JP2014172333A - レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、フレキソ印刷版原版、フレキソ印刷版の製版方法及びフレキソ印刷版 - Google Patents
レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、フレキソ印刷版原版、フレキソ印刷版の製版方法及びフレキソ印刷版 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】(成分A)エチレン性不飽和基を有するバインダーポリマー、並びに、(成分B)第三級エステル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物、を含有することを特徴とするレーザー彫刻用樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
従来のレーザー彫刻用樹脂組成物としては、例えば、特許文献1〜3に記載のものが知られている。
<1>(成分A)エチレン性不飽和基を有するバインダーポリマー、並びに、(成分B)第三級エステル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物、を含有することを特徴とするレーザー彫刻用樹脂組成物、
<2>上記第三級エステル基が、式(I)で表される基である、上記<1>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<4>(成分D)重合開始剤を更に含有する、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<5>(成分E)光熱変換剤を更に含有する、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<6>成分Aが、共役ジエン系ポリマー、末端にエチレン性不飽和基を有する共役ジエン系ポリマー、及び、エチレン性不飽和基を有するポリウレタン樹脂よりなる群から選ばれたポリマーである、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<7>成分Bが、第三級エステル基を有する(メタ)アクリレート化合物である、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<8>成分Bが、単官能エチレン性不飽和化合物である、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<9>上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<10>上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を熱により架橋した架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<11>上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、及び、上記レリーフ形成層を熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程、を含むことを特徴とするレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、
<12>上記<10>に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版又は上記<11>に記載の製造方法により得られたレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版をレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程、を含むフレキソ印刷版の製版方法、
<13>彫刻工程後、上記レリーフ層表面を水系リンス液によりリンスするリンス工程を更に含む、上記<12>に記載のフレキソ印刷版の製版方法。
また、本発明において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基の双方又はいずれかを意味する。
更に、本発明において、「(成分A)エチレン性不飽和基を有するバインダーポリマー」等を単に「成分A」等ともいう。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)は、(成分A)エチレン性不飽和基を有するバインダーポリマー、並びに、(成分B)第三級エステル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物、を含有することを特徴とする。
詳細な機構は不明であるが、成分B由来の第三級エステル基がレーザー彫刻時に分解しやすく、その分解しやすさ及び/又は分解により酸基が生じるため、彫刻カスのリンス性が向上すると推定され、また、成分A及び成分Bの双方が架橋構造を形成することから、強靭、かつ、良好なゴム弾性を示す架橋レリーフ層及びレリーフ層などの膜が得られると推定される。
以下、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物の構成成分について説明する。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分A)エチレン性不飽和基を有するバインダーポリマーを含有する。
成分Aにおけるエチレン性不飽和基としては、特に制限はないが、共役ジエン系ポリマーにおける共役ジエン由来のエチレン性不飽和基、又は、(メタ)アクリロイル基が好ましい。上記態様であると、均一な架橋膜が得られ、強靱かつ良好なゴム弾性を示す膜が得られる。
本発明において「プラストマー」とは、高分子学会編「新版高分子辞典」(日本国、朝倉書店、1988年発行)に記載されているように、加熱により容易に流動変形し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する高分子体を意味する。プラストマーは、エラストマー(外力を加えたときに、その外力に応じて変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有するもの)に対する言葉である。
本発明において、プラストマーは、元の大きさを100%としたときに、室温(20℃)において小さな外力で200%まで変形させることができ、該外力を除いても、130%以下に戻らないものを意味する。より詳細には、JIS K 6262−1997の引張永久ひずみ試験に基づき、20℃において引張試験でI字状試験片の引張前の標線間距離の2倍に伸ばすことが可能であり、かつ、引張前の標線間距離の2倍に伸ばしたところで5分間保持した後、引張外力を除いて5分後に引張永久ひずみが30%以上であるポリマーを意味する。
なお、上記の測定ができないポリマーの場合、外力を加えなくとも変形して元の形状に戻らないポリマーはプラストマーに該当し、例えば、水あめ状、オイル状、液体状の樹脂が該当する。
更に、成分Aは、柔軟性及びゴム弾性発現の観点から、ガラス転移温度(Tg)が20℃以下であることが好ましい。Tgを2つ以上有するポリマーの場合は、全てのTgが20℃以下であることが好ましい。
なお、成分Aのガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量測定)により測定するものとする。
また、成分Aとしては、共役ジエン系ポリマー、末端に(メタ)アクリロイル基を有する共役ジエン系ポリマー、及び、(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン樹脂よりなる群から選ばれたポリマーであることがより好ましい。
上記共役ジエン系炭化水素としては、具体的には、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。これらの化合物は単独又は2種類以上組み合わせて用いられる。
上記のモノオレフィン系不飽和化合物としては、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタアクリルアミド、メタアクリルアミド酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、アクリル酸、メタアクリル酸等が挙げられる。
上記の共役ジエン系炭化水素を重合させて得られる重合体又は共役ジエン系炭化水素とモノオレフィン系不飽和化合物とを重合させて得られる共重合体としては、特に限定されず、具体的にはポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン重合体、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−クロロプレン共重合体、アクリル酸エステル−イソプレン共重合体、アクリル酸エステル−クロロプレン共重合体、メタアクリル酸エステルと上記共役ジエンの共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマー等が挙げられる。これらの重合体は、乳化重合させてもよいし、また、溶液重合させてもよい。
また、(メタ)アクリレート基を有する共役ジエン系ポリマーとしては、例えば、メタクリレート導入ポリイソプレン(クラプレンLIR−403、LIR−410、(株)クラレ製)が挙げられる。
更に、末端にエチレン性不飽和基を有する共役ジエン系ポリマーも好ましく用いられる。末端にエチレン性不飽和基を有する共役ジエン系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート基導入ポリブタジエン(NISSO−PB TEAI−1000、EA−3000、日本曹達(株)製)が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、分子末端又は分子主鎖に水酸基を有するポリウレタン樹脂から誘導される。
原料の分子末端に水酸基を有するポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネートの少なくとも1種と、多価アルコール成分の少なくとも1種とを反応させることによって形成される。
分子末端に水酸基を有するポリウレタン樹脂を製造する方法は特に限定されず、例えば、カーボネート結合、エステル結合を有し、かつ、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、アルコキシカルボニル基等の反応性基を複数有する数千程度の分子量の化合物と、上記反応性基と結合し得る官能基を複数有する化合物(例えば、水酸基やアミノ基等を有するポリイソシアネート等)とを反応させ、分子量の調節及び分子末端の結合性基への変換等を行う方法等を用いることができる。
この場合に用いられる(メタ)アクリロイルオキシ基を有するジオール化合物の好ましい例として、日油(株)製のブレンマ−GLM、ナガセケムテックス(株)製の「デナコールアクリレート(商標登録)」シリーズのDA−212、DA−250、DA−721、DA−722、DA−911M、DA−920、DA−931、DM−201、DM−811、DM−832、DM−851などを挙げることができる。
なお、成分Aの数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ)法を用いて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて求める。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物において、成分Aの含有量は、全固形分中、1〜99質量%であることが好ましく、5〜90質量%であることがより好ましく、10〜85質量%であることが更に好ましく、40〜85質量%であることが特に好ましい。なお、「固形分」とは、レーザー彫刻用樹脂組成物において、溶媒等の揮発成分を除いた成分を意味する。
成分Aの含有量が上記範囲内であると、インキへの耐性が高く、強靭、かつ、柔軟性が高い膜が得られる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分B)第三級エステル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物を含有する。
成分Bにおける第三級エステル基とは、第三級アルコール由来のエステル基(第三級アルコールエステル基)を意味する。
成分Bの分子量は、彫刻感度及び彫刻カスの揮発性の観点から、1,000以下が好ましく、500以下がより好ましく、300以下が更に好ましい。また、128以上であることが好ましい。
成分Bにおけるエチレン性不飽和基の数は、特に制限はないが、版のゴム弾性と強度との両立の観点から、1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1である、すなわち、成分Bは単官能エチレン性不飽和化合物であることが特に好ましい。
成分Bにおける第三級エステル基は、式(I)で表される基であることが好ましい。
R1〜R3における一価の炭化水素基は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数1〜20のアルキル基であることがより好ましい。
R1〜R3における一価の炭化水素基は、炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、熱分解性の向上や分解物がガスとして飛散しやすいといった点で、炭素数1〜6の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることが更に好ましく、R1〜R3が全て炭素数1の炭化水素基(すなわち、メチル基)であることが更に好ましい。
Rは、メチル基であることが好ましい。
Lにおける二価の連結基は、炭素原子及び水素原子を含み、更に、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選択される原子を必要に応じて組み合わせて構成されることが好ましく、カルボニル基(−C(=O)−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、ウレタン結合(−NR’−C(=O)−O−)、ウレア結合(−NR’−C(=O)−NR’−)、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は、これらを組み合わせて構成される基に、更に、−O−、−S−、又は、−NH−を適宜組み合わせて構成してもよい二価の連結基であることがより好ましい。R’は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
上記二価の連結基に含まれる連結鎖を構成する原子の数は、60以下であることが好ましく、皮膜性を良好に保つ観点から、50以下であることがより好ましく、40以下が更に好ましい。
また、Lは、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合及びウレア結合よりなる群から選ばれた2以上の構造を組み合わせた基であることが好ましく、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は、炭素数1〜20のアルキレン基、エステル結合及びアミド結合よりなる群から選ばれた2以上の構造を組み合わせた基であることがより好ましく、単結合、又は、炭素数1〜20のアルキレン基、エステル結合及びアミド結合よりなる群から選ばれた2以上の構造を組み合わせた基であることが更に好ましく、単結合であることが特に好ましい。
成分Bのレーザー彫刻用樹脂組成物中の含有量は、成分A100質量部に対して、1〜70質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましく、10〜30質量部が更に好ましく、10〜20質量部が特に好ましい。上記態様であると、破断強度がより高く、かつ、より良好なゴム弾性を示す架橋レリーフ層及びレリーフ層などの膜が得られる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、架橋構造形成を促進するため、(成分C)成分A及び成分B以外の重合性化合物を含有することが好ましい。成分Cを含有することにより、破断強度がより高い架橋レリーフ層及びレリーフ層などの膜が得られる。
成分Cとしては、ラジカル重合性化合物が好ましく、エチレン性不飽和化合物がより好ましい。
また、成分Cとしては、多官能エチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、上記多官能エチレン性不飽和化合物と共に、単官能エチレン性不飽和化合物を含有していてもよいが、多官能エチレン性不飽和化合物であることがより好ましい。
多官能エチレン性不飽和化合物としては、末端エチレン性不飽和基を2〜20個有する化合物が好ましい。このような化合物群は当産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に制限無く用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの共重合体、並びにそれらの混合物などの化学的形態をもつ。
多官能エチレン性不飽和化合物におけるエチレン不飽和基が由来する化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナト基や、エポキシ基、等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能又は多官能のアルコール類、アミン類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基、等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、ビニル化合物、アリル化合物、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
(ただし、R及びR’は、それぞれ、H又はCH3を示す。)
これらの中でも、成分Cとしては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジベンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましく例示できる。
エチレン性不飽和結合を分子内に1つ有する単官能エチレン性不飽和化合物としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と一価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と1価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類とイソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物、及び、単官能又は多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
重合性化合物としては、特に制限はなく、上記例示した化合物の他、公知の種々の化合物を用いることができ、例えば、特開2009−204962号公報に記載の化合物などを使用してもよい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物中における成分Cの総含有量は、架橋膜の柔軟性や強度の観点から、樹脂組成物の全固形分量に対し、0.1〜40質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
また、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物中における成分Cの総含有量は、架橋膜の柔軟性や強度の観点から、成分Aの含有量100質量部に対し、1〜40質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましく、5〜20質量部が更に好ましい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、架橋構造形成を促進するため、(成分D)重合開始剤を含有することが好ましく、成分C及び成分Dを含有することがより好ましい。
重合開始剤は、当業者間で公知のものを制限なく使用することができる。以下、好ましい重合開始剤であるラジカル重合開始剤について詳述するが、本発明はこれらの記述により制限を受けるものではない。
また、(c)有機過酸化物及び(l)アゾ系化合物としては、以下に示す化合物が好ましい。
本発明に用いることができるラジカル重合開始剤として好ましい(c)有機過酸化物としては、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−3−メチルベンゾエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシアセテートなどの過酸化エステル系や、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、ジクミルパーオキシドが好ましい。
本発明に用いることができるラジカル重合開始剤として好ましい(l)アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等を挙げることができる。
これは、有機過酸化物を用いてレリーフ形成層を熱架橋により硬化させる際、ラジカル発生に関与しない未反応の有機過酸化物が残存するが、残存した有機過酸化物は、自己反応性の添加剤として働き、レーザー彫刻時に発熱的に分解する。その結果、照射されたレーザーエネルギーに発熱分が加算されるので彫刻感度が高くなったと推定される。
なお、光熱変換剤の説明において詳述するが、この効果は、光熱変換剤としてカーボンブラックを用いる場合に著しい。これは、カーボンブラックから発生した熱が(c)有機過酸化物にも伝達される結果、カーボンブラックだけでなく有機過酸化物からも発熱するため、成分A等の分解に使用されるべき熱エネルギーの発生が相乗的に生じるためと考えている。
本発明の樹脂組成物中に含まれる成分Dの含有量は、全固形分量に対して、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.5〜1.5質量%が特に好ましい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分E)光熱変換剤を含有することが好ましい。すなわち、本発明における光熱変換剤は、レーザーの光を吸収し発熱することで、レーザー彫刻時の硬化物の熱分解を促進すると考えられる。このため、彫刻に用いるレーザー波長の光を吸収する光熱変換剤を選択することが好ましい。
本発明に用いることができる光熱変換剤としては、種々の染料又は顔料が用いられる。
また、カーボンブラックとしては、光熱変換により発生した熱を周囲のポリマー等に効率よく伝えることで彫刻感度が向上するという観点で、比表面積が100m2/g以上である、伝導性カーボンブラックが好ましい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物中における(成分E)光熱変換剤の含有量は、その分子固有の分子吸光係数の大きさにより大きく異なるが、樹脂組成物の全固形分に対し、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、香料を含有することが好ましい。香料は、レリーフ印刷版原版の製造時やレーザー彫刻時の臭気を低減させるのに有効である。
香料としては、公知の香料を適宜選択して用いることができ、香料を1種単独で用いることもできるし、複数の香料を組み合わせて使用することもできる。
香料は、樹脂組成物に使用する成分に応じて適宜選択することが好ましく、公知の香料を組み合わせて最適化することが好ましい。香料としては、「合成香料−化学と商品知識−」(印藤元一著、(株)化学工業日報社発行)、「香料化学入門」(渡辺昭次著、(株)培風館出版)、「香りの百科」(日本香料協会編、(株)朝倉書店出版)、「香料化学総覧II 単離香料・合成香料・香料の応用」((株)廣川書店発行)に記載されている香料が挙げられる。
また、本発明に用いることができる香料としては、特開2009−203310号公報の段落0012〜0025に記載された香料や、特開2011−245818号公報の段落0081〜0089に記載の香料が例示される。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分G)溶剤を含有していてもよい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を調製する際に用いる溶剤は、各成分の溶解性の観点から、主として非プロトン性の有機溶剤を用いることが好ましい。より具体的には、非プロトン性の有機溶剤/プロトン性有機溶剤=100/0〜50/50(質量比)で用いることが好ましく、100/0〜70/30(質量比)で用いることがより好ましく、100/0〜90/10(質量比)で用いることが特に好ましい。
非プロトン性の有機溶剤の好ましい具体例としては、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドが挙げられる。
プロトン性有機溶剤の好ましい具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオールが挙げられる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
溶剤の添加量としては、特に制限はなく、レリーフ形成層の作製等に必要な量を添加すればよい。なお、樹脂組成物の固形分量とは、樹脂組成物中の溶剤を除いた量である。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、レーザー彫刻用樹脂組成物の硬化皮膜の物性を改良するため、(成分H)充填剤を含有してもよい。
充填剤としては、公知の充填剤を用いることができ、例えば、無機粒子、有機樹脂粒子が挙げられる。
無機粒子としては、公知のものを用いることができ、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛、シリカ、アルミナ、アルミニウム、炭酸カルシウムなど例示できる。
有機樹脂粒子としては、公知のものを用いることができ、熱膨張性マイクロカプセルが好ましく例示できる。
熱膨張性マイクロカプセルとしては、EXPANCEL(Akzo Noble社製)が例示できる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、成分Hを1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物中における(成分H)充填剤の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、成分A以外の樹脂成分である(成分I)成分A以外のバインダーポリマー(以下、単に「バインダーポリマー」ともいう。)を含有してもよいが、その含有量は、成分Aの含有量より少ないことが好ましく、成分Aの含有量の50質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、(成分I)成分A以外のバインダーポリマーを含有しないことが特に好ましい。
バインダーポリマーは、レーザー彫刻用樹脂組成物に含有される高分子成分であり、一般的な高分子化合物を適宜選択し、1種を単独使用するか、又は、2種以上を併用することができる。特に、レーザー彫刻用樹脂組成物を印刷版原版に用いる際は、レーザー彫刻性、インキ受与性、彫刻カス分散性などの種々の性能を考慮して選択することが好ましい。
バインダーポリマーとしては、特開2012−45801号公報の段落0009〜0030に記載のバインダーポリマーが例示される。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物には、成分Iを1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物には、上記成分A〜成分I以外の添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。例えば、増粘剤、界面活性剤、ワックス、プロセス油、金属酸化物、オゾン分解防止剤、老化防止剤、熱重合防止剤、着色剤、アルコール交換反応触媒等が挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ニトロセルロースは自己反応性化合物であるため、レーザー彫刻時、自身が発熱し、共存する親水性ポリマー等のバインダーポリマーの熱分解をアシストする。その結果、彫刻感度が向上すると推定される。
高熱伝導性物質は、熱伝達を補助する目的で添加され、熱伝導性物質としては、金属粒子等の無機化合物、導電性ポリマー等の有機化合物が挙げられる。金属粒子としては、粒径がマイクロメートルオーダーから数ナノメートルオーダーの、金微粒子、銀微粒子、銅微粒子が好ましい導電性ポリマーとしては、特に共役ポリマーが好ましく、具体的には、ポリアニリン、ポリチオフェンが挙げられる。
また、共増感剤を用いることで、レーザー彫刻用樹脂組成物を光硬化させる際の感度を更に向上させることができる。
更に、組成物の製造中又は保存中において重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが好ましい。
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の第1の実施態様は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有する。
また、本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の第2の実施態様は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を架橋した架橋レリーフ形成層を有する。
本発明において「レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版」とは、レーザー彫刻用樹脂組成物からなる架橋性を有するレリーフ形成層が、架橋される前の状態、及び、光又は熱により硬化された状態の両方又はいずれか一方のものをいう。
本発明において「レリーフ形成層」とは、架橋される前の状態の層をいい、すなわち、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層であり、必要に応じ、乾燥が行われていてもよい。
架橋レリーフ形成層を有する印刷版原版をレーザー彫刻することにより「フレキソ印刷版」が作製される。
本発明において「架橋レリーフ形成層」とは、上記レリーフ形成層を架橋した層をいう。上記の架橋は、熱及び/又は光により行うことができる。また、上記架橋は樹脂組成物が硬化される反応であれば特に限定されず、成分A同士の反応、成分B同士の反応、成分Aと成分Bとの反応、成分Bと他の成分との反応などによる架橋構造が例示できる。
また、本発明において「レリーフ層」とは、フレキソ印刷版におけるレーザーにより彫刻された層、すなわち、レーザー彫刻後の上記架橋レリーフ形成層をいう。
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版は、必要により更に、支持体と(架橋)レリーフ形成層との間に接着層を、また、(架橋)レリーフ形成層上にスリップコート層、保護フィルムを有していてもよい。
レリーフ形成層は、上記本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層であり、熱架橋性の層であることが好ましい。
以下、主としてレリーフ形成層をシート状にした場合を例に挙げて説明する。
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の支持体に使用する素材は特に限定されないが、寸法安定性の高いものが好ましく使用され、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属、ポリエステル(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PAN(ポリアクリロニトリル))やポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂、スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ガラスファイバーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など)が挙げられる。支持体としては、PETフィルムやスチール基板が好ましく用いられる。支持体の形態は、レリーフ形成層がシート状であるかスリーブ状であるかによって決定される。
レリーフ形成層を支持体上に形成する場合、両者の間には、層間の接着力を強化する目的で接着層を設けてもよい。
接着層に使用し得る材料(接着剤)としては、例えば、I.Skeist編、「Handbook of Adhesives」、第2版(1977)に記載のものを用いることができる。
レリーフ形成層表面又は架橋レリーフ形成層表面への傷や凹み防止の目的で、レリーフ形成層表面又は架橋レリーフ形成層表面に保護フィルムを設けてもよい。保護フィルムの厚さは、25〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。保護フィルムは、例えば、PETのようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムを用いることができる。またフィルムの表面はマット化されていてもよい。保護フィルムは、剥離可能であることが好ましい。
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、レーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、必要に応じて、このレーザー彫刻用塗布液組成物から溶剤を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法が挙げられる。また、レーザー彫刻用樹脂組成物を、支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して樹脂組成物から溶剤を除去する方法でもよい。
中でも、本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、並びに、上記レリーフ形成層を熱及び/又は光により架橋した架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程、を含む製造方法であることが好ましい。
保護フィルムを用いる場合には、先ず保護フィルム上にレリーフ形成層を積層し、次いで支持体をラミネートする方法を採ってもよい。
接着層を設ける場合は、接着層を塗布した支持体を用いることで対応できる。スリップコート層を設ける場合は、スリップコート層を塗布した保護フィルムを用いることで対応できる。
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程を含むことが好ましい。
レリーフ形成層の形成方法としては、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、必要に応じて、このレーザー彫刻用樹脂組成物から溶剤を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法や、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して溶剤を除去する方法が好ましく例示できる。
レーザー彫刻用樹脂組成物は、例えば、成分A及び成分B、並びに、任意成分として、成分C〜成分Iなどを適当な溶剤に溶解又は分散させ、次いで、これらの液を混合することによって製造できる。溶剤成分のほとんどは、フレキソ印刷版原版を製造する段階で除去することが好ましいので、溶剤としては、揮発しやすい低分子アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル)等を用い、かつ温度を調整するなどして溶剤の全添加量をできるだけ少なく抑えることが好ましい。
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、上記レリーフ形成層を熱により架橋した架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程を含む製造方法である。
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を加熱することで、レリーフ形成層を架橋することができる(熱架橋工程)。熱により架橋を行うための加熱手段としては、印刷版原版を熱風オーブンや遠赤外オーブン内で所定時間加熱する方法や、加熱したロールに所定時間接する方法が挙げられる。
レリーフ形成層を熱架橋することで、第1にレーザー彫刻後形成されるレリーフがシャープになり、第2にレーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘着性が抑制されるという利点がある。
なお、本発明において、上記架橋工程において、成分A同士、成分B同士、及び、成分Aと成分Bとの重合反応が生じる。
レリーフ形成層が光重合開始剤を含有する場合には、光重合開始剤のトリガーとなる活性光線をレリーフ形成層に照射することで、レリーフ形成層を架橋することができる。
光は、レリーフ形成層全面に行うのが一般的である。光(「活性光線」ともいう。)としては可視光、紫外光、及び電子線が挙げられるが、紫外光が最も一般的である。レリーフ形成層の支持体等、レリーフ形成層を固定化するための基材側を裏面とすれば、表面に光を照射するだけでもよいが、支持体が活性光線を透過する透明なフィルムであれば、更に裏面からも光を照射することが好ましい。表面からの照射は、保護フィルムが存在する場合、これを設けたまま行ってもよいし、保護フィルムを剥離した後に行ってもよい。酸素の存在下では重合阻害が生じる恐れがあるので、レリーフ形成層に塩化ビニルシートを被せて真空引きした上で、活性光線の照射を行ってもよい。
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、上記レリーフ形成層を熱及び/又は光で架橋し架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程、及び、上記架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程、を含むことが好ましい。
本発明のフレキソ印刷版は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層を架橋及びレーザー彫刻して得られたレリーフ層を有するフレキソ印刷版であり、本発明のフレキソ印刷版の製版方法により製版されたフレキソ印刷版であることが好ましい。
本発明のフレキソ印刷版は、水性インキ及び溶剤インキの双方の印刷時に好適に使用することができる。
本発明のフレキソ印刷版の製版方法における層形成工程及び架橋工程は、上記レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法における層形成工程及び架橋工程と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、上記架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程を含むことが好ましい。
彫刻工程は、上記架橋工程で架橋された架橋レリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程である。具体的には、架橋された架橋レリーフ形成層に対して、所望の画像に対応したレーザー光を照射して彫刻を行うことによりレリーフ層を形成することが好ましい。また、所望の画像のデジタルデータを元にコンピューターでレーザーヘッドを制御し、架橋レリーフ形成層に対して走査照射する工程が好ましく挙げられる。
この彫刻工程には、赤外線レーザーが好ましく用いられる。赤外線レーザーが照射されると、架橋レリーフ形成層中の分子が分子振動し、熱が発生する。赤外線レーザーとして炭酸ガスレーザーやYAGレーザーのような高出力のレーザーを用いると、レーザー照射部分に大量の熱が発生し、架橋レリーフ形成層中の分子は分子切断又はイオン化されて選択的な除去、すなわち、彫刻がなされる。レーザー彫刻の利点は、彫刻深さを任意に設定できるため、構造を3次元的に制御することができる点である。例えば、微細な網点を印刷する部分は、浅く又はショルダーをつけて彫刻することで、印圧でレリーフが転倒しないようにすることができ、細かい抜き文字を印刷する溝の部分は深く彫刻することで、溝にインキが埋まりにくくなり、抜き文字つぶれを抑制することが可能となる。
中でも、光熱変換剤の吸収波長に対応した赤外線レーザーで彫刻する場合には、より高感度で架橋レリーフ形成層の選択的な除去が可能となり、シャープな画像を有するレリーフ層が得られる。
半導体レーザーとしては、波長が700〜1,300nmのものが好ましく、800〜1,200nmのものがより好ましく、860〜1,200nmのものが更に好ましく、900〜1,100nmのものが特に好ましい。
また、本発明のフレキソ印刷版原版を用いたフレキソ印刷版の製版方法に好適に使用し得るファイバー付き半導体レーザーを備えた製版装置は、特開2009−172658号公報及び特開2009−214334号公報に詳細に記載され、これを本発明に係るフレキソ印刷版の製版に使用することができる。
リンス工程:彫刻後のレリーフ層表面を、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスする工程。
乾燥工程:彫刻されたレリーフ層を乾燥する工程。
後架橋工程:彫刻後のレリーフ層にエネルギーを付与し、レリーフ層を更に架橋する工程。
上記工程を経た後、彫刻表面に彫刻カスが付着しているため、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスして、彫刻カスを洗い流すリンス工程を追加してもよい。リンスの手段として、水道水で水洗する方法、高圧水をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式又は搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主に水の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸や界面活性剤を添加したリンス液を用いてもよい。
彫刻表面をリンスするリンス工程を行った場合、彫刻されたレリーフ形成層を乾燥してリンス液を揮発させる乾燥工程を追加することが好ましい。
更に、必要に応じてレリーフ形成層を更に架橋させる後架橋工程を追加してもよい。追加の架橋工程である後架橋工程を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
リンス液を上記のpH範囲とするために、適宜、酸及び/又は塩基を用いてpHを調整すればよく、使用する酸及び塩基は特に限定されない。
本発明に用いることができるリンス液は、主成分として水を含有する水系リンス液であることが好ましい。
また、リンス液は、水以外の溶剤として、アルコール類、アセトン、テトラヒドロフラン等などの水混和性溶剤を含有していてもよい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、彫刻カスの除去性、及び、フレキソ印刷版への影響を少なくする観点から、カルボキシベタイン化合物、スルホベタイン化合物、ホスホベタイン化合物、アミンオキシド化合物、又は、ホスフィンオキシド化合物等のベタイン化合物(両性界面活性剤)が好ましく挙げられる。
界面活性剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、リンス液の全質量に対し、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより好ましい。
フレキソ印刷版が有するレリーフ層の厚さは、耐磨耗性やインキ転移性のような種々の印刷適性を満たす観点からは、0.05mm以上10mm以下が好ましく、より好ましくは0.05mm以上7mm以下、特に好ましくは0.05mm以上3mm以下である。
なお、本明細書におけるショアA硬度は、25℃において、測定対象の表面に圧子(押針又はインデンタと呼ばれる)を押し込み変形させ、その変形量(押込み深さ)を測定して、数値化するデュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)により測定した値である。
なお、実施例におけるポリマーの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断らない限りにおいて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法(溶離液:テトラヒドロフラン)で測定した値を表示している。
<B−3の合成>
ジシクロヘキシルカルボジイミド(東京化成工業(株)製)(18g)を、メタクリル酸(東京化成工業(株)製)(5g)、トリシクロへキシルメタノール(ALDRICH社製)(22.5g)及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(東京化成工業(株)製)(0.5g)の塩化メチレン(150g)溶液に対し、0℃で30分かけて添加した。添加後、更に室温(25℃)で4時間撹拌した。反応溶液を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウムによる脱水、濾過、濃縮することで、B−3を得た。
アクリロイルクロリド(東京化成工業(株)製)(15g)を、窒素気流下、室温で2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(東京化成工業(株)製)(10g)及びトリエチルアミン(25g)の塩化メチレン(150g)溶液に、1時間かけて滴下した。滴下後、更に室温で2時間撹拌した。反応溶液を水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムにより脱水し、濾過により硫酸マグネシウムを除去した。濾液に対し、tert−ブタノール(東京化成工業(株)製)(6g)及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(東京化成工業(株)製)(0.5g)を加えた後、溶液を0℃に冷却した。その後、反応溶液に対しジシクロヘキシルカルボジイミド(東京化成工業(株)製)(18g)を、30分かけて添加した。添加後、更に室温で4時間撹拌した。反応溶液を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウムによる脱水、濾過、濃縮することで、B−4を得た。
ジシクロヘキシルカルボジイミド(東京化成工業(株)製)(18g)を、ライトエステルHO−MS(N)(共栄社化学(株)製)(4.1g)、1−アダマンタノール(東京化成工業(株)製)(12.3g)及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(東京化成工業(株)製)(0.5g)の塩化メチレン(150g)溶液に対し、0℃で30分かけて添加した。添加後、更に室温で4時間撹拌した。反応溶液を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウムによる脱水、濾過、濃縮することで、B−5を得た。
1−アダマンタノール(東京化成工業(株)製)(12.3g)をtert−ブタノール(東京化成工業(株)製)(6g)に変更した以外は、B−5の合成と同様に行い、B−6を得た。
メタクリロイルクロリド(東京化成工業(株)製)(7.5g)を、窒素気流下、室温で4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸(東京化成工業(株)製)(10.7g)及びトリエチルアミン(12.5g)の塩化メチレン(150g)溶液に、1時間かけて滴下した。滴下後、更に室温で2時間撹拌した。反応溶液を水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムにより脱水し、濾過により硫酸マグネシウムを除去した。濾液に対し、tert−ブタノール(東京化成工業(株)製)(6g)及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(東京化成工業(株)製)(0.5g)を加えた後、溶液を0℃に冷却した。その後、反応溶液に対しジシクロヘキシルカルボジイミド(東京化成工業(株)製)(18g)を、30分かけて添加した。添加後、更に室温で4時間撹拌した。反応溶液を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウムによる脱水、濾過、濃縮することで、B−7を得た。
tert−ブチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)(100g)及びV−65(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、和光純薬工業(株)製)(1.75g)のエタノール(75g)溶液を、窒素気流下、75℃でエタノール(75g)中に、2.5時間かけて滴下した。滴下後更に75℃で2時間撹拌した。更に78℃に昇温し90分撹拌後、V−65(和光純薬工業(株)製)(1.62g)を更に加えた。その後、78℃で2時間加熱撹拌することによりA−1のエタノール溶液を得た。
得られたA−1のエタノール溶液を1.0g採取し、海砂10gと一緒にアルミカップに入れて十分に混ぜ合わせ、130℃のオーブン中で減圧下(5mmHg以下)2時間加熱した。加熱前後での重量変化からA−1の固形分濃度を算出した結果、41.3%であった。
A−1の同定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法、IRスペクトルにより行った。重量平均分子量は、ポリスチレン換算で2.0万であった。
1.レーザー彫刻用樹脂組成物の調製
撹拌羽及び冷却管をつけた3つ口フラスコ中に、表1又は表2に記載の成分A、成分B及び成分Cを入れ、この混合液を撹拌しながら70℃で30分間加熱した。
その後、混合液を40℃にし、表1又は表2に記載の成分Dを1質量部、及び、表1又は表2に記載の成分Eを3質量部添加して30分間撹拌した。
その後、香料として酢酸イソボルニル(和光純薬工業(株)製)を0.1質量%(樹脂組成物の全固形分量に対し)添加し、40℃で10分間撹拌した。
この操作により、流動性のある架橋性レリーフ形成層用塗布液(レーザー彫刻用樹脂組成物)をそれぞれ得た。なお、表1又は表2に「−」と記載されている場合、当該成分は上記において添加しなかった(添加しなかった質量分は、その他素材の添加量比率は同じで、全体の添加量を増やすことで補填した。)。
PET基板上に所定厚のスペーサー(枠)を設置し、上記より得られた実施例1〜24、及び、比較例1〜5の各レーザー彫刻用樹脂組成物をそれぞれ、スペーサー(枠)から流出しない程度に静かに流延し、90℃のオーブン中で加熱して、厚さがおよそ1mmのレリーフ形成層を設け、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版をそれぞれ作製した。この時、90℃のオーブン中で表面のベトツキが完全になくなるまで加熱し、熱架橋を行った。
架橋後のレリーフ形成層に対し、以下の2種のレーザーにより彫刻した。
炭酸ガスレーザー彫刻機として、レーザー照射による彫刻を、高品位CO2レーザーマーカML−9100シリーズ((株)キーエンス製)を用いた。レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を、炭酸ガスレーザー彫刻機で、出力:12W、ヘッド速度:200mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
半導体レーザー彫刻機として、最大出力8.0Wのファイバー付き半導体レーザー(FC−LD)SDL−6390(JDSU社製、波長 915nm)を装備したレーザー記録装置を用いた。半導体レーザー彫刻機でレーザー出力:7.5W、ヘッド速度:409mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
また、レリーフ層のショアA硬度をそれぞれ、前述の測定方法により測定したところ、75°であった。
以下の項目でフレキソ印刷版の性能評価を行い、結果を表1又は表2に示す。
レーザー彫刻した版を水に浸漬し、彫刻部を歯ブラシ(ライオン(株)製、クリニカハブラシ フラット)で10回こすった。その後、光学顕微鏡でレリーフ層の表面におけるカスの有無を確認した。カスがないものを5、ほとんどないものを4、少し残存しているものを3、カスが残存しているが、実用上問題のないレベルであるものを2、カスが除去できていないものを1とした。
各実施例及び比較例のレーザー彫刻用樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化膜(レリーフ層)について、破断強度を次のようにして測定した。
引張り試験機として、(株)島津製作所製Shimadzu AGSH5000を用い、試験片形状はJIS規格記載のダンベル型(横幅の平均:2.25cmとして入力し測定した。)に加工して測定した。測定環境は、温度:約21℃、湿度:60%、引張速度:2mm/分とした。
フレキソ印刷版原版の架橋レリーフ形成層を剥離して試料とし、Rheogel−E4000((株)ユービーエム製)にて100ヘルツ、25℃での貯蔵弾性率E’を測定した。E’の値が1.0MPa以上40.0MPa以下の範囲にあるものが良好であり、1.0MPa以上20.0MPa以下の範囲にあるものがより良好である。
UV−3000B:紫光UV−3000B、ウレタンアクリレートオリゴマー(主鎖末端に(メタ)アクリロイル基を有し、20℃でプラストマー、Mn=10,000、日本合成化学(株)製)
BAC−45:末端アクリル変性ポリブタジエン(ポリブタジエンジアクリレート、Mn=4,500)(大阪有機化学工業(株)製)
LIR−30:ポリイソプレン(Mn=29,200、(株)クラレ製)
BI−3000:水添ポリブタジエン(Mn=5,300、日本曹達(株)製)
A−1:ポリメタクリル酸tert−ブチル(Mn=15,500、合成品)
BL−7Z:ポリビニルブチラール(Mn=40,000、積水化学工業(株)製)
UBEPOL BR 150:ポリブタジエン(Mn=222,000、宇部興産(株)製)
LBR−305:ポリブタジエン(Mn=27,500、(株)クラレ製)
EA−3000:アクリレート変性ポリブタジエン(両末端にアクリルオキシエチル基を有するポリジタジエン、Mn=5,500)((株)クラレ製)
B−2:メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル(東京化成工業(株)製)
B−3:2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸tert−ブチル(合成品)
B−4:2,2−ビス(アクリロイロキシメチル)プロピオン酸tert−ブチル(合成品)
B−5:下記化合物(合成品)
B−6:下記化合物(合成品)
B−7:下記化合物(合成品)
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート(東京化成工業(株)製)
GMA:グリセロールジメタクリレート(和光純薬工業(株)製)
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ALDRICH社製)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)
PBZ:パーブチルZ、t−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)製)
PCD:パークミルD、ジクミルパーオキシド(日本油脂(株)製)
CB:カーボンブラック#45L(三菱化学(株)製、粒子径:24nm、比表面積:125m2/g、DBP吸油量:45cm3/100g)
Claims (13)
- (成分A)エチレン性不飽和基を有するバインダーポリマー、並びに、
(成分B)第三級エステル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物、を含有することを特徴とする
レーザー彫刻用樹脂組成物。 - (成分C)成分A及び成分B以外の重合性化合物を更に含有する、請求項1又は2に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
- (成分D)重合開始剤を更に含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
- (成分E)光熱変換剤を更に含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
- 成分Aが、共役ジエン系ポリマー、末端にエチレン性不飽和基を有する共役ジエン系ポリマー、及び、エチレン性不飽和基を有するポリウレタン樹脂よりなる群から選ばれたポリマーである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
- 成分Bが、第三級エステル基を有する(メタ)アクリレート化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
- 成分Bが、単官能エチレン性不飽和化合物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を熱により架橋した架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、及び、
前記レリーフ形成層を熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程、を含むことを特徴とする
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。 - 請求項10に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版又は請求項11に記載の製造方法により得られたレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版をレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程、を含む
フレキソ印刷版の製版方法。 - 彫刻工程後、前記レリーフ層表面を水系リンス液によりリンスするリンス工程を更に含む、請求項12に記載のフレキソ印刷版の製版方法。
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