JP4377287B2 - 多層シート及び当該多層シートからなる包装体 - Google Patents

多層シート及び当該多層シートからなる包装体 Download PDF

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Description

本発明は、多層シート及び当該多層シートからなる包装体に関する。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアに陳列されている各種商品は、常時蛍光灯等の照明にさらされている。また、照射される光線、とりわけ紫外線の影響を受ける乳製品や油含有食品等の包装には、光線透過率の低い遮光性に優れた包装材料が使用されている。このような包装材料を得る技術としては、包装材料に対してアルミ箔やアルミ蒸着を施す技術が知られている。
一方、包装材料としては汎用材料である合成樹脂材料(プラスチック)からなるシートが広く使用されているが、この合成樹脂材料は成形が容易な反面、これだけでは遮光性が不十分なため、シートへの遮光性付与が必要とされていた。
加えて、別の課題として、近年では、プラスチックからなる産業廃棄物における燃焼時の有毒ガスの発生などの問題から、プラスチック製品は開発段階よりその環境適応性が求められており、中でも廃棄物を出さず、リサイクル適性の優れたプラスチック製品の開発及び使用が求められていた。
合成樹脂材料からなるシートに対して遮光性や隠蔽性を付与するには、例えば、シートを構成する樹脂材料に酸化チタン等の白色顔料を配合して白色層としたり、カーボンブラック等の黒色顔料を配合して黒色層として、これらを積層体とする技術が提供されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。しかしながら、このようなシートは、最外面に黒色層が露出したものが多いため、清潔感に劣り、食品を包装する用途には好ましいものではなかった。
従って、最外面に黒色層を配さないシート材の検討がなされており、例えば、中心層を黒色層、当該中心層と積層される層を白色層として、最外層に非着色層(着色を施さない層)を配したフィルムが提案されている(例えば、特許文献3)。また、他の例としては、紙層と、黒色層、白色層、ガスバリアー層、表面コート層等の合成樹脂層を積層した紙製の包装体が提案されている(例えば、特許文献4)
特開平6−263980号公報 特開平11−91042号公報 特開2003−326654号公報 特開2002−2658号公報
しかしながら、前記した特許文献3に開示されたフィルムは、層間に白色層が配される構成であるため、当該シートの再生材料を層間に適用することができず、リサイクル性に課題が残されていた。また、特許文献4に開示された紙製包装体は、紙材料を含むため合成樹脂材料に対するリサイクルができないことや、紙材料と合成樹脂材料との積層が困難であり、コストアップに繋がってしまうという問題があった。更には、かかる紙製包装体は、使用できる分野にも限界があり、実用的な包装材料といえるものではなかった。
従って、本発明の目的は、食品等の各種物品の包装用途として求められる白色系の清潔感を備えて内容物接触面が衛生的で、高い遮光性を保有し、かつ、シート内にセルフリサイクルが可能な多層シート及び当該多層シートからなる包装体を提供することにある。
前記の課題を解決するために、本発明の多層シートは、白色顔料を含有する隠蔽層と、白色顔料及び黒色顔料を含有する隠蔽補助層と、黒色顔料を含有する遮光層と、非着色層をこの順で備えた多層シートであって、前記遮光層と非着色層との間に、白色顔料及び黒色顔料を含有する第二の隠蔽補助層と、白色顔料を含有する第二の隠蔽層をこの順で備え、前記隠蔽層の白色顔料が前記隠蔽補助層の白色顔料より含有率が大きく、前記第二の隠蔽層の白色顔料が前記第二の隠蔽補助層の白色顔料より含有率が大きく、前記遮光層の白色顔料が前記隠蔽補助層及び前記第二の隠蔽補助層の白色顔料より含有率が小さく、前記隠蔽層及び前記第二の隠蔽層は、それぞれ白色顔料の含有率が0.97〜8.21g/m であり、前記隠蔽補助層及び前記第二の隠蔽補助層は、それぞれ白色顔料の含有率が0.10〜3.91g/m であり、前記遮光層、前記隠蔽補助層及び前記第二の隠蔽補助層に含有される黒色顔料が、前記多層シートに対して0.03〜1質量%であり、前記遮光層の黒色顔料が、前記隠蔽補助層及び前記第二の隠蔽補助層の黒色顔料より含有率が大きいことを特徴とする。
また、本発明の多層シートは、前記遮光層は、黒色顔料の含有率が0.30〜8.00質量%であり、前記隠蔽補助層及び前記第二の隠蔽補助層は、それぞれ黒色顔料の含有率が0.01〜0.25質量%であることが好ましい。
この本発明の多層シートは、隠蔽層と、隠蔽補助層と、遮光層と、非着色層をこの順で備えており、隠蔽層と隠蔽補助層に含まれる白色顔料の総量が0.5g/m以上であり、かつ、隠蔽層の白色顔料の含有率が、隠蔽補助層の白色顔料の含有率より大きい構成としている。
これにより、多層シートにおいて、隠蔽層の明度が隠蔽補助層より大きくなり、シートの白色の度合い(白色度)について、外層となる隠蔽層が一番高くなるため、清潔感の良好な外観を備えた多層シートとなる。また、白色層である隠蔽層だけでなく、当該隠蔽層より白色度の低い隠蔽補助層を更に備えることにより、隠蔽性に優れた多層シートともなる。
また、遮光層と隠蔽補助層に含有される黒色顔料が、多層シートに対して0.03〜1質量%であり、遮光層の白色顔料が隠蔽補助層の白色顔料より含有率が小さく、遮光層の黒色顔料が隠蔽補助層の黒色顔料より含有率が大きい構成としているので、多層シートにおいて隠蔽補助層の明度が遮光層より大きくなり、また、これにより遮光層の明度が多層シートで一番小さくなるため、シートの内側にいくに従って段階的に黒色の度合い(黒色度)が高くなり、外光に対する遮光性が高い多層シートとなる。そして、隠蔽補助層は、前記した隠蔽層と遮光層との間に積層されることによってシートの隠蔽性を補助的に向上させるとともに、シートの遮光性も良好とさせることができる。
なお、本発明において、「シート」とは、シート自体のほか、薄手状の「フィルム」と呼ばれるものも含む。
そして、本発明の多層シートは、白色ないし灰色を呈する隠蔽補助層と、灰色ないし黒色を呈する遮光層をシートの外面に表さず、内層としていることから、これらの層へのリサイクル材料(いわゆるセルフリサイクル材料)の混合も可能となり、リサイクル性に優れたシート材料を提供することができる。
の本発明によれば、前記した多層シートに対して、第二の隠蔽層及び第二の隠蔽補助層を、遮光層と非着色層の間に積層することにより、シートの隠蔽性が更に向上することになり、特に非着色層側から見た場合における隠蔽性に効果がある。
また、第二の隠蔽補助層を遮光層と並んで積層させ、遮光層を隠蔽補助層と第二の隠蔽補助層とで挟み込む積層構成としたため、シートの両側から内側へ向かって、段階的に黒色度が高くなるようになり、シート全体の遮光性が更に良好なものとなる。
本発明の多層シートは、前記した白色顔料が酸化チタンであり、前記した黒色顔料がカーボンブラックであることが好ましい。
酸化チタンは粒度が細かく、白色度、隠蔽性、着色性、印刷性に優れているので、本発明の多層シートにおける白色顔料として酸化チタンを使用することにより、シートの白色性、隠蔽性、着色性、印刷性が向上する。また、酸化チタンは耐薬品性、耐光性、耐候性、耐熱性が良好であるため、本発明の多層シートにおける白色顔料として酸化チタンを使用することにより、これらの諸特性を付与することができる。
また、カーボンブラックは、遮光性、耐光性、隠蔽性、着色効果に優れ、安価で入手できるため、本発明の多層シートにおける黒色顔料としてカーボンブラックを使用することにより、シートの遮光性、耐光性、隠蔽性が向上する。また、製造上も着色が容易に行われ、低コストで多層シートを提供することが可能となる。
本発明の多層シートは、前記した隠蔽補助層、第二の隠蔽補助層及び遮光層の少なくとも一層が、多層シート自体のリサイクル材料(再生材料)を含有することが好ましい。
この本発明によれば、多層シートのリサイクル材料を、多層シートを構成する隠蔽補助層、第二の隠蔽補助層、遮光層に適用することができるので、いわゆるセルフリサイクルが可能となり、リサイクル性に優れた多層シートを提供することができる。
また、リサイクル材料を、隠蔽補助層や遮光層といった、多層シートの外面に現れない内側の層に適用することにより、多層シートの外観等に影響を与えることもない。
本発明の包装体は、前記した多層シートからなる包装体であって、前記した非着色層が内容物と接する層となることを特徴とする。
この本発明の包装体は、前記した本発明の多層シートからなるため、前記した多層シートの奏する作用・効果を好適に奏する包装体となる。
また、当該多層シートを構成する非着色層が内容物と接する層となるので、内容物に顔料等が付着することもなく、衛生的にも良好な包装体を提供することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の多層積層体である多層シートの一態様を示した断面図である。図1中、1は多層シート、2は隠蔽層、3は隠蔽補助層、4は遮光層、5は非着色層、をそれぞれ示す。
図1に示すように、本実施形態の多層シート1は、隠蔽層2、隠蔽補助層3、遮光層4、非着色層5をこの順で積層して構成されている。
この多層シート1を構成する各層は、何れも、所定の基材樹脂材料を基本構成材料としている。この基材樹脂材料としては、押出成形が可能な熱可塑性樹脂を使用すること好ましく、例えば、ホモポリプロピレン(HPP)、ブロックポリプロピレン(BPP)、ランダムポリプロピレン(RPP)等のポリプロピレン樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)等のポリエチレン樹脂、汎用ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)等のポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独あるいは混合して用いることができ、さらに必要に応じてエラストマー類も混合して用いられる。
また、これらの熱可塑性樹脂に対しては、本発明の効果を妨げない範囲で、熱安定剤、消臭剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤等の各種添加剤を適宜配合することができる。
(I)隠蔽層2:
多層シートを構成する隠蔽層2は、多層シート1の最外層に現れ、遮光層4を隠蔽する役割を果たすとともに、白色顔料を含有し、隠蔽色として白色を採用しているため、多層シート1に清潔感、衛生感を付与することができる。また、層全体が白色であるため、着色性、印刷性も良好となる。
なお、本発明における「白色」は、乳白色も含むものである。
この隠蔽層2において、層全体に隠蔽性を与えるために使用される白色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、硫化亜鉛、硫酸バリウム、鉛白等が挙げられ、この中でも、粒度が細かく、白色度、隠蔽性、着色性、印刷性に優れ、更に耐薬品性、耐光性、耐候性、耐熱性が良好な酸化チタンを使用することが好ましい。
これら白色顔料の添加量は、後記する隠蔽補助層3で使用される白色顔料と併せて、隠蔽層2と隠蔽補助層3全体に対して総量が0.5g/m以上として、1.5g/m以上とすることが好ましい。隠蔽層2と隠蔽補助層3に対して白色顔料の総量が0.5g/m以上となるように添加することにより、多層シート1が白色による隠蔽効果に優れたシートとなり、また、着色性、印刷性等の諸性能も良好となる。一方、白色顔料の添加量の総量が0.5g/mより小さいと、白色による隠蔽効果が悪くなり、前記の諸性能を好適に発揮できない場合がある。
(II)隠蔽補助層3:
隠蔽補助層3は、前記した隠蔽層2と、後記する遮光層4との間に積層される。この隠蔽補助層3は、白色ないしは灰色を呈する層となる。
この隠蔽補助層3は、前記したように白色ないし灰色の層となるため、基材樹脂材料に対して白色顔料、及び必要により黒色顔料を添加する。使用可能な白色顔料としては、前記した隠蔽層2で使用する白色顔料と同様な白色顔料を使用することができ、同様な理由で、酸化チタンを使用することが好ましい。
この隠蔽補助層3は、白色の隠蔽性に加えて、層全体に遮光性を与えるためには、前記した白色顔料とともに黒色顔料を併用して、灰色層とすればよい。使用される黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、鉄黒、黒鉛が挙げられ、この中でも、遮光性、隠蔽性、着色効果に優れ、安価で入手できるカーボンブラックを使用することが好ましい。
そして、本発明の多層シート1にあっては、この隠蔽補助層3の構成材料として、多層シート1自体のリサイクル材料(再生材料)を混合してもよく、このようにすれば、いわゆるセルフリサイクルが可能となり、リサイクル性に優れた多層シート1となる。また、リサイクル材料を、多層シート1の外面に現れない隠蔽補助層3に適用することによって、多層シート1の外観に影響を与えることもない。
そして、隠蔽層2と隠蔽補助層3との関係においては、 隠蔽層2の含有する白色顔料が隠蔽補助層3の含有する白色顔料より含有率が大きい必要がある。これにより、多層シート1において、隠蔽層2の明度が隠蔽補助層3より大きく、白色の度合い(白色度)について、最外層となる隠蔽層2が一番高くなるようになるので、清潔感の良好な外観を備えた多層シート1となる。更には、隠蔽層2だけでなく、この隠蔽層2より白色度の低い隠蔽補助層3を更に備えることにより、隠蔽性に優れた多層シート1となる。
(III)遮光層4:
多層シート1を構成する遮光層4は、前記した隠蔽補助層3と後記する非着色層5との間に積層され、多層シート1に対して遮光性を付与する役割を果たす。
また、本発明の多層シート1にあっては、相対的に明度が大きい隠蔽補助層3が並んで積層されるため、隠蔽層2からみて段階的に黒色度が高くなり、シート全体の遮光性が向上されることになる。
また、遮光層4と隠蔽補助層3との関係として、遮光層4の白色顔料の含有率が隠蔽補助層3の白色顔料の含有率より小さく、遮光層4の黒色顔料の含有率が隠蔽補助層3の黒色顔料の含有率より大きい必要がある。これにより、多層シート1において隠蔽補助層3の明度が遮光層4より大きくなり、また、遮光層4の明度が多層シート1で一番小さくなるため、シートの内側にいくに従って段階的に黒色の度合い(黒色度)が高くなり、外光に対する遮光性が高い多層シート1となる。そして、隠蔽層2と遮光層4との間に積層される隠蔽補助層3は、シートの隠蔽性を補助的に向上させるとともに、シートの遮光性も良好とさせることができる。
なお、本発明にあっては、前記した隠蔽層2と隠蔽補助層3との白色顔料の含有率の関係、隠蔽補助層3と遮光層4との白色顔料及び黒色顔料の関係は、何れも各層に対する白色顔料や黒色顔料の含有率(質量%)の高低を基準とすればよい。また、同様に、後記する第二の隠蔽層と第二の隠蔽補助層との白色顔料の含有率の関係、第二の隠蔽補助層と遮光層4との白色顔料及び黒色顔料の関係も、各層に対する白色顔料や黒色顔料の含有率(質量%)の高低を基準とすればよい。
この遮光層4において、層全体に遮光性を与えるために使用される黒色顔料としては、前記した隠蔽補助層3で挙げたものと同様な黒色顔料が挙げられ、また、前記したと同様な理由で、カーボンブラックを使用することが好ましい。
黒色顔料の添加量は、遮光層4及び前記した隠蔽補助層3を併せて、多層シート1全体に対して0.03〜1.0質量%とし、0.05〜0.5質量%とすることが好ましい。黒色顔料の添加量をかかる範囲にすれば、良好な遮光性を多層シート1に対して付与することができる。一方、黒色顔料の添加量が0.03質量%より小さいと、良好な遮光性が得られない場合があり、黒色顔料の添加量が1.0質量%より大きいと、得られる遮光効果に差異はなく経済的でないばかりか、多層シート1の成形性に悪影響を及ぼす場合がある。
なお、遮光層4は、基本的には黒色の層であるが、必要とされる遮光性能によっては、白色顔料を添加してもよい。白色顔料としては、前記した隠蔽層2、及び隠蔽補助層3で使用する白色顔料と同様な白色顔料を使用することができ、同様な理由で、酸化チタンを使用することが好ましい。
なお、この遮光層4の厚みは、多層シート1全体に対して2〜40%の範囲内とすることが好ましく、4〜10%とすることが特に好ましい。このように、遮光層4の厚み比を、多層シート1全体に対して2〜40%の範囲内とすることにより、多層シート1全体の遮光性を良好なものとすることができる。
そして、本発明の多層シート1にあっては、前記した隠蔽補助層3と同様に、遮光層4の構成材料として、多層シート1自体のリサイクル材料(再生材料)を混合してもよく、このようにすれば、いわゆるセルフリサイクルが可能なリサイクル性に優れた多層シート1を提供することができる。また、リサイクル材料を、隠蔽補助層3と同様に、多層シート1の外面に現れない遮光層4に適用することによって、多層シート1の外観に影響を与えることもない。
(IV)非着色層5:
非着色層5は、シート材料において包装対象商品である食品等と接する層であり、着色顔料を含有しないことにより、多層シートに清潔感を付与することができる。
ここで、非着色層5の構成材料としては、前記した基材樹脂材料をそのまま使用すればよい。
前記した構成の多層シート1を得るには、インフレーション法、Tダイ法等の汎用的な手段により、あらかじめシート状の形態として製造した後、公知のラミネート手段により積層化してもよく、また、複数の押出機を用いて多層シート1を構成する層を共押出ラミネートにより押し出して、各層を一度に製膜してもよい。
多層シート1全体の厚みとしては、特に制限はないが、150〜1500μmが好まし
い。
そして、多層シート1は、全光線透過率が5%以下であることが好ましく、1%以下で有ることが特に好ましい。全光線透過率を5%以下とすることにより、遮光性に優れた多層シート1を提供することができる。
なお、多層シート1の全光線透過率は、JIS K7105に準拠にして測定すればよ
い。
この多層シート1は、食品等の各種物品を包装する包装体として適用されることが好ましく、形成される包装体の形態としては、前記したシート(フィルム)からなる縦ピロー袋、横ピロー袋、四方シール袋、三方シール袋、ガゼット袋、自立袋、成形容器、容器蓋等種々の形態の包装体を採用できる。
また、多層シート1を包装体として適用する場合にあっては、多層シートを構成する非着色層5が食品等の内容物と接する層となるようにすれば、内容物に顔料等が付着することもなく、衛生的にも良好な包装体となる。
このような本発明の多層シート1は、遮光性及び隠蔽性に優れ、かつ衛生的も良好であるから、例えば、飲料品、果汁、ジュース、飲料水、酒、調理食品、水産練り食品、冷凍食品、煮物、餅、液体スープ、調味料、その他各種の飲食料品、液体洗剤、化成品、化粧品、その他の各種物品等を包装する包装材料として広く使用することができる。
このようにして得られる第1実施形態の多層シート1によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)隠蔽層2と隠蔽補助層3が白色顔料を総量として0.5g/m以上含有しており、
隠蔽層2の白色顔料が隠蔽補助層3の白色顔料より含有率が大きい構成としているので、
多層シート1において、隠蔽層2の明度が隠蔽補助層3より大きくなり(白色度が高くなり)、清潔感の良好な外観を備えたシートとなるとともに、白色層である隠蔽層2だけでなく、隠蔽層2より白色度の低い(明度の小さい)隠蔽補助層3を更に備えることにより、隠蔽性にも優れたシートとなる。
(2)遮光層4と隠蔽補助層3に含有される黒色顔料が多層シート1全体に対して0.03〜1質量%であり、遮光層4の白色顔料が隠蔽補助層3の白色顔料より含有率が小さく、遮光層4の黒色顔料が隠蔽補助層3の黒色顔料より含有率が大きい構成としているので、多層シート1の内側にいくに従って段階的に黒色度が高くなり、外光に対する遮光性が高いシートとなる。
(3)また、シート構成として、白色ないし灰色を呈する隠蔽補助層3と、灰色ないし黒色を呈する遮光層4をシートの外面に表さず、中間層としていることから、これらの層へのセルフリサイクル材料の混合も可能となる。更には、多層シート1自体のリサイクル材料を、これら隠蔽補助層3や遮光層4に適用することができるので、リサイクル性に優れた多層シート1を提供することができる。そして、リサイクル材料を、隠蔽補助層3や遮光層4といった、多層シート1の外面に現れない中間層の層に適用することにより、多層シート1の外観等も良好な状態を維持することができる。
(4)多層シート1における白色顔料として酸化チタンを使用することにより、シートの白色性、隠蔽性、着色性、印刷性が向上する。また、酸化チタンは耐薬品性、耐光性、耐候性、耐熱性が良好であるため、本発明の多層シート1における白色顔料として酸化チタンを使用することにより、これらの諸特性を付与することができる。
また、カーボンブラックは、遮光性、耐光性、隠蔽性、着色効果に優れ、安価で入手できるため、本発明の多層シート1における黒色顔料としてカーボンブラックを使用することにより、シートの遮光性、耐光性、隠蔽性が向上する。また、製造上も着色が容易に行われ、低コストで多層シート1を提供することが可能となる。
(5)多層シート1を包装体の構成材料とすれば、前記(1)〜(4)の作用・効果を好適に奏する包装体を提供することができる。
また、多層シート1を構成する非着色層5が内容物と接する層とすれば、内容物に顔料等が付着することもなく、衛生的にも良好な包装体を提供することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の実施の他の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の多層シート1aの他の態様を示した断面図であり、本実施形態の多層シート1aは、隠蔽層2、隠蔽補助層3、遮光層4、第二の隠蔽補助層3a、第二の隠蔽層2a、非着色層5をこの順で積層して構成されている。
なお、以下の説明では、既に第1実施形態で説明した部分又は部材と同様な部材等については、同一符号を付して、その説明を省略している。
本実施形態の多層シート1aは、前記した第1実施形態の多層シート1の構成と比較して、遮光層4と非着色層5との間に、第二の隠蔽補助層3aと第二の隠蔽層2aをこの順で備えている。
ここで、多層シート1aを構成する隠蔽層2、隠蔽補助層3、遮光層4、非着色層5を構成する材料や厚み等の各層の仕様は、前記した第1実施形態を構成する隠蔽層2、隠蔽補助層3、遮光層4、非着色層5に対して記載した内容に準拠させることができ、
また、第二の隠蔽層2aは隠蔽層2に、第二の隠蔽補助層3aは隠蔽補助層3にそれぞれ準拠して構成するようにすればよい。
すなわち、この第2実施形態における多層シート1aは、隠蔽層2と隠蔽補助層3の関係として、隠蔽層2と隠蔽補助層3に含まれる白色顔料の総量が0.5g/m以上であり、隠蔽層2の白色顔料の含有率が隠蔽補助層3の白色顔料の含有率より大きいということ、及び隠蔽補助層3と遮光層4の関係として、遮光層4と隠蔽補助層3に含有される黒色顔料が多層シート1に対して0.03〜1質量%であり、遮光層4の白色顔料の含有率が隠蔽補助層3の白色顔料の含有率より小さく、遮光層4の黒色顔料の含有率が隠蔽補助層3の黒色顔料の含有率より大きいという点で第1実施形態の多層シート1と共通している。
加えて、第二の隠蔽層2aと第二の隠蔽補助層3aとの関係は、前記した隠蔽層2と隠蔽補助層3との関係に準ずればよく、第二の隠蔽層2aと第二の隠蔽補助層3aに含まれる白色顔料の総量が0.5g/m以上であり、第二の隠蔽層2aの白色顔料の含有率が第二の隠蔽補助層3aの白色顔料の含有率より大きいということや、また、第二の隠蔽補助層3aと遮光層4との関係も、遮光層4、隠蔽補助層3及び第二の隠蔽補助層3aに含有される黒色顔料が、多層シートに対して0.03〜1質量%であり、遮光層4の白色顔料の含有率が第二の隠蔽補助層3aの白色顔料の含有率より小さく、遮光層4の黒色顔料の含有率が第二の隠蔽補助層3aの黒色顔料の含有率より大きいようにすればよい。
ここで、第二の隠蔽層2a及び第二の隠蔽補助層3aを、遮光層4と非着色層5の間に積層することにより、シートの隠蔽性が更に向上することになり、特に非着色層5側から見た場合における隠蔽性に効果がある。
また、第二の隠蔽補助層3aを遮光層4と並んで積層させ、遮光層4を隠蔽補助層3と第二の隠蔽補助層3aとで挟み込む積層構成としたため、シートの両側から内側に向かって、段階的に黒色度が高くなるようになり、多層シート1a全体の遮光性が更に良好なものとなる。
また、本実施形態の多層シート1aを製造するには、第1実施形態の多層シート1と同様、インフレーション法、Tダイ法等の汎用的な手段により、あらかじめシート状の形態として製造した後、公知のラミネート手段により積層化してもよい。
また、複数の押出機を用いて、多層シート1を構成する層を共押出ラミネートにより押し出して、各層を一度に製膜してもよく、この共押出ラミネートを実施する場合にあっては、押出機とフィードブロックを組み合わせて製膜することが好ましく、これにより、厚み分布の均一な製膜を行うことができる。なお、共押出ラミネートにあたっては、前記した第1実施形態と同じく、例えば、4台の押出機で製膜することができる。
この第2実施形態の多層シート1aによれば、前記した第1実施形態に記載した多層シート1の奏する効果(1)〜(5)に加えて、下記の効果を奏することができる。
(6)多層シート1aの構成として、第二の隠蔽層2a及び第二の隠蔽補助層3aを、遮光層4と非着色層5の間に積層することにより、シートの隠蔽性が更に向上することになり、また、シートの両面が白色となるため、シートの清潔感が更に向上する。
そして、第二の隠蔽補助層3aを遮光層4と並んで積層させ、遮光層4を隠蔽補助層3と第二の隠蔽補助層3aとで挟み込む積層構成としたため、シート全体の遮光性が更に優れることとなる。
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。
例えば、前記した実施形態では、基材樹脂材料として特定の熱可塑性樹脂材料を挙げて説明したが、例えば、遮光層4には、酸素ガスバリアー性の向上を図るべく、酸素ガスバリアー性に優れた樹脂材料(酸素ガスバリアー性材料)を使用するようにしてもよい。この酸素ガスバリアー性材料としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ナイロン(ポリアミド)等の樹脂が挙げられる。遮光層4等の各層をこれらの酸素ガスバリアー性材料で構成するようにすることにより、多層シート1,1aに対して簡便な手段で酸素ガスバリアー性を付与することができる。
また、これらの酸素ガスバリアー性材料は、遮光層4に適用する場合にあっては、共押出成形の際には、層の両面に対して、ポリオレフィン系接着性ポリマー等による接着層を形成するようにしてもよい。
その他、本発明の実施における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はかかる実施例等の内容に限定されるものではない。
[多層シートの製造]
前記した図2(第2実施形態)の層構成であって、下記の製造条件を用いた実施例1〜13及び比較例1〜4の多層シート1aを製造した。多層シート1aの各層の仕様を表1及び表2に示した。
( 製造条件 )
図2において、遮光層4を押し出す押出機A、隠蔽補助層3、第二の隠蔽補助層3aを押し出す押出機B、隠蔽層2、第二の隠蔽層を押し出す押出機C、及び非着色層5を押し出す押出機Dの4台の押出機を用い、また、この押出機に対して、4種6層のフィードブロックを備えた多層共押出製造装置を使用して、下記の各押出機及び使用原料に従い、共押出法により6層の多層シート1a(厚み 300μm、ただし実施例11は厚み 1500μm)を製造した。
なお、各層共通の基材樹脂材料としては、耐衝撃性ポリスチレン(ET−64 PSジャパン社製)を使用した。
( 多層シートの厚み:シート厚み300μm )
層 厚み(シート全体に対する割合)
隠蔽層2 30μm(10%)
隠蔽補助層3 90μm(30%)
遮光層4 30μm(10%)
第二の隠蔽補助層3a 90μm(30%)
第二の隠蔽層2a 30μm(10%)
非着色層5 30μm(10%)
( 押出機A:遮光層4用 )
スクリュー径が50mmφの押出機を用いた。使用原料としては、基材樹脂材料の耐衝撃性ポリスチレンに対して、カーボンブラック(ESH−K−4799LB:ポリコール工業社製)を実質的に2.5質量%となるように添加した(カーボンブラック40質量%を含むマスターバッチを用いた)。
( 押出機B:隠蔽補助層3、第二の隠蔽補助層3a用)
スクリュー径が90mmφの押出機を用いた。使用原料としては、基材樹脂材料の耐衝撃性ポリスチレンに対して、下記仕様の本発明の多層シートのリサイクル材料を20%添加した。
なお、実施例1〜13、比較例1で使用されるリサイクル材料に使用された多層シートは、当該実施例等について表1及び表2に記載された構成と同じ構成の多層シートのリサイクル材料を、各実施例及び比較例の記載した割合で各層に対して含有させるようにした。
( 押出機C:隠蔽層2、第二の隠蔽層2a用 )
スクリュー径が65mmφの押出機を用いた。使用原料としては、基材樹脂材料の耐衝撃性ポリスチレンに対して、酸化チタン(ECE9338:ポリコール興業社製)を実質的に5.0質量%となるように添加した材料を用いた。(酸化チタン47質量%を含むマスターバッチを用いた。)
( 押出機D:非着色層5用 )
スクリュー径が65mmφの押出機を用いた。使用原料としては、基材樹脂材料の耐衝撃性ポリスチレンをそのまま使用した。
[実施例1]
前記した押出機A〜Dの使用原料をそのまま用いて、各層が表1に示した構成の本発明の多層シート1aを製造した。
[実施例2]
実施例1において、押出機Aにおけるカーボンブラックの添加量を2.5質量%から5.0質量%に変更した以外は、実施例1と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の本発明の多層シート1aを製造した。
[実施例3]
実施例1において押出機Aにおけるカーボンブラックの添加量を2.5質量%から0.3質量%に変更した以外は、実施例1と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の本発明の多層シート1aを製造した。
[実施例4]
実施例3において、押出機Bにおけるカーボンブラックの添加量を0質量%から0.05質量%に変更した以外は、実施例3と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の本発明の多層シート1aを製造した。
[実施例5]
実施例1において、押出機Cにおける酸化チタンの添加量を5.0質量%から3.0質量%と変更した以外は、実施例1と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の本発明の多層シート1aを製造した。
[実施例6]
実施例1において、押出機Aにおけるカーボンブラックの添加量を2.5質量%から8質量%と変更した以外は、実施例1と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の本発明の多層シート1aを製造した。
[実施例7]
実施例1において、押出機Bにおけるリサイクル材料の含有率を20質量%から100質量%とした以外は、実施例1と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の本発明の多層シート1aを製造した。
[実施例8]
実施例1において、押出機Aでの使用原料に、カーボンブラックを1質量%添加し、残りを全てリサイクル材料とした。また、押出機Bに対してリサイクル材料を添加せず基材樹脂原料として、かつ酸化チタンを4質量%添加し、更に、押出機Cにおける酸化チタンの添加量を5.0質量%から7.0質量%とした以外は、実施例1と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の本発明の多層シート1aを製造した。
[実施例9]
実施例1において、多層シート1a全体に対する遮光層4の厚みの割合を10%から40%、押出機Aにおけるカーボンブラックの添加量を2.5質量%から1.0質量%とし、多層シート1a全体における隠蔽補助層3、第二の隠蔽補助層3aの厚みの割合をそれぞれ30%から15%とした以外は、実施例1と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の本発明の多層シート1aを製造した。
[実施例10]
実施例1において、多層シート1a全体に対する遮光層4の厚みの割合を10%から4%として、押出機Aにおけるカーボンブラックの添加量を2.5質量%から8.0質量%とし、多層シート1a全体における隠蔽補助層3、第二の隠蔽補助層3aの厚みの割合をそれぞれ30%から33%とした以外は、実施例1と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の本発明の多層シート1aを製造した。
[実施例11]
シートの厚みを300μmから1500μmに変更した以外は、実施例1と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の本発明の多層シート1aを製造した。なお、実施例11における各層の厚みは、下記のとおりである。
( 多層シートの厚み:シート厚み1500μm )
層 厚み(シート全体に対する割合)
隠蔽層2 150μm(10%)
隠蔽補助層3 450μm(30%)
遮光層4 150μm(10%)
第二の隠蔽補助層3a 450μm(30%)
第二の隠蔽層2a 150μm(10%)
非着色層5 150μm(10%)
[実施例12]
50mmφの押出機Aを1台追加し、フィードブロックを5種8層とした設備に代え、遮光層4を押し出す押出機Aから接着剤(メルセン MX13:東ソー(株)製)/押出機A‘からエチレン−ビニルアルコール共重合体(エバールJ102B:(株)クラレ製)/押出機Aから接着剤(メルセン MX13:東ソー(株)製)の3層を、厚みが10μm/10μm/10μmとなるように押し出した以外は実施例1と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の本発明の多層シート1aを製造した。
[実施例13]
実施例1において、基材樹脂材料を耐衝撃性ポリスチレンからホモポリプロピレン(出光ポリプロ E105:出光石油化学(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様な方法を用いて、各層が表1に表した構成の本発明の多層シート1aを製造した。
[比較例1]
実施例1において、押出機Aにおける酸化チタンの添加量を2.5質量%から1.0質量%に変更した以外は、実施例1と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の多層シートを製造した。
[比較例2]
実施例1において、押出機A〜Dにおける使用原料を、基材樹脂材料である耐衝撃性ポリスチレンに対して酸化チタンを1.0質量%添加したものに変更した以外は、実施例1と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の多層シートを製造した。
[比較例3]
比較例2において、酸化チタンの添加量を1.0質量%から4.0質量%に変更した以外は、比較例2と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の多層シートを製造した。
[比較例4]
比較例2において、酸化チタンの代わりに同量(1.0質量%)のカーボンブラックを添加した以外は、比較例2と同様な方法を用いて、各層が表1に示した構成の多層シートを製造した。
また、前記した実施例1〜13及び比較例1〜4で得られた多層シートの構成を表1に示すとともに、表2に多層シートにおける白色顔料である酸化チタンの含有率、表3に多層シートにおける黒色顔料であるカーボンブラックの含有率をそれぞれ示した。
( 多層シートの構成 )
Figure 0004377287
( 多層シートにおける酸化チタンの含有率 )
Figure 0004377287
( 多層シートにおけるカーボンブラックの含有率 )
Figure 0004377287
[試験例1]
前記のようにして得られた実施例1〜13及び比較例1〜4の多層シートについて、下記の条件で(1)遮光性、及び(2)隠蔽性を確認して、比較・評価した。結果を表4に示す。
(1)遮光性:
遮光性は、多層シートの全光線透過率(%)をJIS K7105に準拠して、市販の測定器(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
(2)隠蔽性:
多層シートを目視により確認し、下記の判定基準にて判定した。
( 判定基準 )
判 定 内 容
○ 隠蔽性が良好である
△ 隠蔽性がやや良好である
× 隠蔽性が不良である
( 結 果 )
Figure 0004377287
表4の結果からわかるように、実施例1〜13で得られた本発明の多層シートは、遮光性及び隠蔽性に優れるシート材料であることが確認できた。
また、実施例1〜実施例13の多層シートは、セルフリサイクル材料を隠蔽補助層、第二の隠蔽補助層、及び遮光層に適用したところ、評価したシート特性に影響はなかった。これにより、本発明の多層シートが、リサイクル性にも優れたシート材料であることが確認できた。
一方、隠蔽層と第二の隠蔽層、及び隠蔽補助層と第二の隠蔽補助層における酸化チタンの含有率が少ない比較例1の多層シートは、隠蔽性が悪かった。
また、各層に対して酸化チタンを添加した比較例2,3の多層シートは、全光線透過率が悪く、遮光性に劣るものであった。
そして、各層に対してカーボンブラックを添加した比較例4の多層シートは、隠蔽性が悪かった。
本発明の多層シート及び当該多層シートからなる包装体は、例えば、飲料品、果汁、ジュース、飲料水、酒、調理食品、水産練り食品、冷凍食品、煮物、餅、液体スープ、調味料、その他各種の飲食料品、液体洗剤、化成品、化粧品、その他の各種物品等を包装する包装材料として広く使用することができる。
本発明の多層シートの一実施形態を示す断面図である。 本発明の多層シートの他の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1,1a… 多層シート
2… 隠蔽層
2a… 第二の隠蔽層
3… 隠蔽補助層
3a… 第二の隠蔽補助層
4… 遮光層
5… 非着色層

Claims (5)

  1. 白色顔料を含有する隠蔽層と、白色顔料及び黒色顔料を含有する隠蔽補助層と、黒色顔料を含有する遮光層と、非着色層をこの順で備えた多層シートであって、
    前記遮光層と非着色層との間に、白色顔料及び黒色顔料を含有する第二の隠蔽補助層と、白色顔料を含有する第二の隠蔽層をこの順で備え、
    前記隠蔽層の白色顔料が前記隠蔽補助層の白色顔料より含有率が大きく、
    前記第二の隠蔽層の白色顔料が前記第二の隠蔽補助層の白色顔料より含有率が大きく、
    前記遮光層の白色顔料が前記隠蔽補助層及び前記第二の隠蔽補助層の白色顔料より含有率が小さく、
    前記隠蔽層及び前記第二の隠蔽層は、それぞれ白色顔料の含有率が0.97〜8.21g/m であり、
    前記隠蔽補助層及び前記第二の隠蔽補助層は、それぞれ白色顔料の含有率が0.10〜3.91g/m であり、
    前記遮光層、前記隠蔽補助層及び前記第二の隠蔽補助層に含有される黒色顔料が、前記多層シートに対して0.03〜1質量%であり、
    前記遮光層の黒色顔料が、前記隠蔽補助層及び前記第二の隠蔽補助層の黒色顔料より含有率が大きい
    ことを特徴とする多層シート。
  2. 請求項1に記載の多層シートにおいて、
    前記遮光層は、黒色顔料の含有率が0.30〜8.00質量%であり、
    前記隠蔽補助層及び前記第二の隠蔽補助層は、それぞれ黒色顔料の含有率が0.01〜0.25質量%である
    ことを特徴とする多層シート。
  3. 請求項1または請求項2に記載の多層シートにおいて、
    前記白色顔料が酸化チタンであり、
    前記黒色顔料がカーボンブラックであることを特徴とする多層シート。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の多層シートにおいて、
    前記隠蔽補助層、前記第二の隠蔽補助層及び前記遮光層の少なくとも一層が、多層シート自体のリサイクル材料(再生材料)を含有することを特徴とする多層シート。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の多層シートからなる包装体であって、
    前記非着色層が内容物と接する層となることを特徴とする包装体。
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