JP2014124626A - 被膜形成方法、被膜形成装置及び半導体チップの作製方法 - Google Patents

被膜形成方法、被膜形成装置及び半導体チップの作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スピンコート法によって物体の面に液状被膜を形成する際に、再現性に優れた手法によって、液状被膜からエッジビードを排除する。
【解決手段】外周縁18aを有する物体10の面12に液状被膜14を形成する被膜形成方法である。物体10を面12の中心軸線12aの周りで回転させ、面12に液体材料22を供給して、液体材料22を、少なくとも物体10の外周縁18aに沿った環状の面領域24を覆うように流動させる。物体10の面領域24の一部に、回転体30の回転面28を接触させる。物体10を中心軸線12aの周りで回転させると同時に、回転体30をそれ自体の回転軸線30aの周りで回転させて、液体材料22の一部分を面領域24から回転面28に転移させる。回転面28に転移した液体材料22を、面領域24から離れた場所に、回転面28から除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、物体の面に液状被膜を形成するための被膜形成方法及び被膜形成装置に関する。本発明はまた、被膜形成工程を有する半導体チップの作製方法に関する。
物体の所望の面に液状被膜を形成する方法として、対象となる面に液体材料を供給するとともに物体を該面の中心軸線の周りで回転させ、遠心力により該面の実質的全体に液体材料を行き渡らせて液状被膜とする手法(例えばスピンコート法と称する。)が知られている。スピンコート法は、例えば、半導体チップの作製方法において、ウエハをフィルムやガラス等の基板に貼り付けるための液体接着剤をウエハの回路面に塗布する工程や、ウエハの面に回路を形成する際に面上にフォトレジストを塗布する工程で実施されている。また、磁気ディスクの面に潤滑剤を塗布する等、種々の物体の面に塗液を均一厚みに塗布する工程で実施される場合がある。
スピンコート法では、物体の面に液状被膜を形成する間、余剰の液体材料が遠心力により物体の外周縁から外方へ放出される。このとき、物体の面が水平に配置されていれば、物体の回転を停止した後、所要量の液体材料が面上に略一様な厚みで残留して液状被膜を構成する。しかし、物体の外周縁に沿った環状の面領域では、表面張力等に起因して液状被膜に局部的な盛り上がり(例えばエッジビードと称する。)が形成され、結果として液状被膜の厚みが不均一になる場合がある。
特許文献1は、エッジビードの発生を抑制できる回転塗布装置及び回転塗布方法を開示する。特許文献1には、「被処理基板Wの表面に塗布液を滴下した後、スピンナーにて、保持台4、チャック5被処理基板W及びプレート7を一体的に回転せしめる。この回転により保持台4とプレート7との間の空気は遠心力でカップ1内の外側部分に押しやられ、排気口3を介してカップ1外に排気される。」、「保持台4とプレート7との間の空気が排気されるにつれ、それに見合う空気が図3(b)に示すように、被処理基板Wの外周部と開口8の内周部との間の隙間9から入り込む。即ち隙間9の部分では下方への気流が生じ、回転によって生じる乱流は打ち消される。」、「下方への強制的な気流を基板周縁部において発生せしめるため、角基板に塗膜を形成する際に、基板のコーナ部においてフリンジが生じることなく、また基板形状に関わらず周縁部にエッジビードが生じないようにすることができるか、或いは生じたとしてもその幅を極めて狭くすることができ、基板上の有効エリアを拡大できる。」という事項が記載されている。
特開2002−66429号公報(段落0016〜0018)
スピンコート法によって物体の面に液状被膜を形成する際に、気流の作用に依存するよりも再現性に優れた手法によって、液状被膜からエッジビードを排除できることが望まれている。
本発明の一態様は、外周縁を有する物体の面に液状被膜を形成する被膜形成方法であって、物体を面の中心軸線の周りで回転させ、面に液体材料を供給して、液体材料を、少なくとも物体の外周縁に沿った環状の面領域を覆うように流動させるステップと、回転面を有する回転体を用意するステップと、物体の面領域の一部に、回転体の回転面を接触させるステップと、物体を中心軸線の周りで回転させると同時に、回転体をそれ自体の回転軸線の周りで回転させて、液体材料の一部分を面領域から回転面に転移させるステップと、回転面に転移した液体材料を、面領域から離れた場所に、回転面から除去するステップと、を含む被膜形成方法である。
本発明の他の態様は、外周縁を有する物体の面に液状被膜を形成する被膜形成装置であって、面に液体材料を配置した物体を支持する物体支持部と、物体支持部に支持した物体の、外周縁に沿った環状の面領域の一部に、回転面を接触させて回転軸線の周りで回転する回転体と、物体を支持した物体支持部を面の中心軸線の周りで回転させる駆動部と、物体の面領域から回転体の回転面に転移した液体材料を、面領域から離れた場所に、回転面から除去する除去部と、を具備する被膜形成装置である。
本発明のさらに他の態様は、半導体チップの作製方法であって、回路面及び外周縁を有するウエハを回路面の中心軸線の周りで回転させ、回路面に液体接着剤を供給して、液体接着剤を、少なくともウエハの外周縁に沿った環状の面領域を覆うように流動させるステップと、回転面を有する回転体を用意するステップと、ウエハの面領域の一部に、回転体の回転面を接触させるステップと、ウエハを中心軸線の周りで回転させると同時に、回転体をそれ自体の回転軸線の周りで回転させて、液体接着剤の一部分を面領域から回転面に転移させるステップと、回転面に転移した液体接着剤を、面領域から離れた場所に、回転面から除去するステップと、面領域から液体接着剤の一部分が回転面に転移したウエハを、回路面に残留する液体接着剤を介して、基板に接着するステップと、基板に接着したウエハの、回路面とは反対側の裏面を研削するステップと、を含む作製方法である。
本発明の一態様に係る被膜形成方法によれば、面領域と回転面とが相互接触した状態での物体と回転体との同時回転を、物体が1回転以上する時間に渡り継続して行うことにより、液状被膜からエッジビードが排除される。このとき、物体の面領域から回転体の回転面に一定流量の液体材料を連続的に転移させるとともに、転移した液体材料を回転面から連続して除去できるので、物体の面上に形成される液状被膜から、エッジビードを再現性良く排除することができる。
本発明の他の態様に係る被膜形成装置によれば、面領域と回転面とが相互接触した状態での物体と回転体との同時回転を、物体が1回転以上する時間に渡り継続して行うことにより、液状被膜からエッジビードが排除される。このとき、駆動部の駆動により、物体支持部に支持した物体の面領域から回転体の回転面に一定流量の液体材料を連続的に転移させるとともに、転移した液体材料を、除去部が回転面から連続して除去できるので、物体の面上に形成される液状被膜から、エッジビードを再現性良く排除することができる。
本発明のさらに他の態様に係る半導体チップの作製方法によれば、ウエハを基板に接着する前に、液体接着剤によってウエハの回路面に形成された液状被膜からエッジビードを排除できる。液体接着剤の液状被膜からエッジビードが排除されると、ウエハを基板に接着した後、固化した接着剤層がウエハの外周縁に沿って外方へ食み出す量が削減される。ウエハの外周縁に沿った接着剤層の食み出し量が削減されていれば、そのような食み出し部分を起点として接着剤層に剥離が生ずることが防止されるから、その後の裏面研削ステップを安全に実施することができる。
一実施形態による被膜形成方法を説明する図で、(a)〜(f)は、同被膜形成方法の主要ステップを模式的に示す断面図である。 本発明の被膜形成方法で用いられる回転体の図で、(a)〜(c)は、幾つかの実施例を示す斜視図である。 図1の被膜形成方法を適用可能な物体の一例を示す平面図である。 図1の被膜形成方法における(a)液体材料転移ステップ及び(b)液体材料除去ステップを、模式的に示す断面図である。 一実施形態による被膜形成装置を模式的に示す図である。 (a)及び(b)は、図1の被膜形成方法を適用可能な物体の他の例を示す平面図である。 図5の被膜形成装置による被膜形成方法の変形形態を模式的に示す図である。 図5の被膜形成装置による被膜形成方法の他の変形形態を模式的に示す図である。 図8の被膜形成方法を適用可能な物体の一例を示す拡大断面図である。 図5の被膜形成装置による被膜形成方法のさらに他の変形形態を模式的に示す図である。 図10の被膜形成装置による被膜形成方法を適用可能な物体の一例を示す拡大断面図である。 (a)〜(g)は、一実施形態による被膜形成方法を採用可能な半導体チップ作製方法の主要ステップを模式的に示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1(a)〜(f)は、一実施形態による被膜形成方法の主要ステップを示す図、図2は、同被膜形成方法で用いられる回転体の一例を示す図、図3は、同被膜形成方法を適用可能な物体の一例を示す図、図4(a)及び(b)は、同被膜形成方法における液体材料転移ステップ及び液体材料除去ステップを示す図である。
図示の被膜形成方法は、物体10の任意の面12に液状被膜14を形成するためのものであって、例えば、半導体チップの作製方法において、ウエハをフィルムやガラス等の基板に貼り付けるための液体接着剤をウエハの回路面に塗布する工程や、ウエハの面に回路を形成する際に面上にフォトレジストを塗布する工程で実施できる。また、磁気ディスクの面に潤滑剤を塗布する等、種々の物体の面に塗液を均一厚みに塗布する工程で実施できる。
図示の被膜形成方法を適用可能な物体10は、図1に示すように、略平坦な第1の面12と、面12の反対側で面12に略平行に延びる第2の面16と、第1及び第2の面12、16の間に外方へ円弧状に湾曲して延びる環状の外周面18とを有し、外周面18の最外部位に、環状の外周縁18aが形成される。また図3に示すように、物体10は、略円形の輪郭を有する円板状の部材であることができ、例えば、シリコン、ガリウムヒ素、水晶、サファイヤ、ガラス等からなるウエハや基板であることができる。物体10が円板状の部材である場合、物体10の直径Dは、例えば約50mm以上、約500mm以下であることができる。
図1に示すように、一実施形態による被膜形成方法では、まず物体10の面12を上向きかつ略水平に配置して、物体10を適当な物体支持部20に載置する(図1(a))。この状態で、物体10の面12の中心軸線12aを含む領域に液体材料22を供給し(図1(b))、物体10を面12の中心軸線12aの周りで回転させることにより、遠心力によって面12の実質的全体に液体材料22を行き渡らせる(図1(c))。物体10の面12に液体材料22を行き渡らせる間、余剰の液体材料22′が遠心力により物体10の外周縁18aから外方へ放出される。以上の工程は、公知のスピンコート法に従うものである。
所要量の液体材料22が面12上に残留した状態で、物体10の回転を停止すると、面12上に略一様な厚みの液状被膜14が形成される(図1(d))。この状態で、物体10の外周縁18aに沿った環状の面領域24(図3)では、表面張力等に起因して液状被膜14に局部的な環状の盛り上がり(エッジビード)26が形成される。図示実施形態による被膜形成方法は、再現性に優れた手法によって、液状被膜14からエッジビード26を排除できるものである。エッジビード26の寸法は、液体材料22の粘性等によって異なるが、幅Wが例えば約0.1mm以上、約20mm以下、或いは約0.3mm以上、約10mm以下、或いは約0.5mm以上、約5mm以下であり、高さHが例えば液状被膜14の厚みの約50%以上、約100%以下である(図1(d))。
なおエッジビード26は、物体10の回転により図示のように面12の全体に液体材料22が行き渡った状態に限らず、面12のうち、少なくとも外周縁18aに沿った環状の面領域24を覆うように液体材料22が流動した状態で、生じ得ることが予測される。したがって、図1(c)のステップでは、物体10を回転させることにより、遠心力によって液体材料22を、少なくとも環状の面領域24を覆うように流動させていることが、この被膜形成方法の要件となる。面領域24は、物体10の面12の寸法によって異なるが、例えば外周縁18aから内側約20mmまでの領域、或いは外周縁18aから内側約10mmまでの領域、或いは外周縁18aから内側約5mmまでの領域であることができる。物体10が円板状の部材であって、その直径が約50mm以上、約500mm以下の場合、面領域24は、外周縁18aから例えば直径の約10%まで内側に広がる領域であることができる。エッジビード26は、面領域24の全体に形成される場合もあるし、面領域24の外周側の一部分に形成される場合もある。
図示の被膜形成方法では、エッジビード26を排除するために、回転面28を有する回転体30を用意する(図1(e))。回転体30は、任意の平面図形を同平面内の軸線の周りに回転して得られる立体形状を有する。例えば図2(a)に示すように、回転体30は、円錐台の形状を有することができ、この場合、回転面28は円錐台面である。或いは回転体30は、円錐(回転面28は円錐面)の形状(図2(b))や、円柱(回転面28は円筒面)の形状(図2(c))を有することができる。また図示しないが、球、そろばん玉等、様々な形状の回転体を採用できる。回転体30が円錐台、円錐又は円柱の形状を有する場合、例えば、底面の直径が約20mm以上、約100mm以下、高さが約20mm以上、約100mm以下のものを使用できる。
図示の被膜形成方法では、液状被膜14にエッジビード26が形成されている物体10に対し、外周縁18aに沿った環状の面領域24の一部に、回転体30の回転面28を適当な位置で接触させる(図1(e))。図1(e)では、物体10の面12と外周面18との略境界線上の一点に、回転面28がその大径側よりも小径側の端部に近い任意の位置で接触している。これにより、液状被膜14を構成している液体材料22が、実質的にエッジビード26の一部分で回転体30の回転面28に接触する。
図1(e)の接触状態を維持しながら、物体10を中心軸線12aの周りで回転させると同時に、回転体30をそれ自体の回転軸線30aの周りで回転させる。物体10と回転体30とのこのような回転動作により、エッジビード26を構成している液体材料22の一部分が、回転面28に連続的に引き上げられて、面領域24から回転面28に連続的に転移する(図1(f))。図1(e)の接触状態で物体10が回転すると、回転体30の回転面28は、環状のエッジビード26に継続的に接触するが、同時に回転体30を回転させることで、エッジビード26に接触する回転面28の接触箇所が常に更新される。よって、エッジビード26を構成する液体材料22の一部分が回転面28によって物体10の面12上に押し戻されることは回避され、液体材料22が回転面28に円滑に転移する。また、上記した回転動作の間、回転体30の回転面28は物体10の面領域24の一部に接触した状態を維持するから、液体材料22が略一定流量で回転面28に連続して転移する。
液体材料22が面領域24から回転面28に連続して転移することにより、エッジビード26が徐々に縮小する。液状被膜14を構成する液体材料22の粘性が比較的高い場合(液状被膜14の乾燥によって粘性が高まった場合も含む)には、エッジビード26は、回転体30の回転面28に倣うように縮小して、液状被膜14から実質的に排除される。液体材料22の粘性が低い場合であっても、そもそもが遠心力に起因して形成されたエッジビード26は、ビード状態を維持する表面張力が回転面28との接触によって分散するとともに、物体10の面12上に存在する液体材料22の総量が減少することで、結果的に縮小して、液状被膜14から実質的に排除される。
回転する物体10の面領域24から回転する回転体30の回転面28に転移した液体材料22は、面領域24から離れた位置で回転面28に作用するドクターブレード等の適当な除去部32により、回転する回転面28から連続的に除去されて、面領域24すなわち物体10から離れた場所に移される(図1(f))。図示実施形態では、円錐台面からなる回転面28を有する回転体30を用いているから、例えば図示のように、面領域24に接触する位置とは反対側の位置で回転面28から液体材料22を除去するようにすれば、除去された液体材料22″を、重力作用のみにより、物体10から離れた場所に移すことができる。
このように、一実施形態による被膜形成方法によれば、面領域24と回転面28とが相互接触した状態での物体10と回転体30との同時回転を、物体10が1回転以上する時間に渡り継続して行うことにより、液状被膜14からエッジビード26が排除される。このとき、物体10の面領域24から回転体30の回転面28に一定流量の液体材料22を連続的に転移させるとともに、転移した液体材料22を回転面28から連続して除去できるので、物体10の面12上に形成される液状被膜14から、エッジビード26を再現性良く排除することができる。
上記した一実施形態による被膜形成方法で用いられる回転体30は、少なくとも物体10に接触する領域において、平滑で耐摩耗性に優れた硬質の回転面28を有することができる。回転面28は、例えば、算術平均粗さ(Ra)が約0.01μm以下であることができ、また、ビッカース硬さ(HV)が約1000以上であることができる。回転面28は、例えば、ハードクロムめっきを研磨仕上げした面や、アルミナ等のセラミックスを研磨仕上げした面であることができる。或いは回転面28を、エンジニアリングプラスチック等の他の硬質素材から形成することもできる。回転体30の回転面28がこのような特性を有することにより、回転面28の摩耗を防止できるだけでなく、物体10の面領域24の摩耗を防止できる。なお回転面28は、液体材料22に対して濡れ易い性質を有することが好ましい。
上記した一実施形態による被膜形成方法において、液体材料22の一部分を物体10の面領域24から回転体30の回転面28に転移させるステップ(図1(f))(以下、転移ステップと称する。)では、図4(a)に示すように、面領域24と回転面28とが両者の接触部位で互いに逆行(すなわち対向)移動する方向へ、物体10を中心軸線12a(図1)の周りで回転させると同時に回転体30を回転軸線30a(図1)の周りで回転させることができる。この構成により、エッジビード26を構成する液体材料22を一定流量で途切れること無く回転面28に転移させることができる。またこの場合、物体10の面領域24と回転体30の回転面28との接触部位において、面領域24の接線速度V1以上の接線速度V2を回転面28に生じさせることができる。この構成により、エッジビード26を構成する液体材料22の一部分が回転面28によって物体10の面12上に押し戻されることを一層確実に回避できる。
なお、上記転移ステップにおいて、液体材料22の粘性や回転面28の濡れ性等によっては、面領域24と回転面28とが両者の接触部位で互いに順行移動する方向へ物体10及び回転体30を回転させたり、面領域24の接線速度V1を回転面28の接線速度V2よりも速くしたりすることもできる。また、転移ステップにおける物体10の回転速度は、前述したスピンコート工程(図1(a)〜(c))における物体10の回転速度よりも十分に遅くすることができる。
上記した一実施形態による被膜形成方法において、物体10の面領域24の一部に回転体30の回転面28を接触させるステップ(図1(e))(以下、接触ステップと称する。)では、面領域24と回転面28との成す角度θが例えば約1度以上、約3度以下となるように、物体10と回転体30とを配置することができる(図4(b)では図示を容易にするためにθを拡大して示している。)。角度θを上記範囲内で設定することにより、液状被膜14からエッジビード26を確実に排除することができる。また、角度θを上記範囲に限定せず適宜調整することにより、面領域24から回転面28に転移する液体材料22の流量(したがってエッジビード26の排除の程度)を意図的に変更ないし調節することができる。
上記接触ステップでは、回転体30の回転面28を面領域24に押し付けて物体10を撓ませることができる。そして転移ステップでは、物体10が撓んだ状態で物体10と回転体30とを回転させることができる。この構成により、物体10が円形以外の輪郭を有する場合であっても、回転する物体10の面領域24の一部に回転する回転面28を接触させた状態を、物体10と回転体30との相対位置を変化させること無く実質的に維持することができ、液状被膜14からエッジビード26を確実に排除することができる。例えば前述した角度θが約1度以上、約3度以下の構成を採用したときに、非円形輪郭に沿った面領域24に回転面28が接触した状態を維持することが容易になる。
図5は、一実施形態による被膜形成装置40を示す。被膜形成装置40は、上記した一実施形態による被膜形成方法を実施できるものであって、図1〜図4を参照して説明した構成要素に対応する構成要素には、共通する参照符号を付してその説明を省略する。
被膜形成装置40は、外周縁18aを有する物体10の面12に液状被膜14を形成するためのものであって、面12に液体材料22(図1)を配置した物体10を支持する物体支持部20と、物体支持部20に支持した物体10の、外周縁18aに沿った環状の面領域24の一部に、回転面28を接触させて回転軸線30aの周りで回転する回転体30と、物体10を支持した物体支持部20を面12の中心軸線12aの周りで回転させる駆動部42と、物体10の面領域24から回転体30の回転面28に転移した液体材料22を、面領域24から離れた場所に、回転面28から除去する除去部32とを備える。
図示の被膜形成装置40では、物体支持部20は、例えば真空(本明細書では、大気圧よりも低い負圧の状態に限らず、物体10の周囲の気圧よりも低い減圧の状態を、真空と総称する。)の適用により、物体10を固定して支持できる支持面20aを有する。図示の物体支持部20は、物体10の中心部分のみを支持し、面領域24を含む外周部分は支持しない構成となっている。回転体30は円錐台の形状を有し、回転面28は円錐台面である。駆動部42は、例えば電動機を有することができ、スピンコート工程(図1(a)〜(c))で要求される物体10の回転速度と、エッジビード排除工程(図1(e)〜(f))で要求される物体10の回転速度との、少なくとも2つの異なる回転速度で物体支持部20を駆動できる。
図示の被膜形成装置40は、回転体30を回転軸線30aの周りで回転させる第2の駆動部44をさらに備える。第2の駆動部44は、物体10の面領域24と回転体30の回転面28とが両者の接触部位で互いに逆行(すなわち対向)移動する方向へ、回転体30を回転軸線30aの周りで回転させることができる。この場合、第2の駆動部44は、物体10の面領域24と回転体30の回転面28との接触部位において、面領域24の接線速度以上の接線速度を回転面28に生じさせるように、回転体30を回転軸線30aの周りで回転させることができる。第2の駆動部44は、例えば電動機を有することができる。
図示の被膜形成装置40は、物体10の面領域24に回転体30の回転面28を接触させたときの、面領域24と回転面28との成す角度θ(図4(b))を調整する角度調整部46をさらに備える。角度調整部46は、例えば電動機を駆動源に有することができ、或いは手動により調整する構成とすることができる。
図示の被膜形成装置40は、物体10を支持した物体支持部20を、スピンコート工程(図1(a)〜(c))を行うスピンコートステージ(破線で示す)と、エッジビード排除工程(図1(e)〜(f))を行うエッジビード排除ステージ(実線で示す)との間で移動させる移動機構48をさらに備える。図示の移動機構48は、下段のスピンコートステージと上段のエッジビード排除ステージとの間で、物体支持部20を鉛直方向へ移動させるように構成される。スピンコートステージには、物体10の外周縁18aから遠心力により外方へ放出される余剰の液体材料22′(図1(c))を受け止める環状のカップ50が、物体支持部20を取り囲むように設置される。カップ50は、液体材料22′を漏れなく受け止めることができる形状の開口部52を有する。また、カップ50は、エッジビード排除ステージで回転体30の回転面28から除去されて重力により落下する液体材料22″(図1(f))も、開口部52を介して受け止めることができる。カップ50に受け止められた液体材料22′、22″は、図示しない回収ルートによって回収し、再利用できる。また、エッジビード排除ステージには、物体支持部20に支持された物体10の面領域24に回転面28を接触させることができる所定の位置に、回転体30が設置される。
上記した被膜形成装置40が実施する被膜形成方法の一例を、図1及び図5を参照して説明する。まずスピンコートステージにおいて、物体10の面12を上向きかつ略水平に配置して、物体10を物体支持部20に固定して載置する(図1(a))。この状態で、物体10の面12に液体材料22を供給し(図1(b))、駆動部42が物体支持部20を面12の中心軸線12aの周りで高速回転させることにより、遠心力によって面12の実質的全体に液体材料22を行き渡らせる(図1(c))とともに、物体10の外周縁18aから外方へ放出される余剰の液体材料22′(図1(c))をカップ50に受け止める。
次いで、移動機構48が物体支持部20を鉛直上方へ移動させてエッジビード排除ステージに配置する。この移動の間、駆動部42は、物体支持部20の回転を止める(図1(d))ことができ、或いは、物体支持部20をエッジビード排除工程で要求される速度で低速回転させることができる。いずれの場合も、物体10の環状の面領域24では、表面張力等に起因して液状被膜14にエッジビード26が形成されている(図1(d))。物体支持部20がエッジビード排除ステージに配置されると、物体支持部20に支持されている物体10は、その面領域24の一部を、回転体30の回転面28に接触させる(図1(e))。なお、エッジビード排除ステージでは、物体10の面領域24と回転体30の回転面28との相互接触に先立ち、角度調整部46が、面領域24と回転面28との相互接触時の成す角度θ(図4(b))が例えば約1度以上、約3度以下となる姿勢に、予め回転体30を配置する。
物体10の面領域24が回転体30の回転面28に接触すると、第2の駆動部44は、回転体30を回転軸線30aの周りで所定方向に所定速度で回転させる(図1(f))。移動機構48が物体支持部20を移動させる間に駆動部42が物体支持部20の回転を止めていた場合には、第2の駆動部44は、物体10の面領域24が回転体30の回転面28に接触した後に、駆動部42が物体支持部20の回転を再始動すると同時に、回転体30の回転を始動する。また、移動機構48が物体支持部20を移動させる間に駆動部42が物体支持部20を低速回転させていた場合には、第2の駆動部44は、物体10の面領域24が回転体30の回転面28に接触する前に、予め回転体30を回転させる。
面領域24と回転面28とが相互接触した状態で物体10と回転体30とが同時に回転することにより、エッジビード26を構成している液体材料22の一部分が、回転面28に連続的に引き上げられて、面領域24から回転面28に略一定流量で連続的に転移し(図1(f))、それにより、エッジビード26が徐々に縮小する。面領域24から回転面28に転移した液体材料22は、面領域24から離れた位置で回転面28に作用するドクターブレード等の除去部32により、回転する回転面28から連続的に除去される。除去された液体材料22″(図1(f))は、重力により回転面28から落下してカップ50に受け止められる。面領域24と回転面28とが相互接触した状態での物体10と回転体30との同時回転を、物体10が1回転以上する時間に渡って継続することにより、液状被膜14からエッジビード26が排除される。
物体10がシリコン、ガリウムヒ素、水晶、サファイヤ、ガラス等からなるウエハである場合、図6に示すように、物体10の外周縁18aに、ウエハの結晶方位を明示するオリフラ(オリエンテーションフラット)54(図6(a))やノッチ56(図6(b))を有する場合がある。このような非円形輪郭を有する物体10に対し、被膜形成装置40では、移動機構48が物体10及び物体支持部20をエッジビード排除ステージに移動するときに、図7に示すように、物体10の面領域24が回転体30の回転面28に押し付けられて物体10が撓む位置に物体支持部20を配置する。或いは、エッジビード排除ステージにおいて図5と同じ位置に配置される物体10に対し、回転面28を面領域24に押し付けて物体10を撓ませる位置に、回転体30を、移動機構48とは別の移動機構(図示せず)により移動させることができる。これらの構成により、物体10がオリフラ54やノッチ56を有するウエハである場合にも、回転する物体10の面領域24の一部に回転する回転面28を接触させた状態を、物体10と回転体30との相対位置を変化させること無く実質的に維持することができ、液状被膜14からエッジビード26を確実に排除することができる。また、角度調整部46が面領域24と回転面28との相互接触時の成す角度θ(図4(b))を適宜調整することにより、エッジビード26の排除の程度を調節することができる。
物体10の外周面18の形状や液体材料22の種類等によっては、スピンコート工程の後に、エッジビード26が物体10の面12だけでなく外周面18にも形成される場合がある。図1の断面円弧状の外周面18を有する物体10においても、エッジビード26の一部分が面12から外周面18に食み出している状態が示されている(図1(d))。被膜形成装置40は、図1の断面円弧状の外周面18とは異なる形状の外周面18を有する物体10に対しても、面12及び外周面18にまたがって形成されたエッジビード26を、図5を参照して説明した被膜形成方法と同様の方法で排除することができる。
例えば図9に示すように、物体10の外周面18が、面12に直交する面18Aと、面12及び面18Aの双方に斜交する面18Bとを含む構成では、エッジビード26が面12から面18Bに食み出して形成される場合がある。この場合、図8及び図9に示すように、被膜形成装置40は、角度調整部46によって、回転面28が面18Bに接触するように回転体30の姿勢を調整することができる。そして、回転面28が面18Bに接触した状態を維持しながら、物体10と回転体30との双方を前述したように同時に回転させることにより、面12から面18Bに食み出して形成されるエッジビード26を排除することができる。
なお、図9に示す物体10においては、面18Aが外周縁18aを構成し、面18Bが、外周縁18aに沿った環状の面領域24の一部を構成する。また、面18Bの斜交角度によっては、回転体30の回転面28から除去部32により連続的に除去された液体材料22″(図1(f))がカップ50に漏れなく受け止められる位置に除去部32を配置できることを条件として、図8に示す円錐台状の回転体30に代えて、円柱状の回転体30(図2(c))を使用することができる。
エッジビード26が物体10の面12から面18Bを経て面18Aに食み出して形成される場合は、図10及び図11に示すように、被膜形成装置40は、角度調整部46によって、回転面28が面18Aに接触するように回転体30の姿勢を調整することができる。そして、回転面28が面18Aに接触した状態を維持しながら、物体10と回転体30との双方を前述したように同時に回転させることにより、面12から面18Bを経て面18Aに食み出して形成されるエッジビード26を排除することができる。面18Aに食み出して形成されるエッジビード26を排除した後に、さらに図8及び図9に示すエッジビード排除工程を実施して、面18Bに食み出して形成されるエッジビード26を排除することもできる。
なお、図11に示す物体10においては、面18Aが外周縁18aと外周縁18aに沿った環状の面領域24の一部との双方を構成する。また、図10に示す構成では、円柱状の回転体30を用いることによって、回転体30の回転面28から連続的に除去された液体材料22″(図1(f))がカップ50に安全に受け止められる位置に除去部32を配置しているが、同様の位置に除去部32を配置できることを条件として、図10に示す円柱状の回転体30に代えて、円錐台状や円錐状の回転体30(図2(a)、(b))を使用することができる。
上記した被膜形成装置40は、回転体30を所定方向に所定速度で回転させる第2の駆動部44を備えている。しかしこの構成に限らず、例えば、物体10の面領域24に回転面28を接触させた状態で、回転体30が物体10に摩擦力等により追従して従動式に回転する構成を採用することもできる。この構成では、回転体30は、回転面28と物体10の面領域24とが両者の接触部位で互いに順行移動する方向へ、かつ、回転面28と面領域24との接触部位において面領域24の接線速度に等しい接線速度が回転面28に生じるように、回転軸線30aの周りで従動式に回転する。
図12は、前述した被膜形成方法を半導体チップ作製方法に適用した場合の主要ステップを、模式的に示す。図12及び関連する以下の説明では、図1〜図4を参照して説明した構成要素に対応する構成要素には、共通する参照符号を付してその説明を省略する。
図示の半導体チップ作製方法では、物体10は、半導体チップの母材となるウエハ(以下、ウエハ10と称する。)であり、面12は、所要の回路パターンが形成された回路面(以下、回路面12と称する。)であり、面16は、回路面12の反対側の裏面(以下、裏面16と称する。)である。この場合、回路面12は、印刷配線等による多様な凸部13を有することができる。また、液体材料22は、ウエハ10をフィルムやガラス等の基板60に貼り付けるための液体接着剤(以下、液体接着剤22と称する。)である。
まず、回路面12及び裏面16、並びに外周面18及び外周縁18aを有するウエハ10と、ウエハ10の回路面12よりも大きな面60aを有する基板60と、基板60の外周縁60bに沿って配置可能な形状及び寸法を有するフレーム部材62と、液体接着剤22とを用意する。
液体接着剤22は、硬化又は固化前は液状であり、硬化又は固化することでウエハ10に基板60を強固に固定した状態に保持する接着力を発揮できるものである。液体接着剤22は、例えば、硬化型接着剤、溶剤系接着剤、ホットメルト型接着剤を含む熱可塑性樹脂、水分散型接着剤等であることができる。ここで、硬化型接着剤は、熱や放射線(例えば紫外線)等のエネルギー線によって硬化される液状或いは加熱溶解する熱接合フィルム様の接着剤であり、溶剤系接着剤は、溶剤の蒸発により固化する液状接着剤であり、ホットメルト型接着剤は、加熱により溶融し、冷却により固化される接着剤である。また、水分散型接着剤は水中に接着剤成分が分散したものであって、水の蒸発により、固化する接着剤である。硬化型接着剤としては、エポキシ、ウレタンをベースとする一液熱硬化型接着剤、エポキシ、ウレタン、アクリルをベースとする二液混合反応型接着剤、アクリル、エポキシをベースとする放射線(紫外線や電子線)硬化型接着剤が挙げられる。また、溶剤系接着剤としては、ゴム、エラストマー等を溶剤に溶解したゴム系接着剤が挙げられる。なお本願では、狭義の硬化及び固化を「固化」と総称する。
次に、ウエハ10をその回路面12を上向きかつ略水平に配置して物体支持部20に載置し(図12(a))、ウエハ10の回路面12の中心軸線12aを含む領域に液体接着剤22を配置する(図12(b))。その状態で、ウエハ10を中心軸線12aの周りで回転させて、回路面12の実質的全体に液体接着剤22を行き渡らせる(図12(c))。液体接着剤22は、ウエハ10の回路面12に形成される凸部13の間の隙間を充填し、余剰の液体接着剤22′が遠心力によりウエハ10の外周縁18aから外方へ放出される。なお、図1の被膜形成方法に関連して説明したように、図12(c)のステップでは、ウエハ10を回転させることにより、遠心力によって液体接着剤22を、少なくともウエハ10の外周縁18aに沿った環状の面領域24を覆うように流動させていればよい。
以上のスピンコート工程の終了後、物体支持部20に載置されたウエハ10に対し、前述したエッジビード排除工程(図1(e)〜(f))を実施する。具体的には、回転面28を有する回転体30を用意するステップ(図1(e))と、ウエハ10の面領域24の一部に回転体30の回転面28を接触させるステップ(図1(e))と、ウエハ10を中心軸線12aの周りで回転させると同時に、回転体30をそれ自体の回転軸線30aの周りで回転させて、液体接着剤22の一部分を面領域24から回転面28に転移させるステップ(図1(f))と、回転面28に転移した液体接着剤22を、面領域24から離れた場所に、回転面28から除去するステップ(図1(f))とを実施する。この、エッジビード排除工程により、液体接着剤22によってウエハ10の回路面12に形成された液状被膜14から、エッジビード26が排除される。
上記エッジビード排除工程とは別に、基板60の外周縁60bに沿って、液体接着剤22と同じ接着剤等によりフレーム部材62を固定する。そして、面領域24から液体接着剤22の一部分が回転面28に転移したウエハ10を、基板60に対し、回路面12と面60aとが互いに対向するとともに基板60の外周縁60bに沿った領域及びフレーム部材62がウエハ10の外側に張り出す位置に配置して、回路面12に残留する液体接着剤22(すなわち液状被膜14)を基板60の面60aに接触させる(図12(d))。
次に、液体接着剤22をその組成に応じた方法(例えば紫外線照射)で固化させて、固化した接着剤層64によりウエハ10を基板60に接着する(図12(e))。次に、回路面12側を基板60に接着したウエハ10を、フレーム部材62と共に物体支持部20から取り上げて、上下を反転させ、ウエハ10の裏面16を上に向けた状態で別の静止台等に載置する。そして、例えば真空吸着等の保持手段を用いてウエハ10、基板60及びフレーム部材62を固定した状態に保持した状態で、ウエハ10の裏面16の全体を研削装置(図示せず)により研削し、平坦な加工面66を形成する(図12(f))。これにより、ウエハ10の裏面研削工程が完了する。
裏面研削により回路面12の反対側に加工面66を形成したウエハ10に対し、予め定めた切削線68に沿って加工面66を切削(ダイシング)して、ウエハ10を複数のチップ70に分断する(図12(g))。分断した個々のチップ70は、例えば基板60の外面60cから図示しないピン等で突き上げて、接着剤層64とチップ70の表面との界面に剥離を生じさせることにより、基板60から1つずつ取り上げることができる。
上記した半導体チップ作製方法では、スピンコート工程の終了後、ウエハ10を基板60に接着する前に、エッジビード排除工程により、液体接着剤22によってウエハ10の回路面12に形成された液状被膜14からエッジビード26を排除している。液状被膜14からエッジビード26が排除されたことにより、ウエハ10を基板60に接着した後、固化した接着剤層64がウエハ10の外周縁18aに沿って外方へ食み出す量が削減される。ウエハ10の外周縁18aに沿った接着剤層64の食み出し量が削減されていれば、そのような食み出し部分を起点として接着剤層64に剥離が生ずることが防止されるから、その後の裏面研削工程やダイシング工程を安全に実施することができる。
一実施例として、前述した被膜形成装置40を用いて、直径200mmのシリコン製のウエハ10の回路面12に、スピンコート工程(図12(a)〜(c))によって液体接着剤22の液状被膜14を形成した後、前述したエッジビード排除工程を行った。液状接着剤22として、住友スリーエム株式会社から入手可能なアクリル系紫外線硬化型接着剤LC−3200を使用した。スピンコート工程では、ウエハ10を支持した物体支持部20を、駆動部42が約1000rpmの回転速度で回転させた。エッジビード排除工程では、ウエハ10を支持した物体支持部20を、駆動部42が約60rpmの回転速度で回転させた。同時に、ウエハ10の面領域24の一部に回転面28を接触させた回転体30を、第2の駆動部44が約800rpmで回転させた。第2の駆動部44は、ウエハ10の面領域24と回転体30の回転面28とが両者の接触部位で互いに逆行移動する方向へ、回転体30を回転させた。このとき、ウエハ10の面領域24と回転体30の回転面28との相互接触部位において、面領域24の接線速度は628mm/秒、回転面28の接線速度は837mm/秒であった。また、角度調整部46により、ウエハ10の面領域24に回転体30の回転面28を接触させたときの、面領域24と回転面28との成す角度θ(図4(b))を、約1度に設定した。以上の条件でエッジビード排除工程を行った後、回路面12に残留する液体接着剤22(すなわち液状被膜14)によりウエハ10を基板60に接着したところ、固化した接着剤層64がウエハ10の外周縁18aに沿って外方へ食み出す量は、実質的にゼロ(図12(f)の状態)であった。
前述した被膜形成方法及び被膜形成装置40は、ウエハ10ではない円板状の物体10を液体接着剤22によって他の部材に接着することを目的として、スピンコート工程により物体10の面12に形成された液状被膜14からエッジビード26を排除することもできる。なお、ウエハ等の物体10の面12に液体接着剤22からなる液状被膜14を形成する場合、例えば物体10の外周面18を保護する目的で、エッジビード26を完全には排除せず、外周面18に少量の液体接着剤22を残留させたい場合がある。前述した被膜形成方法及び被膜形成装置40によれば、物体10の面領域24と回転体30の回転面28との相互接触時の成す角度θ(図4(b))を適宜調整することにより、面領域24から回転面28に転移する液体材料22の流量(したがってエッジビード26の排除の程度)を意図的に調節して、外周面18に液体接着剤22を残留させることができる。
また、前述した被膜形成方法及び被膜形成装置40は、ウエハ10の所定の面に回路を形成する(すなわち回路面12を形成する)際のように、物体10の面12にスピンコート工程によってフォトレジストを塗布した後、フォトレジストからなる液状被膜14からエッジビード26を排除することもできる。塗布直後のフォトレジストがエッジビード26を有していると、乾燥後のフォトレジストがエッジビード26に相当する部分から剥離し易くなる場合があるが、前述した被膜形成方法及び被膜形成装置40によれば、そのような剥離の発生を防止できる。物体10の面12に形成したフォトレジストの液状被膜14からエッジビード26を排除する構成においても、前述した被膜形成方法及び被膜形成装置40によれば、物体10の面領域24と回転体30の回転面28との相互接触時の成す角度θ(図4(b))を適宜調整することにより、物体10の外周面18にフォトレジストを残留させることができる。
また、前述した被膜形成方法及び被膜形成装置40は、磁気ディスクの面に潤滑剤を塗布する等、種々の物体10の面12に種々の塗液(液体材料22)を塗布する際に、物体10の面12にスピンコート工程によって塗液を塗布した後、塗液からなる液状被膜14からエッジビード26を排除することもできる。塗布直後の塗液がエッジビード26を有していると、乾燥後の塗液がエッジビード26に相当する部分から剥離し易くなる場合があるが、前述した被膜形成方法及び被膜形成装置40によれば、そのような剥離の発生を防止できる。物体10の面12に形成した塗液の液状被膜14からエッジビード26を排除する構成においても、前述した被膜形成方法及び被膜形成装置40によれば、物体10の面領域24と回転体30の回転面28との相互接触時の成す角度θ(図4(b))を適宜調整することにより、物体10の外周面18に塗液を残留させることができる。
10 物体(ウエハ)
12 面(回路面)
12a 中心軸線
14 液状被膜
18 外周面
18a 外周縁
20 物体支持部
22 液体材料
24 面領域
26 エッジビード
28 回転面
30 回転体
30a 回転軸線
32 除去部
40 被膜形成装置
42 駆動部
44 第2の駆動部
46 角度調整部
48 移動機構
50 カップ
60 基板

Claims (12)

  1. 外周縁を有する物体の面に液状被膜を形成する被膜形成方法であって、
    前記物体を前記面の中心軸線の周りで回転させ、前記面に液体材料を供給して、該液体材料を、少なくとも前記物体の前記外周縁に沿った環状の面領域を覆うように流動させるステップと、
    回転面を有する回転体を用意するステップと、
    前記物体の前記面領域の一部に、前記回転体の前記回転面を接触させるステップと、
    前記物体を前記中心軸線の周りで回転させると同時に、前記回転体をそれ自体の回転軸線の周りで回転させて、前記液体材料の一部分を前記面領域から前記回転面に転移させるステップと、
    前記回転面に転移した前記液体材料を、前記面領域から離れた場所に、前記回転面から除去するステップと、
    を含む被膜形成方法。
  2. 前記転移ステップは、前記物体の前記面領域と前記回転体の前記回転面とが両者の接触部位で互いに逆行移動する方向へ、前記物体を前記中心軸線の周りで回転させると同時に前記回転体を前記回転軸線の周りで回転させるステップを含む、請求項1に記載の被膜形成方法。
  3. 前記転移ステップは、前記物体の前記面領域と前記回転体の前記回転面との接触部位において、前記面領域の接線速度以上の接線速度を前記回転面に生じさせるステップを含む、請求項1又は2に記載の被膜形成方法。
  4. 前記接触ステップは、前記回転体の前記回転面を前記面領域に押し付けて前記物体を撓ませるステップを含み、前記転移ステップは、前記物体が撓んだ状態で前記物体と前記回転体とを回転させるステップを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の被膜形成方法。
  5. 前記回転面は円錐面又は円錐台面である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の被膜形成方法。
  6. 前記面領域は、前記物体の前記外周縁から内側20mmまでの領域である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の被膜形成方法。
  7. 外周縁を有する物体の面に液状被膜を形成する被膜形成装置であって、
    前記面に液体材料を配置した前記物体を支持する物体支持部と、
    前記物体支持部に支持した前記物体の、前記外周縁に沿った環状の面領域の一部に、回転面を接触させて回転軸線の周りで回転する回転体と、
    前記物体を支持した前記物体支持部を前記面の中心軸線の周りで回転させる駆動部と、
    前記物体の前記面領域から前記回転体の前記回転面に転移した前記液体材料を、前記面領域から離れた場所に、前記回転面から除去する除去部と、
    を具備する被膜形成装置。
  8. 前記物体の前記面領域と前記回転体の前記回転面とが両者の接触部位で互いに逆行移動する方向へ、前記回転体を前記回転軸線の周りで回転させる第2の駆動部を具備する、請求項7に記載の被膜形成装置。
  9. 前記第2の駆動部は、前記物体の前記面領域と前記回転体の前記回転面との接触部位において、前記面領域の接線速度以上の接線速度を前記回転面に生じさせるように、前記回転体を前記回転軸線の周りで回転させる、請求項8に記載の被膜形成装置。
  10. 前記物体の前記面領域に前記回転体の前記回転面を接触させたときの前記面領域と前記回転面との成す角度を調整する角度調整部を具備する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の被膜形成装置。
  11. 前記回転面は円錐面又は円錐台面である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の被膜形成装置。
  12. 半導体チップの作製方法であって、
    回路面及び外周縁を有するウエハを該回路面の中心軸線の周りで回転させ、該回路面に液体接着剤を供給して、該液体接着剤を、少なくとも該ウエハの該外周縁に沿った環状の面領域を覆うように流動させるステップと、
    回転面を有する回転体を用意するステップと、
    前記ウエハの前記面領域の一部に、前記回転体の前記回転面を接触させるステップと、
    前記ウエハを前記中心軸線の周りで回転させると同時に、前記回転体をそれ自体の回転軸線の周りで回転させて、前記液体接着剤の一部分を前記面領域から前記回転面に転移させるステップと、
    前記回転面に転移した前記液体接着剤を、前記面領域から離れた場所に、前記回転面から除去するステップと、
    前記面領域から前記液体接着剤の一部分が前記回転面に転移した前記ウエハを、前記回路面に残留する前記液体接着剤を介して、基板に接着するステップと、
    前記基板に接着した前記ウエハの、前記回路面とは反対側の裏面を研削するステップと、
    を含む作製方法。
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