JP2014116175A - マイクロ波加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動部を用いなくても加熱分布の均一性を確保しつつ効率的に加熱するマイクロ波加熱装置を提供する。
【解決手段】加熱室底面のほぼ中央部に載置される被加熱物に対して、複数の開口105a,105b,105c,105d,105e,105fからマイクロ波を放射することで駆動部を用いなくても加熱分布の均一性を確保しつつ、駆動部を用いないことでマグネトロン103から見た負荷インピーダンスの変動を無くして反射を抑えるのに加えて、加熱室底面108の中央部に庫内定在波の腹を生じさせることで被加熱物を庫内定在波の腹に晒して効率的に加熱することができる。
【選択図】図2
【解決手段】加熱室底面のほぼ中央部に載置される被加熱物に対して、複数の開口105a,105b,105c,105d,105e,105fからマイクロ波を放射することで駆動部を用いなくても加熱分布の均一性を確保しつつ、駆動部を用いないことでマグネトロン103から見た負荷インピーダンスの変動を無くして反射を抑えるのに加えて、加熱室底面108の中央部に庫内定在波の腹を生じさせることで被加熱物を庫内定在波の腹に晒して効率的に加熱することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、被加熱物にマイクロ波を放射して誘電加熱する電子レンジ等のマイクロ波加熱装置に関するものである。
代表的なマイクロ波加熱装置の電子レンジは、代表的なマイクロ波発生手段であるマグネトロンから放射されたマイクロ波を導波管を介して金属製の加熱室の内部に供給し、加熱室内部に置かれた被加熱物を誘電加熱するものである。よって加熱室内部のマイクロ波の電磁界分布が不均一であると、被加熱物を均一に加熱することができない。
そこで、被加熱物を均一に加熱する方法として、テーブルを回転させて被加熱物自体を回転させる構成や、被加熱物は固定したままでマイクロ波を放射するアンテナのほうを回転させる構成など、何らかの駆動部を用いて被加熱物に放射されるマイクロ波の向きを変えながら加熱して均一化をはかる方法が一般的であった。
一方、構成を簡単にするために駆動部を持たずに均一加熱する方法が期待されており、時間的に電界の偏波面が回転する円偏波を利用する方法が提案されている。本来、誘電加熱は誘電損失を有する被加熱物をマイクロ波の電界によって加熱する原理に基づくため、電界が回転することは均一化に効果があるものと考えられる。たとえば具体的な円偏波の発生方法としては、特許文献1には図8のように導波管1上で交差するX字型の開口2で一つの円偏波を発生させる方法が示され、特許文献2には図9のように導波管1上で直交する向きの二つの長方スリット状の開口3、4を対向させつつも離して配置することで一つの円偏波を発生させる方法が示され、特許文献3には図10のように導波管1に結合させたパッチアンテナ5の平面形状に切り欠き6を設けることで一つの円偏波を発生させる方法が記載されている。
また、円偏波とは無関係であるが、特許文献4には図11のように複数の長方スリットを波長の1/4の間隔で配列し、互いに相違する位相で放射させる例が示されている。
しかしながら、前記従来のマイクロ波加熱装置は、特許文献1〜3のいずれの場合においても、円偏波を利用してはいるものの、駆動部無しにできるほどの均一効果はないという問題があった。いずれの特許文献も、円偏波と駆動部の相乗効果で従来の駆動部のみよりも均一になるということを記載しているに過ぎない。具体的には、特許文献1では図8のように導波管の終端に位相シフター7と呼ばれる回転体を有し、特許文献2では被加熱物を回転させるターンテーブル(図示せず)を有し、特許文献3ではターンテーブル8に加えてパッチアンテナ5をも回転させて攪拌機として利用する構成を記載している。いずれも円偏波を用いれば駆動部無しにできるとは記載されていないのである。これは、もし円偏波で駆動部を無しにすると、一般的な駆動部有りの構成(たとえばテーブルを回転さ
せるとかアンテナを回転させるなどの構成)に比べて均一性が劣るためである。
せるとかアンテナを回転させるなどの構成)に比べて均一性が劣るためである。
一方、加熱効率は、均一性と二律背反の関係にあると言われている。なぜならば、均一性をあげるためにはテーブルやアンテナを回転させる方が良いが、回転動作に応じてマグネトロンから見た負荷インピーダンスも大きく変化するので、常に反射が少ない状態(マグネトロン側のインピーダンスと負荷側のインピーダンスを整合させた状態)でマグネトロンを動作させることができず、加熱効率が低下する傾向がある。
本発明は前記課題を解決するものであり、駆動部を用いないで、被加熱物を均一にかつ効率的に加熱できるマイクロ波加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のマイクロ波加熱装置は、被加熱物を収納する加熱室と、マイクロ波を発生するマイクロ波発生手段と、マイクロ波を伝送する導波管と、前記加熱室内にマイクロ波を放射する複数のマイクロ波放射部とを有し、被加熱物を載置する加熱室底面中央部に庫内定在波の腹を生じさせる構成としている。
上記構成により、一般的に加熱室底面のほぼ中央部に載置される被加熱物に対して、複数のマイクロ波放射部からマイクロ波を放射することで駆動部を用いなくても加熱分布の均一性を確保しつつ、駆動部を用いないことでマイクロ波発生手段から見た負荷インピーダンスの変動を無くして反射を抑えるのに加えて、加熱室底面中央部に庫内定在波の腹を生じさせることで被加熱物を庫内定在波の腹に晒して効率的に加熱することができる。
本発明のマイクロ波加熱装置は、一般的に加熱室底面のほぼ中央部に載置される被加熱物に対して、複数のマイクロ波放射部からマイクロ波を放射することで駆動部を用いなくても加熱分布の均一性を確保しつつ、駆動部を用いないことでマイクロ波発生手段から見た負荷インピーダンスの変動を無くして反射を抑えるのに加えて、加熱室底面中央部に庫内定在波の腹を生じさせることで被加熱物を庫内定在波の腹に晒して効率的に加熱することができる。
第1の発明のマイクロ波加熱装置は、被加熱物を収納する加熱室と、マイクロ波を発生するマイクロ波発生手段と、マイクロ波を伝送する導波管と、前記加熱室内にマイクロ波を放射する複数のマイクロ波放射部とを有し、被加熱物を載置する加熱室底面中央部に庫内定在波の腹を生じさせる構成としている。
上記構成により、一般的に加熱室底面のほぼ中央部に載置される被加熱物に対して、複数のマイクロ波放射部からマイクロ波を放射することで駆動部を用いなくても加熱分布の均一性を確保しつつ、駆動部を用いないことでマイクロ波発生手段から見た負荷インピーダンスの変動を無くして反射を抑えるのに加えて、加熱室底面中央部に庫内定在波の腹を生じさせることで被加熱物を庫内定在波の腹に晒して効率的に加熱することができる。
第2の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第1の発明において、庫内定在波は、前記加熱室の幅方向と奥行き方向にそれぞれ奇数個の腹が生じる(奇数、奇数)モードとすることで、加熱室底面中央部に庫内定在波の腹を生じさせる構成としている。これにより、簡単な構成で確実に加熱室底面中央部に庫内定在波の腹を生じさせることで被加熱物を庫内定在波の腹に晒して効率的に加熱することができる。
第3の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第1または第2の発明において、導波管内に管内定在波を生じさせ、少なくとも管内定在波の腹の一つを加熱室底面中央部に対向させて配置する構成としている。そもそも導波管と加熱室はマイクロ波放射部と複数個所でつながっているので、導波管内の管内定在波の腹や節と、加熱室内の庫内定在波の腹や節とが一致しやすくなる。よって、管内定在波の腹を加熱室底面中央部に対向させることにより、庫内定在波も腹が生じやすく、簡単な構成で確実に加熱室底面中央部に庫内定在波の腹を生じさせることで被加熱物を庫内定在波の腹に晒して効率的に加熱することができる。
第4の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第1ないし第3のいずれか1つの発明において、マイクロ波放射部の少なくとも一つを加熱室底面中央部に配置する構成としている。そもそもマイクロ波放射部は導波管と加熱室をつなぐものであり、もしマイクロ波放射部が無ければ導波管に閉じ込められるはずのマイクロ波を加熱室へと放射するための出口である。このためマイクロ波放射部ではマイクロ波の電界が強くなりやすく、管内定在波の腹や庫内定在波の腹になりやすい。よって、加熱室底面中央部にマイクロ波放射部を配置することにより、簡単な構成で確実に加熱室底面中央部に庫内定在波の腹を生じさせることで被加熱物を庫内定在波の腹に晒して効率的に加熱することができる。
第5の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第1ないし第4のいずれか1つの発明において、マイクロ波放射部は円偏波を放射する構成としている。これにより、マイクロ波放射部を中心として円偏波特有の360度全方向に回転する電界を発生させ、中心から渦を巻くようにマイクロ波が放射され、円周方向を均一に加熱することができる。よって、複数のマイクロ波放射部から円偏波を放射することで加熱室全体に対しても均一にマイクロ波を放射でき、複数のマイクロ波放射部を並べるだけで駆動部を用いなくても加熱室内の被加熱物を均一に加熱することができる。
第6の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第5の発明において、円偏波を放射するマイクロ波放射部は、二つの長孔が交差する略X字状の構成としている。これにより、簡単な構成で確実に導波管から円偏波を放射することができる。
以下、本発明に係るマイクロ波加熱装置の好適な実施の形態について、添付の図面を参
照しながら説明する。なお、以下の実施の形態のマイクロ波加熱装置においては電子レンジについて説明するが、電子レンジは例示であり、本発明のマイクロ波加熱装置は電子レンジに限定されるものではなく、誘電加熱を利用した加熱装置、生ゴミ処理機、あるいは半導体製造装置などのマイクロ波加熱装置を含むものである。また、本発明は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本発明に含まれる。
照しながら説明する。なお、以下の実施の形態のマイクロ波加熱装置においては電子レンジについて説明するが、電子レンジは例示であり、本発明のマイクロ波加熱装置は電子レンジに限定されるものではなく、誘電加熱を利用した加熱装置、生ゴミ処理機、あるいは半導体製造装置などのマイクロ波加熱装置を含むものである。また、本発明は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本発明に含まれる。
(実施の形態1)
図1、図2は、本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の説明図である。図1は全体構成を示す斜視図、図2(a)は上から見た断面図、図2(b)は正面から見た断面図である。
図1、図2は、本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の説明図である。図1は全体構成を示す斜視図、図2(a)は上から見た断面図、図2(b)は正面から見た断面図である。
代表的なマイクロ波加熱装置である電子レンジ101は、代表的な被加熱物である食品(図示せず)を収納可能な加熱室102と、マイクロ波を発生させる代表的なマイクロ波発生手段であるマグネトロン103と、マグネトロン103から放射されたマイクロ波を加熱室102に導く導波管104と、導波管104内のマイクロ波を加熱室102内に放射するマイクロ波放射部として導波管104の上面に設けた六つの開口105a,105b,105c,105d,105e,105fと、食品(図示せず)を載置する載置台106とを有している。
加熱室102は横長の直方体で、載置台106は加熱室102の底面全体を覆う構成である。載置台106は、開口105a,105b,105c,105d,105e,105fが加熱室102庫内に露出しないように塞ぎつつ、上面をフラットにして使用者が食品(図示せず)の出し入れがしやすいとか、汚れがついたときにふき取りやすくしている。ここで載置台106は、開口105a,105b,105c,105d,105e,105fからのマイクロ波を加熱室102内に放射させるため、ガラスやセラミックなどマイクロ波が透過しやすい材料で構成する。
導波管104と加熱室102の接続は、導波管104のマイクロ波の伝送方向を加熱室102の幅方向に向けて接続する。開口105a,105b,105c,105d,105e,105fは、長孔を交差させたX字状の形状により円偏波を放射できる開口とし、導波管104の幅方向の中央(管軸)107にはかからないように幅方向に対称に配置している。また管軸107は加熱室102の加熱室底面108の前後方向の中心109とは一致せず、開口105a,105c,105eの中心が加熱室底面108の前後方向の中心109と一致している。さらに六つの開口105a,105b,105c,105d,105e,105fは加熱室102の加熱室底面108の左右方向の中心110に対して対称に配置し、以上により加熱室102の加熱室底面108に対して、開口105cが前後左右とも中心に配置される。また開口105a,105bと,105c,105dと,105e,105fは、導波管104の伝送方向に管内波長λgの略1/2の間隔で配置している。また導波管104内には管内定在波が生じるが、これはマグネトロン103の発振周波数と導波管104の形状によって決まる管内波長λgの1/2ごとに腹と節を繰り返すもので、導波管104の終端部111は必ず節となる。
ここで図2(b)には導波管104内に管内定在波のイメージを図示している。定在波安定手段112a,112b,112cは導波管104内に突出する導電性材料からなり、いわゆる整合素子として知られるスタブチューナーなどとよく似た構成であり、管内定在波の節の位置、即ち終端部111から管内波長λgの略1/2ずつの間隔で合計3個配置され、終端部111側から数えて第一の定在波安定手段112a,第二の定在波安定手段112b,第三の定在波安定手段112cである。開口105aおよび105bは終端部111と第一の定在波安定手段112aの中間に配置し、開口105cおよび105d
は第一の定在波安定手段112aと第二の定在波安定手段112bの中間に配置し、開口105eおよび105fは第二の定在波安定手段112bと第三の定在波安定手段112cの中間に配置されている。このとき加熱室底面108の左右方向の中心110に対して、第一の定在波安定手段112aと第二の定在波安定手段112bが対称になるように導波管104を構成しており、その結果、図2(b)のように開口直下の管内定在波の腹113a,113b,113cのうち113bが中心110に位置することになる。また開口105a,105bは終端部111と第一の定在波安定手段112aの間の管内定在波の腹113aに位置し、開口105c,105dは第一の定在波安定手段112aと第二の定在波安定手段112bの間の管内定在波の腹113bに位置し、開口105e,105fは第二の定在波安定手段112bと第三の定在波安定手段112cの間の管内定在波の腹113cに位置することになる。つまり、本実施の形態では、導波管104内に管内定在波を生じさせ、少なくとも管内定在波の腹の一つ113bを加熱室底面108の中央部に対向させて配置する構成としている。また図1のように、開閉可能なドア114を有し、ドア114を閉めることで、マイクロ波は導波管104と加熱室102で閉空間を形成し、閉じ込められたマイクロ波は必ず何らかの定在波を生じるものである。
は第一の定在波安定手段112aと第二の定在波安定手段112bの中間に配置し、開口105eおよび105fは第二の定在波安定手段112bと第三の定在波安定手段112cの中間に配置されている。このとき加熱室底面108の左右方向の中心110に対して、第一の定在波安定手段112aと第二の定在波安定手段112bが対称になるように導波管104を構成しており、その結果、図2(b)のように開口直下の管内定在波の腹113a,113b,113cのうち113bが中心110に位置することになる。また開口105a,105bは終端部111と第一の定在波安定手段112aの間の管内定在波の腹113aに位置し、開口105c,105dは第一の定在波安定手段112aと第二の定在波安定手段112bの間の管内定在波の腹113bに位置し、開口105e,105fは第二の定在波安定手段112bと第三の定在波安定手段112cの間の管内定在波の腹113cに位置することになる。つまり、本実施の形態では、導波管104内に管内定在波を生じさせ、少なくとも管内定在波の腹の一つ113bを加熱室底面108の中央部に対向させて配置する構成としている。また図1のように、開閉可能なドア114を有し、ドア114を閉めることで、マイクロ波は導波管104と加熱室102で閉空間を形成し、閉じ込められたマイクロ波は必ず何らかの定在波を生じるものである。
以上の構成をもとに動作を説明する。マグネトロン103から放射されたマイクロ波は、導波管104内を伝送されて一部は開口105a,105b,105c,105d,105e,105fから加熱室102内に放射されるが、残りは終端部111で反射される。また加熱室102は閉空間のため加熱室102内のマイクロ波の一部が逆に開口105a,105b,105c,105d,105e,105fから導波管104内に戻ることもわずかながらあると考えられる。その結果、導波管104内には管内定在波が、加熱室102内には庫内定在波が発生する。特に導波管104については、終端部111での反射が優位であれば管内波長λgによる定在波を生じやすいと考えられる。一般的に被加熱物が一定量以上あるとか、そこそこマイクロ波を吸収しやすい条件では、加熱室102から開口105a,105b,105c,105d,105e,105fを通じて導波管104内に戻るマイクロ波の量が少ないので定在波が安定する。逆に被加熱物がごく少量などのマイクロ波を吸収しにくいなどの条件では、開口105a,105b,105c,105d,105e,105fと加熱室102の連通により加熱室102から導波管104に戻ろうとするマイクロ波により管内定在波が乱されることもある。しかし本実施の形態では、導波管104内に定在波安定手段112a,112b,112cを配置しているので、管内定在波の節位置を固定させることができ、その結果それぞれの開口位置での振幅や位相も固定できる。また開口105a,105b,105c,105d,105e,105fの構成により、マイクロ波は加熱室102内に円偏波として放射される。円偏波は、開口105a,105b,105c,105d,105e,105fを中心として周方向に電界を回転させながら放射されるもので、周囲に均一に放射される。
ここで円偏波について説明する。円偏波は、移動通信および衛星通信の分野で広く用いられている技術であり、身近な使用例としては、ETC(Electronic Toll Collection System)「ノンストップ自動料金収受システム」などが挙げられる。円偏波は、電界の偏波面が進行方向に対して時間に応じて回転するマイクロ波であり、円偏波を形成すると電界の方向が時間に応じて変化し続けて、電界強度の大きさは変化しないという特徴を有している。この円偏波をマイクロ波加熱装置に適用すれば、従来の直線偏波によるマイクロ波加熱と比較して、被加熱物を特に円偏波の周方向に対して均一に加熱することが期待される。なお、円偏波は回転方向から右旋偏波(CW:clockwise)と左旋偏波(CCW:counter clockwise)の2種類に分類されるが、加熱の分野では特に性能に違いはない。
円偏波としては特許文献1や特許文献2のように導波管壁面の開口で構成するものや、特許文献3に示されたようなパッチアンテナで構成するものがあるが、本実施の形態の開
口105a,105b,105c,105d,105e,105fは、特許文献1に示されたものと同様に導波管104の上面(H面)に形成して円偏波を放射するものである。
口105a,105b,105c,105d,105e,105fは、特許文献1に示されたものと同様に導波管104の上面(H面)に形成して円偏波を放射するものである。
円偏波はもともと通信の分野での利用が主なので、開放空間への放射を対象としていることから、反射波が戻ってこない、いわゆる進行波で論じられるのが一般的である。一方、本実施の形態のマイクロ波加熱装置は、導波管104と加熱室102によって外部とは遮蔽された閉空間への放射となり、反射波が戻ってきて合成される導波管内の定在波を論じているが、開口からマイクロ波が放射される瞬間には定在波のバランスがくずれ、再び安定した定在波に戻るまでの間は進行波が発生していると考えられる。したがって、開口を円偏波放射形状とすることで、前述の円偏波の特長を利用することが可能となり、加熱室102内の加熱分布をより均一化することができる。
なお、方形の導波管104に設けた開口から円偏波を出力するためには、図2に示す例のように、幅を持ったスリット2本を中央で交差させ、マイクロ波伝送方向に対し45度傾けた形状を、導波管104のマイクロ波伝送方向の管軸107を通らない位置に配置する構成が望ましい。
ここで図3を用いて導波管について説明する。最も単純で一般的な導波管は、図3のように一定の長方形の断面(幅a、高さb)を伝送方向に伸ばした直方体からなる方形導波管で、マイクロ波の自由空間での波長をλ0としたときに、導波管の幅a(マイクロ波の波長λ0>a>λ0/2)、高さb(<λ0/2)の範囲に選ぶことにより、TE10モードでマイクロ波を伝送することが知られている。
TE10モードとは、導波管104内において導波管の伝送方向には磁界成分のみが存在して電界成分のない、H波(TE波;電気的横波伝送 Transverse Electric Wave)における伝送モードのことを指す。なお、TE10モード以外の伝送モードがマイクロ波加熱装置101の導波管104に適用されることは殆どない。
ここで導波管内の管内波長λgの説明に先立って、自由空間の波長λ0について説明する。自由空間の波長λ0は、一般的な電子レンジのマイクロ波の場合は約120mmとして知られている。しかし正確には自由空間の波長λ0は、λ0 = c/fで求まり、cは速度で光の速度3.0*10^8[m/s]で一定であるものの、fは周波数で2.4〜2.5[GHz](ISMバンド)の幅がある。マグネトロンは、ばらつきや負荷条件によって発振周波数fが変化するので、結局は自由空間の波長λ0も変化し、最小120[mm](2.5GHz時)から最大125[mm](2.4GHz時)まで変化する。
導波管の話に戻ると、自由空間の波長λ0の範囲も考慮して、一般的には導波管の幅aを80〜100mm、高さbを15〜40mm程度に選ぶことが多い。このとき図3の上下の幅広面を磁界が平行に渦巻く面という意味でH面126と呼び、左右の幅狭面を電界に平行な面という意味でE面127と呼ぶ。ちなみにマイクロ波が導波管内を伝送されるときの波長は、管内波長λgとしてあらわされ、λg=λ0/√(1−(λ0/(2×a))^2)となり、導波管の幅a寸法によって変化するが、高さb寸法には無関係に決まる。ちなみにTE10モードでは、導波管の幅方向の両端(E面)127で電界が0、幅方向の中央で電界が最大となる。よってマグネトロン103は電界が最大となる導波管の幅方向の中央(図2で示した管軸107上)に結合させる構成となる。
ちなみに本実施の形態の開口105a,105b,105c,105d,105e,105fは、図2(a)のように、長孔を直交させてX字状を為す開口で、導波管104のH面の中央(管軸)107から片側に偏らせて配置することで円偏波を発生できる形状であり、H面のどちらに寄せるかで電界の回転方向が異なり、右旋偏波か左旋偏波に分かれ
ることになる。
ることになる。
ここで、開放空間の通信分野と閉空間の加熱の分野では、いくつか異なる点があるので説明を加える。通信分野では、他のマイクロ波との混在を避けて必要な情報のみを送受信したいから、送信側は右旋偏波か左旋偏波のどちらかに限定して送信し、受信側もそれに合わせた最適な受信アンテナを選ぶことになる。一方、加熱の分野では、指向性を有する受信アンテナの代わりに特に指向性のない食品などの被加熱物がマイクロ波を受けるので、マイクロ波が被加熱物全体に均等に当たることのみが重要となる。よって加熱の分野では右旋偏波と左旋偏波が混在しても問題はないが、逆に被加熱物の置き位置や形状によって不均等な分布になるのをできるだけ防ぐ必要がある。たとえば特許文献1のように単一の開口だけしかない場合、被加熱物を開口の真上に置くと良いが、前後あるいは左右にずらして置くと、どうしても開口に近い部位が加熱されやすく、遠い部位は加熱されにくく、結果として加熱ムラが生じてしまう。よって円偏波開口を複数にするほうが望ましい。本実施の形態では、図2のように、六つの開口105a,105b,105c,105d,105e,105fを配置しているのは前述の通りである。
ここで図4、図5を用いて定在波安定手段について説明する。
図4は図3で説明した導波管104に、定在波安定手段134,135を配置したものである。定在波安定手段134,135は円筒形状でアルミやステンレスなどの導電性材料からなり、導波管104のH面126の幅方向の中央に溶接あるいはビス留め等により接続固定されるものである。このような構成の定在波安定手段134,135は、導波管104内の突出部としてマイクロ波の伝送を一部妨げるものと思われるが、結果として、定在波安定手段134,135の位置で定在波の節になりやすいとわかってきた。よって逆に、定在波の節にしたい位置に定在波安定手段134,135のような突出部を設けることで、定在波の位置を変化させず安定させる効果がある。この定在波安定手段134,135の構成は、いわゆる整合素子として知られるスタブチューナーなどとよく似た構成であり、形(特に高さ)と位置を微調整することで、定在波の節を確定させつつ整合もできるというような、二つの機能を併せ持つことも可能と思われる。
図4は図3で説明した導波管104に、定在波安定手段134,135を配置したものである。定在波安定手段134,135は円筒形状でアルミやステンレスなどの導電性材料からなり、導波管104のH面126の幅方向の中央に溶接あるいはビス留め等により接続固定されるものである。このような構成の定在波安定手段134,135は、導波管104内の突出部としてマイクロ波の伝送を一部妨げるものと思われるが、結果として、定在波安定手段134,135の位置で定在波の節になりやすいとわかってきた。よって逆に、定在波の節にしたい位置に定在波安定手段134,135のような突出部を設けることで、定在波の位置を変化させず安定させる効果がある。この定在波安定手段134,135の構成は、いわゆる整合素子として知られるスタブチューナーなどとよく似た構成であり、形(特に高さ)と位置を微調整することで、定在波の節を確定させつつ整合もできるというような、二つの機能を併せ持つことも可能と思われる。
図4では定在波安定手段134のほうが定在波安定手135よりも高さが高い例を示しているが、特に限定されるものではなく形状については適宜最適化すればよい。また図4では、定在波安定手段134,135の距離を、管内波長λgを用いて(λg/2)×nとし、nは整数とすることで、二か所に節を作ることができ、特に定在波安定手段134,135の間にはきれいな定在波が存在する。たとえばn=1では、定在波安定手段134,135が節で両者の中央が腹となり、n=2では、定在波安定手段134,135が節で両者の中央も節となる。よってnを整数とすれば定在波安定手段134,135の間にきれいな定在波をたてることができる。
図5は他の定在波安定手段の例で、別部品ではなく導波管104のH面をプレス等によりしぼって導波管104の内部に突出させた半球状の定在波安定手段136の構成例である。この場合は定在波安定手段を導波管材料そのもので形成できるので、図4の例と比べて定在波安定用の別部品を不要とできる効果がある。
ここで図6を用いて加熱室に発生する庫内定在波について説明する。図6(a)は加熱室を上から見た図で天面上(底面上も同様だが)に生じた庫内定在波の腹を実線で、節を破線でイメージとして表している、図6(b)は加熱室を正面から見た断面図で、天面には図6(a)と同様の腹節を記載しているが、それと同時に腹節を半波のイメージとしても表している。前述の通り、本実施の形態のように撹拌するものがない場合は加熱室内にも庫内定在波が生じる。加熱室をほぼ直方体と考えると、直方体形上の空洞共振器の考え方があてはまる。各辺の長さがX,y,zで表される直方体形状の空洞共振器の定在波は
、一般的に自由空間の波長λ0を用いて下記の(数1)であらわされる。
、一般的に自由空間の波長λ0を用いて下記の(数1)であらわされる。
庫内定在波のモードm,n,pはX,y,zの方向にたつ定在波の数を示し、家庭用電子レンジぐらいの大きさになるとX,y,zは波長よりも大きいから、上記の(数1)を満たすm,n,pの組み合わせはいくつか共存する。ちなみに図6ではm,n,pをそれぞれ3,5,1として表してある。本実施の形態では、庫内定在波は、加熱室102の幅方向(X方向)と奥行き方向(y方向)にそれぞれ奇数個の腹が生じる(奇数、奇数)モード(本実施の形態では(3,5))となっている。特にマグネトロンの発振周波数は一定ではなく(温度によっても変わるし、マイクロ波の反射によっても変わる)、周波数に応じて波長も変化するので、これだけの情報ではどのモードが起こるかは確定しない。実際の庫内定在波がどうなっているかについては、壁面に微小な穴をあけて電界強度を実測するとか、CAE(たとえば有限要素法など)を用いて庫内の電磁界を表示して可視化するとよい。ただし庫内定在波を確定する方法の一つとして、どこから給電されるかという点がある。なぜなら給電部は、そこから電波を次々と放射する関係で、腹になりやすいからである。図6(b)では管内定在波の腹に開口141,142,143があり、そこは庫内定在波も腹となっている。特に開口142の真上の庫内定在波の腹144は加熱室底面の中央に位置し、庫内中央に置かれた被加熱物145が腹に位置するから、常に強い電界で効率的に加熱することができる。
以下に、本実施の形態における作用、効果を説明する。
本実施の形態の電子レンジ101は、被加熱物を収納する加熱室102と、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生手段としてのマグネトロン103と、マグネトロン103で発生したマイクロ波を伝送する導波管104と、導波管104から加熱室102内にマイクロ波を放射する複数のマイクロ波放射部としての開口105a,105b,105c,105d,105e,105fを有し、被加熱物を載置する加熱室底面108の中央部に庫内定在波の腹144を生じさせる構成としている。
本実施の形態の電子レンジ101は、被加熱物を収納する加熱室102と、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生手段としてのマグネトロン103と、マグネトロン103で発生したマイクロ波を伝送する導波管104と、導波管104から加熱室102内にマイクロ波を放射する複数のマイクロ波放射部としての開口105a,105b,105c,105d,105e,105fを有し、被加熱物を載置する加熱室底面108の中央部に庫内定在波の腹144を生じさせる構成としている。
これにより、一般的に加熱室底面108のほぼ中央部に載置される被加熱物に対して、複数のマイクロ波放射部としての開口105a,105b,105c,105d,105e,105fからマイクロ波を放射することで駆動部を用いなくても加熱分布の均一性を確保しつつ、駆動部を用いないことでマグネトロン103から見た負荷インピーダンスの変動を無くして反射を抑えるのに加えて、加熱室底面108の中央部に庫内定在波の腹144を生じさせることで被加熱物を庫内定在波の腹に晒して効率的に加熱することができる。
なお、通常、使用者は何か手持ちの皿に食品を載せることになるが、概ね皿の中央に食品を置きがちだし、その皿を加熱室底面のどこに置くかと言えば中央に置きがちである。また置き場所として推奨される位置として、載置台106の中央に円形のマーキングが印刷されていることも多い。その結果食品は加熱室底面の中央に置かれる確率が極めて高い。特に大きな皿を使用する場合は、中央にかかるようにしか置けないことも想定できる。よって加熱室底面108の中央部に庫内定在波の腹144を生じさせることで被加熱物を庫内定在波の腹に晒して効率的に加熱することができる。
また、本実施の形態の電子レンジは、庫内定在波は、加熱室102の幅方向と奥行き方
向にそれぞれ奇数個の腹が生じる(奇数、奇数)モード(本実施の形態では(3,5))とすることで、加熱室底面108の中央部に庫内定在波の腹144を生じさせる構成としている。これにより、簡単な構成で確実に加熱室底面108の中央部に庫内定在波の腹144を生じさせることで被加熱物を庫内定在波の腹144に晒して効率的に加熱することができる。
向にそれぞれ奇数個の腹が生じる(奇数、奇数)モード(本実施の形態では(3,5))とすることで、加熱室底面108の中央部に庫内定在波の腹144を生じさせる構成としている。これにより、簡単な構成で確実に加熱室底面108の中央部に庫内定在波の腹144を生じさせることで被加熱物を庫内定在波の腹144に晒して効率的に加熱することができる。
また、本実施の形態の電子レンジは、導波管104内に管内定在波を生じさせ、少なくとも管内定在波の腹の一つ113bを加熱室底面108の中央部に対向させて配置する構成としている。そもそも導波管104と加熱室102はマイクロ波放射部としての開口105a,105b,105c,105d,105e,105fと複数個所でつながっているので、導波管104内の管内定在波の腹や節と、加熱室内の庫内定在波の腹や節とが一致しやすくなる。よって、管内定在波の腹113bを加熱室底面108の中央部に対向させることにより、庫内定在波も腹が生じやすく、簡単な構成で確実に加熱室底面108の中央部に庫内定在波の腹144を生じさせることで被加熱物145を庫内定在波の腹144に晒して効率的に加熱することができる。
また、本実施の形態の電子レンジは、マイクロ波放射部としての開口の少なくとも一つ105cを加熱室底面108の中央部に配置する構成としている。そもそもマイクロ波放射部は導波管と加熱室をつなぐものであり、もしマイクロ波放射部が無ければ導波管104に閉じ込められるはずのマイクロ波を加熱室102へと放射するための出口である。このためマイクロ波放射部としての開口ではマイクロ波の電界が強くなりやすく、管内定在波の腹や庫内定在波の腹になりやすい。よって、加熱室底面108の中央部にマイクロ波放射部としての開口を配置することにより、簡単な構成で確実に加熱室底面108の中央部に庫内定在波の腹144を生じさせることで被加熱物145を庫内定在波の腹144に晒して効率的に加熱することができる。
また、本実施の形態の電子レンジは、マイクロ波放射部は円偏波を放射する構成としている。これにより、マイクロ波放射部としての六つの開口105a,105b,105c,105d,105e,105fを中心として円偏波特有の360度全方向に回転する電界を発生させ、中心から渦を巻くようにマイクロ波が放射され、円周方向を均一に加熱することができる。よって、六つものマイクロ波放射部から円偏波を放射することで加熱室102全体に対しても均一にマイクロ波を放射でき、駆動部を用いなくても加熱室102内の被加熱物を均一に加熱することができる。
さらに、本実施の形態の電子レンジは、円偏波を放射するマイクロ波放射部としての六つの開口105a,105b,105c,105d,105e,105fは、二つの長孔が交差する略X字状の構成としている。これにより、簡単な構成で確実に導波管104から円偏波を放射することができる。
なお、(奇数、奇数)モードを発生させるのに加熱室102の寸法X,y,zを選択することが可能であるが、実際は図2(b)のように壁面や天面に凹凸があるなど正確な直方体にできるとは限らない。ある程度凹凸をならして直方体に置き換えて推定する方法も有効である。そして実際に電界強度を測定したりCAEで一致度を確認して微調整するのがよい。
なお、実際には加熱室102の庫内に被加熱物である食品があり、食品は誘電体からなってある程度誘電率が高いことが一般的である。マイクロ波の波長は、誘電体の中では誘電率のルートの逆数倍に圧縮されて見えることが知られているので、X,y,z寸法はそれを想定して少し小さめに設計する方が良いと考えられる。
なお、図2(a)に示したように、本実施の形態では、開口105a,105b,105c,105d,105e,105fは、加熱室102の庫内の前後方向には対称に配置しておらず、やや前寄りに配置している。一般的に電子レンジは箱型で手前のドア114で開閉して食品を出し入れする構造のため、奥行きがわかりにくく中央に置こうとしてもやや手前に置いてしまう傾向がある。また、できるだけ加熱中に調理の進み具合を見たいと思う使用者の場合、ドアのパンチングを介してしか庫内を見られないので、見やすくするためにやや手前に置こうとする場合が出てくる。よって図2(a)程度にやや手前寄りに配置した開口で概ね均一に加熱できる。
図7は、本発明の他の実施の形態における開口形状を説明する模式図である。
特に、マイクロ波放射部として円偏波を放射する開口の形状について、少なくとも2本以上のスリットにより構成される開口について述べる。開口411〜417のように、2本以上のスリットにより構成されており、このうちの少なくとも1本のスリットの長辺をマイクロ波の伝送方向(矢線418)に対して傾いた形状となっていれば良い。よって、開口415および開口416のように交差していない形状や、開口414のように3本のスリットにより構成されている形状でも良い。
特に、マイクロ波放射部として円偏波を放射する開口の形状について、少なくとも2本以上のスリットにより構成される開口について述べる。開口411〜417のように、2本以上のスリットにより構成されており、このうちの少なくとも1本のスリットの長辺をマイクロ波の伝送方向(矢線418)に対して傾いた形状となっていれば良い。よって、開口415および開口416のように交差していない形状や、開口414のように3本のスリットにより構成されている形状でも良い。
なお、2本のスリットにより構成されている開口の最良な形状の条件としては以下の3点が挙げられる。
1点目は、各スリットの長辺の長さは導波管419内の管内波長λgの約1/4以上であることである。
2点目は、2本のスリットはお互いに直交していることおよび伝送方向418に対して各スリットの長辺が45°傾いていることである。
3点目は、導波管419の伝送方向418に平行かつ開口の中心を通る直線を軸として考えた時に、電界の分布が軸対称とならないことである。例えば、TE10モードでマイクロ波を伝送している場合においては、導波管419の幅方向420の中心線となる管軸421を対称軸として電界が対称に分布しているので、開口の形状が管軸421に対して軸対称とならないように(すなわち開口の中心が管軸421上にこないように)配置することが最良の条件となる。
また、図7には長孔が直交するものばかりを示したが、長孔を直交させずに傾斜させて構成することによりX字が押しつぶされたような形状とした場合でも、真円から変形し楕円となるものの、円偏波を放射することができる。
また、図7の開口413のようなL字型、開口415のようなT字型の構成にすることで、特許文献2のように離して配置するときにも応用できる可能性がある。特許文献2によれば図9(b)のように、二つのスリット3,4は直交関係でなくても30度程度なら傾けても良いとも示されている。
また、長孔とは言うものの、長方形に限定されるものではない。開口のコーナー部にRをつけるとか楕円状にするなどしても円偏波を発生することも可能である。基本的な円偏波開口の考え方としては、一方向に長めでその直角方向には短めである長細い形状のものを二つ組み合わせればよいと推察される。
以上のように、本発明のマイクロ波加熱装置は、マイクロ波を被加熱物に均一に照射することができるので、食品の加熱加工や殺菌などを行うマイクロ波加熱装置などに有効に
利用することができる。
利用することができる。
101 電子レンジ(マイクロ波加熱装置)
102 加熱室
103 マグネトロン(マイクロ波発生手段)
104 導波管
105a、105b、105c、105d、105e、105f、141、142、143,411,412,413,414,415,416,417 開口(マイクロ波放射部)
108 加熱室底面
113a,113b,113c 管内定在波の腹
144 庫内定在波の腹
102 加熱室
103 マグネトロン(マイクロ波発生手段)
104 導波管
105a、105b、105c、105d、105e、105f、141、142、143,411,412,413,414,415,416,417 開口(マイクロ波放射部)
108 加熱室底面
113a,113b,113c 管内定在波の腹
144 庫内定在波の腹
Claims (6)
- 被加熱物を収納する加熱室と、
マイクロ波を発生するマイクロ波発生手段と、
マイクロ波を伝送する導波管と、
前記加熱室内にマイクロ波を放射する複数のマイクロ波放射部とを有し、
被加熱物を載置する加熱室底面中央部に庫内定在波の腹を生じさせる構成としたマイクロ波加熱装置。 - 庫内定在波は、前記加熱室の幅方向と奥行き方向にそれぞれ奇数個の腹が生じる(奇数、奇数)モードとすることで、加熱室底面中央部に庫内定在波の腹を生じさせる構成とした請求項1記載のマイクロ波加熱装置。
- 導波管内に管内定在波を生じさせ、少なくとも管内定在波の腹の一つを加熱室底面中央部に対向させて配置する構成とした請求項1または2に記載のマイクロ波加熱装置。
- マイクロ波放射部の少なくとも一つを加熱室底面中央部に配置する構成とした請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
- マイクロ波放射部は、円偏波を放射する構成とした請求項1ないし4のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
- 円偏波を放射するマイクロ波放射部は、二つの長孔が交差する略X字状の構成とした請求項5記載のマイクロ波加熱装置。
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