JP2015008719A - 水中油型乳化物の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水中油型乳化物に風味材を使用する場合、風味材の香りと味の発現を良好なものとし、芳醇な香りと味があって、嫌な香りと味をなくし、風味に優れ、且つ、水中油型乳化物中の油脂からのクリーミー感も併せ持つ水中油型乳化物の製造法を提供することにある。
【解決手段】油脂、風味材、乳化剤及び水を原料とする水中油型乳化物の製造法であって、水中油型乳化物を調製するに際して、風味材と乳化剤を別途に用いる方法であり、予め、油脂、乳化剤及び水を用いて水中油型乳化物(A)を調製し、その後、風味材を用いて水中油型乳化物(B)とし、その後、殺菌又は滅菌処理する水中油型乳化物(B)の製造法であり、水中油型乳化物(A)の調製が撹拌エネルギー0.05J/L以上である、水中油型乳化物(B)の製造法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、油脂、風味材、乳化剤及び水を原料とし、風味材の香りと味を活かした風味に優れた水中油型乳化物の製造法に関する。
近年、食品に対する、品質(物性、生理活性、風味)、安全、安心への要求が高度になって来ている。特に嗜好飲料、デザート類、洋菓子類の食品は嗜好性が高く、風味への要求は顕著である。これらの食品は、それ自体が水中油型乳化物であったり、水中油型乳化物を使用するものである。
水中油型乳化物とは、水相を連続相とし、ここに油相が分散している状態の乳化物のことであり、具体的には、牛乳、果汁入り牛乳、加工乳、豆乳、ミルクコーヒー、ココア飲料、チョコレートドリンク、チーズドリンク、濃縮乳、アイスクリーム、クリーム(ホイップ用クリーム、コーヒー用クリーム、調理用クリーム)等が例示できる。
嗜好飲料であるミルクコーヒーの製造法について、非特許文献1に、コーヒー抽出液を調製し、その他の原料である砂糖、乳成分(牛乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、クリーム)、乳化剤、安定剤、pH調整剤を加えて調合することが記載されている。
又、クリーム類の一般的な製造法として、特許文献1の実施例1に、下記の配合に従って、油脂に乳化剤を加え油相としたものと、水に乳固形分、塩類を加えて水相としたものとを混合し、高速ミキサー中、70℃で20分間予備乳化した後、150kg/cm以下の加圧条件化に均質化した後、145℃、数秒程度の超高温加熱殺菌(UHT)し、その後、再度150kg/cm以下の加圧条件化に均質化し、冷却後、約24時間エージングすることにより作成したことが記載されている。
これまでに、製造法を含めて、水中油型乳化物において、風味を良くしようとする試みが数多くなされていた。
特許文献2では、クリーム類に、不活性ガスを通気して液中溶存酸素を低下せしめたのちに、脱泡処理を行い、ついで加熱殺菌することを特徴とする、風味が良く、流通・保存時の乳化安定性にすぐれたクリーム類の製造法が提案されているが、不活性ガス通気装置や別途脱泡処理工程を必要とし作業が煩雑であるという問題を有している。
特許文献3では、ミセル状蛋白質を含有し、油滴のメジアン径が0.3〜5.0μmであり、油脂含量が20〜60重量%の水中油型乳化物の製造方法であって、原料となる水中油型乳化物に含まれる油滴のメジアン径を段階的に小さくしてゆき、該油滴の最終メジアン径を0.3〜5.0μmの範囲の所望の粒径とすることを特徴とする水中油型乳化物の製造方法が提案されているが、特定の蛋白質であるミセル状蛋白質を使用するものである。
特許文献4では、予備乳化工程に次ぐ均質化工程において、回転式乳化機を用いて、25m/s以上の高周速で均質化処理することを特徴とする水中油型乳化油脂組成物の製造方法が提案されているが、期待する風味が得られなかった。
特許文献5では、油脂原料を含む油相部と水相部とを、加温混合する工程、予備乳化する工程、殺菌する工程、均質化する工程、および冷却する工程からなる水中油型乳化組成物の製造方法において、油相部と水相部を加温混合する工程において第一のクリームを添加すること、および予備乳化する工程の後に第二のクリームを添加することを特徴とする水中油型乳化組成物の製造方法が提案されているが、これも期待する風味が得られなかった。
特許文献6では、油脂分10〜50重量%及び乳蛋白質を含む水中油型乳化物であり、予備乳化工程、加熱殺菌工程、冷却工程及びエージング工程を含む当該乳化物の製造法であって、エージング工程において水中油型乳化物を窒素ガス陽圧状態に保つことを特徴とする水中油型乳化物の製造法が提案されているが、別途水中油型乳化物を窒素ガス陽圧状態に保つ装置が必要であり、作業が煩雑であるという問題を有している。
松村、松宮、小川、「食品の界面制御技術と応用」株式会社シーエムシー出版、2011年7月29日発行、p229 特開平05−219887号公報 特開2004−201601号公報 特開2006−304782号公報 特開2009−118842号公報 特開2010−081840号公報 特開2011−205997号公報
本発明の目的は、水中油型乳化物に風味材を使用する場合、風味材の香りと味の発現を良好なものとし、芳醇な香りと味があって、嫌な香りと味をなくし、風味に優れ、且つ、水中油型乳化物中の油脂からのクリーミー感も併せ持つ水中油型乳化物の製造法を提供することにある。
本発明の課題を達成するため、本発明者らは、水中油型乳化物を調製する予備乳化工程において、風味材と乳化剤を用いて乳化をするに際して、これら原料の水中油型乳化物中での存在状態が当該乳化物の風味に大きく関連しているという知見に基づき本発明を完成するに至った。
即ち本発明の第1は、油脂、風味材、乳化剤及び水を原料とする水中油型乳化物の製造法であって、水中油型乳化物を調製するに際して、風味材と乳化剤を別途に用いる方法であり、予め、油脂、乳化剤及び水を用いて水中油型乳化物(A)を調製し、その後、風味材を用いて水中油型乳化物(B)とし、その後、殺菌又は滅菌処理する水中油型乳化物(B)の製造法である。第2は、乳化剤が水分散性乳化剤及び油分散性乳化剤から選択される1種以上のものである、第1記載の水中油型乳化物(B)の製造法である。第3は、水中油型乳化物(A)の調製が撹拌混合の場合は、撹拌エネルギーが0.05J/L以上である、第1記載の水中油型乳化物(B)の製造法である。第4は、風味材を用いる際の水中油型乳化物(A)の品温が40〜80℃の範囲である、第1記載の水中油型乳化物(B)の製造法である。第5は、水中油型乳化物(A)の油脂粒子のメジアン径が0.3〜500μmの範囲である、第1記載の水中油型乳化物(B)の製造法である。第6は、水中油型乳化物(B)が起泡性である、第1〜第5何れか1に記載の水中油型乳化物(B)の製造法である。
本願発明の製造法を採用することによって、水中油型乳化物において、使用する風味材の香り、味を効果的に引き出すことができ、同じ配合で製造した場合、従来法と比べ、風味面で極めて優位な品質の製品を得ることが可能となり、水中油型乳化物中の油脂由来の食感も改善可能となった。即ち、香りと味の風味において高い次元で両立できるようになった。具体的には、チーズドリンクにおいては、トップからミドルにかけての香り立ちと後半のコク味、クリーミー感が両立した。栗ドリンクにおいては、栗ペースト由来の栗感がトップから良く感じられ、中盤から後半の油脂由来の濃厚感と良好なバランスの風味のものが得られた。ココア飲料、チョコレートドリンクにおいては、油脂のコク味、濃厚感を残しつつココア感、チョコレート感の強い品質を得ることが可能になった。起泡性水中油型乳化物においは、適度な粘性による濃厚な舌触りや食感を与えたり、口当たりをマイルドにしたりする効果がある。
本発明の水中油型乳化物(B)の製造法は、油脂、風味材、乳化剤及び水を原料とする水中油型乳化物の製造法であって、水中油型乳化物を調製するに際して、風味材と乳化剤を別途に用いる方法であり、予め、油脂、乳化剤及び水を用いて水中油型乳化物(A)を調製し、その後、風味材を用いて水中油型乳化物(B)とし、その後、殺菌又は滅菌処理する水中油型乳化物(B)の製造法である。
本発明の水中油型乳化物(A)の製造法は、予め、油脂、乳化剤及び水を用いて水中油型乳化物(A)を調製するのであるが、水に水分散性乳化剤を分散・溶解し水相とし、別に融解した油脂に油分散性乳化剤を分散・溶解し油相とする。水相と油相を撹拌混合して水中油型乳化物(A)を得ることが出来る。
撹拌混合する方法として、バッチ撹拌と連続撹拌が例示できる。バッチ撹拌としては、4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)、TKホモミキサー(プライミクス株式会社)、ラボリューション(プライミクス株式会社)、クレアミックス(エム・テクニック(株))が例示できる。連続撹拌としては、インラインミキサー(Silverson Machines,Inc)、T.K.パイプラインホモミキサー(プライミックス株式会社)、 コロイドミル(株式会社イワキ)が例示できる。
撹拌以外の混合方法としての乳化・微粒化処理として、ホモゲナイザー(三和機械株式会社)、高圧ホモゲナイザーが例示できる。これらによる乳化・微粒化処理を行う場合は、簡単な撹拌混合して得た水中油型乳化物(A)に対して実施するのが好ましい。
予め、油脂、乳化剤及び水を用いて、水相と油相を撹拌混合して、水中油型乳化物(A)を調製するのであるが、撹拌混合の程度は水中油型乳化物(A)の密度、粘度、撹拌装置(回転数、槽径、翼径、翼取付角度、翼幅、邪魔板の有無)、所要時間によって決めることができる。
撹拌混合の程度を現わす指標として、周速度、せん断エネルギー等が提案されているが本発明では、水中油型乳化物に対してより実際的な指標と考えられる撹拌エネルギーを提案するものである。
撹拌エネルギーは、レイノルズ数(Re)と撹拌動力数(Np)から、計算された撹拌動力(P)を導き、撹拌混合される水中油型乳化物(A)の乳化状態を目視で観察し、乳化した状態と思われるまでの撹拌時間を(S)とした場合、(P)×(S)で求めることができる。
撹拌動力数(Np)を求める計算式としては、永田の式を用いた。これらを表1に纏めた。
(表1)
Figure 2015008719
本発明では、予め、油脂、乳化剤及び水を用いて水中油型乳化物(A)を調製するのであるが、乳化剤が水分散性乳化剤及び油分散性乳化剤から選択される1種以上のものであるのが好ましい。
水分散性乳化剤としては、酵素処理レシチン、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられ、水に分散したコロイド状態で使用するのが好ましい。
油分散性乳化剤としては、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられ、油に分散したコロイド状態で使用するのが好ましい。
本発明では、乳化剤が水分散性乳化剤及び油分散性乳化剤から選択される1種以上のものであるが、水分散性乳化剤及び油分散性乳化剤の使用量は、水中油型乳化物(B)全体に対して、0.05〜2重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜1.5重量%であり、更に好ましくは0.05〜1.2重量%である。水分散性乳化剤及び油分散性乳化剤の使用量が少ないと水中油型乳化物(B)の乳化安定性が悪くなる。逆に多すぎると乳化剤の味を呈するようになり風味が悪くなる。
本発明の製造法では、予め、油脂、乳化剤及び水を用いて水中油型乳化物(A)を調製し、その後風味材を用いて水中油型乳化物(B)とし、その後、殺菌又は滅菌処理する水中油型乳化物(B)の製造法である。
水に水分散性乳化剤を分散・溶解し水相とし、別に融解した油脂に油分散性乳化剤を分散・溶解し油相とする。水相と油相を撹拌混合して水中油型乳化物(A)を得ることが出来る。撹拌混合する際の水相の温度が40〜80℃の範囲であるのが好ましく、より好ましくは50〜80℃の範囲であり、更に好ましくは55〜80℃の範囲である。水相の温度が低すぎると乳化が難しくなり、水相の温度が高すぎると風味が悪くなる。又、油相の温度も40〜80℃の範囲であるのが好ましく、より好ましくは50〜80℃の範囲であり、更に好ましくは55〜80℃の範囲である。油相の温度が低すぎると乳化が難しくなり、油相の温度が高すぎると風味が悪くなる。
そして、水中油型乳化物(A)を調製するに際して、調製の程度は、先に述べたように撹拌エネルギーで現わすことができる。
この撹拌エネルギーは、撹拌混合される水中油型乳化物の容量、水中油型乳化物の密度、粘度、撹拌装置(回転数、槽径、翼径、翼取付角度、翼幅、邪魔板の有無)、所要時間によって変わることが理解出来る。
本発明では、容量の大きさを3区分して、実験室レベル、パイロットプラントレベル、現場生産レベルとした。
実験室レベルで見てみると、例えば、実施例6で用いたTKホモミキサー(プライミクス株式会社)を使用した場合、回転数8000rpm、10分間の撹拌混合で、撹拌エネルギーが2470J/Lとなる。本装置では、回転数1000rpm、30秒間の撹拌混合で充分な乳化物を得ることが出来る。この条件では撹拌エネルギーは0.24J/Lとなる。実験室レベルでは、撹拌エネルギーは0.25J/L以上が好ましく、より好ましくは2J/L以上である。撹拌エネルギーは高ければ高い程、油脂粒子のメジアン径を小さくすることが出来好ましいが、コストに見合った効果という点で、本装置では回転数22000rpm、60分間の撹拌混合程度であり、この条件では撹拌エネルギーは308197J/Lとなる。本装置では撹拌エレルギーの上限は400000J/Lが好ましい。
撹拌エネルギーが低すぎると、水中油型乳化物(A)の乳化状態が悪くなる。
そして、パイロットプラントレベルで見てみると、例えば、実施例1で用いた4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用した場合、回転数572rpm、10分間の撹拌混合で、撹拌エネルギーは159J/Lとなる。本装置では、回転数100rpm、30秒間の撹拌混合で充分な乳化物を得ることが出来る。この条件では撹拌エネルギーは0.056J/Lとなる。パイロットプラントレベルでは、撹拌エネルギーは0.05J/L以上が好ましく、より好ましく0.5J/L以上である。撹拌エネルギーは高ければ高い程、油脂粒子のメジアン径を小さくすることが出来好ましいが、コストに見合った効果という点で、本装置を用いた場合は、回転数1000rpm、60分間の撹拌混合程度であり、この条件では撹拌エネルギーは4675J/Lとなる。本装置では撹拌エレルギーの上限は5000J/Lが好ましい。
撹拌エネルギーが低すぎると、水中油型乳化物(A)の乳化状態が悪くなる。
本発明の水中油型乳化物(A)の油脂粒子のメジアン径が0.3〜500μmの範囲であるのが好ましく、より好ましくは0.3〜450μmの範囲であり、更に好ましくは0.3〜400μmの範囲である。油脂粒子のメジアン径が小さくするのが好ましいが、小さくするのに多大なエネルギーを与える必要があってコストに見合った効果が得にくくなる。
そこで、簡単な撹拌混合の後に微粒化処理が好ましい。微粒化処理として、ホモゲナイザー、高圧ホモゲナイザーが例示できる。逆に油脂粒子のメジアン径が大き過ぎると、得られた最終の水中油型乳化物における風味材の風味発現が弱いものになり、本願発明の効果が得難くなる。
本発明では、水中油型乳化物(A)を調製した後に、風味材を用いて水中油型乳化物(B)とし、その後、殺菌又は滅菌処理する必要がある。
水中油型乳化物(A)の調製後は油脂粒子のメジアン径が経時で変化しやすいので、発明の効果を充分に得るには、水中油型乳化物(A)の調製後は可及的速やかに、好ましくは速やかに、より好ましくは直ちに、風味材を加えて水中油型乳化物(B)を調製するのが好ましい。
風味材を用いて水中油型乳化物(B)を得る方法としては、水中油型乳化物(A)と同様の混合・乳化方法が採用でき、バッチ撹拌、連続撹拌が例示できる。
風味材とはそれ自体に香りと味を有している食品素材を言う。
風味材の状態としては、粒状、粉末状、液状、ペースト状、固体状の何れの状態であっても良く、容易に水中油型乳化物(A)に分散・溶解するものであれば、何れの食品素材でも良い。
具体的には、チーズ粉末、果汁粉末、ナッツ粉末、コーヒー粉末、ココアパウダー、緑茶粉末、紅茶粉末、野菜粉末、果汁、ナッツペースト、栗ペースト、果汁エキス、カカオマス、チョコレートペースト、チョコレートソース、フルーツソース、チョコレート、乳由来の風味材が例示できる。
風味材の中にあって、乳由来の風味材とは、乳蛋白質を含む風味材であり、乳蛋白質が分散・溶解状態で存在している乳原料も、乳蛋白質が粒状又は粉末状の乳原料も何れも使用することが出来る。
乳蛋白質が分散・溶解状態で存在している乳原料としては、生乳、牛乳、脱脂乳、脱脂濃縮乳、生クリーム、濃縮乳、無糖練乳、加糖練乳が例示できる。
乳蛋白質が粒状又は粉末状の乳原料としては、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエー蛋白、酸カゼイン、レンネットカゼイン、若しくはカゼインナトリウム、カゼインカルシウム、カゼインカリウム等のカゼイン類、またはトータルミルクプロテインが例示できる。
これらの乳原料においては、乳脂肪が乳蛋白質に比して相対的に少ない原料が好ましい。乳脂肪を多く含む原料を使用した場合、新たな油脂粒子が形成されることによって、本願発明の効果が得難くなる。
乳蛋白質が分散・溶解状態で存在している乳原料としては、生乳、牛乳、脱脂乳、脱脂濃縮乳が好ましい。
乳蛋白質が粒状又は粉末状の乳原料としては、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエー蛋白、酸カゼイン、レンネットカゼイン、若しくはカゼインナトリウム、カゼインカルシウム、カゼインカリウム等のカゼイン類、またはトータルミルクプロテインが好ましい。
本発明では、乳蛋白質の含有量は、水中油型乳化物(B)全体に対して、0.2〜7重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜6重量%であり、更に好ましくは0.3〜5重量%である。乳蛋白質の含有量が少ないと水中油型乳化物(B)の乳化安定性が悪くなる。逆に多すぎると殺菌又は滅菌処理で風味劣化を起こし易くなる。
本発明では、乳蛋白質以外の蛋白質も使用可能であって、大豆蛋白質、卵蛋白質が挙げられ、大豆蛋白質としては、豆乳、脱脂大豆粉、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白、脱脂豆乳粉末、大豆蛋白加水分解物等がある。卵蛋白質としては、液状あるいは乾燥された卵黄、卵白、全卵及びこれらより分離される単一(単純)蛋白質、例えばオボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド、オボグロブリン等がある。
本発明では、蛋白質の含有量は、水中油型乳化物(B)全体に対して、0.2〜6重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5重量%であり、更に好ましくは0.3〜4重量%である。蛋白質の含有量が少ないと水中油型乳化物(B)の乳化安定性が悪くなる。逆に多すぎると殺菌又は滅菌処理で風味劣化を起こし易くなる。
本発明では、予め油脂、乳化剤及び水を用いて水中油型乳化物(A)を調製し、その後風味材を用いて水中油型乳化物(B)とし、その後、殺菌又は滅菌処理するのであるが、風味材を用いる際の水中油型乳化物(A)の品温が40〜80℃の範囲であるであるのが好ましく、より好ましくは50〜75℃の範囲であり、更に好ましくは55〜75℃の範囲である。品温が低すぎると風味材が分散・溶解しにくくなる。逆に品温が高すぎると添加した風味材が変質を起こし、最終製品での風味が劣るものになったり、最終製品の乳化安定性に悪影響を及ぼす。
本発明に使用する油脂としては、食用として使用できるものを広く採用することができ、例えばナタネ油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が例示できる。本発明においては上記で例示した何れの油脂も使用できる。
本発明の水中油型乳化物(B)の製造法としては、予備乳化工程において、予め、油脂、乳化剤及び水を用いて水中油型乳化物(A)を調製し、その後風味材を用いて水中油型乳化物(B)とする方法であり、その後、殺菌又は滅菌処理するのであるが、予備乳化工程以降の工程は一般的なクリーム類を製造する要領で行うことができる。
殺菌又は滅菌処理については、保存性の点で滅菌処理することが好ましい。
滅菌処理には、間接加熱方式と直接加熱方式の2種類があり、間接加熱処理する装置としてはAPVプレート式UHT処理装置(APV株式会社製)、CP−UHT滅菌装置(クリマティー・パッケージ株式会社製)、ストルク・チューブラー型滅菌装置(ストルク株式会社製)、コンサーム掻取式UHT滅菌装置(テトラパック・アルファラベル株式会社製)等が例示できるが、特にこれらにこだわるものではない。また、直接加熱式滅菌装置としては、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)、ユーペリゼーション滅菌装置(テトラパック・アルファラバル株式会社製)、VTIS滅菌装置(テトラパック・アルファラバル株式会社製)、ラギアーUHT滅菌装置(ラギアー株式会社製)、パラリゼーター(パッシュ・アンド・シルケーボーグ株式会社製)等のUHT滅菌装置が例示でき、これらの何れの装置を使用してもよい。
本発明の水中油型乳化物又は起泡性水中油型乳化物の油脂分としては、1〜50重量%であり、好ましくは1〜48重量%であり、更に好ましくは2〜48重量%である。油脂分が多すぎると水中油型乳化物又は起泡性水中油型乳化物がボテ(可塑化状態)易くなり、少なすぎると、水中油型乳化物の場合は、風味にコク味がなくなり、粘度が低くなり、流動性が乏しくなる。そして、起泡性水中油型乳化物の場合は起泡性、保形性が悪化する傾向になる。
本発明の水中油型乳化物、又は起泡性水中油型乳化物については増粘多糖類を使用するのが好ましく、増粘多糖類としては、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、プルラン、グァーガム、サイリウムシードガム、水溶性大豆多糖類、カラギーナン、タマリンド種子ガム及びタラガムから選択される1種又は2種以上の増粘多糖類が好ましく、更にジェランガム、キサンタンガム、プルラン、グァーガム、サイリウムシードガム、水溶性大豆多糖類、カラギーナン及びタマリンド種子ガムから選択される1種又は2種以上の増粘多糖類が好ましい。
本発明の水中油型乳化物、又は起泡性水中油型乳化物については、各種塩類を使用するのが好ましく、ヘキサメタリン酸塩、第2リン酸塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸塩、重曹等を単独又は2種以上混合使用することが望ましい。
その他所望により香料、着色剤、保存料等を使用することができる。
本発明の水中油型乳化物(B)の製造法は、水中油型乳化物を調製するに際して、風味材と乳化剤を別途に用いる方法であり、予め、油脂、乳化剤及び水を用いて水中油型乳化物(A)を調製し、その後風味材を用いて水中油型乳化物(B)とし、その後、殺菌又は滅菌処理する製造法である。
従来の製造法は、風味材と乳化剤を同時に用いる方法であり、あくまで推測の域をでないが、本願発明の方法を採用することによって、従来の方法に比して水中油型乳化物においては、水相側に風味材が多く存在することになり、そのことによって、本願発明の効果である、水中油型乳化物に豊かな風味を付与することが可能となった。風味材として、乳蛋白質を含む風味材を使用する場合は、乳味、乳感、生クリームの様な程良い脂肪感を付与することが可能になったと考えている。
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。また、結果については以下の方法で評価した。
・水中油型乳化物の評価方法
水中油型乳化物の固形分、油分を測定した。
固形分:CEMJapan株式会社製マイクロウェブ固形分測定器を使用して測定した。
油分:ゲルベル試験法によって測定した。油分が10重量%以上のものについては適宜希釈してゲルベル試験によって測定し、得られた値を希釈率に応じて換算して油分を求めた。
水中油型乳化物の粘度、ボテテスト(水中油型乳化物の乳化状態の安定性)、油脂粒子径を評価した。
方法は、
粘度:水中油型乳化物の粘度の測定は、東機産業株式会社製BM型粘度計を用い、品温5℃で2号ローター、60rpmで測定した。
ボテテスト:水中油型乳化物を100ml容ビーカーに50g採り、20℃で2時間インキュベートし、その後5分間撹拌した時のボテの発生の有無を確認した。
油脂粒子径:レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製、SALD−2200)を用いて、水中油型乳化物を蒸留水で測定可能範囲に希釈し測定後、データとして出力される。油脂粒子径は積算50%径のメジアン径、積算25%径、積算75%径を求めた。
・水中油型乳化物を起泡させた場合の評価方法
ホイップ時間:水中油型乳化物1kgをホバートミキサー(HOBART CORPORATION製 MODEL N−5)3速(300rpm)にてホイップし、最適気泡状態に達するまでの時間。
オーバーラン(%):[(一定容積の水中油型乳化物の重量)−(一定容積の気泡後の水中油型乳化物重量)]÷(一定容量の気泡後の水中油型乳化物の重量)×100
保形性:造花した起泡物を15℃で24時間保存した場合の形の変化を評価する。
「良好」「やや不良」「不良」の三段階で評価した。
・風味の評価方法
風味評価項目としては、口にした際の初期に感じる香りを「トップの香り」とし、口腔中に食品が充分に広がった際の中盤に感じる香りと味をそれぞれ「ミドルの香り」、「ミドルの味」とし、口腔中から食品が無くなった際の終盤に感じる香りと味をそれぞれ「ラストの香り」、「ラストの味」とした。それぞれの味と香りを点数で評価した。
(風味評価項目)
○ トップの香り
○ ミドルの香り
○ ミドルの味
○ ラストの香り
○ ラストの味

味と香りの点数付けはパネラー20人で評価しその平均値とした。
評価方法は対照品(比較例)を置いて、対照品(比較例)を3として以下の基準で評価した。
1:比較対照よりかなり好ましくない
2:比較対照より好ましくない
3:比較対照と同等
4:比較対照より好ましい
5:比較対照よりかなり好ましい
実験例1
パーム核油(融点31℃)35部にレシチン0.2部を分散・溶解したものを油相(A)する。70℃の温水60部にショ糖脂肪酸エステルを分散・溶解したものを水相(A)とする。2L容積のステンレス丸バットに水相(A)を仕込み、更に油相(A)を加えて、撹拌機としてはTKホモミキサー(プライミクス株式会社)を使用し、回転数5000rpmで、70℃撹拌混合開始と同時に、脱脂粉乳5部を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(イ)500gを得た。
実験例2
パーム核油(融点31℃)35部にレシチン0.2部を分散・溶解したものを油相(A)する。70℃の温水60部にショ糖脂肪酸エステルを分散・溶解したものを水相(A)とする。2L容積のステンレス丸バットに水相(A)を仕込み、更に油相(A)を加えて、撹拌機としてはTKホモミキサー(プライミクス株式会社)を使用し、回転数5000rpmで、70℃撹拌混合を10分間行い、その後、脱脂粉乳5部を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(ロ)500gを得た。
実験例1と実験例2で得た水中油型乳化物(イ)と(ロ)の風味について官能評価を行ったところ、水中油型乳化物(ロ)が(イ)に比べて非常に良好な乳風味を示した。
そこで、ヘッドスペースGC−MSで香気分析を行ったところ、水中油型乳化物(ロ)から検出される香気成分(特定の脂肪酸)の量が水中油型乳化物(イ)より有意に多いことが示された。この香気分析の結果を表2に示した。
ヘッドスペースGC−MSによる香気成分分析は、Mono Trap法によりヘッドスペース部分の香気成分を濃縮回収して、GC/TOP−MSにて分析を行ったものである。分析の結果、脂肪酸類に有意な差があった。値は面積値である。
(表2)
Figure 2015008719
この事実は予め油脂、乳化剤、水で十分乳化させて一旦水中油型乳化物を作り、その後に風味成分を含む原材料を添加して引き続き乳化するという新規な乳化法が従来の乳化法に比して、豊かな風味の水中油型乳化物が得られるというものである。
本願発明はこの実験事実に基づいてなされたものである。
実施例1
70℃の温水86.55部(100gの熱水にポリリン酸ナトリウム0.13部を溶解した熱水を含む)に水分散性乳化剤であるショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB16)0.1部を分散し水相(1)とする。
これとは別にヤシ油(融点25℃)4部を加熱融解し、そこにトコフェロール0.02部を溶解・分散して油相(1)とする。
40Lタンクに水相(1)を仕込み、更に油相(1)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数572rpmで、70℃、10分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは159J/Lであった。これを表3に纏めた。
次に風味原料のホエーパウダー6部、粉末チーズ3.2部を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)を得た。水相(1)、油相(1)及び風味材(1)の配合を表4に纏めた。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表5に纏めた。
風味評価において、後述する対照品である比較例1に比して、トップから良好なチーズ風味と乳味が感じられ、ミドルは良好なチーズの香りと濃厚感があり、ラストにかけては自然ですっきりした風味であった。
実施例1〜実施例4の水中油型乳化物(A)を調製するまでの撹拌エネルギーを表3に纏めた。
(表3)
Figure 2015008719
実施例1〜実施例4の水相(1、2、3、4)、油相(1、2、3、4)及び風味材(1、2、3、4)の配合を表4に纏めた。
(表4)
Figure 2015008719
実施例1〜実施例4の水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表5に纏めた。
(表5)
Figure 2015008719
実施例2
70℃の温水73.1部(100gの熱水にポリリン酸ナトリウム0.1部を溶解した熱水を含む)に水分散性乳化剤であるショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB16)0.1部、ショ糖型液糖13.2部及びキサンタンガム0.1部を分散し水相(2)とする。
これとは別にヤシ油(融点25℃)7部を加熱融解したものを油相(2)とする。
40Lタンクに水相(2)を仕込み、更に油相(2)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数572rpmで、70℃、10分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは162J/Lであった。これを表3に纏めた。
次に風味原料のホエーパウダー4部、栗ペースト2部及び栗香料0.4部を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPa の均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)を得た。水相(2)、油相(2)及び風味材(2)の配合を表4に纏めた。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表5に纏めた。
風味評価において、後述する対照品である比較例2に比して、トップから栗の強い風味と乳味がバランス良く感じられ、ミドルにかけても栗の良好な香りと濃厚感があり、ラストにかけては自然ですっきりした風味であった。
実施例3
70℃の温水50.52部(100gの熱水にポリリン酸ナトリウム0.15部を溶解した熱水を含む)に水分散性乳化剤であるショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB16)0.1部、麦芽糖水飴25部及び還元水飴9部を分散し水相(3)とする。
これとは別にヤシ油(融点25℃)5部を加熱融解したものを油相(3)とする。
40Lタンクに水相(3)を仕込み、更に油相(3)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数572rpmで、70℃、10分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは225J/Lであった。これを表3に纏めた。
次に風味原料のホエーパウダー5部、ココアパウダー5部及びチョコレート香料0.23部を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で149℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)を得た。水相(3)、油相(3)及び風味材(3)の配合を表4に纏めた。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表5に纏めた。
風味評価において、後述する対照品である比較例3に比して、トップから強いココア感が出て風味良好で、ラストのココアと乳の余韻も良好であった。
実施例4
70℃の温水70.1部(100gの熱水に炭酸水素ナトリウム0.01部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.06部を溶解した熱水を含む)に水分散性乳化剤であるショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB16)0.05部、ショ糖型液糖13部、キサンタンガム0.06部及びカラメル色素0.13部を分散し水相(4)とする。
これとは別にパーム大豆混合硬化油(融点31℃)2部を加熱融解したものを油相(4)とする。
40Lタンクに水相(4)を仕込み、更に油相(4)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数572rpmで、70℃、10分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは164J/Lであった。これを表3に纏めた。
次に風味原料の脱脂粉乳4.5部、ホエーパウダー5部、ココアパウダー5部及び香料(チョコレート、バニラ、ミルク)0.09部を加えて更に30分間撹拌混合した後、15MPaの均質化圧力で均質化して水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で149℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、25MPa の均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)を得た。水相(4)、油相(4)及び風味材(4)の配合を表4に纏めた。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表5に纏めた。
風味評価において、後述する対照品である比較例4に比して、トップからチョコレート感のある風味が立ち、ミドルからラストにかけての乳風味とのバランスも良好であった。
比較例1
実施例1と同様な水相(1)と油相(1)を準備し、40Lタンクに水相(1)を仕込み、更に油相(1)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数572rpmで撹拌混合した。撹拌開始と同時に風味材(1)を加え、70℃、30分間撹拌混合し、水中油型乳化物を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物を得た。
最終製品の水中油型乳化物の結果を表6に纏めた。
比較例2
実施例2と同様な水相(2)と油相(2)を準備し、40Lタンクに水相(2)を仕込み、更に油相(2)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数572rpmで撹拌混合した。撹拌開始と同時に風味材(2)を加え、70℃、30分間撹拌混合し、水中油型乳化物を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物を得た。
最終製品の水中油型乳化物の結果を表6に纏めた。
比較例3
実施例3と同様な水相(3)と油相(3)を準備し、40Lタンクに水相(3)を仕込み、更に油相(3)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数572rpmで撹拌混合した。撹拌開始と同時に風味材(3)を加え、70℃、30分間撹拌混合し、水中油型乳化物を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物を得た。
最終製品の水中油型乳化物の結果を表6に纏めた。
比較例4
実施例4と同様な水相(4)と油相(4)を準備し、40Lタンクに水相(4)を仕込み、更に油相(4)を加えて、攪拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数572rpmで撹拌混合した。撹拌開始と同時に風味材(4)を加え、70℃、30分間撹拌混合し、水中油型乳化物を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、25MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物を得た。
最終製品の水中油型乳化物の結果を表6に纏めた。
比較例1〜比較例4の結果を表6に纏めた。
(表6)
Figure 2015008719
実施例5
70℃の温水65.43部(100gの熱水にヘキサメタリン酸ナトリウム0.2部、重曹0.02部を溶解した熱水を含む)に水分散性乳化剤であるショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5)を分散し水相(5)とする。
これとは別にパーム核油(融点28℃)30部を加熱融解し、そこに油分散性乳化剤であるレシチン0.2部を溶解・分散して油相(5)とする。
40Lタンクに水相(5)を仕込み、更に油相(5)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数572rpmで、70℃、10分間撹拌し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは155J/Lであった。これを表7に纏めた。
次に風味原料の脱脂粉乳4部を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、5MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)を得た。水相(5)、油相(5)及び風味材(5)の配合を表8に纏めた。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表9に纏めた。
24時間エージングした後の水中油型乳化物(B)1kgに70gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水のホイップ分析を行った。またホイップしたクリームの風味の評価を行った。これらの結果も表9に纏めた。
実施例5〜実施例8の水中油型乳化物(A)を調製するまでの撹拌エネルギーを表7に纏めた。
(表7)
Figure 2015008719
実施例5、実施例6の水相(5、6)、油相(5、6)及び風味材(5、6)の配合を表8に纏めた。
(表8)
Figure 2015008719
実施例5〜実施例8の水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表9に纏めた。
(表9)
Figure 2015008719
実施例6
70℃の温水50.355部(100gの熱水にヘキサメタリン酸ナトリウム0.06部、重曹0.02部を溶解した熱水を含む)に水分散性乳化剤であるショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5)0.2部を分散し水相(6)とする。
これとは別にパーム核油(融点28℃)10部、硬化パーム核油(融点34℃)10部、硬化油(菜種/パーム混合)(融点31℃)25部を加熱融解し、そこに油分散性乳化剤であるレシチン0.2部、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB5.1)0.15部、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB4.9)0.015部を溶解・分散して油相(6)とする。水相(6)、油相(6)及び風味材(6)の配合を表8に纏めた。
20L容積のステンレス角バットに水相(6)を仕込み、更に油相(6)を加えて、撹拌機としてはTKホモミキサー(プライミクス株式会社)を使用し、回転数8000rpmで、70℃、10分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは2470J/Lであった。これを表7に纏めた。
次に風味原料の脱脂粉乳を4部加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、5MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)を得た。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表9に纏めた。
24時間エージングした後の水中油型乳化物1kgに70gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水のホイップ分析を行った。またホイップしたクリームの風味の評価を行った。これらの結果も表9に纏めた。
実施例7
実施例1と同様な水相(1)と油相(1)を準備し、20L容積のステンレス角バットに水相(1)を仕込み、更に油相(1)を加えて、撹拌機としてはTKホモミキサー(プライミクス株式会社)を使用し、回転数8000rpmで、70℃、1分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは255J/Lであった。これを表7に纏めた。
次に実施例1と同様の風味材(1)を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)を得た。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表9に纏めた。
風味評価において、先の対照品である比較例1に比して、トップから良好なチーズ風味と乳味が感じられ、ミドルからラストにかけての余韻は実施例1より更にバランス良好であった。
実施例8
実施例1と同様な水相(1)と油相(1)を準備し、20L容積のステンレス角バットに水相(1)を仕込み、更に油相(1)を加えて、撹拌機としてはTKホモミキサー(プライミクス株式会社)を使用し、回転数8000rpmで、70℃、30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは7662J/Lであった。これを表7に纏めた。
次に実施例1と同様の風味材(1)を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)得た。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表9に纏めた。
風味評価において、先の対照品である比較例1に比して、トップからかなり良好なチーズ風味と乳味が感じられ、ミドルからラストにかけての余韻も後で述べる実施例9より良好であった。
実施例9
実施例1と同様な水相(1)と油相(1)を準備し、20L容積のステンレス角バットに水相(1)を仕込み、更に油相(1)を加えて、撹拌機としてはTKホモミキサー(プライミクス株式会社)を使用し、回転数8000rpmで、70℃、10分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは2554J/Lであった。これを表10に纏めた。
次に実施例1と同様の風味材(1)を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)得た。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表11に纏めた。
風味評価において、先の対照品である比較例1に比して、トップから良好なチーズ風味と乳味が感じられ、ミドルからラストにかけての余韻も実施例7より良好であった。
実施例10
実施例1と同様な水相(1)と油相(1)を準備し、20L容積のステンレス角バットに水相(1)を仕込み、更に油相(1)を加えて、撹拌機としてはラボリューション(プライミクス株式会社)を使用し、回転数22000rpmで、70℃、1.5分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは7967J/Lであった。これを表10に纏めた。
次に実施例1と同様の風味材(1)を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)得た。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表11に纏めた。
風味評価において、先の対照品である比較例1に比して、トップからかなり良好なチーズ風味と乳味が感じられ、ミドルからラストにかけての余韻は実施例8と同等であった。
実施例11
実施例2と同様な水相(2)と油相(2)を準備し、40Lタンクに水相(2)を仕込み、更に油相(2)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数572rpmで、70℃、20分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは325J/Lであった。これを表10に纏めた。
次に実施例2と同様の風味材(2)を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)を得た。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表11に纏めた。
風味評価において、先の対照品である比較例2に比して、トップから栗の強い風味と乳味がバランス良く感じられ、ミドルにかけても栗の良好な香りと濃厚感があり、ラストにかけての余韻も比較例2より良好であった。
実施例12
実施例2と同様な水相(2)と油相(2)を準備し、40Lタンクに水相(2)を仕込み、更に油相(2)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数572rpmで、70℃、30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは487J/Lであった。これを表10に纏めた。
次に実施例2と同様の風味材(2)を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)得た。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表11に纏めた。
風味評価において、先の対照品である比較例2に比して、トップからかなり栗の強い風味と乳味がバランス良く感じられ、、ミドルにかけても栗の良好な香りと濃厚感があり、ラストにかけての余韻も実施例11より更に良好であった。
実施例9〜実施例12の水中油型乳化物(A)を調製するまでの撹拌エネルギーを表10に纏めた。
(表10)
Figure 2015008719
実施例9〜実施例12の水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表11に纏めた。
(表11)
Figure 2015008719
比較例5
実施例5と同様な水相(5)と油相(5)を準備し、40Lタンクに水相(5)を仕込み、更に油相(5)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数572rpmで撹拌混合した。撹拌開始と同時に風味材(5)を加え、70℃、30分間撹拌混合し、水中油型乳化物を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、5MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物を得た。
24時間エージングした後の水中油型乳化物1kgに70gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水のホイップ分析を行った。またホイップしたクリームの風味の評価を行った。
比較例6
実施例6と同様な水相(6)と油相(6)を準備し、20L容積のステンレス角バットに水相(6)を仕込み、更に油相(6)を加えて、撹拌機としてはTKホモミキサー(プライミクス株式会社)を使用し、回転数8000rpmで撹拌開始と同時に風味材(6)を加え、70℃、30分間撹拌混合し、水中油型乳化物を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、5MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物を得た。
24時間エージングした後の水中油型乳化物1kgに70gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水のホイップ分析を行った。またホイップしたクリームの風味の評価を行った。
比較例5及び比較例6の結果を表12に纏めた。
(表12)
Figure 2015008719
実施例13
実施例1と同様な水相(1)と油相(1)を準備し、9tタンクに水相(1)を仕込み、更に油相(1)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数1200rpmで、70℃、15分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは2803J/Lであった。これを表13に纏めた。
次に実施例(1)と同様の風味材(1)を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)を得た。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表14に纏めた。風味評価において、先の対照品である比較例1に比して、トップから良好なチーズ風味と乳味が感じられ、ミドルは濃厚感があり、ラストにかけては自然ですっきりした風味であった。
実施例14
実施例2と同様な水相(2)と油相(2)を準備し、9tタンクに水相(2)を仕込み、更に油相(2)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数1200rpmで、70℃、15分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは2803J/Lであった。これを表13に纏めた。
次に実施例(2)と同様の風味材(2)を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、15MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)を得た。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表14に纏めた。風味評価において、先の対照品である比較例2に比して、トップから栗の強い風味と乳味がバランス良く感じられ、ミドルにかけても濃厚感があり、ラストにかけての余韻も良好であった。
実施例15
実施例6と同様な水相(6)と油相(6)を準備し、9tタンクに水相(6)を仕込み、更に油相(6)を加えて、撹拌機としては4枚羽根(Fuji Electric Co..Ltd.)を使用し、回転数1200rpmで、70℃、15分間撹拌混合し、水中油型乳化物(A)を得た。撹拌エネルギーは2639J/Lであった。これを表13に纏めた。
(表13)
Figure 2015008719
次に実施例(6)と同様の風味材(6)を加えて更に30分間撹拌混合し、水中油型乳化物(B)を得た。これを岩井機械製殺菌装置で144℃4秒間直接蒸気殺菌処理し、78℃まで冷却後、5MPaの均質化圧力で均質化して、更に冷却後、5℃で24時間エージングして最終製品の水中油型乳化物(B)を得た。
水中油型乳化物(A)の結果、最終の水中油型乳化物(B)の結果を表14に纏めた。
24時間エージングした後の水中油型乳化物1kgに70gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水のホイップ分析を行った。またホイップしたクリームの風味の評価を行った。これらの結果も表14に纏めた。
(表14)
Figure 2015008719
本発明は、油脂、風味材、乳化剤及び水を原料とし、風味材の香りと味を活かした風味に優れた水中油型乳化物の製造法に関するものである。

Claims (6)

  1. 油脂、風味材、乳化剤及び水を原料とする水中油型乳化物の製造法であって、水中油型乳化物を調製するに際して、風味材と乳化剤を別途に用いる方法であり、予め、油脂、乳化剤及び水を用いて水中油型乳化物(A)を調製し、その後、風味材を用いて水中油型乳化物(B)とし、その後、殺菌又は滅菌処理する水中油型乳化物(B)の製造法。
  2. 乳化剤が水分散性乳化剤及び油分散性乳化剤から選択される1種以上のものである、請求項1記載の水中油型乳化物(B)の製造法。
  3. 水中油型乳化物(A)の調製が撹拌混合の場合は、撹拌エネルギーが0.05J/L以上である、請求項1記載の水中油型乳化物(B)の製造法
  4. 風味材を用いる際の水中油型乳化物(A)の品温が40〜80℃の範囲である、請求項1記載の水中油型乳化物(B)の製造法。
  5. 水中油型乳化物(A)の油脂粒子のメジアン径が0.3〜500μmの範囲である、請求項1記載の水中油型乳化物(B)の製造法。
  6. 水中油型乳化物(B)が起泡性である、請求項1〜請求項5何れか1項に記載の水中油型乳化物(B)の製造法。
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