JP2014221754A - 化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然物由来で生体安全性にすぐれ、皮膚を若々しく健全な状態に保持し、又は改善し得る美肌効果及び美白効果を有するとともに、紫外線や化学物質などの外的環境因子による肌のダメージの予防、改善効果を有する有効成分を配合した化粧料の提供。【解決手段】バラ科サクラ属のアンズ又はホンアンズ或いは、近縁のスモモ,梅の抽出物から得られ、抗炎症作用及び皮膚一次刺激抑制作用、並びに抗酸化作用有する抽出物を有効成分とする化粧料であって、肌の老化(シワ、タルミ等)の予防及び改善効果、肌のハリ、ツヤの向上効果、外的要因(紫外線や化学物質)による肌の酸化ダメージ、炎症、及び皮膚刺激の予防及び改善効果、並びにシミ、ソバカス、肝斑等の予防及び改善効果を奏する。【選択図】図1

Description

本発明は、バラ科サクラ属のアンズ(Prunus armeniaca Linne var anus Maximowicz)又はホンアンズ(Prunus armeniaca Linne)から得られ、すぐれた生体安全性を有し、かつ、美肌効果及び美白効果にすぐれた化粧料配合成分並びにかかる成分を配合してなる化粧料に関する。
皮膚の老化は、加齢に伴う細胞増殖・分化の不活化、ホルモン分泌の低下、細胞外マトリックス成分の量的低下などの内的要因と、太陽光(紫外線)や様々な化学物質に誘発される細胞・組織の損傷、又は炎症などの外的要因とが複雑に絡み合って生ずる現象である。皮膚の老化は、シワ、タルミの形成や皮膚の弾力性の低下や、シミ、ソバカス、肝斑などとなって現れる。
この皮膚の老化を防ぎ、皮膚を健全、かつ、若々しい状態に保持するため、従来、種々の活性成分の使用が提案され、それら活性成分(美肌成分、美白成分等)を配合した化粧品が上市されている。例えば、ビタミンC、ビタミンE、スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide dismutase;以下SODと略記)、カタラーゼなどの抗酸化剤;グリチルリチン酸などの抗炎症剤;各種紫外線吸収剤;α−ヒドロキシカルボン酸、胎盤抽出液、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸などの細胞賦活成分;コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分;尿素などの保湿剤がそれである。また、皮膚のシミ、ソバカス、肝斑等の色素沈着の発生を抑制する物質としては、アルブチン、コウジ酸などが知られており、美白剤の有効成分として広く使用されている。
以上のように、従来、様々な皮膚老化現象のメカニズムに基づいて、美肌化剤及び美白剤が提案されているが、皮膚などに対する安全性、また、実際に皮膚に適用した際の有効性の観点で問題が存在する。
さらに、近年、様々な外的環境因子(紫外線、化学物質、ハウスダスト、花粉)による肌に対するダメージの予防、改善の有効性を発揮する化粧料成分が求められているが、その課題を十分に満足する成分については、まだ知られていない。
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑みて、皮膚安全性の観点から天然物由来の美肌成分及び美白成分で、かつ、様々な外的環境因子から肌を保護することができる成分を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、バラ科サクラ属のアンズ(Prunus armeniaca Linne var anus Maximowicz)又はホンアンズ(Prunus armeniaca Linne)の抽出物が、抗炎症作用及び皮膚一次刺激抑制作用、並びに抗酸化作用を有し、それらの相乗作用により、当該抽出物を配合することですぐれた美肌効果及び美白効果を有し、かつ、外的環境因子が要因となる肌ダメージの予防及び改善効果を有する化粧料の提供が可能になることを見出した。
従来、バラ科サクラ属のアンズの抽出物を配合した頭部化粧料(特許文献1)、プロテアーゼ阻害剤(特許文献2)、浴用剤(特許文献3)、抗アレルギー剤(特許文献4)が提案されている。
特開平03−188013号公報 特開平10−338642号公報 特開平2000−186031号公報 特開平2001−064192号公報
しかし、従来、アンズの抽出物が、抗炎症作用及び皮膚一次刺激抑制作用、並びに抗酸化作用を有し、それらの相乗作用により、当該抽出物を配合することですぐれた美肌効果及び美白効果を有し、かつ、外的環境因子が要因となる肌ダメージの予防及び改善効果を有することについては、知られてなかった。
本発明は、バラ科サクラ属のバラ科サクラ属のアンズ(Prunus armeniaca Linne var anus Maximowicz)又はホンアンズ(Prunus armeniaca Linne)の抽出物を有効成分として含有する化粧料である。
また、本発明においてはアンズの果実を使用することが好ましい。
なお、本明細書において化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品までも含む広義で用いる。
本発明は、バラ科サクラ属の植物であるバラ科サクラ属のアンズ(Prunus armeniaca Linne var anus Maximowicz)又はホンアンズ(Prunus armeniaca Linne)の抽出物を有効成分とする化粧料であって、当該抽出物が奏する抗炎症作用(脱顆粒抑制)及び皮膚一次刺激抑制作用、並びに抗酸化作用を有し、それらの相乗作用により、肌のシワ、タルミ等の老化防止効果、肌のハリ、ツヤの改善効果、シミ、ソバカス、肝斑などの色素沈着を予防、改善効果、さらには、外的環境因子による肌のダメージの予防及び改善効果を有する化粧料を提供することができる。
図1は、本発明に係るアンズ抽出物の脱顆粒抑制効果を示す図である。 図2は、本発明に係るアンズ抽出物のDPPHラジカル消去効果を示す図である。 図3は、本発明に係るアンズ抽出物のSOD様活性効果を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明で用いる抽出素材は、バラ科サクラ属のアンズ(Prunus armeniaca Linne var anus Maximowicz)又はホンアンズ(Prunus armeniaca Linne)であっていずれの品種(変種もしくは亜種、或いは交配種)のものであっても良い。また、アンズの近縁植物であるスモモ(Prunus salicina)又はウメ(Prunus mume)であっても良い。
本発明に用いる素材は、アンズ、ホンアンズ、スモモ又はウメの全草、果実、果皮、葉、花部、茎、種子、根等、いずれを用いても良いが、全草、或いは果実、花部の使用が好ましい。アンズ、ホンアンズ、スモモ又はウメの使用部位の採取時期及び大きさ等は特に限定されるものではなく、いずれの大きさ、採取時期のものを使用しても良い。
抽出物の調製は、まず、アンズ、ホンアンズ、スモモ又はウメの使用部位(例えば、全草、花部及び/又は果実)を、必要ならば予め水洗して異物を除いた後、そのまま又は乾燥した上、必要に応じて細切又は粉砕し、或いはペースト状にし、抽出溶媒と接触させて抽出を行う。抽出は、浸漬法等の常法に従って素材を抽出溶媒と接触させることで行うことが可能であるが、超臨界抽出法や水蒸気蒸留法を用いることも可能である。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独で又は二種以上混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物の抗炎症作用及び皮膚一次刺激抑制作用並びに抗酸化作用、さらには、化粧料への幅広い適用が可能であるという点からも、本発明においては、水、低級アルコール類又は多価アルコール類などの親水性溶媒が好適である。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば、水、低級アルコール類(特にエタノール)、又は多価アルコール(特に、1,3−ブチレングリコール)の単独使用、或いは、水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒、又は水と多価アルコール類(特に1,3−ブチレングリコール,グリセリン)との混合溶媒の使用等が挙げられるが、なかでも水単独、又は水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒が特に好ましい。
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜20:1、水とエタノールとの混合溶媒であれば、1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜20:1の範囲とすることが好ましい。
また、アンズの素材と抽出溶媒との重量比は好ましくは1:50〜50:1の範囲であり、より好ましくは、1:1〜1:35の範囲である。
抽出物の調製に際して、そのpHに特に限定はないが、一般には3〜9の範囲とすることが好ましい。かかる意味で、必要であれば、前記抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤、又はクエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
抽出温度、抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpHによっても異なるが、例えば、水もしくは1,3−ブチレングリコール、又は水と1,3−ブチレングリコールとの混液を溶媒とする場合であれば、抽出温度は好ましくは0℃〜90℃の範囲であり、より好ましく0℃〜80℃の範囲であり、又抽出時間は好ましくは1〜168時間(1時間〜1週間)であり、より好ましくは1〜120時間(1時間〜5日間)の範囲である。
なお、本発明の抽出処理に先立って、又は抽出処理と並行して、必要に応じてアンズに加水分解処理を施してもよい。これによって、アンズ、ホンアンズ、スモモ又はウメ抽出物の保存安定性等を改善して、化粧料配合剤としての抽出物をより有効に利用できる可能性がある。
抽出物に酵素加水分解処理を施す場合、酵素としては、アクチナーゼ、パパイン、ペプシンなどの蛋白分解酵素、グルコアミラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼなどの澱粉分解酵素、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼなどの繊維素分解酵素、及びリパーゼなどの脂肪分解酵素のいずれかの酵素群から選ばれた1種又は2種以上を用いてもよいが、それらの酵素群からそれぞれ選ばれた1種又は2種以上の酵素を組み合わせて用いることがより好ましい。
酵素の添加量は、例えば、アンズ、ホンアンズ、スモモ又はウメの全草、或いは花部及び/又は果実であれば、その固形分に対して、合計で0.01〜10重量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜2.0重量%の範囲である。
上述のように調製した抽出物は、一般にはpHを4〜8に調製した上で、これをそのままの状態で化粧料配合剤として使用しても良く、又減圧濃縮等により所望の濃度として使用しても良い。また、抽出物はスプレードライ法等の常法により乾燥物としても良い。
また、上述のように調製した抽出物は、保存安定性等を高めるために、一定時間冷蔵保存した上で、上清を化粧料配合剤として使用しても良い。
本発明のアンズ、ホンアンズ、スモモ又はウメの抽出物を含む化粧料(医薬部外品も含む)としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パックなどの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉などのメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディシャンプー、毛髪用シャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、育毛剤、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の化粧料におけるアンズ、ホンアンズ、スモモ又はウメの抽出物の配合量は、抽出物の固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、又清浄用化粧料の場合は、一般に0.002〜10.0重量%、好ましくは0.02〜7.0重量%の範囲である。
本発明の化粧料には、必須成分のアンズ、ホンアンズ、スモモ又はウメの抽出物のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、乳化剤又は乳化助剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、その他の生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。また、本発明のアンズの抽出物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分と組み合わせて化粧料に配合することも何ら差し支えない。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
乳化剤乃至乳化助剤としては、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;シラン根(白及)抽出物;ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体(例えば、ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等)、ムラサキシキブ抽出物、シャクヤク抽出物、シラン根(白及)抽出物等がある。
美白剤としては、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4−メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5,5'−ジプロピル−ビフェニル−2,2’−ジオール)、4−HPB(ロドデノール、4−(4−ヒドロキシフェニル)−4−ブタノール))、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α−ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)が挙げられ、これらを単独で配合しても、複数を組み合わせて配合しても良い。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−5−グルコシドなどのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)などが挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
生理活性成分としては、美白成分として、例えば、胎盤抽出液、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、シソ抽出物、米糠抽出物又はその加水分解物、白芥子抽出物又はその加水分解物、白芥子の発酵物、シャクヤク抽出物又はその加水分解物、乳酸菌醗酵米、ムラサキシキブ抽出物、ハス種子抽出物又はその加水分解物、ハス種子発酵物、党参抽出物、ハトムギ加水分解物、ハトムギ種子発酵物、ローヤルゼリー発酵物、酒粕発酵物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物等が上げられ、抗老化成分として、サンゴ草抽出物、イネの葉の抽出物又はその加水分解物、ナス(水ナス、長ナス、賀茂ナス、米ナス等)抽出物又はその加水分解物、カタメンキリンサイ等の海藻の抽出物、アマモ等の海産顕花植物の抽出物、豆乳発酵物、ダマスクバラ抽出物、クラゲ水、米抽出物又はその加水分解物、米醗酵エキス、発芽米抽出物又はその加水分解物、発芽米発酵物、黒豆抽出物又はその加水分解物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナ抽出物、甘草抽出物、ニンジン抽出物、アロエ抽出物、ミツイシコンブ抽出物、ヘチマ抽出物、アナアオサ抽出物、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物等がある。
次に、製造例、処方例及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1.ホンアンズ果実の抽出物溶液の調製
バラ科サクラ属のホンアンズの果実から果皮及び種子を取り除き、粉砕器でペースト状にした。この果実ペースト90gに1,3-ブチレングリコールを210g添加した後4℃で抽出した。これに精製水を410g添加した後ろ過し、褐色透明のホンアンズ果実抽出物溶液587gを得た(固形分濃度1.68%)。
製造例2.アンズ果実の抽出物溶液の調製
バラ科サクラ属のアンズの果実から種子を取り除き、粉砕器でペースト状にした。この果実ペースト90gに1,3-ブチレングリコールを210g添加した後4℃で抽出した。これに精製水を410g添加した後ろ過し、褐色透明のアンズ果実抽出物溶液580gを得た(固形分濃度1.61%)。
製造例3.アンズの花の抽出物溶液の調製
バラ科サクラ属のアンズの花を乾燥し、この花乾燥物1.5gに水を22.5g添加し、80℃にて抽出した。これをろ過し、褐色透明のアンズ花抽出物溶液16gを得た(固形分濃度2.46%)。
製造例4.ホンアンズの花の抽出物溶液の調製
バラ科サクラ属のホンアンズの花を乾燥し、この花乾燥物1gに水を15g加え、4℃にて浸漬し、1,3-ブチレングリコールを15g添加した後4℃で抽出した。これをろ過し、褐色透明のアンズ果実抽出物溶液26gを得た(固形分濃度1.05%)。
製造例5.ホンアンズの全草の抽出物溶液の調製
バラ科サクラ属のホンアンズの全草を乾燥し、この全草乾燥物10gに水を150g加え、4℃にて浸漬し、これに1,3-ブチレングリコールを150g添加した後4℃で抽出した。これをろ過し、褐色透明のアンズ全草抽出物溶液146gを得た(固形分濃度1.78%)。
処方例1.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の抽出物溶液 5.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
処方例2.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例2の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例3.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例3の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例4.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例4の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例5.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
[B成分]
製造例1の抽出物溶液 3.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
処方例6.乳液
処方例5のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてトラネキサム酸2.0部を用いるほかは処方例5と同様にして乳液を得た。
処方例7.乳液
処方例5のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは処方例5と同様にして乳液を得た。
処方例8.乳液
処方例5のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてソウハクヒ抽出物5.0部を用いるほかは処方例5と同様にして乳液を得た。
処方例9.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
[B成分]
製造例1の抽出物溶液 5.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
アルブチン 3.0
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
処方例10.エッセンス
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
製造例5の抽出物溶液 5.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
精製水にヒアルロン酸を溶解させた後、残りの原料を順次加えて攪拌溶解させ、透明のエッセンスを得た。
実施例11.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分] 部
製造例1の抽出物溶液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
処方例12.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例2の抽出物溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
実施例13.ヘアーシャンプー
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
[B成分] 部
クエン酸 0.1
製造例1の抽出物溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーシャンプーを得た。
実施例14.ヘアーリンス
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
[B成分] 部
製造例1の抽出物溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーリンスを得た。
試験例1.脱顆粒抑制効果試験
本発明に係るアンズ(ホンアンズ)の抽出物の抗炎症効果を細胞の脱顆粒抑制試験により評価した。ここで、皮膚細胞は、外的要因(紫外線や化学物質)の影響を受けると抗原が発生し、この抗原が抗塩基球やマスト細胞の脱顆粒(ヒスタミン、セロトニン及び好酸球遊走因子等の放出)に関与していることが知られている。この脱顆粒は皮膚の炎症やアレルギーの発症に関与することも知られていることから、本発明においては抗炎症効果を抗塩基球の脱顆粒抑制試験により評価した。
<実験方法>
ラット好塩基球白血病細胞(RBL-2H3)を、10%NCS含有イーグル最少必須培地に懸濁して96穴プレートに1×10個ずつ播種し、37℃で24時間培養した。コンフルエントになった細胞をリリーシング緩衝液(releasing buffer) [117mM NaCl,5.4mM KCl,2.0mM CaCl,0.8mM MgSO,5.6mM
D-グルコース,25mM HEPES(2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルフォン酸),1mg/mL
BSA/pH7.7]の200μL/ウェル(well)を用いて洗浄した後、リリーシング緩衝液に製造例1の抽出物溶液を添加した試料溶液を調製した。この試料溶液をそれぞれウェルに添加し、さらに脱顆粒を誘導するため、200μg/mLの化合物48/80(compound48/80)/リリーシング緩衝液の100μLをさらに添加して、37℃で1時間インキュベートした。ここで、試料溶液としては、その全量に対する製造例1の抽出物溶液の終濃度(溶液としての濃度)が2.0%となるように調製した濃度のものを使用した。また、比較のため、製造例1の抽出物溶液の代わりに30%1,3−ブチレングリコール水溶液を含むリリーシング緩衝液を添加した試験区を二つ設け、一方の試験区(ブランク)にはリリーシング緩衝液のみを、他方の試験区(コントロール)には上記と同様の脱顆粒用の化合物48/80/リリーシング緩衝液溶液をそれぞれ100μL添加して、37℃で1時間インキュベートした。さらに、脱顆粒抑制効果を有することが公知の甜茶エキス(溶液として終濃度が5%に調製されたエキス)を陽性対照とした。脱顆粒誘導後、細胞外に遊離したβ−ヘキソサミニダーゼの酵素活性を測定するために細胞上清50μLを別の96穴マイクロプレートに分取した。β−ヘキソサミニダーゼ活性の測定は次のように行った。すなわち、別プレートに取った各細胞上清50μLに基質として5mM p−ニトロフェニル−2−アセタミド-2-デオキシ-β-グルコピラノシド(p-Nitrophenyl-2-acetamide-2-deoxy-β-D-glucopyranoside)を50μL加え、37℃のCOインキュベーター内で30分間反応させた。その後100μLの0.2Mグリシン緩衝液 (glycinebuffer)(pH10.7)を加えて反応を停止し、吸光プレートリーダー(BIO RAD社、Model680)で415nmの吸光度を測定し、β−ヘキソサミニダーゼ活性の指標とした。
試験例1の結果を図1に示す。図1に示す通り、本発明の製造例1に係る抽出物溶液は、抗塩基球の脱顆粒を顕著に抑制することが明らかとなった。また、陽性対照である甜茶エキスも同様の効果を示したことから、本試験系が正常に行われたことも確認された。
試験例2.DPPHラジカル捕捉試験
<実験方法>
DPPH2.4部をエタノール20部に溶解し、これに精製水20部を加えてDPPH溶液を調製した。このDPPH溶液24部に対して、18v/v%エタノール溶液を19.2部、2M酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)を4.8部加えて、DPPH添加溶液として調製した。また、抽出液そのものの色調が試験に及ぼす影響を差し引くため、DPPH溶液の代わりに50v/v%エタノール溶液を用いて、18v/v%エタノール溶液と2M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液を混合した液を対照液とした。次に、製造例1の抽出物溶液を精製水で希釈して試料溶液を調製した。ここで、試料溶液としては、その全量に対する製造例1の抽出物溶液の終濃度(溶液としての濃度)がそれぞれ2.0%,5.0%となるように調製した2種の濃度のものを使用した。この試料溶液とDPPH添加溶液又は対照液とを1:3の割合で混合し、室温で10分静置後、各試験溶液をDPPH添加溶液と混合した場合の550nmにおける吸光度と、同じく各試験溶液を対照液と混合した場合の550nmにおける吸光度との差を測定し、DPPHラジカルの残存量を確認した。また、同時にコントロールとして製造例1の抽出物溶液の代わりに、30%1,3-ブチレングリコール水溶液を用いて上記と同様の操作を行い、ここに得られる DPPHラジカル残存率(100)に対する各試料添加時のDPPHラジカル残存率の相対値を求めた。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試料溶液の代わりに陽性対照として水溶性ビタミンE(終濃度25μM)を添加した場合についても、同様の試験を行った。
試験例2の結果を図2に示す。図2に示す通り、本発明の製造例1の抽出物溶液は、濃度依存的に格段にすぐれたDPPHラジカル消去効果を奏することが明らかとなった。また、陽性対照である水溶性ビタミンEもDPPHラジカル消去効果を示したことから、本試験系が正常に行われたことも確認された。
試験例3.SOD様活性効果試験
<実験方法>
0.2Mトリス塩酸緩衝液50μL、1mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリウム溶液20μL、0.75mMニトロブルーテトラゾリウムクロリド(NBT)溶液10μL、1mMキサンチン溶液20μL、0.06U/mLキサンチンオキシターゼ溶液50μL、製造例1の抽出物溶液50μLを混合して試料溶液を調製した。ここで、試料溶液としては、その全量に対して製造例1の抽出物溶液の終濃度(溶液としての濃度)が0.5%、1.0%及び2.0%になるように調製した3種の濃度のものとを用いた。この試料溶液を37℃、3分間インキュベートし、スーパーオキシドを発生させた。そして、NBTがスーパーオキシドによって還元されて生成するホルマザン量を560nmにおける吸光度を測定した。また、コントロールとして、製造例1の抽出物溶液の代わりに30%1,3−ブチレングリコール水溶液を用いて調製した溶液に対して同様の操作を行い、ここに得られる値を100として、各試料添加時のホルマザン量の相対値を求めた。
試験例3の結果を図3に示す。図3に示す通り、本発明の製造例1の抽出物溶液は、濃度依存的に格段にすぐれたSOD様活性、すなわち、活性酸素消去作用を奏することが明らかとなった。
試験例4.荒れ肌に対する回復試験(1)
<試験方法>被験者5名(20〜60歳の男女)に対してそれぞれの前腕内側部に1cm四方の被験部(試験区)を設け、洗浄し恒温恒湿の部屋で15分間安静にした。初期値として被験部の角層水分量を角層水分量測定装置(SKICON-200、IBS社製)により測定し、紅斑量を紅斑量測定装置(メグザメーターMexameter(登録商標) MX18、Courage+Khazaka社製)により測定した。測定後、5w/w%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液を被験部に1時間閉塞パッチした。閉塞パッチ終了後、被験部を水洗し、恒温恒湿の部屋で15分間安静にした後、パッチ直後の被験部の角層水分量及び紅斑量を上記測定装置により測定した。その後、1日2回、本発明のアンズ(ホンアンズ)抽出物を配合した表1に示す組成のローション(本発明試料)を塗布し、塗布4日目に恒温恒湿の部屋で15分間安静にした後、角層水分量と紅斑量を上記測定装置により再度測定し、被験者5名の平均値を算出した。また、コントロールとして製造例1の抽出物溶液の代わりに、精製水を用いて上記と同様の操作を行った。さらに、SDS処理を行わない対照区を設け、この対照区についても、並行して、角層水分量及び紅斑量を測定し、対照区の値を100としたときの相対値で、被験部の角層水分量及び紅斑量を算出した。なお、角層水分量に関しては、以下の式1に従って角層水分量回復率として算出した。
式1:角層水分量回復率(%)=(W−W/W−W)×100
(W:角層水分量の初期値、W:パッチ直後の角層水分量、W:4日後の角層水分量)
試験例4にて用いる本発明試料の組成は以下の表1に示す通りである。
[表1]
試験例4の結果を表2に示す。
[表2]
表2に示す数値は、被験者5名の平均値である。表2に示すように、本発明に係る製造例1のアンズ抽出物は、SDSの影響を受けて低減した肌の角層水分量を顕著に改善し、かつ向上させることが明らかとなった。さらに、SDSの影響を受けて生じた紅斑も顕著に改善することも明らかとなった。なお、紅斑に関しては、目視による観察によっても、肌の赤みが顕著に回復したことが確認された。
試験例5.皮膚一次刺激抑制試験(2)
<試験方法>
被験者5名(20〜60歳の男女)に対してそれぞれの上腕内側部に被験部を設け、洗浄後に初期値として各被験者の被験部の紅斑量を紅斑量測定装置(メグザメーターMexameter (登録商標) MX18、Courage+Khazaka社製)により測定した。その後、被験部に界面活性剤として公知のラウレス5(10% Polyoxyethylene 5 lauryl ether)、及び製造例1の抽出物溶液(溶液として終濃度が2%)を含有した水溶液を1時間閉塞パッチした。閉塞パッチ終了後、被験部を水洗し、3時間後に、各被験者の被験部の紅斑量を上記測定装置により測定し、初期値から処理直後の値を差し引いた値について一次刺激抑制量として5名の被験者の平均値を算出した。また、コントロールとして製造例1の抽出物溶液の代わりに、精製水を用いて上記と同様の操作を行った。
試験例5の結果を表3に示す。
[表3]
表3に示す数値は被験者5名の平均値である。表3に示すように、コントロールではラウレス5の影響を受けて被験者の被験部に紅斑が生じたのに対して、本発明に係る製造例1のアンズ(ホンアンズ)抽出物を配合した本発明試料は、顕著に紅斑の予防、改善効果を示すことが明らかとった。なお、目視による観察でも、本発明試料を塗布した被験部の赤みがコントロールを塗布した被験部と比較して顕著に抑えられていることも確認された。
以上のように本発明に係る抽出物は、格段にすぐれた抗炎症作用及び抗酸化作用を有することから、肌の老化(シワ、タルミ等)の予防及び改善効果、並びにハリ、ツヤの向上だけでなく、外的要因(紫外線や化学物質)による酸化ダメージ及び炎症ダメージから、皮膚を保護する効果も併せ持つものである。このため、本発明に係るアンズ(ホンアンズ)抽出物は、老化防止化粧料や、紫外線ダメージの予防及び改善用の化粧料の配合成分として極めて有用である。さらに、抗炎症作用及び抗酸化作用に基づいて、シミ、ソバカス、肝斑等を予防及び改善する美白化粧料用の配合成分としても極めて有用である。
また、本発明に係るアンズ(ホンアンズ)の抽出物は、皮膚一次刺激を抑制する効果、さらには、皮膚一次刺激により生じた炎症の予防、改善効果を有することから、外的要因(紫外線や化学物質)、及び化粧料に含まれる刺激性物質から肌を保護する化粧料配合成分としても極めて有用である。

Claims (1)

  1. バラ科サクラ属のアンズ(Prunus armeniaca Linne var anus Maximowicz)又はホンアンズ(Prunus armeniaca Linne)の抽出物を有効成分として含有する化粧料。
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