成用の微粒子を含有しており、かつ、このすべての熱可塑性合成樹脂層が積層接着により一体化されて積層型の樹脂フィルムが形成されている。さらに、その積層型樹脂フィルムについては、上記粗面形成用微粒子を含む層とこれに隣接する層との積層接着面が、当該粗面形成用微粒子を介して凹凸化された粗面で形成されている。積層型樹脂フィルムにおいて、このような凹凸化された粗面が積層接着面に介在する場合、当該凹凸化によって所定二層間の接着面積が増大したり両接着面相互のアンカー効果が向上したりするので、ヒートシール性やヒートシール強度が高いものになり、積層型樹脂フィルム全体の積層接着強度も嵩上げされる。
[第2項に係る合成樹脂製包装用資材の効果]
<02> 第2項に係る合成樹脂製包装用資材も、粗面形成用の微粒子を含有する熱可塑性合成樹脂層が積層された積層型樹脂フィルム構成のものである。したがってこの合成樹脂製包装用資材にも上記<01>〜<02>のような効果がある。
<03> 第2項に係る合成樹脂製包装用資材は、ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層や非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層など、複数の熱可塑性合成樹脂層が積層接着で一体化された積層型の樹脂フィルムからなる。この積層型樹脂フィルムにおいてブリードアウトが生じるとみなされるブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の場合、少なくともその片面が他の層で覆われたカバー状態にあるから、当該片面でのブリードアウト現象がないのはもちろん、その現象による影響が当該片面から他に及ぶこともないのである。加えてこの積層型樹脂フィルムの場合、少なくともその片面が上記非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の片面で形成されていて当該片面が非ブリードアウト面となっているのである。これは当該合成樹脂製包装用資材が長期保管のような取り扱いを受けるとしても、その合成樹脂製包装用資材の非ブリードアウト面には、ブリードアウト現象が発生しないのである。ゆえに、この合成樹脂製包装用資材の場合は、非ブリードアウト面を内向きまたは外向きにするなど、非ブリードアウト面をブリードアウト現象の影響を与えたくない側に配して包装することで、ブリードアウトに起因した問題をきたすことなく所要の包装を行うことができるのである。
<04> 第2項に係る合成樹脂製包装用資材の場合、ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層を備えていながらも、上述した範囲内でブリードアウト現象を抑制ないし防止したり、その影響を回避したりすることができる。これは換言して、ブリードアウトの生じる添加剤の使用が許容されるということである。このような許容事情に基づいて適当な有機系添加剤をブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層に含有させればよく、それによって所望ないし所要の特性を満足に確保することができる。
[第3項に係る合成樹脂製包装用資材の効果]
<05> 第3項に係る合成樹脂製包装用資材は、上記第2項に記載の合成樹脂製包装用資材を前提とするものであるから、これにも上記<01>〜<04>のような効果がある。
<06> 第3項に係る合成樹脂製包装用資材は、上記に加え、ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層と非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層とによる積層型樹脂フィルムが三層以上の層からなること、非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の層数がブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の層数を上回るものであること、さらに、積層型樹脂フィルムの両面がそれぞれ非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の片面で形成されていることをも構成要件とするものである。かかる合成樹脂製包装用資材の場合、積層型樹脂フィルムの両面がそれぞれ非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層となるから、ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層を完全に内部に封じ込めることができる。したがって、ブリードアウト対策上きわめて有効なものになる。
[第4項に係る合成樹脂製包装用資材の効果]
<07> 第4項に係る合成樹脂製包装用資材は、上記第2項または上記第3項に記載された構成を具備するものであるから、これにも上記<01>〜<06>のような効果がある。
<08> 第4項に係る合成樹脂製包装用資材は、また、ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層が、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤と可視光線遮断用遮光剤とのうちから選択された一つ以上のものをブリードアウトの生じる添加剤として含有しているものである。かかる合成樹脂製包装用資材の場合、紫外線や可視光線などの光線を吸収または散乱または遮断するのであるから、各種の光線被爆に起因した被包装物の劣化を防止することができる。ゆえに被包装物の光劣化防止効果を十分に発揮する。
[第5項に係る合成樹脂製包装用資材の効果]
<09> 第5項に係る合成樹脂製包装用資材は、上記第1項ないし上記第4項のいずれかに記載された構成を具備するものであるから、上記<01>〜<08>効果を有する。
<10> 第5項に係る合成樹脂製包装用資材は、また、上記積層型樹脂フィルムの表面側にある熱可塑性合成樹脂層が粗面形成用微粒子を含有しており、当該積層型樹脂フィルムの表面が、上記粗面形成用微粒子を介して凹凸化された粗面で形成されているものである。このような積層型樹脂フィルムは、積層型といえども「フィルム」にほかならないから、厚さ1mm未満のものである。厚さ1mm未満のきわめて薄い当該積層型樹脂フィルムにおいて、その内部に凹凸化された粗面が存在するときは、微視的にみて、その凹凸化が積層型樹脂フィルムの内面や外面に波及するのである。すなわち、当該積層型樹脂フィルムの内外面が微小レベルで凹凸化する。表面(内外面)にこのような微小凹凸を有する積層型樹脂フィルムの場合、フィルム相互が真空密着したり他物に密着したりするような事態が起こりがたい。より具体的にいうと、製造ライン走行時に機械密着したりフィルム巻き取り時にフィルム相互が密着したりして滑りにくくなるとか、フィルム多数を重ね置きした際に剥がれがたくなるということがない。したがって、この合成樹脂製包装用資材の場合、フィルム加工時の耐ブロッキング性(アンチブロッキング性)や、フィルムを一枚ずつピックアップする際のピックアップ性がよい。
[第6項に係る合成樹脂製包装用資材の効果]
<11> 第6項に係る合成樹脂製包装用資材は、上記第1項ないし第5項に記載されたいずれかの構成を具備するものである。したがって、第6項に係る合成樹脂製包装用資材の場合、上記<01>〜<10>などを参照して明らかな所定の効果を有する。
<12> 第6項に係る合成樹脂製包装用資材は、また、固体微粒子と気体微粒子とのうちから選択された一つ以上のものを粗面形成用の微粒子として含有している。この場合の粗面形成用微粒子が固体微粒子であるときの合成樹脂製包装用資材は、その固体微粒子によって耐スクラッチ性や耐摩耗性などの機械的特性を得ることができる。固体微粒子からなる粗面形成用微粒子は、さらに、その粒径や含有量いかんで種々の光学的特性をもたせることができ、それによって所望の透明度をもたせることができる。たとえば、固体微粒子が可視光線の波長よりも小さい粒径のものであるときは可視光線を透過させることができ、逆に、固体微粒子が可視光線の波長よりも大きい粒径のものであるときは可視光線を光の屈折や乱反射により遮断することができ、また、この透過から遮断にわたる範囲内で各種粒径の固体微粒子を混合(配合)したりその混合固体微粒子の添加量を調整したりすることにより、可視光線の透過率すなわち透明度(ヘイズ値)を適宜設定することができる。一方、この場合の粗面形成用微粒子が気体微粒子であるときも上記固体微粒子と同様、その粒径や含有率によって種々の光学的特性をもたせることができる。気体微粒子からなる粗面形成用微粒子は、さらに、樹脂製包装用資材は弾性・可撓性・柔軟性・緩衝性・断熱性・保温性・保冷性・耐寒性電気絶縁性などを得ることができる。
[第7項に係る合成樹脂製包装用資材の効果]
<13> 第7項に係る合成樹脂製包装用資材は、上記第1項ないし上記第6項のいずれかに記載された構成を具備するものである。したがって、第7項に係る合成樹脂製包装用資材の場合、上記<01>〜<12>などを参照して明らかな所定の効果を有する。
<14> 第7項に係る合成樹脂製包装用資材は、上記のほか、つぎのような構成をも具備している。それは積層型樹脂フィルムの両面のうちで、一つの面を内面とし、残る一つの面を外面とした場合に、内面を有する層が他の層よりも低融点というものである。積層型樹脂フィルムの各層にこのような融点差があるときは、フィルム内面(相対的低融点側)のヒートシール性がフィルム外面(相対的高融点側)のそれよりも高くなり、逆に、フィルム外面(相対的高融点側)の耐熱性がフィルム内面(相対的高融点側)のそれよりも高くなる。したがって当該合成樹脂製包装用資材の場合、フィルム内面ではヒートシール加工が容易になり、フィルム外面ではその耐熱性でフィルム内面側を防護するようになる。この特性を活用することによって、合成樹脂製包装用資材の加工性や実用包装性が高まることとなる。
[第8項に係る合成樹脂製包装用袋の効果]
<15> 第8項に係る合成樹脂製包装用袋は、第1項ないし第7項のいずれかに記載された包装用資材を袋表用の構成材料および/または袋裏用の構成材料として具備しているものである。したがって、この合成樹脂製包装用袋の場合も、上記<01>〜<14>を参照して明らかな所定の効果を有する。
[第9項に係る合成樹脂製包装用袋の効果]
<16> 第9項に係る合成樹脂製包装用袋は、上記第8項に記載されたものにおいて、開口部側の袋内部に開閉自在なチャックを具備しているものである。チャック付き合成樹脂製包装用袋の利便性は周知されている。利便性の高いチャック付き合成樹脂製包装用袋が既述の合成樹脂製包装用資材を構成要素にしているときは、当該包装用袋の有用性や有益性がさらに高まるものとなる。
本発明に係る合成樹脂製包装用資材の構成要素について種々の実施形態を略示した断面説明図である。 本発明に係る合成樹脂製包装用資材について種々の実施形態を略示した断面説明図である。 本発明の図2(A)の実施形態に係る合成樹脂製包装用資材の要部を示した拡大断面説明図である。 本発明の図2(B)の実施形態に係る合成樹脂製包装用資材の要部を示した拡大断面説明図である。 本発明の図2(C)の実施形態に係る合成樹脂製包装用資材の要部を示した拡大断面説明図である。 本発明の図2(D)の実施形態に係る合成樹脂製包装用資材の要部を示した拡大断面説明図である。 本発明の図2(E)の実施形態に係る合成樹脂製包装用資材の要部を示した拡大断面説明図である。 本発明に係る合成樹脂製包装用袋の一実施形態を略示した正面図である。 図8に例示した本発明合成樹脂製包装用袋の縦断面図である。
本発明に係る合成樹脂製包装用資材の各種実施形態、ならびに、本発明に係る合成樹脂製包装用袋の各種実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
本発明に係る合成樹脂製包装用資材として以下に図示するものは、複数の熱可塑性合成樹脂層を積層することで構成された積層型樹脂フィルムからなる。この場合の熱可塑性合成樹脂層で所要の添加剤や粗面形成用微粒子を含有するものは、その添加剤や粗面形成用微粒子が熱可塑性合成樹脂層中に均等に分散分布している。それで以下に例示する「添加剤含有および/または粗面形成用微粒子含有の熱可塑性合成樹脂層」に関する図や、「当該熱可塑性合成樹脂層を構成要素とする積層型樹脂フィルム」に関する図などは、かかる状況を踏まえてその本質的な部分や特徴を際立たせるべく概念的・模式的・巨視的・誇示的に示されている。したがって、図示の熱可塑性合成樹脂層や図示の積層型樹脂フィルムは、それぞれの実物顕微鏡写真断面と正確に一致しないところがある。とくに、各図で見られる添加剤41・42、粗面形成用微粒子51・52、粗面62a・62b・62abなどは、説明の便宜上、一部または全部が誇張表示されている。とはいえこれらの図は、本発明の技術内容を説明するための資料として必要条件を満たすから、それによって本発明の技術内容をよりよく理解することができる。一方、本発明に係る合成樹脂製包装用袋の場合は、通常の目視レベルで表現されているので、添加剤41・42、粗面形成用微粒子51・52、粗面62a・62b・62abなどが示されていない。
図1(A)〜(K)に例示された一群の熱可塑性合成樹脂層11〜17と他の一群の熱可塑性合成樹脂層21〜24は、それぞれ、公知ないし周知の熱可塑性合成樹脂に公知ないし周知の添加剤が添加されたものである。このような熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24は、合成樹脂製包装用資材の構成要素となるものであり、きわめて薄いフィルム状を呈している。合成樹脂製包装用資材の構成要素となるものとしては、このほかに、図1(L)に略示された無添加の熱可塑性合成樹脂31もある。ちなみに、各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31の厚さは、一層あたり200μm以下である。
上記の各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31についてその具体例をあげると、つぎの<21>〜<49>に示すようなものがある。下記<21>〜<49>のうちでは、非結晶で透明性を有するものが各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31としてよく採用されえる。そして各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24が任意の添加剤を含有している。
<21> 高密度ポリエチレン(HDPE)/ポリエチレン(PE)
<22> 中密度ポリエチレン(MDPE)/ポリエチレン(PE)
<23> 低密度ポリエチレン(LDPE)/ポリエチレン(PE)
<24> ポリプロピレン(PP)
<25> ポリ塩化ビニリデン(PVDC)
<26> ポリ塩化ビニル(PVC)
<27> ポリスチレン(PS)
<28> ポリ酢酸ビニル(PVAc)
<29> ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
<30> ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)
<31> AS樹脂(SAN)
<32> アクリル樹脂(PMMA)
<33> ポリアミド(PA)/商品名ナイロン
<34> ポリアセタール(POM)
<35> ポリカーボネート(PC)
<36> 変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)
<37> ポリブチレンテレフタレート(PBT)
<38> ポリエチレンテレフタレート(PET)
<39> 環状ポリオレフィン(COP)
<40> ポリフェニレンスルファイド(PPS)
<41> ポリサルフォン(PSF)
<42> ポリエーテルサルフォン(PES)
<43> 非晶ポリアリレート(PAR)
<44> 液晶ポリマー(LCP)
<45> ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
<46> 熱可塑性ポリイミド(PI)
<47> ポリアミドイミド(PAI)
<48> 熱可塑性ポリウレタン(TPU)
<49> フッ素樹脂(PTFE)
各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24には、既述のとおり、所要の特性を付与するためにそれに応じた添加剤が添加されているものである。それは有機系の添加剤41であったり無機系の添加剤42であったりする。これら添加剤41・42の一部について具体例をあげると、紫外線吸収剤・酸化防止剤・遮光剤などがある。この場合の紫外線吸収剤・酸化防止剤・遮光剤になどは耐候性剤という上位概念語でくくることもできる。したがって、以下において「耐候性剤」というとき、それは紫外線吸収剤・酸化防止剤・遮光剤のうちから選択されるいずれか一つ以上の添加剤機能を有するものである。また、同一ないし同種の物質が添加剤として二つ以上の機能を有することもある。以下の具体的な添加剤例においてそのような物質は、複数箇所に掲げられている。両添加剤41・42に関するその他の具体例として、ガスバリヤ剤・可塑剤・耐候性剤・導電性剤・滑剤・耐ブロッキング剤・保香剤・難燃剤・防曇剤・分散剤・離型剤・重合添加剤(重合開始剤)・流動性向上剤・などをあげることができ、そしてこれらも、各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24に添加されることもある。ここに掲げた各種の添加剤41・42は前述したとおり、いずれも公知ないし周知である。各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24に上記複数種の添加剤41・42を添加するというときは、原則として、添加剤相互の効果が減殺ないし打ち消されることのないような組み合わせや、添加剤相互が機能的に対立することのないような組み合わせが選定される。
上述した一方の各熱可塑性合成樹脂層11〜17と他方の各熱可塑性合成樹脂層21〜24とについてさらに説明すると、これらはつぎのようなものである。
一方の各熱可塑性合成樹脂層11〜17はブリードアウトの生じる添加剤41を含有したブリードアウト型である。このブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層11〜17の添加剤含有形態には二つのタイプがある。その一つはブリードアウトの生じるブリードアウト型添加剤41のみを含有するもの、他の一つはブリードアウト型添加剤41とブリードアウトの生じない非ブリードアウト型添加剤(ノンブリードアウト型添加剤)42とを含有するものである。これに対し、他方の各熱可塑性合成樹脂層21〜24は、ブリードアウトの生じない非ブリードアウト型(ノンブリードアウト型)である。この場合の非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層21〜24は、非ブリードアウト型の添加剤42を含有していたり、または、無添加であったりするが、その典型的なものは非ブリードアウト型添加剤42を含有する。その際の添加剤42としては、有機系・無機系のいずれであってもブリードアウト現象を起こさないタイプが採用される。各熱可塑性合成樹脂11〜17・21〜24に含まれる両添加剤41・42について概していえることは、有機系の添加剤にはブリードアウト現象を起こすものが多く、無機系の添加剤にはブリードアウト現象を起こすものが少ないということである。
ブリードアウトの生じる上記添加剤41のうちで紫外線吸収剤・紫外線散乱剤・酸化防止剤・耐候性剤・遮光剤などは、たとえば、つぎに示す周知のものが採用される。そのうちの紫外線吸収剤・紫外線散乱剤・遮光剤などについていうと、紫外線吸収剤の場合は、エネルギを吸収かつ熱などに変換することにより紫外線が外部から内部へと浸透するのを防ぎ、紫外線散乱剤の場合は、外部から照射される紫外線を物理的な仕組みで外部へと散乱・反射させるものである。また、遮光剤の場合は、自明のとおり光(可視光線)を遮断するものである。この場合における紫外線吸収剤と紫外線散乱剤とは、その効果の点で実質的な差異がないので、紫外線散乱剤も紫外線吸収剤とみなして差し支えない。
[紫外線吸収剤]
・低分子のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(分子量200〜400)
・低分子のトリアジン系紫外線吸収剤(分子量200〜400)
・低分子のベンゾエート系紫外線吸収剤(分子量200〜400)
[紫外線散乱剤]
・メトキシケイヒ酸オクチル
・ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル
・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
・t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン
・オクチルトリアゾン
・パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル
[酸化防止剤]
・フェノール系酸化防止剤(ラジカル補捉剤)
・イオウ系酸化防止剤(過酸化物分解剤)
・リン系酸化防止剤(過酸化物分解剤)
[耐候性剤]
・有機ポリシラン
・ポリフィリン化合物
・ポリシランやポリフィリン化合物の金属錯体
・酸化第二セリウム
・フェノール系化合物
・ヒンダードフェノール系化合物
・ヒンダードアミン系化合物
・ハイドロタルサイト様化合物
[遮光剤]
・有機系の染料(スチリル系染料、アントラキノン系染料、インドアニリン系染料)
・有機系の顔料(アゾレーキ系、不溶性アゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、アントラキノン系、ペリノン系、チオインジコ系、ペリレン系など)
ブリードアウトの生じる上記添加剤41のうちで、ガスバリヤ剤・可塑剤・耐候性剤・導電性剤・滑剤・耐ブロッキング剤・保香剤・難燃剤・防曇剤・分散剤・離型剤・流動性向上剤・重合用添加剤なども、現時点で公知ないし周知のものが採用可能であり、かつ、その公知ないし周知のもののうちから適宜選択採用される。
ブリードアウトの生じない上記添加剤42についても有機系と無機系との二通りが知られているが、そのうちでは、無機系のものがブリードアウトの生じない添加剤42としてよく用いられる。ブリードアウトの生じない上記添加剤42のうちで、紫外線吸収剤・酸化防止剤・耐候性剤・遮光剤などは、たとえば、つぎに示す周知のものが採用される。
[紫外線吸収剤(紫外線散乱剤)]
・高分子のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(分子量10000以上)
・高分子のトリアジン系紫外線吸収剤(分子量10000以上)
・高分子のベンゾエート系紫外線吸収剤(分子量10000以上)
・酸化亜鉛(微粒子)
・シリコーンによる表面処理を施された酸化亜鉛(微粒子)
・セラミックによる表面処理を施された酸化亜鉛(微粒子)
・酸化チタン(ルチルの微粒子)
・酸化チタン(アナターゼの微粒子)
[酸化防止剤]
・貴金属微粒子(白金、金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムなど)
・鉄粉(噴霧鉄粉、海面鉄粉、電解鉄粉、鉄研削粉、粉砕鉄など)を主剤としてハロゲン化金属(アルカリ金属の塩化物、アルカリ土類金属の塩化物、臭化物、沃化物など)を配合したもの
[耐候性剤]
・白色顔料(酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、アンチモン白、リトポン・オル亜鉛華、石膏、バライト、胡粉、塩基性炭酸鉛など)
・他の顔料(炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、アルミノシリケート、珪藻土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化アルミニウム=アルミナ、酸化マグネシウム=マグネシアなど)
[遮光剤]
・光吸収性無機顔料(カーボンブラック、鉄黒、カーボンバルーン、酸化鉄など)
・光反射性無機顔料(酸化チタン、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、亜鉛粉末、アルミニウム粉末、炭酸カルシウム、シラスバルーン、ガラスバルーン、シリカ、ゼオライト、炭酸マグネシウム、酸化クロム、ジルコニア、チタニア、アルミナ、マグネシア、クレー、カオリン、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス球など)
上記有機系の添加剤41としては平均粒径が10〜700nmの範囲内にあるものが採用され、上記無機系の添加剤42としては平均粒径が6〜70nmの範囲内にあるものが採用される。
さらに、一方の各熱可塑性合成樹脂層11〜17および/または他方の各熱可塑性合成樹脂層21〜24は、粗面形成用の微粒子を含有していたりする。かかる粗面形成用微粒子には固体微粒子と気体微粒子との二通りがあり、上記一方および/または他方の熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24は、この固体微粒子と気体微粒子とのうちから選択されたいずれか一方または両方を含有していることがある。この場合において、気体微粒子からなる粗面形成用微粒子51については、平均粒径が400nm〜2μmの範囲内にあるものが採用され、固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52については、平均粒径が80nm〜250μmの範囲内にあるものが採用される。
粗面形成用微粒子のうちで固体微粒子からなるもの、すなわち、固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52の場合は、上述した非ブリードアウト型の添加剤42で掲げた紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、酸化防止剤、耐候性剤、遮光剤などと同材質のものである。ただし、固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52の場合、その平均粒子径が、超微粒子状ないし微粒子状の非ブリードアウト型添加剤42に比して1.5倍以上大きく、望ましくは3倍以上大きいものである。
粗面形成用微粒子のうちで気体微粒子からなるもの、すなわち、気体微粒子からなる粗面形成用微粒子51の場合は、独立気泡や独立気孔などと称される類のものである。このような気体微粒子からなる粗面形成用微粒子51は、発泡剤など常套手段で樹脂を発泡させることにより形成されるものである。その場合の樹脂発泡倍率は、2.5倍〜10倍の範囲内で設定される。気体微粒子からなる粗面形成用微粒子51の平均粒子径は上記固体微粒子の場合と同様、超微粒子状ないし微粒子状の非ブリードアウト型添加剤42に比して1.5倍以上大きく、望ましくは3倍以上大きいものである。
図1に例示された一群の熱可塑性合成樹脂層11〜17と他の一群の熱可塑性合成樹脂層21〜24は、上記<21>〜<49>に掲げるところの、いずれかの熱可塑性合成樹脂からなるものである。このうちで一方の熱可塑性合成樹脂層11〜17は既述のブリードアウト型で、他方の熱可塑性合成樹脂層21〜24は既述の非ブリードアウト型である。
一方の熱可塑性合成樹脂層11〜17のうちで、図1(A)に例示されたブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層11は、一種類またはそれ以上の種類のブリードアウト型添加剤41を含有するものである。その具体的一例として図1(A)に例示されたブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層11は、上記各添加剤のうちから選択されたブリードアウト型紫外線吸収剤(ブリードアウト型紫外線散乱剤)を当該添加剤41として含有している。
一方の熱可塑性合成樹脂層11〜17のうちで、図1(B)に例示された熱可塑性合成樹脂層12も、一種類またはそれ以上の種類のブリードアウト型添加剤41を含有するとともに一種類またはそれ以上の種類の非ブリードアウト型添加剤42を含有するものである。その具体的一例として図1(B)に例示されたブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層12は、当該両添加剤41・42として、上記各添加剤のうちから選択されたブリードアウト型紫外線吸収剤(ブリードアウト型紫外線散乱剤)と非ブリードアウト型紫外線吸収剤とを含有している。
一方の熱可塑性合成樹脂層11〜17のうちで図1(C)に例示された熱可塑性合成樹脂層13は、上記の例と同様のブリードアウト型添加剤41と固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52とを含有している。したがって、この熱可塑性合成樹脂層13の場合、その両面が粗面形成用微粒子51を介して凹凸化されている。
一方の熱可塑性合成樹脂層11〜17のうちで図1(D)に例示された熱可塑性合成樹脂層14は、上記の例と同様のブリードアウト型添加剤41と気体微粒子からなる粗面形成用微粒子51とを含有している。したがって、この熱可塑性合成樹脂層14の場合、その両面が粗面形成用微粒子52を介して凹凸化されている。
一方の熱可塑性合成樹脂層11〜17のうちで図1(E)に例示された熱可塑性合成樹脂層15は、上記の例と同様のブリードアウト型添加剤41、上記の例と同様の非ブリードアウト型添加剤42、および、固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52を含有している。この熱可塑性合成樹脂層15の場合も、その両面が粗面形成用微粒子51を介して凹凸化されている。
一方の熱可塑性合成樹脂層11〜17のうちで図1(F)に例示された熱可塑性合成樹脂層16は、上記の例と同様のブリードアウト型添加剤41、上記の例と同様の非ブリードアウト型添加剤42、および、気体微粒子からなる粗面形成用微粒子51を含有している。この熱可塑性合成樹脂層16の場合も、その両面が粗面形成用微粒子52を介して凹凸化されている。
一方の熱可塑性合成樹脂層11〜17のうちで図1(G)に例示された熱可塑性合成樹脂層17は、上記の例と同様のブリードアウト型添加剤41、上記の例と同様の非ブリードアウト型添加剤42、気体微粒子からなる粗面形成用微粒子51を含有している。この熱可塑性合成樹脂層16の場合も、その両面が粗面形成用微粒子52を介して凹凸化されている。
他方の熱可塑性合成樹脂層21〜24のうちで図1(H)に例示された熱可塑性合成樹脂層21は、非ブリードアウト型添加剤42を含有するものである。その具体的一例として図1(H)の非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層21は、上記各添加剤のうちから選択された非ブリードアウト型紫外線吸収剤を当該添加剤42として含有している。
他方の熱可塑性合成樹脂層21〜24のうちで図1(I)に例示された熱可塑性合成樹脂層22は、上記の例と同様の非ブリードアウト型添加剤42を含有するとともに固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52を含有しているものである。この熱可塑性合成樹脂層22の場合、その両面が粗面形成用微粒子51を介して凹凸化されている。
他方の熱可塑性合成樹脂層21〜24のうちで図1(J)に例示された熱可塑性合成樹脂層23は、上記の例と同様の非ブリードアウト型添加剤42を含有するとともに気体微粒子からなる粗面形成用微粒子51を含有しているものである。この熱可塑性合成樹脂層23の場合、その両面が粗面形成用微粒子52を介して凹凸化されている。
他方の熱可塑性合成樹脂層21〜24のうちで図1(K)に例示された熱可塑性合成樹脂層24は、上記の例と同様の非ブリードアウト型添加剤42を含有するとともに固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52および気体微粒子からなる粗面形成用微粒子51を含有しているものである。この熱可塑性合成樹脂層24の場合、その両面が両粗面形成用微粒子51・52を介して凹凸化されている。
上記における主な添加剤の添加量については、樹脂100重量部に対し、下記のような範囲内で設定される。
有機系紫外線吸収剤=0.001〜15重量部
無機系紫外線吸収剤=0.01〜50重量部
酸化防止剤=0.001〜3重量部
遮光剤=0.05〜10重量部
ガスバリヤ剤=1〜15重量部
可塑剤=10〜90重量部
耐候性剤=0.01〜50重量部
導電性剤=0.1〜10重量部
滑剤=0.005〜5重量部
耐ブロッキング剤=0.01〜40重量部
保香剤=0.001〜10重量部
難燃剤=0.01〜100重量部
防曇剤=0.5〜5重量部
分散剤=0. 05〜5重量部
離型剤=0.001〜5重量部
流動性向上剤=0. 05〜5重量部
重合添加剤(重合開始剤)=0.1〜5重量部
発泡剤(化学発泡剤)=0.1〜20重量部
上記添加剤のうちで可視光線に関与するものは、自明の遮光剤である。この遮光剤と熱可塑性合成樹脂層との関係についていうと、熱可塑性合成樹脂層への遮光剤添加量の多寡で、その熱可塑性合成樹脂層の透明度ないし不透明度が定まるものである。したがって熱可塑性合成樹脂層については、これへの遮光剤添加量を加減(調整)することにより、高程度の透明状態にしたり、中程度の透明状態にしたり、また、低程度の透明状態にしたりすることができ、それによって任意の半透明状態が得られるのである。
一方、熱可塑性合成樹脂層に含まれる粗面形成用微粒子51・52なども可視光線に関与するから、当該熱可塑性合成樹脂層の透明度ないし不透明度については、熱可塑性合成樹脂層への上記遮光剤添加量だけでなく、熱可塑性合成樹脂層における粗面形成用微粒子51・52の含有量も考慮に入れて設定する。また、粗面形成用微粒子51・52が上記遮光剤をも兼ねるというときは、遮光用と粗面形成用とを兼ねて当該微粒子51・52を熱可塑性合成樹脂層に添加する。ちなみに、固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52の添加量は、上記遮光剤のそれと同じでよい。他方、気体微粒子からなる粗面形成用微粒子51の場合は、上記発泡剤の添加量で熱可塑性合成樹脂層中の含有量を定めればよい。この気体微粒子からなる粗面形成用微粒子51の場合は、また、発泡ガスが分解する反応基をあらかじめ熱可塑性合成樹脂成分中に多く組み入れておくのがよい。かかる粗面形成用微粒子(気体微粒子=独立気泡)51によるときは、熱可塑性合成樹脂層中の当該微粒子51によって光が乱反射するから、その乱反射による影響分だけ、熱可塑性合成樹脂層の透明度が低下することとなる。
このほか、図1(K)に例示された熱可塑性合成樹脂層31は、添加剤を含有しない無添加熱可塑性合成樹脂からなるものである。
本発明に係る合成樹脂製包装用資材として図2に例示されたものは、図1に示されている一群の熱可塑性合成樹脂層11〜17や他の一群の熱可塑性合成樹脂層21〜24を構成要素とするものであり、かつ、その熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24のうちから選択された複数の熱可塑性樹脂層を組み合わせて積層一体化することにより構成されているものである。以下、これら合成樹脂製包装用資材について具体的に説明する。
図2(A)に例示された二層構造の積層型樹脂フィルム61は、図1(A)〜(L)に例示された各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31のうちから任意に選択された二層が積層一体化されて構成されたものである。このうちの一層は、図2(A)の括弧なし符号14またはその括弧内符号11・12・13・15〜17・21〜24・31で示されるいずれかの熱可塑性合成樹脂層からなり、他の一層は、図2(A)の括弧なし符号23またはその括弧内符号11〜17・21・22・24・31で示されるいずれかの熱可塑性合成樹脂層からなる。図2(A)の積層型樹脂フィルム61を構成する二つの層はこれらの例のように、図1(A)〜(L)に例示された各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31のうちから選択された任意の二層からなるものである。ただし、図2(A)に例示された積層型樹脂フィルム61においては、当該両層がいずれも熱可塑性合成樹脂層11からなるという実施形態、当該両層がいずれも熱可塑性合成樹脂層12からなるという実施形態、当該両層がいずれも熱可塑性合成樹脂層21からなるという実施形態、および、当該両層がいずれも熱可塑性合成樹脂層31からなるという実施形態は例外であり、また、当該両層が熱可塑性合成樹脂層11・12・21・31のうちから選択された二種以上の熱可塑性合成樹脂層からなるという実施形態も例外である。
図2(B)に例示された三層構造の積層型樹脂フィルム61は、図1(A)〜(L)に例示された各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31のうちから任意に選択された三層が積層一体化されて構成されたものである。この例で中間の層は、図2(B)の括弧外符号15または括弧内符号11〜14・16・17・21〜24・31で示されるいずれかの熱可塑性合成樹脂層からなり、その中間層の一方(図中左側)にある一層は、図2(B)の括弧外符号23または括弧内符号11〜17・21・22・24・31で示されるいずれかの熱可塑性合成樹脂層からなり、その中間層の他方(図中右側)にある一層も、括弧外符号23または括弧内符号11〜17・21・22・24・31で示されるいずれかの熱可塑性合成樹脂層からなる。図2(B)の積層型樹脂フィルム61を構成する三つの層は、これらの例のように、図1(A)〜(L)に例示された各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31のうちから選択された任意三つの層からなるものである。ただし、図2(B)に例示された積層型樹脂フィルム61の場合、当該三層がいずれも熱可塑性合成樹脂層11からなるという実施形態、当該三層がいずれも熱可塑性合成樹脂層12からなるという実施形態、当該三層がいずれも熱可塑性合成樹脂層21からなるという実施形態、および、当該三層がいずれも熱可塑性合成樹脂層31からなるという実施形態は例外であり、さらに、当該三層が熱可塑性合成樹脂層11・12・21・31のうちから選択された二種以上の異種熱可塑性合成樹脂層からなるという実施形態も例外である。
図2(C)に例示された四層構造の積層型樹脂フィルム61は、図1(A)〜(L)に例示された各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31のうちから任意に選択された四層が積層一体化されて構成されたものである。図2(C)の例において、同図最左側にある一層と同図最右側にある一層は、それぞれ、図2(C)の括弧外符号23または括弧内符号11〜17・21・22・24・31で示されるいずれかの熱可塑性合成樹脂層からなり、また、その最左側層と最右側層との間にある中間の左層は、図2(C)の括弧外符号16または括弧内符号11〜15・17・21〜24・31で示されるいずれかの熱可塑性合成樹脂層からなり、さらに、その最左側層と最右側層との間にある中間の右層は、図2(C)の括弧外符号17または括弧内符号11〜16・21〜24・31で示されるいずれかの熱可塑性合成樹脂層からなるものである。図2(C)の積層型樹脂フィルム61を構成する四つの層は、この各例のように、図1(A)〜(L)に例示された各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31のうちから選択された任意四つの層からなるというものである。ただし、図2(C)に例示された積層型樹脂フィルム61の場合、当該四層がいずれも熱可塑性合成樹脂層11からなるという実施形態、当該四層がいずれも熱可塑性合成樹脂層12からなるという実施形態、当該四層がいずれも熱可塑性合成樹脂層21からなるという実施形態、および、当該四層がいずれも熱可塑性合成樹脂層31からなるという実施形態は例外であるとともに当該四層が熱可塑性合成樹脂層11・12・21・31のうちから選択された二種以上の異種熱可塑性合成樹脂層からなるという実施形態も例外である。
図2(D)に例示された五層構造の積層型樹脂フィルム61は、図1(A)〜(L)に例示された各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31のうちから任意に選択された五層が積層一体化されて構成されたものである。図2(D)の例で同図最左側にある一層と同図最右側にある一層は、それぞれ、図2(D)の括弧外符号23または括弧内符号11〜17・21・22・24・31で示されるいずれかの熱可塑性合成樹脂層からなり、その最左側層と最右側層との間にある中間の三層は、それぞれ、図2(D)の括弧外符号15または括弧内符号11〜14・16・17・21〜24・31で示されるいずれかの熱可塑性合成樹脂層からなる。図2(D)の積層型樹脂フィルム61を構成する五つの層は、これらの例で明らかなように、図1(A)〜(L)に例示された各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31のうちから選択された任意五つの層からなるというものである。ただし、図2(D)に例示された積層型樹脂フィルム61の場合、当該五層がいずれも熱可塑性合成樹脂層11からなるという実施形態、当該五層がいずれも熱可塑性合成樹脂層21からなるという実施形態、および、当該五層がいずれも熱可塑性合成樹脂層31からなるという実施形態は例外であり、さらに、当該五層が熱可塑性合成樹脂層11・12・21・31うちから選択された二種以上の異種熱可塑性合成樹脂層からなるという実施形態も例外である。
図2(E)に例示された六層構造の積層型樹脂フィルム61は、図1(A)〜(L)に例示された各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31のうちから任意に選択された六層が積層一体化されて構成されたものである。図2(E)の例で同図最左側にある一層と同図最右側にある一層は、それぞれ、図2(E)の括弧外符号23または括弧内符号11〜17・21・22・24・31で示されるいずれかの熱可塑性合成樹脂層からなり、その最左側層と最右側層との間にある中間の四層は、それぞれ、図2(E)の括弧外符号15または括弧内符号11〜14、16、17、21〜24・31で示されるいずれかの熱可塑性合成樹脂層からなる。図2(E)の積層型樹脂フィルム61を構成する六つの層は、これらの例で明らかなように、図1(A)〜(L)に例示された各熱可塑性合成樹脂層11〜17・21〜24・31のうちから選択された任意六つの層からなるというものである。ただし、図2(E)に例示された積層型樹脂フィルム61の場合、当該六層がいずれも熱可塑性合成樹脂層11からなるという実施形態、当該六層がいずれも熱可塑性合成樹脂層21からなるという実施形態、および、当該六層がいずれも熱可塑性合成樹脂層31からなるという実施形態は例外であり、さらに、当該六層が熱可塑性合成樹脂層11・12・21・31うちから選択された二種以上の異種熱可塑性合成樹脂層からなるという実施形態も例外である。
図2(A)〜(E)に例示された各積層型樹脂フィルム61については、公知ないし周知の手段で複層ないし多層のフィルム積層構造にすることができる。その手段について具体的にいうと、それは合成樹脂フィルムの共押出手段、合成樹脂フィルムのラミネート手段、合成樹脂フィルムのヒートシール手段、ローラ塗布あるいはスプレー塗布などによるコーティング手段などである。ここに記載されたいずれか手段を採用したり、または、複数の手段を採用して組み合わせたりすることで、二層ないし六層の上記積層型樹脂フィルム61をつくることができる。もちろん、七層以上の積層型樹脂フィルム61も、これらの手段を採用することで作製することができる。
図2(A)〜(E)に例示された各積層型樹脂フィルム61は、これを合成樹脂製包装用資材とするものである。ちなみに、この合成樹脂製包装用資材で合成樹脂製包装用袋をつくるというとき、積層型樹脂フィルム61の片面が袋内面に該当し、積層型樹脂フィルム61の残る片面が袋外面に該当するようになる。このような場合、合成樹脂製包装用袋の内面側に配される熱可塑性合成樹脂層は、他の層よりも融点の低いことが望ましい。ちなみに、熱可塑性合成樹脂製フィルムのヒートシールは90℃〜250℃の範囲内とくに130℃〜200℃の範囲内で行われるものである。したがって、合成樹脂製包装用袋の内面側に配される低融点の熱可塑性合成樹脂層は、他の層に先行して軟化溶融してヒートシールされることとなる。図2(A)〜(E)の符号a〜fは各積層型樹脂フィルム61を構成する熱可塑性合成樹脂層の融点を示すものである。これら熱可塑性合成樹脂層の融点a〜fについては、最左側の層が袋の内面側に配されるか、または、最右側の層が袋の内面側に配されるかに鑑み、下記の式を満足させるように設定される。
[図2(A)の積層型樹脂フィルム61について]
最左側の層が袋の内面側に配されるときは[a<b]を満足させ、最右側の層が袋の内面側に配されるときは[a>b]を満足させる。
[図2(B)の積層型樹脂フィルム61について]
最左側の層が袋の内面側に配されるときは[a<b≦c]を満足させ、最右側の層が袋の内面側に配されるときは[a≧b>c]を満足させる。
[図2(C)の積層型樹脂フィルム61について]
最左側の層が袋の内面側に配されるときは[a<b≦c≦d]を満足させ、最右側の層が袋の内面側に配されるときは[a≧b≧c>d]を満足させる。
[図2(D)の積層型樹脂フィルム61について]
最左側の層が袋の内面側に配されるときは[a<b≦c≦d≦e]を満足させ、最右側の層が袋の内面側に配されるときは[a≧b≧c≧d>e]を満足させる。
[図2(E)の積層型樹脂フィルム61について]
最左側の層が袋の内面側に配されるときは[a<b≦c≦d≦e≦f]を満足させ、最右側の層が袋の内面側に配されるときは[a≧b≧c≧d≧e>f]を満足させる。
所定(複数)の熱可塑性合成樹脂層を積層一体化してなる図2(A)〜(E)の各積層型樹脂フィルム61において、気体微粒子からなる粗面形成用微粒子51と固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52とのうちのいずれか一方または両方を含有するものは、図3に示すとおり、積層型樹脂フィルム61の表面や各層相互の接着面(接着界面部)を凹凸化させているものである。これについて図3〜図7を参照して説明する。
図3には図2(A)に例示された積層型樹脂フィルム61の要部が拡大断面で示されている。この図示例の積層型樹脂フィルム61は前述のとおり、左側の熱可塑性合成樹脂層14が有機系の添加剤41や固体微粒子製の粗面形成用微粒子52を含有していて、右側の熱可塑性合成樹脂層23が無機系の添加剤42や固体微粒子製の粗面形成用微粒子52を含有しているものである。この積層型樹脂フィルム61において、両熱可塑性合成樹脂層14・23の積層接着面は、固体微粒子製の粗面形成用微粒子52を介して凹凸化された粗面62abで形成されている。また、この積層型樹脂フィルム61の二つの表面も、それぞれ、粗面62aや粗面62bで形成されている。
図2(A)と図3の両図に示された積層型樹脂フィルム61の代表的一例について具体的に説明すると、つぎのとおりである。包装用袋を作製する際に内層として設定される一方の熱可塑性合成樹脂層14は低密度ポリエチレン(融点110℃)からなる。この熱可塑性合成樹脂層14には、有機系の添加剤41として2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チヌビン326)が添加され、かつ、滑剤としてステアリン酸カルシウムも添加される。低密度ポリエチレン製の当該熱可塑性合成樹脂層14には、さらに、固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52として酸化チタン微粒子も添加される。包装用袋を作製する際の外層に設定される他方の熱可塑性合成樹脂層23は高密度ポリエチレン(融点130℃)からなる。かかる熱可塑性合成樹脂層23には、無機系の添加剤42として酸化チタン微粒子(平均粒子径6〜70nmのアナターゼ型二酸化チタン微粒子)が添加されるとともに固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52として酸化チタン微粒子(平均粒径400nm〜800nmのルチル型二酸化チタン微粒子)が添加される。この場合における各材料の配合割合は下記<51><52>のとおりである。
<51> 熱可塑性合成樹脂層14用の低密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤41用のチヌビン326(平均粒径350nm)………1.0重量部、ステアリン酸カルシウム………0.05重量部、粗面形成用微粒子52用の酸化チタン微粒子(平均粒径400nm〜800nmのルチル型二酸化チタン微粒子)………20重量部である。
<52> 熱可塑性合成樹脂層23用の高密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤42用酸化チタン微粒子………1.0重量部、粗面形成用微粒子52用の酸化チタン微粒子………20重量部である。
上記の実施形態や下記の実施形態においてそれぞれ例示する積層型樹脂フィルム61の粗面62a・62ab・62bについていうと、当該粗面形成には、添加剤41および/または42も関与しているともいえるが、その程度は、粗面形成用微粒子51および/または52に比して小さいものである。したがって添加剤41・42の場合、粗面形成用微粒子の範疇には含まれない。
図4には図2(B)に例示された積層型樹脂フィルム61の要部が拡大断面で示されている。この図示例の積層型樹脂フィルム61は前述のとおり、中央の熱可塑性合成樹脂層15が有機系の添加剤41・無機系の添加剤42・気体微粒子製の粗面形成用微粒子51などを含有していて、左右両側にある二つの熱可塑性合成樹脂層23・23が、上記と同じく無機系の添加剤42や固体微粒子製の粗面形成用微粒子52を含有しているものである。この積層型樹脂フィルム61で各熱可塑性合成樹脂層23・15・23の積層接着面は、気体微粒子製の粗面形成用微粒子51や固体微粒子製の粗面形成用微粒子52を介して凹凸化された粗面62abで形成されている。また、この積層型樹脂フィルム61の二つの表面(図示の左右両側面)も、それぞれ、固体微粒子製の粗面形成用微粒子52を介して凹凸化された粗面62a・62bで形成されている。
図2(B)および図4の両図に示された積層型樹脂フィルム61の代表的一例について具体的に説明すると、つぎのとおりである。包装用袋作製時に内層として設定される図4左側の熱可塑性合成樹脂層23は融点110℃の低密度ポリエチレンからなり、これには無機系の添加剤42として酸化チタン微粒子が添加されているとともに固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52としても酸化チタン微粒子が添加されている。包装用袋作製時に中間層として設定される図4中央の熱可塑性合成樹脂層15は融点130℃の高密度ポリエチレンからなり、これには、チヌビン326からなる有機系の添加剤41と酸化チタン微粒子からなる無機系の添加剤42とが添加されているとともに既述の粗面形成用微粒子(気体微粒子)51を含有している。この粗面形成用微粒子51は当該熱可塑性合成樹脂層15に添加された発泡剤によるものである。包装用袋作製時に外層として設定される図4右側の熱可塑性合成樹脂層23は融点130℃の高密度ポリエチレンからなり、これには、無機系の添加剤42として酸化チタン微粒子が添加されているとともに粗面形成用微粒子52を形成するための固体微粒子として酸化チタン微粒子が添加されている。この場合における各材料の配合割合は下記<53>〜<55>のとおりである。
<53> 図4左側の熱可塑性合成樹脂層23用低密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤42用酸化チタン微粒子(平均粒子径6〜70nmのアナターゼ型二酸化チタン微粒子)………1.0重量部、粗面形成用微粒子52用の酸化チタン微粒子(平均粒径400nm〜800nmのルチル型二酸化チタン微粒子)………20重量部である。
<54> 図4中央の熱可塑性合成樹脂層15用高密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤41用のチヌビン326(平均粒径350nm)………1.0重量部、ステアリン酸カルシウム………0.05重量部、粗面形成用微粒子51用の発泡剤(異種ポリマおよび/または無機微粉末)………5重量部である。
<55> 図4右側の熱可塑性合成樹脂層23用高密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤42用酸化チタン微粒子(上記と同じアナターゼ型)………1.0重量部、粗面形成用微粒子52用の酸化チタン微粒子(上記と同じルチル型)………20重量部である。
図2(B)と図4で説明する上記具体例の場合、発泡剤による樹脂の発泡倍率は5倍であり、それによって平均粒径850nm〜900nm程度の粗面形成用微粒子51が得られる。かかる発泡剤による粗面形成用微粒子51については、以下の各例においてもこれと同様である。
図2(B)と図4に示された積層型樹脂フィルム61の他のバリエーションとして、左右両熱可塑性合成樹脂層23・23間に、複数(二層ないし三層)の熱可塑性合成樹脂層15が積層介在されるものもある。
図5には図2(C)に例示された積層型樹脂フィルム61の要部が拡大断面で示されている。この図示例の積層型樹脂フィルム61は前述のとおり、左側から第二番目の熱可塑性合成樹脂層16が有機系の添加剤41・無機系の添加剤42・固体微粒子製の粗面形成用微粒子52をそれぞれ含有し、右側から第二番目の熱可塑性合成樹脂層17が有機系の添加剤41・無機系の添加剤42・気体微粒子製の粗面形成用微粒子51・固体微粒子製の粗面形成用微粒子52をそれぞれ含有し、さらに、左右両側にある二つの熱可塑性合成樹脂層23・23が、上記と同じく無機系の添加剤42や固体微粒子製の粗面形成用微粒子52を含有しているものである。この積層型樹脂フィルム61における各熱可塑性合成樹脂層23・16・17・23の積層接着面は、気体微粒子製の粗面形成用微粒子51や固体微粒子製の粗面形成用微粒子52を介して凹凸化された粗面62abで形成されている。このほか、この積層型樹脂フィルム61の二つの表面(図示の左右両側面)も、それぞれ、固体微粒子製の粗面形成用微粒子52を介して凹凸化された粗面62a・62bで形成されている。
図2(C)および図5の両図に示された積層型樹脂フィルム61の代表的一例について具体的に説明すると、つぎのとおりである。包装用袋作製時に内層として設定される図5最左側の熱可塑性合成樹脂層23は融点110℃の低密度ポリエチレンからなり、これには、無機系の添加剤42として酸化チタン微粒子が添加されているとともに固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52としても酸化チタン微粒子が添加されている。包装用袋作製時に中間層として設定される図5左側第二番目の熱可塑性合成樹脂層16は融点130℃の高密度ポリエチレンからなり、これには、チヌビン326からなる有機系の添加剤41と酸化チタン微粒子からなる無機系の添加剤42とが添加されているとともに粗面形成用微粒子52を形成するための固体微粒子として酸化チタン微粒子が添加されている。包装用袋作製時に中間層として設定される図5右側第二番目の熱可塑性合成樹脂層17は融点130℃の高密度ポリエチレンからなり、これには、チヌビン326からなる有機系の添加剤41と酸化チタン微粒子からなる無機系の添加剤42と酸化チタン微粒子(固体微粒子)からなる粗面形成用微粒子52とが添加され、かつ、既述の粗面形成用微粒子(気体微粒子)51を含有している。この粗面形成用微粒子51は当該熱可塑性合成樹脂層17に添加された発泡剤によるものである。包装用袋作製時に外層として設定される図5最右側の熱可塑性合成樹脂層23は融点130℃の高密度ポリエチレンからなり、これには、無機系の添加剤42として酸化チタン微粒子が添加されているとともに粗面形成用微粒子52を形成するための固体微粒子として酸化チタン微粒子が添加されている。この場合における各材料の配合割合は下記<56>〜<59>のとおりである。
<56> 図5の最左側にある熱可塑性合成樹脂層23用の低密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤42用酸化チタン微粒子(平均粒子径6〜70nmのアナターゼ型二酸化チタン微粒子)………1.0重量部、粗面形成用微粒子52用の酸化チタン微粒子(平均粒径400nm〜800nmのルチル型二酸化チタン微粒子)………20重量部である。
<57> 図5の左側から第二番目にある熱可塑性合成樹脂層16用の高密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤41用のチヌビン326(平均粒径350nm)………1.0重量部、添加剤42用酸化チタン微粒子(上記と同じアナターゼ型)………1.0重量部、ステアリン酸カルシウム………0.05重量部、粗面形成用微粒子52用の酸化チタン微粒子(上記と同じルチル型)………20重量部である。
<58> 図5の右側から第二番目にある熱可塑性合成樹脂層17用の高密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤41用のチヌビン326(平均粒径350nm)………1.0重量部、添加剤42用酸化チタン微粒子(上記と同じアナターゼ型)………1.0重量部、ステアリン酸カルシウム………0.05重量部、粗面形成用微粒子51用の発泡剤(異種ポリマおよび/または無機微粉末)………5重量部、粗面形成用微粒子52用の酸化チタン微粒子(上記と同じルチル型)………20重量部である。
<59> 図5最右側にある熱可塑性合成樹脂層23用の高密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤42用酸化チタン微粒子(上記と同じアナターゼ型)………1.0重量部、粗面形成用微粒子52用の酸化チタン微粒子(上記と同じルチル型)………20重量部である。
図6には図2(D)に例示された積層型樹脂フィルム61の要部が拡大断面で示されている。この図示例の積層型樹脂フィルム61は前述のとおり、最左側と最右側の両熱可塑性合成樹脂層23・23が無機系の添加剤42と固体微粒子製の粗面形成用微粒子52とをそれぞれ含有し、中間にある三つの熱可塑性合成樹脂層16・16・16が有機系の添加剤41と無機系の添加剤42と固体微粒子製の粗面形成用微粒子52とをそれぞれ含有しているものである。この積層型樹脂フィルム61における各熱可塑性合成樹脂層23・16・16・16・23の積層接着面は、固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52を介して凹凸化された粗面62abで形成されており、当該積層型樹脂フィルム61の二つの表面(図示の左右両側面)も、それぞれ、固体微粒子製の粗面形成用微粒子52を介して凹凸化された粗面62a・62bで形成されている。
図2(D)と図6の両図に示された積層型樹脂フィルム61の代表的一例について具体的に説明すると、つぎのとおりである。包装用袋作製時に内層として設定される図6最左側の熱可塑性合成樹脂層23は融点110℃の低密度ポリエチレンからなり、これには、無機系の添加剤42として酸化チタン微粒子が添加されているとともに固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52としても酸化チタン微粒子が添加されている。包装用袋作製時に外層として設定される図6最右側の熱可塑性合成樹脂層23は融点130℃の高密度ポリエチレンからなり、これにも、無機系の添加剤42として酸化チタン微粒子が添加されているとともに固体微粒子からなる粗面形成用微粒子52として酸化チタン微粒子が添加されている。包装用袋作製時に三つの中間層となる図6中間の各熱可塑性合成樹脂層16・16・16は融点130℃の高密度ポリエチレンからなり、これら各層16・16・16には、チヌビン326からなる有機系の添加剤41と酸化チタン微粒子からなる無機系の添加剤42と酸化チタン微粒子(固体微粒子)からなる粗面形成用微粒子52とがそれぞれ添加されている。この場合の各材料の配合割合は下記<60>〜<62>のとおりである。
<60> 図6最左側の熱可塑性合成樹脂層23用低密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤42用酸化チタン微粒子(平均粒子径6〜70nmのアナターゼ型二酸化チタン微粒子)………1.0重量部、粗面形成用微粒子52用の酸化チタン微粒子(平均粒径400nm〜800nmのルチル型二酸化チタン微粒子)………20重量部である。
<61> 図6左側から第二番目と図6の中央と図6右側から第二番目にそれぞれある各熱可塑性合成樹脂層16の場合は、当該熱可塑性合成樹脂層16用の高密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤42用酸化チタン微粒子(上記と同じアナターゼ型)………1.0重量部、ステアリン酸カルシウム………0.05重量部、粗面形成用微粒子52用の酸化チタン微粒子(上記と同じルチル型)………20重量部である。
<62> 図6最右側の熱可塑性合成樹脂層23用高密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤42用酸化チタン微粒子(平均粒子径6〜70nmのアナターゼ型二酸化チタン微粒子)………1.0重量部、粗面形成用微粒子52用の酸化チタン微粒子(平均粒径400nm〜800nmのルチル型二酸化チタン微粒子)………20重量部である。
図2(D)と図6に示された積層型樹脂フィルム61の他のバリエーションとして、左右両熱可塑性合成樹脂層23・23間にある三層の熱可塑性合成樹脂層16が、一層から二層の範囲内で減じられることもある。
図7には図2(E)に例示された積層型樹脂フィルム61の要部が拡大断面で示されている。この図示例の積層型樹脂フィルム61は前述のとおり、最左側と最右側の両熱可塑性合成樹脂層22・22が無機系の添加剤42と気体微粒子製の粗面形成用微粒子51とをそれぞれ含有しているとともに中間にある四つの熱可塑性合成樹脂層16・16・16・16が有機系の添加剤41と無機系の添加剤42と固体微粒子製の粗面形成用微粒子52とをそれぞれ含有しているものである。この積層型樹脂フィルム61における各熱可塑性合成樹脂層22・16・16・16・16・22の積層接着面は、気体微粒子や固体微粒子からなる粗面形成用微粒子51・52を介して凹凸化された粗面62abでそれぞれ形成されており、当該積層型樹脂フィルム61の二つの表面(図示の左右両側面)も、それぞれ、固体微粒子製の粗面形成用微粒子52を介して凹凸化された粗面62a・62bで形成されている。
図2(E)および図7の両図に示された積層型樹脂フィルム61の代表的一例について具体的に説明すると、つぎのとおりである。包装用袋作製時に内層として設定される図7最左側の熱可塑性合成樹脂層22は融点110℃の低密度ポリエチレンからなり、これには無機系の添加剤42として酸化チタン微粒子が添加されていて、気体微粒子からなる粗面形成用微粒子51を含有している。包装用袋作製時に外層として設定される図7最右側の熱可塑性合成樹脂層22は融点130℃の高密度ポリエチレンからなり、これも無機系の添加剤42として酸化チタン微粒子が添加されていて、気体微粒子からなる粗面形成用微粒子52を含有している。包装用袋作製時に四つの中間層として設定される図7中間の各熱可塑性合成樹脂層16・16・16・16は融点130℃の高密度ポリエチレンからなり、これら各層16・16・16には、チヌビン326からなる有機系の添加剤41と酸化チタン微粒子からなる無機系の添加剤42と酸化チタン微粒子(固体微粒子)からなる粗面形成用微粒子52とがそれぞれ添加されている。この場合における各材料の配合割合は下記<63>〜<65>のとおりである。
<63> 図7最左側にある熱可塑性合成樹脂層23用低密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤42用酸化チタン微粒子(平均粒子径6〜70nmのアナターゼ型二酸化チタン微粒子)………1.0重量部、粗面形成用微粒子51用の発泡剤(異種ポリマおよび/または無機微粉末)………5重量部である。
<64> 図7左側から第二番目と第三番目や図7右側から第二番目と第三番目にそれぞれある各熱可塑性合成樹脂層16の場合は、当該熱可塑性合成樹脂層16用の高密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤42用酸化チタン微粒子(上記と同じアナターゼ型)………1.0重量部、ステアリン酸カルシウム………0.05重量部、粗面形成用微粒子52用の酸化チタン微粒子(上記と同じルチル型)………20重量部である。
<65> 図7最右側にある熱可塑性合成樹脂層23用高密度ポリエチレン………100重量部に対し、添加剤42用酸化チタン微粒子(平均粒子径6〜70nmのアナターゼ型二酸化チタン微粒子)………1.0重量部、粗面形成用微粒子51用の発泡剤(異種ポリマおよび/または無機微粉末)………5重量部である。
図2(E)と図7に示された積層型樹脂フィルム61の他のバリエーションとして、左右両熱可塑性合成樹脂層22・22間にある四層の熱可塑性合成樹脂層16が、一層から三層の範囲内で減じられることもある。
上記において図3〜図7で説明した各積層型樹脂フィルム61の場合、ヘイズ値を低下させる添加物が含まれていたりするが、そのような場合でも、その添加物の含有量を調整することで積層型樹脂フィルム61の透明化を保持することができる。より具体的にいうと、積層型樹脂フィルム61の透明化を保持するときには、当該積層型樹脂フィルム61のヘイズ値が30%超過とならないようにするのがよく、とくに、そのヘイズ値が10%以下となるようにするのが望ましい。
本発明に係る合成樹脂製包装用袋の一実施形態として図8・図9に例示されたものは、つぎのような袋構造を具備している。
図8・図9に例示された合成樹脂製(プラスチック製)の包装用袋71は、袋表用の構成材料72a、袋裏用の構成材料72b、開閉自在なチャック73などを主たる構成とするものである。
図8・図9における袋表用構成材料72aと袋裏用構成材料72bについては、そのいずれか一方あるいは両方が図2(A)〜(E)と図3〜図7とを参照して説明したいずれかの積層型樹脂フィルム61からなる。かかる場合の典型的一例として、当該両構成材料72a・72bは図2(A)〜(E)や図3〜図7で説明した積層型樹脂フィルム61からなり、しかもそれが、同一構成の積層型樹脂フィルム61からなるものである。両構成材料72a・72bとなる積層型樹脂フィルム61は、また、包装用袋71の内層となる熱可塑性合成樹脂層が、積層型樹脂フィルム61における他の熱可塑性合成樹脂層よりも低融点である。
図8・図9における開閉自在なチャック73も合成樹脂製(プラスチック製)である。この種のチャック73については周知のように、互いに咬合したり互いに離脱したりすることのできる雌雄一対のチャック部材73a・73bがそれらの被着用フィルムと一体形成されたり、あるいは、あらかじめテープ状に形成された雌型チャック部材73aと雄型チャック部材73bとが互いに組み合わされたりするものである。
図8・図9における袋表用構成材料72aと袋裏用構成材料72bについては、これらの周囲部がヒートシール(熱融着)により袋状に貼り合わされて包装用袋71が構成されるものである。したがって、包装用袋71には両サイドシール部74c・74dやボトムシール部74eが生じる。それで包装用袋71の上端部側が、開口部75として設定される。一方、雌型チャック部材73aとテープ状の雄型チャック部材73bについては、互いに対面する状態で開口部75側の内面両側方向にわたるように、袋表用構成材料72aの内面や袋裏用構成材料72bの内面にそれぞれヒートシール(熱融着)で貼り着けられるものである。
図8・図9に示された合成樹脂製包装用袋71は一例にすぎないものである。したがって当該合成樹脂製包装用袋71の場合、下記<71>〜<76>のような実施形態もある。
<71> 図8・図9に例示の合成樹脂製包装用袋71は、開口部75が開放状態にあって袋底部がボトムシール部74eにより閉鎖されているが、これとは逆に、開口部75がヒートシール(熱融着)によるアッパシール部で閉鎖され、かつ、袋底部が開放されるものもある。
<72> 包装用袋71の開口部75側には、サイドシール部74cまたは74d側に開封用のノッチが設けられたり、袋両側部にわたるミシン目が設けられたりすることがある。
<73> チャック73については、雌型チャック部材73aや雄型チャック部材73bが袋表用構成材料72aの内面や袋裏用構成材料72bの内面に一体形成されるものもある。さらに、チャック73を具備しない(省略された)包装用袋71もある。
<74> 包装用袋71の両側部にサイドガゼットが介在されるものや、包装用袋71の底部にボトムガゼットが介在されるものがあり、また、サイドガゼットとボトムガゼットとの双方が包装用袋71の所定部に介在されるものもある。
<75> 表用構成材料72aと袋裏用構成材料72bとが一連(一枚)の積層型樹脂フィルム61からなることもある。このような一連の積層型樹脂フィルム61によるときは、当該フィルムが袋の底部箇所で二つ折りされて表用構成材料72a、袋底部、袋裏用構成材料72bが形成される。
<76> 図示されない実施形態として、七層以上の熱可塑性樹脂層が積層された積層型樹脂フィルム61を表用構成材料72aや袋裏用構成材料72bにして包装用袋71を作製する場合も、上記と実質的に同じかそれに準じた内容で包装用袋71がつくられる。
上記の各実施形態で例示された合成樹脂製包装用資材や合成樹脂製包装用袋は、本発明に係る構成要件を充足するものであるから、発明の効果の欄に記載したいずれか一つ以上の効果またはすべての効果を有するものである。
本発明のものは、合成樹脂製包装用資材として、また、合成樹脂製包装用袋として、紫外線吸収性・可視光線の透過性と遮断性(遮光性)・ヒートシール性・アンチブロッキング(耐ブロッキング性)・積層接着強度・機械的特性(耐スクラッチ性や耐摩耗性)・ピックアップ性・弾性・柔軟性・断熱性・酸化防止性など、所望の特性を容易に確保することのできるものであるから、産業上の利用可能性が高いものである。
11 熱可塑性合成樹脂層
12 熱可塑性合成樹脂層
13 熱可塑性合成樹脂層
14 熱可塑性合成樹脂層
15 熱可塑性合成樹脂層
16 熱可塑性合成樹脂層
17 熱可塑性合成樹脂層
21 熱可塑性合成樹脂層
22 熱可塑性合成樹脂層
23 熱可塑性合成樹脂層
24 熱可塑性合成樹脂層
31 熱可塑性合成樹脂層
41 添加剤(有機系)
42 添加剤(無機系)
51 粗面形成用微粒子(気体微粒子)
52 粗面形成用微粒子(固体微粒子)
61 積層型樹脂フィルム
62a 粗面
62b 粗面
62ab 粗面
71 包装用袋
72a 袋表用構成材料
72b 袋裏用構成材料
73 チャック
73a 雌型チャック部材
73b 雄型チャック部材
74c サイドシール部
74d サイドシール部
74e ボトムシール部
75 開口部

Claims (9)

  1. 複数の熱可塑性合成樹脂層を積層接着してなる面状の包装用資材において、
    上記複数の熱可塑性合成樹脂層のうちから選択された一つ以上の層が粗面形成用の微粒子を含有していること、および、
    上記すべての熱可塑性合成樹脂層が積層接着により一体化されて積層型の樹脂フィルムが形成されていること、および、
    上記積層型樹脂フィルムにおいて、上記粗面形成用微粒子を含む層とこれに隣接する層との積層接着面が、当該粗面形成用微粒子を介して凹凸化された粗面で形成されていること
    を特徴とする合成樹脂製包装用資材。
  2. ブリードアウトの生じる添加剤が熱可塑性合成樹脂層に添加されており、その添加剤を含有した熱可塑性合成樹脂層を構成要素として備えている面状の包装用資材において、
    ブリードアウトの生じる熱可塑性合成樹脂層をブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層とし、ブリードアウトの生じない熱可塑性合成樹脂層を非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層とした場合に、ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層と非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層とによる複数の熱可塑性合成樹脂層を備えていること、および、
    上記ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層と上記非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層とのうちから選択された一つ以上の層が粗面形成用の微粒子を含有していること、および、
    上記すべての熱可塑性合成樹脂層が積層接着により一体化されて積層型の樹脂フィルムが形成されていること、および、
    上記積層型樹脂フィルムにおける上記ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の少なくとも片面が他の層で覆われているとともにその積層型樹脂フィルムの少なくとも片面が上記非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の片面で形成されていること、および、
    上記積層型樹脂フィルムにおいて、上記粗面形成用微粒子を含む層とこれに隣接する層との積層接着面が、当該粗面形成用微粒子を介して凹凸化された粗面で形成されていること
    を特徴とする合成樹脂製包装用資材。
  3. 上記ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層と上記非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層とによる上記積層型樹脂フィルムが三層以上の層からなるとともに上記非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の層数が上記ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の層数を上回るものであり、かつ、上記積層型樹脂フィルムの両面がそれぞれ非ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層の片面で形成されている請求項2に記載された合成樹脂製包装用資材。
  4. 上記ブリードアウト型熱可塑性合成樹脂層が、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤と可視光線遮断用遮光剤とのうちから選択された一つ以上のものをブリードアウトの生じる添加剤として含有している請求項2または請求項3に記載された合成樹脂製包装用資材。
  5. 上記積層型樹脂フィルムの表面側にある熱可塑性合成樹脂層が粗面形成用微粒子含有しており、かつ、当該積層型樹脂フィルムの表面が、上記粗面形成用微粒子を介して凹凸化された粗面で形成されている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載された合成樹脂製包装用資材。
  6. 上記粗面形成用微粒子として、固体微粒子と気体微粒子とのうちから選択された一つ以上のものを含有している請求項1ないし請求項5のいずれかに記載された合成樹脂製包装用資材。
  7. 上記積層型樹脂フィルムの両面のうちで、一つの面を内面とし、残る一つの面を外面とした場合、内面を有する層が他の層よりも低融点のものである請求項1ないし請求項6のいずれかに記載された合成樹脂製包装用資材。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載された包装用資材を袋表用の構成材料および/または袋裏用の構成材料として具備していることを特徴とする合成樹脂製包装用袋。
  9. 開口部側の袋内部に開閉自在なチャックを具備している請求項8に記載された合成樹脂製包装用袋。
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