JP2014172333A - レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、フレキソ印刷版原版、フレキソ印刷版の製版方法及びフレキソ印刷版 - Google Patents

レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、フレキソ印刷版原版、フレキソ印刷版の製版方法及びフレキソ印刷版 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザー彫刻時に発生する彫刻カスのリンス性に優れ、得られる版のゴム弾性と強度とが共に優れるレーザー彫刻用樹脂組成物、上記レーザー彫刻用樹脂組成物を用いたフレキソ印刷版原版及びその製造方法、並びに、フレキソ印刷版及びその製版方法を提供すること。
【解決手段】(成分A)エチレン性不飽和基を有するバインダーポリマー、並びに、(成分B)第三級エステル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物、を含有することを特徴とするレーザー彫刻用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、フレキソ印刷版原版、フレキソ印刷版の製版方法及びフレキソ印刷版に関する。
レリーフ形成層をレーザーにより直接彫刻し製版する、いわゆる「直彫りCTP方式」が多く提案されている。この方式では、フレキソ原版に直接レーザーを照射し、光熱変換により熱分解及び揮発を生じさせ、凹部を形成する。直彫りCTP方式は、原画フィルムを用いたレリーフ形成と異なり、自由にレリーフ形状を制御することができる。このため、抜き文字の如き画像を形成する場合、その領域を他の領域よりも深く彫刻する、又は、微細網点画像では、印圧に対する抵抗を考慮し、ショルダーをつけた彫刻をすることなども可能である。この方式に用いられるレーザーは高出力の炭酸ガスレーザーが用いられることが一般的である。炭酸ガスレーザーの場合、全ての有機化合物が照射エネルギーを吸収して熱に変換できる。一方、安価で小型の半導体レーザーが開発されてきているが、これらは可視及び近赤外光であるため、上記レーザー光を吸収して熱に変換することが必要となる。
従来のレーザー彫刻用樹脂組成物としては、例えば、特許文献1〜3に記載のものが知られている。
特開2009−6652号公報 特開2011−136430号公報 特開2010−69763号公報
本発明が解決しようとする課題は、レーザー彫刻時に発生する彫刻カスのリンス性に優れ、得られる版のゴム弾性と強度とが共に優れるレーザー彫刻用樹脂組成物、上記レーザー彫刻用樹脂組成物を用いたフレキソ印刷版原版及びその製造方法、並びに、フレキソ印刷版及びその製版方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>及び<9>〜<12>に記載の手段により解決された。好ましい実施形態である<2>〜<8>及び<13>と共に列記する。
<1>(成分A)エチレン性不飽和基を有するバインダーポリマー、並びに、(成分B)第三級エステル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物、を含有することを特徴とするレーザー彫刻用樹脂組成物、
<2>上記第三級エステル基が、式(I)で表される基である、上記<1>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
Figure 2014172333
(式(I)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、一価の炭化水素基を表し、また、R1〜R3のうちの少なくとも2つが互いに結合して、1つ以上の環構造を形成していてもよく、波線部分は他の部分のとの結合位置を表す。)
<3>(成分C)成分A及び成分B以外の重合性化合物を更に含有する、上記<1>又は<2>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<4>(成分D)重合開始剤を更に含有する、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<5>(成分E)光熱変換剤を更に含有する、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<6>成分Aが、共役ジエン系ポリマー、末端にエチレン性不飽和基を有する共役ジエン系ポリマー、及び、エチレン性不飽和基を有するポリウレタン樹脂よりなる群から選ばれたポリマーである、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<7>成分Bが、第三級エステル基を有する(メタ)アクリレート化合物である、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<8>成分Bが、単官能エチレン性不飽和化合物である、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<9>上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<10>上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を熱により架橋した架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<11>上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、及び、上記レリーフ形成層を熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程、を含むことを特徴とするレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、
<12>上記<10>に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版又は上記<11>に記載の製造方法により得られたレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版をレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程、を含むフレキソ印刷版の製版方法、
<13>彫刻工程後、上記レリーフ層表面を水系リンス液によりリンスするリンス工程を更に含む、上記<12>に記載のフレキソ印刷版の製版方法。
本発明によれば、レーザー彫刻時に発生する彫刻カスのリンス性に優れ、得られる版のゴム弾性と強度とが共に優れるレーザー彫刻用樹脂組成物、上記レーザー彫刻用樹脂組成物を用いたフレキソ印刷版原版及びその製造方法、並びに、フレキソ印刷版及びその製版方法を提供することができた。
なお、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。また、「質量部」及び「質量%」との記載は、それぞれ、「重量部」及び「重量%」と同義である。
また、本発明において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基の双方又はいずれかを意味する。
更に、本発明において、「(成分A)エチレン性不飽和基を有するバインダーポリマー」等を単に「成分A」等ともいう。
(レーザー彫刻用樹脂組成物)
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)は、(成分A)エチレン性不飽和基を有するバインダーポリマー、並びに、(成分B)第三級エステル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物、を含有することを特徴とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、レーザー彫刻用樹脂組成物に成分A及び成分Bを併用することにより、レーザー彫刻時に発生する彫刻カスのリンス性に優れ、得られるフレキソ印刷版原版及びフレキソ印刷版などの版のゴム弾性と強度とが共に優れるレーザー彫刻用樹脂組成物を提供することができることを見出した。
詳細な機構は不明であるが、成分B由来の第三級エステル基がレーザー彫刻時に分解しやすく、その分解しやすさ及び/又は分解により酸基が生じるため、彫刻カスのリンス性が向上すると推定され、また、成分A及び成分Bの双方が架橋構造を形成することから、強靭、かつ、良好なゴム弾性を示す架橋レリーフ層及びレリーフ層などの膜が得られると推定される。
なお、本明細書では、フレキソ印刷版原版の説明に関し、上記成分A及び成分Bを含有し、レーザー彫刻に供する画像形成層としての、表面が平坦な層であり、かつ未架橋の架橋性層をレリーフ形成層といい、上記レリーフ形成層を架橋した層を架橋レリーフ形成層といい、これをレーザー彫刻して表面に凹凸を形成した層をレリーフ層という。
以下、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物の構成成分について説明する。
(成分A)エチレン性不飽和基を有するバインダーポリマー
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分A)エチレン性不飽和基を有するバインダーポリマーを含有する。
成分Aにおけるエチレン性不飽和基としては、特に制限はないが、共役ジエン系ポリマーにおける共役ジエン由来のエチレン性不飽和基、又は、(メタ)アクリロイル基が好ましい。上記態様であると、均一な架橋膜が得られ、強靱かつ良好なゴム弾性を示す膜が得られる。
成分Aは、20℃において、プラストマーであることが好ましい。
本発明において「プラストマー」とは、高分子学会編「新版高分子辞典」(日本国、朝倉書店、1988年発行)に記載されているように、加熱により容易に流動変形し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する高分子体を意味する。プラストマーは、エラストマー(外力を加えたときに、その外力に応じて変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有するもの)に対する言葉である。
本発明において、プラストマーは、元の大きさを100%としたときに、室温(20℃)において小さな外力で200%まで変形させることができ、該外力を除いても、130%以下に戻らないものを意味する。より詳細には、JIS K 6262−1997の引張永久ひずみ試験に基づき、20℃において引張試験でI字状試験片の引張前の標線間距離の2倍に伸ばすことが可能であり、かつ、引張前の標線間距離の2倍に伸ばしたところで5分間保持した後、引張外力を除いて5分後に引張永久ひずみが30%以上であるポリマーを意味する。
なお、上記の測定ができないポリマーの場合、外力を加えなくとも変形して元の形状に戻らないポリマーはプラストマーに該当し、例えば、水あめ状、オイル状、液体状の樹脂が該当する。
更に、成分Aは、柔軟性及びゴム弾性発現の観点から、ガラス転移温度(Tg)が20℃以下であることが好ましい。Tgを2つ以上有するポリマーの場合は、全てのTgが20℃以下であることが好ましい。
なお、成分Aのガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量測定)により測定するものとする。
成分Aとしては、エチレン性不飽和基を有する高分子化合物であること以外に特に制限はないが、共役ジエン系ポリマー、末端にエチレン性不飽和基を有する共役ジエン系ポリマー、及び、エチレン性不飽和基を有するポリウレタン樹脂よりなる群から選ばれたポリマーであることが好ましく、コストの観点からは、共役ジエン系ポリマーが更に好ましく、物性の調製や多様性の観点からは、末端にエチレン性不飽和基を有する共役ジエン系ポリマー、及び、エチレン性不飽和基を有するポリウレタン樹脂よりなる群から選ばれたポリマーであることが更に好ましい。
また、成分Aとしては、共役ジエン系ポリマー、末端に(メタ)アクリロイル基を有する共役ジエン系ポリマー、及び、(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン樹脂よりなる群から選ばれたポリマーであることがより好ましい。
共役ジエン系ポリマーとしては、共役ジエン系炭化水素を重合して得られる重合体、共役ジエン系炭化水素とモノオレフィン系不飽和化合物とを重合させて得られる共重合体等が挙げられる。
上記共役ジエン系炭化水素としては、具体的には、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。これらの化合物は単独又は2種類以上組み合わせて用いられる。
上記のモノオレフィン系不飽和化合物としては、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタアクリルアミド、メタアクリルアミド酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、アクリル酸、メタアクリル酸等が挙げられる。
上記の共役ジエン系炭化水素を重合させて得られる重合体又は共役ジエン系炭化水素とモノオレフィン系不飽和化合物とを重合させて得られる共重合体としては、特に限定されず、具体的にはポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン重合体、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−クロロプレン共重合体、アクリル酸エステル−イソプレン共重合体、アクリル酸エステル−クロロプレン共重合体、メタアクリル酸エステルと上記共役ジエンの共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマー等が挙げられる。これらの重合体は、乳化重合させてもよいし、また、溶液重合させてもよい。
また、(メタ)アクリレート基を有する共役ジエン系ポリマーとしては、例えば、メタクリレート導入ポリイソプレン(クラプレンLIR−403、LIR−410、(株)クラレ製)が挙げられる。
更に、末端にエチレン性不飽和基を有する共役ジエン系ポリマーも好ましく用いられる。末端にエチレン性不飽和基を有する共役ジエン系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート基導入ポリブタジエン(NISSO−PB TEAI−1000、EA−3000、日本曹達(株)製)が挙げられる。
これらの中でも、共役ジエン系ポリマー又は末端にエチレン性不飽和基を有する共役ジエン系ポリマーとしては、ポリイソプレン、ポリブタジエン、末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン、又は、末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリブタジエンが好ましく、ポリイソプレン、又は、末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリブタジエンがより好ましく、イソプレンが更に好ましい。
エチレン性不飽和基を有するポリウレタン樹脂としては、特に制限はないが、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、分子末端又は分子主鎖に水酸基を有するポリウレタン樹脂から誘導される。
原料の分子末端に水酸基を有するポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネートの少なくとも1種と、多価アルコール成分の少なくとも1種とを反応させることによって形成される。
分子末端に水酸基を有するポリウレタン樹脂は、分子内に更にカーボネート結合、及びエステル結合から選ばれる少なくとも1種の結合を有していることが好ましい。このポリウレタン樹脂が上記結合を有することが、印刷で用いられるエステル系溶剤を含有するインキ洗浄剤や炭化水素系溶剤を含有するインキ洗浄剤に対する印刷版の耐性を向上させるために好ましい。
分子末端に水酸基を有するポリウレタン樹脂を製造する方法は特に限定されず、例えば、カーボネート結合、エステル結合を有し、かつ、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、アルコキシカルボニル基等の反応性基を複数有する数千程度の分子量の化合物と、上記反応性基と結合し得る官能基を複数有する化合物(例えば、水酸基やアミノ基等を有するポリイソシアネート等)とを反応させ、分子量の調節及び分子末端の結合性基への変換等を行う方法等を用いることができる。
分子末端に水酸基を有するポリウレタン樹脂の製造に用いられるカーボネート結合を有するジオール化合物としては、例えば、4,6−ポリアルキレンカーボネートジオール、8,9−ポリアルキレンカーボネートジオール、5,6−ポリアルキレンカーボネートジオール等の脂肪族ポリカーボネートジオール等を挙げることができる。また、芳香族系分子構造を分子内に有する脂肪族ポリカーボネートジオールを用いてもよい。これらの化合物の末端の水酸基に、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物、トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、ナフタリン−1,3,7−トリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート等のトリイソシアネート化合物を縮合反応させることにより、ウレタン結合を導入することができる。
ウレタン(メタ)アクリレート等は、市販品として、たとえば、紫光(商標登録)シリーズのUV−3200、UV−3000B、UV−3700B、UV−3210EA、UV−2000B(以上、日本合成化学(株)製)、EBECRYL230、EBECRYL9227EA(以上、ダイセル・サイテック(株))、ハイコープAU(商標登録)シリーズのAU−3040、AU−3050、AU−3090、AU−3110、AU−3120(以上、(株)トクシキ製)を入手することができる。
ウレタン(メタ)アクリレート等を得る別法として、前述のポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイルオキシ基を有するジオール化合物とを重付加反応させポリウレタンを生成する方法などもある。
この場合に用いられる(メタ)アクリロイルオキシ基を有するジオール化合物の好ましい例として、日油(株)製のブレンマ−GLM、ナガセケムテックス(株)製の「デナコールアクリレート(商標登録)」シリーズのDA−212、DA−250、DA−721、DA−722、DA−911M、DA−920、DA−931、DM−201、DM−811、DM−832、DM−851などを挙げることができる。
成分Aの好ましい分子量は、数平均分子量(GPC、ポリスチレン換算)で1,000〜1,000,000が好ましく、1,500〜100,000がより好ましく、2,000〜50,000が更に好ましい。成分Aの数平均分子量が上記範囲内であると、成分Aを含有するレーザー彫刻用樹脂組成物の加工が容易であり、また、強度に優れたフレキソ印刷版原版及びフレキソ印刷版が得られるので好ましい。
なお、成分Aの数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ)法を用いて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて求める。
本発明において、成分Aは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物において、成分Aの含有量は、全固形分中、1〜99質量%であることが好ましく、5〜90質量%であることがより好ましく、10〜85質量%であることが更に好ましく、40〜85質量%であることが特に好ましい。なお、「固形分」とは、レーザー彫刻用樹脂組成物において、溶媒等の揮発成分を除いた成分を意味する。
成分Aの含有量が上記範囲内であると、インキへの耐性が高く、強靭、かつ、柔軟性が高い膜が得られる。
(成分B)第三級エステル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分B)第三級エステル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物を含有する。
成分Bにおける第三級エステル基とは、第三級アルコール由来のエステル基(第三級アルコールエステル基)を意味する。
成分Bの分子量は、彫刻感度及び彫刻カスの揮発性の観点から、1,000以下が好ましく、500以下がより好ましく、300以下が更に好ましい。また、128以上であることが好ましい。
成分Bにおけるエチレン性不飽和基は、特に制限はないが、(メタ)アクリル基であることが好ましく、(メタ)アクリロイル基である、すなわち、成分Bが第三級エステル基を有する(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。上記態様であると、架橋性に優れ、版の強度により優れる。
成分Bにおけるエチレン性不飽和基の数は、特に制限はないが、版のゴム弾性と強度との両立の観点から、1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1である、すなわち、成分Bは単官能エチレン性不飽和化合物であることが特に好ましい。
成分Bにおける第三級エステル基は、式(I)で表される基であることが好ましい。
Figure 2014172333
(式(I)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、一価の炭化水素基を表し、また、R1〜R3のうちの少なくとも2つが互いに結合して、1つ以上の環構造を形成していてもよく、波線部分は他の部分のとの結合位置を表す。)
1〜R3における一価の炭化水素基は、飽和又は不飽和の炭化水素基のいずれであってもよく、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基などを含む。これらの基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、また、置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アシルオキシ基等が挙げられる。
1〜R3における一価の炭化水素基は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数1〜20のアルキル基であることがより好ましい。
1〜R3における一価の炭化水素基は、炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、熱分解性の向上や分解物がガスとして飛散しやすいといった点で、炭素数1〜6の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることが更に好ましく、R1〜R3が全て炭素数1の炭化水素基(すなわち、メチル基)であることが更に好ましい。
また、式(I)において、R1〜R3のうちの少なくとも2つが互いに結合して、1つ以上の環構造を形成する場合、環構造に含まれる原子の数は、40以下であることが好ましく、皮膜性を良好に保つ観点から、30以下であることがより好ましく、5以上25以下であることが更に好ましい。
成分Bは、式(II)で表される化合物であることが好ましく、式(III)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2014172333
(式(II)及び式(III)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、一価の炭化水素基を表し、また、R1〜R3のうちの少なくとも2つが互いに結合して、1つ以上の環構造を形成していてもよく、Rは水素原子又はメチル基を表し、Lは単結合又は二価の連結基を表す。)
式(II)及び式(III)におけるR1〜R3は、式(I)におけるR1〜R3と同義であり、好ましい態様も同様である。
Rは、メチル基であることが好ましい。
Lにおける二価の連結基は、炭素原子及び水素原子を含み、更に、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選択される原子を必要に応じて組み合わせて構成されることが好ましく、カルボニル基(−C(=O)−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、ウレタン結合(−NR’−C(=O)−O−)、ウレア結合(−NR’−C(=O)−NR’−)、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は、これらを組み合わせて構成される基に、更に、−O−、−S−、又は、−NH−を適宜組み合わせて構成してもよい二価の連結基であることがより好ましい。R’は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
上記二価の連結基に含まれる連結鎖を構成する原子の数は、60以下であることが好ましく、皮膜性を良好に保つ観点から、50以下であることがより好ましく、40以下が更に好ましい。
また、Lは、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合及びウレア結合よりなる群から選ばれた2以上の構造を組み合わせた基であることが好ましく、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は、炭素数1〜20のアルキレン基、エステル結合及びアミド結合よりなる群から選ばれた2以上の構造を組み合わせた基であることがより好ましく、単結合、又は、炭素数1〜20のアルキレン基、エステル結合及びアミド結合よりなる群から選ばれた2以上の構造を組み合わせた基であることが更に好ましく、単結合であることが特に好ましい。
成分Bは、下記に示す化合物が好ましく挙げられるが、成分Bはこれらに限定されないことは言うまでもない。下記化合物中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2014172333
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Figure 2014172333
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これらの中でも、成分Bは、下記に示す化合物がより好ましい。下記化合物中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2014172333
また、成分Bとしては、t−ブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
成分Bは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
成分Bのレーザー彫刻用樹脂組成物中の含有量は、成分A100質量部に対して、1〜70質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましく、10〜30質量部が更に好ましく、10〜20質量部が特に好ましい。上記態様であると、破断強度がより高く、かつ、より良好なゴム弾性を示す架橋レリーフ層及びレリーフ層などの膜が得られる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、成分A及び成分Bを必須の成分とし、その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、(成分C)成分A及び成分B以外の重合性化合物、(成分D)重合開始剤、(成分E)光熱変換剤、(成分F)香料、(成分G)溶剤、(成分H)充填剤、(成分I)成分A以外のバインダーポリマー等が例示できるが、これに限定されない。
(成分C)成分A及び成分B以外の重合性化合物
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、架橋構造形成を促進するため、(成分C)成分A及び成分B以外の重合性化合物を含有することが好ましい。成分Cを含有することにより、破断強度がより高い架橋レリーフ層及びレリーフ層などの膜が得られる。
成分Cとしては、ラジカル重合性化合物が好ましく、エチレン性不飽和化合物がより好ましい。
また、成分Cとしては、多官能エチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、上記多官能エチレン性不飽和化合物と共に、単官能エチレン性不飽和化合物を含有していてもよいが、多官能エチレン性不飽和化合物であることがより好ましい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、成分Cとして、多官能エチレン性不飽和化合物を含有することが好ましい。上記態様であると、破断強度がより高い架橋レリーフ層及びレリーフ層などの膜が得られる。
多官能エチレン性不飽和化合物としては、末端エチレン性不飽和基を2〜20個有する化合物が好ましい。このような化合物群は当産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に制限無く用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの共重合体、並びにそれらの混合物などの化学的形態をもつ。
多官能エチレン性不飽和化合物におけるエチレン不飽和基が由来する化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナト基や、エポキシ基、等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能又は多官能のアルコール類、アミン類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基、等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、ビニル化合物、アリル化合物、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
上記多官能エチレン性不飽和化合物に含まれるエチレン性不飽和基は、反応性の観点でアクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、アリル化合物の各残基が好ましい。また、耐刷性の観点から、多官能エチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和基を3個以上有することがより好ましい。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
上記エステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアナト基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(i)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R)COOCH2CH(R’)OH (i)
(ただし、R及びR’は、それぞれ、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号各公報に記載される、分子内にアミノ構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、短時間で硬化組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
ビニル化合物としては、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、エチレングリコールジエチレンビニルエーテル、エチレングリコールジプロピレンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパンジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラエチレンビニルエーテル、1,1,1−トリス〔4−(2−ビニロキシエトキシ)フェニル〕エタン、ビスフェノールAジビニロキシエチルエーテル、アジピン酸ジビニル等が挙げられる。
アリル化合物としては、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジアリルエーテル、1,4−ジエチルシクロヘキシルジアリルエーテル、1,8−オクタンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールエタントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、イソシアヌル酸トリアリル、リン酸トリアリル等が挙げられる。
特に、成分A及び成分Bとの相溶性及び架橋性の観点から、成分Cとしては、(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。
これらの中でも、成分Cとしては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジベンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましく例示できる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、単官能エチレン性不飽和化合物を含有していてもよいが、単官能エチレン性不飽和化合物を含有する場合、多官能エチレン性不飽和化合物と併用することが好ましい。
エチレン性不飽和結合を分子内に1つ有する単官能エチレン性不飽和化合物としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と一価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と1価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類とイソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物、及び、単官能又は多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
更に、イソシアナト基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類とアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲノ基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類とアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
重合性化合物としては、特に制限はなく、上記例示した化合物の他、公知の種々の化合物を用いることができ、例えば、特開2009−204962号公報に記載の化合物などを使用してもよい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、成分Cを1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物中における成分Cの総含有量は、架橋膜の柔軟性や強度の観点から、樹脂組成物の全固形分量に対し、0.1〜40質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
また、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物中における成分Cの総含有量は、架橋膜の柔軟性や強度の観点から、成分Aの含有量100質量部に対し、1〜40質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましく、5〜20質量部が更に好ましい。
(成分D)重合開始剤
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、架橋構造形成を促進するため、(成分D)重合開始剤を含有することが好ましく、成分C及び成分Dを含有することがより好ましい。
重合開始剤は、当業者間で公知のものを制限なく使用することができる。以下、好ましい重合開始剤であるラジカル重合開始剤について詳述するが、本発明はこれらの記述により制限を受けるものではない。
本発明において、好ましいラジカル重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(l)アゾ系化合物等が挙げられる。以下に、上記(a)〜(l)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明においては、彫刻感度と、レリーフ印刷版原版のレリーフ形成層に適用した際にはレリーフエッジ形状を良好とするといった観点から、(c)有機過酸化物及び(l)アゾ系化合物がより好ましく、(c)有機過酸化物が特に好ましい。
上記(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、及び(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物としては、特開2008−63554号公報の段落0074〜0118に挙げられている化合物を好ましく用いることができる。
また、(c)有機過酸化物及び(l)アゾ系化合物としては、以下に示す化合物が好ましい。
(c)有機過酸化物
本発明に用いることができるラジカル重合開始剤として好ましい(c)有機過酸化物としては、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−3−メチルベンゾエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシアセテートなどの過酸化エステル系や、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、ジクミルパーオキシドが好ましい。
(l)アゾ系化合物
本発明に用いることができるラジカル重合開始剤として好ましい(l)アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等を挙げることができる。
なお、本発明においては、上記(c)有機過酸化物が本発明における重合開始剤として、膜(レリーフ形成層)の架橋性の観点から好ましく、更に、予想外の効果として、彫刻感度向上の観点で特に好ましいことを見出した。
彫刻感度の観点からは、この(c)有機過酸化物と後述する光熱変換剤とを組み合わせた態様が特に好ましい。
これは、有機過酸化物を用いてレリーフ形成層を熱架橋により硬化させる際、ラジカル発生に関与しない未反応の有機過酸化物が残存するが、残存した有機過酸化物は、自己反応性の添加剤として働き、レーザー彫刻時に発熱的に分解する。その結果、照射されたレーザーエネルギーに発熱分が加算されるので彫刻感度が高くなったと推定される。
なお、光熱変換剤の説明において詳述するが、この効果は、光熱変換剤としてカーボンブラックを用いる場合に著しい。これは、カーボンブラックから発生した熱が(c)有機過酸化物にも伝達される結果、カーボンブラックだけでなく有機過酸化物からも発熱するため、成分A等の分解に使用されるべき熱エネルギーの発生が相乗的に生じるためと考えている。
本発明の樹脂組成物における成分Dは、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物中に含まれる成分Dの含有量は、全固形分量に対して、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.5〜1.5質量%が特に好ましい。
(成分E)光熱変換剤
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分E)光熱変換剤を含有することが好ましい。すなわち、本発明における光熱変換剤は、レーザーの光を吸収し発熱することで、レーザー彫刻時の硬化物の熱分解を促進すると考えられる。このため、彫刻に用いるレーザー波長の光を吸収する光熱変換剤を選択することが好ましい。
本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版における架橋レリーフ形成層を、700〜1,300nmの赤外線を発するレーザー(YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー、面発光レーザー等)を光源としてレーザー彫刻に用いる場合に、光熱変換剤としては、700〜1,300nmに極大吸収波長を有する化合物が用いることが好ましい。
本発明に用いることができる光熱変換剤としては、種々の染料又は顔料が用いられる。
光熱変換剤のうち、染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、700〜1,300nmに極大吸収波長を有するものが好ましく挙げられ、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、ジインモニウム化合物、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
本発明において好ましく用いられる染料としては、ヘプタメチンシアニン色素等のシアニン系色素、ペンタメチンオキソノール色素等のオキソノール系色素、フタロシアニン系色素及び特開2008−63554号公報の段落0124〜0137に記載の染料を挙げることができる。
本発明において使用される光熱変換剤のうち、顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち、好ましいものはカーボンブラックである。
カーボンブラックは、組成物中における分散性などが安定である限り、ASTMによる分類のほか、用途(例えば、カラー用、ゴム用、乾電池用など)の如何に拘らずいずれも使用可能である。カーボンブラックには、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラックなどが含まれる。なお、カーボンブラックなどの黒色着色剤は、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用い、予めニトロセルロースやバインダーなどに分散させたカラーチップやカラーペーストとして使用することができ、このようなチップやペーストは市販品として容易に入手できる。
本発明においては、比較的低い比表面積及び比較的低いDBP吸収を有するカーボンブラックや比表面積の大きい微細化されたカーボンブラックまでを使用することが好ましい。好適なカーボンブラックの例は、Printex(登録商標)U、Printex(登録商標)A、又は、Spezialschwarz(登録商標)4(Degussa社製)、#45L(三菱化学(株)製)を含む。
本発明に用いることができるカーボンブラックとしては、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が、150ml/100g未満であることが好ましく、100ml/100g以下であることがより好ましく、70ml/100g以下であることが更に好ましい。
また、カーボンブラックとしては、光熱変換により発生した熱を周囲のポリマー等に効率よく伝えることで彫刻感度が向上するという観点で、比表面積が100m2/g以上である、伝導性カーボンブラックが好ましい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、成分Eを1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物中における(成分E)光熱変換剤の含有量は、その分子固有の分子吸光係数の大きさにより大きく異なるが、樹脂組成物の全固形分に対し、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
(成分F)香料
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、香料を含有することが好ましい。香料は、レリーフ印刷版原版の製造時やレーザー彫刻時の臭気を低減させるのに有効である。
香料としては、公知の香料を適宜選択して用いることができ、香料を1種単独で用いることもできるし、複数の香料を組み合わせて使用することもできる。
香料は、樹脂組成物に使用する成分に応じて適宜選択することが好ましく、公知の香料を組み合わせて最適化することが好ましい。香料としては、「合成香料−化学と商品知識−」(印藤元一著、(株)化学工業日報社発行)、「香料化学入門」(渡辺昭次著、(株)培風館出版)、「香りの百科」(日本香料協会編、(株)朝倉書店出版)、「香料化学総覧II 単離香料・合成香料・香料の応用」((株)廣川書店発行)に記載されている香料が挙げられる。
また、本発明に用いることができる香料としては、特開2009−203310号公報の段落0012〜0025に記載された香料や、特開2011−245818号公報の段落0081〜0089に記載の香料が例示される。
香料の含有量は、レーザー彫刻用樹脂組成物の全固形分中、0.003〜1.5質量%が好ましく、0.005〜1.0質量%がより好ましい。上記範囲であると、マスキング効果を充分に発揮でき、香料の香りが適度であり、作業環境が改善され、また彫刻感度に優れる。
(成分G)溶剤
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分G)溶剤を含有していてもよい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を調製する際に用いる溶剤は、各成分の溶解性の観点から、主として非プロトン性の有機溶剤を用いることが好ましい。より具体的には、非プロトン性の有機溶剤/プロトン性有機溶剤=100/0〜50/50(質量比)で用いることが好ましく、100/0〜70/30(質量比)で用いることがより好ましく、100/0〜90/10(質量比)で用いることが特に好ましい。
非プロトン性の有機溶剤の好ましい具体例としては、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドが挙げられる。
プロトン性有機溶剤の好ましい具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオールが挙げられる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
溶剤の添加量としては、特に制限はなく、レリーフ形成層の作製等に必要な量を添加すればよい。なお、樹脂組成物の固形分量とは、樹脂組成物中の溶剤を除いた量である。
(成分H)充填剤
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、レーザー彫刻用樹脂組成物の硬化皮膜の物性を改良するため、(成分H)充填剤を含有してもよい。
充填剤としては、公知の充填剤を用いることができ、例えば、無機粒子、有機樹脂粒子が挙げられる。
無機粒子としては、公知のものを用いることができ、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛、シリカ、アルミナ、アルミニウム、炭酸カルシウムなど例示できる。
有機樹脂粒子としては、公知のものを用いることができ、熱膨張性マイクロカプセルが好ましく例示できる。
熱膨張性マイクロカプセルとしては、EXPANCEL(Akzo Noble社製)が例示できる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、成分Hを1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物中における(成分H)充填剤の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
(成分I)成分A以外のバインダーポリマー
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、成分A以外の樹脂成分である(成分I)成分A以外のバインダーポリマー(以下、単に「バインダーポリマー」ともいう。)を含有してもよいが、その含有量は、成分Aの含有量より少ないことが好ましく、成分Aの含有量の50質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、(成分I)成分A以外のバインダーポリマーを含有しないことが特に好ましい。
バインダーポリマーは、レーザー彫刻用樹脂組成物に含有される高分子成分であり、一般的な高分子化合物を適宜選択し、1種を単独使用するか、又は、2種以上を併用することができる。特に、レーザー彫刻用樹脂組成物を印刷版原版に用いる際は、レーザー彫刻性、インキ受与性、彫刻カス分散性などの種々の性能を考慮して選択することが好ましい。
バインダーポリマーとしては、特開2012−45801号公報の段落0009〜0030に記載のバインダーポリマーが例示される。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物には、成分Iを1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<その他の添加剤>
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物には、上記成分A〜成分I以外の添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。例えば、増粘剤、界面活性剤、ワックス、プロセス油、金属酸化物、オゾン分解防止剤、老化防止剤、熱重合防止剤、着色剤、アルコール交換反応触媒等が挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、彫刻感度向上のための添加剤として、ニトロセルロースや高熱伝導性物質を加えてもよい。
ニトロセルロースは自己反応性化合物であるため、レーザー彫刻時、自身が発熱し、共存する親水性ポリマー等のバインダーポリマーの熱分解をアシストする。その結果、彫刻感度が向上すると推定される。
高熱伝導性物質は、熱伝達を補助する目的で添加され、熱伝導性物質としては、金属粒子等の無機化合物、導電性ポリマー等の有機化合物が挙げられる。金属粒子としては、粒径がマイクロメートルオーダーから数ナノメートルオーダーの、金微粒子、銀微粒子、銅微粒子が好ましい導電性ポリマーとしては、特に共役ポリマーが好ましく、具体的には、ポリアニリン、ポリチオフェンが挙げられる。
また、共増感剤を用いることで、レーザー彫刻用樹脂組成物を光硬化させる際の感度を更に向上させることができる。
更に、組成物の製造中又は保存中において重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが好ましい。
(レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版)
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の第1の実施態様は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有する。
また、本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の第2の実施態様は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を架橋した架橋レリーフ形成層を有する。
本発明において「レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版」とは、レーザー彫刻用樹脂組成物からなる架橋性を有するレリーフ形成層が、架橋される前の状態、及び、光又は熱により硬化された状態の両方又はいずれか一方のものをいう。
本発明において「レリーフ形成層」とは、架橋される前の状態の層をいい、すなわち、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層であり、必要に応じ、乾燥が行われていてもよい。
架橋レリーフ形成層を有する印刷版原版をレーザー彫刻することにより「フレキソ印刷版」が作製される。
本発明において「架橋レリーフ形成層」とは、上記レリーフ形成層を架橋した層をいう。上記の架橋は、熱及び/又は光により行うことができる。また、上記架橋は樹脂組成物が硬化される反応であれば特に限定されず、成分A同士の反応、成分B同士の反応、成分Aと成分Bとの反応、成分Bと他の成分との反応などによる架橋構造が例示できる。
また、本発明において「レリーフ層」とは、フレキソ印刷版におけるレーザーにより彫刻された層、すなわち、レーザー彫刻後の上記架橋レリーフ形成層をいう。
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版は、上記のような成分を含有するレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有する。(架橋)レリーフ形成層は、支持体上に設けられることが好ましい。
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版は、必要により更に、支持体と(架橋)レリーフ形成層との間に接着層を、また、(架橋)レリーフ形成層上にスリップコート層、保護フィルムを有していてもよい。
<レリーフ形成層>
レリーフ形成層は、上記本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層であり、熱架橋性の層であることが好ましい。
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版によるフレキソ印刷版の作製態様としては、レリーフ形成層を架橋させて架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版とした後、架橋レリーフ形成層(硬質のレリーフ形成層)をレーザー彫刻することによりレリーフ層を形成してフレキソ印刷版を作製する態様であることが好ましい。レリーフ形成層を架橋することにより、印刷時におけるレリーフ層の摩耗を防ぐことができ、また、レーザー彫刻後にシャープな形状のレリーフ層を有するフレキソ印刷版を得ることができる。
レリーフ形成層は、レリーフ形成層用の上記の如き成分を有するレーザー彫刻用樹脂組成物を、シート状又はスリーブ状に成形することで形成することができる。レリーフ形成層は、通常、後述する支持体上に設けられるが、製版、印刷用の装置に備えられたシリンダーなどの部材表面に直接形成したり、そこに配置して固定化したりすることもでき、必ずしも支持体を必要としない。
以下、主としてレリーフ形成層をシート状にした場合を例に挙げて説明する。
<支持体>
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の支持体に使用する素材は特に限定されないが、寸法安定性の高いものが好ましく使用され、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属、ポリエステル(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PAN(ポリアクリロニトリル))やポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂、スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ガラスファイバーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など)が挙げられる。支持体としては、PETフィルムやスチール基板が好ましく用いられる。支持体の形態は、レリーフ形成層がシート状であるかスリーブ状であるかによって決定される。
<接着層>
レリーフ形成層を支持体上に形成する場合、両者の間には、層間の接着力を強化する目的で接着層を設けてもよい。
接着層に使用し得る材料(接着剤)としては、例えば、I.Skeist編、「Handbook of Adhesives」、第2版(1977)に記載のものを用いることができる。
<保護フィルム、スリップコート層>
レリーフ形成層表面又は架橋レリーフ形成層表面への傷や凹み防止の目的で、レリーフ形成層表面又は架橋レリーフ形成層表面に保護フィルムを設けてもよい。保護フィルムの厚さは、25〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。保護フィルムは、例えば、PETのようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムを用いることができる。またフィルムの表面はマット化されていてもよい。保護フィルムは、剥離可能であることが好ましい。
保護フィルムが剥離不可能な場合や、逆にレリーフ形成層に接着しにくい場合には、両層間にスリップコート層を設けてもよい。スリップコート層に使用される材料は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分鹸化ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルセルロース、ポリアミド樹脂など、水に溶解又は分散可能で、粘着性の少ない樹脂を主成分とすることが好ましい。
(レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法)
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、レーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、必要に応じて、このレーザー彫刻用塗布液組成物から溶剤を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法が挙げられる。また、レーザー彫刻用樹脂組成物を、支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して樹脂組成物から溶剤を除去する方法でもよい。
中でも、本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、並びに、上記レリーフ形成層を熱及び/又は光により架橋した架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程、を含む製造方法であることが好ましい。
その後、必要に応じてレリーフ形成層の上に保護フィルムをラミネートしてもよい。ラミネートは、加熱したカレンダーロールなどで保護フィルムとレリーフ形成層を圧着することや、表面に少量の溶剤を含浸させたレリーフ形成層に保護フィルムを密着させることによって行うことができる。
保護フィルムを用いる場合には、先ず保護フィルム上にレリーフ形成層を積層し、次いで支持体をラミネートする方法を採ってもよい。
接着層を設ける場合は、接着層を塗布した支持体を用いることで対応できる。スリップコート層を設ける場合は、スリップコート層を塗布した保護フィルムを用いることで対応できる。
<層形成工程>
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程を含むことが好ましい。
レリーフ形成層の形成方法としては、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、必要に応じて、このレーザー彫刻用樹脂組成物から溶剤を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法や、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して溶剤を除去する方法が好ましく例示できる。
レーザー彫刻用樹脂組成物は、例えば、成分A及び成分B、並びに、任意成分として、成分C〜成分Iなどを適当な溶剤に溶解又は分散させ、次いで、これらの液を混合することによって製造できる。溶剤成分のほとんどは、フレキソ印刷版原版を製造する段階で除去することが好ましいので、溶剤としては、揮発しやすい低分子アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル)等を用い、かつ温度を調整するなどして溶剤の全添加量をできるだけ少なく抑えることが好ましい。
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版における(架橋)レリーフ形成層の厚さは、架橋の前後において、0.05mm以上10mm以下が好ましく、0.05mm以上7mm以下がより好ましく、0.05mm以上3mm以下が更に好ましい。
<架橋工程>
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、上記レリーフ形成層を熱により架橋した架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程を含む製造方法である。
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を加熱することで、レリーフ形成層を架橋することができる(熱架橋工程)。熱により架橋を行うための加熱手段としては、印刷版原版を熱風オーブンや遠赤外オーブン内で所定時間加熱する方法や、加熱したロールに所定時間接する方法が挙げられる。
レリーフ形成層を熱架橋することで、第1にレーザー彫刻後形成されるレリーフがシャープになり、第2にレーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘着性が抑制されるという利点がある。
なお、本発明において、上記架橋工程において、成分A同士、成分B同士、及び、成分Aと成分Bとの重合反応が生じる。
また、光重合開始剤等を使用し、重合性化合物を重合し架橋を形成するため、光による架橋を更に行ってもよい。
レリーフ形成層が光重合開始剤を含有する場合には、光重合開始剤のトリガーとなる活性光線をレリーフ形成層に照射することで、レリーフ形成層を架橋することができる。
光は、レリーフ形成層全面に行うのが一般的である。光(「活性光線」ともいう。)としては可視光、紫外光、及び電子線が挙げられるが、紫外光が最も一般的である。レリーフ形成層の支持体等、レリーフ形成層を固定化するための基材側を裏面とすれば、表面に光を照射するだけでもよいが、支持体が活性光線を透過する透明なフィルムであれば、更に裏面からも光を照射することが好ましい。表面からの照射は、保護フィルムが存在する場合、これを設けたまま行ってもよいし、保護フィルムを剥離した後に行ってもよい。酸素の存在下では重合阻害が生じる恐れがあるので、レリーフ形成層に塩化ビニルシートを被せて真空引きした上で、活性光線の照射を行ってもよい。
(フレキソ印刷版及びその製版方法)
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、上記レリーフ形成層を熱及び/又は光で架橋し架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程、及び、上記架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程、を含むことが好ましい。
本発明のフレキソ印刷版は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層を架橋及びレーザー彫刻して得られたレリーフ層を有するフレキソ印刷版であり、本発明のフレキソ印刷版の製版方法により製版されたフレキソ印刷版であることが好ましい。
本発明のフレキソ印刷版は、水性インキ及び溶剤インキの双方の印刷時に好適に使用することができる。
本発明のフレキソ印刷版の製版方法における層形成工程及び架橋工程は、上記レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法における層形成工程及び架橋工程と同義であり、好ましい範囲も同様である。
<彫刻工程>
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、上記架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程を含むことが好ましい。
彫刻工程は、上記架橋工程で架橋された架橋レリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程である。具体的には、架橋された架橋レリーフ形成層に対して、所望の画像に対応したレーザー光を照射して彫刻を行うことによりレリーフ層を形成することが好ましい。また、所望の画像のデジタルデータを元にコンピューターでレーザーヘッドを制御し、架橋レリーフ形成層に対して走査照射する工程が好ましく挙げられる。
この彫刻工程には、赤外線レーザーが好ましく用いられる。赤外線レーザーが照射されると、架橋レリーフ形成層中の分子が分子振動し、熱が発生する。赤外線レーザーとして炭酸ガスレーザーやYAGレーザーのような高出力のレーザーを用いると、レーザー照射部分に大量の熱が発生し、架橋レリーフ形成層中の分子は分子切断又はイオン化されて選択的な除去、すなわち、彫刻がなされる。レーザー彫刻の利点は、彫刻深さを任意に設定できるため、構造を3次元的に制御することができる点である。例えば、微細な網点を印刷する部分は、浅く又はショルダーをつけて彫刻することで、印圧でレリーフが転倒しないようにすることができ、細かい抜き文字を印刷する溝の部分は深く彫刻することで、溝にインキが埋まりにくくなり、抜き文字つぶれを抑制することが可能となる。
中でも、光熱変換剤の吸収波長に対応した赤外線レーザーで彫刻する場合には、より高感度で架橋レリーフ形成層の選択的な除去が可能となり、シャープな画像を有するレリーフ層が得られる。
彫刻工程に用いられる赤外線レーザーとしては、生産性、コスト等の面から、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)又は半導体レーザーが好ましい。特に、ファイバー付き半導体赤外線レーザー(FC−LD)が好ましく用いられる。一般に、半導体レーザーは、CO2レーザーに比べレーザー発振が高効率かつ安価で小型化が可能である。また、小型であるためアレイ化が容易である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。
半導体レーザーとしては、波長が700〜1,300nmのものが好ましく、800〜1,200nmのものがより好ましく、860〜1,200nmのものが更に好ましく、900〜1,100nmのものが特に好ましい。
また、ファイバー付き半導体レーザーは、更に光ファイバーを取り付けることで効率よくレーザー光を出力できるため、本発明における彫刻工程には有効である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。例えば、ビームプロファイルはトップハット形状とすることができ、安定に版面にエネルギーを与えることができる。半導体レーザーの詳細は、「レーザーハンドブック第2版」レーザー学会編、「実用レーザー技術」電子通信学会編等に記載されている。
また、本発明のフレキソ印刷版原版を用いたフレキソ印刷版の製版方法に好適に使用し得るファイバー付き半導体レーザーを備えた製版装置は、特開2009−172658号公報及び特開2009−214334号公報に詳細に記載され、これを本発明に係るフレキソ印刷版の製版に使用することができる。
本発明のフレキソ印刷版の製版方法では、彫刻工程に次いで、更に、必要に応じて下記リンス工程、乾燥工程、及び/又は、後架橋工程を含んでもよい。
リンス工程:彫刻後のレリーフ層表面を、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスする工程。
乾燥工程:彫刻されたレリーフ層を乾燥する工程。
後架橋工程:彫刻後のレリーフ層にエネルギーを付与し、レリーフ層を更に架橋する工程。
上記工程を経た後、彫刻表面に彫刻カスが付着しているため、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスして、彫刻カスを洗い流すリンス工程を追加してもよい。リンスの手段として、水道水で水洗する方法、高圧水をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式又は搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主に水の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸や界面活性剤を添加したリンス液を用いてもよい。
彫刻表面をリンスするリンス工程を行った場合、彫刻されたレリーフ形成層を乾燥してリンス液を揮発させる乾燥工程を追加することが好ましい。
更に、必要に応じてレリーフ形成層を更に架橋させる後架橋工程を追加してもよい。追加の架橋工程である後架橋工程を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
本発明に用いることができるリンス液のpHは、9以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、11以上であることが更に好ましい。また、リンス液のpHは、14以下であることが好ましく、13.5以下であることがより好ましく、13.2以下であることが更に好ましく、12.5以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、取り扱いが容易である。
リンス液を上記のpH範囲とするために、適宜、酸及び/又は塩基を用いてpHを調整すればよく、使用する酸及び塩基は特に限定されない。
本発明に用いることができるリンス液は、主成分として水を含有する水系リンス液であることが好ましい。
また、リンス液は、水以外の溶剤として、アルコール類、アセトン、テトラヒドロフラン等などの水混和性溶剤を含有していてもよい。
リンス液は、界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、彫刻カスの除去性、及び、フレキソ印刷版への影響を少なくする観点から、カルボキシベタイン化合物、スルホベタイン化合物、ホスホベタイン化合物、アミンオキシド化合物、又は、ホスフィンオキシド化合物等のベタイン化合物(両性界面活性剤)が好ましく挙げられる。
また、界面活性剤としては、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等も挙げられる。更に、フッ素系、シリコーン系のノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。
界面活性剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、リンス液の全質量に対し、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより好ましい。
以上のようにして、支持体等の任意の基材表面にレリーフ層を有するフレキソ印刷版が得られる。
フレキソ印刷版が有するレリーフ層の厚さは、耐磨耗性やインキ転移性のような種々の印刷適性を満たす観点からは、0.05mm以上10mm以下が好ましく、より好ましくは0.05mm以上7mm以下、特に好ましくは0.05mm以上3mm以下である。
また、フレキソ印刷版が有するレリーフ層のショアA硬度は、50°以上90°以下であることが好ましい。レリーフ層のショアA硬度が50°以上であると、彫刻により形成された微細な網点が凸版印刷機の強い印圧を受けても倒れてつぶれることがなく、正常な印刷ができる。また、レリーフ層のショアA硬度が90°以下であると、印圧がキスタッチのフレキソ印刷でもベタ部での印刷かすれを防止することができる。
なお、本明細書におけるショアA硬度は、25℃において、測定対象の表面に圧子(押針又はインデンタと呼ばれる)を押し込み変形させ、その変形量(押込み深さ)を測定して、数値化するデュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)により測定した値である。
本発明のフレキソ印刷版は、凸版用印刷機による水性インキ及び油性インキのいずれのインキを用いた場合でも、印刷が可能であり、また、フレキソ印刷機によるUVインキでの印刷も可能である。本発明のフレキソ印刷版は、リンス性に優れており彫刻カスの残存がなく、かつ、得られたレリーフ層が耐刷性に優れ、長期間にわたりレリーフ層の塑性変形や耐刷性低下の懸念がなく、印刷が実施できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示すものとする。
なお、実施例におけるポリマーの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断らない限りにおいて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法(溶離液:テトラヒドロフラン)で測定した値を表示している。
(合成例)
<B−3の合成>
ジシクロヘキシルカルボジイミド(東京化成工業(株)製)(18g)を、メタクリル酸(東京化成工業(株)製)(5g)、トリシクロへキシルメタノール(ALDRICH社製)(22.5g)及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(東京化成工業(株)製)(0.5g)の塩化メチレン(150g)溶液に対し、0℃で30分かけて添加した。添加後、更に室温(25℃)で4時間撹拌した。反応溶液を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウムによる脱水、濾過、濃縮することで、B−3を得た。
<B−4の合成>
アクリロイルクロリド(東京化成工業(株)製)(15g)を、窒素気流下、室温で2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(東京化成工業(株)製)(10g)及びトリエチルアミン(25g)の塩化メチレン(150g)溶液に、1時間かけて滴下した。滴下後、更に室温で2時間撹拌した。反応溶液を水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムにより脱水し、濾過により硫酸マグネシウムを除去した。濾液に対し、tert−ブタノール(東京化成工業(株)製)(6g)及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(東京化成工業(株)製)(0.5g)を加えた後、溶液を0℃に冷却した。その後、反応溶液に対しジシクロヘキシルカルボジイミド(東京化成工業(株)製)(18g)を、30分かけて添加した。添加後、更に室温で4時間撹拌した。反応溶液を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウムによる脱水、濾過、濃縮することで、B−4を得た。
<B−5の合成>
ジシクロヘキシルカルボジイミド(東京化成工業(株)製)(18g)を、ライトエステルHO−MS(N)(共栄社化学(株)製)(4.1g)、1−アダマンタノール(東京化成工業(株)製)(12.3g)及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(東京化成工業(株)製)(0.5g)の塩化メチレン(150g)溶液に対し、0℃で30分かけて添加した。添加後、更に室温で4時間撹拌した。反応溶液を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウムによる脱水、濾過、濃縮することで、B−5を得た。
<B−6の合成>
1−アダマンタノール(東京化成工業(株)製)(12.3g)をtert−ブタノール(東京化成工業(株)製)(6g)に変更した以外は、B−5の合成と同様に行い、B−6を得た。
<B−7の合成>
メタクリロイルクロリド(東京化成工業(株)製)(7.5g)を、窒素気流下、室温で4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸(東京化成工業(株)製)(10.7g)及びトリエチルアミン(12.5g)の塩化メチレン(150g)溶液に、1時間かけて滴下した。滴下後、更に室温で2時間撹拌した。反応溶液を水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムにより脱水し、濾過により硫酸マグネシウムを除去した。濾液に対し、tert−ブタノール(東京化成工業(株)製)(6g)及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(東京化成工業(株)製)(0.5g)を加えた後、溶液を0℃に冷却した。その後、反応溶液に対しジシクロヘキシルカルボジイミド(東京化成工業(株)製)(18g)を、30分かけて添加した。添加後、更に室温で4時間撹拌した。反応溶液を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウムによる脱水、濾過、濃縮することで、B−7を得た。
<A−1の合成>
tert−ブチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)(100g)及びV−65(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、和光純薬工業(株)製)(1.75g)のエタノール(75g)溶液を、窒素気流下、75℃でエタノール(75g)中に、2.5時間かけて滴下した。滴下後更に75℃で2時間撹拌した。更に78℃に昇温し90分撹拌後、V−65(和光純薬工業(株)製)(1.62g)を更に加えた。その後、78℃で2時間加熱撹拌することによりA−1のエタノール溶液を得た。
得られたA−1のエタノール溶液を1.0g採取し、海砂10gと一緒にアルミカップに入れて十分に混ぜ合わせ、130℃のオーブン中で減圧下(5mmHg以下)2時間加熱した。加熱前後での重量変化からA−1の固形分濃度を算出した結果、41.3%であった。
A−1の同定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法、IRスペクトルにより行った。重量平均分子量は、ポリスチレン換算で2.0万であった。
(実施例1〜24、及び、比較例1〜5)
1.レーザー彫刻用樹脂組成物の調製
撹拌羽及び冷却管をつけた3つ口フラスコ中に、表1又は表2に記載の成分A、成分B及び成分Cを入れ、この混合液を撹拌しながら70℃で30分間加熱した。
その後、混合液を40℃にし、表1又は表2に記載の成分Dを1質量部、及び、表1又は表2に記載の成分Eを3質量部添加して30分間撹拌した。
その後、香料として酢酸イソボルニル(和光純薬工業(株)製)を0.1質量%(樹脂組成物の全固形分量に対し)添加し、40℃で10分間撹拌した。
この操作により、流動性のある架橋性レリーフ形成層用塗布液(レーザー彫刻用樹脂組成物)をそれぞれ得た。なお、表1又は表2に「−」と記載されている場合、当該成分は上記において添加しなかった(添加しなかった質量分は、その他素材の添加量比率は同じで、全体の添加量を増やすことで補填した。)。
2.レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の作製
PET基板上に所定厚のスペーサー(枠)を設置し、上記より得られた実施例1〜24、及び、比較例1〜5の各レーザー彫刻用樹脂組成物をそれぞれ、スペーサー(枠)から流出しない程度に静かに流延し、90℃のオーブン中で加熱して、厚さがおよそ1mmのレリーフ形成層を設け、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版をそれぞれ作製した。この時、90℃のオーブン中で表面のベトツキが完全になくなるまで加熱し、熱架橋を行った。
3.フレキソ印刷版の作製
架橋後のレリーフ形成層に対し、以下の2種のレーザーにより彫刻した。
炭酸ガスレーザー彫刻機として、レーザー照射による彫刻を、高品位CO2レーザーマーカML−9100シリーズ((株)キーエンス製)を用いた。レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を、炭酸ガスレーザー彫刻機で、出力:12W、ヘッド速度:200mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
半導体レーザー彫刻機として、最大出力8.0Wのファイバー付き半導体レーザー(FC−LD)SDL−6390(JDSU社製、波長 915nm)を装備したレーザー記録装置を用いた。半導体レーザー彫刻機でレーザー出力:7.5W、ヘッド速度:409mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
得られた実施例1〜24、及び、比較例1〜5の各フレキソ印刷版が有するレリーフ層の厚さはそれぞれ、およそ1mmであった。
また、レリーフ層のショアA硬度をそれぞれ、前述の測定方法により測定したところ、75°であった。
4.フレキソ印刷版の評価
以下の項目でフレキソ印刷版の性能評価を行い、結果を表1又は表2に示す。
(4−1)彫刻カスのリンス性
レーザー彫刻した版を水に浸漬し、彫刻部を歯ブラシ(ライオン(株)製、クリニカハブラシ フラット)で10回こすった。その後、光学顕微鏡でレリーフ層の表面におけるカスの有無を確認した。カスがないものを5、ほとんどないものを4、少し残存しているものを3、カスが残存しているが、実用上問題のないレベルであるものを2、カスが除去できていないものを1とした。
(4−2)破断強度
各実施例及び比較例のレーザー彫刻用樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化膜(レリーフ層)について、破断強度を次のようにして測定した。
引張り試験機として、(株)島津製作所製Shimadzu AGSH5000を用い、試験片形状はJIS規格記載のダンベル型(横幅の平均:2.25cmとして入力し測定した。)に加工して測定した。測定環境は、温度:約21℃、湿度:60%、引張速度:2mm/分とした。
(4−3)貯蔵弾性率
フレキソ印刷版原版の架橋レリーフ形成層を剥離して試料とし、Rheogel−E4000((株)ユービーエム製)にて100ヘルツ、25℃での貯蔵弾性率E’を測定した。E’の値が1.0MPa以上40.0MPa以下の範囲にあるものが良好であり、1.0MPa以上20.0MPa以下の範囲にあるものがより良好である。
Figure 2014172333
Figure 2014172333
なお、表1又は表2中の各成分の詳細は、以下の通りである。
UV−3000B:紫光UV−3000B、ウレタンアクリレートオリゴマー(主鎖末端に(メタ)アクリロイル基を有し、20℃でプラストマー、Mn=10,000、日本合成化学(株)製)
BAC−45:末端アクリル変性ポリブタジエン(ポリブタジエンジアクリレート、Mn=4,500)(大阪有機化学工業(株)製)
LIR−30:ポリイソプレン(Mn=29,200、(株)クラレ製)
BI−3000:水添ポリブタジエン(Mn=5,300、日本曹達(株)製)
A−1:ポリメタクリル酸tert−ブチル(Mn=15,500、合成品)
BL−7Z:ポリビニルブチラール(Mn=40,000、積水化学工業(株)製)
UBEPOL BR 150:ポリブタジエン(Mn=222,000、宇部興産(株)製)
LBR−305:ポリブタジエン(Mn=27,500、(株)クラレ製)
EA−3000:アクリレート変性ポリブタジエン(両末端にアクリルオキシエチル基を有するポリジタジエン、Mn=5,500)((株)クラレ製)
B−1:メタクリル酸tert−ブチル(和光純薬工業(株)製)
B−2:メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル(東京化成工業(株)製)
B−3:2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸tert−ブチル(合成品)
B−4:2,2−ビス(アクリロイロキシメチル)プロピオン酸tert−ブチル(合成品)
B−5:下記化合物(合成品)
B−6:下記化合物(合成品)
B−7:下記化合物(合成品)
Figure 2014172333
Figure 2014172333
A−HD−N:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業(株)製)
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート(東京化成工業(株)製)
GMA:グリセロールジメタクリレート(和光純薬工業(株)製)
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ALDRICH社製)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)
PBZ:パーブチルZ、t−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)製)
PCD:パークミルD、ジクミルパーオキシド(日本油脂(株)製)
CB:カーボンブラック#45L(三菱化学(株)製、粒子径:24nm、比表面積:125m2/g、DBP吸油量:45cm3/100g)

Claims (13)

  1. (成分A)エチレン性不飽和基を有するバインダーポリマー、並びに、
    (成分B)第三級エステル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物、を含有することを特徴とする
    レーザー彫刻用樹脂組成物。
  2. 前記第三級エステル基が、式(I)で表される基である、請求項1に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
    Figure 2014172333
    (式(I)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、一価の炭化水素基を表し、また、R1〜R3のうちの少なくとも2つが互いに結合して、1つ以上の環構造を形成していてもよく、波線部分は他の部分のとの結合位置を表す。)
  3. (成分C)成分A及び成分B以外の重合性化合物を更に含有する、請求項1又は2に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  4. (成分D)重合開始剤を更に含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  5. (成分E)光熱変換剤を更に含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  6. 成分Aが、共役ジエン系ポリマー、末端にエチレン性不飽和基を有する共役ジエン系ポリマー、及び、エチレン性不飽和基を有するポリウレタン樹脂よりなる群から選ばれたポリマーである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  7. 成分Bが、第三級エステル基を有する(メタ)アクリレート化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  8. 成分Bが、単官能エチレン性不飽和化合物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を熱により架橋した架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、及び、
    前記レリーフ形成層を熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程、を含むことを特徴とする
    レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
  12. 請求項10に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版又は請求項11に記載の製造方法により得られたレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版をレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程、を含む
    フレキソ印刷版の製版方法。
  13. 彫刻工程後、前記レリーフ層表面を水系リンス液によりリンスするリンス工程を更に含む、請求項12に記載のフレキソ印刷版の製版方法。
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