JP2015015225A - マイクロ波加熱装置 - Google Patents

マイクロ波加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015015225A
JP2015015225A JP2013185398A JP2013185398A JP2015015225A JP 2015015225 A JP2015015225 A JP 2015015225A JP 2013185398 A JP2013185398 A JP 2013185398A JP 2013185398 A JP2013185398 A JP 2013185398A JP 2015015225 A JP2015015225 A JP 2015015225A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microwave
waveguide
heating
heating chamber
radiating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013185398A
Other languages
English (en)
Inventor
大介 細川
Daisuke Hosokawa
大介 細川
吉野 浩二
Koji Yoshino
浩二 吉野
信江 等隆
Tomotaka Nobue
等隆 信江
大森 義治
Yoshiharu Omori
義治 大森
貞平 匡史
Tadashi Sadahira
匡史 貞平
昌之 久保
Masayuki Kubo
昌之 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2013185398A priority Critical patent/JP2015015225A/ja
Publication of JP2015015225A publication Critical patent/JP2015015225A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B6/00Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
    • H05B6/64Heating using microwaves
    • H05B6/70Feed lines
    • H05B6/707Feed lines using waveguides
    • H05B6/708Feed lines using waveguides in particular slotted waveguides

Abstract

【課題】駆動機構を用いることなく、加熱室内において広範囲に置かれた被加熱物に対して均一な加熱分布を実現しながら、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対して高い加熱性能を実現するマイクロ波加熱装置を提供する。
【解決手段】導波管の管軸に沿って複数配置されマイクロ波放射部が、1つ以上の長孔を有する開口形状として構成され、前記長孔の長軸方向と前記導波管の管軸との交差角度が45°より小さい第一のマイクロ波放射部と、交差角度が45°より大きい第二のマイクロ波放射部とを備えることにより、広範囲に置かれた被加熱物に対して均一な加熱分布を実現すると共に、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対して、マイクロ波を効率よく集中させることが可能となり、高い加熱性能を有するマイクロ波加熱装置を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被加熱物にマイクロ波を放射して誘電加熱する電子レンジ等のマイクロ波加熱装置に関し、特にマイクロ波放射部の構造に特徴を有するマイクロ波加熱装置に関するものである。
マイクロ波により対象物を加熱処理するマイクロ波加熱装置の代表的な装置としては、電子レンジがある。電子レンジにおいては、マグネトロンなどのマイクロ波発生器において発生したマイクロ波が金属製の加熱室の内部に放射され、加熱室内部の対象物である被加熱物が放射されたマイクロ波により誘電加熱される。
従来の電子レンジにおけるマイクロ波発生器としては、マグネトロンが用いられている。マグネトロンにより生成されたマイクロ波は、導波管を介して加熱室内部に放射される。
加熱室内部の被加熱物に対するマイクロ波分布を変化させる手段としては、被加熱物を載置するテーブルを回転させて被加熱物を回転させる機構、被加熱物を固定してマイクロ波を放射するアンテナを回転させる機構、または位相器によってマイクロ波発生器から発生するマイクロ波の位相を変化させる機構など、何らかの駆動機構を用いて被加熱物に放射されるマイクロ波の向きを変えながら加熱を行うことが一般的である。
一方、構成を簡単にするために駆動機構を持たずに被加熱物に対するマイクロ波分布を変化させる方法として、時間的に電界の偏波面が回転する円偏波を利用する方法が提案されている。本来、誘電加熱は誘電損失を有する被加熱物をマイクロ波の電界によって加熱する原理に基づくため、電界が回転する円偏波を用いることは加熱の均一化に効果があるものと考えられる。
例えば、具体的な円偏波の発生方法として、米国特許第4301347号明細書(特許文献1)には、図11に示すように導波管1200上で交差するX字型の円偏波開口1202を用いる構成が示されている。また、特許第3510523号公報(特許文献2)には、図12に示すように、導波管1300上で互いに直交する方向に延設された二つの長孔の開口1301を対向させつつも離して配置する構成が示されている。さらに、特開2005−235772号公報(特許文献3)には、図13に示すように、導波管1400に結合させたパッチアンテナ1401の平面部分に切り欠き1402を形成して、マイクロ波発生部1404にて発生されたマイクロ波が導波管1400内を伝送されて、パッチアンテナ1401の回転駆動により円偏波を発生させる構成が示されている。
米国特許第4301347号明細書 特許第3510523号公報 特開2005−235772号公報
しかしながら、電子レンジのようなマイクロ波加熱装置では、なるべく簡易的な構造で、加熱室内部の被加熱物を効率良く、ムラ無く加熱することが求められているが、これまで提案されていた構成では以下の課題がある。
近年、マイクロ波加熱装置、特に電子レンジは、高出力化の技術開発が進み、日本国内では定格高周波出力1000Wが商品化されており、熱伝導によって食品を加熱するのではなく、誘電加熱を用いて直接食品を加熱する。そのため、加熱ムラが解決されていない中での高出力化は、加熱ムラの問題をより顕在化させることになる。
また、マイクロ波加熱装置、特に電子レンジは、広範囲に置かれた被加熱物を均一に加熱する性能が求められることが多い。その一方で、電子レンジでは、形状や種類の異なる被加熱物を複数品同時に加熱する性能が求められることもある。例えば、マイクロ波を複数品に均一に放射するのではなく、形状が大きい、誘電率が低くマイクロ波を吸収しにくい、高い仕上がり温度が必要などの条件を有しているような特定の被加熱物に多くのマイクロ波を放射することが求められる場合がある。このような場合には、局所的なマイクロ波集中が生じるようなマイクロ波分布を実現する必要がある。
さらに、加熱室内部の中央に置かれた被加熱物に対する高い加熱効率が求められることもある。例えば、IEC(International Electrotechnical Commission)標準規格では、マイクロ波加熱の加熱効率を表す指標として、加熱室の中央に置かれた水負荷に対する加熱性能が用いられている。
しかしながら、前述の円偏波を利用した従来のマイクロ波加熱装置は、特許文献1〜3のいずれの場合においても、円偏波を利用しているものの、駆動機構を不要にできるほどの均一効果はないという課題を有していた。いずれの特許文献1〜3においても、円偏波と駆動機構との相乗効果により従来の駆動機構のみの構成よりも均一化を図ることができるということを記載しているに過ぎない。具体的には、特許文献1では図11に示すように導波管1200の終端に位相シフター1201と呼ばれる回転体を有し、特許文献2では被加熱物を回転させるためのターンテーブル(図示せず)を有し、特許文献3では図13に示すようにターンテーブル1403に加えてパッチアンテナ1401をも回転させて攪拌機として利用する構成を記載している。いずれの特許文献1〜3においても円偏波を用いれば駆動機構を不要にできるとは記載されていない。これは、もし円偏波のみの放射で駆動機構を設けないと、一般的な駆動機構を有する構成、例えば、被加熱物を載置するテーブルを回転させる構成や、アンテナを回転させる構成などの場合に比べて、マイクロ波の攪拌が不十分であることから、均一性が劣るためである。
また、特許文献1〜3のマイクロ波加熱装置では、単に広範囲に置かれた被加熱物を均一に加熱する性能を求めようとするものであり、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対して高い加熱性能を実現することなどの、局所的なマイクロ波集中を実現しようとするものではない。
本発明は、前述の従来のマイクロ波加熱装置における課題を解決するものであり、駆動機構を用いることなく、加熱室内において広範囲に置かれた被加熱物に対して均一な加熱分布を実現しながら、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対して高い加熱性能を実現するマイクロ波加熱装置を提供することを目的とする。
前述の従来のマイクロ波加熱装置における課題を解決するために、本発明に係るマイクロ波加熱装置は、被加熱物を収納する加熱室と、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、管軸に沿ってマイクロ波を伝送する導波管と、前記管軸に沿って前記導波管に複数配置され、前記導波管から前記加熱室内にマイクロ波を放射する複数のマイクロ波放射部と、を備え、前記マイクロ波放射部は、1つ以上の長孔を有する開口形状として構成され、前記長孔の長軸方向と前記導波管の管軸との交差角度が45°より小さい第一のマイクロ波放射部と、1つ以上の長孔を有する開口形状として構成され、前記長孔の長軸方向と前記導波管の管軸との交差角度が45°より大きい第二のマイクロ波放射部と、を備えている。
本発明のマイクロ波加熱装置は、駆動機構を用いることなく、加熱室内において広範囲に置かれた被加熱物に対して均一な加熱分布を実現しながら、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対して高い加熱性能を実現するマイクロ波加熱装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係るマイクロ波加熱装置の斜視図 実施の形態1のマイクロ波加熱装置の上面図 実施の形態1のマイクロ波加熱装置における導波管を説明する斜視図 実施の形態1のマイクロ波加熱装置の導波管内における電界と磁界と電流の関係説明図 実施の形態1のマイクロ波加熱装置の導波管内における電界の位相とマイクロ波放射部から放射されるマイクロ波の指向性の関係説明図 実施の形態1のマイクロ波加熱装置におけるマイクロ波放射部を形成する1つの長孔の長軸方向の角度とマイクロ波放射部から放射されるマイクロ波の指向性との関係説明図 本発明の実施の形態2に係るマイクロ波加熱装置の上面図 本発明の実施の形態3に係るマイクロ波加熱装置の上面図 実施の形態3のマイクロ波加熱装置における円偏波を放射するマイクロ波放射部の形状の説明図 実施の形態3のマイクロ波加熱装置におけるマイクロ波放射部を形成する1つの長孔の長軸方向の角度とマイクロ波放射部から放射されるマイクロ波の指向性との関係説明図 X字型の開口より円偏波を発生させる従来のマイクロ波加熱装置の構成図 直交する二つの長孔より円偏波を発生させる従来のマイクロ波加熱装置の構成図 パッチアンテナにより円偏波を発生させる従来のマイクロ波加熱装置の構成図
第1の発明のマイクロ波加熱装置は、被加熱物を収納する加熱室と、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、管軸に沿ってマイクロ波を伝送する導波管と、管軸に沿って導波管に複数配置され、導波管から加熱室内にマイクロ波を放射する複数のマイクロ波放射部と、を備え、マイクロ波放射部は、1つ以上の長孔を有する開口形状として構成され、長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度が45°より小さい第一のマイクロ波放射部と、1つ以上の長孔を有する開口形状として構成され、長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度が45°より大きい第二のマイクロ波放射部と、を備えている。
これにより、加熱室の複数の位置からマイクロ波を放射することが可能となる。さらに第一のマイクロ波放射部により伝送および電界方向に対して直角方向にマイクロ波を広げ、第二のマイクロ波放射部により伝送方向にマイクロ波を広げることができる。よって、広範囲に置かれた被加熱物に対して、より均一な加熱が実現できるとともに、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対して、マイクロ波を効率よく集中させることで、高い加熱性能(効率)を実現できる。
第2の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第1の発明において、加熱室の中央から第一のマイクロ波放射部までの距離が、加熱室の中央から第二のマイクロ波放射部までの距離よりも長くなるように、第一および第二のマイクロ波放射部を配置した構成としている。これにより、加熱室の中央におけるマイクロ波分布への影響が少ない第一のマイクロ波放射部を、加熱室の中央から遠い位置に配置して、伝送および電界方向に対して直角方向にマイクロ波を広げて、マイクロ波分布の均一化を図ることができる。また、加熱室の中央におけるマイクロ波分布への影響が大きい第二のマイクロ波放射部を、加熱室の中央から近い位置に配置して、伝送方向にマイクロ波を広げることで、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対して、マイクロ波を効率よく集中させることができる。
第3の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第1または第2の発明において、加熱室の中央からの距離が最も短い位置に配置されたマイクロ波放射部を除いた位置に、第一のマイクロ波放射部が配置された構成としている。これにより、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が大きいマイクロ波放射部の構成を変えないので、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対するマイクロ波の集中を著しく低下させることがない。また、導波管内の管内定在波の波長に大きく制限されずに、第一のマイクロ波放射部により導波管の幅方向(伝送および電界方向に対して直角方向)にマイクロ波を放射することにより、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱の均一性を向上できる。
第4の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第1または第2の発明において、マイクロ波発生部からの距離が最も短い位置に配置されたマイクロ波放射部を、第一のマイクロ波放射部としている。マイクロ波発生部からの距離が最も短い位置に配置されたマイクロ波放射部は、加熱室の中央からの距離がマイクロ波発生部方向に最も長いため、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が小さい。そのため、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対するマイクロ波の集中を著しく低下させることがない。また、導波管内の管内定在波の波長に大きく制限されずに、第一のマイクロ波放射部により導波管の幅方向(伝送および電界方向に対して直角方向)にマイクロ波を放射することにより、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱の均一性を向上できる。
第5の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第1または第2の発明において、マイクロ波発生部からの距離が最も長い位置に配置されたマイクロ波放射部を、第一のマイクロ波放射部としている。マイクロ波発生部からの距離が最も長い位置に配置されたマイクロ波放射部は、加熱室の中央からの距離が導波管の終端部方向に最も長いため、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が小さい。そのため、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対するマイクロ波の集中を著しく低下させることがない。また、導波管内の管内定在波の波長に大きく制限されずに、第一のマイクロ波放射部により導波管の幅方向(伝送および電界方向に対して直角方向)にマイクロ波を放射することにより、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱の均一性を向上できる。
第6の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第1から第5のいずれか1つの発明において、マイクロ波発生部からの距離が最も短い位置に配置されたマイクロ波放射部を除いた位置に、第二のマイクロ波放射部が配置されている。マイクロ波発生部からの距離が最も短い位置に配置されたマイクロ波放射部は、加熱室の中央からの距離がマイクロ波発生部方向に最も長いため、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が小さく、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が大きい。そのため、広範囲に置かれた被加熱物に対する加熱性能を著しく低下させることなく、導波管内の管内定在波の波長に大きく制限されずに、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対して、効果的にマイクロ波を効率よく集中させることで、加熱性能(効率)を向上できる。
第7の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第2から第5のいずれか1つの発明において、マイクロ波発生部からの距離が最も長い位置に配置されたマイクロ波放射部を除いた位置に、第二のマイクロ波放射部が配置されている。マイクロ波発生部からの距離が最も長い位置に配置されたマイクロ波放射部は、加熱室の中央からの距離が導波管の終端部方向に最も長いため、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が小さく、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が大きい。そのため、広範囲に置かれた被加熱物に対する加熱性能を著しく低下させることなく、導波管内の管内定在波の波長に大きく制限されずに、第二のマイクロ波放射部により導波管の伝送方向にマイクロ波を放射することにより、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対して、効果的にマイクロ波を効率よく集中させることで、加熱性能(効率)を向上できる。
第8の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第2から第5のいずれか1つの発明において、加熱室の中央からの距離が最も短い位置に配置されたマイクロ波放射部を、第二のマイクロ波放射部としている。加熱室の中央からの距離が最も短い位置に配置されたマイクロ波放射部は、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が大きく、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が小さい。そのため、広範囲に置かれた被加熱物に対する加熱性能を著しく低下させることなく、導波管内の管内定在波の波長に大きく制限されずに、第二のマイクロ波放射部により導波管の伝送方向にマイクロ波を放射することにより、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対して、効果的にマイクロ波を効率よく集中させることで、加熱性能(効率)を向上できる。
第9の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第1の発明において、加熱室の中央にマイクロ波放射部が配置されていない構成としている。これにより、加熱室の中央の導波管の直下に各種制御部品や水蒸気加熱用の水タンクおよびポンプ、制御部品などの冷却用ファンおよび風路を配置することができ、筐体の小型化が可能となる。
第10の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第1から第9のいずれか1つの発明において、少なくとも1つのマイクロ波放射部は、円偏波を放射する開口形状で構成されている。マイクロ波放射部が円偏波を放射する構成の場合は、円偏波放射部の中心から渦を巻くようにマイクロ波が放射されるので、他の放射部と比べて円周方向に均一に被加熱物を加熱することができる。
第11の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第1から第10のいずれか1つの発明において、すくなくとも1つのマイクロ波放射部は、二つの長孔が交差するX字状の開口形状で構成されている。これにより、簡単な構成で確実に円偏波を放射することができ、信頼性の向上および給電部の小型化を実現することができる。
第12の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第11の発明において、マイクロ波放射部のX字状の開口形状は、それぞれの長孔の長手方向と導波管の管軸との交差角度が45°より小さく構成されている。これにより、第一のマイクロ波放射部によりマイクロ波放射の指向性と、円偏波による円周方向における均一なマイクロ波分布との両方の効果を得ることができる。
第13の発明のマイクロ波加熱装置は、特に、第11または第12の発明において、マイクロ波放射部のX字状の開口形状は、それぞれの長孔の長手方向と導波管の管軸との交差角度が45°より大きく構成されている。これにより、第二のマイクロ波放射部によりマイクロ波放射の指向性と、円偏波による円周方向における均一なマイクロ波分布との両方の効果を得ることができる。
以下、本発明に係るマイクロ波加熱装置の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態のマイクロ波加熱装置においては電子レンジについて説明するが、電子レンジは例示であり、本発明のマイクロ波加熱装置は電子レンジに限定されるものではなく、誘電加熱を利用した加熱装置、生ゴミ処理機、あるいは半導体製造装置などのマイクロ波加熱装置を含むものである。また、本発明は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本発明に含まれる。
(実施の形態1)
図1〜図6は、本発明の実施の形態1に係るマイクロ波加熱装置の説明図である。図1は、全体構成を示す斜視図である。図2は、マイクロ波放射部と導波管とマイクロ波発生部の位置関係を説明する上面図である。図3は、矩形状の導波管の寸法と伝送モードの関係を説明するための斜視図である。図4は、矩形状の導波管内に生じる電界、磁界、電流の関係を説明するための関係説明図である。図5の(a)は、導波管の終端部からの距離と電界の位相の関係を説明するための関係説明図であり、図5の(b)は、マイクロ波放射部の位置する導波管内における電界の位相により、放射されるマイクロ波の広がりが変化することを説明するための関係説明図であり、これらの結果は電磁界解析により求めた。図6は、マイクロ波放射部である長孔の長軸方向と導波管の管軸の交差角度により、放射されるマイクロ波の広がりが変化することを説明するための関係説明図であり、これらの結果は電磁界解析により求めた。
<マイクロ波加熱装置の構成>
代表的なマイクロ波加熱装置101である電子レンジは、被加熱物(食品などマイクロ波加熱装置にて加熱される対象物:図示せず)を収納可能な加熱室103と、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部202と、マイクロ波発生部202から放射されたマイクロ波を管軸211に沿って伝送し加熱室103に導く導波管301と、導波管301のH面302(加熱室103側に面する面)に設けられ、導波管301内のマイクロ波を加熱室103内に放射するマイクロ波放射部102とを有している。
また、図1に示すように電子レンジ101は、マイクロ波放射部102の上部を覆うように配置され被加熱物を載置する載置台105と、被加熱物の出し入れのためのドア106とを有する。ここで、載置台105は、ガラスやセラミックなどマイクロ波が透過しやすい材料で構成される。
なお、マイクロ波発生部202としてはマグネトロンが用いられ、導波管301としては矩形状の導波管が用いられ、マイクロ波放射部102としては導波管301に形成された開口部が用いられる。
<マイクロ波加熱装置の概略動作>
最初にマイクロ波加熱装置101の概略動作について説明を行なう。使用者により加熱室103内の載置台105上に被加熱物が置かれ、ドア106を閉止する。その後、加熱開始指示が行われると、マイクロ波加熱装置101は、マイクロ波発生部202であるマグネトロンから導波管301内にマイクロ波を供給し、導波管301の管軸211に沿った方向を伝送方向として、導波管301内にてマイクロ波の伝送が行われる。導波管301内に伝送されたマイクロ波は、導波管301に形成されたマイクロ波放射部102を通じて、加熱室103内に放射され、加熱室103内に放射されたマイクロ波により被加熱物の加熱が行われる。
<間接波・直接波の定義>
なお、本発明において、マイクロ波放射部102から放射され被加熱物を直接加熱するマイクロ波を直接波と呼び、加熱室103の内壁で反射したマイクロ波を反射波と呼ぶ。
<矩形導波管寸法、TE10モードの説明>
次に、図3を用いて電子レンジに搭載される導波管の代表的な形態である矩形状の導波管301について説明する。最も単純な形態で一般的な導波管301は、図3に示すように一定の長方形の断面(幅a×高さb)を伝送方向207(管軸211沿いの方向)に伸ばした直方体からなり、マイクロ波の波長をλとしたときに、導波管の幅a(マイクロ波の波長λ>a>λ/2)、高さb(<λ/2)の範囲に選ぶことにより、TE10モードでマイクロ波を伝送することが知られている。
TE10モードとは、矩形状の導波管301内において導波管の伝送方向207には磁界402成分のみが存在して電界401成分が存在しない、H波(TE波;電気的横波伝送 Transverse Electric Wave)における伝送モードのことを指す。なお、TE10モード以外の伝送モードがマイクロ波加熱装置101の導波管301に適用されることは殆どない。
電子レンジでは2.45GHz近辺の周波数を用いるので、波長λは約120mmであり、TE10モードでマイクロ波を伝送する場合、導波管301の幅aが80〜100mm、高さbが15〜40mm程度に設定される。
このとき、図3に示す導波管301の上下それぞれの面を磁界402が平行に渦巻く面という意味でH面302と呼び、左右それぞれの面を電界401に平行な面という意味でE面303と呼ぶ。なお、マイクロ波が導波管301内を伝送されるときの波長は、管内波長λgと表され、λg=λ/√(1−(λ/(2×a))^2)となり、導波管301の幅a寸法によって変化するが、高さb寸法には無関係に決まる。
また、TE10モードでは、導波管301の幅方向の両端面(E面303)で電界401が0、幅方向の中央で電界401が最大となる。よって、マグネトロンは電界401が最大となる導波管301の幅方向の中央に結合させる構成とする。
<導波管−加熱室幅寸法の違い→幅方向へのマイクロ波放射の重要性>
上述の通り、2.45GHz近辺の周波数を用いるマイクロ波加熱装置101である電子レンジにおいて、TE10モードでマイクロ波を伝送する場合、導波管301の幅aは80〜100mmに設定される。
しかしながら、導波管301における伝送方向207および電界方向407(図4参照)のそれぞれに対して直角方向209(図4参照)における加熱室103の寸法は、導波管301の幅a寸法より大きく設定されることが多い。そのため、均一加熱を実現するには、マイクロ波放射部102から放射されるマイクロ波を伝送方向207および電界方向407に対して直角方向209に広げる必要がある。
よって、マイクロ波放射部102から放射されるマイクロ波を伝送方向207および電界方向407に対して直角方向209に広げる技術は重要である。
<加熱室中央の負荷に対する加熱性能の重要性(置かれる頻度)>
なお、被加熱物は加熱室103の中央210に置かれることが最も多く、さらに日本国内およびIEC(International Electrotechnical Commission)標準規格におけるマイクロ波加熱の効率測定試験では、加熱室103の中央210に水負荷を置くように定められている。
よって、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対して、効率よくマイクロ波を集中させる技術は重要である。
<スポット加熱(複品加熱など)の重要性>
さらに、近年の電子レンジでは、形状や種類の異なる被加熱物を複数品同時に加熱する性能が求められることもある。この場合はマイクロ波を複数品に均一に放射するのではなく、形状が大きい、誘電率が低くマイクロ波を吸収しにくい、高い仕上がり温度が必要などの条件を有している被加熱物に多くのマイクロ波を放射する必要がある。
よって、加熱室103の中央210に限らず、局所的に効率よくマイクロ波集中を生じさせる技術も重要である。
以上より、広範囲に置かれた被加熱物を均一に加熱する性能と、加熱室の中央210に置かれた被加熱物を効率よく加熱する性能とを両立することは、マイクロ波加熱装置101の総合的な加熱性能の向上につながる。
<管内定在波の腹・節位置>
次に、マイクロ波放射部102を配置する導波管301内の定在波404の位相によるマイクロ波の放射方向を定める方法について説明する。
まず、導波管301内の電界401の節位置について説明する。図4に示すような終端部203を備えた導波管301内をマイクロ波が伝送する場合、マイクロ波の伝送方向207に沿って定在波404が形成される。導波管301は終端部203で閉じられているため、終端部203における定在波404の振幅は0となる。また、マイクロ波発生部202の供給側(終端部203とは逆側)は、定在波404は振幅最大値を示す自由端となる。
ここで、導波管301内に存在する定在波404は、マイクロ波発生部202が供給する発振周波数が基になった波である。したがって、導波管301内に存在する定在波404の波長は、マイクロ波発生部202の発振周波数によって生じる管内波長λgの約1/2となる。
よって、導波管301内には、終端部203を基点として、管内波長λgの約1/2毎に定在波404の節位置が生じる。また、定在波404の腹位置は、隣り合う節位置のほぼ中間に存在する。
ただし、現実的には導波管301においては、マイクロ波発生部202周辺の導波管301内の電界401が安定しないことや、終端部203の状態が理想状態とならない場合もあり、理論値前後の管内波長λgを生じることがある。よって、正確な導波管内の定在波404の波長を得るためには、導波管301内の振幅を実測することが望ましい。
<矩形状の導波管内の進行波・定在波、腹・節の指向性の原理説明>
次に、導波管301内の電磁界分布およびマイクロ波放射部102から放射されるマイクロ波の指向性について、導波管301内の電界401分布の腹位置405および節位置406に着目して説明する。
導波管として図3に示すような矩形状の導波管301を用いている場合、マイクロ波発生部202から発生した進行波と、導波管301の終端部203で反射した反射波(ここでは導波管301内にて反射した反射波のことを意味する。)とが互いに干渉し、図4に示すように導波管301内に定在波404が生じる。
なお、マイクロ波放射部102が位置する導波管301内の位置における定在波404の電界401の位相によって、導波管301から加熱室103へ放射されるマイクロ波の広がりは変化する。このマイクロ波の広がりが変化する原理については、以下で説明する。
まず、図4を用いて導波管301内の定在波404における電界401・磁界402・電流403の関係について説明する。進行波では電界401と磁界402の方向は90°ずれており、位相は同一である。これに対し、定在波404では電界401と磁界402の方向は90°ずれており、位相はπ/2ずれている。よって、定在波404が発生している矩形状の導波管301内における電界401と磁界402の関係は図4に示すようになる。
これは、定在波404の場合は、進行波が導波管301の終端部203で反射する際に、電界401の位相がπ/2ずれることが主な原因である。なお、電流403は導波管301の表面を磁界402に直交する方向に流れる。
定在波404が発生している矩形状の導波管301のH面302にマイクロ波放射部102を配置した場合の、マイクロ波の指向性についての原理説明を行なう。
図4に示すように導波管301内の定在波404について、腹位置405と節位置406にマイクロ波放射部102が配置された場合について考える。本発明における腹および節とは、導波管301の伝送方向207における電界401の強弱を指しており、伝送方向207および電界方向407に対して直角方向209における電界401の強弱を意味してはいない。
マイクロ波放射部102における電流403の伝送方向207成分と伝送および電界方向に対する直角方向209成分を考えた場合、腹位置405に置かれたマイクロ波放射部102における電流403には、伝送および電界方向に対する直角方向209成分が多い。
電流403の流れる方向と電界401が広がる方向は同一であるので、導波管301から加熱室103へ放射されるマイクロ波は、主に伝送および電界方向に対して直角方向209に広がる。
また、節位置406に置かれたマイクロ波放射部102における電流403には伝送方向207成分が多い。このため、導波管301から加熱室103へ放射されるマイクロ波は、主に導波管301の伝送方向207に広がる。
<位相(腹節位置)−指向性のCAE>
次に、マイクロ波放射部102の位置する導波管301内の位置における定在波404の電界401の位相と、導波管301から加熱室103へ放射されるマイクロ波の広がりとの関係を図5に示す。なお、図5は電磁界解析によって求めたものである。
図5においては、定在波404の節位置を位相0°(0deg.)および180°(180deg.)とし、腹位置を90°および270°として、位相約0°から約180°まで約45°刻みで、マイクロ波放射部102から加熱室103内へ放射されるマイクロ波の分布を電磁界解析により求めた。なお、本解析では導波管301の終端部203からマイクロ波放射部102の中央部までの距離を変えることにより、マイクロ波放射部102の配置位置における導波管301内の定在波404の電界401の位相を変化させている。なお、図5中のλgは、導波管301内の管内波長を示している。
図5の(a)および(b)に示すように、定在波404の位相が約0°(節位置406(図4参照))の場合は、上述の原理説明と同様に主に伝送方向207にマイクロ波の広がりを有する。これに対して、定在波404の位相を約45°ずらしていくことによって、マイクロ波の指向性は、反時計回りに推移していき、位相が約90°(腹位置405(図4参照))の場合に主に伝送および電界方向に対して直角方向209にマイクロ波の広がりを有する。これも上述の原理説明と一致している。
上述のようにマイクロ波放射部102を導波管301内の節位置406に配置することにより、導波管301の幅よりも外側にマイクロ波を広げることができる。よって、加熱室103内において、マイクロ波の分布を広げることができ、加熱室103内の被加熱物を均一に加熱することが可能となる。
次に、図5に示した解析結果の解析条件を以下に記載する。
本解析では、矩形状の導波管301を用いてマイクロ波発生部202であるマグネトロンから発生したマイクロ波をTE10モードで伝送している。
本解析における矩形状の導波管301は、電界方向407の寸法が30mm、伝送および電界方向に対して直角方向209の寸法が100mmとなっており、解析に用いたマイクロ波の周波数は2.46GHzとした。
また、マイクロ波の広がり方向を90°変化させるために必要なマイクロ波放射部102の移動距離は、管内波長の半分(λg/2)であり、解析に用いたマイクロ波の周波数は2.46GHzである。そのため、マイクロ波の広がり方向を90°変化させるために必要なマイクロ波放射部102の移動距離は、約78.6mmとなる。
また、本解析で用いたマイクロ波放射部102の形状は、長軸の長さが55mmである2本の長孔を各長孔の中央で直交させ、伝送方向207に対してそれぞれの長孔を45°傾けた構成とした。定在波404の位相とマイクロ波の広がり方向(すなわち、指向性)との間のこのような関係は、2本の長孔を交差させた形状に限定した特徴ではなく、マイクロ波放射部102の形状には依存しない特徴である。つまり、マイクロ波放射部102が多角形状や円形状などの形状を採用するような場合においても同様の結果が得られる。また、マイクロ波放射部102の数は1個、図5の(b)における表示データは実効電界である。
<腹・節位置配置で幅・伝送方向に放射させることの欠点>
しかしながら、マイクロ波の周波数が2.46GHzの場合、導波管301内の定在波404の波長は約144mmであるので、腹位置405および節位置406は約77mm間隔でしか生じないため、マイクロ波放射部102の設置位置は制限される。
例えば、マイクロ波加熱装置101において、導波管301および加熱室103を配置すべき位置が決まっており、加熱室103の中央210に伝送方向207へマイクロ波を放射するマイクロ波放射部102を配置しなければならない場合を考えると、導波管301または加熱室103の寸法や両者の寸法関係によっては、加熱室103の中央210に節位置406が位置しないことがある。よって、導波管301内の電界401の位相に大きく依存せず、導波管301から加熱室103内に放射するマイクロ波の広がりを変化させる技術が必要となる。
<スリット角度で放射方向を変えることの有用性>
そこで、本発明では、マイクロ波放射部102として配置した長孔の長軸方向と導波管301の管軸211との交差角度205(例えば、図2参照)を変化させることにより、伝送方向207および電界方向407に対して直角方向209および伝送方向207にマイクロ波を放射させる方法についてそれぞれ述べる。
本発明を用いれば、導波管301内の電界401の位相に大きく依存せず、導波管301から加熱室103内に放射するマイクロ波の広がりを、伝送および電界方向に対して直角方向209とすることが可能となる。
また、導波管301内の電界401の位相に大きく依存せず、導波管301から加熱室103内に放射するマイクロ波の広がりを、伝送方向207とすることが可能となる。
<スリット角度と指向性の関係(原理説明)>
次に、マイクロ波放射部102における長孔の長軸方向と導波管301の管軸211との交差角度205により、導波管301から加熱室103に放射されるマイクロ波の広がる方向(すなわち、指向性)が変化する原理について説明する。導波管301として図3に示すような矩形状の導波管を用いている場合、マイクロ波発生部202から発生した進行波と、導波管301の終端部203で反射した反射波とが互いに干渉し、図4に示すように導波管301内に定在波404が生じる。
次に、図4に示したような電界401・磁界402・電流403の分布を有した導波管301のH面302に、マイクロ波放射部102として長孔(例えば、図2参照)を配置した場合を考える。
長孔が電流403の流れを遮ることにより、電流403が流れてきた側の長孔の周囲には電子がたまり、他方の長孔の周囲より電位が高くなる。片側の電位が高くなるため、他方の長孔の周囲との間に電界401が生じる。
マイクロ波放射部が長孔の場合、長辺同士の距離は短辺同士の距離より短いため、電界401は長辺同士間に生じ易い。
よって、マイクロ波放射部における長孔の長軸方向204に直角な方向に電界401分布が生じるため、長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211との交差角度205を変化させることにより、マイクロ波の広がる方向(すなわち、マイクロ波の指向性)も変化する。
以上より、マイクロ波放射部102における長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211の交差角度205が45°(45deg.)より小さい場合は、主に伝送および電界方向に対して直角方向209にマイクロ波が広がり、長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211との交差角度205が45°(45deg.)より大きい場合は、主に伝送方向207にマイクロ波が広がる。
<長軸−管軸の交差角度と指向性の関係(CAE)>
次に、マイクロ波放射部102として配置した1つの長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211との交差角度205と、導波管301から加熱室103へ放射されるマイクロ波との広がりの関係を図6に示す。なお、図6は電磁界解析によって求めたものである。
図6においては、マイクロ波放射部102の長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211との交差角度205を、0°(0deg.:長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211とが平行の場合)から、90°(90deg.:長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211とが直交の場合)まで、30°(30deg.)刻みで変化させた場合の、マイクロ波放射部102から加熱室103へ放射されるマイクロ波の分布を電磁界解析により求めた。
なお、本解析では時計回りに長孔の長軸方向204を順次回転させて解析を行っているが、反時計回りに順次回転させて解析を行うような場合についても同様の結果が得られる。
図6に示すように、長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205が90°(長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211とが直交)の場合は、上述の原理説明と同様に、主に伝送方向207にマイクロ波の広がりを有する。
これに対して、長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205を時計回りに30°ずつずらしていくと、マイクロ波の主な指向性は、長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205の変化と同様に時計回りに約30°ずつ、推移していく。長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205が0°(長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211とが平行)の場合は、主に伝送および電界方向に対して直角方向209にマイクロ波の広がりを有する。これも上述の原理説明と一致している。
以上より、マイクロ波放射部102では、長孔の長軸方向204に対して直角方向にマイクロ波の広がりが強く、長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211との交差角度205が45°を境にして、45°より小さい場合に、伝送および電界方向に対して直角方向209に放射されるマイクロ波の量が、伝送方向207へ放射されるマイクロ波の量より大きくなる。
また、長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211との交差角度205が45°より大きい場合に、伝送方向207に放射されるマイクロ波の量が、伝送および電界方向に対して直角方向209へ放射されるマイクロ波の量より大きくなる。
以下に、図6に示した解析結果の解析条件を以下に記載する。
本解析では、矩形状の導波管301を用いてマイクロ波発生部202であるマグネトロンから発生したマイクロ波をTE10モードで伝送している。本解析における矩形状の導波管301は、電界方向407の寸法が30mm、伝送および電界方向に対して直角方向209の寸法が100mmとなっており、解析に用いたマイクロ波の周波数は2.46GHzとした。また、本解析で用いたマイクロ波放射部102の形状は、長孔の長軸方向204の長さが50mmで長孔の短軸方向の長さが5mmである1本の長孔を用いたが、この性質は、本形状にのみ限定した性質ではなく、長孔であれば同様の結果が得られる。また、図6の表示データは実効電界である。
<放射マイクロ波の干渉>
次に、マイクロ波放射部102を通して、導波管301から加熱室103へ放射されるマイクロ波の干渉について説明する。
任意の点でのマイクロ波の相互干渉は、各マイクロ波放射部102からのマイクロ波の広がり方向と任意の点までの距離の差および加熱室103内でのマイクロ波の波長によって決定される。なお、加熱室103内での波長の1/2の偶数倍(0を含む)の時に強め合い、奇数倍の時に弱め合う。一般的なマイクロ波加熱装置に用いられるマイクロ波の周波数2.45GHzの場合、加熱室103内などの空気中での波長は、約120mmである。
例えば、長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205が0°(長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211が平行)であるマイクロ波放射部102と、交差角度が45°のマイクロ波放射部102とを1つずつ配置した場合について考える。
長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205が0°の場合は、導波管301から加熱室103へ放射されるマイクロ波は、主に伝送および電界方向に対して直角方向209へ放射される。一方、長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205が45°の場合は、伝送方向207と伝送および電界方向に対して直角方向209へほぼ均等にマイクロ波が放射される。そのため、それぞれの長孔から放射されたマイクロ波同士が、加熱室103内で相互干渉する。
それぞれのマイクロ波放射部102から放射されたマイクロ波の相互干渉により、加熱室103内において局所的にマイクロ波の強弱が生じることになるが、各マイクロ波放射部102が有するマイクロ波の広がりが、顕著に変化することはない。
よって、加熱室103内のマイクロ波分布は、各マイクロ波放射部102から放射されたマイクロ波の広がりを足し合わせた分布に近いものとなる。
なお、マイクロ波放射部102間の距離により、干渉によるマイクロ波分布の強弱が生じる位置は変化する。
よって、複数のうちのマイクロ波放射部102の少なくとも1つを、長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211との交差角度205が45°より小さいマイクロ波放射部(後述する第一のマイクロ波放射部102a)とすることにより、伝送および電界方向に対して直角方向209へマイクロ波をより強く放射することが可能となる。
また、上記と同様の理由で、複数のうちのマイクロ波放射部102の少なくとも1つを、長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211との交差角度205が45°より大きいマイクロ波放射部(後述する第二のマイクロ波放射部102b)とすることにより、伝送方向207へマイクロ波をより強く放射することが可能となる。
<開口からの距離と加熱強度の関係>
次に、マイクロ波放射部102と被加熱物間の距離によるマイクロ波加熱の強弱について説明する。
マイクロ波放射部102から放射されたマイクロ波は、放射状に広がりながら空気中を伝播していくので、マイクロ波放射部102から距離が長くなるにしたがって、マイクロ波の電界強度は低下する傾向がある。よって、マイクロ波放射部102から見て、同一直線状に複数の被加熱物を置いた場合、マイクロ波放射部102に近い位置の被加熱物の方が、強く加熱される傾向がある。
<具体構成、作用・効果>
以下に、本実施の形態1のマイクロ波加熱装置101における具体的な構成および作用、効果を説明する。
図2に示すように、本実施の形態1のマイクロ波加熱装置101である電子レンジは、被加熱物を収納する加熱室103と、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部202と、管軸211に沿ってマイクロ波を伝送する導波管301と、管軸211に沿って(伝送方向207に沿って)導波管301に複数配置され、導波管301から加熱室103内にマイクロ波を放射する複数のマイクロ波放射部102とを備えている。マイクロ波放射部102は、1つ以上の長孔を有する開口形状として構成され、長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211との交差角度205が45°より小さい第一のマイクロ波放射部102aと、1つ以上の長孔を有する開口形状として構成され、長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211との交差角度205が45°より大きい第二のマイクロ波放射部102bとを備えている。なお、本実施の形態1のマイクロ波加熱装置101では、複数のマイクロ波放射部102の中に、第一および第二のマイクロ波放射部102a、102bとは異なる開口形状を有するマイクロ波放射部102(例えば、図2において仮に楕円形状にして示している。)が含まれている。このような場合に代えて、全てのマイクロ波放射部102が第一および第二のマイクロ波放射部102a、102bのいずれかとして構成されるような場合であってもよい。
このような構成により、導波管301の伝送方向207に配置した複数のマイクロ波放射部102(102a、102bを含む)から加熱室103内にマイクロ波を放射することができるため、加熱室103における複数の位置から被加熱物にマイクロ波を放射することが可能となる。よって、単一のマイクロ波放射部102による加熱と比較して、加熱室103に置かれた被加熱物に対して広範囲に渡って、効率良くマイクロ波加熱をすることが可能となる。さらに導波管301内の管内定在波の波長に大きく制限されることなく、マイクロ波放射部102の設置位置を決定し、簡易な構成でマイクロ波放射部102を構成することが可能となる。
また、マイクロ波放射部102が、第一のマイクロ波放射部102aおよび第二のマイクロ波放射部102bを備えていることにより、導波管301内の管内定在波の波長に大きく制限されることなく、マイクロ波放射部102の設置位置を決定して、マイクロ波放射部102を構成する長孔の長軸方向204と導波管301の管軸211との交差角度205により、庫内定在波分布を決定することができる。よって、均一加熱性能および任意の場所を局所的に加熱する性能を向上させることができる。
また、加熱室103の中央210からの距離が最も短い位置に配置されたマイクロ波放射部102を除いた位置に、第一のマイクロ波放射部102aを配置した構成としている。このような構成では、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与(影響)が、最も大きいマイクロ波放射部102(すなわち、加熱室103の中央210からの距離が最も短い位置に配置されたマイクロ波放射部102)の構成を変えることなく、第一のマイクロ波放射部102aを配置させている。そのため、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対するマイクロ波の集中を著しく低下させることなく、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱の均一性を向上できる。
また、マイクロ波発生部202からの距離が最も短い位置に配置されたマイクロ波放射部102を除いた位置に第二のマイクロ波放射部102bを配置した構成としている。マイクロ波発生部202からの距離が最も短い位置に配置されたマイクロ波放射部102は、加熱室103の中央210からの距離がマイクロ波発生部202方向に最も長いため、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が小さく、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が大きい。そのため、広範囲に置かれた被加熱物に対する加熱性能を著しく低下させることなく、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対して、効果的にマイクロ波を効率よく集中させることで、加熱性能(効率)を向上できる。
また、マイクロ波発生部202からの距離が最も長い位置に配置されたマイクロ波放射部102を除いた位置に、第二のマイクロ波放射部701を配置した構成としている。マイクロ波発生部202からの距離が最も長い位置に配置されたマイクロ波放射部102は、加熱室の中央210からの距離が導波管301の終端部203方向に最も長いため、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が小さく、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が大きい。そのため、広範囲に置かれた被加熱物に対する加熱性能を著しく低下させることなく、第二のマイクロ波放射部102bにより導波管301の伝送方向207にマイクロ波を放射することにより、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対して、効果的にマイクロ波を効率よく集中させることで、加熱性能(効率)を向上できる。
上述のように、マイクロ波放射部102が第一および第二のマイクロ波放射部102a、102bを備えた構成とすることにより、広範囲に置かれた被加熱物を均一に加熱する性能と、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物を効率良く加熱する性能とを両立することが可能となる。また、上述のような第一および第二のマイクロ波放射部102a、102bの配置は、導波管301内の管内定在波の波長に大きく制限されることもなく、設計の自由度も高めることができる。
よって、マイクロ波加熱装置において、駆動機構を用いることなく、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対して高い加熱性能を実現しながら、加熱室103内において広範囲に置かれた被加熱物に対して均一な加熱分布を実現するマイクロ波加熱装置101を提供することができる。
なお、マイクロ波放射部102の数および位置が加熱室103の中央210に対して非対称であるような構成や、全てのマイクロ波放射部102が同一形状でないような構成も本発明の範囲に含まれる。
(実施の形態2)
以下に、本実施の形態2におけるマイクロ波加熱装置の具体的な構成および作用、効果を説明する。図7は、本発明の実施の形態2におけるマイクロ波加熱装置の説明図であり、マイクロ波放射部と第一のマイクロ波放射部と第二のマイクロ波放射部と導波管とマイクロ波発生部との位置関係を説明する図である。なお、図面において、上述した実施の形態1と同一動作を示す部分は同一番号を付与している。また、本実施の形態2のマイクロ波加熱装置における基本的な動作は、上述の実施の形態1のマイクロ波加熱装置と実質的に同様であるとして、発明の主要点でない限り説明を省略し、以下に、本実施の形態2における具体的な構成および作用、効果を説明する。
<円偏波、直線偏波とは>
初めに、円偏波の特徴および円偏波を用いたマイクロは加熱の利点について説明する。
円偏波とは、移動通信および衛星通信の分野で広く用いられている技術である。身近な使用例としては、ETC(Electronic Toll Collection System)「ノンストップ自動料金収受システム」などが挙げられる。円偏波は、電界401の偏波面が電波の進行方向に対して時間に応じて回転するマイクロ波である。円偏波を形成すると電界401の方向が時間に応じて変化し続けるので、加熱室103内に放射されるマイクロ波の放射角度も変化し続けながら、時間的に電界強度の大きさが変化しないという特徴を有している。
このような円偏波の特徴により、従来のマイクロ波加熱装置に用いられている直線偏波によるマイクロ波加熱と比較して、広範囲にわたってマイクロ波が分散放射されて、被加熱物を均一に加熱することができるようになる。特に、円偏波を発生するマイクロ波放射部102の直上に置かれた被加熱物に対して、円偏波の周方向に対する加熱の均一性が向上する。
なお、円偏波は回転方向から右旋偏波(CW:clockwise)と左旋偏波(CCW:counter clockwise)の2種類に分類されるが、両者において加熱性能に違いはない。
なお、円偏波に対して、導波管内のマイクロ波の電場および磁場の振動方向が一定方向であるのが直線偏波である。直線偏波を加熱室内に放射する従来のマイクロ波加熱装置においては、マイクロ波分布の不均一さを低減するために、被加熱物を載置するテーブルを回転させる構造や、導波管から加熱室へマイクロ波を放射するアンテナを回転させる構造などを設置する必要がある。
よって、円偏波を用いた構成では、従来の直線偏波を用いたマイクロ波加熱装置によるマイクロ波加熱で問題とされていた、直接波と反射波の干渉によって加熱室103内に生じる定在波404を緩和することが可能となる。そのため、円偏波を発生するマイクロ波放射部102の直上に置かれた被加熱物に対して、均一なマイクロ波加熱を実現することができる。
<楕円偏波も含む>
なお、本発明における円偏波とは、マイクロ波放射部102からのマイクロ波の広がりが正確な真円となっている場合のみを意味しているのではなく、マイクロ波の広がりが楕円となっているなどの場合も含んでいる。
つまり、電界401の方向が時間に応じて変化し続けることで、加熱室103内に放射されるマイクロ波の放射角度も変化し続け、時間的に電界強度の大きさが変化しないという特徴を有しているものも円偏波と呼んでいる。
<円偏波の活用方法の違い(通信−加熱調理)>
次に、円偏波の利用において、開放空間の通信分野と閉空間の加熱の分野では、いくつか異なる点があるので説明を加える。通信分野では、他のマイクロ波との混在を避けて必要な情報のみを送受信する必要があるため、送信側は右旋偏波か左旋偏波のどちらかに限定して送信し、受信側もそれに合わせた最適な受信アンテナを選ぶことになる。
一方、加熱の分野では、指向性を有する受信アンテナの代わりに、特に指向性のない食品などの被加熱物がマイクロ波を受けるので、マイクロ波が全体に均等に当たることのみが重要となる。
よって、加熱の分野では右旋偏波と左旋偏波が混在しても問題はないが、逆に被加熱物の載置位置や形状によって不均等な分布になるのをできるだけ防ぐ必要がある。例えば、単一の円偏波開口の場合、被加熱物を円偏波開口の真上に置くと良いが、前後あるいは左右にずらして置くと、円偏波開口に近い部位が加熱されやすく、遠い部位は加熱されにくく、結果として加熱ムラが生じてしまう。よって、マイクロ波を円偏波として放射するマイクロ波放射部102を複数配置することが望ましい。
なお、マイクロ波放射部102について本実施の形態2のようにTE10モードでマイクロ波を伝送している場合において、導波管301の管軸211を境界にして、円偏波開口から放射される円偏波の方向が逆(右旋偏波または左旋偏波)になるが、このように配置することは通信分野では考えられないことであり、本発明で初めて実現させた加熱分野ならではの配置である。
<H面に開口を配置>
なお、円偏波としては特許文献1や特許文献2のように導波管の壁面のマイクロ波放射部で構成するものや、特許文献3に示されたようなパッチアンテナで構成するものがあるが、本実施の形態3の円偏波を放射するマイクロ波放射部は、導波管301のH面302に形成して円偏波を放射するものである。
なお、上述の通り、直線偏波と比較して、円偏波による加熱は円偏波を放射するマイクロ波放射部上の被加熱物に対して、円周方向に均一に加熱することができる。特に円偏波を放射するマイクロ波放射部を、導波管301の伝送および電界方向に対して直角方向209に対称に配置すると、円偏波の渦の巻き方が互いに逆になるので、導波管301の中央側での向きは同方向となり、円偏波が互いに打消し合うことがない。よって放射したマイクロ波の損失を低減することがでる。
<具体構成、作用・効果>
以下に、本実施の形態2における具体的な構成および作用、効果を説明する。
図7に示すように、本実施の形態2のマイクロ波加熱装置101である電子レンジでは、加熱室103の中央210からの距離が最も短い位置に配置されたマイクロ波放射部102を、第二のマイクロ波放射部102bとしている。
加熱室103の中央210からの距離が最も短いマイクロ波放射部102は、加熱室の中央210に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が最も大きく、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が通常小さい。そのため、広範囲に置かれた被加熱物に対する加熱性能を著しく低下させることなく、第二のマイクロ波放射102bにより導波管201の伝送方向207にマイクロ波を放射することができる。よって、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対して、効果的にマイクロ波を効率よく集中させることで、加熱性能(効率)を向上できる。
また、マイクロ波発生部202からの距離が最も短い位置に配置されたマイクロ波放射部102に、第一のマイクロ波放射部102aを配置した構成としている。マイクロ波発生部202からの距離が最も短いマイクロ波放射部102は、加熱室103の中央210からの距離がマイクロ波発生部202方向に最も長いため、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が小さい。そのため、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対するマイクロ波の集中を著しく低下させることなく、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱の均一性を向上できる。
また、マイクロ波発生部202からの距離が最も長い位置に配置されたマイクロ波放射部102を除いた位置に、第二のマイクロ波放射部102bを配置した構成としている。マイクロ波発生部202からの距離が最も長い位置に配置されたマイクロ波放射部102は、加熱室103の中央210からの距離が導波管301の終端部203方向に最も長いた。そのため、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が小さく、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が大きい。そのため、広範囲に置かれた被加熱物に対する加熱性能を著しく低下させることなく、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対して、効果的にマイクロ波を効率よく集中させることで、加熱性能(効率)を向上できる。
さらに、少なくとも1つのマイクロ波放射部102が、円偏波を放射する構成(図7のマイクロ波放射部701)としている。
これにより、マイクロ波放射部102(701)が円偏波を放射する構成の場合は、円偏波放射部の中心から渦を巻くようにマイクロ波が放射されるので、他の放射部と比べて円周方向に均一に被加熱物を加熱することができる。
以上より、駆動機構を用いることなく、加熱室103内において広範囲に置かれた被加熱物に対して均一な加熱分布を実現しながら、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対して高い加熱性能(効率)を実現するマイクロ波加熱装置を提供することができる。
なお、マイクロ波放射部102の数および位置が加熱室の中央210に対して非対称で
あるような構成や、全てのマイクロ波放射部102が同一形状でないような構成についても本発明の範囲に含まれる。また、本実施の形態2において、円偏波を放射するマイクロ波放射部701の中には、2本の長孔を交差させた開口形状を有しており、さらにこの2本の長孔の内の一方の長孔が第二のマイクロ波放射部102bとなるような構成が採用されたものが含まれている。円偏波を放射するマイクロ波放射部701の開口形状は、後述するように、2本の長孔を交差させた開口形状以外の形態であってもよい。また、円偏波を放射するマイクロ波放射部701が、第一および第二のマイクロ波放射部102a、102bと別の開口として構成されるような場合であってもよく、第一または第二のマイクロ波放射部102a、102bが、マイクロ波放射部701の開口の一部として構成されるような場合であってもよい。
(実施の形態3)
以下に、本実施の形態3における具体的な構成および作用、効果を説明する。
図8〜図10は、本発明の実施の形態3におけるマイクロ波加熱装置の説明図である。図8は、マイクロ波放射部と第一のマイクロ波放射部と第二のマイクロ波放射部と円偏波放射するマイクロ波放射部と導波管とマイクロ波発生部との位置関係を説明する図である。図9は、円偏波を放射するマイクロ波放射部の形状の例を示した説明図である。図10は、二つの長孔が交差するX字状のマイクロ波放射部の交差角度とマイクロ波の放射方向との関係を説明するための関係説明図であり、この結果は電磁界解析により求めた。なお、図面において、実施の形態1、2と同一動作を示す部分は同一番号を付与している。また、本実施の形態3のマイクロ波加熱装置における基本的な動作は、実施の形態1、2と同様であるとして、発明の主要点でない限り説明を省略し、以下に、本実施の形態における具体的な構成および作用、効果を説明する。
<円偏波開口形状>
まず、円偏波を放射するマイクロ波放射部701の形状の例について説明する。特にここでは、少なくとも2つ以上の長孔により構成されるマイクロ波放射部701について述べる。
形状の例を示した図9(a)〜(g)のように、円偏波を放射するマイクロ波放射部701は2つ以上の長孔により構成されており、このうちの少なくとも1つの長孔の長辺がマイクロ波の伝送方向207に対して傾いた形状となっていれば良い。よって、図9の(e)および(f)のように2つの長孔が交差していない形状や、図9の(d)のように3つの長孔により構成されている形状でも良い。
なお、2つの長孔により構成されている円偏波を放射するマイクロ波放射部701の最良な形状の条件としては以下の3点が挙げられる。
1点目は、各長孔の長辺の長さは導波管301内の管内波長λgの約1/4以上であることである。2点目は、2つの長孔はお互いに中央部で交差していることである。3点目は、2つの長孔の交差位置(中心)が、導波管301の管軸211上に位置しないこと、すなわち、導波管301の伝送方向207に平行かつマイクロ波放射部701の中心を通る直線を軸として、電界401の分布が軸対照とならないことである。
例えば、TE10モードでマイクロ波を伝送している場合においては、導波管301の管軸211を対称軸として電界401が分布しているので、マイクロ波放射部701の形状が、導波管301の管軸211に対して軸対照とならないように配置することが条件となる。
<正Xの円偏波開口>
なお、本実施の形態3では、円偏波を放射するマイクロ波放射部701を、二つの長孔が交差するX字状の構成としている。これにより、簡単な構成で確実に円偏波を放射することができる。
<潰れXの円偏波開口>
また、図9の(a)に示したように、長孔を直交させずに直交より傾斜させて構成することによりX字形状が押しつぶされたような形状のマイクロ波放射部701とした場合では、マイクロ波分布が真円から変形し楕円となり、円偏波としてマイクロ波を放射しながら放射されるマイクロ波に指向性を持たせることができる。
また、導波管301の管軸211に対してそれぞれの長孔が傾斜して配置されることにより、長孔を短くすることなく、マイクロ波放射部701の中心をより導波管301の端部に寄せることができる。例えば、それぞれの長孔を第一のマイクロ波放射部102aとして構成されたマイクロ波放射部701を用いる場合、マイクロ波放射部701の中心をより導波管301の端部に寄せて配置させることによって、導波管301の伝送および電界方向に対して直角方向209に庫内定在波分布を強め、加熱室103の広範囲に置かれた被加熱物に対する均一加熱性能を向上できる。
<円偏波開口その他の形状>
また、図9の(e)および(f)に示したように、2つの長孔を互いに離して配置するような構成も採用することができる。
また、図9の(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(g)に示したように、導波管301の伝送方向207に平行な軸または、導波管301の伝送および電界方向に対して直角方向209に平行な軸に対して、軸対称とならない開口形状のマイクロ波放射部701においても円偏波を放射することが可能である。
また、長孔とは言うものの、長方形に限定されるものではない。開口のコーナー部にR部(湾曲部)を設けるとか楕円形状にするなどしても円偏波を発生することも可能である。基本的な円偏波開口の考え方としては、一方向に長めでその直角方向には短めである全体として長細い形状のものを二つ組み合わせればよいと推察される。
<X交差角度と指向性の関係(CAE)>
次に、2つの長孔が交差するX字状のマイクロ波放射部701における、長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205と、導波管301から加熱室103へ放射されるマイクロ波の広がりとの関係を図10に示す。なお、図10は電磁界解析によって求めたものである。
また、本解析において、2つの長孔は各中央部で交差しており、それぞれの長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205が、同一となるように交差角度を変化させている。図10においては、長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205を、25°から65°まで10°刻みで変化させた場合の、マイクロ波放射部701から加熱室103へ放射されるマイクロ波の分布を電磁界解析により求めた。
図10に示す長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205が25°と35°の解析結果によれば、長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205が45°より小さい場合は、上述の原理説明と同様に主に伝送および電界方向に対して直角方向209にマイクロ波の広がりを有する傾向があることが判る。
これに対して、図10に示す長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205が55°と65°の解析結果によれば、長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205が45°より大きい場合は、主に伝送および電界方向にマイクロ波の広がりを有する傾向があることが判る。これも上述の原理説明と一致している。
以上より、円偏波を放射するマイクロ波放射部701においても、それぞれの長孔の長軸方向204に対して直角方向にマイクロ波の広がりが強くなる指向性が有り、上述した単一の長孔の長軸方向と導波管の管軸の交差角度205を変化させた場合と同様の傾向がある。すなわち、円偏波を放射するマイクロ波放射部701では、長孔の長軸方向と導波管の管軸の交差角度205が45°の場合を境にして、45°より大きい場合に、伝送方向207に放射されるマイクロ波の量が、伝送および電界方向に対して直角方向209に放射されるマイクロ波の量より大きくなる。また、長孔の長軸方向と導波管の管軸との交差角度205が45°より小さい場合、伝送および電界方向に対して直角方向209に放射されるマイクロ波の量が、伝送方向207に放射されるマイクロ波の量より大きくなる。
このように、2つの長孔を交差させたX字状のマイクロ波放射部701においても、単一の長孔により構成されたマイクロ波放射部102a、102bと同様な指向性を有していることが判る。
次に、図10に示した解析結果の解析条件を以下に記載する。本解析では、矩形状の導波管301を用いてマイクロ波発生部202であるマグネトロンから発生したマイクロ波をTE10モードで伝送している。
本解析における矩形状の導波管301は、電界方向407の寸法が30mm、伝送および電界方向に対して直角方向209の寸法が100mmとなっており、解析に用いたマイクロ波の周波数は2.46GHzとした。
また、本解析で用いたマイクロ波放射部102の形状は、長孔の長軸方向204の長さが50mmで長孔の短軸方向の長さが5mmである2本の長孔が、各長孔の中央部で交差している形状を用いた。このようなマイクロ波放射における指向性の特徴は、本形状にのみ限定されるものではなく、2つの長孔が交差するX字状のマイクロ波放射部102であれば同様の結果が得られる。また、図10の表示データは実効電界である。
<具体構成、作用・効果>
以下に、本実施の形態3における具体的な構成および作用、効果を説明する。
図8に示すように、本実施の形態3のマイクロ波加熱装置101である電子レンジは、マイクロ波放射部102として、第一および第二のマイクロ波放射部102a、102bを備えている。さらに、第一のマイクロ波放射部102aにおける長孔を2本交差させてX字状の開口を形成することにより、円偏波を放射するマイクロ波701を構成している。同様に、第二のマイクロ波放射部102bにおける長孔を2本交差させてX字状の開口を形成することにより、円偏波を放射するマイクロ波701を構成している。
このような構成により、第一および第二のマイクロ波放射部102a、102bによるマイクロ波の指向性を利用しながら、円偏波による均一なマイクロ波放射を実現できる。
また、マイクロ波発生部202からの距離が最も短い位置に配置されるマイクロ波放射部102を、第一のマイクロ波放射部102a(701)としている。マイクロ波発生部202からの距離が最も短い位置に配置されるマイクロ波放射部102は、加熱室103の中央210からの距離がマイクロ波発生部202方向に最も長いため、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が小さい。そのため、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対するマイクロ波の集中を著しく低下させることなく、導波管301の幅方向(伝送および電界方向に対して直角方向209)にマイクロ波を放射して、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱の均一性を向上できる。
また、マイクロ波発生部202からの距離が最も長い位置に配置されたマイクロ波放射部102を、第一のマイクロ波放射部102a(701)としている。これにより、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対するマイクロ波の集中を著しく低下させることなく、導波管301の幅方向(伝送および電界方向に対して直角方向209)にマイクロ波を放射することにより、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱の均一性を向上できる。
さらに、加熱室103の中央210からの距離が最も短い位置に配置されるマイクロ波放射部102を、第二のマイクロ波放射部102b(701)としている。加熱室103の中央210からの距離が最も短い位置に配置されるマイクロ波放射部102は、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が最も大きく、広範囲に置かれた被加熱物に対するマイクロ波加熱への寄与が小さい。そのため、広範囲に置かれた被加熱物に対する加熱性能を著しく低下させることなく、加熱室103の中央210に置かれた被加熱物に対して、効果的にマイクロ波を効率よく集中させることで、加熱性能(効率)を向上できる。
このように、第二のマイクロ波放射部102bを用いることで、加熱室103の中央210にマイクロ波放射部102を有さない構成を実現することができる。
また、第一および第二のマイクロ波放射部102a、102bを、二つの長孔が交差するX字状とした円偏波を放射する構成(マイクロ波放射部701)としている。
よって、マイクロ波放射部701のX字状の開口中心から渦を巻くようにマイクロ波が放射されるので、直線偏波を放射する従来のマイクロ波放射部102と比較して、均一加熱が可能となる。特に、円偏波を放射するマイクロ波放射部701によって、円周方向に均一に被加熱物を加熱することが期待できる。さらに、円偏波を放射するマイクロ波放射部701を、二つの長孔が交差するX字状とすることで、駆動機構を用いない簡単な構成で確実に円偏波を放射することができ、信頼性の向上および給電部の小型化を実現することができる。
以上より、駆動機構を用いることなく、加熱室内において広範囲に置かれた被加熱物に対して均一な加熱分布を実現しながら、加熱室の中央に置かれた被加熱物に対して高い加熱性能(効率)を実現するマイクロ波加熱装置を提供することができる。
なお、マイクロ波放射部102の数および位置が加熱室103の中央210に対して非対称であるような構成や、マイクロ波放射部102が2本の長孔を交差させた形状以外の構成や、全てのマイクロ波放射部102が同一形状でないような構成についても本発明の範囲に含まれる。
さらに、マイクロ波放射部102のうち、少なくとも1つのマイクロ波放射部が、円偏波を放射するマイクロ波放射部701であればよい。
以上のように、本発明のマイクロ波加熱装置は、被加熱物への均一照射ができるので、個食食品の加熱加工や殺菌などを行うマイクロ波加熱装置などに有効に利用することができる。
101 マイクロ波加熱装置(電子レンジ)
102 マイクロ波放射部
102a 第一のマイクロ波放射部
102b 第二のマイクロ波放射部
103 加熱室
301 導波管
202 マイクロ波発生部
204 長孔の長軸方向
205 交差角度
207 伝送方向
210 加熱室の中央
211 導波管の管軸
701 円偏波を放射するマイクロ波放射部

Claims (13)

  1. 被加熱物を収納する加熱室と、
    マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、
    管軸に沿ってマイクロ波を伝送する導波管と、
    前記管軸に沿って前記導波管に複数配置され、前記導波管から前記加熱室内にマイクロ波を放射する複数のマイクロ波放射部と、を備え、
    前記マイクロ波放射部は、
    1つ以上の長孔を有する開口形状として構成され、前記長孔の長軸方向と前記導波管の管軸との交差角度が45°より小さい第一のマイクロ波放射部と、
    1つ以上の長孔を有する開口形状として構成され、前記長孔の長軸方向と前記導波管の管軸との交差角度が45°より大きい第二のマイクロ波放射部と、を備える、マイクロ波加熱装置。
  2. 前記加熱室の中央から前記第一のマイクロ波放射部までの距離が、前記加熱室の中央から前記第二のマイクロ波放射部までの距離よりも長くなるように、前記第一および第二のマイクロ波放射部を配置している、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 前記加熱室の中央からの距離が最も短い位置に配置された前記マイクロ波放射部を除いた位置に、前記第一のマイクロ波放射部が配置されている、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  4. 前記マイクロ波発生部からの距離が最も短い位置に配置された前記マイクロ波放射部を、前記第一のマイクロ波放射部とした、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  5. 前記マイクロ波発生部からの距離が最も長い位置に配置された前記マイクロ波放射部を、前記第一のマイクロ波放射部とした、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  6. 前記マイクロ波発生部からの距離が最も短い位置に配置された前記マイクロ波放射部を除いた位置に、前記第二のマイクロ波放射部が配置されている、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  7. 前記マイクロ波発生部からの距離が最も長い位置に配置された前記マイクロ波放射部を除いた位置に、前記第二のマイクロ波放射部が配置されている、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  8. 前記加熱室の中央からの距離が最も短い位置に配置された前記マイクロ波放射部を、前記第二のマイクロ波放射部とした、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  9. 前記加熱室の中央に前記マイクロ波放射部が配置されていない、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  10. 少なくとも1つの前記マイクロ波放射部は、円偏波を放射する開口形状で構成されている、請求項1から9のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  11. すくなくとも1つの前記マイクロ波放射部は、二つの長孔が交差するX字状の開口形状で構成されている、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  12. 前記マイクロ波放射部の前記X字状の開口形状は、それぞれの前記長孔の長手方向と前記導波管の管軸との交差角度が45°より小さく構成されている、請求項11に記載のマイクロ波加熱装置。
  13. 前記マイクロ波放射部の前記X字状の開口形状は、それぞれの前記長孔の長手方向と前記導波管の管軸との交差角度が45°より大きく構成されている、請求項11または12に記載のマイクロ波加熱装置。
JP2013185398A 2012-09-07 2013-09-06 マイクロ波加熱装置 Pending JP2015015225A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013185398A JP2015015225A (ja) 2012-09-07 2013-09-06 マイクロ波加熱装置

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012196936 2012-09-07
JP2012196936 2012-09-07
JP2012246143 2012-11-08
JP2012246143 2012-11-08
JP2012248129 2012-11-12
JP2012248129 2012-11-12
JP2013120469 2013-06-07
JP2013120469 2013-06-07
JP2013185398A JP2015015225A (ja) 2012-09-07 2013-09-06 マイクロ波加熱装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015015225A true JP2015015225A (ja) 2015-01-22

Family

ID=50323050

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013185398A Pending JP2015015225A (ja) 2012-09-07 2013-09-06 マイクロ波加熱装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2015015225A (ja)
CN (1) CN103687123B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016195021A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 東邦テナックス株式会社 加熱方法、炭素繊維の製造方法及び炭素繊維並びに加熱装置
KR101707921B1 (ko) * 2016-06-30 2017-02-17 한국기초과학지원연구원 직각 도파관 진행파형 안테나를 이용한 마이크로웨이브 가열 및 건조기
CN109149039A (zh) * 2018-08-15 2019-01-04 浙江绿舟科技有限公司 一种微波微功分配器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4301347A (en) * 1980-08-14 1981-11-17 General Electric Company Feed system for microwave oven
JPS59192295U (ja) * 1983-06-09 1984-12-20 大阪ガスエンジニアリング株式会社 マイクロ波加熱装置
US6097018A (en) * 1998-04-06 2000-08-01 Lg Electronics Inc. Circular polarization generating system for microwave oven
DE20006527U1 (de) * 2000-04-08 2000-09-28 Prozesautomation Kohler Gmbh Schlitz-Hohlleiter
ES2353767T3 (es) * 2003-10-21 2011-03-04 Turbochef Technologies, Inc. Horno de cocción rápida con antena de microondas ranurada.

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016195021A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 東邦テナックス株式会社 加熱方法、炭素繊維の製造方法及び炭素繊維並びに加熱装置
KR101707921B1 (ko) * 2016-06-30 2017-02-17 한국기초과학지원연구원 직각 도파관 진행파형 안테나를 이용한 마이크로웨이브 가열 및 건조기
CN109149039A (zh) * 2018-08-15 2019-01-04 浙江绿舟科技有限公司 一种微波微功分配器

Also Published As

Publication number Publication date
CN103687123B (zh) 2017-04-12
CN103687123A (zh) 2014-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10045403B2 (en) Microwave heating device
EP2741574B1 (en) Microwave heating device
WO2013171990A1 (ja) マイクロ波加熱装置
JP5895247B2 (ja) マイクロ波加熱装置
JP6273598B2 (ja) マイクロ波加熱装置
JP2014032744A (ja) マイクロ波加熱装置
JP6179814B2 (ja) マイクロ波加熱装置
JP5816820B2 (ja) マイクロ波加熱装置
JP2015015225A (ja) マイクロ波加熱装置
WO2013005438A1 (ja) マイクロ波加熱装置
JP2014229532A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2013098106A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2014089942A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2013191349A (ja) マイクロ波加熱装置
JP6424332B2 (ja) マイクロ波加熱装置
JP2013098021A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2014160632A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2013105690A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2014150018A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2014216071A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2013125670A (ja) マイクロ波加熱装置
JP5877304B2 (ja) マイクロ波加熱装置
JP2013120632A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2014120416A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2013026099A (ja) 高周波加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20141014