JP2015001037A - 燻煙処理用包装紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、高い通気性(燻煙透過性)を有する包装紙であって、食材からの優れた剥離性を発揮することができる燻煙包装紙を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、植物繊維を含む原紙上に、シリコーン系樹脂を含有した塗工液を塗工することにより形成される剥離層を有する燻煙処理用包装紙であって、燻煙処理用包装紙の透気度が2秒以下であり、塗工液の25℃における粘度が100mPa・sより大きいことを特徴とする燻煙処理用包装紙に関する。【選択図】なし
Description
本発明は、燻煙処理用包装紙に関する。具体的には、本発明は、ハム、ソーセージ、ベーコンなど肉製品、チーズ等の乳製品および卵製品などの畜産物、各種魚介類の加工食品等の食材を燻煙処理する工程において、優れた燻煙透過性と食品剥離性を持った燻煙処理用包装紙に関する。
燻煙処理とは、ハム、ソーセージ、ベーコン及び肉等の畜産物、チーズ等の乳製品、各種の魚介類等の水産加工食品及び卵製品等の食材に、木材を高温で熱した際に生じる煙を当てて風味付けすると同時に、煙に含まれる殺菌、防腐成分を食材に浸透させる食品加工技法の1つである。燻煙処理を施す際は、食材を燻製機内に導入し、30〜140℃程度の燻煙雰囲気内に30分〜数時間程度置くことで処理を行う。
燻煙処理を行う際には、食材の形状を整え、異物の付着や混入等を防ぐ目的で、食材をあらかじめ包装紙で包み燻煙処理を行う場合がある。この場合、包装紙には、燻煙を速やかに浸透させるための高い通気性(燻煙透過性)が求められる。なお、包装紙は、燻煙処理が終了した後、食材から剥がされ処分される。このため、包装紙には、燻煙処理後に食材から容易に剥がすことのできる剥離性も求められている。
食材からの剥離性と通気性を有する包装紙として、低透気度の基材に、剥離層として剥離性シリコーン系樹脂を塗工した包装紙が知られている。例えば、特許文献1には、剥離性シリコーン系樹脂層を有する高密度耐油紙が開示されており、この耐油紙は、燻煙処理用包装紙として用いられている。
しかしながら、特許文献1のような包装紙は、耐油性を有した高密度紙であり、その燻煙透過性は十分とは言い難いものであった。
一般的に、包装紙の燻煙透過性を高めるためには、通気性の高い紙基材を用いることが考えられるが、通気性の高い紙基材にシリコーン樹脂を直接塗工すると、シリコーン樹脂が紙基材に浸透裏抜けし、塗工機のロールなどの接触部分をシリコーンが汚染することがあった。さらに、多量のシリコーン樹脂が浸透裏抜けした場合、塗工機のロールなどに紙基材が貼り付き、破れが発生する原因となっていた。
また、基材の表面にシリコーン系樹脂が適切な状態で存在していないと、燻煙処理後に包装紙が食材から剥離しづらくなり、包装紙由来の剥離片が食材に残留するため問題となっていた。
すなわち、従来の燻煙処理用包装紙においては、高い通気性(燻煙透過性)と食材からの剥離性は両立されておらず、さらなる改善が求められていた。
また、基材の表面にシリコーン系樹脂が適切な状態で存在していないと、燻煙処理後に包装紙が食材から剥離しづらくなり、包装紙由来の剥離片が食材に残留するため問題となっていた。
すなわち、従来の燻煙処理用包装紙においては、高い通気性(燻煙透過性)と食材からの剥離性は両立されておらず、さらなる改善が求められていた。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、高い通気性(燻煙透過性)を有する包装紙であって、食材からの優れた剥離性を発揮することができる燻煙処理用包装紙を提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、燻煙処理用包装紙において、剥離層を形成する塗工液の粘度を特定の範囲とし、包装紙の透気度を一定値以下とすることにより、燻煙透過性と剥離性が両立された燻煙処理用包装紙が得られることを見出した。また、このような包装紙の製造工程においては、シリコーン系樹脂が塗工機に付着することが抑制され、良質な燻煙処理用包装紙が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1]植物繊維を含む原紙上に、シリコーン系樹脂を含有した塗工液を塗工することにより形成される剥離層を有する燻煙処理用包装紙であって、前記燻煙処理用包装紙の透気度が2秒以下であり、前記塗工液の25℃における粘度が100mPa・sより大きいことを特徴とする燻煙処理用包装紙。
[2]前記剥離層は間欠部を有することを特徴とする[1]に記載の燻煙処理用包装紙。
[3]前記塗工液の25℃における粘度は、150〜600mPa・sであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の燻煙処理用包装紙。
[4]前記塗工液の塗工量は、0.1〜5.0g/m2であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の燻煙処理用包装紙。
[5]前記塗工液中の有機溶剤の含有率は、20質量%以下であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の燻煙処理用包装紙。
[6]前記原紙に含まれる植物繊維のフリーネスは、550〜700mlであることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の燻煙処理用包装紙。
[7]前記原紙は、麻パルプを含有することを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の燻煙処理用包装紙。
[8]前記原紙の坪量は、10〜80g/m2であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の燻煙処理用包装紙。
[9]前記剥離層は、前記原紙の両面に設けられることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載の燻煙処理用包装紙。
[2]前記剥離層は間欠部を有することを特徴とする[1]に記載の燻煙処理用包装紙。
[3]前記塗工液の25℃における粘度は、150〜600mPa・sであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の燻煙処理用包装紙。
[4]前記塗工液の塗工量は、0.1〜5.0g/m2であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の燻煙処理用包装紙。
[5]前記塗工液中の有機溶剤の含有率は、20質量%以下であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の燻煙処理用包装紙。
[6]前記原紙に含まれる植物繊維のフリーネスは、550〜700mlであることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の燻煙処理用包装紙。
[7]前記原紙は、麻パルプを含有することを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の燻煙処理用包装紙。
[8]前記原紙の坪量は、10〜80g/m2であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の燻煙処理用包装紙。
[9]前記剥離層は、前記原紙の両面に設けられることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載の燻煙処理用包装紙。
本発明によれば、高い燻煙透過性と剥離性を兼ね備えた燻煙処理用包装紙を得ることができる。すなわち、本発明の燻煙処理用包装紙を用いれば、食材に良好な燻煙風味を付与することができる。さらに、本発明の燻煙処理用包装紙を用いて燻煙処理を行った場合、燻煙処理用包装紙由来の剥離片が食材に付着することを抑制することができるため、良品率が高く、異物混入の少ない燻製食品を製造することができる。
さらに、本発明によれば、燻煙処理用包装紙の生産時のトラブルを減らすことができ、燻煙処理用包装紙の生産性を高めることができる。
さらに、本発明によれば、燻煙処理用包装紙の生産時のトラブルを減らすことができ、燻煙処理用包装紙の生産性を高めることができる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(燻煙処理用包装紙)
本発明は、植物繊維を含む原紙上に、シリコーン系樹脂を含有した塗工液を塗工することにより形成される剥離層を有する燻煙処理用包装紙に関する。ここでは、燻煙処理用包装紙の透気度が2秒以下であり、塗工液の25℃における粘度が100mPa・sより大きい。本発明では、燻煙処理用包装紙の透気度を2秒以下とし、25℃における塗工液の粘度を100mPa・sよりも大きくすることにより、高い燻煙透過性と剥離性を兼ね備えた燻煙処理用包装紙を得ることができる。
本発明は、植物繊維を含む原紙上に、シリコーン系樹脂を含有した塗工液を塗工することにより形成される剥離層を有する燻煙処理用包装紙に関する。ここでは、燻煙処理用包装紙の透気度が2秒以下であり、塗工液の25℃における粘度が100mPa・sより大きい。本発明では、燻煙処理用包装紙の透気度を2秒以下とし、25℃における塗工液の粘度を100mPa・sよりも大きくすることにより、高い燻煙透過性と剥離性を兼ね備えた燻煙処理用包装紙を得ることができる。
また、本発明は、植物繊維を含む原紙と、シリコーン系樹脂を含有する剥離層を有する燻煙処理用包装紙に関する。ここでは、燻煙処理用包装紙の透気度が2秒以下であり、剥離層は間欠部を有している。このように、剥離層が間欠部を有するため、本発明の燻煙処理用包装紙は、高い燻煙透過性と剥離性を発揮することができる。
本発明の燻煙処理用包装紙によって包装される食品としては、ハム、ソーセージ、ベーコン及び肉等の畜産物、チーズ等の乳製品、各種の魚介類等の水産加工食品及び卵製品等が挙げられる。このような食材の接触側に燻煙処理用包装紙の剥離層がくるように包装が行われる。本発明にいう「包装」とは、必ずしも狭義の包装ではなく、敷いたり、覆ったりする形態を含む。また、燻煙処理用包装紙を用いて食材を包装する際には、他の包装補助材を用いてもよく、紐などを用いて包装を行ってもよい。
燻煙処理用包装紙の透気度は、2秒以下であればよく、1.5秒以下であることが好ましく、1秒以下であることがより好ましい。燻煙処理用包装紙の透気度を上記範囲内とすることにより、高い燻煙透過性を実現することができる。
ここで、燻煙処理用包装紙の透気度とは、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000(紙及び板紙 −平滑度及び透気度試験方法− 第2部:王研法)に規定された方法で100ccの空気が紙片を通過する秒数である。
ここで、燻煙処理用包装紙の透気度とは、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000(紙及び板紙 −平滑度及び透気度試験方法− 第2部:王研法)に規定された方法で100ccの空気が紙片を通過する秒数である。
本発明では、塗工液の25℃における粘度は、100mPa・sより大きければよく、120mPa・s以上であることが好ましく、150mPa・s以上であることがより好ましく、200mPa・s以上であることがさらに好ましい。また、塗工液の25℃における粘度は、800mPa・s以下であることが好ましく、700mPa・s以下であることがより好ましく、600mPa・s以下であることがさらに好ましく、500mPa・s以下であることが特に好ましい。塗工液の粘度を上記範囲内とすることにより、燻煙処理用包装紙の透気度を2秒以下とすることができ、高い燻煙透過性を発揮することができる。さらに、塗工液の粘度を上記範囲内とすることにより、食材と包装紙の剥離性を良好な状態とすることができる。
本発明においては、剥離層は、原紙の植物繊維に沿って網目状に存在するように設けられることが好ましい。原紙の植物繊維の間には、微細な空隙が存在しており、剥離剤が植物繊維に沿って存在することにより、剥離層は間欠部(通気孔)を有することとなる。すなわち、剥離層は、原紙上の一面を隙間なく覆うのではなく、植物繊維の間の空隙に対応した間欠部を有することとなる。本発明では、剥離層をこのような構成とすることにより、燻煙処理用包装紙全体の透気度を格段に高めることができる。
図1には、本発明の燻煙処理用包装紙の表面状態を示す拡大写真を示している。図1のC欄の写真は、植物繊維由来のC元素の分布状態を表している。C元素が分布している箇所は、写真中において、白く写されている。また、図1のSi欄の写真は、C欄の写真と同じ箇所における剥離剤(ポリジメチルシロキサン)由来のSi元素の分布状態を表している。Si元素が分布している箇所は、写真中において、白く写されている。以上の2枚の拡大写真より、剥離剤は、植物繊維に沿って網目状に存在していることがわかる。その結果、原紙上に形成される剥離層は間欠部を有することとなっている。このように、本発明では、剥離層が間欠部を有することにより、燻煙処理用包装紙全体の透気度を高めることができる。
本発明において、剥離層が有する間欠部の面積は、50〜2000μm2であることが好ましく、100〜1800μm2であることがより好ましく、300〜1600μm2であることがさらに好ましい。なお、間欠部の形状は特に制限はなく、多角形や略円形等の様々な形状とすることができる。
剥離層は、原紙のいずれか一方の面にのみ設けられてもよいが、原紙の両面に設けられてもよい。このように、原紙の両面に剥離層を設けた場合、両面剥離紙として使用することもできる。これにより、包装紙の表裏のいずれかを識別し、選択して食材を包装する必要がなくなり、包装紙使用時の利便性を高めることができる。
本発明では、燻煙処理用包装紙の表面と裏面を重ね合わせた際の静摩擦係数は、0.5以上であることが好ましい。燻煙処理用包装紙の表面と裏面を重ね合わせた際の静摩擦係数を上記範囲内とすることにより、包装紙をロール状にして保管することが可能となり、また、包装紙を断裁し枚葉にして積重ねて保管することも可能となる。
(剥離層)
剥離層を形成するために用いられるシリコーン系樹脂は、無溶剤タイプ(無溶剤系シリコーン)のものであることが好ましい。ここで、無溶剤系シリコーンとは、シリコーン系樹脂に含まれる有機溶剤の含有率が、20質量%以下であるものをいう。有機溶剤の含有率は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。なお、このようなシリコーン系樹脂を含む塗工液を用いて形成した剥離層に含まれる有機溶剤の含有率は、剥離層の質量に対して、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。
剥離層を形成するために用いられるシリコーン系樹脂は、無溶剤タイプ(無溶剤系シリコーン)のものであることが好ましい。ここで、無溶剤系シリコーンとは、シリコーン系樹脂に含まれる有機溶剤の含有率が、20質量%以下であるものをいう。有機溶剤の含有率は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。なお、このようなシリコーン系樹脂を含む塗工液を用いて形成した剥離層に含まれる有機溶剤の含有率は、剥離層の質量に対して、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。
通常、剥離層を形成するために用いられる塗工液には、有機溶剤を溶媒として含む溶剤タイプ(溶剤系シリコーン)が用いられることが多い。一方、本発明では、無溶剤系シリコーンを用いることが好ましい。このような、無溶剤系シリコーンを含む塗工液は環境への負荷が少ないという利点を有する。また、無溶剤系シリコーンは固形分濃度が高く、ウェット塗工量を減少することができるので、シリコーン樹脂の紙基材への浸透裏抜けを効果的に防止することができる。
上述したように、本発明では、塗工液の25℃における粘度は、100mPa・sより大きければよく、120mPa・s以上であることが好ましく、150mPa・s以上であることがより好ましく、200mPa・s以上であることがさらに好ましい。また、塗工液の25℃における粘度は、800mPa・s以下であることが好ましく、700mPa・s以下であることがより好ましく、600mPa・s以下であることがさらに好ましく、500mPa・s以下であることが特に好ましい。
本発明では、シリコーン系樹脂の粘度を上記範囲とすることにより、シリコーン系樹脂が原紙に浸透せずに原紙の表面に留まることができるものと考えられる。これにより、燻煙処理用包装紙全体の透気度が高められ、かつ良好な剥離性が発揮される。本発明では、透気性の高い原紙を用いた場合であっても、シリコーン系樹脂が原紙を構成する植物繊維間に浸透することがなく原紙の表面に留まることができるため、原紙の透気性を十分に高めることが可能となる。
さらに、原紙の表面に留まったシリコーン系樹脂は、紙繊維に沿って網目状に存在するため、燻煙処理時の燻煙の通過を妨げにくいものと考えられる。また、所望の粘度を有するシリコーン系樹脂を用いることにより、シリコーン系樹脂が浸透裏抜けすることを抑制することができるため、塗工機にシリコーン系樹脂が付着する等の不具合の発生を防止することができる。
さらに、原紙の表面に留まったシリコーン系樹脂は、紙繊維に沿って網目状に存在するため、燻煙処理時の燻煙の通過を妨げにくいものと考えられる。また、所望の粘度を有するシリコーン系樹脂を用いることにより、シリコーン系樹脂が浸透裏抜けすることを抑制することができるため、塗工機にシリコーン系樹脂が付着する等の不具合の発生を防止することができる。
シリコーン系樹脂は、主要な重合体連鎖が珪素原子と酸素原子との交互配列からなる重合体を主成分とする合成樹脂である。本発明で用いるシリコーン系樹脂としては、水系型、溶剤型や無溶剤型などのシリコーン系樹脂を用いることができるが、無溶剤型を用いることが好ましい。硬化方法も付加反応、縮合反応、光硬化反応等を適宜採用することができる。
中でも、本発明では、シリコーン系樹脂として、25℃における粘度が100mPa・sより大きく2000mPa・s以下である硬化性オルガノポリシロキサンを主材料として含むことが好ましい。硬化性オルガノポリシロキサンは、有機溶剤を含まない有効固形分が100質量%のシリコーンであることが好ましい。
中でも、本発明では、シリコーン系樹脂として、25℃における粘度が100mPa・sより大きく2000mPa・s以下である硬化性オルガノポリシロキサンを主材料として含むことが好ましい。硬化性オルガノポリシロキサンは、有機溶剤を含まない有効固形分が100質量%のシリコーンであることが好ましい。
本発明で好ましく用いることができるシリコーン系樹脂として、例えば、無溶剤系シリコーン樹脂(X−62−1358:信越化学工業社製)、溶剤系シリコーン樹脂(KS−837:信越化学工業社製)を挙げることができる。
本発明では、シリコーン系樹脂を含む塗工液の塗工量は、0.1〜5.0g/m2であることが好ましく、0.4〜3.0g/m2であることがより好ましく、0.5〜2.0g/m2であることがさらに好ましい。塗工液の塗工量を上記範囲内とすることにより、剥離層としての剥離効果を発揮することができる。また、塗工機のロールなど基材裏面接触部へシリコーンが浸透し、塗工機等を汚染することを抑制することができる。なお、塗工量が5.0g/m2を超えると、包装紙裏面への浸透が顕著となり、塗工機のロールなど包装紙裏面接触部のシリコーンの汚染が深刻となる場合がある。
本発明では、剥離層を形成する塗工液の粘度と塗工量を上記範囲とすることにより、剥離層を原紙上に間欠的に設けることができる。具体的には、剥離層は層状に一面に形成されるのではなく、間欠部を有するように剥離層が形成されることとなる。本発明では上記のような剥離層を形成することにより、燻煙処理用包装紙の透気性を格段に高めることができ、透気度を低く抑えることができる。また、燻煙処理後に食材から包装紙を剥離しやすくすることができる。このように、本発明の燻煙処理用包装紙は、高い燻煙透過性と剥離性を両立することができる。
(原紙)
本発明の燻煙処理用包装紙の原紙は植物繊維を含む。植物繊維としては、マニラ麻、サイザル麻といった葉繊維、コウゾ、***といった靭皮繊維、また一般に使用される木材繊維の中でも、針葉樹材といった繊維長が長く、太い繊維を用いる事が好ましく、これらの中から適宜選択して用いられる。中でも、高い通気性を持った原紙を得るための植物繊維として、麻パルプを用いることが好ましい。麻パルプは他の植物繊維パルプに比べて高い通気性を有し、強度、価格、品質の均一性に優れている。また、容易に入手可能である点にもメリットがある。麻パルプの中でもマニラ麻は特に好ましく用いることができる。なお、植物繊維には、このような麻パルプを1種類のみ用いてもよく、他種の麻パルプを併用したり、麻パルプ以外の植物繊維を用いることとしてもよい。この場合、麻パルプの含有率は、植物繊維全体の質量に対して、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明の燻煙処理用包装紙の原紙は植物繊維を含む。植物繊維としては、マニラ麻、サイザル麻といった葉繊維、コウゾ、***といった靭皮繊維、また一般に使用される木材繊維の中でも、針葉樹材といった繊維長が長く、太い繊維を用いる事が好ましく、これらの中から適宜選択して用いられる。中でも、高い通気性を持った原紙を得るための植物繊維として、麻パルプを用いることが好ましい。麻パルプは他の植物繊維パルプに比べて高い通気性を有し、強度、価格、品質の均一性に優れている。また、容易に入手可能である点にもメリットがある。麻パルプの中でもマニラ麻は特に好ましく用いることができる。なお、植物繊維には、このような麻パルプを1種類のみ用いてもよく、他種の麻パルプを併用したり、麻パルプ以外の植物繊維を用いることとしてもよい。この場合、麻パルプの含有率は、植物繊維全体の質量に対して、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。
上記植物繊維としては、カナディアンフリーネスが550〜700mlになるように叩解したものを使用するのが好ましい。植物繊維のフリーネスは、600〜700mlであることがより好ましい。植物繊維のフリーネスが上記範囲内となるように叩解を進めることにより、十分な結合強度を得ることができる。また、必要に応じてカナディアンフリーネスを550ml以下に低下させる、またはカナディアンフリーネスの低い繊維を一部混合使用するといったことも可能である。なお、この場合、フリーネスが550ml以下のものは、植物繊維全体の質量に対して20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
ここで、フリーネスとは、JIS−P8220に準拠して標準離解機にて試料を離解処理した後、JIS−P8121に準拠してカナダ標準濾水度試験機にて測定した濾水度の値である。
ここで、フリーネスとは、JIS−P8220に準拠して標準離解機にて試料を離解処理した後、JIS−P8121に準拠してカナダ標準濾水度試験機にて測定した濾水度の値である。
また、原紙の透気度は、2秒以下であることが好ましく、1秒以下であることがより好ましい。透気度を上記範囲内とすることにより、高い燻煙透過性を有する燻煙処理用包装紙を得ることができる。
原紙の坪量は、10〜80g/m2であることが好ましく、15〜50g/m2であることがより好ましい。坪量を上記範囲内とすることにより、一定の引張強度や破断伸びを達成することができる。
本発明では、上述した原紙原料パルプに内添薬品を加えてもよい。内添薬品としては、例えば、硫酸バンド等の薬品定着剤、ロジン等のサイズ剤、ポリアクリルアマイド、澱粉等の紙力増強剤、ポリアマイド等の濾水度歩留り向上剤、ポリアミドポリアミン・エピクロルヒドリン等の耐水化剤、消泡剤、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の填料、塩基性染料、酸性染料、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料等の公知の種々のものを挙げることができる。
(燻煙処理用包装紙の製造方法)
<原紙の抄紙方法>
原紙の抄紙方法としては、特に限定されるものではなく、酸性抄紙法、中性抄紙法、アルカリ性抄紙法のいずれであってもよい。また、抄紙機も特に限定されるものではなく、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の公知の種々の抄紙機を使用することができる。
<原紙の抄紙方法>
原紙の抄紙方法としては、特に限定されるものではなく、酸性抄紙法、中性抄紙法、アルカリ性抄紙法のいずれであってもよい。また、抄紙機も特に限定されるものではなく、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の公知の種々の抄紙機を使用することができる。
<叩解>
本発明では、上記のように抄紙する工程の前に、フリーネスが550〜700mlとなるように植物繊維(原料パルプ)を叩解する工程をさらに含むことが好ましい。このような工程を設けることにより、十分な結合強度を有する原紙であって、燻煙透過性の高い原紙を得ることができる。
本発明では、上記のように抄紙する工程の前に、フリーネスが550〜700mlとなるように植物繊維(原料パルプ)を叩解する工程をさらに含むことが好ましい。このような工程を設けることにより、十分な結合強度を有する原紙であって、燻煙透過性の高い原紙を得ることができる。
<平滑化処理>
さらに、原紙には、平滑化処理を施してもよい。平滑化処理は、例えば加圧可能なロール間で原紙を加圧処理することにより実施することが好ましい。なお、平滑化処理を施す際には、原紙の表面に接するロールは平滑な表面を有し、加熱可能な金属製ロールがあることが好ましい。平滑化処理は、上記の平滑化処理の他、原紙を抄紙する過程で、例えば一対の金属ロールを一組または複数組備えたカレンダーロールによるカレンダー処理(マシンカレンダーによるカレンダー処理)、金属製ロールと樹脂製ロールとを一組または複数組備えたカレンダーロールによるカレンダー処理(ソフトカレンダーによるカレンダー処理)、ヤンキードライヤーによる乾燥処理等により実施することもできる。
さらに、原紙には、平滑化処理を施してもよい。平滑化処理は、例えば加圧可能なロール間で原紙を加圧処理することにより実施することが好ましい。なお、平滑化処理を施す際には、原紙の表面に接するロールは平滑な表面を有し、加熱可能な金属製ロールがあることが好ましい。平滑化処理は、上記の平滑化処理の他、原紙を抄紙する過程で、例えば一対の金属ロールを一組または複数組備えたカレンダーロールによるカレンダー処理(マシンカレンダーによるカレンダー処理)、金属製ロールと樹脂製ロールとを一組または複数組備えたカレンダーロールによるカレンダー処理(ソフトカレンダーによるカレンダー処理)、ヤンキードライヤーによる乾燥処理等により実施することもできる。
<剥離層の塗工>
シリコーン系樹脂を含む塗工液を原紙上に塗工する方法は、特に限定されるものではないが、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、5本ロールコーターなどの塗工方式が使用可能である。中でも、無溶剤シリコーンのような微量な塗布物を均一に塗布する際には5本ロールコーターが好適に用いられる。
シリコーン系樹脂を含む塗工液の塗工量は、0.1〜5.0g/m2であることが好ましく、0.4〜3.0g/m2であることがより好ましく、0.5〜2.0g/m2であることがさらに好ましい。
シリコーン系樹脂を含む塗工液を原紙上に塗工する方法は、特に限定されるものではないが、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、5本ロールコーターなどの塗工方式が使用可能である。中でも、無溶剤シリコーンのような微量な塗布物を均一に塗布する際には5本ロールコーターが好適に用いられる。
シリコーン系樹脂を含む塗工液の塗工量は、0.1〜5.0g/m2であることが好ましく、0.4〜3.0g/m2であることがより好ましく、0.5〜2.0g/m2であることがさらに好ましい。
シリコーン系樹脂を含む塗工液を両面に塗工するには、片側ずつ適宜塗工する方法を採用することができる。また、原紙の表裏両面に剥離層を同時に塗工することは経済的にも好ましく、原紙の表裏両面に塗工を行えるような2つまたはそれ以上のコーターヘッドを装備した塗工機を用い、1パスで両面の塗工を行うこともできる。
シリコーン系樹脂を含む塗工液を塗工した後には、乾燥工程を設けることが好ましい。乾燥工程では、例えば、熱風乾燥機により110〜180℃の温度の熱風を当てて乾燥させることができる。また、紫外線、電子線を照射してシリコーン系樹脂を硬化させて、剥離層を形成させてもよい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
NBKP100質量%のパルプスラリーを用いて、米坪24g/m2、透気度0秒の包装紙用原紙を得た。得られた原紙に以下のようなシリコーン系樹脂を塗工し包装紙を得た。剥離用無溶剤系シリコーン(X−62−1358、信越化学工業社製)100質量部、白金触媒(PL56、信越化学工業社製)3質量部の混合物を、無溶剤シリコーン塗工用5本ロールコーターを用い、片面の塗工量が0.8g/m2となるように塗工し、熱風乾燥機により最高160℃の温度にて硬化させた。塗工終了後コーターヘッドバッキングロールへのシリコーンの付着は見られなかった。なお、包装紙の透気度は1秒であった。
NBKP100質量%のパルプスラリーを用いて、米坪24g/m2、透気度0秒の包装紙用原紙を得た。得られた原紙に以下のようなシリコーン系樹脂を塗工し包装紙を得た。剥離用無溶剤系シリコーン(X−62−1358、信越化学工業社製)100質量部、白金触媒(PL56、信越化学工業社製)3質量部の混合物を、無溶剤シリコーン塗工用5本ロールコーターを用い、片面の塗工量が0.8g/m2となるように塗工し、熱風乾燥機により最高160℃の温度にて硬化させた。塗工終了後コーターヘッドバッキングロールへのシリコーンの付着は見られなかった。なお、包装紙の透気度は1秒であった。
(実施例2)
実施例1のNBKP100質量%のかわりに、麻パルプ80質量%、NBKP20質量%の混合スラリーを用いて包装紙用原紙を得た以外は、実施例1と同様にして包装紙を得た。塗工終了後コーターヘッドバッキングロールへのシリコーンの付着は見られなかった。なお、包装紙の透気度は0秒であった。
実施例1のNBKP100質量%のかわりに、麻パルプ80質量%、NBKP20質量%の混合スラリーを用いて包装紙用原紙を得た以外は、実施例1と同様にして包装紙を得た。塗工終了後コーターヘッドバッキングロールへのシリコーンの付着は見られなかった。なお、包装紙の透気度は0秒であった。
(実施例3)
実施例2の原紙抄造の際にヤンキードライヤーを使用し片艶タイプの原紙を製造、その原紙を用いて実施例1と同様に原紙の艶面側にシリコーン塗工を行い、包装紙を得た。塗工終了後コーターヘッドバッキングロールへのシリコーンの付着は見られなかった。なお、包装紙の透気度は0秒であった。
実施例2の原紙抄造の際にヤンキードライヤーを使用し片艶タイプの原紙を製造、その原紙を用いて実施例1と同様に原紙の艶面側にシリコーン塗工を行い、包装紙を得た。塗工終了後コーターヘッドバッキングロールへのシリコーンの付着は見られなかった。なお、包装紙の透気度は0秒であった。
(実施例4)
実施例2のシリコーン系樹脂のかわりに、剥離紙用無溶剤系シリコーン(X−62−1358、信越化学工業社製)100質量部、トルエン100質量部、白金触媒(PL56、信越化学工業社製)3質量部の混合物を使用した以外は、実施例2と同様にして剥離紙を得た。塗工終了後コーターヘッドバッキングロールへのシリコーンの付着は見られなかった。なお、包装紙の透気度は0秒であった。
実施例2のシリコーン系樹脂のかわりに、剥離紙用無溶剤系シリコーン(X−62−1358、信越化学工業社製)100質量部、トルエン100質量部、白金触媒(PL56、信越化学工業社製)3質量部の混合物を使用した以外は、実施例2と同様にして剥離紙を得た。塗工終了後コーターヘッドバッキングロールへのシリコーンの付着は見られなかった。なお、包装紙の透気度は0秒であった。
(比較例1)
溶剤系シリコーン(KS-837、信越化学工業社製)100質量部、トルエン200質量部、白金触媒(PL50T、信越化学工業社製)1.5質量部の混合物を、正転グラビアコーターを用いて片面の乾燥硬化後の塗工量が0.8g/m2となるように塗工した以外は実施例2と同様にして両面剥離処理型の包装紙を得た。その際コーターヘッドバッキングロール、およびコーター内のロールには多量のシリコーンが付着した。なお、包装紙の透気度は0秒であった。
溶剤系シリコーン(KS-837、信越化学工業社製)100質量部、トルエン200質量部、白金触媒(PL50T、信越化学工業社製)1.5質量部の混合物を、正転グラビアコーターを用いて片面の乾燥硬化後の塗工量が0.8g/m2となるように塗工した以外は実施例2と同様にして両面剥離処理型の包装紙を得た。その際コーターヘッドバッキングロール、およびコーター内のロールには多量のシリコーンが付着した。なお、包装紙の透気度は0秒であった。
(比較例2)
LBKP100質量%のパルプスラリーを用いて、米坪24g/m2、透気度4秒の包装紙用原紙を得た。この原紙を用いた以外は実施例1と同様にして包装紙を得た。その際コーターヘッドバッキングロール、およびコーター内のロールへのシリコーンが付着は見られなかった。なお包装紙の透気度は5秒であった。
LBKP100質量%のパルプスラリーを用いて、米坪24g/m2、透気度4秒の包装紙用原紙を得た。この原紙を用いた以外は実施例1と同様にして包装紙を得た。その際コーターヘッドバッキングロール、およびコーター内のロールへのシリコーンが付着は見られなかった。なお包装紙の透気度は5秒であった。
(評価)
<間欠部状態>
シリコーン樹脂塗工済みの包装紙に白金蒸着を行い、エネルギー分散型X線分析装置搭載の走査電子顕微鏡(S−3600N〔走査電子顕微鏡〕、日立ハイテクフィールディング社製/EX−350〔元素分析装置〕、堀場製作所社製)にて、CおよびSi元素のマッピング測定を行い、下記の基準で評価した。
○:良好な間欠部が形成されている。
×:剥離層が原紙の全面に形成されており、間欠部が形成されていない。
<間欠部状態>
シリコーン樹脂塗工済みの包装紙に白金蒸着を行い、エネルギー分散型X線分析装置搭載の走査電子顕微鏡(S−3600N〔走査電子顕微鏡〕、日立ハイテクフィールディング社製/EX−350〔元素分析装置〕、堀場製作所社製)にて、CおよびSi元素のマッピング測定を行い、下記の基準で評価した。
○:良好な間欠部が形成されている。
×:剥離層が原紙の全面に形成されており、間欠部が形成されていない。
<燻煙テスト>
豚バラ肉100質量部に対し、食塩3質量部をマッサージングしたものを上記包装紙にて包み、スモークチャンバー内で温度50℃、湿度10〜20%RHの条件下で20分間乾燥後、温度60℃の条件下で1時間程度燻煙処理をした。燻煙処理後1時間の風乾を行い、テスト用サンプルを得た。得られたサンプルにて包装紙を剥離後、燻煙効果確認を官能試験にて行い、燻煙効果を評価した。
○: 良好な燻煙風味が感じられる。
△: 燻煙風味が認められる。
×: 燻煙風味が認められない。
豚バラ肉100質量部に対し、食塩3質量部をマッサージングしたものを上記包装紙にて包み、スモークチャンバー内で温度50℃、湿度10〜20%RHの条件下で20分間乾燥後、温度60℃の条件下で1時間程度燻煙処理をした。燻煙処理後1時間の風乾を行い、テスト用サンプルを得た。得られたサンプルにて包装紙を剥離後、燻煙効果確認を官能試験にて行い、燻煙効果を評価した。
○: 良好な燻煙風味が感じられる。
△: 燻煙風味が認められる。
×: 燻煙風味が認められない。
<剥離性>
上記の<燻煙テスト>の項目で記載した条件において燻煙処理を実施した後、燻煙処理用包装紙を食材から剥離し、剥離性について、下記の基準で評価した。
○:問題なく包装紙を剥がすことができた。
△:包装紙を剥がすことができるが、剥離力が大きく、剥がし難い。
×:包装紙を剥がすことができず、包装紙破れが発生する。
上記の<燻煙テスト>の項目で記載した条件において燻煙処理を実施した後、燻煙処理用包装紙を食材から剥離し、剥離性について、下記の基準で評価した。
○:問題なく包装紙を剥がすことができた。
△:包装紙を剥がすことができるが、剥離力が大きく、剥がし難い。
×:包装紙を剥がすことができず、包装紙破れが発生する。
<シリコーン付着性>
製造工程において塗工機(コーターヘッドバンキングロール及びコーター内のロール)にどの程度シリコーン系樹脂が付着したかを評価した。
○: シリコーン系樹脂の付着はほとんど見られなかった。
△: シリコーン系樹脂の付着がやや見られた。
×: シリコーン系樹脂の付着が多量に見られた。
製造工程において塗工機(コーターヘッドバンキングロール及びコーター内のロール)にどの程度シリコーン系樹脂が付着したかを評価した。
○: シリコーン系樹脂の付着はほとんど見られなかった。
△: シリコーン系樹脂の付着がやや見られた。
×: シリコーン系樹脂の付着が多量に見られた。
評価結果から明らかなように、実施例1〜4の燻煙処理用包装紙は、優れた燻煙処理適性、剥離性を示し、かつシリコーンによる塗工機の汚染が発生しない良好な性能を示す。
一方、比較例1は、シリコーン系樹脂の粘度が低いため、塗工機にシリコーン系樹脂の付着が生じており、燻煙処理用包装紙の生産効率が著しく悪化した。 また、比較例2では、透気度の低い燻煙処理用包装紙が得られておらず、十分な燻煙風味の付与がされていなかった。
一方、比較例1は、シリコーン系樹脂の粘度が低いため、塗工機にシリコーン系樹脂の付着が生じており、燻煙処理用包装紙の生産効率が著しく悪化した。 また、比較例2では、透気度の低い燻煙処理用包装紙が得られておらず、十分な燻煙風味の付与がされていなかった。
本発明によれば、高い燻煙透過性と剥離性を兼ね備えた燻煙処理用包装紙を得ることができる。すなわち、本発明の燻煙処理用包装紙を用いれば、食材に良好な燻煙風味を付与することができる。さらに、本発明の燻煙処理用包装紙を用いて燻煙処理を行った場合、燻煙処理用包装紙由来の剥離片が食材に付着することを抑制することができるため、良品率が高く、異物混入の少ない燻製食品を製造することができる。さらに、本発明によれば、燻煙処理用包装紙の生産時のトラブルを減らすことができ、燻煙処理用包装紙の生産性を高めることができ産業上の利用可能性が高い。
Claims (9)
- 植物繊維を含む原紙上に、シリコーン系樹脂を含有した塗工液を塗工することにより形成される剥離層を有する燻煙処理用包装紙であって、
前記燻煙処理用包装紙の透気度が2秒以下であり、
前記塗工液の25℃における粘度が100mPa・sより大きいことを特徴とする燻煙処理用包装紙。 - 前記剥離層は間欠部を有することを特徴とする請求項1に記載の燻煙処理用包装紙。
- 前記塗工液の25℃における粘度は、150〜600mPa・sであることを特徴とする請求項1又は2に記載の燻煙処理用包装紙。
- 前記塗工液の塗工量は、0.1〜5.0g/m2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燻煙処理用包装紙。
- 前記塗工液中の有機溶剤の含有率は、20質量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燻煙処理用包装紙。
- 前記原紙に含まれる植物繊維のフリーネスは、550〜700mlであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燻煙処理用包装紙。
- 前記原紙は、麻パルプを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燻煙処理用包装紙。
- 前記原紙の坪量は、10〜80g/m2であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の燻煙処理用包装紙。
- 前記剥離層は、前記原紙の両面に設けられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の燻煙処理用包装紙。
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-
2013
- 2013-06-18 JP JP2013127220A patent/JP2015001037A/ja active Pending
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