JP7268548B2 - 疑似接着紙用原紙、疑似接着紙および配送伝票用紙 - Google Patents
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Description
しかし、特許文献1および2では、疑似接着紙の接着力の経時的な低下について検討されておらず、課題を有していた。
すなわち、本発明は、以下の<1>~<10>に関する。
<1> 加圧により剥離可能に疑似接着される疑似接着紙に用いられる疑似接着紙用原紙であって、
疑似接着剤が付与される面における表面開口率が、1.00%以上1.50%以下である、疑似接着紙用原紙。
<2> JIS P 8121-2:2012に準拠したカナダ標準ろ水度が、350mL以上450mL以下である原料パルプからなる、<1>に記載の疑似接着紙用原紙。
<3> 前記原料パルプ中の広葉樹晒クラフトパルプの含有量が75質量%以上である、<2>に記載の疑似接着紙用原紙。
<4> 前記疑似接着紙用原紙を構成する繊維の平均繊維長が、0.65mm以上1.00mm以下である、<1>~<3>のいずれかに記載の疑似接着紙用原紙。
<5> 前記疑似接着紙用原紙を構成する繊維のルンケル比が、0.90以下である、<1>~<4>のいずれかに記載の疑似接着紙用原紙。
<6> 厚さが5μm以上100μm以下であり、かつ、坪量が30g/m2以上100g/m2未満である、<1>~<5>のいずれかに記載の疑似接着紙用原紙。
<7> <1>~<6>のいずれかに記載の疑似接着紙用原紙の片面側のみに、疑似接着剤から形成される疑似接着剤層を有する疑似接着紙。
<8> 前記疑似接着剤が、アクリル系接着剤、および酢酸ビニル系接着剤のいずれか1種以上を65質量%以上85質量%以下、合成シリカを12.5質量%以上32.5質量%以下、かつ、澱粉を0.5質量%以上2.5質量%以下含有する、<7>に記載の疑似接着紙。
<9> 前記合成シリカの平均粒子径が0.2μm以上3.0μm以下であり、かつ、前記澱粉の平均粒子径が7.0μm以上15.0μm以下である、<8>に記載の疑似接着紙。
<10> <7>~<9>のいずれかに記載の疑似接着紙の疑似接着剤層面側にラベル紙を備え、疑似接着剤層の反対面側に粘着剤、剥離紙が順次積層される配送伝票用紙。
本発明の疑似接着紙用原紙は、加圧により剥離可能に疑似接着される疑似接着紙に用いられる疑似接着紙用原紙であって、疑似接着剤が付与される面における表面開口率が、1.00%以上1.50%以下である。
表面開口率とは、疑似接着紙用原紙の疑似接着剤が付与される面を観察したときに、表面空隙部分と認められる、表面より低くなっている部分(開口部)の面積比率をいう。詳細については後述する。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
原料パルプとしては、たとえば木材パルプ、非木材パルプ、および脱墨パルプが挙げられる。木材パルプとしては、特に限定されないが、たとえば広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の機械パルプ等が挙げられる。非木材パルプとしては、特に限定されないが、たとえばコットンリンター、コットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わら、竹、バガス等の非木材系パルプが挙げられる。脱墨パルプとしては、特に限定されないが、たとえば古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられる。原料パルプは、上記の1種を単独でも2種以上混合して用いてもよい。なお、原料パルプに、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機合成繊維、ポリノジック繊維等の再生繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機繊維を混用してもよい。
原料パルプは、JIS P 8121-2:2012に準拠したカナダ標準ろ水度(CSF)が、350mL以上450mL以下であることが好ましい。原料パルプのCSFが上記範囲内であると、疑似接着紙用原紙は、紙の伸縮率が上がらずにカールが発生しにくいため、使用性に優れるとともに、接着力に優れ、接着力の経時的な低下を抑制することができる。上記観点から、原料パルプのCSFは、より好ましくは380mL以上、さらに好ましくは390mL以上、よりさらに好ましくは400mL以上であり、そして、より好ましくは445mL以下、さらに好ましくは435mL以下、よりさらに好ましくは420mL以下である。
CSFは、2種以上の原料パルプを使用する場合には、別々に叩解したパルプを混合して上記範囲内に調整してもよいし、予め混合したパルプを叩解して上記範囲内に調整してもよい。なお、パルプを叩解する方法は、特に限定されず、リファイナー等の一般的な叩解機が用いられる。
疑似接着紙用原紙を構成する繊維の平均繊維長は、0.65mm以上1.00mm以下であることが好ましい。平均繊維長が上記範囲内であると、接着力および内部結合強度に優れ、疑似接着剤層に疑似接着される被接着体を剥がす際に、疑似接着紙が層間剥離してしまうことを防ぐことができる。上記観点から、平均繊維長は、より好ましくは0.70mm以上、さらに好ましくは0.75mm以上、よりさらに好ましくは0.80mm以上であり、そして、より好ましくは0.95mm以下である。
疑似接着紙用原紙を構成する繊維の繊維長は、繊維長測定装置(たとえば、メッツォ社製の「カヤーニファイバーラボ」)を用いて2回測定され、その平均値を平均繊維長とする。
本発明では、接着力に優れ、接着力の経時的な低下を抑制することができる疑似接着紙を得る観点から、疑似接着紙用原紙を構成する繊維のルンケル比は、0.90以下であることが好ましい。上記観点から、ルンケル比は、より好ましくは0.85以下であり、そして、好ましくは0.50以上、より好ましくは0.60以上、さらに好ましくは0.70以上である。
疑似接着紙用原紙を構成する繊維のルンケル比は、下記式により算出される。
ルンケル比=繊維壁厚×2/ルーメン径
繊維壁厚およびルーメン径は、繊維長測定装置(たとえば、メッツォ社製の「カヤーニファイバーラボ」)を用いて測定される。
疑似接着紙用原紙は、必要に応じて、たとえば、アニオン性、カチオン性もしくは両性の歩留剤、濾水性向上剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、填料、サイズ剤等の内添助剤、染料、蛍光増白剤等の任意成分を含んでいてもよい。
乾燥紙力増強剤としては、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。乾燥紙力増強剤の含有量は、特に限定されないが、原料パルプ(絶乾質量)100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.07質量部以上であり、そして、好ましくは1.0質量部以下、より好ましくは0.7質量部以下である。
湿潤紙力増強剤としては、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
填料としては、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の無機填料、アクリル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等の有機填料が挙げられる。
サイズ剤としては、ロジンサイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤等の内添サイズ剤、スチレン/アクリル酸共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体等の表面サイズ剤が挙げられる。
疑似接着紙用原紙の製造方法は、上記の原料パルプを含むスラリーを抄紙する工程を含むことが好ましい。
抄紙方法については、特に限定されず、たとえばpHが4.5付近で抄紙を行う酸性抄紙法、pHが約6~約9で抄紙を行う中性抄紙法等が挙げられる。
抄紙工程では、必要に応じて、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙工程用薬剤を適宜添加できる。
抄紙機についても、特に限定されず、たとえば長網式、円網式、傾斜式等の連続抄紙機、またはこれらを組み合わせた多層抄き合わせ抄紙機等が挙げられる。
(表面開口率)
疑似接着紙用原紙の疑似接着剤が付与される面における表面開口率は、1.00%以上1.50%以下である。表面開口率が上記範囲内であると、疑似接着剤層が十分に形成され、疑似接着剤が疑似接着紙用原紙へ過度に浸透してしまうことを抑制できるので、接着力に優れ、接着力が経時的に低下することを抑制することができる。上記観点から、表面開口率は、好ましくは1.10%以上であり、そして、好ましくは1.40%以下、より好ましくは1.30%以下である。
疑似接着紙用原紙の疑似接着剤が付与される面における表面開口率は、次のように求められる。疑似接着紙用原紙において、疑似接着剤が付与される面の表面画像をSEMにより取得し、画像解析ソフトで読み込んで256階調に分級し、濃度値と度数とのヒストグラムにおいて、度数が最も大きくなる濃度値から60を引いた値を閾値として設定し、256階調に分級した疑似接着剤が付与される面の表面画像を2値化した際の黒色部分(開口部)の面積を3回測定して、表面画像全体の面積に占める黒色部分(開口部)の面積率を算出し、その平均値を表面開口率とする。
なお、疑似接着紙用原紙の表面開口率は、原料パルプの種類およびCSF、疑似接着紙用原紙を構成する繊維の平均繊維長およびルンケル比等を変更することにより調整することができる。
疑似接着紙用原紙の厚さは、35μm以上100μm以下であることが好ましい。厚さが上記範囲内であると、疑似接着紙用原紙が用いられる疑似接着紙を配送伝票用紙等に好適に用いることができる。上記観点から、厚さは、より好ましくは42μm以上、さらに好ましくは50μm以上であり、そして、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは70μm以下、よりさらに好ましくは60μm以下である。
疑似接着紙用原紙の厚さは、JIS P 8118:2014に準拠して測定される。
疑似接着紙用原紙の坪量は、30g/m2以上100g/m2未満であることが好ましい。坪量が上記範囲内であると、疑似接着紙用原紙が用いられる疑似接着紙を配送伝票用紙等に好適に用いることができる。上記観点から、坪量は、より好ましくは35g/m2以上、さらに好ましくは40g/m2以上であり、そして、より好ましくは90g/m2以下、さらに好ましくは70g/m2以下、よりさらに好ましくは50g/m2以下である。
疑似接着紙用原紙の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定される。
疑似接着紙用原紙の内部結合強さは、疑似接着剤層に疑似接着される被接着体を剥がす際に、疑似接着紙が層間剥離することを抑制する観点から、好ましくは250J/m2以上、より好ましくは400J/m2以上、さらに好ましくは500J/m2以上であり、よりさらに好ましくは600J/m2以上であり、その上限は、層間剥離が十分に抑制され、原料パルプと紙料を調製するコストを下げるといった経済性の観点から、好ましくは750J/m2以下である。
疑似接着紙用原紙の内部結合強さは、JAPAN TAPPI No.18-2:2000に準拠して測定される。
疑似接着紙は、疑似接着紙用原紙の片面側のみに、疑似接着剤から形成される疑似接着剤層を有することが好ましいが、疑似接着紙用原紙の両面に疑似接着剤層を有していてもよい。疑似接着紙は、疑似接着紙用原紙上に形成された疑似接着剤層に被接着体を剥離可能に疑似接着することができる。なお、疑似接着紙には、上述した疑似接着紙用原紙を用いることができる。
本発明の疑似接着剤層を形成する疑似接着剤は、基剤として、好ましくはアクリル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、およびゴム系接着剤のいずれか1種以上を含有し、より好ましくはアクリル系接着剤、および酢酸ビニル系接着剤のいずれか1種以上を含有する。
微粒子充填剤として、合成シリカと澱粉とを併用する場合、疑似接着剤は、アクリル系接着剤、および酢酸ビニル系接着剤のいずれか1種以上を65質量%以上85質量%以下、合成シリカを12.5質量%以上32.5質量%以下、かつ、澱粉を0.5質量%以上2.5質量%以下含有することが好ましい。疑似接着剤中の各成分の含有量を上記範囲内にすると、接着力、加工性等に優れる。
微粒子充填剤としてタルクを用いる場合、タルクの平均粒子径は、2.0μm以上5.0μm以下であることが好ましい。平均粒子径が上記範囲内であると、接着力、加工性等に優れる。
疑似接着紙は、疑似接着紙用原紙上に疑似接着剤層を形成することにより得られる。疑似接着紙用原紙に疑似接着剤層を形成する方法は、特に限定されず、疑似接着紙用原紙に、疑似接着剤を塗布する方式、フィルム状にした疑似接着剤を圧着する方式、疑似接着剤を紫外線硬化型ワニス組成物として塗布した後に紫外線を照射して硬化させる方式等を採用することができる。
被接着体としてラベル紙を疑似接着加工した直後の疑似接着紙とラベル紙との引きはがし粘着力は、ラベル紙が意図しないときに剥がれてしまうことを防ぐ観点から、好ましくは0.40N/50mm以上、より好ましくは0.50N/50mm以上、さらに好ましくは0.60N/50mm以上、よりさらに好ましくは0.70N/50mm以上である。
促進試験後の疑似接着紙とラベル紙との引きはがし粘着力は、ラベル紙が意図しないときに剥がれてしまうことを防ぐ観点から、好ましくは0.40N/50mm以上、より好ましくは0.45N/50mm以上であり、その上限は、ラベル紙を剥がす際に、ラベル紙の破れ、層間剥離、およびカールを防ぎ、取り扱いやすくする観点から、好ましくは0.55N/50mm以下である。
疑似接着紙とラベル紙との引きはがし粘着力は、JIS Z 0237:2009に準拠して測定される。なお、促進試験は、ラベル紙が疑似接着された疑似接着紙を、40℃、かつ90%RHの条件下で7日間放置して行う。
配送伝票用紙は、疑似接着紙の疑似接着剤層面側にラベル紙を備え、疑似接着剤層の反対面側に粘着剤、剥離紙が順次積層されることが好ましい。より詳しくは、配送伝票用紙の最表面がラベル紙であり、ラベル紙の下に疑似接着紙、粘着剤および剥離紙が順次積層されることが好ましい。なお、配送伝票用紙には、上述した疑似接着紙を用いることができる。
実施例および比較例の原料パルプ、疑似接着紙用原紙、および疑似接着紙について、以下の評価および分析を行った。
(カナダ標準ろ水度(CSF)の測定)
原料パルプのカナダ標準ろ水度(CSF)は、JIS P 8121-2:2012に準拠して測定した。
(表面開口率)
表面開口率は、疑似接着紙用原紙において、疑似接着剤が付与される面の表面画像を、(株)日立ハイテクノロジーズ製の「走査電子顕微鏡 S-3600N」により取得し、(株)アイスペック製の画像解析ソフト「IOMate2007」で読み込んで256階調に分級し、濃度値と度数とのヒストグラムにおいて、度数が最も大きくなる濃度値から60を引いた値を閾値として設定し、256階調に分級した疑似接着剤が付与される面の表面画像を2値化した際の黒色部分(開口部)の面積を3回測定して、表面画像全体の面積(1.72mm×2.56mm)に占める黒色部分(開口部)の面積率を算出し、その平均値を表面開口率とした。
疑似接着紙用原紙の厚さは、JIS P 8118:2014に準拠して測定した。
疑似接着紙用原紙の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定した。
上述した測定方法により得られた厚さおよび坪量から、疑似接着紙用原紙の密度を算出した。
疑似接着紙用原紙の内部結合強さは、JAPAN TAPPI No.18-2:2000に準拠して測定した。
(平均繊維長の測定)
疑似接着紙用原紙を構成する繊維の平均繊維長は、JIS P 8220-1:2012に準拠して疑似接着紙を離解し、メッツォ社製の繊維長測定装置「カヤーニファイバーラボVer4.0」を用いて、離解した繊維の繊維長を2回測定し、その平均値を、疑似接着紙用原紙を構成する繊維の平均繊維長とした。
疑似接着紙用原紙を構成する繊維のルンケル比は、JIS P 8220-1:2012に準拠して疑似接着紙を離解し、メッツォ社製の繊維長測定装置「カヤーニファイバーラボVer4.0」を用いて、離解した繊維の繊維壁厚およびルーメン径を2回測定し、下記式によりルンケル比を算出し、その平均値を、疑似接着紙用原紙を構成する繊維のルンケル比とした。
ルンケル比=繊維壁厚×2/ルーメン径
王子イメージングメディア(株)製のラベル紙「PD151DL」(坪量:65g/m2)を疑似接着加工した直後の疑似接着紙とラベル紙との引きはがし粘着力は、JIS Z 0237:2009に準拠して測定した。
また、促進試験後の疑似接着紙とラベル紙との引きはがし粘着力は、王子イメージングメディア(株)製のラベル紙「PD151DL」(坪量:65g/m2)が疑似接着された疑似接着紙を、40℃、かつ90%RHの条件下で7日間放置し、JIS Z 0237:2009に準拠して測定を行った。
<疑似接着紙用原紙の製造>
広葉樹晒クラフトパルプ80質量%、および針葉樹晒クラフトパルプ20質量%からなる原料パルプをJIS P 8121-2:2012に準拠して測定されるカナダ標準ろ水度(CSF)が400mLとなるように調製し、原料パルプ(絶乾質量)100質量部に対して、カチオン化澱粉(ピラーP3Y、ピラースターチ(PIRAAB STARCH)社製)0.2質量部を添加して紙料を調製し、該紙料をメッツォ製の長網抄紙機により抄紙し、乾燥して疑似接着紙用原紙Aを作製した。得られた疑似接着紙用原紙Aについて、表面開口率、厚さ、坪量、および内部結合強さの測定、ならびに密度の算出を行った。その結果を表1に示す。
<疑似接着紙の製造>
アクリル系接着剤を76質量%、合成シリカ(平均粒子径:1.3μm)を22.3質量%、澱粉(平均粒子径:12.4μm)を1.7質量%含有する疑似接着剤を、疑似接着紙用原紙Aの片面にバーコーター(10番手)を用いて塗布し、疑似接着紙1を作製した。得られた疑似接着紙1について、疑似接着紙用原紙Aを構成する繊維の平均繊維長およびルンケル比、ならびに得られた疑似接着紙1とラベル紙との接着力の測定を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、広葉樹晒クラフトパルプ83質量%、および針葉樹晒クラフトパルプ17質量%からなる原料パルプを用いて、CSFが440mLとなるように調製し、疑似接着紙用原紙Bの表面開口率を1.26%とした以外は、実施例1と同様にして疑似接着紙用原紙Bおよび疑似接着紙2を作製し、実施例1と同様に測定等を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、CSFが480mLとなるように調製し、疑似接着紙用原紙Cの表面開口率を1.89%とした以外は、実施例1と同様にして疑似接着紙用原紙Cおよび疑似接着紙3を作製し、実施例1と同様に測定等を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、広葉樹晒クラフトパルプ70質量%、および針葉樹晒クラフトパルプ30質量%からなる原料パルプを用いて、CSFが430mLとなるように調製し、疑似接着紙用原紙Dの表面開口率を1.74%とした以外は、実施例1と同様にして疑似接着紙用原紙Dおよび疑似接着紙4を作製し、実施例1と同様に測定等を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、広葉樹晒クラフトパルプ75質量%、および針葉樹晒クラフトパルプ25質量%からなる原料パルプを用いて、CSFが430mLとなるように調製し、疑似接着紙用原紙Eの表面開口率を1.82%とした以外は、実施例1と同様にして疑似接着紙用原紙Eおよび疑似接着紙5を作製し、実施例1と同様に測定等を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、広葉樹晒クラフトパルプ90質量%、および針葉樹晒クラフトパルプ10質量%からなる原料パルプを用いて、CSFが375mLとなるように調製し、疑似接着紙用原紙Fの表面開口率を0.96%とした以外は、実施例1と同様にして疑似接着紙用原紙Fおよび疑似接着紙6を作製し、実施例1と同様に測定等を行った。その結果を表1に示す。
Claims (9)
- 加圧により剥離可能に疑似接着される疑似接着紙に用いられる疑似接着紙用原紙であって、
疑似接着剤が付与される面における表面開口率が、1.00%以上1.50%以下である、疑似接着紙用原紙。 - JIS P 8121-2:2012に準拠したカナダ標準ろ水度が、350mL以上450mL以下である原料パルプからなる、請求項1に記載の疑似接着紙用原紙。
- 前記原料パルプ中の広葉樹晒クラフトパルプの含有量が75質量%以上である、請求項2に記載の疑似接着紙用原紙。
- 前記疑似接着紙用原紙を構成する繊維の平均繊維長が、0.65mm以上1.00mm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の疑似接着紙用原紙。
- 前記疑似接着紙用原紙を構成する繊維のルンケル比が、0.90以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の疑似接着紙用原紙。
- 厚さが35μm以上100μm以下であり、かつ、坪量が30g/m2以上100g/m2未満である、請求項1~5のいずれか1項に記載の疑似接着紙用原紙。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の疑似接着紙用原紙の片面側のみに、疑似接着剤から形成される疑似接着剤層を有する疑似接着紙。
- 前記疑似接着剤が、アクリル系接着剤、および酢酸ビニル系接着剤のいずれか1種以上を65質量%以上85質量%以下、合成シリカを12.5質量%以上32.5質量%以下、かつ、澱粉を0.5質量%以上2.5質量%以下含有する、請求項7に記載の疑似接着紙。
- 請求項7または8に記載の疑似接着紙の疑似接着剤層面側にラベル紙を備え、疑似接着剤層の反対面側に粘着剤、剥離紙が順次積層される配送伝票用紙。
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