JP2015015346A - 量子井戸型光検知器及びその製造方法 - Google Patents

量子井戸型光検知器及びその製造方法 Download PDF

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裕泰 山下
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Abstract

【課題】量子井戸型光検知器を、より高い感度を持つものとし、その性能を向上させる。
【解決手段】量子井戸型光検知器を、複数の中間層7と中間層よりもバンドギャップが小さい複数の井戸層8とを交互に積層した量子井戸活性層2を備えるものとし、複数の井戸層を、中間層で埋め込まれた埋込部分8Aを有する第1井戸層8Xを含むものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、量子井戸型光検知器及びその製造方法に関する。
従来、例えば量子井戸型赤外線検知器などの量子井戸型光検知器がある。
特開平5−145105号公報
しかしながら、量子井戸型光検知器の性能は十分でない。
この量子井戸型光検知器の性能は、その感度に強く依存する。
そこで、量子井戸型光検知器を、より高い感度を持つものとし、その性能を向上させたい。
本量子井戸型光検知器は、複数の中間層と中間層よりもバンドギャップが小さい複数の井戸層とを交互に積層した量子井戸活性層を備え、複数の井戸層は、中間層で埋め込まれた埋込部分を有する第1井戸層を含むことを要件とする。
本量子井戸型光検知器の製造方法は、複数の中間層と中間層よりもバンドギャップが小さい複数の井戸層とを交互に積層して量子井戸活性層を形成する工程を含み、量子井戸活性層を形成する工程は、一の中間層上に複数の量子ドットを形成し、複数の量子ドットの間に一の井戸層を形成し、複数の量子ドットを除去し、一の井戸層上に、複数の量子ドットが除去された部分が埋め込まれるように、他の中間層を形成する、各工程を含むことを要件とする。
したがって、本量子井戸型光検知器及びその製造方法によれば、より高い感度を持つものを実現でき、性能を向上させることができるという利点がある。
本実施形態にかかる量子井戸型光検知器の構成を示す模式図である。 本実施形態にかかる量子井戸型光検知器に備えられる量子井戸活性層の構成を示す模式的断面図である。 被覆率kと感度の増加率R′/Rとの関係の一例を示す図である。 (A)〜(E)は、本実施形態にかかる量子井戸型光検知器の製造方法に含まれる量子井戸活性層の形成工程の一例を説明するための模式的断面図である。 (A)〜(F)は、本実施形態にかかる量子井戸型光検知器の製造方法に含まれる量子井戸活性層の形成工程の他の例を説明するための模式的断面図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる量子井戸型光検知器及びその製造方法について、図1〜図5を参照しながら説明する。
本実施形態では、量子井戸型光検知器として、例えば、赤外線の検知を目的とし、サブバンド間遷移を利用して、赤外線の入射量に応じて光電流を発生する量子井戸型赤外線検知器(Quantum Well Infrared Photodetector;QWIP)を例に挙げて説明する。
本実施形態にかかる量子井戸型赤外線検知器は、図1に示すように、基板1上に、光に対して活性な半導体材料からなる活性層2と、この活性層2を挟む上部及び下部コンタクト層3,4とを含む赤外線検知素子5と、これに接続された外部回路6とを備える。ここでは、基板1は半絶縁性半導体基板である。また、上部及び下部コンタクト層3,4は導電性半導体層である。
なお、活性層2を活性領域ともいう。また、活性層2は、光を吸収する層であるため、光吸収層ともいう。また、活性層2は、光電変換が行なわれる層であるため、光電変換層ともいう。また、コンタクト層3,4を、電極層又はコンタクト領域ともいう。また、赤外線検知素子5を、光検知素子、検知器素子、受光素子、光半導体素子、あるいは、感知部ともいう。また、赤外線検知素子5は、入射される光(ここでは赤外線)に応じて抵抗値が変化する抵抗体と見ることができるため、光伝導体型素子ともいう。
本実施形態では、赤外線検知素子5は、図2に示すように、活性層2として、複数の中間層7と中間層7よりもバンドギャップが小さい複数の井戸層8とを交互に積層した量子井戸活性層を備える。この量子井戸活性層2は、半導体材料からなる中間層7と、中間層7よりもバンドギャップが小さい半導体材料からなる井戸層8とを交互に積層させてなる積層体であって、量子井戸構造を有する。なお、なお、量子井戸活性層2を多重量子井戸活性層ともいう。また、中間層7を障壁層又はバリア層ともいう。
特に、本実施形態では、より高い感度を持つものとすべく、井戸層8を、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8X(第1井戸層)としている。このように、井戸層8に、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを設けることで、自由電子(自由キャリア)の量子井戸への捕獲(再捕獲)を緩和し、高感度を実現することができる。なお、このような井戸層8を用いることによって感度が高くなることについては後述する。
ここで、井戸層8の中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aでは、井戸層8に開口部(穴;貫通穴)8Bが設けられており、この開口部8Bが中間層7で埋め込まれている。つまり、開口部8Bを有する井戸層8を用い、この開口部8Bを中間層7で埋め込むことで、井戸層8の面内(層内)の一部に、井戸層8が形成されていない部分、即ち、量子井戸が形成されていない部分を設けて、自由電子(自由キャリア)の量子井戸への捕獲を緩和し、高感度を実現できるようにしている。この場合、井戸層8の中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aは、井戸層8の面内(層内)で、井戸層8が形成されていない部分、即ち、量子井戸が形成されていない部分である。
本実施形態では、井戸層8に複数の開口部8Bが設けられており、これらの複数の開口部8Bのそれぞれが中間層7で埋め込まれている。また、本実施形態では、複数の開口部8Bは、井戸層8の面内にランダムに(不規則に)設けられている。このため、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aは、井戸層8の面内にランダムに設けられている。このような井戸層8は、後述の量子ドットの形成及び除去を利用して形成することができるし、後述のフォトリソグラフィ及びエッチングなどによってパターニングする方法によって形成することもできる。
なお、本実施形態では、井戸層8に複数の開口部8Bを設け、これらの複数の開口部8Bのそれぞれが中間層7で埋め込まれるようにしているが、これに限られるものではなく、一の中間層7上に部分的に井戸層8を設け、一の中間層7上の井戸層8が設けられていない部分(開口部)を他の中間層7で埋め込むようにしても良い。このように、井戸層8の中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aは、井戸層8が設けられていない部分を中間層7で埋め込んだ部分であれば良い。なお、井戸層8が設けられていない部分の形状やパターンは任意に決めることが可能である。例えば、一の中間層7上の一方の側に井戸層8が設けられ、他方の側に井戸層8が設けられない場合であっても、他方の側の井戸層8が設けられていない部分を、井戸層8に設けられた開口部という。また、一の中間層7上に部分的に薄くなるように井戸層8を設け、一の中間層7上に井戸層8が部分的に薄く設けられている部分を他の中間層7で埋め込むようにしても良い。この場合、井戸層8の中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aは、井戸層8が薄く設けられている部分を中間層7で埋め込んだ部分となる。このような井戸層8は、後述のフォトリソグラフィ及びエッチングなどによってパターニングする方法によって形成することができる。
また、本実施形態では、複数の開口部8Bは井戸層8の面内にランダムに設けられており、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aは井戸層8の面内にランダムに設けられているが、これに限られるものではなく、複数の開口部8Bは井戸層8の面内に規則的に設けられ、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aは井戸層8の面内に規則的に設けられるようにしても良い。このような井戸層8は、後述のフォトリソグラフィ及びエッチングなどによってパターニングする方法によって形成することができる。
さらに、本実施形態では、複数の井戸層8の全てを、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8Xとしている。この場合、複数の井戸層8は、互いに異なる位置に埋込部分8Aを有するものとするのが好ましい。これにより、一の井戸層8の束縛から脱した自由電子が他の井戸層8に、より捕獲されにくくすることができる。
なお、本実施形態では、複数の井戸層8の全てを、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8X(第1井戸層)としているが、これに限られるものではなく、複数の井戸層8を、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8X(第1井戸層)を含むものとすれば良い。つまり、複数の井戸層8を、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8Xを少なくとも1層含むものとすれば良い。また、複数の井戸層8を、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8Xを複数含むものとする場合には、それらの複数の井戸層8Xは、互いに異なる位置に埋込部分8Aを有するものとするのが好ましい。また、複数の井戸層8のうち最も陰極側の井戸層8Y(即ち、電流が流れる方向の最も上流側に位置する井戸層)は、埋込部分8Aを有しない井戸層(第2井戸層;即ち、中間層7上の全面に形成された井戸層)としても良い。つまり、複数の井戸層8を、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8X(第1井戸層)を含み、さらに、最も陰極側に、埋込部分8Aを有しない井戸層(第2井戸層)を含むものとしても良い。
具体的には、赤外線検知素子5は、図1に示すように、半絶縁性GaAs基板1上に、下部n型GaAsコンタクト層4、アンドープAlGaAs中間層7とn型GaAs井戸層8とを交互に積層させた量子井戸活性層2、上部n型GaAsコンタクト層3を積層した構造になっている。つまり、n型GaAs井戸層8をアンドープAlGaAs中間層7で挟んで量子井戸活性層2が形成されており、この量子井戸活性層2を挟んでn型GaAsコンタクト層3,4が設けられている。なお、複数の赤外線検知素子5を2次元アレイ状に配置して、赤外線検知素子アレイを構成しても良い。この場合、各赤外線検知素子5は、素子分離されて、各画素を構成することになる。
特に、感度を高くするために、n型GaAs井戸層8に複数の開口部8B(穴;貫通穴)を設け、これらの複数の開口部8BをアンドープAlGaAs中間層7で埋め込んで、n型GaAs井戸層8を、アンドープAlGaAs中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有するものとしている。
ここでは、アンドープAlGaAs中間層7は、例えばAl0.25Ga0.75As中間層である。
また、上部n型GaAsコンタクト層3及び下部n型GaAsコンタクト層4には、それぞれ、例えばAuGe/Auからなる上部電極(金属電極;ここでは陽極)9及び下部電極(金属電極;ここでは陰極)10が取り付けられている。
なお、上部電極9及び下部電極10を電流引出用電極ともいう。また、上部電極9及び下部電極10は、赤外線検知素子5を駆動するとともに、活性層2に赤外線が入射し、これに応じて生じた光電流を読み出すために用いられるものであるため、駆動電極又は駆動・読出用電極ともいう。
また、光学結合用の回折格子(i−GaAs回折格子)13が、上部n型GaAsコンタクト層3と上部電極9との間に設けられている。
さらに、上部電極9及び下部電極10には、赤外線検知素子5を駆動する機能と、赤外線検知素子5に流れる光電流を読み出す機能とを有する外部回路6が接続されている。
ここで、外部回路6は、上部電極9と下部電極10との間にバイアス電圧を印加し、赤外線検知素子5を駆動する電源11と、赤外線検知素子5に流れる光電流を検出する電流検出器12とによって構成されている。ここでは、電源11は定電圧源である。
なお、電流検出器12は、光電流を検出するものであれば良く、例えば電圧によって光電流を検出するものであっても良い。また、電源11を駆動電源又は電源回路ともいう。また、電流検出器12を電流検出回路ともいう。
そして、電源11から供給されるバイアス電圧によって上部電極9と下部電極10との間に電位差を与えておき、これらの電極間に流れる光電流を電流検出器12によって検出することができるようになっている。
これにより、赤外線入射時の電流変化、即ち、活性層2に赤外線が入射し、光電流が生じることによる電流変化を検出することで、赤外線を検知することができるようになっている。
なお、複数の赤外線検知素子5を2次元アレイ状に配置して赤外線検知素子アレイを構成する場合、赤外線検知素子アレイにバンプを介して接続される信号処理回路アレイが、外部回路6を含むことになる。
このように構成される量子井戸型赤外線検知器では、活性層2に光が入射すると、量子井戸の束縛準位に束縛されている電子(又は正孔;キャリア)が入射光を吸収して励起され、サブバンド間遷移することで、量子井戸の束縛から脱し、自由電子となる。そして、量子井戸の束縛から脱した自由電子は、上部電極9と下部電極10との間に電圧を印加することによって、即ち、上部電極9と下部電極10との間の電位差によって、一方の電極に集められ、光電流が生じる。この赤外線検知素子5を流れる電流の変化を読み出すことによって、光信号を検出することができる。つまり、赤外線検知素子5を流れる電流量を電流検出器12によって検出することによって、光を検知することができる。
以下、上述のように、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8(8X)を用いることによって感度が高くなることについて説明する。
ここでは、量子井戸型光検知器に備えられる活性層に単位時間単位面積当たりΦの光入射がある状況を考える。
この条件下で、自由キャリア密度をn、自由キャリアの平均速度をv、全ての井戸層で光吸収して励起される電子の単位時間当たりの量をG、活性層中の井戸層の数をN、活性層の体積をV、時刻をt、自由キャリアが井戸層を横断する際の捕獲確率をpとすると、定常状態で、次式(1)が成り立つ。
Figure 2015015346
上記式(1)は、単位時間当たりの光励起量と量子井戸による捕獲量のつり合いを表している。そして、光電流密度の大きさは、素電荷をeとして、J=envと書けるから、上記式(1)は次式(2)となる。
Figure 2015015346
また、吸収係数α、厚さdの光吸収媒質に対して光量Φが入射したとき、吸収される光量は、次式(3)のように書ける。
Figure 2015015346
そして、量子井戸型光検知器では光吸収は井戸層で起こり、その総量がGであるため、井戸層の吸収係数をα、実効的な厚さをdとして、光電流密度Jは、次式(4)のように書ける。
Figure 2015015346
ここで、量子井戸型光検知器の感度は、これに入射する光量と光電流の比として定義されるため、感度Rは、次式(5)となる。
Figure 2015015346
次に、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8を用いた量子井戸型光検知器について考える。
中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有すると、この埋込部分8Aは光吸収や自由キャリアの捕獲に寄与しない。
このため、井戸層8のうち中間層7で埋め込まれた埋込部分8A以外の井戸層8が存在する部分の割合、即ち、井戸層8が中間層7を被覆している割合(被覆率)をkとすると、吸収係数はkαに、自由キャリアの捕獲確率はkpとなる。
この場合、感度は、次式(6)となる。
Figure 2015015346
通常の井戸層、即ち、中間層上の全面に形成されている井戸層を用いた場合の感度との比(感度の増加率)R′/Rは、次式(7)となる。
Figure 2015015346
ここで、図3は、αdが0.7である場合(吸収効率約50%に相当)のkと感度の増加率R′/Rの関係を示している。
図3に示すように、R′/Rは0<k<1の範囲で1より大きくなるから、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8を用いることで量子井戸型光検知器の感度を高くすることができる。
なお、この計算では、図3中、破線で示すように、kが小さくなるほどR′/Rが大きくなる結果が得られるが、実際には、kがある程度以上小さくなると、R′/R、即ち、中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8を用いた場合の感度は低下する。これは、井戸層で光吸収が発生するには、井戸層に束縛されたキャリアが存在する必要があるためである。kを小さくして井戸層のある領域が少なくなるにつれて井戸層に束縛されたキャリアも減少する。入射光の吸収に十分な束縛キャリア量を確保できなくなると十分な光吸収が発生しなくなり、感度が低下する。このため、上述のように中間層7で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8を用いる場合、束縛キャリア量が確保できなくならないようにkを設定することになる。
次に、本実施形態にかかる量子井戸型光検知器の製造方法(ここでは量子井戸型赤外線検知器の製造方法)について、図4(A)〜図4(E)を参照しながら説明する。
つまり、まず、例えば分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy:MBE)法によって、半絶縁性GaAs基板1上に、例えば基板温度約600℃で、下部コンタクト層として下部n型GaAsコンタクト層4を形成する(図1参照)。ここで、下部n型GaAsコンタクト層4の厚さは例えば約1000nmとし、n型ドーパントとして例えばSiを用い、その濃度は例えば約2×1018/cmとする。
次に、下部n型GaAsコンタクト層4上に、複数の中間層7と中間層7よりもバンドギャップが小さい複数の井戸層8とを交互に積層して量子井戸活性層2を形成する(図1参照)。
ここでは、まず、下部n型GaAsコンタクト層4上に、図4(A)に示すように、中間層7として、i−AlGa1−xAs中間層7Aを形成する。ここで、i−AlGa1−xAs中間層7Aは、Al組成xを例えば約0.25とし、厚さは例えば約40nmとする。
次に、基板温度を約600℃から約500℃に低下させた後、図4(B)に示すように、i−AlGa1−xAs中間層7A上に複数のInAs量子ドット20を形成する。ここで、成長速度を例えば約0.1ML/sとして、InAsを約2.3ML分供給する。ある程度の量を供給することによってInAsに加わる圧縮歪が増し、InAsが3次元成長して、複数のInAs量子ドット20が形成される(自己形成法)。
次に、図4(C)に示すように、複数のInAs量子ドット20の間に、井戸層8として、n型GaAs井戸層を形成する。この際、n型GaAs井戸層8の厚さはInAs量子ドット20が完全には埋まらない程度とする。ここで、n型GaAs井戸層8の厚さは例えば約4.5nmとし、n型ドーパントとして例えばSiを用い、その濃度は例えば約4×1017/cmとする。
次に、図4(D)に示すように、複数のInAs量子ドット20を除去する。ここでは、基板温度を約500℃から約600℃まで上昇させることで複数のInAs量子ドット20を加熱して蒸発させる。つまり、完全には埋まっていない複数のInAs量子ドット20を熱によって分解、遊離させる。これにより、複数のInAs量子ドット20が除去され、この部分に開口部8B(穴;空孔)が形成される。つまり、n型GaAs井戸層8に複数の開口部8B(穴)が形成される。
次に、図4(E)に示すように、n型GaAs井戸層8上に、複数のInAs量子ドット20が除去された部分(複数の開口部8B)が埋め込まれるように、中間層7として、i−AlGa1−xAs中間層7Bを形成する。ここで、i−AlGa1−xAs中間層7Bは、Al組成xを例えば約0.25とし、厚さは例えば約40nmとする。これにより、中間層7(7B)で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8が形成される。
以後、同様の工程を複数回(例えば9回)繰り返す。つまり、上述のi−AlGa1−xAs中間層7(7A,7B)を形成する工程と、複数の開口部8Bを有するn型GaAs井戸層8を形成する工程とを交互に繰り返す。
このようにして、下部n型GaAsコンタクト層4上に、複数のi−AlGa1−xAs中間層7と複数のn型GaAs井戸層8とを交互に積層して量子井戸活性層2を形成する(図1参照)。
次に、最上層のi−AlGa1−xAs中間層7上に、例えば基板温度600℃で、上部コンタクト層となる上部n型GaAsコンタクト層3を形成する。ここで、上部n型GaAsコンタクト層3の厚さは例えば約1000nmとし、n型ドーパントとして例えばSiを用い、その濃度は例えば約2×1018/cmとする。
その後、光学結合用の回折格子13を形成するためのi−GaAs層(例えば厚さ約800nm)を形成した後、例えばリソグラフィー、ドライエッチング、金属蒸着法などによって、回折格子13の形成、下部n型GaAsコンタクト層4までの掘削、上部及び下部n型GaAsコンタクト層3,4上への上部及び下部電極9,10(例えばAuGe/Au電極)の形成を行なう(図1参照)。
なお、複数の赤外線検知素子5を2次元アレイ状に配置した赤外線検知素子アレイを形成する場合には、複数の赤外線検知素子5(画素)が形成されるように素子分離溝を形成することになる。
そして、上述のようにして作製した赤外線検知素子5に設けられた上部電極9及び下部電極10に、外部回路6、即ち、駆動電源11及び電流検出器12を接続する。これにより、量子井戸型赤外線検知(量子井戸型光検知器)が完成する。ここでは、下部電極10が陰極、上部電極9が陽極となるようにこれらの電極9,10間に電位差を加えておき、その間に流れる電流を電流検出器12によって検出することで、光入射時の電流変化を観測することができ、光検知器として機能させることができる。
したがって、本実施形態にかかる量子井戸型光検知器及びその製造方法によれば、より高い感度を持つものを実現でき、性能を向上させることができるという利点がある。
なお、上述の実施形態では、量子井戸活性層2を構成する中間層7を、AlGaAsを含む化合物半導体によって形成し、井戸層8を、GaAsを含む化合物半導体によって形成する場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、量子井戸活性層2を構成する中間層7を、AlGaAs又はGaAsを含む化合物半導体によって形成し、井戸層8を、InGaAsを含む化合物半導体によって形成するようにしても良い。
また、上述の実施形態では、InAs量子ドット20の形成及び除去を利用して、複数の開口部8Bを有する井戸層8を備える量子井戸活性層2を形成する工程を含む量子井戸型赤外線検知器の製造方法を例に挙げて説明しているが、量子井戸活性層2の形成工程は、これに限られるものではなく、例えば、以下のようにしても良い。
つまり、図5(A)に示すように、まず、例えば分子線エピタキシー法又は化学気相成長法などによって、下部n型GaAsコンタクト層4上に、中間層7として、i−AlGa1−xAs中間層7Aを形成する。ここで、i−AlGa1−xAs中間層7Aは、Al組成xを例えば約0.3とし、厚さは例えば約25nmとする。
次に、図5(B)に示すように、i−AlGa1−xAs中間層7A上に、井戸層8として、n型InGa1−yAs井戸層を形成する。ここで、n型InGa1−yAs井戸層8は、In組成yを例えば約0.3とし、厚さは例えば2.5nmとする。
次に、図5(C)〜図5(E)に示すように、例えばフォトリソグラフィ及びエッチング技術によって、レジスト21を塗布し、パターニングした後、これをマスクとして用いて、n型InGa1−yAs井戸層8を部分的に除去する。なお、除去する領域は、ランダムにパターニングすることもできるし、規則的にパターニングすることもできるが、n型InGa1−yAs井戸層8を部分的に除去すれば良い。これにより、n型InGa1−yAs井戸層8に部分的に開口部8Bが形成される。
次に、図5(F)に示すように、n型InGa1−yAs井戸層8上に、開口部8Bが埋め込まれるように、中間層7として、i−AlGa1−xAs中間層7Bを形成する。ここで、i−AlGa1−xAs中間層7Bは、Al組成xを例えば約0.3とし、厚さは例えば約25nmとする。これにより、中間層7(7B)で埋め込まれた埋込部分8Aを有する井戸層8が形成される。
以後、同様の工程を複数回(例えば9回)繰り返す。つまり、上述のi−AlGa1−xAs中間層7(7A,7B)を形成する工程と、開口部8Bを有するn型InGa1−yAs井戸層8を形成する工程とを交互に繰り返す。
このようにして、下部n型GaAsコンタクト層4上に、複数のi−AlGa1−xAs中間層7と複数のn型GaAs井戸層8とを交互に積層して量子井戸活性層2を形成する(図1参照)。
なお、本発明は、上述した実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
以下、上述の実施形態及び変形例に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
複数の中間層と前記中間層よりもバンドギャップが小さい複数の井戸層とを交互に積層した量子井戸活性層を備え、
前記複数の井戸層は、前記中間層で埋め込まれた埋込部分を有する第1井戸層を含むことを特徴とする量子井戸型光検知器。
(付記2)
前記複数の井戸層は、前記第1井戸層を複数含み、
前記複数の第1井戸層は、互いに異なる位置に前記埋込部分を有することを特徴とする、付記1に記載の量子井戸型光検知器。
(付記3)
前記複数の井戸層は、最も陰極側に、前記埋込部分を有しない第2井戸層を含むことを特徴とする、付記1又は2に記載の量子井戸型光検知器。
(付記4)
前記中間層は、AlGaAsを含み、
前記井戸層は、GaAsを含むことを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の量子井戸型光検知器。
(付記5)
前記中間層は、AlGaAs又はGaAsを含み、
前記井戸層は、InGaAsを含むことを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の量子井戸型光検知器。
(付記6)
複数の中間層と前記中間層よりもバンドギャップが小さい複数の井戸層とを交互に積層して量子井戸活性層を形成する工程を含み、
前記量子井戸活性層を形成する工程は、
一の中間層上に複数の量子ドットを形成し、
前記複数の量子ドットの間に一の井戸層を形成し、
前記複数の量子ドットを除去し、
前記一の井戸層上に、前記複数の量子ドットが除去された部分が埋め込まれるように、他の中間層を形成する、各工程を含むことを特徴とする量子井戸型光検知器の製造方法。
1 基板(半絶縁性GaAs基板)
2 活性層(量子井戸活性層)
3 上部コンタクト層(上部n型GaAsコンタクト層)
4 下部コンタクト層(下部n型GaAsコンタクト層)
5 赤外線検知素子
6 外部回路
7,7A,7B 中間層(アンドープAlGaAs中間層;i−AlGa1−xAs中間層)
8 井戸層(n型GaAs井戸層)
8A 中間層で埋め込まれた埋込部分
8B 開口部
8X 中間層で埋め込まれた埋込部分を有する井戸層(第1井戸層)
8Y 最も陰極側の井戸層(第2井戸層)
9 上部電極(金属電極;陽極)
10 下部電極(金属電極;陰極)
11 電源
12 電流検出器
13 光学結合用回折格子(i−GaAs回折格子)
20 量子ドット(InAs量子ドット)
21 レジスト

Claims (5)

  1. 複数の中間層と前記中間層よりもバンドギャップが小さい複数の井戸層とを交互に積層した量子井戸活性層を備え、
    前記複数の井戸層は、前記中間層で埋め込まれた埋込部分を有する第1井戸層を含むことを特徴とする量子井戸型光検知器。
  2. 前記複数の井戸層は、前記第1井戸層を複数含み、
    前記複数の第1井戸層は、互いに異なる位置に前記埋込部分を有することを特徴とする、請求項1に記載の量子井戸型光検知器。
  3. 前記中間層は、AlGaAsを含み、
    前記井戸層は、GaAsを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の量子井戸型光検知器。
  4. 前記中間層は、AlGaAs又はGaAsを含み、
    前記井戸層は、InGaAsを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の量子井戸型光検知器。
  5. 複数の中間層と前記中間層よりもバンドギャップが小さい複数の井戸層とを交互に積層して量子井戸活性層を形成する工程を含み、
    前記量子井戸活性層を形成する工程は、
    一の中間層上に複数の量子ドットを形成し、
    前記複数の量子ドットの間に一の井戸層を形成し、
    前記複数の量子ドットを除去し、
    前記一の井戸層上に、前記複数の量子ドットが除去された部分が埋め込まれるように、他の中間層を形成する、各工程を含むことを特徴とする量子井戸型光検知器の製造方法。
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CN107665930A (zh) * 2017-08-30 2018-02-06 中国科学院上海技术物理研究所 一种实现波长拓展功能的量子阱红外探测器及设计方法

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