JP2014133363A - 画像形成方法、画像形成装置および画像形成プログラム - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置および画像形成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】白スジや黒スジなどの画像不具合を改善しつつ、正しい画像サイズで印刷する。
【解決手段】記録媒体を副走査方向に送りながら記録ヘッドを主走査方向に走査させて、記録ヘッドにより記録媒体上に画像を形成する画像形成方法において、形成する画像データが、記録媒体を副走査方向へ送る1回の所定送り量以上の副走査方向の長さがある場合に、記録媒体の副走査方向への1回の所定送り量を調整する送り量制御ステップと、送り量制御ステップによる1回の所定送り量の調整量に応じて、形成する画像データの副走査方向における画像長さを調整する画像調整ステップ(S101〜S103)と、を含む。
【選択図】図16

Description

本発明は、画像形成方法、画像形成装置および画像形成プログラムに関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば、記録ヘッドを主走査方向に移動させ、記録媒体(以下、用紙、被記録媒体、転写材、記録紙ともいう)を副走査方向に送りながら、記録ヘッドで記録媒体上にドットを形成して画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置が知られている。また、サーマル(熱転写)方式の画像形成装置も知られている。
インクジェット方式の画像形成装置(以下、インクジェット記録装置ともいう)では、記録液(液体)の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを含む装置を用いて、記録媒体を搬送しながら、液体としての記録液(インク)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字ともいう)を行っている。
このような画像形成装置においては、記録媒体の送り量(ラインフィード量という)が記録ヘッドの1スキャンでの画像幅よりも大きい場合に、ラインフィード前に記録した画像の後端とラインフィード後に記録した画像の先端との間に所謂白スジが発生し得るという問題が知られている。
また、記録媒体の送り量が記録ヘッドの1スキャンでの画像幅よりも小さい場合には、スキャン間の画像が重なり合って、所謂黒スジが発生し得るという問題が知られている。
この点について、例えば、特許文献1には、記録ヘッドの複数のノズルのうち、ラインフィード方向の最初のノズルの径だけを他のノズルの径よりも大きくして、最初のノズルから噴射するインク量を他のノズルから噴射するインク量よりも多くすることによって、ラインフィード量のバラツキによって発生する白スジや黒スジを防止しようとするドットシリアルプリンタの記録方法が開示されている。
また、複数のドット形成手段(例えば、ノズル、発熱素子等)を有するヘッドユニットを複数個配列した記録ヘッドを用いる画像形成装置が知られている。このような画像形成装置においては、各ヘッドユニットのつなぎ目に位置するドット形成手段によって形成される画像は、ヘッドユニットの間隔が規定値よりも狭くなった場合(ヘッド組み付け誤差がある場合)に隣接するドットの重なりが大きくなって黒スジが発生する。また、隣接するヘッドユニットの間隔が規定値よりも大きい場合に隣接するドット間の重なりが小さくなったり、重なりがなくなったりして、白スジが発生する。
この点について、例えば、特許文献2には、隣接するヘッドユニットの各印写領域が少なくとも1オリフィス(1ノズル)分オーバーラップするように複数のヘッドユニットを取付けることにより、各ヘッドユニットの取付け誤差によって発生する白スジや黒スジを防止しようとするインクジェット記録装置が開示されている。
また、例えば、特許文献3には、記録ヘッドの端部ノズルのみ、ドット径若しくは、ドット形成位置を他のドットに対して他のノズルとは独立して変化させる手段を備えて、繋ぎ目の濃度ムラを防止しようとする記録装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、ノズル径を他よりも大きくすることでインクの噴射量は増加するが、インクの噴射速度は低下するため、記録媒体上では正規の着弾位置からずれてしまうことが生じ得る。このため、ラインフィード方向に直線を描いたときに、最初のノズルによるドットだけ直線上からずれることになり、画像品質が低下するという問題がある。また、工場出荷時やユーザーサイドでは、ノズル径を調整することは通常、困難である。
また、特許文献2に記載の発明では、一旦ヘッドユニットを取付けた後には白スジや黒スジの発生を防止することは困難であり、工場出荷時やユーザーサイドでは、調整することは通常、困難である。
また、特許文献3に記載の発明では、ノズル端部と他のノズルでドットの大きさやドット間の位置関係が異なるため、変化させた部分について、特に、ハーフトーン部の色みの再現性が合わないという課題があった。
また、白スジや黒スジなどの画像不具合を解消するために、記録媒体の送り量を制御する構成では、正確な画像サイズでの出力が得られないという課題があった。
そこで本発明は、白スジや黒スジなどの画像不具合を改善しつつ、正しい画像サイズで印刷して画像品質を向上することができる画像形成方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明に係る画像形成方法は、記録媒体を副走査方向に送りながら記録ヘッドを主走査方向に走査させて、前記記録ヘッドにより前記記録媒体上に画像を形成する画像形成方法において、形成する画像データが、前記記録媒体を副走査方向へ送る1回の所定送り量以上の副走査方向の長さがある場合に、前記記録媒体の副走査方向への前記1回の所定送り量を調整する送り量制御ステップと、前記送り量制御ステップによる前記1回の所定送り量の調整量に応じて、前記形成する画像データの副走査方向における画像長さを調整する画像調整ステップと、を含むようにしている。
本発明によれば、白スジや黒スジなどの画像不具合を改善しつつ、正しい画像サイズで印刷して画像品質を向上することができる。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す側面図である。 画像形成装置の構成の一例を示す平面図である。 記録ヘッドの一例を示す断面図(液室長手方向)である。 記録ヘッドの一例を示す断面図(液室短手方向)である。 制御部の概要を示すブロック図である。 印刷制御部の一例を示すブロック図である。 印刷制御部の駆動波形生成部で生成出力される駆動波形の駆動パルスを示す説明図である。 画像形成装置が構成する画像形成システムの一例を示すブロック説明図である。 画像形成装置が構成する画像形成システムにおける、画像処理装置の一例を示すブロック説明図である。 画像処理方法を実行する画像処理装置の機能ブロック図である。 画像処理方法を実行するプリンタドライバおよびプリンタコントローラの機能ブロック図である。 白スジと黒スジが発生する様子を示す説明図である。 用紙送り量を調整して、白スジと黒スジの発生を抑える制御の説明図である。 記録ヘッドの傾きにより白スジが発生する様子を示す説明図である。 長尺の画像がスキャンごとに重なる方向にずれた例を説明する図である。 画像調整処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る構成を図1から図16に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体(用紙22)を副走査方向に送りながら記録ヘッド(記録ヘッド11)を主走査方向に走査させて、記録ヘッドにより記録媒体上に画像を形成する画像形成装置(インクジェットプリンタ500)において、入力される画像データが、記録媒体を副走査方向へ送る1回の所定送り量以上の副走査方向の長さがある場合に、記録媒体の副走査方向への1回の所定送り量を調整する送り量制御手段(制御部200、搬送ローラ32(エンコーダホイール))と、送り量制御手段による1回の所定送り量の調整量に応じて、入力される画像データの副走査方向における画像長さを調整する画像調整手段(制御部200、変倍処理部519)と、を備えるものである。なお、括弧内は実施形態での符号、適用例を示す。
(画像形成装置の構成)
図1及び図2は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるインクジェット記録装置を示す図であり、図1は機構部の全体構成の側面説明図、図2は同機構部の平面説明図である。
このインクジェット記録装置は、フレーム1を構成する左右の側板1A、1Bに横架したガイド部材であるガイドロッド2とステー3とでキャリッジ4を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ5によって駆動プーリ6Aと従動プーリ6B間に架け渡したタイミングベルト7を介して図2で示すキャリッジ主走査方向に移動走査する。
このキャリッジ4には、例えばブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)11k,11c,11m,11yからなる記録ヘッド11を複数のインク吐出口(ノズル)を形成したノズル面11aのノズル列を主走査方向と直交する方向(副走査方向)に配列し、インク吐出方向を下方に向けて装着している。
なお、ここでは独立した液滴吐出ヘッドを用いているが、各色の記録液の液滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。また、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
ここでは、記録ヘッド11は上述したように各色の液滴を吐出する別個の4個のヘッド11k,11c,11m,11yで構成し、各ヘッド11k,11c,11m,11yにはそれぞれ液滴を吐出する複数のノズルnを並べて配置してなるノズル列を2列有する構成としている。
これに限らず、1つの記録ヘッド11に、各色の液滴を吐出するそれぞれ2列のノズル列を配置した構成することもできるし、ブラックインクを吐出する1又は複数のノズル列を有するヘッドと、カラーインクを吐出する各色で1又は複数のノズル列を有するヘッドとで構成することもできる。
記録ヘッド11を構成する液滴吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段(アクチュエータ手段)として備えたものを使用している。
すなわち、圧力発生手段として、気泡を発生させるための発熱抵抗体を用いたサーマル型の場合には、気泡の体積を精度よく制御することが困難であって形成できるドットサイズを大きく変化させることができず、基本的には2値のドットサイズであり、一般的には形成するドット数で階調を表現せざるを得ない。
これに対して、圧電アクチュエータを用いた場合には、圧電素子の変位量を精度良くコントロールすることができ、形成するドットの大きさを大きく変化させることができてドットサイズによって多階調を表現することができる。
この場合、ドット径を変更する、つまり、多値のドットを形成するには、例えば、駆動パルスの電圧の大きさ、駆動パルスのパルス幅、パルス数などを変更することによって行なうことができる。
この記録ヘッド11にはドライバICを搭載し、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル:FPCケーブル)12を介して接続している。
また、キャリッジ4には、記録ヘッド11に各色のインクを供給するための各色のサブタンク15を搭載している。この各色のサブタンク15には各色のインク供給チューブ16を介して、カートリッジ装填部9に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。
なお、このカートリッジ装填9にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット17が設けられ、また、インク供給チューブ16は這い回しの途中でフレーム1を構成する後板1Cに係止部材18にて保持されている。
一方、給紙トレイ20の用紙積載部(圧板)21上に積載した用紙22を給紙するための給紙部として、用紙積載部21から用紙22を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)23及び給紙コロ23に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド24を備え、この分離パッド24は給紙コロ23側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙22を記録ヘッド11の下方側に送り込むために、用紙22を案内するガイド部材25と、カウンタローラ26と、搬送ガイド部材27と、先端加圧コロ29を有する押さえ部材28とを備えるとともに、給送された用紙22を静電吸着して記録ヘッド11に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト31を備えている。
この搬送ベルト31は、無端状ベルトであり、搬送ローラ32とテンションローラ33との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成し、周回移動しながら帯電ローラ34によって帯電(電荷付与)される。
この搬送ベルト31としては、1層構造のベルトでも良く、又は複層(2層以上の)構造のベルトでもよい。1層構造の搬送ベルト31の場合には、用紙32や帯電ローラ34に接触するので、層全体を絶縁材料で形成している。また、複層構造の搬送ベルト31の場合には、用紙22や帯電ローラ34に接触する側は絶縁層で形成し、用紙22や帯電ローラ34と接触しない側は導電層で形成することが好ましい。
1層構造の搬送ベルト31を形成する絶縁材料や複層構造の搬送ベルト31の絶縁層を形成する絶縁材料としては、例えばPET、PEI、PVDF、PC、ETFE、PTFEなどの樹脂又はエラストマーで導電制御材を含まない材料であることが好ましく、体積抵抗率は1012Ωcm以上、好ましくは1015Ωcmなるように形成する。
また、複層構造の搬送ベルト31の導電層を形成する材料としては、上記樹脂やエラストマーにカーボンを含有させて体積抵抗率が105〜107Ωcmとなるように形成することが好ましい。
帯電ローラ34は、搬送ベルト31の表層をなす絶縁層(複層構造のベルトの場合)に接触し、搬送ベルト31の回動に従動して回転するように配置され、軸の両端に加圧力をかけている。この帯電ローラ34は、体積抵抗率が106〜109Ω/□の導電性部材で形成している。この帯電ローラ34には、後述するように、ACバイアス供給部212(高圧電源、図5参照)から例えば2kVの正負極のACバイアス(高電圧)が印加される。このACバイアスは、正弦波や三角波でもよいが、方形波の方がより好ましい。
また、搬送ベルト31の裏側には、記録ヘッド11による印写領域に対応してガイド部材35を配置している。このガイド部材35は、上面が搬送ベルト31を支持する2つのローラ(搬送ローラ32とテンションローラ33)の接線よりも記録ヘッド11側に突出させることで搬送ベルト31の高精度な平面性を維持するようにしている。
この搬送ベルト31は、副走査モータ36によって駆動ベルト37及びタイミングローラ38を介して搬送ローラ32が回転駆動されることによって図2のベルト搬送方向に周回移動する。なお、図示しないが、搬送ローラ32の軸には、スリットを形成したエンコーダホイールが設けられ、このエンコーダホイールのスリットを検知する透過型フォトセンサを設けて、これらのエンコーダホイール及びフォトセンサによってホイールエンコーダを構成している。
また、記録ヘッド11で記録された用紙22を排紙トレイ40に排紙するための排紙部として、搬送ベルト31から用紙22を分離するための分離爪41と、排紙ローラ42及び排紙コロ43とを備えている。
さらに、装置本体1の背面部には両面ユニット51が着脱自在に装着されている。この両面ユニット51は搬送ベルト31の逆方向回転で戻される用紙22を取り込んで反転させて再度カウンタローラ26と搬送ベルト31との間に給紙する。
さらに、キャリッジ4の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド11のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構61を配置している。この維持回復機構61には、記録ヘッド11の各ノズル面11aをキャピングするための各キャップ部材(以下、キャップという)62a〜62d(区別しないときは、キャップ62という)と、ノズル面11aをワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード63と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け64などを備えている。
ここでは、キャップ62aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ62b〜62dは保湿用キャップとしている。
また、キャリッジ4の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け68を配置し、この空吐出受け68には記録ヘッド11のノズル列方向に沿った開口69などを備えている。
また、図1に示すように、キャリッジ4には用紙22の有無を検知するための媒体検知手段である赤外線センサからなる濃度センサ71を設けている。なお、濃度センサ71の種類は、赤外線センサに限定されるものではない。
また、この濃度センサ71はキャリッジ4がホーム位置にあるときに記録領域(画像形成領域)側(搬送ベルト31側)に位置する側で、記録ヘッド11よりも用紙搬送方向上流側に設けている。
さらに、キャリッジ4の前方側には、スリットを形成したエンコーダスケール72を主走査方向に沿って設け、キャリッジ4の前面側にはエンコーダスケール72のスリットを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ73を設け、これらによって、キャリッジ4の主走査方向位置を検知するためのリニアエンコーダ74を構成している。
(液滴吐出ヘッド)
次に、記録ヘッド11を構成している液滴吐出ヘッドの一例について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図4は同ヘッドの液室短手方向(ノズルの並び方向)の断面説明図である。
この液滴吐出ヘッドは、例えば単結晶シリコン基板を異方性エッチングして形成した流路板101と、この流路板101の下面に接合した例えばニッケル電鋳で形成した振動板102と、流路板101の上面に接合したノズル板103とを接合して積層し、これらによって液滴(インク滴)を吐出するノズル104が連通する流路であるノズル連通路105及び圧力発生室である液室106、液室106に流体抵抗部(供給路)107を通じてインクを供給するための共通液室108に連通するインク供給口109などを形成している。
また、振動板102を変形させて液室106内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての2列(図3では1列のみ図示)の積層型圧電素子121と、この圧電素子121を接合固定するベース基板122とを備えている。なお、圧電素子121の間には支柱部123を設けている。この支柱部123は圧電素子部材を分割加工することで圧電素子121と同時に形成した部分であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
さらに、圧電素子121には図示しない駆動回路(駆動IC)を搭載したFPCケーブル126を接続している。
そして、振動板102の周縁部をフレーム部材130に接合し、このフレーム部材130には、圧電素子121及びベース基板122などで構成されるアクチュエータユニットを収納する貫通部131及び共通液室108となる凹部、この共通液室108に外部からインクを供給するためのインク供給穴132を形成している。このフレーム部材130は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
ここで、流路板101は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路105、液室106となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
振動板102は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他、金属板や金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板102に圧電素子121及び支柱部123を接着剤接合し、更にフレーム部材130を接着剤接合している。
ノズル板103は各液室106に対応して直径10〜30μmのノズル104を形成し、流路板101に接着剤接合している。このノズル板103は、金属部材からなるノズル形成部材の表面に所要の層を介して最表面に撥水層を形成したものである。
圧電素子121は、圧電材料151と内部電極152とを交互に積層した積層型圧電素子(ここではPZT)である。この圧電素子121の交互に異なる端面に引き出された各内部電極152には個別電極153及び共通電極154が接続されている。なお、この実施形態では、圧電素子121の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室106内インクを加圧する構成としているが、圧電素子121の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室106内インクを加圧する構成とすることもできる。また、1つの基板122に1列の圧電素子121が設けられる構造とすることもできる。
このように構成した液滴吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子121に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子121が収縮し、振動板102が下降して液室106の容積が膨張することで、液室106内にインクが流入し、その後圧電素子121に印加する電圧を上げて圧電素子121を積層方向に伸長させ、振動板102をノズル104方向に変形させて液室106の容積/体積を収縮させることにより、液室106内の記録液が加圧され、ノズル104から記録液の滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子121に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板102が初期位置に復元し、液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室108から液室106内に記録液が充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行なうこともできる。
(制御部)
次に、画像形成装置の印刷制御手段としての制御部の概要について図5のブロック図を参照して説明する。この制御部200は、この装置全体の制御を司るCPU201と、CPU201が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM202と、画像データ等を一時格納するRAM203と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ(NVRAM)204と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行なう画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC205とを備えている。
また、この制御部200は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行なうためのホストI/F206と、記録ヘッド11を駆動制御するためのヘッド駆動制御部207と、キャリッジ4側に設けた記録ヘッド11を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)208と、主走査モータ5を駆動するための主走査モータ駆動部210と、搬送ベルト31を駆動させる副走査モータ36を駆動するための副走査モータ駆動部211と、帯電ローラ34にACバイアスを供給するACバイアス供給部212と、リニアエンコーダ74からの各検出信号、環境温度を検出する温度センサ215などの各種センサからの検出信号を入力するためのI/O213などを備えている。また、この制御部200には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行なうための操作パネル214が接続されている。
ここで、制御部200は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの画像データ等をケーブル或いはネットを介してI/F206で受信する。
そして、制御部200のCPU201は、I/F206に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC205にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ない、この画像データをヘッド駆動制御部207からヘッドドライバ208に転送する。なお、画像出力するための画像パターンデータやドットパターンデータの生成は例えば、ROM202にフォントデータを格納して行っても良いし、ホスト側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開して画像形成装置に転送するようにしても良い。
ヘッド駆動制御部207は、上述した画像データをシリアルデータでヘッドドライバ208に転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、滴制御信号(マスク信号)などをヘッドドライバ208に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動信号のパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動波形生成部及びヘッドドライバに与える駆動波形選択手段を含み、1の駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成してヘッドドライバ208に対して出力する。
ヘッドドライバ208は、シリアルに入力される記録ヘッド11の1行分に相当する画像データに基づいてヘッド駆動制御部207から与えられる駆動波形を構成する駆動信号を選択的に記録ヘッド11の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば前述したような圧電素子121)に対して印加することで記録ヘッド11を駆動する。このとき、駆動波形を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴(大ドット)、中滴(中ドット)、小滴(小ドット)など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
また、CPU201は、リニアエンコーダ74を構成するエンコーダセンサ73からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて主走査モータ5に対する駆動出力値(制御値)を算出して主走査モータ駆動部210を介して主走査モータ5を駆動する。同様に、ロータリエンコーダ(ホイールエンコーダ)236を構成するエンコーダセンサ(フォトセンサ)からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて副走査モータ36に対する駆動出力値(制御値)を算出して副走査モータ駆動部211を介しモータドライバを介して副走査モータ36を駆動する。
次に、ヘッド駆動制御部207及びヘッドドライバ208の一例について、図6を参照して説明する。ヘッド駆動制御部207は、上述したように、1印刷周期内に複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形(共通駆動波形)を生成して出力する駆動波形生成部301と、印刷画像に応じた2ビットの画像データ(階調信号0、1)と、クロック信号、ラッチ信号(LAT)、滴制御信号M0〜M3を出力するデータ転送部302とを備えている。
なお、滴制御信号は、ヘッドドライバ208の後述するスイッチ手段であるアナログスイッチ315の開閉を滴毎に指示する2ビットの信号であり、共通駆動波形の印刷周期に合わせて選択すべき波形でHレベル(ON)に状態遷移し、非選択時にはLレベル(OFF)に状態遷移する。
ヘッドドライバ208は、データ転送部302からの転送クロック(シフトクロック)及びシリアル画像データ(階調データ:2ビット/CH)を入力するシフトレジスタ311と、シフトレジスタ311の各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路312と、階調データと制御信号M0〜M3をデコードして結果を出力するデコーダ313と、デコーダ313のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ315が動作可能なレベルへとレベル変換するレベルシフタ314と、レベルシフタ314を介して与えられるデコーダ313の出力でオン/オフ(開閉)されるアナログスイッチ315と、を備えている。
アナログスイッチ315は、各圧電素子121の選択電極(個別電極)154に接続され、駆動波形生成部301からの共通駆動波形が入力されている。したがって、シリアル転送された画像データ(階調データ)と制御信号MN0〜MN3をデコーダ313でデコードした結果に応じてアナログスイッチ315がオンにすることにより、共通駆動波形を構成する所要の駆動信号が通過して(選択されて)圧電素子121に印加される。
(駆動パルス)
次に、このヘッドドライバ208の動作について図7を参照して説明する。先ず、駆動波形生成部301からは、図7(a)に示すように、一吐出周期内に、基準電位(中間電位)V1から立下り(液室容積を拡大する方向)、所定のホールド時間を経た後基準電位V1に向けて立ち上がる(液室容積を収縮する方向)、複数のパルス(駆動信号)P1,P2,P3を含む共通駆動波形を出力する。
ここで、パルスP1,P2で2個の液滴を吐出させて飛翔中に合体させることで大滴を形成させ、また、パルスP2の波形要素は立下り電位をパルスP1よりも低くすることでパルスP2だけで中滴を吐出できるようにし、また、パルスP3の波形要素は立下り電位をパルスP2よりも低くし、かつ、段階的に立ち上げることで、パルスP3だけで小滴を吐出できるようにしている。
また、駆動波形生成部301からは、大滴を選択するときには図7(b),(c)に示すようにパルスP1,P2に対応する区間T1、T2でHレベルになる大滴制御信号M0を、中滴を選択するときには図7(d),(e)に示すようにパルスP2に対応する区間T2でHレベルになる中滴制御信号M1を、小滴を吐出させるときには図7(f),(g)に示すように区間T3でHレベルになる小滴制御信号M2を出力する。なお、非吐出のときには図7(h)に示すように電圧V1に維持される。
したがって、データ転送部302から転送する画像データに応じて、大滴、中滴、小滴、非吐出を選択することができ、大ドット、中ドット、小ドット、ドット無し、4階調の大きさのドット、即ち多値のドットを形成することができるようになる。
(画像形成システム) 次に、画像形成装置に接続された画像処理装置に記憶された画像形成プログラムを実行して、画像形成装置により印刷画像を出力する印刷システムの一実施形態について図8を参照して説明する。この画像形成システム(印刷システム)は、パーソナルコンピュータ(PC)などからなる1又は複数台の画像処理装置400と、インクジェット記録装置であるインクジェットプリンタ(画像形成装置)500とが、所定のインターフェース又はネットワークで接続されて構成されている。
画像処理装置400は、図9に示すように、CPU401と、メモリ手段である各種のROM402やRAM403とが、バスラインで接続されている。このバスラインには、所定のインターフェースを介して、ハードディスクなどの磁気記憶装置を用いた記憶装置406と、マウスやキーボードなどの入力装置404と、LCDやCRTなどのモニタ405と、図示しないが、光ディスクなどの記憶媒体を読み取る記憶媒体読取装置が接続され、また、インターネットなどのネットワークやUSBなどの外部機器と通信を行なう所定のインターフェース(外部I/F)407が接続されている。
画像処理装置400の記憶装置406には、本発明に係る画像形成プログラムを含む画像処理プログラムが記憶されている。画像処理プログラムは、記憶媒体から記憶媒体読取装置により読み取って、あるいは、インターネットなどのネットワークからダウンロードするなどして、記憶装置406にインストールしたものである。このインストールにより画像処理装置400は、以下のような画像処理を行なうために動作可能な状態となる。なお、画像処理プログラムは、所定のOS上で動作するものであってもよい。また、特定のアプリケーションソフトの一部をなすものであってもよい。
(画像形成プログラム)
次に、画像処理装置400側のプログラムで本発明に係る画像処理方法を実行する例について図10の機能ブロック図を参照して説明する。画像処理の多くを画像処理装置としてのPCのようなホストコンピュータで行なう場合であり、比較的安い廉価機のインクジェット記録装置で好適に用いられている構成である。
画像処理装置400(PC)側の本発明に係るプログラムであるプリンタドライバ411は、アプリケーションソフトなどから与えられた画像データ410をモニタ表示用の色空間から画像形成装置用の色空間への変換(RGB表色系→CMY表色系)を行なうCMM(Color Management Module)処理部412、CMYの値から黒生成/下色除去を行なうBG/UCR(black generation/ Under Color Removal)処理及び画像形成装置の特性やユーザの嗜好を反映した入出力補正を行なうγ補正を行なうBG/UCR/γ補正部413、画像形成装置の解像度に合わせて拡大処理を行なうズーミング(Zooming)部414、後述する画像の変倍処理を実施する変倍処理部(画像調整手段)419、画像データを画像形成装置から噴射するドットのパターン配置に置き換える多値・少値マトリクスを含む中間調処理部(多値・少値マトリクス、中間調処理手段)415、更に記録を行なう各ノズル位置に合わせてデータ展開するラスタライジング部416を含み、ラスタライジング部416の出力417をインクジェットプリンタ500に送出する。
次に、主としてインクジェットプリンタ500側で本発明に係る画像処理方法を実行し、一部を画像処理装置400側が分担して実行する例について図11の機能ブロック図を参照して説明する。これは、高速で処理することができるため、高速機で好適に用いられている構成である。
画像処理装置400(PC)側のプリンタドライバ421は、アプリケーションソフトなどから与えられた画像データ410をモニタ表示用の色空間から画像形成装置用の色空間への変換(RGB表色系→CMY表色系)を行なうCMM(Color Management Module)処理部422、CMYの値から黒生成/下色除去を行なうBG/UCR(black generation/ Under Color Removal)処理及び記録装置の特性やユーザの嗜好を反映した入出力補正を行なうγ補正を行なうBG/UCR/γ補正部423と、を有し、このBG/UCR/γ補正部423で生成した原稿となる画像データをインクジェットプリンタ500に送出する。
一方、インクジェットプリンタ500のプリンタコントローラ511(制御部200)は、画像形成装置の解像度に合わせて拡大処理を行なうズーミング(Zooming)部514、後述する画像の変倍処理を実施する変倍処理部(画像調整手段)519、画像データを記録装置から噴射するドットのパターン配置に置き換える多値・少値マトリクスを含む中間調処理部(多値・少値マトリクス、中間調処理手段)515、更に記録を行なう各ノズル位置に合わせてデータ展開するラスタライジング部516を含み、ラスタライジング部516の出力517をヘッド駆動制御部207に与える。
本発明に係る画像処理方法は、図10及び図11のいずれの構成であっても好適に適用することができるが、ここでは、図10に示す構成のように、インクジェットプリンタ500側では、装置内に画像の変倍のプリント命令を受けて画像形成を行う例で説明する。
すなわち、ホストとなる画像処理装置400で実行されるアプリケーションソフトなどからのプリント命令は、画像処理装置400(ホストコンピュータ)内にソフトウェアとして組み込まれたプリンタドライバ411で画像処理されてインクジェットプリンタ500が出力可能な多値のドットパターンのデータ(印刷画像データ)が生成され、それがラスタライズされてインクジェットプリンタ500に転送され、インクジェットプリンタ500が印刷出力される例で説明する。
具体的には、画像処理装置400内で、アプリケーションソフトを用いて、帳票や文書などの原稿が作成される。アプリケーションやオペレーティングシステムからのこの原稿画像に対する印刷命令により、ホストコンピュータ内のプリンタドライバ411は、インクジェットプリンタ500で印刷出力するために、上述したように、CMM、BG/UCR、ズーミング処理等を施す。その後、用紙送り量補正値に従い、拡大または縮小の処理が実施される(詳細は後述する)。また、γ変換、多値・少値マトリクス処理といった画像処理を施し、インクジェットプリンタ500で再現できるドットサイズ情報からなる原稿画像の描画データを作成する。
すなわち、インクジェットプリンタ500では、印刷画像の品質に応じて打ち方や解像度、使用するドットサイズが異なり、1つの印刷モードでn種類のドットサイズが変更可能である。したがって、描画データとしてはn値を表すデータとなる。
上述したインクジェット記録装置に係るインクジェットプリンタ500では、1つの印刷モードで使用するドットサイズは4値である。
これは、噴射するインク滴の大きさ(滴体積)を、すべての噴射周波数に対してそれほど精度良くコントロールすることが困難であること、多値のドットを表わすためのデータのビット数が多くなることで、画像処理を行なう速度が遅くなることなどから、4値以下にしている。
したがって、ここでは、原稿となる画像を原稿画像データに変換する画像処理を行った後のデータは、4値のドットの情報を有する描画データとなり、2ビットで表わすことができる。
その後、インクジェットプリンタ500のヘッドの構成に応じて、ラスタライジング部516でラスタライジングされ、データの縦横変換やノズルの配置に応じたディレイを持たせた印刷画像データとして、インターフェースを経由してインクジェットプリンタ500へ転送され、インクジェットプリンタ500は転送された印刷画像データをラスタデータメモリに保存し、所定のデータを受け取った後に、印刷画像データに応じて記録ヘッド11を駆動して用紙22に原稿画像を印刷する。
(白スジおよび黒スジの発生メカニズム)
次に、白スジや黒スジが発生する仕組みについて図12〜図14を参照しつつ説明する。まず、図12では、白スジと黒スジが発生するメカニズムを示している。図12では、用紙送り量が基準より少なく第1スキャンと第2スキャンの間に白スジが発生する様子と、用紙送り量が基準より多く第2スキャンと第3スキャンの間に黒スジが発生する様子を示している。
図13に示すように、白スジが発生する場合は用紙送り量が不足しているため、用紙送り量を多くする調整を、黒スジが発生する場合は、用紙送り量が多くなっているため、用紙送り量を減らす調整をして、画像品質を確保する必要がある。
なお、白スジや黒スジは、図12に示すような用紙送り量に起因する場合の他、印字幅(記録ヘッド11の大きさ)が合わずに発生する場合がある。
また、白スジや黒スジが発生する原因として、記録ヘッド11の傾きがある。シリアルインクジェット記録装置の場合、記録ヘッド11が主走査方向に走査しながら、印字を行うが、その際、記録ヘッド11または記録ヘッド11の周辺には高い加速で力がかかるため、記録ヘッド11が傾くことがある。例えば、図14のように記録ヘッド11の傾きにより、1スキャン分の幅で走査したとき、記録ヘッド長よりも短い画像が形成される。この場合は、白スジが発生する。記録ヘッド長が長いほど傾きが生じた場合の影響が大きいこととなる。
(送り量制御)
そこで、本実施形態では、先ず、用紙22の副走査方向の送り量(ラインフィード量)を調整する送り量制御手段を備え、これにより補正制御をすることで、白スジ、黒スジの発生を抑え、画像品質の向上を図るものである。以下、送り量の調整について説明する。
上述した搬送ローラ32の軸に設けられたエンコーダホイールには、所定の用紙送り量ごとに、基準スリット量が設けられている。原則は、この基準スリット量に基づいて用紙送りがなされるが、実際の出力画像(調整チャートや実画像)から、ユーザにより指定された用紙送り補正量、または算出された用紙送り補正量を加減算して、最終的な用紙送り量が決定される。すなわち、制御部200および搬送ローラ32(エンコーダホイール等)等が送り量制御手段として機能する。
本実施形態では、エンコーダホイールのスリット量から1200dpi(21μm)単位での用紙送り量の補正が可能となっている。
ここで、例えば、ユーザが出力された調整チャートを見て、黒スジが発生していた場合は、用紙送り量を減らすことができる。例えば、105μm送りを減らしたい場合、ユーザは、単位を5つ(105/21[μm])減らす「−5」を入力することができる。この値の入力は画像処理装置400のプリンタドライバ421または操作パネル214等から可能である。このように送り量を補正することにより、エンコーダセンサ73は減算後のエンコーダホイールのスリット量を読み取って、用紙送り量が少なくするようになっている。
ここで、基準となる用紙送り量(1回の所定送り量)から送り量を減らす補正を行うと、出力される画像の長さ自体が短くなることとなる。例えば、スキャン数が多い長尺画像においては、1回用紙を送るごとに105μm短くなると、10スキャンで約1mm、20スキャンで約2mm出力される画像が短くなることとなる。
一方、白スジが発生していた場合については、用紙送り量を増やす条件を入力することとなり、最終的に出力される画像としては、長いサイズとなる。
このように、白スジや黒スジの発生による画像品質を改善するため、用紙送り量を増減させる制御を行うと、基準スリット量(ヘッド長と同じ量)よりも、多くまたは少なく用紙送りがなされるため、副走査方向の画像サイズが補正量×スキャン数分だけ短くまたは長く変化してしまうという問題がある。
このように副走査方向の画像サイズが、微小ながら変化してしまうことについては、正確な画像サイズが要求される印刷物の場合に問題となりうる。また、画像サイズが長尺であればあるほどスキャン数が増えるため、画像サイズの変化量が増えることとなる。
換言すれば、記録ヘッド11の幅(長さ)と印刷の幅が同じにはならない、また、用紙22の搬送量と印刷の幅も同じにならない、という組合せにおいて、特に、長尺の画像を印刷すると、実際の画像の長さと印刷画像の長さに不一致が起こることとなる。
図15は、副走査方向に10mの幅を有する長尺の画像がスキャンごとに20μm重なる方向にずれた例を示す模式図である。例えば、記録ヘッド11の長さが64mmとすると、157スキャンで画像が完成するが、1スキャンで20μmずれていると、数cm単位で印刷画像の長さに誤差が生じる。このように、所望の長さ(10m)の画像を印刷したつもりでも、実際には短い画像となってしまう。
例えば、図面やCADデータでは、広幅機と呼ばれる大判印刷が可能なマシンで印刷されることが多く、通常の文書として印刷するA4やA3サイズよりも用紙を長く使って印刷を行うため、画像サイズの正確さが重要となる。また、CADデータを実寸大で出力する場合等においては、cm単位で生じる寸法の誤差は許容できないケースが多いため、特に問題となり得る。
(画像調整制御)
そこで、本実施形態では、用紙送り量の調整制御に加え、当該用紙送りの補正量に応じて、入力画像の副走査方向の画像長さ調整する画像調整手段(変倍処理部)を備えることで、用紙送り量の補正により生じる画像サイズの変化を補正するようにしている。
送り量制御において、用紙の副走査方向への1回の送り量を減少させた場合は、出力される画像が短くなるので、画像倍率を拡大する入力画像の拡大処理をし、用紙の副走査方向への1回の送り量を増加させた場合は、出力される画像が短くなるので、画像倍率を縮小する入力画像の縮小処理を行うものである。
ここで、変倍量[%]については、例えば、次式(1)により算出することができる。ヘッドが単数または組み付け誤差を考慮しない場合の例である。
{(基準の用紙送り量=ヘッド幅)/(基準の用紙送り量+用紙送り調整量)}×100 ・・・(1)
上記式(1)の値が100%未満の場合は縮小処理、100%より大きい場合は拡大処理となる。なお、変倍量としては、例えば、0.1%刻みで算出し、変倍可能とすることが好ましい。
先ず、縮小処理について説明する。縮小処理のアルゴリズムとしては、例えば、間引き処理が知られている。上記式(1)の値が、例えば、99.7%の場合、1000ドットのうち3ドット間引けば良いことを意味している。この場合、333ドットに1ドット間引くことになるが、間引く対象の画素をそのまま間引いてしまうと、情報が落ちてしまうので、前後の画素に間引き対象の画素情報を加えてから間引くことが好ましい。
具体的には、間引く画素とその前の画素の平均を取り、間引く前の画素のデータを上記平均値として設定して間引くようにするものである。なお、ここでの縮小処理のアルゴリズムは、これに限られるものではなく、公知または新規の手法によるものであればよい。
次に、拡大処理について説明する。拡大処理のアルゴリズムとしては、例えば、倍密処理が知られている。上記式(1)の値が、例えば、100.3%の場合、1000ドットのうち3ドット倍密処理を行えば良いことを意味している。この場合、333ドットに1ドット増やすことになるが、増やす画素のデータの作成方法としては、例えば、3次元コンボリューション法を用いることができる。なお、ここでの拡大処理のアルゴリズムは、これに限られるものではなく、公知または新規の手法によるものであればよい。
上記のように縮小処理または拡大処理がなされた画像データについて印刷が実行される。
図16は本実施形態に係る画像形成装置による画像調整処理の他の例を示すフローチャートである。ヘッド組み付け誤差を考慮した調整量の算出と画像の補正について、図16に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、調整量の算出を行う(S101)。調整量は、下記式(2)で求めることができる。なお、スキャン数は、印刷長さ/ヘッド長さで求められる。
調整量=スキャン数×ヘッド組付け誤差+(スキャン数−1)×用紙送り調整値 ・・・(2)
1スキャン当たりの必要補正量は、下記式(3)で求めることができる(S102)。
1スキャン当たりの必要補正量=調整量/スキャン数 ・・・(3)
この1スキャン当たりの必要補正量に基づいて画像長さを調整する補正(ドットの間引き、補間)を行って(S103)、印刷を実行するものである(S104)。
以上説明した本実施形態に係る画像形成装置によれば、白スジや黒スジの発生を、送り量を調整することで補正する制御とともに、当該補正により生じ得る画像サイズの微小な変化についても画像の長さを補正することで、白スジや黒スジがなく、かつ、画像サイズが正確な高品質の画像を形成することができる。
また、上述のように、中間調処理部415,515により多値の入力画像データを少値化した少値化画像データについて、画像調整処理を行うことが好ましい。
なお、上述の送り量制御および画像調整制御は、それぞれユーザが任意にオンオフを設定可能とすることが好ましい(調整設定手段)。このオンオフの設定は、画像処理装置400のプリンタドライバ421または操作パネル214から可能とすればよい。
また、各制御のオンオフは、記録ヘッド11の主走査方向の印字条件が、片方向印刷(記録ヘッドの往路(または復路)で印字するモード)または双方向印刷(記録ヘッドの往復路で印字するモード)のいずれであるかに応じて、設定されるものであっても良い。
なお、本実施形態では、用紙22として、カット紙を前提として説明したが、本発明は、ロール紙による印刷が可能な画像形成装置に適用することも好適である。ロール紙を用いた長尺画像の印刷時に本発明を適用することで、特に高い効果を得ることができる。
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
1 フレーム
1A,1B 側板
1C 後板
2 ガイドロッド
3 ステー
4 キャリッジ
5 主走査モータ
6A 駆動プーリ
6B 従動プーリ
7 タイミングベルト
9 カートリッジ装填部
10 インクカートリッジ
11,11k,11c,11m,11y 記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
11a ノズル面
12 フレキシブルプリントケーブル(FPCケーブル)
15 サブタンク
16 インク供給チューブ
17 供給ポンプユニット
18 係止部材
20 給紙トレイ
21 用紙積載部(圧板)
22 用紙
23 半月コロ(給紙コロ)
24 分離パッド
25 ガイド部材
26 カウンタローラ
27 搬送ガイド部材
28 押さえ部材
29 先端加圧コロ
31 搬送ベルト
32 搬送ローラ
33 テンションローラ
34 帯電ローラ
35 ガイド部材
36 副走査モータ
37 駆動ベルト
38 タイミングローラ
40 排紙トレイ
41 分離爪
42 排紙ローラ
43 排紙コロ
51 両面ユニット
61 維持回復機構
62,62a〜62d キャップ
63 ワイパーブレード
64 空吐出受け
68 空吐出受け
69 開口
71 濃度センサ(赤外線センサ)
72 エンコーダスケール
73 エンコーダセンサ
74 リニアエンコーダ
101 流路板
102 振動板
103 ノズル板
104 ノズル
105 ノズル連通路
106 液室
107 流体抵抗部(供給路)
108 共通液室
109 インク供給口
121 圧電素子
122 ベース基板
123 支柱部
126 FPCケーブル
130 フレーム部材
131 貫通部
132 インク供給穴
151 圧電材料
152 内部電極
153 個別電極
154 共通電極
200 制御部
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 不揮発性メモリ(NVRAM)
205 ASIC
206 ホストI/F
207 ヘッド駆動制御部
208 ヘッドドライバ(ドライバIC)
210 主走査モータ駆動部
211 副走査モータ駆動部
212 ACバイアス供給部
213 操作パネル
215 温度センサ
236 ロータリエンコーダセンサ
301 駆動波形生成部
302 データ転送部
315 アナログスイッチ
311 シフトレジスタ
312 ラッチ回路
313 デコーダ
314 レベルシフタ
400 画像処理装置401 CPU402 ROM403 RAM404 入力装置405 モニタ406 記憶装置407 インターフェース(外部I/F)
411,421 プリンタドライバ
410 画像データ
412,422 CMM処理部
413,423 BG/UCR/γ補正部
414,514 ズーミング部
415,515 中間調処理部(多値・少値マトリクス)
416,516 ラスタライジング部
417,517 ラスタライジング部の出力
419,519 変倍処理部(画像調整手段)
421 プリンタドライバ
500 インクジェットプリンタ(画像形成装置)
特開平4−189143号公報 特開平6−255098号公報 特開平9−239966号公報

Claims (9)

  1. 記録媒体を副走査方向に送りながら記録ヘッドを主走査方向に走査させて、前記記録ヘッドにより前記記録媒体上に画像を形成する画像形成方法において、
    形成する画像データが、前記記録媒体を副走査方向へ送る1回の所定送り量以上の副走査方向の長さがある場合に、前記記録媒体の副走査方向への前記1回の所定送り量を調整する送り量制御ステップと、
    前記送り量制御ステップによる前記1回の所定送り量の調整量に応じて、前記形成する画像データの副走査方向における画像長さを調整する画像調整ステップと、
    を含むことを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記画像調整ステップは、前記送り量制御ステップにおいて、前記記録媒体の副走査方向への前記1回の所定送り量を減少させた場合は、前記形成する画像データの副走査方向における画像倍率を拡大し、
    前記送り量制御ステップにおいて、前記記録媒体の副走査方向への前記1回の所定送り量を増加させた場合は、前記形成する画像データの副走査方向における画像倍率を縮小することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記形成する画像データを少値化した少値化画像データに変換する中間調処理ステップをさらに含み、
    前記画像調整ステップは、前記少値化画像データについて画像長さを調整することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 記録媒体を副走査方向に送りながら記録ヘッドを主走査方向に走査させて、前記記録ヘッドにより前記記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
    入力される画像データが、前記記録媒体を副走査方向へ送る1回の所定送り量以上の副走査方向の長さがある場合に、前記記録媒体の副走査方向への前記1回の所定送り量を調整する送り量制御手段と、
    前記送り量制御手段による前記1回の所定送り量の調整量に応じて、前記入力される画像データの副走査方向における画像長さを調整する画像調整手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記画像調整手段は、前記送り量制御手段において、前記記録媒体の副走査方向への前記1回の所定送り量を減少させた場合は、前記入力される画像データの副走査方向における画像倍率を拡大し、
    前記送り量制御手段において、前記記録媒体の副走査方向への前記1回の所定送り量を増加させた場合は、前記入力される画像データの副走査方向における画像倍率を縮小することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記入力される画像データを少値化した少値化画像データに変換する中間調処理手段をさらに備え、
    前記画像調整手段は、前記少値化画像データについて画像長さを調整することを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
  7. 前記送り量制御手段、および/または前記画像調整手段による制御をオンオフすることができる調整設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4から6までのいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記調整設定手段は、前記記録ヘッドの印刷条件が、片方向印刷または双方向印刷のいずれであるかに応じて、前記送り量調整手段、および/または前記画像調整手段による制御をオンオフすること請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 記録媒体を副走査方向に送りながら記録ヘッドを主走査方向に走査させて、前記記録ヘッドにより前記記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に、
    形成する画像データが、前記記録媒体を副走査方向へ送る1回の所定送り量以上の副走査方向の長さがある場合に、前記記録媒体の副走査方向への前記1回の所定送り量を調整する送り量制御処理と、
    前記送り量制御処理による前記1回の所定送り量の調整量に応じて、前記形成する画像データの副走査方向における画像長さを調整する画像調整処理と、
    を実行させることを特徴とする画像形成プログラム。
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