JP2014179501A - 膜の形成方法、電気機械変換素子の製造方法、該製造方法により製造した電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置 - Google Patents

膜の形成方法、電気機械変換素子の製造方法、該製造方法により製造した電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】塗布液を塗布して膜を形成する場合における膜厚のばらつきを抑制することができる膜の形成方法、電気機械変換素子の製造方法、該製造方法により製造した電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置、並びに、該製造方法に用いる液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】膜形成工程の繰り返しの途中に、膜の厚さを測定するし、その膜の厚さの測定結果に基づいて、残りの膜形成工程における塗布液の塗布条件を変更する。そして、残りの膜形成工程を実行するときに、前記変更した塗布条件に基づいて、塗布液の塗布を制御する。
【選択図】図7

Description

本発明は、膜の形成方法、電気機械変換素子の製造方法、該製造方法により製造した電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置に関する。また、本発明は、上記液滴吐出装置を備えたインクジェットプリンタ、デジタル印刷装置などの画像形成装置に関する。また、本発明は、上記製造方法に用いる液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置に関する。
従来、電気機械変換膜を電極で挟むように構成された電気機械変換素子は、例えばインクジェット記録装置で用いられている。インクジェット記録装置は、騒音が極めて小さく、かつ高速印字が可能であり、更にはインクの自由度があり安価な普通紙を使用できるなど多くの利点があるために、プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置あるいは画像形成装置として広く展開されている。このインクジェット記録装置において使用する液滴吐出装置は、主として、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する吐出室、加圧液室、圧力室、インク流路等を称する液室と、該液室内のインクを吐出するための圧力発生手段とで構成されている。この圧力発生手段として、圧電素子などの電気機械変換素子を用いて吐出室の壁面を形成している振動板を変形変位させることでインク滴を吐出させるピエゾ型の圧力発生手段が知られている。このピエゾ型の圧力発生手段に使用される電気機械変換素子は、下部電極(第1の電極)と、電気機械変換層と、上部電極(第2の電極)とが積層したものからなる。各圧力室にインク吐出の圧力を発生させるのに個別の圧電素子が配置されることになる。電気機械変換層はジルコン酸チタン酸鉛(PZT)セラミックスなどが用いられ、これらは複数の金属酸化物を主成分としているので一般に金属複合酸化物と称される。
ここで、従来における電気機械変換膜の形成方法として、電気機械変換膜を形成するための原料を含む塗布液の液滴をノズルから吐出させる液滴吐出方式により、電極上の所定部分に前記塗布液を塗布する方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、特許文献3には、部分的に表面改質した電極上にゾルゲル液をインクジェット方式により部分的に塗布する工程と、部分的に塗布したゾルゲル液を乾燥・熱分解・結晶化する工程とを繰返し行うことにより、所望の膜厚を得るゾルゲル法にて電気機械変換膜を形成する電気機械変換膜の形成方法が開示されている。
ところが、上記従来の液滴吐出方式ではノズルから吐出する塗布液の吐出量がばらつくおそれがある。そのため、ノズルから吐出した塗布液により、例えば、互いに独立した複数パターンの電気機械変換膜を所定の膜厚で形成しようとすると、複数パターンの電気機械変換膜を互いに均一な膜厚で形成することが難しいという問題がある。
なお、このような問題は、電気機械変換膜の場合に限定されることなく、膜の原料を含む塗布液を塗布して複数パターンからなる電気機械変換膜以外の膜を形成する場合にも同様に発生するおそれがある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、塗布液を塗布して膜を形成する場合における膜厚のばらつきを抑制することができる膜の形成方法、電気機械変換素子の製造方法、該製造方法により製造した電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置、並びに、該製造方法に用いる液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、塗布液を塗布する塗布工程と、前記塗布した塗布液の膜を乾燥させる乾燥工程とを含み、前記塗布工程と前記乾燥工程とを含む膜形成工程を繰り返すことにより、膜を形成する膜の形成方法であって、前記膜形成工程の繰り返しの途中に、前記膜の厚さを測定する膜厚測定工程と、前記膜厚測定工程による膜の厚さの測定結果に基づいて、残りの膜形成工程における前記塗布液の塗布条件を変更する条件変更工程と、を更に含み、前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記変更した塗布条件に基づいて、前記塗布液の塗布を制御することを特徴とするものである。
本発明によれば、塗布液を塗布して膜を形成する場合における膜厚のばらつきを抑制することができる、という効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る電気機械変換膜の形成を伴う電気機械変換素子の製造方法の一部の工程を示す説明図。 同電気機械変換素子の製造方法における残りの工程を示す説明図。 同電気機械変換素子の製造方法に用いることができる液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出塗布装置の一構成例を示す斜視図。 PZT膜のP−Eヒステリシス曲線の一例を示すグラフ。 PZT前駆体溶液Aを重ね塗布して形成したPZT膜の断面方向(短手方向)の膜厚を、表面粗さ計を用いて計測した結果を示すグラフ。 本実施例1の1〜9回目までの塗布工程における基板上の複数のパターンそれぞれの塗布対象領域にPZT前駆体溶液Aの液滴を塗布している様子を示す説明図。 実施例1における各パターンごとに実行するPZT膜の膜厚測定からPZT前駆体溶液Aの塗布までのシーケンスの一例を示すフローチャート。 本実施例1の10回目の塗布工程における基板上の複数のパターンそれぞれの塗布対象領域にPZT前駆体溶液Aの液滴を塗布している様子を示す説明図。 (a)及び(b)はそれぞれ、液滴吐出ヘッドに印加するパルス電圧の波形の一例を示す説明図。 実施例2における各パターンごとに実行するPZT膜の膜厚測定からPZT前駆体溶液Aの塗布までのシーケンスの他の例を示すフローチャート。 本実施形態の製造方法で製造した電気機械変換素子(PZT素子)を用いて構成した液吐出ヘッドの一構成例を示す概略構成図。 図11の液吐出ヘッドを複数並べた構成例を示す概略構成図。 本実施形態の製造方法で製造した電気機械変換素子を用いることができる液滴吐出装置の一構成例を示す概略構成図。 同液滴吐出装置の概略透視斜視図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、圧電定数d31の変形を利用した横振動(ベンドモード)型の電気機械変換膜を有する電気機械変換素子を例として説明するが、本発明は、この型の電気機械変換膜に限定されることなく適用可能である。更に、本発明は、後述のゾルゲル液以外の塗布液を用いて電気機械変換膜を形成する場合にも適用可能である。また、本発明は、電気機械変換膜以外の膜を形成する場合にも適用可能である。例えば、本発明は、インクジェット技術を利用する三次元造型技術における膜の形成にも適用可能である。
電気機械変換膜がPZT膜の場合、酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、ノルマルブトキシドジルコニウムを出発材料として合成したPZT前駆体溶液を用いることができる。酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解した後、脱水する。化学量論的組成に対し鉛量を10[モル%]過剰にしてある。これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。イソプロポキシドチタン、ノルマルブトキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、上記酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と均一に混合することによりPZT前駆体溶液を合成することができる。このPZT前駆体溶液のPZT濃度は例えば0.1[モル/リットル]にする。後述の実施例1〜4では、以上の方法で合成したPZT前駆体溶液(実施例では、「PZT前駆体溶液A」として参照する。)を用いた。
また、電気機械変換膜がPZT膜の場合のPZT前駆体溶液は、非特許文献1に記載されている液を用いてもよい。すなわち、酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ、均一溶液として得るようにしてもよい。
なお、上記PZT前駆体溶液は「ゾルゲル液」とも呼ばれる。
PZTとは、ジルコン酸鉛(PbZrO)とチタン酸鉛(PbTiO)の固溶体で、その比率により特性が異なる。一般的に優れた圧電特性を示す組成はPbZrOとPbTiOの比率が53:47の割合で、化学式で示すとPb(Zr0.53,Ti0.47)O、一般にPZT(53/47)と示される。酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物の出発材料は、この化学式に従って秤量される。金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加してもよい。
PZT以外の複合酸化物としてはチタン酸バリウムなどが挙げられ、この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することも可能である。
また、下地となる基板上の第1の電極の表面に電気機械変換膜としてのパターン化したPZT膜を得る場合、次のようにしてPZT膜が得られる。すなわち、上記溶液を塗布液として液滴吐出方式で塗布することにより塗膜を形成し、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことでパターン化したPZT膜が得られる。塗膜から結晶化膜への変態には体積収縮が伴うので、クラックフリーな膜を得るには一度の工程で100[nm]以下の膜厚が得られるようにするのが好ましい。そして、前駆体濃度は、電気機械変換膜の成膜面積とPZT前駆体溶液の塗布量との関係から適正化するように調整するのが好ましい。また、液滴吐出装置の電気機械変換素子として用いる場合、このPZT膜の膜厚は1[μm]〜2[μm]が要求される。この膜厚を得るには十数回、工程を繰り返すことになる。
更に、ゾルゲル法によるパターン化した電気機械変換層の形成の場合には、下地となる基板の濡れ性を制御したPZT前駆体溶液の塗り分けをする。これは、非特許文献2に示されているアルカンチオールが特定金属上に自己配列する現象を利用したものであり、まず、基板の白金族金属の表面に、チオールのSAM(Self assembled monolayer)膜を形成する。SAM膜上はアルキル基が配置しているので、疎水性になる。このSAM膜は、例えば周知のフォトリソグラフィ・エッチングにより、フォトレジストを用いてパターニングすることができる。レジスト剥離後も、パターン化SAM膜は残っているので、この部位は疎水性になっている。一方、SAM膜が除去された部位は白金表面が露出しているため、親水性になっている。この表面エネルギーのコントラストを利用してPZT前駆体溶液の塗り分けをすることができる。本実施形態では、上記SAM膜を、PZT前駆体溶液を塗布しない領域に選択的に形成した後、以下に示すように、PZT前駆体溶液の消費量を低減することができる液滴吐出方式による塗工(インクジェット塗工)でPZT前駆体溶液を選択的に塗布している。
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る電気機械変換膜の形成を伴う電気機械変換素子の製造方法を示す説明図である。
図1の工程Aに示す基板11の表面(上面)には、チオールとの反応性に優れた第1の電極としての図示しない白金族金属からなる白金電極が、例えばスパッタ法により形成されている。この基板11の白金電極の表面に、図1の工程Bに示すようにSAM膜12が形成される。SAM膜12は、アルカンチオール液に基板11をディップして自己配列させることで得られる。本例では、CH(CH)−SHのアルカンチオールの分子を一般的な有機溶媒(アルコール、アセトン、トルエンなど)に所定濃度(例えば、数[モル/リットル])で溶解させたアルカンチオール液を用いた。このアルカンチオール液に基板11を浸漬させ、所定時間後に取り出した後、余剰な分子を溶媒で置換洗浄し乾燥することにより、白金電極の表面にSAM膜12を形成することができる。次に、図1の工程Cに示すように、フォトリソグラフィーによりフォトレジスト13をパターン形成する。そして、図1工程Dに示すようにドライエッチング(例えば、酸素プラズマの照射又はUV光の照射)によりSAM膜12を除去し、加工に用いたフォトレジスト13を除去してSAM膜12のパターニングを終了する。このように形成されたSAM膜12は、純水に対する接触角が例えば92度であり、疎水性を示す。一方、SAM12が除去されて露出した基板11の白金電極の表面は、純水に対する接触角が例えば54度であり、親水性を示す。
次に、図2の工程Eに示すように、PZT前駆体溶液の液滴17を液滴吐出ヘッド69のノズルから吐出させる液滴吐出方式によりPZT前駆体溶液が塗布される。このPZT前駆体溶液の塗布は、疎水部であるSAM膜12上にはPZT膜14が形成されず、SAM膜12を除去された親水部のみにPZT膜14が形成されるように行われる。その後、図2の工程Fに示すように、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことで電気機械変換膜15が得られる。
次に、図2の工程D’〜F’に示すように、液滴吐出方式によるPZT前駆体溶液の塗布の工程と、溶媒乾燥、熱分解及び結晶化の工程とを、所定回数(2回以上)繰り返して実行する。これにより、薄めに設定した電気機械変換膜を多層に重ねて形成し、所定膜厚の電気機械変換膜15を得ている。この場合は、1回の工程D〜Fで所定膜厚の電気機械変換膜15を形成する場合に比して、電気機械変換膜15のクラックの発生をより確実に防止できる。
なお、上記図1及び図2の方法では、液滴吐出方式によるPZT前駆体溶液の塗布の工程と溶媒乾燥、熱分解及び結晶化の工程とを複数回繰り返し実行しているが、各工程の繰り返しの態様は、図1及び図2の方法のものに限定されるものではない。
例えば、PZT前駆体溶液の塗布の工程と溶媒乾燥の工程と熱分解の工程とを含む膜形成工程を所定回数A(例えば3回)だけ繰り返し実行し、その後に、所定回数Aの膜形成工程で作製した膜に対して結晶化の工程を実行する。そして、所定回数Aの膜形成工程と結晶化の工程とを所定回数B(例えば5回)だけ繰り返し実行し、所定膜厚の電気機械変換膜15を得る。この場合、PZT前駆体溶液の塗布の工程は合計でA×B回(例えば、3×5=15回)だけ実行されることになる。
また例えば、PZT前駆体溶液の塗布の工程と溶媒乾燥の工程とを含む膜形成工程を所定回数A’だけ繰り返し実行し、その後に、所定回数A’の膜形成工程で作製した膜に対して熱分解及び結晶化の工程を実行する。そして、所定回数A’の膜形成工程と熱分解及び結晶化の工程とを所定回数B’だけ繰り返し実行し、所定膜厚の電気機械変換膜15を得る。この場合、PZT前駆体溶液の塗布の工程は合計でA’×B’回だけ実行されることになる。
また、上記図1及び図2の方法では、第1の電極上のPZT前駆体溶液が塗布される所定部分(塗布対象領域)以外の表面をSAM膜12によって疎水面にする表面改質を行っているが、次にように表面改質を行ってもよい。すなわち、第1の電極の表面が疎水面の場合は、その第1の電極上のPZT前駆体溶液が塗布される所定部分(塗布対象領域)の表面を親水面にする表面改質を行ってもよい。
図3は、上記構成の液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出塗布装置の一構成例を示す斜視図である。液滴吐出ヘッドを搭載した図3に示す液滴吐出塗布装置60によれば、架台61の上に、Y軸駆動手段62が設置してあり、その上に基板63(上記図1における基板11に相当)を搭載するステージ64がY軸方向に駆動できるように設置されている。なお、ステージ64には図示されていない真空、静電気などの吸着手段が付随して設けられており、基板63が固定されている。また、X軸支持部材65にはX軸駆動手段66が取り付けられており、これにZ軸駆動手段67上に搭載されたヘッドベース68が取り付けられており、X軸方向に移動できるようになっている。ヘッドベース68の上には液体を吐出させる複数のノズルを有する液滴吐出ヘッド69が2組搭載されている。この液滴吐出ヘッド69には図示されていない液体タンクから供給用パイプ70を介して液体(PZT前駆体溶液)が供給される。
また、図3の液滴吐出塗布装置60では、液滴吐出ヘッド69の近くに、前述のPZT膜14の膜厚を測定する膜厚測定手段としての膜厚測定装置(膜厚測定用カメラ)71を備えている。この膜厚測定装置71としては、例えば測定対象に白色光を照射し、発生した干渉縞の間隔から膜厚を測定する膜厚測定装置(例えば、東レエンジニアリング製の全面膜厚測定装置FTMシリーズ)を用いることができる。膜厚測定装置71による膜厚測定結果は、液滴吐出ヘッド69による液滴吐出を制御する図示しない制御装置に入力される。制御装置は、例えばCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェースなどで構成されている。この制御装置は、所定のプログラムが実行されることにより、次のように制御する。すなわち、所定膜厚の電気機械変換膜15を形成している途中のPZT膜14の厚さの測定結果に基づいて、残りの膜形成工程における複数のパターンそれぞれに対するノズルからの塗布液(PZT前駆体溶液)の塗布条件を互いに独立に変更するように制御する。そして、制御装置は、前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記変更した塗布条件に基づいて、複数のパターンそれぞれに対するノズルからの塗布液(PZT前駆体溶液)の塗布を互いに独立に制御する。
次に、上記構成の液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出塗布装置によってPZT前駆体溶液を塗布する工程を含むPZT膜の形成方法のより具体的な実施例について説明する。
[実施例1]
本実施例では、表面改質工程(図1中の工程B〜工程D)と塗布工程(図2中の工程E)と乾燥工程と熱分解工程とを1回ずつ行うことにより、基板11の白金電極上に所定パターンからなる90[nm]の膜を得た。ここで、上記表面改質工程では、前述のアルカンチオール液に基板11を浸漬させる浸漬処理により、SAM膜12を部分的に形成する。また、上記塗布工程では、上記構成の液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出塗布装置を用いてPZT前駆体溶液Aを選択的に塗布した。また、乾燥工程では、塗布したPZT前駆体溶液Aの膜14’を所定温度(温度120°C)で乾燥させ、熱分解工程では、乾燥したPZT前駆体溶液Aの膜中の有機物を所定温度(温度500°C)で熱分解した。
次に、引き続き繰返し処理として、イソプロピルアルコールを洗浄した後、前述の同様の浸漬処理にてSAM膜を形成した。2回目以降はSAM膜は酸化膜上には形成されないので、図2の工程D’に示すようにフォトリソグラフィーの工程を実施せずにSAM膜12のパターンが得られる。また、このときの接触角は純水に対してSAM膜12上は92度、PZT膜15上は34度であった。この状態で1度目に形成したPZT膜14上に位置合わせを行い、図2の工程E’に示すように、再度、液滴吐出塗布装置によりPZT前駆体溶液Aの膜14’を塗布した。さらに、1回目と同じ加熱プロセスの乾燥工程及び熱分解工程を実施し、図2の工程F’に示すように重ね塗りされたPZT膜15’が得られた。このときの膜厚は180[nm]であった。
更にその後、上記2層目について行った表面改質工程、塗布工程、乾燥工程(温度120°C)及び熱分解工程(温度500°C)を6回繰り返し、540[nm]のPZT膜15’の膜を得た。その後、結晶化工程で熱処理(温度700℃)をRTA(急速熱処理)にて行った。これにより、基板11の白金電極上にパターン化した電気機械変換膜としてのPZT膜を形成した。その結果、PZT膜にクラックなどの不良は生じることなく、PZT膜の膜厚は1000nmに達した。このパターン化したPZT膜に白金からなる上部電極(第2に電極)をスパッタリング成膜し、電気特性、電気−機械変換能(圧電定数)の評価を行った。その結果、図4のP(分極)−E(電界強度)のヒステリシス曲線が得られた。そして、PZT膜の比誘電率は1220、誘電損失は0.02、残留分極は19.3[μC/cm]抗電界は36.5[kV/cm]であり、通常のセラミック焼結体と同等の特性を持っていることがわかった。また、電気−機械変換能は電界印加による変形量をレーザードップラー振動計で計測し、シミュレーションによる合わせ込みから算出した。その圧電定数d31は120[pm/V]となり、こちらもセラミック焼結体と同等の値であった。この値は液体吐出ヘッドに用いる圧電素子として十分設計できうる特性値である。
一方、上記白金からなる上部電極(第2に電極)を配置せずに、PZT膜の更なる厚膜化を試みた。すなわち、表面改質工程、塗布工程、乾燥工程(温度120[°C])及び熱分解工程(温度500[°C])の6回繰り返しとその後の結晶化処理とを、10回繰り返した。その結果、合計膜厚が5[μm]のパターン化したPZT膜を、クラックなどの欠陥を伴わずに得ることができた。
なお、本実施例1で形成したPZT膜のパターンは、幅が50[μm]、長さが1[mm]である。このPZT膜のパターンが、短手方向に86[μm]の間隔で500個形成されている。
図5は、本実施例1においてPZT前駆体溶液Aを重ね塗布して形成したPZT膜の断面方向(短手方向)の膜厚を、表面粗さ計を用いて計測した結果を示すグラフである。膜厚分布の形状はPZT膜の中心で最も厚く端部に向かい一様に膜厚が減少している。このときの中央部の最大膜厚は2000[nm]である。
インクジェット方式(液滴吐出方式)で塗布する回数はノズルから吐出される液滴量で決まるが、本実施例では例えば2[μm]のPZT膜を形成するのに、10回のPZT前駆体溶液Aの塗布を必要とした。そこで、本実施例では、各パターン間でPZT膜を均一化するために、PZT前駆体溶液Aを9回塗布した段階で、PZT膜の膜厚を測定し、そのPZT膜の膜厚の測定結果に基づいて10回目のPZT前駆体溶液Aの塗布量を調節した。
図6は、本実施例1の1〜9回目までの塗布工程における基板11上の複数のパターンそれぞれの塗布対象領域16にPZT前駆体溶液Aの液滴を塗布している様子を示す説明図である。重ね塗りされたPZT膜15、15’の上に、図6に示すようにある間隔をおいて塗布液のドット18を配置する。塗布液のドット18の間隔は液滴の量やパターンによって変わるが、本実施例では約30[μm]ピッチで配置した。塗布されたPZT前駆体溶液Aは各パターンの塗布対象領域16の中で濡れ広がり、隣接するドットとつながり、連続膜が形成される。しかしながら、吐出される塗布液のドット18の大きさにはばらつきがあるため、形成されたPZT膜は、その塗布液のドット18の大きさのバラツキによって、PZT膜の膜厚にばらつきが生じる。
そこで、PZT前駆体溶液Aを9回塗布した段階で、前述の膜厚測定装置(膜厚測定用カメラ)71によりPZT膜の膜厚を測定し、その膜厚の測定結果に応じて10回目の塗布時に塗布する塗布条件としての1パターン当たりの液滴17の数を変更した。このPZT膜の膜厚の測定結果に応じた1パターン当たりの液滴17の数の変更は、PZT膜のパターンごとに行った。そして、上記変更後の塗布条件に基づいて、10回目のPZT前駆体溶液Aの塗布を行った。
図7は、実施例1における各パターンごとに実行するPZT膜の膜厚測定からPZT前駆体溶液Aの塗布までのシーケンスの一例を示すフローチャートである。このシーケンスは、前述の制御装置で実行することができる。
図7において、まず、1〜9回目までのPZT前駆体溶液Aの塗布工程を含むPZT膜の形成工程が終了した段階で、複数のパターンについて、膜厚測定装置71によりPZT膜を撮影する(S101)。そして、撮影した画像を処理して、複数のパターンそれぞれについてPZT膜の膜厚を算出する(S102)このPZT膜の撮影は、パターン内の長手方向の複数箇所について行ってもよい。この場合は、撮影した画像を処理して、複数のパターンそれぞれについて、複数箇所のPZT膜の膜厚の平均値を、そのPZT膜の膜厚の代表値として算出する。
次に、複数のパターンのPZT膜について測定した複数の膜厚の平均値を算出し、各PZT膜の膜厚の平均値からのズレ量を計算する(S103)。このズレ量の計算は、複数のパターンのPZT膜について測定した複数の膜厚の最大値を基準にし、各PZT膜の膜厚の最大値からのズレ量(不足量)を計算してもよい。
次に、上記計算したズレ量に基づいて、上記複数のパターンのPZT膜それぞれについて、次の塗布工程で塗布する1パターン当たりのPZT前駆体溶液Aの塗布量を算出する(S104)。そして、上記複数のパターンのPZT膜それぞれについて、上記1パターン当たりのPZT前駆体溶液Aの塗布量に基づいて、1パターン当たりに塗布するPZT前駆体溶液Aの液滴の数(塗布ドット数)を算出する(S105)。
次に、上記各パターンのPZT前駆体溶液Aの液滴の数(塗布ドット数)に基づいて、複数のパターン全体を含むビットマップパターンのデータを作成する(S106)。ここで、ビットマップパターンのデータは、前記複数のパターン全体を含むビットマップパターンの各画素についてPZT前駆体溶液Aを塗布するか否かを指定するデータである。
なお、上記PZT前駆体溶液Aの塗布ドット数の算出を行わないで、上記1パターン当たりのPZT前駆体溶液Aの塗布量に基づいてビットマップパターンのデータを作成してもよい。
次に、複数のパターンのPZT膜それぞれについて、上記ビットマップパターンのデータに基づいて、最後の10枚目のPZT前駆体溶液Aの塗布工程を含むPZT膜の形成工程を実行する(S107)。
図8は、本実施例1の10回目の塗布工程における基板11上の複数のパターンそれぞれの塗布対象領域16にPZT前駆体溶液Aの液滴を塗布している様子を示す説明図である。なお、図8中の塗布液のドット18の数は、実際に各パターン塗布される液滴17の数と一致するものではなく、各パターンに塗布される液滴の塗布個数の違いを示したものである。
図8において、例えば、通常30[μm]ピッチで液滴を塗布するため、長さ1[mm]のパターンの領域には33個の液滴17が塗布され、塗布液のドット18が形成される(図8中のパターン16b、16d参照)。膜厚がほかのPZT膜よリも薄いパターン(図8のパターン16a参照)の場合は、液滴17の数を増加させる。一方、膜厚がほかのPZT膜よリも厚いパターン(図8のパターン16c参照)の場合は、液滴17の数を減少させる。
例えば、9回塗布が終了した段階でPZT膜厚の平均が1.8[μm]であり、膜厚のばらつきが5%ある場合は、約1.7[μm]〜1.9[μm]の膜厚が存在する。そこで、PZT膜の膜厚が1.7[μm]のパターンの場合、10回目の塗布時の液滴の数を50個とする。また、PZT膜の膜厚が1.9[μm]のパターンの場合は、10回目の塗布時の液滴の数を16個とする。このように最後の工程の塗布時に塗布する液滴量を変えることで、各パターン間のPZT膜の膜厚ばらつきは1%以下となり、比較的簡単なプロセスで、各パターン間で均一なPZT膜が得られた。
上記実施例1では、各パターンにおけるPZT前駆体溶液Aの塗布量を変更するために液滴の数を変更したが、液滴が着弾するピッチを変更してもよい。
また、上記液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)が圧電素子にパルス電圧を印加して液体を押し出すように構成されている場合、上記液滴の数やピッチを変更するには、パルス電圧の印加タイミングや周期を変更する。
[実施例2]
上記実施例1ではPZT膜の膜厚を調整するために塗布する液滴の数を変えたが、本実施例2では塗布する数を固定して、液滴のサイズ、体積又は質量を変えている。圧電素子に駆動電圧としてパルス電圧を印加して液体を押し出す液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の場合は、パルス電圧の大きさやパルス幅を変えることによって、液滴のサイズ、体積又は質量を変えることができる。
図9(a)及び(b)はそれぞれ、液滴吐出ヘッドに印加するパルス電圧の波形の一例を示す説明図である。図9(a)は、パルス電圧の標準波形(20V)である。これに対し、実施例1と同様に9回塗布後の膜厚が薄い(1.7[μm])のPZT膜に液滴を塗布する際には、図9(b)に示す30Vのパルス電圧を印加する。このときの液滴量は標準波形と比べて約1.5倍となるため、液滴の数を増やすのと同様に、各パターン間で均一な膜厚のPZT膜が得られる。
図10は、実施例2における各パターンごとに実行するPZT膜の膜厚測定からPZT前駆体溶液Aの塗布までのシーケンスの他の例を示すフローチャートである。このシーケンスは、前述の制御装置で実行することができる。なお、図10において、S201〜S204のステップについては、前述の図7のS101〜S104のステップと同様であるので、説明を省略する。
図10において、複数のパターンのPZT膜それぞれについて、上記1パターン当たりのPZT前駆体溶液Aの塗布量に基づいて、次のPZT前駆体溶液Aの塗布時に液滴吐出ヘッドに印加するパルス電圧の大きさを算出する(S205)。
次に、複数のパターンのPZT膜それぞれについて、上記パルス電圧の大きさに基づいて、次のPZT前駆体溶液Aの塗布時に液滴吐出ヘッドに印加するパルス電圧の波形を設定する(S206)。なお、上記パルス電圧の大きさの算出を行わないで、上記パルス電圧の波形を設定してもよい。
次に、複数のパターンのPZT膜それぞれについて、上記設定した波形のパルス電圧を液滴吐出ヘッドに印加して、最後の10枚目のPZT前駆体溶液Aの塗布工程を含むPZT膜の形成工程を実行する(S207)。
図11は、上記製造方法で製造した電気機械変換素子(PZT素子)40を用いて構成した液吐出ヘッド50の一構成例を示す概略構成図である。図示の例では、液室(圧力室)20aが形成される液室基板となるシリコン基板20上に、振動板30、密着層41及び下部電極(第1の電極)42を積層している。そして、その下部電極(第1の電極)42上の所定部分に、上記簡便な製造方法により、バルクセラミックスと同等の性能を持つ電気機械変換素子(PZT素子)43及び上部電極44をパターン化して形成することができる。その後、シリコン基板20の裏面(図中の下面)からエッチング除去工程により液室20aを形成し、ノズル孔21を有するノズル板22を接合することにより、液体吐出ヘッド50を作製することができる。なお、図中には液体供給手段、流路、流体抵抗についての記述は省略した。また、図11の液吐出ヘッド50は、図12に示すように複数個並べるように構成することもできる。
また、上記製造方法で製造した電気機械変換素子(PZT素子)40を用いて構成した液吐出ヘッドは、インクジェットヘッドとして画像形成装置に用いることができる。また、上記製造方法で製造した電気機械変換素子(PZT素子)40を用いて構成した液吐出ヘッドは、マイクロポンプ、超音波モーター、加速度センサー、プロジェクター用2軸スキャナー、輸液ポンプなどの用途においても使用可能である。
図13は上記製造方法で製造した電気機械変換素子を用いることができる液滴吐出装置の一構成例を示す概略構成図である。また、図14は、同液滴吐出装置の概略透視斜視図である。なお、同図に示す本発明の液滴吐出装置は、上述した本発明の電気機械変換素子の製造方法によって製造された電気機械変換素子を具備する液滴吐出ヘッドを搭載している。同図に示す本発明の液滴吐出装置の一例であるインクジェット記録装置100は、記録装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101を備えている。更に、インクジェット記録装置100は、キャリッジ101に搭載した本発明を実施して製造した液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドからなる記録ヘッド102を備えている。また、インクジェット記録装置100は、記録ヘッド102へインクを供給するインクカートリッジ103とを含んで構成される印字機構部104を備えている。また、装置本体の下方部には前方側から多数枚の用紙105を積載可能な給紙カセット106を抜き差し自在に装着することができる。また、用紙105を手差しで給紙するための手差しトレイ107を開倒することができる。給紙カセット106或いは手差しトレイ107から給送される用紙105を取り込み、印字機構部104によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ108に排紙する。印字機構部104は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド109と従ガイドロッド110とでキャリッジ101を主走査方向に摺動自在に保持する。このキャリッジ101には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドからなる記録ヘッド102が装着されている。この記録ヘッド102は、複数のインク吐出口(ノズル)が主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着されている。また、キャリッジ101には、記録ヘッド102に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ103が交換可能に装着されている。インクカートリッジ103は上方に大気と連通する大気口、下方には記録ヘッド102へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド102へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、記録ヘッド102としてここでは各色のヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。ここで、キャリッジ101は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド109に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド110に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ101を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ111で回転駆動される駆動プーリ112と従動プーリ113との間にタイミングベルト114を張装している。このタイミングベルト114はキャリッジ101に固定されており、主走査モータ111の正逆回転によりキャリッジ101が往復駆動される。
一方、給紙カセット106にセットした用紙105を記録ヘッド102の下方側に搬送するために、次の各部材が設けられている。まず、給紙カセット106から用紙105を分離給装する給紙ローラ115及びフリクションパッド116と、用紙105を案内するガイド部材117とが設けられている。更に、給紙された用紙105を反転させて搬送する搬送ローラ118と、この搬送ローラ118の周面に押し付けられる搬送コロ119及び搬送ローラ118からの用紙105の送り出し角度を規定する先端コロ120とが設けられている。また、搬送ローラ118は、副走査モータ121によってギヤ列を介して回転駆動される。また、キャリッジ101の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ118から送り出された用紙105を記録ヘッド102の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材122が設けられている。この印写受け部材122の用紙搬送方向下流側には、用紙105を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ123と拍車124とが設けられている。さらに、用紙105を排紙トレイ108に送り出す排紙ローラ125及び拍車126と、排紙経路を形成するガイド部材127,128とが配設されている。記録時には、キャリッジ101を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド102を駆動することにより、停止している用紙105にインクを吐出して1行分を記録し、用紙105を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙105の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙105を排紙する。また、キャリッジ101の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド102の吐出不良を回復するための回復装置129を配置している。回復装置129はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ101は印字待機中にはこの回復装置129側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッド102をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
PZT前駆体溶液などの塗布液を塗布する塗布工程と、前記塗布した塗布液の膜を乾燥させる乾燥工程とを含み、前記塗布工程と前記乾燥工程とを含む膜形成工程を繰り返すことにより、膜を形成する膜の形成方法であって、前記膜形成工程の繰り返しの途中に、前記膜の厚さを測定する膜厚測定工程と、前記膜厚測定工程による膜の厚さの測定結果に基づいて、残りの膜形成工程における前記塗布液の塗布条件を変更する条件変更工程と、を更に含み、前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記変更した塗布条件に基づいて、前記塗布液の塗布を互いに独立に制御する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、塗布工程と乾燥工程とを含む膜形成工程の繰り返しの途中に、膜の厚さを測定することにより、それまでの膜形成構成で形成された膜の厚さを把握することができる。この膜の膜厚の測定結果に基づいて、膜が均一になるように、残りの膜形成工程における塗布液の塗布条件を互いに独立に変更することができる。そして、前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記変更した塗布条件に基づいて塗布液の塗布を制御する。この制御により、前記膜形成工程の繰り返し実行後に形成される膜の膜厚ばらつきを抑制することができる。よって、塗布液を塗布して膜を形成する場合における膜厚のばらつきを抑制することができる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、前記膜形成工程を繰り返すことにより、互いに独立した複数のパターンそれぞれに膜を形成し、前記膜厚測定工程は、互いに独立した複数のパターンそれぞれに膜を形成する膜形成工程の繰り返しの途中に、前記複数のパターンそれぞれに形成されている膜の厚さを測定し、前記条件変更工程は、前記膜厚測定工程による前記複数のパターンそれぞれの膜の厚さの測定結果に基づいて、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における前記塗布液の塗布条件を互いに独立に変更し、前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記変更した塗布条件に基づいて、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の塗布を互いに独立に制御する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、膜形成工程の繰り返しの途中に、複数のパターンそれぞれに形成されている膜の厚さを測定することにより、それまでの膜形成構成で形成された膜の厚さを把握することができる。この膜の膜厚の測定結果に基づいて、複数のパターンそれぞれの膜が互いに均一になるように、複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における塗布液の塗布条件を互いに独立に変更することができる。そして、前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記変更した塗布条件に基づいて、複数のパターンそれぞれに対する塗布液の塗布を互いに独立に制御する。この制御により、前記膜形成工程の繰り返し実行後に形成される膜のパターン間の膜厚ばらつきを抑制することができる。よって、塗布液を繰り返し塗布して互いに独立した複数のパターンの膜を形成する場合に、パターン間の膜厚のばらつきを抑制することができる。
(態様C)
上記態様Bにおいて、前記塗布工程は、前記複数のパターンそれぞれに対して前記塗布液の複数の液滴を塗布する工程であり、前記変更対象の塗布条件は、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における該パターンに塗布する前記塗布液の液滴の数又は塗布ピッチを含み、前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の液滴の数又は塗布ピッチを互いに独立に制御する。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数のパターンそれぞれに対して塗布液の液滴を塗布する場合に、その塗布液の液滴の数又は塗布ピッチを制御することにより、パターン間の膜厚ばらつきを精度よく抑制することができる。
(態様D)
上記態様Cにおいて、前記塗布工程は、パルス電圧が印加される電気機械変換素子を用いたインクジェット方式により前記塗布液の液滴を塗布する工程であり、前記変更対象の塗布条件は、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における該パターンに塗布する前記塗布液の液滴塗布時のパルス電圧の周期を含み、前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の液滴の塗布時のパルス電圧の周期を互いに独立に制御する。これによれば、上記実施形態について説明したように、塗布液の液滴の塗布時のパルス電圧の周期を制御するという比較的簡易な制御により、パターン間の膜厚ばらつきを抑制することができる。
(態様E)
上記態様Bにおいて、前記塗布工程は、前記複数のパターンそれぞれに対して前記塗布液の複数の液滴を塗布する工程であり、前記変更対象の塗布条件は、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における該パターンに塗布する前記塗布液の液滴のサイズ、体積又は質量を含み、前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の液滴のサイズ、体積又は質量を互いに独立に制御する。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数のパターンそれぞれに対して塗布液の液滴を塗布する場合に、その塗布液の液滴のサイズ、体積又は質量を制御することにより、パターン間の膜厚ばらつきを精度よく抑制することができる。
(態様F)
上記態様Eにおいて、前記塗布工程は、パルス電圧が印加される電気機械変換素子を用いたインクジェット方式により前記塗布液の液滴を塗布する工程であり、前記変更対象の塗布条件は、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における該パターンに塗布する前記塗布液の液滴塗布時のパルス電圧の大きさ及びパルス幅の少なくとも一方を含み、前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の液滴の塗布時のパルス電圧の大きさ及びパルス幅の少なくとも一方を互いに独立に制御する。これによれば、上記実施形態について説明したように、塗布液の液滴の塗布時のパルス電圧の大きさ及びパルス幅の少なくとも一方を制御するという比較的簡易な制御により、パターン間の膜厚ばらつきを抑制することができる。
(態様G)
上記態様B乃至Fのいずれかにおいて、前記変更対象の塗布条件は、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における前記塗布液の塗布の回数を含み、前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の塗布の回数を互いに独立に制御する。これによれば、上記実施形態について説明したように、塗布液の1回当たりの塗布条件を変えずに塗布液の塗布の回数を制御するという簡易な制御により、パターン間の膜厚ばらつきを抑制することができる。
(態様H)
上記態様B乃至Gのいずれかにおいて、前記変更対象の塗布条件は、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における前記塗布液の塗布の有無を含み、前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の塗布の有無を互いに独立に制御する。これによれば、上記実施形態について説明したように、塗布液の1回当たりの塗布条件を変えずに塗布液の塗布の有無を制御するという簡易な制御により、パターン間の膜厚ばらつきを抑制することができる。
(態様I)
上記態様B乃至Hのいずれかにおいて、前記膜厚測定工程と前記条件変更工程とを、前記複数のパターンの膜厚が狙いの膜厚になるように予め設定した前記塗布工程の所定の繰り返し回数における最終回の塗布工程の前に行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、最終回の塗布工程で各パターンについて膜厚を微調整することにより、パターン間の膜厚ばらつきを精度よく抑制することができる。
(態様J)
上記態様A乃至Iのいずれかにおいて、前記塗布液はゾルゲル液であり、前記膜形成工程は、前記乾燥させた塗布液の膜を熱分解させる熱分解工程を含む。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数のパターンそれぞれにゾルゲル液を塗布して熱分解することによって膜を形成する場合に、パターン間の膜厚ばらつきを抑制することができる。
(態様K)
上記態様Jにおいて、前記熱分解した膜を結晶化させる結晶化工程を更に含み、前記膜形成工程及び前記結晶化工程を1回又は2回以上実行する。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記熱分解した膜を結晶化させて最終的な膜を形成する場合に、パターン間の膜厚ばらつきを抑制することができる。
(態様L)
上記態様J又はKにおいて、前記膜形成工程の繰り返し実行の前に、前記膜形成対象に対して部分的に表面改質を行う表面改質工程を更に含む。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数のパターンそれぞれに形成する膜のパターン精度を高めることができる。
(態様M)
上記態様A乃至Lのいずれかにおいて、前記膜は、PZT膜などの電気機械変換膜である。これによれば、上記実施形態について説明したように、互いに独立した複数のパターンの電気機械変換膜を形成する場合に、パターン間の膜厚のばらつきを抑制することができる。
(態様N)
素子形成対象上に複数パターンの電気機械変換素子を形成する電気機械変換素子の製造方法であって、前記素子形成対象上に、前記複数パターンの電気機械変換素子に対応する複数の第1の電極を形成する工程と、前記複数の第1の電極それぞれの上に、上記態様Mの膜の形成方法により電気機械変換膜を形成する工程と、前記複数の電気機械変換膜の上に、第2の電極を形成する工程と、を含む。これによれば、上記実施形態について説明したように、互いに独立した複数のパターンの電気機械変換膜を有する電気機械変換素子を形成する場合に、電気機械変換素子間の電気機械変換膜の膜厚のばらつきを抑制することができる。
(態様O)
上記態様Nの電気機械変換素子の製造方法によって製造された電気機械変換素子である。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数の電気機械変換素子間の電気機械変換膜の膜厚のばらつきを抑制できるので、特性のばらつきが小さい複数の電気機械変換素子を提供できる。
(態様P)
上記態様Oの電気機械変換素子を備えた液滴吐出ヘッドである。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数の電気機械変換素子それぞれによる液滴の吐出特性のばらつきが小さい液滴吐出ヘッドを提供できる。
(態様Q)
上記態様Pの液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置である。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数の電気機械変換素子それぞれによる液滴の吐出特性のばらつきが小さい液滴吐出ヘッドを提供できる。
(態様R)
インク滴吐出ヘッドとして、上記態様Pの液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置である。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数の電気機械変換素子それぞれによるインク滴の吐出特性のばらつきが小さいインク滴吐出ヘッドを有する画像形成装置を提供できる。
(態様S)
上記態様A乃至Mのいずれかの膜の形成方法における前記塗布工程で用いられる液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置であって、前記液滴吐出ヘッドは、複数のノズルを有し、前記膜の厚さの測定結果に基づいて、前記残りの膜形成工程における前記塗布液の塗布条件を変更する条件変更手段と、前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記変更した塗布条件に基づいて、前記塗布液の塗布を互いに独立に制御する制御手段と、を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、塗布液を塗布して膜を形成する場合における膜厚のばらつきを抑制することができる。
なお、本発明は上記実施形態や実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載
であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
11 基板
11 下部電極
12 SAM膜
13 フォトレジスト、
14 PZT膜
15 電気機械変換膜
16 塗布対象領域
17 液滴
18 塗布液のドット
50 液滴吐出ヘッド
60 液滴吐出塗布装置
69 液滴吐出ヘッド(製造用)
100 インクジェット記録装置
特開2003−297825号公報 特開2006−176385号公報 特開2011−146601号公報
K.D.Budd, S.K.Dey and D.A.Payne,Proc.Brit.Ceram.Soc.36,107(1985) A.Kumar and G.M.Whitesides, Appl.Phys.Lett.,63,2002(1993)

Claims (19)

  1. 塗布液を塗布する塗布工程と、前記塗布した塗布液の膜を乾燥させる乾燥工程とを含み、前記塗布工程と前記乾燥工程とを含む膜形成工程を繰り返すことにより、膜を形成する膜の形成方法であって、
    前記膜形成工程の繰り返しの途中に、前記膜の厚さを測定する膜厚測定工程と、
    前記膜厚測定工程による膜の厚さの測定結果に基づいて、残りの膜形成工程における前記塗布液の塗布条件を変更する条件変更工程と、を更に含み、
    前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記変更した塗布条件に基づいて、前記塗布液の塗布を制御することを特徴とする膜の形成方法。
  2. 請求項1の膜の形成方法において、
    前記膜形成工程を繰り返すことにより、複数のパターンそれぞれに膜を形成し、
    前記膜厚測定工程は、複数のパターンそれぞれに膜を形成する膜形成工程の繰り返しの途中に、前記複数のパターンそれぞれに形成されている膜の厚さを測定し、
    前記条件変更工程は、前記膜厚測定工程による前記複数のパターンそれぞれの膜の厚さの測定結果に基づいて、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における前記塗布液の塗布条件を互いに独立に変更し、
    前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記変更した塗布条件に基づいて、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の塗布を制御することを特徴とする膜の形成方法。
  3. 請求項2の膜の形成方法において、
    前記塗布工程は、前記複数のパターンそれぞれに対して前記塗布液の複数の液滴を塗布する工程であり、
    前記変更対象の塗布条件は、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における該パターンに塗布する前記塗布液の液滴の数又は塗布ピッチを含み、
    前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の液滴の数又は塗布ピッチを制御することを特徴とする膜の形成方法。
  4. 請求項3の膜の形成方法において、
    前記塗布工程は、パルス電圧が印加される電気機械変換素子を用いたインクジェット方式により前記塗布液の液滴を塗布する工程であり、
    前記変更対象の塗布条件は、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における該パターンに塗布する前記塗布液の液滴塗布時のパルス電圧の周期を含み、
    前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の液滴の塗布時のパルス電圧の周期を制御することを特徴とする膜の形成方法。
  5. 請求項2の膜の形成方法において、
    前記塗布工程は、前記複数のパターンそれぞれに対して前記塗布液の複数の液滴を塗布する工程であり、
    前記変更対象の塗布条件は、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における該パターンに塗布する前記塗布液の液滴のサイズ、体積又は質量を含み、
    前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の液滴のサイズ、体積又は質量を制御することを特徴とする膜の形成方法。
  6. 請求項5の膜の形成方法において、
    前記塗布工程は、パルス電圧が印加される電気機械変換素子を用いたインクジェット方式により前記塗布液の液滴を塗布する工程であり、
    前記変更対象の塗布条件は、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における該パターンに塗布する前記塗布液の液滴塗布時のパルス電圧の大きさ及びパルス幅の少なくとも一方を含み、
    前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の液滴の塗布時のパルス電圧の大きさ及びパルス幅の少なくとも一方を制御することを特徴とする膜の形成方法。
  7. 請求項2乃至6のいずれかの膜の形成方法において、
    前記変更対象の塗布条件は、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における前記塗布液の塗布の回数を含み、
    前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の塗布の回数を制御することを特徴とする膜の形成方法。
  8. 請求項2乃至7のいずれかの膜の形成方法において、
    前記変更対象の塗布条件は、前記複数のパターンそれぞれに対する残りの膜形成工程における前記塗布液の塗布の有無を含み、
    前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記複数のパターンそれぞれに対する前記塗布液の塗布の有無を制御することを特徴とする膜の形成方法。
  9. 請求項2乃至8のいずれかの膜の形成方法において、
    前記膜厚測定工程と前記条件変更工程とを、前記複数のパターンの膜厚が狙いの膜厚になるように予め設定した前記塗布工程の所定の繰り返し回数における最終回の塗布工程の前に行うことを特徴とする膜の形成方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれかの膜の形成方法において、
    前記塗布液はゾルゲル液であり、
    前記膜形成工程は、前記乾燥させた塗布液の膜を熱分解させる熱分解工程を含むことを特徴とする膜の形成方法。
  11. 請求項10の膜の形成方法において、
    前記熱分解した膜を結晶化させる結晶化工程を更に含み、
    前記膜形成工程及び前記結晶化工程を1回又は2回以上実行することを特徴とする膜の形成方法。
  12. 請求項10又は11の膜の形成方法において、
    前記膜形成工程における前記塗布工程の前に、前記膜形成工程の繰り返し実行の前に、前記膜形成対象に対して部分的に表面改質を行う表面改質工程を更に含むことを特徴とする膜の形成方法。
  13. 請求項1乃至12のいずれかの膜の形成方法において、
    前記膜は、電気機械変換膜であることを特徴とする膜の形成方法。
  14. 素子形成対象上に電気機械変換素子を形成する電気機械変換素子の製造方法であって、
    前記素子形成対象上に、前記複数パターンの電気機械変換素子に対応する複数の第1の電極を形成する工程と、
    前記複数の第1の電極それぞれの上に、請求項13の膜の形成方法により電気機械変換膜を形成する工程と、
    前記複数の電気機械変換膜の上に、第2の電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする電気機械変換素子の製造方法。
  15. 請求項14の電気機械変換素子の製造方法によって製造されたことを特徴とする電気機械変換素子。
  16. 請求項15の電気機械変換素子を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  17. 請求項16の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  18. インク滴吐出ヘッドとして、請求項16の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項1乃至13のいずれかの膜の形成方法における前記塗布工程で用いられる液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置であって、
    前記液滴吐出ヘッドは、複数のノズルを有し、
    前記膜の厚さの測定結果に基づいて、前記残りの膜形成工程における前記塗布液の塗布条件を変更する条件変更手段と、
    前記残りの膜形成工程を実行するときに、前記変更した塗布条件に基づいて、前記塗布液の塗布を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
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