次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本実施形態では、本発明に係る非接触給電装置を、電気自動車やハイブリッド車に搭載された車載バッテリに非接触で送電する非接触給電装置に適用した例を示す。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して第1実施形態の非接触給電装置の構成について説明する。
図1に示す非接触給電装置1は、車両外部に設置された外部バッテリB10(直流電源)から車両に搭載された車載バッテリB11(給電対象)に非接触で送電し、車載バッテリB11を充電する装置である。非接触給電装置1は、送電側パッド10と、送電側共振用回路11と、受電側パッド12と、受電側共振用回路13と、送電回路14と、送電側フィルタ回路15と、受電側フィルタ回路16と、受電回路17と、制御回路18とを備えている。
送電側パッド10は、駐車スペースの地表面の所定位置に設置され、交流電力が供給されることで交番磁束を発生する装置である。送電側パッド10は、コイル100を備えている。
送電側共振用回路11は、送電側パッド10に接続され、送電側パッド10のコイル100とともに共振回路を構成する回路である。具体的には、送電側パッド10に並列接続されるコンデンサ110である。
受電側パッド12は、車両の底部に設置され、駐車スペースに車両を駐車したときに、上下方向に間隔をあけて送電側パッド10と対向して配置され、送電側パッド10の発生した交番磁束が鎖交することで電磁誘導によって交流を発生する装置である。受電側パッド12は、コイル120を備えている。
受電側共振用回路13は、受電側パッド12に接続され、受電側パッド12のコイル120とともに共振回路を構成する回路である。具体的には、受電側パッド12に並列接続されるコンデンサ130である。
コンデンサ110、130の容量は、送電側パッド10と受電側パッド12が基準となる所定の対向状態のときに、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流の力率が1となるように、又は、選択可能な範囲内で限りなく1に近づくように設定されている。
送電回路14は、外部バッテリB10に接続されるとともに、送電側フィルタ回路15を介して送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に接続され、外部バッテリB10から供給される直流を交流に変換し、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給する回路である。送電回路14は、送電側コンバータ回路140(送電側直流/直流変換回路)と、インバータ回路141(送電側直流/交流変換回路)とを備えている。
送電側コンバータ回路140は、外部バッテリB10及びインバータ回路141に接続され、外部バッテリB10から供給される直流を電圧の異なる直流に変換してインバータ回路141に供給する回路である。具体的には、外部バッテリB10から供給される直流を降圧してインバータ回路141に供給する周知の降圧コンバータ回路である。送電側コンバータ回路140は、コンデンサ140aと、IGBT140bと、リアクトル140cと、コンデンサ140dと、ダイオード140eとを備えている。
コンデンサ140aは、外部バッテリB10から供給される直流を平滑化するための素子である。コンデンサ140aの一端及び他端は、外部バッテリB10の正極端及び負極端にそれぞれ接続されている。
IGBT140bは、オン、オフすることでリアクトル140cにエネルギーを蓄積、放出させるための素子である。IGBT140bは、コレクタとエミッタの間に逆並列接続されるフリーホイールダイオードを備えている。IGBT140bのコレクタはコンデンサ140aの一端に、エミッタはリアクトル140cにそれぞれ接続されている。また、ゲートは、制御回路18に接続されている。
リアクトル140cは、電流が流れることでエネルギーを蓄積、放出するとともに電圧を誘起する素子である。リアクトルの一端はIGBT140bのエミッタに、他端はコンデンサ140dにそれぞれ接続されている。
コンデンサ140dは、降圧した直流を平滑化するための素子である。コンデンサ140dの一端はリアクトル140cの他端に、他端はコンデンサ140aの他端にそれぞれ接続されている。また、コンデンサ140dの一端及び他端は、インバータ回路141にそれぞれ接続されている。
ダイオード140eは、IGBT140bがオフし、リアクトル140cに蓄積されたエネルギーが放出されるときに発生する電流を流すための素子である。ダイオード140eのアノードはコンデンサ140dの他端に、カソードはリアクトル140cの一端にそれぞれ接続されている。
インバータ回路141は、送電側コンバータ回路140に接続されるとともに、送電側フィルタ回路15を介して送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に接続され、送電側コンバータ回路140から供給される直流を所定周波数の交流に変換し、送電側フィルタ回路15を介して送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給する回路である。インバータ回路141は、IGBT141a〜141dを備えている。
IGBT141a〜141dは、オン、オフすることで直流を交流に変換するための素子である。IGBT141a〜141dは、コレクタとエミッタの間に逆並列接続されるフリーホイールダイオードを備えている。IGBT141a、141b及びIGBT141c、141dは、それぞれ直列接続されている。具体的には、IGBT141a、141cのエミッタが、IGBT141b、141dのコレクタにそれぞれ接続されている。直列接続された2組のIGBT141a、141b及びIGBT141c、141dは並列接続されている。IGBT141a、141cのコレクタはコンデンサ140dの一端に、IGBT141b、141dのエミッタはコンデンサ140dの他端にそれぞれ接続されている。IGBT141a〜141dのゲートは、制御回路18にそれぞれ接続されている。また、IGBT141a、141bの接続点及びIGBT141c、141dの接続点は、送電側フィルタ回路15にそれぞれ接続されている。
送電側フィルタ回路15は、インバータ回路141と、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10の間に接続され、インバータ回路141から供給される交流に含まれる所定の周波数成分を除去する回路である。送電側フィルタ回路15は、リアクトル150と、コンデンサ151とを備えている。
リアクトル150及びコンデンサ151は、フィルタ回路を構成するための素子である。リアクトル150とコンデンサ151は、直列接続されている。具体的には、リアクトル150の一端が、コンデンサ151の一端に接続されている。リアクトル150の他端はコンデンサ110の接続されたコイル100の一端に、コンデンサ151の他端はIGBT141a、141bの接続点にそれぞれ接続されている。また、IGBT141c、141dの接続点がコンデンサ110の接続されたコイル100の他端に接続されている。送電側フィルタ回路15は、インバータ回路141から供給される交流の基本周波数におけるインピーダンスが、送電側パッド10のコイル100と送電側共振用回路11によって構成される共振回路のインピーダンスより小さくなるように設定されている。具体的には、共振周波数がインバータ回路141から供給される交流の基本周波数になるように、リアクトル150のインダクタンス及びコンデンサ151の容量が固定値で設定されている。
受電側フィルタ回路16は、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12と受電回路17の間に接続され、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から供給される交流に含まれる所定の周波数成分を除去する回路である。受電側フィルタ回路16は、リアクトル160と、コンデンサ161とを備えている。
リアクトル160及びコンデンサ161は、フィルタ回路を構成するための素子である。リアクトル160とコンデンサ161は、直列接続されている。具体的には、リアクトル160の一端が、コンデンサ161の一端に接続されている。リアクトル160の他端はコイル120の一端とコンデンサ130の一端に、コンデンサ161の他端は受電回路17にそれぞれ接続されている。また、コイル120の他端とコンデンサ130の他端が受電回路17に接続されている。受電側フィルタ回路16は、インバータ回路141から供給される交流の基本周波数におけるインピーダンスが、受電側パッド12のコイル120と受電側共振用回路13によって構成される共振回路のインピーダンスより小さくなるように設定されている。具体的には、共振周波数がインバータ回路141から供給される交流の基本周波数になるように、リアクトル160のインダクタンス及びコンデンサ161の容量が固定値で設定されている。
受電回路17は、受電側フィルタ回路16を介して受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12に接続されるとともに、車載バッテリB11に接続され、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から供給される交流を直流に変換し、車載バッテリB11に供給する回路である。受電回路17は、整流回路170(受電側交流/直流変換回路)と、受電側コンバータ回路171(受電側直流/直流変換回路)とを備えている。
整流回路170は、受電側フィルタ回路16を介して受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12に接続されるとともに、受電側コンバータ回路171に接続され、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から供給される交流を整流して直流に変換し、受電側コンバータ回路171に供給する回路である。整流回路170は、ダイオード170a〜170dを備えている。
ダイオード170a〜170dは、交流を整流するための素子である。ダイオード170a、170b及びダイオード170c、170dは、それぞれ直列接続されている。具体的には、ダイオード170a、170cのアノードが、ダイオード170b、170dのカソードにそれぞれ接続されている。直列接続された2組のダイオード170a、170b及びダイオード170c、170dは、並列接続されている。ダイオード170a、170bの接続点はコンデンサ130の接続されたコイル120の他端に、ダイオード170c、170dの接続点はコンデンサ161の他端にそれぞれ接続されている。また、ダイオード170a、170cのカソードとダイオード170b、170dのアノードは、受電側コンバータ回路171にそれぞれ接続されている。
受電側コンバータ回路171は、整流回路170及び車載バッテリB11に接続され、整流回路170から供給される直流を電圧の異なる直流に変換して車載バッテリB11に供給する回路である。具体的には、整流回路170から供給される直流を昇圧して車載バッテリB11に供給する周知の昇圧コンバータ回路である。受電側コンバータ回路171は、コンデンサ171aと、リアクトル171bと、IGBT171cと、ダイオード171dと、コンデンサ171eとを備えている。
コンデンサ171aは、整流回路170から供給される直流を平滑化するための素子である。コンデンサ171aの一端はダイオード170a、170cのカソードに、他端はダイオード170b、170dのアノードにそれぞれ接続されている。
リアクトル171bは、電流が流れることでエネルギーを蓄積、放出するとともに電圧を誘起する素子である。リアクトル171bの一端はコンデンサ171aの一端に、他端はIGBT171cにそれぞれ接続されている。
IGBT171cは、オン、オフすることでリアクトル171bにエネルギーを蓄積、放出させるための素子である。IGBT171cは、コレクタとエミッタの間に逆並列接続されるフリーホイールダイオードを備えている。IGBT171cのコレクタはリアクトル171bの他端に、エミッタはコンデンサ171aの他端にそれぞれ接続されている。また、ゲートは、制御回路18に接続されている。
ダイオード171dは、IGBT171cがオフし、リアクトル171bに蓄積されたエネルギーが放出されるときに発生する電流を流すための素子である。ダイオード171dのアノードはリアクトル171bの他端に、カソードはコンデンサ171eにそれぞれ接続されている。
コンデンサ171eは、昇圧した直流を平滑化するための素子である。コンデンサ171eの一端はダイオード171dのカソードに、他端はコンデンサ171aの他端にそれぞれ接続されている。また、コンデンサ171eの一端及び他端は、車載バッテリB11の正極端及び負極端にそれぞれ接続されている。
制御回路18は、送電回路14及び受電回路17にそれぞれ接続され、外部バッテリB10から車載バッテリB11に送電するために、送電回路14及び受電回路17を制御する回路である。具体的には、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流の力率、及び、受電回路17から車載バッテリB11に供給される直流電力がそれぞれ目標値となるように、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧、及び、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から受電回路17に供給される交流電圧を制御する回路である。制御回路18は、送電側電流センサ180と、送電側制御回路181と、受電側電流センサ182と、受電側制御回路183とを備えている。
送電側電流センサ180は、インバータ回路141から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電流を検出し、検出結果を出力する素子である。送電側電流センサ180は、インバータ回路141と送電側フィルタ回路15を接続する配線に、配線をクランプするように設けられている。送電側電流センサ180の出力端は、送電側制御回路181に接続されている。
送電側制御回路181は、送電回路14及び送電側電流センサ180に接続され、受電側制御回路183との間で制御に必要な情報を送受信することなく、送電回路14を制御する回路である。送電側制御回路181は、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流の力率が目標値となるように、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧を制御する。具体的には、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電流の位相が目標値となるように、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧を制御する。送電側制御回路181は、所定タイミングにおける交流電流の瞬時値に基づいて交流電流の位相を求める。具体的には、所定タイミングにおける交流電流の波高値と瞬時値の比に基づいて交流電流の位相を求める。ここで、所定タイミングは、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧の極性が切替わるタイミングである。
そして、送電側制御回路181は、IGBT140bのスイッチングを制御することで、インバータ回路141に供給される直流電圧を制御するとともに、180度矩形波通電となるようにIGBT141a〜141dのスイッチングを制御ことで、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧を制御する。つまり、インバータ回路141を制御することで、インバータ回路141から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧を制御するのではなく、インバータ回路141に供給される直流電圧を制御することで、インバータ回路141から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧を制御する。送電側制御回路181は、IGBT140b、141a〜141dのゲート、及び、送電側電流センサ180の出力端にそれぞれ接続されている。
図2に示すように、送電側制御回路181は、波高値検出回路181aと、スイッチ181b、181cと、位相検出回路181dと、電圧指令生成回路181eと、駆動回路181fとを備えている。
波高値検出回路181aは、送電側電流センサ180の検出結果に基づいて、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電流の波高値を検出する回路である。具体的には、オペアンプ、ダイオード、コンデンサ及び抵抗によって構成される周知の包絡線検波回路である。波高値検出回路181aの入力端は送電側電流センサ180の出力端に、出力端はスイッチ181bにそれぞれ接続されている。
スイッチ181b、181cは、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧の極性が切替わるタイミングにおいて、波高値検出回路181aの検出した送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電流の波高値、及び、送電側電流センサ180の検出した送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電流の瞬時値を位相検出回路181dに入力するための素子である。具体的には、交流電圧の極性が切替わるタイミングに同期して駆動回路181fから出力される信号によってオンし、波高値検出回路181a及び送電側電流センサ180を位相検出回路181dに接続する。より具体的には、ADコンバータのサンプルホールド回路である。スイッチ181bの一端は波高値検出回路181aの出力端に、他端は位相検出回路181dにそれぞれ接続されている。スイッチ181cの一端は送電側電流センサ180の出力端に、他端は位相検出回路181dにそれぞれ接続されている。スイッチ181b、181cの制御端は、駆動回路181fに接続されている。
位相検出回路181dは、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧の極性が切替わるタイミングにおける、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電流の波高値と瞬時値の比に基づいて、交流電流の位相を求めるための回路である。図3に示す、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧の極性が切替わるタイミングにおける、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電流の波高値と瞬時値の比は、図4に示すように、交流電流の大きさに関わらず、交流電流の位相と一定の関係を有している。位相検出回路181dは、予め設定されている交流電流の波高値と瞬時値に比と、交流電流の位相の関係に基づいて交流電流の位相を求める。位相検出回路181dの一方の入力端はスイッチ181bの他端に、他方の入力端はスイッチ181cの他端に、出力端は電圧指令生成回路181eにそれぞれ接続されている。
電圧指令生成回路181eは、位相検出回路181dによって検出された、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電流の位相と、位相指令によって指示された位相の偏差を求め、その偏差を比例積分演算して電圧指令を生成し出力する回路である。電圧指令生成回路181eの一方の入力端は位相検出回路181dの出力端に接続され、他方の入力端には位相指令が入力されている。出力端は駆動回路181fに接続されている。
駆動回路181fは、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧が電圧指令によって指示された電圧となるように、IGBT140b、141a〜141dのスイッチングを制御するとともに、交流電圧の極性が切替わるタイミングで、スイッチ181b、181cをオンするための信号を出力する回路である。具体的には、送電側コンバータ回路140からインバータ回路141に供給される直流電圧が電圧指令によって指示された電圧に対応した電圧となるようにIGBT140bのスイッチングを制御するとともに、180度矩形波通電となるように、IGBT141a〜141dのスイッチングを制御する。駆動回路181fの入力端は電圧指令生成回路183bの出力端に、出力端はIGBT140b、141a〜141dのゲート及びスイッチ181b、181cの制御端にそれぞれ接続されている。
受電側電流センサ182は、受電側コンバータ回路171から車載バッテリB11に供給される直流電流を検出し、検出結果を出力する素子である。受電側電流センサ182は、受電側コンバータ回路171と車載バッテリB11を接続する配線に、配線をクランプするように設けられている。受電側電流センサ182の出力端は、受電側制御回路183に接続されている。
受電側制御回路183は、受電回路17及び受電側電流センサ182に接続され、送電側制御回路181との間で制御に必要な情報を送受信することなく、受電回路17を制御する回路である。受電側制御回路183は、受電回路17から車載バッテリB11に供給される直流電力が目標値となるように、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から受電回路17に供給される交流電圧を制御する。具体的には、車載バッテリB11に供給される直流電流が目標値となるように、整流回路170から受電側コンバータ回路171に供給される直流電圧を制御する。より具体的には、IGBT171cのスイッチングを制御することで、受電側コンバータ回路171に供給される直流電圧を制御する。受電側制御回路183は、IGBT171cのゲート、コンデンサ171eの一端及び他端、及び、受電側電流センサ182の出力端にそれぞれ接続されている。
図5に示すように、受電側制御回路183は、電流指令生成回路183aと、電圧指令生成回路183bと、駆動回路183cとを備えている。
電流指令生成回路183aは、予め設定されている車載バッテリB11の充電時における、車載バッテリB11に供給される直流電圧と直流電流の関係と、検出した車載バッテリB11に供給される直流電圧に基づいて、車載バッテリB11に供給すべき直流電流を求め、電流指令として生成し出力する回路である。電流指令生成回路183aの一方及び他方の入力端はコンデンサ171eの一端及び他端に、出力端は電圧指令生成回路183bにそれぞれ接続されている。
電圧指令生成回路183bは、受電側電流センサ182によって検出された車載バッテリB11に供給される直流電流と、電流指令によって指示された直流電流の偏差を求め、その偏差を比例積分演算して、整流回路170から受電側コンバータ回路171に供給される直流電圧の電圧指令を生成し出力する回路である。電圧指令生成回路183bの一方の入力端は受電側電流センサ182の出力端に、他方の入力端は電流指令生成回路183aの出力端に、出力端は駆動回路183cにそれぞれ接続されている。
駆動回路183cは、受電側コンバータ回路171から車載バッテリB11に供給される直流電圧が電圧指令によって指示された電圧となるように、IGBT171cのスイッチングを制御する回路である。駆動回路183cの入力端は電圧指令生成回路183bの出力端に、出力端はIGBT171cのゲートにそれぞれ接続されている。
次に、図1を参照して非接触給電装置の動作について説明する。なお、送電側コンバータ回路140、インバータ回路141及び受電側コンバータ回路171は周知の回路であるため、IGBTの詳細な動作については説明を省略する。
駐車スペースに車両を駐車すると、図1に示す送電側パッド10のコイル100と受電側パッド12のコイル120が上下方向、前後方向及び左右方向の所定の範囲内で対向する。この状態で充電開始ボタン(図略)が押され、充電の開始が指示されると、非接触給電装置1は動作を開始する。
送電側コンバータ回路140は、送電側制御回路181によって制御され、IGBT140bをスイッチングすることで外部バッテリB10から供給される直流を降圧してインバータ回路141に供給する。インバータ回路141は、送電側制御回路181によって制御され、IGBT141a〜141dを所定のタイミングでスイッチングすることで送電側コンバータ回路140から供給される直流を所定周波数、例えば数十kHzの交流に変換し、送電側フィルタ回路15を介して送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給する。送電側フィルタ回路15は、インバータ回路141から供給される交流に含まれる所定の周波数成分を除去する。具体的には、インバータ回路141から供給される矩形波状の交流電圧を正弦波状の交流電圧に変換して、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給する。送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10は、インバータ回路141から交流電力が供給されることで交番磁束を発生する。
受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12は、送電側パッド10の発生した交番磁束と鎖交することで電磁誘導によって交流を発生する。受電側フィルタ回路16は、整流回路170に供給される交流に含まれる所定の周波数成分を除去する。具体的には、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から供給される正弦波状の交流電圧を矩形波状の交流電圧に変換して整流回路170に供給する。整流回路170は、受電側フィルタ回路16を介して受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から供給される交流を整流して直流に変換し、受電側コンバータ回路171に供給する。受電側コンバータ回路171は、受電側制御回路183によって制御され、IGBT171cをスイッチングすることで整流回路170から供給される直流を昇圧して車載バッテリB11に供給し、車載バッテリB11を充電する。このようにして、外部バッテリB10から車載バッテリB11に非接触で送電することができる。
ところで、送電側コンバータ回路140の出力電圧及び受電側コンバータ回路171の入力電圧、車載バッテリB11に供給される直流電圧及び直流電流、インバータ回路141から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流の力率の間には、図6に示すような関係がある。送電側コンバータ回路140の出力電圧及び受電側コンバータ回路171の入力電圧を制御することで、車載バッテリB11に供給される直流電圧及び直流電流、つまり、車載バッテリB11に供給される直流電力を制御することができる。しかも、送電側コンバータ回路140出力電圧及び受電側コンバータ回路171の入力電圧の組み合わせを変えることで、車載バッテリB11に供給される直流電圧及び直流電流を所定値に保ったまま、力率を制御することができる。遅れ力率の場合には、送電側コンバータ回路140の出力電圧を下げることで、力率を1にすることができる。また、進み力率の場合には、送電側コンバータ回路140の出力電圧を上げることで、力率を1にすることができる。その際、受電側コンバータ回路171の入力電圧を調整し、送電側コンバータ回路140の出力電圧と受電側コンバータ回路171の入力電圧の組み合わせを変えることで、車載バッテリB11に供給される直流電圧及び直流電流を所定値に保つことができる。つまり、送電側コンバータ回路140の出力電圧を制御することで、力率を制御することができる。また、受電側コンバータ回路171の入力電圧を制御することで、車載バッテリB11に供給される直流電力を制御することができる。
送電側制御回路181は、インバータ回路141から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流の力率が目標値となるように、インバータ回路141から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧を制御する。具体的には、インバータ回路141から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧の極性が切替わるタイミングにおける、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電流の位相が目標値である0度となるように、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧を制御する。
図2に示す波高値検出回路181aは、送電側電流センサ180の検出結果に基づいて、送電側共振用回路11の接続された送電側パッドに供給される交流電流の波高値を検出する。駆動回路181fは、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧の極性が切替わるタイミングで、スイッチ181b、181cをオンするための信号を出力する。スイッチ181b、181cは、交流電圧の極性が切替わるタイミングに同期して駆動回路181fから出力される信号によってオンし、波高値検出回路181a及び送電側電流センサ180を位相検出回路181dに接続する。位相検出回路181dは、スイッチ181b、181cを介して入力される、交流電圧の極性が切替わるタイミングにおける交流電流の波高値と瞬時値の比に基づいて交流電流の位相を求める。なお、位相検出回路181dは、内部にフィルタ回路を有しており、交流電流の波形を正弦波状にすることができる。そのため、波高値検出回路181aの検出結果に基づいて、位相を正確に検出することができる。
電圧指令生成回路181eは、位相検出回路181dによって検出された交流電流の位相と、位相指令によって指示された位相の偏差を求め、その偏差を比例積分演算して電圧指令を生成し出力する。駆動回路181fは、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧が電圧指令によって指示された電圧となるように、IGBT140b、141a〜141dのスイッチングを制御する。具体的には、送電側コンバータ回路140からインバータ回路141に供給される直流電圧が電圧指令によって指示された電圧に対応した電圧となるようにIGBT140bのスイッチングを制御するとともに、180度矩形波通電となるように、IGBT141a〜141dのスイッチングを制御する。これにより、交流電圧の極性が切替わるタイミングにおける交流電流の位相が目標値である0度となるように、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧を制御することができる。
一方、受電側制御回路183は、受電側コンバータ回路171から車載バッテリB11に供給される直流電力が目標値となるように、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から整流回路170に供給される交流電圧を制御する。具体的には、車載バッテリB11に供給される直流電流が目標値となるように、整流回路170から受電側コンバータ回路171に供給される直流電圧を制御する。
図5に示す電流指令生成回路183aは、予め設定されている車載バッテリB11の充電時における、車載バッテリB11に供給される直流電圧と直流電流の関係と、検出した車載バッテリB11に供給される直流電圧に基づいて、車載バッテリB11に供給すべき直流電流を求め、電流指令として生成し出力する。電圧指令生成回路183bは、受電側電流センサ182によって検出された直流電流と、電流指令によって指示された直流電流の偏差を求め、その偏差を比例積分演算して電圧指令を生成し出力する。駆動回路183cは、整流回路170から受電側コンバータ回路171に供給される直流電圧が電圧指令によって指示された電圧となるように、IGBT171cのスイッチングを制御する。これにより、車載バッテリB11に供給される直流電流が目標値となるように、整流回路170から受電側コンバータ回路171に供給される直流電圧を制御することができる。
送電側パッド10と受電側パッド12が基準となる所定の位置関係にあり、結合係数が例えば0.13のとき、図7及び図8に示すように、送電側コンバータ回路140からインバータ回路141に供給される直流電圧を130Vに、整流回路170から受電側コンバータ回路171に供給される直流電圧を130Vに制御することで、インバータ回路141から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧、及び、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から整流回路170に供給される交流電圧を制御し、力率をほぼ1に、受電側コンバータ回路171から車載バッテリB11に供給される直流電力を1kWに制御することができる。
送電側パッド10と受電側パッド12の位置関係が変わり、結合係数が0.13から例えば0.25に変化すると、図9及び図10に示すように、送電側コンバータ回路140からインバータ回路141に供給される直流電圧を90Vに、整流回路170から受電側コンバータ回路171に供給される直流電圧を90Vに制御することで、インバータ回路141から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧、及び、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から整流回路170に供給される交流電圧を制御し、力率をほぼ1に、受電側コンバータ回路171から車載バッテリB11に供給される直流電力を1kWに制御することができる。結合係数が0.13から0.25に変化しても、送電側コンバータ回路140からインバータ回路141に供給される直流電圧と整流回路170から受電側コンバータ回路171に供給される直流電圧を制御することで、力率を低下させることなく目標とする1kWの直流電力を車載バッテリB11に供給することができる。
非接触給電装置1は、送電側パッド10と受電側パッド12の結合係数が0.13から0.25に変化しても力率をほぼ1に保てるため、図11に示すように、車載バッテリB11に供給する直流電力がどのような値であっても、インバータ回路141から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電流の増加を抑えることができる。その結果、送電側制御回路181と受電側制御回路183の間で、制御に必要な情報を無線通信によって送受信することなく、図12に示すように、車載バッテリB11に供給する直流電力がどのような値であっても、非接触給電装置1の送電効率の低下を抑えることができる。なお、結合係数が0.13の場合に比べ、結合係数が0.25の場合の方が、送電効率が低下しているが、これは、図7〜図10に示すように、電流の増加と、それに伴う回路各部の損失の増加によるものであり、力率の悪化によるものではない。
次に、効果について説明する。
第1実施形態によれば、送電側制御回路181は、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流の力率が目標値となるように、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧を制御する。受電側制御回路183は、受電回路17から車載バッテリB11に供給される直流電力が目標値となるように、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から受電回路17に供給される交流電圧を制御する。これにより、前述したように、送電側制御回路181と受電側制御回路183の間で、制御に必要な情報を無線通信によって送受信することなく、送電側パッド10と受電側パッド12の結合係数が変化しても、力率の変化を抑え、外部バッテリB10から車載バッテリB11に所定の電力を送電することができる。
第1実施形態によれば、受電回路17は、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から供給される交流を直流に変換して出力する整流回路170と、整流回路170から供給される直流を電圧の異なる直流に変換して車載バッテリB11に供給する受電側コンバータ171を備えている。そして、受電側制御回路183は、受電回路17から車載バッテリB11に供給される直流電力が目標値となるように、整流回路170から受電側コンバータ回路171に供給される直流電圧を制御する。そのため、車載バッテリB11に供給される直流電力が目標値となるように、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から受電回路17に供給される交流電圧を確実に制御することができる。
第1実施形態によれば、送電側制御回路181は、送電回路14を制御することで、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧を制御する。受電側制御回路183は、受電側コンバータ回路171を制御することで、整流回路170から受電側コンバータ回路171に供給される直流電圧を制御する。そのため、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧、及び、整流回路170から受電側コンバータ回路171に供給される直流電圧を確実に制御することができる。
第1実施形態によれば、送電側制御回路181は、送電側コンバータ回路140を制御することで、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧を制御する。そのため、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧を確実に制御することができる。
送電側制御回路181が、インバータ回路141をパルス幅変調方式で制御した場合、図13に示すように、電流が流れている状態で電圧が切替わる。つまり、電流が流れている状態でIGBT141a〜141dがスイッチングする。そのため、IGBT141a〜141dのスイッチング損失が増加してしまう。しかし、第1実施形態によれば、送電側制御回路181は、インバータ回路141を180度矩形波通電で制御する。そのため、図7及び図8に示すように、電流が充分に低くほぼ0に近い状態で電圧が切替わる。つまり、電流が充分に低くほぼ0に近い状態でIGBT141a〜141dがスイッチングする。そのため、IGBT141a〜141dのスイッチング損失を抑えることができる。従って、非接触給電装置1の送電効率を向上させることができる。
第1実施形態によれば、送電側制御回路181は、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される所定タイミングにおける交流電流の位相が目標値となるように、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧を制御する。そのため、送電側共振用回路の接続された送電側パッドに供給される交流の力率が目標値となるように、送電側共振用回路の接続された送電側パッドに供給される交流電圧を確実に制御することができる。
第1実施形態によれば、送電側制御回路181は、所定タイミングにおける交流電流の瞬時値に基づいて交流電流の位相を求める。交流電流は、位相が変化すると、所定タイミングにおける瞬時値が変化する。そのため、交流の位相を求めることができる。
第1実施形態によれば、送電側制御回路181は、所定タイミングにおける交流電流の波高値と交流電流の瞬時値の比に基づいて交流電流の位相を求める。交流電流は、位相が変化すると、所定タイミングにおける波高値と瞬時値に比が変化する。そのため、交流電流の位相を求めることができる。
第1実施形態によれば、所定タイミングは、送電回路14から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧の極性が切替わるタイミングである。そのため、交流電圧の極性が切替わるタイミングにおける交流電流の位相を求めることができる。つまり、交流の力率を求めることができる。
第1実施形態によれば、送電側共振用回路11及び受電側共振用回路13は、コイル100、120に並列接続された固定容量のコンデンサ110、130である。そのため、コイル100、120とともに、確実に共振回路を構成することができる。また、コンデンサに可変容量機構を設けて力率を制御する場合に比べ、素子の信頼性を向上させ、より確実に共振回路を構成することができる。
第1実施形態によれば、非接触給電装置1は、送電側フィルタ回路15と、受電側フィルタ回路16とを備えている。送電側フィルタ回路15は、送電回路14の供給する交流の基本周波数におけるインピーダンスが、コイル100と送電側共振用回路11よって構成される共振回路のインピーダンスより小さくなるように設定されている。受電側フィルタ回路16は、送電回路14の供給する交流の基本周波数におけるインピーダンスが、コイル120と受電側共振用回路13によって構成される共振回路のインピーダンスより小さくなるように設定されている。そのため、送電側フィルタ回路15及び受電側フィルタ回路16の損失を抑えることができる。従って、非接触給電装置1の送電効率を向上させることができる。また、送電側フィルタ回路15及び受電側フィルタ回路16のインピーダンスによる悪影響を抑え、インバータ回路141から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電圧、及び、受電側共振用回路13の接続された受電側パッド12から受電回路17に供給される交流電圧をより確実に制御することができる。
第1実施形態によれば、送電側フィルタ回路15及び受電側フィルタ回路16は、直列接続された固定インダクタンスのリアクトル150,160及び固定容量のコンデンサ151、161からなり、共振周波数が送電回路14の供給する交流の基本周波数に設定されている。そのため、送電側フィルタ回路15及び受電側フィルタ回路16の損失を確実に抑えることができる。従って、非接触給電装置1の送電効率を確実に向上させることができる。また、インダクタンスやコンデンサにインダクタンスや容量の可変機構を設けて力率を制御する場合と比べ、素子の信頼性を向上させ、より確実にフィルタ回路を構成することができる。さらに、共振周波数近傍以外の周波数でインピーダンスが増加することで、高調波成分などの不要な周波数成分を低減でき、非接触給電装置1が使用する周波数帯域を最小限に抑えることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の非接触給電装置について説明する。第2実施形態の非接触給電装置は、第1実施形態の非接触給電装置が外部バッテリから車載バッテリに送電するのに対し、送電回路及び受電回路の構成、並びに、制御回路の制御を一部変更して、車載バッテリから外部バッテリにも送電できるようにしたものである。
まず、図14を参照するとともに、図2及び図5も参照して、第2実施形態の非接触給電装置の構成について説明する。
図14に示す非接触給電装置2は、第1実施形態の非接触給電装置1と同様に、外部バッテリB20(直流電源)から車載バッテリB21(給電対象)に非接触で送電し、車載バッテリB21を充電する装置である。また、車載バッテリB21から外部バッテリB20に非接触で送電し、外部バッテリB20を充電することができる装置でもある。非接触給電装置2は、送電側パッド20と、送電側共振用回路21と、受電側パッド22と、受電側共振用回路23と、送電回路24と、送電側フィルタ回路25と、受電側フィルタ回路26と、受電回路27と、制御回路28とを備えている。
送電側パッド20は、コイル200を備えている。送電側共振用回路21は、コンデンサ210である。受電側パッド22は、コイル220を備えている。受電側共振用回路23は、コンデンサ230である。送電側パッド20、送電側共振用回路21、受電側パッド22及び受電側共振用回路23は、第1実施形態の送電側パッド10、送電側共振用回路11、受電側パッド12及び受電側共振用回路13と同一構成である。
送電回路24は、外部バッテリB20から供給される直流を交流に変換し、送電側共振用回路21の接続された送電側パッド20に供給する回路である。また、送電側共振用回路21の接続された送電側パッド20から供給される交流を直流に変換し、外部バッテリB20に供給することができる回路でもある。送電回路24は、送電側コンバータ回路240(送電側直流/直流変換回路)と、インバータ回路241(送電側直流/交流変換回路)とを備えている。
送電側コンバータ回路240は、外部バッテリB20から供給される直流を異なる直流に変換し、インバータ回路241に供給する回路である。具体的には、外部バッテリB20から供給される直流を降圧してインバータ回路241に供給する回路である。また、インバータ回路241から供給される直流を異なる直流に変換し、外部バッテリB20に供給することができる回路でもある。具体的には、インバータ回路241から供給される直流を昇圧して外部バッテリB20に供給することができる回路でもある。周知の双方向昇降圧コンバータ回路である。送電側コンバータ回路240は、コンデンサ240aと、IGBT240bと、リアクトル240cと、コンデンサ240dと、IGBT240eとを備えている。第1実施形態の送電側コンバータ回路140のダイオード140eを、コレクタとエミッタの間に逆並列接続されるフリーホイールダイオードを有するIGBT240eに置き換えたものである。
インバータ回路241は、送電側コンバータ回路240から供給される直流を所定周波数の交流に変換し、送電側共振用回路21の接続された送電側パッド20に供給する回路である。また、送電側共振用回路21の接続された送電側パッド20から供給される交流を整流して直流に変換し、送電側コンバータ回路240に供給することができる回路でもある。インバータ回路241は、IGBT241a〜241dを備えており、第1実施形態のインバータ回路141と同一構成である。インバータ回路241は、フリーホイールダイオードによって、送電側共振用回路21の接続された送電側パッド20から供給される交流を整流して直流に変換し、送電側コンバータ回路240に供給することができる。
送電側フィルタ回路25は、リアクトル250と、コンデンサ251とを備えている。受電側フィルタ回路26は、リアクトル260と、コンデンサ261とを備えている。送電側フィルタ回路25及び受電側フィルタ回路26は、第1実施形態の送電側フィルタ回路15及び受電側フィルタ回路16と同一構成である。
受電回路27は、受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22から供給される交流を直流に変換し、車載バッテリB21に供給する回路である。また、車載バッテリB21から供給される直流を交流に変換し、受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22に供給することができる回路でもある。受電回路27は、整流回路270(受電側交流/直流変換回路)と、受電側コンバータ回路271(受電側直流/直流変換回路)とを備えている。
整流回路270は、受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22から供給される交流を整流して直流に変換し、受電側コンバータ回路271に供給する回路である。また、受電側コンバータ回路271から供給される直流を交流に変換し、受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22に供給することができる回路でもある。整流回路270は、第1実施形態の整流回路170のダイオード170a〜170dを、コレクタとエミッタの間に逆並列接続されるフリーホイールダイオードを有するIGBT270a〜270dに置き換えたものである。
受電側コンバータ回路271は、整流回路270から供給される直流を電圧の異なる直流に変換して車載バッテリB21に供給する回路である。具体的には、整流回路270から供給される直流を昇圧して車載バッテリB21に供給する回路である。また、車載バッテリB21から供給される直流を電圧の異なる直流に変換して整流回路270に供給することができる回路でもある。具体的には、車載バッテリB21から供給される直流を降圧して整流回路270に供給することができる回路でもある。周知の双方向昇降圧コンバータ回路である。受電側コンバータ回路271は、コンデンサ271aと、リアクトル271bと、IGBT271c、271dと、コンデンサ271eとを備えている。第1実施形態の受電側コンバータ回路171のダイオード171dを、コレクタとエミッタの間に逆並列接続されるフリーホイールダイオードを有するIGBT271dに置き換えたものである。
制御回路28は、第1実施形態の制御回路18と同様に、外部バッテリB20から車載バッテリB21に送電するために、送電回路24及び受電回路27を制御する回路である。また、第1実施形態の制御回路18とは異なり、車載バッテリB21から外部バッテリB20に送電するために、送電回路24及び受電回路27を制御する回路でもある。具体的には、受電回路27から受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22に供給される交流の力率、及び、送電回路24から外部バッテリB20に供給される直流電力がそれぞれ目標値となるように、受電回路27から受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22に供給される交流電圧、及び、インバータ回路241から送電側コンバータ回路240に供給される直流電圧を制御する回路である。制御回路28は、送電側電流センサ280、284と、送電側制御回路281と、受電側電流センサ282、285と、受電側制御回路283を備えている。
送電側電流センサ280は、第1実施形態の送電側電流センサ180と同一構成である。
送電側電流センサ284は、送電側コンバータ回路240から外部バッテリB20に供給される直流電流を検出し、検出結果を出力する素子である。送電側電流センサ284は、送電側コンバータ回路240と外部バッテリB20を接続する配線に、配線をクランプするように設けられている。送電側電流センサ284の出力端は、送電側制御回路281に接続されている。
送電側制御回路281は、送電回路24及び送電側電流センサ280、284に接続され、受電側制御回路183との間で制御に必要な情報を無線通信によって送受信することなく、送電側コンバータ回路240及びインバータ回路241を制御する回路である。送電側制御回路281は、図2に示す第1実施形態の送電側制御回路181と同様の構成を有し、インバータ回路241から送電側共振用回路21の接続された送電側パッド20に供給される交流の力率が目標値となるように、インバータ回路241から送電側共振用回路21の接続された送電側パッド20に供給される交流電圧を制御する。具体的には、インバータ回路241から送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10に供給される交流電流の位相が目標値となるように、IGBT240eをオフし、IGBT240bのスイッチングを制御することで、インバータ回路241に供給される直流電圧を制御するとともに、180度矩形波通電となるようにIGBT241a〜241dのスイッチングを制御する。
また、送電側制御回路281は、図5に示す第1実施形態の受電側制御回路183と同様の構成をも有しており、車載バッテリB21から外部バッテリB20に送電するために、送電側コンバータ回路240から外部バッテリB20に供給される直流電力が目標値となるように、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10から送電回路14に供給される交流電圧を制御する。具体的には、外部バッテリB20に供給される直流電力が目標値となるように、インバータ回路241から送電側コンバータ回路240に供給される直流電圧を制御することで、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10から送電回路14に供給される交流電圧を制御する。より具体的には、IGBT240bをオフし、IGBT240eのスイッチングを制御することで、送電側コンバータ回路240に供給される直流電圧を制御する。送電側制御回路281は、IGBT240b、240e、241a〜241dのゲートにそれぞれ接続されている。また、コンデンサ240aの一端及び他端にそれぞれ接続されている。さらに、送電側電流センサ280、284の出力端にそれぞれ接続されている。
受電側電流センサ282は、第1実施形態の受電側電流センサ182と同一構成である。
受電側電流センサ285は、整流回路270から受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22に供給される交流電流を検出し、検出結果を出力する素子である。受電側電流センサ285は、整流回路270と受電側フィルタ回路26を接続する配線に、配線をクランプするように設けられている。受電側電流センサ285の出力端は、受電側制御回路283に接続されている。
受電側制御回路283は、受電回路27及び受電側電流センサ282、285に接続され、送電側制御回路281との間で制御に必要な情報を無線通信によって送受信することなく、受電回路27を制御する回路である。受電側制御回路283は、図5に示す第1実施形態の受電側制御回路183と同様の構成を有し、受電側コンバータ回路271から車載バッテリB21に供給される直流電力が目標値となるように、受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22から受電回路27に供給される交流電圧を制御する。具体的には、受電側コンバータ回路271から車載バッテリB21に供給される直流電力が目標値となるように、整流回路270から受電側コンバータ回路271に供給される直流電圧を制御することで、受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22から受電回路27に供給される交流電圧を制御する。具体的には、IGBT271dをオフし、IGBT271cのスイッチングを制御することで、受電側コンバータ回路271に供給される直流電圧を制御する。
また、受電側制御回路283は、図2に示す第1実施形態の送電側制御回路181と同様の構成をも有しており、車載バッテリB21から外部バッテリB20に送電するために、整流回路270から受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22に供給される交流の力率が目標値となるように、整流回路270から受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22に供給される交流電圧を制御する。具体的には、整流回路270から受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22に供給される交流電流の位相が目標値となるように、IGBT271cをオフし、IGBT271dのスイッチングを制御することで、整流回路270に供給される直流電圧を制御するとともに、180度矩形波通電となるようにIGBT270a〜270dのスイッチングを制御する。受電側制御回路283は、IGBT270a〜270d、271c、271dのゲートに接続されている。また、コンデンサ271eの一端及び他端にそれぞれ接続されている。さらに、受電側電流センサ282、285の出力端にそれぞれ接続されている。
次に、図14を参照して非接触給電装置の動作について説明する。外部バッテリB20から車載バッテリB21に送電する動作については、第1実施形態の非接触給電装置1と同一であるため説明を省略する。車載バッテリB21から外部バッテリB20に送電する動作について説明する。
受電側制御回路283は、整流回路270から受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22に供給される交流の力率が目標値となるように、整流回路270から受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22に供給される交流電圧を制御する。具体的には、受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22に供給される交流電流の位相が目標値となるように、IGBT271cをオフし、IGBT271dのスイッチングを制御することで、整流回路270に供給される直流電圧を制御するとともに、180度矩形波通電となるようにIGBT270a〜270dのスイッチングを制御する。
一方、送電側制御回路281は、送電側コンバータ回路240から外部バッテリB20に供給される直流電力が目標値となるように、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10から送電回路14に供給される交流電圧を制御する。具体的には、インバータ回路241から送電側コンバータ回路240に供給される直流電圧を制御することで、送電側共振用回路11の接続された送電側パッド10から送電回路14に供給される交流電圧を制御する。より具体的には、送電側コンバータ回路240から外部バッテリB10に供給される直流電流が目標値となるように、IGBT240bをオフし、IGBT240eのスイッチングを制御することで、送電側コンバータ回路240に供給される直流電圧を制御する。これにより、送電側制御回路181と受電側制御回路183の間で、制御に必要な情報を無線通信によって送受信することなく、送電側パッド20と受電側パッド22の結合係数が変化しても、力率の変化を抑え、車載バッテリB21から外部バッテリB20にも所定の電力を送電することができる。
次に、効果について説明する。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同一な構成を有することとにより、その同一構成に対応した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第2実施形態によれば、受電側コンバータ回路271は、車載バッテリB21から供給される直流を降圧して整流回路270に供給することができる。整流回路270は、受電側コンバータ回路271から供給される直流を交流に変換し、受電側共振用回路23の接続された受電側パッド22に供給することができる。インバータ回路241は、送電側共振用回路21の接続された送電側パッド20から供給される交流を整流して直流に変換し、送電側コンバータ回路240に供給することができる。送電側コンバータ回路240は、インバータ回路241から供給される直流を昇圧して外部バッテリB20に供給することができる。そのため、車載バッテリB21から外部バッテリB20に非接触で送電し、外部バッテリB20を充電することができる。従って、送電側制御回路281と受電側制御回路283の間で、制御に必要な情報を無線通信によって送受信することなく、送電側パッド20と受電側パッド22の結合係数が変化しても、力率の変化を抑え、車載バッテリB21から外部バッテリB20に所定の電力を送電することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の非接触給電装置について説明する。第3実施形態の非接触給電装置は、第1実施形態の非接触給電装置に対して、送電側フィルタ回路及び受電側フィルタ回路の構成を一部変更するとともに、送電側フィルタ回路と送電側共振用回路の接続された送電側パッドの間、及び、受電側フィルタ回路と受電側共振用回路の接続された受電側パッドの間に、それぞれ絶縁トランスを設けるようにしたものである。
まず、図15を参照して、第3実施形態の非接触給電装置の構成について説明する。
図15に示す非接触給電装置3は、外部バッテリB30(直流電源)から車載バッテリB31(給電対象)に非接触で送電し、車載バッテリB31を充電する装置である。非接触給電装置3は、送電側パッド30と、送電側共振用回路31と、受電側パッド32と、受電側共振用回路33と、送電回路34と、送電側フィルタ回路35と、受電側フィルタ回路36と、受電回路37と、制御回路38と、絶縁トランス39とを備えている。
送電側パッド30は、コイル300を備えている。送電側共振用回路31は、コンデンサ310である。受電側パッド32は、コイル320を備えている。受電側共振用回路33は、コンデンサ330である。送電側パッド30、送電側共振用回路31、受電側パッド32及び受電側共振用回路33は、第1実施形態の送電側パッド10、送電側共振用回路11、受電側パッド12及び受電側共振用回路13と同一構成である。
送電回路34は、送電側コンバータ回路340(送電側直流/直流変換回路)と、インバータ回路341(送電側直流/交流変換回路)とを備えている。送電側コンバータ回路340は、コンデンサ340aと、IGBT340bと、リアクトル340cと、コンデンサ340dと、ダイオード340eと、を備えている。インバータ回路341は、IGBT341a〜341dを備えている。送電回路34は、第1実施形態の送電回路14と同一構成である。
送電側フィルタ回路35は、リアクトル350、352と、コンデンサ351、353とを備えている。
リアクトル350とコンデンサ351は、直列接続されている。具体的には、リアクトル350の一端が、コンデンサ351の一端に接続されている。リアクトル350の他端は絶縁トランス39に、コンデンサ351の他端はIGBT341a、341bの接続点にそれぞれ接続されている。
リアクトル352とコンデンサ353は、直列接続されている。具体的には、リアクトル352の一端が、コンデンサ353の一端に接続されている。リアクトル352の他端は絶縁トランス39に、コンデンサ353の他端はIGBT341c、341dの接続点にそれぞれ接続されている。
送電側フィルタ回路35は、送電回路34の供給する交流の基本周波数におけるインピーダンスが、送電側パッド30と送電側共振用回路31によって構成される共振回路のインピーダンスより小さくなるように設定されている。具体的には、共振周波数が送電回路34の供給する交流の基本周波数になるように、リアクトル350、352のインダクタンス及びコンデンサ351、353の容量が設定されている。しかも、リアクトル350、352のインダクタンス及びコンデンサ351、353の容量が、互いに等しくなるよう設定されている。
受電回路37は、整流回路370(受電側交流/直流変換回路)と、受電側コンバータ回路371(受電側直流/直流変換回路)とを備えている。整流回路370は、ダイオード370a〜370dを備えている。受電側コンバータ回路371は、コンデンサ371aと、リアクトル371bと、IGBT371cと、ダイオード371dと、コンデンサ371eとを備えている。制御回路38は、送電側電流センサ380と、送電側制御回路381と、受電側電流センサ382と、受電側制御回路383とを備えている。受電回路37及び制御回路38は、第1実施形態の受電回路17及び制御回路18と同一構成である。
絶縁トランス39は、送電側フィルタ回路35と、送電側共振用回路31の接続された送電側パッド30の間、及び、受電側共振用回路33の接続された受電側パッド32と受電側フィルタ回路36の間にそれぞれ接続され、送電側フィルタ回路35と、送電側共振用回路31の接続された送電側パッド30、及び、受電側共振用回路33の接続された受電側パッド32と受電側フィルタ回路36をそれぞれ電気的に絶縁するための機器である。絶縁トランス39は、送電側絶縁トランス390と、受電側絶縁トランス391とを備えている。
送電側絶縁トランス390は、送電側フィルタ回路35と、送電側共振用回路31の接続された送電側パッド30の間に接続され、送電側フィルタ回路35と、送電側共振用回路31の接続された送電側パッド30を電気的に絶縁するための機器である。送電側絶縁トランス390は、1次コイル390aと、2次コイル390bとを備えている。1次コイル390aの一端はリアクトル350の他端に、他端はリアクトル352の他端にそれぞれ接続されている。2次コイル390bの一端は配線用ケーブル392を介してコンデンサ310の接続されたコイル300の一端に、他端は配線用ケーブル392を介してコンデンサ310の接続されたコイル300の他端にそれぞれ接続されている。
受電側絶縁トランス391は、受電側共振用回路33の接続された受電側パッド32と受電側フィルタ回路36の間に接続され、受電側共振用回路33の接続された受電側パッド32と受電側フィルタ回路36を電気的に絶縁するための機器である。受電側絶縁トランス391は、1次コイル391aと、2次コイル391bとを備えている。1次コイル391aの一端は配線用ケーブル393を介してコンデンサ330の接続されたコイル320の一端に、他端は配線用ケーブル393を介してコンデンサ330の接続されたコイル320の他端にそれぞれ接続されている。2次コイル391bの一端及び他端は、受電側フィルタ回路36にそれぞれ接続されている。
受電側フィルタ回路36は、リアクトル360、362と、コンデンサ361、363とを備えている。
リアクトル360とコンデンサ361は、直列接続されている。具体的には、リアクトル360の一端が、コンデンサ361の一端に接続されている。リアクトル360の他端は2次コイル391bの一端に、コンデンサ361の他端はダイオード370c、370dの接続点にそれぞれ接続されている。
リアクトル362とコンデンサ363は、直列接続されている。具体的には、リアクトル362の一端が、コンデンサ363の一端に接続されている。リアクトル362の他端は2次コイル391bの他端に、コンデンサ363の他端はダイオード370a、370bの接続点にそれぞれ接続されている。
受電側フィルタ回路36は、送電回路34の供給する交流の基本周波数におけるインピーダンスが、受電側パッド32と受電側共振用回路33によって構成される共振回路のインピーダンスより小さくなるように設定されている。具体的には、共振周波数が送電回路34の供給する交流の基本周波数になるように、リアクトル360、362のインダクタンス及びコンデンサ361、363の容量が設定されている。しかも、リアクトル360、363のインダクタンス及びコンデンサ361、362の容量が、互いに等しくなるよう設定されている。
動作については、第1実施形態と同一であるため説明を省略する。
次に、効果について説明する。
第3実施形態によれば、第1実施形態と同一な構成を有することとにより、その同一構成に対応した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第3実施形態によれば、送電側フィルタ回路35は、インダクタンス及び容量が互いに等しい、2組の直列接続されたリアクトル及びコンデンサ、リアクトル350及びコンデンサ351、リアクトル352及びコンデンサ353によって構成されている。一方の直列接続されたリアクトル及びコンデンサであるリアクトル350及びコンデンサ351は、送電回路34の一方の出力端と、送電側共振用回路31の接続された送電側パッド30の一端の間に接続されている。他方の直列接続されたリアクトル及びコンデンサであるリアクトル352及びコンデンサ353は、送電回路34の他方の出力端と、送電側共振用回路31の接続された送電側パッド30の他端の間に接続されている。
受電側フィルタ回路36は、インダクタンス及び容量が互いに等しい、2組の直列接続されたリアクトル及びコンデンサ、リアクトル360及びコンデンサ361、リアクトル362及びコンデンサ363によって構成されている。一方の直列接続されたリアクトル及びコンデンサであるリアクトル360及びコンデンサ361は、受電側共振用回路33の接続された受電側パッド32の一端と、受電回路37の一方の入力端の間に接続されている。他方の直列接続されたリアクトル及びコンデンサであるリアクトル362及びコンデンサ363は、受電側共振用回路33の接続された受電側パッド32の他端と、受電回路37の他方の入力端の間に接続されている。
そのため、インバータ回路341から送電側フィルタ回路35及び配線用ケーブル392を介してコイル300の一端及び他端に至る一対の経路、及び、コイル320の一端及び他端から配線用ケーブル393及び受電側フィルタ回路36を介して整流回路370に至る一対の経路のうち、いずれか一方の経路の対地容量が変化しても、もう一方の経路で所定の周波数成分を除去し、ノイズによる影響を抑えることができる。
第3実施形態によれば、送電側絶縁トランス390及び受電側絶縁トランス391を備えている。そのため、感電を防止し安全性を向上させることができる。
なお、第3実施形態では、第1実施形態の非接触給電装置1に対して、送電側フィルタ回路及び受電側フィルタ回路の構成を一部変更するとともに、絶縁トランスを設けた例を挙げているが、これに限られるものではない。非接触給電装置3における送電側フィルタ回路35及び受電側フィルタ回路36の回路構成、並びに、絶縁トランス39を用いた回路構成を、第2実施形態の非接触給電装置2に適用してもよい。
第3実施形態では、送電側フィルタ回路35及び受電側フィルタ回路36がそれぞれ2組のリアクトル350、352及びリアクトル360、362を備えている例を挙げているが、リアクトル350、352及びリアクトル360、362は、それぞれコアを共有して構成される結合リアクトルであってもよい。2組のリアクトルのインダクタンスをバランスさせ、ノイズ除去性能を向上させることができる。
また、第1〜第3実施形態では、送電側フィルタ回路及び受電側フィルタ回路が、リアクトルとコンデンサで構成されている例を挙げているが、リアクトルは、複数の素子を組み合わせて構成されたものあってもよい。リアクトルの電流容量や巻線耐圧の設計自由度を向上させることができ、確実にフィルタ回路を構成するとともに、損失を低減することができる。また、コンデンサは、複数の素子を組み合わせて構成されたものであってもよい。コンデンサの耐圧や電流容量の設計自由度を向上させることができ、確実にフィルタ回路を構成するとともに、損失を低減することができる。
第1〜第3実施形態では、送電側共振用回路及び受電側共振用回路が、コイルに並列接続されるコンデンサである例を挙げているが、これに限られるものではない。コイルに直列接続されるコンデンサであってもよい。また、コンデンサとリアクトルを組み合わせたものであってもよい。