JP6216354B2 - 保護膜形成用フィルム - Google Patents
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Description
〔1〕半導体チップを保護する保護膜を形成するための保護膜形成用フィルムであって、
エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物を含むエポキシ系熱硬化性成分を含有し、
エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物が、下記の一般式(I)または(II)で表される化合物である保護膜形成用フィルム。
(ただし、一般式(I)において、CRは縮合環式芳香族炭化水素を示し、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、mは2〜6の整数を示す。)
(ただし、一般式(II)において、CR1およびCR2は縮合環式芳香族炭化水素を示し、これらの縮合環式芳香族炭化水素は同一でも異なっていてもよく、R2は二価の炭化水素基を示し、該炭化水素基は置換基を有していてもよく、R3は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはグリシジルエーテル基を示し、nは1〜3の整数を示し、pは0〜10の整数であり、pが0の場合にはR2は単結合を示し、qは1〜3の整数を示す。)
工程(1):上記〔9〕に記載の保護膜形成用シートの保護膜形成用フィルムを被着体に貼付する工程、
工程(2):保護膜形成用フィルムを加熱硬化して保護膜を得る工程、
工程(3):保護膜形成用フィルムまたは保護膜と、支持シートとを分離する工程、および、
工程(4):被着体と、保護膜形成用フィルムまたは保護膜とをダイシングする工程。
本発明に係る保護膜形成用フィルムは、半導体チップを保護する保護膜を形成するためのフィルムであって、少なくともエポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物を含むエポキシ系熱硬化性成分を含有する。
エポキシ系熱硬化性成分は、少なくともエポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物を含み、エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物と熱硬化剤を組み合わせたものを用いることが好ましい。また、エポキシ系熱硬化性成分として、エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物以外のエポキシ基を有する化合物(以下、単に「他のエポキシ化合物」と記載することがある。)を用いることもできる。
本発明において、エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物とは、縮合環かつ芳香環から構成される縮合環式芳香族炭化水素に、エポキシ基が直接またはアルコキシ基を介して結合している化合物をいう。縮合環式芳香族炭化水素の炭素数は特に限定されないが、好ましくは8〜55、より好ましくは12〜45、さらに好ましくは16〜35である。
エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物を含むことで、保護膜形成用フィルムを短時間で硬化でき、また、保護膜形成用フィルムを硬化して得られる保護膜の高強度化を図ることができる。つまり、エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物を含むことで、保護膜形成用フィルムの硬化性に優れる。その結果、本発明に係る保護膜形成用フィルムを用いて製造される保護膜付チップの信頼性及び生産性が向上する。
(ただし、一般式(I)において、CRは縮合環式芳香族炭化水素を示し、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、mは2〜6の整数を示す。R1がアルキル基の場合、その炭素数は1〜6が好ましい。また、mは2〜4が好ましい。)
(ただし、一般式(II)において、CR1およびCR2は縮合環式芳香族炭化水素を示し、これらの縮合環式芳香族炭化水素は同一でも異なっていてもよく、R2は二価の炭化水素基を示し、該炭化水素基は置換基aを有していてもよく、R3は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはグリシジルエーテル基を示し、nは1〜3の整数を示し、pは0〜10の整数であり、pが0の場合にはR2は単結合を示し、qは1〜3の整数を示す。R2の炭素数は1〜6が好ましい。また、R3がアルキル基の場合、その炭素数は1〜6が好ましい。nは1〜2が好ましく、pは0〜4が好ましく、qは1〜2が好ましい。)
(上記式中、炭素に結合する上下方向の結合手は、それぞれナフタレン環に結合し、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基または置換基cを有するフェニル基を示す。R5およびR6が置換基cを有するフェニル基の場合、その置換基cとしては、炭素数1〜10のアルキル基、またはグリシジルエーテル基などが挙げられ、好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。R5およびR6としては、保護膜形成用フィルムの硬化性の観点から水素原子が特に好ましい。上記式中、nは0〜4、好ましくは0〜3の整数であり、さらに好ましくは1である。なお、nが0の場合、上記式の構造は単結合を示す。)
エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物の硬化物のガラス転移温度は、以下の方法で測定できる。エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物100gに対して、硬化剤として2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業製 キュアゾール2PHZ)2gを添加し、硬化温度160℃、硬化時間120分にてエポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物を硬化させる。次いで、エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物の硬化物を幅4.5mm、長さ20.0mm、厚み0.18mmの短冊状に切断して試験片を作製する。その後、粘弾性測定装置(TA instruments社製 DMA Q800)を用いて、引張モードにて、試験片のtanδ(損失弾性率と貯蔵弾性率との比)を、周波数11Hz、昇温速度3℃/分、大気雰囲気下で0〜350℃にて測定する。この温度範囲においてtanδが最大値を示す温度を読み取り、エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物の硬化物のガラス転移温度(Tg)とする。
他のエポキシ化合物としては、縮合環式芳香族構造を有しない従来公知の各種エポキシ化合物を用いることができる。具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱硬化剤は、エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物や他のエポキシ化合物に対する硬化剤として機能する。好ましい熱硬化剤としては、1分子中にエポキシ基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。その官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基または酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基または酸無水物などが挙げられ、さらに好ましくはフェノール性水酸基またはアミノ基が挙げられる。
アミン系硬化剤の具体的な例としては、DICY(ジシアンジアミド)が挙げられる。
これらは、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
保護膜形成用フィルムの熱硬化の速度を調整するために、硬化促進剤を用いてもよい。好ましい硬化促進剤としては、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
本発明の保護膜形成用フィルムは、上述したエポキシ系熱硬化性成分の他に、エネルギー線硬化性成分を含有してもよい。保護膜形成用フィルムがエネルギー線硬化性成分を含有する場合には、エネルギー線照射により保護膜形成用フィルムを予備的に硬化することができるため、後述する保護膜付チップの製造工程において、保護膜形成用フィルムの凝集力を上げ、保護膜形成用フィルムと支持シートとの間の接着力を低下できる。その結果、保護膜形成用フィルム付チップを支持シートから分離しやすくなり、保護膜形成用フィルム付チップのピックアップ性に優れる。エネルギー線硬化性成分は、反応性二重結合基を有する化合物としてエネルギー線反応性化合物を単独で用いてもよいが、エネルギー線反応性化合物と光重合開始剤を組み合わせたものを用いることが好ましい。
エネルギー線反応性化合物としては、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジシクロペンタジエン骨格含有多官能アクリレート等のアクリレート系化合物が挙げられ、また、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートおよびイタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物等の重合構造を有するアクリレート化合物であって、比較的低分子量のものが挙げられる。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性の炭素−炭素二重結合を有する。
エネルギー線反応性化合物に光重合開始剤を組み合わせることで、重合硬化時間を短くし、ならびに光線照射量を少なくすることができる。
光重合開始剤の含有量が0.1質量部未満であると光重合の不足で満足な硬化性が得られないことがあり、10質量部を超えると光重合に寄与しない残留物が生成し、不具合の原因となることがある。
保護膜形成用フィルムは、重合体成分を含有してもよい。重合体成分は、保護膜形成用フィルムにシート形状維持性を付与することを主目的として保護膜形成用フィルムに添加される。
なお、後述する硬化性重合体と区別する便宜上、重合体成分は後述する硬化機能官能基を有しない。
重合体成分としては、アクリル重合体が好ましく用いられる。アクリル重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−60〜50℃、より好ましくは−50〜40℃、さらに好ましくは−40〜30℃の範囲にある。アクリル重合体のガラス転移温度が高いと保護膜形成用フィルムの被着体(半導体ウエハ等)に対する接着性が低下し、被着体に転写できなくなることや、転写後に被着体から保護膜形成用フィルムまたは該保護膜形成用フィルムを硬化して得られる保護膜が剥離する等の不具合を生じることがある。また、アクリル重合体のガラス転移温度が低いと保護膜形成用フィルムと支持シートとの剥離力が大きくなって保護膜形成用フィルムの転写不良が起こることがある。
なお、アクリル重合体のTgは、FOXの式から求めた値である。
また、重合体成分として、ポリエステル、フェノキシ樹脂(後述する硬化性重合体と区別する便宜上、エポキシ基を有しないものに限る。)、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリシロキサン、ゴム系重合体またはこれらの2種以上が結合したものから選ばれる非アクリル系樹脂を用いてもよい。非アクリル系樹脂は1種単独または2種以上を組み合わせて用いることもできる。このような樹脂としては、重量平均分子量が20,000〜100,000のものが好ましく、20,000〜80,000のものがさらに好ましい。
保護膜形成用フィルムには、硬化性重合体成分を添加することもできる。硬化性重合体成分は、エポキシ系熱硬化性成分またはエネルギー線硬化性成分の性質と、重合体成分の性質とを兼ね備えている。
また、上述のアクリル重合体と同様の重合体であって、単量体として、エポキシ基を有する単量体を用いて重合したもの(エポキシ基含有アクリル重合体)であってもよい。エポキシ基を有する単量体としては、たとえばグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
エポキシ基含有アクリル重合体を用いる場合、その好ましい態様はエポキシ基以外についてアクリル重合体と同様である。
また、たとえば側鎖に水酸基等の官能基Xを有する原料重合体に、官能基Xと反応しうる官能基Y(たとえば、官能基Xが水酸基である場合にはイソシアネート基等)およびエネルギー線照射により反応する官能基を有する低分子化合物を反応させて調製した重合体を用いてもよい。
この場合において、原料重合体が上述のアクリル重合体に該当するときは、その原料重合体の好ましい態様は、アクリル重合体と同様である。
保護膜形成用フィルムは、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーを保護膜形成用フィルムに配合することにより、硬化後の保護膜における熱膨張係数を調整することが容易になり、被着体に対して硬化後の保護膜の熱膨張係数を最適化することで保護膜付チップの信頼性を向上させることができる。また、硬化後の保護膜の吸湿率を低減させることも可能となる。
さらに、保護膜にレーザーマーキングを施すことにより、レーザー光により削り取られた部分に無機フィラーが露出して、反射光が拡散するために白色に近い色を呈する。これにより、保護膜形成用フィルムが後述する着色剤を含有する場合、レーザーマーキング部分と他の部分にコントラスト差が得られ、印字が明瞭になるという効果がある。
上述の効果をより確実に得るための、無機フィラーの含有量は、保護膜形成用フィルムを構成する全固形分100質量部に対して、好ましくは10〜70質量部、より好ましくは40〜70質量部、特に好ましくは50〜65質量部である。
保護膜形成用フィルムには、着色剤を配合することができる。着色剤を配合することで、赤外線等を遮断することができるため、周囲の装置から発生する赤外線等による半導体装置の誤作動を防止することができる。また、レーザーマーキング等の手段により保護膜に刻印を行った場合に、文字、記号等のマークが認識しやすくなるという効果がある。すなわち、保護膜が形成された半導体チップでは、保護膜の表面に品番等が通常レーザーマーキング法(レーザー光により保護膜表面を削り取り印字を行う方法)により印字されるが、保護膜が着色剤を含有することで、保護膜のレーザー光により削り取られた部分とそうでない部分のコントラスト差が充分に得られ、視認性が向上する。
着色剤の含有量は、保護膜形成用フィルムを構成する全固形分100質量部に対して、好ましくは0.1〜35質量部、さらに好ましくは0.5〜25質量部、特に好ましくは1〜15質量部である。
無機物と反応する官能基および有機官能基と反応する官能基を有するカップリング剤を、保護膜形成用フィルムの被着体に対する接着性、密着性および/または保護膜の凝集性を向上させるために用いてもよい。また、カップリング剤を使用することで、保護膜形成用フィルムを硬化して得られる保護膜の耐熱性を損なうことなく、その耐水性を向上させることができる。このようなカップリング剤としては、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。これらのうちでも、シランカップリング剤が好ましい。
このようなシランカップリング剤としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシランなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
保護膜形成用フィルムには、上記の他に、必要に応じて各種添加剤が配合されてもよい。各種添加剤としては、レベリング剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ゲッタリング剤、連鎖移動剤、剥離剤などが挙げられる。
かかる溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ヘプタンなどが挙げられる。
本発明に係る保護膜形成用シートは、上述した保護膜形成用フィルムが支持シート上に積層されてなる。保護膜形成用シートは、各種の被着体に貼付され、場合によっては、保護膜形成用シート上で被着体にダイシング等の所要の加工が施される。その後、保護膜形成用フィルムを被着体に固着残存させて支持シートを剥離する。すなわち、保護膜形成用フィルムを、支持シートから被着体に転写する工程を含むプロセスに使用される。
芯材の両面に粘着剤層を有する両面粘着部材を治具接着層として用いる場合には、治具接着層の一方の粘着剤層(粘着シートと積層される粘着剤層、以下において「積層用粘着剤層」と記載することがある。)と、他方の粘着剤層(治具に貼付される粘着剤層、以下において「固定用粘着剤層」と記載することがある。)は同種の粘着剤を用いてもよいし、異なる粘着剤を用いてもよい。
これらのうちで、リングフレーム等の治具からの再剥離性の観点からはアクリル粘着剤が好ましい。なお、上記粘着剤は、単独で用いても、二種以上混合して用いてもよい。
保護膜形成用シートの製造方法について、図1に示す保護膜形成用シートを例に具体的に説明するが、本発明の保護膜形成用シートは、このような製造方法により得られるものに限定されない。
例えば、剥離シート(第1剥離シート)上に所定の膜厚になるように、粘着剤を塗布し乾燥して、粘着剤層を形成する。次いで、粘着剤層を基材の表面に転写することで、粘着シートを得ることができる。また、基材の表面に粘着剤を直接塗布、乾燥して粘着剤層を形成し、粘着シートを得ることもできる。
剥離シートとしては、上述した基材として例示したフィルムを用いることができる。
次に本発明に係る保護膜形成用シートの利用方法について、図1に示す第1の構成の保護膜形成用シートを半導体装置の製造方法に適用した場合を例にとって説明する。
工程(1):表面に回路が形成されたシリコンウエハの裏面に、保護膜形成用シートの保護膜形成用フィルムを貼付する工程、
工程(2):保護膜形成用フィルムを加熱硬化して保護膜を得る工程
工程(3):保護膜形成用フィルムまたは保護膜と、支持シートとを分離する工程、および、
工程(4):シリコンウエハと、保護膜形成用フィルムまたは保護膜とをダイシングする工程。
なお、上述したように、保護膜形成用シートを、ダイシング工程においてシリコンウエハを支持するためのダイシングシートとして機能させる場合には、半導体装置の製造工程を簡略化する観点から、工程(4)を工程(3)の前に行うことが好ましい。
工程(5):保護膜形成用フィルムまたは保護膜にレーザー印字する工程。
(1)保護膜付チップの製造
#2000研磨したシリコンウエハ(200mm径、厚さ280μm)の研磨面に、実施例および比較例の保護膜形成用シートの保護膜形成用フィルムをテープマウンター(リンテック社製 Adwill RAD-3600F/12)により70℃に加熱しながら貼付した。次いで、加熱(130℃、2時間)により保護膜形成用フィルムの硬化を行い、保護膜形成用フィルムと支持シートとを分離し、シリコンウエハと保護膜との積層体を得た。
そして、保護膜付チップが実際に実装されるプロセスを模倣したプレコンディションに投入した。プレコンディションの条件として、保護膜付チップをベイキング(125℃、20時間)し、85℃、85%RHの条件下で168時間吸湿させ、取り出し直後にプレヒート160℃、ピーク温度260℃のIRリフロー炉に3回通した。
保護膜形成用フィルムを構成する各成分を下記に示す。
・エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物:1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)メタン(硬化物のガラス転移温度:326℃、軟化点:92℃、溶融粘度:4.5dPa・s、数平均分子量:550)
・エポキシ化合物A:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学製 jER828、硬化物のガラス転移温度:180℃、数平均分子量:370)
・エポキシ化合物B:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC製 エピクロンHP−7200HH、硬化物のガラス転移温度:210℃、軟化点:88℃、溶融粘度:8dPa・s、数平均分子量:760)
・熱硬化剤:ジシアンジアミド(旭電化製 アデカバードナー3636AS)
・硬化促進剤:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業製 キュアゾール2PHZ)
・アクリル重合体A:アクリル酸ブチル10質量部、メタクリル酸メチル70質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル15質量部、及びメタクリル酸グリシジル5質量部からなるアクリル重合体(重量平均分子量:27万、ガラス転移温度:−1℃)
・アクリル重合体B:アクリル酸ブチル15質量部、メタクリル酸メチル65質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル15質量部、及びメタクリル酸グリシジル5質量部からなるアクリル重合体(重量平均分子量:44万、ガラス転移温度:−4℃)
・無機フィラー:シリカフィラー(溶融石英フィラー、平均粒径8μm)
・着色剤:カーボンブラック(三菱化学製 MA600B)
・カップリング剤A:シランカップリング剤(信越化学工業製 X-41-1056)
・カップリング剤B:シランカップリング剤(信越化学工業製 KBE-403)
・カップリング剤C:シランカップリング剤(信越化学工業製 KBM-403)
上記各成分を表1に記載の量で配合し、保護膜形成用組成物を得た。また、剥離シートとして、片面に剥離処理を行ったポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製 SP−PET381031、厚さ38μm、表面張力30mN/m未満、融点200℃以上)を用意した。
上記保護膜形成層用組成物のメチルエチルケトン溶液(固形濃度61重量%)を、上記剥離シートの剥離処理面上に乾燥後25μmの厚みになるように塗布、乾燥(乾燥条件:オーブンにて120℃、3分間)して、剥離シート上に保護膜形成用フィルムを形成した。次いで、別の剥離シートを保護膜形成用フィルム上に積層し、剥離シートに保護膜形成用フィルムが挟持された積層体を得た。その後、一方の剥離シートは完全に型抜きせず、他方の剥離シートと保護膜形成用フィルムは完全に型抜きするように、積層体をシリコンウエハと同サイズ(直径200mm)に型抜きし、一方の剥離シート上に円形に型抜きされた保護膜形成用フィルムを残し、残余の保護膜形成用フィルムと他方の剥離シートは除去した。
1 :基材
2 :粘着剤層
3 :支持シート
4 :保護膜形成用フィルム
5 :治具接着層
6 :界面接着調整層
7 :治具
Claims (9)
- 半導体チップを保護する保護膜を形成するための保護膜形成用フィルムであって、
エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物を含むエポキシ系熱硬化性成分及びアクリル重合体を含有し、
エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物が、下記の一般式(I)または(II)で表される化合物であり、
アクリル重合体の含有量が、保護膜形成用フィルムを構成する全固形分100質量部に対して15〜40質量部であり、
エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物の含有量が、保護膜形成用フィルムを構成する全固形分100質量部に対して2.5〜15質量部である保護膜形成用フィルム。
- 縮合環式芳香族化合物の縮合環がナフタレン環を含む請求項1に記載の保護膜形成用フィルム。
- エポキシ基を有する縮合環式芳香族化合物のエポキシ当量が、160〜170g/eqである請求項1または2に記載の保護膜形成用フィルム。
- シランカップリング剤を含有し、
シランカップリング剤の含有量が、保護膜形成用フィルムを構成する全固形分100質量部に対して0.1〜20質量部である請求項1〜4のいずれかに記載の保護膜形成用フィルム。 - 厚みが1〜100μmである請求項1〜5のいずれかに記載の保護膜形成用フィルム。
- エポキシ系熱硬化性成分が、縮合環式芳香族構造を有しないエポキシ化合物を含む請求項1〜6のいずれかに記載の保護膜形成用フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の保護膜形成用フィルムが、支持シート上に積層されてなる保護膜形成用シート。
- 以下の工程(1)〜(4)を含む半導体装置の製造方法;
工程(1):請求項8に記載の保護膜形成用シートの保護膜形成用フィルムを被着体に貼付する工程、
工程(2):保護膜形成用フィルムを加熱硬化して保護膜を得る工程、
工程(3):保護膜形成用フィルムまたは保護膜と、支持シートとを分離する工程、および、
工程(4):被着体と、保護膜形成用フィルムまたは保護膜とをダイシングする工程。
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