JP2014192462A - 樹脂膜形成用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持シート5とワーク4が貼付される樹脂膜形成層3とを含む樹脂膜形成用シート10であって、樹脂膜形成層の直径がワークの直径に対して110%よりも大きい。
【選択図】図1
Description
そのため、樹脂膜形成用シートの支持シートと樹脂膜形成層との界面においては、ダイシング工程時には充分な密着性を有しているが、ピックアップ時には剥離性(ピックアップ性)に優れることが求められている。ピックアップ性を向上させると、ダイシング時に用いられる高圧の洗浄・冷却水により、支持シートと樹脂膜形成層との界面が剥離し、剥離した樹脂膜形成層がウエハ表面を汚染し、半導体装置の製品歩留りの低下や信頼性の低下を引き起こすおそれがあった。
〔1〕支持シートと、ワークが貼付される樹脂膜形成層とを含む樹脂膜形成用シートであって、
樹脂膜形成層の直径がワークの直径に対して110%よりも大きい、樹脂膜形成用シート。
図1〜6に示すように、樹脂膜形成用シート10は、支持シート5とワーク4が貼付される樹脂膜形成層3とを含む。なお、図1〜6は、樹脂膜形成用シート10にワーク4が貼付された状態を示す。また、図1〜4に示すように、樹脂膜形成層3は支持シート5上に直接積層されてもよいし、図5および図6に示すように、樹脂膜形成層3が他の層(界面接着調整層7)を介して支持シート3上に積層されてもよい。
なお、樹脂膜形成層を硬化までの間被着体に仮着させておくための機能である(2)初期接着性は、感圧接着性であってもよく、熱により軟化して接着する性質であってもよい。(2)初期接着性は、通常バインダー成分の諸特性や、後述する無機フィラー(C)の配合量の調整などにより制御される。
第1のバインダー成分は、重合体成分(A)と硬化性成分(B)を含有することにより、樹脂膜形成層にシート形状維持性と硬化性を付与する。なお、第1のバインダー成分は、第2のバインダー成分と区別する便宜上、硬化性重合体成分(AB)を含有しない。
重合体成分(A)は、樹脂膜形成層にシート形状維持性を付与することを主目的として樹脂膜形成層に添加される。
上記の目的を達成するため、重合体成分(A)の重量平均分子量(Mw)は、通常20,000以上であり、20,000〜3,000,000であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)の値は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法(GPC)法(ポリスチレン標準)により測定される場合の値である。このような方法による測定は、たとえば、東ソー社製の高速GPC装置「HLC−8120GPC」に、高速カラム「TSK gurd column HXL−H」、「TSK Gel GMHXL」、「TSK Gel G2000 HXL」(以上、全て東ソー社製)をこの順序で連結したものを用い、カラム温度:40℃、送液速度:1.0mL/分の条件で、検出器を示差屈折率計として行われる。
なお、後述する硬化性重合体(AB)と区別する便宜上、重合体成分(A)は後述する硬化機能官能基を有しない。
重合体成分(A)としては、アクリル系重合体(A1)が好ましく用いられる。アクリル系重合体(A1)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−60〜50℃、より好ましくは−50〜40℃、さらに好ましくは−40〜30℃の範囲にある。アクリル系重合体(A1)のガラス転移温度が高いと樹脂膜形成層の接着性が低下し、ワークに転写できなくなることや、転写後にワークから樹脂膜形成層または樹脂膜形成層を硬化して得られる樹脂膜が剥離する等の不具合を生じることがある。また、アクリル系重合体(A1)のガラス転移温度が低いと樹脂膜形成層と支持シートとの剥離力が大きくなって樹脂膜形成層の転写不良が起こることがある。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど;環状骨格を有する(メタ)アクリレート、具体的にはシクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、後述する水酸基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体、アミノ基を有する単量体として例示するもののうち、(メタ)アクリル酸エステルであるものを例示することができる。
また、重合体成分(A)として、ポリエステル、フェノキシ樹脂(後述する硬化性重合体(AB)と区別する便宜上、エポキシ基を有しないものに限る。)、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリシロキサン、ゴム系重合体またはこれらの2種以上が結合したものから選ばれる非アクリル系樹脂(A2)の1種単独または2種以上の組み合わせを用いてもよい。このような樹脂としては、重量平均分子量が20,000〜100,000のものが好ましく、20,000〜80,000のものがさらに好ましい。
硬化性成分(B)は、樹脂膜形成層に硬化性を付与することを主目的として樹脂膜形成層に添加される。硬化性成分(B)は、熱硬化性成分(B1)、またはエネルギー線硬化性成分(B2)を用いることができる。また、これらを組み合わせて用いてもよい。熱硬化性成分(B1)は、少なくとも加熱により反応する官能基を有する化合物を含有する。また、エネルギー線硬化性成分(B2)は、エネルギー線照射により反応する官能基を有する化合物(B21)を含有し、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する。これらの硬化性成分が有する官能基同士が反応し、三次元網目構造が形成されることにより硬化が実現される。硬化性成分(B)は、重合体成分(A)と組み合わせて用いるため、樹脂膜形成層を形成するための塗工用組成物の粘度を抑制し、取り扱い性を向上させる等の観点から、通常その重量平均分子量(Mw)は、10,000以下であり、100〜10,000であることが好ましい。
熱硬化性成分としては、たとえば、エポキシ系熱硬化性成分が好ましい。
エポキシ系熱硬化性成分は、エポキシ基を有する化合物(B11)を含有し、エポキシ基を有する化合物(B11)と熱硬化剤(B12)を組み合わせたものを用いることが好ましい。
エポキシ基を有する化合物(B11)(以下、「エポキシ化合物(B11)」ということがある。)としては、従来公知のものを用いることができる。具体的には、多官能系エポキシ樹脂や、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱硬化剤(B12)は、エポキシ化合物(B11)に対する硬化剤として機能する。好ましい熱硬化剤としては、1分子中にエポキシ基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。その官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基および酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基、酸無水物などが挙げられ、さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。
アミン系硬化剤の具体的な例としては、DICY(ジシアンジアミド)が挙げられる。
これらは、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
硬化促進剤(B13)を、樹脂膜形成層の熱硬化の速度を調整するために用いてもよい。硬化促進剤(B13)は、特に、熱硬化性成分(B1)として、エポキシ系熱硬化性成分を用いるときに好ましく用いられる。
樹脂膜形成層がエネルギー線硬化性成分を含有することで、多量のエネルギーと長い時間を要する熱硬化工程を行うことなく樹脂膜形成層の硬化を行うことができる。これにより、製造コストの低減を図ることができる。
エネルギー線硬化性成分は、エネルギー線照射により反応する官能基を有する化合物(B21)を単独で用いてもよいが、エネルギー線照射により反応する官能基を有する化合物(B21)と光重合開始剤(B22)を組み合わせたものを用いることが好ましい。
エネルギー線照射により反応する官能基を有する化合物(B21)(以下「エネルギー線反応性化合物(B21)」ということがある。)としては、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等のアクリレート系化合物が挙げられ、また、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートおよびイタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物等の重合構造を有するアクリレート化合物であって、比較的低分子量のものが挙げられる。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有する。
エネルギー線反応性化合物(B21)に光重合開始剤(B22)を組み合わせることで、重合硬化時間を短くし、ならびに光線照射量を少なくすることができる。
光重合開始剤(B22)の配合割合が0.1質量部未満であると光重合の不足で満足な硬化性が得られないことがあり、10質量部を超えると光重合に寄与しない残留物が生成し、不具合の原因となることがある。
第2のバインダー成分は、硬化性重合体成分(AB)を含有することにより、樹脂膜形成層にシート形状維持性と硬化性を付与する。
硬化性重合体成分は、硬化機能官能基を有する重合体である。硬化機能官能基は、互いに反応して三次元網目構造を構成しうる官能基であり、加熱により反応する官能基や、エネルギー線により反応する官能基が挙げられる。
硬化機能官能基は、硬化性重合体(AB)の骨格となる連続構造の単位中に付加していてもよいし、末端に付加していてもよい。硬化機能官能基が硬化性重合体成分(AB)の骨格となる連続構造の単位中に付加している場合、硬化機能官能基は側鎖に付加していてもよいし、主鎖に直接付加していてもよい。硬化性重合体成分(AB)の重量平均分子量(Mw)は、樹脂膜形成層にシート形状維持性を付与する目的を達成する観点から、通常20,000以上である。
また、上述のアクリル系重合体(A1)と同様の重合体であって、単量体として、エポキシ基を有する単量体を用いて重合したもの(エポキシ基含有アクリル系重合体)であってもよい。エポキシ基を有する単量体としては、たとえばグリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
エポキシ基含有アクリル系重合体を用いる場合、その好ましい態様はエポキシ基以外についてアクリル系重合体(A1)と同様である。
また、たとえば側鎖に水酸基等の官能基Xを有する原料重合体に、官能基Xと反応しうる官能基Y(たとえば、官能基Xが水酸基である場合にはイソシアネート基等)およびエネルギー線照射により反応する官能基を有する低分子化合物を反応させて調製した重合体を用いてもよい。
この場合において、原料重合体が上述のアクリル系重合体(A1)に該当するときは、その原料重合体の好ましい態様は、アクリル系重合体(A1)と同様である。
樹脂膜形成層は、無機フィラー(C)を含有していてもよい。無機フィラー(C)を樹脂膜形成層に配合することにより、硬化後の樹脂膜における熱膨張係数を調整することが可能となり、ワークに対して硬化後の樹脂膜の熱膨張係数を最適化することで半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、硬化後の樹脂膜の吸湿性を低減させることも可能となる。
また、本発明における樹脂膜形成層を硬化して得られる樹脂膜を、ワークまたはワークを個片化したチップの保護膜として機能させる場合には、保護膜にレーザーマーキングを施すことにより、レーザー光により削り取られた部分に無機フィラー(C)が露出して、反射光が拡散するために白色に近い色を呈する。そのため、樹脂膜形成層が後述する着色剤(D)を含有すると、レーザーマーキング部分と他の部分にコントラスト差が得られ、印字が明瞭になるという効果がある。
上述の効果をより確実に得るための、無機フィラー(C)の含有量の範囲としては、樹脂膜形成層を構成する全固形分100質量部に対して、好ましくは1〜80質量部、より好ましくは20〜75質量部、特に好ましくは40〜70質量部である。
樹脂膜形成層には、着色剤(D)を配合することができる。着色剤を配合することで、半導体装置を機器に組み込んだ際に、周囲の装置から発生する赤外線等による半導体装置の誤作動を防止することができる。また、レーザーマーキング等の手段により樹脂膜に刻印を行った場合に、文字、記号等のマークが認識しやすくなるという効果がある。すなわち、樹脂膜が形成された半導体装置や半導体チップでは、樹脂膜の表面に品番等が通常レーザーマーキング法(レーザー光により保護膜表面を削り取り印字を行う方法)により印字されるが、樹脂膜が着色剤(D)を含有することで、樹脂膜のレーザー光により削り取られた部分とそうでない部分のコントラスト差が充分に得られ、視認性が向上する。
着色剤(D)の配合量は、樹脂膜形成層を構成する全固形分100質量部に対して、好ましくは0.1〜35質量部、さらに好ましくは0.5〜25質量部、特に好ましくは1〜15質量部である。
無機物と反応する官能基および有機官能基と反応する官能基を有するカップリング剤(E)を、樹脂膜形成層のワークに対する接着性、密着性および/または樹脂膜の凝集性を向上させるために用いてもよい。また、カップリング剤(E)を使用することで、樹脂膜形成層を硬化して得られる樹脂膜の耐熱性を損なうことなく、その耐水性を向上させることができる。このようなカップリング剤としては、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。これらのうちでも、シランカップリング剤が好ましい。
このようなシランカップリング剤としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシランなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
樹脂膜形成層には、上記の他に、必要に応じて各種添加剤が配合されてもよい。各種添加剤としては、レベリング剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、イオン捕捉剤、ゲッタリング剤、連鎖移動剤や剥離剤などが挙げられる。
かかる溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ヘプタンなどが挙げられる。
樹脂膜形成用シートの構成がかかる構成であると、樹脂膜形成用シートが、ダイシング工程においてワークを支持するためのダイシングシートとして機能する場合に支持シートと樹脂膜形成層の間の密着性が保たれ、ダイシング工程において樹脂膜形成層付チップが支持シートから剥がれることを抑制するという効果が得られる。樹脂膜形成用シートが、ダイシング工程においてワークを支持するためのダイシングシートとして機能する場合、ダイシング工程において樹脂膜形成層付ワークに別途ダイシングシートを貼り合せてダイシングをする必要がなくなり、半導体装置の製造工程を簡略化できる。
次に、図1に示す樹脂膜形成用シートの製造方法の一例について説明するが、本発明の樹脂膜形成用シートは、このような製造方法により得られるものに限定されない。
剥離シートとしては、上述した基材として例示したフィルムを用いることができる。
次に本発明に係る樹脂膜形成用シートの利用方法について、該シートを半導体装置の製造方法に適用した場合を例にとって説明する。
ウエハ表面への回路の形成はエッチング法、リフトオフ法などの従来より汎用されている方法を含む様々な方法により行うことができる。次いで、ウエハの回路面の反対面(裏面)を研削する。研削法は特に限定はされず、グラインダーなどを用いた公知の手段で研削してもよい。裏面研削時には、表面の回路を保護するために回路面に、表面保護シートと呼ばれる粘着シートを貼付する。裏面研削は、ウエハの回路面側(すなわち表面保護シート側)をチャックテーブル等により固定し、回路が形成されていない裏面側をグラインダーにより研削する。ウエハの研削後の厚みは特に限定はされないが、通常は50〜500μm程度である。
樹脂膜形成層が室温ではタック性を有しない場合は適宜加温してもよい(限定するものではないが、40〜80℃が好ましい)。
次いで、樹脂膜形成層に硬化性成分(B)としてエネルギー線硬化性成分(B2)が配合されている場合には、樹脂膜形成層に支持シート側からエネルギー線を照射し、樹脂層形成層を予備的に硬化し、樹脂膜形成層の凝集力を上げ、樹脂膜形成層と支持シートとの間の接着力を低下させておいてもよい。
その後、ダイシングソーなどの切断手段を用いて、上記の半導体ウエハを切断し半導体チップを得る。この際の切断深さは、半導体ウエハの厚みと、樹脂膜形成層の厚みとの合計およびダイシングソーの磨耗分を加味した深さにする。
なお、エネルギー線照射は、半導体ウエハの貼付後、半導体チップの剥離(ピックアップ)前のいずれの段階で行ってもよく、たとえばダイシングの後に行ってもよく、また下記のエキスパンド工程の後に行ってもよいが、半導体ウエハの貼付後であってダイシング前に行うことが好ましい。さらにエネルギー線照射を複数回に分けて行ってもよい。
工程(1):樹脂膜形成層または樹脂膜と、支持シートとを剥離、
工程(2):樹脂膜形成層を硬化し樹脂膜を得る、
工程(3):半導体ウエハと、樹脂膜形成層または樹脂膜とをダイシング。
次いで樹脂膜形成層を硬化し、ウエハの全面に樹脂膜を形成する。樹脂膜形成層に、硬化性成分(B)として熱硬化性成分(B1)を用いた場合には、熱硬化により樹脂膜形成層を硬化する。硬化性成分(B)として、エネルギー線硬化性成分(B2)が配合されている場合には、樹脂膜形成層の硬化を、エネルギー線照射により行うことができ、熱硬化性成分(B1)とエネルギー線硬化性成分(B2)を併用する場合には、加熱およびエネルギー線照射による硬化を同時に行ってもよく、逐次的に行ってもよい。照射されるエネルギー線としては、紫外線(UV)または電子線(EB)等が挙げられ、好ましくは紫外線が用いられる。この結果、ウエハ裏面に硬化樹脂からなる樹脂膜が形成され、ウエハ単独の場合と比べて強度が向上するので、薄くなったウエハの取扱い時の破損を低減できる。また、ウエハやチップの裏面に直接樹脂膜用の塗布液を塗布・被膜化するコーティング法と比較して、樹脂膜の厚さの均一性に優れる。
下記の条件でダイシングを行い、支持シートと樹脂膜形成層との界面の剥離の有無を確認した。
ダイシング条件
半導体ウエハのダイシングは、ダイシング装置(株式会社ディスコ社製 DFD6361)を用い、支持シートを厚さ60μm切り残すようにして、切断速度20mm/秒の条件でダイシングを行い、10mm×10mmのチップを得た。なお、ダイシングブレード(株式会社ディスコ社製 NBC−ZH2050−27HECC)を用い、ブレードの回転数を40000rpmとし、水量を3.5L/分とした。
実施例1〜4および比較例1〜4においては、樹脂膜形成層に貼付されるワークとして直径200mmの半導体ウエハ(厚み50μm)を用い、貼付装置(リンテック社製 RAD−2500)を用いて樹脂膜形成用シートの樹脂膜形成層にワークを貼付した。
また、実施例5〜8および比較例5〜8においては、樹脂膜形成層に貼付されるワークとして直径300mmの半導体ウエハ(厚み50μm)を用い、貼付装置(リンテック社製 RAD−2500)を用いて樹脂膜形成用シートの樹脂膜形成層にワークを貼付した。
支持シート(粘着シート)の作製
2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートからなるアクリル重合体(重量平均分子量:7万、ガラス転移温度:−31℃)100質量部に対し、イソシアネート系架橋剤(東洋インキ社製 BHS8515)を11質量部添加した粘着剤組成物を、シリコーン処理された剥離シート(リンテック株式会社製SP−PET381031)上に10μmの厚みになるように塗布し、オーブンにて100℃で1分間乾燥して、粘着剤層を得た。
次に、得られた粘着剤層を基材(エチレン−メタクリル酸共重合体フィルム、厚さ80μm)に貼り合せ、該基材上に転写して、粘着シートを得た。
樹脂膜形成層を構成する各成分とその配合量を以下に示す(成分/配合量)。各成分の配合量は固形分換算の質量部を示す。本発明において固形分とは溶媒以外の全成分をいう。
(A1)アクリル系重合体:ブチルアクリレートを主成分としたアクリル系重合体(日本合成化学工業株式会社製 N−4617)/100質量部
(B11)エポキシ化合物:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製 エピコート828)/6質量部
(B12)熱硬化剤:ノボラック型フェノール樹脂(三井化学社製 ミレックスXLC−4L)/5質量部
(C)無機フィラー:シリカフィラー(株式会社日産化学社製 シリカゾルMEK−ST)/61質量部
(E)カップリング剤:シランカップリング剤(三菱化学社製 MKCシリケートMSEP2)/1質量部
次に、樹脂膜形成層を剥離シート(リンテック株式会社製 SP−PET381130、以下において「第2剥離シート」という)に貼り合せ、第1剥離シート/樹脂膜形成層/第2剥離シートの積層体を得た。
その後、上記積層体の第2剥離シートから第1剥離シートの厚みの半分まで直径221mmの円形状に切り込み、第2剥離シート及び樹脂膜形成層の円形状部分以外を除去した。
そして、粘着シートの粘着剤層と樹脂膜形成層とを貼り合せ、粘着シートを樹脂膜形成層と同心円状に直径270mmの円形状に切り込み、図1に示す態様の樹脂膜形成用シートを得た。
ダイシング試験の評価結果を表1に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層を直径245mmの円形状に切り込んだこと以外は、実施例1と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層の厚みを75μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層の厚みを75μmとしたこと以外は、実施例2と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層を直径205mmの円形状に切り込んだこと以外は、実施例1と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層を直径220mmの円形状に切り込んだこと以外は、実施例1と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層の厚みを75μmとしたこと以外は、比較例1と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層の厚みを75μmとしたこと以外は、比較例2と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層を直径331mmの円形状に切り込んだこと、及び、粘着シートを樹脂膜形成層と同心円状に直径370mmの円形状に切り込んだこと以外は実施例1と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表2に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層を直径345mmの円形状に切り込んだこと以外は、実施例5と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表2に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層の厚みを75μmとしたこと以外は、実施例5と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表2に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層の厚みを75μmとしたこと以外は、実施例6と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表2に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層を直径305mmの円形状に切り込んだこと以外は、実施例5と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表2に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層を直径330mmの円形状に切り込んだこと以外は、実施例5と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表2に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層の厚みを75μmとしたこと以外は、比較例5と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表2に示す。
樹脂膜形成用シートの作製において、樹脂膜形成層の厚みを75μmとしたこと以外は、比較例6と同様にして樹脂膜形成用シートを得、評価を行った。結果を表2に示す。
2:粘着剤層
3:樹脂膜形成層
4:ワーク
5:支持シート
10:樹脂膜形成用シート
L1:ワークの直径
L2:樹脂膜形成層の直径
Claims (6)
- 支持シートと、ワークが貼付される樹脂膜形成層とを含む樹脂膜形成用シートであって、
樹脂膜形成層の直径がワークの直径に対して110%よりも大きい、樹脂膜形成用シート。 - 樹脂膜形成層の直径とワークの直径との差が45mm以下である請求項1に記載の樹脂膜形成用シート。
- 樹脂膜形成層の厚さが1〜100μmである請求項1または2に記載の樹脂膜形成用シート。
- 樹脂膜形成層が、ワークを個片化したチップを基板または他のチップに固定するためのフィルム状接着剤として機能する請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂膜形成用シート。
- ダイシング・ダイボンド兼用シートとして用いられる請求項4に記載の樹脂膜形成用シート。
- 樹脂膜形成層が、ワークまたはワークを個片化したチップの保護膜として機能する請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂膜形成用シート。
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